重機・建設機械の免許とは?種類・取得までの期間・費用・講習
建設現場で欠かせない重機や建設機械を安全に扱うためには、法律で定められた免許や資格の取得が必要です。免許・技能講習・特別教育にはそれぞれ役割や範囲があり、業務内容や機械の種類によって求められるものが異なります。
本記事では、その違いや関係性についてわかりやすく解説します。
目次
重機・建設機械とは?
重機や建設機械は、建設・土木工事現場などで、作業を効率的におこなうための「働くクルマ」の総称です。トラックが貨物輸送を目的とした「貨物自動車」と呼ばれるのに対し、重機や建設機械は、ショベルカーやクレーン車のように、特定の作業をおこなうことを目的として製造されています。重機や建設機械は、作業内容や規模によって多岐にわたる種類が存在し、それぞれの用途に適した機能と構造を持っています。
活用する場所・用途
重機や建設機械は、建設・土木工事現場だけでなく、港湾や河川、ダム工事、下水道工事、さらには除雪作業など、多岐にわたる場所で活躍している機械です。重機や建設機械は、現代社会のインフラ整備や維持において重要な役割を担っています。特に、ショベルカーやブルドーザー、クレーン車といった一般建設機械は、それぞれの用途に応じて様々な場面でその能力を発揮しています。
重機・建設機械の免許・資格とは?
建設現場で活躍する重機や建設機械は、安全に取り扱うために専用の免許や資格が求められます。これらは単に操作技術を証明するものではなく、現場の安全性を確保し、作業効率を高めるためにも不可欠です。
注意すべき点は「作業をおこなうための資格」と「機械を移動させるための免許」が異なるケースが多いことです。例えばフォークリフトやクレーンなどでは、現場で作業するには操作資格が必要ですが、公道を走らせる場合は運転免許も必要となります。扱う機械ごとに要件は細かく分かれているため、目的に応じて正しい免許を取得することが重要です。
重機・建設機械を運転・操作に必要な免許
重機や建設機械の運転には、大きく分けて「免許」と「資格」に分類されます。また、資格は「技能講習」と「特別教育」に細分化されます。それぞれの重機や建機に適した免許・資格を取得することで、安全かつ効率的な作業が可能になります。
1.免許
建設機械や重機を操作する際に必要とされる「免許」は、技能講習や特別教育よりも上位に位置づけられる資格です。そのため、一度免許を取得すれば、講習や教育で扱う範囲の作業も包括的におこなえるのが特徴です。
免許の取得によって技能が公的に証明されるだけでなく、作業現場の安全性を高め、効率的に作業を進めることにもつながります。さらに、免許の保有は建設業界でのキャリア形成にも大きく役立ち、将来的な活躍の幅を広げる重要なステップとなります。
2.資格
資格は、「技能講習」と「特別教育」に分類されます。特に車両系建設機械の運転では、機体質量によって受講すべき講習が異なります。それぞれの資格について解説します。
2-1.技能講習
技能講習は、重機や建設機械を安全に扱うために必要とされる資格で、特別教育よりも高度な知識と操作技術を習得することを目的としています。特定の危険性や有害性をともなう作業に従事する際には、この講習を修了することが法律で義務付けられています。
例えば、ショベル系建設機械やフォークリフトなど、一定規模以上の機械を扱う場合は必ず技能講習が必要です。修了すると「技能講習修了証明書」が交付され、法的にその作業をおこなえる資格が与えられます。
技能講習を受けることは、安全面の確保はもちろん、現場での信頼性を高め、キャリアアップにも直結する重要なステップとなるでしょう。
2-2.特別教育
特別教育は、危険性や有害性を伴う特定の業務に従事する際に必要となる専門的な教育です。現場で直接作業をおこなう労働者だけでなく、指導や監督を担う立場の人にも受講が求められます。労働安全衛生法第59条に基づき、事業者には対象となる業務に従事する労働者へ事前に特別教育を実施する義務があります。
教育内容は、作業に必要な知識や安全対策を中心に定められ、対象となる業務ごとに期間やカリキュラムが決められています。特別教育を受けることで、安全意識を高め、現場での事故やトラブルを未然に防ぐことが可能になります。
免許と技能講習、特別教育の関係性
建設機械や重機の取り扱いに関する資格は、「特別教育 < 技能講習 < 免許」という階層的な関係があります。
「特別教育」は基礎的な安全知識を習得する段階で、比較的危険度の低い業務に対応します。「技能講習」はより高度な操作や危険性の高い作業に必要とされ、受講時間や内容も充実しています。そして最上位に位置する「免許」は、広範囲の作業をおこなえる資格であり、取得していれば下位の技能講習や特別教育でカバーされる業務も基本的に対応可能です。
例えば、移動式クレーンでは、それぞれの免許や資格によって下記の業務に分けられています。
免許・資格 | 対応範囲 |
移動式クレーン特別教育 | つり上げ荷重0.5t以上1t未満の移動式クレーンの運転業務 |
小型移動式クレーン技能講習 | つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーンの運転業務 |
移動式クレーン運転士免許 | つり上げ荷重5t以上の移動式クレーンの運転業務 |
無免許で重機・建設機械を運転した場合の罰則・罰金
もし、無免許で建設機械の運転や作業をおこなった場合、使用者だけでなく、その作業を指示した事業者も罰則の対象です。具体的な罰則は下記の通りです。
罰則対象者 | 罰則 |
使用者 | 50万円以下の罰金 |
事業者 | 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金 |
(引用元:労働安全衛生法(◆昭和47年06月08日法律第57号)|厚生労働省)
無資格での運転は、単に法律違反となるだけでなく、重大な事故につながる可能性もあるため、必ず所定の運転用免許を取得してください。
【一覧】重機・建設機械の免許資格の種類と内容
ここでは、代表的な重機・建機の免許資格の種類と内容を紹介します。
それぞれの種類について、どのような作業が可能になるのかを詳しく解説していきますので、ご自身の目的に合った資格を見つける際の参考にしてください。
1.フォークリフト運転者
フォークリフト運転者は、フォークリフトを運転する際に必要となる資格を持っている人です。資格や免許に応じた対応範囲は、下記の通りです。
資格・免許 | 対応範囲 |
フォークリフト運転特別教育 | 最大積載荷重1t未満のフォークリフトの運転 |
フォークリフト運転技能講習 | 最大積載荷重1t以上のフォークリフトの運転 |
取得に必要な費用や日数は受講する講習によって異なりますが、比較的短期間で取得が可能です。学科と実技の試験をクリアすることで、フォークリフトの運転に関する知識と技術が身につきます。
2.ショベルローダー等運転者
ショベルローダー等運転者は、ショベルローダーやフォークローダー、ログローダーの運転・操作に必要な資格を持っている人です。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
ショベルローダー等運転特別教育 | 最大積載荷重1t未満のショベルローダー等の運転 |
ショベルローダー等運転技能講習 | 最大積載荷重1t以上のショベルローダー等の運転 |
3.車両系建設機械運転者
両系建設機械運転者とは、建設現場で不可欠な車両系建設機械を運転・操作するための資格を持っている人です。この資格は、機体質量によって小型と大型に分かれており、それぞれ対応する講習の取得が必要です。具体的な資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育 | 機体重量3t未満の整地・運搬・積込み用機械、掘削用機械の運転 |
小型車両系建設機械(基礎工事用)運転特別教育 | 機体重量3t未満の基礎工事用機械の運転 |
小型車両系建設機械(解体用)運転特別教育 | 機体重量3t未満の解体用機械の運転 |
車両系建設機械(整地等)運転技能講習 | 機体重量3t以上の整地・運搬・積込み用機械、掘削用機械の運転 |
車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習 | 機体重量3t以上の基礎工事用機械の運転 |
車両系建設機械(解体用)運転技能講習 | 機体重量3t以上の解体用機械の運転 |
資格を取得すると、機体重量に応じて下記の建設機械の運転が可能です。
・ブルドーザー |
4.不整地運搬車運転者
不整地運搬車運転者は、不整地の現場で資材などを運搬する不整地運搬車の運転・操作に必要な資格を持っている人です。資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
不整地運搬車運転特別教育 | 最大積載量1t未満の不整地運搬車の運転 |
不整地運搬車運転技能講習 | 最大積載量1t以上の不整地運搬車の運転 |
5.高所作業車運転者
高所作業車運転者とは、高所での作業に特化した高所作業車を運転・操作する際に必要な資格を持っている人です。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
高所作業車運転特別教育 | 2m以上10m未満の高所作業車を運転 |
高所作業車運転技能講習 | 10m以上の高所作業車を運転 |
6.移動式クレーン運転士
移動式クレーン運転士は、その名の通り移動式クレーンという車両を運転し、作業をおこなうための資格を持っている人です。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
免許・資格 | 対応範囲 |
移動式クレー特別教育 | つり上げ荷重0.5t以上1t未満の移動式クレーンの運転業務 |
小型移動式クレーン技能講習 | つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーンの運転業務 |
移動式クレーン運転士免許 | つり上げ荷重5t以上の移動式クレーンの運転業務 |
資格を取得すると、つり上げ荷重に応じて下記の建設機械の運転が可能です。
・トラッククレーン ・積載形トラッククレーン ・レッカー型トラッククレーン ・ホイールクレーン ・オールテレーンクレーン ・ラフテレーンクレーン ・クローラクレーン ・鉄道クレーン ・浮きクレーン |
7.クレーン・デリック運転士
クレーン・デリック運転士は、天井クレーンや橋形クレーン、ジブクレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールといった各種クレーン及びデリックを運転するために必要な免許・資格を持っている人です。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
クレーンの運転特別教育 | つり上げ荷重5t未満のクレーン又はつり上げ荷重5t以上の跨線テルハの運転 |
デリックの運転特別教育 | つり上げ荷重5t未満のデリック |
床上操作式クレーン運転技能講習 | つり上げ荷重5t以上の床上操作式クレーンの運転 |
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) | つり上げ荷重5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)の運転 |
クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)免許 | つり上げ荷重5t以上の床上運転式クレーンの運転 |
クレーン・デリック運転士免許 | つり上げ荷重5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)又はデリックの運転 |
8.玉掛け作業者
玉掛け作業者は、クレーンなどで荷物を吊り上げる際に、フックに掛け外しをおこなう作業必要な資格を持っている人です。この資格を取得すると、あらゆる種類のクレーン、デリック、移動式クレーン、揚貨装置の玉掛け作業が可能になります。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
玉掛け特別教育 | つり上げ荷重1t未満のクレーンなどの玉掛け |
玉掛け技能講習 | つり上げ荷重1t以上のクレーンなどの玉掛け |
9.揚貨装置運転士
揚貨装置運転士は、船舶に設置されたデリックやクレーンなどの揚貨装置を運転・操作するための資格を持っている人です。陸上のクレーンとは異なり、船舶に設置された揚貨装置は船の揺れなども考慮した繊細な運転技術が求められます。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
揚貨装置運転特別教育 | 制限荷重5t未満の揚貨装置の運転 |
揚貨装置運転士免許 | 制限荷重5t以上の揚貨装置の運転 |
10.締固め用機械運転者
締固め用機械運転者は、地盤や路盤の締固め用機械の運転に特化した資格を持っている人です。資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
ローラーの運転の業務に係る特別教育 | ローラー(締固め用機械)の運転 |
この資格には「ローラー(締固め用)特別教育」しかなく、取得すると重量制限などなく、下記の機械などを運転できます。
・タイヤローラー ・コンバインドローラー ・ハンドガイドローラー ・ロードローラー ・振動ローラー ・道路舗装用の小型機 |
11.巻上げ機運転者
巻上げ機運転者は、動力で駆動する巻上げ機の運転をおこなう際に必要となる資格を持っている人です。巻上げ機はウインチとも呼ばれ、ワイヤーロープなどを巻き付けて荷物の上げ下ろしや横引きをおこなう機械です。建設現場や工場での資材搬送など、幅広い現場で利用されています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
巻上げ機運転特別教育 | 巻上げ機の運転(ゴンドラを除く) |
この資格も「巻上げ機運転特別教育」しかなく、取得すれば電気ホイスト、エアーホイスト及びこれら以外の巻上げ機でゴンドラに係るものを除いた、すべての巻上げ機の操作がおこなえます。
ただし、18歳未満の者は巻上げ機の運転業務に就けない点は注意が必要です。
12.ボーリングマシン運転者
ボーリングマシン運転者は、地質調査などで使用されるボーリングマシンを運転・操作する際に必要な資格を持っている人です。
ボーリングマシンを運転するには、「ボーリングマシンの運転特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
ボーリングマシンの運転特別教育 | ボーリングマシンの運転 |
13.非自走式基礎工事用建設機械運転者
非自走式基礎工事用建設機械運転者は、動力を用いた基礎工事用建設機械の運転業務に携わる際に必要な資格を持っている人です。非自走式の基礎工事用建設機械を運転するには、「基礎工事用建設機械の運転特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
基礎工事用建設機械の運転特別教育 | 非自走式の基礎工事用建設機械の運転 |
「基礎工事用建設機械の運転特別教育」を修了することで、不特定の場所に自走できるもの以外の基礎工事用建設機械の運転が可能になります。
14.ゴンドラ操作者
ゴンドラ操作者は、清掃やメンテナンス用、建設用など、多様なゴンドラの運転をする資格を持っている人です。
ゴンドラを運転するには、「ゴンドラ取扱特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
ゴンドラ取扱特別教育 | ゴンドラの運転 |
15.建設用リフト運転士
建設用リフト運転士は、建設用リフトの運転業務に関する資格を持っている人です。建設用リフトを運転するには、「建設用リフト特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
建設用リフト特別教育 | 積載荷重が0.25トン以上、ガイドレールの高さが10メートル以上の建設用リフトの運転 |
規定未満の建設用リフトは、資格がなくても運転できますが、安全面を考慮すると資格を持っていた方が安全です。
16.ジャッキ式つり上げ機械運転者
ジャッキ式つり上げ機械運転者は、ジャッキ式つり上げ機械の運転に必要な資格を持っている人です。ジャッキ式つり上げ機械を運転するには、「ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
ジャッキ式つり上げ機械の調整又は運転特別教育 | ジャッキ式つり上げ機械の運転 |
この資格を取得すると、橋桁の架設や大型構造物の持ち上げなど、高度な技術を要する作業で活躍できます。
17.軌道装置動力車運転者
軌道装置動力車運転者は、線路を走行する動力車(人や荷物を運ぶ車両、または動力で動く巻き上げ装置)の運転に必要な資格を持っている人です。です。線路を走行する動力車を運転するには、「軌道装置動力車特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
軌道装置動力車特別教育 | 軌道装置動力車の運転 |
18.研削といし取替試運転作業者
研削といし取替試運転作業者は、研削といしの交換と、交換後の試運転をおこなう際に必要な資格を持っている人です。研削といし取替試運転作業者は、「自由研削といし」と「機械研削といし」の2種類の特別教育があり、それぞれ対象となる機械が異なります。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
自由研削といしの取替え等業務特別教育 | 自由研削といしの取替えまたは取替え時の試運転 |
機械研削といしの取替え等業務特別教育 | 機械研削といしの取替えまたは取替え時の試運転 |
自由研削といしには、携帯用、卓上用、スイング、ワゴンなどのグラインダーや高速カッターなどが該当します。一方、機械研削といしには、円筒研削盤や平面研削盤、内面研削盤、心なし研削盤などが該当します。
19.チェーンソー作業者
チェーンソー作業者は、伐木などの作業をおこなう際に必要な資格を持っている人です。チェーンソー作業者は、「伐木等の業務に係る特別教育」の修了が義務付けられています。
資格や免許に応じた対応範囲は、下記になります。
資格・免許 | 対応範囲 |
伐木等の業務に係る特別教育 | チェーンソーを使用して立木の伐木、かかり木の処理、または造材をおこなう業務 |
伐木作業の特別教育は2020年8月から新制度が適用されました。旧教育修了者は一部免除されますが、追加受講が必要で、安全科目も強化されています。
20.特殊自動車免許
特殊自動免許は、フォークリフトやショベルローダーなどの重機・建設機械を、公道で運転するための免許です。
特殊自動車免許は小型と大型に分かれており、以下の違いがあります。
資格・免許 | 対応範囲 |
小型特殊自動車免許 | 最高速度時速15km以下、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.8m以下の特殊車両を公道で運転 |
大型特殊自動車免許 | 全長12m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下の特殊車両を公道で運転 |
重機・建設機械の中には大型特殊自動車に分類されるものが多くあるため、免許を取得しておけば幅広い場面で活用できるでしょう。
重機・建設機械の運転や操作に必要な免許・資格の取得方法
重機や建設機械の運転操作資格は厚生労働省が定める特別教育や技能講習を修了することで取得できます。特別教育や技能講習では、学科と実技を受講したのに資格を取得できます。
受験資格は、取得する資格によって年齢や実務経験などを問われる場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
重機・建設機械免許取得の費用と期間
重機・建機免許の取得には費用と期間がかかります。重機・建設機械免許取得の費用と期間について、それぞれ解説します。
1.費用
車両系建設機械の取得費用は、保有する免許の種類や受講する講習の日数によって変動します。たとえば、フォークリフト運転技能講習の場合、具体的な費用は下記になります。
保有資格 | 受講料 | テキスト代 | 保険料等 | 合計 |
無し | 41,800円 | 1,600円 | 2,200円 | 45600円 |
普通自動車免許 | 38,800円 | 42600円 | ||
フォークリフト運転経験6カ月以上あるが、普通自動車免許なし | 21,400円 | 25,200円 | ||
大型特殊自動車免許、もしくは大型、普通自動車免許を有しフォークリフト運転経験3ヶ月以上 | 16,900円 | 20,700円 |
(引用元:フォークリフト運転技能講習の料金表|那須クレーン教習所)
教習所によって金額は異なるので、詳細な費用については、各教習所のウェブサイトなどで確認することをおすすめします。
2.期間
フォークリフト運転技能講習の免許取得にかかる日数は、保有する免許によって変わってきます。具体的な期間は下記になります。
保有資格
期間
無し
5日(35時間)
普通自動車免許
4日(31時間)
フォークリフト運転経験6カ月以上あるが、普通自動車免許なし
3日(15時間)
大型特殊自動車免許、もしくは大型、普通自動車免許を有しフォークリフト運転経験3ヶ月以上
2日(11時間)
(引用元:フォークリフト運転技能講習の料金表|那須クレーン教習所)
このように、すでに取得している免許によって、取得費用だけでなく日数も大幅に短縮できるため、ご自身の状況に合わせて取得を検討されることをおすすめします。
また、取得する資格によっても日数は大きく異なるので、事前に確認しておきましょう。
重機・建設機械免許取得で高収入を目指そう!
トラックドライバーが重機・建機免許を取得することは、高収入を目指す上で非常に有効な手段です。運送業界では運賃の価格競争が激化しており、トラック運転の技術だけでは収入アップが難しい状況にあります。そのため、トラックドライバーが本業以外の周辺資格、特に重機や建設機械の運転免許を取得することで、活躍できるフィールドを広げ、収入アップが期待できます。
重機・建設機械免許についてよくある質問
重機・建機免許について、よくある質問とその回答をまとめました。
重機・建設機械の免許を取得するメリットは?
重機・建機の免許を取得すると、トラックドライバーとしての仕事の幅が大きく広がります。例えば、建設現場や倉庫でフォークリフトやショベルカーを操作できれば、荷物の積み下ろしや整理作業も自分でおこなえるようになり、業務の効率化と収入アップにつながる可能性があります。また、災害復旧作業など、人手が必要とされる特殊な現場での活躍も期待できます。
普通自動車免許しか持っていないが、重機・建設機械の免許は取得できる?
普通自動車免許しか持っていない方でも重機・建機の免許を取得は可能です。ただし、公道を走行する際には、別途、車両の大きさに応じた大型特殊免許などが必要になります。作業現場での操作に限定するのであれば、普通自動車免許の有無にかかわらず、各重機に応じた特別教育や技能講習を修了することで、免許取得が可能です。
重機・建設機械の免許は、一度取得すれば一生有効?
重機・建機の免許や資格には有効期限がありません。一度取得すれば、基本的に更新の必要はなく、生涯有効です。しかし、安全な作業を継続するためには、定期的に最新の知識や技術を学ぶことが重要です。
複数の重機・建設機械の免許をまとめて取得できる?
複数の重機・建機の免許を一度に取得するような「まとめて取得できるパック」のような制度はありません。各重機・建機の種類ごとに、それぞれ対応する技能講習や特別教育を修了する必要があります。しかし、教習所によっては、複数の講習を連続して受講できるようなカリキュラムが用意されている場合もあります。
重機・建設機械の免許は、独学で取得できる?
重機・建機の免許は独学で取得することはできません。労働安全衛生法に基づき、厚生労働大臣が指定する公認教育機関で、学科と実技の講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
まとめ
重機や建設機械の運転操作は、道路交通法の規制を受けるトラック運転とは異なり、それぞれの機械に適した運転操作資格が求められます。トラックドライバーにとって、重機や建設機械の運転操作資格を取得することは、活躍できる業務範囲を広げ、キャリアアップに繋がる魅力的な選択肢です。ぜひ、これらの資格を取得し、活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。
-
- 重機や建設機械は、建設・土木工事現場などで、作業を効率的におこなうための「働くクルマ」の総称
- 重機や建設機械の免許は操作技術を証明するものではなく、現場の安全性を確保し、作業効率を高めるためにも不可欠
- 資格取得のポイントは、作業の危険性に応じて特別教育と技能講習の2種類がある
- 危険性の低い重機は特別教育の修了で運転可能となり、より多くの重機を操作するには技能講習の修了が必要