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【徹底解説】ファームダンプとは?特徴・活用方法|中古車を購入するコツ

ファームダンプ

ファームダンプは、深ダンプの1つとして挙げられますが、実際に目にする機会が多くないため、知名度が低いトラックです。
本記事では、ファームダンプに焦点をあて、ファームダンプの特徴や活躍するフィールド、中古車両購入時のチェックポイントなどを紹介します。

ファームダンプとは?

深ダンプにカテゴライズされる?ファームダンプとは?
ファームダンプとは、アオリの高い荷台を持つ深ダンプで、「土砂禁ダンプ」と呼ばれる、土砂を積むことが禁止されているダンプカーの一種です。

ファームダンプの荷台は腐食に強く、洗浄しやすい上に、密閉構造であることが特徴として挙げられます。そのため、一般的な深ダンプとは、荷台の素材や構造が異なる特殊な車両です。

ファームダンプの特徴

ファームダンプは、農業や畜産業の現場での扱いやすさを重視して設計されています。荷台は容量が大きく、湿った飼料や肥料などを一度に多く積載できるため、作業効率を高められます。
また、荷台の高さが低く設定されていることで、積み込み作業がしやすく、手作業での負担を軽減します。ダンプアップ時の安定性も高く、傾斜地やぬかるんだ場所でも安全に荷下ろしが可能です。

油圧システムやリヤゲートの仕様も作業内容に合わせて選択でき、現場ごとの用途に柔軟に対応できるのも大きな特徴です。
こうした機能性と実用性の高さが、第一次産業の現場でファームダンプが重宝される理由といえるでしょう。

ファームダンプの活用シーン

ファームダンプの活躍するフィールドや主な積み荷とは?
ファームダンプは、主に牧場や農場などの第一次産業に従事する方々の間で活躍している特殊なダンプです。家畜の飼料や肥料、農産物はもちろん、家畜の糞尿の搬送にも用いられます。

また、北海道のような雪が多い地域では、除雪作業で集められた雪の運搬にも使用されています。
このように、ファームダンプは主に農業や畜産業において、さまざまな積荷を効率的に運搬するために活躍しています。

ファームダンプにおすすめの車種

ファームダンプにおすすめの車種は下記の3つです。

1.いすゞ:フォワード
2.日野:レンジャー
3.三菱ふそう:キャンター

上記の車種は、それぞれ異なる強みを持っており、自身の用途や作業環境に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
それぞれの車種について、紹介します。

【おすすめ1】いすゞ自動車:フォワード

いすゞ自動車が製作する中型トラック「フォワード」は、ファームダンプのベース車両として非常に人気が高い車種です。
「フォワード」は、トラックとしての基本性能が高く、耐久性や信頼性に定評があるため、過酷な環境で使われることの多いファームダンプに適しています。
特に燃費性能と安全性能にこだわって設計されており、経済性と安全な運行を両立させたい事業者から支持を集めています。

また、「フォワード」には、ダンプシリーズも標準で用意されており、これをベースに架装されるケースも多くみられます。そのため、中古市場でも安定した流通量を誇り、選択肢が豊富な点も魅力の一つです。

【おすすめ2】日野自動車:レンジャー

日野自動車が製造する中型トラック「レンジャー」も、ファームダンプとして利用されることが多い車種です。
「レンジャー」は、長距離・長時間の運転におけるドライバーの負担を軽減するため、運転席周りの快適性や操作性にこだわった設計が高く評価されています。
特に、視界の広さや乗り心地の良さは、圃場や林道といった未舗装路を走行する機会の多いファームダンプの運用において大きな利点となります。

耐久性とパワーを兼ね備えながらも、ドライバーの疲労を抑える工夫が随所に施されているため、作業効率と安全性の向上を重視する事業者におすすめのモデルです。

【おすすめ3】三菱ふそう:キャンター

三菱ふそうが製造する「キャンター」は、主に小型トラックとして知られていますが、ファームダンプのベース車両としても人気があります。特に狭い農道や敷地内での作業が多い場合、そのコンパクトな車体が機動力を発揮します。

「キャンター」は、先進の安全技術や衝突被害軽減ブレーキを積極的に採用しており、安全性を重視するユーザーから高く評価されています。
また、「キャンター」は中古市場でも非常に人気が高く、小型から中型、一部大型クラスまで幅広いラインナップがあるため、用途に応じた選択が可能です。

その他の車種

主要3車種以外にも、ファームダンプとして活用できるモデルがあります。
代表的なのが、三菱ふそうの「ファイター」、いすゞ自動車の「エルフ」、マツダの「タイタン」です。

ファイターは、中型トラックの定番モデルで、力強い走行性能と安定性に優れ、深ダンプ仕様でも安心して荷を運べます。安全装備も充実しており、長時間の作業でも使いやすいのが特長です。

エルフは、小型トラックとして耐久性が高く、燃費性能と取り回しの良さを兼ね備えています。狭い農道や牧場内でも扱いやすく、ファームダンプ仕様でも安定した運搬が可能です。

タイタンは、コンパクトで操作性が良く、小規模な農作業や現場でも活躍できます。

ファームダンプの購入は中古がおすすめ

ファームダンプ導入には中古トラック販売店の利用がおすすめ
ファームダンプは、各メーカーのベース車両に架装メーカーが荷台を製作して完成させる特殊なダンプカーです。そのため新車の場合、製作の手間や完成までの期間がかかり、車両価格も高くなりがちです。
また、同じ仕様の車両が大量に生産されることは少なく、納期も長くなる傾向があります。

こうした事情から、価格を抑えつつ短期間で導入できる中古車は非常に有効な選択肢です。
中古車であれば、すぐに現場で使用できるだけでなく、費用面でも負担を軽減できます。ファームダンプを検討する際は、新車だけでなく中古車も候補に入れることで、コストと納期の両面でメリットがあるためおすすめです。

ファームダンプ購入時のチェックポイント

ファームダンプを中古で購入する際には、その特殊性に着目する必要があります。まず、登録台数が少ない希少車両であるため、中古トラック販売店へは探しているのが「ファームダンプ」であることを明確に伝えましょう。

次に、実車を確認する際には、ベース車両の車検証確認などの一般的なチェックポイントに加え、ファームダンプの主要機能である荷台部分を重点的に確認することが重要です。
特に、腐食に強い素材が使用されているか、洗浄しやすい構造か、そしてアオリ閉鎖時に十分な密閉性が保たれているかを細かくチェックする必要があります。
これらの点をしっかりと確認することで、使用目的に合ったファームダンプを選べるでしょう。

ファームダンプの購入は「トラック流通センター」がおすすめ

深ダンプの中でも希少性が高いファームダンプは、中古トラック販売店での購入が効率的です。トラック流通センターでは、ファームダンプの取り扱い実績も豊富であり、専門知識を持ったスタッフがお客様のニーズに合った車両をご提案いたします。

荷台の素材や構造など、ファームダンプならではのチェックポイントについても丁寧にご説明し、安心してご購入いただけるようサポートいたします。ご希望の車種や年式、予算など、具体的なご要望をお伺いしながら最適な一台を見つけるお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

ファームダンプに関するよくある質問

ここでは、ファームダンプの導入を検討している方から寄せられることの多い質問とその回答をまとめています。これらの疑問点を事前に解消することで、より安心してファームダンプの購入や運用を進められます。

ファームダンプの運転に必要な免許の種類は?

ファームダンプの運転に必要となる免許は、その車両の車両総重量と最大積載量によって決まります。
各免許区分で運転できるファームダンプの車両総重量と最大積載量は、以下の通りです。

免許区分 最大積載量 車両総重量
普通免許 2.0t未満 3.5t未満
準中型免許(5トン限定) 3.0t未満 5t未満
準中型免許 4.5t未満 7.5t未満
中型免許(8トン限定) 5.0t未満 8t未満
中型免許 6.5t未満 11t未満
大型免許 6.5t以上 11t以上

注意すべきは、免許を取得した時期によって運転できる車両の範囲が異なる点です。
購入を検討しているファームダンプの車検証を確認し、自身の保有免許で運転できるかを必ず確認してください。

ファームダンプで誤って土砂を運んでしまった場合の罰則は?

ファームダンプは「土砂等積載禁止」の車両のため、土や砂利、砕石などを運搬することは法律で禁じられています。もし誤って土砂などを運んでしまうと、車両の構造上、過積載の状態になる可能性が極めて高いです。

過積載割合 違反点数 罰則
5割未満 2点 反則金30,000円
5割以上、10割未満 3点 反則金40,000円
10割以上 6点 免許停止、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金

過積載は道路交通法違反となり、運転者には以下の違反点数の加算や罰金が科されます。

さらに、違反が悪質であったり、繰り返しおこなわれたりした場合、事業者に対して車両の使用停止命令が出されることもあります。
また、荷主にも運行を指示した責任が問われるケースがあるため、法令を正しく理解し、決められた用途を守って運用することが不可欠です。

ファームダンプのメンテナンスの頻度は?

ファームダンプを安全に長く使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
法律で定められた3ヶ月ごとの定期点検(事業用自動車の場合)と、1年ごとの車検整備は必ず実施する必要があります。

これに加えて、日々の運行前におこなう日常点検も非常に重要です。
日常点検では、タイヤの空気圧や摩耗状態、エンジンオイルの量、灯火類の点灯確認などをおこないます。

特にファームダンプの場合、荷台を昇降させる油圧装置からのオイル漏れの有無や、作動がスムーズであるかの確認は重要な項目です。
未舗装路を走行する機会も多いため、足回りの点検も念入りにおこなうことが故障の予防につながります。

ファームダンプ車検時の注意点は?

ファームダンプの車検では、一般的なトラックの検査項目に加え、装置に対するチェックが重要となります。

特に、荷台であるベッセルの状態は念入りに確認されます。堆肥など腐食性の高いものを運ぶ機会が多いため、サビや腐食による穴、亀裂がないかを点検します。

また、荷台を昇降させる油圧シリンダーや関連するホース類からのオイル漏れ、作動状況も厳しくチェックされるポイントです。

「土砂等積載禁止」の表示が適切に掲示されているかも確認対象となる場合があります。
安全な運行を維持するため、ダンプ車両の整備実績が豊富な工場に車検を依頼することが望ましいです。

ファームダンプの購入後の運用方法は?

ファームダンプを導入した後は、計画的かつ法令を遵守した運用が求められます。
最も重要なのは、土砂を運搬しないこと、そして最大積載量を超えて積荷を積まないことです。これらのルールを運転する従業員全員に周知徹底する必要があります。

また、車両を長持ちさせ、修理費用を抑えるためには、定期的なメンテナンス計画を立てて実行することが不可欠です。
エンジンオイルや作動油の交換、タイヤのローテーションなどを適切な時期におこないます。

さらに、万が一の事故に備え、業務内容の実態に合った自動車保険(任意保険)に加入しておくことも、リスク管理の観点から重要な運用方法の一つです。

まとめ

ファームダンプはアオリの高い荷台を持つ特殊な深ダンプで、農業や畜産業で幅広く活躍します。大容量かつ密閉性の高い荷台により、飼料や肥料、農作物などを効率的に運搬可能です。
導入時は作業環境に合った車種選びが重要で、価格や納期を考えると中古車の活用がおすすめです。紹介した特徴やチェックポイントを参考にして、用途に合った一台を選びましょう。

  • ファームダンプとは、「土砂禁ダンプ」と呼ばれる、土砂を積むことが禁止されているダンプカーの一種
  • ファームダンプは、主に牧場や農場などの第一次産業に従事する方々の間で活躍している
  • ファームダンプにおすすめの車種には、いすゞ自動車の「フォワード」や日野自動車の「レンジャー」、三菱ふそうの「キャンター」がある
  • ファームダンプは新車では製作や納期に手間がかかるため、コストと導入スピードの両面で優れる中古車の活用がおすすめ

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