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【対談】吉野雅山 日本貨物輸送協同組合連合会 会長

前会長が築いた土台に実のある上物を
進化する
WebKIT
(ウェブキット)
を更に拡充
 日本貨物運送協同組合連合会(通称、日貨協連)は、中小企業等協同組合法に基づき昭和
39年(1964年)に設立された全国のトラック運送事業協同組合の中央組織である。日貨協連
は会員協同組合を通じた各種協同事業に取り組むことにより、中小トラック運送事業者の経営基盤
強化と社会的、経済的地位向上を図るとともに、会員協同組合の指導、育成が主な役割である。
今年7月現在の加盟は628連合会・組合で事業者数は1万3378者のビッグ組織である。
この日貨協連の会長に今年6月、吉野雅山氏(吉正運輸倉庫会長/愛知県名古屋市)が就任した。
やや学者肌で、トラック運送事業のあり方に独自の持論を展開される。(秋林路)
秋林路 月並みですが、まず日貨協連の会長に
ご就任されました抱負をお聞かせ下さい。
吉 野 何はともあれ日貨協連はこういう仕事
をしている団体だという事をトラック運送事業者
に広く知って頂くことが大事だと思っています。
秋林路 なるほど、一方に全日本トラック協会
(全ト協)がありますから、その違いが分かりにく
いところがあるかも知れません。
吉 野 日貨協連は3年前に古屋芳彦さん(古
屋運送)が会長に就任されました。その時、古屋前
会長は他の全ての役職を下りて「私は日貨協連のた
めに全力を尽くす。と言って取り組んで来られま
した。その情熱は誰にもマネ出来ません。私はそ
TheTRUCK2017年11月号20

吉野雅山会長 日本貨物運送協同組合連合会
の後を継いで会長になりましたので、古屋さんの
路線を充実させることが使命だと考えています。
秋林路 その路線ですが、もう少し詳しくお願
いします。
吉 野 ご存知の通り、トラック運送事業者は
全国で約6万3000社ありますが、日貨協連加
盟の事業者は約1万3000社ですから、約5万
社が未加入です。その内の大手さんを除いても、
3〜4万社の事業者さんは日貨協連のメリットを
得ておられない事になります。
 具体的には、WebKIT(ウェブキット、インター
ネット求荷求車情報)の利用、燃料共同購入、「日
貨ETCスルーカード」の利用、様々な損害保険・
生命保険の活用、各種資材関連のサーヒス、葬儀
支援サービスなどの福利厚生ですが、トラック運
送事業の経営に役立つ事業が沢山あります。
秋林路 その為には日化協連の活動を広く知っ
て頂く必要がありますね。
吉 野 そうです。先ずは日貨協連の運営母体
を盤石にする必要があります。その土台は古屋前
会長に作り上げて頂いたと思っています。従いま
して、私の役割はその土台の上に事業者さんが一
堂に会する実のある見栄えの良い上物をつくる事
になります。
TheTRUCK2017年11月号21

秋林路 土台が出来ても上物が完成しないと目
的は達成しません。
吉 野 その意味では古屋前会長に感謝してい
ますし、私も全精力を傾注する考えです。
秋林路 その上物はどのようなイメージなので
しょうか。
吉 野 私は、当面2万社の事業者さんが全
国の色々な組合に加入頂いて、その活動から利益
を得て、事業が発展する形にしたいと思います。
全国には協同組合に入って利益を得たいと思って
おられる事業者さんは沢山いらっしゃると思いま
すので、私たちは組合に入りやすい仕組みをつく
れば良いのではないかと思います。
秋林路 これからAIやIOT、自動運転など新
技術が台頭して来ますので、時代が急速に変化す
るのではないかと思います。
吉 野 その点、第4次産業革命という言葉
も使われていますが、特に我々には隊列走行や中
継輸送などの課題が突き付けられて来ます。その
中で中小零細の運送事業者がどのように関われば
良いのか…。元々、協同組合は相互扶助の精神で
すから、個々の会社では出来ない事を業種・業
態、地域など共通するところで一緒になってやり
ましょう、という事です。ところが、発足から約
半世紀を経て、時代も大きく変わろうとしていま
す。ここで、もう一度発足当時の精神に立ち返っ
て議論するべき時期に来ているように感じていま
す。その時に、日貨協連がキチンとホローできる
状態になっていなくてはなりません。これが私に
課せられた使命であろうと思います。
秋林路第4次産業革命は急速にやってく
る気がしますが、日貨協連としては、これにどう
対応すればよいのでしょうか。
吉 野 この流れは文明による流れの変化です
TheTRUCK2017年11月号22

から、誰にも止めることが出来ません。これは日
貨協連に限らず、その変化に対応出来なければ、
ダーウィンの進化論と同じで、そこで終わること
になります。とくに、時代が急速に変化する時に
はゆでガエルの法則とも言いますが、ぬるま湯
に浸かっている内に、いつの間にかゆで揚げられ
て死んでしまう。我々の中小零細企業はそうなっ
てしまうのではないか。そのように感じます。従
いまして、我々にできる事は、その時代の変化を
知らせる事に尽きるように思います。
 その時代に中小零細がどう対応するのか、これ
は推測ですが一社で出来なければ協同化、協業化
あるいは組合結成とか、そういう流れが出て来る
ように思います。自由主義社会ですから、対応出
来ない組織は終わるしかありません。
秋林路 本誌にもAIやIOT、自動運転、無人
運転といったキーワードの話題が多く持ち込まれ
ますし、世界も確実にその方向に動いています。
日貨協連としては、そのじょうほうはいち早く会
員の皆様に伝える役割があると思いますね。
吉 野 その通りですが、対応力があるか否か
は事業者さんの問題です。
秋林路 そうですね。ただ、日貨協連はそうい
う情報を先取りできるポジションに居ると思いま
すので、情報発信の事業は大事だと思います。
 私が新聞記者として駆け出しの頃に、この日貨
協連が発足しまして、初代会長を務められた高橋
健太郎さん(川崎運送)に相互扶助のお話を伺いま
した。当時、全日本トラック協会は政治家が会長
を務めていましたので、この日貨協連は事業者自
身が結束して共同利益を得る、という目的だった
と思います。その後、地域には多くの協同組合が
出来て、燃料やロープ、シートに至るまで協同購
入が行われて、それを日貨協連がサポートして来
られました。その意味ではこの半世紀、運送業界
の為に日貨協連が果した役割は非常に大きいもの
があったと思います。
吉 野 お蔭様で私が日貨協連の会長に就任し
て以来、関係官庁、全ト協はじめ各方面から声援
を頂いておりますので、更に事業の充実を図って
いきたいと考えているところです。
秋林路 当面は、どんな活動をお考えなので
すか。
吉 野 先ずはウェブキットですね。これは、
全ト協さんで開発された求荷求車システムです
が、全ト協と地方トラック協会が一体となって
バックアップ頂き、普及させたいと考えていま
す。ここ2年間位の間にウェブキットを対象に
した組合が全国に出来ないかと模索しています。
秋林路 このウェブキットはまだパソコンが普
及する前に全ト協さんが苦心惨憺で作り上げられ
たシステムです。既にベースは出来上がっていま
すので、事業者が少し理解を深めるだけで、大き
く発展する可能性があります。
吉 野 このウェブキットはある意味公的な
システムですから安心してご活用頂きたいと思
います。
秋林路 そのためにはウェブキットを広くPR
する必要がありますね。
吉 野 はい、日貨協連のPRでしたら、私は
何処へでも馳せ参じる覚悟です(笑)
秋林路 日貨協連の組織拡充の面の課題としま
しては?
吉 野 実を申しますと、それぞれの協同組合
は50年そこそこ活動していますので、それぞれ
資産があります。従いまして、新たに組合に入る
為にはその資産に対する1社分の分担金を支払
わないと入れないという問題があります。これは
規約を変えれば入れるようになりますが、現実に
はなかなか進みません。
 そこで、全ト協さんにも協力頂いて、ウェブキッ
トだけで新しい協同組合をスタートさせれば、資
TheTRUCK2017年11月号23

産分担金もいらないし、入会金もゼロで良い訳で
す。会費も事務局運営費とお考え頂ければ良い訳
です。
 ウェブキットはトラック輸送のビジネスツール
ですから、使えば使うほど利益に繋がります。そ
ういう意味でウェブキットを普及させる為には新
しい組合が必要ではないかと考えている訳です。
秋林路 ウェブキットの新しい組合ということ
ですが、全国的にはどんなイメージになるので
しょうか。
吉 野 組合の単位が小さ過ぎますと組合活動
になりませんので首都圏とか、中部圏とか、関西
圏といった単位が望ましいのではないか。また既
存の組合につきましては、最初の一年間だけは
ウェブキットだけ利用頂いて、2年目から一般組
合員と同じにする形で入会を勧めているところで
す。最近は事業者だけでなく組合の入会も増えて
います。
秋林路 ともあれ、日貨協連がこういう活動を
している事を広く知って頂く必要がありますね。
吉 野 ウェブキットは国土交通省から支援を
頂いているので、これによる事業は書面化も約款
もクリアした形になります。
秋林路 ITがこれ程進んだ時代ですので、ウェ
TheTRUCK2017年11月号24
Kyodo Information of Transport
求荷求車情報ネットワーク
品質と信頼で未来につなぐ

ブキットは大いにご活用頂きたいですよね。
吉 野 他に保険や燃料の協同購入もあるし、
皆さんからの要望もお聞きして、商品開発も進め
ていきたいと思います。
秋林路 最近では全ト協で制作した事業用ト
ラックドライバー研修テキストも日貨協連で販売
して、既に4万部の実績があるそうですね。
吉 野 はい、そういう成功例もありますの
で、他の出版物につきましても日貨協連が発行元
になって普及させる事が出来れば、新しい事業と
して確立できるのではないかと思います。出版事
業だけでなく、日貨協連に頼めば何でもやってく
れる、便利な組織だな〜、と皆さんに思って頂け
る活動をしていきたいと思います。
秋林路 あの事業用トラックドライバー研修テ
キストは、準中型免許を実現するプロセスで制作
することになりましたが、欧州ではもっと盛んに
ドライバー教育が行われていますので、日貨協連
さんが出版や講習会等を通して、ドライバー教育
に力を入れられると、ドライバーさんにプロ意識
が目覚めてプライドが持てる職業に発展するので
はないかと思います。
秋林路 ところで、日貨協連の当面の課題とし
ましては?
吉 野 実は、今年4月から始まりました車
両制限令の問題が、傘下組合の存亡に関わる状況
になっています。
秋林路 その点、もう少し詳しく教えて頂けま
すか。
吉 野 日貨協連は今年、『平成30年度、高速
道路料金割引制度に関する要望書』を国に提出し
ていますが、特定の組合員が悪質な違反を起こし
た場合は、その事業者だけでなく組合の連帯責任
とする、となっています。私どもは悪質な違反者
の罰則について異論を唱えるつもりはないのです
が、連帯責任となると法を遵守して真面目にお仕
事をしている組合員にも影響が及ぶことになりま
す。そういう事だと、組合に加入していると連帯
責任を負わされる可能性があるから脱退したいと
いう事業者が出ています。これは組合の存亡に関
わりかねない問題なのです。
秋林路 貨物運送協同組合は相互扶助の精神が
基本ですが、悪質事業者の責任をとらされるのは
筋違いですね。例えば、5人兄弟の一人が罪を犯
したら、残り4人の兄弟も罰せられるというの
と同じで、極めて封建的です。
吉 野 実は、現実に地方組合で脱会の動きが
出始めていますので、日貨協連としては緊急課題
に登っています。
秋林路 国としては、道路が古くなって、補
修にもコストがかかるので、軸重や車両の大型
化を緩和する一方で、悪質な通行違反を撲滅す
る方針を打ち出している訳ですが、遵法の事業
者が巻き添えを喰らう施策は早急に是正する必
要があります。
吉 野 この点は何としても国の理解を得たい
と思っています。
秋林路 悪質事業者を取り締まるために、罰則
は必要ですが「正直者が馬鹿をみる」やり方は絶対
にあってはならないことです。
 また、最近では特車の問題も急浮上していま
すね。例えば、風力発電のブレード(羽根)は長大
で取扱いの難しい貨物ですが、海岸の崖の上など
風の強い場所に設置するので、輸送条件が厳しい
のですが、なかなか通行許可が下りないケースが
あると聞いています。この特車問題は、風力発電
のブレードに限ったことではなく、取り締まりが
強化されたことで非常に困っていると聞いていま
す。道路を傷めないようにする為に多軸車やステ
アリングが切れるトレーラも開発されています。
道路に優しい輸送ならスピーディに認可するべき
です。
TheTRUCK2017年11月号25

WebKIT(ウェブキット、インターネット求荷求車情報)に対する国交省の表彰状
吉 野 その点は要望書の項目にもありますが
「道路法と道路運送車両法の整合化」を是非お願い
したいと思います。
秋林路 国に対する要望は、大口・多頻度割引
の最大割引率50%の措置を、ETC2.0搭載車を
対象に、平成30年3月末まで今後も継続・恒久
化して欲しいという要望などがありますが、ト
ラックが輸送の9割以上を占める経済のライフ
ラインであることを考えると当然だと思います。
吉 野 はい、是非ともお願いしたいと思いま
す。
秋林路 ところで、吉野会長様の会社(吉正運
輸倉庫株式会社)の事も少し伺っておきたいと思
います。現在はご子息の吉野元康様が継いでおら
れますが、創業はご尊父の吉野正行ですね。
吉 野 そうです。昭和32年に遡りますが、
父は当時、飯野陸運(現在の日本高速輸送)の名
古屋支店長を務めていました。時を同じくして、
トナミ運輸の名古屋支店長をなさっていたのが武
部純三さんで、後に愛知小型運輸(現在のトラン
コム)を立ち上げられました。
 父はその武部純三さんにお声掛け頂い
て、愛知小型運輸の一室を借りて昭和32
年12月にスタートすることになります。
秋林路 ちょうど60年前ですね。
吉 野 そうです。来年が60周年にな
ります。私は昭和45年に学校を卒業して、
現在、東京都トラック協会の会長(千原武
美氏)を務めておられます西多摩運送株式
会社に入社して勉強させて頂きました。
 その頃、ちょうど多くの荷主さんが配
送センターを作られる時期で、名古屋の
株式会社ノリタケカンパニーリミテドさ
んも配送センターの計画が出てきまし
た。父はその配送センターの運営を任せてもらお
うとコンペに入札したのですが、ノリタケの条件
が「後継者がやること」となっていました。
 それで、父が私が勤めていた西多摩運送に来て
「コンペに入札したいので戻ってくれ」と言いま
す。それで、父の会社に入って配送センターを作っ
た訳です。それが昭和46年です。
秋林路 そうすると若い時分は西多摩運送で勉
強なさったという事ですね。
吉 野 そうです。当時は物流論が盛んで、熱
心に勉強しましたが、その機会を頂いたことに西
多摩運送さんには感謝しています。従いまして、
私は運送のことはよく分かりませんでしたので、
配送センター業をやることに決めて、幾つかの配
送センターを立ち上げてきたという経緯です。
 現在は息子が社長をしていまして、従業員も
200余名になっていますが、物流の川上に向かっ
て営業開拓してきましたので、今はメーカーさん
の検査部門まで引き受けて、事業は物流全体に
渡っています。仕事の内容も屋内作業が7割で、
従業員も7割が女性です。
秋林路 なるほど、単なる運送に留まらなかっ
た事が発展の要因ですね。
吉 野 私は、トラックで同じ距離を同じ量運
んでも、A社とB社では運賃が違うのは間違っ
TheTRUCK2017年11月号26

対談を終えて…本誌・秋林路(左)と吉野会長
ているという持論です。運賃が同じでしたら、輸
送品質が勝負になりますが、運賃が異なれば荷主
は安い方に流れるのは当然ですし、安値競争に
陥って、自分で自分の首を絞める形になります。
だから標準運賃をつくらないと運送業界は良くな
らないのです。
秋林路 物流二法で運賃が自由化になりました
が、最近はドライバー不足もあって適正運賃を収
受するよう国土交通省も指導しています。
吉 野 当社は、運送だけ請け負うのでは、安
値競争に巻き込まれるので、商品が完成して、検
査する段階から仕分け、梱包、保管、輸送、配送
を一括して請け負うやり方に徹して来ました。そ
の点が他社さんと少し異なるところです。これ
は、全体最適をお客様に提供するという事です。
秋林路 物流をトータルで請け負う考えです
ね。
吉 野 物流の前には商流、つまりお客様は商
売をしています。お客様が売りたい値段で商品が
売れればそれで良いけれども、安く売らざるを得
ない場合もあります。その場合、運送だけだとコ
スト削減が難しいけど、保管から梱包、荷役まで
含めれば、やり方によってコストダウンが可能に
なります。これが荷主ニーズに応える考え方です。
秋林路 その着眼点が良かったですね。
吉 野 それは若い時分に西多摩運送で教えて
頂いたことを実践しただけです。現在、多くの運
送事業者さんがドライバー不足で悩んでおられま
すが、運送だけを下請けでやっているからです。
秋林路 やはり、ドライバーがこの仕事に人生
をかけて良かったと思う業界じゃないと人は集ま
りません。
吉 野 論語に『近き者説
よろこ
び、遠き者来
きた
る』
ありますが、私は会社のあり方について、先ずは
働いている人が喜ぶ会社じゃないと、お客様が仕
事をくれる訳がない、と言ってます。
秋林路 なるほど。吉野会長は人を大切に想う
方だという事がよく分かりました。ところで、ご
趣味はいかがですか。
吉 野 私は、先ほども申しました通り、トラ
ンコムのオーナーでありました武部純三さんに経
営だけでなく、人となりや物の考え方、哲学も含
めてご指導頂きました。その方がいつも口にして
おられたのが『情
なさけ
は人の為ならず』という言葉で
す。私はこれまで色んな公職をやらせて頂いてお
りますが、常に思いますのは、人さまが喜んで頂
けることが我がことのように嬉しい、という事で
す。現在も一週間の6〜7割りの時間をそうい
う事に費やしていますが、趣味はそういう事に尽
きるかも知れません。(笑)
秋林路 「徳は弧ならず、必ず隣あり」という言
葉もありますが、人様が喜んでくれる事ことが嬉
しいと感じるのは、崇高なお考えです。
吉 野 それは趣味とは言えないかも知れませ
んね(笑)。ただ、何が好きかと聞かれれば答えは
「旅行」です。世界も国内も妻と二人で出掛けます
が、その旅先で素晴らしい人と出会って、交流の
輪が広がります。
秋林路 日貨協連は全国に組合がありますの
で、旅好きですと地方回りも楽しいのではないか
と思います。古屋前会長様がつくられました土台
に立派な上物が建ちますことを期待しておりま
す。本日は有難う御座いました。
TheTRUCK2017年11月号27

TheTRUCK2017年11月号28
仙台市で第22回「全国トラック事業者大会」を開催
会員事業者が
一丸となって未来を切り開く
 公益社団法人全日本トラック協会(全ト協)
は、「第22回全国トラック事業者大会」を2017
年10月3日に宮城県仙台市の仙台国際センター
で、全国から1,450人のトラック運送事業者を
集め開催した。
 冒頭、主催者代表の坂本克己全ト協会長は、「長
時間労働の削減や生産性向上など業界を取り巻く
課題に対して、一丸となって取り組むための絶好
の機会だ」と参加者に向けて力強い挨拶を行った。
 午後1時から行われた大会は、全体会議に始
まり、途中で2分科会と記念講演をはさみ大会決
議を主題とする全体会議を再開、その後、アトラ
クションと懇親会という流れで進行された。
明るい未来は自らの手で…
 全体会議の冒頭で開催地ブロックを代表して須
藤弘三東北トラック協会連合会会長が、「東日本大
震災から6年半が経ち、被災地は復興・創成期間
へと新たなステージに向かっている。今後も、復
旧・復興事業のために引き続きご理解とご協力を
お願いしたい」と開会にあたっての挨拶を行った。
 続いて坂本全ト協会長は次のように述べた。
「事業者大会が全国から多くの会員事業者に参
加いただき盛大に開催できることは主催者として
光栄に思う。
 輸送現場で頑張っておられるドライバーの皆様
は大変な思いをされている。全国9ブロックの
全ト協◇ニュース

この事業者大会は業界を取り巻く各種の課題に対して一丸となって
取り組むための絶好の機会だ、と坂本全ト協会長
復興事業のために引き続き協力いただきたいと挨拶する開催地
ブロック代表の須藤東北トラック協会連合会会長
TheTRUCK2017年11月号29
協会を国土交通省の平嶋隆司貨物課長に同行いた
だき意見交換会を行っている。皆様からは“人手
が足りない、ドライバーが足りない”という声を
多く聞いている。長時間労働の解消など労働環境
の改善は喫緊の課題である。各協議会を通じ、労
働時間を減らし賃金を増やす議論を進めている。
荷主や関係省庁と協力して環境整備を図ってい
る。トラック運送業界で働く人々にとって豊かな
労働環境を実現するために、まずは適正運賃の収
受ができる状況が必要だ」など、トラック業界の
明るい未来を自らの手で切り開くことが大切だと
熱く語った。
働き方改革など10項目の決議を採択

コーディネーターの㈱プロデキューブ高柳代表取締役
健康管理なくして安全管理なし、と語る北上運輸㈱荒川取締役
統括部長
スポーツ活動で社員の健康を維持、と語る㈱ツカサ坂池専務取締役
TheTRUCK2017年11月号30
第1分科会
「健康起因事故等交通事故防止対策の
推進について」
 第1分科会は、㈱プロデキューブ高柳勝二代表
取締役をコーディネーターに、北上運輸㈱荒川寛
取締役統括部長、㈱ツカサ坂池克彦専務取締役、
㈱アトランス渡辺次彦代表取締役社長がパネリスト
となり進行された。
◇荒川氏…かつて当社は売上重視で安全管理が会
社からの一方通行となっており、社員との関係が悪
化し、交通事故も増加。業績が低迷する悪循環に
陥っていた時期がありました。その悪循環を断ち切
るため「健康管理なくして安全管理なし」と考え方
を改め、「お客様に選ばれる企業へ」を目標に社員
「心と体の健康」に取り組んだ結果、輸送品質が
向上し、事故も減少。平成28年度には創業以来
最高益を達成できました。業績が回復したことで社
員との関係も良くなり、社内の雰囲気も見違えるよ
うに明るくなりました。当社の取り組みは、①点呼
時(出庫・帰庫)の血圧測定、②毎朝のラジオ体操、
③社内報による健康への意識向上、④自社HPを
活用したストレスチェック、⑤全社安全大会(10年
ぶり)の開催、があります。
◇坂池氏…安全への取り組みは以前から行ってい
ましたが、その方向性が曖昧だったため、事故後
の対応が中心でした。それを改善すべく「品質向
上委員会」を立ち上げ、業務内容別に少人数の班
を編成。各班で事故防止や品質向上に向けた改善
活動を企画し運営しています。その取り組みの主
なものは、①「ツカサ3ルール」(いつでも輪止め・
ライトオン・後方安全確認)の策定、②プロドライ
バーとしての自覚を高め、社員の繋がりを意識す

健康起因事故の防止対策推進についてそれぞれの企業の取り組みを語るパネリストの3人。運送事業者の健康への意識向上は大切な課題
のひとつである
社員の健康への意識向上が、と語る㈱アトランス渡辺代表取締役
社長
TheTRUCK2017年11月号31
「リストバンド」の全社員装着、③日頃感謝した
こと、感謝されたことをまとめて掲示する「ありが
とう日報」の運用、④地域の清掃活動への積極参
加、などです。また、社員参加のスポーツ活動で
社員の健康を維持し、健康起因事故の防止に努め
ています。
◇渡辺氏…従来から「定着率改善」「高齢化対策」
「事故防止」に取り組んでいましたが、充分なコス
トがかけられない現実がありました。その時、全
国健康保険協会静岡支部から「健康診断の運用と
結果の活用」の提案をいただき、社員の健康管理
をスタートさせました。当社では「ふじのくに健康
宣言」を行い、健康診断に関する体制づくりを社内
外に示し、定期健康診断内容の見直しと、受診環
境の改善を図るため、①検診車を手配し、点呼時
の声かけにより検診車の巡回日程を周知させ、一
定期間中に健康診断を受診、②再検診や要治療者
へのフォローとして、該当者に「イエローカード」
よる通知を行い、受診を促すほか、保険師による
保健指導を実施、などを行っています。これによ
り、社員の健康への意識が向上しました。

コーディネーターの日本PMIコンサルティング㈱小坂代表取締役独自ネットワークでコスト削減を、と語る㈱NTSロジ笠原代表
取締役社長
TheTRUCK2017年11月号32
第2分科会
「労働環境の改善と生産性向上方策につ
いて」
 第2分科会は、日本PMIコンサルティング㈱小
坂真弘代表取締役をコーディネーターに、㈱NTS
ロジ笠原史久代表取締役社長、越野運送㈱越野泰
弘代表取締役社長、㈱柳川合同の荒巻哲也代表
取締役がパネリストとなり進行された。
◇笠原氏…当社は、物流全体の生産性を高めるた
め、物流センターを運営し、入庫・在庫管理や仕
分け作業、店舗配送などの事業を展開しています。
センターで一括管理することで、仕分け作業の遅
れにドライバーが手伝ったり、納品時に仕分け作
業員が荷卸しを手伝うなど、「一括管理による効率
の良い運営ができる物流センター」を目指していま
す。また、独自ネットワーク網による「東京包囲網
構想」でコスト削減を考えています。これは、物流
センターを中心とする納品先への配送ルートを、受
け口=メーカーの工場が多い郊外と、送り先=消費
地である首都圏間に物流センターを設けることで、
都内の配送であれば1時間以内で行えます。さら
に、「配車支援システム」の導入、トレーラヘッド交
換の「中継輸送方式」なども検討しています。
◇越野氏…労働環境改善のためには「社内の進
化」「社外との協調」が生み出す良質なコミュニ
ケーションが必要です。当社は、「社長の考え=経
営」「社員の考え=行動」の見える化のため、相
互のコミュニケーションを大切にしています。その
ツールとして、社員の「自己成長ノート」を15年
前から活用しています。今月の目標設定、先月の
反省、「クレド(Credo)」を意識した行動報告、不
平・不満や提案、配送先の近況などを社員が用紙
に記入し提出すると、上司から目標・反省の評価、
不平・不満への対応、疑問への回答などが返って
くるという「見える化」のシステムで、社内コミュニ
ケーションに役立てています。
◇荒巻氏…長距離便の時間短縮に平成21年9月
から取り組んでいます。居眠りによる死亡事故を起
こしてしまったことから、片道300㎞以上の運行

見える化でコミュニケーションを、と語る越野運送㈱越野代表
取締役社長
高速道路利用で労働時間を短縮、と語る㈱柳川合同の荒巻
代表取締役
労働環境改善と生産性向上をテーマに進行した第2分科会。物流センターの活用、コミュニケーションの重要性、高速道路利用のメリットなど
が語られた
TheTRUCK2017年11月号33
に関しては全線で高速道路を利用し、労働時間の
短縮を行っています。これにより、労働時間の大
幅な短縮や充分な休息など、事故防止・労務管理
面で大きな効果がありました。また、一般道に比
べて燃費が向上したほか、平坦な道を走行するた
め車両修繕費も削減できました。今後の運行を検
討する中で、中継輸送が有効だと考え、昨年1月
に国交省が実施した福岡〜埼玉の中継輸送の認証
実験に参加。結果、改善基準告示をクリアし、ド
ライバーの日帰り運行と荷物の翌日着を実現できま
した。デメリットは高速道路料金が高すぎることで
すね。

大会決議を読み上げる宮城県トラック協会青年部会の尾上部会長
“復興道路”と位置付けられた三陸沿岸道路の整備が急ピッチで進
められている
東日本大震災の際にはトラックによる救援物資輸送に助けられた、と語る河北新報社の一力代表取締役社長による記念講演会
TheTRUCK2017年11月号34
震災後一気に道路整備が加速
 分科会後には、『再生へ心ひとつに』〜震災報道
の現場から〜」をテーマにした河北新報社の一力雅
彦代表取締役社長による記念講演会が行われた。
 講演の中で一力氏は、「東日本大震災の際にはト
ラック運送事業者の皆様には災害救援物資の輸送を
はじめ、多大なご支援を賜りましたことに心からお礼
いたします」と災害発生時そして復興にあたって協力
してきたトラック運送事業に対しての感謝の意を述
べ、「国が“復興道路”と位置付けた三陸沿岸道路の
整備が急ピッチで進められている。これにより、冬
場の安全性が向上するなど、物流の効率化が期待で
きる。さらに来年、仙台〜福島〜米沢〜山形を結ぶ
大環状線の開通が予定されている。東北は高速道
路の整備が遅れていたが、震災を機に一気に道路
整備が加速しており、トラック運送事業者にはこれら
の道路を戦略的に活用いただきたい」とも語った。
労働条件の改善を図ることが重要
 記念講演会後に再開した全体会議では、宮城県
トラック協会青年部会の尾上寿昭部会長が、「少子

閉会の辞を述べる青森県トラック協会木村会長
来賓として挨拶する奥田国土交通省自動車局長
次回の事業者大会は徳島で、と徳島県トラック協会粟飯会長
村井知事の挨拶を代読する河端宮城県副知事
TheTRUCK2017年11月号35
高齢化に伴う若年労働者不足が顕著化し、人材の
確保が急務となっている。政府が進めている働き
方改革において、労働生産性の向上、多様な人材
の確保・育成、取引環境の適正化に関する取り組
みにおいて、トラック運送業界としても、長時間労
働の削減、生産性の向上につながるよう、荷主・
関係省庁と協力して対応して行くことが必要であ
る」とし、「働き方改革を推進し取引環境の改善、
及び長時間労働の抑制ならびに生産性の向上を図
ろう」「適切な原価管理に基づく適正運賃を収受し
よう」「若年労働力等を中心とした人材確保対策を
推進しよう」など10項目の大会決議を読み上げ、
満場一致で採択された。
 続いて、来賓として奥田哲也国土交通省自動車
局長と村井嘉浩宮城県知事が挨拶した。
 奥田局長は、「業界の課題である人手不足への
対応は、労働条件の改善を図ることが重要であ
る。国交省も『トラック輸送における取引環境・労
働時間改善協議会』を開催し、今年8月の『関係省
庁連絡協議会』で、生産性向上と長時間労働是正
のため“直ちに取り組む施策”として63の施策を
取りまとめた。今後も、次世代を担うドライバーの

懇親会でのワンショット。星野良三全ト協前会長(左)と小幡鋹伸
ト協副会長(愛知県トラック協会会長)
全体会議の最後を締めくくる「ガンバローコール」の音頭を取る宮城県トラック協会庄子副会長
TheTRUCK2017年11月号36
確保に一生懸命取り組んで行く」と述べた。
 また、公務のため出席が叶わなかった村井知事
に代わり河端章好宮城県副知事が知事の挨拶を代
読。「トラック運送事業者の皆様には、東日本大震
災直後からいち早く対応され、緊急物資輸送や鉄
道・航空に代わる物流の要としてご尽力いただい
た。今後の復興と発展のためには皆様の輸送力が
必要不可欠である」と語った。
 全体会議の最後は、宮城県トラック協会庄子清
一副会長の音頭による「ガンバローコール」を参加
者全員で行い、青森県トラック協会の木村英敬会
長が閉会の辞を述べ終了となった。
華やかで活気のある懇親会
 大会後の懇親会に先立ち、シンガーソングライ
ターのティーナ・カリーナさんによるアトラクション
「ひとり昭和歌謡祭」が行われた。続いて、懇親
会のオープニングアトラクションとして“奥州・仙
台おもてなし集団”「伊達武将隊」が登場。「もてな
しの舞」などを披露した。
 懇親会は、岩手県トラック協会髙橋嘉信会長の

懇親会のオープニングアトラクションに「伊達武将隊」が登場懇親会閉会の辞を述べる秋田県トラック協会
赤上会長
庄子副会長のかけ声に合わせて「ガンバローコール」を参加者全員が総立ちで行った
TheTRUCK2017年11月号37
歓迎のあいさつの後、郡和子仙台市長の発生によ
り、宮城県の地酒「鳳陽」で乾杯が行われた。ス
テージでは、選抜チームによる仙台の郷土芸能「仙
台すずめ踊り」が披露され、活気あふれる演舞に
会場から大きな拍手が湧き起った。
 最後は、秋田県トラック協会の赤上信弥会長が
閉会の辞を述べ、華やかで活気のある懇親会は終
了した。

TheTRUCK2017年11月号38
自動車産業の変革には
新しい連携の形が必要
 来年、日本は明治維新から150年の節目を迎える。この150年間で
交通、通信、産業などあらゆる分野が飛躍的変化を遂げた。150年前
に現代の姿を誰も予想出来なかったように、この先の変化を正確に予想
することは極めて難しい。しかし第4次産業革命の言葉通り、その変化
は確実にやってくるし、加速度的に向上することは間違いない。元経済
産業省出身の伊藤慎介氏を基軸に、次世代ビークルに係わる多くの方
に、日本の未来を語って頂く事にした。(秋林路)
出席者
桃田健史 自動車ジャーナリスト 
井上佳三
 LIGARE(株式会社自動車新聞社)代表取締役社長
〈進行〉伊藤慎介
 株式会社rimOnO代表取締役社長
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オブザーバー/株式会社日新代表取締役秋林路篤文
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①
新連載

桃田健史氏井上佳三氏
伊藤慎介氏
TheTRUCK2017年11月号39
日本経済の根幹を支えてきた自動車産業
伊 藤 本連載第1回目は、自動車ジャーナ
リストの桃田健史さん、LIGARE(自動車新聞社)
社長兼編集長の井上佳三さんにご登場いただき
ました。
 桃田さんには世界の自動車産業を取材しておら
れる観点から一体何が起きていることを物流、ト
ラックという観点からお聞きします、モビリティ雑
誌「LIGARE」を発刊されている井上佳三さんに
は全国津々浦々の取材で得られた地方のお話も
交えてお聞かせいただければと思います。
 自動車産業では「モビリティ革命」「100年に
一度の大変革」と言われています。とはいえ、
この100年間でイノベーションがなかったわけ
ではなく、T型フォード、トヨタ生産方式(TPS)
の普及、排ガス対応技術、ハイブリッド自動車
など、いろいろなことがありました。お二人から
見て今の自動車産業で起きていることは何なで
しょうか。
桃 田 自動車産業は終焉に向かい、やるべき
次の一手がなくなったと思います。車離れといわ
れて久しく、ユーザーが車を欲しがらない時代と
なり、カーシェアリングがシェアを拡大している
今、メーカー側には提案するネタがなくなりつつ
あります。これは変革ではなく、終わりです。終
わらせたくないメーカーが声高に変革を叫んでい
るのではないでしょうか。
伊 藤 とはいえ他業種からの参入が相次いで
います。
桃 田 自動車産業は日本経済の根幹を支えて
きた産業です。莫大な市場規模を持つ自動車産
業で日本経済は生きているようなものですから。
自動車のような客単価が高く、数年ごとに買い替
えてくれる有難い商品は他にはありません。だか
らこそ、たまたま日本経済に根付いてしまい、藁
をすがるような思いで付帯産業が成立しているわ
けです。
井 上 製造業としての自動車は、一山越した
段階だと感じています。そこで、電気自動車な
ど新しいテクノロジーにシフトすることによる変革
を志す機運の高まりは感じます。

井上氏が編集長を務めるLIGARE
桃田氏の連載企画「エコカー大戦争」
TheTRUCK2017年11月号40
 自動車産業で私が変革を肌で感じたきっかけ
は、2011年に独ダイムラー社が起こしたイノ
ベーションです。車を作ることが本業の自動車
メーカー時代がモビリティのサービスを提供した
のです。当初はメーカーがそんなことしても大丈
夫なのだろうか、車が売れなくなることを危惧し
ましたが、今考えるとシェアリングエコノミーなど
の先駆けで、車を所有する時代から「使用」に転
換したことの現れです。車の保有台数が多いと
交通事故が増加して渋滞は恒常化されますが、
シームレスな移動手段と考えると綺麗な棲み分け
ができるわけです
伊 藤 乗用車が希少だった時代は貴重品でし
たが、徐々に社会的なネガティブなツールとして
見られてきました。都市部では交通渋滞が発生、
世界で見ると特にインドネシアのジャカルタやタイ
のバンコクなどアジアの渋滞はかなり深刻な状態
です。
 その一方で自動車の台数が増えることは経済
を回し、産業は活性化され、生活の向上につな
がるものと思われていますが、行く末には必ずし
も幸せなビジョンがあるとは思えません。この弊
害はユーザー側から見ても明確になっているので
はないでしょうか。
桃 田 ご指摘の通りだと思います。経済構造
が移り変わり、その結果として渋滞が発生しまし
た。皮肉なことに道路が混むと、経済は停滞して
しまいます。
 その対策として、自動車台数を減らしてコントー
ルすればいい。趣味性の高い自動車などを中心
にN数(大量生産型)ビジネスをある程度抑制し
て、GDPを2〜3%着実に伸ばせるようにすれ
ばいいわけです。
伊 藤 それらを背景に、ユーザーニーズが変
わりつつあります。「車は持たなくてもいい」と考
える人たちが増える中、ダイムラーがモビリティ
サービスを提供したり、UBERやgoogleが参
入してきたり、中国では自転車のシェアリングが
普及するなど、この1〜2年間で取り巻く背景
が大きく変わりました。自動車保有を不必要とす
る動きを作る人たち、自動車産業外から参入す
る人たちによって、様変わりしている印象があり
ます。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①

TheTRUCK2017年11月号41
桃 田 外部からの参入は自動車産業における
デコボコした穴狙いとして食いついてきているの
だと思います。ただ、標準化を含めて産業全体
の方向性を決定しているのは、メルセデス・ベン
ツ、BMW、アウディのジャーマン3ですね。
井 上 欧州メーカーは、特に標準化が上手い
と思います。
桃 田 特にドイツ勢は歴史の積み重ねから「う
ちがやらずに誰がやるんだ」と考えています。ド
イツの5社は一体なわけですから、自動車産業
をけん引するのは結局ドイツ産業となります。
大量生産重視のため、価格を上げる
 ことができない日本の自動車メーカー
伊 藤 桃田さんは米国や中国の自動車産業を
どのようにご覧になられているのですか。米国か
らは次々新しいものが生まれていますが、自動車
産業ではドイツに太刀打ちできないのでしょうか。
桃 田 デトロイト3(GM、フォード、クライス
ラー)が、デザイン、新しい動力システム、そし
て生産技術など自動車の根幹に関わる領域で世
界をリードしてきたのは遠い昔のことです。ドイ
ツや日本、さらに中国で発案された新しい技術
やサービスを後追いしているように感じます。
 中国ではメンテナンスという概念はありませ
ん。一等地に綺麗なホテルを建築しても2〜3年
後に訪れたら、びっくりするほど汚くなっていまし
た。ただ、家電は捨てられますが、そうそう車
を捨てることはできません。でも、中国ではある
程度乗れば買い替えることが当たり前で、メンテ
するものではないと考えています。
伊 藤 米国にもそういう面もありますよね。
そこで日本の強みが発揮されるのではないで
しょうか。
井 上 日本でもAIが進化した先、自動運転の
車が普及したら耐久性がどの程度必要なのか、
どれくらいの年数で壊れてしまうものなのか未知
数となりますが、メーカーとしては買い替えても
らったほうが有難いですね。
 カーシェアリングではある程度の台数が出て、
ようやく採算がとれるビジネスモデルとなります
ので、大量に台数を導入した後は、壊れたら順
繰りに修正して入れ替えを行う必要があります。
 カーシェアリングをしている企業では数年で
リース終了した車両の再アップや中古車として販
売もしています。
伊 藤 カーシェアなど、シェアリングのニーズ
が増えていくと、何年間で償却するのかという投
資効率が重視されるようになるため、ロングな耐
久性ではなく、数年間の寿命であっても投資効
率の良い車両を出し続けたほうがビジネスとして
はうまくいきますよね。
井 上 実際に、バスやトラックは新車で購入し
てから10年以上使い倒して、最後は海外に輸
出するという流れがビジネスモデルとなっていま
すね。
秋林路 その考えには2通りあります。車を長
持ちさせたほうがいいのか、5年間、7年間といっ
た一定のスパンで使っていくのかという考え方で
す。どちらがいいのかはジャッジしにくいのです
が、中国は基本的に使い捨てです。中国の法律
改正のスピードは速く、3年後、5年後には法
律が変わってしまうため、長持ちする車は必要が
ありません。
 中国メーカーに「日本にはものづくりの精神で
職人さん達がプライドを持って仕事をしている」
話をしたら、「将来はわからないが、現在の中国

TheTRUCK2017年11月号42
にはその考えは必要ない」と返ってきました。
桃 田 日本人の器用貧乏を西欧人は舐めてか
かっています。来日して食事をとると「日本人は
こんな美味いものを、こんなに安く売るなんて
馬鹿だな」と彼らは言います。安さを享受しなが
ら、器用貧乏振りを嘲笑しているんです。ソフ
ト、ハード含めて、こんな器用貧乏な国は他に
ありません。
 日本車のネックは大量生産品ばかり作ってきた
ため、価格を上げることができない点です。工
数かけても綺麗に仕上げようとするため、製品原
価を下げることができません。フェラーリは1億、
2億と値が跳ね上がりますが、日本車は価格の
上限が決まっているためにそれができません。
伊 藤 車体価格を上げようとしても、仕組みが
既存のビジネス構造とあわないためにできないの
かもしれませんね。
桃 田 怖がりだからです。値段を高くすると客
は来ないと考えているわけですから。
伊 藤 日本では最新のテクノロジーを用いた
革新的な新製品が完成しても、営業マンはその
部分を売りとせず、「いつもの商品棚に置いてい
ても、放っておけば売れるものを作ってほしい」
と思ってしまうわけです。
 新しいテクノロジーを投入した製品なら、そ
もそも同じ商品棚に置いておくこと自体がおかし
い。だからと言って別の売り方をしようとしても、
営業側からの反発があります。
桃 田 自動車産業の場合、製販分離というワー
ドはある意味タブーです。開発と営業は犬猿の
仲のため、売れない場合、営業は「作ったほう
が悪い」、開発は「売らないヤツが悪い」と双方
で責任転嫁するわけです。売れた時は別ですけ
どね(笑)
伊 藤 自動車産業以外の話となりますが、ア
パレル業の人は「アマゾンは恐ろしい」と口を揃え
て言います。アマゾンはユーザーが過去に購入
したものをデータベースで管理しており、靴下、
パンツ、Yシャツのような消耗品は、確実に売
れることが分かれば同等の品質で安く提供できる
アマゾンPB商品を開発し、それを過去に購入
したユーザーにお勧めするわけです。川上の産
業構造に無沈着なコンシューマは、忖度しないで
飛びつきます。
桃 田 自動車の開発部隊はユーザーと話す機
会はありません。上がってくる情報はリコールな
ど、ネガティブな情報ばかりですから、ユーザー
ニーズに合わせようとしても不可能です。
秋林路 商用車も同じく、運送事業者とディー
ラーとは商談でつながりがありますが、メーカー
とのパイプがないため、ユーザーニーズが開発
陣に届くことはありません。そのため、私はユー
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①

TheTRUCK2017年11月号43
ザー団体に対して、メーカーとユーザーの懇談会
を打診しています。
桃 田 乗用車を購入する前は試乗を行います
が、いったん自分の車になってしまえば、いい
のか悪いのか比較をすることができません。メー
カー側ではユーザー情報をフィードバックの仕組
みがないため、売れる車を作ればいい、という
話になってしまいます。
伊 藤 それは時間の問題かもしれません。こ
れまでの日本の家電メーカーは他社よりも優れた
機能を差別化として打ち出してアピールしてきま
したが、この売り方が変わるのではないかと思い
ます。
 例えばダイソンのドライヤーは非常に高価であ
り、私個人としては髪の毛が短時間に乾くメリッ
トはあまり必要としていませんが、女性にはドラ
イヤー時間を短縮できることが魅力的で売れてい
るわけです。車もそういったプラスアルファの機
能が付与された製品が市場に投入された途端、
飛びついてくる可能性もありますね。
桃 田 それがブランディングですよね。日本の
自動車メーカーはブランディングが下手だと言わ
れています。高く売れないのもこのためで、高く
売る方法を知らないわけです。
 ブランディングは基本的に高い価格で売る手法
ですが、日本人は生真面目なため、薄利多売に
せざるを得ません。
限定的なエリアでの
 実証実験では社会変革は起こせない 
伊 藤 中国では共産圏の割に規制緩和の話が
どんどん進められていて、そのプレイヤーが世界
マーケットで勝ち目がないと判断したら合併させ
て競争力を強化し、参入してきた外国企業を排
除するようなことをしています。これは独禁法違
反を国が自ら推進するようなものです。
 他方、日本ではチキンレースが繰り広げられ、
儲かるものには群がり、利益を潰しにいくような
ことも多々あります。Akippaというベンチャー
企業が始めた駐車場のシェアリングビジネスなど
がそうです。ところが、うちの会社のようなもの
づくり系のベンチャー企業が規制のある分野で新
しいことにチャレンジをしようとしても、運用のし
がらみがあり、なかなかチャレンジさせてもらえま
せん。
 皆さんは規制のありかたをどうお考えになられ
ていますか。
桃 田 規制緩和するよりも、逆に「いつまでに
何をやらなければならない」といった具合に規制
を強化した方がいいと思います。
井 上 LIGAREではよく実証実験の取材に行
くのですが、日本では予算をつけて実験を消化し
たところで終わりというパターンしかありません。
 シンガポールでは政府が色気を出して、実験後
にビジネス化した場合はライセンス取得まで推進
するといった実用的なプログラムを採用していま
す。日本でも、ビジネスモデルとしての実用化や、
例えば一部エリアでは電気自動車でしか走行でき
ないような縛りをかけるなど、どちらかに振り切ら
ないと意味がないのではないかと思います。
伊 藤 政府と民間企業はにらみあいをしている
ようなものです。政府は、ぶっ飛ばしてやるんだ
という気概のある企業が出てくることを期待して
いますが、民間はいつ国から強制されても「やれ
る準備だけはしています」という器用貧乏の典型
的な姿勢が見え隠れしています。
 井上さんのお話のように、国からの依頼でやら
ざるを得ないために推進しないといけない。にらみ
合っている状態では前に進めることはできません。

TheTRUCK2017年11月号44
桃 田 日本は楽しすぎる、住みやすい国です。
至るところにあるコンビニエンスストアでは食料・
飲料、その他いろいろ購入でき、公共機関の路
線は全国網羅されています。これでは危機感が
生まれないのは当然のことですね。最近はホテ
ルも安くなってきて、物価は高くありません。
井 上 経産省や総務省の実験に関する予算額
は大きくないし、小さく限定的なエリアでの実験
では社会変革が起こすことは困難です。
伊 藤 地方にはいろいろな面で困っている中
小企業が多数存在しています。半面、その人た
ちがそこまで守り切ったものをなかなか手放すこ
とができないというしがらみも存在します。
 例えば、岡山県で高級な葡萄などを夫婦二人
で作っている零細農家では、国内外から注文が
殺到してもさばき切ることができないため、販売
機会をロスしているわけです。そこで機会損失を
なくすために若い人材の派遣や新規参入したい
企業を募ろうとしても、他人にノウハウを伝授し
て大儲けしたいわけではなく、頑張ろうとしない。
 地方の儲かっている会社の中には、若い経営
者が入れば新規投資を行ったり、市場開拓したり
することで十分な伸びしろがあるはずなのに、「オ
レが育てた会社を、若いヤツに譲りたくない」
頑な姿勢で先細りしてしまうケースもありますね。
 トラック業界にはそういった面はありますか。
秋林路 運送事業者は与えられた仕事に対し、
トラックを活用してビジネスを行うモデルから抜
け切れていません。
伊 藤 商用車、トラックについての近年の動き
をお聞かせください。
秋林路 ユーザー側は安くて高性能の車両を欲
しがりますが、高性能のものが安いわけがない。
そこで規格等の標準化の検討となるわけです
が、標準化された車両は差別化ができません。
 トラックは高価なものですから、荷主に対して
「これだけの運賃をもらってもいいだろう」と言え
る環境を作らないといけません。しかし現状は、
競合の事業者との価格競争が激化して自らの首
を絞めている状態です。
運送事業者には付加価値を上げる
 戦略が必要
伊 藤 ユーザー側である運送事業者からはど
んな提案があるのですか。
秋林路 荷主は物流コストを下げるのか、いかに
競合との差別化をできるのかを念頭に置いていま
す。運送事業者側は使われる実行部隊のとして
支援するわけです。
 物流コストを下げることは、物価を下げること
に貢献しているわけですが、物流、特に運送と
いう分野ではしわ寄せを食らっている状態です。
運転手がいなくなり、荷物を運ぶことができなく
なった今では、政治家が動いたことなどやトラ
ガール政策などが行われたことで少しは運賃が上
がるようになりました。ただ、10年働けば家が
建つなんて言われた時代は、今や夢のまた夢に
なりました。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①

TheTRUCK2017年11月号45
伊 藤 大人気のコストコの店舗では、倉庫を
兼ねた戦略を採用してパレットに積んだままの商
品を店舗に並べるため、倉庫・店舗間の横持が
不要となるメリットがあります。会員になる価値が
あるということでレンタカーまでして買いに行く人
がいると聞きます。その一方、日本のスーパー
マーケットやGMSの倉庫にはコンシューマが直
接買いに行くことはできないし、小売店ではどう
しても価格競争が重視されてしまう。日本の物流
関連企業がこのような付加価値を上げる戦略は
出せないでしょうか。
秋林路 運送事業は、流通の中の物流というカ
テゴリーに属し、やり方によっては儲かるビジネ
スができる業界だと考えます。ただ、95%とな
る中小企業は下請けの下請けとなるため、その
日暮らしが圧倒的多数です。
 海外経験があるなど頭の切れる経営者は他社
がやらないことで差別化を図り、「運賃が安い仕
事はしない」と明言しています。しかし、圧倒的
多数の事業者は「運転手に飯を食わせる」ため
に、流されてしまっているのが実情です。規制
緩和で自由なはずなのに、実は大きなしわ寄せを
食らっています。
井 上 私も地元・兵庫のトラック協会とお付き
合いがありますが、勉強する姿勢はあまり見えま
せん。そもそも政策やビジネスをテーマにするよ
うな勉強会はほとんどないため、各社が独自に
やっているようです。
 現在は二代目社長、三代目社長への代替わ
りするタイミングが多くありますが、継承問題
もあり、物流ビジネスの変化に対応できる経
営者は多くありません。そのため“代替わり”
の際、買収を希望するケースも増えています。
特に多いのが100〜300台規模の老舗企業
ですね。
 それ以下の規模では社長自らがトラックを運転
するプレイングマネージャーとなっていることも多
く、ビジネスを考える余裕すらない状態です。
秋林路 現在は6万2000事業者ありますが、
規制緩和する前は4万事業者でした。事業者が
多すぎて競争が激化していますから、高い運賃
を収受できるわけがありません。
 長い物には巻かれろ――、ではないですが、
力を持つ企業が買収を繰り返し、事業者数を減
少していくことが業界として理想の姿となると考
えます。
モビリティミックスの物流版を日本発で
 生み出せないか
伊 藤 ITジャイアントと言われているアマゾン
は、自社が従来から展開してきた事業を別のア
ングルから見つめ直し、クラウドサービス「AWS」
(AmazonWebServices)を提供して、莫大
な利益を生んでいます。もとはと言えばクリスマ
ス商戦に対応するためにクラウドを強化したこと
が発端ですが、それ以外の時期では使うことが
少ないため、余っているコンピューティング能力
を他社への貸し出したものです。自分たちの課
題のために投資したインフラでした。
 再解釈すれば、強みになりうるインフラを活用
しない手はありません。トヨタ自動車はTPS(ト
ヨタ生産システム)を自社のコンサルティング事
業として積極展開することはしませんでした。し
かし、トヨタOBが売り込んだ結果、世界中の
製造現場で導入されており、ボーイング社では
最大の売れ筋商品であるボーイング737型機の
効率的生産に大きく貢献しています。
 日本では人の動きが固定化してしまっています
が、そこを見つめ直すことでいろいろな可能性が
あるような気がします。現在はヤマト運輸や佐川
急便がECの下敷きになってしまっている状態で
すが、彼らが運ぶことをやめたらラストワンマイ

TheTRUCK2017年11月号46
ルが成立しません。そこで発想を変えれば、彼ら
がインフラとして持っている資産に対して付加価
値を生み出す新しいビジネスモデルを創出するこ
とができるかもしれません。
桃 田 ヤマトでは自転車を使った配達や客貨
混載するなど、可能性を模索しています。この
ような「モビリティミックスの物流版」を誰かが整
理すればいいのですが、誰も旗振りをしようとし
ない。
 伊藤さんのお話のように、既存のネットワーク
を活用して、再構築する必要があると思います。
残すものは残し、共通で使えるものは使い倒し
て、場面によってはロボットもあれば面白くなりま
す。言うだけであれば簡単ですけどね(笑)
秋林路 全国の6万2000事業者が必ず所有
しているのが車両と車庫用地とドライバーで、こ
れこそが運送事業者の財産です。これらをうまく
活用することが、物流の新しい時代に対応したビ
ジネスになるのではないかと思います。
伊 藤 そこではM&Aも視野に入れたいとこ
ろですね。あるタクシー会社の社長は、地方で
ライドシェアが普及しない理由としてタクシー、
バス、鉄道といった既存の利害関係者がいるこ
とを挙げており、それらの会社を全て買収する
ことができればライドシェアも含めた適切なモビ
リティサービスが提供できるのではないかとコメ
ントしていました。M&Aは、無駄な競争や不
必要な利害調整を減らして最適なサービスを最
適な価格で実現できるツールになる可能性があ
ります。
 また、余談ですが、うちの事務所の前では複
数の大手宅配会社が荷下ろしのための場所とし
て連日取り合いをしています。そこまでして確保
したスペースを使い、屈強な男性ドライバー2名
がかりで毎日荷下ろししているのですが、その様
子を見るにつれ、トラックと台車を工夫すること
でこの荷役作業はロボット化・自動化でできない
ものかと思ってしまいます。
桃 田 それはロボットを使うよりもコストが安い
からですよ。少し話は変わりますが、日本車の海
外工場における自動車の溶接現場では人手によ
る溶接が主流で、ロボットはほとんど見ません。
人手のほうが安いからだそうです。
秋林路 日本がモータリゼーションに入る50〜
60年前、経済産業省が中心となってプリンスと
日産を合併させるなど、政策的な事業再編を推
進したことがありました。
 今は情報、流通ともグローバル化しています。
欧米でヒットしたものはやがて日本に入ってくるこ
とに間違いありません。今、日本が世界にどうア
プローチしていくのかという視線が必要なのに、
そういうことを発案する政治家もいません。
伊 藤 私は元役人ですから言いますが、事業
や産業について四六時中考えているような人で
はないと、将来像まで考えて行動することは不
可能ですが、そこには役所の人事ローテーション
の弊害があります。運送業を所管している役人
でも「ここで一生飯を食っていく」とまで覚悟を決
められる人はなかなか登場しません。人事異動が
前提となっている人が特定産業の将来を考えて
行動することは不可能です。既得権益を守りた
いという政治家も多く、痛みを伴う改革はなかな
か実施できません。
桃 田 不適切な表現となりますが、巨大な天
変地異が起きない限り、改革を行うことは不可能
だと思います。全てが壊れた状態にならない限
り、ネクストワンには進めないと思います。
 自動車産業は今も壊れてはいるのですが、見
えにくいため、危機感や実感もありません。終戦
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①

TheTRUCK2017年11月号47
を体験した人は「いつかまた焼け野原に戻ってし
まうかもしれない」という危機感のなかで必死に
生きてきたわけですが、戦争を知らない世代では
それを知ることは難しい。
秋林路 日本はあらゆる面で危機感が希薄で
す。世界は一秒ごとに大きく変化していますが、
自動車産業を見ていると、「こんなことでいいの
か」と思います。
桃 田 自動車メーカーも同じことを言っていま
すよ。
秋林路 坂本龍馬みたいな一匹狼がポッと現れ
て、時代を変えていくきっかけがないと難しいの
かもしれませんね。
伊 藤 物流業界、トラック業界では新しい力
と、それを後押しすることが必要ではないと考え
ます。鋳物の自動車部品を製造していた愛知ド
ビーという会社は若い経営者に代替わりしたこと
で従来持っていた技術を鍋に転用し、無水鍋や
炊飯器のビジネスで大成功しました。継承してき
た技術を活かすには、新しい視点と発想でブラ
ンディングすることが必要で、そういう人材が現
れればイノベーションが起こせるチャンスも生ま
れます。
井 上 そのような仕掛けを貴誌でフィーチャー
したらいかがですか。くすぶっている人は意外と
多く、「そこに踏み込みたかった」という運送事業
者の層は少なからずいると思います。
伊 藤 井上さん、バス業界の現況をお聞かせ
ください。
井 上 我々はバスの勉強会を2年前に立ち上
げ、路線バス会社の部長・課長クラスに集まっ
てもらっています。路線バスはエリア内の城主様
ですが、他府県との関わりはほとんどありません。
 バスは車両購入後に通信デバイス装着などの
改造を施すカスタム仕様が基本となるため、全
国では少なくても47都道府県に対応したバスが
存在しています。そのため勉強会では、「通信機
器を標準仕様にしたほうがいい」という結論に達
しました。
 本来ならば、業界団体が横串を通すべきかもし
れませんが、最近の通信コネクティッドでは仕様
がばらばらで、交通ICカードの仕様も同様です。
これは結構、根が深いものですね。
伊 藤 そのような話を聞くと、業界団体のあり
方が問われているのではないかと思います。標
準化推進や、社会や産業での競争力を高めてい
く代弁ができていません。機器ひとつをとっても
しがらみがあり、ユーザー側が一枚岩もまとまら
ないと、ベンダー側では個別仕様で販売します
から。
桃 田 バスは乗客がいない状態の空バスでも
走らせざるを得ないことが問題です。住民から
は空バスでもいいから走らせてほしいとのニー
ズがありますが、これはいつでも乗れるという
安心感や、「走っているのが当然だ」と考えがあ
るからです。
 路線バスの運行コストは市町村単位で年間
4000〜5000万円程度かかっていますが、地

TheTRUCK2017年11月号48
方では朝晩以外は乗客がいない状態がほとんど
です。運転手はモチベーションが低下するので
すが、空バスに対してはどこからも文句は来ませ
ん。需要と供給のバランスが成立しないのに運
営している状況なのです。
 広島県の安芸高田市で新しい公共交通システ
ムの実証運行を実践したことがあります。昼間の
閑散時には本数を少なくして、13人乗りと10
人乗りの「お太助ワゴン」で運行するなどの実験
を行った結果、さらに赤字が増えてしまったこと
もあります。
秋林路 バスは地域住民の利便性を向上させる
インフラですが、そういった考えを変えない限
り、最適化には結びつかないでしょう。
 これは法律の枠組みとなりますが、国全体で
利便性を追及するならば、法律改正は必須です。
先ほどの話の繰り返しになりますが、政治家にも
動いていただかないとこれは実現しません。
桃 田 モビリティに関係する人たちが一堂に会
して、現状を話し合う場があってもいいですね。
各社の情報データベース化して「あなたには今
ちょっとだけ泣いてもらうけど、3年後には採算
がとれます」など。参加する人たちの損得も鑑み
ながら、交通整理すればいいと思います。
秋林路 インターネット、IoTの普及で地球の裏
側の情報も瞬時にとれる時代ですから、車も開
発・製造する段階から必要な機能を法律で定め
ればいいと思います。
 安全面・環境面はもちろん重要ですが、車両
には未来を志向した機能も持たせたい。UBER
のようにワンプッシュするだけでクルマを呼べる
機能もしかり、乗用車に乗客を乗せてもいいとい
う民間ドライバーにも情報が行ってもいいじゃな
いですか。
 これは車づくりにも大いに関係があることで、
30年先の世の中を考えた際にAIがどう動くのか
など、集中的に情報を集めて見極めることは可
能となるわけです。だからこそ、今こそ手を打た
ないといけないと考えます。
既存の枠組みにとらわれない
 新しいフレームワークで連携を
伊 藤 熱い議論が続いていますが、第1回目
の結論としては、自動車産業に関する強い問題
意識と行動力とビジョンを持つ人たちが手を携え
ていかないといけないということを申し上げたい
と思います。
 それがトラックなのか、運送なのか、物流なの
か、交通なのか――、既存の業界団体、役所で
は機能しないため、何か別のフレームワークで論
じる必要があるのではないでしょうか。
桃 田 現状で困っている業界でやればいいと
思います。乗用車業界は困っているようで、実
は困っていません。ただ、井上さんのお話のよ
うに商用車業界が大きな課題を背負っているわけ
ですから、本音を言い合える場が今後は求めら
れると思います。
井 上 そうですね。世界的にMaaS(モビリ
ティ・アズ・ア・サービス)が注目され始めていま
すので、新しいモビリティサービスを日本からも
創出するような方向性が出せるといいですね。
秋林路 本誌は商用車に特化しているため、「変
革」の石を投げやすいポジションにあると思いま
す。
 物流業界のイノベーションを巻き起こすきっか
けとして、この連載で伊藤さんがいろいろな分野
の方にインタビューしていただきながらあるべき
姿を追及していきたいと考えています。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界①

TheTRUCK2017年11月号49
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動車、
IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国家プロ
ジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、有限会社
znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝太氏ともに、株
式会社rimOnOを設立。
桃田健史(ももたけんじ)
 モータージャーナリスト。世界自動車産業および周辺分野のエネルギー、IT、高齢化問題等
が専門。日米を拠点に各国で取材活動を続け、一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒
体等への執筆。レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説も担当。
近書:「自動運転でGO!〜車の新時代がやってくる〜」(マイナビ新書)「100歳まで運転する」
(洋泉社)
井上佳三(いのうえけいぞう)
 株式会社自動車新聞社 代表取締役社長。京都工芸繊維大学 高分子学科。立命館
大学経営学部客員研究員。2007年 株式会社自動車新聞社入社。LIGARE編集長を経
て2017年より代表取締役就任
主な活動実績:2013年 大阪府と電気自動車のビジネス勉強会を主宰、全国の超小型モビ
リティの取り組みを取材。2016年 Futuremobility研究会を立命館大学、デンソー、住友
電工、富士通テン、パナソニックなどと立ち上げ、将来のモビリティについて研究
ンタビュワー
登壇者:

TheTRUCK2017年11月号50
最新モーターショー―①―
澄み切った9月の朝空にフランクフルト空港からの飛行機雲が乱舞する‥‥
いつものIAA乗用車ショーの正門開場前風景。

TheTRUCK2017年11月号51
石野 潔
 かつては世界的ショーであったが日本,欧州勢の一部が出展を見送り、近年にないドイツ勢中心
の欧州ローカルショーの色合いが濃くなった。VWを中心にコンセプトカーはEVや自動化(自律
走行車)が出揃った。
下段左絵:VW
̶
I.D.CROZZ=EV専用プラットフォーム「MEB」を使った前後輪モーター駆動、
一回充電で500〜600㎞の航続距離を誇示。
下段右絵:Benz
̶
EQA=2018年から立ち上げ予定のEQブランドのハッチバック車。WVと
同じ前後輪モーター駆動で400㎞は走る。 
 下段上絵:EVに目を奪われる中、欧州ショーならではのハイパフオーマンスカー出展!
Benz
̶
AMGProjectOne=F1エンジン搭載、前輪とエンジン回転補助のモーターを備える
ハイブリッド車。総出力1000Hpの市販車となる。 
すっかりトレンドキーワードとなった
「電動化、自動化、接続性‥‥」

TheTRUCK2017年11月号52
最新モーターショー―①―
BMW iVisionDynamicsConcept:EV4ドア・グラン・クーペ
(スポーティー高級4ドアセダン) 

TheTRUCK2017年11月号53
BMW iVision=BMWは「i3、i8」でEV化の実績がある。
2025年迄に新たに商品化するEV群のトップモデルとして発表し
た。4輪モーター駆動、600㎞の航続距離、米国「テスラM3」
の対抗車。
 AUDI AICON=人工知能を意味するAIとiconを組み 
      合わせた車名で、自律走行「レベル5」を達成。
      既EVConcept車同等の4輪モーター駆動、
      自律走行で800㎞の航続距離の未来のサルーン。
BENZ-VisionMaybach6Cabriolet
夏の米国エレガンスコンクールで発表、欧州で
初披露した超高級EVキャブリオレ。中東、中
国、欧米の超富裕層が顧客狙い。
前後4輪モーター駆動、2人乗りで5.7mの
長大華麗な大型車を動かす。320〜500㎞
の航続距離。
AUDI AICONConcept:EVdieautonomeLuxuslimousine
(レベル5の完全自律走行 ラグジュアリー・サルーン)

世界の自動車ショーで“Motorモーター”の用語が使われるのは少なないが、乗用車から商用車と二輪車、更に部品、用品、
各種関連団体など自動車産業を網羅した展示会はこの東京モーターショーが傑出しているといえるだろう。
TheTRUCK2017年11月号54
TMS東京モーターショー2017速報
世界の自動車ショー研究
西襄二

トラクの展示は前回に準じて東京ビッグサイトの東1館に集中していた。資本的に独立を保つ只
1社のいす自動車、トヨタグループの日野自動車、ダイムラーグループの三菱ふそトラクバス、
ボルボグループのUDトラクスの国内4社に加え、欧州からボルボ車及びスカニア車も参加した。
TheTRUCK2017年11月号55
東京モーターショーが開催された。
会期は10月27日から11月5日迄の10日間、
東京ビッグサイトのほぼ全館(拡張された東7、8号館を含む)
を使って盛大に開催された。
商用車の中核を占める
トラク4社+欧州勢2社の出展について速報を
お届けする。
日本の着想力を世界に発信
 通算第45回目となる東京モーターショー
は、会場を東京ビッグサイトに移して今回が4
回目となる。開催テーマ「世界を、ここから動
かそう。BEYONDTHEMOTOR」は、自動車
の駆動方式と運転の自動化に向けた大転換の動
きが急となるこの時代にあって、わが国の着想
力と存在感を示す決意を表した。一時期後退し
た国際色が復活して、大いに盛り上がった姿が
印象に残った。プレスデイの2日目は正午で区
切りを付け、午後は障害を持つ方々を優先して
迎える粋な計らいも見せた。また、併行して特
別招待者を受け入れたが、アジアからの団体客
の多さも目立った。




デザインコンセプト車「FDーSI」。FutureDeliveryAwarmIntelligenceの頭文字で呼ばれる
この車のコンセプトは、蜂の巣状の外観デザインによって蜂に代表あれる昆虫の群れが示す高
密度移動中の整然とした動き、をイージしている。ラストワンマイルの配送場面で、くるまと高
度なIT技術の融合が一定エリア内で働くドライバー同士のスマートな連携を通じてストレスレス
を約束し、働く環境の理想のかたちと配送先の満足を共に満たして行く。車としては、宅配便
等に最も使われているいわゆる“小型ワイドロング”車相当の大きさのEV車を想定した。イ
ホィールモーター4輪による床面の低床且つ広い平坦性によって最高の使い勝手の良さを提
供する。
大型6×6車は防衛車として長い歴史を持つ。近年の災害の
大規模化で救援活動の機動性はニーズが高まっている。悪路走
行性能が要求されるそした分野へも貢献しよというオールシング
ルタイヤの仕様で市販予定車を出展。
エルフEVは参考出品ながら完成度は高いようだ。1充電100
㎞レベルの航続距離を実証している模様。1980年代後期に鉛
バッテリーによるEVエルフを試作したことがある当社だが、それか
ら約30年、文字通り隔世の感がある。
昨年フルモデルチェンジしたGIGAのLNG車は、
日本レジリエンス(強靱化)大賞2017を受賞した。
国内で唯一のNG専燃大型車だ。ディーゼルエン
ジンの効率化と併行して燃料の多様化に積極的取
り組む当社の企業姿勢の象徴でもある。
TheTRUCK2017年11月号56
各社が掲げた出展テーマと出展内容
いすゞ自動車
「運ぶ時代に、できること」
本年創業80年を迎えた当社は、デザインコン
セプト車「FDーSI」を中心に、80周年記念仕様
GIGA-LNG車、80周年記念仕様FORWARD車、
ELF-EV車、悪路に強い大型6×6車、大型路
線バスERGAなど実車5車種とディーゼルエン
ジン及びAMT(自動化機械式トランスミッショ
ン)各実機2機種を展示した。
パネル展示では、現時点で国内唯一の天然ガス
(以下、NG)車の生産・販売を継続しているメー
カーとして、燃料の多様化への取り組みを中心
に据え、加えて世界でも最も長い取り組み実績
のある「みまもり」(コネクテッド技術による先進
世界の自動車ショー研究

本年、14年振りにフルモデルチェンジを果たした大型トラック「プロフィア」はグッドデザイン賞
2017を受賞、りわけその力強く洗練された外観が優れているしてベスト100にも選ばれた。
これを記念して会期中にデザイナーがその思いを語った。
市販車「プロフア」は汎用性が高く売れ筋の8×4軸車が出展
された。低い床面地上高はエアサスで一定高さに保たれ、法規
上限の最高地上高の範囲内で最大級の荷室内容高が確保され
る。ウングボディはわが国発のモデルで世界に普及が進む。
「レンジャー」も今年16年振りにフルモデルチェンジを果たした。
プロフィアと同様に先進安全装備を標準装備して、ドライバーの
弱点を積極的に支援してトラックがからむ悲惨な交通事故の撲滅
を願う日野の姿勢を示す。
恒例のダカールラリーに1991年以来連続26回出場してきた「レ
ンジャーラリー仕様車」。最近のこの車ではエンジンは8L弱の
J08C-TI型を積む。勿論、4×4の全輪駆動で変速機は手動
6速副変速機付だ。正月明けの現地からの便りが待ち遠しい。
小型トラッ「デュトロ」はこのクラスで最も歴史が長くベストセラー
でもあるハイブリド仕様ワイドキャブ市販車を出展した。クラストッ
プの低燃費(13.2㎞/L=重量車モード燃費値)が自慢だ。6
速AMT(自動化機械式変速機)を採用。
TheTRUCK2017年11月号57
車両管理システム)などの不断の進化と深化を訴
求していた。
日野自動車
「もっと、はたらくトラック・バス」
日野自動車のルーツを辿って国産トラックの歴
史を紐解くと、今年は100年目に当たる。その
記念すべき年に14年ぶりにフルモデルチェンジ
した大型PROFIAプロフィア車はグッドデザイ
ン賞ベスト100の栄誉に輝いた。
 Rangerレンジャー車も16年振りのフルモデ
ルチェンジが施され、プロフィア車と同レベル
の先進安全装備を標準装備している。「ヒノノニ
トン」で人気コマーシャルとなっているDUTRO
デュトロ車ではこのクラスで最多販売実績を誇
るハイブリッド車を出展した。このショーの前

全て電子化外周視界モニターを採用して車外ミラーを全廃した
外観デザインは、見るからに空力特性が優れた印象を受ける。
エンジンの放熱の必要は無いが、電動系統にも冷却の必要な
機器があるからラジエータグリルは残るのだろう。斬新な印象だ。
世界初の量産量販中の小型EVトラック「E-CANTER」は、FUSO
発でDaimler本体の乗用車分野のEV化とのシナジー効果が期待さ
れるだろう。欧州を始めアメカでの販売も開始して都市内配送分野
での普及に先陣を切り欧日米で独走を開始した
黒を基調色のブース内に世界初公開のコンセプトモデル「VisionONE」にスポットライを集中して浮き上
がらせライトアップ・ゥモローのコンセプを示した。車両総重量23.26トン、最大積載量11.11トン
1充電350㎞の走行が可能という。
TheTRUCK2017年11月号58
に壮行会が催された正月の恒例ダカールラリー
出走車のモデル車も展示された。
三菱ふそうトラックバス
LIGHTUPTOMORROW
ライトアップ・トゥモロー
 今後数年以内に当社が生産する全車種のト
ラック及びバスに電動化モデルを開発すること
を会場で明らかにした。これに関連して新商用
車ブランド「E-FUSO」を新たに設定し、電動化へ
の本格的展開をコミット(約束)した。
 世界初公開のコンセプトモデル「VisionONE」
を展示の核に据え、商用車の駆動方式が電動化
の方向へ大きく舵を切る時代に突入する姿を表
わした。実際に運行出来る試作車の姿でもあり、
ダイムラーグループにあって電池製造からアプ
世界の自動車ショー研究

「QUON」もグッドデザイン賞2017を受賞した。独特のヘキサゴン(6角形)フロントグリルが一層洗練
された力強さを印象付ける。6×4方式のカーゴモデルは総排気量11L弱のG11型ディーゼルエンジ
ンを搭載する。AMTのESCOT-Ⅵを採用。
新興国市場向けの専用モデル「QUESTERクエスター」6×4重トラクタ。排出ガス性能を仕向地
の基準適合に留め、変速機を手動12速型とするなどコストパーフォマンスを重視した。エンジンは
GH11型・総排気量11L・無過給で基本構造は共通。
TheTRUCK2017年11月号59
リケーションである車としての電動性能全般で
世界をリードする企業姿勢を示した。外に展示
車はディーゼルエンジン搭載車も含め計4台で
あった。
UDトラックス
Besttruckforalldrivers!
すべてのドライバーにとって、
ベストなトラックを目指して!
 かつて世界で初めて「尿素触媒排出ガス浄化シ
ステム(以下、SCR)を市販車に実装してこの方
面で先陣を切った実績を有するUDトラックス
は、ディーゼルエンジンの時代がなお支配的と
の立場で、最新の平成28年排出ガス規制適合車
である「QUONクオン」をセミトラクタとカーゴ
トラックの仕様で出展した。物流の効率化、ド

外観は2014年にインターナショナルトラック・オブ・ザ・イヤー賞を受けたFH14型6×4重トラクタだ。イヤー
モデルで呼称しないが細部の改良は積み重ねているから、斬新さはしっかり保たれている。全高が高く内法
高に余裕があるキャブだ。
前軸はリーフスプリング、後軸はエアサスという懸架装置は先進
地域向けとしては標準的だ。スプラッシュガー(雨天時の水滴
飛散部品)など堅実的な仕様に見える。取りつけ部に特色があ
るが、詳しは次号の詳細に譲る。
TheTRUCK2017年11月号60
ライバー不足の双方への対応の切り札の一つは
トレーラ化だが、国内向けの大型トラックは選
択と集中で対応する。ダンプ仕様車も出展した。
 新興国市場向けには「QUESTERクエスター」
が専用モデルで対応する。参考出展があった。
VOLVOボルボトラック
 UDトラックスの親会社に当たるボルボトラッ
クは、日本国内での販売面での住み分けを製品
で明確に区切っている。ボルボトラックスは日
本国内で販売する製品を6×4重セミトラクタ
1車種に絞り込んでいる。かつて、この車種は
UDトラックの牙城だったと記憶する読者も多い
と思うが、敢えてこの戦略をとって販売展開す
ることはグループとしての合理性の追求が働い
たのだろう。当社は欧州にルーツを持ち全世界
世界の自動車ショー研究

手前が4×2方式のセミトラクタ、奥に6×4方式のカーゴ車が展示された。日本でも堅実な経営のオー
ナー企業などに顧客を持っているように見受ける。今では少ななった13L級の大排気量エンジンが好ま
れる一つの商品的魅力の側面か。
前軸はリーフスプリング、後軸はエアサスという標準的懸架方
式だ。カプラー架装など仕上げの作業は日本国内で行われる。
スカニアの販売展開はアフリカの一部地域を除き全世界に及
ぶ。少量でも地域毎に利益を確保する堅実な手法がなせる結
果か。
TheTRUCK2017年11月号61
展開を行って業界で総合2位のポジションを確
保している。ライバルが敢えて自社ブランドの
トラックを日本国内では展開しない姿勢と好対
照を示す。
SCANIAスカニア
 スカニアジャパン株式会社の出展で、セミト
ラクタ及びカーゴ車の2台を出展した。過去の
日野自動車との関係は解消されて、独自の販売網
を整備拡充しながら国内の販売に当たっている。
ごく最近、スカニア本社がVWのグループに吸
収された報道があるが、今回の展示ブースではそ
うした影響は全く現れていない。スウエーデンの
老舗企業で創業121年を数える名門といってよ
く、顧客層も堅実なオーナー会社等を多数保有し
て利益率の高い営業展開でも定評がある。

世界のトラックショー研究
会場のアメリカ南部・アトランタ市のワールドコングレスセンターの外観(出所:NACVホームページ)
欧州の展示会方式アメリカにも進出
 展示会のコンセプトのモデルとなっているのは、独
自動車工業協会VDAが主催するIAA商用車展であ
る。同展は西暦偶数年に開催され、同奇数年には乗
用車展を開催して長い歴史を有するが、このIAA展
の全世界的視野にたったオーガナイザーはドイツはハ
ノーバー市に本拠を持つドイツ・メッセだ。そのIAA
主催者のアメリカにおける下部組織とカナダのカナ
ディアン・ニューコム・メデイアが共同企画・主催した
のが今回のNACV展である。
 4日間の会期を通じて来場者は9000名だった。会
場はおよそ4万㎡(訳者注:東京ビッグサイト東6館全
部が5万㎡強)で出展社は450社を数えた。この内
30%は海外からの参加で、多くはドイツからだった。
 開催地はアメリカ南東部ジョージア州の州都アトラ
欧州で親しまれてきた内容の商用車ショーが初めてアメリカ合衆国
で開催された。開催地は南東部ジョージア州アトランタ市で、
会期は4日間(2017年9月25〜28日)だった。
アメリカで新たな
トラックショー開催
第1回NACV
北米商用車ショー速報
文と写真・
スヴェ
エリクリンドスラン
(国際自動車記者)
訳・構成 
西襄二
TheTRUCK2017年11月号62

NACV展は、ドイツでIAA商用車展をプロモートする組織が北米にも
進出して開催された
開会式でテープカットする、ドイツ・メッセのアンドレアス・グルショフ博
士、アメリカトラッキング協会のエリザベス・バーラ、米国ハノーバーフェ
アCEOのラリー・ターナー、カナダのニューコム・ビジネス・メディアの
ジム、ジョー・グリオナ兄弟
FreightlinerCascadiaフレートライナー・カスカディア車。オーナーオペレーターにも好まれている同社の人気モデル
ンタ市で、ここのジョージア・ワールド・コングレス・
センターが会場であった。近くにはコカコーラ社の顧
客センターやネーミングライツでMercedesBenzを
冠したスタジアムなどがある。
 会場では、DTNAダイムラー北米社とその傘下にあ
る各社からメルセデス・ベンツ車、フレートライナー車、
ウエスターンスター車、ふそう車などが出展され、今
回のショーの牽引役を担っていた印象である。今回の
ショーの企画は18ヶ月前に公表され、他の地場のメー
カーも遅れをとらじと参加を決定してきた経緯がある。
 一方、公式参加を見送ったメーカーはPACCAR
パッカー社であった。しかし、大きな販売・保有シェ
アのあるKenworthケンワース車及びPeterbiltピー
タービルト車を有する同社も完全にそっぽを見ることは
得策ではないとの判断から、この2ブランド車はメー
カーの代わりに地元ディーラーが出展していた。
 アメリカの車にはMackマック車とWhiteホワ
イト車があるが、現在はボルボグループにあるの
で、そちらで紹介する。その他のアメリカの車は
InternationalNavistarインターナショナルナヴィス
ター車があるが、最近の動きとして現在はVWのグ
ループに入ったのでそちらで紹介する。
TheTRUCK2017年11月号63

世界のトラックショー研究
今年で75年を迎えたFreightlinerフレートライナー社の歴史を誇示した
マークが見えた
FreightlinerCascadiaフレートライナー・カスカディア車。オーナーオペレーターにも好まれている同社の人気モデル
MercedesメルセデスのMETRISメトリス車。こうしたライトバンはアメ
カでは珍しい
開催目的が異なる
 今回、架装メーカーや部品メーカーの出展も多く見
られた。これがIAA商用車展方式だ。
 過去2年間、昔ながらのアメリカン・スタイルで開
催されるMATSミッドアメリカトラッキングショー(開
催地:ケンタッキー州ルイヴィル市)に概してトラック
メーカー達は参加を敬遠してきた。尤も、オーナーオ
ペレーターに根強く好まれているKenworthケンワー
スとPeterbiltピータービルトの両車は出展してきた
が、このショーに集まる来場者は多くが比較的経営状
態の良いオーナーオペレーターが多く小規模業者で
あったのが特徴といえよう。いわばオーナーオペレー
ターの年1回のお祭り的なショーなのだ。
 新車販売のマーケットシェアで40%を確保し、こ
のNACVショーを実質牽引しているダイムラーは、
会場で最大の面積を確保して隆盛を誇示していた。
ブランドとしてはFreightlinerフレートライナー車、
Westernstarウエスターンスター車、FUSOふそう
車など傘下に収めたメーカーの伝統ブランドを尊重す
るのが同社の方針だ。
 このNACVショーは大手フリートユーザーと部
品供給セクターを意識したもので、時期的にも新型
のトラック及びトレーラなどに向けた大口の投資案
件を念頭においた企画である、というのはダイム
ラー北米社のロジャー・ニールセン社長兼CEOの
話である。
TheTRUCK2017年11月号64

ふそうの電動トラックeCANTEReキャンターはこのショーの前の週にニューヨークで発表会を開催した。宅配最大手のUPS社で実用運行に入る
会場に隣接してネイングライツ命名権を買った
“MercedenBenzStadium(メルセデスベングス
タジアム)”がそびえている
WesternStarウエスターンスター社はアメリカの大型メーカー中で最小の
ブランドだがダイムラーの広いスタンドのなかで目立つ場所で展示された
TheTRUCK2017年11月号65

世界のトラックショー研究
ボディーカーのGreatDaneグレートデーン社が出展した日野268型温度管理車
日野の総排気量8LのJ85ターボディーゼルエンジン。アリソンの2000
リーズ全自動変速機を組み合わせている
日野の展示場はアジア勢の中でも広く設定されていた。手前がアメリカ向け専用モデルで特装車にも力を入れている。隣のハイブリド車は未だアメカで
は珍しい
は大きい。新工場の規模は現在のものと比較して面
積は4倍とされ2019年の早期に稼働する計画とい
う。現在は日本で製造されているキャブも新工場で現
地生産される。(訳者注:日本のメーカーとして日野、
及びいすゞ両社が北米市場に参入しているが、クラス
7、8の大型車に本格参入するのは日野が初めてで
ある。
日野の積極姿勢
 日野車のスタンドでは、アメリカで伝統的なボンネッ
ト型車とキャブオーバー型車の双方が展示されていた。
 日野はこのショーに合わせて西ヴァージニア州に従
来からある同社工場に隣設して、新工場を開設する
ことを明きらかにした。この新工場ではクラス7及び8
(中型及び大型車)の製造ラインを開設する。投資額
TheTRUCK2017年11月号66

日野のハイブリド車。アメカでは未だ珍しい
フト(デュアルクラッチ搭載自動化機械式)が採用され
ている。
 総排気量16LのD16型エンジンは合衆国内では
戦列から外した。代わりにカミンズの総排気量15L
のD15型エンジンがオプション仕様に加えられた
が、これに組み合わされるのはボルボのI-Shiftトラ
ンスミッションではない。
 VOLVOボルボ車の兄弟ブランド車のマックMack
車は、新発売したAnthemアンセム車の攻勢に力を
入れていた。出展車は6台、夫々違う仕様で用途の
拡がりを訴求していた。アンセム車は長距離運行用
途を想定した押し出しの強い外観デザインを採用し、
BWF(BendixWingmanFusion)方式の衝突予防
システムを搭載しており、順応型クルーズ制御にレー
ンキープシステムも加えて安全性に高度な配慮を行っ
た点を強く訴求していた。
 Mack車は他にMacGranniteマックグラナイト
(御影石の意)、及びPinnacleピナクル(頂点の
意)の両モデルについて、いずれもキャブ内装を一新
アメリカ市場で欧州化どこまで
 “この新たに企画されたトラックショーに私達は多
いに満足しています。来場者についても然りです。ト
ラックの購買決定権者が多いですね。こうしたショー
の特色からすると次回の会期は3日間でも十分だと思
います。このショーの計画段階では会期は5日間とさ
れていましたが、結局今回は妥協して4日間となった
のです。”そう語るのはVTNA北米ボルボトラック社
のマーケティング及びブランド政策担当責任者のマグ
ヌス・キョック氏だ。
攻勢強めるボルボ
 ボルボトラックス社は、今年の初期にマイナーチェ
ンジを施したVNR及びVNL型車を出展した。加え
て、VHD型建設用途車ではキャブ内装に手を入れて
デザインを新しくした。全車に共通の同社独自のパワー
トレーンを搭載しているが、自社製エンジンは総排気
量11〜13LでD13型ターボコンパウンドエンジン
も含まれている。トランスミッションは定評あるIーシ
TheTRUCK2017年11月号67

世界のトラックショー研究
会場に展示された6台のMACKANTHEMマック・アンセム車達(アンセムは“賛歌”の意)。フルモデルチェンジで空力的に進歩したと同時に押し出しの
強い印象のフロン回りになった
新型のボルボVNL型車はフロント回りの変更に加え、ヨーロッパ仕込みのFHシリーズ車から譲り受けた数々の改良が採用されて
いる。運転者の体格に応じて微調整が行えるステアリングはその内の目玉装備だ
ボルボトラクス社の販売部長でスウエーデン出身のマグヌス・キョク氏
は新型VNR型及びVNL型に大きなチャンスがあるとみる。彼は本年初
夏の販売開始時の責任者だった
して出展した。(訳者注:現在はボルボグループにある
ルノーのトラック部門は、2001年当時はフランスで
RVIルノーヴィークルズの社名であったが、これをボ
ルボが買収。この時点でRVIはアメリカMackマッ
ク社を既に傘下に擁していた。RVIは翌2002年に
ルノートラックスと社名を変更しているが、ボルボはこ
の経緯により自動的にルノー、マックの両ブランドを引
き継いだ。その後、VWは2006年にMANマン社
の株式の過半を取得。また、2008年から2014年
にかけてSCANIAスカニアの子会社化を進め、株式
の大半を取得して傘下に収めている。
TheTRUCK2017年11月号68

来場者にはマックのTシャツが無料でプレゼン
されていた
フルハーフ・スペンサー車製セミトレを
連結したMackマックのレトロ車
VOLVOボルボの展示場。全てアメカ市場専用のボンネト型モデルだ 
TheTRUCK2017年11月号69

世界のトラックショー研究
VWトラック&バス社のアンドレアス・レンシュラーCEO(左)と並ぶのは
ナヴィスター・インターナショナル社のトロイ・クラーク取締役会会長。
VWT&Bはナビスター社の株式の20%を保有する。レンシュラーは前ダ
イムラートラクスの責任者でありアメカ市場に詳しい
ナヴィスター・インターナショナル社のトロイ・クラークCEO兼取締役会
会長はVWトラク&バス部門との提携に進展があったと述べていた
いすゞ車の展示場。手前はFシリーズ車、隣がこのクラスで最も売れているNリーズ車、一番奥がLシリーズ車だ
ISUZUいすゞ自動車
GMと親密な関係維持
 日本の老舗トラックメーカーのいすゞ自動車は、国
内トラックメーカー4社で唯一グループ色を面に出さな
い独立資本の企業だが、かつての資本提携は解消さ
れているもののアメリカのGM社とは業務提携で現在
も親密な関係にある。アメリカでのトラック販売も長
い歴史を有するが、クラス2〜4を中心に存在感を
示している。
VWグループ、じわり動く
 VWフォルクスワーゲン社は傘下にドイツのMAN
マン社及びスウエーデンのScaniaスカニア社を擁す
るが、トラック&バス部門の責任者であるアンドレアス
レンシュラー氏はNavistarInternationalナヴィス
ター・インターナショナル社の社長のトロイ・クラーク
氏と共同で北米向け駆動装置を共有する旨の発表を
行った。これがスカニアのOpticruiseオプティクルー
ズAMT(自動化機械式変速機)を指している可能性
がある。
 また、コネクテッ(つながる)車や電動トラック開発
プロジェクトが2年後の2019年の製品化を目指し
て動いていることにも触れていた。
 VW自身のVWブランドのトラック・バス部門は南
米で存在感を示しているが、世界的にみるとマイナー
である。資本関係でマン・グループ、スカニアなどを
傘下にした現在、グループ全体でみると世界第3位
のポジションにあるといえよう。
TheTRUCK2017年11月号70

ンターナショナルのLoneStarローンスター・モデルは最近技術面及び内装関係の改良を施された。(訳者注:危険な突起付
ホィールナットが彼の地では許されるのだろか)
閑話休題・アメリカの商用車市場
 ■アメリカでも商用車の販売は景気の影響を受けて
大きく変動する。ここ1年間の傾向を見ると、今年
は上昇傾向にある(図1)。今年の年初からクラス3
以上のクラス別・車名別の詳細を見て頂けば凡その
市場動向をイメージして頂けよう(表1)。因みに、過
去最高は2015年に記録しているが、本年は昨年に
続いてこれに迫る動きを示している。
 ■アメリカ特有のクラス区分は(表2)を参照願いた
い。乗用車感覚の“足”として一般市民に人気があ
る“トラック”はクラス1、2に分類されるが、物流
用途ではないので本稿の対象から省いた。■読者の
理解を助ける為に、車名と現在の経営母体をグルー
プ分けしてみた(表3)。=この項:訳者補足=
TheTRUCK2017年11月号71
(図1)U.S.中型/大型トラク販売動向
MediumDuty(中型)HeavyDuty(大)

世界のトラックショー研究
TheTRUCK2017年11月号72
(表1)アメリカ国内 トラック販売(2017年1月〜8月)
メー (車名)
クラス 8 クラス 7 クラス 6 クラス 3.4 5
8 1〜8
1〜8
8 1〜8
1〜8
8 1〜8
1〜8
8 1〜8
1〜8
Chevrolet 3,889 28,296 10.61%
ChevroletLGF 226 1,583 0.59%
Dodge/Ram 13,808 115,447 43.30%
Ford 191 1,336 3.32% 1,617 13,594 31.33% 12,936 92,134 34.55%
Freightliner 5,848 43,522 37.26% 2,900 19,120 47.51% 1,754 13,593 31.33% 162 2,419 0.91%
BMC 1,312 10,533 3.95%
Hino 135 1156 2.87% 621 4,501 10.37% 345 2,272 0.85%
International 2,751 13,177 11.28% 2,870 12,125 30.13% 1,194 9,918 22.86% 10 137 0.05%
Isuzu 25 29 1,790 13,254 4.97%
Kenworth 2,427 16,757 14.35% 406 2,930 7.28% 228 1,537 3.54% 4 24 0.01%
Mack 1,372 10,347 8.86%
MitsubishiFuso
101 535 0.20%
Peterbilt 2,761 18,738 16.04% 501 3,580 8.90% 10 215 0.50% 4 14 0.01%
Volvo 1,513 10,868 9.30%
Westernstar 473 3,312 2.84%
Other 21 93 0.08%
Total 17,166 116,814 100% 7,003 40,247 100% 5,440 43,387 100% 34,587 266,648 100%
出典:WARD'SCOMMUNICATIONS:HEAVYDUTYTRUCKINGMAGAZINE様式で表示
(表2)米国商用車重量別区分
(表3)アメリカ車のグループ分け
大きさ 呼称
クラス
車両総重量(連結総重量)
←  ←
(kg)
車軸数
タイヤ数
代表車種・用途
Light
(小型)
1 〈6,000 〈2,724 2 4 ピックアップ。バン
2 6,000 10,000 2,724 4,540
24
ステップバン、小型郵便車
Medium
(中型)
3 10,000 14,000 4,540 6,356 2 6
メトロバン、小型けん引トラック
4 14,000 16,000 6,356 7,264 2 6 平ボディ
5 16,000 19,500 7.264 8,853
26
中型けん引トラック、ステーキ煽り付平ボディ、小
荷物集配バン
Light-Heavy
(中大型)
6 19,500 26,000 8,853 11,804 3 6
単車トラック30 フィート級)、引越バン、清涼飲
料配送車、家庭用暖房オイル配送車、武装警護車、
ミニバス
Heavy
(大型)
7 26,000 33,000 11,804 14,982 3 10
トラクタ/トレーラ40 フィート級)、引越用バン
トラック、ダンプトラック、近距離路線バス
8 〉33,000 〉14,982
3
3+
10
10+
トラクタ/トレーラ50 フィート級)、引越用バン
トラック、貨物トラック、コンクリートミキサ、ダ
ンプトラック、連接バス、グレイハウンド型バス
出所:バークレー市条例より抜粋  翻訳:物流問題研究所
グループ
PACCAR
DaimlerTruck
NorthAmerica
ダイムラートラック北米社
VOLVOTrucks
ボルボトラックス
VW Truck&Bus
VWトラック&バス
車名ブランド
Kenworth Freightliner VOLVO InternationalNavister
Peterbilt Westernstar White
MercedesBenz

“Aeosエイオス”は、Cumminsカンズ社がこの機会に発表した電動式トラクのコンセプトモデル
EatonCumminsイートンカンズのEndurant
エンデュランAMT自動化機械式変速機は隊
列走行車向けの新製品。パッカー社で同系
列製品が採用されていたことがある
WABCOワブコ社は最新技術を
搭載したコンセプトラクを展示
した。背抜きのキャブ内に大型
モニターを設置して映像で紹介
していた
部品サプライヤーと
ボディメーカーの展示
 Cumminsカミンズ社は電動トラックE-Truckの
コンセプト車を出展し、来たるべきEV車の大型車へ
の進展にも対応する姿勢を示した。また、Eatonイー
トン社と共同で全自動変速機も展示しエンジン車の
進化も続くことを訴えた。
 WABCOワブコ社は、運転の自動化への貢献を
サプライヤーの立場でキャブの内部にしつらえた大型
モニターでデモンストレーションした。
 Boschボッシュ社は、自動運転車や隊列走行車
の技術をコンセプトキャブに組み込んで出展した。同
時に、燃料電池による長距離運行用電動トラックの製
TheTRUCK2017年11月号73

世界のトラックショー研究
Insta-Chainインスタチェーン社の回転式スノーチェーンはOn-Spotオンス
ポット社の良き競争相手だ
後2軸車の駆動軸周りの空気整流に効果
を発揮する空力部品パッケージ
シュランの新製品“XMULTID”タイヤ。駆動輪8本全てを新製品に交
換すると、燃費改善効果により年間400ドルの節減が見込まれるという
アリソンは2020年迄に
新設計の9速前自動変
速機を上市する見込みだ
造を念頭においた新会社Nikolaニコラ社の立ち上げ
を展示の中で明らかにした。
 Meriterメリター社は、1999年以来ボルボトラッ
クス社向けにスウエーデンはリンデンベルク工場でリ
ヤアクスルの製造を行っている。EV電動車に最適な
 Michelinミシュラン社はここでも積極的な展示を
行った。
 タイヤに着用させずに雪道でスイッチ操作で
チェーン効果を発揮するシステムやら、ホィール回
りの乱流制御用後付け用品も見られたし。また、
仕様の2軸式と1軸式の双方に対応するものだ。
 AllisonTransmissionアリソントランスミッ
ション社は前進9段の完全オートマチックトランス
ミッションを展示した。トラックの中型及び大型車
向けで2020年頃から市場に出荷される。
ホィールに引っ掛けてボディメンテンナンスなどに利
用する簡易ステップなどのアイディア製品も出品さ
れていた。
TheTRUCK2017年11月号74

北米の大型トラクの中にはフロントガラスの汚れを拭う際に往生する車もあったが、この方式なら問題は解決だ
レーラメーカーからも多数の出展があった。これはWilsonウルソン社製
のアルミフラトベッドトレーラ。定量積載時にフラットとなるよう空車時には
予め“反り”が施されている
アルミ材による軽量汎用平床レーラ。積載重量の極大化に大きなメリット
筆者スヴェン-エク リドストランド。会場にて
 トレーラはアメリカのトラックに欠かせないパート
ナーで、専門メーカーの出展が見られたのはIAA方
式の展示会ならではの情景であった。
定着するか、IAA方式展示会
 NACV北米商用車展は今後ドイツ・ハノーバー市
で開催されるIAA商用車展と交互に隔年開催され
る。この展示会でターゲットとするのは主として保有
車両数が500台を超える大規模ユーザーで、オー
ナーオペレーター向けの展示は多くはない。
 会場のアトランティック100周年記念施設界隈の
駐車場事情は、乗用車の駐車にも苦労する。従って、
大型トラックやトレーラの駐車は論外だ。これは、オー
ナーオペレーター向けにケンタッキー州はルイヴィル
市で開催されるMATS展とは対照的だ。こちらで
は、広大なトラック駐車場と会場のケンタッキー・エ
キスポセンター間に頻繁に連絡バスが運行される慣
わしである。
 次回のNACV展は、2年後の2019年10月
28〜30日の4日間今回と同じ米アトランタ市で開
催される。
 因みに、伝統
のIAA商用車
展は来年2018
年9月20〜
27日に独ハ
ノーバーで開催
される。同年、
3月22~24日
にはMATS展
が米ケンタッ
キー州ルイヴィ
ル市で開催され
る。
(おわり)
TheTRUCK2017年11月号75

TheTRUCK2017年11月号76
 TOYOTAが燃料電池バス(FCバス)のコンセプト
モデル「SORA」を公表した。名称のSORAは、地
球の水の循環を表した“SkyOceanRiverAir”の
頭文字をつなげたネーミングとなっている。
 コンセプトモデルをベースにした市販型は、
2018年から発売を予定しており、2020年の東京
オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中
心に100台以上のSORAが導入される予定となっ
ている。
 コンセプトモデルSORAは、「受け継がれていく街
のアイコン」を開発コンセプトに、FCユニットの特性
を最大限に活かし、路線バスのうれしさを大きく高め
たバスで、2つの想いが込められている。
東京オリ・パラに向けて東京都
FCユニットの特性を最大限に活かした燃料電池

TheTRUCK2017年11月号77
▼想い①【社会の“奉仕車”】
 世のため人のために働くクルマであり、環境に配
慮するとともに、モビリティサービス以外でも社会に
貢献できるバスを目指している。
・燃料電池自動車「MIRAI」向けに開発した「トヨタ
フューエルセルシステム」を採用し、走行時に
CO
や環境負荷物質を排出しない優れた環境性
能を実現。
・大容量外部給電システムを搭載しており、高出力か
つ大容量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電
力量235kWh)を備え、災害時に電源としての利
用が可能。
を中心に100台以上導入予定
バスのコンセプトモデル「SORA」をTOYOTAが公表

機能的にまとめられたFCバスSORAの室内
TheTRUCK2017年11月号78
制御機能を採用し、車内で立っている乗客の安全性
に配慮した。
③バス停への自動正着制御により乗降性を向上
(日本初)
 路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵と自動
減速により、バス停とバスの隙間を約3㎝〜6㎝、
バス停車位置から前後約10㎝の精度で停車させる
自動正着制御を採用。車いすやベビーカーの乗降性
▼想い②【人を中心に据えた、ユニバーサル
 デザインと機能】
 不特定多数の乗客が利用するための「利便性」
「安全・安心」にこだわり、すべての乗客に「乗って
よかった、また乗りたい」と思われるバスを目指して
いる。
・自動格納機構付き横向きシートにより、居住性を向
(日本初)。ベビーカーや車いすのスペースに、
自動格納機構付き横向きシートを新設。ベビーカー
や車いす利用者がいない場合は、一般利用者が座
ることができ、居住性を向上。
■SORAの主な特長
①バス周辺監視機能により安全性を向上(日本初)
 車内外に配置した8個の高精細カメラが、バス周
囲の歩行者や自転車などの動体を検知し、運転手へ
音と画像で知らせる周辺監視機能を搭載し、安全性
を向上。
②加速制御により安全性を向上(日本初)
 モーター走行により変速ショックがないことに加
え、急加速を抑制し緩やかな発進を可能とする加速

居住性を樹脂下自動格納機構付き横向きシー
TheTRUCK2017年11月号79
 従来の路線バスに見られる六面体(箱形)から大き
く異なる立体的な造形を追求し、前後ランプにLED
を採用。一目でFCバスとわかる特徴的なデザインと
している。
■SORAの主要諸元
《車両》・車名:SORA(コンセプトモデル)・全長
10,525×全幅2,490×全高3,340㎜・定員79(座
席22+立席56+乗務員1)人
《FCスタック》・名称(種類)トヨタFCスタック(固
体高分子形)・最高出力:114kW×2(155PS×2)
《モーター》・種類:交流同期電動機・最高出力:
113kW×2(154PS×2)・最大トルク:335N・m
×2(34.2㎏f・m×2)
《高圧水素タンク》・本数(公称使用圧力):10本
(70MPa)・タンク内容積:600L
《駆動用バッテリー》・種類:ニッケル水素
《外部電源供給システム》・最高出力9kW/供給
電力量235kWh(接続する給電器の性能、水素残
量、消費電力により、給電可能な電力と電力量は
異なる)
を向上。
④ITSConnectによる利便性向上
 車車間通信や路車間通信により安全運転を支援す
るITSConnectに、バス同士の車群走行の支援や
バス優先の信号制御(PTPS=公共車両優先システ
ム)を追加したシステムを導入することで、バスの輸
送力、速達性や定時性が向上し、利便性が高まる。
■デザイン

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年10月号96
 古河ユニック㈱は、すでに販売し好評を得ている中型トラッ
ク搭載型クレーン『ユニッククレーンG-FORCEシリーズ』に続
き、小型トラック向けもフルモデルチェンジし、2017年10月
5日に販売を開始した。
 ユニックは、トラック搭載型クレーンの国内シェア約50%を
有しており、2016年11月には需要のもっも多い中型トラ
ク搭載型クレーンのフルモデルチェンジを実施している。
 フルモデルチェンジしたG-FORCEシリーズは、“安心”を
追求した様々な機能を追加しているが、なかでも「液晶ラジコ
ンJOY」「デジタル式荷重計」は、車両から離れた場所でも
液晶ラジコンで吊り荷重を確認できる点や、荷重表示が20㎏
単位と高精度に表示される点が、購入者である経営者や実際
に作業するユーザーから好評で、さらに経営者からは、「液晶ラ
ジコンJOY」の吊り荷重の加算機能により過積載を防止でき
ることや、安全装置をパッケージ化した「セイフティ仕様」、走
行事故防止のための「ブーム・アウリガ未格納警報装置」
標準装備したことなど、経営者目線からの安心機能が高い評
価を得ている。
 一方、作業者からは、「液晶ラジコンJOY」に搭載されてい
るフック平行移動や対地平行移動などジョイスティックによる
連動操作を高く評価しており、特に従来から好評のクレーン旋
回、起伏、伸縮、巻上・巻下操作を2つのレバーでコントロー
ルするジョイスティク式は、コントロールバルブを内製している
ため実現できるオンリーワン機能で、操作性のカスタマイズ等
らなる高機能化により作業者の操作性を格段に高めること
が可能となっている。
 ユニックは、フルモデルチェンジした中型トラック向けで経営
者並びに作業者から高い評価を得られたことから、小型トラッ
ク向けでも“安心”を追求した機能を備えたフルモデルチェン
ジを実施したもので、小型・中型トラク向けの『ユニッククレー
ンG-FORCEシリーズ』のほか、今後は大型トラック向けのフ
ルモデルチェンジも進めていく計画だ。
 なお、標準価格(税別/シャシを除く)は、URG290シリー
〔3段〜6段ブーム〕で250万円〜511万円、URG260
シリーズ〔3段〜5段ブーム〕で215万円〜457万円。販
売目標は年間3,000台(2機種合計)している。
■主な特長
⑴基本性能の進化(“安心”のための機能を全機種標準装備)
・正確な吊り荷重が確認できる「デジタル式荷重計」を全機種
に標準装備。従来の油圧式荷重計ではフックの巻き上げ操
作中にしか吊り荷重を確認できなかったが、デジタル式荷重計
では常時表示され、誰でも簡単かつ安全に作業できる範囲を
把握することができ、過負荷によるクレーンの折損や転倒事故
を防ぐことが可能。
そのほか、フックの巻き過ぎによるワイヤー切断を防止する「巻
過自動停止装置」、ブーム等の格納忘れによる走行事故を防
止する「ブーム・アウリガ未格納警報装置」を全機種に標準
装備。
⑵ラジコンの進化(見える“安心”&思い通りに動く“安心”)
・優れた連動操作性がユーザーの高い支持を受けている「連動
ラジコン」「連動ラジコンJOY」をさらに進化させた、「液晶ラジ
フルモデルチェンジ…古河ユニック
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中型トラック向けに続き小型トラック搭載型クレーンの
「ユニッククレーン」をフルモデルチェンジ
フルモデルチェンジの「ユニッククレーン」には“安心”を追求した様々な機能
が追加された
フルモデルチェンジされた小型トラック搭載型「ユニッククレーンG-FORCEシ
リーズ」

TheTRUCK2017年10月号97
コン」「液晶ラジコンJOY」
新たにラインナップ。従来、
上位モデルでのみ表示してい
た吊り荷重を、全ての液晶ラ
ジコンで標準仕様として表示
し、車両から離れた場所でも
吊り荷重を液晶モニターで確
認しながら、安心してクレーン
作業が行える。
・また、作業者の熟練度によるクレーン操作の違いや、吊荷
や現場の状況によって求められる操作性が異なることに対応
すべく、ユーザーニーズをもとに、今まで以上にクレーンの操
作性をカスタマイズできる。例えば、クレーンの初速特性をこ
れまでの“標準”に加え、“微速”“高速”から選択できるよ
にするなど、各種設定の組み合わせで、思い通りの操作設定
が可能。これにより、熟練者にも初心者にも使いやすく、吊
荷や作業環境にあわせたクレーン操作を安心して行える。
・このほか、過積載による事故防止に役立つ「吊り荷重の加
算表示機能」も搭載し、運転手の安全だけでなく、荷主や運
送業経営者の安全管理に貢献。
⑶安全性能の進化(クレーンの状態と限界がわかる“安心”)
・業界唯一の3年保証付き「過負荷警報装置」及び「転倒
防止装置」の従来からある安全仕様に加え、架線などへの接
触事故を防止する「高さ制限装置」と吊り上げ性能が大幅に
低下する前方領域をフォローする「前方領域検出装置」を備え
た、安全装置のフル装備モデル(セイフティ仕様・スマートセイ
フティ仕様)を新たに設定。クレーンの負荷状況と安定度を常
に監視し、過負荷作業と転倒事故を未然に防止。
・さらに、フル装備モデルの液晶ラジコンには吊り荷重だけで
く、作業半径や定格荷重、負荷率なども表示するので、ク
レーンの状態や限界を液晶モニターで確認しながら、安心して
作業を行うとができる。また、荷ブレを抑制する「高機能ショ
クレス(自動減速)機能」も搭載。なお、フル装備モデル(セイ
フティ仕様・スマートセイフティ仕様)はオプションとなる。
⑷制御性能の進化(高度な制御で“安心”サポート)
・ブームの伸縮操作に連動してフックが平行移動する「フッ
平行移動」やフックの高さが変わらない「対地平行移動」に加
え、新たにブームの先端が車両に対して前後左右方向の平
行移動や垂直移動する「直交動作モード」を搭載(スマートセイ
フティ仕様のみ)。本来、ブームを動かす油圧制御には、ブー
ムの伸縮、起伏、旋回、フッ(ワイヤー)の巻上/巻下があ
り、平行移動や垂直移動にはこれらを同時に制御しなければ
ならず、熟練の操作技術が必要だった。この連動操作を、
液晶ラジコンの高度な制御技術のアシストにより一つの操作
で簡単に行うとができ、作業効率を大幅に向上。
・さらに、新たな機能として搭載した「記憶動作モード」では、
記憶した地点まで半自動移動するショートカット移動や、クレー
ン操作を記憶して反復動作する軌跡移動を可能としており、
作業効率化を実現。
・このほか、クレーン本体にはクレーンの状態表示だけでなく、
不具合時の対処方法等も表示される液晶パネルを搭載してお
り、万が一の時のトラブルシューティングに役立つ。なお、制
御機能はスマートセイフティ仕様のみの機能となる。
⑸環境性能の進化(環境配慮にさらなる“安心”)
・標準仕様では、ポンプサイズ(容量)をアイドリング時のエン
ジントルクで回すことのできる最大のサイズまで大型化すること
で、最高エンジン回転数を最大約11%低減し、トラックのエ
ンジン負担を軽減するとともに低燃料・低排出ガス・低騒音
化を実現している。
・さらに、『U-canECOシリーズ』「エコポンプ・システム」(エ
ンジン回転数を最大で約38%低減、燃料消費量を最大で約
27%削減)を進化させた「スマート・エコシステム」に加え、ウイ
ンチには「サイレント・エコウインチ」を、ブームには「エコシリ
ダ機構」を搭載し、最上位モデル「エコプレミアム仕様」を新た
に設定。クレーン作業において最も使用頻度が高く、騒音の
発生要因ともなっていたウインチに、新開発の「サイレント・エ
コウインチ」を採用したことで、ウインチの作動音が最大10dB
低減し、作業者への環境負荷を軽減。また、作業状況に合
わせて、静粛性を優先したエコ重視と作業時間の短縮を優先
した速度重視の設定に切り換えるこも可能。
新たにラインナップされた「液晶ラジコ
ンJOY」
吊り荷重が確認できる「デジタル式荷重計」
全機種に標準装備
ウインチの作動音が最大10dB低減

The TRUCK News
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TheTRUCK2017年10月号98
 日野自動車㈱は、小型トラッ「日野デュトロハイブリド」
のワイドキャブ車を改良して燃費を向上させ、2017年11月
1日に発売した。
 今回の改良では、変速機を従来の5速AMT(機械式自
動変速機)に替えて新型6速AMTとし、ハイブリドシステ
ムの制御を改善することで燃費を従来車の12.2㎞/Lから
13.2㎞/L(最大積載量1.5トン超2.0トン以下の車型の
重量車モード燃費値)へ大幅に向上させた。
 今回新たに、発進時のモーター走行や変速時のモーター
アシストの追加等、モーターの稼働領域を拡大することでハイ
ブリド車らしい走行フィーリングを実現するともに、ドライバ
ビリティも向上させている。さらにPCS(衝突被害軽減ブレー
キ)のレーダーで先行車を検知し、車間距離に応じて最適な
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、中型トラッ「ファ
イター」2017年モデルを全国の三菱ふそう販売会社及び
三菱ふそう地域販売部門で2017年10月より販売を開始
した。
 「ファイター」2017年モデルは、従来車に対しNOx排
ハイブリド制御を行う。
 今回発売する「日野デュトロハイブリド」ワイドキャブ車は
平成27年燃費基準+15%を達成しており、エコカー減税
の対象となり取得税、重量税ともに免税となる。
 日野はこの「日野デュトロハイブリッド」ワイドキャブ車を
東京ビッグサイトで開催された「第45回東京モーターショー
2017」に出展した。
 代表車型の日野デュトロハイブリッド(TSG-XKU710M-
TQVMC)の東京地区希望小売価格は、N04C-ULエンジン
110kW(150PS)搭載、ProShift6(6速AMT)トランスミッ
ション、2トン積み、ワイドキャブ・ロングボデー・全低床仕
様で5,616,540円(税込)。年間販売目標台数は、日野デュ
トロシリーズ全体で26,300台としている。
出量を40%低減し、平成28年排ガス規制に適合させると
もに、平成27年重量車燃費基準を達成している。
 中型トラックの車格にふさわしい直6ターボエンジンを継続
設定し、ゆとりある排気量で力強い発進性とエンジンブレーキ
(エキゾーストブレーキ)能力を確保。ハイパワーが快適な高
小型トラック…日野自動車
中型トラック…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「日野デュトロハイブリッド」ワイドキャブ車を改良
6速AMT搭載とハイブリッド制御改善で燃費を向上
中型トラック「ファイター」2017年モデルを発売
直6ターボの継続設定と内装をブラック基調に一新
ハイブリドシステムの制御改善で燃費を大幅に向上させて登場の「日野デュトロハイブリド」ワイドキャブ車

TheTRUCK2017年10月号99
速走行を、また豊かなトルクがフル積載時の余
裕ある走りやすぐれた登坂性能に貢献する。
 インテリアについては、ブラック基調でシ
ルバーラインを配した、シックな内装色へ一
新。ステアリングホイール、ドアトリムやベッ
ドを黒で統一し、クールで上質な空間を提供
している。
 エクステリアは、フロントグリルのフレーム部
にブルーラインの塗装を施したエコブルーグリル
を採用し、先進のエコ&クリーンなイメージを演
出した。
■車両スペックと東京地区販売価格
・車型…2KG-FK64FK3EB
・エンジン…6M60(T3)型162KW(220PS)
トランスミッション…6速MT
・主な仕様…GVW8t、カーゴシャシ、フルキャ
ブ、リヤエアサス
・価格…8,271.72千円(消費税込み)
 UDトラックス㈱は、平成28年排出ガス規制に適合した
新型「クオン(Quon)」セミトラクターを発売した。
 460馬力・高トルクと平成27年度重量車燃費基準+5%
達成を両立する、パワフル・省燃費・クリーンな「GH11TD」
エンジンが新たに選択可能となった。新型「クオン」セミトラク
ターは、ドライバー不足や物流の効率化・高品質化といった
日本のトラック物流の課題解決に大きく貢献する。
 「クオン」セミトラクターの2016年国内市場における販売
台数は、2,363台で、UDトラックスとして販売している「ボル
ボFH」セミトラクターの販売台数351台と合わせると、同社
は当カテゴリーおいて国内シェアトップとなりる。
 UDトラックスの村上吉弘代表取締役社長は、「比類のない
セミトラクター…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
平成28年排出ガス規制に適合した
新型「クオン(Quon)」セミトラクターを発売
中型トラック「ファイター」2017年モデル
ブラク基調のシックな内装色へ一新されたインテリア

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TheTRUCK2017年10月号100
操作性を誇る電子制御式オートマチットランスミション“エ
スコット(ESCOT)”を搭載したクオンセミトラクターは、お客
様から高い評価を頂いています。このたび新型モデルの投入
で、定評のあるセミトラクターのカテゴリーでナンバーワンの地
位を確かなものにしたいと考えています」と述べている。
■新型「クオン」セミトラクターの特長
・460馬力の高トルクエンジン「GH11TD」を新たに設定。
・全車平成27年度重量車燃費基準+5%達成。
・全車ディスクブレーキを標準装備。
・先読み機能「フォアトラック」を搭載した「エスコット・シックス
(ESCOT-Ⅵ)」が全車で選択可能。
トラフィクアイブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)や、ドライ
バーアラートサポー(ふらつき注意喚起装置)をはじめ先進の
ドライバーサポートシステムを標準装備。
・第5輪荷重の設定バリエーションを拡大(11.5t3,850㎜ホ
イールベース車の新規設定など)。
・車両重量の軽量化を実現(3,200㎜ホイールベース車で約
100〜300㎏の軽量化)。
 いすゞ自動車㈱は、大型トラック「ギガCNG車」の追加車
型を2017年9月19日より全国一斉に発売した。
 いすゞのCNGシリーズは、燃料の多様化を図ることでエネ
ルギーセキュリティに貢献するだけでなく、都市間トラック輸送
でのCO
排出量を低減し、NOx排出量が少なく、PMをほ
とんど排出しないという特長から環境負荷の低減にも貢献す
る車種である。
 いすゞの「ギガCNG車」はこれまでマニュアルトランスミッショ
ン搭載車型のみを展開していたが、このたび、よりイージー
ライブ性・省燃費性に優れた「スムーサーGx」搭載車型が新
たに加った。らに、完成車「ギガCNGGカーゴ」もラインアッ
プされている。
 いすゞは今後もCNG車の更なる普及を目指し、車型追加、
車両性能向上に向けた取り組みを進めるとしている。
■「ギガCNG車」の主な特長
・自動変速トランスミッションの「スムーサーGx」搭載
 スムーサーGx搭載車型を新たに追加。これにより、スムー
ズな発進、加速を実現させた。自動変速による運転の手軽さ
CNG車…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「ギガCNG車」にスムーサーGx搭載車型を追加
完成車「ギガCNGGカーゴ」もラインアップ
で、若手からベテランまで幅広いドライバーに対して省燃費走
行をサポートする。
・いすオリジナル完成車「ギガCNGGカーゴ」の展開
 大型カーゴ完成車「Gカーゴ」シリーズに「ギガCNGGカー
ゴ」を新たに追加。耐久性・コスト・軽量化を高次元で融合
した実用的な仕様で、即戦力としてご活用できる。
・MPI方式CNGエンジンコントロールシステム
平成28年排出ガス規制に適合して新登場の新型
「クオン(Quon)セミトラクター
大型トラック「ギガCNG車」

TheTRUCK2017年10月号101
 エンジンはマニュアルトランスミション搭載車同様、燃料
供給装置にMPI(マルチポイトインジェクション)方式を採用
した6UV1エンジンを搭載。NOx、NMHC、COの排出を
抑える高い排出ガス浄化性能や、都市間走行で使いやすい
パワー&トルクと省燃費性能、そして優れた静粛性を確保して
いる。
・長距離運行
 一回のガス充填で東京〜大阪間(500㎞程度)の走行が
可能。
・常に先を行く安全性能
 2017年4月に改良したギガ ディーゼル車同様、減速
性能を向上させたプリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減/衝
突回避支援)を標準装備。これにより、11月より適用される
最新の安全法規に対応させている。さらに、車線逸脱警報
(LDWS)、ミリ波車間ウォーニング、IESC(電子式車両
姿勢制御システム)、EBS(電子ブレーキシステム)について
も標準装備とし、トータルセーフティーを追求している。
■希望小売価格と目標販売台数
 「ギガCNG車」(QFG-CYJ78B-WX-D)の東京地区希望
小売価格は、平成28年度排出ガス規制適合、平成21年
低排出ガス車認定取得、プリクラッシュブレーキ・ミリ波車間
ウォーニング・車線逸脱警報(LDWS)IESCを標準装備した
キャブ付きシャシ(6UV1-TCNエンジンとSmoother-Gx搭載
車)で28,568,160円(消費税込)。目標販売台数は100
台/年としている。
大型路線バス…三菱ふそう 
話題のニュートラック新製品情報・新情報
大型路線バス「エアロスター」2017年モデル発売
サイドビューカメラと液晶モニタを標準化し安全性を向上
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、大型路線バス「エ
アロスター」2017年モデルを全国の三菱ふそう販売会社及
び三菱ふそう地域販売部門で2017年10月11日より販売
を開始した。
「エアロスター」2017年モデルは、平成28年排出ガス規
制に適合させるともに、平成27年度重量車燃費基準を達
成し、さらに燃費基準+5%達成車も設定している。
 安全装備については、サイドビューカメラ&液晶モニタを標
準搭載。左折時の巻き込み確認や、Y字路での合流確認な
ど直接視界が充分に得られない様々な場面で、車両左側の
運転視界を広げ、安全性を高めている。
三菱ふそうの大型路線バス「エアロスター」2017年モデル
大型トラック「ギガ」の機能的な運転席
MPI方式を採用した6UV1エンジン

The TRUCK News
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TheTRUCK2017年10月号102
■車両スペック及び東京地区販売価格
①車型:2PG-MP38FKF
・エンジン…6M60(T2)型、199KW(270PS)
トランスミッション…電子制御式6速AT
・主な仕様…ノンステップ、都市型、前中扉
・乗車定員…78人(座席25+立席52+乗員1)
・価格…29,570.40千円(消費税込み)
②車型:2PG-MP35FMF
・エンジン…6M60(T2)型、199KW(270PS)
トランスミッション…電子制御式6速AT
・主な仕様…ワンステップ、M尺、前中扉
・乗車定員…80人(座席32+立席47+乗員1)
・価格…25,356.24千円(消費税込み)
 ㈱タダノは、コンパクトさと小回り性を活かして住宅地や都
市型工事に貢献する、最大吊上げ荷重メンフック4.9トン、
サブフック1.8トンのラフテレーンクレーン「ピタゴラスGR-
130F」を2017年9月20日に発売した。
 ピタゴラスは住宅建設向けに開発されたリーチタワー式ラフ
テレーンクレーンで、特に都市部における狭隘地への進入性
に優れ、建設現場での電線および他の建設物などの障害物
をクリアする形状を有したクレーンである。コンパクトながら、
ふところの深さを備えた作業領域で、従来は条件の厳しい近
接作業においても、クレーンを対象物にピッタリと寄せて、余
裕の送り込み作業を実現する。電線超えの作業や先行足場
工法、高架下やビル屋上などへの送り込み作業に威力を発
揮する。
ラフテレーンクレーン…タダノ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
住宅地や都市型工事に貢献する
コンパクトなピタゴラス「GR-130F」を発売
 今回の機種は、市街地などでの安全走行をサポートするため
の先進のシステムや、環境に配慮した新機能を搭載している。
 なお、標準仕様の価格(税別)で4,300万円、販売見込
台数は年間80台となっている。
■主な特長
⑴ふところが深い作業に活躍
 4段のメインブームと、水平に伸縮可能な6段のジブは、
最大地上揚程30.7m、最大作業半径23.0mと、余裕の
ふところの深さを備えた作業領域を実現。また、ジブの装着・
格納は、すべてキャビン内のカンタン操作で、車体の範囲内
での展開作業が可能。
⑵ビューシステム(安全走
行をアシスト)
 クレーン業界ではタダノが
世界に先駆けて搭載した、
人物検知警報装置「ヒュー
マンアラートシステム」は、
運転席からは確認しづらい
車両左前方の歩行者や自
転車などに乗った人物を検
知し、ブザーで知らせる。
らに、後方映像表示装置
「バックモニタ」も装備し、
サイドビューカメ&液晶モニタが標準搭載されている
ラフテレーンクレーン「ピタゴラスGR-130F」

TheTRUCK2017年10月号103
過密市街地の現場への進入性や限られた敷地内での設置な
ど、周囲の状況把握や安全確認をサポート。
⑶環境に配慮した機能を搭載
 「燃料消費モニタ」や「エコ・モード」、ならびに「ポジティブ・
コントロール」といった環境に配慮した機能を搭載。閑静な住
宅街でも、周囲環境に配慮した作業を実現。また、ディーゼ
ル特殊自動車2014年排出ガス規制にも適合。
 なお、「燃料消費モニタ」は、クレーンの作業時や走行時の
燃料消費情報を常時表示する機能。「エコ・モード」は、エン
ジン最高回転数の制限により燃料消費量を削減する機能。
「ポジティブ・コントロール」は、油圧ポンプの吐出量制御に
より燃料消費量を削減する。
⑷テレマティクスWeb情報サービス「HELLO‐NET」
を装備
 携帯・衛星通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、
GPSによる位置情報確認、さらに保守管理のための情報を
ウェブサイトでサポート。使用されている製品の情報をユーザー
と共有し、一歩進んだサポート・サービスを提供する。
■GR-130Fの主要諸元
《クレーン諸元》
・最大クレーン容量…4.9t×82°(主巻作業)1.8t×70°(補
巻作業)
・最大地上揚程…19.0m(主巻)、30.7m(補巻)
・最大作業半径…13.0m(主巻)、23.0m(補巻)
・ブーム長さ…5.5m〜15.0m
・ジブ長さ…4.1m〜15.9m
・ブーム起伏角度…マイナス3°〜82°
・ジブチルト角度…7°〜75°
《キャリヤ諸元》
・エンジン名称…日野J05E
・エンジン最大出力…129kW{175PS}/2,500min-1{rpm}
エンジン最大トルク…540N・m{55.0kgfm}/1,600min-1
{rpm}
・車両寸法…全長7,590×全幅2,000×全高2,815㎜
 ㈱豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、新型0.7〜1.5
トン積3wayフォークタイプ電動フォークリフト「RinovaRack
stocker(リノバラックストッカー)」と、新型1.0〜2.5トン積
4wayリーチタイプ電動フォークリフト「RinovaAllway(リノ
バオールウェイ)を2017年9月27日より、全国40社の
トヨタL&F取扱店を通じて発売した。
 ラックストッカーは、フォーク部分が左右に180°回転するこ
とにより、車両の向きを変えずに前方・左右3方向の荷役作
電動フォーク…トヨタL&F
話題のニュートラック新製品情報・新情報
様々な物流現場の効率化に貢献する
電動フォークリフトの商品ラインアップを拡充
業が可能なフォークリトで、ラッ(棚)間の通路幅を車両幅
とほぼ同等に抑えることができるため、スペースを有効に活用
できるのが特長である。
 オールウェイは、前後、左右、斜めと、全方向への走行
が可能なフォークリトで、車両の向きはそのままで横移動が
可能なため、長尺物運搬通路の省スペース化に貢献する。
 近年、eコマース市場の拡大等による荷量の増加、荷姿
の変化に対応するため、ユーザーの物流現場における保管
効率向上のニーズが高まっている。
 このたび、こした高まる保管効率向上のニーズに
応えるため、2機種をモデルチェンジするともに積載
重量のバリエーションを追加し、商品ラインアップの拡
充を図ったもの。また、今回のモデルチェンジでは、
それぞれの商品において連続稼動時間をクラストップ
レベルに向上させるとともに、旋回速度制御・簡易
荷重計等を標準搭載し安心・安全機能の充実も図っ
ている。
 なお、両商品ともに、IoTを活用した稼動管理シス
テム「TOYOTAT̲Site」をオプション設定している。
トヨタL&FのRinovaRackstocker
(リノバラクストッカー)
トヨタL&FのRinovaAllway
(リノバオールウェイ)

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TheTRUCK2017年10月号104
「TOYOTAT̲Site」は、フォークリフトに搭載した各種セン
サーにより稼動データを収集し、通信システムを利用して、ユー
ザーに走行時間や稼動率など様々な情報を提供するサービス
である。
 新型ラックストッカーと、新型オールウェイの主な特長、商
品ラインアップ、価格は次の通りとなっている。
■主な特長
⑴稼働時間の延長
①ラックストッカー…1.0トン車で9時間20分
②オールウェイ…1.5トン車で10時間45分
⑵バッテリーの長寿命化に貢献
・車載充電器に当社独自開発のスマート充電機能を搭載、
バッテリー状態に応じた充電量を制御
・バッテリー保護機能でバッテリーのダメージ防止に寄与
⑶安心・安全
・サスペンションロック機能に、旋回速度制御を追加
・簡易荷重計を標準搭載
・ピラー後方配置による前方視野向上
⑷商品ラインアップ
①ラックストッカー…0.7〜1.5トン
②オールウェイ…1.0〜2.5トン
■主な機種のメーカー希望小売価格(税別)
①ラックストッカー(8RFBA10)1.0トン…7,400千円
②オールウェイ(8FBS15)1.5トン…4,500千円
 ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸㈱は、三菱ふ
そうトラック・バス㈱(MFTBC)が開発した電気小型トラック
「eCanter」を、2017年11月より関東地域において、宅
急便などの集配に使用する車両として順次導入する。なお、
10月19日にヤマト運輸の羽田クロノゲー(東京都大田区)
において車両の引渡式が開催された。
 ヤマトグループは、企業の社会的責任である環境保護活動
「ネコロジー」と総称し、輸送の「包む」「運ぶ」「届く」はもち
ろん、その他のさざまな取り組みで環境にやさしい物流の仕
組みづくを進めており、これまでも、都市部での台車等を利
用した集配の拡大や共同輸送の推進、低公害車の導入な
ど、環境負荷の低減に努めてきている。
 MFTBCは世界初の量産電気小型トラクとして「eCanter」
を開発しており、欧州での数年にわたるテスト運用を通して
「eCanter」が環境に優しく経済性に優れていることが証明さ
れている。今日の都市が抱える騒音や排出ガスの課題を解決
EVトラック…ヤマト運輸・三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ヤマト運輸が世界初の量産電気小型トラック
三菱ふそう「eCanter」を宅配事業者として初導入
し、未来の都市内配送を担うカギになると考えられている。
 このたびヤマト運輸は、大幅な環境負荷の低減による「ネ
コロジー」の推進はもちろん、振動が少ない「eCanter」の導
入によるセールスドライバーの作業負荷の軽減および安全運
転の支援、また、排気ガス削減による職場環境の改善など、
社員が安心して働ける健全な労働環境のさらなる構築に向け
て、「eCanter」25台を導入する。
 MFTBCの松永和夫代表取締役会長は、「急速に進む都
ヤマト運輸が新たに導入するオリジナルデザインの「eCanter」
フォークが車両前方にある4輪カウンター車の場合、荷役作業のためにはある程度の通
路幅が必要(左)。Rinovaラクストッカーは車両の向きを変えずにフォークを引き込み・回
転できるため狭い通路幅での荷役作業が可能(右)
運搬する長尺物に応じた通路幅が必要な4輪カウンター車(左)に対して、
Rinovaオールウェイは横移動により通路幅の狭い場所でも長尺物の搬送が可能
(右)

TheTRUCK2017年10月号105
市化の時代の中、自動車メーカー、将来を見据えたお客様、
市町村が協力して温室効果ガスの排出を削減し、都市をより
静かに自然豊かにする必要があります。三菱ふそうは商用車
の電動化をリードしていきます。本日世界で初めての量産電気
トラックを、物流の最大手であるヤマト運輸様に納入すること
を大変誇らしく思います」と述べている。
■概要
⑴「eCanter」導入のメリット
 ①環境負荷を大幅に軽減…電力で駆動するため排出ガス
を一切出さず、環境負荷を大きく軽減できる、②セールスドラ
イバーの作業負荷を軽減…従来のディーゼル車と比較し、振
動が少ないため、セールスドライバーの身体的な負担を軽減
することができる、③コストの低減…燃料を使用せず、また従
来のディーゼル車に搭載されていた排ガス除去装置等が不要
になるため、ランニングコストを低減することができる。
⑵開発メーカー
 三菱ふそうトラック・バス㈱/トプレック㈱/㈱北村製作所
⑶導入予定台数
 2017年11月より、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉
県で25台を順次導入予定。
 ㈱セブン‐イレブン・ジャパンと三菱ふそトラック・バス㈱
(MFTBC)は、2017年12月18日より、セブン‐イレブン
の商品配送において、日本初となる「EV配送車」の導入を
順次開始する。また、2018年夏までに東京都、神奈川県、
埼玉県、千葉県の8ヶ所に計25台を導入する計画となって
いる。
 量産化された小型EVトラックの導入はセブン‐イレブンと
て日本初で、電気式冷蔵機(東プレ製)を搭載した冷蔵のEV
トラックとしては世界初の取り組みとなる。
 セブン‐イレブンでは、時代や来店客のニーズの変化に合
わせて、品揃えやサービスを拡充する中で、店舗や商品配
送における環境への取り組みは大きな課題となっている。そ
の中で、店舗においてLED照明やスマートセンサー等の最
新設備の導入や、商品配送における環境配慮型車両の導
入を進めている。今後も、少子高齢化の進行や女性の社
会進出の増加、小売店舗の減少等、社会環境が大
く変化し、地域社会におけるセブン‐イレブン店舗
へのニーズが益々高まる中、新たな環境負荷低減へ
の取り組みを推進することになる。
 MFTBCは、今日の都市が抱える騒音や排出
ガスの課題を解決する答えとして、電気小型トラック
「eCanter」を開発。欧州での実用供試で、環境に
優しく経済性に優れることが証明されている。今回日
本で発表した車両は、車両総重量7.5トンクラス、
1.5時間(直流急速充電)/11時間(単相200V)
の充電で航続距離は100㎞以上になる。電気駆
EVトラック…セブン‐イレブン/三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日本初の「EV配送車」をセブン‐イレブンが導入開始
電気式冷蔵機搭載の冷蔵EVトラックは世界初
動システムには、モーター(最高出力135kW、最大トルク
390Nm)と、高電圧リチウムイオンバッテリーパックを6個搭
載。従来のディーゼル車と比較して、走行1万㎞あたり、最
大1,000ユーロのコスト削減を可能にしている。
 今後も、世界首位の自動車メーカーかつ、グローバル展
開をする商業自動車の世界最大規模のメーカーダイムラーグ
ループの中で小型トラックの開発やハイブリド技術の開発の
中心を担うMFTBCと、国内最大のコンビニエンスストアであ
るセブン‐イレブンが、お互いの知見を活かし、更なる環境負
荷低減の取り組みを推進することになる。
■導入スケジュール
・2017年12月18日に「チルド共配日野センター」へ1台
導入。
・残り24台は、2018年夏までに、東京都、神奈川県、
埼玉県、千葉県の8ヶ所の共配センターへ導入完了予定。
セブン‐イレブンが導入する日本初の「EV配送車」

The TRUCK News
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TheTRUCK2017年10月号106
日野自動車㈱は、このたびロシアに組立工
場を建設することを決定した。
 2017年10月9日、モスクワ州政府庁舎に
て、モスクワ州とHinoMotorsSalesLLC(日
野ロシア)間の協力契約の調印式が行われた。
調印式には、同州のアンドレイ・ヴォロビヨ
フ知事、デニス・ブツァエフ副議長兼投資・
イノベーション担当大臣、日野の毛利副社長、
日野ロシア関係者らが出席した。新工場の生
産開始は、2019年を予定している。
 日野は2008年にロシア市場に参入し、中
小型トラックを中心に、品質や耐久性などの
面で高い評価を得ながら、着実に販売台数を拡大してお
り、2017年9月末現在で累計約1万2千台の日野トラッ
クを同国のユーザーに販売している。
 今後、ロシア市場は大きく成長することが予想される
中で、さらなる販売拡大のための競争力強化と現地に根
付いたHINOブランドの確立を目指して、このたび現地
で組立を行うことを決め、協力契約に至ったもの。
 新たに建設する組立工場は、モスクワ中心部から北西
へ約1時間、シェレメーチエヴォ国際空港から約15分
とアクセスが良い立地となっている。2018年春に着工
し、2019年央に生産を始める計画で、生産台数は年間
約2,000台で、新たに約50名の雇用創出を見込んでい
海外工場…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
成長するロシア市場での拡販とサービス向上を目的に
ロシア連邦モスクワ州に組立工場の建設を決定
る。今回の組立工場建設に関わる投資の総額は約18.9
億円(約10億RUB)になるものと見られる。
 同工場での生産を通じて、ユーザーが満足する商品を
より早く届けることで、ロシアのユーザーのビジネスに
貢献し、パートナーとしてともに成長していくことを目
指して行くとしている。
■ロシア新工場の概要
▽所在地:ロシア連邦モスクワ州ヒムキ市
▽敷地面積:約5万㎡
▽生産車種と生産開始時期:中型トラック…2019年央
(予定)/小型トラック…2020年央(予定)
▽生産能力約2,000台/年(中型トラック、小型トラッ
ク合算)
■日野ロシアの概要
・名称…HinoMotorsSalesLLC.
・本社所在地…ロシア連邦モスクワ市
(142,VolokolamskHighway,Moscow,125464
RussianFederation)
・代表者…大森 啓之
・資本構成…日野 65%、三井物産35%
・設立…2008年7月
・主な事業内容…日野トラックの販売 
・主な拠点…2か所(本社、ウラジオストク支社)
・従業員数…56人(2017年9月末現在)
ロシアの展示会「COMTRANS2017」の日野ブース
モスクワ州と日野ロシアによる協力契約の調印式

TheTRUCK2017年10月号107
 日野自動車㈱は、米国において生産のさらなる現地化に向
けた投資を決定した。ウェストバージニア工場の近隣の工場を
取得し、生産工程を集約して効率化を図るともに、キャブを
現地生産する。新工場では、2019年に新たに市場投入予
定の中型トラックの高馬力モデルの生産も行う予定となってい
る。重要市場である米国において、さらなる競争力の向上を図
ることになる。
 日野は、将来にわたる持続的成長のため、米国をはじめと
する米州を日本、アジアに次ぐ第3の柱とすべく、「良い商品」
トータルサポート」を提供するという基本方針に基づき事業強
化に注力している。米国における「良い商品」への取組みと
て、商品ラインアップの拡充および生産の現地化を推進するこ
とで、ユーザーニーズに応える商品を最適なタイングで提供で
きるよう進めている。
 この一環として、このたび生産のさらなる現地化のため、ウェ
トバージニア工場の近隣工場を取得することを決定。まず
は現工場と周辺に分散している生産工程を集約し効率化を図
り、次のステップとして現在日本で行っている北米専用車のキャ
ブ生産を同工場へ移管する。これらにより、商品供給のリー
タイムを短縮するともに、将来の販売増を見据えた体制も整
え、競争力強化を図る。今回の投資額は約1億ドルを見込ん
でいる。
 新工場は2019年初より稼働を開始、中型トラックの高馬
力モデルの生産も始め、続けてキャブの現地生産を開始する
計画である。2020年初には2直化を予定しており、新たに約
250人の雇用増を計画している。また、その後もキャブ生産
開始等に伴って更なる雇用創出も見込まれる。
 日野は多様なニーズに合った「良い商品」をタイムリーに届け
ることに加え車両の稼働を支えるトータルサポート」をより強化
し、チームHINOとして現地
に根付いた取り組みを通じ、
米国のユーザーのパートナー
してともに成長していくことを
海外生産…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日野自動車が米国生産の現地化を推進
新工場で2019年市場投入の中型トラック高馬力モデルも生産
目指している。
【投資内容】
【米国事業の概要】
◆生産子会社
・名称:HinoMotorsManufacturingU.S.A.,Inc.
 日野モータース マニュファクチャングU.S.A.株式会社
・本社所在地:シガン州ファーミントンヒルズ
・設立:1994年
・社長:大野敬(日野自動車常務役員)
・資本構成:日野100%
・事業内容:日野車製造、補給部品販売および自動車用部
品製造他
・生産能力:12,000台/年
生産実績2014年度8,945台、2015年度10,438台、
2016年度8,077台
・拠点:ウェストバージニア工場、アーカンソー工場
・従業員数:1,213名(2017年3月末時点)
※生産能力と生産実績はウェストバージニア工場における数値
◆販売子会社
・名称:日野モータース セールス U.S.A.株式会社
 HinoMotorsSalesU.S.A.,Inc.
・本社所在地:シガン州 ノバイ
・設立:1981年
・社長:野口由典(日野自動車専務役員)
・資本構成:日野50%、PCPホールディングス25%、三井
物産25%
・事業内容:日野製トラクの販売、補給部品の販売およびア
フターセールス
販売実績2014年度10,035台、2015年度12,044台、
2016年度11,227台、2017年度(計画)12,800台
・従業員数:144名(2017年3月末時点)
米国向け中型トラクの日野naps

仕様
項目
チップセッ
センサーデバイス
画角
ディスプレイ
供給電圧
動作温度範囲
記憶ディバイス
記録フレーム
カメラモード
記録内容
記録形式
マイク
時刻設定
加速度センサー
質量
内容
AmbarellaH.264画像圧縮チップ
フルHD5MCMOSセンサー
約105度
LCD3インチ4:3モニター
DC10-30V
−10℃-+70℃
SanDiskSDカードClass10以上
読み書き速度15MB/s以上推奨
(最小容量:4G、最大容量:32G)
1920×1080(フルHD1080P/30F)
1280×720(HD720P/30F)
システム起動時に自動録画
解像度:3M、5M、8M
手動写真撮影、加速度センサー、セルフタイマー
日付、時刻、画像、加速度、GPSデータ(速度含む)
専用プレイヤー用独自フォーマット(記録モード)
内蔵デュアル高感度マイク
GPS信号による自動設定
GPSが無効の場合、内蔵時計を使用
内蔵
本体:192g、シガー電源アダプター:112g
これは凄い!
製造販売元:株式会社日本ヴューテック http://www.nvt.co.jp/
営業本部:〒211ー0066川崎市中原区今井西町93ー3 TEL.044ー722ー2211(代) FAX.044ー722ー8488
本社:〒211ー0063川崎市中原区小杉町3ー239ー2 【サポート:TEL.044ー722ー2211】
常時録画
エンジン連動録画
イベント録画
センサー検知時録画
GPS搭載
Googleマップ連動
日付、時刻、速度を記録
音声録画
車内の音声を記録
VFーDVRー001
FULLHD5メガピクセル
ドライブレコーダー
FULLHD5メガピクセル
VIEWTECのドライブレコーダーVIEWTECのドライブレコーダー
FULLHD5メガピクセル
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