【初心者向け】トラックのタイヤチェーンを簡単に装着する方法


積雪地域にあまりゆかりがないと、タイヤチェーンを巻く機会はなかなかありません。
そのため、タイヤチェーンを巻いたことがない方も多いのではないでしょうか。
しかし、積雪地域に今までゆかりがなくても、長距離ドライバーとなると話は変わります。

長距離のトラックドライバーをしていれば、東北などの積雪地域に行く機会も多く、また、九州であっても、山間部は雪が積もります。
このように、長距離ドライバーはタイヤチェーンに関して知識を持っておく必要があるのです。

そこで今回は、トラックにタイヤチェーンを巻いたことがない方でも、簡単にトラックチェーンを巻くことができる方法を解説していきます。

筆者・太田さん

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整備士として現場で働いている現役整備士ライターです。 所有資格は整備士3級。

現役で働いているという強みを活かし、読みやすく読者の疑問を解決できるような記事になるよう心がけています。

トラックチェーンを使うタイミングはいつ?


トラックチェーンを使うタイミングは、雪が降っている場合や気温が低く、路面が凍っている可能性がある場合です。
具体的な数字でいうと、外気温が5度以下になったら装着を検討しましょう。
また、対向車や同じ方角に向かうトラックがチェーンを付けている場合、すでにチェーンの装着が必要な可能性が高いです。
そのため、条件に当てはまっていなくても早めの装着をおすすめします。
その他に、トラックチェーンを装着すべきか自分自身で判断をしなくても、地域によっては『チェーン規制』が発令される場合もあります。
チェーン規制は、『大雪特別警報』や『異例な緊急発表』などがおこなわれた場合に発令され、スタッドレスタイヤを履いていたとしても、チェーンの装着が必要です。
また今は大丈夫でも、向かう先や時間帯により天候も変わってきます。
そのため、気象情報や道路情報はこまめにチェックするようにしましょう。

トラックチェーンの装着方法を解説!


トラックチェーンの巻き方には、2種類の方法があります。
チェーンを広げ、トラックを動かして巻く方法と、トラックを動かさずに、タイヤにチェーンをかぶせて巻く方法です。
どちらの方法でも構いませんが、使用するチェーンに合った取り付け方法でおこなうようにしましょう。
それぞれ解説していきます。

【トラックを動かして巻く方法】
➀取り付けるタイヤの後方、または前方にチェーンを広げ、ねじれがないように敷く。
➁トラックを動かし、広げているチェーンの中心にタイヤがくるようにする。
③たるみがないように整えながらタイヤにかぶせていく。
④最後にチェーンに取り付けられているフックを使用し、張りを調整する。

【タイヤにかぶせて巻いていく方法】
➀チェーンの内側と外側を確認し、タイヤの上からかぶせる。
➁内側のフックを取り付ける。
③たるみがないように整えながら外側のフックを取り付ける。
④最後にチェーンバンドを均等に取り付ける。

どちらの方法も、たるみがなく均等になるようタイヤに巻き付けることが重要です。
また、数十メートル走行したあと、再度チェーンを確認し、ゆるみがあれば張り直すようにしましょう。

タイヤチェーンを巻くときの注意点

トラックのチェーンを巻く際には
・張り
・たるみ
・ねじれ
・固定
この4つを意識する必要があります。

注意点をご説明する前に、チェーンを巻くとき揃えておいたほうがよいアイテムをご紹介しておきます。
用意するアイテムは、
・滑り止めの付いたゴム手袋
・頭に取り付けるヘッドライト
この2点です。

チェーンは金属製のものが多く、素手で取り付けをおこなうと、ケガをする恐れがあります。
また、夜間に取り付けをおこなわなければならない場合、明かりがないと非常に困難です。
両手を使わないといけないため、頭に取り付けるヘッドライトがあると便利です。
その他にも、レインコートや滑り止め付きの長靴など、どのような天候でも作業できるように、準備をしておきましょう

準備が整ったら、実際にトラックチェーンを巻くときの注意点をご紹介します。
一番重要なのは、チェーンがずれたりしないよう、しっかりと張りを確認することです。
理想は、チェーンとタイヤの間に指が入らないくらいまで張った状態です。
もしゆるければ、巻き直しが必要となってきます。

また、このときにチェーンが片方に寄ったりせず、タイヤの中心に来ているかも確認しましょう。
そして、チェーンにたるみやねじれがないかの確認も重要です。
たるみやねじれがあると本来の性能を発揮できず、チェーンを装着している意味がなくなってしまいます。
また、必要以上に負荷がかかるのでチェーンが破損する恐れもあり大変危険です。

その他にも、余ったチェーンはしっかり固定するようにしましょう。
余ったチェーンを固定していないと、タイヤに巻き込んだりボディを破損させる恐れがあります。

このように「張り・たるみ・ねじれ・固定」は、重要な注意点なのでしっかり覚えておきましょう。

トラックチェーンがねじれた場合の直し方


もしトラックチェーンがねじれてしまっている場合、どのように直すのでしょうか。

まず、チェーンを広げどこがねじれているか確認します。
チェーンがねじれていると、チェーンのリングが不自然に重なり、団子状態になっています
そこを確認し、ねじれを直していきましょう。
直し方は、タイヤの進行方向に対して横向きに取り付けられているチェーンの間をくぐらせる方法です。
くぐらせたあと、もしさらにねじれてしまった場合は、くぐらせる方向が逆ということなので、逆方向にくぐらせて直しましょう。

慣れないと少し手間取ると思いますが、何度もおこなうことでコツをつかめます。
チェーンの破損につながるので、ねじれは必ず直しておきましょう。

トラックのチェーンを巻く位置は?前輪、後輪どっちがいいの?


トラックに限らず、チェーンを巻くのは基本的に『駆動輪』です。
駆動輪とは、エンジンの力が直接伝わり、車を動かすタイヤのことを指します。
駆動輪が前輪であれば前のタイヤに、後輪であれば後ろのタイヤに取り付ける必要があります。
トラックの場合も同様です。

トラックは後輪駆動のものが多いですが、「3軸」や「4軸」のトラックなどもあり、どれが駆動輪かわからない場合もあります。
そんなときは、トラックのスペック表を見ることによって、確認することが可能です。

自身のトラックの駆動輪を確認し、チェーンは駆動輪に取り付けるようにしましょう。

車の駆動方式は4種類に分かれる

トラックを含む車の駆動方式は、4種類に分けることができます。
駆動方式を知ることで、どこにエンジンがあり、どのタイヤが駆動輪なのか判断することが可能です。
駆動方式もトラックのスペック表に記載されているので、一緒に確認しておきましょう。
それでは、各駆動方式を簡単にご紹介していきます。

FF(フロントエンジン・フロントドライブ)

FF車とは、車体の前方にエンジンが搭載されており、前のタイヤが駆動輪になっている方式です。
主に乗用車に多く採用されています。
前輪が駆動輪となっているため、チェーンを巻く際は前輪に巻く必要があります。

FR(フロントエンジン・リアドライブ)

FR車は、車体の前方にエンジンが搭載されており、後ろのタイヤが駆動輪となっている方式です。
乗用車からトラックまで、幅広い車種に採用されています。
こちらは後輪が駆動輪なので、チェーンは後輪に巻く必要があります。

MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)

MR車は、車体のほぼ中心にエンジンが搭載されており、後ろのタイヤが駆動輪となっている方式です。
スーパーカーと呼ばれるようなスポーツカーやレーシングカーで多く採用されている方式となります。
こちらも後輪が駆動輪なので、チェーンは後輪に巻く必要があります。

RR(リアエンジン・リアドライブ)

RR車は、車体の後方にエンジンが搭載されており、後ろのタイヤが駆動輪となっている方式です。
FF車と真逆の方式となります。
最近では、ほとんどお目にかかることはありませんが、一部のスポーツカーなどで採用されています。
こちらも駆動輪は後輪なので、チェーンは後輪に巻く必要があります。

AWDもしくは4WD(全前輪駆動車)

AWDや4WDとは、取り付けられているすべてのタイヤが駆動輪となっている方式です。
こちらは、エンジンの搭載位置とは関係なく、AWD(4WD)の設定がある車種であれば、この駆動方式となります。

この場合、チェーンの取り付けをおこなうタイヤは前輪なのか後輪なのか、車種により異なります。
しかし、多くの車種が後輪よりも前輪に、より駆動力を持たせているので、前輪にチェーンを取り付ける場合が多いです。
AWD(4WD)の場合は、取り付ける前に取扱説明書の確認やメーカーに問い合わせることをおすすめします。

トラックの場合は複雑な表記になっているので注意!

乗用車の場合、基本的に前後2本ずつで合計4本のタイヤが取り付けられていることは、ご存じかと思います。
しかしトラックの場合は、前2本、後ろ4本の合計6本や前4本、後ろ8本の合計12本など、多くの種類があります。
そのため、乗用車と違い、トラックの駆動方式の記載方法は少し複雑です。

例えば、「2-2D」と表記されている場合、前に2本のタイヤが装着され、後ろにも2本のタイヤが装着された後輪駆動になります。
数字と数字の間にある「-」の表記は前輪と後輪に分かれていることを示します。
数字の後ろに付いている「D」の表記は英語の「ドライブ」の頭文字となっており、駆動輪のことを示します。

より複雑な例えとして「2-4D・4」という駆動方式があります。
これは、前に2本のタイヤが装着され、後ろ4本のタイヤが駆動輪、さらにその後ろに4本のタイヤが装着されたトラックという意味です。
つまり「3軸」であり、後ろ2軸がダブルタイヤになっているトラックのことです。
前輪もしくは後輪が2軸ある場合は「・」を表記して、とたえば後輪は後輪でも、そのなかで前後に分かれていることを表しています。
ダブルタイヤとは、トラックを左右に分けたとき、片側にタイヤが2本1セットになって装着されているもののことです。
そのため、片側2本の合計4本となるため、「4」と表記されています。

一見、かなり複雑そうに感じますが、意味を知っていれば、わかりやすい表記といえます。

トラックチェーンにあるシングルとダブルってなにが違うの?


シングルは1本のタイヤに対して巻くチェーン、ダブルは「ダブルタイヤ」用のトラックチェーンのことです。

前項の内容を見て頂いた方は、このタイトルを見ただけで違いがわかるかと思います。
トラックは、荷台の積荷などの重量を支えるため、後輪にダブルタイヤを採用しているものが多くあります。
2本で1セットのダブルタイヤは、より大きな荷重を支えることが可能です。
このダブルタイヤにチェーンを巻くときに使用されるのが、ダブルのトラックチェーンとなります。
ただし、ダブルタイヤの外側のみにチェーンを取り付ける場合は、シングルのトラックチェーンで構いません。
ちなみに、ダブルタイヤ用のチェーンは一般的に『トリプルチェーン』と呼ばれています。

まとめ

今回は、トラックチェーン装着のタイミングから装着方法、どのタイヤに取り付けるのかを見分ける方法まで解説していきました。
トラックチェーンを巻いたことのない方は、雪道の運転もしたことがない場合も多いのではないでしょうか。

雪道の運転は、慣れるまでは恐怖を感じるものです。
雪道でブレーキを踏んだら車が滑り出して止まらなくなり、とても怖い経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。
そのような状況になる前にチェーンを巻いておくことが、やはり重要です。

トラックチェーンの巻き方を覚え、雪道でも安全に運転ができるように備えておきましょう。

  • 雪が降っている場合トラックのタイヤにチェーンを巻く必要がある
  • その他にも、『大雪特別警報』や『異例な緊急発表』などでも装着が義務付けられている
  • チェーンの巻き方はトラックを動かす方法と、タイヤにかぶせる方法の2種類
  • 駆動輪にタイヤチェーンを装着する
  • トラックのタイヤチェーンはシングル用とダブル用の2種類がある

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