牽引免許とは?取得方法や費用・免許の種類や取得のコツ・免許がいらない場合について


仕事で車の運転をおこなう方は、それぞれの車を運転するときにどのような免許が必要となるか正しく理解しておく必要があります。

大型トレーラーやトラクターを運転する際に取得が義務づけられているのが『牽引免許』す。記事では、牽引免許とは何か、その種類や免許取得の難易度、取得のコツや免許がいらない場合を解説します。近々、仕事で必要になる方は、ぜひご一読ください。

牽引免許は車両総重量750kg以上の牽引時に必要

牽引免許は、自走しない車両総重量が750kgを超える車(トレーラー)を牽引するときに必要な免許です。
牽引する車は、大型自動車・中型自動車・準中型自動車・普通自動車・大型特殊自動車のいずれかの場合です。
ちなみに、車両総重量は『牽引する車(トレーラー)の本体車両の重量と最大積載量の合計』を意味します。

牽引する車は一般的に貨物目的で用いられる場合が多く、正式には牽引する車は『牽引車』、牽引される車は『被牽引車』と呼ばれます。

牽引免許が必要なのは、牽引する車・荷台の車両総重量が750kgを超えた場合のみです。
つまり、750kg以下であった場合は牽引免許は必要ありません。ただし、もちろん運転する側の車の免許は必要ですので注意してください※。

※ 例:中型トラックを運転するときに普通自動車免許しか取得・保有していない、など

牽引免許は3種類に分かれる

免許の種類 免許の概要 取得にかかる費用 取得にかかる時間
牽引免許(第一種免許) 公道を運転する際に必要な免許 教習所 = 10万円強

運転免許センター
= 約6,000円
教習所 = 最短12時間

運転免許センター
= 数時間ほど
牽引二種免許 旅客運送用の自動車を運転する際に必要な免許 教習所 = 10万円強

運転免許センター
= 約6,000円
教習所 = 最短12時間

運転免許センター
= 数時間ほど
牽引小型トレーラー限定免許 車両重量が750kg超〜2,000kg以下のトレーラーを牽引できる免許 教習所 = 10万円強

運転免許センター
= 約6,000円
教習所 = 最短12時間

運転免許センター
= 数時間ほど

牽引免許には、『牽引免許(第一種免許)』『牽引二種免許』『牽引小型トレーラー限定免許』の3種類があります。
牽引免許は、公道を運転する際に必要な免許です。牽引二種免許は、旅客運送用の自動車を運転する際に必要な免許です。
該当する車は、トレーラーバスのようなトレーラーに客車を接続させた車になりますが、実際に用いられる場面は少ないようです。

牽引小型トレーラー限定免許は、車両重量が750kg超〜2,000kg以下のトレーラーを牽引できる免許です。
大型のトレーラーではなく、普通車で牽引できるサイズのトレーラーのみ運転したい場合に適しています。

牽引免許の取得条件


牽引免許の取得条件は以下のとおりです。

年齢 満18歳以上で普通免許、中型免許、大型車免許、大型特殊免許、二種免許のうちいずれかを所持している方
視力 両眼で0.8以上、かつ、1眼で、それぞれ0.5以上であること
色彩識別能力 赤色、青色及び黄色の識別ができること
深視力 三桿法の奥行知覚検査器により、2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下であること
聴力 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること

※ 補聴器により補われた聴力を含む
運動能力

・自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと
・自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障を及ぼす恐れが無いと認められるものであること

※ 引用元:那須自動車学校『牽引免許の詳細情報』
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牽引免許の取得条件

牽引免許を取得するにはまず『満18歳以上で普通免許・中型免許・大型車免許・大型特殊免許・二種免許』のいずれかを取得している必要があります。
そのうえで牽引免許を取得するには、自動車教習所に通い取得する方法と運転免許センターの一発試験で合格する方法の2つがあります。

教習所で牽引免許を取得するには、最短で12時間の技能試験を受ける必要があります。試験は技能試験のみで学科試験はありません。
具体的な費用感の詳細は後述しますが、おおよそ10万円強となっています(教習所によって異なる)。

運転免許センターの一発試験で取得する場合は、技能卒業検定を合格し、そのあとにある適性試験にも合格すれば取得できます。
試験にかかる費用は、以下の内訳で約6,000円となります。

申請手数料 2,600円
車両使用料 1,450円
免許の交付手数料 2,050円

※ 参考元:埼玉県警察『指定自動車教習所を卒業しないで牽引一種免許を受験されるかた』

【牽引免許 取得までの流れ(教習所のケース)】

①指定の教習所に入学
②適性検査・運転適性検査(視力・聴力検査など)
③技能卒業検定(12時間)
④試験場での適性検査(視力検査など)
⑤牽引免許証の交付

【牽引免許 取得までの流れ(運転免許センターのケース)】

①技能卒業検定
②試験場での適性検査(視力検査など)
③牽引免許証の交付

あらためて、それぞれの免許取得までの流れを整理すると上記のようになります。

牽引免許は第一種と第二種で試験内容が異なる


牽引免許の取得を検討する際に気になるのは、取得の難易度です。もちろん、試験を受ける個人の能力や準備度合いに左右されますが、試験は難しいのでしょうか。実際にどのような試験内容かも踏まえご説明します。

牽引免許(第一種免許)の試験内容

牽引免許(第一種免許)の試験には、学科試験がないことは先ほどご説明したとおりです。つまり合格を左右するのは適性検査を除くと、主に技能試験ということになります。技能試験は100点満点からスタートし、減点事項があった場合にマイナスされ試験終了時に70点以上であれば合格です。

そして、具体的な技能試験の内容は主に以下のとおりです。

・安全確認をして正しく発進できるか
・場内を軽く一周する慣らし運転
・指示速度走行(時速30〜40kmほど)
・方向転換やバックでの車庫入れ
・障害物の回避
・S字カーブ
・ギア固定での踏切通過
・見通しの悪い交差点通過
・正しく停車してエンジンを切れるか

牽引免許(第二種免許)の試験内容

牽引免許(第二種免許)は、旅客運送用の牽引時に必要となるため第一種免許より合格までのハードルは高く設定されています。
まず牽引免許(第二種免許)の場合、先に学科試験があります。
学科試験は『文章問題が95問』と『イラスト問題が5問』の正誤式であり、90点以上で合格となります。

学科試験を合格すると、次に技能試験がおこなわれます。技能試験も牽引免許(第一種免許)のときに比べ、合格基準は10点高い80点以上に設定されています。技能試験の内容自体は第一種免許と同じですが、一つひとつの審査基準は厳しくなります。

牽引免許の合格率は第一種で約8割、第二種で約2割

牽引免許の合格者数・合格率はどれくらいなのでしょうか。

牽引免許(第一種免許)
受験者数 33,802人
合格者数 27,762人
合格率(%) 82.1%

 

牽引免許(第二種免許)
受験者数 1,812人
合格者数 392人
合格率(% 21.6%

データを見ると一目瞭然ですが、牽引免許(第一種免許)の受験者数は3万人を超えており、合格率も8割以上であるのに対し、
牽引免許(第二種免許)の受験者数は2,000人にも満たず、合格率は2割程度と大きく違いがあることがわかります。

※参考元:警視庁『運転免許統計 令和2年版」』

牽引免許を取得するコツやポイント

第一種か第二種かで合格率に差のある牽引免許ですが、取得する際のコツやポイントを事前に把握しておくことが合格率を高めるために大切です。
トレーラーを牽引するときのコツをお伝えします。

前進する時は車幅の把握を意識する

牽引免許の実技教習を受け始めたときに、まず慣れなければならないのがトレーラーを牽引した際の車幅の違いです。
トレーラー等を牽引しない場合の車幅に比べて、車幅が広くなるケースが多いので運転席部分の車幅だけを意識するとトレーラーのボディを擦ってしまう恐れがあります。

運転席のある車体の右側は視点が近いため車幅を把握しやすいかと思いますので、特に左側の車幅感覚を強く意識するようにしましょう。
車体左側の道路に車幅の基準となるモノを意識して、イメージと実際に車幅の感覚を合わせることが大切です。

右左折時は後輪が縁石30cmほどをキープ

トレーラーを牽引して運転する際は、車体が通常より長いため、右左折時には特別な注意が必要です。
右左折時は、道路のカーブ部分の縁石から30cmほどをキープしながら曲がるようにしましょう。
これは、右左折する時に縁戚とのスペースが空きすぎると『内輪差』によってバイクなど二輪車を巻き込む事故につながる恐れがあるためです。

内輪差の度合いは、牽引するトレーラーの長さやカーブ部分の半径などによっても異なります。
一般的にはトレーラーが長いほど、または小回りするほど内輪差は大きくなります。
とはいえ、言葉で理解するのには限界もありますので、実技教習を通してカラダで感覚をつかみましょう。

バックの修正は小刻みにおこなう

トレーラーを牽引した状態でバックするのは、牽引せずおこなう場合より難易度は上がります。
これは牽引する側の車体と牽引される側のトレーラーはカプラとキングピンで連結されており、常に真っ直ぐな状態をキープするのは難しいためです。

そのため、トレーラーを牽引時にバックする際には、トレーラー部分がイメージする進行方向からズレてしまわないように小刻みにハンドルを修正する必要があります。どの車でも大切ですがが、トレーラーを牽引する際はより細心の注意をおこないましょう。

牽引免許が必要な場合といらない場合

牽引免許の取得に関して、「ボートやキャンピングカーを牽引する場合は必要なのか?」との疑問をよく耳にします。
趣味でレジャーを楽しまれる方は気になる内容かと思いますので、あらためて牽引免許の基準に照らしながら解説したいと思います。

ボートの牽引では牽引免許は必要か

ボートの場合も牽引免許は一律で同じ基準で考えられます。
『トレーラーの総重量が750kg以下であること』『トレーラーと牽引車を連結した全長が12m以下であること』『車幅が2.5m未満または高さが3.8m未満であること』が条件です。これらの条件を満たしているのであれば、牽引免許がなくてもボートの牽引は可能です。

タイプによって違いはありますが、一般的なボートトレーラー自体の重量は230kgほどといわれています。つまり、ボートの重量が470kg以下くらいであれば牽引免許がなくてもボートの牽引ができます。

キャンピングカーの牽引では牽引免許は必要か

キャンピングカーの場合もボートと同じ基準です。つまり、小型のキャンピングカーであれば牽引免許は必要なく、牽引する側の車体の総重量が750kgを超える中規模以上のキャンピングカーの場合は牽引免許が必要となります。

まとめ

主に運送業の仕事をされている方であれば、遅かれ早かれいずれは牽引免許の取得が必要になる場面が多いことと思います。
記事でもお伝えしたとおり、運転免許センターで一発合格をしない限り、自動車教習所で最短でも12時間の教習を受ける必要があります。

もし、仕事で必要だとわかっているのであれば、なるべく早めに取得の準備をされるのがいいでしょう。
第一種免許であれば、合格率は8割超えですので、しっかりと集中して実技訓練をすれば、多くの方が取得できるかと思います。

  • 牽引免許は、牽引する車(トレーラー)の車両総重量が750kgを超える場合に必要となる
  • 牽引免許には、『牽引免許(第一種免許)』『牽引二種免許』『牽引小型トレーラー限定免許』の3種類がある
  • 自動車教習所で取得すると10万円強、運転免許センターで取得すると約6,000円の取得費用がかかる
  • 牽引免許の合格率は、『牽引免許(第一種免許)』で約8割、『牽引二種免許』で約2割である
  • 牽引免許が必要かどうかは、ボートやキャンピングカーを牽引する場合も、一律同じ基準

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