トラックのお役立ち情報

土日祝 営業 [営業時間 9:00-21:00]

0120-918-101

【新春対談】都民の暮らしを支える運送事業をサポート 運送経営者として堅実経営が第一

●トレーラーエアー式補助脚
 連結車両を効率よく使用する為、トラクターとトレーラの分離、逓結が欠かせません。
従来、多くの場合トレーラの支持脚を人力で操作していました。この操作は意外に重労働
で、特に女性には厳しい作業です。また、長距
離フェリーなどの船内操作は場所が狭く、短時間
に多くのトレーラ支持脚を操作せねばならない為、
大きな課題となっていました。このエアー式ラン
ディングは、トラクターのエアーを活用することで、
簡単に操作が出来、船内作業を短縮し、全般的
に効率アップする大きな効果をもたらしています。
株式会社ウイング
 〒264ー0021千葉県千葉市若葉区若松町2231ー1
 tel:043ー214ー3511fax:043ー214ー3311
 www.wing-truck.com Eーmailinfo@wing-chiba.jp
本社所在地
 〒136ー0072東京都江東区大島2ー7ー13
トレーラー支持脚の操作は
エアーの時代です
仕様
型式 A.S.O. 1
(エアーシステムアウトリガー)
最大垂直耐荷重 60,000    ㎏/両脚
定格耐荷重 25,000    ㎏/両脚
水平方向耐荷重 10,000    ㎏/両脚
標準ストローク 300       m/m
設定圧力 0.3 0.4     Mpa
本体重量(LR 本体のみ) 75       ㎏/両脚

一般社団法人
電気自動車普及協会
2019
次世代ビークル展
新しいトラックショー
主催事務局:次世代ビークル展運営委員会
開催ご案内
会場:幕張メッセ国際展示場
会期:2019年
10月1日(火曜日)
10月2日(水曜日)
10月3日(木曜日)
特装車とトレーラ展(TTSショー)改題
http://www.truck-x.com

TheTRUCK2019年1月号16
 全国の主要なトラック運送経営者約2000社が一年に一度集う「全国トラック運送事業者大会」
が2019年は10月2日、千葉県の幕張メッセで開催されます。昨年6月、私達はこの幕張メッ
セでトラック・トレーラを対象の『TTSショー』を開催しましたが、次回は、全日本トラック協
会が主催する第24回トラック事業者大会に合わせて、新しいトラックショーを、大会会場に隣接
する7ホールで開催することになりました。全国の主要トラック事業者が関東で集うのはほぼ10
年に一度です。新時代に向けた新技術を提案する絶好の機会です。
 第一次産業革命をもたらした蒸気機関の発明から僅か250年足らず、今日では自動車や列車、
船舶や航空機など、あらゆる移動体(ビークル)が加速度的に変化しようとしています。
 その要因のひとつがIoT(モノインターネット)です。あらゆるモノがネットワークにつなが
り、リアルタイムで情報をやり取りすると様々なデータを蓄積することができます。例えば、自
動車をネットワークにつなぐと渋滞や道路工事の有無、事故や路面の状況などのデータをリア
ルタイムで集め、他の運転者と情報を共有することが可能になります。
 更に、人知を超えた働きをするのがAI(人工知能)です。IoTで集めたデータを分析し、その
規則性を見つけたり、実際に機械の制御もします。例えば自動車、立体化された(3D)地図に周辺
車両や歩行者、信号、渋滞、事故、交通規制、路面などの情報をIoTから受け取り分析することで、
AIによる自動運転が可能になります。
 これらの新しい技術を搭載した移動体を私達はITV(アイ・ティ・ビークル)と呼ぶことにし
ました。ITVはIntelligentTransportVehicleの略称ですが、ITにはInformationTechnology
(インフォメーション・テクノロジー)、すなわち情報技術の意味も含まれています。
 私たちは1977年から約30年間東京トラックショーを開催しました。物流が劇的に変化した
この時代、ウイングボデーや冷凍車など様々な車両が開発され、このトラックショーで飛躍的
に発展した経緯があります。
 トラックも既に自動運転や追随走行の技術はほぼ完成のレベルに到達しています。ITVの時代
になれば安全も飛躍的に向上する筈です。さらに排出ガスを出す車両は世界的に生産・販売を禁
止する方向なので、動力は電気に移行せざるを得ません。
 2019年10月に開催する『ITV』では、トラック・バス、トレーラー、特装車などの展示と合わ
せて、加速度的に変化する次世代ビークルの諸問題をユーザーと一緒に考えたいと思っています。
 株式会社ベネッセホールディングスの福武總一郎氏の「未来の子供たちのために、美しい地球を残した
い」の趣旨で設立された一般社団法人電気自動車普及協会(横川浩会長)とは、今回も共同開催となります。
 この時期、最先端の技術を展示する「ITVショー」は必ずや世界に衝撃を与えることでしょう。
関係各位のご支援、ご協力を衷心より願い申し上げます。
         2018年11月吉日
株式会社日新
代表取締役社長横路美亀雄
2019年全国トラック運送事業者大会と同時開催
運送経営者が集う幕張で新しいトラクショー

TheTRUCK2019年1月号17
【会期・会場】
1.名 称 2019
次世代ビークル展
(英文名:IntelligentTransportVehicle2019)
     《テーマ》時代が変わるビークルも変わる
2.会 期 2019年10月1日㈫、2㈬、3㈭の3日間
3.会 場 幕張メッセ 国際展示場 7ホール(6.750㎡)&屋外会場
4.主 催 ㈱日新・次世代ビークル展運営委員会
5.出展対象①国内および海外の自動車メーカー
②車体メーカー、トレーラーメーカー 
③電気自動車など各種ビークル(移動体)およびロボッ
④関連機器、部品、材料
⑤安全・環境機器およびシステム
⑥各種関連ソフト
6.来場者対象 トラック運送等物流関係者、自動車産業関係者、先端技術関係者、
       海外関係者、および報道関係者など(1万5000人を予定)
【講演会およびシンポジウム】
トラックメーカーの新時代への挑戦
自動運転技術の現状と将来展望に関する講演
次世代ヒークルに関するシンポジウム
■後  援:国土交通省・経済産業省 
公益社団法人
全日本トラック協会
(予定)
■協  賛:一般社団法人東京都トラック協会一般社団法人神奈川県トラック協会
一般社団法人千葉県トラック協会一般社団法人埼玉県トラック協会
一般社団法人栃木県トラック協会一般社団法人群馬県トラック協会
一般社団法人茨城県トラック協会一般社団法人山梨県トラック協会
公益社団法人新潟県トラック協会一般社団法人静岡県トラック協会
一般社団法人愛知県トラック協会  
(以上、予定)
次世代ビークル展運営委員会
〒104ー0061 東京都中央区銀座2ー11ー9 三和産工ビル7階(㈱日新内)
TEL03ー6278ー8905 FAX03ー6278ー8906
直通090ー5538ー2007(横路)
http://www.truck-x.com
Eメールyokoro@nissin-news.co.jp
2019
次世代ビークル展 開催概要

TheTRUCK2019年1月号18
展示ホール
展示ホール
③④⑥⑦⑧
中央エントランス
幕張メッセ空撮
7ホール屋外展示場
展示ホール
展示ホール
③①④⑥⑧

⑦ホール
会場
6,750㎡
屋外展示場
中央エントランス
幕張メッセ空撮
会場案内幕張メッセ
国際展示場
7
ホール(6,750㎡)
会場付近見取図
メッセ
駐車場
海浜
幕張駅
幕張イベントホール
国際
会議場
全国トラック運送
事業者大会会場

TheTRUCK2019年1月号19
●屋内展示場
5m
5m
25㎡
●屋外展示場
10m
5m
50㎡
*上記の出展料は税別です。ご請求時に消費税分を加算させていただきます。*「屋内・スペース渡し」は国際展示場7ホール(屋内会場)の設定とな
ます。*出展申込み受付期間は2018年(平成30年)11月1日から2019年(平成31年)7月31日(特割は2019年(平成31年)11月31日
締切)までとなります。*特別割引は出展料の10%引きとなります。*床面耐荷重は屋内・屋外とも5t/㎡です。*「基礎小間渡し」の出展料には基
本的なシステムパネルの施工費用が含まれています。*出展位置(会場レイアウト)は、使用面積、来場者動線及び消防規定等を考慮して主催者側で
決定します。*展示スペースが予定の規模に達した場合は、出展受付期間内であってもお申し込みをお断りする場合があります。
〈電車でご来場の場合〉
JR京葉線ー海浜幕張駅(東京駅から約30分、蘇我
駅から約12分)から徒歩約5分。
JR総武線・京成線ー幕張本郷駅(秋葉原駅から約
40分)から「幕張メッセ中央」行きバスで、約17分
〈バスでご来場の場合〉
高速バスで成田空港より約40分。
 京成バスURL:http://www.keiseibus.co.jp/
〈スペース渡し〉基本図
〈基礎小間渡し〉
基本図
出展区分 ペー 料金(円) 単価(円) 展示エ
A 屋外ペー 10m × 5 50 300,000 6,000 屋外展示場
B 屋内スペ 5m × 5 25 400,000 16,000
7ホ
C 屋内基礎小間渡 3m × 3 9㎡ 250,000
28,000 7
幕張メッセ アクセスガイ
【スペース渡し】は、仕切りパネルなど事務局側の施工はありませ
ん。複数のブロックを連続して利用する場合、屋外(50㎡/1ス
ペース)は長手10m面を接続する横付けが基本となります。屋外
(25㎡/1スペース)の組み合わせは原則自由ですが、会場レイ
アウトの都合上、ご希望に添えない場合もあります。(複数スペー
スを使用する場合は申込書に組み合わせ図をご記入くさい)
【基礎小間渡し】は、システムパネルを事務局が施工します。基
本的なパネル施工はバックパネルと左右のサイドパネルになりま
す。複数小間を利用する場合は中間パネルは施工しません。出
展料に基本的なシステムパネルの施工費用が含まれています。
2019
次世代ビークル展 開催概要

巻頭
TheTRUCK2019年1月号20
「国のかたちを
改めて問う」
経済ジャーナリスト
大島春行
「時代を読む」󱄤
「新しい年を迎えて」
 謹んで新しい年をお祝い申し上げます。今年は
一体どんな年になるのでしょうか、もとよりそん
なことは予測不能なので、この場をお借りして初
夢について語りたいと思います。ちょっとほろ酔
いのお屠蘇気分で。
「三本の矢の失敗」
 超金融緩和政策でデフレから抜け出す所謂リフ
レ政策の考えが現実の世界では通用しないことが
はっきりして来た。
 もともと財務省は、安倍政権誕生の時点でリフ
レ政策がうまくいかないと考えていたので、日銀
総裁には別の人物を考えていたが、官邸はリフレ
政策が財政再建と成長戦略とともに三本の矢を構
成する重要な柱だとして、財務省の候補者を退け
てリフレ派の黒田氏を新総裁に任命したのだっ
た。「まあどうしてもやりたいのなら一度やらせた
らいい」という気分が当時の空気だったというこ
とについては以前にも書いたが、重要な点は三本
の矢が三本ともうまくいっていことだ。財政再建
は平成31年度当初予算(案)の総額が初めて100
兆円を超えて悪化の一途だし、金融政策も失敗、
成長戦略も語るべき何ものもない。
 しかし三本の矢に限らず、バブル崩壊後20年
くらい、うまくいった経済政策はほとんどないの
だから、安倍政権だけが悪いわけではない。悪い
のはバブルがピークに達した1980年代半ばにこ
れを放置していたという意味で、経済政策、金融
政策を司っていた旧大蔵省であり、イケイケどん
どんを突っ走っていた旧通産省である。
 更にバブルが崩壊した後も拙かった。自分の任
期中はリスクを取りたくないことから問題の先送
りに明け暮れた大蔵日銀の担当者たちがその張本
人だった。この時に肥大化し続けていた不良債権
をもっと思い切った対策を講じて処理していれば
ここまで深刻なデフレにはならなかったのだが、
彼らはそんなことをすればかつて経験したことの
ない金融危機を招きかねないと主張して、慎重な
姿勢を貫き続け、金融界もそのことを理由に慎重
な対策を取り続けてきたのだ。もはやここに至っ
ては、打つ手がない。
 本当はひとつだけ打つ手がある。日本経済を
ある種の統制下において、ゾンビ企業の救済を
止め、企業を一業種一社に統合して徹底的に競
争力を強化すれば、日本経済は立ち直るかも知
れない。1990年代の後半に通貨危機に陥った韓
国にIMFが入り込んで行なった救済策のような
ことだ。しかし黒船や進駐軍ならともかく、平
時の日本でこんな過激な政策をとれる政治家は
いない。
「イギリスのように生きる」
 21世紀に入ってすぐ、英国のオックスフォー
ドを訪れる機会があった。大学町のある中心地に
向かう途中の、小さな川が静かに流れる風景を見
ながら、わたくしは、「なるほど人は、こういう所
で陰謀や悪だくみを考えるのか」と不思議な感動
を覚えた記憶がある。考えてみればこの国は、国
力が下り坂になり、軍事力もどんどん低下する中
で、かれこれ200年以上も、世界の列強の一つと
して君臨している。そう在らしめているのはたっ
たひとつ、舌先三寸、口説の徒としての能力だ。
その時々の強国のリーダーの耳元に何事かを囁い
ては国際情勢を意のままに動かしていく。日露戦
争では新興の日本をけしかけ、中東では強国オス
マントルコを倒すためにロレンスを送り込んでア
ラブ独立戦争を起こした。イランイラク戦争の
時には、サッチャー首相がブッシュ大統領の耳元
で、「アラブのパイプラインのバルブを開閉する権
利を手に入れる格好のチャンスだと囁いてアメリ
カの介入を促したと言われている。
 だったら国力が衰退し始めている日本もイギリ
スのように生きていく道があるのではないか。

TheTRUCK2019年1月号21
「国の品格」
 しかし誰と議論しても結論はひとつ、「とても無
理だ」というのだ。イギリス人の方が頭がいいか
らだという何とも率直なことを言う人もいるし、
我々はアングロサクソンじゃないからと言う僻
みっぽい向きもある。しかし私見によれば日本が
英国になれない理由は二つある。それは国の品格
に関わることであり、両方とも第二次世界大戦で
の敗戦に起因している。
 ひとつは、日本が終戦後、それまでの歴史を綺
麗さっぱりと捨て去ってしまったことだ。もちろ
ん戦時中におかした罪は賠償金を払って償った
し、戦争で荒廃した国に対しては手厚く経済援助
を行ってきた。しかしそれだけだと、日本は戦争
責任をお金で買おうとしているだけだと言われて
しまうわけで、中国や韓国で執拗に振り返される
対日要求は、それ自体には法的な正当性はない
が、彼らにつけいる余地を与えていることも事実
だ。見たくもない歴史は無かったことにするとい
うのでは、戦争の犠牲者たちやその家族は納得し
がたいだろう。その点同じ敗戦国でもドイツの戦
争責任の取り方とは全く違う。
 二つ目は、進駐軍のアメリカによってもたらさ
れた自由と民主主義を、流行の服でも身につける
かのようにいとも簡単に自らの社会システムに取
り入れたことだ。おそらくはこれと引き換えに日
本は坂の上の雲という理想を失い、政治が利害調
整の場になりさがってしまった。
 多くの国は自由と民主主義を目指して革命を起
こし、何度も失敗しながら、血みどろになってよ
うやく手に入れてきた。フランス国歌は復讐と殺
戮を煽る残虐な歌でとても子供には聞かせたくな
い内容だ。しかしそれを老若男女が歌う。
 日本だって210万人以上の戦死者を出してい
るのだが、戦争の目的は自由と民主主義を手に
いれることではなく、天皇を中心とする軍国主
義の体制を衛るためのものだったから、自由と
民主主義を血を流して勝ち取ったと誇るわけに
はいかないのだ。
 この二つの理由によって、日本はどうも国際社
会から尊敬されない、拝金主義ばかりが鼻につく
国だと言う批判になかなか反論できないのだ。
「わたくしの初夢」
 初夢の話はどうなったのかと思われるかも知れ
ない。確かにこまではずっと日本に未来はないと
言う絶望的な話をして来たので、最後にひとつだ
け夢と希望のある話をしよう。
 年の暮れにAI・人工知能の第一人者である東
京大学の松尾豊氏の話を聞いた。講演の後立ち話
をしていて、松尾氏がNHKと組んでロボットコ
ンテストと同じように、AIのコンテストを開こ
うと企画していることを知った。
 この話のキモは、高等専門学校生が主役になる
という点だ。AI開発の中心は30歳までの若者だ
という。Googleやfacebookなどはこうした若い
人材の確保に血眼になっているという。その意味
で、松尾氏は高専生こそが日本の宝だという。東
大生は口はうまいが作れないのに対して、高専の
生徒たちはとにかく作ってしまうからだという。
 ものづくり世界一を支えたのは、丸の内・大手
町で白いワイシャツを着た大卒のエリートたちで
はなくて、工場でカイゼンに取り組んできた高専
卒の人材だ。地頭のいいよく働く若い人材が、製
造業の現場で自らの頭と手で工夫を凝らして次々
に新しい生産システムを生み出して来たことが、
ジャパンアズNO.1の原動力だ。
 松尾氏が高専の人材に目をつけた事はさすがと
いうべきだろう。高専卒の若者たちが、アメリカ
や中国から立ち遅れているAIの世界にどんどん
飛び込んでくれば、もしかしたら、もしかしたら
日本がAI大国に躍り出るきっかけになるかも知
れないのだ。そうなれば日本もそう捨てたもので
もないかも知れない。そんなことを年の初めに夢
見るのだ。

TheTRUCK2019年1月号22
新春対談
都民の暮らしを支える
運送経営者として堅実経営が第一
 四谷の広い道路を挟んで全日本トラック協会の向かい側にある東京都トラック協
会。これまでの会長さんには殆ど対談頂いている。昨年、この東ト協第八代会長
に就任されたのが株式会社浅井の浅井 社長。ご尊父は全日本トラック協会会長も
なさった浅井時郎さんで、本誌はトラックショー開催で大変お世話になった方である。
対談はやや緊張気味でスタートしたが、ご尊父とのご縁をお話して意気投合、忌憚の
ないお話を伺うことが出来た。東ト協は昨秋、東京の代々木公園で「トラックフェスタ
TOKYO2018」を開催した。このイベントでは、交通安全を呼びかけるステージ
プログラムやトラックの乗車体験、子ども安全免許証の発行。トラック運送の仕事体験
や荷積み・荷下ろし体験などを催し、親子がトラックに親しんだ。浅井 会長は「この
ようなイベントを通して、トラックの役割を広く都民に知って頂きたい。暮らしを支え
トラックは社会インフラです。と語っている。大きな節目となる今年、浅井会長は
トラック運送業界の社会的地位向上に全力で取り組む。
ますます深刻化する
 運転者不足
秋林路 本日はご多忙の中、お
時間をいただき有り難うございま
す。本誌は東京都トラック協会の
歴代会長様には、皆様対談させて
頂いておりまして、特にご尊父の
浅井時郎様にはトラックショーの
開催にあたり、東京だけでなく北
海道にまで足を運んでいただき、
並々ならぬご支援をいただきまし
た。こうしてご子息の浅井会長様
にも、東ト協の会長として、お話
しを伺うことが出来ますのも深い
ご縁を感じております。
 このトラック運送業界は最近、
運転者不足が深刻な上に、働きか
た改革が重なって、一段と困難な
経営が強いられています。
浅 井 そうですね。この業界
浅井 (一般社団法人東京都トラック協会会長)
ゲスト

TheTRUCK2019年1月号23
ト協の第八代会長に就任の株式会社浅井の浅井 社長
運送事業をサポート
は、流通構造の中でも弱い立場に
ありますので、労働問題などでも
しわ寄せを受けやすい環境に置か
れています。特に、事業者個々の
力は弱いので、東ト協など業界団
体の役割は極めて大きいと考えて
おります。
秋林路 単刀直入に申し上げま
すと、私はこの業界は運賃が最大
の課題だと思っております。運送
業界は平成2年に物流二法が施行
されて、事実上、運賃が自由化に
なった訳ですが、荷主は物流コス
トを抑えて、販売の競争力を高め
たい立場ですから、自由化になる
と運賃の引き下げを求めてきま
す。運送事業免許も自由化に等し
い訳ですから、新参の事業者も
次々に参入します。この自由化で
事業者数は約4万社から6万社に
増えています。当然、新参の事業

TheTRUCK2019年1月号24
トラック運送業界の社会的地位向上に全力で取り組む…浅井会長
新春対談
者は生き残るために安い運賃を荷
主に提示します。荷主は安い運賃
で運んでくれるトラック事業者ほ
ど優秀で、荷主貢献度が高いとい
う評価になりますから、業界は値
下げ競争に追い込まれてしまって
います。
浅 井 この厳しい経営環境の
中で、先輩たちはよくこのトラッ
ク事業を続けてきたと思います。
秋林路 そうですね。でも少子
高齢化は社会現象ですから、この
人手不足は業界の努力だけではど
うにもなりません。本誌は約4
年前に全日本トラック協会にご協
力願って、自由民主党のトラック
輸送振興議員連盟の政治家の皆さ
んに一年余りにわたってインタ
ビューを連載、トラック運賃の適
正化が急務だと訴えてきました。
浅 井 それは有り難いことで
す。運賃の適正化は、運送事業者
個々と荷主との交渉ですが、ある
意味ではタブーの話題ですから、
非常に難しい面もあります。
秋林路 私は、トラック運送業
界が、戦国時代に追い込まれたの
は、この物流二法からだと思って
います。物流二法は、物流の効率
化によって物価を抑制して、庶民
の暮らしに貢献することが目的に
なっています。この目的は正しい
と思うのですが、それによって、
トラック運送業界にしわ寄せがく
るのは筋違いですよね。少子高齢
化でこのまま運転手不足がエスカ
レートすると、荷物はあっても届
ける人がいなくなるので、物流マ
ヒが発生する可能性があります。
その原因は物流二法だし、この法
律を作ったのは政治家の皆さんだ
から、トラック業界の運賃適正化
も政治家の役割、というのは本紙
の主張です。
 具体的にはトラックの運賃の正
常化を強く求めたのですが、その
ころから国土交通省は女性労働力
の活用とか、運賃取り決めの書面
化などを政策として打ち出してき
ましたので、微力ながら効果は
あったのかなと思っています。

TheTRUCK2019年1月号25
メーカーとユーザーをつなぐITVショーに協力を…本誌・秋林路
浅 井 それは側面支援として
有り難いことです。この業界は運
転手さんが財産です。ドライバー
がプライドを持って仕事ができる
ようにしないと人も集まらない
し、運送経営も継続できません。
秋林路 私は歴代の青年部長さ
んとも対談してきましたが、若い
経営者は不当に安い運賃は受けな
いという考えが強くなってきてい
るように思います。本来、荷主と
トラック運送事業者は対等である
べきだし、荷主は運賃よりも輸送
品質で事業者を評価するべきです
ね。運賃の安さを競わせるのであ
れば、「安かろう悪かろう」に陥っ
てしまいます。
浅 井 それでも、このトラッ
ク業界は輸送品質の向上に努め
てきたと思います。運転手のマ
ナーだとか、安全運転などに経
営者はずいぶん時間とお金を
使っています。
秋林路 その点は頭が下がる思
いです。毎日の始業点検や日報の
提出、改善のための自主的なミー
ティングなども定着しています。
浅 井 確かにトラック運送業
界は、取引きの面で弱い立場にあ
るのですが、物流は経済の基本で
すし、トラック運送は庶民の暮ら
しを支える意味でインフラですか
ら、社会的使命を担っている訳で
す。確かに経営環境は厳しい状態
に置かれていますが、事業者の大
多数はプライドを持っています。
社会的使命の立場で
 会員を支援
秋林路 そうですね。その点、
このトラック業界は素晴らしいと
思います。東ト協は昨年の秋、
代々木公園で「トラックフェスタ
TOKYO2018」を開催されまし
た。非常に意義のある事業だと思
いました。
浅 井 「トラックフェスタ」は
平成28年に創立50周年記念事業
の一環として、第1回目を開催い
たしました。平成28年は、東京

TheTRUCK2019年1月号26
昨秋、東京の代々木公園で盛大に開催されたトラックフェスタTOKYO2018」
新春対談
都トラック協会にとって、前身の
「東京陸上運輸協会」創立(昭和41
年10月25日)以来50周年とい
う、記念すべき年でした。半世紀
にわたる「歩み」を礎に、新たな歴
史の幕開けを期すべき年でもある
ことから、様々な記念事業を行い
ました。先ほども申しあげました
が、トラック運送は物を届けるラ
イフラインですから、その役割を
都民の皆さんに広く知って頂きた
い。縁の下の力持ちだけれども、
この活動がなければ庶民の生活は
成り立ちませんからね。
秋林路 トラックの日に合わせ
たイベントは、地方トラック協会
ごとに開催しておられますが、特
に大切ですね。東京都トラック協
会のイベントは子供さんたちも参
加して大規模に開催されました。
将来、大規模災害が発生した時に
真っ先に活動するのはトラックで
すから、普段から都民の皆様にこ
の業界の役割を広く知って頂くこ
とはとても大切です。
浅 井 昨年は大規模災害の多
い年でしたが、この業界は緊急物
資輸送で大活躍しました。災害時
にはトラックの役割がクローズ
アップされるのですが、暫くたつ
と忘れ去られてしまいます。その
意味でもトラックの日などの機会
にキャンペーンを繰り返す意義は
大きいと思っています。
秋林路 東ト協の活動はホーム
ページに詳しく掲載されています
が、サービスの向上、緊急輸送体
制、経営安定の取り組み、交通安
全への取り組み、環境への取り組
みなど、事業内容は多岐にわたり
ますね。
浅 井 トラック運送は道路イ
ンフラを使用する事業ですから、
基本的には庶民の暮らしを支える
ことが使命です。ですから、まず
事業者自身が健全でどのような
ニーズにも対応できなくてはなり
ません。そのため、東ト協とし
て、会員の皆様にできることは何
か、例えば経営であったり、財政
であったり教育といったサポート
になります。
秋林路 運送事業者にとって
の最大の課題は経営の安定です
からね。
浅 井 その通りです。具体的
には各種制度の改定情報や軽油価

TheTRUCK2019年1月号27
小学校におけるトラックの日」キャンペーン
格情報の提供、運行管理者試験の
受験に関する案内、それに様々な
助成(補助)、融資の斡旋も行って
います。
秋林路 最近よく首都圏直下型
地震が近いと言われますが、緊急
時の対応も常日ごろから準備が必
要ですよね。
浅 井 それは「万が一の時の
頼れるライフライン」として位置
付けておりまして、常に災害時を
想定して訓練を行い、災害発生直
後の救援物資の緊急輸送から、都
市機能回復の復興物資輸送に従事
します。災害発生時には、国・東
京都・区市町村や防災機関や関東
トラック協会と相互に連絡し、情
報収集に努めます。また、東京都
や関東の各県トラック協会からの
要請を受けて、各支部への協力要
請と車両の手配を行い、被災地の
緊急輸送拠点や陸上・海上・空輸
などの広域輸送拠点や、備蓄倉庫
などから物資を緊急輸送します。
秋林路 防衛や消防は有事の際
に活動する組織ですが、トラック
輸送もある意味では同じ位置付け
ですね。自衛隊員も消防隊員もプ
ライドを持った方が多いのです
が、そういう意味ではトラックド
ライバーも大いにプライドを持つ
べきだと思います。
浅 井 「トラック野郎」という
映画の影響もあったかもしれませ
んが、一般的にはまだ社会的地位
が低いと思われています。しか
し、大多数のドライバーさんは社
会的使命を感じてお仕事をなさっ
ています。
秋林路 トラックステーション
などで運転手さんにお話しを聞く
ことがありますが、皆さん紳士で
すね。それにフレンドリーです。
通常は一人で乗務している運転手
さんが多いので、ドライブインで
顔を合わせた時には仲間意識が強
いのだと思います。マスコミはト
ラックが関係する事故が発生する
と、とかく悪者扱いしますが、必
ずしもトラックが原因とは限りま
せん。最近の裁判では乗用車の
「あおり運転」が問題になりました
が、一般ドライバーにも不届きも
のはいます。トラックドライバー
は会社で安全運転の教育も受けて
いるし、常にドライブレコーダー
に記録が残っているので無謀な運

TheTRUCK2019年1月号28
㈱浅井の倉庫・保管事業主に重量品を運ぶトレーラ
新春対談
転はしません。
浅 井 東ト協も安全運転には
特に力を入れていまして、初任運
転者特別講習などの各種講習会を
開催するとともに、警視庁主催の
セーフティドライバー・コンテス
トへの参加促進なども実施してい
ます。
株式会社浅井の幅広い事業
秋林路 よくわかりました。会
員の皆様が協会の事業に期待を寄
せておられることがよく理解でき
ます。
 次に会長さんの会社、株式会
社浅井について少し伺います。
昔、ご尊父様へのインタビューで
「創業当時はリヤカーで運んだ」と
おっしゃっていました。そういう
話しを、子供のころにお父様から
お聞きになったことありますか。
浅 井 父は戦後間もなくの
1951年(昭和26年)に、田舎から
東京に出て大田区で運送業を始め
ているのですが、まだしっかりし
たトラックはない時代ですから、
リヤカーで配達していたようで
す。でも2年後の1953年には一
般小型貨物自動車運送の浅井運送
有限会社を立ち上げています。当
初から「誠心誠意」「一業一誠」
座右の銘にしておりましたので、
お客様を第一に考えた経営をして
きたと思います。
秋林路 実はその精神面でのお
話しですが、当時、私と一緒に仕
事をしておりました日新出版の増
田周作社長が『今こそ論語』という
本を上梓して、ご尊父様にプレゼ
ントしたことがあります。増田社
長は歴代総理の師と仰がれた安岡
正篤先生の青年部長を大阪で務め
ておりましたので、論語には明る
くて銀座の事務所で成人の論語教
室も開いておりました。
 ですから論語には相当自信を
持っていまして、世の中が乱れた
今こそ儒教精神を養う必要がある
と意気込んで執筆した本ですが、
ご尊父様はその本を手にして一言
「今さら論語」と酷評されました。
その時には本のタイトルの論議に
はならなかったのですが、後で伺
いますと、日本にはすでに儒教精
神は根付いているので「今さら」と
申し上げたんだよ、と私に話して
下さいました。
浅 井 それは面白いエピソー
ドですね。父は東ト協の後、全日
本トラック協会の会長も務めまし
たが、歴代会長の中でもユニーク
な存在であったと思います。
秋林路 ご尊父にお目にか
かった時は浅井運輸機工株式会
社でした。
浅 井 浅井運輸機工株式会社
への社名変更は1965年です。当

TheTRUCK2019年1月号29
超大物の輸送
初は一般小型貨物運送でしたが、
場所が羽田に近かったこともあっ
て、航空関係に進み、川崎に近い
ので電機メーカーの重量品輸送や
工事の施工などにも業務の幅を広
げています。現在は、2003年に
株式会社浅井に社名変更し、営業
範囲も関東全域から中部、関西へ
もエリアを広げています。
秋林路 会社の経営は順風満帆
だったのですか。
浅 井 そんなことはありませ
ん。創始者の父は語り尽くせない
苦労をしてきたと思いますし、当
初からお世話になった最大のお客
様が経営破綻した時は、連鎖倒産
の恐れもありました。良い時期ば
かりではありません。
秋林路 ホームページを見させ
て頂きますと、事業内容はずいぶ
ん広くなっていますね。
浅 井 これは先代をはじ
め、全社員の努力の賜だと思い
ます。当初父が掲げた「誠心誠
意」「一業一誠」の精神は今でも
変わりません。
正しい未来のトラック情報を
秋林路 今後の方針などをどの
ようにお考えですか。
浅 井 私どもの仕事は時代と
ともに変化して参ります。これま
では都市開発、道路インフラなど
国づくりが大きなテーマでした
が、これからは防災であったり、
輸送・保管もより高いレベルが求
められると思います。当社として
はお客様を第一に、市場ニーズに
柔軟に対応して参りたいと考えて
います。
秋林路 輸送品質という意味
で、運ぶ道具、つまりトラックや
トレーラ、荷役機器も大きく変
わってくると思います。すでにト
ラックも自動運転が目前に来てい
ますし、AI(人工知能)とIOT(モ
ノインターネット)の組み合わせ
で不可能とされていたことが可能
になる時代です。
浅 井 実はそういう話しが最
近多いのですが、現実の業務にど
のように影響するのか明確にはわ
かりません。
秋林路 トラックにAIが搭載
され自動運転になると、正確なナ
ビゲーションで無人運行が可能に
なる。すでにその技術は完成して
いますので、そういう時代が到来
するのは、それほど遠くないと考
えられます。あとは応用ですが、
まだ社会的なコンセンサスを得る
には時間がかかると思います。
浅 井 でも実感はまだ湧いて
きません。
秋林路 国土交通省は2020年
には自動運転をレベル3に引き上

TheTRUCK2019年1月号30
航空機の輸送
空港関係の事業
新春対談
げると発表していますので、徐々
に理解度は深まると思います。
浅 井 メーカーはそういう情
報をわれわれトラックユーザーに
もっと提供して頂きたいですね。
秋林路 これまで輸送機材の情
報はトラックメーカーが主に提供
していましたが、現状ではトラッ
クメーカーとユーザーのパイプが
遊離しています。某トラックメー
カーの宣伝担当者が「当社が大型
トラックを作っていることを知ら
ない運送会社はない。これからは
小型トラックの宣伝だけに力を入
れる。」と筆者に話したのでびっく
りしたことがあります。トラッ
ク、特に大型トラックはユーザー
ニーズに基づいて開発されるべき
ですが、その大切な情報をトラッ
クメーカー自らがシャットアウト
しているのが現状です。
浅 井 でも当社に出入りする
トラックの販売員は皆さん真面目
ですよ。
秋林路 トラックのセールス
は、販売会社の仕事ですから熱心
だと思います。でもトラックを開
発するメーカーの技術者がトラッ
クユーザーに情報を求めて訪問す
ることは極めて少ないと思います。
 実は一昨年関東8県と新潟、静
岡、愛知のトラック協会長さんに
連載でインタビューをしました。
その時、ほとんどの会長さんは「ト
ラックは我々の希望がメーカーに
伝わりにくい」との苦言を呈して
おられました。物づくりはユー
ザーの声を傾けると少量多品種に
なる恐れがあります。部品点数の
多い自動車は、同じ種類の製品を
数多く生産して、量産効果でコス
トダウンを図ろうとします。これ
がコストパフォーマンスなのです
が、ユーザーニーズを受け入れよ
うとするとメーカー主導の生産は
出来なくなります。
浅 井 トラックの価格が上
がっても困るけど、荷主に対して
より品質の良い輸送を提供しよう
とすると、それなりの車両が必要
になります。やはりメーカーと
ユーザーのパイプが切れているの
は問題ですよね。
秋林路 我田引水になって恐縮
なのですが、本誌は2019年10月
に幕張メッセで新しいトラック
ショーを開催します。同じ時期に
全日本トラック協会は幕張メッセ
で全国トラック運送事業者大会を
開催されますよね。
浅 井 はい。昨年10月に香
川県高松市で開催した事業者大会
で私が発表しました。
秋林路 実はその発表をお聞き
して、私は幕張メッセに協力を求
めて2019年10月1日から3日
まで、事業者大会が行われる国
際会議場のすぐ前(第7ホール)
で『ITV』と題した新しいトラック
ショーを開催することにしたので
す。このトラック運送事業者大会
には、遠方の方は前日に来られま
すし、当日の大会は午後からです
ので午前中は空いています。また
当日は夜まで懇親会が続きますの

TheTRUCK2019年1月号31
シールドマシンの組立て
トンネル工事に使用するシールドマシン
で、遠方の方は宿泊されます。
従って、事業者大会の10月2日
を挟んで三日間の会期があれば、
約1500社の参加事業者は必ずこ
のトラックショー見るチャンスが
ある訳です。勿論、このトラック
ショーには全ての皆さんをご優待
します。
浅 井 それは願ってもない
チャンスですね。
秋林路 実はこのトラック
ショーを『ITV』(インテリジェン
ト・トランスポート・ビークル)
と銘打ったのには訳がありまし
て、自動車メーカーは東京モー
ターショーで未来の車を展示すれ
ばよいと考えていますが、乗用車
中心の東京モーターショーを見に
行けるトラック運送経営者は限ら
れています。それなら全国の主要
トラックユーザーが1500社余り
も集結する全国トラック運送事業
者大会に合わせてトラックユー
ザーとメーカーが交流する場を設
ければ、ユーザーの声がメーカー
に届くのではないか。ITVには
「未来のトラック」の意味が含まれ
ているのですが、トラックメー
カーに限らず車体メーカー、ト
レーラーメーカーもユーザーの声
に耳を傾ける絶好のチャンスだと
思う訳です。
浅 井 今度幕張メッセで開催
する全国トラック運送事業者大会
は、関東トラック協会の担当で私
がその責任者です。できる限りの
協力をしますのでぜひ成功させて
下さい。
秋林路 ありがとうございま
す。会場は1ホールだけですの
で、そんなに広くないのですが、
できるだけ多くのメーカーに参加
していただきたいと思っていま
す。また、事業者大会の分科会で
行う勉強会もメーカーの代表と
ユーザーの代表が「これからのト
ラックのあり方」について論議す
るステージであっても良いと考え
ています。まだ少し時間がありま
すので改めてご相談させていただ
きます。最後に浅井会長様のご趣
味やスポーツなどをお聞かせくだ
さい。
浅 井 仕事中心の人間ですの
で趣味は何もありません(笑)。何
はともあれ、この重責(トラック
協会会長)を全うすること、そし
て社業を堅実に発展させることが
第一です。悠々自適の時期が来ま
したら船で海外旅行をするのもい
いなと思いますが…。スポーツも
学生時代には色々やりましたが、
今はゴルフくらいでしょうか。
秋林路 確かに東京は全国の中
心ですし、2年後には東京オリン
ピック・パラリンピックが控えて
いるので、陰で輸送を支える事業
者さんも神経をお使いになると思
います。また今年は5月に元号も
変わって新しい時代を迎えます。
どうか健康に留意なさってトラッ
ク業界発展の為にご活躍されます
ことを願っております。
 本日はお忙しい中、時間をいた
だき有り難うございました。

TheTRUCK2019年1月号32
創業72年の司工業株式会社
新春インタビュー
庭石を運ぶトラック
平ボデーも無くな
大きな経済変化に弱い
車体産業の体質
 終戦から70余年になる。戦後の復興を牽引した団塊世代と呼ばれる人達も70歳
を過ぎて“高齢者”の仲間入りを果たしている。焼土と化した日本が高度経済成長を
経て、世界の先進国と称されるまでに、それほどの歳月は費やしていない。しかし、
その経済を支え続けて来たのは、地域に密着した中小企業で、平ボデーを中心とする
車体産業もそのひとつである。大資本のトラックメーカーとその傘下にある販売会社、
それに、海外から進出の大手車体メーカーに翻弄されながらも、ユーザーの声に耳を
傾けながら、独自の開発を続けて来た地元車体メーカーは、職人気質にも助けられて
独自の文化を形成してきた。東
京の下町で、戦後間もなくから
車体製作を続ける司工業株式会
(本社・東京都江戸川区)は、
その歴史を刻む老舗の車体メー
カーである。
今回は新春にあたり同社の落合
轟社長に、今年の抱負などお伺
いした。
落合轟(司工業㈱代表取締役社長)
ゲスト

TheTRUCK2019年1月号33
庭石を運ぶトラックがある限り車体メーカーは無くならない…落合轟社長
が無くならない限り
らない
□横 路 司工業70周年のお話
しは先般伺いましたが、創業は
昭和22年5月1日ですよね。実
は私の誕生日が同年の5月11日
ですから、御社の歴史とほぼ同
じ歳月なんだなと感慨を新たに
しました。
落 合 当社は終戦からほぼ
2年目の創業です。東京はまだ
焼け野原だったと思いますの
で、当時の皆さんは父をはじめ
苦労したと思います。
□横 路 私は出身が広島の片
田舎ですから、空襲は記録映像
でしか見ていませんが、東京は
随分ひどい攻撃を受けています
ね。広島は原爆ですから、言わ
ばとどめの一発だった訳です
が、市内で軍役に就いていた父
がよく生き延びたと思います。
父母とも被爆しているので私は
原爆二世です。今年は72歳の年
男ですが、身体は虫歯一本ない
健康体です。その点は両親に感

TheTRUCK2019年1月号34
落合社長
新春インタビュー
謝しています。
落 合 当時の人は、努力だ
けでもだめで多分に運が人生を
左右しているように思います。
□横 路 戦後の日本は世界が
目を見張る勢いで復興を遂げて
いますが、我々は第一次ベビー
ブーム、つまり団塊世代ですか
ら、同世代の人数が圧倒的に多
くて、生存競争も激しかったわ
けです。ですから、この団塊世
代の頑張りが、今日の日本を築
いているのではないかという自
負もあります。
 同じように司工業さんも72
年の歴史を刻んで今日がある訳
ですが、会社が今日まで発展し
た要因はどこにあったのでしょ
うか。
落 合 焼け野原になった東
京が復興するために、まず必要
となったのは木材です。隅田川
を挟んで東側を昔は墨東と呼ん
でいました。現在も江東区に木
場という地名が残っています
が、あの辺りに全国から木材が
集められ、水に浮かべて保管し
ていました。
□横 路 その木材置き場は、
現在は夢の島近くに移っていま
すが、最近まで輸入の木材を扱っ
ていたようですね。
落 合 当社はあの重い原木
を運ぶトラックの荷台を作って
いたんです。当時は積載オーバー
なんて問題じゃなくて、どんな
に重い木材を積んでも壊れない
ボデーが評価されました。
□横 路 私が東京に出てきた
昭和40年代の初めのごろ、原
木を山積みしたトラックが街を
走っているのを見かけたことが
あります。あの頃はまだトラッ
クの知識がありませんでしたの
で、トラックの馬力はすごいな
と感心して見ておりました。
落 合 木材の積み方も、荷
台前の鳥居のところに立てかけ
る摘み方ですから、荷台の後方
に集中荷重がかかって、原木を
積むと荷台は湾曲します。しか

TheTRUCK2019年1月号35
本誌・横路
し、当時の職人さんはそういう
荷台への荷重を計算して、あら
かじめ逆方向に曲げておくんで
す。すると木材を積んだ時には
荷台がフラットになるんです。
そういう平ボデーを造ることの
できる職人は、当社しかいなかっ
たと思います。
□横 路 現在のように高度な
コンピューターがあるわけじゃ
ないから、現場は勘が頼りです
よね。今でも旅行先で歴史的建
造物を見ることがありますが、
当時の職人はどうやってぴった
りと寸法を合わせたのか信じら
れないほど正確です。トラック
ボデーを作る職人さんも、プラ
イドを持って仕事をなさってい
たのだと思います。
落 合 当社には今でも語り
継がれている職人で村上さんと
いう人がいました。経営者では
ないのですが、抜群に腕がよく
て、何度も転職の声がかかった
ようですが、最後まで司工業で
勤めあげた人です。そういう方々
がいたので、今日の当社がある
のだと思います。
□横 路 日本のトラックは当
初平ボデーです。その前は家具
職人によって、運転室も木材で
造った時代があったようです
が、それほど永くは続いていま
せん。車体が劇的に変化したの
は、海外からアルミバンの技術
が入ってからだと思います。
落 合 それは高度経済成長
に入ってからですが、当社も東
急クラークと一緒にアルミバン
の製作に取り組んだ実績がある
ので、アルミボデーの実績は日
本でも最初のころです。
□横 路 確かに中・大型の普
通トラックが、年間20万台近く
の登録になったときは、車体架
装メーカーは、三月と九月の期
末には徹夜状態でした。アルミ
バンをキット化することで、納
期が短縮されましたが、その頃か
ら、昔ながらの車体産業は次第に
影が薄くなってしまいました。

TheTRUCK2019年1月号36
コンテナ併用平ボディ
新春インタビュー
落 合 昭和50年ころから、
時代が大きく変わって、ウイン
グボデーや冷凍車も多くなって
きました。
□横 路 そうですね。同社は
昭和48年に日本自動車車体工業
会のバン部会に提案して、聖徳
記念絵画館前の広場で「冷蔵・冷
凍車ショー」を開催しましたが、
あの頃が冷凍車の黎明期になる
と思います。同じようにウイン
グボデーも日本フルハーフと当
時の加藤車体工業(現在のパブ
コ)がパテントを分け合って量産
を開始しています。
落 合 ウイングボデーは当
初、車体メーカーの仕事として
良かったのですが、量産にはコ
スト的に太刀打ち出来なくて皆
さん撤退してしまいました。
□横 路 ウイングボデーが日
本の物流に大きく貢献したこと
は否定しませんが、当時、価格
破壊の点では批判の声も大きく
出ました。
落 合 当社も平ボデーは堅
持しながら、用途別の特装車は
ずっと開発を続けています。
ただ価格競争に巻き込まれる
と、経営が厳しくなりますの
で、独自性のあるものに限定し
ています。
□横 路 具体的にはどんな特
装車ですか。
落 合 最近力を入れている
のはスイングボデーと銘打った
重機運搬車ですが、ほかにもカー
ゴ低床車、バン・ウイング車、
航空関係の6車、冷凍車、家畜
運搬車、チップ運搬車などがあ
ります。
□横 路 これまで、量産化を
目指したこと無かったのですか。
落 合 何度もそのチャンス
はありました。でも会社を大き
くすると、需要変動が起きた時
に持ち応えられなくなる危険性
があるので、踏み留まってきま
した。でも今日当社が72年の歴
史を刻んでいるのも、その冒険
をしなかったからだと思ってい
ます。
□横 路 車体産業を最後に大
きな嵐が襲ったのは、2008年の
リーマンショックです。この時
に、関西や中部の有力車体メー
カーが次々に撤退しました。

TheTRUCK2019年1月号37
二段フロア昇降式豚運搬ボディ
冷凍機付き航空貨物専用バンボディ
落 合 そういう意味では、
不況に弱いのがこの車体産業で
す。当社が今日も事業を継続し
ているのは、いたずらに事業を
拡大しなかったからだと思いま
すね。
□横 路 課題はまだこれから
も続くと思います。2年後には東
京オリンピック・パラリンピッ
クが開催されるので、現在は車
体メーカーも久しぶりに生産が
好調に推移しています。この先
はトラックも自動運転や動力の
電気化など新技術の導入が見込
まれています。車体産業も蚊帳
の外という訳にはいかなくなる
ように思います。
落 合 最近は技術がどんど
ん進化していますので、時代が
急速に変化することは間違いな
いと思っています。ただ、それ
が車体産業にどのように影響す
るのか、明確に回答できる人は
いないと思います。その方向が
明確になるまで、我々はその動
静をしっかりと見まもるしかな
いように思います。
□横 路 確かに車体産業は、
実業の世界ですからね。予測や
推測で物事が決められないと思
います。
落 合 でも私は、物事が
はっきりしない場合、皆さんに
申し上げるのですが、「トラッ
クで大きな庭石を運ぶ仕事は、
時代がどんなに変わってもなく
ならない。この庭石を運ぶ仕事
がなくならない限り、車体メー
カーもなくらない。お客様の声
に耳を傾けてまじめに仕事を続
けていれば、必ず事業は継続で
きる。」…AIに仕事を奪われる
話しもありますが、この車体産
業だけはなくならないと信じて
います。
□横 路 なるほど、おっしゃ
る通り通りですね。音声や映像
は電波にのせて宇宙にも届く時
代ですが、物流は経済の基本で
すから絶対になくならない。今
年は五月に元号が変わって名実
ともに新しい時代を迎えること
になります。でも車体産業はど
んな時代になっても応対できる
と思います。
 本日はお忙しいところ有難う
ございました。

株式会社rimOnO
代表取締役社長
伊藤慎介
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
ITソリューション事業本部 ITシステム事業部 副事業部長
河田薫
TheTRUCK2019年1月号38
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮
現場改善の視点のみでは
第四次産業革命の真価を
見失いかねない
 この数年、製造業の世界では第四次産業革命という言葉を耳にする機会が増えました。
農業から軽工業へと移行した第一次産業革命、重工業が発展した第二次産業革命、コンピューター
やインターネトがもたらした第三次産業革命に続いて、AIやロボットなどが起こす革命のことを
指す言葉のようです。
 しかし、では実態として何が起きるのかというと今一つ想像がつかず、専門家の議論を聞いて
いても???が浮かび上がるばかりでさっぱり分からないというのが私の本音です。最近では第四次
産業革命を更に難しくしたようなキーワードとしてSociety5.0、ConnectedIndustries、Cyber
PhysicalSystemなどが使われるようになり、未来投資戦略を始め政府の成長戦略にも広く盛り
込まれるようになっています。
 そこで今回は三菱電機において長年にわたってF(FactoryAutomation)など製造業のIT化
に取り組んでこられ、第四次産業革命などの最新動向に詳しい三菱電機インフメーシンシステ
ムズの河田薫様をお迎えし、今更聞けない第四次産業革命の本当の狙い、それがモノづくりの
あり方をどのように変革させるのか、そして我々の生活にどういう具体的な変化をもたらしうるの
かについて伺いたいと思います。

TheTRUCK2019年1月号39
伊 藤 最初にお伺いしたいのは第四次産業革
命やIoTなどの概念で海外の企業がどういう
ことをやろうとしているのかを教えていただけ
ないでしょうか。
河 田 GEがPredix(※製造業の情報シス
テムの基盤となるシステム)というコンセプト
を打ち出した時、私には製品レベルでの機能向
上・最適化ばかりを考えるのではなく、ビジネ
ス全体としての価値創出を考えるべきと問題提
起しているように捉えました。
 製造現場の命題は、与えられたスペックの安
定的な実現ですが、本来考えるべきは売り切り
型からサービス型への変革などビジネス全体を
どうするかであり、GEは製造現場に対して視
点の変革を求めてきたと言い換えることができ
ます。その問題提起は当たり前のこととも言え
ますが、昨今、この当たり前と向き合おうとす
る人が少なくなりましたね。
 推測ですが、SAPが最初にERPを世に出
した頃のコンセプトも、これに近かったのでは
ないでしょうか。
伊 藤 残念ながら現在のGEは大赤字です
が、GEなりSAPなり海外の会社は、今のビ
ジネスモデルで自分達が儲かっていたとして
も、それを積極的に変えていこうとする会社が
多いように思います。例えば、デュポン社がそ
の典型例で、最初は爆薬を作っていた会社でし
たが、その後は化学の会社になり、現在は環境
ビジネスのような会社になろうとしています。
そういうことを踏まえると、GEがPredixを
提案した背景としては、これまではものづくり
そのものをコアのビジネスモデルにしていたの
に対して、アジアを中心に製造業に参入して
くる会社が増えてきたので、自分達のものづく
りのノウハウを彼らにソリューションとして売
り、自分達はものづくりを徐々に辞めて違うと
ころで生き残れるビジネスモデルを作り出そう
としているように見えます。そういうことなの
でしょうか。
河 田 視野を広げ、視点を変えてきたのだ
と思います。しかしながら、GEが提案する俯
瞰的な視野でのコンセプトを持ってモノづく
りをやっている製造業は限られているので、
Predixが特定の困りごとに対する超高級な改
善ツールのような扱いをされてしまったのが事
実です。GEのようにビジネスの目的をちゃん
と考えており、モノづくりとは目的を実現する
ための取組であることがしっかりと理解されて
いることが前提にありますから、その前提がな
い企業とのギャップを埋めるのは簡単なことで
はありません。
 その意味では、スタートアップに可能性があ
ると思いますが、彼らにとってPredixはお金
が掛かり過ぎますから、別の意味で難しかった
ですね。
第四次産業革命とは何か?
伊 藤 そもそも第四次産業革命とは何を意味
するのかという議論に入りたいのですが、分か
りやすいところでいうと、或る会社に塊として
閉じていたものづくりのノウハウを規格化・
オープン化していくことによって、限りなくそ
の会社が製造していたモノが他社でも製造でき
るような能力を提供し、そういう会社が増えて
いくことで市場における需要の変動に対して柔
軟に対応できるようにするという概念なので
しょうか。
河 田 そういうことではなく、単純に言うと
これまでの常識の破壊だと考えています。これ
までの常識では、必要な人材、プロセス、製造

TheTRUCK2019年1月号40
設備などのリソースを自分たちで用意すること
が当たり前でしたが、第四次産業革命では自社
のリソースに閉じずに社外のリソースの活用も
含めた産業のあり方を考えようと問いかけてい
るのだと思います。
伊 藤 三菱電機さんのような大手電機メー
カーに当てはめると、様々な商品を作っている
ので、専用工場やそれぞれに特化した製造プロ
セスがある訳ですよね。これまでは個別最適に
なっていたものを共通基盤化し、その上に個別
のハードウェアやアプリケーションを載せれば
様々なものづくりに対応できるようになれば、
革新的なプロセス改善になるように思います。
あるところでは車載器を作り、あるところでは
宇宙機器を作るといった具合です。まさにウィ
ンドウズOSの上にアプリケーションをインス
トールするような概念ですよね。そういう世界
が出来上がってしまうと、全ての製造プロセス
を自社で持つのではなく、徐々に他社に展開し
ていくことで、自社のビジネスモデルを変えて
いくという考え方があるとおもうのですが、ど
うでしょうか。
河 田 その考え方はあると思いますが、製造
業の設備やシステムは、その商材を作るときに
は必要ですが、役目を終えれば不要となりま
す。また共通基盤(世間ではプラットフォーム
と呼ばれますが)については、システムを共通
にしようとしてもは、結局のところ(アプリケー
ションの実行環境となるPCなどを含む)ハー
ドウェアが必ず含まれますので、技術進化によ
る陳腐化が避けられません。したがって、新し
いニーズが出てくるたびに新しい設備やシステ
ムを入れていくことのほうが合理的な場合が少
なくありません。
 そもそも共通基盤の前に考えるべきことは
「人の想い(欲望?)」ですから、今の仕組みで想
いの実現が難しくなれば企業の役割は変わって
いくのが当然です。
 この議論を突き詰めていくと、いつか「企業
という器」そのものが邪魔になるというのが私
の考えです。マスカスタマイズ(※受注生産に
近い発想で顧客のニーズに合わせて大量生産を
行うこと)というコンセプトが出ていますが、
製品のマスカスタマイズだけでなく、ビジネス
を担う実行体のマスカスタマイズも必要とな
り、「企業という器」のような固定的なものでは
なく、プロジェクトごとに人材や技術などの必
要なリソースを集めてきて実現していけば良い
時代になっていくと考えています。
 そうなった時に法人税とかどうするのだろう
かと心配してしまいますが…
伊 藤 「企業という器」が不要になるという考
え方は斬新で面白いですね。ただ、ある程度規
模の大きい投資を必要とするものであれば会社
という形をとらなければならないケースもある
ような気がします。
 ところで先ほどから議論しているマスカスタ
マイズという概念はかなりポイントになること
だと思っています。これまでは柔軟性が全くな
かった世界にデジタル化やネットワーク化と
いった情報技術が入ってきて、柔軟に変えられ
なかったものが変えられるようになっていくと
いう概念です。その典型例といえるのが、グー
グルがトロントでやろうとしているスマートシ
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮

TheTRUCK2019年1月号41
ティの話で、道路の車線という一度決めたら変
えられなかったものをLEDの光などで変えら
れるようにしようという構想です。まだ企画段
階なので本当に実現するかは分かりませんが、
もし実現できるようになると通勤車両が多い朝
は大きな車両の通行を認めて、通勤時間が終わ
る10時過ぎには貨物車を中心とし、お昼ごろ
は歩行者中心にするといった具合に交通量や交
通目的に応じて道路空間を有効に利用すること
が可能になります。このような概念はものづく
りにも当てはまるように思います。例えば、こ
れまではコートを作るラインとTシャツを作る
ラインが異なっていたとしても、これからは一
部の機械とアプリを変えればスイッチできると
いう具合です。その点についてはどうお考えで
しょうか。
河 田 理想的には伊藤さんの仰る通りだと思
いますが、まだ、現実のモノづくり世界とは距
離がある話だと思います。製造現場は(設備を
含め)数々の想定外の事態に対処しないといけ
ない現実世界にあり、思い通りに動く筈がない
という考え方が前提にあります。本当に現場を
動かしているのは、人が持てる知識とノウハウ
を駆使し、なんとか乗り切るために取り組んで
いる隠れ業務です…というのは少々極論です
が、トヨタさんのようにバラつきが発生した際
の対処方法がしっかりとルール化されている会
社は少なく、多くの現場では、オペレータ、班
長さんたちが限られた情報の中で個別に行う判
断に依存しています。したがって、情報量や個
人のスキルに依存する違いは否めず、それが現
場の実力の違いとなります。
伊 藤 製造現場の多くは、思い通りに動か
ず沢山の手戻りが発生しているということで
すか。
河 田 停滞と言う方が分かり易いと思いま
す。停滞すると、本来の業務とは別にその停滞
を解消するための仕事が発生します。その間、
本来の目的を果たすことができなくなるロス
と、余計な仕事の発生により生じるロスのダブ
ルパンチとなります。日本の製造現場では、教
育による能力維持と緻密なルールに基づく管理
の徹底により、停滞の発生そのものを低いレベ
ルに抑制してきました。この裏返しとして、海
外へ工場進出した際に「日本と同じ品質が得ら
れない」という現象につながります。
 話を戻しますと、マスカスタマイズ製品を作
れるかと言われれば作れると思います。実際、
大手自動車メーカーのラインでは、流れてくる
クルマが一つ一つ異なる車種というところも多
いわけです。しかし、いざ実現しようとすると、
表に見える設備や管理システムといった華々し
い部分よりも、オペレータや班長さんたちが
日々行っているような陰で支える体制・取組み
が不可欠です。
 かつては、「第四次産業革命とかインダスト
リー4.0のようなことは日本では昔からやっ
ている」という声を耳にしましたし、今でもそ
う言っている人はいるかもしれません。確かに
マスカスタマイズ的な製造が行われてきたこと
は事実ですが、そこが論点ではないと思いま
す。過去に定義された目的で取り組んでいる限
り、現場改善の取組はロス削減の域を越えるこ
とができません。もちろん、ロス削減自身の重
要性は否定しませんが、最初にも申し上げたと
おり、製造現場の世界だけで議論しても限界が
あります。そのことが根本的な問題だと考えて
います。
ドイツが中国の製造現場をコントロール
 する狙いが見えるインダストリー4.0
伊 藤 私の理解ではドイツが提案しているイ

TheTRUCK2019年1月号42
ンダストリー4.0の概念は、工場の生産プロ
セスそのものを次々とデジタル化し、そのシス
テムを中国などの新興国に輸出しながら、シス
テム全体をドイツ企業が牛耳るという計画なの
ではないかと考えています。工場の機能は新興
国が担うが、製造プロセスやシステムは全てド
イツ企業がコントロールする構想です。中国の
ものづくりに携わっている人から聞くと、中国
の製造業の多くは安く大量に生産して少しでも
先んじて市場シェアをとることに執着してお
り、そのために必要となる製造プロセスを「レ
シピ」のような形で外国企業が提供してくれる
ことを望んでいるように感じます。それがドイ
ツの狙いではないのでしょうか。
河 田 ドイツ企業が、伊藤さんが仰るシステ
ム全体において、中国の製造機能を利用すると
いう概念はあるのだと思います。少々乱暴な表
現ですが、「ドイツ企業がシステム全体すなわち
ビジネスプランを考えるので、あなた達は言わ
れた通り作って下さい」、更には「価値創出はド
イツでプランニングし、マネタイズもドイツで
やります」というのが究極の姿ではないでしょ
うか。
伊 藤 だからこそ第四次産業革命やインダ
ストリー4.0という言葉を広めたうえで、ド
イツと中国で手を組んでやりましょうと言っ
ているわけですね。勝手な推測ですが、GEも
同じようなことを考えていたのではないかと
思っています。そういう海外の構想とは異な
り、日本で騒がれている第四次産業革命には
そういう大きな構想があるようには感じられ
ないのですが。
河 田 残念ながら感じられないですね。サー
ビス提供型の事業に転換しますという声は聞
こえるのですが、実際にお話を伺うと「サービ
スパーツ屋さん」になりたいと言われている場
合が少なくありません。
伊 藤 サービスパーツ屋さん
とのことですが、サービスパー
ツとは何を指すのでしょうか。
河 田 スマホの検索機能や、
昨今ならデータ分析サービス
などを例とすると分かり易いで
しょうか。便利ツールと言って
も良いかもしれません。要する
に目的をもって事業構造を転換
するということではなく、追加
で新しい機能を提供すると言っ
ているに過ぎないことが多いということです。
 第一次・第二次産業革命の時は軽工業や重工
業など、これまでなかった新しい事業の創出や
拡大が起きました。第三次産業革命では、コン
ピューターを活用してプロセス革命を起こすと
いう手段の変革が起きました。
 第四次産業革命というのであれば、第三次の
延長線上である手段の変化ではなく、これから
の製造業はどうあるべきかといった土台そのも
のを見直す議論をすべきと思っていますが、日
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮

TheTRUCK2019年1月号43
本は何故か既存の土台の上での話をするのが好
きな人が多いと感じています。
お客の発想を超える提案をしなければ
 付加価値にならない
伊 藤 技術やシステムが大幅に進化するので
あれば、自分達が取組んでいる事業そのものの
前提から再考する、新しい技術やシステムを活
用することで全く新しいビジネスに挑戦すると
いった議論が出てくるべきだと思いますが、工
場や製造現場に近い人たちは「どう作るか」とい
う発想から抜け出せず、「何を作るか」「誰が作る
か」という現場に閉じない議論にはなかなか展
開できないということですね。
河 田 勿論「どう作るか」は大事なことなので
すが、並行して「明日も同じものを作るか」とい
う問い掛けも必要だと思っています。うちのメ
ンバーに叱られちゃいますが、よく「相変わら
ず(サザエさんに出てくる)三河屋さんみたいな
営業かい?」と問い掛けます。昔は「今日は何が
ご入用ですか」と声を掛ければ売れていたので
しょうが、そんな幸せは長くは続きませんよ
ね。「ネットで買うからいいよ」など、外の世界
には新たな手段が生まれて価値観は次々と変化
しています。
 三河屋さんの例えでいうと、お酒はネット通
販で買っているのであれば、ネットでは買えな
い温かい食事やおつまみとお酒を一緒に提供す
るなど、お客様が持っていない発想で価値提案
することが必要です。
伊 藤 確かにそうでなければ第四次産業革命
にはならないですね。自社で所有しているリ
ソース(資産)だけではなく、他社が所有してい
るリソースを活用していくなど、これまでの発
想を超えた挑戦をしていく必要があると思いま
す。
 古典的なビジネスモデルを例に出すと、Dell
というPCの会社が最初に始めたことは製品在
庫を持つと在庫管理に支配されてしまうので、
全てのPCを受注生産にすることで在庫管理の
呪縛から解放するとともに顧客から先にキャッ
シュをもらうことでキャッシュフローを劇的に
改善するというビジネスモデルを構築しまし
た。インターネット通販というこれまでにはな
い流通の仕組みが誕生したことで生まれたビジ
ネスモデルだと思います。第四次産業革命とい
うのであれば、こういうことがもっと起きてこ
ないとつまらないと感じます。
 マスカスタマイズの議論を自分なりに解釈す
ると、カカクドットコムのような世界が完全に
なくなることを意味することではないかと理解
しています。メーカー側から提案された様々な
商品の中から自分に合うスペックのものを選ぶ
ことは時代遅れになり、いくつかの提案された
商品構想の中から自分が欲しいというものがあ
ればポチッとクリックし、10万人のクリック
が集まった時点で量産が行われるというような
ことになるのではないかと想像しています。つ
まり完全な受注生産の時代に入るということで
す。もちろんティッシュペーパーや乾電池のよ
うな生活必需品は今まで通りの大量生産が残る
でしょうが、在庫リスクが発生しそうな家電や
雑貨などはどんどんそういう世界になっていく
ような気がします。その時にアマゾンのように
顧客基盤を持っている企業は極めて強くなりま
す。なぜかというと、彼らは顧客から開発・製
造資金としてお金を事前に集めることができる
からです。そうやって顧客ニーズとファイナン
スを握ることができるプラットフォーマーの支
配力が更に高まることこそが第四次産業革命の
本質ではないかと思います。
河 田 私は人が幸せになりたいと想うエネル

TheTRUCK2019年1月号44
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮
ギーの全体量は一定だと思っており、幸せにな
るための目的が変化し、その手段が変化してい
くことで世の中が変わっていくと考えていま
す。
 人の想いは移り気で、エネルギー配分が変わ
ることで「流行り」「廃れ」が生まれ、それに伴
い、産業構造が変わっていくと考えています。
これまでにはなかった価値創造によって人の気
持ちが動いていけば自ずとそこにマーケットは
生まれていきますよね。
伊 藤 その人の気持ちを動かす提案こそがイ
ノベーションの源泉ですよね。そういう人の気
持ちを動かす提案が誕生し、それを実現すべく
新しいサプライチェーンやバリューチェーンが
構築されていき、最初は机上の空論だったもの
が徐々に現実になっていくわけです。少し前に
アメリカ人に聞いたら、iPhoneが最初に登場
した時に欧州の携帯電話メーカーは「おもちゃ
だ」とバカにしていたらしいです。しかし、一
部の消費者がすごく反応し、徐々にそう思う消
費者が増えていったことで多くの人がiPhone
を持つようになっていきました。
 これまでになかった新しいプロダクトやサー
ビスの提案が行われ、それを実現するためのイ
ネーブラー(支援者)が集まり、新しいビジネ
スモデルやサプライチェーンが形作られてい
く、そういうことがあらゆる業界の髄所で行わ
れていますが、ものづくりの世界において日本
企業がそういう活動に関与できているのでしょ
うか。
河 田 きっとどこかにそんな活動が起きてい
ると期待したいのですが、残念ながら、あまり
関与できている印象は受けていません。先日、
トヨタさんとソフトバンクさんが手を組んで新
たなモビリティサービスに挑戦されるとの発表
がありました。その周囲には、どんな気鋭のイ
ネーブラーが集まってきているかととても興味
を持っています。しかし、先ほど申し上げた
「サービスパーツ屋」として、関連するお仕事が
降ってくるのを待っている人は多少知っていま
すが、先頭に出ようとされる方にまだ出会えて
いないのが残念です。
BtoBtoCのアプローチをとらなければ
 プラットフォーマーにはなれない
伊 藤 サービスパーツ屋さんならそれでも構
わないのですが、アプローチが受動的か能動的
か、価値提案があるのかないのかによって全く
結果が異なると思います。
 後者の典型例がインテルです。かつてはプロ
セッサーの処理速度を上げることばかりやり
続けていましたが、アップルがMacBookAir
を商品企画していた時に“薄い”プロセッサー
を開発してもらえないかとの依頼が来たそうで
す。アップル向けだけであれば採算が合わな
いので断ったのでしょうが、そこから彼らは
“薄いパソコン”という新しい市場がありうる
ことに気付いてUltrabookという新しいカテ
ゴリーを提案しました。その結果、アップル以
外のパソコンメーカーも次々と薄いパソコンを
出すようになり、今ではそれが標準になりまし
た。どうしてこういうアプローチをとるサービ
スパーツ屋が日本発で生まれにくいのだろうと

TheTRUCK2019年1月号45
思ってしまいます。
河 田 日本のデバイス分野では、ソニーさん
のCMOSセンサーがよく引き合いに出されま
すね。「性能」「コスト」を競争軸とする戦いは
デバイスに限らず製品の宿命で、主に、前者は
「設計」、後者は「製造」が担うわけですが、これ
だけでは、処理速度の速さを競っていた時代の
プロセッサーと同じ状況です。ビジネス的に
は、自社製品への適用による規模拡大が理想的
なわけですが、これだけ世界のスマホ・マー
ケットが巨大化してしまうと、どうしてもビジ
ネス・ポートフォリオに偏りが生まれてしまい
ます。マーケット、リソースなど色々な意味で
のリスク分散を考えねばならないわけですが、
実は密かに期待しています。私も元々は材料・
デバイス屋ですので。
伊 藤 昔、プロセッサーの大手であるARM
の人に聞いたことがあるのは、企業を相手にし
たBtoBのビジネスモデルであってもARMで
はエンドカスタマー(最終消費者)の動向を探
るために家電量販店や通販事業者などから末端
の消費動向を取り込む努力を欠かさないように
しているとのことです。つまり、単なるBtoB
ではなく、BtoBtoCの会社だからこそプラッ
トフォーマーとして圧倒的な競争優
位性を維持できるのだと思います。
河 田 グーグルが、Pixel3とい
う新しいスマートフォンを発売しま
した。以前にもNexusブランドで
様々なスマートフォンやタブレット
を発売されてきましたが、今回はか
なり本気のようですね。こうやって
新しい製品を市場に投入して市場の
反応を見る「実験」は極めて重要だと
思います。先ほど申し上げた人の幸
せを探るためには、市場に出し、人の傍に置い
てみるしか手段はありません。BtoBだけに閉
じている会社ではできないことだと思います。
伊 藤 日本にもそういうチャレンジをしてい
る会社がないわけではないです。経産省時代に
訪問した重電メーカーでは発電機ビジネスで海
外メーカーと対抗するためにユニークな取り組
みを行っていました。自社工場の一角に実際に
発電所を建設することで、電力会社の発電所で
は2年に一度しか行われないオーバーホール
(分解点検修理)を3か月に一度行えるように
し、海外メーカーの8倍のスピードで改善し
ていったとのことでした。まさに自分たちが電
力会社の立場になって製品の改善点を探るとい
う意味ではBtoBtoC的だと思います。
 日本の電機業界を見ていてなぜグーグルと同
じようなことができないのかと思ってしまいま
す。Pixel3を発売したとしてもグーグルはス
マホだけで採算が取れるわけではなく、Pixel
3を出すことでOSであるアンドロイドの性能
を高めてプラットフォーマーとしての立場をよ
り強固にしたいというのが真の狙いだと捉えて
います。日本メーカーも同じようにプレミアム
の大型テレビを少量生産して、テレビのデバイ
スやソフトウェア基盤を第三者に外販するとい

TheTRUCK2019年1月号46
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮
うことは可能だと思うのですが。
河 田 そういう大胆な経営シフトは、オー
ナー社長さんのようなカリスマ的なオペレー
ションでなければ難しいような気がします。私
の昔話になりますが、1995年、当時世界最薄
のノートパソコンの開発に携わったことがあり
ます。知らなかったのですが、たまたまソニー
さんがVAIOPCG-505を発売される2か月
前に市場にリリースしたため、VAIOの開発メ
ンバーから「おかげで、ポスター全部を書き換
える羽目になった」と苦言を呈されたという後
日談があります。本当かどうか分かりませんが。
 このプロジェクト、とんでもない親分(役員)
がおりまして、「技術屋の自己満足なんか要ら
ん」「ノートパソコンが分厚くてかなわん」「とに
かく、世界で一番薄いパソコンを作れ」の大号
令で始まり、言葉だけでなく、破格の予算がつ
きました。まぁ、結果はご想像の通りで、この
プロジェクトを境に、材料・デバイス屋だった
筈の私が、システム屋と呼ばれるようになった
わけですが、印象的だったのは意思決定の速さ
です。当時は「勘弁してくれ〜」と思うことも多
かったですが、今思えば、ああいう人が居ない
と、ビジネスの方向を変えるというのは難しい
のかもしれません。
概念を変えるはずのSociety5.0が
 手段の議論に矮小化してしまう日本
伊 藤 ところで少し議論を元に戻したいので
すが、改めてSociety5.0、コネクティットイ
ンダストリーズ、サイバーフィジカルシステム
ズは何を意味していて、どう違うのでしょうか。
河 田 あくまで私の解釈ですが、Society
5.0とコネクティッドインダストリーは、領域
の取り方に違いはありますが、ほぼ同じ意味だ
と捉えています。狭い世界だけで考えている場
合じゃないですよ、これまで当たり前と思って
いた世界から抜け出しましょうと謳う概念だと
思います。
 例えば今のクルマを前提に次のモデルチェ
ンジではどう変えようという従来の延長線上
で考えるのではなく、「何のために移動するの
か?」、「新しい移動手段を提供するために必要
なものは何か?」というように、人の生活やそ
れを支える社会からもう一度考え直そうという
考え方です。
伊 藤 Society5.0とかコネクティッドイン
ダストリーは政府の成長戦略で良く使われてい
る表現ですが、そういう意味だとすると若干皮
肉な印象を受けます。民間からは政府の縦割り
を何とかしてほしいという声が良く出ますが、
この言葉は国の方から民間に対して縦割り的発
想を捨ててもっと大きな視野で考えようと言っ
ているわけですから。
河 田 政府の説明資料を見ると、最初のペー
ジに「社会が変わる」という絵があります。そこ
には、「全ての人とモノがつながり新たな価値が
生まれる社会」とか「ロボットや自動運転などで
人の可能性が広がる社会」を目指すと書かれて
いて、新しい世界を作るために既存の壁を越え
てみんなでやりましょうといった主張が書かれ
ています。おぉ〜!どんな新しい世界が訪れる
のかな!?と胸を躍らせるわけですが、次の
ページに行くと、IoT、AI、ビッグデータなど
の言葉が散りばめられた絵で、そこに「新しい
世界・社会」を見出すことができません。
 私は、この二つのページの間に大きなギャッ
プがあると感じています。既存の概念を一旦取
り払い、「人の幸せとは何か?」「人が幸せになる
ためにはどうすれば良いか?」を再検討しよう
と言っているのなら、「どういう世界を作るべき

↑Society5.0についての政府資料:Society5.0で実現する社会
↑Society5.0についての政府資料:センサーとIoTがもたらすビッグデータ
TheTRUCK2019年1月号47
か?」の議論があるべきだと考えています。
 何を目的として、どういったデータを集め、
それで何をするのかということを議論しないま
まシステムの導入是非だけを議論するという製
造業分野で陥りがちな誤ったアプローチと同じ
構図が見えます。

仮説が
構築される
実体が
出現する
構想設計
(投資計画)
業務実行
(回収実行)
リソース配置
(投資実行)
差分計測
(損益管理)
構想設計

(投資計画)

業務実行

(回収実行)

(投

理)

投資計画

業務実行

探索学習ループ
仮説検証ループ
HAS
HumanActivitySystem
実体が
消滅する
目的は同じでも
違う世界がある
(役割の違い)
上位概念の
世界がある
(本当の目的)
CPSは
HASの上で機能する
(人無しでは無意味)
当たり前の世界は
想いの階層で異なる
(常に変化)
「それぞれの世界・階層で、人の想いが社会を駆動する」
CPS:サイバーフィジカルシステムズ
TheTRUCK2019年1月号48
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮
伊 藤 これまでの常識を問うてもう一度大き
な視野や前提なしで考え直そうと言っておきな
がら、とある技術や分野の議論に矮小化すると
いうのは日本らしいですね。
 ところでサイバーフィジカルシステムズのほ
うはどういうことなのでしょうか。
大胆な仮説を容易に検証できることが
 サイバーフィジカルシステムズの真価
河 田 これも私の解釈ですが、サイバーフィ
ジカルシステムズとは、しっかりとした仮説を
立てることと、その仮説と結果が一致している
かを検証することを何度も繰り返すことだと捉
えています。
 サイバーといわれると「コンピューター」のイ
メージが先行しがちですが、そうではなくコン
ピューターを使って「仮説を立てる」ことが重要
なのです。CAD、AI、シミュレータなどはあ
くまで仮説を立てたい人を助けてくれる「ツー
ル」ですので、コンピューターが人の代わりに
やってくれると誤解しないようにお願いしたい
です。一方、フィジカルというと「設備」のイメー
ジが強いですが、これも人が使うための「ツー
ル」です。どちらも、ルール化と技術の進化に
伴い、コンピューター、設備で代替する領域が
増えていますが、どんなにツールが進化しても
我々が生きている現実世界はバラつきに支配さ
れており、その修正を行う判断は引き続き「人
の役割」です。
伊 藤 安易な考えだと他社で成功したシステ
ムを導入する、性能の高い設備機器を入れよう
という発想になりがちですが、その前に何が目
的でどういう課題を解決したいのかをしっかり
考えてからシステムや設備を導入すべきという
ことですね。
河 田 はい、「会社を良くする」「人を幸せにす
る」とは何を意味するのか、そのためには何を
やらねばならず、どうすれば実現できるかを考
え、今できる最善の方法を探すこと(探索)が求
められます。この探索を既存
の狭い世界の中だけで実施す
るか、あるいはもっと広い世
界を対象に加えるかの違いが
第四次産業革命に移行できる
かどうかの境目になります。
 次に、探索した結果として
立てた「仮説」の妥当性を検証
しなければならないのです
が、シミュレーション技術の
進化がこれを容易にしつつあ
ります。少しでもベターな結
果を求め、探索を繰り返す=
探索学習することで「仮説」
「システム」へと収斂されてい
きます。これがサイバーフィ

TheTRUCK2019年1月号49
ジカルシステムズの真価です。
 製造業ですと、そうやって収斂された仮説が
生産設計、製品設計、販売設計、設備設計、プ
ロセス設計などの完成度を高めることに貢献し
ます。
伊 藤 要するにコンピューターやソフトウェ
アなどの技術が進化して、サイバーとフィジカ
ルの間を仮説検証でぐるぐるまわすことが非常
にやり易くなってきたので、すごい仮説があれ
ばものすごいアウトプットを出せるようになっ
ているということですね。
河 田 ええ、そうです。お話しましたように、
本来、サイバーフィジカルシステムには「探索
学習」「仮説検証」の二つの要素があり、とり
わけ探索による「仮説の立案」が重要です。探索
があるからこそ新たな仮説を作って次の仮説検
証において検証する価値が出てくるのです。し
かし、残念ながら、現時点では、探索の適用範
囲が設備設計領域に留まるなど範囲が狭い場合
が多く、探索の結果として前提から見直す必要
性が露呈した場合でも、自分たちの組織の責任
ではない管理項目(例えば、材料バラつき)は、
管轄部署が違うから対象にできないなど、探索
学習と仮説検証で形成されるループが狭すぎる
ことが残念です。
伊 藤 最後にお聞きしたいのは自動車業界の
話です。読者の多くが自動車業界やトラック業
界なのですが、電機業界にいらっしゃる河田さ
んにとって自動車業界の変革はどう見えていま
すか。
自動車業界は「クルマがもたらす幸せ」
 根本から議論すべき
河 田 ある講演会で自動車業界の方が「運転
することの楽しさは絶対になくならない」と熱
弁されていました。否定するつもりはありませ
んが、消費者全体を見渡すと、人が幸せになり
たいと想うエネルギーの全体量が一定の中で、
運転の楽しみにかけるエネルギーの量は減って
いると思います。ビジネスを考える立場から
は、お客さんが沢山いるところを探すのが基本
ですから、クルマ好きが減っているという現実
は受け止めざるを得ないと思います。自動運転
技術のニュースを目にするたびに、一般消費者
との距離を感じます。マーケット・ポートフォ
リオという言葉はないと思いますが、人の想い
に対応した新たなマーケット創出が必要ではな
いかと思います。
伊 藤 移動という意味では、先日IT業界の
方が、「プレミアム移動」「コモディティ移動」
に二極化するのではないかと言っていたことが
面白いと思いました。トイレットペーパーを買
いに行く、会社に行くというのはコモディティ
移動ですが、おいしいレストランに食事に行く
というのはプレミアム移動というのです。そし
てコモディティ移動の場合は必ずしも自分が移
動しなくてもモノが届いたり、家で仕事ができ
たりすれば良くなるのではないか、一方でプレ
ミアム移動の場合は「移動体験」そのものも価値
になるとのことでした。このような移動の二極
化が実際に今後のユーザーの指向に合致してい
くのであれば、自ずと移動のあり方も変わって
いくと思いました。
河 田 まだ学生の頃、自分の車がイケてな
くて、友人からカッコいいクルマを借りたこ
とがあります。あの時のクルマは移動手段で
はなく、気持ちや雰囲気を創り出すためのツー
ルでした。昨今よく耳にするMaaSは、どこ
か移動手段の方に偏重している気がして、本
来、クルマに持っていて欲しいエモーショナ

TheTRUCK2019年1月号50
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑮
ルな部分が見えにくくなっていることが少し
残念です。
 今日、初めて「リモノくん♪」に会えました
が、初対面なのに「なんて、エモーショナルな
子なんだろうね〜」と抱きついてしまいまし
た。自動車業界の人々がやるべきこと、それは
他の分野に居る私だって同じだと思いますが、
「我々の業界が本来取り組むべきことは何か?」
「これからのクルマはどうあるべきか?」をもう
一度ちゃんと問うべきだと思います。
 走る喜びは決して消えないですよ。でも、そ
れが一番かどうかは分かりません。今の人たち
が、クルマのどこに、クルマの何にエモーショ
ナルな部分を感じるのか、人の幸せのどの部分
に寄り添うことがクルマに求められているの
か、会議室で議論したってつまらないと思いま
す。グーグルがPixel3で実験しているよう
に、市場に問うしかないのではと思います。既
に多くの取組がなされているようにも思います
が、どこか物足りなさを感じます。これは、自
分自身の取組みに言い聞かせているように思い
ますが。
伊 藤 最後に「リモノくん♪」にまで触れてい
ただきありがとうございます。幸せの価値観が
世代や時代によってどんどん変わっていきます
ので、今の時代に適した「幸せ」を再検証するこ
とはどの業界においても必要なことですね。政
府や自治体も同じだと思います。本日はどうも
ありがとうございました。
(略歴)
河田薫(かわたかおる)
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 ITシステム事業部副事業部長
1984ー 三菱電機株式会社入社
※ デバイス・プロセスの研究開発(HDD、VTR,、ガラス…)
1995
※ 携帯情報機器の企画・研究開発(NotePC,携帯電話…)  
2003
※ 監視・制御システムの研究開発(プラント、列車、人工衛星…)
2007
※ FA(FactoryAutomation)の世界
※ e-F@ctory「FAとITの融合」、「モノづくりにおける賢いIT活用」
2017ー 三菱電機インフォメーションシステムズ(グループ内IT事業会社)
※ IT(InformationTechnology)の世界
※ モノづくりにおける取組み(Activity)と真面目に向き合う

TheTRUCK2019年1月号52
リース/レンタル事業者の展示も多い。今日的にはシェアリングエコノーと表現されるこの分野の車は多くのブラン
ド車を揃えて顧客の希望に応える。特装車も多様で、多くは長期のリース契約という。背後の建築物は当会場の
名物の一つで、木材を多用し支柱の少ない巨大構造が特徴
IAA
商用車展
2018
リポート(第
3
回)
 IAA商用車展2018リポートの最終回として、今回は有力なサプライヤー、
ボディ及びトレーラビルダー等に加え、普段はなかなか見ることの出来ない
国・地域の商用車等について採り上げる。カタチになった自動車は多くの部品
及び制御用のシステムの集大成だが、個々のコンポーネントや部品、システム・
サプライヤーの存在抜きには出来上がらない。締めとして会場屋外に用意された
試乗EV車の印象を記す。
西 襄二
 (文と写真)
世界の商用車展研究

TheTRUCK2019年1月号53
MAGNA欧州社から3名の責任者が記者に対応してくれた.
向かって左=村松憲幸ディレクター・セールスジャパン、中=Hans-PeterZuschraderハンス-ペーターズッ
シュラーダー(上級営業マネージャー)右=RudolfBrambergerルドルフブラムバーガー(車両設計上級マネー
ジャー)の各氏
小型バン/ピック
アップ用のEVパ
ワートレーン提案
車。前後4輪駆動
も可能なシステム
で、複数の車両メ
カーと共同開発中
という
“etelligentDrive”と名付
けてEVの心臓部分を一
式まとめて供給可能なこと
を示した。EV化の波に対
する車両メーカーとサプラ
イヤーの立場の相対比重
の激変を裏付ける展示でも
あった
MAGNA
マグナ・インターナショナル
 当社は、部品及びシステム・サプライヤーとして
TierOneティア・ワンにランクされ、2017年現在
ボッシュ、デンソーに次ぐ世界トップスリーの一角を占
めている(2017年の年間売上高=38,946百万米ド
ルで前年比107%)。1957年にカナダで起業され
て以来60年余の今日、世界27か国に340か所に
上る生産拠点を有し、89か所の研究開発センターを
展開している。要請があれば自社製品のみを用いて
完成車を組み立てることができる能力を有する、世界
唯一のサプライヤーであることをホームページに記し
ている。ということは、エンジンもOEM(受注先ブラ
ドによる)生産しているということだ。
 IAA商用車展2018では、プレスセンターと構内
道路を挟んで間近な16号館にスタンドを構えて参加
した。出展したのは当社の伝統的な単品部品のほか
に、パワートレーンの先を見通した研究成果に基づく
システム提案2種で、一つは小型バン及びピックアッ
プ車向けのEVパワートレーン、もう一つは中・大型
商用車用のEV化用パワートレーンとフレーム構造など
であった。
「革新技術は、優れた専門性と創造性が出会った
時に生まれる」と自社の立ち位置を示し、大型商用車
世界最大手のダイムラーを始めとする多くの車両メー
カーとの取引実績を控え目に示した。

TheTRUCK2019年1月号54
EV化のパワートレーンユニットと上部にはここで
も耐圧タンクを兼ねたクロスメンバーが見える
エアサスの部品もスペースをとるが、ここ
では見事なレイアウト上の整理が提案さ
れている
ここでもコ字型アクスルとリーフスプリングを組み合わせて、EVパ
ワートレーンの組み付けを容易にしている
燃料タンクの軽量化も材質、断面形状などの新規提案が行われ
ていた
中・大型車用のEV化に向けて、パワートレーンとシャシフレーム、エアタンクなどを総合
して軽量化とスペース活用の提案も行っている。左側のカーボン又はガラス繊維補強樹
脂タンクはフレームのクロスメンバーを兼ねる意表を突いた設計思想を示す。EVの場合
はバッテリーの搭載スペース、天然ガス車NGVの場合にはガスタンクの搭載スペースの
確保がシャシレイアウト上の大きな課題だが、機能を複合した提案は斬新だ。中央はEV
化の為のコンポーネント、その後部のクロスメンバーは在来のスチールプレス品だが肉抜
を多用して軽量化を提案している
制御部と共に、この方式の後輪ドライブは小型商用車に求められる強固な構造(リジッドアクスル
リーフスプリング)との相性の良さを示している
世界の商用車展研究

TheTRUCK2019年1月号55
こちらは一般的な露出積載式でどちらもフルトラクタ+フルトレラーの連結車。キャブは居住性を犠牲にしないローキャブが選択出来る
フルトレ側に小径ホィールを採用すると下部フロアの地上高が低く出来るから、上部積載車の最高部を法定積載地上高以内に抑えて積載
台数を稼げる
発表前のモデルの搬送、プレミアム或いはスーパープレミアム・カー等はこうしたクローズド・ボディで搬送する必要がある。この場合はフル
レシャシに架装されている。さて、21)の連結車には何台積載されているでしょうか
車載トレーラに見る細部の改良
 カーキャリヤーとも呼ばれる車載車は需要変動の少
ない車種の一つと言われている。技術的にみて画期
的とすべき新製品の登場は見られなかったが、デザイ
ンの多様化に対応して積載姿勢の選択の幅を拡大す
る細部の改良は絶え間なく行われている。

TheTRUCK2019年1月号56
全長13.15m、全高4m、タンク外形2.55m、車両重量5.950㎏、と表示されている
半屋外の展示場にきびすを接して展示されるタンクトレーラ。 手前はニューマチックコンベア機能を備えた大容量型。ダンプ角
はそれほど大きない
参入メーカーの多いタンクトレーラ
 タンクトレーラの出展数が多いのもIAA商用車展の
毎回のことだ。
 用途は液体用、粉・粒体用に大別されるが、外観
上の区別としてはダンプ機構を搭載してあれば粉・粒
体用である。分野としては工業用と農産物用に大別
されるが、前者向けの方が多い模様だ。大型のセミ
レ式が圧倒的に多い。
世界の商用車展研究

TheTRUCK2019年1月号57
これは粉体用、スチール製
こちらは液体用、GFRP製
タンクトレーラ群の内、中央はガラス繊維補
強樹脂製GFRPタンクを備えている。銘板
は中央のもの。全長13.05m、タンク外形
2.55m、ダンプ時全高11.01m、最大積
載量40,000㎏と表記されている。奥のタン
クもGFRP製、手前はスチール製
スマートトレーラと銘打ったこの製品は、
ドライバーに課せられた運転以外の作
業の省力化を提案している。運行中
の積荷飛散防止の覆いシートは上部に
造り込まれたレールに沿って電動駆動
のワイヤーが展開と畳み上げを行う。
ScshmitzCargobullシュミッツカーゴ
ブル社は、先月号で温度管理トレーラ
に自社ブランドの温度管理機まで手掛
けることを紹介したが、ダンプトレーラ
分野でも存在感を示す
ダンプトレーラに定番化
電動式覆いシートが普及
 積載対象貨物の比重でボディの長さ、深さに種類
があるが、ダンプ用の油圧シリンダーはほぼ全数が多
段伸縮(テレスコピック)シリンダーに統一された観が
ある。全長12m級の場合、積荷は農林産業の収穫
物、中間製品/バイオ発電向け燃料など軽比重品で
種類は多い。比重の大きい土砂類、鉱業製品類向け
には積載時の衝撃に耐えるベッセル床構造に工夫を凝
らした製品が〝目玉〟となる。運行中の積載品の飛散・
こぼれ防止に電動化された覆いシートは定番装備と
なった。

TheTRUCK2019年1月号58
Langendorfランゲンドルフ社のダ
ンプトレーラでも、運行中の積荷
飛散防止のカバーシートを電動駆
動で提案した。3車軸の最前軸は
空車時に自動的にリフトアップして
走行抵抗低減を図る。同社は別
掲の重量貨物用特殊トレーラ分野
でも多種の実績がある
MEILLERメイラー社は単車架装のダンプの外にダンプ
レーラも出展した。電動操作の覆いシートは定番化して
いる。KIPPERキッパーはドイツ語でダンプの意
NENALUネナル社のダンプトレーラはばら積み貨物の排出時に限られた上部空間の制約
があっても排出が完全に行えるように床面にシートを敷き込み、これを前部から機械的に手
繰り上げる仕組みを組み込んだ
世界の商用車展研究

TheTRUCK2019年1月号59
LASTMILEラストマイル配送に供される小トラのバンボディの例。軽量化と庫内の採光を考慮してルーフに半透明樹脂プレートを採用。 一
般雑貨の集配用途には使い勝手が良いだろ
カーテンサイダーは汎用トレーラの定番だが、外見では目立たない工夫が作り込まれている。この例では、長距離運
航用からラストマイル配送に至る一貫した用途に活用出来ることを訴求している
温度管理車の架装例。走行用ディーゼルエンジン駆動で庫内には汎用スタンション・バーを応用して荷崩れ防止を
提案
一般カーゴ用ボディ
とトレーラの最新作
 汎用トレーラはカーテンサイダー仕上げの構造が一
般的だが、用途によって様々な工夫が織り込まれてい
る。あくまで〝汎用〟性が生命だ。例えば、往路は定
常荷主の貨物で一定の品目・似姿ながら、復路荷に
対する汎用性が実は運用上の〝売り〟となる。必ずしも
〝新製品〟ではないが、彼の地域の定番製品を今一
度見ておこう。

TheTRUCK2019年1月号60
こちらの場合は、鋼材シートコイルの積載する場合は床面の上げ蓋を外して落とし込みの場所を確保している。復り荷が飲料品であれば床は
平面として利用する。荷崩れ防止のスタンションは角材を床の埋め込みポケットに差し込んで位置決めが行える。こした補助材は床下の格
納庫に収納する。黄色にペイントされているのは床下の空気乱流を整流するディフレクターだ
こちらの連結車もカーテンサイダーだが、フルトレを小径タイヤによる低床式
して背高貨物の積載を容易にしている。ルーフのシートを巻き取り脱着式
のクロスメンバーを外せばクレーン荷役にも対応可能
世界の商用車展研究
トレーラの汎用性向上

TheTRUCK2019年1月号61
2年前に市場参入した新興EV:Streetscooterのキャブシャシに架装された温度管理車。電動温度管理システムへの給電も考慮してバッ
テリー容量は対策を打っている模様だが、詳細は明らかにされなかった
ベンツ・クラフターのキャブシャシに架装された温管車
IVECOの小型キャブシャシに架装された温管車。後部の冷気流出保護は両側を支点として回転可能なパネル式としてある
EV、小トラによる温管車

TheTRUCK2019年1月号62
外装の大きなロゴはオーストリアを代表するビールの一つGösser、ということはこれはビール配送に投入される事が決まっている。 出展車は
下部煽りを昇降式として、後部のリフトゲートでの荷役に際して生ずる荷室内の通路、移動線の長さなどの不合理性を解決する。配送車といっ
てもこの大きさだから、この方式は運用する現場の声を反映した結果と映った。油圧システム部分はオーストリアのPALFINGERパルフィン
ガー社製。同社は2016年に日本法人も設立して営業・サービス活動を行っている
                 
欧州のウィング式側面開放車
Winglinerウィングライナー社
 1996年にパテントを取得して起業したオーストリ
アのファミリー企業が、超大手企業の出資により経営
基盤を確立。その後独自色を武器に発展して今日、
この分野では欧州随一の中堅企業として地歩を固め
ている。
世界の商用車展研究

TheTRUCK2019年1月号63
ラストマイルの集配用途を意識し、荷室には予め小物貨物用の棚が設えてある。棚を収納して大きな貨物の積載に対応させることも可能。
ウォークスルーバン〟は当地では未だ珍しがられるタイプ
自社のGAZと鹿によく似たウシ科の動物ガゼルをもじって
GAZelleと命名したミニバンは魅力的なデザインと映った
GAZelle車と共通のキャブシャシは、無難な設計ながら、インター
ネットによる外部との〝つながる(connected)〟機能を搭載して提供
できることを表記していた
ウォークスルーバン
 架装メーカーSOMMERソマー社によりVWのキャ
ブシャシに架装された〝ウォークスルーバン〟。当地で
は未だ珍しいタイプで、ほかに同種の架装展示は見ら
れなかった。アメリカ系の宅配企業が当地での営業展
開に検討しているか?
ロシアGAZ社の出展
 ユーラシア大陸の北方は全てロシアの広大な国土
(約1,710平方キロ・日本の約40倍)だが、人
口は約1億4,680万人で日本の1億2,642万人
の1.16倍でしかない(数値は外務省と総務省の統
計値)。そのロシアの自動車メーカーの一つである
GAZ社の出展を通じてかの国の最新の自動車事情を
垣間見た。当社は車種として乗用車、SUVそしてト
ラック及びバス商用車と全面展開しているが、特に中
大型トラック分野で同国内最大といわれている。
 IAA商用車展2018では大型車の展示は見当たら
ず、この開場で世界初公開の4×4多目的車と小型
バス、ミニバン、小型キャブシャシなどが出展されて
いた。EVの試乗展示場にはEVミニバンも3題ほど
展示され試乗に供していた。

TheTRUCK2019年1月号64
一回り幅広の都市内ミニバスとしてVectorNEXT車はユーロ6排出ガス規制をクリアする性能のディーゼルエンジンを搭載して2020年から
出荷を予定している。ADAS先進ドライバー支援システムも搭載するが、技術的に先端を行くまでにはなお時間が必要
サンルーフ機能を兼ねた開口部
は、ロシア国内の法規上、緊急
事態時の第3の脱出用として装
着が義務づけられている
SadkoNEXTは世界初公開車で、多目的車という。フロントもリジッドアクスルの4×4車で、リヤボディは幌付き人員輸送仕様だった
                 
世界の商用車展研究
ロシアGAZ社の出展(続き)

TheTRUCK2019年1月号65
キャンパーの出展も数多かったが、ここではバン改造型とピックアップに搭載型の例を示す。個人で所有する場合とレンタル車を利用する場
合の相対的割合は後車が多いとされているが、筆者はその実態には残念ながら詳しくない
こちらはドイツのMAN車。側面の表示〝WIRFAHRENDANNSCHONMALVOR〟は「私達はもう準備が出来ていま
す」位の意。荷室には貨物が搭載されていたが、それほど重量のある物ではなかったように観察した
背後の建物は傾斜しているように見え
るが、事実、目測だが約6°傾斜して
いる、この会場の名物建物だ。因み
に内部は正常な建物が組み込まれて
いる。右手の建物は国際会議場。
ここに映っているEVは3台共ロシア
のGAZ車だ
EV試乗の印象
 会場の東口を入ると、会談を降りた正面にEV試
乗車の溜まりが設けられていた。EV出展車についは
2018年11月号でも詳述したが、その中から7社
は試乗車を用意して来場者の市場希望に対応してい
た。来場者の関心は高く、9時の開門から市場受付
デスクには大勢の希望者が訪れ、10時前後には当
日分の予約が埋まる程の状況であった。取材記者も
例外無くこの順番待ちで試乗した訳で、筆者の場合
は前後2日で合計5台の試乗を行ったことになる。

TheTRUCK2019年1月号66
MANは定番大型車TGモデルにも
EVを設定して試乗車も準備した
新興のEVメーカー・Streetscooterストリートスクーター社に
よる同名車。確か4台の試乗車を準備して並々ならぬ力の
入れようだった
ロシアのGAZ車。当地の小口配送その他小型商用車で欠かせないバンにEVも設定して市場に供していた。荷室を犠牲にするバッテリー
格納スペースは何処?と探したら床下に格納されていた
MANのEV旗艦車。一般公開に先立つプレ
スカンファレンスで、屋内のステージにこの車
が自走で登場した時に、ああ、EVならではの
演出だなと思ったものだ。11月号でも紹介し
たが、この車はMAN車初のローエントリーキャ
ブ車で、これまでこの分野で独走していたメル
セデス・ベンツのEconicエコニック車に対抗
する
世界の商用車展研究世界の商用車展研究
                 
世界の商用車展研究
EV試乗の印象(続き)

TheTRUCK2019年1月号67
ダイムラーグループとしてFUSOブランドで
欧州で小トラの分野で確実に販売を伸ばし
ている車(日本ではCANTERキャンター)の
一角はEVがしめており、街中でもその姿を
見かけるようになってきた。試乗車には定積
相当の積荷が搭載されていた
TierOneティア1の一角を占める
BPW社は、市販車を改造してEV
コンポーネントの提案にも力を入れ
ている。屋内展示の模様は誌面
の都合で紹介できなかったが、試
乗車を準備していたことは先を見据
えて力が入っている証左だ
 試乗した印象として、①スイッチON操作でクリー
プ現象がプログラムされているか、②アクセルペダル
踏み込み操作時のストローク量の妥当性、③踏み込
み量に対する加速感、④アクセルペダル戻し操作時
の減速感、に意識を集中して心に留め、帰着してメ
モに残した。
 印象を要約すると、②の加速感はいずれの車もEV
らしいタイムラグの無い反応を示した。車を乗り換え
て最も特徴が分かり易いのは①と④の操作で、チュー
ニングの差が感じられた。これは②の機械的なセッティ
ングにも関係するが、定速走行(アクセルペダルは一
定の踏み込み位置で留めておく)から減速操作に移行
した時に、体感する減速度に強弱がある。この時に
走行エネルギーがバッテリーに回生されブレーキを踏
む必要のない、ドライバーの意思で留まりたい場所で
殆ど停止できるブレーキ効果が感じられれば、違和感
はないわけだ。この点については各車間で割合ハッキ
リした違いが感じられた。
 車の大きさ、重量によっても違いはあるが、総じて
チューニングの優劣によってバッテリーの容量を十二
分に発揮させ、航続距離が伸びる感触が味わえると
の印象を持った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 前後4回に亘って「第67回IAA商用車展2018」
を現地取材し写真を多用して紹介した。日本からこの
展示会を視察される人も回を追って増えているように
観察されるが、皆さん多忙な日程であれだけ多数の
出展品をくまなく見て回ることは容易ではなかったと思
う。このシリーズが少しでもお役に立てたとすれば筆
者の望外の喜びとするところです。(完)

TheTRUCK2019年1月号68
ラストワンマイル:ドローンや自動配送など戸口から戸口への
末端集配の夢の効率化が
求められて久しいが‥‥
◀内外の超大手物流会社の巨大自動荷捌き
ターミナル(左頁の絵)と街中の宅配営業所の
朝の小荷物配送積込風景(右頁の絵)
 巨大ターミナルでは全てが自動化された識別装置
で規格化された段ボール箱がベルトコンベや昇降機
で矢のように流れる。人は配置されているがほぼ無
人コントロールである。
 各業者はコスト削減、生産性向上、環境配慮で効
率化に汗を流している。一方”今”の街の物流営業
所では個人や一部法人向けの期日や時間指定の様々
な小荷物で溢れているバーコードでの識別で4S(整
理整頓等々)されているが未だ全ては人手とそのノウ
ハウで全自動化は永遠の課題となっている。人が全
てで大事である

TheTRUCK2019年1月号69
石野 潔
 営業所といえども全社的な物
流システムと作業マニュアルに
沿って活気に満ちた1日の集配作
業が始まる。最近では外国人材
も見られるが所長のリーダーシッ
プと車と荷物と人とのチームワー
クでお客様への品質の全てが決
まる。
街の中のとある営業所の日常の朝の混雑風景。
末端の集配業務を支える「人と、動くマテハン」
▲上の絵は日本の街に適した電動リアカーゴ
▲最後は人が走って戸口へ向かう。
(ドライバーは専用端末からスマホなどへ移行)
 欧州でも様々な末端集配車が活用され、最近では大手サプライヤー
や物流業者が様々な「動くマテハン」を工夫している(本誌12月号IAA
特集一部参考)
◀左の絵は独「DHL」が大学と考案した電動ペダル末端輸送車両
「Cubicycle」で現在はオランダで稼働中。小型バンに牽引された容量
1㎥の小型コンテナーを市内で小分けし「Cubicycle」に載せて集配す
る。スポーティーで格好良いが日本では大きすぎて且つ大げさ? しか
しこのスタイルこそが物流イメージの一新化では?

TheTRUCK2019年1月号70
IAA2018で見られた「未来の集配車」
 現実はともかく車両メーカーが考える未来の末端集配車をIAA2018の一部の出
展品から描いてみる。本誌12月号で既報の「Bosch」「VW」他のEV3輪カーゴが
出品され、いつもよりまして「LastMileDelivery」のフレーズや出展品が目に入った。
▶▶右の絵「RenaultEZ-PROConcept」▶▶
 ラストワンマイルへの使用を想定した自動運転EVの宅配用コンビネーション車両
群。無人運転ベースだがレベル4の有人運転も可能。また隊列走行で、戸口への移
動カーゴロッカー車もサービスできる。全自動4輪駆動EVプラットフォームで上記貨
物コンビネーションの他移動キッチンやオフィスなど多用途展開も可能。
▼▼下の絵「BenzVisionUrbaneticConcept」▼▼
 混雑した都市部の貨物と人の末端輸送を担う未来の全自動多用途EV。全自動の
EVプラットフォームをベースにボックスタイプのカーゴバンボデーと多様なシートアレ
ンジ可能な乗員輸送カプセルボデーに瞬時に交換できる。
 CASE(Connected,Autonomous,Shared,Electric)に基づいたモビリティー・
ハブ(基地)でその場で各種ボデーを載せ替えられる。(自動Or人力)

TheTRUCK2019年1月号71

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号80
中型/小型トラク架装用カーゴクレーン「Zest(ゼスト)EX」シリーズ
 ㈱タダノは、このたび中型/小型トラック
架装用カーゴクレーン(車両搭載型クレーン)
のモデルチェンジを行い、新モデルのカーゴク
レーン「Zest(ゼスト)EX」シリーズとして新た
に2018年12月13日に発売した。
 「Zest(ゼスト)シリーズは、高品質や操作
の快適性をコンセプトに、2008年1月に発
売されたカーゴクレーンである。ロングセラーモ
デルとして高い評価を得ており、今回さらに安
全性向上を結実させた「ZestEX」としてモデ
ルチェンジされたもの。
 2018年2月に告示された移動式クレーン
構造規格の改正により、吊り上げ荷重3トン
未満の移動式クレーンに、過負荷を防止する
ための装置の装備が義務づけられている。
 今回の「ZestEX」シリーズは、最新の「過負荷防止装置
(過負荷によるクレーンの破損・転倒などを未然に防止する
装置)を標準装備するともに、ヒューマンエラーを防止する
「卓越した安全性」、初心者から熟練者まで思い通りの操作
を実現する「洗練された操作性」、そしてワンランク上の性能
による「快適な操作性」をより高い次元で実現させている。な
お、過負荷防止装置には「停止仕様:定格荷重制限装置」、
「警報仕様:定格荷重指示装置」があり、同社では安全性
の高い停止仕様を標準装備としている。
「ZestEX」シリーズの主な特長
⑴「過負荷防止装置」を標準装備
 より高次元の安全を実現するため、クレーン作業を「強度」
「安定度」の両面から監視する最新システムの過負荷防止
装置を導入。各検出器からの信号によって、クレーンの作業
状態および吊り荷の重さを常に検出し、荷重が定格総荷重
に近づいたときは、予告警報を出して注意を促し、作動速度
を制限する。
 さらに、過負荷になったときは限界警報を発して、緩やかに
停止。その際、荷揺れ抑制により、吊り荷も静止させる先進
の機能が搭載されている。
⑵新7角形ブームを採用
 従来の5角形から7角形断面ブームへ進化。大型クレー
カーゴクレーン…タダノ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
最新の安全機能を搭載した新モデルの
中・小型用トラック搭載クレーン「ZestEX」発売
ンでも採用されている70㎏級高張力鋼板の一枚板構造ブー
ムで、横タワミにもすぐれ、高い剛性を誇る。
 さらに、アウリガ張出幅を拡張し、ブーム剛性向上との相
乗効果で、ZX364モデルで最大約35%、ZX294モデル
で最大約20%もの側方作業性能を向上させている。
⑶新タイプの集中コントロールパネルを採用
 上段には、実荷重や空車時定格荷重のデジタル表示機能
をビルトイン。さらに限界警告灯やアウリガ張出状態表示灯
も搭載。また、空車時定格総荷重表、作業半径揚程図も
表示し、下段には各機能スイッチ類を集約している。
 さらに、クレーン稼働時間と総稼働時間を表示し、メンテナ
ンス時期の目安となるアワメータ機能や、作動油の温度を常
にモニタングし、油温が上昇した場合、作動速度を落として
油温の上昇を抑制する油温上昇抑制装置も新装備している。
⑷大画面デジタル・カラーラジコン
 ラジコン仕様には2.7インチカラー大画面の新型ラジコンを
採用。実荷重、定格荷重、モーメト負荷率などの作業情
報を、常時手元で確認できる。明るい場所でもっきり見える
反射型のため、晴天時の屋外においても高い視認性を確保。
 さらに、吊り荷の荷重を加算または減算することにより、積
み荷の積載荷重を計算し表示する積載荷重表示や、ブーム
旋回や起伏操作の作動速度をオペレータの操作感覚で調整

TheTRUCK2019年1月号81
■「ZestEX」シリーズの主要諸元と価格
可能なフィーリング・オペレーション、作業状態に応じて旋回
速度をコントロールする周速制御など、多彩な操作サポート機
能を集約している。
⑸荷振れ抑制機能を新採用[ナビ仕様に搭載]
 クレーン作業時のブーム旋回起動時、または停止時の荷
振れを抑制。吊り荷の動きと、クレーンの動きがシンクロする
う自動制御し、安定したクレーン作業を実現。これにより作
業に不慣れな場合でも、安定した作業をサポートする。らに、
伸縮・起伏・ウインチの動作時には、ショクレス機能が働く。
 ZestEXは、中型トラック架装用のZX360/ZX300と、
小型トラック架装用のZX290/ZX260/ZX250がシリー
ズ化され、吊り上げ荷重は2.93t/2.63t/2.53t吊りが用
意されている。販売目標台数は、5機種合わせて年間6,000
台を予定している。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号82
スタイリッシュと実用性を併せ持った曲面タンクとホッパ
凍結防止剤を散布する極東開発の「湿塩散布車」
ディスプレイを採用した操作パネル
 極東開発工業㈱は、このたび路面凍結による冬季のスリッ
プ事故を防ぐための凍結防止剤を散布する「湿塩散布車」
開発し、2018年12月18日に発売した。
 湿塩散布車は、高速道路や自動車道等において降雪や
寒冷による路面凍結を防ぐため、塩化ナトリウムと溶液を混合
した凍結防止剤を散布する車両で、凍結に起因するスリップ
事故を予防するために重要な役割を担っている。
 今回同社が開発した新機種は、スタイッシュさと外面に
水や雪が溜まりにくい実用性を併せ持った独自の曲面タンク
や、防錆性と耐腐食性を考慮したストローク計内蔵シリンダ
およびステンレス製散布口のほか、操作パネルにディスプレ
イを採用し直感的な操作を可能にするなど、冬場の過酷な
現場作業においても使いやすさで支援する機能が搭載され
ている。
「湿塩散布車」の主な特長
⑴スタイリッシュさと実用性を併せ持った曲面タンク
 溶液を積載する本体側面の樹脂製タンクは、同社独自の
曲面タンク形状を採用。スタイリッシュな外観と、外面に水や
雪が溜まりにくい実用性を兼ね備えている。また、塩化ナトリ
ウムを積載するホッパ部は電着塗装(ED塗装)を行い、防錆
性を高めたほか、天蓋はキャブ内から電動開閉操作が可能と
なっている。
⑵ディスプレイを採用した操作パネル
 操作パネルにディスプレイを採用し、直感的な操作を可能と
した。すっきりした操作周りと実用性を両立させ、厳しい冬
季の現場における作業を支援する。
⑶耐腐食性を考慮したストローク計内蔵シリンダとステン
レス製散布口
 ストローク計内蔵シリンダのほか、凍結防止剤の散布口を
ステンレス製とし、耐腐食性を向上させている。
散布車…極東開発工業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
冬季のスリップ事故防止に威力を発揮する
凍結防止剤散布の「湿塩散布車」発売

TheTRUCK2019年1月号83
構内輸送に特化したモデルの「ボルボFMX」6×4リジッド構内輸送に特化したモデルの「ボルボFMX」8×4リジッ
建設現場等で多用されている構内車専用モデルの「ボルボFMX」ジッ
 ボルボ・トラックは構内輸送に特化した
モデル「ボルボFMX」の6×4、8×4リ
ジッドの販売を開始した。ボルボFMXは、
海外では建設現場で多用されるモデルと
て、すでに多くの車両が活躍している。パ
ワフル・省燃費・クリーンな「D13K」エンジ
ンと、国内で高く評価されているオートマチッ
トランスミッショ「Iーシフト」を標準仕様
にすることで、マニュアルトランスミショ
の煩雑なシフトチェンジの必要がななり、
ドライバーの疲労軽減を実現する。
 ボルボFMXが唱える“Anewstandard
inconstruction.(建設用車両の新基準)
は、ボルボ・トラックの永年にわたる知識
や経験を建設現場での使用環境に向けて
ゼロから開発したボルボ・トラックの新たな
提案を意味している。また、ボルボ・トラッ
クは設立当初からドライバーを中心にした設計思想を掲げてお
り、職場環境を良好に保つことで、安全な輸送品質を提供
できると考えている。「ボルボFMX」リジッドは、日本の構内輸
送ビジネスに新たな提案を行う車両である。
 ボルボトラック・セールスの関原紀男バイスプレジデントは、
「今回初めて日本でご紹介するボルボ・トラックFMXで、居
住性、安全性、操作性の優位を訴求し、構内車両であって
もボルボ・トラックのプレミアム・セグメトをユーザーに提案し
構内モデル…ボルボ・トラック
話題のニュートラック新製品情報・新情報
構内車専用モデルの「ボルボFMX」を発売
Iーシフト搭載により2ペダルだけでの走行を実現
ていきたい」と語っている。
 なお、ボルボFMXは、全国のボルボ・トラック正規ディーラー
とUDトラックスの各販売会社で扱うことになっている。
「ボルボFMX」リジッドの特長
460hpのEURO6エンジンを導入。高トルクのエンジンが、
構内の重量物輸送でもストレスなく軽快な走行を実現。
オートマチットランスミッショ「Iーシフト」は、アクセルとブレー
キの2ペダルだけで走行が可能。許容トルクは100トンま

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号84
フルモデルチェンジされた日産の高規格準拠救急車「パラメディク」
ベース車種に「NV350キャラバン」スーパーロング
が採用されている
■諸元表(標準的な架装をした状態での参考値)
 日産自動車㈱は2018年11月26日、高規格準拠救急
「パラメディック」をフルモデルチェンジした。今回発表した
モデルは、全国の消防本部・救急指定病院に納車されるこ
とになる。
 日産の「パラメディック」は、傷病者の救急活動をサポー
し、搬送途中での高度な応急措置を可能とするためのゆと
の室内空間と機能的なレイアウトを兼ね備えた高規格準拠救
であり、厳しい条件下でもスムーズな走行を実現。
・世界トップクラスの技術を備えた「ボルボFMX」の車両性能
に加え、国内の充実したサービスネットワークと豊富なパー
ツ在庫でユーザーの稼働率向上に寄与。
■ボルボ・トラックについて
 ボルボ・トラックは、中〜高負荷業務向けの幅広いトラッ
を取りそろえ、ユーザーの高度なニーズに応える総合的な輸
送ソリューションを提供している。カスタマー・サポート体制に
ついては、2,000のディーラーとワークショップによって120
以上の国々を網羅する世界的ネットワークを展開している。
ボルボ・トラックの車両製造拠点は15ヶ国にあり、年間
102,800台(2016年実績)あまりの車両を世界各地で販売
している。ボルボ・トラックが属しているボルボ・グループは、
トラック、バス、建設機材、海洋および工業用駆動システム
を手がける世界一流のメーカーであり、金融およびサービスに
関するソリューションも提供している。ボルボの活動は、品質、
安全性、環境への配慮という3つの企業理念に基づいて行
われている。
救急車…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
高規格準拠救急車「パラメディック」
ハイルーフでのゆとり室内などフルモデルチェンジ
急車である。
 今回のフルモデルチェンジでは、新たに「NV350キャラバ
ン」スーパーロング、ワイドボディをベースに高規格準拠救急
車専用に開発されている。超ハイルーフにより実現したゆと
の室内空間に加え、優れた車両取り回し性能による運転の
しやすさにより、迅速な救命救急活動に最適な環境を提供
する。エクステリアは、ヘッドランプとリアコンビランプをLED
化すると共に、周りを走る一般車両からも一目で救急車と分
かるように、前方だけなく、両サイド・後方からもLED主警
光灯がはっきりと見えるデザインとしている。
 また、狭い
道路や駐車
時など、ドライ
バーが目視し
にくいクルマ
の周囲の状況
確認をサポー
する“アラウン

TheTRUCK2019年1月号85
冬季運転を快適にするクイックヒーター
パックが採用された
■「パラメディック」の主要諸元と価格
幅広いニーズに対応できる使い勝手に優れる「NV200バネトバン」
ドビューモニター ”をオプション設定している。
「パラメディック」の主な特長
⑴救命救急活動がしやすい広々とした患者室
・通路幅を400㎜以上確保することで、救急隊員3名が乗
車してもスムーズに患者室内の移動が可能。
室内の空気を浄化する「プラズマクラスター」搭載。ヤクーラー
リヤヒーターや、汚れた時に消毒用アルコールで拭き取りが可
能な防水シートなを採用し、衛生面にも配慮した患者室。
・付添人は3名まで同乗可能。
⑵使いやすい資器材配置
・患者室内に観察モニター、除細動器、輸液ポンプ、人工
呼吸器、電動吸引器など、各種医療資器材を機能的に配
置することができ、より迅速な救命救急活動をサポート。
・右側スライドアを設け、各種収納庫を設置。車外から容易に
アクセス可能な収納量を増大するとともに、重量物である酸素
ボンベを配置するこで、交換時の作業性を大幅に向上。
⑶優れた車両取り回し性能
・最少回転半径6.0mにより、狭い道路でも高い機動性を
発揮。
 日産自動車㈱は2018年12月10日、「NV200バネット
バン」の仕様を一部変更し全国一斉に発売した。
 「NV200バネットバン」は、ビジネスシーンのみならず、デ
リーユースやレジャーユースまで幅広いニーズに対応できる
使い勝手に優れた商用車である。
 今回の一部仕様変更では、冬季の運転を快適にする「ク
イックヒーターパック(運転席シートヒーター、PTC素子ヒー
ター)をメーカーオプションで新たに設定。運転席シートヒー
ターにより、シートの座面と背面からドライバーを直接温める。
加えて、エアコン内に追加設置した電熱線補助ヒーター(PTC
素子ヒーター)により、エンジンの暖機を待つことなく、車内の
空気を素早く暖めることも可能だ。
 なお、クイクヒーターパックの希望小売価格は54,000円
(消費税込み)からで、グレードによっては他オプションとのセッ
トオプションとなる。
 積載性に優れるNV200バネット
バンは、シンプルなサスペンション構
造と1,220㎜の広いリヤホイールハ
ウス間寸法により床面をワイドに使
え、520㎜の低い床面地上高により
容易な荷物の積み卸しと乗り降りの
負担軽減も実現させている。さらに、
低床設計を追求した井桁構造の荷
室フロアは、重い荷物もよりスムース
に積むことが可能となっている。
仕様変更…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
冬季運転を快適にするクイックヒーターパック採用
「NV200バネットバン」の仕様を一部変更

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号86
昼間の歩行者検知機能追加で安全性能を向上させた「ファリアバン」「ファリアバン」には衝突回避支援パッケージが搭載されている
重い荷物や長物積載にも対応できるスペースを実現させている
 マツダ㈱は、使い勝手の良い室内空間・荷室や、優れた
環境・安全性能を兼ね備えた「マツダファリアバン」を一部
改良し、全国のマツダ販売店を通じて、2018年12月18
日に発売した。
 今回の一部改良では、衝突被害の軽減を図る「プリクラッ
シュセーフティシステム」に、昼間の歩行者検知機能を追加
することで、安全性能を向上させたほか、運転席周りの収納
スペース(マルチホルダー)を大型化するとともに、盗難防止
用のイモビライザーや充電用USB端子を標準装備することに
より、商用車としての実用性をさらに高めている。
 安全機能の「プリクラッシュセーフティシステム」(歩行者
[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/レーザーレーダー+
 また、コンパクトに折りたためるセカンドシートにより、長物
積載にも対応できるスペースを実現。広い荷室をらに広く使
単眼カメラ方式)は、前方の車両や歩行者をレーザーレーダー
と単眼カメラで検出し、警報ブザーとディスプレイ表示で衝突
の可能性を知らせる衝突回避支援システムである。警告によ
りブレーキを踏んだ場合はプリクラッシュブレーキアシストが、ブ
レーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキが作動し、
衝突回避または被害軽減をサポートする。たとえば、プリクラッ
シュブレーキにより歩行者との速度差が20㎞/hなら約20
㎞/h減速、停止車両に対し自車の速度が30㎞/hなら
約30㎞/h減速し、衝突回避または被害軽減をサポートす
ることになる。
 衝突回避支援パッケージとして、「プリクラッシュセーフティ
システム」のほか、車線逸脱の可能性がある場合にブザーと
ディスプレイ表示で警報する「レーンディパーチャーアラート」
ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイ
うための「空間効率」思想により、1間サイズの合板が床上
に積み込める設計となっている。
一部改良…マツダ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
マツダ「ファミリアバン」を改良
昼間の歩行者検知機能追加で安全性能を向上

TheTRUCK2019年1月号87
使い勝手に優れる「ファリアバン」の運転席
荷室スペースは荷物を置
きやすい低くフラットな床
面とホイールの張り出しを
抑えたパッケージとなって
いる
ビーム」の3つの機能がファミリアバンに搭載されている。
 また、働く人の頼れるパートナーを目指すファリアバンは、
快適な積み降ろしを実現する箱型荷室が採用されている。
 使い勝手を考慮した荷室スペースは、荷物を置きやすい低
フラットな床面とホイールの張り出しを抑えたパッケージをはじ
め、雨天時の積荷作業やドア開閉のしやすさに配慮したリア
ゲート、箱ものを横積みする際に便利なスクエア型の荷室開
口部などが採用されている。また、広大なスペースを誇る荷
室は、A4コピー用紙箱やみかん箱はもちろん、パネルや長
尺物などにも対応し、単なるデリバリーツールにとどまらない幅
広い用途へのエントリーを可能にしている。積載重量は、2
名乗車時で400㎏、5名乗車時で250㎏を確保している。
 なお、メーカー希望小売価格(消費税込)はDX・2WDの
1,593,000円からGX・4WDの1,872,720円まで。
「ファミリアバン」一部改良の概要
・衝突被害軽減ブレーキの「プリクラッシュセーフティシステム」
に昼間の歩行者検知機能を追加(全車)
・マルチホルダーを大型化[最大幅93.9㎜×奥行き26.0㎜]
(全車)
・充電用USB端子(1口)を標準装備(全車)
・イモビライザーを標準装備(全車)
・助手席シートベルトウォーニングを標準装備(全車)
 TOYOTAは、軽商用車「ピクシスバン」を一部改良し、
全国のトヨタカローラ店、ネッツ店、および軽自動車市場比
率の高い地域で取扱希望のあった一部のトヨタ店、トヨペッ
店を通じて、2018年12月10日に発売した。
 今回の一部改良では、マニュアルトランスミッション(MT)
車に、歩行者も検知対象とする衝突回避支援ブレーキ機能
や、ハイビーム・ロービームを自動で切替え、夜間の前方視
界確保をサポートするオートハイビームなどを搭載した、先進の
衝突回避支援システムスマートアシストⅢを新たに設定した。
 また、左右後方の障害物を検知して警告音で知らせする
ヤコーナーセンサーや、走行中に強くブレーキを踏んだ場合、
ブレーキランプ点灯と同時にハザードランプが点滅するエマー
軽商用車改良…TOYOTA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
歩行者も検知する衝突回避支援システムの搭載など
TOYOTAピクシスバンを一部改良

The TRUCK News
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TheTRUCK2019年1月号88
歩行者も検知する衝突回避支援システムを搭載した軽商用車の「ピクシスバン」ワイドな開口のバッドアは大きな荷物の積み卸しも容易に行える
タイでの受注が4,000台を超えた新型ピックアットラクのトライトン/L200」
 三菱自動車工業㈱のタイにおける生産・販売会社ミツビシ
モーターズ・タイランド(MMTh)は2018年12月13日、タ
イで11月 17日に発売したばかりの1トンピックアップトラッ
新型トライトン」のタイでの受注が4,000台を超えたと発表し
た。タイでの小売価格は65.4万バーツからとなっている。
 今年、生誕40周年を迎え、11月9日にタイ・バンコクで
世界初披露された1トンピックアットラクの新型トライトン」
(欧州などでは「L200」は、MMTh社のレムチャバン工場で
ピックアップ…三菱自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
新型「トライトン」のタイでの受注が4千台突破
タイで生産し世界約150ヶ国に順次展開
生産され、タイをはじめとするアセアン、オセアニア、中東、
欧州、アフリカ、中南米などに順次投入し、最終的には約
150ヶ国で販売する計画の世界戦略車である。ちなみに、
今年度のトライトン/L200」の販売は、新型モデルと現行
モデルとの合計で約18万台を計画している。昨年度のグロー
バルでの販売台数では、三菱自動車の商品ラインアップにお
いて「アウトランダー」に次ぐ約16万台の実績を誇っている。
 タイでの世界初披露に先立ち三菱自動車の益子修CEOは
「三菱自動車にとって『トラ
トン』『L200』は極めて
重要な世界戦略車のひとつ
であり、当社の持続的成長
には今回投入する車の成功
が不可欠です。今回の改
良では、初代から40年間
で培った耐久性、信頼性及
ジェンシーストップシグナルなどの安全装備も充実させている。
 ピクシスバンは、荷物が満載でもパワフルな加速性能を発
揮するツインカムDVVT3気筒12バルブエンジンを搭載。
スペシャルクリーンバージョン“SAⅢ”、スペシャルクリーンバー
ジョンは、環境にやさしいクリーンエンジンを搭載しており、低
排出ガス車(平成17年排出ガス基準75%低減)、平成27
年度燃費基準+15%達成車(2WD)、平成27年度燃費
基準+10%達成車(4WD)を達成している。
 また、積載効率にも優れるピクシスバンは、低床フロアで
スクエア形状の荷室は空間の隅々までを効率よく使うことが可
能で、ワイドな開口のバッドアと左右のスライドアにより三
方向からの積み降ろしが可能なため、大きな物や長尺物の積
み卸しも容易に行える。
 なお、メーカー希望小売価格(消費税込み)は、スペシャル
ハイルーフ5MT・2WD(FR)で934,200円、クルーズター
ボ“SAⅢ”4AT・4WDで1,495,800円となっている。

TheTRUCK2019年1月号89
タイで開催された自動車ショーに出展されたトライトン/L200」運転のし易さが魅力のトライトン/L200」
び快適性にさらに磨きをかけるともに、デザインを力強く堅牢
なものに一新しました。新型トライトンは世界中のお客様の多
様なご要望にお応えできると確信しています」と述べている。
 新型トライトン」は、「究極のスポーツ・ユーティリティ・ト
ラック」というコンセプトと歴代モデルでの開発思想である
“EngineeredBeyondTough”のもと、新世代の“ダイナミッ
クシールド”フロントデザインコンセプトを採用した力強いデザ
ン、オフロードでの走破性を向上させた4WDシステム、先
進の予防安全・運転支援技術の採用など、大幅に商品力を
高め、ビジネスユースにおける耐久性・信頼性に加え、プラ
イベートユースにおける快適性や乗り心地にいっそうの磨きが
かけられている。
■新型「トライトン」の主な特長
⑴“EngineeredBeyondTough”を体現する力強
いデザイン
・フロントビュー…フロントフェイスは新世代の「ダイナミクシー
ド」デザインコンセプトを採用。 高いボンネットフードで厚みを
持たせランプ類を高い位置に配置したことで、力強く堂々と
たフロントフェイスに一新。
サイド&リヤビュー…サイドのボディからつながる艶やかなボディ
曲面と、ホイールフレアのシャープなラインとフラットな面のコン
トラストにより、三菱らしいトラックの力強さとモダンさを表現。
また、ボディサイド全体の厚みを増やし、安定感を加えている。
・インテリア…インパネ全体のウイング形状を継承しつつ、セ
ンターパネルはソリドかつクリーンな造形のフレームで操作パ
ネルとアウトレットを囲み、モダンさと剛性感を表現。フロアコ
ンソール、アームレスト、パーキングブレーキなど人が触れる
部分には、ソフトパッドとステッチを入れて心地よい上質な空
間とした。
⑵悪路での走破性をいっそう高めた4WDシステム
・4WDシステムに「オフロードモード」を採用…スーパーセレク
ト4WD-II搭載車、イージーセレクト4WD搭載車ともに、新
たにオフロードモードを採用。GRAVEL(未舗装路)、MUD
/SNOW(泥道
/新雪)、SAND
(砂地)、ROCK
(岩場)の4モー
ドが設定可能。
オフロードモードで
は、エンジン、トラ
ンスミッション、ブ
レーキを統合制御
することでタイヤの
スリップ量をコントロールし、悪路での走破性・脱出性を最大
限に高める。
・ヒルディセントコントロールを採用…急な坂道や滑りやすい路
面を下る際、電子制御により低車速に抑えて安心・安全に
走行することができるヒルディセントコントロールを採用。
⑶安心・安全を提供する先進の予防安全・運転支援技術
 耐久性・信頼性に優れるラダーフレームと高い衝突安全性
を誇るキャビンを踏襲しながら、1トンピックアップトラックのセ
グメトをリードする先進の予防安全・運転支援技術を採用し
ている。
①前方車両だけでなく歩行者の検知も可能とした衝突被害
軽減ブレーキシステム[FCM]、ドアミラー表 示や警 告音で
車線変更時に起こりやすい接触事故を回避する後側方車
両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW
/LCA]、同じく後退時に起こりやすい接触事故を回避す
る後退時車両検知警報システム[RCTA]、駐車場などでの
発進時の誤操作を防止する誤発進抑制機能(前進&後退時)
[UMS]など、全方位の予防安全機能により、安心・安全
を提供。
②自車の周囲を俯瞰した映像表示により安心して入庫できる
マルチアラウンドモニターやパーキングセンサーなど、便利な
運転支援機能も採用。
⑷ピックアップトラックに求められる性能・機能
 “EngineeredBeyondTough”の開発思想により、ビジネ
スユースにおける耐久性・信頼性とプライベートユースにおけ
る快適性と乗り心地を高めるべく、細部にわたる改良が施さ
れている。
①フロントブレーキのディスクとキャリパーピストンを大型化した
ことで、制動性能とフィーリングを向上。
②リヤサスペンションのダンパーを大型化し、オイル流量をアッ
プしたことで、乗り心地を向上。
③オートマチットランスミションは5速から6速に変更する
ことで、より滑らかで力強い加速性能とし、静粛性も向上。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号90
レベル4自動運転のUDトラクスの大型トラクUDトラクス本社テストコースで公開されたレベル4の自動運転のデモ
 UDトラックス㈱は2018年12月12日、本社敷地内
UDエクスペリエンスセンターで、大型トラックによるレベル4
の自動運転デモンストレーションを、ビジネスパートナーと報道
関係者に初公開した。本デモは、5段階の自動運転レベル
におけるレベル4(特定条件下における完全自動運転)走行
で、港湾内、工場構内、物流施設、建設現場などの限定
領域を想定して実施された。こした領域で大型トラックが自
動運転走行することで、効率、安全性、生産性を高めること
が期待されている。
 デモンストレーションでは、GPS(全地球測位システム)
レーダー、LiDAR(ライダー)、車載カメラ・ソフトウェアなど
の自動運転技術を駆使し、大型自動運転車両が発進、停
止、Uターン、旋回、バック走行などを高精度で行った。大
トラックの運転には、様々な走行環境の中で、重い荷物
を積んだ状態で安定走行するため、より精密な車速制御や
ステアリング技術などの高度な車両制御が必要とされる。UD
トラックスは大型トラック「クオン」に搭載されている電子制御
トランスミショ「エスコット・シックス(ESCOT-Ⅵ)やグ
ループで実証されているステアリングシステムを駆使し、安定
走行を可能にしている。
 またUDトラックスは現在、経済産業省および国土交通省
が実施している高速道路でのトラック隊列走行プロジェクトに
参画しており、車車間通信や車線維持支援システムなどの必
要な技術において、安全性や精度をらに高める開発を実施
している。
 レベル4自動運転の実現は、ドライバーがすべての運転要
素を車両に任せられる完全自動運転(レベル5)に向けた重要
自動運転デモ…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
大型トラックのレベル4自動運転デモを公開
コネクティビティとスマートロジスティクスに貢献
なステップである。UDトラクスはボルボ・グループとして、グ
ループが世界で実施している実証実験から得られた豊富なノ
ハウを活用し、ユーザーニーズに応じて、自動化技術の開発
を行っている。また、物流業界はもちろん、様々な企業との
実証運行や共同開発を通じウハウの蓄積を行っている。
 UDトラックスのダグラス・ナカノ開発部門統括責任者は、
今回の大型トラックによるレベル4のライブデモ実施に際し、
「この度、日本で初めて一般公開できたことは、2020年の
自動運転トラック実用化に向けた大きな一歩になります。昨
年発売した大型トラッ『クオン』は高度な車両制御システムを
採用しており、高精度な自動化を実現するための技術的な土
台となっています。UDトラックスはこの新型車両をベースに
自動運転精度をらに高め、私たちのビジョンである時世が求
める商品・サービスをお客様に提供していきます。本日の公
開デモがビジネスパートナーとの話し合いの場につながり、物
流業界やサプライチェーン、社会に貢献していきたいと思いま
す」と述べた。
 UDトラックスは2018年4月、次世代技術ロードマップ
「Fujin&Raijin(風神雷神)-ビジョン2030」を発表。自動
化の取り組みをロードマップの柱のひととして位置づけ、モノを
動かす力を象徴する「風神」をプロジェト名に開発を行ってい
る。ロードマップは、物流業界が世界中で直面している排出
ガス、電子商取引の増大、ドライバー不足などの課題の解
決に貢献することを目指している。
 自動運転に加えもうひとつの柱である電動化を推進するの
は、デジタル化をベースとしたコネクティビティ技術である。
UDトラックスは2006年から開始した同技術により、国内お

TheTRUCK2019年1月号91
左から、UDトラクスのサティシュラジュクマールIT部門統括責任者、ボルボ
グループのヘンリック・フェルンストランド自動運転車両開発部門責任者、UDトラ
クスのダグラス・ナカノ開発部門統括責任者
三菱ふそうのトラク隊列走行実験車両
よび一部海外で走行する約5万台のUD車両がつながって
おり、2025年までには15万台にまで増やすことを目指して
いる。ユーザーの運行状況から収集したデータを解析すること
で、車両の稼働率向上、運行管理、品質や技術革新に役
立てることになる。
 UDトラックスはボルボ・グループ全体で80万台にもおよ
ぶつながる車両を通じて得られたデータを活用し、自動運転
技術やコネクティビティ技術の向上を通じて、物流の効率化
に貢献していくことになる。UDトラックスのサティシュラジュ
クマールIT部門統括責任者は、「世界中でつながるボルボ・
グループの車両から得られるデータは私たちの財産です。こ
れを活用し、お客様へのサービス向上、スマートロジスティ
(物流の効率化)、そして社会の発展に貢献していきたいと
思います」と語った。
 UDトラックスは現在、大型の自動運転トラックと電動トラッ
クのプロトタイプの開発を進めており、2019年の東京モーター
ショーへ向けてビジネスパートナーと実証運行を実施する計画
である。また、2020年までには特定用途での実用化を行い、
2030年までに完全自動運転トラックと大型フル電動トラック
の量産化を目指すとしている。
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、2018年12月
4日より新東名高速道路の浜松サービスエリアから遠州森町
パーキングエリア間でのトラック隊列走行の後続車有人システ
ム実証実験に参加している。
 MFTBCは、2018年1月〜2月に実施された新東名高
速および北関東自動車道の実証実験、さらに2018年11
月実施の上信越道での実証実験に引き続き、12月4日に開
始する新東名高速道路での実証実験に参加。今回の実証
実験はCACC(CooperativeAdaptiveCruiseControl)
加えて、新たな技術としてLKA(LaneKeepAssist)を活用す
るこを目的としている。
 今回LKAシステムの導入により、ドライバーは前後方向の
制御のみならず、左右方向での車線維持サポートにより、運
転時の負担を大幅に軽減することで安全性向上が期待できる。
 MFTBCは2019年末までに、大型トラッ「スーパーグレー
ト」にLKAを追加した新機能「アクティブ・ドライブ・アシスト」
(ADA)を搭載した「レベル2」の高度運転支援機能を導入し
発売する。この車両にはADAを始め、進化した衝突被害
軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5」(ABA5)を搭
載することで、さらに安全性が向上する。
実証実験…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
CACCとLKA技術を活用したトラック隊列走行の
後続車有人システム実証実験に参加
 これらの機能は独ダイムラー社と共同開発した最新技術を
活用した新機能で、9月に開催された国際商用車ショー(IAA)
で受注を開始したメルセデス・ベンツブランドの大型トラッ「ア
トロス」に搭載する技術を共用している。
 なお、CACC(CooperativeAdaptiveCruiseControl)
は、協調型車間距離維持支援システムで、通信により先行
車の制御情報を受信し、加減速を自動で行い、車間距離を
一定に保つ機能である。また、LKA(LaneKeepAssist)は、
車線維持支援システムで、白線を検知して車線内での走行を
維持できるようステアリングを調整する機能となる。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号92
市場ニーズを満たすトラクとして投入された大型トラック「FJ2528C」
2018年に発表された中型トラック「FJ」
フィピンで販売されているFUSOブランドのトラク・バス(双日ふそフィピンのHPより)
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、フィピンにおけ
るFUSO製品の販売総代理店として、三菱自動車フィリピ
ン社(MMPC)に替わり、双日ふそフィピン社(SFP/本社:
モンティンルパ市、似内隆継社長)と現地代理店契約を締結
した。双日㈱(本社:東京都千代田区、藤本昌義社長)
下で新たに設立されたSFPは、2019年第1・四半期に営
業を開始する。
 2018年10月26日にマニラで調印式を執り行い、双日
からは畑田秀夫自動車第三部部長、SFPからは似内隆継
社長兼CEO、FUSO製品のフィリピン市 場を統 括するダイ
ムラー・コマーシャル・ビークルズ・東南アジア社(DCVSEA)
からはトーマス・ヒルゼCEOが出席した。
 トーマス・ヒルゼCEOは、「フィリピンはFUSO販売の主
要地域であり、最も急成長している市場の1つです。この
非常に重要な市場において、長年にわたりFUSO製品の
販売に尽力してくれたMMPCに感謝の意を表するとともに、
更なる事業強化に向け、FUSO
に特化した販売・サービスを
行なうことに
なった、現
地パートナー
であるSFP
との提携を
誇りに思います。この新たな戦略的体制の下、
FUSOの高い製品力と充実したサービスをお届け
していきます」と述べた。
 フィリピンとFUSOの歴史は、1969年より始
り、現在では、小型、中型および大型トラッ
ならびに小型バスを完成車として販売している。
 同市場は、高速道路、空港拡大および治
水事業といったインフラ事業への公的投資で、
大型トラックの需要が増しており、2018年に
発表した中型トラック「FJ1823」と大型トラック
「FJ2528C」は、これからの市場ニーズを満たす
トラックとして同国のユーザーに提供されることに
なる。
 今回の締結では、MMPC、双日とMFTBC
の間の相互契約により、FUSO事業の円滑な継続を保証
していくことに合意した。販売ネットワーク網については、
MMPCの下で築き上げた既存ネットワークをSFPに移管す
ることになる。現地の販売サービス網のさらなる強化に向け、
FUSOを専門に扱う販売店をマニラ首都圏北部地区のダイ
アモンド・モーターズ社(2016年12月設立)に、カヴィデ州
カウィトのベスト・サザン・ジェネシス・モーターズ社(2018
年9月設立)とパンパンガ州のカーワールド社(2018年10
月設立)の2社が新たに加わった。さらに、MFTBCは今後
数年にわたり、フィピン全土の戦略的地点においてFUSO
製品に特化した販売店を増やすことを目指している。
 商用車を専門とする現地の販売代理店に業務を移管する
動きは、各事業部門がそれぞれの顧客ニーズに集中するため
のダイムラーの世界戦略の一環である。加えて、2016年以
降、ダイムラーは世界の主要地域にリージョナル・センターを
設立し、現地市場と商用車部門におけるユーザーとの関係を
強化している。
代理店契約…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
フィリピンでのFUSO販売代理店契約を
現地販売網強化に向け双日ふそうフィリピンと締結

TheTRUCK2019年1月号93
ブリヂストンのトラク・バス用ラジアルタイヤ(参考写真)
三菱ふそう-SC01-サービス部門優勝の神奈川ふそチーム
(左から齋藤慎也さん、高橋純さん、重本健太さん)
三菱ふそう-SC02-パーツ部門優勝のSC南関東
甲信〈2〉の園田孝一さん
三菱ふそう-SC03-新車営業部門優勝の太平興
業の佐藤誠さん
 ㈱ブリヂストンの米国子会社であるブリヂストン アメカス・
インクは、 米国テネシー州のウォーレン工場を拡張し、トラッ
ク・バス用ラジアルタイヤ(TBR)の生産能力を増強すると発
表した。今後3年間で総額4,000万ドル(約45億円)の投
資を行い、2020年末までには生産能力を現在の日産9,125
本から9,400本へ拡大する予定となっている。
 増強の目的は、北米で伸長するTBRの需要に対応すると
もに、ユーザーニーズに迅速に応えることにあり、BSグルー
プとして、需要動向に迅速かつ柔軟に対応し、高品質で競
争優位性のある製品をタイムリーに供給する体制を構築するこ
とにある。
■ウォーレン工場概要
所在地:テネシー州ウォーレン郡
工場長:TamaraMartensen(タマラ・マーテンセン)
設立年:1990年
敷地面積:約177,000㎡
従業員数:約1,000名(2018年6月現在)
生産能力:日産9,125本
生産品目:トラック・バス用ラジアルタイヤ
生産増強…ブリヂストン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
北米で伸長する需要に対応するため
トラック・バス用ラジアルタイヤの生産を増強
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、2018年11月
16日から2日間にわたり、同社喜連川研究所(栃木県さくら
市)で「2018年度カスタマーサービスコンテスト」を開催した。
 カスタマーサービスコンテストは、「ユーザー満足度の向上」
を目指すべく、サービス、パーツ、新車営業スタッフのスキルアッ
プとモチベーションアップを促し、ユーザーに「安心」を提供で
きる「サービス」「整備力」および「提案力」の向上に繋げる
ことを目的としている。
 全国の三菱ふそう販売会社および三菱ふそう地域販売部
門から選抜した、「サービス部門」競技は20チーム(1チーム:
フロントスタフ1名、メカニック2名)「パーツ部門」競技は
部品営業20名、「新車営業部門」競技では新車営業20名
が競技に挑んだ。
 部門連携での競技課題は、ユーザーの会社へ訪問した新
車営業スタッフが社長より小型トラック事故車両の部品発注
と、中型トラックの取り扱いについての問合わせを受け、会
社にいるパーツスタッフやフロントスタッフと電話連絡を通して
連携をはかることを狙いとした。部品部門とは車両情報をもと
コンテスト…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ユーザーの満足度向上を目指した
カスタマーサービスコンテストを開催

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号94
現場チャレンジ参加者の集合写真現場チャレンジ会場の様子
に、部品を検索し価格の見積もりを提示できるか、サービス
部門とはドライバーからの情報をもとに、正しい取り扱い方法
を回答するともに実車確認のための入庫を促すことができる
かが得点の鍵となる。
 各部門への個別の課題は、新車営業部門にはユーザーの
大型トラックの車両代替の提案、部品部門にはユーザーの安
全運転に寄与できる部品の提案、サービス部門には小型トラッ
ク2018年型キャンターのトラブルシューティングを実施した。
 競技の結果、各賞の優勝者は、「サービス部門」神奈川
ふそうのフロント高橋純さん、メカニック重本健太と齋藤慎
也さん、「パーツ部門」SC南関東・甲信〈2〉の園田孝一さ
ん、「新車営業部門」太平興業の佐藤誠さん、「チーム対抗
戦」SC東海・北陸〈2〉「会社対抗戦」神奈川ふそう、と
なった。
 UDトラックス㈱は2018年11月6日、上尾本社で「UD
現場チャレンジワールドファイナル」を開催した。UDトラックス
がビジネスを展開する世界各地を代表する12チームが参加
し、香港のチーム「スワイヤー・シナジー」が優勝を勝ち取っ
た。現場チャレンジの参加者は回を追うごとに増えおり、今
年は、日本、南アフリカ、香港、台湾、タイ、インドネシア、
マレーシア、中東、南アフリカから、これまでで最多の347チー
ム、約1,300名が参加し、ワールドファイナルには12 チー
ムが残った。
 UDトラクスでは日々多くのメカニックがトラクの稼働を支え
ているが、その数は日本においても海外においても不足してい
る。UDトラックスはメカニックの仕事の魅力をより多くの人に
知ってもらうため、2年に1度「現場チャレンジ」を開催している。
 UDトラックスの丸山浩二専務執行役員、国内営業部
門統括は、「私達のビジネスにおけるヒーローであるメカニッ
を主役にしたコンテストの開催は、メカニックの魅力を広める
とともに、メカニックの育 成を目的にしています。当 社はメカ
ニックの育成に全力を挙げています。今後もメカニック希望
者にとって魅力ある職場の実現に貢献していきます」と語っ
ている。
 UDトラックス独自のイベントである現場チャレンジは、大会
整備技能…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
UDトラックス現場チャレンジを通じて
メカニックの仕事の魅力を多くの人へ発信
の結果が全てではなく、2年に1度、世界中で働くメカニッ
を対象にサービスコンテストを開催する理由として「物流は社
会の生命線」「メカニック不足は世界共通の課題」などを挙げ
ている。
■物流は社会の生命線
 物流は社会の生命線であり、日々多くのトラックが、人々の
生活に欠かせない様々な商品を運んでいる。それらの物の流
れを支えているのが、プロとして高い技術を持つメカニックであ
る。誇りと情熱をもったメカニック達の働きが、効率的でスマー
トな物流という社会の要求に応えるこを可能にしている。
 UDトラックスのピエール・ジャン・ヴェルジュ・サラモン海
外販売SVPは、「私達の身の回りのほとんど全ての物が、私
達の手元に届くまでの間に一度はトラックで運ばれています。
ういう意味でも、メカニックは社会システムが機能する上で
極めて重要な役割を果たしています」と話す。
 また、UDトラックスのジャック・ミシェルSVPは、「今年の
現場チャレンジのテーマ『君たちこそがヒーローだ』は、UDト
ラックスのビジネスで最も重要な業務に携わる現場従業員に
光を当てています」と語っている。
■メカニック不足は世界共通の課題
 現在、日本だけでなく海外でもメカニック不足が深刻化して

TheTRUCK2019年1月号95
現場チャレンジの競技中の様子
サニックス仙台の工場
いる。日本では10万ヶ所近くある整備工場の約半分で人
手不足が生じていると言われている。また、全国でおよそ40
万人のメカニック有資格者の平均年齢は44歳となっている
ため、若い世代のメカニック希望者の増加を後押しすることが
重要である。イドネシア、オーストラリア、南アフリカ、シン
ガポール、その他世界中のUDトラックスのマーケットでも状
況は同じで、メカニック不足を社会全体で解決すべき課題と
捉え、現場チャレンジを通じてメカニックという仕事の認知度
や魅力の向上を目指している。
■世界のメカニックを対象にした外国人技能実習制度
 メカニックの専門 職を育 成するためにUDトラックスが取り
組んでいるもうひとつの活動が、2018年より開始した外国
人技能実習制度である。2018年は58名の実習生をフィリ
ピンとインドから受け入れ、今後3〜5年の間に、UDトラッ
クスでメカニックとして技術の基盤を築き、実習終了後に彼ら
が持ち帰る技能には大きな期待が寄せられている。
「実習生の受け入れによって実現した多様性のある職場環
境と、彼らの生み出す様々な新しいアイディアは、UDトラッ
クスにとって非常に価値のあるものです」(丸山専務)し、現
職メカニックのための認定プログラムや新卒者のための研修
プログラムも数多く用意することで、メカニックの継続的な成
長を支えている。
 2018年は現場チャレンジに加えて、初めて学生向けに
「ジュニア現場チャレンジ」を開催。日本の自動車専門学校
から10チームを招待し、ワールドファイナルに参加した代表
チームと交流したほか、上尾本社の研修センターで現場チャ
レンジと同じように整備の知識と技術を競い合った。
■チームワークを競うUD現場チャレンジ
 現場チャレンジは、UDトラックスのアフターサービスの現場
を再現し、カニック、部品スタフ、フロントがチームを組み、
ユーザーへ最高のサービスを提供するためのチームワークを競
う。各チームには実際にサービス現場で発生する課題が与え
られ、制限時間内で解決を試みる。課題解決に至る全ての
手法が評価され、得点が付けられることになる。 
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、子会社の架装メ
カー㈱パブコ(本社:神奈川県海老名市、フォルカー・ヒルマ
ン社長)が2018年12月4日に新設分割会社「株式会社
サニックス仙台」を設立し、12月7日に㈱サニックス(本社:
山形県山形市、佐藤啓社長)の子会社である㈱佐藤商事(本
社:宮城県仙台市、佐藤啓社長)に株式を100%譲渡した。
 MFTBCの完全子会社であるパブコは、トラック架装の開
発、設計、製造、販売を行なう車体メーカーであり、相模工場(海
老名市)、近畿工場(大和郡山市)、仙台工場(仙台市)の3
新設分割…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ふそう子会社のパブコが新設分割会社を設立
新会社の株式を佐藤商事に譲渡

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号96
各種のトラック架装を行うサニックス仙台の工場内
サニックス仙台の佐藤啓社長
N-VAN+STYLEFUN(エクステリア:ガーデングリーン・メタリック)
工場で製品の製造を行なっている。その内、仙台
工場の有する自動車車体およびその他の運送用機
器の製造、販売ならびに修理事業に関する権利義
務を、新会社のサニックス仙台に継承することにな
る。また、12月7日にサニックス仙台の全株式を
サニックスの子会社である佐藤商事に譲渡する。
 仙台工場は、これまでに地域に特化した架装を多
く手がけてきた。地域密着型の工場の特性を活か
し、ユーザーへのより良い製品とサービスの提供を
目的にサニックス仙台の設立と譲渡を決定したもの。
 サニックスは山形県を拠点とし、東北地域密着
型の自動車総合サービス工場として、製造、整備、
板金塗装などの事業を幅広く展開しており、品質と
信頼性で、高い実績と評価を獲得している。
■株式会社サニックス仙台の概要
・所在地:宮城県仙台市宮城野区扇町二丁目4
番11号
・代表者:佐藤啓
・資本金:1億円
・従業員数:40人
・事業内容:自動車車体およびその他の運送用機器の
 製造、販売ならびに修理事業
■株式会社パブコの概要
・本社:神奈川県海老名市柏ヶ谷456番地
・資本金:1億1000万円
・株主:MFTBC100%
・従業員数:450人(2018年11月末現在)
・事業内容:ウイングボ
ディ、バンボディ等の
製造・架装、車両の改造
・設立:1945年
 Hondaの軽バン「N-VAN(エヌバン)」が2018年12月
8日、車両の優れたカラーデザインを顕彰する「オートカラーア
ウォード2018」においてグランプリを受賞した。Hondaとして
は、2008年の「FCXクラリティ」、2010年の「CR-Z」以来、
3度目のグランプリ受賞となる。
 今回「オートカラーアウォード2018グランプリ」の受賞対象
は、『エクステリア:ガーデングリーン・メタリック/インテリア:
ブラック』で、受賞理由は「クルマは今や個人が所有するとい
よりも、シェアしていく時代へと変わっている。N-VANのガー
受賞…Honda
話題のニュートラック新製品情報・新情報
誰にもマッチする色の「N-VAN」が
オートカラーアウォード2018でグランプリ受賞

TheTRUCK2019年1月号97
N-VAN+STYLEFUN(インテリア:ブラック)
左:石井国土交通大臣、右:JPR加納尚美代表取締役社長
 日本パレットレンタル㈱(JPR/加納尚美社長)は、キユー
ピー㈱、ライオン㈱のほか関連の㈱キユーソー流通システ
ム、ライオン流通サービス㈱、関光汽船㈱と共に、2018年
12月11日に開催された「平成30年度グリーン物流パー
ナーショップ会議優良事業者表彰」において「国土交通大臣
表彰」を受賞した。
 表彰の対象となったのは、JPR・キユーピー・ライオンが
2018年8月にスタートさせた異業種3社による共同幹線輸送
(㈱キユーソー流通システム、ライオン流通サービス㈱、関
光汽船㈱)で、3社が業界の垣根を越えて協働することで、
99%超の実車率、車両の有効活用、船舶へのモーダルシフ
ト等を実現し、この取り組みによりCO
排出量の低減につ
なげることを実現させている。
 今回の表彰では、日用品、食料品および空パレット輸送
について、荷主3社が物流関係3社と連携し、出荷量や出
荷日の調整、トレーラーの固定的な運用等を通じ、実車率
99.5%とほぼ全区間での実車輸送を行い、異業種3社によ
る往復での海運モーダルシフトを実施。これにより、環境負
荷低減と省労働力化等を実現し、効率的で持続可能な物流
体系を構築するなど、物流生産性の向上に多大な貢献をした
ことが評価された。
デングリーンは、様々な用途に使うことができ、ま
た年齢や性別に関係なく、誰にでもマッチするこ
とのできる色。シェアの時代にふさわしい、新し
いニュートラルカラーとも言えるだろう。クルマに
興味のない人にも、充分に訴える力がある」となっ
ている。
 なお、「オートカラーアウォード」は、一般社団
法人日本流行色協会、公益財団法人横浜市
芸術文化振興財団が主催し、車両のカラーデ
ザインの企画力や、形との調和を含む、内外
装すべてのカラーデザインの美しさを評価する
顕彰制度で、1998年より毎年実施し、今年で21年目
を迎える。
 N-VANは、特許技術「センタータンクレイアウト」で、燃料
タンクを前席の下にすることで、荷室の床をとことん低くし、タ
表彰…JPR・キユーピー・ライオン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
異業種3社の共同幹線輸送が評価され
グリーン物流の「国土交通大臣表彰」を共同受賞
 JPRでは、今後も業界業種に関わらずパートナーとなりうる
企業と積極的に取り組みを広げ、持続可能な物流網の構築
を進めていくしている。
 なお、グリーン物流パートナーショップ会議優良事業者表彰
とは、経済産業省・国土交通省等が物流分野における環境
負荷低減、物流の生産性向上等、持続可能な物流体系の
構築に関し、特に顕著な功績のあった事業者に対して表彰を
行う制度である。
テに広がる空間を実現。四角い荷室は、「積める」こと「使える」
ことが見た目からも伝わってくるシンプルなスクエアのパッケー
ジで、すみずみまで使える積載性も実現させている。また、
軽貨物車の最大積載量である350㎏を確保している。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2019年1月号98
「客貨混載」共同輸送がグリーン物流の特別賞を受賞
■宮崎交通・日本郵便・ヤマト運輸による「客貨混載」
 共同輸送について
 ヤマト運輸㈱(長尾裕社長)と宮崎交通㈱(菊池克賴社
長)、および日本郵便㈱(横山邦男社長)が連携し、2018
年2月20日から開始した路線バスを活用した日本初の「客
貨混載」の共同輸送が、第17回グリーン物流パートナーシッ
プ会議優良事業者表彰で特別賞を受賞した。
 宮崎交通とヤマト運輸は2015年10月1日から西都市〜
西米良村で路線バスを活用した「客貨混載」を実施しており、
これまでヤマト運輸が輸送していた2往復のうち1往復につ
いて路線バスで荷物を運んでいた。両社は、2016年6月
1日から延岡市〜高千穂町、諸塚市〜日向市においても客
貨混載を実施している。
 日本郵便は、西都さいと郵便局(西都市)〜村所むらしょ
郵便局(西米良村)を1日3往復していたが、2018年2月
20日より、村所郵便局で引き受けた荷物を西都バスセンター
(西都市)まで輸送する片道 1 運行について「客貨混載」
参画し、これにより「客貨混載」の共同輸送を開始した。この
取り組みにより運転時間が大幅に削減し、両社合わせて年
間24.3tのCO
排出量の削減を実現させている。
 このたび、この取り組みが持続可能な物流体系の構築に
功績があったとして、第17回グリーン物流パートナーシップ
会議優良事業者表彰特別賞を受賞し、2018年12月11
日に大手町の日経カンファレンスルームで表彰式と取り組み
事例の紹介した。
 グリーン物流パートナーシップ会議は、物流分野における
CO
排出削減に向けた荷主企業と物流事業者が連携した取
組を拡大するため、平成17年4月に経済産業省、国土交
 公益社団法人全日本トラック協会(全ト協/坂本克己会
長)は、2018年12月17日に「引越事業者優良認定制度(引
越安心マーク)」の認定事業者を発表した。
 同制度は、消費者に安心・安全な引越サービスを提供す
通省、産業界が主催となり設立した会議体で、持続可能な
物流体系の構築に特に顕著な功績があった優良な取組に対
して、経済産業省、国土交通省それぞれが表彰している。
る事業者の情報を提供し、引越における苦情やトラブルの防
止を目指すことを目的に2014年度に創設され、引越事業者
と引越サービス名称を使用するグループを認定の単位として
客観的に評価・認定かるものである。
表彰…宮崎交通・ヤマト運輸・日本郵便
認定…全日本トラック協会
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日本初の「客貨混載」共同輸送がグリーン物流で特別賞を受賞
運転時間の大幅削減で大幅なCO
排出量を削減
全ト協が引越事業者優良認定制度の
2018年度認定事業者を発表

TheTRUCK2019年1月号99
引越優良事業者に認定されると「引越安心マーク」が使用できる
「引越安心マーク」をマーキングした優良事業者のトラッ
 制度5年目となる今年度は、新規申請と更新申請の受付
を行い、引越サービス名称単位で申請総数70事業者(145
事業所)のうち68事業者(143事業所)を引越優良事業者
に認定した。そのうち新規認定は20事業者(29事業所)
更新認定は48事業者(114事業所)となった。認定期間は、
2019年1月1日から2021年12月31日までとなる。
 これにより、これまで認定された事業者と合わせて323事
業者(1,837事業所)「引越安心マーク事業者」して車両
のステッカーや宣伝媒体などに「引越安心マーク」を使用する
ことを許可されることとなる。
 なお、引越優良事業者は、共通の引越サービス名称内の
すべての顧客からの相談等を受け付ける窓口を設置し、約款
や関係法令などに沿った顧客対応を行うことが義務づけられ
ている。
■2018年度認定の引越優良事業者
*( )内は引越サービス名称
◇伸栄サービス㈱(MSブラザーズ引越センター)、◇㈱製罐
陸運㈱、◇流通㈱(流通引越センター)、◇丸和運輸㈱、
◇白金運輸㈱(㈱原田運送)、◇㈱原田運送(白金運輸㈱、
◇堀部運送㈱(ほりべ引越センター)、◇中国ニシリク㈱、◇
新進運輸㈱、◇㈲限会社関東実行センター、◇熊谷通運
㈱、◇山梨貨物自動車㈱、◇日信サービス㈱、◇九州澁
澤物流㈱、◇三共ピアノ運送㈱、◇ティックトランスポート㈲、
◇大洲川岡運送㈲(おおず川岡運送引越サービス)、◇昭
和工運㈱、◇㈱栄光社、◇㈲限会社東海パッケージ(東海
パッケージ引越センター)、◇太陽運輸倉庫㈱、◇㈱大畠、
◇マルケー萩貨物自動車㈱、◇㈱ネストロジスティクス、◇
㈱大木産業(おおき引越サービス)、◇川端運輸㈱(アンジュ
引越センター)、◇㈲大泉運輸、◇㈱たかだ引越センター、
◇米沢合同運送㈱、◇アート引越センター大分㈱、◇ミュー
ジックサービス㈱、◇㈱ジェイパック、◇㈱ファイン流通、◇
トッキュウ、◇甲府通運㈱、◇彦崎通運㈱、◇㈱浦和運
輸、◇北多摩運送㈱、◇濃飛倉庫運輸㈱、◇㈱マルトウ(ま
ごころ引越便)、◇ヤマダイ大作運輸㈱(ヤマダイ引越セン
ター)、◇丸十小型運送㈲、◇浅川商事㈱(アサカワ引越セ
ンター)、◇ベア・ロジコ㈱、◇㈱ブレックス、◇中鋼運輸㈱
(キリン引越センター)、◇㈱イナミコーポレーショ(イナミ引
越サービス)、◇名鉄運輸㈱(こぐまの名鉄引越便)、◇㈱西
鉄運輸㈱、◇㈱ハート引越センター、◇瀧ヶ花運送㈱、◇
綜合運輸㈲(綜合運輸有限会社引越センター)、◇㈱上越
運送㈱、◇東群運送㈱、◇㈱スタッフサイトウ、◇㈱丸善
運輸、◇㈲太田運送(おおた引越しセンター)、◇四国名鉄
運輸㈱、◇帝国倉庫運輸㈱、◇新日本運輸㈱、◇㈱レイテッ
ク、◇㈱ユーミー総合サービス、◇㈱AZUMA(引越のアズ
マ)、◇㈱ムーバーズ北海道(引越のムーバーズ)、◇㈱松
下運輸、◇アイソニックス㈱(アイソニックス引越サポート)
◇日通名古屋製鉄作業㈱(日通作業引越サービス)、◇ジェ
イアール東海物流㈱

TheTRUCK2019年1月号102
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 2018年度第2次補正予算と19
年度予算の政府案が21日に決定し
た。補正予算は、今年度末で期限が
切れる高速道路の大口・多頻度割引
の最大割引率(50%)が20年3月
末まで再び1年間延長されることに
なった。このほか、中小トラック事業
者に対するテールゲートリフター導入
補助が2年連続で計上された。
大口・多頻度割引1年延長
 補正予算は、防災・減災・国土強
靱化3カ年緊急対策、中小・小規模
事業者支援、その他喫緊の課題への
対応で構成。
 国土強靱化には、広域幹線道路の
改良や道路拡幅、主要港湾のコンテ
ナ流失・耐震対策、重要空港の浸水・
耐震対策のほか重要インフラの土砂
流出を伴う液状化被害のメカニズム
解明調査など6323億円を計上。
 中小・小規模事業者支援は、自動
車運送事業者のみに計上。テールゲー
トリフター導入支援が1億円、燃料
高騰対策としてハイブリッド車導入支
援が1億円。
 その他喫緊の課題への対応の1
つとして高速道路の大口・多頻度
割引に108億円が認められた。
ETC2.0搭載車を対象に車両単位割
引40%、契約単位割引10%の最
大50%割引率が1年間延長された。
 19年度予算は、要求項目それぞ
れに予算は計上されたが、前年度よ
り額が減った項目が多かった。
 その中で、トラック事業の働き方
改革には1億5500万円が計上さ
れた。要求額(3億円)より下がった
が、前年度(101億円)の1.5倍で
あり、補正予算のテールゲートリフ
ターと合わせると2億5500万円と
なる。ホワイト物流推進運動の展開、
輸送品目別の長時間労働是正の取り
組み、予約受付システムの効果を増
幅させる検証(配車システムとの連携
など)を行う。
 衝突被害軽減ブレーキなどASV
機器やデジタコ、ドラレコ導入支援は
前年度より多い9億9000万円が付
いた。
 物流関係では、モーダルシフト計
画策定・運行支援に3700万円(前
年度は4000万円)、物流産業イ
ノベーションの推進(物流の生産性
向上、国際物流のシームレス化、
コールドチェーン国際標準化推進)
に1700万円(同2100万円)、支
援物資輸送体制の構築に1300万円
(同800万円)を計上。
 このほか国土交通政策研究所の予
算として「物流分野の高度物流人材の
育成・確保に関する調査研究費」が新
規で1100万円認められた。2年間
の予定で国内外の大学の教育実態を
調査し、将来の物流像に対応した人
材教育のあり方を検討する(物流予算
総括表およびエネルギー対策特別会
計などの詳細は1月8日付掲載予定)
1月27日に上映会
60年前の政府米輸送紹介
物流博物館
 物流博物館は、収蔵する昭和20
〜50年代の物流に関する映画フィ
ルムをデジタル化した作品によるマン
スリー上映会を来年1月27日に開
催する。
 上映は2作品。①こうして米は運
ばれる(1959年頃、カラー、31
分)、製作:産経映画技術研究所、
企画:日本通運、内容:食糧庁・日
本通運・旧国鉄が協力して行ってい
た主食輸送の様子を紹介。山間の
村々、水郷地帯、豪雪地帯、離島
など各地にロケーションを敢行した。
当時の政府米輸送の有様がよく理解
できる②海と陸をむすぶ(1960年、
カラーワイド、30分)、企画・製作:
日本通運、内容:日本通運の海運業
務を紹介したPR映画。日本各地の
中心的な港を取材したもの。
 上映時間は第1回が午前10時
30分〜、第2回が午後1時30分〜、
第3回が午後3時30分〜。
 場所は東京都港区高輪4ー7-15、
品川駅高輪口徒歩7分・カトリック高
輪教会となり。
 定員は各回30人(事前申し込み不
要)。料金は無料(別途入館料。高
校生以上200円・65歳以上100
円・中学生以下無料)。

TheTRUCK2019年1月号103
提供:運輸新聞
 ゼンリンデータコムは14日、ゼ
ンリン住宅地図を活用した、配達ド
ライバーの業務効率化支援サービス
「配達アプリ」をリリースした。
 アプリの主な機能は、▽全国の住
宅地図が閲覧可能で、宅配業務に必
要な戸建て〜マンションまで対応した
住所の表札情報、ビル・マンション
の情報、一方通行の道路情報を正確
に把握できる▽配達指定時間、宅配
ボックスの有無、メモの管理が可能
▽登録した荷物情報は地図上で俯瞰
でき、配達指定時間帯で絞り込みも
可能▽荷物の配達ステータスはフリッ
クで直感的に操作可能▽配達が必要
な荷物残件数は地図上でいつでも確
認できる――など。
 ダウンロードは無料。アプリ内課
金はiOS:月額税込み1600円、
Android:同1598円。
 なお、通常地図の表示/住所検索
以外は有料登録が必要。初回課金時
にAndroid30日間、iOS1カ月の
無料お試し期間あり。
アプリで配達ドライバー
の業務効率化を支援
ゼンリン
データコム
 災害による被害が頻発している状
況から、政府の重要インフラ緊急点
検結果を受け、「防災・減災、国土強
靱化のための3カ年緊急対策」が閣
議決定した。物流に関し、災害発生
後に速やかに代替輸送が機能するよ
う、企業連携型BCPの策定や、交
通網が利用できない事態を想定した
物流の時間調整を行う体制整備を求
めている。
 物流の大動脈は、大規模災害に
より機能停止する可能性を前提に、
広域的・狭域的両面から陸・海・空
の輸送モード間連携による代替輸送
ルートを早期に確保すること、代替
輸送ルートとなる大都市圏環状道路
はネットワークなど総合的な評価を踏
まえた着実な整備を行うこと、高速
道路の暫定2車線区間の4車線化、
高規格幹線道路へのアクセス性向上
を推進していく。
 特に、重要物流道路を指定して早
期に機能を確保するとともに、緊急
輸送道路の耐震補強や斜面崩落防止
などの防災対策を行っていく。
 ソフト対策として、物流事業者に
よる企業連携型BCP策定を求め
た。中堅物流企業のBCP策定割
合は44%であり、とりわけ中小企
業で重点的に策定する必要性を挙げ
ている。
 なお、荷主と物流事業者が連携し
たBCP策定ガイドラインが2015
年に策定されており、非常用通信設
備などを活用した連絡体制の強化、
在庫管理システムの共有化、優先商
品・重点業務の決定などを事前に行
うよう求めている。
 支援物資輸送を含む物流機能強化
のため、物流総合効率化法(物効法)
を活用して、災害に強い民間物流拠
点を整備することも示した。
 このほか、道路の通行止め情報
を早い段階から提供できるよう、
ETC2.0の活用を含め対策を行うと
している。
 なお、港湾は浸水被害や地震リ
スクが高い施設に対してコンテナ流
出・電源浸水・耐震対策を行うととも
に、3カ年で約40港のBCP充実
化を図る目標を設定。空港は滑走路
2500メートル以上の耐震対策を完
了させるとした。
 大手長距離フェリーのSHKグルー
プは、2021年春に、神奈川・横須
賀港と福岡・北九州港を結ぶ新規フェ
リー航路を開設する。
 18日に発表した計画では、阪九
フェリー(本社=神戸市)、新日本
海フェリー(本社=大阪市)をはじ
めとするグループ企業で新会社を設
立し、貨物車170台積載できる1
万6000トン級のフェリー2隻を運
航させる。1日1便デイリー運
(日曜日を除く週6便)で、所
要時間は20時間30分を予定
している。
 同グループは「関東と九州の間に
新たなフェリー定期航路を開設するこ
とにより、ドライバー不足やモーダル
シフトの受け皿といったニーズに応え
たい」としている。
関東―九州に新航路
SHK
グループ

TheTRUCK2019年1月号104
秋葉淳一氏
パネルディスカッショ
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 トロンフォーラムは12日から14
日までの3日間、東京・港区の
東京ミッドタウンで「2018TRON
Symposium(TRONSHOW)」を
開催した。
 オープンアーキテクチャーの考えに
基づき、IoT、ユビキタスコンピュー
ティング環境の実現に向け、展示と
シンポジウムによるAI、オープンデー
タなどの最新情報が発表された。
 14日のセッションには大和ハウ
スグループセッション「Intelligent
LogisticsCenter『物流ロボットプロ
グラミングコンテスト』と題した講演が
行われ、ダイワロジテック・秋葉淳一
氏、大和ハウス工業・竹林桂太朗氏、
Hacobu・佐々木太郎氏が登壇した。
 秋葉氏は労働人口減少に直面した
現在、ロジスティクス分野における
シェアリングの必要性を強調。物流
センターでロボットを導入する際、繁
忙期ピーク時に合わせて投資が行わ
れる点や、3PL受託契約期間内に
投資回収ができないからだ。
 庫内作業のシェアリングモデル
「DPL市川」での実験を経て、
「DPL流山」で実運用を展開中。ダ
イワロジテックが投資を行い、ロボッ
「バトラー」を導入、庫内作業を同
社が請け負う。これにより全体最適
による効率化、投資リスクの分散、
全体最適による効率化が実現する。
同社は、大和ハウス工業が目指す「流
山物流タウン」では、ささげ(撮影・採
寸・原稿作成)や返品業務など、特定
サービスもシェアリングを提供する。
「シェアリングモデルや、テナントのア
パレル企業のノウハウも活用し、サー
ビスを拡大していきたい」と述べた。
 シェアリングの核となるのがデー
タのオープン化。同社は大和ハウス
グループのフレームワークスが運営
する物流施設のデータをオープンに
し、最適にロボットを制御するアルゴ
リズムを競う「プログラミングコンテス
ト」のエントリーを20日に開始した。
賞金総額は500万円。YRPユビ
キタス・ネットワーキング研究所長の
坂村健氏がモデラーを務めるパネル
ディスカッションでは、ロジスティク
スの未来像について論じられた。
庫内作業のシェアリング
投資リスクを分散
TRON
SHOW
1000キログラム積み、5.5メートル揚高マスト装着車
 は11月13日、レーザー誘導方
式無人フォークリフ「RACKFORK
Auto(ラックフォークオート)(1.0
〜1.5トン積み)を、全国の三菱ロジ
ネクスト販売店を通じて発売した。
 レーザー誘導方式ならではの走行
ルートの柔軟性に加え、より高揚高で
の入出庫作業と、車体の向きを変え
ず3方向(前方・右側・左側)の荷役
が可能なスリーウェイタイプバッテリー
フォークリフトの特徴を兼ね備える。
レーザースキャナで反射板を検出し自
分の位置を把握して走行するため、
磁気棒の埋設工事が不要で、床工事
不可の物流現場(既設や賃貸の工場・
倉庫など)への導入に適している。
新製品に搭載の新複数台稼働管理
システム「RouteOptimizer(ルー
オプティマイザー)は、運行管理端
末に登録した稼働指示に従い、レー
ザー誘導方式無人フォークリフトを
複数台同時に稼働させる制御システ
ム。独自の運行制御技術により、限
られた空間で、それぞれの無人フォー
クリフトが最適ルートを選択し、作業
の効率化を図る。
レーザー誘導無人
ォークリフト
三菱ロジス
ネクスト
複数台
同時稼働

TheTRUCK2019年1月号105
東京レールゲートWEST外観
提供:運輸新聞
「ホワイト物流」推進運動の母体と
なるホワイト物流推進会議の初会合
が14日、官邸で自動車運送事業の
働き方改革関係省庁連絡会議と共同
開催され、運動の趣旨と推進方針を
決定した。今後、来年1〜2月を
ドにトラック輸送の取引環境・労働
時間改善中央協議会で企業や国民へ
の詳細な呼びかけ内容を決定し、年
度内に賛同企業の募集を開始する。
 ホワイト物流推進運動の趣旨は、ト
ラック輸送の生産性向上や物流効率
化、多様な人材が活躍できる働きや
すい労働環境を実現するため、関係
(企業、国民、物流事業者)が連
携し強力に推進することにある。
 推進会議は、野尻俊明流通大学
学長を座長に、齊藤実神奈川大学教
授、高岡美佳立教大学教授、関係
7団体(日本経団連など)、3労働組
 JR貨物は、東京貨物ターミナ
ル駅で開発中の「東京レールゲート
WEST」の賃貸借予約契約の第1号
を鴻池運輸と締結した。
 2020年2月竣工予定で工事が進
められ、賃貸面積4万3000平方メー
トル地上7階建て(倉庫は2〜6階)
のうち、1フロア約8400平方メー
トルを鴻池運輸が利用する計画だ。
 鴻池運輸は「これまで若干手薄
だった鉄道コンテナへのモーダルシフ
トを推進し、鉄道コンテナとトラック
(運輸労連など)で構成され、事務
局を国土交通省(主管)・農林水産省・
経済産業省・全日本トラック協会が務
める。設置期限は自動車運転者に時
間外労働の上限規制(年960時間)
が導入される2024年3月末。
 企業には、運動への参加を呼びか
(第1段階)、自主行動宣言の提
出・実施を求める(第2段階)。賛同
企業は公表する。関係団体を通じ、
上場企業(3千数百社)や地域の主要
企業(各都道府県上位10社程度)
参加を要請する。
 第1段階では、賛同の必須事項と
して、①経営トップ層の主体的関与
の下、物流システムの改善に取り組
む②取引先の物流事業者が法令を遵
守できるよう必要な配慮や協力を行う
③あいまいな運送契約を結ばず、契
約に明示されない付帯作業を運転者
の最大効率化を図っていきたい」(岩
切正哉広報室室長)と、今後の積極
的利用への抱負を語っている。
 同施設は通運事業者、国際フォワー
ダー、倉庫、大手メーカー、小売業
などから多くの引き合い
が来ている。
 JR貨物では、続けて
建設される「東京レール
ゲートEAST」(賃貸面積
14万8000平方メート
ル)と合わせて鉄道コンテ
に求めない④運転者の働き方改革実
現に向け、発着荷主や物流事業者と
協力して対応することを挙げた。
 第2段階では、取り組みやすい項
目を選択して実行してもらうが、重点
推奨事項には運賃と料金の別建て契
約、着荷主としての協力、予約受付
システムの導入、パレットの活用な
ど、中央協議会が先般策定した「荷
主と運送事業者の協力による取引環
境と長時間労働改善に向けたガイ
ライン」に掲載している項目が中心と
なっている。
 国民に対しては、宅配の再配達削
減、集荷・配達サービス見直しへの
理解、引越時期の分散、SA・PA
の大型車スペースには駐車しないこ
となどに理解と協力を求める。政府
公報や関係団体の広報媒体を通じた
広報を実施、ホワイト物流推進運動
のホームページも開設する。
 合同会議では、関係省庁連絡会議
の議長である野上浩太郎内閣官房副
長官が、5月をメドに計画をフォロー
アップし、新たな施策の検討も行うと
説明した。
ナ輸送を組み合わせた物流サービス
により「総合物流企業への進化」の出
発点になると位置付けている。
 また、利用促進策の一環として、
鉄道利用を増やしていくとその利用
量に応じて翌年から賃料を割引くイン
センティブを設定し、鉄道輸送との
相乗効果を図っていくという。
鴻池運輸が第1号
東京レールゲートWEST
賃貸予約契約で
JR貨物

TheTRUCK2019年1月号106
無人フォークで省人化大型パレット洗浄機を追加導入
施設外観
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 日本パレットレンタル(JPR)は1
日、レンタルパレットの貸出し・返却
拠点の1つである東条デポ(兵庫県
加東市)を拡張オープンした。省人
化設備を導入し、作業員を増加させ
ることなく、従来比2.5倍の生産能
力を実現する。
 拡張した新エリアの特徴は、労働
力不足に対応した省人化で、デポ
内では無人フォークリフト7台が稼
働。洗浄機へのパレット投入や、洗
浄済みパレットの搬送を無人化。
 大型パレット洗浄機も2台追加導
入し生産能力を大幅に拡大させた。
 また、洗浄ライン上に、RFタグ
が貼られていない、または貼られて
いるが機能していないパレットを選別
するシステムを導入。洗浄の履歴を
RFタグに記録付けるシステムもライ
ン上に導入する。
 その他設備では、屋内入出庫バー
スにより雨天でも濡れることなく積み
降ろしが可能となった。また、デポ
内に大型シーリングファンを導入し
庫内の労働環境改善と結露の防止を
図った。
次世代デポを竣工
生産能力2.5倍を実現
JPR
 横浜冷凍は名古屋市港区に「名港
物流センター」を竣工した。15日に
現地で竣工式が行われ、同社役職
員、施工関係者など約50人が出席
した。
 既存の小牧物流センター、名古屋
物流センター、中川物流センターと
有機的に連携し、より貨物の特徴に
あった保管環境を提供することで中
京圏の低温物流網を拡大する。
新センターは、敷地面積1万496
平方メートル、鉄筋コンクリート造
4階建て・延べ床面積2万754
平方メートル。冷蔵収容能力は、
F級2万1420トン、C級936ト
ン、合計2万2356トン。自然対
流冷却方式(Sittory2)、トラック
予約受付システム、電
動式移動ラック、カー
ゴナビゲーションシス
テム、太陽光発電シ
ステム(351kW)、
ハイブリッドデシカント
陽圧空調システム、
BEMS(Building
EnergyManagement
System)、全館LED
照明を導入。
 記念式典のあいさつで吉川
俊雄会長は、「近年、輸入貨物
の名古屋港揚げが急増し、拠
点の分散化や保管品質など物
流の置かれている環境が変化
する中、そうした変化に耐えることが
できる物流センターが完成した」と述
べた。
名古屋市に名港
物流センター竣工
ヨコレイ

鉄鋼線状コイルを積載
提供:運輸新聞
 郵船ロジスティクスは12日、エ
アーバッグと発泡スチロールを用い
た輸送技術特許を10月に取得し
たと発表。鉄鋼線状コイルをはじめ
とする重量物の海上コンテナバンニ
ングに最適なサービスを年明けから
展開を開始する。サービス名称は
未定。
 同社は2013年より、発泡スチ
ロール(EPS)を用いた重量物海上コ
ンテナ積載サービス「ストラング・シ
ステム」を提供しており、固定資材に
EPSを採用した振動・衝撃に強い輸
送サービスとして、月間約600コン
テナに提供する実績を持つ。
 新サービスは、エアーバッグと従
来サービスで用いるEPSを組み合わ
せたもの。貨物とコンテナ側壁の間
に2種類のEPSブロックを設置、
その間に挟み込んだエアーバッグに
コンプレッサーで空気を注入。楕円
状に膨らんだ接地圧力を利用し、貨
物を固定する。
 エアーバッグの空気量を調整する
ことで、あらゆる貨物サイズに柔軟
に対応可能。特殊な荷役機材なしで
貨物をコンテナ内に
固定、取り外しでき
る。
 コンテナ内での
積載効率化も目指し
た。コンテナ内横2
列に並列できない貨
物は、EPSブロック
で一方を高めに設置
することで斜めに段
積みできる。「従来の
角材などを使用する
“やぐらを組む〟積載
と異なり、コスト面
や安全面、作業効率化で大きく差別
化できる」と東日本第二営業本部の
細見源介氏は胸を張る。
 価格設定は未定だが、年明けから
トルコを仕向け地とした外航船コンテ
ナで導入される計画だ。
年明けにサービス展開
重量物の積荷特許取得
郵船ロジ
 大規模災害時に、避難所へ必要な
支援物資を円滑に届けるための「地方
自治体向けハンドブック」を作成する
ため、国土交通省は「ラストマイルに
おける円滑な支援物資輸送の実現に
向けた調査検討会」を設置し、4日に
初会合を開いた。
 既に有識者、物流事業者へのヒアリ
ング、既往文献により課題や論点を整
理したガイドブックの素案を作成し、自
治体へのヒアリングやアンケート調査を
開始している。
 素案は、自治体の力だけでオペレー
ションすることは難しいため、チーム
を作る時は物流専門家の派遣などプロ
の協力が必要となることを基本にしつ
つ、ラストマイルでの支援物資輸送、
拠点開設、組織体制など運営の方法
などを盛り込んでいる。
 組織体として、避難所のニーズ把
握、物資調達、拠点の選定(民間施
設の活用など)や何を保管するのかな
ど必要となる機能にも言及。
 初会合では、ハンドブックは都道府
県、市町村両方が対象となるため、そ
れぞれで何をすべきかを区分して示す
こと、さまざまな情報や物資の流れの
調整が必要となるため、一連の動きが
イメージできるようになどの意見が出さ
れた。
 同省では「広域拠点開設ハンド
ブック」を作成済みで、今回のラス
トマイル支援物資輸送は第2弾とな
る。今後、アンケートの集計・分析
を行った上で素案を修正し、年度末
までにハンドブックを作成して47都
道府県1718市町村(10月現在)
に配布する。

TheTRUCK2019年1月号108
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 スワップボディコンテナの利用促
進に向けたガイドラインを策定するた
め、国土交通省は第2回検討会を4
日に開催し、標準的な仕様の対象と
なる範囲を検討した。
 現在、日本で唯一製作している日
本トレクス製に対応するとともに、相
互利用ができるよう基本的事項、コ
ンテナフロア寸法、緊締装置、支持
脚、ステアリングトンネル、ガイド装
置、フロントストップ、車体能力(諸
元)、その他について、国土交通省
が日本車体工業会などから意見を聞
 貨物自動車運送事業法の改正案
が4日に衆議院、6日には参議院
の国土交通委員会に6会派共同提
(議員立法)され、若干の質疑が
行われた後に採決を行い、総意で
可決した。きょう7日にも成立する
見通し。
 4日の衆院国土交通委員会では、
盛山正仁氏(自民党)ら5人により
改正案が提案され、津村啓介氏(国
民民主党)が改正の趣旨について
「2024年度から時間外労働の限度
時間が設定されるが、担い手である
運転者不足により物流が滞ってしま
うことのないよう、緊急に運転者の
労働条件を改善する必要がある」
説明。
 その後、小宮山泰子氏(国民民主
党)と宮本岳志氏(共産党)の2人が
いて提案。
 キャリアとコンテナの締結はツイ
ストロックを用いる、支持脚は折り
たたみ可能な3対を装備する、キャ
リアがコンテナ装着時に正確な位
置にストップできるように、キャリア
側・ボデー側にストッパー受けを装
備する、諸元は道路法車両制限令
の一般制限値の範囲内とするなど
と規定。
 標準仕様は、トラック輸送に特化し
たものとし、コンテナの段積みや鉄
道・RORO船に対応するための仕様
質疑。宮本氏は、まず改善基準告示
を取り上げ、「過労死ラインを超えて
いる改善基準告示の見直しと早期法
制化が欠かせない」と指摘。これに
対して津村氏は「労働者や事業者の
意見を聞き、丁寧なきめ細かい議論
を進めていく」と説明した。
 続いて、荷主勧告制度の対象に
着荷主が含まれるかを問い、盛山
氏が「元請けや発荷主に加え、着荷
主にも協力を得ることが重要」と答
えた。
 宮本氏はさらに、(荷主勧告制度
は)過去一度も発動されていない」
指摘し、国民の前に明らかにして実
効性あるものになるよう求めた。
 改正法は、2023年度までの時限
措置で国土交通大臣が標準的な運賃
を定め、告示することを規定してい
は将来的な検討項目とした。
 検討会は、次回に荷主と運送事業
者の役割分担などを含めたガイドライ
ンの素案を提示し、年度末までにま
とめる。
 今回の検討会では、ホームロジス
ティクスや日本トレクスなどから現状
の取り組みをヒアリング。欧州では
スワップボディコンテナが年間1万
6000〜1万8000台登録されてお
り、1995年に鉄道輸送で推進する
ためトラック税の優遇、鉄道運賃の
割引、車両総重量の緩和が行われた
ことが報告された。
 欧州ではアオリの問題で行われて
いないが、日本ではウィング車にも広
がればなどの意見が出された。
る。宮本氏は「告示していただける
のでしょうね」と確認を求めた。これ
に対し、国土交通省の奥田自動車局
長は「参考となる運賃は(働き方改革
実現に)効果的であり、具体的な設
定は検討するが適切に対処したい」
し、盛山氏は「法案が成立すれば対
応がとられるものと期待している」
標準的な仕様検討
次回に素案を提示
スワップ
ボディ検討会

TheTRUCK2019年1月号109
衆院国土交通委員会での採決の模様
提供:運輸新聞
答えた。
 参院国土交通委員会では、津村
氏が「悪質な事業者を排除し、良質
な事業者を守るため、法改正だけで
終わらない。国土交通省も、われわ
れも不断の取り組みを続ける」との考
えを示した。
 また、山添拓氏(共産党)「荷主
の違反原因行為とはどのような行為
が考えられるか」の質問に対し、盛
山氏は「恒常的な荷待ち、積み込み
前に量を増やす行為、適切でない到
着時間の設定」を挙げた。
 衆院では約15分、参院では30
分弱の質疑の後、採決が行われ、
全会一致で可決。今後、参院本会
議で成立する見通し。
SDGsと「パリ協定」と商用車と物流事業の関わり
(下記5行目中の2か所訂正)
2015年9月の国連総会で採択された「アジェンダ
2030(SDGs)」は、人間の生活をいろいろな観点
から分類し17項目にわたる2030年までの持続可
能な開発目標を示した行動指針(アジェンダ)である
(表1)。全部で17項目中、自動車メーカーが追う
べき責任とユーザーである運輸業界が関係する項目を
狭義に解釈すれば12項と13項と解釈できるだろう。
一方の「気候変動枠組条約COP21パリ協定」につ
いては、昨2018年12月にポーランド・ガトヴィツェ
で開催されたCOP24に於いて具体的な推進策が検
討されている。(注:COP=ConferenceofParties
気候変動枠組み条約締約国の意)
=校正漏れをお詫びして以上の通り訂正致します。よ
ろしくお願い致します。=
1.貧困を無くそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働き甲斐も 経済成長も商用車商用車
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
出所:一般財団法人 CSOネットワーク(仮訳)に筆者加工
全文はhttp://www.csonj.org/mdgsnews/owg-sdgs-japanese-
translation参照
(表1)
2030年に向けて世界が合意した持続可能な開発目標SDGs
SustainableDevelopmentGoals世界を変えるための17の目標
TheTRUCK増刊号 トラックガイド2019 記事(29頁)
誤記をお詫びして訂正します・・