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環境問題対策に効果的?トラックのマフラー洗浄で得られる効果とは

環境問題対策に効果的?トラックのマフラー洗浄で得られる効果とは
深刻な大気汚染問題が世界的に注目されトラックメーカー各社も環境性能を向上させたトラックの開発・販売を推し進めており、発癌性物質と考えられているPM(粒子状物質)の除去を行う排ガス浄化装置が搭載されています。
自動車NOx・PM法でトラックには排ガス除去装置搭載が義務付けられています。しかし排ガス浄化装置は使用と共に機能低下しますので、排ガス浄化装置をリフレッシュさせ機能低下を防止できるマフラー洗浄を紹介します。

排ガス規制でディーゼルトラックに義務付けられる排ガス浄化装置搭載とは?

排ガス規制でディーゼルトラックに義務付けられる排ガス浄化装置搭載とは?
軽油を燃料として稼働するディーゼルエンジンは低速トルクの高さやリーズナブルな燃料費などの理由で多くのトラックに搭載されていますが、排出ガスに多くの有害物質が含まれるのも事実でトラックメーカー各社は環境性能の向上を懸命に推し進めています。

2011年に施行された自動車NOx・PM法でトラックから排出されるPMへの規制が本格的に開始され、トラックには排ガスに含まれるPMを除去する排ガス浄化装置の搭載が義務付けられました。
トラックに搭載する排ガス浄化装置は正常に機能すれば排ガス中に含まれる炭素成分を99%以上排出抑制できるほど高性能ですが、排ガス浄化装置の機能は使用と共に低下し排出抑制率も低下する傾向にあります。

強く求められる環境問題対策!トラック環境性能への取り組みやエコドライブとは?

排ガス浄化装置はフィルター!再生による目詰まり防止は必須!

既述のとおりトラックへの搭載が義務付けられている排ガス浄化装置は、正常に機能すればディーゼルトラックの排ガスに含まれるPMを99%以上排出抑制できるほど高性能ですが、使用と共に機能低下が生じます。

ディーゼルエンジンを搭載するトラックから排出されるPM(粒子状物質)は、汚染物質として広く知られるPM2.5の約4倍の10マイクロメートル(0.01mm)ほどの大きさがあり、フィルターで捕集できます。
ディーゼルエンジンの排ガスをフィルターで濾過することで排ガスに含まれるPMを捕集し、排ガスを浄化するシステムをイメージすると排ガス浄化装置の基本構造が掴みやすくなります。

フィルター構造ですので、PMを捕集し続けるとフィルターが目詰まりを起こし機能低下するのは想像に難くない現象ですが、トラックの排ガス浄化装置はフィルターに詰まったPMを処理し、再生を行うことで目詰まりを防止します。

排ガス浄化装置は捕集システムで3種類に分類される

ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるPMを捕集する排ガス浄化装置はトラックの環境性能向上に欠かせない需要な装置だと言えますが、現在国内ではDPF方式・DPR方式・DPD方式の3つの種類の排ガス浄化装置が採用されています。

ディーゼルトラックの環境性能向上に不可欠な排ガス浄化装置の違いとは?

ディーゼルトラックの環境性能向上に不可欠な排ガス浄化装置の違いとは?
既述のとおり、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるPMを捕集・除去することで環境性能を向上させる排ガス浄化装置にはDPF方式・DPR方式・DPD方式の3つの種類が存在し国内トラックメーカーは異なる方式の排ガス浄化装置を採用しています。

国内トラックメーカー各社が採用する各排ガス浄化装置は?

排ガス浄化装置がDPF方式・DPR方式・DPD方式の3つに分類されることは既に何度もふれたとおりで、国内のトラックメーカー各社は次に挙げる排ガス処理方式を採用しています。

・DPF方式:三菱ふそう・UDトラックス
・DPR方式:日野自動車
・DPD方式:いすゞ自動車

排ガス浄化方式でPM捕集率に違いはありませんが、トラックメーカー各社が異なる方式の排ガス浄化装置を採用しているのが興味深いため、各排ガス浄化装置の特徴を紹介します。

DPFの排ガス浄化装置再生方式

Diesel Particulate Filterの略称であるDPFは文字通りフィルターを使用した最もオーソドックスな排ガス浄化装置で、三菱とUDの2社が採用する排ガス浄化装置の方式です。捕集したPMは定期的に処理する必要があり、自己再生方式とも呼ばれる連続再生方式や電気ヒーターで焼却処理する間欠再生方式、燃料に添加した触媒で酸化処理する添加剤再生方式などでフィルターの再生を行います。

DPRの排ガス浄化装置再生方式

Diesel Particulate active-Reductionの略称であるDPRはDPFの改良版に位置付けられる排ガス浄化装置で、日野が採用する排ガス浄化装置の方式です。フィルターに堆積したPMをヒーターなどで燃焼再生させるセルフクリーニング機能などが搭載されています。

DPDの排ガス浄化装置再生方式

Diesel Particulate Defuserの略称であるDPDはDPR同様DPFに改良を施した排ガス浄化装置で、いすゞが採用する排ガス浄化装置の方式です。フィルター内に一定量のPMが堆積すると自動的に燃焼による再生を行いますが、再生は停車しアイドリング状態で行う必要があります。

要注意!排ガス浄化装置の再生だけでは完全に除去できない汚れがある?

要注意!排ガス浄化装置の再生だけでは完全に除去できない汚れがある?
排ガス浄化装置はDPF方式・DPR方式・DPD方式の3つに分類されるものの、フィルターにPMを捕集する点や堆積したPMの処理を行い再生させるなどの基本システムは共通しています。

各浄化方法とも再生によって浄化機能低下を防止しますが、使用歴の長期化と共に再生だけで完全にPM処理を行うことが難しくなる傾向が強くフィルターに汚れを残してしまうのも事実です。

さまざまな再生方式で除去できない汚れの処理方法は?

ディーゼルエンジンの排ガスをフィルターで濾過しPMを捕集して排ガス浄化を行う排ガス浄化装置の再生処理では処理しきれない汚れがフィルターをはじめとする排ガス浄化装置に残留します。

残留した汚れは排ガス浄化装置の機能を低下させ排気効率の悪化による燃費性能の悪化を招きかねないため、定期的にマフラー洗浄を行い、排ガス浄化装置をリフレッシュさせることを強くおすすめします。

マフラー洗浄でトラックの排ガス浄化装置をリフレッシュできる!

マフラー洗浄はDPF方式・DPR方式・DPD方式の各方式で行われる再生処理で処理しきれなかった汚れを落とし、排ガス浄化装置をリフレッシュさせることができる排気系統のメンテナンスで高い効果を期待することができます。

排ガス浄化装置をリフレッシュできるマフラー洗浄とは?

排ガス浄化装置をリフレッシュできるマフラー洗浄とは?
マフラー洗浄はその名のとおり排ガス浄化装置を含むトラックのマフラー内部を洗浄し、内部に堆積するPMなどの汚れをスッキリと洗い流すメンテナンスです。マフラー内部を洗浄するために排気系統をトラック本体から取り外す必要がありますが、洗浄することでマフラーや排ガス浄化装置に堆積した汚れを洗い流しリフレッシュさせることができます。

触媒に堆積した炭化物やスラッジを洗浄するマフラー洗浄

マフラー洗浄ではマフラー内部の洗浄も行いますが、重要なのは排ガス浄化装置が搭載される触媒の洗浄だと言えます。各排ガス浄化方法で行われる再生処理で処理しきれずに堆積したPMや処理後に汚れとなって付着している処理後のPMカスなどを次の流れで洗浄します。

①センサー類の取扱いに注意しながらインパクトでマフラーと触媒を取り外す
②触媒に付属する差圧センサーに厳重な防水対策を施す
③触媒の排ガス入口と出口側のフランジを慎重に取り外す
④通水方向を変えながらフィルターを通水洗浄する(50~60度の温水が効果的)
⑤約2時間フィルターを通水洗浄した後に水がスムーズに抜ければ洗浄終了
⑥十分に乾燥させた後、分解の逆の手順で組み上げる

※上記DIYで触媒を脱着し排ガス浄化装置の洗浄は可能ですが、故障や不具合発生の責任は一切負いかねますのであらかじめご了承の上自己責任で触媒の洗浄を行ってください。

マフラー洗浄はDIYでも可能だが専門家に依頼するのがおすすめ!

既述のとおりDIYでトラックの排ガス浄化装置を洗浄し、リフレッシュすることは可能ですしリフレッシュした排ガス浄化装置は本来の機能を取り戻すことが期待できます。しかし触媒をDIYで分解・洗浄・組み上げする際にはセンサー類の防水処理など練度が必要な工程が存在するため専門家に依頼することを強くおすすめします。

中古トラックの排ガス浄化装置のコンディションは良好なのか?

中古トラックの排ガス浄化装置のコンディションは良好なのか?
車両価格や納車期間などトラック乗り換え時に発生するさまざまなコストの問題を解決し、理想的なトラック乗り換えの実現をサポートするのが多彩な中古トラックを取り扱う中古トラック販売店です。

しかし中古トラック販売店で取り扱われる中古トラックの多くは既に一定の使用歴がある車両ですので、排ガス浄化装置のフィルターに汚れが付着しているのが実情です。

既に使用歴のある中古トラックもマフラー洗浄で蘇る!

既に紹介したマフラー洗浄を行うと驚くほどの煤やスラッジなどの汚れが、排ガス浄化装置に付着し固着していることが良く判ります。マフラー洗浄を行えば、中古トラック販売店で購入した中古トラックの排ガス浄化装置の汚れをスッキリ落とすことが可能で、浄化機能をリフレッシュさせ正常な排ガス浄化の実現が大きく期待できると言えるでしょう。

低コストで導入した中古トラックの環境性能はマフラー洗浄で向上させよう!

中古トラック販売店を利用して中古トラックを導入することは、費用対効果の高いトラック導入手段として自信を持っておすすめできますが、既に一定の使用歴のある中古トラックに新車同様のコンディションを求めるのは現実的ではないのも事実です。

しかしマフラー洗浄を行うことでトラック搭載の排ガス浄化装置を完全にリフレッシュさせることが可能であれば、高コスパで環境性能の高いエコトラックを導入できると言えるのではないでしょうか?

希望する機能や架装を搭載した中古トラックを購入し、マフラー洗浄のひと手間をかけることで中古トラック販売店でのトラック導入の費用対効果をさらに高くすることが可能だと言えます。

まとめ

環境問題に対する意識の高まりと共にトラックに対しても高い環境性能の搭載が強く求められる現在、発癌性物質だと考えられるPMの排出量を極限まで抑えられる排ガス浄化装置は非常に重要な装置だと言えるでしょう。
排ガス浄化装置は3種類に分類されますがフィルターで排ガスを濾過してPMを捕集する基本システムは同じで、フィルターに堆積するPMの処理が重要となりますので次の3つのポイントを考慮しながら定期的なマフラー洗浄を実施してください。

  • DPF・DPR・DPDの排ガス浄化装置の基本システムは同じ
  • マフラー洗浄で再生処理しきれない排気汚れをリフレッシュできる
  • 中古トラック購入後マフラー洗浄すれば環境性能を向上できる

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