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今道路の周りで起こっていること その② 自家用車はますます嫌われる?

ITV_2020年5月号表紙…ザ・トラック

月刊ITV 2020年5月号

発行:令和2年5月1日
発行所:(株)日新(HP)
執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之・谷田裕子
表紙・レイアウト:望月満
記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄

今道路の周りで起こっていること

宮代陽之(ミヤダイハルユキ)

株式会社国際経済研究所非常勤フェロー1983年に工販合併後第1期としてトヨタ自動車株式会社に入社、海外営業法務・渉外を皮切りに、広報全般(企業・商品・技術)や営業・事業企画などを担当。海外勤務は米国留学、欧州・トルコ駐在を経験。2008年夏より国際経済研究所にて調査研究生活をスタート。中東・アフリカ・イスラームの担当に加え、10年前からモビリティと都市・社会の関係とその変化に注目し、内外動向調査・分析を行う。現在はMaaSやスマートシティの日本での実装・実践に関する課題や機会について頭を悩ませる日々を送っています。

新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大に伴い、日本でも緊急事態宣言が出されました。交通に関しては政府による特段の規制や措置は出されていませんが、人流・物流両面で平時と大きく異なる状況に対応されている事業者の方々は、大変なご苦労・腐心をされていると思います。

他方、海外においては、公共交通サービスを大幅に縮小したり、逆に自家用車・自動車の通行を規制したり、と強制力ある措置をとる都市もあるようです。

今回は、COVID-19の対応措置として米国その他の都市でとられている措置をご紹介しながら、その背景にある考え方を探ってみたいと思います。(4月18日記)

1. COVID-19 による交通の劇的変化

(図1)で示しているのは、北米の主要都市における公共交通利用の急激な落ち込みです。

データ収集・分析を実施するTransit APPによると、4月16日時点の公共交通利用は平常時の79%減、3月中旬に急激に下がりましたが、それ以降「底を打った」状況が続いています。特に通勤・長距離利用の落ち込みが大きく、サンフランシスコのベイエリア(BART)は90%減となっています。

【図1.北米主要都市における公共交通需要推移(2/15以降 4/16時点)】...ザ・トラック

【図1.北米主要都市における公共交通需要推移(2/15以降 4/16時点)】

また、一日あたりのピーク・オフピークの推移をみると、いずれの時間帯も平常時の20%以下であることもわかります。(図2.LA市ケース)

利用者の多くは、いわゆる「エッセンシャルワーク」従事者で自家用車など自前の移動手段を持たない低所得層とみられ、公共交通利用が必須な人たちです。
【図2.公共交通需要日当たりの変化(LA市 平常時からの変化)】...ザ・トラック

【図2.公共交通需要日当たりの変化(LA市 平常時からの変化)】

他方、自家用車利用についても多くの国で移動距離が減少しており2月時点でも平均60%の落ち込みとなっています。(図3.2020年4月15日付WAZE社ブログ)

行政機関やNPO、協力メンバーから提供されるデータを基に状況可視化を実施するWAZE社(Google子会社)によると、COVID-19感染拡大による変化は概ね類似しており、状況が深刻化している欧州(伊・西・仏)では90%以上の減少となっています。

【図3.自家用車走行距離の変化(2月11日~25日)】...ザ・トラック

【図3.自家用車走行距離の変化(2月11日~25日)】

ただ、いずれの国でも一旦そこを打った後移動距離は若干回復しており、日常生活維持のために最低限必要な移動が行われていることが分かります。(図4.上記ブログより)

【図4.国別自家用車走行距離の変化(3 月1 日~ 4 月3日)】...ザ・トラック

【図4.国別自家用車走行距離の変化(3月1日~4月3日)】

(注)米国の減少カーブは他国よりも緩やかです。これは、都市・地域により感染拡大ペースが異なり行政の対応の厳しさが異なっていたこと、更に公共交通網の整備度合いが欧州とは異なること、などの複合要因によるものと解されますが、同時にまだ底を打っていない、という見方もありそうです。(4月18日現在)

2.COVID-19 感染拡大に対する都市施策の特徴

欧米を中心とした主要な都市は、COVID-19拡大を食い止めるための非常事態の中、外出・移動を厳しく抑えつつ、同時に医療活動ならびに日常生活維持のため不可欠な「エッセンシャルワーク」を確保・保障するため、様々な施策を展開しています。また、都市によってはいわゆる「社会的距離(Social Distance)」確保のために相当思い切った施策を実施しています。以下で幾つかの事例をご紹介します。

図5(-1&2)は、City Labという米メディアが作成した都市緊急対策マップです。

これは、NACTO(全米都市交通局協会)がBloomberg Philanthropiesの支援を受け開設した”COVID-19:Transportation Response Center(https://nacto.org/program/covid19/)”が日々アップデイトしている都市対応データが基となっています。

例えば、直接的な感染リスクを下げる措置として

①「押しボタン式歩行者信号」の自動化:豪パース、NZオークランド、米ボストン等また、エッセンシャルワーカーなど移動必須な人たちへの移動保障策として
②公共交通(バス)無料化:LA、デトロイト等50都市以上
③シェア自転車無料化:ロンドン、グラスゴー等10都市以上などの施策が導入されています。

更に、自転車等マイクロモビリティや歩行者優先の生活や文化がある程度根付いている都市では、「社会的距離」確保のために以下のような施策を展開するケースもあります。

④自動車道路封鎖・流入規制:ポートランド、ミネアポリス、カルガリー等7都市以上
⑤自転車道への転換・拡充:ボゴタ(コロンビア)、メキシコシティ、ベルリン
⑥エッセンシャルワーク用駐車無料化・規制緩和:デンバー、コロンバス等10都市以上

【図5-1.都市の緊急対応施策―世界(4月3日現在)】...ザ・トラック

【図5-1.都市の緊急対応施策―世界(4月3日現在)】

【図5-2.都市の緊急対応施策―米国(4月3日現在)】...ザ・トラック

【図5-1.都市の緊急対応施策―世界(4月3日現在)】

(2020-04-03 CityLab “Mapping How Cities Are Reclaiming Street Space”)

自動車依存度の高い欧米(オセアニア・中南米)において、感染リスクの低い自動車を推奨せず、自転車道の拡幅による感染リスク低減を優先する都市スタンスは注目すべきポイントです。これまで公共交通の重要性について比較的注目度の低かった米国でも、COVID-19以降、「エッセンシャルワーク」維持のためには公共交通網維持が不可欠、との論調が目立つようになり、「社会的距離」を保ちながら如何に利用しやすくするか、といった議論も始まっています。また、自転車や電動キックボード(E-Scooter)などの短距離かつ小回りの利く移動手段(「マイクロモビリティ」といいます)にも改めて注目が集まっており、ニューヨーク市のシェア自転車サービスはCOVID-19感染拡大後、67%利用が増加しています。(マイクロモビリティ事業を推進するスタートアップ企業も続々と、医療従事者やエッセンシャルワーカー優遇策を打ち出し、「支援」を表明しています。)

自動車、特に自家用車が推奨されない背景として、前号でもご紹介した「都市のスペース」と「縁石利用」の問題に、更に焦点があたっているように感じます。救急医療も含めた非常時におけるヒト・モノの安全かつ遅滞ない移動のためには、交通の流れがコントロール可能であること、そしてヒトの乗降やモノの積み降しのスペースが常に確保可能なことが、平時以上に重要です。そのため、自家用車が自由に走行・駐車する環境は、都市の非常事態マネジメントの観点で、好ましくない対象となっているのではと推察します。

3.自動車道路の用途転換は加速するか?

4月12日付のNew Zealand Herald降、改めて「変わらない流れ」「変わった要素」に着目しながら「道路周り」の問題や人流・物流動向を取り上げていきたいと思います。によると、ニュージーランド政府はレベル4の都市封鎖解除後の政策として、「歩道の拡幅」や「簡易的な自転車専用道への転換」のため90%のコスト負担をする、と発表しました。国内の各都市に提案されたもので、都市内を2mの「社会的距離」を保ちながら安心して往来できるようにすることが目的ということです。(図6のように、プランターやペイントで簡便な仕切りを設けるイメージです。)

運輸副大臣いわく、「公共交通利用を躊躇する人が増えるなか、簡易的な措置で歩行者や自転車が動きやすくなることは、公共交通代替として有効」であるとのこと。本格的な工事を伴わない「簡易措置」は、特に米国では「Tactical Urbanism」手法として注目されているアプローチです。

これまでは都市単位での実装にとどまっていましたが、今回のニュージーランド政府の発表は、国レベルでTactical Urbanismを推奨する初めてのケースとして注目されそうです。一時的な公共交通代替として歩行者や自転車利用者が実効性を確認し、公共交通の平時利用が可能となった段階で、自家用車からシフトする施策を打ち出すことで「都市型MaaS」実現を促進する、といったシナリオが想定できそうです。

COVID-19によって、都市の交通政策やインフラ行政は大きく転換せざるを得ない面が出てくるかと思います。欧米で自家用車依存からの転換を促す大きな流れは変わりませんが、公共交通や歩行・自転車等マイクロモビリティ利用における「社会的距離」確保の課題、平常時・非常時に柔軟に対応可能な交通インフラや手段・サービスの構築、など新たに考慮すべき要素が増えています。次号以降、改めて「変わらない流れ」「変わった要素」に着目しながら「道路周り」の問題や人流・物流動向を取り上げていきたいと思います。

【図6.オークランド市内の既存のセパレーター(プランター及びペイント)】(2020-04-12 New Zealand Herald “Covid 19 coronavirus: Government to fund extra wide footpaths to maintain 2m distancing”)...ザ・トラック

【図6.オークランド市内の既存のセパレーター(プランター及びペイント)】(2020-04-12 New Zealand Herald “Covid 19 coronavirus: Government to fund extra wide footpaths to maintain 2m distancing”)

小型トラック「日野デュトロ」を改良

改良…日野自動車

働き方改革に寄与するオリジナル特殊車両

日野自動車㈱は、小型トラック「日野デュトロ」を改良し、2020年5月1日に発売する。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、小型トラックにおいては一般道における交通事故の低減に取り組み、安全装備を拡充してきた。今回の改良では、従来から標準装備しているPCSの機能向上により、車両や昼の歩行者だけでなく自転車運転者や夜間の歩行者も検知対象となり、万が一の事故防止に貢献できることになる。

日野は、豊かで住みよい持続可能な社会の実現を目指して、中期経営戦略「Challenge2025」において「安全・環境技術を追求した最適商品の提供」「最高にカスタマイズされたトータルサポート」「新たな領域へのチャレンジ」の3つの方向性で取り組んでいる。今後もユーザーの物流におけるパートナーとして貢献できるよう、挑戦を続けるとしている。

なお、PCSは、先行車などを検知し、警報ブザーとディスプレイ表示でドライバーに危険を知らせ、衝突回避の支援を行うトヨタ自動車㈱登録商標のシステムである。

「日野デュトロ」は、2019年5月7日に、「平成28年排出ガス規制」に対応するとともに、安全装備を大幅に拡充するなどの改良が行われている。

前回の改良では、排出ガスのクリーン化に加えて、前進誤発進抑制機能をはじめとする安全装備を標準装備し、様々なシーンで衝突回避を支援する機能を追加し、ICTサービス「HINOCONNECT」導入によるコネクティッドの推進等、あらゆる面からドライバーをサポートする機能が組み込まれている。

また、「日野デュトロ」は一部車型で平成28年燃費基準+10%を達成させ、ハイブリッド車およびディーゼル車は、ASV(先進安全自動車)減税、またはエコカー減税の対象となっている。
安全装備を拡充させた小型トラック「日野デュトロ」...ザ・トラック

安全装備を拡充させた小型トラック「日野デュトロ」

「日野プロフィア」トラクターシリーズを改良

改良…日野自動車

あらゆるシーンの予防安全対策で運転をサポート

日野自動車㈱は、大型トラック「日野プロフィア」トラクターシリーズを改良し、安全装備を大幅に拡充して2020年5月1日に発売する。
日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、大型トラックにおいては事故の被害が大きくなりやすい高速道路走行時の対策から、一般道における出会い頭事故等の対策まで、安全装備を拡充してきた。

このたび「日野プロフィア」トラクターシリーズを改良し、2019年4月に発売した「日野プロフィア」同様に、サイトアラウンドモニターシステムや、ドライバーモニターⅡ、ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを標準装備する。また、J-OBDⅡに対応させた。

さらに、「日野プロフィア」、「日野プロフィア」トラクターシリーズともに、「タイヤ空気圧モニタリングシステム」をオプション設定し、各タイヤの空気圧を把握することで、稼働を止めない予防整備に役立つ機能も追加されている。

安全装備を大幅に拡充させて登場の「日野プロフィア」トラクターシリーズ...ザ・トラック

安全装備を大幅に拡充させて登場の「日野プロフィア」トラクターシリーズ

主な特長

(1)サイトアラウンドモニターシステム
車両左右前端に設置したセンサーが、衝突のおそれがある車両を検知し、警告音とメーター表示でドライバーに注意喚起する。
(2)ドライバーモニターⅡ
従来から検知していたわき見、瞼の開閉状態に加えて、ドライバーの運転姿勢崩れも認識し、前方不注意を検知すると警報で知らせる。
(3)ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオ
ステアリングを握ったままオーディオの操作が可能なハンズフリー機能付オーディオを採用。
(4)J-OBDⅡ(JapanOn-boarddiagnosisⅡ)対応モデル
2020年9月1日より適用となる車載式故障診断装置搭載の義務化に対応。
(5)タイヤ空気圧モニタリングシステム(※オプション設定)
各輪の空気圧や、空気圧低下によるパンクの予兆をマルチインフォメーションに表示し、ドライバーに知らせる。

東京地区小売希望価格...ザ・トラック

東京地区小売希望価格

夜間歩行者と昼間自転車運転者も検知する

改良…TOYOTA

プリクラッシュセーフティをダイナに採用

TOYOTAは、ダイナ2t積系を一部改良し、全国のトヨタ車両販売店を通じ2020年5月1日に発売する。
今回の一部改良では、プリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ/LPG車および消防車シャシーを除く)の検知機能を向上させ、車両や昼の歩行者だけでなく、新たに夜間の歩行者と昼間の自転車運転者も検知対象とした。さらに、電動パーキングブレーキのレス仕様を設定(オプション/ダブルキャブ車を除く)し、幅広く選択できるようになった。

TECS(メーカー完成特装車)においては、ベース車と同様の改良を施すとともに、車両運搬車のスライドキャリアエスライドSS-02F(架装メーカー:㈱タダノ)では、荷台へ車両が乗り込む際に使用する、地面に敷く道板(みちいた)の長さを改良…TOYOTA話題のニュートラック新製品情報・新情報夜間歩行者と昼間自転車運転者も検知するプリクラッシュセーフティをダイナに採用短くすることで軽量化するとともに、車両の積み下ろしでの作業性を高めるなどの改良を行っている。

ダイナ2t積系主要車型のメーカー希望小売価格は、3,705,428円~6,224,000円。TECS車両運搬車は、7,657,000円~7,943,000円となっている。

なお、ダイナとトヨエース2t積系はすでに2019年5月7日に一部改良されている。今回はその追加改良となる。

前回の一部改良では、駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いやアクセルの踏みすぎなどで起こる衝突被害の軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ〈静止物〉)、積荷などで妨げられる後方視界をサポートするバックカメラ&デジタルインナーミラー、夜間の視界をより明るく保つLEDヘッドランプを標準装備し、安全装備を充実させている。

また、新デザインのカラードフロントグリル、大型化やカラーの液晶ディスプレイとしたことにより視認性を高めた4.2インチカラーTFTマルチインフォメーションディスプレイやハンズフリー通話機能付のオーディオ(AM/FM・USB・Bluetooth)を標準装備し、さらに魅力を高めた。

さらに、環境性能では車両総重量7.5t超に加え、新たに7.5t以下のディーゼル車、ディーゼルハイブリッド車にも尿素フリーの高性能触媒DPR-Ⅱを搭載することで、すべてのディーゼルエンジン搭載車が「平成28年(ポスト・ポスト新長期)排出ガス規制」に適合させ、「平成27年度燃費基準+10%」達成車と合わせ、エコカー減税対象車も数多く取りそろえた。

TECSにおいては、街中の駐車場に停めやすいボディサイズとし、庫内を明るく照らすLEDランプを標準装備した冷凍車を新設定し、ラインアップを充実させている。

セーフティ機能を向上させた「トヨタ・ダイナ」カーゴ(標準キャブ・標準デッキ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)...ザ・トラック

セーフティ機能を向上させた「トヨタ・ダイナ」カーゴ(標準キャブ・標準デッキ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)

TECSダイナ車両運搬車(ワイドキャブ・超ロングデッキ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)...ザ・トラック

TECSダイナ車両運搬車(ワイドキャブ・超ロングデッキ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)

TECS ダイナ中温冷凍車(ワイドキャブ・ロングボディ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)...ザ・トラック

TECS ダイナ中温冷凍車(ワイドキャブ・ロングボディ・フルジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD・オプション装着車)

優れた安全性と環境性能を持つラフテレーンクレーン

新作…加藤製作所

新型50t吊りと80t吊りを相次いで発売

㈱加藤製作所(加藤公康社長)は、新型50t吊りラフター「SL-500RfⅡ PREMIUM」を2020年1月より、新型80t吊りラフター「SL-850RfⅡ PREMIUM」を2019年11月より、全国一斉に販売を開始した。

【SL-500RfⅡ PREMIUM(型式:KR-50H-F)】

業界No.1の安全性と環境に優しいラフテレーンクレーンを目指して開発されたSL-500RfⅡPREMIUMは、EJIBSL仕様に加え、5段高剛性スーパーブームを採用。平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジンを搭載し、低騒音型建設機械の指定を取得している。また、KATO独自の走行安全機能(KATOセーフティビューシステム)の装備により、作業時だけでなく、走行時の安全性にも配慮している。

目標販売台数は年間300台。標準仕様の工場裸渡し価格は77,000,000円(税別)となっている。

SL-500RfⅡ PREMIUMの概要

・車幅2.75m…クラス最小幅を実現し、道路走行時の負担を軽減。
・5段高剛性スーパーブーム…ブーム最長40mで作業領域拡大。前方領域最大作業半径37mを確保。ブーム吊上げ能力は、最大吊上げ能力50t×3.0m、ブーム長さ10.1m~40m、最大地上揚程41.1m、ブーム起伏角度0°~84°。
・ブーム伸縮に新モードを設定…伸縮モードA(2段ブーム伸長→3、4、5段ブーム伸長)に加え、伸縮モードB(3、4、5段ブーム伸長→2段ブーム伸長)を新規設定。作業状況にフレキシブルに対応可能。
・主巻ワイヤロープ掛け替え作業の容易化…トップシーブ前方のブームヘッド開口部を拡大し、ロープソケットが通りやすいように改善。
・ルースター作業時のラインプルが向上…多数ストランド難自転性新型ワイヤロープの採用により、ルースター作業時のラインプルが向上。ルースター作業時最大吊上げ荷重が5t→5.6t(10.1m~32.5mブーム時)。
・EJIBSL仕様…国土交通省新技術情報提供システムNETIS登録技術のEJIB。ジブ装着格納作業の容易化により、ジブ装着格納時の運転席からの乗降回数は2回のみとなり、運転者の負担を軽減しジブ振出の所要時間も短縮。また、ジブ装着格納の省スペース化により、ブーム最縮小時の前方スペースでジブの装着格納が可能(ジブ~制限なし)。ジブ吊上げ能力は、最大吊上げ能力4.2t×75°、ジブ長さ9.4m~13.7m、最大地上揚程54.8m、ジブオフセット5°~60°。
・環境にやさしい平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジン搭載…低騒音型建設機械の指定を取得。最大出力254kW/2000min-1、最大トルク1400N・m/1200-1600min-1。
・クレーン作業記録装置K・COR…クレーン作業状態をSDカードに連続記録。記録解析により不具合時等の対応の迅速化。
・エントリーキーシステム…ICタグによる認証によりエンジン始動を管理・盗難防止に有効。
・KATOセーフティビューシステム…①12インチ縦型大画面モニター:従来比3倍以上のクレーン車最大のサイズ。ユーザーが任意に設定した複数の画像を表示可能。タッチパネルのアイコンも大きく表示され、視認性・操作性が良好。・②KATO独自のサラウンドビューシステム:キャリヤの前後左右に装着した6台のカメラ画像を合成し、車両上面から俯瞰した画像を表示。走行時のみではなく、クレーン作業時にも表示可能。③人検知アシストカメラ:カメラによる人検知時、視覚的・聴覚的な警告により注意を喚起。カメラは3台装着されており、検知するいずれか1ヵ所のカメラを任意で選択可能。④カメラクリーナ(オプション):サラウンドビューシステム用カメラ、ウインチカメラ、ブーム左方&右方カメラを装備。エアにより水滴などを吹き飛ばし、視界を良好に保つことが可能。
・クリアランスソナーシステム…超音波センサーによる障害物検知機能により走行中の安全性向上。
・タイヤ空気圧モニタリングシステム(オプション)…タイヤの空気圧と温度の異常をセンサーで感知し、視覚的な警告によって注意を喚起。適正な空気圧を保つことで、燃費が向上し、タイヤの長寿命化にも寄与。
・アウトリガ操作用ラジコン(オプション)…オールテレーンクレーンで採用したアウトリガ操作用ラジコンを設定。アウトリガが直接見える位置で、安全を確認しながらの操作が可能。
・アルミ製フェンダーの採用…アルミ製フェンダー採用により防錆効果向上。
・キャブ内居住性の向上…シフトレバーからボタン式シフトスイッチに変更し、足元スペースを拡大。
・ヘッドランプ…アクセサリライト付LEDヘッドランプを採用。
・多彩なオプション設定…左折&後退音声警報、燃焼式エアヒータ、地上デジタル対応テレビ放送受信機、大型ランチテーブル、風速計、ドアバイザ、ブーム右側ミラー、電動格納サイドミラーヒータ装置、タイヤ空気圧モニタリングシステム、消火器、ハンズフリーマイク、フックガード、アウトリガ操作用ラジコン、カメラクリーナー。

5段高剛性スーパーブーム採用の「SL-500RfⅡ PREMIUM」...ザ・トラック

5段高剛性スーパーブーム採用の「SL-500RfⅡ PREMIUM」

【SL-850RfⅡ PREMIUM(型式:KR-80H-F)】

業界No.1の安全性と環境に優しいラフテレーンクレーンを目指して開発された新型80t吊りラフターのSL-850RfⅡ PREMIUMは、EJIB SL仕様に加え、6段高剛性スーパーブームを採用。平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジンを搭載し、低騒音型建設機械の指定を取得している。また、KATO独自の走行安全機能(KATOセーフティビューシステム)を装備しており、作業時と走行時の安全性にも配慮されている。 目標販売台数は年間200台で、標準仕様の工場裸渡し価格は99,000,000円(税別)となっている。

SL-850RfⅡ PREMIUMの概要

・車幅2.85m…80t吊りラフターとしての剛性を確保できる最小限の車幅で道路走行時の負担を軽減。
・6段高剛性スーパーブーム…ロックピンとフルパワーを融合した伸縮システムHYBRIDZOOMにより高効率
・高性能を実現。ブーム吊上げ能力は、最大吊上げ能力80t×2.2m(前方30°範囲)、ブーム長さ10m~45m最大地上揚程46.0mブーム起伏角度0°~84°。
・主巻ワイヤロープ掛け替え作業の容易化…トップシーブ前方のブームヘッド開口部を拡大し、ロープソケットが通りやすいように改善。
・ルースター作業時のラインプルが向上…多数ストランド難自転性新型ワイヤロープの採用により、ルースター作業時のラインプルを向上。ルースター作業時最大吊上げ荷重:5t→5.6t(10m~38mブーム時)。
・EJIB3段SL仕様…国土交通省新技術情報提供システムNETIS登録技術のEJIB。ジブ装着格納作業の容易化により、ジブ装着格納時の運転席からの乗降回数は各々2回のみとし、運転者の負担を軽減しジブ装着格納時の所要時間を短縮。ブーム最縮小時の前方スペースでジブの装着格納を可能(ジブ振出時のブーム長さ制限なし)とし、ジブ装着格納の省スペース化を実現。ジブ吊上げ能力は、最大吊上げ能力4.2t×72°、ジブ長さ9.52m~18.0m、最大地上揚程64.0m、最大作業半径55.0m(カウンタウエイト装着時)ジブオフセット5°~60°。
・5tカウンタウエイト…カウンタウエイト装着により圧倒的な安定性能を実現。2分割構造を採用し、積載運搬が容易。
・環境にやさしい平成26年ディーゼル特殊自動車排出ガス規制適合エンジン搭載…低騒音型建設機械の指定を取得した、最大出力275kW/1800min-1、最大トルク1510N・m/1300min-1のエンジンを搭載。
・クレーン作業記録装置K・COR…クレーン作業状態をSDカードに連続記録でき、記録解析により不具合時等の対応を迅速化。
・エントリーキーシステム…ICタグによる認証によりエンジン始動を管理てきるため、盗難防止に有効。

【SL-850RfⅡ PREMIUM(型式:KR-80H-F)】...ザ・トラック

【SL-850RfⅡ PREMIUM(型式:KR-80H-F)】

新型コロナ感染拡大と世界のモビリティ動向 ①

伊藤慎介-株式会社rimOnO代表取締役社長

(兼)東京電力ホールディングス株式会社EV戦略特任顧問
(兼)KPMGモビリティ研究所アドバイザー/有限責任あずさ監査法人総合研究所顧問
(兼)ミズショー株式会社社外取締役
(兼)亜細亜大学都市創造学部都市創造学科講師

1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月に工業デザイナーと共に超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOを設立。2016年5月に布製ボディの超小型電気自動車”rimOnOPrototype01”を発表。現在は、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の推進などモビリティ分野のイノベーション活動に従事。

新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。日本では4月8日には東京都を含む7都府県に対して政府による緊急事態宣言が発動され、4月10日に東京都より休業要請が行われました。2月末頃までは通常通りに仕事をしていた私も3月頃から徐々にセミナー、出張、打ち合わせなどが減っていき、緊急事態宣言が発動されてからは完全に在宅勤務となりました。4月中旬の時点で東京都内の多くの商業施設は臨時休業となり、繁華街の人通りが一気に減るなど、経済や社会生活に重大な影響を与えています。

日本よりも圧倒的に感染者や死者の多い海外では更に深刻な状況になっています。アメリカやイタリアでは主要都市でロックダウンが行われ原則として自宅待機することが命じられ、外出する際には他人との間に十分な距離を確保する“ソーシャル
・ディスタンス”が徹底されつつあります。多くの人が移動しなくなったことはライドシェアやe-scootersharingなどのモビリティサービスに深刻なダメージを与えており、UberやLyftなどは利用者が8割減少したといった報道を目にします。

その一方、米国などではモビリティ先進国ならではの新しい取り組みも続々と行われています。貴重なバスドライバーを感染から守るために前乗りを禁止する、人と人が接触することなく食事や食料を安全に引き渡すために公的な引き渡し場所を設ける、PCR検査場に行けない人のために市当局がライドシェア的な配車サービスを提供するといった取り組みです。欧米ほど感染拡大が深刻ではない日本ではまだ目にしない取り組みですが、近い将来に同じような取り組みを行う必要性が生じる可能性があることもあり、できる限りの紙面を割いて解説したいと思います。

緊急事態宣言が発動され閑散としている東京の繁華街...ザ・トラック

緊急事態宣言が発動され閑散としている東京の繁華街

新型コロナウィルスの感染拡大の世界的な拡大は、人と人との接触を極力避け、在宅(StayHome)を要請する内容となっていることからモビリティビジネスに重大な影響を与えています。3月中旬の時点でUberのCEOはシアトルにおけるUberの利用率が6~7割減少していると述べており、4月中旬現在では全米のUber需要が8割近く減少している模様です。また、2017年から急拡大してきたe-scootersharingには急ブレーキが掛かっており、大手であるLimeは3月中旬時点で20か国以上でのサービス停止を発表し、同じく大手のBirdは同時期に全米6都市、欧州21都市のサービスを停止し、3月27日に従業員の3割を解雇しています。

その一方、宅配や物流も含めて移動そのものは生活維持のために不可欠であることから、感染防止策をできる限り徹底させながら維持させる取り組みが行われています。日本ではここまで徹底した取り組みはまだ行われていませんが、今後の対策として参考になることから解説していきたいと思います。

欧米主要都市の新型コロナ対策を網羅的にまとめているNACTO

NACTOというのは全米各都市の交通局の担当者が集結した協議会です。以前の記事でご紹介しましたが、歩行者中心主義・公共交通主体の街づくりへとシフトしていくための道路空間の再配置の提案(Global Street Design Guide)、自動運転時代を見据えた道路空間や交通システムのあり方の提案(Blueprint for Autonomous Urbanism)など、先進的な対策やビジョンを提示している組織です。NACTOのビジョンは以前にご紹介したグーグル系Sidewalk Labsの街づくり構想にも大きな影響を与えていると思われます。

新型コロナウィルスの感染拡大に際してNACTOが行っているのが、世界主要都市における新型コロナ対策の情報収集と対策別の分類です。(図1)がNACTOのとりまとめサイトの一部をご紹介したものですが、COVID-19 Transportation Response Centerというサイトにおいて各都市の交通局がどのような対策に取り組んでいるのか、どういう対策を取ることが推奨されるのかといったことを分かりやすく解説しています。また、(図1)下にご紹介しているのは米国だけなく欧米やオセアニアなどの主要都市がどのような対策を取っているのかを網羅的に集めたスプレッドシートです。日々更新されていると思われるこのスプレッドシートには各都市の公式サイトで発表されている取り組みだけでなく、ネット記事などで紹介されている取り組みも含めてあらゆる取り組みがカバーされています。

図1:欧米主要都市における新型コロナ対策の情報を集約しているNACTOのウェブサイト...ザ・トラック

図1:欧米主要都市における新型コロナ対策の情報を集約しているNACTOのウェブサイト

各都市の担当者は、このサイトを詳しく見ていくことで自分の街の対策がどこまで進んでいるのか、同様の対策を検討する際に他の都市ではどういうことを行っているのかを容易に把握することができます。日本ではまだ行われていない取り組みであり、こういうところからも欧米(特に北米)の先進性を強く感じます。

NACTOによると欧米の主要都市では大きく分けて5つの取り組みが行われているようです。その5つとは、①道路の封鎖、②公共交通の料金無償化(バスドライバーの感染防止が目的)、③バイクシェアの無償化(エッセンシャル・ワーカーの移動手段確保)、④臨時の自転車専用レーンの設置、⑤押しボタン信号の自動化です。(図2)の地図は全米及び世界の主要都市のどこでそれぞれの対策が導入されているかを示したものですが、多くの都市で先進的な対応がとられていることが分かります。この地図では北米、中米、西欧、オセアニアの取り組みだけが取り上げられていますが、4月15日時点ではロシア、ブラジル、インドなどの情報も提供されており、英語圏の情報だけでなく世界中の情報を網羅し始めていることに驚かされます。

図2:先進的な新型コロナ対策が行われている世界の主要都市(左:米国、右:世界)...ザ・トラック

図2:先進的な新型コロナ対策が行われている世界の主要都市(左:米国、右:世界)

周辺の感染状況が一目でわかるサイト/アプリ

ここからは導入されている対策別に解説していきます。

テキサス州San Antonio市ではCOVID-19 Surveillance Dashboardという感染状態をリアルタイムで表示するウェブサイトを構築しています。PC版だけでなくモバイル版も用意されていることから簡単に現状を把握することができます。(図3)はPC版の画面をご紹介したものですが、感染者数、入院数、感染及び死亡の年齢別の分布、人種・性別別の感染者数の比較などが一目でわかるように情報提供されています。また地図上の郵便番号(Zip Code)をクリックすると当該地域の人口と感染者数が表胎動する次世代ビークルの世界?示されるようになっています。自分の住んでいる地域や勤務先のエリアにおいて感染がどの程度蔓延しているのかが把握できることは、感染リスクを認識する上で非常に有用ですので感染が拡大するにしたがって日本でも同様の仕組みが求められていくものと思われます。

図3:テキサス州San Antonio 市で提供されている新型コロナ感染リアルタイム情報サイト...ザ・トラック

図3:テキサス州San Antonio 市で提供されている新型コロナ感染リアルタイム情報サイト

爆発的な感染が先行している中国では、政府主導で個人のあらゆる活動をデータとして収集し、得られたビッグデータを根拠に個人の健康状態を「緑」「黄」「赤」に分類する“健康コード”というアプリが導入されています。中国全土で広く使われているQRコード決済のAlipayを提供しているアリババが中国政府と共同で開発した仕組みで、このアプリが都市間の移動や商業施設などへの立ち入りなど、あらゆる場所への立ち入り許可証として機能しています。

知り合いの中国人によると薬局で風邪薬を購入しただけで健康コードが緑→黄へと切り替わるとのことで、位置情報や接触情報だけでなく様々な購買履歴ともリンクしているようです。日本では私権の制限であることに加えてプライバシーの侵害にも繋がることから、同様の仕組みを政府主導で導入することは簡単ではないですが、ルールを守らない人が必ず発生することを想定し、緊急時に導入する仕組みとして一考する価値があると思われます。

図4:移動の許可証として中国で導入されている健康コード...ザ・トラック

図4:移動の許可証として中国で導入されている健康コード

バスドライバーを感染から守るために後部乗車を徹底

医療関係者、公共交通機関の職員、電力会社やガス会社の社員、スーパーの定員、公務員など、命や生活に必要となるサービスを提供している労働者は“エッセンシャル・ワーカー”と呼ばれています。公共交通の要となる路線バスのドライバーもエッセンシャル・ワーカーですが、運転席が隔離されている鉄道とは異なり、運転席の横に料金箱を置く必要があることから極めて感染リスクが高い環境での業務を余儀なくされています。

そこで欧米の主要都市ではバスドライバーを感染から守るために前乗り乗車を禁止し、中または後ろ乗り乗車を行っています。それと同時にドライバーに近いエリアへの立ち入りも禁止しています(図5)。バスの料金箱は運転席横にあるため、大半の都市では前乗り乗車を禁止すると同時にバス料金を無料にしています。
図5:運転席への立ち入りを禁止したバス車内(左:サンノゼ、右:シアトル)...ザ・トラック

図5:運転席への立ち入りを禁止したバス車内(左:サンノゼ、右:シアトル)

乗客同士の感染を防止するため、他人との間に一定の距離を確保する“ソーシャル・ディスタンス”も多くの路線バスで導入されています。(図6)はオクラホマシティの路線バスの車内ですが、乗客同士が隣り合わせにならないように着席禁止の座席を設定している都市が数多くあります。

図6:他の乗客との間隔をあけるために着席禁止の座席を設定 しているオクラホマシティ...ザ・トラック

図6:他の乗客との間隔をあけるために着席禁止の座席を設定 しているオクラホマシティ

接触感染を防止するため、手すり、腕置き、座席、トイレ、券売機、ドアノブなどの徹底した掃除も多くの公共交通機関で行われています。車両の場合は1日に1~2回程度行うケースが多いようですが、駅やバスターミナルの掃除は従業員のシフトごとに行われている模様です。
図7:車内や駅などで徹底した掃除が行われている(ニュージャー ジー州)...ザ・トラック

図7:車内や駅などで徹底した掃除が行われている(ニュージャージー州)

ソーシャル・ディスタンスを維持した移動を可能にするアプリ

エッセンシャル・ワーカーなどロックダウン中も出勤の必要がある労働者にとって、混雑した鉄道やバスなどの乗車を余儀なくされることは大きなリスクになります。そこでtransitというアプリを提供している会社が新型コロナ対応のサービスとして提供しているのが、空いている車両を選んで乗車することができるアプリです。車内の混雑具合に関するリアルタイムのデータを提供しているバス路線を対象に、アプリ上でバスごとの混雑具合をリアルタイムに表示しているようです。(図8)の左にあるイメージでは、真ん中を走っているバスには座れる席がなく、右側を走っているバスにはいくつか座れる席があることを示しています。

車内の混雑具合をリアルタイムに表示するサービスはJR東日本が山手線を対象に公式アプリで情報提供していますが、transitのようにソーシャル・ディスタンスの維持を目的として新たに提供するという話は耳にしたことがなく、大いに参考になる取り組みです。

図8:空いている車両を選んで乗車することのできるアプリ(左:車両ごとの混雑具合、右:混雑具合のレベル)...ザ・トラック

図8:空いている車両を選んで乗車することのできるアプリ(左:車両ごとの混雑具合、右:混雑具合のレベル)

アプリを提供しているtransit社は2013年にカナダ・モントリオールで創業した会社で、日本でいう乗換案内やNavitimeと同様のサービスをアプリとして提供しています。対象地域はアメリカとカナダだけでなく、アルゼンチン、オーストラリア、フランス、ドイツ、アイスランド、イタリア、ニュージーランド、スウェーデン、イギリスの10か国であり、全227都市をカバーしています。

図9:Transit のアプリ...ザ・トラック

図9:Transit のアプリ

同社の新型コロナ関連サイト(https://transitapp.com/coronavirus)には、彼らがサービス提供している各都市における公共交通の需要の変化が一目でわかる情報が掲載されています。(図10)に示したのは新型コロナ発生前と比較して需要の落ち込みがどの程度発生したかを示すグラフです。4月15日時点の情報ですが、90%という最大の落ち込みとなっているサンフランシスコ周辺地域を筆頭として多くの都市で8割前後の落ち込みとなっていることが分かります。

図10:発生前と比較して公共交通の需要が大きく落ち込んでいることを示すグラフ...ザ・トラック

図10:発生前と比較して公共交通の需要が大きく落ち込んでいることを示すグラフ

ロックダウンによって見直される自転車利用

ロックダウンが行われている多くの都市では、鉄道やバスの減便が行われています。また、路上にあるコインパーキングの利用禁止など駐車に関する規制を導入している都市も数多くあります。このような状況の中、エッセンシャル・ワーカーの人たちを中心に利用が増えているのが自転車通勤です。モスクワ、ワシントンDC、オースティン、ニューヨーク、ボストンなどの都市ではエッセンシャル・ワーカーに限定してバイクシェアを無料で使える制度を導入しています。

図11:エッセンシャル・ワーカーには無料で貸し出されている NYC のバイクシェア...ザ・トラック

図11:エッセンシャル・ワーカーには無料で貸し出されているNYCのバイクシェア

クルマの通行量が減り、自転車利用が増えていることから、臨時の自転車レーンを整備する動きも出てきています。ニュージーランドでは臨時の自転車道を整備するための費用の9割を国が補助する制度を打ち出しています。また、ベルリンでは自転車ライダー同士のソーシャル・ディスタンスを確保するため自転車レーンを一時的に拡幅する取り組みが行われています。ロックダウンが行われている都市では、ジョギングやサイクリングが市民の息抜きとして広まっていることもあり、自転車レーンの増設はサイクリングしたい住民へのサービスの一環としても行われるケースもあるようです。

図12:自転車レーンの一時的な拡幅が行われているベルリン...ザ・トラック

図12:自転車レーンの一時的な拡幅が行われているベルリン…ザ・トラック

車道を封鎖して息抜きのための歩行者天国を作る

前述の自転車道とも関係しますが、フィラデルフィア、ニューヨーク市、ミネアポリス、デンバー、などでは車道を一時的に封鎖し、歩行者や自転車などの専用道として開放する動きが進んでいます。通勤を目的とする場合もあるようですが、どちらかというと市民が息抜きできるように出歩ける場所を増やすという目的の方が多いようです(図13)

図13:息抜きのための歩行者天国...ザ・トラック

図13:息抜きのための歩行者天国

道路のあり方を考え直す取り組みとしてもう一つご紹介したいのが、ロンドンの渋滞税(Road Pricing)の免除です。ロンドンでは市内中心部の混雑を解消するため外から中心部へと入る車両に対して1500円程度の渋滞税を課してきましたが、エッセンシャル・ワーカーを対象に3月23日から期限を定めずに渋滞税の免除を打ち出しています(図14)。
図14:渋滞税免除を打ち出したロンドン...ザ・トラック

図14:渋滞税免除を打ち出したロンドン

接触感染を減らすために押しボタン信号を自動に切り替え

道路に関連する取り組みとして次にご紹介したいのが信号の話です。市内の交通量が大きく減っていることから信号が切り替わるタイミングを変更している都市が数多くありますが、それと同じく多くの都市で取り入れられ始めているのが横断する際に使われている押しボタン信号の自動モードへの切り替えです。日本でも横断歩道のみの信号などで押しボタン信号が使われていますが、「押す」という操作そのものが接触感染のリスクを高めることもあり、一定のタイミングで信号が切り替わる自動モードへの切り替えはいずれ必要になる可能性があります。(図15)で紹介しているのはオーストラリアのシドニーのケースです。

新型コロナ対策に関する海外における様々な取り組みをご紹介してきました。ここまででも日本では行われていない対策ばかりであり、改めて海外の取組の規模やスピード感に驚かされるばかりです。しかし、実は紙面の関係で収まらなかった情報がまだまだ残っており、続きは②として次回に紹介させていただきます。その頃には国内での感染が収まっていて海外を参考にした取り組みの必要性が無くなっていることを願うばかりです。

図15:押しボタン信号を自動に切り替えたシドニー(左:切替前、右:切替後)が提供するPCR 検査場への配車サービス...ザ・トラック

図15:押しボタン信号を自動に切り替えたシドニー(左:切替前、右:切替後)が提供するPCR 検査場への配車サービス

まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムが実施

自動運転車両による「住宅地における路車間通信」実証実験をまちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムが実施道路側センサーが自動運転車両に交差点情報を提供し 「 右折」等の円滑化と安全確保を検証。

小型トラック「日野デュトロ」を改良働き方改革に寄与するオリジナル特殊車両

日野は、商用車メーカーの社会的責務として安全技術の開発・普及に取り組んでおり、小型トラックにおいては一般道における交通事故の低減に取り組み、安全装備を拡充してきた。

最近のアメリカeトラックの動き③

アメリカで〝トラック〟の名称は、日常の足として使われる〝①乗用車代わりのピックアップ等〟と貨物輸送目的の〝②物流用トラック〟の双方に使われるが、此処では勿論②について採り上げる。今回は3、4月号に続く連載3回目として、アメリカの電動化eTRUCKの動きを総括してみよう。