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【解説】コンテナ輸送の仕組み|種類・輸送方法・メリット・物流会社の選び方

陸海空で行われるコンテナ輸送!陸送を支えるトラック・トラクター・トレーラーとは?

コンテナ輸送は、貨物をコンテナに収納し、船や鉄道、トラックなどを利用して運ぶ輸送形態です。現代の物流において不可欠な存在であり、高い輸送品質を保ちながら大量の貨物を効率的に輸送できるのが大きな特徴です。
本記事では、コンテナ輸送の仕組みや種類、輸送方法からメリットデメリットまでを解説します。

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コンテナ輸送とは?

国内貨物輸送において、トンベースではトラック輸送が9割以上を占めていますが、トンキロベースでは約5割とされており、コンテナ輸送とトラック輸送は密接な関係にあるといえます。

本章では、コンテナ輸送の仕組みや流れといった基礎知識を解説します。

コンテナ輸送の仕組み

コンテナ輸送は、貨物を国際規格で統一された箱(コンテナ)に詰め、港のコンテナターミナルを基点にして船、鉄道、トラックをつないで運ぶ仕組みです。

貨物を一つひとつ扱うのではなく箱ごとに取り回すため、積み替えのたびに荷崩れや紛失が起きにくく、作業時間とコストの両方を抑えられます。

主要サイズは20フィートと40フィートで、容積の目安はそれぞれ約33立方メートル、約67立方メートルです。世界中の港・車両・荷役機器がこの規格に合わせて設計されているため、どの国でも同じやり方で取り扱えるのが強みです。

コンテナ輸送の流れ

コンテナ輸送の流れは、次のとおりです。

①ブッキング(スペース予約)
②空コンテナの引き取り
③荷主側拠点でのバンニング(積み込み)
④重量申告とコンテナヤードへの搬入
⑤本船への積み付け
⑥到着港での荷下ろし
⑦コンテナヤードからの搬出
⑧デバンニング(荷降ろし)

フルコンテナの多くは、荷主の工場や倉庫で箱詰め封印され、輸出港では封印を解かずにそのまま本船へ載せ替えられます。輸入側でも箱単位で受け渡すため、港内での取り扱いは短時間で完了し、滞船と滞留のリスクを抑えられます。

現場では、荷主、通関や手配の窓口、トラック事業者、船会社・ターミナルオペレーターが役割分担し、船荷証券やインボイス、パッキングリスト、通関書類を連携して処理します。

海上輸送コンテナの種類

輸送方法を問わず大量に行われるコンテナ輸送とは?
海上輸送で利用されるコンテナには、輸送する貨物の種類や特性に応じた様々な種類があります。これらのコンテナのあり方は、国際間の物流を円滑に進める上で非常に重要です。国際的に統一された規格によって、海上だけでなく陸上や鉄道など、異なる輸送手段へスムーズに積み替えが可能です。

ここからは、主なコンテナの種類について解説いたします。

1.ドライコンテナ


ドライコンテナは、国際輸送で最も広く使われている種類のコンテナです。一般貨物の輸送に適しており、工業製品や日用品など、常温での輸送が可能な品目に利用されます。

その特徴は、風雨を遮断する密閉された構造と、耐久性の高いコルゲート状のスチール製外装、そして合板の床面です。

ドライコンテナには、ISO規格によって定められた20フィート、40フィートの長さがあります。45フィートコンテナも存在しますが、これは2005年にISOで規格化された比較的新しい規格であり、主にアメリカや中国などアジア主要国で利用が拡大しています。

特に40フィートのハイキューブコンテナは、高さが標準タイプよりも高く、海上輸送で主流となっています。国内の道路でハイキューブコンテナを利用する場合は、特殊車両通行許可制度に基づく許可が必要となることがありますが、重要物流道路など指定された区間では、一定の要件を満たせば許可が不要となる場合があります。

2.リーファーコンテナ


リーファーコンテナは、温度管理が厳密に求められる貨物の輸送に特化したコンテナです。内部の温度を細かく設定でき、冷凍食品や生鮮品はもちろんのこと、医薬品や精密機械、美術品など、温度変化に敏感なあらゆる貨物に対応しています。

安定した温度を保つために、常に稼働している状態であり、定期的なメンテナンスが不可欠です。導入時には、専門知識を持つレンタル業者を選ぶことが重要で、適切な運用サポートを受けることで、輸送品質を高く維持できます。

3.タンクコンテナ


タンクコンテナは、液体や気体の輸送に特化したコンテナです。一般的なコンテナのサイズに合わせた鋼鉄製のフレームがあり、内部にタンクが備えられています。

化学薬品や原酒、ガスなどの輸送に適しており、タイなどアジア諸国への輸出入でも利用されています。危険物を輸送する際には、充填率が80%から95%以内という規定があります。

また、危険物以外にも生鮮食品を鮮度良く運ぶためのタイプなど、多様な種類があります。

コンテナを輸送する船は2つ


コンテナを輸送する船は主に2つの種類があります。これら船は、コンテナ輸送の仕組みにおいて重要な役割を担っており、世界の物流を支えています。
例えば、タイなど様々な国からコンテナを輸送する際に利用されます。

1.在来船

在来船とは、さまざまな形状や種類の貨物を運ぶ一般貨物船を指します。コンテナに入らないような大型貨物の輸送にも対応できるのが特徴です。船自体にクレーンが備わっていることがあり、荷役作業を自力でおこなえるのがメリットです。

しかし、荷役作業に人手がかかることや、天候によって貨物の積み込みが左右されるため、運航が予定通りに進まない可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

このように、在来船は多様な貨物輸送のニーズに対応する一方で、特定の課題も抱えている種類の船だと言えるでしょう。

2.コンテナ船

コンテナ船は、コンテナ貨物専用に設計された船です。世界各地の主要港を結ぶ大型船と、主要港から地方港へ貨物を運ぶ小型船に大別されます。

貨物の積み込みは、陸上に設置されたガントリー、クレーンによって効率的におこなわれるのが特徴です。

この船は決まったスケジュールで定期的に運航しているため、貨物の取り扱いが効率的で、輸送プロセスが標準化されているというメリットがあります。これにより、スムーズな物流を実現し、コンテナ輸送の効率性を高めています。

コンテナ輸送の方法2選


コンテナ輸送には、主に2つの方法があります。これらの方法は、輸送する貨物の量や種類によって使い分けられており、それぞれの特徴を理解することが重要です。

この章では、それぞれの方法の概要と特徴を解説します。

1.コンテナ輸送(FCL)

コンテナ輸送(FCL)は、英語のFull Container Loadの略で、1つのコンテナを1社の荷主が専用で使用する輸送方法です。

この輸送方法では、荷主は自社の倉庫などで中身の貨物をコンテナに詰め込んだ後、コンテナヤードへ輸送し、通関手続きをします。コンテナ輸送のメリットは、他の荷主の貨物と混載されないため、輸送中に荷物へのダメージが少ない点です。

また、荷物の積み下ろし時間が短縮され、輸送スピードが速いという利点もあります。中身の確認が容易であることも、この輸送方法の大きな特徴です。コンテナ輸送のメリットを最大限に活かし、荷物へのダメージを最小限に抑えつつ、速やかな輸送を希望する荷主様に最適な輸送方法です。

混載輸送(LCL)

混載輸送(LCL)とは、英語で「Less than Container Load」の略であり、複数の荷主の貨物を1つのコンテナに混載して輸送する方法のことを指します。

1社ではコンテナを満たすほどの貨物量がない場合に利用され、他の荷主とコンテナスペースを共有することで、必要なスペースのみの利用料金で輸送が可能なため、輸送コストを抑えることができるのがメリットです。

この輸送方法は、少量の貨物を効率的に輸送したい場合に有効な手段です。ただ、他の貨物との積み合わせ作業が必要となるため、FCLに比べて輸送に時間がかかり、荷捌きの手間も増える可能性があります。

コンテナ輸送のメリット・デメリット

コンテナ輸送には、輸送効率や安全性に関するメリットが存在します。この輸送方法は、さまざまな種類の貨物を安全かつ効率的に運ぶために重要な役割を担っており、現代の物流において不可欠な存在です。

しかし、輸送方法によっては、デメリットも存在するため、利用する際には、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。

コンテナ輸送メリット

コンテナ輸送のメリットを紹介します。

荷役効率と滞船時間の削減

コンテナは、箱単位で扱うため、港での積み替えが短時間で完了します。標準化オペレーションとガントリークレーンにより生産性が高まり、船とトラックの待機や、滞船コストを抑えられます。

品質とセキュリティの担保

コンテナは、密閉構造と封印のため、雨水、塩害、粉塵、盗難から貨物を保護できます。
途中で中身に触れない取り扱いのため、荷崩れや紛失が起こりにくく、クレームや再出荷リスクを低減するのもメリットです。

規格化と複合一貫輸送による最適化

コンテナは、20フィート、40フィート、ハイキューブなど寸法が統一されているため、包装やパレット設計がしやすく、箱の中のムダな空間を減らせます。

海、鉄道、トラックをそのままつなげられるので、距離やコスト、納期に合わせて最適なルートを組みやすいです。

コンテナ輸送デメリット

コンテナ輸送には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

規格サイズの制約と貨物適合性

コンテナは、内寸が決まっているため、大型機械や長い部材、いびつな形の設備や部品は、そのままでは積めない場合があります。

対応するには、側面が開いたフラットラック型の手配や、コンテナ設備が前提でない在来船の活用、あるいは製品を分解して再梱包し内寸に合わせるといった追加の設計、手配が必要です。

空コン回送、保管コストと港湾費用

輸出入のバランスが崩れる地域では、空のコンテナを需要のある港へ移動させる必要があり、その空箱の回送費用が運賃に反映されやすくなります。

さらに輸入では、到着後にCYに置いておける無料期間を過ぎると港内保管の超過料、コンテナを持ち出してから返却までの無料期間を過ぎるとコンテナ使用の延長料が発生します。

通関や配送の段取りが遅れるほど、これらの費用が積み上がるため、事前の書類準備と配車確保、返却スケジュールの管理が重要です。

インフラ・運用制約と外部要因リスク

コンテナ輸送は、大型ガントリークレーンや十分な水深、広いコンテナヤードなど港の設備が整っていることが前提で、寄港できる港は限られ、設備のない港へはフィーダー船や在来船での接続が必要になる場合があります。

陸上では、40フィートやハイキューブなどの走行で高さと重量の規制に合わせた通行許可や時間帯規制への対応が欠かせません。

さらに繁忙期は、船のスペースが逼迫し、悪天候や港湾混雑、国際情勢の影響でスケジュールが乱れることもあります。

こうした前提を見越して、代替港・代替船社の確保、余裕あるリードタイム設定、事前の許可取得まで含めた計画づくりが安心です。

トラックによる陸上輸送も可能?


国際的に統一された規格のコンテナは、航空機や貨物船だけでなく、トラックによる陸上輸送も可能です。コンテナの積み降ろしをおこなうコンテナデポやコンテナヤードといった保管場所と、航空機や貨物船の間をコンテナを積載したトラックが運行することで、スムーズな輸送を実現しています。

特に海上輸送と陸上輸送は連携しており、海上輸送で使用されるコンテナは、陸上輸送でトラックに積載されて最終目的地まで届けられることもあります。つまり、トラックはコンテナ輸送において不可欠な存在と言えるでしょう。

コンテナを積載するトラックの種類

海上コンテナを陸上輸送する際は、トラクターヘッドと呼ばれる大型トラックが、海コンシャーシをけん引する構成が基本です。このトラックは、海コントレーラーと呼ばれています。

シャーシは、コンテナ四隅のコーナーにある金具部分をツイストロックで固定し、走行中もコンテナをしっかり保持します。

シャーシには、次の種類があります。

種類
特徴
用途
20フィート専用シャーシ
・20ftコンテナ専用設計で取り回しやすい
・小口貨物
・都市部への輸送
40フィート専用シャーシ
・40ftコンテナ専用
・ハイキューブ対応型もあり
・大量貨
・国際輸送
伸縮式シャーシ
・20ftと40ftを切り替えて使用可能
・混在運行
・柔軟な配車が必要な案件
ジェンセット搭載シャーシ
・冷凍機に電力を供給できる発電機を搭載
・冷凍冷蔵貨物
サイドローダー型シャーシ
・車載クレーンで自ら積み降ろし可能
・荷役設備のない現場
・直接納品
多軸型・重量物対応シャーシ
・軸数を増やし重量物輸送に対応
・重量機械
・建設資材

輸送するコンテナのサイズや重量、港の搬入条件によって最適なタイプを選びます。

海コントレーラー運転に必要な免許・資格


海上コンテナをけん引する海コントレーラーは、一般的な大型トラックとは構造や運転感覚が異なり、運転するには特定の免許と条件が必要です。

基本となるのは、大型免許とけん引免許の2つです。

大型免許

海コントレーラーの前方部分であるトラクターヘッドは、車両総重量が11トン以上、または最大積載量6.5トン以上の大型自動車に分類されます。

そのため、運転するには大型免許が必須です。普通免許や中型免許では運転できません。

けん引免許

海コントレーラーはシャーシを連結して走行するため、けん引免許も必要です。

けん引免許は、連結時の全長が長くなることや、カーブやバック時の挙動が一般的なトラックと異なるために設けられている資格で、取得には実技試験があります。

加えて、輸送する貨物や運行ルートによっては、以下のような追加資格や講習が必要な場合もあります。

危険物輸送の場合の危険物取扱者資格
高速道路や一部の港湾エリアで求められる特殊車両通行許可
冷凍、冷蔵貨物の温度管理に関する安全講習

港湾内での安全講習やゲートパスの発行手続きも必要になることが多いです。初めて港を利用する場合は、運行前に必ず条件を確認しましょう。

コンテナ輸送に関する質問

ここでは、コンテナ輸送に関するよくあるご質問にお答えします。

海コンドライバーの給与水準はどのくらい?

海コンドライバーの給与水準は、月収30万円から60万円程度です。年収では400万円から800万円が相場です。以前はさらに高収入を得るドライバーもいたようですが、現在の水準は変動しています。

コンテナ輸送の距離によってインセンティブが支給される場合があり、中長距離の輸送を担当することで、収入の向上が期待できます。歩合制と固定給制があり、歩合制の場合は運んだコンテナの本数によって賃金が変動し、頑張り次第で収入アップの可能性があります。

高い運転技術が求められる海コントレーラー運転はハードルが高い?

海コントレーラーは、単車トラックと比較して運転が難しいけん引貨物自動車であり、コンテナ輸送には特殊車両通行許可の取得が必要となるため、一般的なトラック輸送よりもハードルが高いです。

海コントレーラーの運転には、大型免許とけん引免許の取得が必須で、高い運転技術も求められます。

海コントレーラーは通行許可を受けたルートしか走行できないの?

海コントレーラーによるコンテナ輸送では、特殊車両通行許可を得ることで初めて公道の走行が可能になります。
しかしこの許可は、申請時に指定した運行ルートに対してのみ付与されるため、自由に走行できるわけではありません。
トラクターと連結したトレーラーでコンテナを輸送する際は、許可された限定的なルートのみ走行できると理解しておく必要があります。

一方で、トレーラーを切り離したトラクターや、コンテナを荷下ろしした状態のトレーラーは、一般的な大型トラックとして扱われるため、走行ルートの制限なく自由に走行できます。

海コントレーラーの走行許可は、どうやって取得するの?

特殊車両通行許可は、国土交通省の特殊車両通行許可申請システムからオンラインで申請します。

申請には、次の情報が必要です。

・車両の長さ、幅、高さ、総重量
・通行経路
・積載貨物の情報

審査期間は、数日〜数週間かかることもあります。

港湾と内陸の往復運行など定期ルートの場合は、包括許可の取得がおすすめです。
また、許可証には有効期限があります。期限切れに注意し、必要に応じて更新申請してください。

まとめ

コンテナ輸送は、国際物流や長距離輸送で広く使われる効率的な方法です。規格サイズで統一されているため、船・トラック・鉄道を組み合わせた一貫輸送が可能で、積み替えの手間を減らせるのが魅力です。
一方で、港や道路の設備条件、通行許可の取得、繁忙期や天候による遅延など、事前に確認すべき制約も多くあります。大型機械や特殊形状品は、標準コンテナでは対応できず、別の輸送手段が必要な場合もあります。
効率的に利用するには、条件に合ったコンテナや輸送方法を選び、経験豊富な物流会社と連携して計画を立てましょう。

  • コンテナ輸送は、規格サイズで統一されており、一貫輸送が可能
  • コンテナは、防犯性・防水性に優れ、幅広い貨物に対応できる
  • コンテナ輸送は、港湾設備や道路条件、通行許可などの制約がある
  • 大型機械や特殊形状品は、標準コンテナでは積載できない場合がある
  • コンテナ輸送の成功には、経験豊富な物流会社との連携と事前計画が必要

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