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大型特殊免許で運転できる車両は?免許の取得方法・費用・日数|税金やナンバーについても解説します!


大型特殊免許でどのような車両が運転できるのか疑問に思っている人は多いのではないでしょうか?大型特殊免許を所持していると、フォークリフトやショベルカー、農耕用トラクターなどさまざまな車両を運転することができます。この記事では、大型特殊自動車の定義や大型特殊免許で運転できる車両、免許の取得方法などを説明します。税金や車検、関連する法律なども解説しているので、参考にしてください。

特殊自動車とは作業機械がメインの車

大型特殊自動車の説明をする前に、そもそも特殊自動車とはどういった自動車か説明します。
特殊自動車とは、作業機械としての用途がメインの車のことです。代表的な車として、トラクターやフォークリフトなどがあり、一般的に「はたらく車」と言われているものが該当します。

主に、農耕や建設などの現場で用いられています。

特殊自動車は、大型特殊自動車と小型特殊自動車の2種類があります。法律で明確に定義されており、サイズや速度などが分類の基準です。

大型特殊自動車とは

大型特殊自動車とは、小型特殊自動車の規格に適合しない特殊自動車のことです。道路交通法(運転免許などに関わる法律)と道路運送車両法(車検・登録・強制保険などに関わる法律)の2種類の定義があります。

道路交通法上の大型特殊自動車の定義

道路交通法上の大型特殊自動車の定義は、以下のとおりです。

自動車の種類 長さ・幅・高さ 最高時速
大型特殊自動車 小型特殊自動車の規格をこえるもの 小型特殊自動車の規格をこえるもの
小型特殊自動車 4.7m以下・1.7m以下・2.0m以下 15km以下

(参考:国土交通省『自動車の種類』

道路交通法では、車体のサイズと最高時速によって、大型と小型に分類されます。長さ×幅×高さが4.7m×1.7m×2.0mを超えており、最高時速が15km/hを超えている特殊自動車は、大型特殊自動車です。

道路運送車両法上の大型特殊自動車の定義

道路運送車両法上の大型特殊自動車の定義は、以下のとおりです。道路交通法のように、農耕用とその他の用途での区分けはありません。また、車体のサイズ基準も若干異なります。

自動車の種類 車輪数 長さ・幅・高さ エンジン排気量
大型特殊自動車 制限なし 制限なし 制限なし
小型特殊自動車 農耕作業用 制限なし 制限なし 制限なし
荷役運搬・土木建設作業用 制限なし 4.7m以下・1.7m以下・2.8m以下 制限なし

(参考:国土交通省『自動車の種類』

道路運送車両法では、農耕トラクターなどの農耕作業用の特殊自動車は小型特殊自動車に分類されます。ただし、最高速度35km/h未満に限定されており、これを超えると大型特殊自動車扱いです。

フォークリフトやショベルカーなど、荷役運搬や土木建設作業用の自動車には、車体の大きさに制限があります。また、最高速度は15km/h以下に限定されます。
荷役運搬や土木建設用の場合、長さ×幅×高さが4.7m以下×1.7m以下×2.8m以下かつ、最高速度15km/h以下の規定に当てはまらなければ、大型特殊自動車です。
(参考:長岡市「大型特殊自動車と小型特殊自動車」

大型特殊免許で運転できる車両

大型特殊免許を所持していると、道路交通法で定義された大型特殊自動車に乗ることができます。また、大型特殊免許を持っていれば、小型特殊免許が必要な車両と原付自転車も運転できます。
道路交通法での大型特殊免許で乗れる車両の定義は下記のとおりです。

車両の定義 代表的な車種
長さ×幅×高さ:4.7m×1.7m×2.0m超
最高時速:15km超
フォークリフト、トラクター、ホイールローダー、ショベルカー

長さ×幅×高さが4.7m×1.7m×2.0mを超えており、最高時速が15kmを超えていれば、フォークリフトやトラクター、ホイールローダー、ショベルカーなどの車両の運転が可能です。

大型特殊自動車の代表例

代表的な大型特殊自動車を紹介します。

フォークリフト


フォークリフトとは、荷物の運搬や積み下ろし作業に用いられる車両です。
車両の前側に付いてる「フォーク」という2本の棒で荷物を持ち上げ、移動させます。「パレット」という荷物を乗せる板にフォークを差し込み、上下させることで、大量の荷物を一度に動かすことが可能です。

トラクター


トラクターとは、農作業で用いられる車両です。
トラクターは、アタッチメントの交換をすると、田植えや草刈り、畝立てなどの農作業ができます。かつては、牛や馬が重い肥料や土など農業資材の運搬に利用されていました。現代では、トラクターがその役割を務めています。

ホイールローダー


ホイールローダーとは、工事現場や除雪作業、採石場などで用いられる車両です。ホイールローダーは、車両の前方に大きな「バケット」が付いており、瓦礫や石などを掬うことができます。対象物を掬ったバケットをアームで持ち上げ、別の場所やトラックの荷台に移動させます。

ショベルカー


ショベルカーとは、主に建設現場で用いられる車両です。車両の前側に長いアームが取り付けられており、その先にバケットが付いているのが特徴です。建設現場で、地面の穴を掘ったり、均したりするために使います。

現場で使用するには作業免許も必要

大型特殊免許は、大型特殊自動車を「公道で運転」するための免許です。工事現場などで作業する場合は、その作業に合った作業免許を取得する必要があります。

例えば、フォークリフトの操縦には、最大積載重荷1t未満であれば「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」、1トン以上であれば「フォークリフト運転技能講習」を受けなければなりません。そのほか、建設機械の操縦には、労働安全衛生法に基づく運転技能講習の終了が義務付けられています。

<こちらの記事で、フォークリフトの免許取得方法について詳しく解説しています>
フォークリフトの免許を取るには|免許の種類や必要な講習時間と費用・試験の難易度などを解説

大型特殊免許の取得方法

大型特殊免許の取得方法を紹介します。
大型特殊免許を取得するには、3つの方法があります。

①教習所に通う
②合宿免許で教習を受ける
③一発試験を受ける

3つの取得方法の日数、費用、メリットを表にまとめました。

取得方法 教習所 合宿 一発試験
日数 4日以上 4日以上 9日程度
費用 10万円程度 10万円程度 6,100円
(試験手数料+交付手数料+車両使用料)
メリット 仕事と両立しやすい
自分のペースで免許取得が可能
免許の短期取得が可能 費用を削減できる

①教習所で大型特殊免許を取得する方法

大型特殊免許を取得する方法として、最も一般的なものは、教習所に通う方法です。
教習所選びの際は、大型特殊免許の取得に対応しているスクールかどうかを確認しましょう。
日数は、短ければ4日間で卒業検定まで修了できます。しかし、仕事をしながら教習所に通う場合、予定が合わずスムーズに予約が取れない可能性が高いです。教習所に行くペースが遅ければ、その分取得が遅れますが、生活リズムに合わせて自分のペースで通えるメリットがあります。

②合宿免許で大型特殊免許を取得する方法

合宿免許に参加して、教習を受ける方法もあります。
合宿免許であれば、開始から卒業検定まで4日間程度で完了する場合が多いです。連休が取得できるなら、合宿免許に参加すれば、教習所に通うよりも早く教習が終わるでしょう。
合宿免許も、教習所に通う方法と同様に、実際に運転の練習ができます。免許取得後、現場で運転するときに安心です。

③ 一発試験で大型特殊免許を取得する方法

最後に、一発試験について説明します。一発試験とは、教習所や合宿で運転免許教習を受けず、免許試験場で直接試験を受ける方法です。
一発試験には、免許取得にかかる費用が大幅に抑えられるメリットがあります。
運転に自信がある方や、どうしても費用を節約したい方はチャレンジしてもよいかもしれません。ただし、運転の練習をせず試験に望むことになるので、合格率は自動車学校を卒業した場合と比べて低い傾向にあります。

<こちらの記事でも大型特殊免許取得について詳しく解説しています。>
大型特殊免許を取得するために必要な日数や費用、コツなどを徹底解説!どんな車が該当するの?

大型特殊免許の受験資格

大型特殊免許は、以下の条件に当てはまる人が取得できる資格です。

年齢 視力
18歳以上 両目0.7以上かつ一眼0.3以上
(一眼が見えない人は、他眼の視野が左右150度以上かつ視力が0.7以上)

普通免許など、ほかの免許を持っていなくても取得できます。ただし、大型特殊免許で運転できる車両は、大型特殊自動車、小型特殊自動車、原付自転車の3種類です。普通自動車の運転はできないので、気をつけましょう。ちなみに、普通免許以上の免許を持っている人は、大型特殊免許取得時の学科試験が免除になります。

(参考:大阪府警『免許の取り方』

大型特殊自動車は固定資産税がかかる

大型特殊自動車は「自動車」名前が付いていますが、自動車税や軽自動車税はかかりません。その代わりに、固定資産税が課税されます。道路交通法第三条で定める大型特殊自動車は、償却資産とみなされるからです。これは、道路運送車両法施行規則で定められています。現在は使っていない車両であっても、申告しなければなりません。

農耕用の特殊自動車の場合は、車両の規格によって、軽自動車税か固定資産税のどちらかの課税対象になります。どちらの課税対象になるかの判断は、道路運送車両法上の車両区分で見分けられますが、農耕作業用の場合でも、最高速度が35kmを超えるものは固定資産税の申告対象です。

■ 特殊自動車にかかる税金

農耕用特殊自動車(トラクターなど)
最高速度35km/h超 固定資産税
最高速度35km/h以下 軽自動車税

 

農耕用以外の特殊自動車(フォークリフトなど)
長さ×幅×高さが4.7m×1.7m×2.8m超 固定資産税
長さ×幅×高さが4.7m×1.7m×2.8m以下 軽自動車税

大型特殊自動車のナンバープレート

大型特殊自動車は、公道を走行する場合ナンバープレートの交付を受ける必要があります。建設機械と、それ以外の車両でナンバープレートの分類番号が異なります。また、自家用の場合は白地に緑文字、事業用の場合は緑地に白文字です。

車両の種類 分類番号
大型特殊自動車(建設機械を除く) 9、90および900〜999
大型特殊自動車(建設機械) 0、00〜09および000〜099

ナンバー交付済み大型特殊自動車は車検が必要

ナンバープレートが交付された大型特殊自動車は、車検を受けなければなりません。車検の有効期間は、事業用と自家用とで異なります。

■ 大型特殊自動車の車検期限
・事業用:毎年(初回2年)
・自家用:2年に1回(初回2年)
大型特殊自動車は、車検の他に「特定自主検査」の義務があります。特定自主検査とは、特殊な作業機械を安全に使用するための検査です。厚生労働大臣が認めた登録検査業者で、資格保有者による検査を受ける必要があります。検査項目と検査の有効期限は、フォークリフトやブルドーザーなど、機械によって異なります。
(参考:公益社団法人建設荷役車両安全技術協会「特定自主検査」

小型特殊自動車はナンバー登録が必要

所持している特殊自動車が、道路交通法で定める小型特殊自動車であった場合、車両を使用していなくてもナンバープレートの交付を受けなければなりません。ナンバープレートには、課税標識の意味も含んでいるからです。公道を走行しない場合であっても、必ず指定の市区町村に申告し、軽自動車税を納めましょう。

(参考:山鹿市「農耕トラクタなどの小型特殊自動車のナンバー登録について」

大型特殊自動車のよくある質問


大型特殊自動車について、よくある質問をまとめました。

大型特殊自動車は高速道路を走っても良いの?

まず、高速道路では​​、農耕用特殊自動車などの時速50km/h以上のスピードが出せない車両は走行できません。また、原則として、幅2.5m、高さ4.1m、長さ12m、総重量25tを超える車の走行を禁止しています。そのため、この規格を超える大型特殊自動車であれば、高速道路の走行はできません。
ただし、やむを得ないと認められる場合には、通行者の申請に基づいて、条件付きで認められる場合があります。

特殊自動車通行許可は、オンラインでも申請可能です。こちらの国土交通省の「特殊車両通行許可オンライン申請」から申請できます。

(参考:国土交通書関東地方整備局「特殊車両通行許可制度について」

大型特殊自動車の法定速度は何km/h?

大型特殊自動車の法定速度は、一般道で60km/h、高速道路で80km/hです。大型貨物自動車と同じ速度規制が適用されています。違反時も、大型貨物自動車と罰則は同じです。

大型特殊免許の試験はどのような内容?

大型特殊免許を取得するには、学科試験と実技試験があります。普通自動車以上の免許を持っている場合は、学科試験は免除です。実技試験は、100点からの減点方式で採点されます。

実技試験は、具体的に以下のような項目が採点されます。

・乗車前の安全確認
・ミラーの確認やシートベルトの装着手順
・発進時の操作
・指示速度での直線コース走行
・右左折
・方向変換
・駐停車時の幅寄せ
・降車手順

こちらは、あくまでも一例です。詳しくは、運転免許教本などで学習しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は大型特殊自動車の概要から免許の取得方法、税金まで詳しく解説しました。要点をまとめると下記のとおりです。

  • 大型特殊自動車とは小型特殊自動車の規格に適合しない特殊自動車のことで、道路交通法と道路運送車両法の2種類の定義がある
  • 大型特殊免許でフォークリフト、トラクター、ホイールローダー、ショベルカーなどの車両が運転できる
  • 大型特殊免許は、その作業に合った作業免許も取得する必要がある
  • 大型特殊免許の取得方法は3つ
    ①教習所に通う②合宿に参加する③一発試験を受ける
  • 大型特殊自動車は固定資産税がかかる
  • 建設機械とそれ以外の車両でナンバープレートの分類番号が異なる

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