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エンジンを保護するエンジンオイル!エンジンオイルの特徴や役割・交換時期を解説!

エンジンを保護するエンジンオイル!エンジンオイルの特徴や役割・交換時期を解説!中古トラック購入の際には「エンジンの調子」が最も気になるのではないでしょうか?トラックをはじめとする自動車の心臓部分と言えばエンジンですが、エンジンばかりに目が行ってエンジンオイルの存在は忘れられがちな傾向にあります。トラックの寿命に影響しかねない重要な液体エンジンオイルについて考えます。

トラックの心臓部分で熱く循環するエンジンオイルとは?

エンジンオイルの役割
エンジン内に指定された量が内封されているオイルのことをエンジンオイルといい、エンジンオイルは高温・高圧・高速度で躍動するエンジンを保護するために研究開発された特殊なオイルです。

エンジンオイルはエンジン下部のオイルパンに溜められオイルポンプでエンジンの各部に給油されながらエンジンを保護します。

エンジンを保護するエンジンオイルはどのような役割を果たすオイルなのか?

エンジンオイルの役割
過酷な環境で動き続けるエンジンを保護するためにエンジン内部に注入されるエンジンオイルですが、具体的にはどのような役割を果たすオイルなのかが気になるところです。簡単にいえば、エンジンオイルは潤滑・密封・冷却・洗浄・坊錆・応力分散の6つの役割を果たすように開発されたオイルなのです。
具体的なエンジンオイルの役割を1つずつ紹介します。

潤滑:エンジンオイルはエンジン内で擦れあう金属部品の潤滑を行う!

トラックなどに搭載されるエンジンは金属部品で構成されるためエンジンオイルがない状態では金属同士が擦れあうことになり摩耗・抱き付き・焼き付きなどを起こしてしまいます。

エンジンオイルは金属部品の表面を油膜となってコーティングすることで上記の不具合の発生を防止します。油膜を作るためには粘度が必要となるので粘度を失ったエンジンオイルは交換する必要があます。

密封:エンジン内の金属部品の隙間をふさぎパワーロスを防止

エンジン内部に組み込まれる金属部品は計算され尽くして設定された非常に細かな隙間を保つように作られて組み込まれています。この隙間にエンジンオイルが入り込むことで、金属部品間が密封されエンジンで発生するパワーをロスすることなく駆動力に変換します。

密封効果にもエンジンオイルの粘度が必要となるので粘度が低下するとオイル交換の必要があります。

冷却:エンジンオイルにはエンジンを冷やす働き冷却効果も!

高圧の状態で高速で金属部品が擦れあるエンジンは非常に高温になりますが、エンジンオイルは高温のエンジン内部を循環しオイルパンに戻ることでエンジンを冷却する働きも備えています。

洗浄:エンジン内部をクリーンに保つエンジンオイルの清浄作用とは?

過酷な環境で擦れあう金属部品は少しずつ摩耗し金属粉に変わります。またエンジン内の燃焼によって発生するススなどが原因となりエンジン内部にはスラッジと呼ばれる汚れが発生しますが、エンジンオイルは金属粉やスラッジなどを吸着してエンジン内部を清浄する働きがあります。

大量の汚れを吸着して真っ黒に変色したエンジンオイルは交換する時期になったと判断することができます。

坊錆:エンジン内部に発生する錆を防止

錆は金属の酸化によって発生しますので、高温で燃焼を行うエンジン内部の金属部品は非常に錆やすい環境下にあると言えますがエンジンが錆付くことはトラックの寿命を意味しますので避けたいものです。

エンジンオイルはオイルの坊錆特性を持っていますので、金属部品の表面に油膜を張ることで坊錆効果を果たします。

応力分散:油膜を張ることで応力分散を実現し金属部品を保護

エンジン内部の金属部品をエンジンオイルが油膜コーティングすることで、ギアやベアリングなどの部品が受ける衝撃の応力を分散し振動や異音の発生を防ぐと共に、エンジンの寿命を長引かせる働きをします。

応力分散もエンジンオイルの粘度が必要となるので、交換時期を迎えたエンジンオイルは早めに交換することがエンジンを長持ちさせるポイントだと言えるでしょう。

エンジンオイルは使用する燃料によって分類される?

エンジンオイルはガソリン車用とディーゼル車用の2つに分けられます。基本成分は同じですが軽油に含まれる硫黄分は燃焼すると硫黄酸化物となるためにディーゼル用エンジンオイルには酸を中和させるためにアルカリ成分が添加されています。

ガソリン車にディーゼル用エンジンオイルは使えますが、ガソリン車用エンジンオイルをディーゼル車に使用するとエンジンが酸によって腐食し寿命が短くなるので注意しましょう。

エンジンオイルが劣化する理由や劣化によるエンジンオイルの交換時期の目安は?

新しいエンジンオイルと古いエンジンオイル
出典:https://cleanyourcar.jp/self/self03.html

写真の左側は新しいエンジンオイル、右側は古いエンジンオイルです。

新しいエンジンオイルは粘度や透明度が高い状態ですが、劣化したエンジンオイルは真っ黒く変色し粘度や透明度が失われます。エンジンオイルの劣化は主に次の3つによって引き起こされます。

・エンジンの熱による変質
・エンジンオイルの清浄効果でエンジン内部の汚れが吸着されるため
・空気に触れることで進む酸化

エンジンオイルが劣化するということは、それだけ過酷な環境のエンジンの内部で動く金属部品の保護を行った結果だと言えるでしょう。

劣化したエンジンオイルは既述した6つのエンジンオイルの特性が失われます。劣化したエンジンオイルを使用することは確実にエンジンの寿命を縮めることになるので定期的な交換が必要です。稼働率の低い車両のエンジンオイルも空気に触れていることから時間とともに劣化するので交換する必要があることにも気を付けましょう。

エンジンオイルに負担をかけると劣化する原因となる?

となります。走行距離の約30%以上が次に挙げる走行状況である場合はシビアコンディションに該当するため、エンジンオイルの交換サイクルを通常よりも短くすることをおすすめします。

・走行中突き上げを感じる悪路での走行
・石の跳ね上げや車両の下回りが路面に接触するほどの悪路走行
・砂埃などが激しい悪路走行
・山岳地帯など上り下りが連続しブレーキの使用頻度が高い走行
・年間走行距離が2万キロを超えるほどの過走行距離での使用
・1度の走行距離が約10kmを下回る短距離走行での使用
・時速約30㎞未満での低速走行やアイドリング状態が長い走行
・雪道などの低温環境での走行

上記の走行状態が走行距離の約30%以上を占める場合はシビアコンディションとなりますので、エンジンオイルの交換サイクルを短くすることがトラックのエンジンを守ることに繋がります。

エンジンの寿命を左右するエンジンオイルの適切な交換時期は?

エンジンオイル交換
劣化したエンジンオイルはエンジンを保護する働きが大きく低下していますので、早急に交換するべきだといえます。一般的にエンジンオイルの交換の目安は、走行距離3,000~5,000km毎か交換から6ヶ月と言われています。

トラックの場合は小型・中型・大型と車両の大きさで次に挙げるようにエンジンオイル交換の目安が異なります。

小型トラック:20,000km
中型トラック:30,000km
大型トラック:40,000km

距離の目安はトラックの大きさによって異なりますが、エンジンオイル交換からの経過時間はトラックの大きさに関わらず12ヶ月が目安となっています。

またオイル漏れなどでエンジンオイルが指定量より減っている場合は上記の走行距離や経過時間よりも早く劣化するので、エンジンオイル量の確認はエンジンを長持ちさせるために毎日でも行うべきだと言えます。

新車のトラックであっても、エンジンオイルの管理を行わない車両は調子が悪くなります。中古トラックでもマメにエンジンオイルを交換してやることで、驚くほどエンジンを快調な状態で保つこともできます。

エンジンオイル管理がトラックを快調に走らせるための秘訣だと言えるでしょう。

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