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基礎知識

エアサスとは?トラックに採用されるサスペンションの違いを解説

リーフサス?エアサス?トラックに採用されるサスペンションの違いとは?
トラックを支えるサスペンションはトラックの特徴に大きく影響する重要なパーツで、サスペンションの種類やコンディションは、中古トラック購入時にチェックするべき重要なポイントとなります。現在トラックに採用されるのは、リーフサスやエアサスと呼ばれるサスペンションが主流ですので、この2つのサスペンションの違いを掘り下げて紹介します。

車両全重量を支え路面からの突き上げなどの衝撃吸収を行うサスペンション

車両全重量を支え路面からの突き上げなどの衝撃吸収を行うサスペンション
貨物自動車であるトラックは多くの積み荷を積載するため、大型トラックのなかには車両総重量が25トンに上るタイプも存在します。荷重を支え安全に安定した運行を行うために、トラックには強力な衝撃緩和装置のサスペンションが搭載されています。

また走行中にトラックのタイヤが路面の凹凸や段差を乗り越えると突き上げるような衝撃が発生しますが、トラックのサスペンションは突き上げなどの衝撃を吸収する働きも行い走行安定性をトラックにもたらしています。

サスペンションの衝撃吸収機能がなければトラックの居住性は絶望的となる

サスペンションが搭載されていないトラックは、走行時に発生する突き上げの衝撃吸収が行われないため居住性が絶望的に低下します。インフラ整備が整った国内の道路は一見平坦に見えますが、細かな凹凸や段差が存在するため走行中のトラックは大きな衝撃を受け続けることになり破損リスクが高まります。

トラックが破損するほどの衝撃を受け続けながらの走行に居住性を期待することができないのはもちろんですが、積載した貨物を破損させるリスクも生じるため全てのトラックに衝撃吸収装置であるサスペンションが搭載されています。

トラックはサスペンションの衝撃吸収機能で安全な運行を実現している

サスペンションの衝撃吸収機能はトラックの居住性を確保するだけではなく、走行中に生じるトラックの荷重移動を円滑にすることで安全な運行を実現しています。発車・制動・操舵時に発生する荷重移動の運動エネルギーをサスペンションがしなやかな動きで吸収することでトラックは高速コーナリングを行っても転倒することなく走行できます。

トラックの車両を力強く支えるサスペンションとは?

トラックの車体とタイヤを繋ぐ車軸の間に装備されるサスペンションは、路面からの衝撃や旋回時などの車体の傾きを伸縮運動や湾曲運動で吸収し車体を水平に保つ働きをするパーツです。

サスペンションの能力は、トラックの居住性や操縦性、荷台の荷物への衝撃緩和などトラックの荷役性に大きく影響を及ぼす重要なパーツだと言えます。

トラックのサスペンションは乗用車のものとは異なる?

トラックのサスペンションは乗用車のものとは異なる?
乗用車などにはダブルウィッシュボーンやマルチリンクなど様々なサスペンションが用いられますが、乗用車と違い重い荷物を載せ長距離を走るトラックのサスペンションには力強く頑丈で整備性の良さが求められます。

また乗用車と違い車体が乗車部分と積載部分に分かれるトラックは、コックピットと荷台で用いるサスペンションが異なるケースが多いのが特徴で、トラックの荷台にはリーフサスかエアサスが広く採用されています。

年間走行距離が大きなトラックの全荷重を支えるサスペンションは経年劣化する?

年間走行距離が大きなトラックの全荷重を支えるサスペンションは経年劣化する?
積載貨物の保護を行い居住性や走行性能を向上させるのに有効なサスペンションですが、大量の貨物を積載することや年間走行距離が多い傾向が強いことからトラックのサスペンションには使用と共に経年劣化が生じ老朽化します。

老朽化したサスペンションは本来の衝撃吸収性能が正常に機能しなくなり、貨物保護や居住性・走行性能が低下し最終的にはサスペンションを装着していないような劣悪なコンディションに陥ります。

大量の貨物を積載する貨物自動車のトラックには高い耐久性が求められる

既述のとおり伸縮することでトラックの全荷重を支え、突き上げなどの振動を吸収するサスペンションは使用と共に経年劣化が生じ老朽化が進むと最終的に破損し機能しなくなります。

しかしトラックの故障発生は輸送効率を大きく低下させるため、トラックのサスペンションには非常に高い耐久性が求められると共にメンテナンス性の高さなども強く求められるためトラックメーカー各社は高い耐久性を備えたサスペンション開発を行っています。

トラックのサスペンションはメンテナンス性が高いタイプが向いている

一般的にトラックの荷台部分を支える後輪には構造がシンプルなリーフサスが採用されるケースが多い傾向にありますが、シンプルな構造で高い耐久性が確保できることとメンテナンス性に優れていることでリーフサスが採用されています。

代表的トラックのサスペンション!広く普及するリーフサスとは?


アーチ型の頑丈な鋼板製の板バネを重ね、板バネが湾曲することで路面からの衝撃などを吸収するシンプルなサスペンションが「リーフ式サスペンション(通称:リーフサス)」です。

構造の複雑なエアサスと違い自動車の登場前から馬車などに用いられてきた歴史あるサスペンションに改良を加えたもので、構造は原始的でありながら実用的だと言えますし、製造コストやメンテナンスコストがリーズナブルなことから現在でも非常に多くのトラックに採用されています。

シンプルな構造のリーフサスのメリットとは?

鋼素材の板バネを重ねて作られるリーフサスは非常に頑丈で、荷台に積載する荷物の加重に耐えられる点や既にふれたように製造コストやメンテナンスコストが抑えられる点がリーフサスのメリットだと言えます。

またリーフサスは加重の増加に比例して板バネの応力が高まるので、積載重量の多いトラックの荷台を支えるのには適したサスペンションだと考えられます。

シンプルな構造のリーフサスのデメリットとは?

鋼鉄製の板バネがむき出しとなる構造からリーフサスの板バネは錆びやすく、板バネが変形しながら衝撃吸収を行うことから金属疲労を起こし板バネが折れることがあります。

また板バネの変形によって衝撃吸収性が生じることから、加重が少ないと下からの突き上げに対する衝撃吸収力が低下する傾向し乗り心地が硬めになる傾向があるのが弱点だと言えます。

高い輸送品質が求められトラックのサスペンション選択に変化が生じた

高い輸送品質が求められトラックのサスペンション選択に変化が生じた
鋼板製の板バネを使用したシンプルなリーフサスは、耐久性やメンテナンス性の高さや製造コストの安さから長年トラックのサスペンションとして活用され続けていますが、シンプルな構造が災いし機能性向上が困難であるのも事実です。

トラック輸送で取り扱われる貨物が多様化と共に強く求められるようになった高い輸送品質の実現にはリーフサスの衝撃吸収性能では対応できなくなったため、現在さらに高い衝撃吸収性能を持つサスペンションに対するニーズが高まっています。

シンプルな構造のリーフサスでは輸送品質の向上が困難であるのも事実

既に紹介したとおり鋼板製の板バネを重ねて作られるリーフサスは耐久性・メンテナンス性・経済性などに勝りますが、シンプルな構造が災いし衝撃吸収性能のコントロールが行えないのも事実です。

高い輸送品質の実現には細やかな衝撃吸収性能のコントロールが求められ、シンプルな構造のリーフサスでは輸送品質の向上が困難であることから、より高い衝撃吸収性能を持つ高性能サスペンションのエアサス搭載車両が増加しています。

より高い衝撃吸収性能を実現し輸送品質を向上させたエアサス

エアサスは空気を利用し高い衝撃吸収性能を実現したサスペンションシステムで、1990年代からバリアフリー対策を行ったノンステップバスなどに採用され普及した後にトラックへの採用が広がり輸送品質の向上を実現させました。

快適な乗り心地!運搬中の荷物へのダメージも抑えるエアサスとは?

鋼板製の板バネの代わりに、高圧の空気を充填したゴム製のクッションで路面からの衝撃などを吸収するのが「エア・サスペンション(通称:エアサス)」で、空気圧の調整が可能なゴムまりをイメージすると良いでしょう。

サスペンションとしての機能が高く居住性を重視する観光バスや耐衝撃性が求められる精密機器の運搬車両などにも用いられています。エアサス内部の空気圧を調整することで車高を変化させるニーリングやクラウチングという機能を有する点がリーフサスとの最大の違いだと言えます。

高性能サスペンションであるエアサスのメリットとは?

サスペンションの衝撃吸収能力を発揮するために一定の加重が必要となるリーフサスと違い、エアサスは積載重量に関係なく常に高い衝撃吸収能力を発揮し、観光バスの車両に採用されるほど快適な乗り心地を実現します。

また車高調整が可能となるニーリングやクラウチングの機能を利用することによって、荷物の積み下ろしの作業性を向上させることが可能になると言えるでしょう。

高性能サスペンションであるエアサスのデメリットとは?

エアサスは高性能サスペンションであるが故に、リーフサスと違い製造やメンテナンスのコストが高額になります。また高圧の空気を充填するためパッキン類の劣化によるエア漏れの可能性があるために定期的な点検と修理が必要になるのもシンプルな構造のリースサスとの違いだと言える点で、エアサスの弱点だと感じる方がいるかも知れません。

低コストなリーフサスと高い輸送品質を実現するエアサスはどちらがお得?

低コストなリーフサスと高い輸送品質を実現するエアサスはどちらがお得?
車両価格が高額であるトラックの導入時に、低コストなリーフサスと高い輸送品質を実現するエアサスの「どちらのサスペンションシステムを選ぶべきか?」で頭を悩ます方が少なくないようです。

一般的なリーフサスを搭載するトラックは導入コストを抑えることができますが、エアサスほど高い輸送品質の実現が困難であるため輸送単価の高い貨物輸送を受注し難いと言えます。

またエアサスを搭載する車両を導入しても高い輸送品質が求められない貨物の取り扱いが多ければ、エアサスがオーバースペックになり収益性が低下しますので、どちらのサスペンションシステムを選択するかは重要な問題となります。

シンプルなリーフサス搭載車は車両価格を抑えられる

古くからトラックを支え続けてきたサスペンションシステムであるリーフサスはシンプルで耐久性やメンテナンス性が高いことが魅力ですが、リーズナブルであることも非常に大きな魅力として挙げられます。

衝撃吸収性能はエアサスに劣るものの現在も国内で運行するトラックの多くがリーフサス搭載車であることからも、通常の輸送業務はリーフサス搭載車で十分対応できると言えるでしょう。

エアサス搭載車は輸送品質を向上できるが車両価格が高額

高い衝撃吸収性能を持つエアサスを搭載するトラックには輸送品質の向上が期待できますが、エアサスは車両価格やメンテナンスコストの面でリーフサスに大きく劣るのも事実です。

車両導入時に発生するイニシャルコストとトラックの維持に必要となるランニングコストが高騰するため、高い運賃収入を見込める仕事の長期契約でもない限り導入に二の足を踏んでしまう方も少なくないと言えます。

リーフサスとエアサスは使用用途の違いや購入予算で選定するべき!

シンプルで原始的な構造のリーフサスと高性能なエアサスの違いはあるものの、路面からの衝撃吸収や車両の傾きを抑えることを目的とするサスペンションの機能はどちらのサスペンションも満たしていると考えられます。

搬送する荷物が鉄骨や材木など耐衝撃性の必要が高くないものであればリーフサス、精密機器やこわれものなど耐衝撃性を必要とするものであればエアサスと搬送する荷物の違いでサスペンションの選択を行うべきだと言えます。

中古トラック市場には多種多様なトラックが流入している

中古トラック市場には多種多様なトラックが流入している
現在国内ではさまざまな特殊装備を搭載した多種多様なボディタイプのトラックが数多く運行していますが、中古トラック市場には国内で運行する全ての車両区分やボディタイプのトラックが流入しています。

当然、中古トラック販売店で取り扱う中古トラックにはリーフサス搭載車もエアサス搭載車も存在し、多くのボディタイプの中古トラックからリーフサス搭載車やエアサス搭載車を選ぶことができます。

リーフサス・エアサスを問わず多彩な中古トラックを取り扱う中古トラック販売店

導入コストが抑えられるリーフサス搭載車は圧倒的に流通量が多いく、リーズナブルな低年式車両から新車同様の高年式車両まで豊富なライナップのなかから理想の中古トラックを選ぶことが可能です。

エアサス搭載車両は流通量こそリーフサス搭載車に劣りますが、エアサス搭載車の普及が近年本格的になったことなどから良質なコンディションの車両が多いのが特徴だと言えます。

中古トラック販売店では導入コストが抑えられるリーフサス搭載車はさらにお得に購入することができますし、車両価格が高額なエアサス搭載車でも新車よりお得な価格で購入できる可能性が高くなります。

また受注生産に近い形で製造されるトラックは注文から納車までに長い時間がかかる傾向にありますが、既に輸送業務での使用歴がある完成車を中心に取り扱う中古トラック販売店は車両によっては即日納車などの短納期で車両導入が行えるのが魅力です。

かつて中古トラック市場に流入する中古トラックはお世辞にも高品質とは言い難いものが多かったのも事実ですが、トラックメーカーの製造技術の向上と輸送業務の変貌で現在の中古トラックのコンディションは驚異的に向上しているので安心して利用できます。

中古トラック販売店では使用用途にマッチした中古トラック導入を実現できる

新たなトラック導入を検討する際にリーフサスとエアサスのどちらのサスペンションシステムを搭載する車両を選ぶのかが重要なポイントとなりますので、「どのような貨物の輸送を行うのか?」や「どの程度の輸送品質が必要なのか?」を検討し車両選定を行う必要があります。

中古トラック販売店を利用すればリーフサス搭載車・エアサス搭載車のどちらのトラックでも新車で購入するより遥かに効率的に導入することが可能ですので、中古トラック販売店で実車を比較しながらどちらのサスペンションシステムを選ぶか検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

一般的なリーフサスペンションと高い衝撃吸収性性能を持つエアサスペンションの2つのサスペンションシステムを選ぶことができますが、次に挙げる3つの条件を比較しながらどちらのサスペンションシステムを選ぶかの検討を行うと理想的なサスペンションシステム搭載車の導入に成功すると言えるでしょう。

  • リーフサスは耐久性・整備性に優れるが衝撃吸収性能調整が不可能
  • エアサスは衝撃吸収性能が高く衝撃吸収性能調整が可能だが高額
  • リーフサス車・エアサス車共に中古トラック販売店での購入がお得

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