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トラック運行管理に欠かせないタコグラフとは?タコグラフの種類などを大紹介!

トラック運行管理に欠かせないタコグラフとは?タコグラフの種類などを大紹介!
貨物輸送や旅客輸送で運賃を得るために業務用車両として登録したトラックやバス、タクシーなどの運行状況を記録する運行記録計は、一般的にタコグラフと呼ばれ業務用登録した車両への搭載が義務付けられています。
タコグラフで記録された運行記録は、交通事故の原因解明資料として使用されるほか運行効率改善の糸口にも成り得る非常に有効なデータであり、効果的に運行記録を計測するためにタコグラフにはさまざまな種類が存在しますので、タコグラフとはどのような装置であるのか、タコグラフの種類などを紹介します。

タコグラフはトラックの運行状態を刻々と記録する運行記録計

タコグラフはトラックの運行状態を刻々と記録する運行記録計
トラックドライバーの乗務環境の改善や交通事故防止のために、連続運転時間は4時間までに制限され、4時間を経過した場合30分以上の休憩を行うことは労働基準法や厚生労働省の告示「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」によって定められています

しかし一旦輸送業務を開始するとトラックドライバーの業務状況を正確に掴むことは非常に難しいのも事実で、どのような運航状態で輸送業務を行っているかを知るためには運行記録計のデータを確認するしか方法がないと言えるでしょう。

運行記録計は名称通り搭載車両の運行データを刻々と記録する計測装置で、運行管理者はドライバーから提出された運行記録からトラックの運行状況を知ることができます。

商用車両にはタコグラフ搭載が義務付けられている?

運行記録計であるタコグラフの搭載は片道100kmを超過する運行ルートの路線バスや路線トラック、貸切バスへの搭載義務化が1962年に行われ、2015年からは車両総重量7トン・最大積載量4トン以上のトラックに搭載義務が課せられています。

ドライバーの乗務環境の向上や多発する重大事故の予防策としてトラックの運行記録から運行状況を掴むことが効果的であると考えられたことで、運行記録計のタコグラフ搭載義務対象車両は徐々に拡大する傾向にあると言えます。

タコグラフの搭載義務対象車両は拡大されている

既述のとおり、国内で運行する車両にタコグラフの搭載義務付けが最初に行われたのは1962年ですが、対象車両は非常に限定的であったのも事実です。しかし1967年には対象車両が車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の貨物自動車に拡大され、1990年には特別積合せ貨物運送に関わる事業用自動車、2017年から車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のトラックまで搭載義務が拡大されています。

運行記録計のタコグラフは記録方法で2種類に分類できる

運行記録計のタコグラフは記録方法で2種類に分類できる
国内でタコグラフが登場した当初タコグラフは感圧紙に折れ線グラフで走行速度を記録するシンプルなアナログ式でしたが、現在は走行速度以外にエンジン回転数とはじめとするさまざまな運行データを記録できるデジタル式タコグラフの2種類が使用されています。

従来から広く使用されているアナログ式タコグラフと近年急速に普及が進むデジタル式タコグラフの特徴を紹介します。

オーソドックスなアナログ・タコグラフ

24時間で1回転する感圧式の記録紙に車速に連動して、上下運動する鉄針が速度を記録するのがアナログ式タコグラフで、スピードメーター一体型・時計一体型・単独の1DIN規格型などの種類が存在します。

車速に連動し上下する鉄心が描く縦軸と時間経過で生じる横軸から運行状況を知ることができ、エンジン回転数を搭載する予備針で記録するレボタコグラフや保冷室内温度や作動油圧などを記録できる種類のタコグラフも存在します。

アナログの進化版デジタル・タコグラフ

電気信号化された運行データを記録する運行記録計のデジタル式タコグラフは、1998年に認定された比較的新しい運行記録計でデジタコの通称でも呼ばれます。USB端末などの電子記録媒体に運行データを記録できるため、感圧式記録紙を使用するアナログ式とは異なり24時間ごとに記録紙を交換する必要がありません。

デジタコでは速度・時間・距離・エンジン回転数などの基本的な運行データの収集以外に、急加減速検知・ドア開閉・GPSの位置情報・実車と空車の走行区間・給油量など非常に緻密な車両情報を得ることができる新時代のタコグラフだと言えるでしょう。

近年の主流はさまざまな運行データを記録できるデジタル・タコグラフ?

近年の主流はさまざまな運行データを記録できるデジタル・タコグラフ?
既に紹介したとおりタコグラフにはアナログ式とデジタル式の2種類が存在しますが、アナログ式タコグラフの方が一般的に普及しているタコグラフであるのが実情だと言えます。しかし近年デジタル式タコグラフが凄まじい勢いで普及し始めており、「タコグラフのシェアが逆転するのはそれほど遠い未来ではないのではないか?」とも言われています。

デジタコの普及が推し進められる理由として、車速を中心とした限定的な運行データしか収集できないアナログ式に対して、デジタコは非常に多くの運行データを収集することが可能であることが挙げられます。

多機能が推し進められるデジタル・タコグラフ

1998年に国土交通省(旧運輸省)の認定を受けトラックへの搭載が始まった当時のデジタコで得られる運行データは、アナログ式タコグラフと大差のないものであったと言えますが、既述のとおり現在は多機能化が推し進められ高度な運行データを記録できます。

輸送効率を向上させる高度な運行管理には精密な運行データが求められ、アナログ式タコグラフで得られる運行データでは高度な運行管理が難しいのに対し、デジタコが多種多様なデータ収集を実現したことでデジタコに対するニーズが高まっていると言えます。

高性能なデジタル・タコグラフの導入コストは決して小さくない

多機能化が推し進められ緻密な運行データで高度な運行計画に活用されるデジタコですが、高性能なデジタコは高額となる傾向にあるのも事実で、人気の高いデジタコの平均価格は約18万円とけしてリーズナブルとは言い難い価格と言えるでしょう。

助成金制度を利用してタコグラフ導入コスト調達も可能?

助成金制度を利用してタコグラフ導入コスト調達も可能?
緻密な運行データの計測が行える一方で導入コストの経済的負担が小さくないデジタル式タコグラフですが、タコグラフが搭載義務化されたことを受け導入コストを助成する制度も存在します。

助成金制度を利用することで決して小さくないタコグラフ搭載の経済的負担を軽減できることから、タコグラフ搭載時には助成金制度を効果的に活用することがおすすめです。

タコグラフ導入コストの助成を行う団体は?

タコグラフの搭載義務化を受け、タコグラフ導入コストを助成する助成金制度は、行政機関では国土交通省・厚生労働省、民間団体では全日本トラック協会・一般社団法人環境優良車普及機構の4団体が実施しています。

行政機関の助成金制度は助成額が大きな反面、助成対象に対する審査基準が厳しいと言えます。トラックドライバーにとって身近なトラック協会の助成は、地方支部ごとに助成基準が異なるため事前に助成額上限などの確認をおすすめします。

助成金制度を利用するタコグラフ導入は指定機器のみとなる

搭載が義務化されたタコグラフですが、既述した4つの団体の助成金制度を活用することができれば導入コストの経済的負担を軽減しながら搭載することが可能となります。しかし助成金制度では助成対象機種が指定されているため、助成金制度を利用してタコグラフ導入を計画する場合は事前に助成対象機種を確認しておく必要があります。

運行管理に不可欠なタコグラフ導入は搭載車両への乗り換えが効率的?

運行管理に不可欠なタコグラフ導入は搭載車両への乗り換えが効率的?
輸送費用据え置きの状態が長らく続く現在の状況下で、輸送業務から得る利益を大きくするためには「いかにして輸送効率を向上させるか?」がポイントとなります。高度な運行計画のためには緻密な運行データが不可欠ですが、高性能なデジタコは高額であるのも事実で輸送効率向上の実現は簡単ではないと言えるでしょう。

また、老朽化したトラックからいくら緻密な運行データを得たとしても輸送効率向上は難しいことから、良好なコンディションのトラックからの緻密な運行データを得ることが重要だと考えられトラックの乗り換えも視野に入れる必要があるケースも存在します。

大量のタコグラフ搭載車両が中古トラック販売店で取り扱われている

タコグラフの導入コストの経済的負担すら小さくないのに「トラックの乗り換えは非現実的では?」と捉える方もいるかもしれません。確かに新車のトラックへの乗り換えの場合は膨大な乗り換えコストが必要となるのも事実ですが、おすすめしたいのは中古トラック販売店で扱われる中古トラックへの乗り換えです。

既に大手輸送会社などではタコグラフの搭載で運行効率を向上させているケースが珍しくなく、中古トラック市場にはタコグラフ搭載車両が大量に流入していることから中古トラック販売店ではタコグラフを搭載した中古トラックが数多く取り扱われています。

タコグラフ導入は搭載済み中古トラックへの乗り換えがおすすめ!

現在使用しているトラックへのタコグラフ搭載を自力で行うより、既にタコグラフ搭載済みの中古トラックへの乗り換えを行うことで、タコグラフの導入と良好なコンディションの車両への乗り換えを両立できます。

資金投下を行う際にはどれだけのリターンが見込めるかを検討する必要がありますが、タコグラフ単体へ資金投下を行うよりタコグラフ搭載済みの中古トラックへの資金投下を行った方が大きなリターンが期待できるのではないでしょうか?

まとめ

現在の輸送業務には高度な運行計画で輸送効率向上を実現させることが求められ、高度な運行計画には緻密な運行データが必要となります。運行記録計であるタコグラフは運行計画を立てるのに欠かすことができない存在ですが、タコグラフを効率的に導入するためには次に挙げるタコグラフの特徴や導入手段を掴んでおく必要があると言えるでしょう。

  • タコグラフにはアナログ式とデジタル式の2種類が存在する
  • デジタコは緻密な運行データ収集が行えるが高額な傾向にある
  • 中古トラック販売店でタコグラフ搭載済み車両の購入が効率的

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