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海上コンテナの種類・サイズ・規格|用途や運搬できるトラックも紹介

海上コンテナは、船舶や鉄道、トラックなどで貨物を運ぶために使用されます。海上コンテナは国際的に標準化されており、貿易や物流の発展に大きく貢献してきました。
本記事では、海上コンテナの種類やサイズなどをご紹介します。

海上コンテナとは?


海上コンテナとは、国際貿易における貨物輸送のために使用される大型の収納容器で、世界共通の規格(ISO)に基づいて設計されたものです。もともとは荷物の積み替えに時間や労力がかかっていた国際輸送の現場で、効率化を目的に登場しました。

コンテナは専用の船やトレーラーにそのまま積載できるように設計されており、港から港へ、陸路から海路へとスムーズに移動させることが可能です。
現在では、コンテナ輸送は世界中の物流の主流となっており、あらゆる種類の貨物を安全かつ効率的に運ぶ手段として欠かせない存在です。用途に応じてさまざまなタイプが存在し、それぞれに適した使い方がされています。

素材・形状

海上コンテナの素材には、主にスチール(鋼鉄)やアルミニウムが使用されています。これらの素材は、耐久性や防錆性、長期間の使用に耐える強度を兼ね備えており、過酷な海上輸送環境にも適しています。また、近年ではFRP(繊維強化プラスチック)などの軽量素材を活用したコンテナも一部で利用されています。

形状については、最も一般的なのが箱型ですが、積載する貨物の性質や輸送の目的に応じて、開放型や特殊構造のコンテナも存在します。こうしたバリエーションは、海上コンテナの種類によって細かく分類されており、それぞれが特定の用途に特化して設計されています。

規格

海上コンテナは、国際標準化機構(ISO)によって寸法や強度、形状などが細かく規格化されています。これは、世界中の港湾施設や輸送手段で共通して取り扱えるようにするためです。

コンテナの幅は基本的に2,438mm(約8フィート)で統一されており、長さは10フィート、20フィート、40フィートなど複数のサイズが存在します。特に流通量が多いのは20フィートと40フィートで、40フィートタイプには高さを1フィート(約30cm)高くした「ハイキューブ」仕様もあり、2,896mmの高さを誇ります。

また、最大積載重量ではなく、コンテナそのものの重さを含めた「総重量」に関する規定も重要です。例えば40フィートコンテナの場合、最大総重量は約30,480kgに設定されています。こうした規格の統一があることで、効率的かつ安全な輸送が実現されています。

海上コンテナの種類


海上コンテナには、いくつかの種類があります。使用目的や構造によって、以下のように分類されています。

1.ドライコンテナ

 

2.リーファーコンテナ

3.タンクコンテナ

4.オープントップコンテナ

5.フラットラックコンテナ

6.バルク(乾燥ばら積み用)コンテナ

7.ベンチレーターコンテナ

8.サーマルコンテナ

それぞれのコンテナの特徴について紹介します。

1.ドライコンテナ

20ftコンテナ(引用元:株式会社コンテック)
40ftコンテナ(引用元:株式会社コンテック)
40ftハイキューブコンテナ
(引用元:株式会社コンテック)

ドライコンテナは、もっとも普及しているコンテナです。形状は、箱型トラックの荷台部分のような細長い箱型で、生活物資から工業製品、産業物資まで、幅広い一般貨物の輸送に利用されています。
日本で流通しているドライコンテナは、道路事情や各種規制により長さ20ft、40ftタイプがほとんどです。40ftドライコンテナには、ハイキューブコンテナと呼ばれる高さの高いコンテナがあり、海上輸送コンテナの主流となっています。
ドライコンテナは特別な機能や装備があるわけではないものの、安価に入手でき、改造や加工がおこなえるのでさまざまな用途に利用されています。

2.リーファーコンテナ

40ftハイキューブコンテナ
(引用元:株式会社コンテック)

リーファーコンテナは「冷蔵・冷凍コンテナ」とも呼ばれ、冷蔵、冷凍など温度管理ができるコンテナです。特殊コンテナでありながら、ドライコンテナの次に多く利用されています。生鮮食品、冷凍食品、生花、定温輸送が必要な化学製品、医薬品、電子部品、フィルム、美術品などを輸送しています。

また、エチレンガスの除去や湿度コントロールができるリーファーコンテナもあります。

3.タンクコンテナ

タンクコンテナ(引用元:日本石油輸送株式会社)

タンクコンテナは、液体や気体を輸送するためのタンクを備えたコンテナです。鋼製のフレーム内にタンクが備え付けられている構造で、原酒や食料品、液体化学薬品などを輸送しています。

タンクコンテナは、積荷の性質や用途により「危険物用」と「非危険物用」の2種類に大きく区別され、危険物を輸送する場合は、原則として充填率80%以上、95%以内に収める規定(IMDG= International Maritime Dangerous Goods Code)があります。

4.オープントップコンテナ

オープントップコンテナ
(引用元:株式会社オーシャンシステム)

オープントップコンテナは、天井部分が取り外しできコンテナ上部からの荷役が可能なコンテナです。屋根がないので、通常のコンテナには積めないような高さのあるものの輸送などに適しています。

また、積み込みがしやすいので重量物の輸送にも適しています。なお幌や防水シートで覆えるため雨風から貨物を守ることが可能です。

5.フラットラックコンテナ

フラットコンテナは、屋根部分、両側面、扉面を持たないコンテナです。左右および上部から荷役が可能な構造となっています。ドライコンテナに積載できない大型機械、円筒形工場用設備、木材、石材、鋼材、工作物、インゴット、大型タイヤ、各種車両、小型ボート、各種ケーブルドラムやロール状の鉄板などを積載できます。

また、複数のコンテナをつなぎ合わせて輸送に使うこともできます。そのため、通常のコンテナには載せきれない大型貨物も輸送できるコンテナです。

6.バルク(乾燥ばら積み用)コンテナ

バルク(乾燥ばら積み用)コンテナは、包装されていない粉体や粒状の貨物を効率的に輸送するために開発された専用コンテナです。代表的な積み荷としては、飼料や穀物、化学原料、レジン(樹脂)などがあり、輸送時には上部の投入口から積載し、下部の排出口から取り出す構造が採用されています。

形状には、一般的な箱型のほか、傾斜構造をもつホッパ型や円筒形のタンク型などがあり、内容物の種類や積み下ろし方法に応じて使い分けられます。内部は密閉性に優れ、湿気や異物の混入を防ぐ工夫が施されており、長距離輸送でも内容物の品質維持が可能です。

7.ベンチレーターコンテナ

ベンチレーターは、コンテナ内部の空気を外部と入れ替えるための換気装置を指し、主に「通風コンテナ」として知られています。コンテナの側面に通気用のスリットや開閉可能な孔が設けられており、外気との自然な空気の循環を促す構造になっています。これにより、輸送中の湿気や熱気がこもるのを防ぎ、結露の発生やカビのリスクを抑える効果があります。

換気方式には、電力を使わず空気の流れを利用する「自然換気型」と機械で強制的に空気を動かす「強制換気型」があり、輸送する貨物の性質に応じて選ばれます。ベンチレーター付きコンテナは、農産物や木材、繊維製品など湿気に敏感な貨物の輸送に適しており、スリットを閉じることで通常のドライコンテナとしても使用可能です。柔軟な用途があるため、物流現場で幅広く活用されています。

8.サーマルコンテナ

サーマルコンテナは、内部の温度変化を抑えるために断熱材を使って作られた「保温・保冷」機能を備えたコンテナです。外気温の影響を受けにくく、積み荷の温度を一定に保ちやすい構造です。
リーファーコンテナのような機械式の「冷却・加温」機能はありませんが、すでに冷却または加温された貨物を輸送する際には、その状態を維持するのに役立ちます。特に、冷凍食品、医薬品、化学製品など、温度変化に敏感な貨物の一時的な温度保持に適しています。

また、冬場の凍結防止用途としても利用されます。簡易的な温度管理が可能なことから、コストを抑えたい場合や長距離輸送でないケースなど、限定的な温度管理が求められる輸送に効果を発揮します。

【種類別】海上コンテナのサイズ


海上コンテナは、上記で紹介したコンテナの種類によってサイズが異なります。ここでは、主な海上コンテナのサイズを種類別に紹介します。

ドライコンテナ

ドライコンテナのサイズは、下記のとおりです。

コンテナサイズ 20ft 40ft 40ftハイキューブ
外法寸法 長さ 6,058mm 12,192mm
2,438mm
高さ 2,591mm 2,896mm
内法寸法 長さ 5,898mm 12,032mm
2,350mm
高さ 2,390mm 2,695mm
内容量 33.1㎥ 67.6㎥ 76.2㎥
最大積荷重量 28,280kg 26,740kg 26,580kg

※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。

リーファーコンテナ

リーファーコンテナのサイズは、下記のとおりです。

コンテナサイズ 20ft 40ft 40ftハイキューブ
外法寸法 長さ 6,058mm 12,192mm
2,438mm
高さ 2,591m 2,896mm
内法寸法 長さ 5,550mm 11,584mm
2,292mm
高さ 2,275mm 2,241mm 2,546mm
内容量 28.3㎥ 58.4㎥ 66.6㎥
最大積荷重量 27,480kg 25,880kg 25,610kg

※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。

タンクコンテナ

タンクコンテナのサイズは、下記のとおりです。

タンク容量 11KL 21KL 26KL
外法寸法 長さ 6,058mm
2,438mm
高さ 1,980mm 2,438mm 2,591mm
コンテナ自重 2,755kg 3,450kg 3,850kg

※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。

オープントップコンテナ

オープントップコンテナのサイズは、下記のとおりです。

コンテナサイズ 20ft 40ft
外法寸法 長さ 6,058mm 12,192mm
2,438mm
高さ 2,591mm
内法寸法 長さ 5,898mm 12,032mm
2,352mm
高さ 2,348mm
コンテナ重量 2,350kg 3,800kg
最大積荷重量 28,130kg 26,680kg

※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。

フラットラックコンテナ

フラットラックコンテナのサイズは、下記のとおりです。

コンテナサイズ 20ft 40ft
外法寸法 長さ 6,058mm 12,192mm
2,438mm
高さ 2,591mm
内法寸法 長さ 5,940mm 12,040mm
2,150mm 2,380mm
高さ 2,230mm 1,960mm
コンテナ重量 3,100kg 6,200kg
最大積荷重量 20,900kg 43,800kg

※上記表の値は参考値で、メーカーや製造モデルなどによって若干異なります。

海上コンテナを運搬できるトラック

海上コンテナを運搬できるトラック
海上コンテナを運搬するためには、20ftコンテナは4トントラックロングボディ車やトレーラー、コンテナ専用車、40ftコンテナはトレーラーが必要です。
ここでは、海上コンテナを運搬できるトラックについて詳しく解説します。

4トン車(4tトラック)

20ftコンテナを輸送するだけの目的であれば、4トントラックロングボディ車で運ぶことができます。トラックを横付けできる場所があれば、クレーン付きトラックで運搬可能です。

しかし、20ftコンテナの自重は2.2トンほどあるので、横付けできない場合はクレーンを使用することができません。その場合は、ラフタークレーンなどを利用する必要があります。

セミトレーラー

セミトレーラーとは、牽引車両であるトラクターの後部にトレーラーの前部が連結している車両のことです。

セミトレーラーに20ftコンテナを積載する場合、連結した状態の全長は約11.5メートルで、低床式のシャーシを使用した場合では約12.5メートルとなります。コンテナ輸送の際には、連結した状態で入庫できるかの確認が必要です。ちなみに20ftコンテナを輸送する際、積載重量が20.32トンまでは2軸、24トンまでは3軸のシャーシを利用します。

セミトレーラーに40ftコンテナを積載する場合、シャーシを連結すると全長は約16.4メートルになりますが、国土交通省によると、高速道路の通行は長さ16.5メートル以内となっているため走行に問題はありません。20ftコンテナと同様に、積載重量によって軸数が異なり、24トンまでは2軸、30.48トンまでは3軸のシャーシを利用します。

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よくある質問


よくある質問をまとめました。

CSCプレートとはなんですか?

CSCプレートとは、「安全なコンテナに関する国際条約(CSC条約)」に基づいて、安全性が確認されたコンテナに取り付けられる金属製の認証プレートです。国際輸送に使われるコンテナは、一定の強度や構造基準を満たしていることが求められ、このプレートがその証明となります。

CSCプレートが取り付けられていないコンテナは、原則として国際間の輸送には使用できません。プレートには製造年月や最大積載量、許容される積み重ね重量などの情報が記載されており、安全な取り扱いのために重要な役割を果たします。
初回の認証後は、一定の期間ごとに点検をおこなうことで使用が継続可能となります。コンテナの信頼性を保証する国際的な安全基準の一部といえます。

海上コンテナを積み上げる事は出来ますか?

コンテナは積み上げて使用することが可能です。海上輸送では、ごく一般的に複数のコンテナを縦に積み重ねて運搬されており、1台あたりの重さが20~30トンあるにもかかわらず、最大で9段まで積み上げられる強度を備えています。
特に海上用コンテナは、下段にかかる数百トンの荷重にも耐えられるよう、非常に堅牢に設計されています。そのため、陸上でも複数段に重ねて保管と使用ができます。

ただし、地面や設置場所の強度や水平性には十分注意が必要です。コンテナ自体が頑丈でも、設置基盤が不安定であれば事故や傾きの原因となるため、積み上げの際は専門的な確認をおこなうことをおすすめします。

海上コンテナの寿命はどれくらいですか?

海上コンテナは、一般的に国際物流の現場で10年前後使用された後、中古コンテナとして市場に出回ります。その後も適切な補修や塗装、サビ対策などのメンテナンスをおこなえば、さらに10年以上の使用が可能です。つまり、全体としては製造から約20年を一つの目安とできます。

ただし、使用環境や管理の状況によって大きく変わるため、寿命を延ばすためには定期的な点検と保守が重要です。倉庫や簡易施設などに再利用されるケースでは、比較的安定した場所で使用されるため、屋外でも長期間にわたり活躍できます。長く安心して使いたい場合は、導入時にしっかりと補強されたコンテナを選び、使用中も定期的に状態を確認することがポイントです。

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まとめ

海上コンテナは、国際物流を支える重要な輸送手段として、規格や用途ごとに多様な種類が存在します。ドライコンテナやリーファーコンテナをはじめ、特殊な貨物輸送に対応したタンクコンテナやフラットラックコンテナなど、目的に応じた最適な選択が求められます。また、各コンテナのサイズや規格はISOによって統一されており、輸送効率の向上にもつながっています。

貨物の種類や輸送環境に合ったコンテナを選ぶことで、安全かつ効率的な輸送が可能になります。コンテナ輸送を検討する際は、用途やサイズ、対応するトラックなどを総合的に把握して選定することが重要です。

  • 海上コンテナは、一般的にドライコンテナを利用することが多い
  • 冷蔵、冷凍など温度管理が必要であればリーファーコンテナ、液体や気体を輸送する場合はタンクコンテナを利用する
  • 海上コンテナの輸送には基本的にトレーラーが必要

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