ユニック車とクレーン車の違いは?資格・免許から操作・点検方法まで分かりやすく解説!


ユニック車やクレーン車の違いが分かりづらく、困っていませんか?
似たような言葉や専門用語が多いので、理解に苦労するもの無理はありません。この記事では、ユニック車とクレーン車の違いを、初心者でも分かりやすく解説しています。資格や免許、操作など、実際の作業で役立つ情報もまとめているので、参考にしてみてください。

ユニック車とクレーン車の違い

■ポイント

・『クレーン車』は意味する言葉の幅が広い。

・ユニック車とクレーン車は、同じ意味の場合と別の意味の場合がある

ユニック車とクレーン車は、同じ意味で使われる場合と、そうでない場合があります。

『クレーン車』という言葉は、二つの意味で使われています。一つは、クレーンの車輪が付いたもの。もう一つは、ユニック車のようなトラックにクレーンが架装されたものを指します。つまり、ユニック車とクレーン車に違いが生じるのは、クレーン車が後者の意味で使われているときだけです。

■ クレーン車の意味

クレーン車 1.トラックにクレーンが架装された車(ユニック車)のこと。
2.荷台がなく、クレーンに車輪が付いた車のこと。

ユニック車やクレーン車以外にも、紛らわしい呼称の車があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

ユニック車


ユニック車とは、トラックにクレーンが架装された車のことです。ただし『ユニック』という名前は商品名で、販売元である『古河ユニック』が命名しました。正式には、積載型トラッククレーンなどと表記されます。

クレーン車


前述のとおり、クレーン車はユニック車と同じ意味で使われる場合と、そうでない場合があります。

ユニック車とは異なる意味の言葉として使われるときは、車輪付きクレーンのことです。トラックの荷台部分がなく、車体がクレーンと操縦席だけで構成されている部分が、ユニック車との大きな違いです。

トラッククレーン


トラッククレーンとは、ユニック車の別名です。ユニック車の正式名称が、『積載型トラッククレーン』であることから、このように呼ばれることがあります。

ユニック車もトラッククレーンも、同じものを指していると覚えておきましょう。

ユニック車(トラッククレーン)の種類

ユニック車には、大きく分けて三つの種類があります。

■ユニック車の種類
・キャブバック
・ハイアウトリガー
・荷台内架装型

それぞれの特徴を、簡単に説明します。

キャブバック

キャブバックとは、運転席と荷台の間にクレーンが架装されている車のことです。キャブバック型は、レッカー車に採用されることが多いタイプです。

ハイアウトリガー

ハイアウトリガータイプは、トラックの下側に、伸縮する長い柱(アウトリガー)が装着されたタイプです。ハイアウトリガーの車は、アウトリガーで地面を押し、車体を傾けて作業ができます。前輪を浮かせることにより、誤って車を発進させてしまったり、振動が起きたりなどを防ぐ目的があります。

荷台内架装型

荷台内架装型は、トラックの荷台にクレーン部分が装備されている車です。ユニック車のなかでは、小回りがきくのが特徴です。ユニック車のクレーン部分が折り畳めるようになっており、荷台にコンパクトに収納できます。

ユニック車(トラッククレーン)の運転免許


ユニック車を公道で運転するには、自動車運転免許が必要です。必要な免許の種類は、ユニック車の車両規格によって異なります。

運転免許の種類と運転できる車の区分は、道路交通法で定められています。道路交通法におけるユニック車の分類は、通常のトラックと同様に車両の大きさや最大積載量、車両総重量などが基準です。通常の車両と同じように、車検証の情報から見分けられます。

■ユニック車の運転に必要な運転免許

免許の種類 運転できるユニック車
車両総重量 最大積載量 乗車定員
大型免許 11トン以上 6.5トン以上 30人以上
中型免許 11トン以上

※『8トン未満限定』の場合は8トン未満
6.5トン以上 29人以下
準中型免許 7.5トン未満

※『5トン未満限定』の場合は5トン未満
4.5トン未満 10人以下
普通免許 3.5トン未満 2トン未満 10人以下

ユニック車(トラッククレーン)の操縦に必要な資格

ユニック車の作業において注意したいのが、自動車の運転免許を持っているだけでは、クレーンの操縦ができないことです。ユニック車を操縦するには、作業内容に応じて以下のような資格を取得しなければなりません。

■ユニック車の操縦に関する免許

・小型移動式クレーン運転の特別教育

・小型移動式クレーン技能講習

・玉掛け技能講習

・移動式クレーン運転士免許

小型移動式クレーン運転の特別教育

小型移動式クレーン運転の特別教育とは、つり上げ荷重1トン未満の移動式クレーンの操縦に必要な講習です。事業者は、従業員に同作業をさせる場合、合計9時間の特別教育を受けさせなければなりません。

教育の内容は、法令で以下のように定められています。

■小型移動式クレーン運転の特別教育内容

科目 時間
移動式クレーンに関する知識 3時間
原動機及び電気に関する知識 3時間
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 2時間
関係法令 1時間

(参考:安全衛生情報センター『クレーン取扱い業務等特別教育規程』

小型移動式クレーン技能講習

つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンの操縦には、小型移動式クレーン技能講習を修了しなければなりません。すでに保持している資格や免許により、内容の一部が免除される場合があります。

講習は、民間の事業者に委託するか、労働技能講習会が実施する講習に参加するなどの方法で受講できます。

■ 小型移動式クレーン技能講習の内容

講習科目 小型移動式クレーンに関する知識 原動機および電気に関する知識 運転のために必要な力学に関する知識 関係法令 学科試験 実技:運転のための合図 実技:小型移動式クレーンの運転
時間 6時間 3時間 3時間 1時間 1時間 1時間 6時間
免除される人 ・建設機械施工技術検定1級合格者など ・車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習を修了者 ・クレーン運転士
・デリック運転士
・揚貨装置運転士
・玉掛け技能講習、又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者
なし なし ・クレーン運転士
・デリック運転士
・揚貨装置運転士
・玉掛け技能講習、又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者
なし

(参考:一般社団法人『小型移動式クレーンの運転技能講習』

移動式クレーン運転士免許

つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの操縦には、移動式クレーン運転免許が必要です。講習ではなく、学科試験と実技試験に通過しなければなりません。

また『小型移動式クレーン運転の特別教育』『小型移動式クレーン技能講習』ともに、玉掛け作業ができる資格ではないことは、注意しておきましょう。

■ 移動式クレーン運転士免許の内容

種類 試験科目 出題数
学科 移動式クレーンに関する知識 10問
学科 原動機及び電気に関する知識 10問
学科 関係法令 10問
学科 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問
実技 移動式クレーンの運転
実技 移動式クレーンの運転のための合図

(参考:公益財団法人『安全衛生技術試験協会』

玉掛け技能講習

クレーンの玉掛作業には、運転や操縦とは別の資格を保有している必要があります。一見単純な玉掛け作業ですが、ミスをすると大きな事故につながる危険な作業だからです。

玉掛け技能講習も、すでに保有している資格によって免除される項目があります。

■ 玉掛け技能講習の内容

講習科目 クレーン等に関する知識 クレーン等の玉掛けの方法 クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識 関係法令 学科試験 実技:クレーン等の運転のための合図 実技:クレーン等の玉掛転
時間 1時間 7時間 3時間 1時間 1時間 1時間 6時間
免除される人 なし なし ・移動式クレーン運転士
・クレーン運転士
・デリック運転士
・揚貨装置運転士
・小型移動式クレーン運転技能講習または床上操作式クレーン運転技能講習終了者
なし なし ・移動式クレーン運転士
・クレーン運転士
・デリック運転士
・揚貨装置運転士

・小型移動式クレーン運転技能講習または床上操作式クレーン運転技能講習終了者
なし

(参考:一般社団法人労働技能講習会『玉掛け技能講習』

ユニック車(トラッククレーン)を安全に扱うために


ユニック車は、重い荷重をつり上げるパワーがある便利な作業機器ですが、一歩間違えると大きな事故につながります。自分や周りの人の命を守るために、正しく安全に扱わなければなりません。

また、現場の作業員には、自分自身の安全を確保する義務が法律で定められています。

■ 安全についての6つの法的義務

1.安全状態を保つ義務

2.安全措置の義務

3.保護具の着用・使用義務

4.危険な行動の禁止義務

5.無資格就労の禁止義務

6.車両系建設機械運転者の自己安全義務と誘導・合図に従う義務

具体的には、ヘルメットや軍手などの保護具の着用や、クレーンの合図に従うこと、バリケードで仕切られた危険区域に入らないことなどが挙げられます。

事業所によっては、安全に関するルールが曖昧になっていたり、形骸化していたりする場合があるかもしれません。しかし、作業員は安全を守る義務があるという意識を持ち、各事業所で定められたルールを遵守しましょう。

事例|ユニック車(トラッククレーン)の事故

ユニック車でよくある事故の例を紹介します。過去、実際に起きた事例を教訓として、安全な作業に努めましょう。

荷降ろし中の車体横転

アウトリガーを設置せず、規格内の荷重(定格荷重)をオーバーした荷重をつり上げたことにより、車体が横転する事故がしばしば発生します。このような事故では、操作中の作業員がトラックの下敷きになり、死亡事故につながるケースもあります。

対策として、作業時には必ずアウトリガーを設置し、トラックの安定性を保つことがひとつです。また、荷重計で重さを確認してからの作業を徹底しましょう。

前方吊りの過負荷でクレーンが墜落

河川敷の土のうを前方からつり上げる作業で、吊り荷の重量がわずかに既定値を超えたことにより、トラックが河川敷に転落した事故が起きています。この事故では、合図をしていた作業員が墜落したクレーンに巻き込まれました。また、事故時は作業計画がなく、玉掛け作業者は無資格でした。

この事故は、複数の原因が考えられますが、無資格者が玉掛け作業をおこなったことは大きな原因のひとつでしょう。いかなる理由があろうとも、資格がない作業をおこなうべきではありません。

ユニック車(トラッククレーン)の点検

ユニック車は、年に1回特定自主点検を受ける義務があります。自主点検を受ける方法は2つあり、自社内の自主検査資格講習修了者が事業所内でおこなうか、検査業者に依頼する方法です。さらに、日々の作業時でも、安全のための日常点検が不可欠です。

作業前の点検方法

作業前は、必ず以下の装置を点検しましょう。また、各事業所が定める点検項目がある場合は、そちらに従いましょう。点検を怠ると、機器の故障による大きな事故が起きかねません。手間はかかりますが、実施を徹底してください。

・PTO
・作動油タンク
・アウトリガ
・ホイストウインチ
・旋回装置
・ブーム起伏
・ブーム伸縮
・フック
・ワイヤロープ
・巻過自動停止
・荷重計
・スピーカ警報器
・配管油圧ホース
・ベース
・非常停止
・銘板
・ラジコン装置
・フック格納装置
・ブーム・アウトリガ未格納警報
・ブーム・アウトリガインターロック
・過負荷防止装置
・高さ制限装置
・転倒防止装置
・リヤアウトリガ

ユニック車(トラッククレーン)の操作のポイント

ユニック車の操作をするときは、以下のポイントに注意しながらおこないましょう。

1.安全第一
2.つり上げは真上に移動させてからおこなう
3.レバーは優しく操作する
4.操作は一つ一つ分けて丁寧におこなう
5.フックを目線の高さに合わせる

大前提として、安全を第一に考えた操作をしなければなりません。つり上げを真上に移動させてからおこなうことや、フックを目線の高さに合わせることは、安全のために必要なまた、レバーを優しく動かしたり、操作を分けて丁寧におこなうことも大切です。そうすることで、操作の正確性はあがり、上達にもつながります。

まとめ

ユニック車とクレーン車には、明確な違いはありません。紛らわしく感じるのは、言葉を使う人によって、何を指しているかが異なるからです。

また、ユニック車に関連する免許には、公道を運転する免許・クレーンの操作をする免許・玉掛け免許の3種類があります。それぞれの作業で資格が必要であることを忘れずに、安易に作業をしないように気をつけましょう。

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