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中古 冷凍車・冷凍トラック価格|種類・特徴・おすすめ車種

冷凍車は食品の鮮度を守るため欠かせない車両で、冷凍機を搭載したトラックを指します。中古冷凍車の購入を検討する際は、種類や特徴を理解し、価格相場や性能を比較することが重要です。
本記事では、冷凍車の基本から新車・中古の価格帯、安く購入するポイントまで詳しく解説します。

冷凍車とは?


冷凍車とは、トラックの荷室に冷凍機が装備されているトラックのことです。主に食品を運搬する際に用いられ、食材を扱うスーパーやコンビニ、飲食店などに生鮮食品やアイスクリームなどの冷凍菓子を運んでいます。

冷凍車と保冷車の違い

冷凍車と保冷車の違いは、冷却機能がついているかどうかになります。
保冷車は、荷台に冷却機能が付いておらず温度を下げられません。しかし、荷台部分が断熱構造となっているため、温度を一時的に保てます。保冷車は、冷凍・冷蔵状態の生鮮食品や要冷蔵食品などを短距離運送する際に利用されています。

冷凍方式は3種類

冷凍車の荷台部分には、下記の3種類の冷凍方式があります。

1.機械式
2.蓄冷式
3.液体窒素式

最も普及しているのは機械式ですが、液体窒素式や蓄冷式もそれぞれ特徴があり、用途によって適した方式が異なります。それぞれの冷凍方式について解説します。

1.機械式

機械式冷凍車は、エアコンと同様の仕組みで荷室を冷却します。エンジンの動力でコンプレッサーが冷媒ガスを圧縮し、コンデンサーで液化させた後、エバポレーターで気化させて庫内の温度を下げる構造です。この方式は広く普及しており、1度単位での細かな温度調整が可能です。

また、車両の走行用エンジンとは別に、冷凍機専用のサブエンジンを搭載したタイプもあります。サブエンジン式は、トラックのエンジンが停止している時でも冷凍機を稼働させられるため、長距離輸送に適しています。

2.蓄冷式

蓄冷式冷凍車は、事前に凍結させた冷凍板を荷室に設置することで温度を保つ方式です。配送中でエンジンのON/OFFに関わらず庫内を冷やせる点がメリットです。

また、深夜電力などを利用して冷凍板を凍結させれば、コストを抑えることが可能です。
機械式のように厳密な温度管理は難しいというデメリットがありますが、短距離輸送や頻繁な積み下ろしがある場合に適しています。青果、ケーキ、弁当などの輸送によく利用されています。

3.液体窒素式

液体窒素式冷凍車は、液体窒素の気化熱を利用して荷室を冷却します。短時間で急速に温度を下げることが可能で、その冷却効果は他の方式と比較して高いのが特徴です。特にマイナス40度まで一気に冷却できるため、鮮度維持が重要な魚介類や肉類の運搬に適しています。

ただし、液体窒素は補充が必要なため、長距離輸送には不向きな場合があります。また、液体窒素自体のコストが高いため、ランニングコストがかさむ傾向があります。

冷凍機の動力は?


冷凍機の動力には、「直結エンジン」と「サブエンジン」の2つがあります。それぞれの特徴は下記になります。

動力の種類 特徴
直結エンジン 車両のエンジンを使って荷室を冷やすタイプ。エンジンが始動していなければ冷凍機が動かないため、常にエンジンをかけている必要がある。
サブエンジン 車両のエンジンとは別に、冷凍機用のエンジンが付いているタイプ。車両のエンジンを停止していても、荷室の温度を保てる。

冷凍車の温度管理システムも、下記の3つに大別されます。

温度管理システム 特徴
送風ファン方式 低温室の冷気をファンによって送風し冷却する。
エバポレーター方式 前室と後室を別のエバポレーターで制御しているので、別々に温度管理が可能。
2エバポレーター方式
(2系統独立システム)
前室と後室をコンプレッサーやコンデンサ、エバポレーターによって制御している。エバポレーター方式よりも高度な温度管理が可能。

冷凍車の種類

冷凍車の種類は、主に荷台の形状によって冷凍ウイングと冷凍バンに分けられます。
ここでは冷凍車の種類を紹介します。

1.冷凍ウイング


冷凍ウイングは、トラックの荷台部分が断熱構造になっており、さらに左右の側面パネル(ウイング)が跳ね上がる機能を備えた車両です。冷却機能を搭載しているため、荷台内の温度を低温に保てます。

主に鮮魚や精肉、冷凍食品などの温度管理が必要な荷物の運搬に利用されています。荷台が大きく開くため、フォークリフトを使った効率的な荷物の積み下ろしが可能です。

しかし、荷台の側面が大きく開閉するため、密閉性が低く温度管理が難しい場合があります。
冷凍ウイングの荷台は、断熱性の高いサンドイッチパネルで作られていることが一般的です。

2.冷凍バン


冷凍バンは、荷台部分で厳密な温度管理ができる点が冷凍ウイングとの大きな違いです。荷台の左右や後ろから荷物を積み下ろせる構造になっているため、様々な状況での作業に適しています。また、断熱性能に優れており、庫内の温度を一定に保つことが可能です。
使用温度域によって低温冷凍バン、中温冷凍バン、クーリングバンなどに分類され、用途に応じた選択が重要です。

低温車

低温車は、特に低い温度を維持する能力に優れています。マイナス20度以下の温度設定が可能で、アイスクリームや冷凍食品といった、厳格な温度管理が必要な荷物の輸送に主に利用されます。

中温車

中温車は、比較的穏やかな温度帯を維持するのに適しています。主にマイナス5度程度までの冷却が可能で、鮮魚や精肉、植物、精密機械など、極端な低温を必要としない貨物の運搬に利用されます。

クーリングバン

クーリングバンは、庫内の温度を0℃〜15℃程度に保てる保冷機能付きの車両です。冷凍までは不要だが、常温では品質が落ちやすい生鮮食品や飲料、医薬品などの輸送に適しています。

荷室には断熱材が使われており、クーリングユニットによって温度上昇を抑制し、安定した保冷環境を保ちます。冷凍バンに比べて構造がシンプルなため、車両価格が安く、燃費も良いというメリットがあります。

冷凍車の価格相場(新車・中古)


冷凍車の価格相場について、「冷凍ウイング車」と「冷凍バン」新車・中古車に分けて紹介します。

【冷凍ウイング】新車価格

冷凍ウイングの新車価格は、車体のサイズや装備内容によって大きく変わります。一般的にはおよそ400万円から1,500万円以上の幅広い価格帯があり、大型モデルや高性能な機能を搭載したものほど高額になる傾向です。

たとえば、操作性に優れたスイッチパネルや視認性の高いコンビネーションメーターなど、快適性を重視した装備が充実した車両は価格が高くなります。冷凍ウイングは、用途や予算に応じて選択肢が多いため、必要な機能を見極めて購入することが重要です。

【冷凍バン】新車価格

冷凍バンの新車価格は、車種や仕様によって幅がありますが、一般的に小型モデルは約370万円からスタートします。冷凍ウイング車に比べると、同じく冷凍車の中でも比較的手頃な価格帯で購入できるのが特徴です。

一方で、高性能な冷凍ユニットや充実した装備を備えたモデルになると、価格は高くなる傾向があります。そのため、購入時には自分の用途や必要な機能をよく見極め、コストパフォーマンスを考慮した選択が重要です。

【冷凍ウイング】中古車価格

冷凍ウイングの中古車の価格は、年式や程度、装備などにより金額が大きく変わってきます。
中古で販売されている、冷凍ウイングの価格例を下記にまとめました。

メーカー 車種 年式 走行距離 装備 価格
日野 レンジャー 2019年 33万km ・フルワイド断熱
・床縞板
1,115万円
いすゞ エルフ 2012年 9.5万km ・低音設定
・加温機能付き
455万円
フォワード 2010年 70.7万km ・低温設定
・後輪エアサス
491万円
三菱ふそう スーパーグレート 2024年 2.8万km ・加温機能付き
・後輪エアサス
・メッキ多数
2,491万円

【冷凍バン】中古車価格

冷凍バンの中古車価格も、冷凍ウイングと同様に、年式や程度、装備などにより金額が大きく変わってきます。
中古で販売されている、冷凍ウイングの価格例を下記にまとめました。

メーカー 車種 年式 走行距離 装備 価格
いすゞ エルフ 2010年 70.7万km ・低温設定
・左サイド扉(スライド)
181万円
フォワード 2017年 45万km ・左サイド扉(スライド)
・スタンバイ機能
353万円
日野 デュトロ 2023年 0.2万km ・格納パワーゲート付き
・キーストン床
1,024万円
レンジャー ・未使用車
・格納パワーゲート付き
1,544万円

サイズ別冷凍車の特徴とおすすめ車種


中古冷凍車のサイズは、主に小型、中型、増トン、大型に分けられます。
これらのサイズによって、運搬できる荷物の量や適した配送ルートが異なります。サイズ別に冷凍車の特徴とおすすめ車種を紹介します。

1.大型冷凍車

大型冷凍車は、最大積載量が6.5トン以上の車両です。主に大量の食品などを効率良く運搬するのに適しています。
大型冷凍車の代表的なメーカーとしては、三菱ふそうの「スーパーグレート」と日野自動車の「プロフィア」が挙げられます。
これらの車種は、長距離輸送や大量輸送において高い能力を発揮します。

三菱ふそう「スーパーグレート」

三菱ふそう:スーパーグレート
三菱ふそう「スーパーグレート」は、全車で重量車燃費基準+ 5%を達成し、優れた燃費性能に定評があります。車体寸法や荷台寸法は下記のとおりです。
(※この記事にある車体寸法、荷台寸法、最大積載量はいずれも参考値です)

車体寸法 荷台寸法 最大積載量
全長 11.98m 9.39m 12.5t 
全幅 2.49m 2.34m
全高 3.69m 2.27m

日野「プロフィア」


日野「プロフィア」、燃費性能と高出力を両立した大型トラックで、9Lエンジンやハイブリッド仕様により環境性能にも優れています。安全機能も充実しており、積載効率や走行安定性にも優れた人気モデルです。
車体寸法や荷台寸法は下記のとおりです。

車体寸法 荷台寸法 最大積載量
全長 11.99m 9.7m 15.5t
全幅 24.9m 2.39m
全高 3.78m 2.46m

2.増トン冷凍車

増トン冷凍車は、最大積載量が6〜8トンクラスに強化されたトラックです。中型トラックと大型トラックの中間に位置付けられ、「6トン車」や「8トン車」とも呼ばれます。
荷物を効率良く運搬できるため、物流業界で広く利用されています。いすゞ自動車のフォワードなどがこのクラスに該当し、冷凍機能を持つ荷台は主に日本フルハーフなどが製造しています。

いすゞ自動車「フォワード」

いすゞ自動車:フォワード
いすゞ「フォワード」は、1970年に初代が販売され、約50年の歴史をもつ冷凍車です。冷凍機能を持つ荷台は「日本フルハーフ」が手がけています。車体寸法や荷台寸法は以下のとおりです。

車体寸法 荷台寸法 最大積載量
全長 9.13m 6.80m 5.5t
全幅 2.41m 2.30m
全高 3.33m 2.06m

3.中型冷凍車

中型冷凍車は、全長6mから8m程度、積載量は3トンから5トン程度が一般的で、汎用性が高く幅広い用途で利用されています。食品輸送はもちろん、医薬品や化学薬品など温度管理が必要な様々な製品の輸送に適しています。
日野自動車のレンジャーは、中型トラックとして人気の高い車種の一つです。冷凍機能を持つ荷台はトランテックスなどが製造しており、高い耐久性や走行性能を備えています。

日野「レンジャー」

日野自動車:レンジャー
日野「レンジャー」は、安全性能と快適性を兼ね備えた中型トラックです。先進の安全装備でドライバーの負担を軽減し、快適なキャビン設計で長時間の運転をサポートします。
また、都市部から長距離輸送まで幅広い走行シーンに対応できる汎用性の高さも特徴です。
車体寸法や荷台寸法は、以下のとおりです。

車体寸法 荷台寸法 最大積載量
全長 7.89m 5.77m 3.15t
全幅 2.36m 2.16m
全高 3.16m 1.99m

4.小型冷凍車

小型冷凍車は、主に近距離の配送に用いられ、小回りが利くため都心部や住宅街での配送に適しています。食品をはじめ、温度管理が必要な小口荷物の輸送に多く活用されています。
普通自動車免許で運転可能なサイズもあり、運送業界での最初の車両としても選ばれやすいのが特徴です。代表的な車種にいすゞ自動車の「エルフ」があります。

いすゞ「エルフ」​​

​​いすゞ自動車:エルフ」​
いすゞ「エルフ」は、いすゞ自動車がおこなった調査によると、2001年〜2020年の2〜3トラックのなかで販売台数が20年連続でNo.1を記録しています。取り回しの良い小型サイズと広い荷室が特長の小型トラックです。
車体寸法や荷台寸法は、以下のとおりです。

車体寸法 荷台寸法 最大積載量
全長 6.46m 4.44m 1.3t
全幅 2.20m 1.98m
全高 2.97m 1.80m

冷凍車を安く購入するコツは4つ

冷凍車を安く購入するコツは、下記の4つです。

1.耐久年数をチェックする
2.販売メーカーの特徴を理解する
3.全体の状態を見る
4.信頼できる中古車販売店を選ぶ

それぞれのポイントを解説します。

ポイント1.耐久年数をチェックする

中古冷凍車の購入を検討する際、車両の耐久年数は非常に重要なチェックポイントです。特に冷凍機は高価な部品であり、その寿命は車両全体の寿命に大きく影響します。

定期的なメンテナンスや適切な使用環境によって寿命は延びますが、一般的に冷凍機の寿命は車両本体よりも短い傾向があります。
購入前に冷凍機の製造年や使用時間を確認し、今後のメンテナンス費用なども考慮に入れることが、賢い選択につながります。

ポイント2.販売メーカーの特徴を理解する

冷凍車の販売メーカーは複数あり、それぞれ冷凍機能や車両性能に強みを持っています。主なメーカーには、コンテナから冷凍装置まで一貫生産する東プレ、長い歴史を持ち幅広い車両に対応する冷凍機を提供するサーモキング、三菱重工グループで大型車両向けに強みを持つ菱重コールドチェーンなどがあります。

また、ヤマト運輸と共同開発したバッテリー式冷却装置が特徴の日産自動車や、断熱性に優れたバンを得意とする日本フルハーフも挙げられます。各メーカーの特徴を理解し、輸送目的や荷物に適したメーカーの車両を選ぶことが重要です。

ポイント3.全体の状態を見る

車両の状態を全体的にチェックする際は、外装の傷や凹みだけでなく、冷凍機の外観も確認しましょう。特に、コンデンサーやエバポレーターに損傷がないか、配管に漏れがないかなどを丁寧に確認することが大切です。

また、荷台の内装パネルに割れや剥がれがないか、床面に腐食が見られないかどうかもチェックポイントです。これらの状態を確認することで、車両の現在の状況や今後のメンテナンスで必要になる可能性のある費用をある程度把握できます。

ポイント4.信頼できる中古車販売店を選ぶ

中古冷凍車を安心して購入するためには、信頼できる販売店を選ぶことが重要です。長年の販売実績があり、多くのお客様から信頼されている販売店は、車両の品質管理が徹底されている可能性が高いです。

また、専門知識を持ったスタッフがいるかどうかも重要な判断基準となります。車両の状態について詳細な説明があり、整備記録や保証内容などを明確に提示してくれる販売店を選ぶことで、購入後のトラブルを避けられます。インターネット上の口コミなども参考にしながら、信頼できる販売店を見つけることをおすすめします。

中古冷凍車を購入するなら「トラック流通センター」へ


中古冷凍車の購入は、トラック流通センターがおすすめです。全国の在庫車両をオンラインで一括検索でき、希望の条件に合った冷凍車を効率的に探せます。
掲載車両には、年式・走行距離・車検の有無・価格などの詳細情報を明記しており、比較検討のしやすさが強みです。
また、専門スタッフによるサポート体制も万全です。トラックの選定や購入に関する疑問にも丁寧にお答えしています。

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中古冷凍車購入時のチェックポイント

チェック項目 内容
冷却システムの状態 ・冷凍機が正常に作動し、設定温度を維持できるか
・実際に冷却機能が働いているか
・冷却ガスの量やベルトの状態、エバポレーターやコンデンサーなどの部品に劣化や破損がないか
エンジンと走行距離 エンジンのかかり具合やアイドリングの安定性、異音など
・走行距離が少なくてもメンテナンス不足の車両もあるので、定期点検整備記録簿などで過去の整備状況を確認
荷台の断熱状態 ・断熱材の劣化や荷台の密閉性、ドアパッキンの状態を確認し、十分な冷却性能が維持できるか
装備やオプション ・基本的なエアコンやパワーステアリングの他に、冷気の流出を防ぐカーテンや異なる温度帯の荷物を同時に運べる中仕切りパネルなどのオプションがあるか

冷凍車を使用する際の注意点5つ


冷凍車を安全かつ効率的に使用するためには、5つの重要な注意点があります。これらの点を理解し実践することで、積荷の品質を適切に保ち、車両の寿命を延ばすことにつながります。

①予冷をする

冷凍車は積荷の品質を適切に保つため、荷物を積み込む前に荷室を十分に冷やしておくことが重要です。特に機械式冷凍車は、「予冷に時間がかる」という特徴があります。荷物を入れてから冷却を開始すると温度管理が不十分になり、積荷を傷めてしまう可能性が高いです。

予冷はスタンバイ機能と呼ばれ、車両のエンジンを利用する方法と、外部電源を利用して冷凍機を稼働させる方法があります。一方、蓄冷式冷凍車の場合は、冷凍板の冷却能力により短時間で荷室を適温にできるため、事前の予冷は不要とされています。

②正しく荷物を積み込む

冷凍車に荷物を積み込む際は、荷室全体に冷気が行き渡るよう工夫が必要です。荷室の前面、天井、側面、床面、後扉に隙間を空けながらバランス良く積み込みましょう。

また、冷気の吹き出し口近くに直接荷物を置くと、荷物が傷む可能性があるため、カバーなどで直風を避けるようにしてください。荷物を詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、温度管理が不十分になることがあります。パレットやスノコを利用して床面との間に空間を作ることも効果的です。

③積み下ろしは素早くおこなう

扉を開けた際に冷気が外に漏れ出し、荷室の温度が上昇することを防ぐため、荷物の積み下ろしは迅速におこなうことが重要です。

また、荷室にカーテンを設置すると、外気の侵入や内部の冷気の流出を抑える効果が期待できます。

④液体窒素を使用している場合は適度に換気する

液体窒素式冷凍車で荷室を冷却する場合、適度な換気が不可欠です。液体窒素は気化すると体積が大幅に増加し、空気中の酸素濃度を低下させます。

そのため、換気を怠り、荷室内にガスが充満した状態で作業をおこなうと、酸欠を引き起こす危険性があります。また、液体窒素は、無色無臭であることから危険を察知しにくい点が特徴です。安全に作業するためにも、液体窒素式冷凍車を使用する際は定期的な換気を心がけましょう。

⑤日常的に点検する

冷凍車は、食品輸送に使われることが多いため、荷室の清掃と乾燥を毎日おこないましょう。特に油分や塩分が付着した場合は念入りに清掃が必要です。荷室に溜まった水を排出するドレンホースは冷却機能を保つ重要な部分です。

定期的に水洗いし、ゴミを取り除きましょう。万が一破損している場合、冷気が逃げてしまうため、日常点検で確認し、損傷があれば早期に交換してください。パッキンやコーキングの劣化も冷却機能低下につながるため、確認しておきましょう。これらの日常的な点検に加え、冷凍車は法律で3ヶ月ごとの簡易点検と、サブエンジン付きの場合は年1回の定期点検が義務付けられています。

冷凍車に関するよくある質問

冷凍車に関する質問をまとめました。

冷凍車の寿命はどれくらい?

冷凍車の寿命は、新車であれば一般的に12年から20年程度とされています。中古車の場合、使用期間を考慮し、さらに20%程度を加算して目安にするとよいでしょう。

冷凍機の寿命は車両本体より短い傾向があり、適切なメンテナンスによって寿命を延ばすことが可能です。冷媒の量や漏れのチェック、年に一度の補充が冷却効果維持に重要です。

冷凍車の床材や荷台の内張りってなに?

冷凍車の床材や荷台の内張りには、キーストンと呼ばれる鉄板プレートが使用されることがあります。キーストンは凸凹形状に加工されており、その高さは15〜25mm程度が一般的です。

キーストンを床や内張りに使用することで、荷室内の冷気が効率よく循環し、庫内を均一に冷却できるというメリットがあります。
また、パネルだけの構造と比較して強度が向上するというメリットもあります。キーストンを搭載した冷凍車のニーズは高まっていますが、新車は高額になる傾向があるため、中古での購入も選択肢の一つとなります。

冷凍車のツーエバってなに?

ツーエバとは、荷室を前室と後室に分け、それぞれ異なる温度で管理できる2室構造の冷凍車のことです。
通常、冷凍食品と冷蔵食品を運ぶ場合には車両を分ける必要がありますが、ツーエバなら1台で同時に輸送が可能です。各室に冷凍機が1台ずつ設置されているタイプが多く、輸送効率の向上やコスト削減につながります。

一方で、仕切りの断熱性能が低いと温度差を保ちにくくなるため、導入時には性能をよく確認する必要があります。また、一度仕切りの位置を固定すると移動できない構造も多く、積載する荷物の種類や量に応じて事前の計画が重要です。柔軟な温度管理を求める物流現場で活躍するタイプの冷凍車です。

まとめ

今回は冷凍車の購入を検討している方が知っておきたい、冷凍車の仕組みやサイズ、使用上の注意点について解説しました。
記事でご紹介した内容は以下の通りです。

  • 冷凍方式には機械式、液体窒素式、蓄冷式の3種類があります。
  • 冷凍車には大型、増トン、中型、小型と様々なサイズがあります。
  • 冷凍車を使用する際は、予冷、正しい積み込み、日常的な点検が重要です。

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