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中型トラックとは?必要な免許や取得費用・運送業者におすすめの人気車種4選

中型トラックとは、車両総重量5〜11トン、最大積載量3〜6.5トンのトラックを意味します。
トラックを運転するためには、分類ごとに異なる免許が必要です。また、サイズによって使用上の特徴も異なります。
この記事では、中型トラックの定義、運転に必要な免許、かかる費用を分かりやすく解説します。他にも、運送業者におすすめの人気車種4選も紹介しています。中型トラックを選ぶ際にぜひお役立てください。

中型トラックとは

(引用元:いすゞ自動車)

中型トラックは、車両総重量5〜11トン、最大積載量3〜6.5トンのトラックです。標準的な規格は以下のとおりです。

規格
全長 12,000mm以内
全幅 2,500mm以内
全高 3,800mm以内
車両総重量 5トン〜11トン未満
最大積載量 3トン〜6.5トン未満

中型トラックと4トントラックの違い

4トントラックとは、最大積載量が4トン程度のトラックのことです。車両総重量が3トン超、6.5トン以下に収まることから、中型トラックに該当します。
つまり、「中型トラックの中に4トントラックが含まれる」という関係性です。

大型トラックと小型トラックとの見分け方

トラックは、トラックメーカーによって小型・中型・大型の3種類に分けられています。具体的には、車両総重量や最大積載量を基準に、以下のように分類されています。

分類 車両総重量 最大積載量
大型トラック 11トン以上 6.5トン以上
中型トラック 5トン〜11トン未満 3トン〜6.5トン未満
小型トラック 5トン未満 3トン未満

これら3つは運送業者の仕事における、運搬距離や荷物の量に応じて使い分けられるのが一般的です。
遠方へ多くの荷物を運ぶ際は大型トラック、比較的近場に少量の配送をする場合は小型トラックが用いられます。

中型トラックに必要な免許・取得費用

(引用元:いすゞ自動車)

中型トラックを運転するために必要な免許および、取得条件、かかる費用をまとめると次のとおりです。

必要な免許 取得条件 取得費用
中型免許」もしくは「2007年6月1日までに取得した普通免許」 普通免許・準中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得してから通算2年以上の運転経歴 およそ17万円~27万円

それぞれ詳細を解説します。

免許

結論から言うと「中型免許」があれば、中型トラックを運転できます。
ここでの注意点は「準中型免許」では、中型トラックを運転できないことです。
2017年3月12日に改正道路交通法が施行されたことで、それまでの普通自動車・中型自動車・大型自動車という区分に変更がありました。
具体的な変更点は、普通自動車と中型自動車の間に「準中型自動車」が創設されたことです。
中型自動車との違いは次のとおりです。

分類 車両総重量 最大積載量 乗員定員
準中型自動車 3.5トン〜7.5トン未満 2トン〜4.5トン未満 10人以下
中型自動車 7.5トン〜11.0トン未満 4.5トン〜6.5トン未満 29人以下

中型トラックの多くは最大積載量が4トン程度ですが、車両総重量は7.5トン以上あります。
そのため、準中型免許では中型トラックを運転できないケースが多いです。

取得条件

中型免許の取得条件は、次のとおりです。
●あらかじめ普通免許・準中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得
●その後通算2年以上の運転経歴がある

免許停止期間がある場合は、その期間を除いて2年以上が求められます。
なお、普通免許・準中型免許・大型特殊免許を取得できるのは18歳以上のため、中型免許を取得できるのは20歳以上です。
他にも視力にも条件があります。視力は、普通免許の取得時と以下の違いがあります。

両目 左右それぞれ
中型免許 0.8以上 0.5以上
普通免許 0.7以上 0.3以上

そのほか、深視力検査(※)や聴力、色彩識別(※)などのテストも実施されます。
(※)深視力検査とは・・・遠近感・立体感の判断能力である「深視力」を計測するテストのこと。

(※)色彩識別とは・・・交通信号機などの赤色、黄色、青色などを識別できる認識能力を計測するテストのこと。
(参考元:警視庁「適性試験の合格基準」)

取得費用

取得している免許 中型免許取得にかかる費用
普通免許(MT車) 17万円~24万円ほど
普通免許(AT限定) 21万円~27万円ほど

これらの費用がかかる理由は、中型免許取得にあたり、それぞれ以下の受講が必要なためです。

【普通免許(MT車)を取得している場合】

学科 1時限
技能教習 15時限
かかる期間 約4~8週間

【普通免許(AT限定)を取得している場合】

学科 1時限
技能教習 19時限
かかる期間 約4~8週間

中型トラックのメリット


運送業者が、中型トラックを導入する主なメリットを解説します。

大型トラックよりも小回りが利いて運転しやすい

中型トラックは、大型トラックよりも車体の長さが短いです。そのため、大型トラックが一度に曲がり切れない角でも、中型トラックであれば曲がれるケースが多いです。
大型トラックよりも車体が小さい分、周囲の状況把握をおこないやすい点もメリットです。

小型トラックよりも多くの荷物を載せられる

車体に大きさのある車種であれば、多くの荷物を載せられ、活用範囲も広がります。
最大積載量を超えなければ問題ないので、遠方に多くの荷物を運ぶ際に活用されるケースも多いです。

大型トラックよりも高速道路料金が安い

中型トラックの高速道路料金は、大型トラックよりも安い点もメリットです。
大型トラックが必要となるほどの積載量にならなければ、中型トラックで運んだほうがお得です。

そのため、実際に中型トラックで長距離にわたり荷物を運搬することも多いです。
中型車と大型車における高速料金の違いを、東北自動車道の「仙台宮城IC〜宇都宮IC」を走行したケースを例にまとめました。

車種区分 通常料金 ETC料金 ETC2.0料金
中型車 6,520円 4,560円 4,560円
大型車 8,900円 6,230円 6,230円

ただし、高速道路料金の車種区分は、トラックメーカーによる分類とは異なるため注意しましょう。
高速道路料金の車種区分のうち、中型車と大型車における普通貨物自動車(トラック)の基準は以下のとおりです。

車種区分 基準
中型車 車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満で3車軸以下のもの及び被けん引自動車を連結していないセミトレーラ用トラクターで2車軸のもの
大型車 車両総重量8t以上又は最大積載量5t以上で3車軸以下、及び車両総重量25t以下(ただし、最遠軸距5.5m未満又は車長9m未満のものについては20t以下、最遠軸距5.5m以上7m未満で車長が9m以上のもの及び最遠軸距が7m以上で車長9m以上11m未満のものについては22t以下)かつ4車軸

(引用元:NEXCO西日本「高速料金・ルート検索」NEXCO中日本「高速道路料金の車種区分を知りたい。」)

2007年6月1日以前に取得の普通自動車運転免許でも運転できる

2007年6日1日以前に取得した普通自動車運転免許があれば、中型トラックを運転できることもメリットです。
中型免許は、2007年6月に設けられました。2007年6月1日以前に取得した普通免許は、在、中型免許(8トン限定)に変更されています。

車両総重量が8トン未満の中型トラックであれば運転できます。
仕事に中型トラックを導入する際、受講費と時間をかけて新たに免許を取得し直す必要がないことはメリットでしょう。

中型トラックの種類(形状)

(引用元:日野自動車)

中型トラックの代表的な4つの種類・形状を順番に解説します。

形状 主な特徴
平ボディ 荷台がフラットなため、貨物の積み下ろしがしやすい
アルミバン 雨風から守りながら安全に運送できる
ウイングボディ フォークリフトなどで横から直接荷物の積み下ろしができる
幌ウイング ウイングボディよりも車両重量が軽く、それだけ積み込む荷物の重量や数を増やせる

平ボディ

(引用元:日野自動車)

平ボディは、一般的な形状の架台を載せたトラックです。屋根がなかったり、荷台がフラットなために貨物の積み下ろしがしやすかったりするのが特徴です。荷台も軽いため、積載量を確保しやすいでしょう。

荷台に屋根がありませんが、原則3.8m以下の高さまで積載が可能です。
中型トラックの平ボディは、大型トラックで長距離にわたって運ばれてきた荷物を中継地で積み替えて各地域に輸送する際に中心的な役割を果たしています。

アルミバン

(引用元:三菱ふそうトラック・バス株式会社)

アルミバンは、アルミ製の荷台を架装した箱型のトラックです。バンの内部に荷物を収納することで、雨風から守りながら安全に運送できます。

一方で、中型トラックのアルミバンはボディの重量によって積載量が比較的少なくなるおそれがある点に注意しましょう。

ウイングボディ

(引用元:東邦車輛)

ウイングボディは、アルミバンを発展させたスタイルのトラックです。
バンボディの両側が開くようになっています。フォークリフトなどで横から直接荷物の積卸しができるため、作業効率の向上が期待できます。

幌ウイング

(引用元:東洋ボデー)

幌ウイングは、荷台を幌でおおったウイング型のトラックです。
軽量素材である幌の使用によって、ウイングボディよりも車両重量が軽くなり、積み込む荷物の重量や数を増やせます。
中型トラックの積載量の上限である6.5トンを限りなく生かせる上に、貨物の保護も実現しています。

中型トラックの人気車種おすすめ4選


(引用元:三菱ふそうトラック・バス)

運送業者におすすめできる、中型トラックの人気車種4つを紹介します。
それぞれ特徴や、積載性能、燃費などを紹介します。
仕事で新たにトラックを導入する際の参考にしてください。
紹介している中型トラック一覧は次のとおりです。

車種 特徴 最大積載量(kg) 燃費基準値(km/L) 新車価格(参考)
フォワード あらゆる業種の作業現場で活躍 5,789 6.52 1,510万6,300円
日野レンジャー 4トンから20トン級まで、ラインナップが豊富 3,700 4.15 976万9,100円〜1,187万3,400円
ファイター ドライバーの安全と快適、パワーのあるエンジンに定評 7,483 6.00 833万1,400円
ダイナ(※) 最大積載量が1トン級の小型から中型が中心 2,995 9.51 276万9,000円〜660万円

(※)ダイナはTECS「ドライバン」シリーズを用いて特装車とすることで最大積載量3.5トンの中型トラックになります。

(参考元:国土交通省「自動車燃費一覧(令和5年3月)」)

フォワード|いすゞ自動車

フォワード|いすゞ自動車

フォワードは、1966年の生産開始以来、デザインの変更や機能の追加を繰り返し現在でも活躍しているトラックです。あらゆる業種の作業現場で活躍しており、消防車や電源車のベースとしても使用されています。

また、安全機能として車線逸脱警報を採用している点も特徴です。車線を逸脱しそうになると左右白線をカメラで検知し、警報音とマルチディスプレイに警告表示をしてドライバーに注意を促してくれます。
下表に、フォワードの一型式を例に取り、積載性能、燃費基準値をまとめました。

型式 車両重量(kg) 最大積載量(kg) 燃費基準値(km/L)
2RG-FSR90S2 3,659 5,789 6.52

日野レンジャー|日野自動車

(引用元:日野自動車)

トヨタグループ傘下の日野自動車による日野レンジャーは、1964年に生産が開始されたトラックです。4トンから20トン級まで、ラインナップが豊富に揃っています。

ドライバーのために「燃費性能」「安全性能」「快適性能」を掲げており、トヨタ・日野の技術の粋を結集させて生産されているトラックです。

下表に、日野レンジャーの一型式を例に取り、積載性能、燃費基準値をまとめました。

型式 車両重量(kg) 最大積載量(kg) 燃費基準値(km/L)
2KG-FC2ABA 7,990 3,700kg 4.15

ファイター | 三菱ふそうトラック・バス

(引用元:三菱ふそうトラック・バス)

ファイターは、メルセデスベンツのダイムラーグループ傘下「三菱ふそうトラック・バス」が製造・販売している中型トラックです。

ドライバーの安全と快適を追求しているほか、パワーのあるエンジンにも定評があり、建設で使われるダンプカーやクレーン車に多く利用されています。

下表に、ファイターの一型式を例に取り、積載性能、燃費基準値をまとめました。

型式 車両重量(kg) 最大積載量(kg) 燃費基準値(km/L)
2KG-FK62FY 4,048 7,483 6.00

ダイナ|トヨタ自動車

(引用元:トヨタ自動車)

世界最大手の自動車メーカー「トヨタ自動車」が製造しているトラックです。1956年に製造が開始され、最大積載量が1トン級の小型から中型を中心に製造してきました。
現在はダイナカーゴとして1トン2トンの小型トラックが展開されています。

新車で購入する場合は、特装車として、2トンのダイナカーゴにTECS「ドライバン」シリーズを導入することで、最大積載量3.5トンまでの中型トラックになります。
(参考元:ダイナカーゴの公式カタログ「特装車(TECS):ドライバン/冷凍車・保冷車/荷役省力車/車両運搬車」)

もしくは、中古車販売店やリースなどから過去に販売された中型トラックを入手することも可能です。
下表に、ダイナの一型式を例に取り、積載性能、燃費基準値をまとめました。

型式 車両重量(kg) 最大積載量(kg) 燃費基準値(km/L)
SJG-XKU600 5,812 2,995 9.51

中型トラックに関するよくある質問

何トンから中型トラックに該当する?

車両総重量なら5トン以上、最大積載量なら3トン以上です。

2トントラックは中型トラックに該当する?

2トントラックは、最大積載量が2トン程度のトラックです。中型ではなく小型トラックに該当します。小型・中型・大型の違いは、最大積載量を基準にして考えましょう。

サイズ 最大積載量
大型 6.5トン以上
中型 3トン〜6.5トン未満
小型 3トン未満

まとめ

中型トラックとは、車両総重量5トン〜11トン未満、最大積載量3トン〜6.5トン未満のトラックのことです。中型免許を持っていれば、問題なく運転できます。
中型トラックのメリットを把握しておき、状況に応じて最適なサイズのトラックを導入しましょう。

  • 中型トラックとは車両総重量5トン〜11トン未満、最大積載量3トン〜6.5トン未満のトラックのこと
  • 必要な免許は「中型免許」もしくは「2007年6月1日までに取得した普通免許」
  • 取得条件は普通免許・準中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得してから通算2年以上の運転経歴
  • 免許の取得費用はおよそ17万円~27万円

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