車両運搬車(キャリアカー・回送車)とは?特徴・種類・免許資格を解説

車両運搬車(キャリアカー・回送車)は、専門構造で高い輸送品質を実現しています。
そこで本記事では、車両運搬車(キャリアカー・回送車)の特徴や種類、運転に必要な免許などを紹介します。
目次
車両運搬車(キャリアカー・回送車)とは?
車両運搬車は、キャリアカーや回送車をはじめとする車を運ぶトラックの一種です。一般的に新車や中古車の搬送などに活躍します。しかし、荷台に車を載せる車両をすべてキャリアカーや回送車と呼ぶわけではないので注意しましょう。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)の役割
自走可能な車両をあえてキャリアカーで運ぶのは、走行距離を増やさず、車の価値を下げないためです。昔は自走でディーラーや展示場まで運ぶこともありましたが、現在では車の商品価値を保つために、車両運搬車で運ぶのが一般的になっています。
また、複数台の車両を個別に運転するよりも、キャリアカーを使用することで、運転に必要な燃料代や人件費といったコストを大幅に削減できます。効率的な車両輸送を実現する上で、車両運搬車は欠かせない存在です。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)の種類と必要な免許
貨物自動車であるトラックには、小型、中型、大型の車両区分のなかで、さまざまなボディタイプが存在します。車両運搬車も同様で、積載する車両や台数によって異なる車両区分の搬送車両が使用されます。
車両運搬車は、大きくわけて下記の3種類があります。
1.ローダー |
それぞれの特徴や、必要な免許を詳しく紹介していきます。
1.ローダー
ローダーとは、車両と荷台が一体型の車両運搬車で、1台積載できるものを指します。
ローダーのサイズには、小型(車両総重量5t未満、最大積載量3t未満)、中型(車両総重量5~11t未満・最大積載量3~6.5トン未満)、大型(車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上)まで各車両区分のものが存在します。
運転するローダーの種類に応じて適切な免許を取得する必要があるので、車両総重量と最大積載量をしっかりと確認して下さい。
2.単車
車両運搬車の中でも、2台~5台の車両を積載できるものは「単車」と呼ばれています。積載できる台数によって、「2台積み」「5台積み」と、呼ぶこともあります。
この後に説明する「トレーラー」と「単車」は2段式になっており、複数の車を上下に積んで運びます。
単車を運転する際も、車両の最大積載量に応じて必要な免許が異なり、中型免許や大型免許が必要となることが多いです。
3.トレーラー
トレーラーは、6台以上の積載が可能な車両運搬車のことで、最大8台の車両を積載できます。このタイプの運転には、大型免許が必須となる場合がほとんどです。
単車タイプとは異なり、トラクターでトレーラーを牽引するため、通常の運転免許に加えて「牽引免許」も必要になります。牽引免許は、車両重量750kgを超えるトレーラーを牽引する際に必要な免許です。
牽引免許の取得方法は?
牽引貨物自動車の車両運搬車(キャリアカー、回送車)を運転するには、大型免許と牽引免許の取得が必要です。牽引免許の取得には、18歳以上で普通免許、大型免許、または大型特殊免許のいずれかを取得していることが条件です。
現在、牽引免許は、運転免許センターにて一発免許で取得することもできます。しかし、合格はかなりの難関であることから、認定自動車学校で既定のカリキュラムを受講し取得するのが一般的です。
道路法改正で新免許区分の内容
車両運搬車(キャリアカー・回送車)は、車両区分によって運転資格が「普通免許」「準中型免許」「中型免許」「大型免許」と変わります。2017年の道路交通法改正で新たに免許区分の見直しがおこなわれ、準中型免許が生まれました。
新免許区分の準中型免許で運転できるのは、次の条件を満たした車両運搬車(キャリアカー・回送車)のみとなります。
・車両総重量:7,500kg未満(7.5t未満) |
上記の条件以上の車両運搬車(キャリアカー、回送車)の運転は、中型免許以上の免許保有が必須です。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)運転はAT限定免許も要注意
現在、MTが主流であったトラックへのAT搭載が急速に推し進められています。しかし、未だMTトラックの台数が圧倒的に多いのが現状です。
一般的なトラック同様、AT限定免許ではMTの車両運搬車(キャリアカー・回送車)を運転できないので、運転する際はミッションの確認を事前におこなって下さい。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)の固定方法
キャリアカーで車を運ぶ際は、走行中の揺れや衝撃で車両が動いたり傷ついたりしないよう、確実な固定が必要です。タイヤをベルトやワイヤーでしっかりと締め付け、専用のフックに接続して固定します。
積載時は車両をタイヤストッパーにきちんと寄せ、上下段がある車両運搬車では上段から順に積むのが基本です。車両同士の間隔も十分に取り、安全運搬を心がけましょう。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)の導入方法
車両運搬車(キャリアカー・回送車)は、特殊車両のため新車での導入は、車両価格が高額で納期にも時間がかかります。そのため「なかなか導入が難しい」といった声も珍しくありません。
そういった問題を解決できるのが、中古トラック販売店です。中古トラック販売店では新車で購入するよりリーズナブルで、完成車のため短納期なのが魅力です。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)購入は「トラック流通センター」がおすすめ
車両運搬車(キャリアカー・回送車)は、トラック流通センターでも取扱いがあります。全国に豊富な在庫を取り扱っており、用途や条件にぴったりの車両を見つけられます。
さらに、専門スタッフがあなたに最適な一台を提案してくれるため、安心して購入可能です。購入後のサポートも手厚く、最長1年の保証が付いているので、万が一のトラブルにも心配無用です。状態良い車両の購入を検討している人は、ぜひ一度トラック流通センターにご相談ください
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よくある質問
車両運搬車に関して、よく寄せられる質問を以下にまとめました。
車両運搬車とはどのようなものですか?
車両運搬車は、自動車を安全かつ効率的に輸送するために設計された特殊車両です。
新車や中古車の輸送、故障車の移動など、さまざまな場面で活躍します。車両を固定するための装置や、積み下ろしを容易にするための機構を備えているのが特徴です。
どのような種類がありますか?
積載する台数や構造によっていくつかの種類があります。主な種類は、一台積みのローダー、複数台積載可能なキャリアカー、そしてトラクターとトレーラーを連結したトレーラータイプなどです。
それぞれに特徴があり、運搬する車両の種類や台数によって最適なものが選ばれます。
運転に必要な免許は何ですか?
車両運搬車の種類やサイズによって必要な免許が異なります。小型のローダーであれば普通免許で運転できる場合もありますが、大型のキャリアカーやトレーラータイプでは大型免許や牽引免許が必要になることがあります。
2017年の道路交通法改正により、免許区分が細分化されたため、運転する車両に合った免許を事前に確認することが重要です。AT限定免許の場合、MTシステムの車両運搬車を運転できない点にも注意が必要です。
車両運搬車(キャリアカー・回送車)の中古車価格は?
キャリアカーの中古価格は、車両の種類や年式、走行距離などによって幅があります。たとえば、比較的小型のローダータイプなら200万円前後から、単車タイプでは330万円以上が目安です。
中古を選べばコストを抑えられるうえ、予算内でより高性能な車両を選べる可能性もあります。購入前には車両の状態や整備履歴の確認も忘れずにおこないましょう。
まとめ
車両運搬車(キャリアカー、回送車)は、車両搬送専用の特殊装置を搭載した特殊車両です。しかし、搭載装置の操作や車両を積載し走行することに対して、特別な免許や資格が求められません。そのため、車両運搬車(キャリアカー、回送車)の運転資格を満たすだけで、車両搬送業務が行えます。
新たな免許区分が施工された現在、車両運搬車(キャリアカー、回送車)の運転する際には、次の3つのポイントに注意する必要があります。
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- 車両運搬車は、キャリアカーや回送車をはじめとする車を運ぶトラック
- 単車の車両運搬車の運転は車両区分の運転資格を満たす必要がある
- 準中型やAT限定免許保有者は運転する車両運搬車の運転資格に注意
- 牽引貨物自動車の車両運搬車の運手は大型・牽引の2つの免許が必要