オイルエレメントはオイルをキレイに保つ必須アイテム!交換時期や費用、種類についても解説

エンジンに取り付けられているオイルエレメントには、どんな役割があるのかご存じでしょうか。
オイルフィルターとも呼ばれるオイルエレメントには、エンジンオイルの汚れを取り除く役割があります。
そしてエンジンオイルと同じタイミングで交換する消耗部品なのです。
乗用車では約3000~5000㎞ごとにエンジンオイルを交換し、オイルを2回交換するうち1回はエレメントも同時に交換します。
トラックではエンジンオイルの交換時期が少し違い、2万キロや大型車では4万キロごとの交換が推奨されています。
今回はそんなオイルエレメントの役割や交換時期、費用などについてご紹介していきます。
目次
オイルエレメントはエンジンオイルのろ過装置!
エンジンオイルには金属同士の摩耗を防ぐ役割と同時に、エンジン内の汚れをエンジンオイル内に取り込みエンジンをキレイに保つ役割があります。
そしてオイルエレメントには、エンジンオイル内の汚れをろ過する役割があります。
オイルエレメントの中には汚れを取り除くろ紙が入っており、そのろ紙の中をオイルが通過することで汚れを落としているのです。
エレメント内に入っているろ紙はジャバラ状になっており、広い面積で汚れをキャッチできる仕組みとなっています。
言葉で説明するのは難しいのでコーヒーを例にとってご説明しましょう。
本格的なコーヒーを飲む方は、豆を挽きコーヒー専用のろ紙で越しながらコーヒーを淹れますよね。
ろ紙にはコーヒーの残りかすが残っていると思います。
それと同じ役割をオイルエレメントは行っているのです。
オイルエレメントは消耗部品
オイルの汚れを取り除く役割を持つオイルエレメントですが、ずっと使い続けているとオイルエレメントも汚れがひどくなり、ろ過性能が低下します。
そして、汚れが取り除かれないままエンジン内を循環したり、ろ紙が詰まっているためにオイルの油圧が下がり、エンジンに影響が出る可能性もあるのです。
そのためオイルエレメントも定期的な交換が必要だといえるでしょう。
詳しくは後述しますがトラックの場合、交換時期は乗用車のタイミングとは異なります。
トラックの大きさによっても変化し、エンジンが大きい事からオイルエレメントのサイズも大きかったり、1つのトラックに2つ取り付けられている場合もあるのです。
オイルエレメントにもしっかりとした役割があり、定期的な交換が必要であると覚えておきましょう。
オイルエレメントがなかった場合どうなるの?
もし仮にオイルエレメントがなければどうなってしまうのでしょうか。
おそらく、オイルエレメントがないからといって、すぐにエンジンが故障することはないでしょう。
しかし、エンジンオイルが汚れてしまうと、汚れを取り除く装置がなく、その汚れは再度エンジン内に運ばれていくため、今よりもエンジンの汚れは加速します。
そしてエンジン内の汚れがひどくなってしまうと、汚れによってオイルの通路が詰まりオイル不足が起こったり、ノッキングの原因になるのです。
そのため今よりももっと頻度の高いオイル交換が必要となり、例えば2万キロで交換していたエンジンオイルを1万キロごとに交換するなどの対応が求められます。
オイルエレメントがまだ無かった時代の車は、エンジンの故障が頻発していたようです。
その背景には今よりもエンジン性能が低いこともあったでしょうが、それに加えオイルエレメントがないことによりエンジン内が汚れやすく、トラブルに発展しやすかったのではないでしょうか。
オイルエレメントが誕生したのは、そのような歴史があるからだといえます。
オイルエレメントの種類は大きく2種類!
オイルエレメントの種類は大きく2種類が存在します。
では2つのエレメントがどう違うのかをご紹介していきましょう。
カートリッジ式
カートリッジ式タイプのオイルエレメントは、ろ紙がむき出しになっておりろ紙の部分だけを交換します。
エンジン側にオイルエレメントの容器があり、そのなかにジャバラ状のろ紙があればカートリッジ式タイプだと判断することができます。
ろ紙の容器は車側に取り付けられており、はめ込んで蓋を締めるだけといういたって簡単な交換方法です。
そして密封性を保つために、ゴム製のOリングが取り付けられていますが、これは再使用不可部品なのでエレメント一緒に交換しましょう。
エレメントを購入するとOリングも一緒に付いてくる場合が多くあります。
スピンオン式
スピンオン式タイプは、ろ紙の容器もセットになったオイルエレメントです。
金属性の容器の中にろ紙が入っており、車体側にはオイルエレメントを装着するためのネジ山が存在します。
エレメント側がナットのように受ける側となり、回転させながら固定するという方歩を採用しています。
乗用車ではこのタイプのオイルエレメントが一般的です。
スピンオン式タイプのオイルエレメントには、リリーフバルブが内蔵されておりエレメントのフィルターが汚れすぎて詰まった場合、リリーフバルブが開きオイルを循環させる仕組みとなっています。
オイルエレメントの交換時期や費用は?
トラックのオイルエレメント交換時期は、トラックの大きさにより違いがあります。
また費用に関しても、大きなトラックになればなるほど金額は大きく、その金額は決して安いものではありません。
ではトラックでのオイルエレメントの費用や交換時期をご紹介していきましょう。
交換時期
まずオイルエレメントはエンジンオイルと同時に交換します。
なぜかというとエレメントだけを交換しても、エンジンオイルが汚れていればフィルターがすぐに汚れ交換した意味がないためです。
オイルエレメントに関しては走行距離での交換ではなく、エンジンオイルを交換した回数を目途に交換時期を考えます。
通常エンジンオイル2回交換で、オイルエレメントを1回交換します。
つまりエンジンオイルとオイルエレメントの比率は2:1であることが多いのです。
しかし、大型トラックなどのようにそもそもエンジンオイルを交換するまでの走行距離が長い場合は、毎回、エンジンオイルとオイルエレメントを一緒に交換する場合もあります。
オイルエレメントの交換時期が知りたければ、まずはトラックのオイル交換時期を知る必要があるでしょう。
大きさ別トラックのエンジンオイル交換時期や、オイルエレメントの交換タイミングは以下の通りです。
トラックの大きさ | エンジンオイル 交換時期 |
オイルエレメント 交換タイミング |
---|---|---|
小型・中型トラック (2~4t前後) |
2万キロ前後 | 2回に1回交換 |
大型トラック (10t前後・10t以上) |
4万キロ前後 | 毎回交換 |
この数値はあくまでも目安であり、もう少し早めの交換がオススメです。
その判断はトラックの種類や走行方法によって変わるため、いつもお願いしている整備工場で相談しながら決めていけばいいのではないでしょうか。
交換費用
オイルエレメントの交換費用はエンジンオイルと違い、大きさによっての価格の違いはあまりないといえるでしょう。
店舗によって価格差はあるものの、エンジンオイルの交換費用にプラスして約4000円~7000円程度の費用が追加されます。
オイルエレメント単体で見た場合、トラックの大きさによる価格差はあまりありませんが、エンジンオイルと同時に交換するため、エンジンオイル交換費用に大きな違いがあります。
当然、トラックの大きさに比例してエンジンも大きくなるため、使用するエンジンオイルの量が増え、オイルの量が多ければ多いほど値段は上がるのです。
ではトラックの大きさ別でのエンジンオイル交換費用はいくらなのでしょうか。
トラックの大きさ別の平均的な費用は以下の通りです。
トラックの大きさ | エンジンオイル量 | 交換費用 |
---|---|---|
2tトラック | 8~10リットル | 5000円前後 |
4tトラック | 12~15リットル | 8000円前後 |
10tトラック | 28~38リットル | 2万円前後 |
エンジンオイル1リットル当たりの平均価格は約500円~800円ほどとなります。
オイルエレメントの交換が加わるとこれらの金額に、工賃(2500円~5000円)とエレメント代(1個/1500円~2000円)が加わります。
つまり2tトラックでエンジンオイルとオイルエレメントを交換しようとした場合、「5000円+4000円=9000円」の費用が発生するということです。
エンジンオイルやオイルエレメントのメンテナンスはとても大切!
エンジンオイルやオイルエレメントの交換費用についてご紹介しました。
読んでいただければ分かると思いますが、トラックなどの大きな車ではオイルの交換費用も決して安くなく、できれば安く済ませることはできないだろうかと考えてしまうことでしょう。
例えばオイルエレメントの交換頻度を2回に1回ではなく、3回に1回にすれば毎年数万円は節約できると考えることもできます。
しかしその方法はオススメしません。
なぜならばエンジンオイルやオイルエレメントが、唯一のエンジンに必要なメンテナンスだからです。
車を走行させるためにはエンジンだけでなく、さまざまな装置が正常に動かなければなりません。
何万点もの部品でできている車は、その分メンテナンスが必要なパーツが多く、一体車にいくら使わなければならないんだと感じてしまいがちです。
しかしエンジン単体で見れば、メンテナンスはエンジンオイルやオイルエレメントのみとなります。
トラックなどの走行距離が多い貨物車では、エンジンの寿命がトラックの寿命だととらえることもできるほど、エンジンは車の心臓部だといえます。
そのメンテナンスを怠るということは、トラックの寿命を大幅に減らしてしまう可能性が極めて高いのです。
エンジン内部が汚れてしまえば掃除するのは難しく、掃除しようと思った場合エンジンを下ろし分解する「オーバーホール」が必要となります。
その場合、数十万円の費用が必要となるでしょう。
修理できず載せ替えになってしまえばさらに高く、大型トラックのエンジンであれば中古でも100万円以上するのではないでしょうか。
エンジンを良好に保つということは、安全な走行をするために必要であることはもちろんのこと、今後のトラブルを抑え、トラブルの際に発生するであろう費用の節約にもなっているのです。
普段トラックを使って仕事をしているのであれば、いつもお願いしている整備工場があると思います。
その整備工場で定期的に3ヶ月点検や6ヶ月点検をしっかりと受け、トラブルが発生する前に修理や調整を行うことが大切だといえます。
まとめ
オイルエレメントはオイルの汚れを取り除くフィルターです。
オイルエレメントが無ければエンジン内はすぐに汚れ、さまざまなトラブルが発生するでしょう。
エンジンはトラックの心臓でありトラブルが発生し、エンジンがかからなければ、いくらその他の装置が正常でも車は動きません。
エンジンを正常に保つためにも、定期的なエンジンオイルやオイルエレメントの交換が大切なのです。
オイルエレメントはエンジンオイルの汚れを取り除いているパーツ
オイルエレメントがなければエンジンはすぐに汚れてしまう
オイルエレメントにはカートリッジ式とスピンオン式の2種類がある
交換時期はトラックの大きさによって違うが、一般的なのはエンジンオイル2回に対しオイルエレメント1回というタイミング
オイルエレメントの交換はエンジンオイルの交換と同時に行う
交換費用は4000円~7000円程度
適切なタイミングでの交換が大切
関連する記事