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キャリアカー|はたらくくるま【トラック用語集】

キャリアカーは、荷台に車両を最大8台まで積載できるトラックです。車両をスムーズに積載できるよう、荷台が傾斜する仕組みがあります。
本記事では、キャリアカーの荷台の特徴や、種類などをまとめました。

キャリアカーとは?


キャリアカーとは、車両運搬車のことです。カートランスポーターや、カーキャリアと呼ばれる場合もあります。荷台には、二輪車、自動車、小型トラックなどを複数台積載できます。
キャリアカーは、以下のような車の輸送時に役立つトラックです。

・中古車:売主の自宅やオークションから販売店へ運ぶ
・新車:製造メーカーの工場などから販売店などへ運ぶ

クレーンを架装しているキャリアカーであれば、故障して自走できない車も運べます。
また、キャリアカーの代表的なメーカーと製品名は、以下のとおりです。

・極東開発工業株式会社:フラトップ
・古河ユニック株式会社:ユニックキャリア
・株式会社タダノ:エスライド

キャリアカーの積車(荷台部分)


キャリアカー最大の特徴は、最大8台の車両を積載できる荷台です。この荷台の構造や仕組み、種類について解説します。

荷台部分にある道板の傾斜が可能

キャリアカーは、車両を乗せる際、荷台を傾斜させて積み込みます。
車両を積み込む際は、以下の仕組みです。

①トラックの変速機から動力を抽出するPTO(エンジンから動力を取り出すための装置)によって、荷台やウインチを油圧駆動する。
②荷台の後部にあるボディ(ロードプレート、デッキ)を傾斜させ、道板を降ろす。完全にフラットな状態となり、道板は、荷台左右のレバーを使用して、固定ができる。

ちなみに、ボディには大きく分けて3つの種類があります。

ボディタイプ 特徴
ボディ全体が下降するタイプ 道路面にフラットになる
ボディが後方にスライドして傾斜がつくタイプ ボディ後端が路面に設置した状態で車両を積み込む
トラックボディ自体が傾斜するタイプ ボディ最前部に油圧ジャッキが付いている

キャリアカーの荷台も種類が豊富です。後述しますが、小型トラックにスライドをつけたものから、トレーラーを連結させて車両を8台も運搬できるものまで、さまざまなタイプがあります。

ただ、汎用となる形状はありません。キャリアカー自体、複雑な構造であり、業務に応じて独自に車両が製作されるためです。

二輪車専用やワゴン車も同時に積載するタイプなど、輸送効率を考慮して製作されています。事業内容や、運搬する車両の数に合わせたトラックを手に入れられるのは大きなメリットです。

次に主なキャリアカーのタイプ3つを紹介します。

1.ローダータイプ


ローダータイプは、小型トラックにスライドをつけて、車両1台のみ積載できるキャリアカーです。多くの場合、2トントラックが採用されています。傾斜する荷台があるだけのシンプルな構造で、荷台を後方にスライドさせながら傾斜させます。
自走できない車の輸送のために、ウインチというパーツも搭載されているのも特徴です。ウインチは、ワイヤーを巻き上げる機械であり、車にワイヤーをひっかけることで、巻き上げる力を利用して車を動かします。

2.単車タイプ


単車タイプは、最大5台まで積載できる、上下2段構造のキャリアカーです。車両のタイプが大型のため、運転には「大型免許」が求められます。
また油圧シリンダによって、2階部分の操作が可能です。積載する車両台数が少ないときは、上段を外して下段だけにしている場合もあります

3.セミ・フルトレーラータイプ


トラクターとキャリアトレーラーを連結する最も大型のキャリアカーです。車両を8台まで積載できます。キャブ(運転席)後方の天井を斜めにカットし、そのスペースに乗用車を1台乗せられるよう、改良されました。
トレーラータイプも2段で構成されていて、運転には大型免許だけでなく「牽引免許」も必要です。

よくある質問


キャリアカーに関する疑問など、皆様が抱える疑問点をわかりやすく解説いたします。

キャリアカーを運転するのに必要な免許は?

キャリアカーの種類によって、必要な免許が異なります。
2トントラックをベースにした「ローダータイプ」は、普通免許で運転可能なため、自動車整備工場やカーディーラーで広く利用されています。
一方で、大型トラックを基にした「単車タイプ」は大型免許が必要です。また、運転席と荷台が分かれた「トレーラータイプ」のキャリアカーには、大型免許に加えて牽引免許も求められます。
牽引免許の取得には、あらかじめ普通免許や大型免許などを保有している必要があり、牽引第一種免許の取得が一般的です。それぞれの車両に合った免許を確認し、運転に備えましょう。

キャリアカーの導入費を抑えるには?

キャリアカーは構造が特殊なため、新車を購入すると費用が高額になりがちです。また、納車までに時間がかかるケースも少なくありません。
そこで、コストを抑えてスムーズに導入したい場合には、中古車の活用がおすすめです。中古のキャリアカーは新車に比べて価格が抑えられており、すぐに使用できる車両が見つかる可能性も高いです。特に日本では自動車輸送のニーズが高いため、中古市場も充実しています。導入初期費用を軽減したい場合は、中古車両の検討も視野に入れるとよいでしょう。

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キャリアカー運転手の月収はどれくらい?

キャリアカー運転手の収入は、担当する車両の種類によって大きく異なります。

車両の種類 月収
ローダータイプ 約25万〜27万円
単車タイプ 約33万〜36万円
トレーラータイプ 約40万〜45万円

ローダータイプは、2トントラックがベースのため、月収は約25万〜と比較的控えめです。一方、大型トラックがベースの単車タイプは、月給は約33万〜に上がります。さらに、トレーラータイプは最も高収入で、月収は約40万〜に達することもあります。

正社員として勤務する場合、平均月収は35万〜40万円、手取りは約28万〜32万円が目安です。キャリアカーの運転には専門的な免許や技術が求められるため、他のドライバー職と比べて高めの給与水準となっています。

まとめ


キャリアカーは、さまざまな車両を積載でき、1〜8台の車両を運べます。事業内容に合った荷台タイプを選択して、輸送業務の効率化につなげましょう。

  • キャリアカーは、自走できない二輪車、自動車、小型トラックなどを最大8台積載して運搬できる
  • 荷台は、1台の車両を積めるローダータイプ、最大5台積める単車タイプ、最大8台積めるセミ・フルトレーラータイプの3種類がある

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