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トラックがオーバーヒートしたらどうなるの?素早い対処は深刻な故障を防ぐカギになる!

オーバーヒートとはエンジンが高温になりすぎた状態を指します。
多くの場合、冷却装置の故障によって引き起こされるトラブルですが、走行中、突然症状が現れることもあります。
原因はさまざまであり、今までのメンテンナンス不足によってオーバーヒートになることもあるのです。
すぐに適切な対処法をおこなえば、エンジンを壊すことはありませんが、対処が遅かったり間違ってしまうと、エンジンを壊してしまうこともある危険なトラブルのひとつです。症状が出てしまってからでは手遅れである可能性も考えられます。
いざという時に自分で確認できるようになるためにも、オーバーヒートの前兆や原因、対処法などを覚えておきましょう。

筆者・太田さん

太田 りく著者のTwitterはこちら

整備士として現場で働いている現役整備士ライターです。
所有資格は整備士3級。

現役で働いているという強みを活かし、読みやすく読者の疑問を解決できるような記事になるよう心がけています。

オーバーヒートとは?


冒頭でもお話しましたが、オーバーヒートとはエンジンが高温になりすぎて、下がらなくなった状態を指します
エンジンの適温は80度から100度前後です。
しかし、冷却装置の故障などが原因でエンジンの温度が下がらなくなると、最悪の場合、エンジンが壊れます。
また、エンジンだけでなく周りの装置も高温に耐え切れず壊れてしまうのです。
しっかりとメンテナンスや点検をしていれば、オーバーヒートは滅多に遭遇するトラブルではありません。

ほぼノーメンテナンスで何年も乗り続けることで、オーバーヒートのような重大なトラブルになる可能性が高くなります。
そのため定期的な点検や整備はとても大切です。

オーバーヒートになるとどのような症状がでるの?


オーバーヒートの症状はたくさんあります。
ではそれぞれ見ていきましょう。

水温計の異常

真っ先に気付くのは水温計の異常ではないでしょうか。
水温がレッドゾーンへ振り切ったまま戻らない
このような状態になればオーバーヒートである可能性が高いです。

正常に作動している場合、エンジン始動後、10分程度暖気をおこなうと、水温計は真ん中あたりを指します。
エンジンをかけ続けても高温へ振り切らないのは、クーラントと呼ばれる冷却水がエンジン内を定期的に循環しエンジンを冷ましているからです。
しかし冷却装置に問題があれば、エンジンを冷ますことができません。
そのような状態が続くと、エンジンはどんどん高温になっていき最終的にエンジンがかからなくなってしまうのです。

車種によってはメーターに水温計が取り付けられていないこともあります。
水温計がない車の場合、水温計のチェックランプを確認しましょう
エンジンが冷めた状態、つまりエンジン始動時は水温計は青色に光っているはずです。
しかしオーバーヒートすると赤色に点灯します。

赤に点灯したらオーバーヒート気味、もしくはすでにオーバーヒートしているので、素早い対処が必要になってきます。

エンジンルームから煙の発生

オーバーヒートの状態でずっと走り続けていると、エンジンルームから煙が発生します
発生した煙は蒸発したオイルや冷却水です。
この状態になるとエンジンにかなりのダメージが及んでいることでしょう。

なぜならば通常、オイルや冷却水はエンジンの外に出ないからです。
エンジン内を循環するため、蒸発する温度に達していても外に出ることができません。
煙が発生しているということは、エンジンのどこかに歪みが生じ、オイルや冷却水の漏れを引き起こしているということです。
また、ホース類も高温によって破けたり隙間が空くことも考えられます。
オーバーヒートのなかでも末期状態であり、修理するのは難しいでしょう。
エンジン以外の装置に問題がない場合でも、エンジンの載せ替えが必要になってきます。

エンジンの回転数が安定しない

オーバーヒートの前兆に、エンジンの回転数が安定しないという症状が挙げられます。
アクセルを踏んでも加速が弱かったり、アイドリング時にエンストするなどの症状が出た場合、オーバーヒートを疑いましょう。

初期症状では回転数を無理やり上げることで走行できますが、症状がひどくなればアイドリングができずエンストしてしまいます
最終的にエンジンがかからなくなってしまうのです。
どの段階でオーバーヒートに気付き対処するかで、エンジンへのダメージが大幅に変わります。
初期段階で気付づけば故障した箇所だけで済みますが、末期になるとエンジン自体が故障するのでエンジン載せ替えという高額な修理になる場合も

そのため「いつもと違うな」と感じた場合、無理に走行せず一度トラックを停め、点検をすることが大切です。

甘い臭いや焦げたような異臭

エンジンルームからの煙と同時に異臭も発生します。
甘い臭いは冷却水、焦げた臭いはエンジンオイルであり、まだ煙として現れていない場合でも、オイルや冷却水が焼けることで臭いが発生するのです。

この状態も末期だと考えていいでしょう。
理由は先ほどお伝えしたとおり、冷却水やオイルの通り道に穴が開き、外に出てしまっている可能性が高いからです。
もし焦げた臭いがきついのであれば、エンジンが焼け付いている可能性が高くなります。
オイルが漏れ出てしまうことで、金属同士が接触し熱を持ち焼け付きに発展します。

焼き付きが発生してからエンジンが止まるまでは一瞬です。
できれば異臭が発生する前にオーバーヒートを発見できるようにしておきましょう。

エアコンが利かないときはオーバーヒートの前兆かも


エアコンが利かないことに気付くことで、オーバーヒートを未然に防ぐことができます。
冷たい風が出ない場合、オーバーヒートの前兆かもしれません
エアコンのコンデンサーと冷却装置であるラジエーターは同じ場所に設置されています。
そしてその両方を冷ますために、ラジエーターファンが設置されているのです。

ラジエーターファンが故障したことによりオーバーヒートを引き起こします。
つまり冷却水、クーラーガス、両方を冷ませていないため、エアコンが利かないという症状が現れるのです。
結果、エンジンをしっかりと冷ますことができずオーバーヒートにつながります。
通常、エアコンが作動していると、ラジエーターファンは回り続けます。
エアコンをオンにしてもファンが回らないということは、ファンモーターが故障している可能性が高い
です。

勘違いしてしまいがちですが、オーバーヒートはエンジンの故障ではありません。
エンジン以外の装置やパーツが壊れてしまうことで引き起こされるトラブルです。
つまりオーバーヒートになる前に直すことができれば、エンジンを守ることができます。
なぜオーバーヒートするのかという部分をしっかりと理解し、重大な故障に発展する前に対処できることが望ましいです。

オーバーヒートの主な原因7選!


考えられるオーバーヒートの主な原因は7つあります。

冷却水の水漏れによる冷却機能の低下

冷却水の漏れが原因でオーバーヒートしてしまいます。
冷却水とはクーラントと呼ばれる不凍液のことを指し、定期的にエンジン内を循環し、熱を奪います。

暖められたクーラントは、グリルの内側に設置されているラジエーターに流れ、走行風とファンの風により熱を放出、そしてエンジンが暖まれば再度循環する仕組みです。
このクーラントが漏れによって減りすぎたり、まったくなくなってしまうとエンジンを冷ますことができず、オーバーヒートしてしまいます。

冷却水の漏れによって引き起こされることの多いオーバーヒートですが、何年も冷却水を交換も補充もせずに使用し続けていると、冷却水が減りすぎてオーバーヒートしてしまうことも。
企業で使用しているトラックの場合、定期点検をする工場が決まっており、必ず点検をしていることでしょう。
このような原因でオーバーヒートすることは滅多にないですが、冷却水は消耗品なので定期的に交換することをおすすめします。

ラジエーターやラジエーターファンの故障

先ほどエアコンの項目で触れたように、ラジエーターファンが故障したことが原因でオーバーヒートするケースもあります
ラジエーターとは、高温になった冷却水を冷ます装置です。
そして、ラジエーターファンはラジエーターに風を送る装置です。
冷却水が循環するタイミングで回りはじめ風を送り込みます。
昔はファンベルトで駆動していたラジエーターファンですが、現在はモーター駆動のトラックが主流になりました。
モーターの故障や、配線の接触不良などでファンが回らず、オーバーヒートしてしまうのです。

また、ラジエーター自体の故障も考えられます。
ラジエーターには高い圧力のかかったサイドタンクが設置されており、劣化し強度が下がることで圧力に負けサイドタンクが割れ、冷却水が漏れます。
結果、ラジエーターが原因でオーバーヒートを起こしてしまうこともあるのです。

もし古い年式のトラックに乗っているのであれば、冷却水の量だけでなくラジエーターやファンの状態も確認しておきましょう。

ウォーターポンプの故障

ウォーターポンプの故障でオーバーヒートしてしまいます
ウォーターポンプとはエンジン内に冷却水を循環させる装置です。
この装置が壊れてしまうことで、エンジンルーム内に冷却水を循環させることができず、オーバーヒートしてしまいます。

滅多に壊れるパーツではありませんが、約10万キロでの交換が奨励されています。
また、ウォーターポンプが壊れていなくても、ウォーターポンプガスケットなどの水漏れによってオーバーヒートが引き起こされることもあります。
そのため、ある程度走行距離が増えた場合一度交換しておきましょう。

エンジンオイルの不足

エンジンオイルの不足でもオーバーヒートすることはあります。
ただ、エンジンオイルがない状態でエンジンを始動させると、オーバーヒートの症状が出る前にエンジンが焼け付き止まります

エンジンオイルは潤滑性能だけしかないと思っている方もいるでしょうが、潤滑以外に冷却性能も持ち合わせてるのです。
冷却水はシリンダー内には入っていけません。
そのためシリンダーとピストンの熱は、エンジンオイルによって冷まされます。
冷却水より冷却性能は低いものの、直に触れているためエンジンオイルの冷却機能も大切です。
特に、オイル消費をしているトラックの場合、オイルを継ぎ足してもすぐに減ってしまいます。
気付いたときにはオーバーヒート寸前だったという事態にならないためにも、オイルの量を定期的にチェックしておきましょう。

サーモスタットの故障

サーモスタットの故障でオーバーヒートすることもあります
サーモスタットとは、エンジンの手前に設置された冷却水の蓋(弁)です。
一定の温度になれば弁が開き、冷却水をエンジン内に循環させます。
サーモスタットも永久的に使えるパーツではないので、劣化すると開きっぱなしになったり逆に、まった開かなくなったりしてしまうのです。

開かない場合はもちろんオーバーヒートしますが、中途半端にしか開かない場合でもオーバーヒートする可能性があります。
なぜなら、十分な冷却水がエンジン内部を循環できず冷却が追いつかなくなってしまうからです。
サーモスタットも10万キロほどで交換が奨励されているので、トラックなどのような走行距離が多い車はしっかりと交換しておきましょう。

ベルト切れ

ベルト切れもオーバーヒートの原因の一つです
トラックによってはタイミングベルトで駆動していることのあるウォーターポンプですが、ドライブベルトとも呼ばれるベルトによって駆動している場合もあります。
ドライブベルトは、エアコンのコンプレッサーやオルタネーターともつながっているベルトです。

呼び名はさまざまですが、エンジンルームを開けるとすぐに見つけられます。
このベルトが切れてしまうと、ウォーターポンプを駆動させることができずオーバーヒートしてしまうのです。
ベルトが切れた場合、真っ先にバッテリーのチェックランプが点灯するでしょうが、切れた状態でもトラックは走行できます。
そのまま整備工場へ自走しようとした場合、距離によっては到着する前にオーバーヒートしてしまう可能性もあるのです。

また、数は少ないですが、ファンベルトを採用しているトラックの場合、ファンベルトが切れるとファンが回りません
この状態でもオーバーヒートしてしまうので注意しましょう。
ファンベルトの記事はこちらです。

https://www.kaitoriou.net/page/truck-driver/trouble-shooting/8736/

その他

その他に考えられる原因としては、負荷の大きすぎる乗り方をして冷却機能が追いつかずオーバーヒートしてしまう場合です
しかし一般的な乗り方をしていれば、このような原因でオーバーヒートすることはあまり考えられません。
レースようにエンジンをずっと高回転で回し続ければ、オーバーヒートする可能性もあるでしょうが、長距離を乗ったからといってオーバーヒートするわけではないです。

また、運送業者などで使用さているトラックは、決められたルートを走ることがほとんどでしょう。
昨日は大丈夫だったのに、今日はオーバーヒートしてしまう可能性は限りなくゼロです。
ただ、真夏に炎天下をずっと走り続けた場合、エンジンの温度は上がりやすくなっています。
そのため日陰で休憩をするなど、エンジンも定期的に休ませてあげましょう。

オーバーヒートの対処法は?


もし走行中にオーバーヒートしてしまった場合、適切な対処ができるかどうかでエンジンへのダメージが変わります。
オーバーヒートをしたときの対処法は
・すみやかに路肩へ停止する
・エンジンを切らずキャブオーバーを開け空気の流れをよくする
・外気循環にしエアコンをオンにせず温度と風量をMAXにする
この3つを意識しましょう。

キャブオーバーとはトラックの運転席の部分です。
乗用車であればボンネットですが、トラックの場合、運転席の真下にエンジンを設置しているタイプが多いためエンジンをむき出しにする場合、運転席を前に傾ける必要があります。
エンジンを切らない理由は、切ってしまうと冷却水やオイルの循環が急に止まり逆にエンジンの温度が上がってしまう可能性があるからです。

ある程度温度が下がり、エンジンが落ち着いてきたと判断できればエンジンを切りましょう。
ここで注意点があります。
エンジンをすぐに切らなければならない場合は、冷却水がまったない状態のときです。
全くないのであれば、いくらエンジンをかけていても冷却水は循環しません。
そのためキャブオーバーを開いた際、冷却水の量を確認しておきましょう。
あわせてラジエーターあたりに水漏れがないかを確認しておくとさらに安心できます。

その後、アイドリング中に確認することは、ラジエーターファンの作動状態。
オーバーヒート気味であるなら、ファンは回っているはずです。
ファンが回っていないなら、ファンモーターの故障も考えられるため、早めにエンジンを切る必要があります
故障原因の追究は、エンジン周辺の装置を点検しないとわからない場合もあるので、無理に自分で探そうとせずJAFなどのロードサービスにお願いしましょう。

オーバーヒートしたトラックで絶対にしてはいけないこととは?

オーバーヒートの対処法はお伝えしたとおりですが、絶対にしてはいけないこともあります。
オーバーヒート時の間違った対処法は、
・停車せずに走り続ける
・ラジエーターキャップを開ける
・エンジンを冷ましたあと、調子が戻ってきたからと整備工場へ出さず走り続ける
この3つです。

オーバーヒートしかけた場合でもすぐに路肩にトラックを止め停止させましょう。
理由としては、オーバーヒートしてるということは温度が下がらないということです。
そのまま走行し続けていると、温度はどんどん上がっていき、オーバーヒートが加速します。
結果、エンジンが壊れてしまうこともあるからです。

次に、冷却水の量を確認しようとしてラジエーターキャップを開ける行為は絶対にしてはいけません
高温の冷却水が循環しているとき、ラジエーターキャップには高い圧力がかかっています。
そのため開けようとキャップを回すと、キャップから圧力が逃げようとして吹き飛び高温の冷却水をかぶることになってしまいます
キャップが当たりケガをしたり、高温の冷却水を浴び大やけどする可能性もあるので、温度が高いときはラジエーターキャップには触らないようにしましょう。
あわせてエンジンやその周辺の装置も高温になっています。
素手で金属に触ると火傷の原因になるので触らないようにすることはとても大切です。

そして最後に、オーバーヒートしかけたけど、エンジンの温度が下がったからそのまま乗り続ける行為もあまりおすすめできません。
理由は、オーバーヒートしかけたということは、どこかが壊れているもしくは壊れかけている可能性が高いからです。
また、一度でも温度が上がりすぎたエンジンは、多少なりともダメージを負っています。
今、正常に動いていても今後、エンジン不調のもとになることもあります。
一度でもオーバーヒートしかけたなら、一度、整備工場でエンジンの調子やどこが故障しているのかをしっかりと点検してもらいましょう。

オーバーヒートしたあとはどうすればいい?


オーバーヒートの応急処置をしたあとは整備工場へ持ち込み、修理や故障診断をしてもらう必要があります。
ではどのように修理工場へ持ち込むのか、大きく3種類あるのでそれぞれご紹介していきます。

JAFを呼ぶ

真っ先に思い浮かぶ方法がJAFなどのロードサービスを呼ぶ方法だと思います。
この方法が最も確実で、対応も早いです。
ただ、乗用車よりも大きなトラックの場合、利用できるロードサービスは限られてくるので、事前にどのロードサービスを利用できるか確認しておくことをおすすめします。
日本で有名なロードサービスであるJAFの対象車は、車両総重量3トン以下(最大積載量2トン以下)です。
この大きさ以上のトラックは利用できないので注意しましょう。

またロードサービスを利用するメリットは、電話でアドバイスをくれるという点です。
パニックになってしまいどうすればいいかわからない場合でも、電話越しにアドバイスをくれるのでその指示にしたがって対処すれば間違った対処をせずに済みます。

ディーラーへ連絡する

いつも利用しているディーラーで対応してくれる場合もあります
店舗によってまた、店舗からの距離によって対応が違うので、必ず車両を取りに来てくれるとはいえませんが、そのままお願いができるので手間がかかりません。

また必ずしもディーラーでないといけないわけではありません。
いつもお願いしている整備工場があるなら、そこへ連絡することをおすすめします。

自走して修理工場へ持ち込む

オーバーヒートの具合によっては、エンジンの調子を見ながら自走する方法もあります。
持って行く整備工場が近い場合や、どうしても取りに来てもらえない場合は自走しなければなりません。

走行する場合、エンジンが暖まるまで走り、暖まってきたタイミングでエンジンを止め冷ます方法で自走しましょう
煙が出ているなど、末期症状ならおこなえませんが軽い症状の場合、休憩しながら自走できます。
水温計をよく見ながら、温度が高くなりすぎないよう注意して走行しましょう

ただ、高温になっているのに気付づかず走行を続けると、再度オーバーヒートする可能性があるのであまりおすすめはできません。
どうしても自走しなければならない状態でない限り、プロにお願いすることをおすすめします。

オーバーヒートの修理費用はいくら?


オーバーヒートの修理費用はどれだけ深刻な故障なのかによります
大型トラックの場合、もしエンジンを載せ替える必要があるなら、数百万円かかるでしょう。
逆にサーモスタットの交換程度なら数千円からお願いできます。

しかし少しでもオーバーヒートしかけた車両の修理をする場合、劣化具合や、ついでという意味合いも込めて、水回りの消耗品を丸ごと交換がほとんどです。
また、一度オーバーヒートすれば、現状で故障した症状が出ていなくても、今後何かしらのトラブルが出てくる可能性が高くなるので一式交換する方法が一般的でしょう。
一般的に交換する部品としては、
・ラジエーターホース
・ラジエーターキャップ
・サーモスタット
・ウォーターポンプのガスケット
などとなります。

これらすべてを交換すれば最低でも1万円以上はかかります。
大型トラックの場合、パーツの値段も高いので数万円になる可能性もあります。

加えてオーバーヒートした原因がラジエーターやウォーターポンプである場合、これらのパーツも交換しなければなりません
またエンジンへのダメージ具合にもよって、修理費用は大幅に変わります。
覚えていてほしいのは、深刻なオーバーヒートの場合、修理費用は高額になるという点と迅速で適切な対処によって修理費用を安く抑えることができる点です。

オーバーヒートを防ぐための点検方法とは?


オーバーヒートを事前に防ぐためには、定期的な点検が欠かせません。
主な点検箇所は以下の4点です。
・冷却水の量
・エンジンオイルの量
・ラジエーターサイドタンクのヒビ割れ
・電動ファンの動きや配線の状態確認

オイルや水の量を見る背景には、どこかで水漏れが起こっていないか確認する意味合いも含まれています。
水が減っているからと確認せずに継ぎ足し続けていると、漏れに気付かない可能性もあり危険です
ラジエーターホースやウォーターポンプ、ラジエーターの水漏れは素人ではきちんと確認できません。
トラックの構造を把握している整備士だからこそ見つけられることも多いので、自分で点検するだけでなく整備工場へ持ち込み定期的に確認してもらいましょう。

もし、年式の古いトラックであれば、水回りに使用されているホースやガスケットなどが劣化し、今後漏れてくる可能性は十分にあります
定期的な点検と同時に、消耗品の交換もおこなうことが深刻なトラブルを防ぐカギとなるのです。

まとめ


オーバーヒートの原因はさまざまですが、その多くが冷却系でのトラブルです。
冷却水であるクーラーントの不足やラジエーターファンの故障など、エンジンを冷ますことが困難な状態で発生します。
また、意外と見落としがちなトラブルとして、ドライブベルト切れなどもあります。

オーバーヒートした場合、すみやかに路肩に車を停めエンジンを冷ましましょう。
そして大切なのは、なにが原因でオーバーヒートしかけたのかという原因追求と、エンジンへのダメージを把握することです。
エンジンへ大きなダメージが加わっていると、現在故障していなくても、今後トラブルになる可能性は高いでしょう。
安全に走行するためにも、定期的な点検や消耗品の交換はしっかりとおこないましょう。

  • オーバーヒートの原因の多くは冷却系統にある
  • 症状は水温計が高温を指して下がらない、煙や異音、異臭の発生など
  • オーバーヒートした場合、すみやかに車を停車させる
  • 予防方法は点検の実施と適切なタイミングでの消耗品の交換

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