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重機免許の種類と取得費用や日数について解説します!


重機とは重機械の略称で、主に建設現場や土木関係で使用される車両のことを指します。
ショベルローダーやブルドーザーなど、整地や工事現場で使用されるものから、アスファルトフィニシャーのように道路を作る作業など、さまざまな場面で使用されます。重機の種類はたくさんありますがそのなかでも、ダンプやトラックは誰もが知っている重機です。
しかし、あまり見かけないような特殊な重機も数多くあります。
そして、重機によって運転に必要な免許が違います。そこで今回は、重機免許の種類やそれぞれの取得費用、必要日数などをご紹介していきます。
建設現場などでスキルアップするための参考にしてみましょう。

筆者・太田さん

太田 りく著者のTwitterはこちら

整備士として現場で働いている現役整備士ライターです。
所有資格は整備士3級。

現役で働いているという強みを活かし、読みやすく読者の疑問を解決できるような記事になるよう心がけています。

重機とは?


重機とは、重工業で使用される機械や車両です。
重機以外に『建設機械』と呼ぼれることもあります。
建設現場はもちろんのこと、倉庫業や製造業でも活躍する幅広いニーズのある機械です。

重機を操縦する仕事は、専門性の高い仕事の一つでしょう。
操縦方法は機械それぞれ違うため、知識と操縦技術が必要になります。
現場作業は単調な作業も多いので、重機免許を持っていなければ、仕事の幅はなかなか広がりません。
また、免許を取得し、実際に機械を動かすことで機械のそばで働く際、危険な場所などの予測ができるようになるのではないでしょうか。

年収アップにもつながる重機免許取得。
時間と費用はかかりますが、ぜひ取得に向けチャレンジしてみましょう。

重機の種類は豊富にある

重機の種類は数え切れないほどあります。

・油圧ショベル・・・ユンボなどとも呼ばれており、バケットで泥を掻き出し、整地や掘削をおこなう重機
・ブルドーザー・・・車両の前面にブレードと呼ばれる排土板(分厚い鉄板)が取り付けられており、排土板を押す形で整地をおこなう重機
・杭打ち機・・・背の高い車両に杭をぶら下げ、上から押し込み杭を地中に埋める重機
・ダンプ・・・トラックと同じ形状だが、荷台が持ち上がり載せていた土砂を一気に落とすことができる重機
・トラック・・・平らな荷台を持ち、多くの荷物を一度に運ぶことができる重機
・高所作業車・・・クレーンの先端にカゴを取り付け、高い作業をおこなう場合に使用する重機
・クレーン・・・車両からブームと呼ばれる長い腕を伸ばし、先端にフックを取り付け重い荷物を持ち上げ移動できる重機
・フォークリフト・・・まっすぐに伸びた2本の爪がついており、パレットに挿し込み貨物を移動させる重機
・ショベルローダー・・・車両前面に大きなショベルを取り付け、泥をかき出したりトラックへの積み込みをおこなう重機
・アスファルトフィニッシャ・・・アスファルトをの合材を流し、アスファルトを舗装する重機
・パッカー車・・・ゴミを収集しながら圧縮していく重機
このようにひと口に重機といっても種類は多種多様です。

人気の高い重機から、見たことがないようなマイナーなものまであるため、一度も聞いたことがない名前の重機もあると思います。
重機の免許取得を目指しているなら、まずはどのような重機があり自分にはどの免許が必要なのかを洗い出してみましょう。

重機免許を取得できる最低年齢は18歳以上

重機免許の取得に関して、年齢制限のない免許は多くあります。
しかし、労働基準法で定める危険有害業務をおこなえる年齢は満18歳以上です。
そのため、重機免許取得も実質18歳以上の方が対象となります。

今現在、仕事として働いているのであれば取得条件が整っている人が多いでしょう。
ほとんどの重機免許は特別な資格や経験などなくても取得できる、おすすめの資格です。

重機の操縦に必要な免許や資格、取得日数、費用などまとめ


重機の操作に必要な資格や取得日数、費用は資格によって違います。
また重機の資格は助成金がもらえるものも多くあります。
助成金に関してはこちらの記事で詳しく書いているので参考にしてみてはどうでしょうか。

中型8トン限定解除で活躍範囲を広げよう!解除方法から運転できるトラックの種類までを詳しくご紹介!

今回は人気のある資格を11個をピックアップし詳しくご紹介します。
それぞれの資格に必要な日数や費用は以下のとおりです。
詳しい説明は下記の見出しからご覧ください。

資格の種類 日数 費用
クレーン 2~6日 4万~15万円
フォークリフト 2~5日 1万5000~5万5000円
不整地運搬車 2~5日 1万6000~11万円
車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用) 1~5日 2万~11万円
車両系建設機械(解体用) 1~5日 1万~11万円
車両系建設機械(基礎工事用) 2~7日 2万~13万円
高所作業車運転 2~3日 2万~6万円
玉掛け 2~3日 2万~4万円
ショベルローダー 2~5日 3万~11万円
大型特殊自動車 1~7万円 7000~13万円
ロードローラー 2日 2万円程度

【重機免許1】クレーン


クレーンは建設現場はもちろん、運送業や倉庫業でも活躍する応用幅の広い資格です。
使用頻度の高い資格なので、資格の種類も多くあります。トラッククレーンに関して詳しく書いている記事はこちらです。
トラッククレーン運転に必要な免許は何?ラフタークレーンとの違いやメーカーの違いについて解説

名称 講習時間 日数 料金
小型移動式クレーン運転技能講習 16~20時間 3日 4万~5万円
床上操作式クレーン運転技能講習 16~20時間 3日 4万~5万5000円
移動式クレーン運転実技教習 9時間(実技時間)
※教習所によって座学もあり(16時間)
6日 12万~15万円
クレーン運転特別教育 8~13時間 2日 2万~3万円

小型移動式クレーン運転技能講習

小型移動式クレーン運転技能講習の試験に合格すると、つり上げ荷重5トン未満の小型移動式クレーンを操作できます。

移動式クレーンとはトラックの荷台などのように、クレーン自体が固定されていないタイプを指します。
5トン未満が条件となるので小型という名称が頭についていると覚えておきましょう。

小型移動式クレーン運転技能講習の講習内容は学科13時間、実技7時間です。
玉掛け技能講習終了者やクレーン・デリック運転士免許を持っていれば、一部の教習が免除されるなどの条件もあります。
さまざまな条件の方が免除対象なので、技能講習を受ける前に自分は免除対象に含まれるのかを確認しておきましょう。

床上操作式クレーン運転技能講習

床上操作式クレーン運転技能講習に合格すると、つり上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーンを操作できます。
床上クレーンとは、操作者が床の上で操作するタイプのクレーンのことを指し、天井に固定されているクレーンが対象となります。

床上操作式クレーン運転技能講習の講習内容は学科13時間、実技7時間です。
こちらも免除対象があり
・移動式クレーン・デリック
・揚貨装置のいずれかの運転士免許
・小型移動式クレーン・デリック、玉掛けなどの技能もしくは特別教育が終了して6ヵ月以上実務経験のある方
上記の3種類は免除対象です。

ただし玉掛け作業をおこなう場合、クレーンの資格とは別に玉掛けの資格が必要なので注意しましょう。

移動式クレーン運転実技教習

移動式クレーン運転実技教習の試験に合格すると、つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの操作をおこなえます。
ただし、公道を走行する場合、別途運転免許が必要なので注意しましょう。
移動式クレーン運転実技教習の講習内容は学科16時間、実技9時間です。
学科もしくは実技どちらかがすでに修了しているのであれば、修了した講習を免除可能となります。

クレーン運転特別教育

クレーン運転特別教育を修了すると、移動式を除くつり上げ荷重5トン未満のクレーンを操作できます。
講習内容は学科9時間、実技4時間です。
玉掛け技能講習を修了した者は大幅に講習を免除できるので、合わせて取得することをおすすめします。

【重機免許2】フォークリフト


フォークリフトの免許は倉庫業だけでなく、ホームセンターやスーパーなど日常的に利用する店でも活躍している資格です。

名称 講習時間 日数 料金
フォークリフト運転技能講習 11~35時間 2日~5日 2万~5万5000円
フォークリフト運転特別教育 12時間 2日 1万5000円~2万円

フォークリフト運転技能講習

フォークリフト運転技能講習の試験に合格すると、最大荷重が1トン以上のフォークリフト操作ができます。
建設現場や大型倉庫で活躍しているフォークリフトは1トン以上のものが多く、1トン未満では使いものにならないことも。
そのため、フォークリフトが活躍しそうな現場で働く際は、フォークリフト運転技能講習を受講しておきましょう。

フォークリフト運転技能講習の講習内容は学科11時間、実技24時間です。
大型特殊免許を持っていれば、大幅に講習を免除してもらえますが、4輪の運転免許でも免除対象となります。
技能講習を受けておけば、すべての大きさのフォークリフトが運転可能なのでおすすめです。

フォークリフト運転特別教育

フォークリフト運転特別教育を修了すると、1トン未満のフォークリフトを操作できます。
講習内容は学科6時間、実技6時間です。
小さいフォークリフトは、スーパーなどでのアルバイトで活躍することもあるので、必要であれば受講しましょう。

【重機免許3】不整地運搬車


不整地運搬車は土木現場だけでなく、足場の悪い場所にある店などへ荷物を搬送する際にも活躍する資格です。

名称 講習時間 日数 料金
不整地運搬車運転技能講習 11~35時間 2日~5日 4万~11万円
不整地運搬車運転特別教育 12時間 2日 1万6000円程度

不整地運搬車運転技能講習

不整地運搬車運転技能講習の試験に合格すると、最大積載量1トン以上の不整地運搬車を操作できます。
不整地運搬車とは、過酷な路面状態でも走行できるよう設計された車両です。
この車両を使用し、悪路での荷物運搬をおこないます。

不整地運搬車運転技能講習の講習内容は学科11時間、実技24時間です。
4輪の運転免許を持ち一定の条件をクリアすれば、講習時間を24時間免除できる、免除幅の大きい資格となります。

不整地運搬車運転特別教育

不整地運搬車運転特別教育を修了すると、最大積載量が1トン未満の不整地運搬車を操作できます。
講習内容は学科6時間、実技6時間です。
こちらの特別教育は実施している機関が少ないので、取得したいのであればどこで取得できるか事前に確認しておきましょう。

【重機免許4】車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)


整地・運搬、採掘用車両系建設機械は、整地や運搬などに使用されている重機を操作できる資格です。
油圧ショベルに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
バックホーの操縦に必要な資格や免許まとめ!ユンボや油圧ショベルとの違いも徹底解説!

名称 講習時間 日数 料金
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習 6~38時間 1~5日 3万~11万円
小型車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用掘削用)運転特別教育 13時間 2日 2万円程度

車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習

車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の試験に合格すると、機体質量(機械本体のみの質量)3トン以上の車両系建設機械を操作できます。

車両系建設機械とは、重機全般のことを指します。
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習での機械とは
・整地
・運搬
・積み込み
・掘削
この4つの作業に用いられる重機を指します。

つまり、すべての重機ではなく、ブルドーザーやパワーショベル、ホイールローダーなど一部の重機が対象です。
この資格を持っていても操縦できない重機もあるので注意しましょう。

車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の講習内容は学科13時間、実技25時間です。
車両系建設機械には解体用など別途資格が存在します。
他の資格をすでに持っていれば大幅に時間短縮がはかれるので、段階を踏みながらそれぞれの資格を取得しておくことをおすすめします。

小型車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用掘削用)運転特別教育

小型車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用掘削用)運転特別教育を修了すると、機体質量が3トン未満の車両系建設機械を操作できます。
講習内容は学科7時間、実技6時間です。

作業現場では3トン以上の重機も多く活躍しているので、運転する前に3トン未満なのかを確認しておきましょう。

【重機免許5】車両系建設機械(解体用)


解体用車両系建設機械は、解体に用いられる重機の操作をおこなう資格です。

名称 講習時間 日数 料金
車両系建設機械(解体用)

運転技能講習
3~38時間 1~5日 2万~11万円
小型車両系建設機械(解体用)運転特別教育 5~14時間 1日or2日 1万円程度

車両系建設機械(解体用)運転技能講習

車両系建設機械(解体用)運転技能講習の試験に合格すると、機体質量3トン以上の建物などを解体する際に使用する重機を操作できます。

解体用の重機は、ブレーカーや鉄骨切断機、コンクリート圧砕機などの特殊な重機です。
加えて、油圧ショベルの先端を解体用に変更すると、解体用の重機にできます。

車両系建設機械(解体用)運転技能講習の講習内容は学科13時間時間、実技25時間です。
また整地・運搬・積込み用及び掘削用の運転技能講習の資格を持っていれば、5時間の講習で取得できます。
そして、多くの教習所では5時間枠しか取り扱ってない傾向にあるので、先に整地・運搬・積込み用及び掘削用の資格を取得し、解体用へのステップアップをおすすめします。

小型車両系建設機械(解体用)運転特別教育

車両系建設機械(解体用)運転技能講習を修了すると、機体質量が3トン未満の解体用重機を操作できます。
講習内容は学科7時間、実技7時間です。

小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育を修了すれば、5時間の教習で取得できます。
また、14時間まるまる講習をしている団体はほとんどありません。
整地等の特別教育を修了したあとに取得するほうがいいでしょう。

【重機免許6】車両系建設機械(基礎工事用)


基礎工事用車両建設機械は、建築物の基礎工事で活躍する資格です。

名称 講習時間 日数 料金
車両系建設機械(基礎工事用)

運転技能講習
9~39時間 2~7日 5万~13万円
小型車両系建設機械(解体用)

運転特別教育
13時間 2日 2万円程度

車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習

車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習の試験に合格すると、機体重量3トン以上の基礎工事に使用される重機を操作できます。

基礎工事での重機はくい打機やくい抜機をはじめ、アースドリルやバイブロハンマーなども該当します。
聞いたこともない特殊な車両を使う機会が多いのも、基礎工事の特徴です。

車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習の講習内容は学科14時間、実技25時間です。
また、移動式クレーン運転士免許を持っていれば、9時間の講習で取得できます。

しかし、基礎工事用の資格は、整地・運搬・積み込みなどに比べ使用頻度は少なく、取得する人も限られてきます。
自分に必要な資格なのであれば取得をおすすめしますが、そうでないなら他の資格取得に費用や時間を回したほうが効率的です。

小型車両系建設機械(基礎工事用)運転特別教育

小型車両系建設機械(基礎工事用)運転特別教育を修了すると、機体重量が3トン未満の基礎工事用建設機械を操作できます。

講習内容は学科7時間、実技6時間です。
技能講習同様、こちらの資格も取得できる場所が限られているので注意しましょう。

【重機免許7】高所作業車運転


高所作業車運転は電柱工事だけでなく、建物の窓清掃やシャッター塗装などでも活躍する資格です。
高所作業車についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
取得しやすい高所作業車の資格とは?資格の取得方法や車両の特徴などまとめ

名称 講習時間 日数 料金
高所作業車運転技能講習 12~17時間 2~3日 3万~6万円
高所作業車運転特別教育 9時間 2日 2万円程度

高所作業車運転技能講習

高所作業車運転技能講習の試験に合格すると、作業床の高さ10m以上の高所作業車を操作できます。
高所作業車はトラックの荷台に取り付けられているタイプから、単体で操作するものまで形状はさまざまです。
また高所作業車は電気工事をはじめ、シャッターの清掃や塗装などの仕事で使われます。

意外と使用頻度の高い資格です。
しかし、路面工事などではあまり使わないので、必要かどうかをよく考えて取得しましょう。
高所作業車運転技能講習の講習内容は学科11時間、実技6時間です。
4輪の運転免許を持っていれば一部の講習を免除できます。
高い作業をおこなうことが多い現場で働いているなら、取得を目指してみてはどうでしょうか。

高所作業車運転特別教育

高所作業車運転特別教育を修了すると、作業床の高さ10m未満の高所作業車を操作できます。
講習内容は学科6時間、実技3時間です。
この資格の使用には注意点があります。
10m以下の場所しか作業しない場合でも、作業床が10m以上の高さに持ち上がる重機であれば操作できません
そのため、操作する前に何mまで持ち上がるのかを確認しておきましょう。

【重機免許8】玉掛け


玉掛けはクレーン作業において、荷物をつり上げる際必須の資格です。

名称 講習時間 日数 料金
玉掛け技能講習 15~19時間 2~3日 2万~4万円
玉掛け特別教育 9時間 2日 2万円程度

玉掛け技能講習

玉掛け技能講習の試験に合格すると、つり上げ荷重が1トン以上あるクレーンの玉掛けをおこなうことができます
玉掛け業務はクレーンの操縦士との呼吸が大切です。
つり上げたクレーンから貨物が落ちてしまうと最悪の場合、死亡事故につながる可能性もあるからです。
そのためクレーンの知識も持ち合わせなければなりません。

だからこそ玉掛け資格を取得するのであれば、しっかりとクレーンの勉強もする必要があります。
玉掛け技能講習の講習内容は学科12時間、実技7時間です。
クレーンの資格を持っていれば有利なので、クレーンの資格と一緒に取得することをおすすめします。

玉掛け特別教育

玉掛け特別教育を修了すると、つり上げ荷重が1トン未満のクレーンへ玉掛けをおこなうことができます
講習内容は学科5時間、実技4時間です。

1トン未満のクレーンであれば、どのような形状のクレーンへの玉掛けもおこなうことができます。

【重機免許9】ショベルローダー


ショベルローダーは整地作業においてショベルローダーを使用する際、活躍する資格です。
建設機械の整地・運搬用の資格では操作できません。

名称 講習時間 日数 料金
ショベルローダー等運転技能講習 9~35時間 2~5日 3万~11万円

ショベルローダー等運転技能講習

ショベルローダー等運転技能講習の試験に合格すると、最大荷重1トン以上のショベルローダーを操作できます。
ショベルローダーに似た重機でホイールローダーがあります。
とてもよく似ており、使用方法も同じことから、ショベルローダーの資格を持っていればホイールローダーも運転できると勘違いしてしまうこともあるでしょう。

しかし、ショベルローダーの資格でホイールローダーは運転できません
その逆も同様で、ホイールローダーを運転したいのであれば、整地・運搬・積み込み用及び採掘用建設機械の講習を受ける必要があります。

簡単な見分け方は、車両が曲がる際、前後どちらのタイヤが横を向いているかを確認する方法です。
ホイールローダーは一般的な車と同じ前輪駆動なので、前のタイヤが向きを変えます。
それに対し、ショベルローダーはフォークリフトのように後輪駆動なので、曲がる際は、後輪の向きが変わります。
このように見分ければ、勘違いを防ぐことができるでしょう。

ショベルローダー等運転技能講習の講習内容は学科11時間、実技24時間です。
4輪の運転免許取得者は少しだけ講習を免除できます。

【重機免許10】大型特殊自動車


大型特殊自動車は、大型特殊車両を公道で走る際必要な資格です。
大型特殊自動車免許に関しての記事はこちらです。
大型特殊免許を取得するために必要な日数や費用、コツなどを徹底解説!どんな車が該当するの?

名称 講習時間 日数 料金
大型特殊自動車技能教習 7時間(検定含む)
※取得方法によっては講習が不要な場合も
1~7日 7000円~13万円

大型特殊自動車技能教習

大型特殊自動車技能教習の試験に合格すると、小型特殊自動車以外の特殊自動車を公道で走行できます
この免許は他の資格と違い、公道で走行できる資格です。
同時に運転免許も必要となる資格なので注意しましょう。

また、大型特殊免許を持っていても特殊自動車の操作はできません
あくまで公道で運転する場合に必要な免許であり、操作は別の資格が必要です。

大型特殊自動車技能教習の講習内容は実技6時間、検定1時間です。
取得方法は、教習所での取得の他に免許センターへ行き一発試験を受ける方法もあります。
教習所で取得するなら決められた講習を受けなければなりませんが、一発試験であれば講習は必要ありません。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、リスクも考えて取得方法を選びましょう。

【重機免11】ロードローラー


ロードローラーは、地盤を固める作業においてロードローラーを使用する際活躍する資格です。

名称 講習時間 日数 料金
ローラー(締固め用)特別教育 10時間 2日 2万円程度

ローラー(締固め用)特別教育

ローラー(締固め用)特別教育を修了すると、締固め(しめかため)用の重機を操作できます。
締固め用の重機とは、タイヤーローラーやハンドガイドローラーなどローラーを持つ特殊な車両のことを指します。
大きなローラーにより土地を平らにし、道路を舗装したり建物の基盤を作ったりします。

講習内容は学科6時間、実技4時間です。
ローラー車両の知識不足や操作不足によるトラブルが多発したことから、ローラー(締固め用)特別教育をおこなうようになった背景があります。

重機免許に関しての注意点


重機では同じような名称の資格がたくさんあります。
しかし、それぞれ作業できる重機の種類が違ったり、操作できる重機の大きさに制限があったりと、条件はまちまちです
例えば3トンフォークリフトの操縦をしたい方が、1トン未満のフォークリフトしか運転できないフォークリフト運転特別教育を教育を受けても意味がありません。

そのため自分が必要な免許や資格は何があるのか、まず洗い出す必要があります。
そして今回ご紹介している資格のほとんどは、私有地や現場で運転や操作できる資格です。
公道を走行できるわけではありません。
公道での走行が必要な場合、それぞれの車両に見合った運転免許が必要になるので注意しましょう。

また、重機免許の資格のなかには特殊な現場でしか使わない重機の資格もあるので、今の自分には何の資格が必要なのかを考え、自分に合った資格を取得しましょう。

長期労働者は安全衛生教育を定期的に受けなければならない

重機操作をする仕事に長期間携わっている人は、定期的に安全衛生教育を受けなければなりません
安全衛生教育とは、資格取得から期間があき基本的な危険回避方法などを忘れてしまわないようにおこなう教育です。
労働安全衛生法により受けることを義務付けられています

資格取得時は頑張って勉強してた人でも、長年無事故で操作していると、どうしても基礎部分を忘れがちです。
また、「ずっと無事故だから大丈夫だろう」と、気持ちにスキができてしまう場合もあります。
そうならないため、定期的に教育をおこない、安全に操作するためにはどうすればいいのかを教えています。
運転免許の更新のようなものと覚えておけばいいでしょう。

教育内容は資格によって違います。

例えば、フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、技能講習の資格を取得して5年を経過した方が対象であり、玉掛け業務従事者安全衛生教育は玉掛けの技能資格を取得して5年経過している方が対象です。

安全教育のなかには、10年経過後におこなうものもあり、資格による期間の違いも特徴です。
事業者が従業員に定期的に受けさせる教育なので、従業員が個人で受ける必要はありません
日々の業務で忘れていた基本を復習し、安全に仕事ができるよう気をつけていきましょう。

あわせて持っておけば有利になる資格


重機の資格ではないものの、現場作業に役立つ資格も多く存在します。
そのなかでも取得率の高いものや、現場作業に役立ちそうなものを5つピックアップしてみました。
自分の職場で必要なら、取得を視野に入れてみてはどうでしょうか。

・ゴンドラ取扱い業務特別教育・・・高所作業などに使用されるゴンドラの操作をおこなう際に必要
・アーク溶接等の業務にかかる特別教育・・・アーク溶接をおこなう際に必要
・ガス溶接技能講習・・・ガスを用いて溶接や溶断をおこなう際に必要
・はい作業主任者・・・荷を高さ2m以上に組付ける際や崩す際に必要
・ロープ高所作業特別教育・・・高さ2m以上の作業現場で、ロープを用いて体を保持させおこなう作業の際に必要

これらの資格は建設現場や土木工事で必要になることはもちろん、倉庫業や製造業などでも必要になってきます
すべての現場でそれぞれの資格が必要なわけではありませんが、仕事内容によっては合わせて持っておくことで有利になったり、手当がもらえることもあるでしょう。
時間とお金に余裕があれば取得しておくことをおすすめします。

建設機械の整備や管理の資格も存在

建設機械の整備や管理に関する資格も存在します。

建設機械整備技能士

建設機械整備技能士を持っていれば、建設機械の点検や整備業務に従事できます。
この資格は国家資格なので、今回ご紹介する記事のなかで一番取得するのが難しい反面、持っておけばとても優遇される資格でもあります
合格率は50%前後。
特級、1級、2級の3種類があり、特級に関しては深い知識と技術が必要になってきます。
受験資格も実務経験もしくは指定学科の卒業と、受検までのハードルも高めです。

しかし、合格すれば重機の整備担当になることもできるので、仕事に困ることはありません。
機械いじりが好きな方にはおすすめな資格の一つです。

建設機械レンタル管理士

建設機械レンタル管理士は、日本建設機械レンタル協会が主催し管理する資格です。
建設機械への幅広い知識と経験を持っている証として発行されます
公的資格ではないものの、将来的には公的な資格にすると日本建設機械レンタル協会は明言しています。

持っておけば、それだけで知識と経験があると明示できるため、転職などでも役に立つ資格です。
受検資格は実務経験のみ。
高卒であれば3年以上、中卒なら5年以上です。
受検難易度は低めであり、将来、役立ちそうなら受検してみてはどうでしょうか。

重機免許を女性が取得し働くことができる?


重機免許を持ち、実際に男性に混じって現場で働く女性はたくさんいます。
そもそも重機免許に性別の条件はありませんし、重機オペレーターと呼ばれる重機に関するスペシャリストへの道も魅力的です。

重機オペレーターとは資格の種類ではなく、さまざまな重機免許や資格を持つことで、オペレーターの立ち位置で仕事ができることです
仕事内容は、取り扱う重機すべての運転や操作。
力に自信のない方は重機オペレーターに進むのも一つの選択肢です。

しかし、現場で活躍している女性が増えているとはいうものの、実際に目にする頻度は少なく、「本当に女性が活躍している現場はあるのだろうか?」と疑問に思う方もいるでしょう。

平成29年におこな行った厚生労働省の労働力調査では、昭和60年から平成29年の約30数年で働く女性の人数が約600万人増加したと発表しています。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/17b.pdf

具体的には昭和60年時点で2937万人だった女性労働人口に対し、平成29年では2937万人にまで増加しています。

もちろんこの数字は現場作業者だけの数字ではありません。
しかし、総合的に増えているということは、現場での人口も増えていると考えられます。
また、重機資格を取得できる教習所では、女性専用コースなども設けており、以前よりさらに取得しやすい環境になっています

建設現場や工事現場で女性が働くうえで不安な点は、体力や力に関してでしょう。
重機オペレーターであれば、力に自信がなくても重機の操縦さえできれば問題ありません。
また資格をたくさん持つことで、力仕事以外の面をカバーし現場で働く選択肢が増えます。

重機免許を取得できる代表的な教習所


重機免許を取得できる教習所は全国各地にたくさんあります。
そのなかでも規模が大きく、全国的に資格支援をおこなっている団体をご紹介します。

コマツ教習所

コマツ教習所は、全国15のセンターを持っている教習所です。
教習所ごとに特色が違い、なかには女性専用コースや外国語コースを開催している教習所もあります
さまざまな方が気軽に資格取得を目指せる教習所です。

コマツ教習所公式ホームページ

コベルコ教習所

コベルコ教習所は、取得できる資格の種類が多く、講習を合格すれば当日に修了証を発行してくれる特徴を持つ教習所です。
全国各地に教習所を持っており、気軽に資格取得を目指せます。
土日のみ開催しているコースもあるので、仕事をしながらでも取得可能です。

コベルコ教習所公式ホームページ

厚生労働省でも都道府県別に紹介している

教習所ではないものの、厚生労働省でも都道府県別に教習所を紹介しています。
もし、コマツやコベルコの教習所が近くにない場合、こちらのページで教習所を探してみてはどうでしょうか。

登録教習機関一覧

まとめ

重機の免許は数え切れないほど多くの種類があります。
同じような講習名でも操作できる大きさの制限があったり、特定の重機のみに対応した資格などがあり注意が必要です。

しかし重機の免許は、現場作業で必ず必要になってきます。
何の免許も持っていなければ、仕事の幅は狭くなり今後、給料面でも役職面でもランクアップするのは難しいでしょう。
そのため、仕事に合った資格を取得し仕事の幅を広げることも大切です。

合わせて取得すれば講習時間や料金が安くなる資格もあるので、ぜひ資格取得に励んでみてはどうでしょうか。

  • 重機の免許は数多く存在する
  • フォークリフトやクレーンなど使われる頻度の高い免許は人気
  • 特殊な現場でしか使わない資格もあるので、仕事に必要な免許の取得が望ましい
  • 資格の種類によって操作できる重機の大きさに違いがあるので注意が必要
  • ここ数十年で女性の資格取得も増加している

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