【メーカー別】ダブルキャブとは?おすすめ車両・架装の種類・メリット
ダブルキャブは、前後2列の座席を備えたトラックのキャビン仕様のことで、シングルキャブと比較して多くの乗車人数を確保できるのが特徴です。
本記事ではダブルキャブのメリットや各メーカーから出ているダブルキャブの種類、架装について紹介します。
ダブルキャブとは?
ダブルキャブとは、トラックの運転席(キャビン)に前後2列の座席を備えた仕様のことを指します。一般的なトラックは、運転手と助手席の2〜3人しか乗れない「シングルキャブ」が主流ですが、ダブルキャブは4ドアタイプで、5〜7人程度が同時に乗車可能です。作業員やスタッフを現場まで一緒に移動させたい業務用途に特化しており、建設業やインフラ関連など、チーム単位での移動が多い現場で重宝されています。
シングルキャブに比べて荷台スペースはやや短くなるものの、その分、人員輸送の機能を強化しているのが大きな特徴です。移動効率を重視する現場では、ダブルキャブが実用的な選択肢とされています。
ダブルキャブのメリット
ダブルキャブの大きなメリットは、1台で複数の人員を同時に運べる点にあります。シングルキャブのトラックでは運転手と助手席の2〜3人しか乗車できませんが、ダブルキャブなら最大7人まで乗車可能。チーム単位での移動が必要な場面でも、別途人員輸送用の車両を用意する必要がなく、移動の効率化やコスト削減に繋がります。
さらに、キャビン内のスペースが広いため、長距離移動時でも乗員が快適に過ごせるのも魅力です。後部座席は可倒式になっていることが多く、座席をたたむことで室内に荷物を積むこともできます。特に雨天時や精密機器の運搬時など、荷台では対応しづらい場面で便利です。
また、シングルキャブと比べて用途の幅が広がることもメリットのひとつです。乗員数を優先したい現場や、限られた車両で人と荷物をまとめて運びたい場合に最適な選択肢となります。
ダブルキャブの用途
ダブルキャブは、人と荷物を同時に運べる利便性から、さまざまな業種やシーンで活躍しています。特に建設現場や土木工事のように、多人数での作業が必要な現場では、作業員と工具、資材を1台でまとめて運搬できる点が重宝されています。平ボディ型やクレーン付き、ダンプ型など多様な車体スタイルがあり、用途に応じた柔軟な使い分けが可能です。
また、公共の場でもダブルキャブは活用されています。たとえば、消防隊や自衛隊では、災害対応や救援活動などに対応する特殊車両として導入されており、人員輸送と装備運搬の両方を担う役割を果たしています。
業務用途に限らず、アウトドアやキャンプ、レジャーなどプライベートな利用にも対応できるのがダブルキャブの魅力です。後部座席を倒して荷物スペースを広げれば、大型の荷物も収納可能で、趣味と実用性を両立させたいユーザーにも適しています。多様なニーズに応える多目的トラックとして、高い汎用性を誇ります。
シングルキャブとダブルキャブの違い
シングルキャブとダブルキャブの主な違いは、乗車できる人数とキャビンの構造にあります。シングルキャブは前列1列のみの座席で、通常2〜3人の乗車が可能です。一方、ダブルキャブは前後2列に座席を備えており、5〜7人まで乗れます。作業員を複数名同時に現場へ送る必要がある場面では、ダブルキャブの利便性が際立ちます。
外観上の違いは、ダブルキャブのキャビンは長く、ドアも前後に分かれて左右計4枚備わっているのが一般的です。対して、シングルキャブは2ドア構造でコンパクトに収まっています。このキャビンの大きさの違いは、荷台の長さにも影響します。
たとえば、同じ車種で比較すると、シングルキャブの方が荷台を長く確保できる傾向にあります。これは、キャビンのスペースを抑えて、その分荷物の積載エリアを拡張しているためです。積載重視の用途にはシングルキャブが向いているといえます。
また、キャビンが大きい分、ダブルキャブは車両全体の重量がやや増えるため、積載可能な重量が若干減少する点も知っておくべき違いです。用途に応じて、乗車人数を重視するか、荷物の積載量を重視するかを選ぶことが大切です。
荷台サイズの違い
シングルキャブとダブルキャブの大きな違いは、荷台サイズです。シングルキャブは、キャビンが1列の座席であるため、その分荷台部分が広く、奥行きは約3,000mm〜3,500mmにわたります。このため、大型の荷物や長尺物の運搬がしやすく、積載容量も大きいです。
一方、ダブルキャブはキャビンが2列の座席となっており、座席の分だけ車両全体の長さが増加します。このため、荷台の奥行きはシングルキャブに比べて短く、約2,000mm〜2,500mmほどとなります。ダブルキャブは乗車人数を増やすためにキャビンのスペースが拡大されるため、荷台部分が相対的に小さくなります。
これにより、シングルキャブの方が積載可能な荷物の量が多くなり、荷台のサイズが重要な要素となる運搬作業には適しています。
積載量の違い
ダブルキャブトラックでは、キャビンの長さが増えることにより、荷台部分のスペースが縮小されるため、シングルキャブに比べて積載量が減少します。通常、シングルキャブの荷台は約3,000mmの長さがあり、荷物の積載量を最大化できますが、ダブルキャブではこの長さが約2,000mm程度に短縮されます。
このため、大型の荷物や長さが必要な荷物を運ぶ際には、ダブルキャブよりもシングルキャブの方が優れているといえます。
【代表メーカー別】ダブルキャブを紹介
日本のトラックメーカーから販売されている、代表的なダブルキャブは、以下の通りです。
1.いすゞ自動車:エルフ 2.日野自動車:デュトロ 3.三菱自動車:キャンター 4.UDトラックス:カゼット 5.日産自動車:アトラス 6.トヨタ:ダイナ カーゴ |
それぞれのダブルキャブを紹介します。
1.いすゞ自動車:エルフ
いすゞの小型トラック「エルフ」は、1959年の初代登場以来、60年以上にわたり多くの現場で活躍しているロングセラーモデルです。ダブルキャブ仕様では、最大で6〜7名の乗車が可能で、作業員をまとめて運ぶのに適しています。
平ボディタイプでは「標準キャブ」「ハイキャブ」「ワイドキャブ」が、ダンプタイプでは「標準キャブ」「ワイドキャブ」が選べるなど、用途に応じた多彩なバリエーションが用意されているのも特長です。
2.日野自動車:デュトロ
日野自動車の「デュトロ」は、作業と移動を両立できるダブルキャブ仕様を展開する小型トラックです。標準とワイドの2タイプに加え、4WD仕様もあり走行環境や用途に応じた選択が可能です。
豊富なバリエーションがあることが強みであり、運用シーンなどを想定して最適な寸法のトラックを調達できます。発売された年代によって特徴が異なるため、中古購入時は年式の確認が重要です。
3.三菱自動車:キャンター
三菱ふそうの「キャンター」は、1963年の登場以来ロングセラーを誇る小型トラックです。ダブルキャブ仕様には、標準と横幅が広いワイド、さらに4WDタイプも用意されています。広い室内空間と安定した走行性能が魅力で、国内外で高い支持を得ています。
モデルチェンジを重ねて進化しており、中古で購入する際には年式ごとの特徴を確認するのがポイントです。運用シーンに応じて最適なタイプを選べる点も大きな強みです。
4.UDトラックス:カゼット
UDトラックスの小型トラック「カゼット」は、カーゴ(荷物運搬)向けに設計されたダブルキャブ仕様を提供しています。標準キャブとワイドキャブが選べ、2WDと4WDのバリエーションが揃っています
。6〜7名の乗車定員を持ち、作業員の移動にも対応。舗装された道路だけでなく、未舗装路や山間部でも活躍できるため、幅広い現場での使用に適しています。
5.日産自動車:アトラス
日産自動車の「アトラス」は、2025年3月に最新のダブルキャブモデルを追加し、作業効率を大幅に向上させました。この小型トラックは、いすゞ自動車の「エルフミオ」をベースに製造され、普通免許で運転可能です。
新モデルには、先進的な運転支援技術と業界トップの燃費性能が標準装備されており、安全性と経済性を兼ね備えています。さらに、荷台の高さは3種類から選択可能で、用途に応じた柔軟な対応が可能です。
6.トヨタ:ダイナ カーゴ
トヨタの「ダイナ カーゴ」は、日野デュトロのOEM供給を受けて登場した小型トラックで、1トンから2トン用のクラス展開がされています。発売年代により仕様や特徴が異なるため、中古車購入時は「年代チェック」を忘れずにおこないましょう。
ダイナは、最大積載量2トン未満の1トンクラスから、旧普通免許で運転可能な4トンクラスまで幅広いモデルが揃っています。その名の通り、「Dynamic(動的)」を意味するネーミングにふさわしく、機動力と効率性を重視した設計が特徴です。
ダブルキャブの架装の種類
ダブルキャブはシングルキャブより1,000mm近く荷台全長が短くなるため、ダブルキャブが用意されているボディタイプは限られています。
具体的には、下記のボディタイプがあります。
1.平ボディ 2.クレーン付きトラック 3.ダンプ 4.クレーン付きダンプ |
それぞれのボディタイプについて紹介します。
平ボディ
平ボディは、荷台部分が露出する構造の最もオーソドックスなボディタイプです。平ボディは、キャビン長が長いダブルキャブに最も適したボディタイプです。各メーカーの小型トラックシリーズで、ダブルキャブの平ボディが用意されています。
クレーン付きトラック
クレーン付きトラックは、平ボディの荷台部分に車載クレーンを搭載したトラックです。車載クレーンは、トラックメーカーではなく架装メーカーで製造と取付けがおこなわれるため、ダブルキャブのクレーン付きトラックも存在します。
ダンプ
ダンプは、荷台を持ち上げ荷台に積載する積み荷を一気に流し降ろせきるトラックです。クレーン付トラック同様、平ボディからの派生車種であることから、ダブルキャブのダンプも存在します。
クレーン付きダンプ
クレーン付きダンプは、トラックの代表的な架装である車載クレーンとダンプ機能を搭載するトラックです。クレーン付トラックとダンプを併せたボディタイプのため、ダブルキャブのクレーン付きダンプも存在します。
ダブルキャブを安く購入するには?
ダブルキャブトラックは、一般的なシングルキャブのトラックと比べると数が少ない希少車両に位置付けられる傾向にあります。
しかし、希少車両であるからといって、新車での購入しか購入できない訳ではありません。安く購入するには、中古トラック販売店を利用して効率的に導入することも可能です。
中古トラック市場でもダブルキャブ車がある
ダブルキャブのトラックは、一般的なシングルキャブのトラックと比べると使用用途が限定的です。使用用途が限定的であることは、必要とする搭載機能も共通であることを意味します。
そのため、ダブルキャブのトラックに必要な装備や機能が既に架装されているケースが多く、新車購入より効率的に購入できます。ダブルキャブのトラック導入の際には中古トラック販売店を是非ともご利用ください。
ダブルキャブの購入は「トラック流通センター」がおすすめ
中古のダブルキャブトラックを購入したいときは、トラック流通センターの利用がおすすめダブルキャブの購入を考えているなら、「トラック流通センター」がおすすめです。全国に豊富な在庫を取り扱っており、用途や条件にぴったりのダブルキャブを見つけられます。
さらに、専門スタッフがあなたに最適な一台を提案してくれるため、安心して購入可能です。購入後のサポートも手厚く、最長1年の保証が付いているので、万が一のトラブルにも心配無用です。ダブルキャブの購入を検討している人は、ぜひ一度トラック流通センターにご相談ください。
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よくある質問
ダブルキャブについて、よくある質問をまとめました。
ダブルキャブとピックアップの違いは?
ダブルキャブとピックアップは、外観が似ている車両ですが、主な違いはその用途にあります。どちらも乗車部分と荷台が分かれており、2列シートを搭載していますが、設計目的が異なります。
ダブルキャブは主に商業用として、多くの荷物や人員を効率的に運ぶために作られています。これに対して、ピックアップは一般的に個人利用や軽作業に適しており、乗り心地や快適さを重視しています。足回りの違いにも特徴があり、
ダブルキャブは耐荷重性を高めるためにリーフスプリング(板バネ)を使用し、ピックアップは路面の衝撃を吸収するためにコイルスプリングやショックアブソーバーを採用しています。このため、ダブルキャブは荷物運搬に優れ、ピックアップは快適な走行性能を提供します。
大型トラックにダブルキャブはない?
大型トラックには、ダブルキャブのモデルはほとんどありません。ダブルキャブは、主に小型や中型トラックで、複数の乗員を運ぶために使われます。大型トラックは荷物の積載量が重要なため、ダブルキャブを採用すると積載量が減ってしまいます。
そのため、一般的な大型トラックでは、ダブルキャブは不向きです。例外的に教習車などの特殊な用途では、ダブルキャブが使われることもあります。
ダブルキャブのデメリットは?
ダブルキャブのデメリットは、主に荷台のスペースが減少することです。キャビンが2列になったことで、同じクラスのトラックと比べて荷台が短くなり、積載量が制限されます。これにより、荷物の積載容量や長さに制限がかかるため、荷物の量を重視する場合には不便に感じることがあります。
また、ダブルキャブは、一般的なトラックよりも価格が高くなることが多い点もデメリットです。人数を運ぶ目的で使用する場合には有利ですが、積載量が重要であれば、他のタイプのトラックを選ぶ方が適しています。
まとめ
ダブルキャブは、4ドアで一般的なトラックの倍近くの乗車定員を確保できるトラックです。現場作業に人手が必要となる現場では、シングルキャブよりダブルキャブのトラックが遥かに作業効率を向上させられます。
ダブルキャブはシングルキャブよりキャビンが長いことから次に挙げる特徴が存在しますので導入の検討材料にして下さい。
-
- ダブルキャブはシングルキャブより荷台が1m程度短い
- ダブルキャブはシングルキャブより最大積載量が500kg程度少ないで磨くとよい
- ダブルキャブの購入は中古トラック販売店を利用するのが効率的