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【IAA2016リポート2】アイディアで拡がる商用車の世界

TheTRUCK2016年12月号20
トラックの規制緩和と違法車両の取締り強化について講演する
礎司郎輸送事業部長
トラックの規制緩和と違法車両の
 取締り強化について講演
 11月14日㈪、来年6月に開催を予定している
2017『TTSショー』の企画説明会を東京都トラック
会館で、約60名の関係者を集めて開催しました。
 企画説明会に先立って、公益社団法人全日本ト
ラック協会の礎司郎輸送事業部長が「トラックの規
制緩和と違法車両の取締り強化(〜これからの物
流とトラック輸送への影響〜)のテーマで講演、凡
そ以下のポイントを指摘しました。
  ※  ※  ※  ※  ※
 最近、特殊車両の大型化、レーラ化が話題に
なっているが、その背景にあるのは、「道路の老朽
化対策」で、道路に著しい影響を及ぼさない範囲
では規制を緩和するが、悪影響となる違反車両に
ついては、規制を強化すると同時に取締や罰則も
強化する方針になっている。
 まず規制緩和については、特例8車種等バラ積
み緩和トレーラが主な対象になっている。年代順に
改正の要点を上げると次のようになる。
○平成27年5月1日車両保安基準法令改正
 トレーラ特例8車種に係わる軸重、総重量、長
さに関する緩和
○平成27年6月1日車両制限令通達改正
 トレーラ特例8車種に係わる特殊車両通行許可
に関する軸重、長さの緩和、及びトレーラ橋梁照
査適用車両の拡大
○平成27年12月25日車両保安基準法令改正
(誘導車回転灯の緩和)
 幅及び連結全長の制限を超えるレーラを誘導
する車両への緑色点滅灯火の装着
 使用者の拡大(誘導契約等を締結している事業
者等の自動車の緩和)
 ※特例8車種等ばら積み緩和レーラ等は対象外
○平成28年1月25日車両制限令通達改正特車
ゴールド制度
 ETC2.0を活用した通行許可の簡素化(通行経
路選択自由化、許可自動更新等)
 一方、規制強化については全ての大型車が対
象になる。
○平成27年2月23日
 重量が基準の2倍以上の悪質違反者への即時
2017『TTSショー』企画説明会を開催
商用車展示会の新たな取り組みに激励の声
欧州最大の展示会
“IAA”
(ハノーバー)を目指す

TheTRUCK2016年12月号21
2017『TTSショー』の開催概要を説明する横路運営委員会代表
告発
○平成27年3月1日
 車両制限令違反者に対する行政処分(車両停
止)新設
○平成29年4月1日(平成28年10月1日一
部見直し)
 車両制限令違反者に対する大口・多頻度割引
き停止措置の見直し(高速道路6社)を行う。
  ※  ※  ※  ※  ※
 礎部長は、以上の要点を示したあと、個々のテー
マについては、国土交通省の図表など交えながら
詳しく解説しました。このTTSショーの説明会に
出席した多くの人は、規制緩和と規制強化の実態
について詳しく知る人は少なく、レーラを中心に輸
送実態が大きく変わる現実と取締および罰則の強
化にも驚きの様子を見せていました。
 また、最後には来年3月に新設される“準中型
免許”にも触れ、運転免許制度の見直しが行われ
た経緯や新たに加わる車両総重量3.5トンから7.5ト
ン未満の準中型車が果たす役割にも言及しました。
TTSショー企画説明…
 既に開始している来場者誘致
 続いて、TTSショー運営委員会の代表として、
筆者が『TTSショー』の概要を説明しました。
 冒頭、TTSショーは本年10月に予定していた
2016NIPPONトラックショーの延期に伴い名称を
変更したものであること、延期については出展者と
協議の上決めた事などを説明しました。
 次に、TTSショーを開催する為に、これまでに取
り組んだ2年半の経緯を説明しました。この中で1
年間にわたって毎月行った政治家へのインタビュー
の目的が「トラックドライバー確保のためには待遇改
善が必要で、そのためにはトラック運賃の底上げが
絶対不可欠。であったこを説明しました。
 この政治家インタビューは本誌に連載したもので
すが、トラック事業者が荷主と運賃契約をする場合
には書面化することや女性ドライバー(トラガール)
の雇用促進にも貢献しています。
 この政治家インタビューを通じてトラクショー開
催の必要性強く感じ、2015年2月号で“トラック
ョー開催”を表明、2015年から本格的な準備に
入ったのですが、先ず取り組んだのが、来場者誘
致のための下地づくりでした。
 過去30年に渡ってトラックショーを開催した経験
で、来場者の7割は関東圏のトラックユーザーで
あることが明らかになっていますので、主催者と
て協力を求めなければならないのは、関東圏のトラッ
ク運送業界です。
 そこで、開始したのが東京都トラック協会を皮切
りとした、トラク協会長対談でした。今回の説明
会では、関東8県と新潟、静岡、愛知の合計11
のトラック協会長対談の様子を画像とともに紹介しま
した。
 BtoBの展示会で最も難しいのは、出展者の顧
客となる来場者をいかに多く確保するか、という事
ですが、この対談によって、関東を中心とする11
のトラック協会がトラックシーに協賛することになり
したので、非常に大きな成果であったと言えます。
 現在、国土交通省は道路インフラの保護やドラ
イバー不足に対応するためにレーラ化を促進して

TheTRUCK2016年12月号22
「TTSショーに期待している」(伊藤慎介社長)約60名が出席したTTSショー企画説明会
いること、またユ−ザーニーズがメーカーに届きにく
い時代になっていることから、トラック・レーラの展
示会の必要性も訴えました。
 TTSショー開催のためのここまでの取り組みを
概略紹介のあと、幕張メッセの会場や出展対象、
出展料金などについて説明(27ページ)、2017年
1月末日までの申し込みに限り出展料の10%の特別
割引をあることも強調しました。
TTSショーに期待…伊藤慎介氏
 TTSの『S』はSPECIALVEHICLEの頭文字
を引用したものですが、ここではトラックに限らず“特
別な車両”を意味します。とくに、環境問題では
電気自動車や燃料電池自動車が注目されています
が、高齢者がますます増加することから安全・安
心の面から“自動運転”も注目されています。
 今回は、自動車に対する価値観を大きく変える
取り組みを見せている㈱rimOnOの伊藤慎介社長
(元経済産業省)もこのTTSショーに関心を寄せ
て頂いていることから、rimOnO(リモノ)の開発
経緯や開発に伴う課題をお話し頂き、TTSショー
への期待が大きい事もお示し頂いた。
 説明会が一通り終わったところで、質疑応答に
移ったが、報道関係から「従来のトラックショーと
の違い、TTSショーが目指すものは何か。の質
問があったので、筆者は概ね次のように回答しま
した。
「約30年に及ぶトラックショー開催は、冷凍車や
ウイングボデー、車両運搬車など車体産業の発展
に大きく貢献したと自負している。しかし、トラックの
ビジネス環境が大きく変わる中でメーカーの“開発”
に対する取り組みも大きく変わってきた。欧州でもア
メリカでもモーターショーを上回る商用車の展示会
が開催されている。欧米に出来ているのに何故日
本で出来ないのか。これは顧客に対するメーカー
の取り組みに問題があると考えている。最近、トラッ
クユーザーの多くがメーカーの対応に不満を持って
いることを耳にしている。メーカーとユーザー間の
コミュニケーシンが不足していることに原因がある
と思う。欧州の展示会は“新車発表の場”ではな
い。二年に一度の交流の場となっている。従って、
わざわざ会場に足を運んでくれるユーザーにはメー
カーのップが勢ぞろいで歓迎している。日本が商
用車で欧米並みになるためにはドイツで開催されて
いるIAAを見習うべきだと考えている。
 今回のTTSショーの説明会は、過去のしがら
みを払拭して、ショーの必要性に重点を置いた点
が良かったようで、多くの出席者から激励の声を頂
いた。
(横路)
2017『TTSショー』企画説明会を開催

TheTRUCK2016年12月号23
主催:特装車とトレーラ展運営委員会
http://www.truck-x.com
開催ご案内
会場:幕張メッセ国際展示場
会期:6月8日(木曜日)
6月9日(金曜日)
6月10日(土曜日)

TheTRUCK2016年12月号24
 戦後の復興、バブル経済とその崩壊、全国で度重なる自然災害、環境破壊とその再生、経済のグロー
バル化の中で起きたリーマンショック等々…この70年間、揉みくちゃにされながらも世界トップレベルの近
代社会を築いた日本。しかし、その背後には国民の生活を支えるトラック輸送や土木・建設等に活躍
する特装車、安心・安全をサポートするサービス車両など様々な種類のトラックがありした。
 走る、曲がる、止まる…この自動車の基本機能だけでは“働くクルマ”は完成しません。荷物が濡
れたり汚れたりしないようにする為には荷箱が必要だし、野菜や冷凍食品を運ぶためには荷室の温度
管理も必要です。また、液体や粉粒体を積載する為にはタンクが必要ですし、高所や低所での作業に
は伸縮するブームと油圧装置、それに積載物を乗せたり降ろしたりする為にも様々なアイディアが考案さ
れ実用化されています。
 トラクはこの自動車機能と車体機能が一体となってはじめて物流や作業現場で活動できます。この
“物づくり”を支えているのが、自動車メーカーと車体産業界、そして各種の部品や材料を供給する企
業です。
 一方、このトラックを使用して事業を展開する最大ユーザーは全国で6万3000社にも及ぶトラック運
送事業者です。そして、このトラック運送の主な事業対象は衣・食・住に関わる物づくりの荷主です。
 しかし、このトラック輸送に今、大きな変化が訪れようとしています。トラックの運転者不足です。
 年々加速度的に進む少子高齢化による労働力不足は、トラック運送に限った事ではありませんが、経
営難で運転者に充分な待遇が出来ない事業者が多い運送業界を、若い世代が敬遠する傾向が強いこ
とや、若者の自動車に対する関心が薄れている事などが主な原因です。国は対策として、女性労働力
の活用や高齢者の労働年齢の引き上げを呼びかけていますが、俄に効果が上がるものではありません。
 トラックの運転者不足で荷物が滞って困るのは荷主と国民です。既に荷主の一部ではその対策が検
討されていますが、事態は深刻です。
 TTSS特装車とレーラ展は、各種トラックの展示がメインとなりますが、同じ会場で荷主、トラックユー
ザー、メーカーが交流するフォーラムやシンボジウム、講演会も開催します。
 TTSS・特装車とレーラ展は、荷主とトラックユーザー、そしてユーザーとトラック産業界が交流する
場として提供するものです。
 トラックは広域化など販売環境の変化によってユーザーニーズがメーカーに届きにくい時代になってい
ると言われています。荷主、ユーザーそしてメーカーが一堂に会することで、新時代の幕開けの一助
となることを期待するものです。
 関係者各位のご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます。
株式会社日新
代表取締役社長横路美亀雄
働くクルマに新風を吹き込もう
荷主、トラックユーザー、メーカー交流の場

TheTRUCK2016年12月号25
【会期・会場】
1.名 称 「2017・特装車とトレーラ展」
(英文名:TRUCKTRAILERSPECIALーVEHICLESHOW2017)
《テーマ》 日本のトラック、走れ未来へ。
      少子高齢化時代に夢を育む3日間
2.会 期 2017年6月8日㈭、9日㈮、10日㈯の3日間
3.会 場 幕張メッセ 国際展示場1ホール(6,750㎡)&屋外会場
4.主 催 特装車とトレーラ展運営委員会
5.出展対象①国内大型トラックメーカーおよび海外トラックメーカー
②車体・特装車メーカー及びトレーラメーカー
③トラック・トレーラに関連する機器、部品、材料  
④トラック運送用品
⑤トラック輸送に関係する安全・環境機器およびシステム
⑥その他、運行管理ソフトなど
6.来場者対象 トラック運送事業者、企業の物流関係者、トラック産業関係者、トラック産業およ
び物流に関係する学生(招待)、海外関係者および報道関係者など(約5万人を予定)
【講演会およびシンポジウム】
国土交通省をはじめトラック運送に関係する官庁の講演
政治家、官僚、荷主を交えたシンポジウムで運送経営の課題を討論
関東圏のトラック協会長を中心とした「トラック運送の未来と課題」をテーマに公開討論会
■特装車とトレーラ展運営委員会
 代表:横路美亀雄(㈱日新)
■後  援:国土交通省・経済産業省・
公益社団法人
全日本トラック協会
(予定)
■協  賛:一般社団法人東京都トラック協会一般社団法人神奈川県トラック協会
一般社団法人千葉県トラック協会一般社団法人埼玉県トラック協会
一般社団法人栃木県トラック協会一般社団法人群馬県トラック協会
一般社団法人茨城県トラック協会一般社団法人山梨県トラック協会
公益社団法人新潟県トラック協会一般社団法人静岡県トラック協会
一般社団法人愛知県トラック協会  
(以上、予定)
特装車とトレーラ展運営委員会
〒104ー0061 東京都中央区銀座2ー11ー9 三和産工ビル7階(㈱日新内)
TEL03ー6278ー8905 FAX03ー6278ー8906
http://www.truck-x.com
Eメールyokoro@nissin-news.co.jp
2017特装車とトレーラ展開催概要

TheTRUCK2016年12月号26
展示ホール
展示ホール
展示ホール
③④⑥⑦⑧
①ホール
会場
6,750㎡
屋外展示場
中央エントランス
幕張メッセ空撮
1ホール屋外展示場
会場案内幕張メッセ
国際展示場1ホール(6,750㎡)
会場付近見取図
メッセ
駐車場
海浜
幕張駅
幕張イベントホール
国際
会議場

TheTRUCK2016年12月号27
●屋内展示場
5m
5m
25㎡
●屋外展示場
10m
5m
50㎡
*上記の出展料は税別です。ご請求時に消費税分を加算させていただきます。*「屋内・スペース渡し」は国際展示場1ホール(屋内会場)の設定とな
ります。*出展申込み受付期間は2016年(平成28年)11月1日から2017年(平成29年)3月31日(特割は2017年(平成29年)1月31日
締切)までとなります。*特別割引は出展料の10%引きとなります。*床面耐荷重は屋内・屋外とも5t/㎡です。*「基礎小間渡し」の出展料には基
本的なシステムパネルの施工費用が含まれています。*出展位置(会場レイアウト)は、使用面積、来場者動線及び消防規定等を考慮して主催者側で
決定します。*展示スペースが予定の規模に達した場合は、出展受付期間内であってもお申し込みをお断りする場合があります。
〈電車でご来場の場合〉
JR京葉線ー海浜幕張駅(東京駅から約30分、蘇我
駅から約12分)から徒歩約5分。
JR総武線京成線ー幕張本郷駅(秋葉原駅から約40分)
から「幕張メセ中央」行きバスで、約17分
〈バスでご来場の場合〉
高速バスで成田空港より約40分。
 京成バスURL:http://www.keiseibus.co.jp/
〈スペース渡し〉基本図
〈基礎小間渡し〉
基本図
出展区分 ペー 料金(円) 単価(円) 展示エ
A 屋外ペース渡 10m × 5 50㎡ 280,000 5,600 屋外展示場
B 屋内ペー 5m × 5 25 400,000 16,000
1ホ
C 屋内基礎小間渡 3m × 3 9㎡ 190,000
21,000 1
幕張メッセ アクセスガイ
【スペース渡し】は、仕切りパネルなど事務局側の施工はありませ
ん。複数のブロックを連続して利用する場合、屋外(50㎡/1ス
ペース)は長手10m面を接続する横付けが基本となります。屋外
(25㎡/1スペース)の組み合わせは原則自由ですが、会場レイ
アウトの都合上、ご希望に添えない場合もあります。(複数スペー
スを使用する場合は申込書に組み合わせ図をご記入くさい)
【基礎小間渡し】は、システムパネルを事務局が施工します。基
本的なパネル施工はバックパネルと左右のサイドパネルになりま
す。複数小間を利用する場合は中間パネルは施工しません。出
展料に基本的なシステムパネルの施工費用が含まれています。
2017特装車とトレーラ展開催概要

TheTRUCK2016年12月号28
会場内会議棟の下には各
社のEV試乗車が待機。
1日の予約が10時頃には
全て埋まる盛況ぶりだった
コネクティヴィティ・・つ
・・・・
ながる車
 今回は、先ず、前回の結びの部分で
予告した「コネクティヴィティ:つ
󱡢󱡢󱡢󱡢
ながる
車」について欧州の主要各社の取り組
みを見てみよう(表5参照)。
 自動運転分野での応用は別にして、
トラックの保守管理、積荷に関する顧
客満足度、運行管理の高度化を通じて
収益性の向上、などを視野にインター
ネットを利用した「コネクティヴィティ
󱡢󱡢󱡢󱡢
ながる車」の実用化が本格化するこ
の時期に、自社ブランドを付けて普及
に弾みを付けようとする動きが今回の
IAA2016で見られた。
 ダイムラー社の場合は、メルセデス
プロMercedesPRO〟と称する。ダイムラー
は全世界で地域毎に強いブランドを使い分けている
から、夫々のブランド(例えば日本やアジア、欧州
66
IAA2016
商用車展
リポート
(第2回)
〝Connectivity:情報の積極的活用
アイディア次第で拡がる商用車の世界〟
商用車に関して言えば、コネクティヴィティは広義の安全性と効
率向上をソフト面から支える技術。つ
󱡢󱡢󱡢󱡢
ながる車、と訳されること
が多いが、アイディア次第で応用範囲は広範だ。車及び乗員が
インターネットやGPSを通じて外部との情報交換が時々刻々(リア
ルタイム)に利用でき、使い方次第で運行の安全性や業務の効
率化が享受できる仕組みといえよう。
西 襄二
世界の商用車研究
(表5)コネクティヴィティConnectivityについて各社の「ブランド」は・・
出典:各社の展示及びプレスリリース
メーカー
コネクティヴィティに
制定されたブラン
備  考
ダイムラーDaimler
メルセデスプロ
MercedesPRO
世界で展開する車両ブランド毎
に独立ブランドで展開。但し、
プラットフォームは共通
マンMAN
マン リオ
MAN RIO
Scaniaとも共通の
プラットフォームで展開
スカニアSCANIA
 (この方面向けの
ブランドは未発表)
(自動運転、隊列走行に注力)
ダフDAF
ダフ コネクト
DAFCONNECT
米PACCAR社が近く
方向性を示す?
ボルボVOLVO
ボルボ コネクテッ
ヴィークル
CONNECTEDVEHICLE
アップタイムの極大化を訴求
ボッシュBosch
コネクテテッドホライズン
ConnectedHorison
システムサプライヤーの立場で
IoTクラウドにより世界共通のプ
ラットフォーム化を目指す?

TheTRUCK2016年12月号29
ダイムラー社は〝Connectivityつながる車〟のシステムに〝PRO〟のロゴを
冠した
その〝PRO〟に多様な機能が乗せられることを示す展示。上段左から
「DigitalDriverʼsLogドライバーの運転挙動記録」、「Maintenance
Management車両保守管理」、「VehicleOperations配車管理」、
「FleetCommunication車両間/車両事務所間通信」、中段左
「SafetyCoach安全運転指導」、中断右「VehicleSupervision車
両状態評価・管理」、下段左から「SafetyMonitor安全に関わる車両
データ」、「Eco-coach燃費改善指導」、「EcoMonitor環境性能モニ
ター」、「Rheft&AssetManagement燃料及び車両盗難防止管理」
などなど・・
MercedesPROを搭載したトランスポーターが時々刻々と現状報告したり指示を受けている様子を図解したもの
でのFUSO、アメリカのFreightlinerなどを冠した
***PROとして展開することが予測される。
 MANの場合は単に〝RIO〟だ。基本システムは
VWグループ内で共通に展開する。グループ内の
SCANIA系で展開する場合も同じブランドが用いられ
る模様。
 DAFの場合は常識的なネーミングである(表5参
照)。
 BOSCHの場合は一次(Tier1)サプライヤーの立
場で世界標準のIoTクラウドを構築提供して世界標準
を目指している。
 ネーミングは違っても、システムを導入し利用を展
開する目的は各社でほぼ共通している。即ち、
〈整備時期の最適化〉車両の走行距離、主要装置
の整備指標(整備基準に記載されている車を安全
かつ正常を維持してゆく為の重要な項目)を搭載さ
れたセンサーを通じて車両管理部署にリアルタイ
ムで送信し時機を逃さず整備するタイミングを運
転者に知らせる、或いは整備者に指示を出す。
〈安全運転支援〉運行中のドライバーの運転挙動を
センサーで記録し、危険な運転(急ブレーキ、急
ハンドル、ふらつき、車間距離の異常接近、など)
をリポートして安全運転を指導する、燃費を実測
して経済的な運転を指導する。
〈配車・運行計画の最適化〉複数の貨物積み卸し地
点間の荷動きに対する配車の最適化、顧客サービ
スレベルの満足度向上、
積載率引き上げ・売上げ
増進・運行コスト低減。
 などが見込まれている。全
ては車両保有全期間を通じ
て生ずるコスト(TCO:Total
CostofOwnership)を極
小化し、稼働率(Up-time)
を極大化し、もって利益の極
大化を実現させる究極の目
標に向けての手法だ。
 考えて見ると、こうした業
務改善をITの活用で行おう
とする動きは我が国では10
年以上前から段階を追って
進化しつつ実用化されてお
り、殊更目新しさを感じない

TheTRUCK2016年12月号30
MANのスタンドの新製品プレゼンは、記者席の前以外の各所の展示
車の前でおこなわれるので、こしてモニターで中継するのでした・・
MANのスタンド中央部に、全長13mを超える巨大な液晶パネルを搭
載したセミトレーラを据え、MANがコネクティヴィティの為に新たに立ち
上げたブランド〝RIO〟についての説明を繰り返していた
巨大な液晶画面に、次々に〝RIO〟の機能が映し出されていた
今回は入場時に申し込む〝GuidedTourガイド付き会場案内〟が頻繁に
利用されていた。1組10名位の人数でヘッドフォンを通じて要所の展示
解説が聞ける
Volvoは車両管理を木目細かく行うことを通じて、不測の故障で稼働出
来ない時間(ダウンタイム)を撲滅する機能を訴求していた
かもしれない。例を挙げれば、宅配便のサービスで
荷物の現時点の所在が何処にあるか、などの追跡サー
ビスは既に当たり前化している。
 しかし、近年の進化はアイディア次第で大量のデー
タ処理が可能になり(これまではベテラン担当者の勘
MANの展示から
 MANが立ち上げたコネクティヴィティに冠する新
ブランドは〝RIO〟であることは前述した。2017年明
けからROの本格普及に乗り出す。特徴は次の様に
表されている。
全てディジタル化されたデータを目的に応じて処理
し、ドライバーと車の動き、積載貨物の動きなど
配車と運行管理に経済効率を重視した方策を示す
包括的多機能システム。
に頼ってきた仕事が見えるようになり)、その解(ソ
リューション)を活用する科学的手法に移行している。
従って、先行メリットに油断は禁物である。速やかに
従来から使われてきたシステムを必要に応じてアップ
デートすることが求められと考えるべきではないか。
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号31
MANのスタンドでもConnectivityの説明を丁寧に行っていた。燃費
のいい運転、安全な運転などの助言活動も親切なサービス・・
MANのTGX車。キャブはフェイスリフト(デザイン変更)で押し出しが強
なった印象。トヨタが先鞭を付けたバンパー上下のデザイン処理に似
ている
一般公開の初日、早く会場に立ち寄った来場者にはリンゴが無料で振
る舞われた
近寄って見るとMANのロゴが。木に成っている間にマスクをかけたのか
しら?
eMobilityはEVの普及を意味するMANの造語。大きな液晶モニター
にfahrenとあるのは英語のdriveに相当し、画面はEVの駆動装置
構成を示している
自社製車のみならず競合関係にある他車でも利用
が可能なオープンシステム。
物流の世界で効率性と透明性が格段に進む。
VWトラック&バスグループの中でMANがRIO
の実用化で先陣を切る。
 RIOは系列を超えて物流の世界でなら誰でも利用
可能なオープンなシステムで、クラウド経由で互いに
つながる。このシステムは使い込むほど賢くなってゆ
くので、年間に40回程度はアップデートして進化し
てゆくだろう。2017年に入れば本格的に動き出すこ
のシステムは、MAN製のトラックには標準装備とし
て搭載出荷される計画である。そして、順次、VW
トラック&バスグループ内で普及を進めることになる。
MANの車両展示
 最も注目すべき新製品はMANブランドの小型バン
及びトラックの登場であった。
 TGE型シリーズがそれで、彼の地ではトランスポー

TheTRUCK2016年12月号32
一方の主力エンジンD3876LF型。総排気量15.2L。MANの自動
車用ディーゼルエンジンとしては最大モデル
リデザインされたTGX車のインテリア。モニター画面は大きなった
主力エンジンの一つ、D2676LF型。総排気量12.4L。排出ガス基準
EURO6cはフェーズcのことで、2019年9月1日以降製造される新車
に適用される
ターとしてカテゴリーが確立している。そして、従来
製品よりやや大ぶりの製品の市場成長が110%を超
えていることが参入の大きなきっかけになっている。
 新登場のTGE車はポーランドに開設した新工場で
組み立てられ供給される。グループのVWブランドの
姉妹車もここで製造される。VWが手掛けてきた小
型バン・トラックより一まわり大きく、積載重量は1.5
トン(車両総重量3.5トン未満)まで許容し荷室容積
も一段大きく設定されている。エンジンも新設計の
 勿論、この分野ではVWが長い歴史と経験を積み
重ねてきた。その強みを活かしてエンジニアリングは
VWが担当している。MAN車の販社ではこれからは
VWブランドのバン・トラックではなく自社ブランド製
品を扱えることに誇りをもって邁進するだろう。勿論、
このシリーズ車にもRIOは搭載される。
 中南米地域でVWが展開してきた大型トラック及び
バスについては、MANのスタンドの一角で展示され
ていた。引き続きユーザーに親しまれてきたVWブラ
ンドでの営業展開を続ける。
大型トラックTGX、燃費効率に
磨きをかける新エンジン2機種
 大型トラックはフェイスリフトを施されたキャブの
黒色部分で当社のマスコットである〝Lionライオン〟
を一層目立たせた。TGL、TGM、TGS、TGX
などがシリーズ車を構成しパフォーマンスライン
Performancelineと呼ばれる。路線運行車などに
多用される旗艦車のTGXに設定されているエフィ
シェントラインEfficientlineでは、従来の第二世代
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号33
車が第三世代車に生まれ変わった。
 各世代車は夫々の標準仕様に調整され、ミュンヘ
ンを始点・終点とし、広域ヨーロッパ6か国(ドイツ、
オーストリア、スイス、フランス、イタリー、スペイン)
4,000kmの路上実証走行テストを行い、同行の認
証機関テュフ・スュッドにより第三世代車は第二世代
車と比較して6.35%の燃費効率改善が公認された。
 これを支えたのは先ず新エンジンD26型及び
D38型だ。コモンレール式ディーゼルでEURO6基
準に対応するが、排出ガス浄化システムとしてSCR
を改良している。
 次に、軽量化対策として燃料タンク、エアタン
ク、ホィール等のアルミ化を行い、リターダーを標
準装備としている。加えて、エフィシェントライン3
(Efficientline3)では新たに交通状態と地形情報
に基づき〝予測制御〟を可能としたクルーズコントロー
〝エフィシェントクルーズEfficietCruise〟を採用
し、実証走行テスト時にもこれを利用した。また、
緩い傾斜の下り坂や登り下りが連続する道路などでギ
ヤをニュートラル状態のフリーホィーリングで走らせる
〝エフィシェント・ロールEfficientRoll〟システムも
採用されている。
磨きを掛けたAMT自動化機械式
トランスミッションTipMatic
 更に、ティップマティックTipMaticと名付けられ
た12+2速(標準の前身12速に加えクローラー用
2速を加えた)27DD型AMTに加えてギヤ比1:2.53
のハブ・トランスミッションなどが積載重量や走行条件
に応じて可能な限り一番燃費の良いエンジン回転領
域を使えるようにギヤ比の選択を自動的に行う。こう
した高度にインテリジェントなパワートレーンの総合性
能が良好な燃費をもたらす。
 TipMaticには予め想定した5種類の稼働条件が
プログラムされている。即ち、フリートFLEET、プ
ロフィPROFI、オフロードOFFROAD、エマージェ
ンシーEMERGENCY、コレクトCOLLECTの5つ
のモードである。
FLEETモードは、長距離運行時に適したプログラ
ムで、安全にかつ燃費性能重視の自動変速を行う。
1台の車を多くのドライバーが交替で乗務するような
台数持ちのフリートユーザー向けに最適なおまかせ
モードといえよう。急加速を要求するキックダウン機
能は原則として封鎖されている。ソフトウエアが不要
と判断すれば、2段から3段のギヤをスキップして上
の段にシフトアップするなど、賢い操作を行う。
 これに対しPROFIモードは、対照的にキックダウ
ンを積極的に用いることが出来る。登坂路などで比
較的エンジンの高回転域を使って速い速度で走り、
下りに入ったら直ぐに低速段に切り替えるなど、いわ
ば攻めの運転を可能としている。但し、燃費に悪影
響を与えない範囲で・・。
OFFROADモードでは、高めのエンジン回転域で
高速段に切り替わるプログラムを採用して駆動力を確
保する。登坂から降坂に切り替わる場面で比較的低
速段に留まっているから、エンジンブレーキが有効に
働く。COLLECTモードは塵芥車向けに設定されて
おり、頻繁な発停、作業時のPTOの利用などに適
したプログラムとなっている。
EMERGENCYモードは消防車や救急車、災
害救援車など緊急用途車向けにプログラムされてい
る。他の交通状況を注視しつつ急加速させるなど、
頻繁なギヤチェンジが行える。いずれのモードもスイッ
チ操作で選択可能だ。
 MANのTipMaticAMTは、車の用途によって基
本的に2種の仕様に分類され、夫々の用途で最適な
性能を発揮するようにプログラムされている。バス用
にも応用される。
eTruckコンセプト車
 TGS型大型のセミトラクタをEVに改装したコンセ
プト車はMANとして初の出展だった。都市内の配送
用で、セミトレの最大積載量は18トンを想定してい
る。EVバスへの展開も意識している。2012年来、
車両総重量26トンの大型塵芥車のEV化モデルの試
験運用を通じて蓄積したノウハウを反映させている。
 MANは都市内配送の相当部分は夜間配送にシフ
トする可能性も想定しており、走行中はエミッション
フリーで、かつ、静かな車の需要が増えることを念頭
に今後この方面にも注力するという。駆動用モーター
出力は250kWで最大トルクは2000Nm、バッテリー
は容量35kWhのリチウムイオン型で、1充電レン
ジは50〜100kmと発表されている。必要に応じて
@35.3kWhのバッテリーパックを増設するとレンジ
を大きくすることも可能。今後更に実証試験を重ね、

TheTRUCK2016年12月号34
VWブランドの大型バス「マルコポーロMarcopoloVialeBRS」。サトウキビ由来のバイオディーゼル燃料で運転できる仕様。南米等の地域で稼働する
VWブランドの大型トラ
「コンステレーション
Constellation」
2021年から市場投入が計画されている。
 バスのEV仕様車の開発も進められており、
2018年から試験的な販売を開始し、2020年より
前に本格市場投入の予定である。こうしたEV車展
開は、MANトラック&バスグループのeモビリティ
eMobility戦略として一定割合の需要にしっかりと応
える姿勢を明らかにするものだ。
LNG車&ハイブリッド車
 MANの展示では、更にLNG車とハイブリッド車
が見られた。商用車専業としてぬかりなく全方位の開
発を進めていることをアピールした。そして、多様な
パワーソース(エンジン)を受けてトランスミッションに
ついても改良が進められている。
VWブランド車
 中南米向けに親しまれているVWブランドのトラッ
ク及びバスは、しっかりした基本性能と手頃な価格帯
で途上国や新興国向けに引き続き展開される。展示
車は、トラックではCNG車、バスではバイオ燃料仕
様車など地域の要求に応える新技術を搭載して注目を
惹いていた。
 VW本体の展示はMANのスタンドに隣接する隣
のいつもの12号館であったが、IVOY2017賞を
受賞したクラフターCrafterがVWのトランスポー
ター群の最上位兄貴格として加わったその年に栄え
ある受賞となって花を添えた。写真と共に先11月号
24頁に記事も掲載したのでここでは重複を避けて割
愛する。
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号35
SCANIAの旗艦トラックSシリーズ車。ITOY2017賞受賞で勢いづくフロントパネル回りは4枚ドアで大きく開けることができる
スカニアSCANIAの場合
 VWトラック&バスグループの一角で存在感を示す
のがSCANIA車だ。世界で唯一、商用大型トラック
でV8大排気量エンジンをEURO6に適応させて搭
載し市販する。
 当社が長年培ってきた営業戦略は、顧客層が夫々
の運輸事業を通じて極大利益を実現出来るように支
援することだ。しっかりした性能と耐久性に裏付けら
れ、他社よりやや高めの価格設定に見合う利益を実
現し、下取り価格も業界の水準の上位で顧客の期待
に報いる、そうした実績によりブランド・ロイヤルティ
を高く維持することで根強いファン顧客層を確保して
きた。これは今も変わらないSCANIAの営業戦略で
ある。
ITOY受賞のSCANIA車
変速時のストレスを解消
 SCANIAのAMTは〝オプティクルーズOpticrui-
se〟と名付けられているが、他社の例でもかつて見ら
れたように、変速時に時間を要し熟練した運転者に
とっては自分が行う変速操作より時間がかかって何を
もたもたしているのか、とストレスを感じたものであ
る。今回、レイシャフト(カウンターシャフト)に変速
時ブレーキを作用させ、次のギヤのかみ合わせを0.4
秒で完結させることに成功した。
 変速所要時間の短縮はAMTの重要なキーポイン
である。大型トラックでもデュアル(2枚1組の)クラッ
チによる解決策を採用するボルボのような事例もある
が、SCANIAが新たな方式で課題を解決したことは
興味深い。これでパワートレーンに一層磨きがかかっ
たといえよう。
 余談だが、AMTの先駆けは実は日本であった。
いすゞ自動車の乗用車初代アスカ車及びジェミニ車
等で試行されたのが世界で最初である。この車を運
転した筆者の経験でも、変速時のクラッチ切断状態
の時間が長いことが違和感として印象に残っている。
このシステムは制御系の改良を重ねて、今日のスムー
サー系AMTに継承発展している。
 一方、2000年頃の欧州のトラック用AMTでも変
速所要時間が3〜4秒かかっていたことを当時の現
地での試乗で経験しており、同じ課題を抱えていたこ
とを思い出す。AMTの普及に欠かせない制御系の熟
成が近年のITの進化で実現したことは間違い無い。
SCANIAのパワートレーン・
バリエーション
ディーゼルエンジンの長所は長距離運行車にとって
はまだまだ他の方式に代えがたい。但し、化石燃料
にいつもまでも頼り切っていることは環境負荷の低減
の観点から許されない。SCANIAはこうした課題に
バイオディーゼル燃料を全機種で利用可能としてい
る。その場合、エンジンオイルにもバイオ由来の製品
(特殊処理Hydro-treatedを施したヴェジタブルエ
ンジンオイルHVO)を用意して、排出ガス後処理シ
ステムへの負荷を極限まで小さくすることを心懸けて
いる。
 その他、トラック及びバスでLNG車、バスにハイ
ブリッド車など多様なパワートレーンを提供している。

TheTRUCK2016年12月号36
SCANISシリーズ車に設定されたクラウン(王冠)バージョン。
北欧で多用される原木輸送用架装だ
Gシリーズ車に設定されたLNG車。
キャブ前方左右直下の死角を監視するカメ
が新設された
液化メタンガスのタンクは勿論断熱構造だ
Pシリーズ車に設定されたハイブリド仕様。サイレントモードを設定してあり、電動モーターで走行させると
外部騒音が72db以下となる夜間騒音規制に適合する。架装は三菱重工製ノーズマウント型冷凍機を
搭載した配送用冷凍車
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号37
旗艦車FH16。以前は円の中にVOLVOを配し右上から左下に襷をか
けたロゴはラジエータグリル内に配していたが、近年のモデルはグリルの
上部に移動している。ユーザーによってはここに自社の車名などを記入し
たい向きもある
D16K型エンジン。FH16型車用、最大で出力750PS/トルク
3,550Nmを発揮する
Volvoのスタンド。プレスデイのこの日は全体が見渡せた
ボルボVolvoの場合
 ドイツの運輸企業フェーレンキュッター社(本社:独
デュッセルドルフの北北東約100km。農業用車両・
機械、車両搬送等に特化した運輸大手)において、
欧州で販売されている大型トラックで同じ仕様(セミ
ラクタ+セミトレ)の7銘柄車を2年6ヶ月間、実際の
営業運転に用い主として燃費性能を独有力業界誌「ト
ランスアクチュエル」(同誌は友好関係にある組織と
して複数の認証機関をもつ)の管理のもとに競った結
果、ボルボが最優秀成績を納めたという。この実績
の上に立って、ボルボは実用燃費性能で他車を凌駕
する特色があることを今回のショーでアッピールして
いた。なお、上記の実用試験に投入されたボルボ車
は、ショーに出展された製品より一世代前のモデルで
ある。
エンジン及びパワートレーンの更なる改良
 FH型車向けの旗艦エンジンというべきD13型
ディーゼルエンジンでは、最高出力420PS及び
460PS両仕様機で更なる燃費向上を目的に圧縮比
を高めたモデルに進化させた。また、500PS及び
540PS仕様機ではターボチャージャーの仕様を変更
している。
 パワートレーンのもう一方の重要コンポーネントであ
トランスミッションについては、発売以来、常に他
社からベンチマーク機として注目されて15年目とな
るi-Shiftは、直近の出荷実績でボルボ車の95%に

TheTRUCK2016年12月号38
デュアルクラッチ搭載のiShiftの作動の仕組みを表すイラスト図。赤色で表す
系統と緑色で表す系統の2系統が交互に作動して変速時間を限りなく短くする
最新の重量車向けに1Shiftに追加されたクロウラーギヤ。超低速2段
が組み込まれており、前進用クロウラー1(青色)のギヤ比は32:1、同
じくクロウラー2(黄色)のギヤ比は19:1(オーバードライブギヤ付き(本
イラストには画かれていない)の場合は17:1。リバースギヤ(赤色)でも2
段選択可能で、減速比は最大で37:1となる
Volvoが15年の市場実績を誇る最新デュアルクラチ搭載のAMT=iShift
世界の商用車研究
搭載されるまでに普及が進んでいる。直近のトピック
スとしては、ご案内の通りデュアルクラッチの採用、
そしてヘヴィーデューティ仕様車向けにクロウラーギ
ヤの採用などが挙げられる。
 駆動軸のファイナル減速比はより小さめに設定さ
れ、低いエンジン回転でも高速走行が可能である。
〝アイアン・ナイトIronKnight〟
大型トラック世界最高速記録挑戦車
 ボルボがパワートレーンの主軸に据えるD13型
ディーゼルエンジン及びi-Shift(AMT)のポテンシャ
ルの高さを実証する目的で企画されたのが、大型ト
ラックによる世界最高速度記録挑戦車〝アイアン・ナイ
トIronKnight=鉄の騎士〟である。
 D13型エンジン本体のブロック部分及びデュアル
クラッチiShiftの主要部分のみ量産車の部品を使
い、その他は全て手作りの一品生産のレーストラック
である。
 エンジン最高出力は実に2,400PS!、最大トルク
は6,000Nm、出力/車両重量比は0.5PS/kgと
発表されている。iShiftユニットについては、クラッ
チディスク及びプレッシャープレートは補強されていた
が、その他の部分は量産車用のまま使われたという。
 停車状態からの発進加速で計測区間500m及び
1,000mにおける所要時間と夫々の区間の平均速度
で、FIA(国際自動車連盟)公認の新記録をたたき
出した。記録は、500m区間の所要時間が13.71
秒=131.29㎞/h、1,000m区間では所要時間
21.29秒=169㎞/hであった。
 ボルボは過去にもFIA公認のスピード記録に4回挑
戦しており、停車状態からの発進加速スタートで同じ
要領で走行した場合の記録だが、2011年に〝Mean
Green〟と命名されたハイブリッ(ディーゼルエンジ
ン出力1,800PS+300PS電気モーター搭載)車
で、500m区間の走行速度記録が115.3㎞/h、
1,000m区間記録が152.2㎞/hであった。

TheTRUCK2016年12月号39
スピード記録挑戦車「アイアン・ナイトIronKnight」。エンジンをミッドシップに搭載。詳しくは本文参照
トラックレースで30年の経験を持つドライバーのボイジ・オーヴァーブラインク氏
ルノートラックス
RenaultTrucksの場合
 現在はボルボトラックスグループの傘下にありフラン
スに本拠を置くルノートラックスは、かつてその長距離
運行用旗艦車マグナムMAGNUM車において1990
年代にいち早く大型トラックのトールキャブで床面が左
右方向に平面をなす仕様のデザインを世に出し、長く
その独自性で独走してきた。今回のIAA2016展で、
遂にこれに追従する製品がMAN車から発売されたこ
とは強く印象に残る出来事であった。
 そのトール/フラットフロアキャブを採用する後継車
はTマキシスペースTMaxispaceHighEdition
である。前回(2014年)のIAA商用車ショーの機会
にITOY2015賞受賞車として展示されたことは記憶
に新しい。
 建設用途のKシリーズ車はその堅牢さを誇示す
る為にトラックも参戦する世界的に著名なダカールラ
リー、かつてのシルクロードを辿るシルクウェイラリー
などの出走車を展示して来場者の興味を曳いていた。
 筆者が注意を惹かれた展示の一つに、ルノート
ラックスのスタンド(17号館・A21)の500㎡ほど

TheTRUCK2016年12月号40
ルノーRenaultの新旗艦TMaxispaceHighEdition車。前回のIAA2014商用車展を機械にITOY2015に選出されたモデルのフェイスアップ仕様
RenaultD18Wide車に積載されたMasterトラック
ルノースタンドの一角に設けられたカスタム車工房。初日は外装品が殆ど外された状態であったが、終期が近づくにつれて仕上げにかかっていた
ダカールラリーやシルクウエイラリー出走車。遊び心を忘れないルノーの
一面をここに見た
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号41
ルノー(乗用車)のスタンドでは軽量バン・トラックのマスター車シリーズが展示された
イヴェコIVECOのスタンド。派手な色使いはイリー人の心?
のスペースにカスタムトラック工房〝僕のトラック工房
PimpMyTruck〟が開設され、スヴェンプンケ、マ
ルセルバルトなどの職人達が会期中の全時間を使っ
て、特注車の組み立てを行うというIAAの史上でも
初めての展示を行った。ルノーの血を引く企業だけに
遊び心を随所に表した展示企画は他に類を見ないも
のであった。
 バン及びそのトラック版はルノー(乗用車)からの
出展であるが、販売面では協調して互いに補完して
いる。
 以上、世界規模で商用車ビジネスを展開するビッグ
スリー(ダイムラー、VWトラック&バス、ボルボトラッ
クス&バス)の3大グループの展示を見てきた。
イヴェコIVECOの場合
 イヴェコのスタンドでは、大型トラックのコンセプト
車が一際明るい照明で目立っていた。将来の長距離
運行用トラックはかくありき、とイメージして自動運転・
隊列走行などの実用化でキャビンに求められる機能も
随分と変わる模様である。
 IVECOもディーゼルエンジンの改良に余念は無い
が、現実的代替エネルギーとしての天然ガスへの転
換に最も力を入れているメーカーの一つだ。ユーロス
ターEUROSTAR車ではCNG及びLNGのサプラ
イヤーと協調して普及に努めており、この方面の実績
では他車を牽引していることを力説していた。
 トランスポーターのカテゴリーに入るDaily車で
は、電動化も視野に意欲的な展示が見られた。

TheTRUCK2016年12月号42
IVECOが力を入れるCNG車。長距離運行用旗艦Stralis車にも設
定された
イヴェコIVECOのコンセプトトラック。運転の自動化が進むとドライバー
のキャブ内での挙動も大いに変わるか
IVECODAILY車ベースEV。
IVECOユーロカーゴRUROCARGO車に架装された側方開口ボディ。
ヨーロッパでもこの方式の便利さが少しづつ浸透しているようだ
世界の商用車研究

TheTRUCK2016年12月号43
ダフDAFのスタンド。
旗艦XF特別仕様車
は他の展示車から一
際目立つ白色塗装で
展示された
主力エンジン。左=PX-7型、右=PX-5型DAFの代表的パワートレーン
旗艦XF車の市販デイキャブモデル
ダフDAFの場合
 当社はアメリカのパッカーPACCAR社のグルー
プに属しオランダに本拠を置くが、欧州発のトラッ
クテクノロジーをアメリカにも花開かせる重要な役割
を演じている貴重な存在である。展示エンジンには
PaccarEngineの名称が冠せられているが、近年
の垂直統合ビジネス展開を指向する動きの中でグルー
プに欠かせない存在となっている。今回の展示では、
PX-5及びPX-7の2機種が新型として燃費改善4%
を目玉として注目されていた。
 出展車は当社のコーポレートカラーでもある明るい
ブラウン系に統一ペイントされ、基調テーマとして〝輸
送の効率化DAFTransportEfficiency〟を掲げて
基本4車種(XF、CF、CL、LF)を展示していた。
次号では、ボディ架装、トレーラ等の注目された展示
を採り上げる。
(次号に続く)

最新 業界トピックス
広大な中部トラック総合研修センター(上空写真)
TheTRUCK2016年12月号
44
「天・地・人」の教えを大切にして
 運営に取り組む
 中部トラック総合研修センターは、愛ト協が運
営する施設として、平成3年4月に開設されて
いるが、新しい時代に適合した研修内容にするこ
とを目的にリニューアルすることになり26年に着
工、27年8月には宿舎棟のシングルルーム26
室や適正診断室、運転シュミレーターなどの施設
が整う管理研修棟が完成、更に今年3月には運
転練習コース、実技研修棟、全天候型フォークリ
トコースも完成、運用を開始していた。今回は、
今年3月に着工した屋内実技練習場と第1駐車
場が完成、グランドオープンとなったもの。
 完成記念式典の冒頭、小幡鋹伸愛ト協会長
は、今後の研修センターの役割などについて凡そ
次のように述べた。
※  ※  ※  ※  ※
 本日はお忙しい中、大勢の皆様にご出席賜り心
からお礼申し上げます。
 この中部トラック総合研修センターは、私より5
代前の前田源吾さんという素晴らしい会長さんの
提唱で作られたもので、我が国トラック輸送の安
全と環境、それに人材育成などで20数年にわた
り大きな役割を果たして来た施設であります。しか
し、施設の老朽化が進む一方で、時代の要請に
応える為には狭くなったこともあり、約2年余りを
かけて全面リニューアルに踏み切ったものです。
 私は物事に取り組む際に「天・地・人」の言葉を
大切にしております。この研修センターに於きまし
ても同じであります。即ち「天」と申しますのは、前
田源吾元会長が全国に先駆けてこのように立派な
施設の必要性を提唱されたから今日があるのであ
りまして、けっして現代の我々だけで出来ているも
のではないという事です。
 それから、我々トラック事業者は軽油引取税の
払い戻しとして、交付金を国から受け取っています
が、この交付金は全国でも愛知県が一番沢山頂
愛知県トラック協会
中部トラック総合研修センター・
グランドオープン
全国のトラック研修センターのお手本に
安全性向上・健康増進・災害対応・生産性向上の4テーマ
愛知県トラク協会(小幡鋹伸会長)が二年余りの歳月をかけてリニューアルを
進めてきた中部トラック総合研修センターは、施設補完整備事業が完了、
グランドオープしたことから11月1日、星野良三全日本トラック協会会長、
大村秀章愛知県知事、田端浩国土交通省国土交通審議官など多数の来賓を
招いて、施設完成記念式典を行った。

「天・地・人」を引用して挨拶する小幡鋹伸愛知県トラック協会会長
TheTRUCK2016年12月号45
いています。これは、どういう事かと申しますと、
愛知県が産業でも全国一番で、それだけトラック
が活躍しているという事であります。もちろん、我々
も頑張っていますが、こういう事は永い歴史の上に
成り立っているという事で、この点を強く自覚しな
くてはなりません。
 次の「地」でありますけれども、愛知県は日本
列島のド真ん中に位置しております。この研修セ
ンターも高速のインターから5分の位置にありま
す。その他の面でも、この研修センターは極めて
恵まれた場所にあります。これは地の利という事で
御座います。
 そして「人」ですが、これはいわゆる人(ひと)
あります。実は、ここが一番大切なところであり
ます。愛知県トラック協会は、現在会員が2250
社、約8万5000人のトラックドライバーがおりま
す。管理者も含めますと約10万人が愛知県トラッ
ク協会の関係者であります。この全ての皆さんが
「天」「地」をよく踏まえて頑張って頂く、ここが
一番大切な点であります。本日ご出席頂いており
ます皆様は、それぞれ立派な方ばかりでございま
して、是非皆様のご支援を頂いて頑張っていきた
いと願う次第で御座います。
■安全性向上・健康増進・災害対応・
 生産性向上
 では、この研修センターでどういう事をやるの
か、その点について少しお話させて頂きます。
 前田元会長がこの研修センターの必要性を提唱
されました第一の目的は『安全』であります。この
安全につきましては、我々もこの20数年間あらゆ
る方法で取り組んで参りまして、その成果もあげ
ております。その事を踏まえまして、この研修セン
ターが今後どのような役割を果たしていくか、とい
う事ですが、大きく分けますと次の4点であります。
 先ずは「安全」です。これは今更申し上げるまでも
なく、我々事業者の絶対的な使命であります。この
安全性を更に向上させていく事が第一であります。

最新 業界トピックス
ト協が考案したドライバー体操」を披露
TheTRUCK2016年12月号46
 次が「健康」であります。我々は長生きするたけ
ではなくて"健康"で長生きする。この点が大事
であります。この健康につきましては、これまで
は取り組んでいないテーマでありますが、安全を
確保する為には、先ずこの業界で働く人が健康
でなくてはいけません。健康でなければ安全な仕
事は出来ません。
 この健康につきましては、中京大学さんにもご
協力願って、70歳になっても健康で働けるように
する為にはどうすれば良いのか、皆さんと議論を
重ねながら取り組んでいきたいと考えております。
 その次が、災害への対応であります。これまで
も我々トラック事業者は全日本トラック協会が中心
になって災害発生時には、いち早く緊急物資の輸
送を行って参りましたが、この研修センターは、
その緊急物資集積拠点として活動できるように、
新たに全天候型の施設をつくりました。
 この施設は普段はフォークリフトなどの技能向上
であったり、運動を通して健康増進などに活用す
るものです。この施設も、先日緊急物資集積セン
ターとして活用することで、愛知県と提携させて頂
きました。
 4つ目は生産性の向上です。これは、トラック
の積載効率をいかに良くするか、荷役の為の待ち
時間をいかにしてなくするか、これは我々だけで出
来ることではありません。やはり、荷主さんの協力
なくしては出来ませんので、荷主の皆様と力を合
わせて、この研修センターの役割のひとつとして取
り組んで参りたいと思っております。
 以上、申し上げました4点、どのひとつを取りま
しても大変大きなテーマでありますが、皆様のご
支援を頂いて全国のモデルになるような研修セン
ターにしたいと考えております。
 本日は誠に有り難う御座いました。
※  ※  ※  ※  ※
 式典では多くの関係者から祝辞が述べられた
が、何れも小幡鋹伸愛ト協会長のリーダーシップ
を称えるものとなった。
 また、記念式典の後のパーティでは、愛ト協が
独自に考案したドライバー体操」が披露された。こ
の体操は、小幡会長が提唱している健康増進
も繋がるもので、出席者全員が軽快なリズムに乗っ
て身体を動かし、朗らかなムードで盛り上がった。
(秋林路)

大勢で一度に利用できるCRT適正検査室
全天候型のフォークリフトコースと倉庫・研修室。奥は管理研修棟
和室での研修もできる
実際と同じ運転を体感できる運転シミュレーション室
宿泊棟エリアは全部で26室
TheTRUCK2016年12月号47

TheTRUCK2016年12月号48
ドリームスデザイン社 奥村社長(右)、鳥羽専務(左)
第2回 日本のものづくりの
底力を日本人は活かしきれて
いないのではないか
    
伊藤慎介の“T
󱤋󱥄󱣱
alkI
󱣥󱣽
sC
󱤄󱥄󱤚
heap”
〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 
×
共同企画
 現役官僚時代である2013年4月に、ダイヤ
モンド・オンラインにおいて『現役官僚が提言!日
本のモノづくり衰退の真因は組織的うつ病による
「公私混同人材」の死蔵である』という刺激的な
タイトルで日本のモノづくりを論じた。
http://diamond.jp/articles/-/34702 
 90年代以降、パソコン、携帯電話、液晶テ
レビ、デジタルオーディオ、太陽光パネル、リチ
ウムイオン電池など、日本企業が強みを誇ってい
た分野において次々と国際競争力を失っていった
わけだが、その主な原因は戦略的なものよりも、
企業マインドによるものが大きいのではないかと
論じたのである。
 具体的には、デジタルオーディオプレイヤー、
スマートフォン、タブレットを生み出したアップル
の例を出し、アップルがあのような魅力的なプロ
ダクトを世の中に送り出せたのは、スティーブ・
ジョブズ氏が
󱢃󱢢
消費者として欲しいプロダクトの
イメージがあり、そのイメージを具現化す
べく本人のみならず、社員やサプライヤー
が一丸となってプロダクトの実現に向けて
努力したからなのではないかと述べたのだ。
 一方で、多くの日本のものづくり企業に
おいては、自らが「欲しい」と思えるプロダ
トを作らせてもらえる環境がなく、しぶし
ぶ会社のために「作らされている」という状
況が多いのではないか、その結果、作り手
が本当に「欲しい」と思って作っているのか
を疑問視したくなるようなプロダクトが増え
ているのではないかと主張したのである。
 ものづくりを一切やったことのない現役官
僚が、大企業を「うつ病」と呼び、多くの日

TheTRUCK2016年12月号49
起業から1年8か月後に完成したプロトタイプ
本製のプロダクトは「つまらない」と上から目線で断
じたわけだから、SNSなどでの批判は錚々たるも
のであった。「お前に言われる筋合いはない」「そ
んなことを言う前に役人としてやるべきことをちゃ
んとしろ」など散々な言われようであり、「炎上」
はまさにこのことだと肌で感じたものである。
 それから1年後、私は経済産業省から退官す
ることを決意し、超小型の電気自動車に取り組む
べく工業デザイナーの根津孝太と会社を立ち上
げることになった。まさに自ら「ものづくり」に取り
組むことになったのである。
 そして、起業から1年8か月後にプロトタイプ
が完成したわけだが、そのプロセスを通して日本
のものづくりを実体験し、その素晴らしさに心か
ら感激した。
 ものづくり会社の社長をやって2年経った
今、改めて言いたい。
『日本のものづくりに魅力が足りないのは、
「マインド」の問題である』と。
 そう思うことになった実体験を紹介していき
たい。
□設計から試作までを一手に引き受けて
 くれたドリームスデザイン社との出会い
 rimOnOを創業してから約2か月が経過した
2014年11月6日、私は顧問先からの依頼で
名古屋に出張していた。午前中に出張の主目的
である面談に参加した後、かつて航空機産業を
担当していた時に親しくしていた航空機の設計会
社の社長と久しぶりにお会いすべく金山駅近くの
インキュベーション施設に向かった。
 経産省を辞めたことや新しい会社を作ったこと
など一通り近況報告した後に、その社長から唐
突に「紹介したい人がいる」といって名刺交換し
たのがドリームスデザイン社の社長である奥村康
之氏であった。
 奥村氏は自らがシート設計のエンジニアであ
り、彼が経営するドリームスデザイン社はシー
ト、ボディ、内装や外装などクルマの様々なパー
ツを設計することが出来るエンジニアのプロ集団
である。同社は、主にトヨタ自動車系例の会社
から設計を受託することで成長してきたのである
が、奥村氏としてはこれまでの車両設計のノウ
ハウを活用してクルマ全体に挑戦してみたいと
いうことからrimOnOに興味を持ったとのことで
あった。
 私の名古屋での滞在時間が限られていたこと
からその場ではほとんど挨拶するだけで終わっ
てしまったこともあり、奥村氏はその後の11月
26日に私に会うためにわざわざ上京し、是非と
もrimOnOに関わらせてほしいという思いをぶつ
けてきたのである。
 影も形もない状態から、クルマのコンセプトづ
くりや意匠製作までが工業デザイナーである根津
の仕事とすると、その状態から作り手が作業でき
る図面までを作り上げるのが設計会社の仕事であ
る。そのため、設計会社はどういうクルマを作り
たいのかというコンセプトだけでなく、それを何
台作るのか、誰が作るのか、どうやって作るの
か、いくらで作るのかなど、生産に関わるあらゆ
る要素を満たしながらつまみ一つ、ボルト一つま
で詳細な設計を固めていくことが求められる。
 rimOnOは大手メーカーの量産車とは異な
り、前例や正しい方法があるわけでなく、作り手

TheTRUCK2016年12月号50
図1
図2
図3
や作り方も含めてゼロから考えなければならない
プロジェクトである。そのため、設計会社を選ぶ
際には、前述のような詳細設計に必要となる一
つ一つの要素について私や根津と一緒に考えて
くれる会社が求められていた。
 ドリームスデザイン社は、社長の奥村氏と専務
の鳥羽氏の二人が中心となり、相当な投資スタン
スで我々が悩んでいた様々な要素についてひざ
詰めで一緒に考え、一緒に答えを出してくれた。
 実は、設計会社としては他社にも声をかけた
のであるが、最初から最後までずっと付き合って
くれたのはドリームスデザイン社のみであった。
そして、彼らはrimOnOを形にする上で不可欠
となる試作会社の取りまとめや試作車の完成まで
を一手に引き受けてくれたのである。
□ドリームスデザイン社の粋な計らいが
 重要なデザイン変更につながった
 rimOnOは現在のプロトタイプまでに2度のデ
ザイン変更が行われている。
 起業当時である2014年9月頃のデザイン
は図1であり、布製のボディと可愛らしさを実
現すべく最初にデザイナーの根津が提案してき
たものだった。その前提で三次元図面として作
成されたのが図2である。私自身はこのデザイ
ンが気に入っていたのであるが、布製ボディを
自ら提案した根津としては、このデザインでは
ボディ構成が難しいのではないかと自問自答し
始める。
 そして、2015年4月に根津がデザインした
のが図3である。下部の図面にあるような骨格
に布を張っていけばボディが構成されるという構
造であり、以前のデザインと比較して縫製やボ
ディ構成が圧倒的に容易になっている。
 一方で、私としては可愛らしさが失われたと感
じており、このままでのデザインで進めるかどう
かを悩み始めていた。

TheTRUCK2016年12月号51
図4
図6
図5
デザイン変更の際の過程
 そのような中、設計の打ち合わせのために
2015年5月にドリームスデザイン社を訪れた私
と根津は突然のサプライズに驚かされた。なん
と、1:1スケールの模型が会議室に置かれてい
たのだ。
 奥村氏によると、現状のデザインのままで進め
るかどうかを悩んでいた私の気持ちを察し、車両
の全体イメージをつかみやすくするために、ゴー
ルデンウィークの休みを返上し、社員総出でホー
ムセンターなどの材料を使って手作りで完成させ
たというのだ。(図4)
 この粋な計らいに我々が感動したのは言うまで
もない。
 模型に乗り込むことで実物の具体的なイメージ
がつかめた根津は、図5のように、ホワイトボー
ドに可愛らしさと布製ボディを両立させる新しい
車両イメージのスケッチを描き始め、図面に修正
のラインを入れ始めていく。
 こういう過程を通して2度目のデザイン変更が
行われ、その翌月である2015年6月に現在の
デザインが誕生したのである。(図6)
□シート加工会社のビー・クラフト社が
 手掛けた「布製ボディ」
 紆余曲折を経ながら3度目でようやくデザイン
が完成したrimOnOであるが、果たしてこのク
ルマを実際に作ることが出来るのか、データで見
るような可愛らしさは本当に実現するのか、世の
中にない新しいプロダクトに挑戦している経営者
としては密かな不安を抱えていた。
 詳細設計が終わり、2016年の年明けから
rimOnOは製作フェーズに入る。
 布製ボディというこれまでにはない斬新なボ
ディの製作については、奥村氏が以前から親しく
していた愛知県豊田市のビー・クラフト社に依頼
することとなった。

TheTRUCK2016年12月号52
布製ボディの型取りの様子
出来上がったボディパーツ
ビー・クラフト社の永谷社長(右)と縫製を担当した森下氏
(左)
ブレイン・ストーミング社の佐藤社長(左)と塗装を担当して
下さった所氏(右)
 ビー・クラフト社は自動車用シートの型取り・
縫製・製作などを手掛けるシート加工会社であ
り、自動車用シートの技術・ノウハウについては
定評のある会社である。
 しかし、自動車用シートで数々の輝かしい実績
があるビー・クラフト社であっても、ボディを自ら
製作するのは初めてだったようである。
 奥村氏によると、rimOnOの布製ボディの製
作を持ちかけられたビー・クラフト社の永谷社長
は、面白そう、やりましょうと一つ返事で引き受
けたそうだ。
 しかし、実際
に布とウレタンで
ボディを構成しよ
うとすると曲線を
きれいに出すこと
が難しい。そこで
「理想を現実に」
すべく、奥村氏
と鳥羽氏がビー・
クラフト社の現場
に貼りついて縫
製を担当した森
下氏と共に何度
も試作を重ねて
一緒に作り上げ
たと聞いている。
□パチンコ台の樹脂パーツ屋さんが
 担当したrimOnOの樹脂部品
 歩行者にやさしく、環境にやさしい乗り物を目
指しているrimOnOは極力軽量化することを狙
いにしており、鉄で構成されたフレームと布製ボ
ディを除く部分は、樹脂をできるだけ多く活用し
ようとしている。
 クルマにおいてガラスに相当する部分はポリ
カーボネートという樹脂を活用している。また、
ドアノブやエンブレムは可愛らしさを出すために
専用の樹脂パーツを起こしている。
 これらの樹脂パーツの製作を担当して下さった
のが、愛知県一宮市にあるブレイン・ストーミン
グ社である。同社は主にパチンコ台に使われる
樹脂パーツの製作を本業とする会社であるが、
パチンコ業界における仕事で培った高い成形技
術に以前から着目していた奥村氏と鳥羽氏が是
非ともrimOnOに活用したいとお願いした結
果、rimOnOの樹脂パーツの製作を担当してい
ただけることになったようである。
 図7はrimOnOのドアノブに使われている樹
脂パーツである。このパーツだけでも可愛らしさ
を感じられるよう最新の注意を払って製作と塗装
が施されている。担当した所氏からは、何度も
試験塗装を行ったと教えていただいた。

TheTRUCK2016年12月号53
塗装されたドアノブと完成度を高めるために行われた試験塗装
著者紹介:
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国
家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、
有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝
太氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
図7
□rimOnOの開発プロセスを通して感じた
 ことは「ものづくりはコンテンツ」ということ
 最初は影も形もなかったrimOnOというプロダ
ト。それが、私と根津とのビジョンの摺合せの
結果、プロダクトデザインという形で産声を上げ
る。そこに設計会社のドリームスデザイン社が関
与することで機能面とデザイン面の両方で素晴ら
しい詳細図面が完成していく。
 そして、ビー・クラフト社、ブレイン・ストーミ
ング社などのものづくり企業がデザインや図面に
込められた思いを形にすべく製作し、プロダク
が完成する。
 重要なのは、この全体のプロセスにおいて、「ワ
クワクするプロダクトを世の中に送り出したい」
「カワイイと言ってもらいたい」という思いを全員
が共有してくれているという事実だ。
 rimOnOの完成後、たまたま通りかかった女性
陣がrimOnOを見て発した言葉が胸に刺さった。
「こんなに夢のあるプロダクトは久しぶりに
見た」
 こういう言葉をかけてもらえるの
は、rimOnOが単なるパーツの寄せ
集めではなく、関係者の思いがプロダ
トとして結実した「コンテンツ」だか
らだろう。
 今の日本ではコストを下げるために
ものづくりのプロセスを効率化すること
が染みついており、そのためにプロセ
ス全体を分業化し、各担当が淡々と作業して次に
渡すことに慣れ過ぎているように感じる。その結
果、消費者に「思い」の伝わらないプロダクトが増
えているのではないだろうか。
 しかし、rimOnOの開発を通して実体験したこ
とは、ものづくりとは「コンテンツ」であり、その
開発・生産に関わる人たちの思いの「結晶」であ
るということである。
そして、思いのあるものづくりを行う上で、この
国ほど恵まれた場所はなかなかないのではないか
ということだ。
 世間では自動運転、ロボット、AI、IoTなど、
ITやソフトウェアに力を入れるべきという論調に
あふれている。世界のトレンドについていこうと
いう気持ちは分からないわけではない。だが、
海外に強みのあるITやソフトウェアに追いつけ・
追い越せと取り組むことで本当に日本企業として
差別化できるのだろうか。
 rimOnOを通して2年間ものづくりに携わって
きた私としては、まずは日本のものづくりの底力
を見つめなおすべきではないだろうかと思ってし
まう。

TheTRUCK2016年12月号54
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑩
̶
NIKOLAONE(ニコラワン)

TheTRUCK2016年12月号55
石野 潔
コンセプトトラックORドリームトラック?‥‥
ゼロエミッション燃料電池クラス8トラクター
天然ガス電気トラックから水素燃料電池トラックへ変更し
12月1日にプレス発表‥‥1,000Hp本当なの?
内容は本原稿執筆時には間に合いませんでしたが
既情報からスケッチを描いてみた。
「ニコラワン」はCCJ誌はじめ米国トラック誌でも話題に取り上げられた代替えエネル
ギー使用のʻゼロエミッション未来型トラクターʼである。今年5月に驚きの車両諸元や販
売使用条件を初発表後、当初は自社所有の天然ガスを支給しタービン発電での電気供給
式だったが、9月には燃料を水素に変更し燃電池料トラックとして12月1日に発表すると
の情報があった。変更内容から本当に実車発表されるのか訝しがる関係者も少なからず
いたらしい。
当スケッチ原稿は発表前の情報を元に描いているので、スケッチが実車相当であること
を望みたい
・車両は販売せず全てリース。リース価格5,000〜7,000$/月(距離無制限)
・無制限の燃料代、車両補償と100万マイル/7年使用に早く到達した車両迄
のメンテネンス料金が含まれている。
・車両稼働用に水素供給基地は全米で56箇所設置。(2020年迄に)

TheTRUCK2016年12月号56
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑩
̶
NIKOLAONE(ニコラワン)
・車両はクラス8 6×4長距離用セミトラクター。
・GVW20ton、6電気モーター、1,000Hp、600Nm、アクスル類はメリトー
ル社協力、後輪スーパーシングルタイヤ、900㎏のシャシー重量軽減、水素
満タンで1,200マイルの航続距離確保。
・6×4電気回生&エアブレーキでディーゼル車の1/2の制動距離。
・最大95%効率の電気モーター、60%効率の燃料電池。
・キャビンはミッドキャブエントリーと称し、センタースライドア、フラットフロア、
2人乗り、2ベッド、最高級クラス8相当の内装設備を持つ、インパネを含め
てCFRP(カーボンファイバー)材を多用、15インチのタッチスクリーンで車
両稼働情報検索。
・詳細は12月1日予定の公式プレス発表で実車をご確認ください。

TheTRUCK2016年12月号57
ゼロエミッション燃料電池クラス8トラクター
全米で56箇所の水素補給基地を設置
800v冷却機

TheTRUCK2016年12月号58
トレーラのエアー式支持脚
伸長時縮 時
次世代長距離フェリー
オーシャントランス株式会社
髙松勝三郎代表取締役社長に聞く
昭和40年代の初めに、日本自動車車体工業会の有志によって
創刊された本誌は、昭和59年11月に第一回トラックショー
を開催するまでの間『特装車とトレーラ』の誌名で発行してい
た。高度経済成長で人手不足に陥ったわが国は、当時の運輸省
が中心となってトレーラによる大量輸送と長距離フェリーへの
モーダルシフトを促進した。その時流の真っただ中にあった
本誌は徹底的にトレーラと長距離フェリーを特集した。しかし、
バブル崩壊を機にトレーラ化もモーダルシフトも停滞、
長距離フェリー業界も大きな変遷を辿ることになる。その長距離
フェリーが今、トラックドライバー不足を背景に再びモーダル
シフトで注目されている。今回は、長距離フェリー業界で先陣を
切って次世代長距離フェリーを導入したオーシャントランス株式
会社の髙松勝三郎代表取締役社長に現在の取り組みを伺った。
エアー式ランディングに
補助金を出して普及促進
海上輸送への
モーダルシフトが
一気に加速

TheTRUCK2016年12月号59
「補助金を出してトレーラ補助脚はエア式に切り替える」と髙松社長
エアー式ランディングに
 期待
□秋林路 今日はお忙しいところ
有難う御座います。私は、昭和
40年代から50年代にかけて長
距離フェリー全盛時代にほとんど
の航路を体験乗船しましたが、現
在の航路は当時とずいぶん変り
したね。
髙 松 そうですね。長距離
フェリーが就航して既に半世紀に
なりますので業界も大きく変わり
した。
□秋林路 以前、東京港は日本
沿海フェリーなども使用して物流
で重要な役割を果たしていました
が、今はオーシャンランスさんだ
けになってしまいました。
髙 松 長距離フェリーはい
わゆる長距離の渡し船ですか
ら、専用船と違って人車一体で
す。ですから船内もお客様が楽し
く過ごせるように設計しているし、
車両も大型トレーラを一度に150
〜200両も積載できますから、物
流の役割も大きい訳です。しか
し、この半世紀で道路が整備さ
れ立派な橋も架かりましたので、
長距離フェリーの役割が変わって
きた事は確かです。
□秋林路 しかし今、モーダルシ
トで長距離フェリーが再び注目さ
れていますね。
髙 松 環境問題に加えて、
トラックのドライバー不足が深刻に
なってきましたので、昭和47〜
48年当時の状況が再現している
のです。
□秋林路 トラックドライバー不足
は少子高齢化が背景にあります
ので、今後ますます深刻化すると
思います。鉄道による貨物輸送
は限界ですので、モーダルシフ
で期待されるのはやはり海上輸送
です。
髙 松 私は昭和46年に入

TheTRUCK2016年12月号60
フェリー「しまんと」フェリー「びさん」
新しい機能を取り入れたオーシャン
次世代長距離フェリー
社しましたが、当時、賃金が上
がる要素は物価上昇に連動する
か、生産性向上しかなかった。
今でもよく覚えていますが、新入
社員には砂時計が与えられまし
て、電話する時は常に砂時計
をひっくり返していました。電話
は3分以内と決められていたの
で、お天気がどうの…などと言っ
てられない。用件を伝えたらさっ
さと電話を切ることが業務命令
でした。
□秋林路 私も同世代ですので
く分かります。電話代も高かっ
たし時は金なりであらゆる企業
が生産性向上に取り組んでいま
た。しかも一日の労働時間がやた
ら長かったし、お休みも殆ど無かっ
たですよね。
髙 松 そうです。私は1か
月の時間外労働が月160時間以
上ありました。勿論、土日も返上
だし帰宅するのも夜11時前はあ
りませんでした。ところが上司か
らは「能力は労働時間に反比例
する。時間外が長すぎる。と怒ら
れるんです。つまダラダラ仕事し
ていたのでは幾ら時間があっても
足りない、という訳です。あまりに
上司がうるさいので、自分で勝手
に時間外を20時間ほどカットして
報告しましたら、それはサービス
残業だと大問題になってしまいま
た。(笑)
□秋林路 確かに能力は個人差
がありますが、密度の濃い仕事を
長時間やれば生産性は飛躍的に
伸びます。
髙 松 当時は外航の担当で
したからBL(船荷証券)を発行
します。しかし、積荷情報が入
るのは夜8時を過ぎてしまう。BL
は翌朝9時の発行でしたから、
何百もの計算を夜通しかけてやる
ことになります。当時、手動の計
算機はあったけれどもパソコンも電
卓も無かった時代ですから、その
作業は人によって能力差が出るん
です。
□秋林路 当時は池田内閣の所
得倍増計画を進めていた時代で
すから、生産性向上が所得にも
反映されました。
髙 松 そうです。10年間で
給料を倍にする計画ですから、
経済も活性化するので人手も足り
なくなる。ちょど今と同じような状
況になっていたんです。
□秋林路 時代は繰り返すとい
いますが、今は少子高齢化が要
因だけれども、人手不足という意
味では同じですね。オーシャン
ランスさんは新造船を次世代フェ
リーと呼んでおられますが、作
業の効率化も図っておられるので
すか。
髙 松 船内作業も昔の人は
要領よテキパキと熟しましたが、
今の人は腕力も弱いし要領も悪い
ので、設備を近代化して効率を上
げるしかないんです。だから新造
船は車両をラシング(固縛)するの
もベルをセッしてボタンを押せば
エアーで自動的に締め付け出来る
うにしました。自動車のシートベル

TheTRUCK2016年12月号61
フェリー「どご」フェリー「りつりん」
トランスの次世代長距離フェリー
と同じ要領ですから、熟練者で
なくても安全にスピーディにラシン
グ出来ます。船は強力なエアーを
もっていますから、それを活用して
効率を上げている訳です。
□秋林路 でも積載するレーラ
の支持脚は、人力でハンドルを回
す旧式ですよね。狭い場所です
から、作業も大変だし労災も起き
かねません。
髙 松 そうです。こういう時
代にトレーラのランディングギア
人力でハンドル操作していたので
は、時間も無駄だしドライバーも
集まって来ませんよ。だから、今
回導入を計画しているエアー式ラ
ンディングには大いに期待している
んです。
過去の経験を活かして
 補助金を…
□秋林路 エアー式ランディング
は欧州で開発されたものですが、
トラクタのエアサスを活用してワン
タッチで行います。構造もシンプ
ルですから故障の心配もありませ
ん。新造船のラッシングが全てエ
アー化しているのに、トレーラの
脱着にかなり重労働が必要なギ
アー式がそのまま残っているのは
時代錯誤ですね。フェリー用レー
ラの支持脚はどの程度の強度が
求められるのですか。
髙 松 長距離フェリーは天
候によって異なりますが、常にロー
ングとピッチングを繰り返していま
す。大きな波に乗り上げた時は、
船体が大きく上下動しますから、
支持脚にも大きなG(荷重)がか
かります。これまでのランディング
ギアでは、片方15〜25トン、両
方で30〜50トンの耐荷重があれ
ば大丈夫でした。
□秋林路 先日、エアー式ラン
ディングを取り扱う株式会社ウイング
(千葉市若葉区、今井一男社長)
で、耐久データを見せて頂きまし
たが、片方で35トン、両方で70
ンをクアしていました。
髙 松 それだけの強度が
あれば大丈夫です。現在、天
候が荒れる時には、積載車両を
ワイヤーでラッシングした上に、
支持脚への負担を軽減するため
に、キングピンのところに「シャー
シー台車」をセッしています。エ
アー式ランディングの強度が両方
で100トン以上あると、もしかし
てこの「シャーシー台車」が必要
なくなるかも知れません。「シャー
シー台車」は一個4〜50万円し
ますので、200台分として1億
円、当社は4隻ありますので4
億円の設備が不要になるかもし
れません。
□秋林路 それは大きな金額で
すね。「シャーシー台車」は使用
しない時は、デッキの脇に置い
てありますが、作業の邪魔です
よね。エアー式ランディングの導
入は現在どこまで進んでいるの
ですか。
髙 松 いま1台のトレーラに
取り付けて実証テスを行っている

TheTRUCK2016年12月号62
ワンタッチ操作のエアー式ランディング
関係者が集まってエアー式ランディングの操作を研修
ワンタッチ操作のエアー式ランディングは目下テスト中(間もなく終了し
て本格採用へ)
船内でのトレーラ固縛は舩のエアーで簡単にできる
次世代長距離フェリー
ところです。12月中旬までには報
告書が上がってくる予定ですが、
今のところ問題ないので、次のス
テップでは先ず100セットを導入
の予定で、既に日本レクスと打ち
合わせを進めているところです。
これなら、ラガールでも高齢者で
も安全に操作できますので、ドラ
イバー不足にも貢献する筈です。
こういう時代だからこそ省力化は
絶対に進めなければいけないの
です。
□秋林路 私は車両側に立脚し
て、約半世紀にわたって出版活
動や展示会を開催して来ました
が、日本のトラックメーカーは欧米
がエアサスに切り替わっているの
に暫くは着手しないで板バネを使
用する時期がありした。道路事
情とか過積載とか色々切り替えに
くい背景はあったと思いますが、
当時からトラックの開発が欧米に
後れをとっていた事は確かです。
板バネでは車両の振動が積載物
に影響して品質変化を起こすこと
が荷主から指摘されて、一気に
エアサスに切り替わった経緯があ
ます。今回、トレーラのランディ
ングが長距離フェリーの船内作業
と関係してエアー化が求められれ
ば一気に切り替わる可能性があり
ます。
髙 松 余談になりますが…
実は長距離フェリーに乗る車両は
以前、平ボディ車ばかりでウング
車は無かったんです。平ボディ車
にシート掛けするのはドライバー
の負担も大きいし、時間もかかり
ます。この事が長距離フェリーの
運航にも大きく影響するので、私
は平成5年に「海上輸送の品質
向上」に踏み切った経緯があり

TheTRUCK2016年12月号63
従来のランディングギア(支持脚)操作は
重労働で時間もかかる
大きな揺れに備えてキングピンに固定するシャーシー台車(エア式補
助脚だと不要にになる可能性も…)
従来型のランディングギアは狭い場所での操作なので重労働で時
間もかかる
す。ウイング車への切り替えに当
社が補助金を出したのですが、
2〜3年の内にフェリー用トレーラ
は全てウイング車に切り替わりまし
た。
□秋林路 平ボディ車のシート
は、重量が60㎏以上もあるし
高所での作業ですから労災の
危険もあります。それで、品質
向上の為に補助金を出された訳
ですが、今回の手動ランディン
グギアをエアー式に切り替える際
にも補助金を出されるお考えで
すか。
髙 松 はい、そのように考え
ています。フェリー用トレーラは長
距離フェリー業界全体では1万台
以上あると思いますが、一般の既
存車も多いので、補助金を出すこ
とで一気に切り替わる事を期待し
ています。
□秋林路 その投資対効果は
フェリー会社にはどのような形で
現れるのですか。
髙 松 例えば、エアー化す
ることによってランディング操作が
1台当たり1分間短縮できたとし
ますと、180台(1隻の積載能力)
あれば時間の短縮です。船内だ
けではなくて陸上での作業もある
ので、その倍の6時間の短縮で
す。長距離フェリーは定期運航
ですから、出航が遅れても目的
の時間には到着しなければなり
せん。船は水の抵抗を受けて進
んで行きますので、スピードアップ
すれば多大な燃料が消費されま
す。それとは逆に、スピードダウ
ンすれば、省エネになります。も
し、一航海で6時間のスピードダ
ウンが可能となったら、年間では
何億円という単位の投資対効果
になる筈です。
トラックのドライバー
 不足にも貢献
□秋林路 それは大きいです
ね。それだけの費用対効果が見
込めるなら補助金を出す価値は
充分です。エアー式ランディング
は海外で考案されたものですが、
これほど優秀なエンジニアが沢山
いるのに、なぜ日本で考案されな
かったのか、悔やまれます。
髙 松 それは、この約30年
間日本はこれで満足という成功
体験に埋もれていたからです。こ
れで良い、と思ってしまえば新た
に開発する必要性を感じなくなり
ます。そういう時代に陥っていた
んですよ、日本は…。
□秋林路 エンジニアが顧客の
ニーズに応えるだけでよいと思い

TheTRUCK2016年12月号64
長距離フェリー「しまんと」への乗船を待つ沢山のトレーラ
次世代長距離フェリー
始めたら、新技術の開発は期待
できないし、経済成長が止まるの
も当然です。
髙 松 世の中はベターは
あってもベストはないのに、これで
良いと思ってしまうとベストを求め
ようとしなくなる。だから開発の着
眼点が見えなくなるんです。
□秋林路 私も進学の動機は自
動車エンジニアになる事でしたの
で分かりますが、エンジニアに開
発のロマンが無くなったら陸に上
がったカッパと同じです。
髙 松 この先、わが国の人
口は減る一方だから、近隣の人
工の多い国には国力ではかなわ
ない。でもひとつだけ方法があり
ます。それは一人当たりのGDP
を世界一にすることです。かつて
池田内閣が所得倍増計画を掲げ
て経済成長戦略を打ち出した時
も、国民が皆で生産性向上に努
力することでGDPが伸びた訳で
す。成功体験に甘んじるのではな
くて、今こそひとり一人が生産性
向上に取り組むべき時だと政治家
は国民に声を発しなくてはいけま
せん。
□秋林路 そうですね。池田内
閣は敗戦からの立ち直りを賭けて
いましたから、国民の士気を高め
る事に成功しましたが、一度成功
体験を味わうとそれがベストだと勘
違いするから、次のステップが出
にくいのですね。
髙 松 そうです。どんな時
代であってもベターはあってもベス
トはないんです。そこに気付かな
てはいけません。
□秋林路 時代は常に動いてい
るので、ベストだと思って留まって
いると周りに先を越されて、置い
てけ堀を喰らってしまう。やはり企
業も個人も同じところに留まってい
てはいけないという事ですね。
髙 松 一時、日本は一億総
中産階級と言われたことがありまし
たが、そうなると誰も頑張ろうとし
なくなるので、後は衰退するだけ
です。そういう意味では、日本は
これから衰退するのか発展する
のか、大事な時期に差し掛かっ
ていると思います。
□秋林路 そうですね、イギリス
のEU離脱、アメカの大統領選
の結果、シリアの問題など、世界
では「まさか…」という事態が現実
になっています。これは、世界の
価値観のバランスが狂い始めたか
らで、いわゆる潮目が変わり始め
た事を物語っているのではないか
と思います。こういう時期にオー
シャントランスさんは次世代フェリー
して、4隻の新造船を投入され
た訳ですが、その狙いはどこにあ
るのですか。
髙 松 先ほども申しました
が、我々世代は食生活が悪くても
60㎏の荷物を担ぐ体力があったけ
れども、今の人はムリだから船の
設備で補うしかない。船は強力な
圧縮空気をつくる事ができるし、
そのエネルギーは配管することに
よって必要な場所で取り出すこと
が可能です。これで省エネ、省
力、省メンテナンス化が実現して
いるのです。
□秋林路 トレーラの補助脚をエ
アー化するメリットは他にどんな事
が考えられますか。
髙 松 長距離フェリーを利用
する運送事業者は、当社にとって
はお客様です。エアー式ランディ
ングを促進することで、そのお客
様が困っているドライバー不足に
貢献するのは当然です。それと、

TheTRUCK2016年12月号65
「海上輸送用車両は“青ナンバー”にして優遇措置に…」(髙松社長)に大賛成の本紙・
秋林路(手前)
ここまでやれば、お客様との信頼
も大きなりますから、当社の航路
を利用する運送事業者も増えてく
る筈です。
□秋林路 船内での作業もギ
アー式とエアー式が混在していた
のでは、一元化出来ないので、
対策は出来るだけ短期間に実現
したい訳ですね。
髙 松 当面は1000台位の
補助金を考えているんです。と申
しますのは、当社のフェリーを利
用しているトレーラが概ね1000台
ですから…。
長距離フェリー用車両は
 “青ナンバー”にして
 優遇措置を
□秋林路 先ずは、オーシャン
ランスさんのお客様に補助金を出
すことになりますが、これは長距
離フェリー業界全体の問題でもあ
ますね。
髙 松 そうです。先ずは当
社が率先してやりますが、日本長
距離フェリー協会に所属している
同業他社さんにも一緒にやりませ
んか、と呼びかけるつもりです。
□秋林路 車両の方はトレーラ
メーカーだけではなくて、トラクタ
の自動車メーカーも真剣に受け止
めなければなりません。現在、エ
アー式ランディングで使用している
エアーはラクタのエアーです。こ
れまではサスペンション用に使用
するエアーとして設計されていると
思いますが、車両を脱着するた
めの動力源であるなら、エアサス
の強度や構造、圧縮空気を送る
ホースの形状やカップリングなども
早急に見直す必要があるかも知
れません。
髙 松 今、国土交通省はド
ライバー不足もあって、トレーラ化
を進めていますが、これは長距離
フェリーだけではなくて、物流全
体に関係する問題ですから、車
両メーカーさんの問題にもなってく
と思います。それで、このエアー
化には、国に対しても補助金を検
討して頂こうと考えています。レー
ラ化は国の方針として出ているの
ですから、それを促進する手段
に対して、補助金を出すのは当
然だと思う訳です。
□秋林路 最近、レーラの法規
が緩和されて、日本もやっとEUの
基準に並んだよに思います。日本
のトレーラ化はまだこれからです。
髙 松 これは持論なのです
が、主に海上を利用する車両
は緑ナンバーではなくて、青ナン
バーにして、優遇措置を講じて
欲しいと話しています。つまり、長
距離フェリーを利用する車両は、
船上では排ガスはゼロだし、交通
事故の心配もない。それなのに、
税金とか、保険とか、車検も緑ナ
ンバーと同じはおかしいのではな
いかと言ってるんです。
□秋林路 確かに、それは正論
ですね。長距離フェリーに乗船し
ている間は走行しないのだから、
荷物を載せた台車に過ぎません。
長距離フェリーを利用する頻度の
高い車両は青ナンバーにして優
遇すれば、自然にモーダルシフトも
進みます。海はブルーのイメージ
ですから緑に対して青ナンバーは
良いと思います。ただ、法規的に
は道路運送車両法の車両保安規
(国交省)と道路交通法(警察)
の改正が必要ですから、関係者
が参加する懇談会を立ち上げて
検討するのが良い結果が出るの
ではないかと思います。
 本日はお忙しいところ有難う御
座いました。

TheTRUCK2016年12月号66
ヤマト運輸が
導入する新規格の
バン型セミレーラ
フルトレーラの
車両見学会
澤田征二
宅急便の歴史
 40年前の、1976年に誕生した宅急便の初
日の取扱量は全国でたったの11個であったと
いう。
 それまでの家庭から出る小さな貨物は、当時
の国鉄の「小荷物」と郵便局の「小包」という名前
の官業による輸送サービスに依っていた。お上が

TheTRUCK2016年12月号67
「運んでやるから、窓口まで持ってこい」とばか
りのサービスに利用者はうんざりしていても、民
間の運送業者はこのビジネスは成り立たないと考
えて、手を出さなかった。しかし、この宅配便ビ
ジネスを社内の反対を押し切って「宅急便」とい
う登録商標で開業した小倉社長、それから40
年、その業績は添付のグラフのように伸びてきて
いる。
バリュー・ネットワーキング構想
 2016年11月8日『車両見学会』の名前では
あったが、会議室で配られた資料から読み取れる
のは、あらゆるものが「ネットワーク」に組み込ま
れて行く中で、物流もそれに合わせて進化して
行かなくてはならないという使命をこの言葉で表
したのではないだろうか? 

TheTRUCK2016年12月号68
 全国に散らばる6020か所の営業所(セン
ター)が集荷した荷物は夫々が所属する69か所
のトラックターミナル(主管支店:ベース)に集め
られる。 
 この69のベースをネットワークとして、集めら
れた荷物は行先毎に仕分けされて大型トラックに
積み込まれ、相互にベース間輸送をする。到着
した荷物はこれも配達先毎に纏めて担当するセ
ンターへ送り、そこから個別に配達する。
☆長年培ってきたこの仕組みは残して、ベース
間輸送を見直そうというのが新しいシステムの
基本。
(施設の名称について:業界の一般名称とヤ
マト運輸の使用している名称が異なるので、文
章は一般名称、カッコ内に『ヤマト言葉』を入れ
ました)
「流れ図」を見てもらえると判るが、現在のシ
ステムに乗せると基本的には荷物が送り先に届く
のは早くて翌日になってしまう。
 そして、ベース間輸送の大型トラックの運行は
基本が夜間走行、新しいトレンドになってきてい
「当日配送」ドライバイーの負担となっている
夜間走行が基本のルーティーンになっている。
 この2つを解決する事が『バリュー・ネットワー
キング構想』の基本のターゲットと考えられる。
「羽田クロノゲート」を中心とする、5か所の
ゲートウェイが営業所(センター)をネットワークす
るベースの上にあって、ベースは所属するゲート
ウェイに荷物を集めてゲートウェイ間は荷物が集
まり次第、多頻度で運行する。
 また、ゲートウェイは巨大な物流センターとし
て、ネット通販用の物品を在庫し「当日配送」
も対応する機能を持たせているという。
 今回の車両は、このゲートウェイ間に投入しよ
うとするものである。
 なお、「クロノゲート」『クロノ』はギリシャ神話
の時/時間を司る神:クロノスから採っており時間
短縮の想いが込められているものと考えられる。
☆まず、現在稼働している宅急便の仕組みの基本システムを説明しておかなくてはならない。

TheTRUCK2016年12月号69
トレーラの活用
「物流の合理化」というと必ず出てくる言葉が「大
型車両による大量輸送=レーラの活用」である。
 しかし、トレーラを運用するコストは、基本的
に車両代・燃費・ドライバーの給与・有料道路の
通行料と言った大型車に対するコストアップ要因
が存在する。
 それ以外にも金銭に直接表れないデメリットが
有って、それは時間である。大量の荷物を積む
には作業時間がかかるのは勿論、荷物が多いだ
けに、行先別の荷物の一部が渋滞などで遅れる
ことがあれば届くまでの待ち時間などが加味され
て納期がその分遅れる。
 一般的に、輸送業界としてトレーラが採用され
たのは、まずトレーラにしか運べないもの(重機な
ど)。次はバラ物と呼ばれるセメント・石油や自
動車。これらは基本的に大企業が生産する、同
一諸元の大量生産物で出荷と受け取り側に大き
なタンクや駐車スペースなどの大きなストック設
備が有る為に、運搬する車両が来ればすぐに積
み込みでき、到着すれば時間を掛けずに荷卸し
できる。大規模な事故や不況でもない限り輸送
計画は順調にこなしてゆける。
 しかし、宅急便が扱う荷物は全国津々浦々から
雑多なものがそれこそ津々浦々に向かう。トラック
ターミナル(ベース)での処理は前記のような簡単な
ものでなく、更なる進歩はピッキングやパッキング
移動・仕分け等の個々の物流機器の進化に合わせ
て行わなくてはならないが、ベース間輸送は別途シ
ステムの改善として考えなくてはならない。 
 それがクロノゲートとゲートウェイという、トレー
ラの能力を最大限に生かす多頻度・大量輸送シ
ステムという事になる。 
 先に述べた「トレーラによる大量輸送」を多頻
度で実現することが出来ればトータルでコストダ
ウンにも繋がり、当日配達も含めた納期短縮が
可能となる。
新規格のトレーラ
 単一車両の長さ限度は12mで変化はない

TheTRUCK2016年12月号70
が、連結車両は時代/海外法規に合わせて長さ
が緩和された。セミトレーラは16.5mから1m
伸びて17.5mに。フルトレーラは18.7mから
2.3m伸びて21mである。
 セミ/フルで全長が3.5mの差になるが、トレー
ラ/トラクタの諸元組み合わせ方によって曲がる
時の膨らみ方(直角旋回軌跡=直角に曲がる時の
曲がれる道路幅)はセミ:7.9m/フル:7.7mと
ほとんど同じになる。(道路の設計は、基本が1
車線3mで造られるから、片側2車線同士の直
角交差点(12m幅)では十分曲がることが出来
る。また、こういう道路はコーナが「隅切り」され
ているから、曲がるのに難しくはない。
 全長の長いフルトレーラ車両の方が膨らみの
小さい理由について説明すると、セミトレーラの
連結点(キングピン)はトラクタのWB間にあるか
ら、連結点は曲がる時にトラクタの後軸中心より
曲りの内側に入ってくる。
 そこで、トレーラの後軸はトラクタの後軸より
内側を回らざるを得ない、その分内側のコーナの
角にぶつかることになって広い道路幅を必要とす
る事になる。
 フルトレーラは逆に、連結点がトラクタの後軸
の後ろにあるから、曲がる時にトレーラの連結点
が外側に振り出される形になる。その分トレーラ
の後軸はトラクタの後軸の外側を回ることになっ
て、必要とする道路幅が狭くても良いという結果
になる。トレーラをドリー方式からセンターアクス
ル方式にしたことも効果を上げている。
(トラクタのWBはセミの方が圧倒的に短いの
で、その分上記の記述と相殺されて膨らみ方が
近い値となる)
トレーラの使い方
 ヤマト運輸の営業所(センター)からの積荷は
「1×1」サイズのロールボックスであるから、
荷台長が1m伸びれば大型車での積載量は2個
余分に積めることになる。
☆セミトレーラ連結車の方は全長の伸びはその
まま荷台長の長さの伸びになるから、1m伸び
てパレット2個多く積めることになる。
☆フルトレーラの方は、トラクタのキャビンをベッ
ドレスのショートキャブに/トレーラをドリー方式
からセンターアクスル方式にしてトレーラ・トラク
タの間隔を小さく/規制緩和の2.7mも加えて
合計3本×2=6本多く積める仕様を確立した。
 この様に、積載量(ロールボックスの個数)
増え、多頻度運行によって時間短縮ができる事
が最終的に大きく物流の合理化に繋がる。 
 フルトレーラの導入については、書面にはな
いが導入の理由の一つとして、厚木GW−中部
GW−関西GW間の輸送でトラクタに積む荷物と
トレーラに積む荷物を中部向け/関西向けで積
み分けたら効率は・・?というような発言もあった。
(GW:ゲートウェイ)
☆セミ/フル連結車両を厚木GWと中部GW
に1台ずつ導入して効果を検証したうえで、
2017年に更に関西GWへの導入を検討。更な
る効率化を図る予定。
 物流に当たって、量/時間/コストを指標とす
るのは当然であるが、その為に投入する機材、
物流センター/システム/車両/仕分けなどの
各種機器・・・の導入の相互の関連・作業員・
ライバーや時代毎の物流に対する業界の要望な
ど多くのファクターを勘案する為の検証はする必
要があると考えておられるようだ。
 今回、車両メーカはトラクタがいすゞ/トレー
ラを「フルハーフ」が担当した。これは、特別な
意味はない」とヤマトの発言が有ったがその通り
で、法規の規制一杯の車両造りはどこでもやっ
ていることで、トラック/トレーラメーカどこでも
手掛けることが出来る。
 厚木GWのある内陸工業団地にフルハーフが
工場を持っており、フルハーフといすゞ自動車は
工場間も近いし資本関係も有るからスタート時に

TheTRUCK2016年12月号71
諸元すり合わせ等に時間がかからない等のメリッ
トが有ったという事だろう。 
 島国で、国土の中央に山脈が有る国、日本で
は大都市や産業立地が海岸線に集中し重量物/
長尺物/大量輸送が船舶/鉄道と競合する物流
業ではトラックによる大量輸送がアメリカやヨー
ロッパのように主流になるのは難しい。
 しかし、今まで述べてきたように情報を含めて
ネットワークが中心になる社会では、時間のファ
クターが重要になるにつれて大量輸送と切り離し
が出来るトレーラの活躍場所が増えてくることにな
るのだろう。トレーラメーカの活躍に期待したい。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年12月号84
 古河ユニック㈱は、中型トラック搭載型クレーン『ユニッ
ククレーン』をフルモデルチェンジし、『URG370シリーズ』
『URG340シリーズ』として2016年11月7日から販売を
開始した。
 古河ユニックは、国内での競争力強化と海外展開の進展
を図るべく、マザー工場である佐倉工場(千葉県佐倉市)
設備増強を進めており、今回、主力製品である「ユニッククレー
ン」において、需要のもっとも多い中型トラック搭載型クレー
ンのフルモデルチェンジを実施したもの。
 フルモデルチェンジされた『URG370シリーズ』『URG340
シリーズ』は、“安心性能の追及”をコンセプトに、過負荷に
よるクレーンの折損や転倒事故を予防する「デジタル式荷重
計」や、安全をサポートする「巻過自動停止装置」「ブーム・
アウトリガ未格納警報装置」を全機種に標準装備するなど、
基本性能をグレードアップした。
 また、これまで長くユーザーから高い支持を得ている「連動
ラジコン」「連動ラジコンJOY」を、ユーザーニーズをもとにさ
に進化させ、新開発した「液晶ラジコン」には、正確な吊り荷
重の表示、操作性のカスタマイズ、吊り荷重の加算機能、フッ
ク平行移動などの多彩な機能を搭載し、操作性を格段に高
めてている。さらに、安全機能を強化し、クレーンの負荷状
況や安定度を監視する「セイフティ仕様」や、高度な制御技
術を活かした「記憶動作モード」により半自動運転を可能にした
「スマートセイフティ仕様」など、安心性能を追求した高機能
モデルも充実させた。
 環境性能においても、業界初の省エネ大賞を受賞した
『U-CanECOシリーズ』の「エコポンプ・システム」(エンジン
回転数を最大約47%低減、燃料消費量を最大約40%削
減、騒音値を最大約4dB低減)をさらに進化させた「スマート・
エコシステム」に加え、ユニック独自の技術を採用し大幅な低
騒音化を実現した「サイレント・エコウインチ」などの新機能を
搭載したエコクレーンの最上位モデル「エコプレミアム仕様」
設定した。
 古河ユニックは、1961年に日本初の車両搭載型クレーン
を発売し今年で55年を迎え、前モデルである『U-CanECO
シリーズ』の販売からは10年が経っている。初代機発売か
ら世代を越え、脈々と受け継ぎ発展させてきた技術力を結集
し開発した同シリーズの拡販に注力するともに、今後もユー
ザーに安心して使用してもらえるユニック独自の製品を提供し
て行くしている。
搭載型クレーン…古河ユニック
話題のニュートラック新製品情報・新情報
安心性能の追及をコンセプトに中型トラック搭載用
「ユニッククレーン」をフルモデルチェンジ
手元で吊り荷重を常時確認できる新型液晶ラジコンフルモデルチェンジされた中型トラック搭載型“ユニッククレーン”

TheTRUCK2016年12月号85
■主な特長
⑴基本性能の進化。“安心”のための機能を全機種標準
装備
・正確な吊り荷重が確認できる「デジタル式荷重計」を全機種
に標準装備。
 従来の油圧式荷重計ではフックの巻き上げ操作中にしか吊
り荷重を確認できなかったが、デジタル式荷重計では常時表
示され、誰でも簡単かつ安全に作業できる範囲を把握するこ
とができ、過負荷によるクレーンの折損や転倒事故を防ぐこと
が可能。
そのほか、フックの巻き過ぎによるワイヤー切断を防止する「巻
過自動停止装置」、ブーム等の格納忘れによる走行事故を
防止する「ブーム・アウリガ未格納警報装置」を全機種に標
準装備。
⑵ラジコンの進化。見える“安心”・思い通りに動く“安心”
・優れた連動操作性でユーザーから高い支持を受けている「連
動ラジコン」「連動ラジコンJOY」をさらに進化させた「液晶ラジ
コン」を新たにラインナップ。
 従来、上位モデルでのみ表示していた吊り荷重を、全ての
液晶ラジコンで標準仕様として表示し、車両から離れた場所
でも吊り荷重を液晶モニターで確認しながら、安心してクレー
ン作業が行える。
・また、作業者の熟練度によるクレーン操作の違いや、吊荷
や現場の状況によって求められる操作性が異なることに対応
すべく、ユーザーニーズをもとに、今まで以上にクレーンの操
作性をカスタマイズできるようにした。
 例えば、クレーンの初速特性をこれまでの“標準”に加え、
“微速”“高速”から選択できるようにするなど、各種設定の
組み合わせで、思い通りの操作設定が可能。これにより、
熟練者にも初心者にも使いやすく、吊荷や作業環境にあわせ
たクレーン操作を安心して行える。
・このほか、過積載による事故防止に役立つ「吊り荷重の積
算表示機能」も搭載し、運転手の安全だけでなく、荷主や運
送業経営者の安全管理に貢献。
⑶安全性能の進化。クレーンの状態と限界がわかる“安心”
・業界唯一の3年保証付き「過負荷警報装置」及び「転倒
防止装置」の従来からある安全仕様に加え、架線などへの接
触事故を防止する「高さ制限装置」と吊り上げ性能が大幅に
低下する前方領域をフォローする「前方領域検出装置」を備え
た、安全装置のフル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセ
フティ仕様)を新たに設定。クレーンの負荷状況と安定度を
常に監視し、過負荷作業と転倒事故を未然に防止する。
・さらに、フル装備モデルの液晶ラジコンには吊り荷重だけで
く、作業半径や定格荷重、負荷率なども表示されるので、
クレーンの状態や限界を液晶モニターで確認しながら、安心し
て作業を行うことができる。また、荷ブレを抑制する「高機能
ショクレス(自動減速)機能」も搭載。※フル装備モデル(セ
フティ仕様・スマートセイフティ仕様)はオプション。
⑷制御性能の進化。高度な制御で“安心”サポート
・ブームの伸縮操作に連動してフックが平行移動する「フッ
平行移動」やフックの高さが変わらない「対地平行移動」に加
え、新たにブームの先端が車両に対して前後左右方向の平
行移動や垂直移動する「直交動作モード」を搭載(スマートセイ
フティ仕様のみ)。本来、ブームを動かす油圧制御には、ブー
ムの伸縮、起伏、旋回、フック(ワイヤー)の巻上/巻下があ
り、平行移動や垂直移動にはこれらを同時に制御しなければ
ならず、熟練の操作技術が必要だった。この連動操作を、
液晶ラジコンの高度な制御技術のアシストによりひとつの操作
定格荷重や負荷率などの情報が手元で確認できる
クレーンの状態と限界が分かる安心機能を搭載

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年12月号86
で簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上。
・さらに、新たな機能として搭載した「記憶動作モード」では、
記憶した地点まで半自動移動するショートカット移動や、クレー
ン操作を記憶して反復動作する軌跡移動を可能としており、
作業効率化を実現。
・このほか、クレーン本体にはクレーンの状態表示だけでなく、
不具合時の対処方法等も表示される液晶パネルを搭載し、
万が一の時のトラブルシューティングに役立つ。※制御機能
はスマートセイフティ仕様のみの機能。
⑸環境性能の進化。環境配慮にさらなる“安心”
・平成19年に業界初の省エネ大賞を受賞した『U-Can
ECOシリーズ』の「エコポンプ・システム」(エンジン回転数を
最大で約47%低減、燃料消費量を最大で約40%削減、
騒音値を最大約4dB低減)をさらに進化させた「スマート・エ
コシステム」に加え、ウインチには「サイレント・エコウインチ」
を、ブームには「エコシリンダ機構」を搭載した最上位モデル「エ
コプレミアム仕様」を新たに設定。クレーン作業において最も
使用頻度が高く、騒音の発生要因ともなっていたウインチに、
新開発の「サイレント・エコウインチ」を採用したことにより、ウ
ンチの作動音が最大10dB低減し、作業者への環境負荷
を軽減。また、作業状況に合わせて、静粛性を優先したエ
コ重視と作業時間の短縮を優先した速度重視の設定に切り
換えることも可能。
■標準価格と販売目標
【3段〜6段ブーム】(シャーシを除く・税別価格)
①URG370シリーズ:271万円〜608万円
②URG340シリーズ:250万円〜576万円
※販売目標:年間4,000台(2機種合計)
 新明和工業㈱は、圧縮式塵芥車「G-PX」の2トン、3トン
車級の新モデルを開発、2016年11月1日に発売した。
 新モデルは、油圧及び積込制御の最適化により、積載でき
る廃棄物の量を同社従来型比最大20%向上(積載物の種類
と積載方法等により異なる)させ、積込能力を高めるとともに、
積込モード切換スイッチを標準装備し、モード切換により積荷
に応じた効率的な積込作業を実現させた。
 また、新規開発の専用大型リヤコンビネー
ションランプを採用し、車両後方からの視
認性を高め、より安全性を向上させるととも
に、街に溶け込むスマートなデザインを採用
している。さらに、ハイマウントストップラン
プの新設をはじめ、バックアイカメラ等の安
全装備も充実。ワンタッチ開閉式汚水タン
クシャター、開閉アシスト付大型ルーフカバー等、使いやすさ
とメンテナンスの容易さにも配慮した機能を装備している。
 塵芥車の国内トップメーカーである同社は、製品性能、品
質の更なる向上とニーズに適した製品ラインアップを図ること
で、ユーザーにとってより価値のある製品の提供に努めていく
している。
「G-PX」の主な特長
⑴積込能力の向上
・油圧回路と積込制御を最適化し、積込
能力を最大20%向上。
「積込モード切換スイッチ」を標準装備
し、積荷の種類に応じて「一般モード」
「資源モード」の2種類を切り換えること
で効率的な積込作業を実現。
塵芥車…新明和工業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
2、3トン車級圧縮式塵芥車の新モデルを発売
積込能力向上で比重の小さい廃棄物輸送を効率化
G-PX(2トン車級)の新モデル

TheTRUCK2016年12月号87
⑵安全性の向上
「塵芥車専用の大型リヤコンビネーションランプ」を新規開発
し、取付位置を投入口横上方に変更することにより車両後
方からの視認性を向上。
・ハイマウントストップランプを投入口の上部中央に新設し、
車両制動時の後続車からの視認性を高めた。
⑶デザインを一新
新たなリヤコンビネーションランプの開発・配置等により、ホッ
パー(車両後部の積込装置)部を中心に、街に溶け込み一
体化する、スマートですっきりとしたデザインを採用。
⑷使いやすさ、メンテナンス性の向上
・ホッパー部汚水タンクシャターに片手で操作可能なワンタ
チ式を採用し、操作性を向上。
・大型開閉式ルーフカバーによりホッパー部のメンテナンス性
を向上させ、開閉アシストにガスダンパーを採用したことで操
作を容易にした。
・テールゲー(塵芥投入口のカバー)開閉機構を見直し操作
力を軽減。
■販売価格(除くシャシ代金・税別)
①2トン・4.3リューベ(標準仕様)…3,814千円
②3トン・6.0リューベ(標準仕様)…4,373千円
※販売目標…1,200台(2017年度、2、3トン車級)
■主なユーザー
 自治体、廃棄物収集運搬業者、ダンボール等資源物収
集運搬業者、造園業者等。
 三菱ふそトラッ・バス㈱(MFTBC)は、エボバスGmbH
(EvoBus社/本社:ドイツシュトゥッツガルト市、ハルトムー
ト・シック社長)の新型連節バス、メルセデス・ベンツ「シター
ロG」右ハンドル仕様の日本での発売を
発表した。
 公開された連節バスのメルセデス・ベン
「シターロG」は、連節ターンテーブルで
前後の車両をつなぐ連節バスで、欧州排
出ガス規制「EUROVI」に適合した右ハ
ドル仕様の車両となる。1台で大型路
線バス2台分の人員輸送を可能にする
効率性の高い車両で、BRT(BusRapid
Transit:バス高速輸送システム)専用車両
しても世界中で活躍している。
 日本国内では既に31台の「シターロG」
が2008年より営業運転を行っており、
連節バスのリーディングブランドとして認知されている。
 メルセデス・ベンツ「シターロG」は品質・技術および経済
性の面で優れた性能を有し、新開発の連節角度制御システ
連節バス…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
メルセデスベンツ「シターロG」最新モデルを日本初公開
日本における連節バスのリーディングブランドに
連節バスのメルセデス・ベンツ「シターロG」右ハンドル仕様

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年12月号88
ムにより、連節バス特有の車両挙動を安定させ、安全運転を
支援する。環境に対しては、欧州排出ガス規制「EUROVI」
に適合し、「EUROV」適合車と比較して、NOX、PMなどの
有害物質の排出量を大幅に低減できる。燃費性能としては、
2012年の欧州でのテストで従来車に対し燃費を8.5%改善
できることが確認されている。また、メンテナンスコスを低減す
ること併せて総所有コス(TCO)低減にも貢献できる。
「シターロG」車両スペック
◇名称メルセデスベンツシターロG(CITAROG型)
◇エンジン型式:OM470、◇トランスミッション:4速
AT、◇全長:18,175㎜、◇全幅:2,550㎜、◇全高:
3,120㎜、◇車両重量:16,785㎏、◇ホイールベー
ス:第1-2軸・5,900㎜:第2-3軸・5,99㎜、◇最小
回転半径:9.6m、◇最高出力:265kW(360ps)
1,800rpm、◇最大トルク1,700Nm/1,100rpm、
◇仕様:EUROVI適合右ハンドル仕様。
「シターロ」の概要
 路線バスのメルセデス・ベンツ「シターロ」は1998年の生
産開始以来、およそ50,000台が販売されている。2006年
に第二世代が登場した後、2011年のモデルチェンジで現行
のスタイルとなっている。2013年には路線バスとして初の欧
州排出ガス規制「EORUVI」適合車を発売している。
 ボデーバリエーションは市場のニーズに合わせて、基本仕様
の全長12mの「シターロ」、全長10.5mの「シターロK」、全
長15mで3軸車の「シターロL」、全長18mの3軸連節バ
「シターロG」、そして全長20mの4軸連節バス「シターロ
GL(Capacity)が展開されている。
 パワートレインのバリエーションはディーゼルエンジンのみなら
ず、CNG、ハイブリド、燃料電池に続いて、2015年から
天然ガスエンジンが選択でき、環境にも配慮している。
 また、2006年、2012年の「バスオブ・ザ・イヤー」を始め、
数々の栄誉ある賞を受賞している。
■EvoBus社の生産体制とアフターセールス
 メルセデス・ベンツ「シターロ」は、ドイツのマン
ハイム工場で生産されている。マンハイム工場は
100年を超える歴史があるEvoBus社の主力工場
のひとつで、生産車の60%は輸出され、日本を含
めた世界40か国以上で活躍している。
 販売面では、年間約3,600台の「シターロ」
販売され、そのうち1,000台は連節バスとなる。
西ヨーロッパの路線バス市場では約30%のシェア
を誇っている。
 アフターセールス分野でEvoBus社は、バスに
特化したサービスブランドによるサービスを提供し、
他社との差別化を図っている。バス専用補用品倉
庫には12万点を超える部品を常備し、200人以
1台で大型路線バス2台分の人員輸送を可能にする「シターロG」の車内
喜連川で行われた「シターロG」右ハンドル発表会の模様
「シターロG」右ハンドル仕様の運転席

TheTRUCK2016年12月号89
上の従業員により、早く確実で効率的な部品供給を提供している。
 いす自動車㈱は、中型トラッ「フォワード」の一部車型を
改良し、2016年11月14日より全国一斉に発売した。
 今回の改良では中型トラック完成車「Fカーゴ・ウイング」
(GVW8t未満)に従来オプションだった「先進視覚サポー
技術(VAT)」と「電子式車両姿勢制御システム」をクラス初の
標準装備とした。
 国土交通省によると、運送事業において発生する自動車事
故のうち重傷・死亡に繋がる重大事故の件数は、GVW20t
超の大型車が最多で、次いでGVW8tクラスとなっている。
 幹線輸送に幅広く使用されているGVW8t未満の「Fカー
ゴ・ウイング」(大型トラッ「ギガ」シリーズには既に安全装置
を標準装備)に、これらの安全装置をいち早く標準化する必
要があると判断したもの。
 なお、先進視覚サポート技術(VAT)は、高精度のミリ波レー
ダーや各種センサーを駆使し、ドライバーの視覚をサポートす
るテクノロジーで、「プリクラッシュブレーキ(衝突回避支援機能
/衝突被害軽減機能)」、「ミリ波車間ウォーニング」「LDWS
(車線逸脱警報)」となる。
■主な特長
 現在、オプション展開している安全装置の展開について標
準化を行うことになる。
⑴プリクラッシュブレーキ(衝突回避支援機能/衝突被害軽
減機能)は追突の可能性が高まると自動ブレーキ制動により
中型トラック改良…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞ中型トラック「フォワード」を改良
「フォワードFカーゴウイング」の安全装置標準化
いすゞ中型トラック「フォワード」F-cargo各種の安全装置が標準化された中型トラック「フォワード」
日本国内でも31台の「シターロG」が2008年より営業運転を行っている。(左)京成バスのシターロG、(右)神奈川中央交通のシターロG

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TheTRUCK2016年12月号90
衝突を回避、衝突が避けられない場合には強いブレーキで被
害軽減を図る。
⑵ミリ波車間ウォーニングは、走行中、先行車との車間距離
の変化をマルチインフォメーションディスプレイに表示。任意
に設定した車間まで先行車の距離が縮まった場合に警報音
を発し、注意を促す。
⑶車線逸脱警報装置(LDWS)は、車内搭載のカメラにより、
車線に対する車両位置を検出し、車線を逸脱した場合に警
報音とメーター表示による警告を促し、わき見運転や居眠り
運転による事故の抑制に貢献。
⑷電子式車両姿勢制御システム(IESC)はドライバーの操作
状況や車両挙動をセンサーで検知し、横滑りや横転につなが
る不安定な車両姿勢と判断された場合に警報音とメーター
示による警告と同時に、エンジンおよびブレーキの自動制御を
行い、事故の抑制に貢献。
■主な仕様と東京地区希望小売価格
◇車型:TKG‐FRR90S2
◇主な仕様:平成27年度重量車燃費基準達成/ポスト新
長期規制適合/平成21年低排出ガス車認定取得/Fカー
ゴ・GVW8t車/フルキャブ・リーフサスペンション/プリ
クラッシュブレーキ標準装備/ミリ波車間ウォーニング標準
装備/車線逸脱警報(LDWS)標準装備/電子式車両姿勢
制御システム(IESC)標準装備
◇エンジン/トランスミッション:4HK1‐TCS・154kW
(210PS)/6速Smoother‐Fx
◇東京地区希望小売価格(消費税税込):11,484,720円
※目標販売台数(国内):4,000台/年
 いすゞ自動車㈱は、2015年12月に発表した大型トラッ
「ギガCNG車」に追加車型を設定し、2016年11月10
日より全国一斉に発売した。
 「ギガCNG車」は燃料の多様化を図ることで、エネルギー
セキュリティに貢献するだけではなく、都市間トラック輸送で
のCO
排出量を低減し、NOx排出量が少なく、PMをほと
んど排出しないCNG車ならではの環境性能で、環境負荷の
低減に貢献している。また、エンジンの改良を行い、さらなる
NOx低減・燃費性能の向上を実現した。いすゞは、今後も
順次車型追加、車両性能向上に向けた取り組みを進めるとし
ている。
■主な特長
・一回のガス充填で東京〜大阪間(500㎞程度)の走行が
可能。
カーゴ系3軸車にショートキャブ車を追加。また、積載容積
大型トラック追加車型…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞ大型トラック「ギガCNG車」に追加車型を設定
燃料多様化でエネルギーセキュリティに貢献
リ波レーダーとカメラによる二重確認でさらなる安全性を追求
「フォワード」F-cargo
ウイングボディ+テール
ゲートリフター
いすゞ大型トラック「ギガCNG車」

TheTRUCK2016年12月号91
をより大きく確保できる4軸車を新たにラインナップした。
・6UV1エンジン本体を改良して搭載。ディーゼル車の排
出ガス規制値であるポスト新長期排出ガス規制に対して
NOx57%低減を達成し、次期排出ガス規制レベルを上回る
低排出ガス性能を実現(九都県市低公害指定制度「平成21
年基準超低公害車」の指定を受ける予定)
トータルセーフティーによる安全性の向上を図り、プリクラッ
シュブレーキでは、衝突被害軽減ブレーキ機能に加え、移動
障害物に対する衝突回避支援機能を標準装備。また、車線
逸脱警報(LDWS)、ミリ波車間ウォーニング、電子式車両
姿勢制御システム(IESC)、電子ブレーキシステム(EBS)を
標準装備。
■東京地区希望小売価格
◇車型:QFG-CYJ78B-WX-M(ポスト新長期排出ガス
適合)
◇主な仕様:平成21年低排出ガス車認定取得/キャブ
付きシャシ/プリクラッシュブレーキ標準装備/ミリ波車間
ウォーニング標準装備/車線逸脱警報(LDWS)標準装備
/電子式車両姿勢制御システム(IESC)標準装備
◇エンジン/トランスミッション:6UV1-TCN/7速MT
◇東京地区希望小売価格(消費税込)28,168,560円
※目標販売台数:100台/年
 ㈱タダノは、最大吊上げ荷重70t「CREVO700G4」と
最大吊上げ荷重25t「CREVO250G4」のフテレーンクレー
ン2機種を2016年10月18日に発売した。
 ラフテレーンクレーン(RoughTerrainCrane)は、ひとつ
の運転席で、走行とクレーンの操作が行え
る自走式クレーンで、狭隘地での機動性に
優れ、コンパクトさと小回り性を活かし、都
市型工事において最も活躍しているクレー
ンである。
 開発コンセプトとしては、同社のコアバ
リュー「安全・品質・効率」を具現化すべ
く研究開発を進めてきた各種新機能をラフ
テレーンクレーンに搭載し、時代を切り開く
「Generation4(G4)として結実させた
機種になる。
 また、ディーゼル特殊自動車2014年
排出ガス規制適合エンジンを搭載したほ
か、安全走行をアシストする新機能や、
ラフテレーンクレーン…タダノ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
安全・環境・作業効率・操作性を向上させた
CREVOG4シリーズの70t吊りと25t吊りを発売
大型トラック「ギガCNG車」の車両レイアウ

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TheTRUCK2016年12月号92
新型キャビンの作業効率・操作性などが認められ、「CREVO
G4シリーズ」は「2016年グッドデザイン賞」も受賞している。
■主な特長
⑴ラフテレーンクレーン初のセットアップラジコン
 周囲の状況を確認しながら、安全で効率的に作業準備や
格納作業が行える「セットアップラジコン」を新採用。手元のラ
ジコン操作で、アルミ敷板4枚の設置・格納、アウリガのス
ライド、ジャッキの設置・格納、ジブの装着・格納が行える。(セッ
トアップラジコンでのクレーン作業はできない)
⑵進化した「SACOJibⅡ」
 SACOJib(サコジブ)が、正統進化。新
機構の採用により補助ロープを不要とし、ラ
フテレーンクレーン初のラジコン採用により、
ジブの装着・格納作業において、高所作業
をなし、キャビンへの昇降回数削減も実現。
また、CREVO250G4では従来のパワーチ
トジブに加え、クラス初の2段フルオートジブ
を新採用。CREVO700G4にはクラス最
長の3段フルオートジブを装備。ジブによる高
揚程作業を飛躍的に向上させている。
 なお、SACOJib(サコジブ)とは、安全
(Safety)とコンパクト(Compact)な作業性
をコンセプトに開発したジブ張出機構のこと。
⑶キャビンを新開発
 キャビンのデザインと装備類を一新し、作
業効率・操作性・視認性を大幅に向上させ、
大型マルチファンクションディスプレイを新採
用。10.4インチカラー・タッチパネルに、クレー
ンの作業情報や、各種操作設定の機能を集
約し、作業効率を高めている。さらに、感圧
式タッチパネルの採用により、手袋をした状
態での操作も可能にしている。
 また、操作レバーに電気式操作システムを
採用し、これまでにないフィト感のある操作
性を実現。旋回・ブーム起伏・ジブチルトの
ラフテレーンクレーン初のセットアップラジコンが設定されている
70t吊り「TADANO-CREVO700G4」の走行姿勢時の寸法

TheTRUCK2016年12月号93
操作速度をそれぞれ5段階に設定可能で、オペレータのフィ
ングに合わせた操作が可能になる。その他、インパネの形
状や高さ、ガラス面の角度を改善し、運転席からの視認性を
向上させている。
⑷タダノビューシステムが安全走行をアシスト
 クレーン業界では国内初の俯瞰映像表示装置「ワイドサイ
ビュー」を搭載。クレーンを上から見たような映像を大型カラー
ディスプレイに表示し、周囲の状況把握や安全確認をサポー
ト。また、クレーン業界では世界初となる人物検知警報装置
「ヒューマンアラートシステム」は、運転席からは確認しづらい
車両左側面の歩行者や、自転車などに乗った人物を検知し、
ブザーで知らせる。
⑸環境への配慮
 「燃料消費モニタ(クレーンの作業時や走行時の燃料消費
情報を常時表示する機能)や、「エコ・モー(エンジン最高
回転数の制限により燃料消費量を削減する機能)、ならび
「ポジティブ・コントロール(油圧ポンプの吐出量制御により
燃料消費量を削減)」といった環境に配慮した機能を搭載。さ
らに、大型マルチファンクションディスプレイにより「燃料消費
モニタ」は従来よりもわかりやすく消費燃料を表示。また、ディ
ゼル特殊自動車2014年排出ガス規制にも適合。
⑹テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」を装備
 携帯・衛星通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、
GPSによる位置情報確認、さらに保守管理のための情報を
ウェブサイトでサポート。使用されている製品の情報をユーザー
と共有し、一歩進んだサポート・サービスを提供。
■標準仕様の価格(税別)と販売見込台数
①CREVO700G4…8,650万円/年間150台
②CREVO250G4…4,500万円/年間400台
◇   ◇   ◇   ◇
 タダノの新型ラフテレーンクレーン「CREVOG4シリー
(CREVO700G4、CREVO250G4、CREVO160
G4)」が「2016年度グッドデザイン賞」(公益財団法人日本デ
ザイン振興会主催)を受賞した。タダノ製品の同賞受賞は今
回で6度目となる。
 CREVOG4シリーズはタダノの新型ラフテレーンクレーン
で、車両上方からの俯瞰映像表示および人物検知警報装置
を採用し、移動時の安全性と狭所進入性を高めている。ク
レーン性能においてもクラス最大級を確保。高度電子制御
化により使い易く正確な操作と燃料消費量の低減を追求して
いる。また、Webサイトから車両情報(位置、燃料消費、点
検時期、不具合内容など)をモニタングできるシステムをサー
ビス部門と連携させ、商品価値を最大限に継続して利用でき
る体制を構築している。
■審査委員の評価コメント
 俯瞰画像表示や情報機能の充実などにより、従来型に比
較して、作業時の操作性と安全性を向上させている点が評価
できる。特に、カラータッチパネルやモニタングシステムなど
電子制御化を積極的に進めながらも、操作感覚を調整できる
など、オペレーターの使いやすさや快適性の確保に力を入れ
ている点が高く評価できる。また、外観的にも大型特殊車両
に特有の威圧感をできるだけ感じさせないよう、スマートで洗
練されたものとなっており、市街地の作業環境に配慮したデ
ザインである。
作業効率・操作性・視認性を大幅に向上させたキャビン(CREVO700G4)

The TRUCK News
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TheTRUCK2016年12月号94
 ㈱アイチコーポレーションは、設備・内装工事やメンテ
ナンス作業など、屋内作業現場で使用する垂直昇降型自
走式高所作業車「SVシリーズ」のモデルチェンジを行い、
「SV06E1NS/SV06E1NL/
SV08E1NL/SV08E1WL/
SV10E1WL」として発表した。
■主な製品特長
⑴メンテナンスフリーバッテリーシス
テムを採用
 メンテナンスコスト削減と管理低減に
貢献するメンテナンスフリーバッテリーシ
ステムを採用。
⑵操作性が高いプロポーショナルス
テアリングを採用
 安全で正確な走行ができるようにステアリング操作ダイヤル
を回した分だけ前輪がステアリングし、手を離すと中立に戻る
プロポーショナルステアリングを採用。
⑶バッテリー消費量が少ないACモーター駆動を採用
 より長い作業時間を確保するため、走行モーターにバッテ
リー消費が少ないインバーター制御ACモーターを採用。
⑷より広い作業スペースを確保できるスライド式拡張デッ
キを装備
 作業床を拡張することで車体を移動せず作業ポイントに近
づくことが可能なスライド式拡張デッキを装備。長尺の工事
材料積載時にも効果を発揮。
⑸シザースリンク剛性向上により作業床の揺れを低減
 シザースリンク構造の改良によりンク剛性が向上し、作業
床の揺れを低減。
高所作業車…アイチコーポレーション
話題のニュートラック新製品情報・新情報
垂直昇降型自走式高所作業車
「スカイタワーSVシリーズ」モデルチェンジ
 ㈱豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは、新型1.0〜3.5
トン積電動フォークリフト「geneB(ジェネビー)を2016年11
月17日より、全国40社のトヨタL&F取扱店を通じて発売した。
 国内における電動フォークリフト市場は、ユーザーの環境
意識の高まりや大型物流倉庫の新設などを背景に拡大してお
り、1990年に28%だった電動車比率は2015年に55%(日
本産業車両協会のデータをもとに算出)まで伸長している。
 前モデルの「GENEO-B(ジェネオビー)は、発売当時、
世界で初めて量産型AC(交流)制御システムの搭載により
長時間稼動を実現するとともに、作業中の安全と作業効率
の向上に貢献する同社独自のシステム「SAS」や広々とした
足元スペースなどにより1999年の発売以降、フォークリフト
市場の電動化をけん引してきた。電動4輪フォークリフト1.0
〜3.0トン市場において、2015年は過去最高となる販売シェ
ア48%を記録するなど、長期にわたり販売シェアNo.1を継
続してきたロングセラーモデルである。
 一方、電動フォークリトの活躍の場が広がるにつれ、さ
なる稼動時間の延長や、屋外・雨天での使用、バッテリー
管理の容易化など、電動フォークリトに求められる性能・機
能も多様化している。そこで今回のモデルチェンジでは、これ
電動フォーク…トヨタL&F
話題のニュートラック新製品情報・新情報
新型1.0〜3.5トン積電動フォークリフト「geneB」
ユーザーの電動化ニーズに応え17年ぶりにモデルチェンジ
モデルチェンジされた垂直
昇降型自走式高所作業車
「SVシリーズ」

 日本フルハーフ㈱は、フィリピン共和国の大手車両架装メー
カー“CentroManufacturingCorporation(Centro社)”
にフィピン国内におけるウィング車体組み立ておよび販売の
ライセンスを供与することについて、2016年10月26日、
同国ドゥテルテ大統領立会いの下、同社と覚書を交わした。
 フィピンのトラック市場は新車約1万台/年、中古車約
3.5万台/年の需要があるが、2015年5月に中古車の新
車切り替えを促進する法令が発令され、今後、新車の需要
拡大が予想されている。
 Centro社はこのような状況下でのフィリピントラック市場
で、ウィング車体のキットと部品の供給を日本フルハーフから
受けることで、事業拡大を図ることになる。日本フルハーフは、
まで高い評価を得ている優れた居住性や安全・安定性を踏
襲しつつ、性能・機能面の充実を図っている。クラストップレ
ベルの稼動時間をらに延長、バッテリーを長持ちさせる機能
の追加、耐水性の向上などにより、フォークリト市場のさ
なる電動化に貢献できるモデルとなっている。
 さらに、IoTを活用した稼働管理システム「TOYOTAT̲
Site」をオプション設定。「TOYOTAT̲Site」は、現場におけ
る車両やオペレーター毎の走行・荷役時間、バッテリーの使
用状況など様々な情報の管理が可能となるフォークリト向け
テレマティクスサービスである。また、車両への衝撃回数やそ
のレベルを検知・通知する機能も備えており、フォークリフ
作業の安全管理をサポートするともに、これらのデータを活
用することで、ユーザーの物流オペレーションのさらなる改善
にも貢献できる。
「geneB」の主な特長
⑴稼動時間延長
 3.0トン系機種で20%(1.0
〜2.0トン系機種で5%)稼動時
間を向上。数値は、作業サイク
ルパターントヨタ30m作業サイ
ルによる測定数値で、ユーザー
の稼動状況・使われ方により異
なる。
⑵バッテリーの長寿命化に貢献
中国山東省に出資する山東ツォンリンフルハーフからウィング
車体のキットを、また一部部品を日本から供給し、Centro社
 車載充電器に世界初となるスマート充電機能を搭載、バッ
テリー状態に応じた充電量を制御。バッテリー保護機能でバッ
テリーのダメージ防止に寄与。
⑶安心・安全
 ハンドル角、揚高など様々な情報を検知し、制御すること
で旋回時や荷役時などに優れた安定性を発揮するシステム
「SAS」に揚高・荷重センシング旋回速度制御を追加。
⑷よりタフに、使いやすく
 あらゆる方向からの飛沫に対して保護されているIPX4
(防沫型)相当の耐水性。らくらく補水タンク(オプション)
充電口の再配置でバッテリーの取り扱い、充電作業の負荷
軽減。
⑸物流オペレーションの改善に貢献
 バッテリーデータログ「TOYOTA
T̲Site」(オプション)で情報を見え
る化
■メーカー希望小売価格
 新型1.0〜3.5トン積電動フォー
クリフト「geneB(標準仕様)の主
な機種の価格(税抜き)は次の通り。
①1.5トン(8FB15型)…
 3,045千円
②2.5トン(8FB25型)…
 3,884千円
海外提携…日本フルハーフ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
フィリピン共和国Centro社にウィング車キットを供給
ドゥテルテ大統領立会いの下で覚書を調印
稼動時間を向上させた1.5トン積電動フォークリフト「geneB」
ドゥテルテ大統領立会いの下で行われた覚書の調印式

The TRUCK News
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TheTRUCK2016年12月号96
で組み立ての技術指導を行う計画だ。
 日本フルハーフが得意とするアルミニウムを使用したバン、
ウィング型車体の製造技術を投入し、高品質、軽量で耐久
性の高い車体を現地で生産することで、フィピンの物流産
業に貢献していくしている。
■Centro社の概要
◇会社名:CentroManufacturingCorporation、
◇設立1996年10月、◇資本金6千万フィリピンペソ、
◇本社所在地:No.2SusanoRoad,BarrioDeparo,
NovalichesCaloocanCity,Philippines、◇代表
者:RaphaelT.Juan、◇事業内容トラック車体の製造、
販売、◇主な製品トラックの荷台、バンボディ、ボトルキャ
リー、クレーン車、リフト付き車など。
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)はウルグアイ市場
に再参入した。FUSOブランドの卸売・販売会社である
AutoliderUruguay社を通じ3車種を投入した。
 AutoliderUruguay社は2013年にFUSOブランドの販
売店として認定された。ウルグアイ市場での成功を確実にす
るため、数年にわたる市場調査と同市場のニーズに合わせ
た最適化に取り組み、小型トラッ「キャンター」、中型トラッ
「FA」、大型トラック「FJ」の3車種の販売を開始した。
同時にカスタマーサービス拠点を開設し、同拠点を通じて
FUSOブランドの認知度向上を図るとしている。
 AutoliderUruguay社のカルロス・バスティン社長は、拠
点開設式典でMFTBCとFUSOブランドの85年にわたる
歴史を強調。また、今回のウルグアイ市場へのFUSO製品
投入に関し、成功を確信するともに、さらなる市場開拓を期
待する、と述べた。
 ウルグアイで約30年の歴史を誇るAutoliderUruguay社
はダイムラー商用車部門のブランドの卸売・販売会社として、
「メルセデス・ベンツ」ブランドのトラック、商用バン、バス、
また「フレートライナー」ブランドのトラックを扱っている。
ウルグアイ市場…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
FUSOが3車種でウルグアイ市場に再参入
ウルグアイ市場のニーズに合わせて最適化製品を投入
日本フルハーフのウィング車
ウルグアイでの拠点開設式典小型トラック「キャンター」

TheTRUCK2016年12月号97
トヨタ自動車㈱は、かねてより幅広いモビリティに応用可能
な燃料電池技術を「ゼロ・エミション」実現に向けた本命と
位置付けて研究開発を進めてきた。その一環として、トヨタは
米国・カリフォルニア州において、これまで培ってきた技術を
応用して大型トラック(セミトレーラー・トラック)へ燃料電池を
搭載するフィージビリティ・スタディ(技術・事業化調査)を進
めていくことになった。
 トヨタは、走行中にCO
を一切排出しない「ゼロエミショ
ン車」して、燃料電池自動車の「ミライ」を国内外で提供して
いるが、乗用車に加えて、大型トラックへの燃料電池技術の
燃料電池技術…トヨタ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
トヨタ自動車が燃料電池技術の大型トラックへの応用を検討
水素社会実現に向けた歩みを加速
ゼロ・エミション車の燃料電池自動車「ミライ」
中型トラック「FA」大型トラック「FJ」
トヨタは大型セミレーラー・トラクへ燃料電池を搭載するためのフィージビリティ・スタディを進めている

The TRUCK News
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TheTRUCK2016年12月号98
応用により、将来的には「貨物輸送におけるゼロエミション」
実現に貢献することを視野に入れ今回その調査を行っていく
とになった。
 米国における今回公表した本調査や水素社会の進展に関
する詳細は、今後、プロジェクトの進捗に応じて順次公表し
ていくしている。
 なお、日本でトヨタは2020年の東京オリンピック・パラリ
ンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバス
の導入を予定している。それに先立ち、2017年初めには
FCバスを日本で初めて販売する予定になっている。
トヨタグループでは、水素を将来の有力なエネルギーと位置
づけ、市販車の「ミライ」に加えて、FCバス、燃料電池フォー
クリフト、家庭用の定置式燃料電池など、燃料電池の幅広
い応用も含めて技術開発商品展開を推進している。今後も、
「水素社会」の実現に向けて、グループ一体となって開発を
加速していくことになる。
トヨタ自動車㈱は、電気自動車(EV)の開発を担う新たな
社内ベンチャーを立ちあげる。新ベンチャーは、㈱豊田自動
織機、アイシン精機㈱、㈱デンソー、トヨタの各社から1名
ずつ、計4名が参加する直轄組織として、2016年12月に
発足する。
 EVの開発にあたっては、トヨタグループ内の技術ノウハウ、
ソーセスを活用するともに、小さな組織で従来とは全く異な
る仕事の進め方により、プロジェクトのスピードアップを図り、
商品の早期投入を目指すことになる。
 環境車に関して、トヨタはかねてより、適時・適地・適車
の考えのもと、ハイブリド車(HV)、プラグインハイブリド車
(PHV)、燃料電池車(FCV)、EVなど全方位で開発を進
めている。特にFCVは、航続距離、水素充填時間などの
面で、従来のガソリン車と同等に使い勝手がよく、トヨタでは
「究極のエコカー」と捉え重点的に開発を進めてきた。
 しかしながら、国や地域ごとにエネルギー課題やインフラ整
備状況が異なる上、ゼロエミション車普及に向けた規制強
化が各国で急速に進み、多様なインフラに対応する品揃えが
必要になってきている現状を踏まえ、FCVとともにゼロエミ
ション達成の選択肢となるEVについても、早期に商品投入
が可能となる体制を整えていくことにしたもの。
 今回の新組織立ち上げにあたり、豊田社長は「この数
年は、将来に向けての種まきを強化する年と位置づけ、
ToyotaResearchInstitute,Inc.の設立、ダイハツの完
EV開発…トヨタ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
トヨタ自動車がEV開発を担う社内ベンチャーを発足
EVの早期商品投入を目的とした体制を確立

TheTRUCK2016年12月号99
全子会社化、新興国小型車カンパニーの設立に着手する
などの手を打ってきた。今回のEVの新組織もその一環であ
る。ベンチャー組織として、その分野のことだけを専門に考
え、スピード感のある仕事の進め方を確立することで、トヨタ
トヨタグループの仕事の進め方改革をけん引してほしい」
述べた。
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、大型トラッ「スー
パーグレートV2016年モデル」を顧客に提供し、従来車両と
の燃費を比較し燃費値を競う「燃費(ねんぴ)合戦(グランプ
リ)〜FuelGrandPrix〜」がこのたび終了し、その結果を
発表するとともに2016年11月2日に表彰式を開催した。
 2016年1月〜10月まで延べ10ヶ月間にわたり実施さ
れた「燃費合戦〜FuelGrandPrix〜」は、ふそう製大型
ラッ「スーパーグレートV2016年モデル」をユーザーの日常
業務で使用し、同じ環境下で使用するユーザーの従来型車
両との燃費を比較し、その燃費値を競う競技である。公正
なルールに基づき、日々の走行距離、軽油給油量、および
AdBlue(アドブルー:ドイツ自動車工業会の登録商標)
水量を計測し、燃費改善率を算出し結果を集計する。それ
ぞれのユーザーは1ヶ月間の燃費アタックに挑んだ。50台
「スーパーグレートV2016年モデル」を利用し、合計265
社が参加した。
 MFTBC副社長の三輪為夫セールスジャパン本部長は、
「今回の“燃費合戦”により、お客様に燃費性能の良さ
を実感いただけたと確信しております。“スーパーグレートV
2016年モデル”の商品性能と今回の企画である“燃費合
戦”の両輪が効果を生み、私たちにとって期待を上回る結果
となりました。それは、お客様が省燃費運転に情熱を持ち、
真剣に捉えていただけているからこそ成し得た結果です。ご参
加いただきました全てのお客様に心から感謝申し上げます。
“燃費合戦”は終了しました
が、私たちの更なる挑戦は続
きます。今後も、お客様のビ
ジネスのお役に立てる製品や
施策をご提案できるよう努め
て参ります」と述べている。
 地区別対抗(団体戦)、駆
動別対抗(個人戦)での結果
は次の通り。
■地区別対抗(団体戦)
第1位:Cブロック(東海・北陸)
第2位:Eブロッ(中国・四国・九州・沖縄)
第3位:Aブロッ(北海道・東北・北関東)
第4位:Dブロック(近畿)
第5位:Bブロック(南関東・甲信)
■駆動別対抗(個人戦)
◇カーゴ3軸部門(FU)
第1位:久山流通運輸㈱(九州地区)
第2位:相生運送㈲(東海・北陸地区)
第3位:泉海商運㈱(近畿地区)
◇カーゴ4軸部門(FS)
第1位:九州名鉄運輸㈱(九州地区)
第2位:井上運送㈱(東海・北陸地区)
第2位:エイエスエムトランスポート㈱(東北・北関東地区)
【2位の2社は共に同値】
◇トラクター部門(FP-R)
第1位:三黄運輸㈱(南関東・甲信地区)
第2位:㈱エヌエスアール(南関東・甲信地区)
第3位:日鋼トラック㈱(北海道地区)
◇ダンプ部門(FV)
第1位:㈱くさの(東北・北関東地区)
第2位:㈲木村建材(九州地区)
第3位:長崎工業㈱(東海・北陸地区)
燃費合戦…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
265社が参加し従来車両との燃費値を競う
「燃費合戦〜FuelGrandPrix〜」が閉幕
燃費合戦カラーに塗り分けられた「スーパーグレートV2016年モデ
ル」のダンプ
燃費合戦車に貼られたロゴシール

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年12月号100
 公益財団法人日野自動車グリーンファンドは、このたび
2016年度の助成対象活動17件を決定した。
 日野自動車グリーンファンドは1991年の設立以来、自然
環境保全に貢献する各種事業を展開してきた。その大きな
柱が、身近な環境保全に取り組む民間の団体への助成活
動である。毎年1回公募し、応募案件の中から助成先を決
定、助成金の交付を行っている。また、助成件数は本年度
の17件を加え、累計420件となり、助成金額は累計約
2億4千万円となっている。ちなみに、2016年度助成の総
額は758万円となった。
 今年度の助成先への助成金贈呈式ならびに前年度助成
先の活動発表会は、2016年11月12日に日野自動車21
世紀センター(東京都八王子市)で行われた。
助成活動…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
自然環境保全に貢献する各種事業を助成する
日野自動車グリーンファンド2016年度助成先が決定
2016年度の助成対象となった17件
▼樹木や草花の植樹活動への助成
宮古島環境クラブ(MEC)(沖縄県)/きたはなプロジェク(北海道)
特定非営利活動法人青梅吉野梅郷梅の里未来プロジェクト(東京都)/
いのちの森づくり友の会(神奈川県)
▼自然環境の保全活動への助成
全国巨樹・巨木林の会(東京都)/日野団塊世代広場(東京都)/特定
非営利活動法人四季の会(鹿児島県)/河川愛護団体リバーネット21
ながぬま(北海道)/芦田川環境マネジメトセンター(広島県)/自然
再生と自然保護区のための基金(奈良県)/ECOvillageSHELTER
project(新潟県)
▼自然環境保全に資する調査研究への助成
特定非営利活動法人つくしん棒(岐阜県)/特定非営利活動法人東大
和ごみレスらぶ(東京都)
▼自然環境保全に資する教育や諸啓発活動への助成
環境ボランティアサークル亀の子隊(愛知県)/特定非営利活動法人富
士山自然保護センター(山梨県)/特定非営利活動法人すいた環境学
習協会(大阪府)/特定非営利活動法人オオタカ保護基金(栃木県)