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    ITV_2016年12月号表紙

    月刊ITV 2016年12月号

    発行:平成28年12月1日 発行所:(株)日新(HP) 執筆:大島春行・大西徳・伊藤慎介・井上元・岡雅夫・佐原輝夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃・宮代陽之 表紙・レイアウト:望月満 記事&編集:横路美亀雄・於久田幸雄

    ヤマト運輸が導入する新規格のバン型セミトレーラ/フルトレーラの車両見学

    著者

    澤田 征二

    宅急便の歴史

    40年前の、1976年に誕生した宅急便の初日の取扱量は全国でたったの11個であったという。 それまでの家庭から出る小さな貨物は、当時の国鉄の「小荷物」と郵便局の「小包」という名前の官業による輸送サービスに依っていた。お上が「運んでやるから、窓口まで持ってこい」とばかりのサービスに利用者はうんざりしていても、民間の運送業者はこのビジネスは成り立たないと考えて、手を出さなかった。しかし、この宅配便ビジネスを社内の反対を押し切って「宅急便」という登録商標で開業したヤマト運輸の小倉社長、それから40年、その業績は添付のグラフのように伸びてきている。

    宅急便の歴史...ザ・トラック

    宅急便の歴史

    バリュー・ネットワーキング構想

    2016年11月8日『車両見学会』の名前ではあったが、会議室で配られた資料から読み取れるのは、あらゆるものが「ネットワーク」に組み込まれて行く中で、物流もそれに合わせて進化して行かなくてはならないという使命をこの言葉で表したのではないだろうか?

    バリュー・ネットワーキング構想のキーポイントとバリュー・ネットワーキングの全体像...ザ・トラック

    バリュー・ネットワーキング構想のキーポイントとバリュー・ネットワーキングの全体像

    ☆まず、現在稼働している宅急便の仕組みの基本システムを説明しておかなくてはならない。 全国に散らばる6020か所の営業所(センター)が集荷した荷物は夫々が所属する69か所のトラックターミナル(主管支店:ベース)に集められる。 この69のベースをネットワークとして、集められた荷物は行先毎に仕分けされて大型トラックに積み込まれ、相互にベース間輸送をする。到着した荷物はこれも配達先毎に纏めて担当するセンターへ送り、そこから個別に配達する。 ☆長年培ってきたこの仕組みは残して、ベース間輸送を見直そうというのが新しいシステムの基本。 (施設の名称について:業界の一般名称とヤマト運輸の使用している名称が異なるので、文章は一般名称、カッコ内に『ヤマト言葉』を入れました) 「流れ図」を見てもらえると判るが、現在のシステムに乗せると基本的には荷物が送り先に届くのは早くて翌日になってしまう。 そして、ベース間輸送の大型トラックの運行は基本が夜間走行、新しいトレンドになってきている「当日配送」とドライバイーの負担となっている夜間走行が基本のルーティーンになっている。 この2つを解決する事が『バリュー・ネットワーキング構想』の基本のターゲットと考えられる。 「羽田クロノゲート」を中心とする、5か所のゲートウェイが営業所(センター)をネットワークするベースの上にあって、ベースは所属するゲートウェイに荷物を集めてゲートウェイ間は荷物が集まり次第、多頻度で運行する。 また、ゲートウェイは巨大な物流センターとして、ネット通販用の物品を在庫し「当日配送」にも対応する機能を持たせているという。 今回の車両は、このゲートウェイ間に投入しようとするものである。 なお、「クロノゲート」の『クロノ』はギリシャ神話の時/時間を司る神:クロノスから採っており時間短縮の想いが込められているものと考えられる。

    宅急便の仕組みと流れ...ザ・トラック

    宅急便の仕組みと流れ

    ゲートウェイによる国内幹線輸送の改革...ザ・トラック

    ゲートウェイによる国内幹線輸送の改革

    トレーラの活用

    「物流の合理化」というと必ず出てくる言葉が「大型車両による大量輸送=トレーラの活用」である。 しかし、トレーラを運用するコストは、基本的に車両代・燃費・ドライバーの給与・有料道路の通行料と言った大型車に対するコストアップ要因が存在する。 それ以外にも金銭に直接表れないデメリットが有って、それは時間である。大量の荷物を積むには作業時間がかかるのは勿論、荷物が多いだけに、行先別の荷物の一部が渋滞などで遅れることがあれば届くまでの待ち時間などが加味されて納期がその分遅れる。 一般的に、輸送業界としてトレーラが採用されたのは、まずトレーラにしか運べないもの(重機など)。次はバラ物と呼ばれるセメント・石油や自動車。これらは基本的に大企業が生産する、同一諸元の大量生産物で出荷と受け取り側に大きなタンクや駐車スペースなどの大きなストック設備が有る為に、運搬する車両が来ればすぐに積み込みでき、到着すれば時間を掛けずに荷卸しできる。大規模な事故や不況でもない限り輸送計画は順調にこなしてゆける。 しかし、宅急便が扱う荷物は全国津々浦々から雑多なものがそれこそ津々浦々に向かう。トラックターミナル(ベース)での処理は前記のような簡単なものでなく、更なる進歩はピッキングやパッキング・移動・仕分け等の個々の物流機器の進化に合わせて行わなくてはならないが、ベース間輸送は別途システムの改善として考えなくてはならない。 それがクロノゲートとゲートウェイという、トレーラの能力を最大限に生かす多頻度・大量輸送システムという事になる。 先に述べた「トレーラによる大量輸送」を多頻度で実現することが出来ればトータルでコストダウンにも繋がり、当日配達も含めた納期短縮が可能となる。

    新規格のトレーラ

    単一車両の長さ限度は12mで変化はないが、連結車両は時代/海外法規に合わせて長さが緩和された。セミトレーラは16.5mから1m伸びて17.5mに。フルトレーラは18.7mから2.3m伸びて21mである。 セミ/フルで全長が3.5mの差になるが、トレーラ/トラクタの諸元組み合わせ方によって曲がる時の膨らみ方(直角旋回軌跡=直角に曲がる時の曲がれる道路幅)はセミ:7.9m/フル:7.7mとほとんど同じになる。(道路の設計は、基本が1車線3mで造られるから、片側2車線同士の直角交差点(12m幅)では十分曲がることが出来る。また、こういう道路はコーナが「隅切り」されているから、曲がるのに難しくはない。 全長の長いフルトレーラ車両の方が膨らみの小さい理由について説明すると、セミトレーラの連結点(キングピン)はトラクタのWB間にあるから、連結点は曲がる時にトラクタの後軸中心より曲りの内側に入ってくる。 そこで、トレーラの後軸はトラクタの後軸より内側を回らざるを得ない、その分内側のコーナの角にぶつかることになって広い道路幅を必要とする事になる。 フルトレーラは逆に、連結点がトラクタの後軸の後ろにあるから、曲がる時にトレーラの連結点が外側に振り出される形になる。その分トレーラの後軸はトラクタの後軸の外側を回ることになって、必要とする道路幅が狭くても良いという結果になる。トレーラをドリー方式からセンターアクスル方式にしたことも効果を上げている。(トラクタのWBはセミの方が圧倒的に短いので、その分上記の記述と相殺されて膨らみ方が近い値となる)

    トレーラの使い方

    ヤマト運輸の営業所(センター)からの積荷は「1×1」サイズのロールボックスであるから、荷台長が1m伸びれば大型車での積載量は2個余分に積めることになる。 ☆セミトレーラ連結車の方は全長の伸びはそのまま荷台長の長さの伸びになるから、1m伸びてパレット2個多く積めることになる。 ☆フルトレーラの方は、トラクタのキャビンをベッドレスのショートキャブに/トレーラをドリー方式からセンターアクスル方式にしてトレーラ・トラクタの間隔を小さく/規制緩和の2.7mも加えて合計3本×2=6本多く積める仕様を確立した。 この様に、積載量(ロールボックスの個数)が増え、多頻度運行によって時間短縮ができる事が最終的に大きく物流の合理化に繋がる。 フルトレーラの導入については、書面にはないが導入の理由の一つとして、厚木GW-中部GW-関西GW間の輸送でトラクタに積む荷物とトレーラに積む荷物を中部向け/関西向けで積み分けたら効率は・・?というような発言もあった。(GW:ゲートウェイ) ☆セミ/フル連結車両を厚木GWと中部GWに1台ずつ導入して効果を検証したうえで、2017年に更に関西GWへの導入を検討。更なる効率化を図る予定。 物流に当たって、量/時間/コストを指標とするのは当然であるが、その為に投入する機材、物流センター/システム/車両/仕分けなどの各種機器・・・の導入の相互の関連・作業員・ドライバーや時代毎の物流に対する業界の要望など多くのファクターを勘案する為の検証はする必要があると考えておられるようだ。 今回、車両メーカはトラクタが「いすゞ」/トレーラを「フルハーフ」が担当した。これは、特別な意味はない」とヤマトの発言が有ったがその通りで、法規の規制一杯の車両造りはどこでもやっていることで、トラック/トレーラメーカどこでも手掛けることが出来る。 厚木GWのある内陸工業団地にフルハーフが工場を持っており、フルハーフといすゞ自動車は工場間も近いし資本関係も有るからスタート時に諸元すり合わせ等に時間がかからない等のメリットが有ったという事だろう。 島国で、国土の中央に山脈が有る国、日本では大都市や産業立地が海岸線に集中し重量物/長尺物/大量輸送が船舶/鉄道と競合する物流業ではトラックによる大量輸送がアメリカやヨーロッパのように主流になるのは難しい。 しかし、今まで述べてきたように情報を含めてネットワークが中心になる社会では、時間のファクターが重要になるにつれて大量輸送と切り離しが出来るトレーラの活躍場所が増えてくることになるのだろう。トレーラメーカの活躍に期待したい。

    セミトレーラーについて<現行セミトレーラ、現行フルトレーラとの比較>...ザ・トラック

    セミトレーラーについて<現行セミトレーラ、現行フルトレーラとの比較>

    古河ユニック…「ユニッククレーン」をフルモデルチェンジ

    搭載型クレーン…古河ユニック

    安心性能の追及をコンセプトに中型トラック搭載用

    古河ユニック㈱は、中型トラック搭載型クレーン『ユニッククレーン』をフルモデルチェンジし、『URG370シリーズ』『URG340シリーズ』として2016年11月7日から販売を開始した。 古河ユニックは、国内での競争力強化と海外展開の進展を図るべく、マザー工場である佐倉工場(千葉県佐倉市)の設備増強を進めており、今回、主力製品である「ユニッククレーン」において、需要のもっとも多い中型トラック搭載型クレーンのフルモデルチェンジを実施したもの。 フルモデルチェンジされた『URG370シリーズ』『URG340シリーズ』は、“安心性能の追及”をコンセプトに、過負荷によるクレーンの折損や転倒事故を予防する「デジタル式荷重計」や、安全をサポートする「巻過自動停止装置」、「ブーム・アウトリガ未格納警報装置」を全機種に標準装備するなど、基本性能をグレードアップした。 また、これまで長くユーザーから高い支持を得ている「連動ラジコン」「連動ラジコンJOY」を、ユーザーニーズをもとにさらに進化させ、新開発した「液晶ラジコン」には、正確な吊り荷重の表示、操作性のカスタマイズ、吊り荷重の加算機能、フック平行移動などの多彩な機能を搭載し、操作性を格段に高めてている。さらに、安全機能を強化し、クレーンの負荷状況や安定度を監視する「セイフティ仕様」や、高度な制御技術を活かした「記憶動作モード」により半自動運転を可能にした「スマートセイフティ仕様」など、安心性能を追求した高機能モデルも充実させた。 環境性能においても、業界初の省エネ大賞を受賞した『U-Can ECOシリーズ』の「エコポンプ・システム」(エンジン回転数を最大約47%低減、燃料消費量を最大約40%削減、騒音値を最大約4dB低減)をさらに進化させた「スマート・エコシステム」に加え、ユニック独自の技術を採用し大幅な低騒音化を実現した「サイレント・エコウインチ」などの新機能を搭載したエコクレーンの最上位モデル「エコプレミアム仕様」を設定した。 古河ユニックは、1961年に日本初の車両搭載型クレーンを発売し今年で55年を迎え、前モデルである『U-Can ECOシリーズ』の販売からは10年が経っている。初代機発売から世代を越え、脈々と受け継ぎ発展させてきた技術力を結集し開発した同シリーズの拡販に注力するとともに、今後もユーザーに安心して使用してもらえるユニック独自の製品を提供して行くとしている。

    フルモデルチェンジされた中型トラック搭載型“ユニッククレーン”...ザ・トラック

    フルモデルチェンジされた中型トラック搭載型“ユニッククレーン”

    手元で吊り荷重を常時確認できる新型液晶ラジコン...ザ・トラック

    手元で吊り荷重を常時確認できる新型液晶ラジコン

    主な特長

    (1)基本性能の進化。“安心”のための機能を全機種標準装備 ・正確な吊り荷重が確認できる「デジタル式荷重計」を全機種に標準装備。 従来の油圧式荷重計ではフックの巻き上げ操作中にしか吊り荷重を確認できなかったが、デジタル式荷重計では常時表示され、誰でも簡単かつ安全に作業できる範囲を把握することができ、過負荷によるクレーンの折損や転倒事故を防ぐことが可能。 ・そのほか、フックの巻き過ぎによるワイヤー切断を防止する「巻過自動停止装置」、ブーム等の格納忘れによる走行事故を防止する「ブーム・アウトリガ未格納警報装置」を全機種に標準装備。 (2)ラジコンの進化。見える“安心”・思い通りに動く“安心” ・優れた連動操作性でユーザーから高い支持を受けている「連動ラジコン」「連動ラジコンJOY」をさらに進化させた「液晶ラジコン」を新たにラインナップ。 従来、上位モデルでのみ表示していた吊り荷重を、全ての液晶ラジコンで標準仕様として表示し、車両から離れた場所でも吊り荷重を液晶モニターで確認しながら、安心してクレーン作業が行える。 ・また、作業者の熟練度によるクレーン操作の違いや、吊荷や現場の状況によって求められる操作性が異なることに対応すべく、ユーザーニーズをもとに、今まで以上にクレーンの操作性をカスタマイズできるようにした。例えば、クレーンの初速特性をこれまでの“標準”に加え、“微速”“高速”から選択できるようにするなど、各種設定の組み合わせで、思い通りの操作設定が可能。これにより、熟練者にも初心者にも使いやすく、吊荷や作業環境にあわせたクレーン操作を安心して行える。 ・このほか、過積載による事故防止に役立つ「吊り荷重の積算表示機能」も搭載し、運転手の安全だけでなく、荷主や運送業経営者の安全管理に貢献。 (3)安全性能の進化。クレーンの状態と限界がわかる“安心” ・業界唯一の3年保証付き「過負荷警報装置」及び「転倒防止装置」の従来からある安全仕様に加え、架線などへの接触事故を防止する「高さ制限装置」と吊り上げ性能が大幅に低下する前方領域をフォローする「前方領域検出装置」を備えた、安全装置のフル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセイフティ仕様)を新たに設定。クレーンの負荷状況と安定度を常に監視し、過負荷作業と転倒事故を未然に防止する。 ・さらに、フル装備モデルの液晶ラジコンには吊り荷重だけでなく、作業半径や定格荷重、負荷率なども表示されるので、クレーンの状態や限界を液晶モニターで確認しながら、安心して作業を行うことができる。また、荷ブレを抑制する「高機能ショックレス(自動減速)機能」も搭載。※フル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセイフティ仕様)はオプション。 (4)制御性能の進化。高度な制御で“安心”サポート ・ブームの伸縮操作に連動してフックが平行移動する「フック平行移動」やフックの高さが変わらない「対地平行移動」に加え、新たにブームの先端が車両に対して前後左右方向の平行移動や垂直移動する「直交動作モード」を搭載(スマートセイフティ仕様のみ)。本来、ブームを動かす油圧制御には、ブームの伸縮、起伏、旋回、フック(ワイヤー)の巻上/巻下があり、平行移動や垂直移動にはこれらを同時に制御しなければならず、熟練の操作技術が必要だった。この連動操作を、液晶ラジコンの高度な制御技術のアシストによりひとつの操作で簡単に行うことができ、作業効率を大幅に向上。 ・さらに、新たな機能として搭載した「記憶動作モード」では、記憶した地点まで半自動移動するショートカット移動や、クレーン操作を記憶して反復動作する軌跡移動を可能としており、作業効率化を実現。 ・このほか、クレーン本体にはクレーンの状態表示だけでなく、不具合時の対処方法等も表示される液晶パネルを搭載し、万が一の時のトラブルシューティングに役立つ。※制御機能はスマートセイフティ仕様のみの機能。 (5)環境性能の進化。環境配慮にさらなる“安心” ・平成19年に業界初の省エネ大賞を受賞した『U-Can ECOシリーズ』の「エコポンプ・システム」(エンジン回転数を最大で約47%低減、燃料消費量を最大で約40%削減、騒音値を最大約4dB低減)をさらに進化させた「スマート・エコシステム」に加え、ウインチには「サイレント・エコウインチ」を、ブームには「エコシリンダ機構」を搭載した最上位モデル「エコプレミアム仕様」を新たに設定。クレーン作業において最も使用頻度が高く、騒音の発生要因ともなっていたウインチに、新開発の「サイレント・エコウインチ」を採用したことにより、ウインチの作動音が最大10dB低減し、作業者への環境負荷を軽減。また、作業状況に合わせて、静粛性を優先したエコ重視と作業時間の短縮を優先した速度重視の設定に切り換えることも可能。

    標準価格と販売目標

    【3段~6段ブーム】(シャーシを除く・税別価格) ①URG370シリーズ:271万円~608万円 ②URG340シリーズ:250万円~576万円 ※販売目標:年間4,000台(2機種合計)

    定格荷重や負荷率などの情報が手元で確認できる...ザ・トラック

    定格荷重や負荷率などの情報が手元で確認できる

    クレーンの状態と限界が分かる安心機能を搭載...ザ・トラック

    クレーンの状態と限界が分かる安心機能を搭載

    いすゞ…「フォワードFカーゴ・ウイング」の安全装置標準化

    中型トラック改良…いすゞ自動車

    いすゞ中型トラック「フォワード」を改良

    いすゞ自動車㈱は、中型トラック「フォワード」の一部車型を改良し、2016年11月14日より全国一斉に発売した。 今回の改良では中型トラック完成車「Fカーゴ・ウイング」(GVW8t未満)に従来オプションだった「先進視覚サポート技術(VAT)」と「電子式車両姿勢制御システム」をクラス初の標準装備とした。 国土交通省によると、運送事業において発生する自動車事故のうち重傷・死亡に繋がる重大事故の件数は、GVW20t超の大型車が最多で、次いでGVW8tクラスとなっている。幹線輸送に幅広く使用されているGVW8t未満の「Fカーゴ・ウイング」(大型トラック「ギガ」シリーズには既に安全装置を標準装備)に、これらの安全装置をいち早く標準化する必要があると判断したもの。 なお、先進視覚サポート技術(VAT)は、高精度のミリ波レーダーや各種センサーを駆使し、ドライバーの視覚をサポートするテクノロジーで、「プリクラッシュブレーキ(衝突回避支援機能/衝突被害軽減機能)」、「ミリ波車間ウォーニング」、「LDWS(車線逸脱警報)」となる。

    いすゞ中型トラック「フォワード」F-cargo...ザ・トラック

    いすゞ中型トラック「フォワード」F-cargo

    各種の安全装置が標準化された中型トラック「フォワード」...ザ・トラック

    各種の安全装置が標準化された中型トラック「フォワード」

    主な特長

    現在、オプション展開している安全装置の展開について標準化を行うことになる。 (1)プリクラッシュブレーキ(衝突回避支援機能/衝突被害軽減機能)は追突の可能性が高まると自動ブレーキ制動により衝突を回避、衝突が避けられない場合には強いブレーキで被害軽減を図る。 (2)ミリ波車間ウォーニングは、走行中、先行車との車間距離の変化をマルチインフォメーションディスプレイに表示。任意に設定した車間まで先行車の距離が縮まった場合に警報音を発し、注意を促す。 (3)車線逸脱警報装置(LDWS)は、車内搭載のカメラにより、車線に対する車両位置を検出し、車線を逸脱した場合に警報音とメーター表示による警告を促し、わき見運転や居眠り運転による事故の抑制に貢献。 (4)電子式車両姿勢制御システム(IESC)はドライバーの操作状況や車両挙動をセンサーで検知し、横滑りや横転につながる不安定な車両姿勢と判断された場合に警報音とメーター表示による警告と同時に、エンジンおよびブレーキの自動制御を行い、事故の抑制に貢献。

    ミリ波レーダーとカメラによる二重確認でさらなる安全性を追求...ザ・トラック

    ミリ波レーダーとカメラによる二重確認でさらなる安全性を追求

    主な仕様と東京地区希望小売価格

    ◇車型:TKG‐FRR90S2 ◇主な仕様:平成27年度重量車燃費基準達成/ポスト新長期規制適合/平成21年低排出ガス車認定取得/Fカーゴ・GVW8t車/フルキャブ・リーフサスペンション/プリクラッシュブレーキ標準装備/ミリ波車間ウォーニング標準装備/車線逸脱警報(LDWS)標準装備/電子式車両姿勢制御システム(IESC)標準装備 ◇エンジン/トランスミッション:4HK1‐TCS・154kW(210PS)/6速Smoother‐Fx ◇東京地区希望小売価格(消費税税込):11,484,720円 ※目標販売台数(国内):4,000台/年

    「フォワード」F-cargoウイングボディ+テールゲートリフター...ザ・トラック

    「フォワード」F-cargoウイングボディ+テールゲートリフター

    いすゞ大型トラック「ギガCNG車」に追加車型を設定

    大型トラック追加車型…いすゞ自動車

    燃料多様化でエネルギーセキュリティに貢献

    いすゞ自動車㈱は、2015年12月に発表した大型トラック「ギガCNG車」に追加車型を設定し、2016年11月10日より全国一斉に発売した。 「ギガCNG車」は燃料の多様化を図ることで、エネルギーセキュリティに貢献するだけではなく、都市間トラック輸送でのCO2排出量を低減し、NOx排出量が少なく、PMをほとんど排出しないCNG車ならではの環境性能で、環境負荷の低減に貢献している。また、エンジンの改良を行い、さらなるNOx低減・燃費性能の向上を実現した。いすゞは、今後も順次車型追加、車両性能向上に向けた取り組みを進めるとしている。

    いすゞ大型トラック「ギガCNG車」...ザ・トラック

    いすゞ大型トラック「ギガCNG車」

    主な特長

    ・一回のガス充填で東京~大阪間(500㎞程度)の走行が可能。 ・カーゴ系3軸車にショートキャブ車を追加。また、積載容積をより大きく確保できる4軸車を新たにラインナップした。 ・6UV1エンジン本体を改良して搭載。ディーゼル車の排出ガス規制値であるポスト新長期排出ガス規制に対してNOx57%低減を達成し、次期排出ガス規制レベルを上回る低排出ガス性能を実現(九都県市低公害指定制度「平成21年基準超低公害車」の指定を受ける予定)。 ・トータルセーフティーによる安全性の向上を図り、プリクラッシュブレーキでは、衝突被害軽減ブレーキ機能に加え、移動障害物に対する衝突回避支援機能を標準装備。また、車線逸脱警報(LDWS)、ミリ波車間ウォーニング、電子式車両姿勢制御システム(IESC)、電子ブレーキシステム(EBS)を標準装備。

    東京地区希望小売価格

    ◇車型:QFG-CYJ78B-WX-M(ポスト新長期排出ガス適合) ◇主な仕様:平成21年低排出ガス車認定取得/キャブ付きシャシ/プリクラッシュブレーキ標準装備/ミリ波車間ウォーニング標準装備/車線逸脱警報(LDWS)標準装備/電子式車両姿勢制御システム(IESC)標準装備 ◇エンジン/トランスミッション:6UV1-TCN/7速MT ◇東京地区希望小売価格(消費税込):28,168,560円 ※目標販売台数:100台/年

    大型トラック「ギガCNG車」の車両レイアウト...ザ・トラック

    大型トラック「ギガCNG車」の車両レイアウト

    愛知県トラック協会中部トラック総合研修センター・グランドオープン

    全国のトラック研修センターのお手本に安全性向上・健康増進・災害対応・生産性向上の4テーマ愛知県トラック協会(小幡鋹伸会長)が二年余りの歳月をかけてリニューアルを進めてきた中部トラック総合研修センターは、施設補完整備事業が完了、グランドオープしたことから11月1日、星野良三全日本トラック協会会長、大村秀章愛知県知事、田端浩国土交通省国土交通審議官など多数の来賓を招いて、施設完成記念式典を行った。

    オーシャントランス株式会社髙松勝三郎代表取締役社長に聞く、エアー式ランディングに補助金を出して普及促進

    海上輸送へのモーダルシフトが一気に加速、昭和40年代の初めに、日本自動車車体工業会の有志によって創刊された本誌は、昭和59年11月に第一回トラックショーを開催するまでの間『特装車とトレーラ』の誌名で発行していた。高度経済成長で人手不足に陥ったわが国は、当時の運輸省が中心となってトレーラによる大量輸送と長距離フェリーへのモーダルシフトを促進した。