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駆動力・制動力・操舵性に影響するトラックタイヤの賢い選び方や注意点とは?

駆動力・制動力・操舵性に影響するトラックタイヤの賢い選び方や注意点とは?貨物自動車であるトラックは巨大なボディと積載する貨物の荷重を支えるために、操舵輪以外は1本の車軸に左右4本のタイヤを装着するダブルタイヤが採用されることが珍しくありません。トラックの全荷重を支え駆動力や制動力を発生させ操舵性を確保するタイヤは重要パーツの1つに挙げられますが、タイヤの機能や構造、選び方やタイヤ選びの注意点は意外と知られていないようですのでトラックのタイヤについて紹介します。

タイヤは駆動力・制動力・操舵性に影響する重要パーツ

タイヤはトラックの全荷重を支え駆動力・制動力・操舵性に影響する重要パーツ
エンジンで発生した動力はトランスミッションを経由し駆動輪に伝えられ路面に設置するタイヤで駆動力として効果を発揮しますし、ブレーキが発生させる制動力もタイヤがグリップすることによって減速・停車することができます。

またハンドル操作で自由にトラックを操るのには操舵輪のタイヤが正常に機能している必要があり、機能が失われたタイヤでは正確な操舵が行えずトラックをコントロールできなくなります。

シンプルな構造のゴム製品のタイヤがトラックを安全・確実に運行させるために欠かすことができない重要パーツの1つであることは、トラックが国の定める保安基準を満たしていることを確認する車検の検査項目にタイヤが含まれていることからも図れます。

年間走行距離が多いトラックのタイヤは摩耗しやすい

トラックに装着するタイヤも他のタイヤ同様にゴムを主原料として製造されているゴム製品であることに変わりなく、ゴム製品であるためタイヤは使用と共に摩耗しますが摩耗することで駆動力や制動力、操舵性能を機能させているとも言えます。

貨物自動車であるトラックは車両重量が大きく大量の貨物を積載するためタイヤにかかる負担は非常に大きい上に、商用車両であるトラックは年間走行距離が多い傾向にあるため、トラックのタイヤの摩耗速度は乗用車と比べると早いと言えます。

摩耗が進んだタイヤの使用は整備不良の道路交通法違反で処罰される

既述のとおり国の定める保安基準を満たしているかの確認を行う車検の検査項目にタイヤは含まれており、トラックのタイヤは接地面に1.6mm以上の深さの溝が必要で、溝の深さが1.6mm以下に摩耗したタイヤで走行すると整備不良として道路交通法違反で処罰されます。

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タイヤはチューブの有無や構造で分類される

トラックに装着するタイヤはチューブの有無や構造で分類される

内部に圧縮空気を充填したゴム製品のタイヤはシンプルな構造であるような印象を受けますが、タイヤメーカー各社はタイヤに使用するゴムの製造時に使用する添加物やタイヤの構造の研究・開発を続けることでタイヤの品質向上に努めています。

ひと口にトラックのタイヤと言ってもタイヤはインナーチューブの有無やタイヤの骨格部となるカーカスの配置などで分類されるため上手なトラックタイヤの選び方を知るためにはタイヤの種類を掴んでおく必要があります。

インナーチューブを使用するチューブタイヤ

インナーチューブを使用するチューブタイヤ

参考元:日本グッドイヤー株式会社

古くから広く用いられてきたオーソドックスな構造のタイヤが、タイヤ内部のインナーチューブに圧縮空気を充填して使用するチューブタイヤと呼ばれるタイプです。タイヤやホイールに軽度なトラブルが発生してもチューブ内の圧縮空気が漏れない限り自走することができ、悪路走行時に空気圧を下げることでトランクションを確保することができます。

インナーチューブを使用しないチューブレスタイヤ

インナーチューブを使用しないチューブレスタイヤ

参考元:日本グッドイヤー株式会社

タイヤ内部にインナーライナーと呼ばれるゴム製シートを用いることでタイヤとホイールを密着させ、インナーチューブを使用せず直接タイヤに圧縮空気を充填して使用するのがチューブレスタイヤです。

タイヤにパンクが発生しても圧縮空気の漏れ出す速度が遅いため走行中のパンク発生時に安全に対応できる点や、金属製ホイールに圧縮空気が直接触れるため放熱効果が高くタイヤ温度が下がりやすい点が評価されています。

タイヤの骨格部カーカスが斜めに配置されたバイアスタイヤ

タイヤの骨格部カーカスが斜めに配置されたバイアスタイヤ

参考元:日本グッドイヤー株式会社

タイヤの骨格部であるカーカスがタイヤが設置するトレッド面に対して斜めに配置されているのがバイアスタイヤで、バイアスタイヤの開発でタイヤが普及したと言われています。

回転時の振動が少なく乗り心地がよいのが特徴ですが、現在のラジアルタイヤと比べるとマイナーな位置付けがされるタイプだと言えます。

カーカスがタイヤ中心からラジアル(放射線状)に配置されたラジアルタイヤ

カーカスがタイヤ中心からラジアル(放射線状)に配置されたラジアルタイヤ

参考元:日本グッドイヤー株式会社

ホイール接合部からトレッド面を経由し、反対のホイール接合部に向かってカーカスを配置するのがラジアルタイヤです。カーカスがトレッド面に対して直角になりますが、タイヤを横から見るとカーカスがタイヤの中心から放射状に配置されているように見えることから放射状を意味するラジアルタイプと呼ばれます。

バイアスタイヤより約60年後に開発されたため、操縦性・安定性・燃費性能・耐摩耗性に優れ発熱が少ないなど多くのメリットが存在するタイプのタイヤです。

トラックにも夏用と冬用のタイヤが用意されている

トラックのタイヤには既述の4タイプが存在しますが、さらに冬季の積雪時に使用できる冬タイヤと呼ばれるスタッドレスと夏タイヤと呼ばれる一般的なタイヤが存在します。

駆動力・制動力・操舵性に影響するタイヤの構造とは?

トラックの全荷重を支え駆動力・制動力・操舵性に影響するタイヤの構造とは?
タイヤの種類はチューブタイヤ、チューブレスタイヤ、バイアスタイヤ、ラジアルタイヤ、そして夏タイヤと冬タイヤに分類されることは既に紹介しましたので、ここではタイヤの構造について紹介します。

トラックのタイヤは4つの部位で構成される

一見シンプルに見えるタイヤの構造ですがタイヤは次の4つの部位で構成されています。

①路面と設置するトレッド部
②タイヤブランドや製品情報が表示されているサイドウォール部
③トレッドとサイドウォールを繋ぐショルダー部
④タイヤをホイールに固定するビート部

また大きな力がかかるトレッド部は複層構造となっており、バイアスタイヤは骨格であるナイロン製カーカスの上にカーカスと同素材のブレーカーと呼ばれる帯が巻かれゴム製のトレッドが配置されます。

ラジアルのトラックタイヤはスチール製カーカスの上に同素材のベルトと呼ばれる複数の帯が巻かれゴム製のトレッドが配置されます。

路面に設置するトレッド面のパターンでタイヤの特性が決まる

タイヤの外観で最も目を引き保安基準で1.6mm以上の深さが求められるのがタイヤが接地するトレッド面に刻まれる溝ですが、溝のパターンは次の4パターンに分類され特性が異なります。

①リブ型:転がり抵抗が小さく操縦性や安定性に優れるパターン
②ラグ型:高い駆動力と制動力を発生させ未舗装路面での牽引性能も高いパターン
③リブラグ型:リブ型とラグ型の複合パターンで両者の特性を併せ持つパターン
④ブロック型:高い駆動力と制動力で積雪路や泥ねい路用で使用されるパターン

トラックのタイヤの賢い選び方や注意点とは?

トラックのタイヤの賢い選び方や注意点とは?

トラックのタイヤは多くのタイプに分類することができ、各タイプごとに特徴が異なるため使用用途に合ったタイヤを選ぶことが重要となり、タイヤ選びは慎重に行う必要があります。

タイヤ専門店などで特売にかけられているタイヤを「お買い得だから!」という理由で購入してもトラックに装着できなければ意味がないので、トラックのタイヤサイズは正確に掴んでおく必要があります。

トラックのタイヤ特性を決めるトレッドパターンは重要

タイヤの接地面であるトレッド面に刻まれる溝のパターンには4つのタイプが存在することは既に紹介した通りですが、使用用途で選ぶべきパターンも異なります。一般的にはリブ型やリブラグ型のパターンがトラックのタイヤに用いられる傾向が強いので、リブ型とリブラグ型を購入すれば間違いないと言えるでしょう。

ゴム製品であるタイヤは使用しなくても経年劣化をするので注意

トラックのタイヤは頑丈に製造されていますがゴムを主原料とするため、未使用のタイヤでも製造から長期間経過すると経年劣化し品質が低下します。一般的にタイヤの寿命は5年だと言われ3年を経過するとひび割れなどの症状が発生しますので、製品情報に刻まれたタイヤの製造年月を確認して購入することをおすすめします。

中古トラックは購入直後にタイヤ交換が必要となるリスクも!

タイヤ摩耗が進んだ中古トラックは購入直後にタイヤ交換が必要となるリスクも!
中古トラック販売店では効率的なトラック導入が行えますが基本的に現状渡しで取引が行われるため、タイヤが摩耗した車両を購入した場合など購入後すぐにタイヤ交換を行う必要に迫られるケースも存在します。

タイヤが偏摩耗しているトラックはトラブル発生リスクが高い

トラックのタイヤは車検の検査項目に含まれる重要部品であるため摩耗が進んだタイヤを装着したトラックでは車検を通過することができませんし、車検有効期間内でも摩耗が進みすぎていると整備不良で処分されます。

また、車検トラブルや整備不良での摘発以外にも摩耗が進んだトラックは駆動力・制動力・操舵性能が正常に機能しないため思わぬトラブルに繋がりかねないリスクが潜んでいると言えます。

中古トラック選びの際にタイヤコンディションの確認は重要な項目となる

購入費用や納車期間などトラック導入時の障壁を解決できる中古トラック販売店は非常に魅力的な車両調達先だと言えますが、取り扱われる中古トラックの車両コンディションには個体差があるのも事実です。

中古トラック購入時には実車確認を行うことが重要ですが、実車確認の際にはタイヤコンディションの確認もしっかり行うことを強くおすすめします。

まとめ

トラックのタイヤは車検の検査項目に含まれる重要パーツであると共に、使用と共に摩耗する代表的な消耗部品でもあります。摩耗が進むと車検通過ができないことや整備不良で処分されるリスクと共にタイヤ本来の機能を果たせず危険な状態に陥りかねませんので次に挙げる3点に注意して上手なタイヤ選びを実現してください。

  • タイヤにはチューブタイヤとチューブレスタイヤが存在する
  • 現在バイアスとラジアルではラジアルタイヤが主流
  • トレッド面のタイヤパターンはリブ型とリブラグ型が主流

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