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【対談】日本初で提案すべき真に住みたくなるスマートシティ

巻頭
TheTRUCK2018年7月号18
「Gの世界と
Lの世界」
経済ジャーナリスト
大島春行
「時代を読む」󱌸
 「日大アメフト部事件と日本相撲協会」
 アメリカンフットボールの世界で、日大が起こ
した悪質な反則行為は世間を大いに騒がせた。絶
大なる権力を持った監督が、これに絶対服従する
コーチと組んで選手に悪質なタックルを強要した
事件で、体育会系の前時代的な体質が批判された
のだが、世間からは、アメフト部にとどまらず日
本大学全体の問題として糾弾を受けてしまった。
一体わたくしたちはこの問題の何が気に入らな
かったのだろうか。
 日大事件の少し前には日本相撲協会が槍玉に
上がった。力士が酒席で後輩力士に暴力をふるっ
たとか、相撲部屋で兄弟子が弟弟子を殴ったと
かいった徒弟制度のもとでの暴力事件が相次い
だからで、横綱が引退に追い込まれたり、理事
職の親方が格下げされるなど、大騒ぎとなった。
この二つの事件は時間的にだけでなく内容的に
もどこか連続しているように感じられる。それ
は日大の最高権力者である理事長がアマチュア
相撲の大御所と呼ばれているからだけではな
い。事件から漂ってくる匂いのようなものがど
こか似ているのだ。
「自覚されない古臭さ」
 二つの事件に共通しているのは古臭さのような
にも思えるが、多分それは違う。そうではなくて、
古臭さに伴う見苦しさを自覚していないことが問
題なのだ。もとより相撲は伝統的なスポーツであ
り、古臭いことを誇りにしている側面が強い。そ
れはいい。しかしパワハラや暴力が厳しく咎めら
れる時代に、その備えが全く見受けられない点が
困るのだ。あるいは
「警察の捜査結果が出るまではコメントを控えた
い」といった逃げ口上を繰り返して、問題の対応
を引き延ばそうとする姿勢が見苦しいのだ。それ
で通ると思っているところがみっともないのだ。
その挙句に、監督たちの記者会見の司会役をつと
めた70歳を優に越した共同通信のOBが、強引
な仕切りで顰
󱢳󱣔󱢘󱣆󱢏
蹙をかってしまった。私にとって大
先輩に当たる人物の失敗をテレビで見ながら、「事
態が面白いようにダメな方にダメな方に流れて行
くな」と感じた。
 今の時代は、そういう姿勢が少しでも見えた
ら、世間は徹底的に叩いてくる。ネット社会は常
に叩く対象を探しているし、一度叩き始めたら社
会的に殺すまで行く。そして1週間位で忘れて次
の標的を探し始めるのだ。日大アメフト事件の古
臭さは言うまでもなく事件への対応が遅く、極め
て見苦しく映った。こうなると元相撲取りの理事
長がテレビの前で記者会見をしないとすまなくな
る。あたかも西部劇のリンチのように、「吊るせ、
吊るせ!」の大合唱になるのだ。個人的には、ア
メフト事件で大騒ぎしているさなかにパチンコ屋
に出入りしているような大学の理事長の言い訳な
んぞ聞きたくもないが、「殺す」まで大合唱は続く
のだ。
「許されないKY」
 わたしたちの周りにはKY・空気が読めない人
は大勢いる。この人たちをことごとくリンチにか
けてしまうと日本の人口が激減してしまうだろ
う。社会は老若男女で成り立っているのだ。だか
ら自分がKYであると認識出来ていれば通常は許
されるのだ。許されないのは、KYであることを
自覚していない人や、「それがどうした」と開き直
る人たちだ。空気とは共有する価値観であり世界
観だから、空気が読めない人というのは、社会に
とって相容れない存在なのだ。価値観が異なって
も、世界観が古くても、それだけではリンチされ
ないが、その姿勢を悪いと自覚しない人がいれば
話は別で、社会はそれを許さない。こうした人た
ちは社会から追放されてしまう。
 ここまでは一般論なのだが、ここから先は私見
に関わる領域になる。わたくしは今回の相撲協会
と日大に対する社会の拒否感の核心は「昭和との

TheTRUCK2018年7月号19
訣別」にあると考えている。どういうことか。
「時の潮」
 30年近く前に平成の世になった。そのあと13
年経って世に出たのが高井有一の「時の潮」だ。通
信社の記者を引退したあと東京の下町でタウン誌
作りに携わりながら、自宅のある葉山と東京を往
復する初老のジャーナリストの生活を綴った地味
な作品で、一般には余り知られていないかも知れ
ないが、平成の世に書かれた小説の中ではベスト
スリーに入れたいほど好きな小説だ。実に静かな
タッチで昭和という時代を描き、戦争で深く傷つ
いたこの時代を鎮魂している。
 はじめの方の章で、官房長官がピョコンと自分
の頭の上に「平成」と書いた紙を掲げてみせたこと
に触れて、「この元号だけは使うまいと決めた」
書いているのがおかしかったが、これが作品の主
張低音でもあった。
 あの時から「軽い時代」が始まったのだというこ
とだろう、平成の世に対する強い違和感、居心地
の悪い感覚が伝わってくる。
 考えてみれば明治以降、大正、昭和、平成と年
号が変わるごとに、「重い時代」「軽い時代」が繰
り返されてきたように思える。だから大方の予想
に反して、平成の次の時代は案外「重い時代」にな
るかも知れない。
 重いとか軽いというのは、必ずしも各時代の
天皇の個性で決まるわけではない。社会学の用
語を使えば、「軽い」はポストモダン程の意味なの
だから。
「昭和との訣別」
 ただ、平成の時代があと一年足らずで終わって
次の時代が始まるにあたって、どうしても訣別し
なければならないことがあるのではないか。それ
と訣別しない限り、次の時代に移れないものがあ
るのではないかというのが、わたくしの仮説なの
だ。そしてそれが「時代」というものの進化してい
くあり方ではないかと、そう思っているのだ。そ
れは何か。次の時代にひきずって行きたくない前
の時代・つまり昭和のある部分ということになる
だろう。それは「古臭い昭和の全て」では勿論な
い。もっと古いものもいくらでも引き継がれてい
るわけだし、残すべき古いものはたくさんある。
そうではなく「古臭さを自覚出来ない感性」と訣別
しなければならないのだ。
 多分、昭和から平成に時代が変わる際にもひき
ずりたくない「大正のある部分」と訣別したはずだ
が、浅学にしてそれが何かは判らない。まあ大正
は、明治と昭和にはさまれた15年足らずの短い
時代だったから、訣別すべきものはあんまりな
かったのかも知れない。
「新しい時代へ」
 そうやってあと数ヶ月、新しい時代を迎える過
程で,これから更に何が訣別の対象となって切り
捨てられていくのだろうか。日大や相撲協会だけ
と訣別するというなら、それはそれでいい。いず
れにせよそうするかどうかは、何より国民が、ま
あ国民というのは大袈裟すぎるかも知れないが、
世の中が決めることなのである。そして、前の時
代の一部を捨て去って次の時代に引き継がないと
いうこの作業こそが、「時代」というものを作り出
していく原動力なのだ。その決め方は、今なら「殺
して忘れる」というネット社会特有の手法がとら
れるかも知れない。まあそれも仕方がないかも知
れない。
 むしろ、次の時代になってしばらく経ってか
ら、「時の潮」のような作品が出てくることを期待
したい。平成という時代は一体なんだったのか。
軽い時代であったかも知れないが、歴史的にあま
り例のない大きな震災が二度もあった時代でもあ
る。不思議な時代だった。わたくしはあんまり好
きではない時代だったが、語るには足る時代だっ
たのではないか。

株式会社rimOnO
代表取締役社長
伊藤慎介
株式会社SUEP
代表取締役 一級建築士
末光弘和
TheTRUCK2018年7月号20
 自動走行、ライドシェア、MaaS、電気自動車などによって自動車交通が大きな変革期を迎えており、
これからは自動車産業からモビリティビジネスへと転換していくといわれています。モビリティビジネス
を考える際に重要となるのが、都市交通や街づくりのあり方です。
 自動走行に積極的に取り組んでいるグーグルは、カナダのトロントを未来のスマートシティして
選び、新しいモビリティのみならずAIやIoTなどを駆使した街づくを進めようとしています。アメリカ
のオレゴン州ポーランドではLRTを導入するとともに歩きやすい(Walkable)な街づくを目指した
結果、全米を代表するコンパクシテとなりした。また、サンフランシスコ、ロンドン、パリ、ウィーン、
シンガポールなど世界中の数多くの都市においてもスマーシテを目指した様々な社会実験が行われ
ています。しかし、日本では2020年にオリンピック・パランピクを迎える予定の東京においても新し
いモビリテの導入、革新的なモビリテサービスの普及などは進んでいないと感じます。ロンドンやス
トックホルムで導入されている渋滞税(市内中心部に乗り入れるクルマに対して料金を課す仕組み)
を導入している都市は皆無であり、フランスやドイツなどで始まっている路上でのカーシェアリング
サービスも都内の1、2か所で行われている程度というお粗末な状況です。
 そこで、今回は将来の住まいのあり方、街づくりのあり方、そして都市交通など移動のあり方など
について革新的な提案を続けていらっしゃる建築家でありSUEP.代表の末光弘和氏から、日本が
目指すべき真のスマートシティとは何か、今の日本で取り組むべきことは何かを伺いたいと思います。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
日本発で提案すべき
真に住みたくなる
スマートシティ

図1:地域社会圏で提案した「超多孔質な集合住宅」
TheTRUCK2018年7月号21
伊 藤 末光さんは500世帯で住む集合住
宅、エレベーターの代わりのパーソナルモビリ
ティで乗り入れる集合住宅など、様々な革新的
な提案をされていますが、その構想について教
えていただけますか。
末 光 2010年頃に大学で教員をやっていた
時に、スマートコニュニティのあり方を建築家
として考えてみようということで、地域社会圏
という研究会をやりました。研究会での検討結
果は著書にもなっていてお陰様で今でも売れて
いて6版までいったようですが、その研究会
の途中段階で検討していたアイデアがこのイ
メージ図(図1)です。均質な高層タワーに住む
のではなく、多孔質な場所に色々な人が住むこ
とを提案した建築です。
 ここに住むのは一般的な家族というよりは、
もう少し緩い集まりのような集合体をイメージ
しています。例えると昔のパソコンでハード
ディスクの調子が悪くなっていた時にやってい
たデフラグみたいなイメージです。(※デフラグ
=ハードディスクの全体をスキャンして正常な
ハードディスクの部分だけを固めてそこにデー
タを記録していくという処理のこと)多様なカ
ラーがバラバラに配置されるのではなく、赤系
とか黄色系で似たようなカラーが近くに配置さ
れていくようなイメージでしょうか。世の中に
は多様な価値観を持っている人がいるので、完
全にバラバラでは困るのですが、ある一定の価
値観を共有できる人たちがグルーピングされ、
異なるグループ同士がお互いにシェアしたり補
完したりしながら柔らかくつながりながら住め
ないかという仮説に基づいています。
 今はマンションを買う、あるいは借りるとな
ると、専用空間にお金を払うことが前提になっ
ています。しかし、このスマートコミュニティ
では逆に専用空間を減らし、その代わりに共有
部分を増やすことで、個人や家族では持つこと
ができない機能を持てるように
することを提案しています。
伊 藤 いまではシェアリン
グエコノミーという言葉が当た
り前になったので、その概念は
ある程度は理解できますが、
2010年頃となるとかなり前で
すよね。この手の提案はそれま
では全然なかったのでしょうか。
末 光 高度成長期では自分が
所有することこそが豊かさであ
るという“私有化する豊かさ”
が共通したビジョンでした。一
家に車が一台あって、家の中に
は大きなテレビや洗濯機、冷蔵庫などがある。
家を持つことも豊かさの象徴だった時代で
す。そういう価値観だったので、シェアリン
グということ自体がカッコ悪いというイメー
ジもあったと思います。

TheTRUCK2018年7月号22
伊 藤 末光さんがこの構想を出された頃に日
本でもシェアリングエコノミーのような構想を
持っていた人たちはいたのですが、民泊やライ
ドシェアなど世界の方があっという間にシェア
リングエコノミーを広げてしまい、日本は出遅
れてしまいました。
コントロールできるものに限定すると
 弱い社会システムになる
末 光 シェアリングを進めていくとどんど
んコントロールすることが難しくなっていき
ます。冷房の温度を一つとってみても日本で
は28度以下にすべきと、標準的な人間ジェネ
リックマンを仮定した規制をすぐに導入しよう
としますし、近代の建築学における省エネでも
そういう一律な考え方を導入しようとするので
すが、実際には人間は多様なので人それぞれが
感じる涼しさに違いがあります。また、省エネ
基準がおかしいと思うのは窓をたくさん設けた
としても実際に開けるかどうかは住人次第なの
で、自然換気を取り入れても省エネとは認めら
れないことです。むしろ電気を使って機械換気
による強制的な換気のほうが省エネと認められ
ています。つまり人を信頼しない考え方なので
すね。国としては標準化を前提に規制してきた
ので、多様な価値観を認めた社会システムを認
めていくことが難しいのだと思います。だから
そういうビジョンを打ち出しにくい。
伊 藤 確かに、コントロールし難いものにリ
ソースを振り向けることは結構難しいですね。
末 光 そうなのですが、コントロールできる
と思っている範囲が限定されているからそう思
えるだけで、実際にはコントロールできていな
いことの方が多いと思います。科学技術の活用
でもそうです。例えば原発はものすごくエネル
ギー効率が高い素晴らしい技術だと主張されて
います。確かに燃料を取り出して発電するまで
の“コントロールできる”範囲においてはその
主張は正しいと思いますが、使用済み燃料の廃
棄など、完全にコントロールできないところま
でのリスクを考えると、本当に合理性のある技
術なのかは微妙です。
 現在の科学技術にはそういう側面がある気が
していて、コントロールできる範囲においては
非常に優れているように見えますが、その範囲
を超えて想定外の刺激が入ってきた瞬間にバー
ンと壊れてしまうようなリスクを内包している
ように感じます。想定外の要素がない範囲にお
いて合理的なものが、果たして社会システムと
して真に強いものと言えるのでしょうか。
伊 藤 仰っていることはよくわかります。
例えば、我々が普段口にしている牛肉や鶏肉
も一緒で、口蹄疫や鳥インフルエンザが流行っ
た瞬間に一気に全数を処分しなければならな
かったり、BSEのように食べた消費者がリス
クを負ってしまうようなことになったりしま
す。その一方、山間地域では増えすぎたシカ
やイノシシによって様々な鳥獣被害が発生し
ていますので、そういう鳥獣を捕獲して生態
系を維持しながら食糧流通に取り込んでいく
ようなことができれば、自然界の秩序を取り
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨

TheTRUCK2018年7月号23
込むことで我々の食生活にもプラスに働くよ
うに思います。ただ、この仕組みだと需給の
コントロールが難しいので今の社会システム
では成立しにくいのでしょう。
末 光 研究者の世界でも縦割りが進んでい
て、特定の分野については非常に詳しいのです
がちょっと隣接した分野になった瞬間に全くの
門外漢である、という人が増えているように思
います。個別最適化が進みすぎて、他者を排除
してしまう結果になっていることが問題だと思
います。自動運転の技術についても、人の運転
だと信用できないので全て機械に運転を任せて
しまい、運転からドライバーを排除するような
流れになっていますが、それでは人間はどんど
んダメになってしまうと思います。むしろ、人
間の力を活かすパワースーツを作ることのほう
がテクノロジーのあり方としては正しいと思い
ます。ただ、そうしていくと人と機械の境目が
グレーになっていくのでメーカーとユーザーの
責任の線引きがあいまいになりコントロールが
難しくなります。
 本来はもっとインクルーシブ(様々なことを
総合的に見て)な最適解を探るべきなのです
が、そうすると答えを出すことが極めて難しく
なってしまうので、他の要素を排除して答えを
出した結果、脆弱性のある仕組みばかりを作り
出しているように思います。
伊 藤 あまりに個別最適解があふれているか
らこそ、あえてグレーゾーンを作ることで全体
最適を目指そうという取り組みにこそ可能性を
感じます。
コントロールできるものに限定すると
 弱い社会システムになる
末 光 建物の設計や街づくりを考える際に、
例えば、道路に面した一階はグレーゾーンとし
て規制を緩和して各自が創意工夫を凝らしても
よい、など中間領域のデザインを誘発する仕掛
けが重要だと考えています。そして、そういう
場所で働くこと自体もシェアしていければ良い
と考えています。
 グーグルが都市全体をスキャニングして情報
化していますが、もちろんそれもある種の合理
化ですが、子育てが得意な人がまとめて子供を
預かる、料理が得意な人がまとめてみんなの食
事を作る、というように働くこともシェア(役
割分担)したほうが合理的ですし、生産性も上
がると思います。そうやって多くの人が支えあ
うような仕組みを作れば、行政コストを減らし
ていくことも可能です。
 専有することによって得られる豊かさとは、
ある種の自立だと思います。病院に一人で通
う、保育園に子供を預けて会社で働く、という
ようになるべく人に頼らずに自分で全てをこな
そうとしてきたわけですが、経済が落ちて弱者
が増えていくと、互助しないと社会が成り立た
なくなっていきます。互助することで行政は補
助金を減らすことができるので手離れモデルと
も言えると思います。エネルギーについても同
じような発想でして、500世帯が出すゴミで
発電した電力で電気をまかなったり、廃油でク
ルマを走らせたりすることができればメガイン
フラに頼る必要がなくなるわけです。モビリ
ティについてもコミュニティの中でシェアする
ことを前提として、小型のローカルモビリティ
で外から建物の中に入ってスロープを上がって
家の前まで来られるという提案をしています。
伊 藤 垂直の移動であるエレベーターと水平
の移動である自動車を融合し、垂直と水平を
シームレスにつなぐモビリティを建物と同時に
導入するという概念ですね。

図2:3つの棟に分かれた「ネットワーク型集合住宅」
TheTRUCK2018年7月号24
末 光 同じような立体都市構想のビジョン
は実は古くからあるのですが、新しいモビリ
ティを作ることの難しさもあって、基本的に
はエレベーターや階段などによる垂直移動
と、自動車などの水平移動に分ける形が一般
的になりました。
伊 藤 エンジンを動力源として使うことが前
提の場合、排ガス、騒音、一酸化炭素中毒など
の問題から建物内にモビリティを入れることが
難しいと思います。電気自動車の技術が進化し
たことでモビリティの構想
に現実味が伴ってきたので
はないでしょうか。
外に開かれた
 新しい住戸や
 集合住宅の提案
末 光 電気自動車にする
ことで小型化が可能になる
のは確かですね。垂直・水
平融合型モビリティを検討
しているときも、実はエン
ジンの問題が議論になりました。モビリティ自
身が動力源を持ってもよいが、ベルトコンベア
のようにインフラ側が動力源を持ってもよいの
ではないかとの意見もありました。
 超多孔質な集合住宅の次に提案したのが図2
のモデルです。これは住宅地に新たに建てられ
る集合住宅のあり方を提案したものなのです
が、一軒家が立ち並ぶ住宅地に高層マンション
が突然建設されて部屋を売り切って立ち去ると
いう現在のモデルに対するアンチテーゼです。
大きな土地に高層マンションを建てるのではな
く、3つの棟に分けて分散して機能を持つとい
う発想です。それぞれの棟の一階部分に機能が
あり、ある棟にはシェアダイニングがあり、別
の棟には銭湯があって、もう一つの棟には診療
所があり、それらを緑道がつなぐといった具合
です。このようにして外にも解放された機能が
あれば、以前から住んでいた周辺の住民も利用
することができるので街全体が活性化していく
ようになります。これまでのモデルですと、高
層マンションが建つことで光が差さなくなった
り、地域の自治活動に参加しない住民が増えた
りということから建設反対運動が起きることも
しばしばありましたが、このモデルではそうい
うことはないと思います。
伊 藤 昔の商店街のイメージと共通する部分
がありますね。
末 光 仰る通りです。商店街というのは現代
社会にもまだ残っているコミュニティのモデル
です。例えば商店街の道路にゴミが放置された
ままになっていると商店街全体にとってデメ
リットになるので掃除しようというインセン
ティブが働きます。しかし、共用部と専用部が
仕切られたマンションのような形になると、共
用部分にゴミが落ちていても自分の責任ではな
いので誰も掃除しようとは思わなくなってしま
います。切り分けてしまうと、専用部は入居
者、共用部は管理人、と責任を明確にしてコン
トロールしやすくできる反面、管理人がいない
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨

図3:地域に開かれたテラスアクセスの集合住宅
図4:共有部分を内包したテラスアクセスの部屋
図5:アスファルトを剥がして街に緑道を作る
TheTRUCK2018年7月号25
ときに共用部でゴミが落ちていた時には全く手
当てされないという事態にもなるリスクがあり
ます。共用部を外に開くことでコントロールは
難しくなる面はあるのですが、だからこそ善意
で支えあうという意識が生まれる面もあると考
えています。
 先ほどの3棟に分けた集合住宅のそ
れぞれの建物のイメージが図3です。
通常のマンションやアパートでは建物
の内部に入り、玄関が内側について
いますが、この建物ではテラスインと
いって建物の外側が玄関になっていま
す。この建物の中の部屋を1分の1の
モデルにしたのが図4でして、玄関か
ら入った部分が土間になっていて、昼
間はこの場所を外向けにオープンにすること
で小さいカフェや料理教室などができるよう
になっています。夜になると玄関を閉めて専
用部分との仕切りを開けることで土間の場所
を自宅のダイニングキッチンとして使うこと
ができます。3つの棟が緑道で結ばれるよう
になると1階はこのようにマルチユー
スの場所になったほうが良いのではと
考えています。パブリックとプライ
ベートの両方を持つ中間領域が重要な
役割を果たすというのが街づくり全体
に共通したコンセプトなのです。
図5は東日本大震災の時に提案した
街づくりのアイデアなのですが、自動
車優先になりすぎた街をもう一度歩行
者や住民に戻そうということで提案し
たものです。当時は、原発が停止して
節電が求められていたので、なるべく
電気を使わずに街を冷やすアイデアと
して、風を通す道を緑道で作ろうと考
えました。
伊 藤 出かけるときにはぱっとク
ルマで外出できる道路側が便利です
が、普段生活しているときは緑が見え
たほうが良いわけですから、どちらを
中心に街づくりをするかということ

図6:路上の駐車スペースを住民に開放するSFのパークレッ
図7:カワとアンコの構造になっている東京の都市構造
TheTRUCK2018年7月号26
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
ですね。
末 光 ええ、そうです。本来は道路
と緑道の両方に面しているような街づ
くりができると理想的だと思います。
現在の街づくりでは道路が土地の約
20%を占めていますが、本当にすべて
の道路が使われるのかを厳密に計算し
て15%で十分であるとわかれば、5%
を緑道などに充てられるかもしれませ
ん。ひょっとするとグーグルの街づく
りではそういうことを考えているのか
もしれませんが、実際の街でデータを
集めていけば自ずと利用効率は計算で
きると思います。
伊 藤 それを具体的にやっているの
がサンフランシスコのパークレットではないか
と思います(図6)。路上の駐車スペースの利用
率や道路の交通量を勘案したうえで、あまり使
われていない駐車スペースを民間企業に有料で
開放し、そこをお店のオーナーがカフェスペー
スや自転車置き場に変えていける仕組みです。
こういう場所が増えていくと一気に街に活気が
生まれると思います。
末 光 地表面は人が生活するうえで最も重要
なエリアなのですが、そこがクルマに奪われ
てしまっているものですから、改め
てそこから考え直そうという取り組
みですね。次の図7は東京の一般的
な都市構造を示していまして、大き
な幹線道路に囲まれた土地に細かい
道路が張り巡らされているという、
ちょうど皮とアンコのような構造を
想定したものです。アンコに相当す
る細い道は道路幅4メートル未満の
ところが非常に多かったので、かつ
ては子供の遊び場となっていたり、
風通しが良くて気持ち良い場所で
あったりしたのですが、クルマが通過するのに
狭すぎるということでどんどん4m以上に拡幅
していき、結果として人の居場所をクルマに渡
してしまいました。そこで、いっそのこと道路
の数を半分に減らして、半分のアスファルトを
剥がして緑道にしてしまおうというのがこの提
案です。土系舗装や緑化舗装などを施した緑道

図8:「動く椅子」にもなる新しいパーソナルモビリティ
TheTRUCK2018年7月号27
からはクルマを排除してローカルモビリティ、
自転車、歩行者に明け渡すという概念です。
図8はそうやってできた緑道を走るローカ
ルモビリティのイメージです。私のような建築
家目線では家具のようなモビリティが理想的で
はないかと考えていて、椅子のようなモビリ
ティにステッキを差したら立ち乗りで走行でき
て、椅子のまま座って集まるとそこに一つのコ
ミュニティができるというアイデアです。住居
の1階部分の駐車場のスペースがもったいな
いので、半分外に開いた土間のようなものを作
り、そこに図書館や映画館などの機能を持った
クルマが家と合体し、自然と人が集まることを
目指しています。ここにも中間領域の概念が盛
り込まれています
伊 藤 日本では昔から「縁側」という中間領域
を守ってきましたが、その概念を現代風に再解
釈したコンセプトですね。
末 光 グレーゾーンをもっとポジティブに
作っていくということです。切り分けることで
管理しやすくなり所有権も明確にできますが、
実は一番面白いのは占有と共有がミックスされ
ている部分であり、それこそがアジアの文化で
はないかと思います。
新しいモビリティに活躍の機会を
 与える新しい道路空間の構想
末 光図9はパナソニックさんと取り組ん
だ街づくりの提案なのですが、パナソニック
さんはエネルギー機器、クル
マ、家電、そして家まで作れる
総合メーカーなので、その全て
を活かすことで実現できる街づ
くりがあるだろうということで
構想したものです。クルマと歩
行者を共存させることが難しい
ので、長距離を移動するクルマ
は、歩行者と共存できるEVコ
ミューターとは異なる道を走行
するように完全に分離し、クル
マはアスファルト、EVコミュー
ターは緑道の上を走るようにし
ようという提案です。
 実は90年前にアメリカのニュージャージー
州にあるラドバーンという街で行われた街づく
りと近い構想です。ラドバーンでは住宅地の中
まで道路が張り巡らされているのですが、住宅
を挟んで反対側には緑道が張り巡らされていま
す。自動車道のほうはクルドサックというロー
タリーに近い構造になっていて必ずUターンし
て出なければならないようになっています。こ
ういう構造にすることで緑道側にはクルマが一
切入り込めないようにしていて、この歩道兼緑
地のような緑道が住宅地内でつながっていま
す。100年近く前から歩車分離が実践されて
いたということです。
 パナソニックさんと取り組んだ街のモデルで
は、道路を減らして緑道を増やしたことで道路
比率が8%程度で済んでいます。多摩ニュータ

図9:パナソニックと取り組んだ完全に歩車分離の街の構想
図10:土間に来訪した自動走行車が様々な機能を提供する中間領域
TheTRUCK2018年7月号28
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
ウンだと20%くらいありますので、12%分が
緑地に変わったということはそれだけ人にとっ
て住みやすい環境になっているということで
す。このモデルの緑道はラドバーンよりも機能
を拡張していて、12メートルくらいの幅にす
ることで歩行者やローカルモビリティが走行す
るだけではなく、緑道上にちょっとしたお店が
できたり、子供が遊べたり、ペットなどと散歩
ができたりと、人と動物と緑が共存できる空間
を作っています。こういうことが本当の人間の
豊かさの原点だと思っています。
伊 藤 緑道の手入れはロボット型掃除機のよ
うな機械にやってもらえれば住民の負担も減ら
せますね。
末 光 以前の提案の土間のような中間領域で
すが、このモデルでは図10にあるようなガラ
スの温室に囲まれた場所を提案しています。こ
こも土間のようになっていて、機能を持った低
速の自動走行車が入ることができて、その場所
が映画館、フィットネスクラブ、病院、料理教
室などに化ける仕組みとしています。
伊 藤 こうやって機能が運ばれてくると色々
な楽しみができますね。それから
キッチンカーのように自動走行車
に新しい機能を自由に持たせられ
るということは、お店を持たずに
スモールビジネスを始める可能性
も出てきますね。
末 光 トヨタ自動車のeパ
レットなど、自動車メーカーも
似たようなモビリティを提案さ
れていますが、モビリティ単体
だけで発想するとそのモビリ
ティで完結させなければならないと思ってし
まうので無理のある提案になりがちです。建
築や自然環境も抱え込んだうえでその土地な
らではのモビリティを考えるというのが本来
の姿ではないかと思います。eパレットも建
築と一緒に考えていけばもっと広がりのある
構想が生まれていくは
ずです。
伊 藤 このモデルで
は最初に開発した場所
が成功した場合には、
緑道部分がどんどん外
にも伸びてつながって
いくのですね。
末 光 自動車道(公

TheTRUCK2018年7月号29
道)と緑道を完全に分離した理由には日本の
道路規制が厳しいということも背景にありま
す。最初に完成した緑道で実証実験した結果
がうまくいった場合には、私有地であった緑
道を徐々に公道化していき、それを街全体に
広げていくようなことを考えています。そう
いう段階的な仕組みを持たないと日本ではい
つまでも新しいモビリティの導入が進んでい
かないと思います。
先人たちの知恵をリデザインすれば
 世界最先端の提案ができる
末 光 こういうアイデアを提案せざるを得な
いのも、成熟化が進んで管理一辺倒となってし
まっている日本の社会システムに問題があるか
らです。世界中のどの都市にも風俗街などがあ
りますが、実は風俗街を完全に規制してしまう
と自殺者がすごく増えるそうです。動物を完全
な無菌室に閉じ込めると早く死んでしまうよう
に、余地をなくして完全な管理社会にしてしま
うと豊かさを感じられなくなってしまいます。
むしろ、ある程度のグレーゾーンを抱え込むこ
とが先進的であるという発想に切り替えるべき
だと思います。
伊 藤 その気持ちは良くわかります。シンガ
ポールという街は人工的に作られていて規制も
厳しいので、長く住んでいると息苦しくなると
聞いたことがあります。橋を渡ってマレーシア
の大自然に行きたくなるそうです。シンガポー
ルにも公園はたくさんありますが、人工的に作
られて管理されているので、やはり本当の自然
とは違うわけです。マレーシアに行きたくなる
気持ちと同じですね。
末 光 グレーゾーンを抱え込んだ仕組みは
元々日本社会にあったわけです。それを排除し
て先進国に追いつけ追い越せとやってきました
し、今もやっていますが、昔の日本の思想こそ
が実は最先端であるということに日本人は早く
気付くべきです。
伊 藤 中国やインドの人たちはまだ所有の豊
かさを追いかけている状況なので、日本人が先
に提案して実現していけば、彼らもいずれは注
目するようになるでしょうね。
末 光 確かに中国の人にはまだ理解できな
いかもしれませんね。最初にご紹介した超多孔
質な集合住宅の構想を中国でプレゼンしたとこ
ろ、なぜ今更地面に近いところに住まないとい
けないのか、自分たちはようやく平地から脱出し
て高いところにいけるようになったのにと言われ
ました。まだまだ高層マンションのほうが豊かで
あると思っている人のほうが多いのでしょうね。
伊 藤 同じようなことをインド人からも聞き
ました。デトロイトの市内が徐々に空洞化し始
めているので家庭菜園や農業を市内で始める人
が増えているそうですが、インド人からすると
自分たちは牛や羊がいた農地を再開発してせっ
かく工場団地を作っているのに、それと逆のこ
とを先進国がしていることに全く理解できない
様子でした。

TheTRUCK2018年7月号30
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
末 光 確かに一周してみないとわからないと
いうことはあるでしょうね。
伊 藤 かつて東京大学都市工学の大野先生が
仰っていたことが印象に残っているのですが、
人は父のやってきたことを否定して祖父のやっ
てきたことを肯定するようなところがあるそう
です。その象徴が日本橋だと仰っていて、首都
高は戦後に世界最高の技術を駆使して作ったも
のですが、世代が変わると日本橋の上にかかっ
ている邪魔なものと言われてしまい、それより
前の世代の作った日本橋を復活させようという
話になっています。しかし、実際に首都高をつ
ぶしてしまったら、首都高こそが遺産だったと
いう人が現れるかもしれません。
末 光 人間ってそういう生き物なのかもしれ
ませんね。
過度に分業化が進んだことで
 「街づくり」の能力が失われている
伊 藤 ところで、なぜ建築家であるにも関わ
らず街づくりや未来の集合住宅の在り方などを
次々と提案されていらっしゃるのでしょうか。
末 光 分業化が進んでしまったので段々とそ
う思われなくなってしまいましたが、高度経済
成長期の頃に丹下健三氏が東京大学に都市工学
科を創設したことに表れているように、建築家
というのは街づくりからプロダクトまでを横断
的に設計する仕事だったのです。ところが段々
分業化が進んでしまい、2011年の東日本大震
災後の復興時には、あれだけの土地で新たに街
を再構築しなければならなくなったにもかかわ
らず、都市計画に関わることができた建築家は
ほとんどいませんでした。
伊 藤 そこは完全にゼロなのですか。
末 光 限りなくゼロに近いです。さらに言う
と都市計画もほとんど作られていなくて、土木
コンサルという道路を造ったり区画整理をした
りする人達が行政に入り込み、どこにでもある
ような駅や道路を作って、そこに建築家や住宅
メーカーが建物や家を建てていって街が作られ
ていったのです。これまでにない全く新しい街
づくりを試みるチャンスであり、多くの建築家
が様々な場所で関わろうと試みたのですが、全
く新しいことを横断的にやる方向に舵は切られ
ませんでした。
伊 藤 それでも誰かが震災後の街づくりや都
市計画を描いたのではないのですか。それがな
いと何もないところに街を造りようがないと思
うのですが。
末 光 本当は国としてもっと大きな舵を切れ
れば良かったのですが、復興地域の住民の方も
元の街に戻してほしいと願う人が多く、完全に
元通りにはなりませんでしたが、結果的にその
希望をなるべく叶える方向になりました。高齢
化社会や人口減少を見据えたコンパクトシティ
化を想定して新しい街にしようという発想には
至らなかったのです。この問題は本当に深刻で
して、我々も震災後の建築に関わったときに、
道路計画には全く関与させてもらえず、敷地の
中でしか設計をやらせてもらえませんでした。
伊 藤 道路計画が先に決まっていて、その上
で“狭義”の建築家として建物や住宅などにし
か関与できなかったということでしょうか。
末 光 宮城県亘理郡の山元町という場所で復
興地域の小学校と子育て支援施設の設計を担当
したのですが、せっかく新しく常磐線の駅を内

TheTRUCK2018年7月号31
陸に移して街ごと作り直すことになったのに、
駅から役所と結ぶ目抜き通りを作るところまで
を土木コンサルが既に設計していました。住宅
地と公共施設の場所も既に割り当てられてい
て、その公共施設の場所で設計するように求め
られました。しかし、公園と駅があったのでそ
こと公共施設を結ぶような緑道を設計し、震
災前に流されずに残った樹木を移植することで
「記憶をつなぐ緑道を作りましょう」と提案をし
たのですが、小学校は文科省系、子育て支援施
設は厚労省系ということからなのか、横断的に
緑道を造ることでさえも認められませんでし
た。小学校側が是非造ろうといっても、子育て
支援施設側が必要ないということになって結局
個別の建物が造られるだけになってしまいまし
た。そういう横断的な提案ができる土俵が日本
にないのです。
伊 藤 地元自治体も横ぐしを刺そうとは言わ
なかったのでしょうか。
末 光 当時は役所自体もややパニック状態に
なっていて、震災前には公共施設の建設という
と年に数件程度の状態だったのが、震災後は一
気に街づくりからあらゆる公共施設の建設まで
をやらなければならなくなったものですから。
それだけの大プロジェクトですので様々なとこ
ろから応援を派遣してもらってようやく進めら
れる状態であり、完全に課ごとに担当が別れて
しまい、横ぐしは全く刺さらなかったです。我々
は踏ん張って提案したのですが、唯一できたこ
とは駐車場を施設ごとに分けずに一体的に利用
することぐらいでした。
社会の成熟化により官民での
 新しいビジョンの実行力が失われた
伊 藤 分業化の話に少しだけ戻りたいのです
が、丹下健三氏の時代には大きな建設計画を建
築家が描けたのが、なぜ分業化して土木コンサ
ルという企業に任さざるを得ないようになって
しまったのでしょうか。
末 光 それには複雑な事情が絡んできそうで
すが、高度成長期の時は建築家が目指す建築の
ビジョンと国家のビジョンが同じ方向を向いて
いたのだと思います。例えば丹下健三氏が設計
した香川県庁舎というのがあるのですが、海外
から入ってくる建築の文化と日本の文化をどう
ミックスするのかを彼は考えて設計しており、
その後、彼の考えた設計思想が日本中に広く浸
透していきました。広島の原爆ドームや平和記
念公園を設計したのも丹下健三氏ですが、その
時にも広島市の復興都市ビジョンに対して道路
や建物はどう配置されるべきかを考えて提案し
た結果が広島市に採用されています。国のある
べき姿や将来の暮らしのあり方と、建築家が
持っているビジョンが重なりシンクロすること
ができたのだと思います。しかし、段々とそれ
がずれていって、経済が落ち込んでくると箱モ
ノを造ることが悪いことのようになっていき、
建物を含む新しいビジョンを描くこと自体が難
しくなっていったのだと思います。
伊 藤 バブル崩壊や財政赤字の影響がかなり
響いているということですね。

TheTRUCK2018年7月号32
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
末 光 そもそも新しい都市を造るチャンス自
体が無くなっていったということも大きいと思
います。そのことは東京大学の都市計画系の研
究者のテーマにも影響しています。40年位前
ですとニュータウンの研究が熱心にされてい
て、それが多摩ニュータウンや千里ニュータウ
ンなどのニュータウン計画に結びついていった
のですが、今はそういう計画自体がほとんどな
いので、都市計画の研究者は街づくりといって
も「地域コミュニティの再生」といったソフト的
な研究テーマに軸足を置いています。東京大学
の研究者が「お友達作り」のようなことをやるの
かと思ってしまいますが、残念ながら時代背景
が大きく変わってしまった結果、40年前と比
べて都市を造るノウハウも失われつつあるとい
うのが現実です。
伊 藤 それは大変残念な傾向ですね。しか
し、一方で高齢化、人口減、コンパクトシティ
といったテーマから新しい街づくりが求められ
ていますし、モビリティの仕組みが変ろうとし
ている中で新しい都市交通のあり方についても
提案が求められています。むしろ、日本以外の
世界では次々と新しい街づくりや都市交通のト
ライアルが行われていて、財政的に余裕がなさ
そうなイギリスやフランスもそうですし、イン
ドや東南アジアなどの新興国でもそういうこと
が行われつつあります。都市交通に関していう
と、日本と違ってむしろインフラへの投資を極
力抑えようとしていて、その代わりに新しいモ
ビリティサービスを導入する、自転車道や自動
運転専用レーンを整備するといった形で既存の
インフラの利用方法変える、渋滞税などの新し
い規制を入れる、といった形でスマートな都市
交通をデザインしようとしています。そういう
ことであれば投資が少なくて済むので日本でも
トライアルが可能だと思うのですが。
末 光 ヨーロッパに比べると日本は景観など
街づくりに関する規制も緩いですし、多くの知
見はあるのですから、モビリティも含めて様々
なチャレンジができるはずですよね。
「多様化」と「簡素化」の相反する
 価値観が同居する現代
伊 藤 末光さんの街づくり構想における哲学
の部分に触れていきたいのですが、ご提案され
ている構想を伺っていると最後はマークⅡ、い
ずれはマイホームといった高度成長期の共通の
ゴールに対してのアンチテーゼをぶつけようと
されているようにも感じます。そこで改めて未
来の街づくり、住まい方、ライフスタイルの提
案にはどういう哲学があるのかを教えていただ
けないでしょうか。
末 光 なかなか難しい質問ですが、二つベク
トルがあると考えています。一つはインターネッ
トの普及などによって進んだ「価値観の多様化」
の対応です。かつては誰かが決めた方向性に対し
てみんなが憧れを持つという時代でしたが、様々
な情報が入るようになってそういうことに抵抗感
を持つ人が増え、今では自分で暮らしを組み立て
たいという人のほうが多くなっています。最近で
は、新築マンションが売れなくなってきているの
ですが、その理由として3LDK75㎡のように標
準化された部屋のマンションが9割を超えてし
まっている現状があると思います。かつては様々
なタイプの部屋のマンションが建てられていたの
ですが、商品の画一化が進んでいったことと、一
方で若者を中心に価値観が多様化していったこと
がミスマッチを生んでいます。だからこそ、中古
マンションを購入してリノベーションやDIYな
ど自分でカスタマイズする方向にシフトしている
のだと思います。
 もう一つのベクトルは情報が増すことによる

TheTRUCK2018年7月号33
「簡素化」です。ミニマリズムなどに象徴されま
すが、持ち家もいらない、所有物も最小限で良
い、最小限の収入が得られるのであればリスク
のある独立よりもサラリーマンを選ぶ、といっ
た発想です。シェアリングエコノミーを推し進
めている要因でもあると思います。
 現在は、「多様化」「簡素化」の相反するベク
トルが同時に動いている印象があります。
伊 藤 そうすると住まいや生活必需品にお金
をかけないトレンドになっているということで
しょうか。
末 光 お金をかけずに自由にカスタマイズし
たいというのが本当のニーズなのではないで
しょうか。IKEAとかユニクロなどができて、
家具も洋服も安価で自由にカスタマイズできる
ようになったことで、お金をかけずに自由にや
ることに慣れてしまったように思います。一方
で、ものすごくお金持ちの人たちは極上のもの
が欲しいとエスカレートしていて価値観が両極
端になっているのかもしれません。
 建築家の仕事も中間層のニーズはだんだん
減っているのだと思います。ローコストだけど
面白いことをやりたいという人と、本当に極上
のものを作りたい人とに二極化しています。そ
して、中間層のゾーンが建売マンションやハウ
スメーカーなど大量生産のビジネスに取られて
いる気がします。価値観の多様化と簡素化の両
方をうまく抑えて大きく外さない物件にしてい
るからでしょう。
伊 藤 「器用に暮らしていきたい」といった価
値観なのでしょうね。
末 光 これまでは家や家電や車をローンで買
い、必死になって働きながら何十年にもわたっ
て返済していくということが当たり前でした
し、そういう形で労働や消費行動をしてもらう
ことが国のエンジンとなる政策にもなっていま
した。しかし、今の人はそういう幻想から目覚
め始めているように思います。
 したがって、これから新しい街を造っていく
としても初期投資がそれほど大きくなく、かつ
カスタマイズできるものが受け入れられると
思っています。マンションの躯体がすべてさら
け出されていて、壁や床に自由に木や石を貼り
コンクリートの上に家具をおしゃれに配置した
だけのマンションが流行っていることにもそう
いう背景があるのだと思います。
経済活性化のためには新しい提案や
 より踏み込んだ提案が必要
伊 藤 集合住宅がそういう方向に行ってし
まうと建築家の仕事はどんどん厳しくなります
ね。一方で少し前からですが、3Dプリンタが
出てきて、クラウドファンディングが流行るよ
うになって、自分の感性にあうプロダクト、数
は少ないけれどニッチ向けには確実に売れる商
品、などを作ったり販売したりしやすくなって
います。そうなると、大手メーカーが作りそう
にないユニークな家電や家具、高いけど珍しい
壁紙など、「オンリーワン」の価値の提案競争の
ようなことが生まれ始めているように感じてい
ます。そこにSNSが後押しすると、それ自身
が新しいエコノミーを生み出すのではないかと
考えています。
末 光 そういう傾向にあるのは間違いないで
すね。昔のように単一の価値観に偏った豊かさ
のビジョンでは受け入れられないので、半分くら
いまではプロが作り上げて、残りは各個人が自ら
作り上げていくような仕組みが受け入れられるの
だと思います。この流れは戸建て住宅でも公共
建築でも共通した方向性になると考えています。

TheTRUCK2018年7月号34
伊 藤 将来進むべきベクトルやこういう世界
を目指したいという価値のベクトルが示されな
いので、なかなかお金が使われず、その結果と
してどんどんデフレになっているように感じま
す。政府はもちろんそうですが、既存の産業界
で大きな力を持っている企業の多くも勇気を
もってベクトルを示そうとしないので、国民や
ユーザーとしては漠然とした不安や不満を抱え
た状態になり、デフレなどの悪循環に入ってし
まっていると思います。ポジティブな提案が
次々とされるようになれば、自ずと経済のエコ
システムが回るようになると思うので、提案不
足を解消することが急がれているのではないで
しょうか。
末 光 提案不足もそうですが、踏み込み不足も
あると思います。画一的な集合住宅も作られすぎ
て余っているのですが、大手デベロッパーは相変
わらず同じ商品を作ろうとしています。今の瞬間
は確かに売れているのですが、その彼らでさえも
東京オリンピックの後については不安を持っている
ようなのです。そうであるのならばリノベーション
に手を出すかというとちょっと違うといい、シェア
ハウスについては大したマーケットにはならないと
いって踏み込めない。そうやって過去の成功体験
や既存のビジネスモデルにすがりつく状態になって
います。失礼ながら自動車産業も同じような状態だ
と感じます。そういうことがあらゆる分野で起きて
いるのが今の日本社会ではないかと思います。
タテワリの規制強化や性能向上が
 全体不最適につながる
末 光 建築の世界で問題になっているのは規
制が強化されるほど建物がどんどん外に対して
閉じる方向になってしまうことです。その典型
例が省エネ性能なのですが、窓を減らして断熱
を増やして気密性を上げれば手っ取り早く省エ
ネ性能は上げられるのですが、反作用としてア
ジア的な中間領域の価値が死んでいきます。
伊 藤 今の話を伺っていると自動車と全く共
通する話だと思いました。安全規制をどんどん
強化するので衝突安全ボディ、エアバッグ、カ
メラ、レーダーなどを次々と搭載することでど
んどん車格が大きくなって、外部との関係がよ
り遮断される方向に行っています。
末 光 全くそうですね。私は自動車の世界は
門外漢なので、自動車の話をするときは必ず建
築の世界に置き換えながら理解するようにして
いますが、構造的な問題は非常に似ていると感
じます。
 自動車業界もそうですが、日本メーカーの多
くは性能を高めることばかりに執着して、結果
として完ぺきに近いパッケージのクルマを作る
のですが、ではそのクルマをどう使うのかとい
われると答えに窮するといった傾向がありま
す。残念なことに日本では技術が進化すればす
るほどタテワリになっていく傾向があって、誰
も横断的に物事が見られなくなっていきます。
 それに対抗するわけではないですが、グーグ
ルやアマゾンなどのインターネット企業は「情
報」という視点から横断的にみられるので新し
いことに取り組めているのだと思います。た
だ、そういう彼らもリアルな空間をどうデザイ
ンするかというところまでは分かり切っていな
いはずです。
伊 藤 そうですね。日本はリアルの強みが
せっかくあるのにそれを十分に生かし切れてい
ないと思っています。
末 光 日本の課題は東南アジアに共通する課
題です。東南アジアでは、昔は路上で食事をし
たり、散髪をしたりする緩い文化がありまし
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨

TheTRUCK2018年7月号35
た。路上には日陰があって風も通るので家の中
と外を明確に区別することなく使っていたので
すが、欧米に追いつけ追い越せとなって高気密
なガラスのビルを建ててエアコンでギンギンに
冷やすという状況がどんどん広がっています。
東南アジアに行くたびに本当にアジアはこれで
よいのかと思ってしまいますが、先ほど提案し
た街のビジョンはアジアにも展開できる可能性
があると思います。
 500世帯で住むという構想もなぜ提案して
いるかというと、家族をより細かい単位に分け
ることで経済原理を最優先にしてきたことによ
る反省があるからです。昔は大家族で住むのが
当たり前でしたが、経済発展とともに都市に出
てくる人が増えてそういう人たちが核家族を形
成するようになりました。今は世帯数が減って
いて平均2人を切っていますが、こうやって
家族が細かく分割されていくと、ガスや電気の
契約はもちろんのこと、家電や設備機器も数が
増えていきますので売れる数を増やしたいとい
う経済原理に合致するわけです。しかし、それ
によって社会の分断も進んでしまったので、あ
えて家族を超えてミックスしていくことで分断
によって生じた問題を解決しようというのが提
案している構想なのです。緩い境界を作りなが
らシェアリングを増やしていく概念です。
伊 藤 シェアリングが進むことで逆にこれまで
個別では買えなかった豪華な設備機器が導入で
きるという可能性もありますよね。プロ用の調理
機器を入れたり、高価なホームシアター機器を
入れたりできると新しいQOLが生まれますね。
末 光 どうしてシェアリングの概念が日本で
広がらないのかと悩んでいるのですが、標準的
なユーザー層を描いてプロダクトを設計するこ
とが最適解であるという幻想に捕らわれている
からではないかと思っています。一つのプロダ
クトを作るのに膨大な時間と初期投資がかかる
ので、様々な要素を加味するとなかなか決めら
れなくなるのでしょうね。モビリティの問題も
同じで、地域によって課題はそれぞれ異なるの
ですが、大量生産に慣れ親しんだ人たちからす
ると標準化できない個別の課題に対応していく
と儲からなくなると思っているのだと思います。
オープンクローズをスケルトンインフィル
 で実現できないか
伊 藤 それを賢く乗り越えたのが第6回に
ご登場いただいた立本先生が語られているオー
プン・クローズ戦略を活用した企業です。ウィ
ンドウズPCやiphoneのような端末のことを
指していますが、例えばiphoneでいうと外形
の寸法や基本的な機能は共通化したうえで、ス
マホの外見を変えたいユーザーのためにはスマ
ホの寸法の情報をオープンにすることでケース
メーカーが色々なデザインのケースを自由に販
売できるようにしています。同様にアプリとい
う形でスマホに様々な機能を個別に取り込める
ようにしています。これによって、基本のコス
トを抑えながら、個別のニーズに対しても柔軟
に対応できるようになっています。これから
は、建築、自動車、家電においても同じように
なっていく必要がありますが、なぜか全然でき
ていないように思います。
末 光 どうしてそれができないかというと、
安全基準の問題があるからです。自動車のよう
な世界では、全体のシステムとして安全を担保
しなければならないので、一部だけをオープン
にすることが難しいのだと思います。本当は半
完成のような作り方ができれば一気にイノベー
ションが進むと思うのですが、自動車は安全基
準が厳しいので難しいでしょうね。ただ、建築
の世界には「スケルトンインフィル」という概念

TheTRUCK2018年7月号36
があります。建物のフレームだけを作っておい
て、部屋の間取りや水回りの配置などは個人の
責任で自由に決めることができる仕組みです。
そういうことが実際の建物でできるようになれ
ばぐっと面白くなると思います。
伊 藤 スケルトンインフィルは非常に面白い
と思います。料理好きな人や料理教室を開きた
い人は部屋の中心にキッチンを配置するでしょ
うし、お風呂好きな人は部屋の真ん中に大きな
湯船を配置するでしょう。ただ、水道管、下水
管、ガス管などを通すとなると配管の問題など
に神経を使わないといけないので、プロに任せ
るかアドバイスしてもらいながら施工すること
になりますから、周辺ビジネスも広がります。
ユーザーによっては高価な建材を使いたい人も
いるでしょうから、材料メーカーなどにもチャ
ンスが生まれると思います。
末 光 本当にそうですね。管理社会が行き
過ぎているせいで、自由度が欲しい部分でさ
えもシステム全体で規制されているのが非常
に残念です。スケルトンインフィルの場合も、
フレームをゼネコンが作ったうえで、室内の
施工は住まい手の責任でやることになると、
建築基準法や消防法が障害になってきます。
消防法への対応や申請を誰がやるのか、素人
では簡単にできない、といった問題が発生す
ると思います。したがって、規制の運用にも
ある程度の柔軟性を持たすことができれば、
一気に面白くなると思います。様々な企業や
プロフェッショナルがこの仕組みに入ってく
るようになってクリエイティビティを誘発で
きると思います。日本は本当に規制でがんじ
がらめなので、その部分を解いてあげると様々
な能力を持っている人や企業が価値を発揮で
きるようになると思います。
伊 藤 規制に関していうと、法律の解釈その
ものをリノベーションする必要を感じていま
す。例えば、消防法については火事が起きにく
い、ボヤが発生しても火が燃え広がらないとい
うことが大事なわけですから、不燃材や難燃材
で固めなくてもすぐに火が消せる仕組みなどが
別にあればよいはずです。そうやって解釈に柔
軟性を持たせることで、これまでの仕組みから
新しい仕組みへとシフトさせるようなことがで
きれば、そこに新しいスタンダードが生まれる
と思います。是非ともそういう概念を社会に提
案していきたいですね。
末 光 規制のもう一つの問題は、人を信用し
ないことが大前提になっていることです。最初
のほうに述べた省エネ法の話でも、人が換気す
る可能性は認めず、機械が自動的に換気するも
のだけを認めていきます。そうやって人の自由
を奪うようなことを広げていくと、新しいもの
は全く生まれなくなります。もっと、フレキシ
ブルな規制体系に変えていくべきです。
伊 藤 全くそうですね。是非、規制体系も含
めて新しい哲学による新しい概念の街づくりや
都市交通を提案して、具体的に実装していきた
いものです。本日はどうもありがとうございま
した。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑨
末光弘和
(すえみつひろかず)
SUEP.代表取締役 一級建築士
1976 愛媛県松山市生まれ
1999 東京大学建築学科卒業
2001 東京大学大学院修士課程修了
2001ー2006 伊東豊雄建築設計事務所(主にヨー
ロッパ・シンガポール等の海外プ
ロジェクトを担当)
2007ーSUEP.
2009ー2011 横浜国立大学大学院YーGSA設計
助手
2011ー 株式会社SUEP 代表取締役
2011ー 東京理科大学非常勤講師

世界の特装車研究
Lodal社製エヴォEVOシリーズのサイドローダー外観。坂の街サンフラ
ンシスコ市のコールバレー地区にて
はじめに
 アメリカでもゴミ収集は各地の自治体の主要業務の
一つである。道路清掃車などと共に専用車が投入さ
れている。此処に紹介するのは、サンフランシスコ
市内で活躍するローダルLodal社製のエヴォEVO
シリーズのサイドローダーだ。
 ローダル社のエヴォシリーズ車の特徴は、シャシ、
上物をモジュラー化し一貫して自社の設計により用途
に最適な仕様で組み上げているところだ。
作業の効率性を徹底追求
 先ずシャシ。前輪駆動で運転席はエンジンを挟ん
で左右に設けられている。スライド式ドアで乗降は往
来の車の邪魔にならない。ドライバー兼オペレーター
はワンマンで、運転は立った姿勢でも可能だ。住宅
街での収集作業は2〜3軒於きに停車することもしば
しばだから、低い床の立ち姿勢での乗降と移動運転
は作業性が抜群だ。
 前軸より前方のキャブ・駆動ユニットを標準化し、
要求積載容積/積載重量に応じてホィールベースを
伸縮したり後軸数を変更することに柔軟に対応出来
る。タイヤはスーパーシングルタイヤで、前後全輪同
サイズ。フレーム組み幅は極大化されている。ホィー
ル総数が少ないことはタイヤ管理上有利だろう。
 エンジンはユーザーの好みで選択出来る。これは
アメリカの伝統的商習慣に対応している。サイドロー
ダー方式は狭い住宅街での作業に際し必要に応じて
左右のローダーを任意に使い分けられる。運転席との
距離が短いことは頻繁な乗降動作との関係で疲労軽
アメリカのゴミ収集車はさすがに大きい。ただ大きいと言う
だけでなく、中身も先進的かつ合理的だ。住宅街で活躍する、
ごみ収集車の代表例を紹介する。
文と写真 
西襄二
TheTRUCK2018年7月号38

作業はワンマン式。年配の作業員がポーズしてれたサイドローダーは左右対称構造。この道路は相互通行で左側に余裕があ
り、左側の家屋からは左側ローダーも利用
この場面では右側ローダーを利用。異なる種類の容器を同時に処理する
のはボディが仕切られているから
平鋼板と平ガラスで構成されたキャブは厳ついが機能性は高い
立ったまま操作が出来る運転席が左右に設けられている。乗降に便利な
低床式で前輪駆動
後部外観から、ボディ内部が仕切られている様子が覗われる。排出時に
上方ヒンジを支点に開く仕組みだ
TheTRUCK2018年7月号
39

世界の特装車研究
各家庭に備えられている容器は〝ビン〟と呼ばれ3種類に分別されている。歩道は広く縁石には家屋番
号表示がある
後軸は稼働地の実情に応じて1軸か2軸の選択が可能。スーパーシン
グルタイヤでホィール本数が少ないのはタイヤ管理が省力化できるだろ
減に有利だろう。
 自治体によってごみ容器(ビン)の形状は異なる
ので、ローダーのビンを掴むアタッチメントは選択
可能だ。
 サンフランシスコ市で稼働中のこの車は、EVOシ
リーズ車の中でも最大級のT-28型がベースのよう
だ。ゴミ圧縮収納部の積載容積は28立方ヤード(約
21.5㎥、最大積載量は60,000ポンド(約27.4ト
ン)、平均比重1.26の状態まで押し込む〝高圧縮型
HighCompaction〟と表記されている。
キャブは平鋼板の溶接構造でシンプルな造りだ。
従って、ホームページに掲載されている工場設備もシ
ンプルなものだ。
 ローダル社は、アメリカ中東北部ミシガン州の最西
北部、隣のウィスコンシン州と接するミシガン州の飛
び地のような五大湖の一つスーペリオ湖に張り出した
半島の付け根のキングスフォード市に立地している。
当地のアイアン(鉄)山地の裾に位置する特装車メー
カーである。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□。(この部
分、上方が入れば文字記入します。)
サンフランシスコ市で
展開するRecology運動
 サンフランシスコ市の場合、家庭ゴミは毎週1回
回収される。筆者がこの車を宿舎の民家前で撮影し
たのは火曜日だった。午前7時少し前、通勤時間帯
には少々間があるといった時間帯だった。
 各家庭に備えられたゴミ容器は3種類に色彩分別さ
れており、黒=埋立品、青=リサイクル品(紙・樹脂類・
ガラス・金属・繊維製品)、緑=食品残渣(コンポスト・
堆肥用)と決まっている。収集車のボディは内部が仕
切られており、観察によれば容器(ビン)を指定のロー
ダーで掬い上げるように操作していた。
 日本では、例えば筆者の住む横浜市では火曜日と
土曜が食品残渣類を含む一般ゴミ、水曜日がプラス
TheTRUCK2018年7月号40

リアローダー式ゴミ収集車の例(EZPack社製)。圧縮機能は無い
(シャシはMACK車)
黒色のビンは「埋立品、青=リサイクル品(紙・樹脂類・ガラス・金属・
繊維製品)」用。中国語・英語・スペイン語の3カ国語で表示
緑色のビンは「食品残渣(コンポスト・堆肥用)」用
青色のビンは「リサイクル品(紙・樹脂類・ガラス・金属・繊維製品)」用大きなR文字をあらったリサイクル運動〝Recology〟の表記がある
ティック包装材及び紙類、金曜日がビン・カン・小物
金属類、となっており、地域により曜日は変わるが週
4回の収集がある。収集車のボディに内部仕切りは無
いから、曜日を変えて収集車の使い回しをするわけだ
が、家庭側は週4回の早朝作業が必要である。家庭
側の負担で考えればサンフランシスコ方式が望ましい
か? 但し、日本の各家庭のゴミ置き場の大きさから
異論も当然あるだろう。(ここまでの写真は筆者撮影)
他社のゴミ収集車の例
 自由競争のアメリカだから、ゴミ
収集車の架装メーカーは少なくな
い。代表例をいくつか例示してお
こう。機能面で大別すると、リア
ローダー、フロントローダー、サイ
ドローダーに分かれるが、中には
リアローダーとサイドローダーを兼
ね備えた車もある。(例示した写真
は各社のホームページから引用)
TheTRUCK2018年7月号41

世界の特装車研究
他のサイドローダー式ゴミ収集車の例(Bridgeport社
製)。(シャシはMACK車)
リヤとサイドにローダーを組み込んだ欲張り仕様
の例もある(Bridgeport社製)。(シャシはMACK
車のドロップフレーム式)
フロントローダー式ゴミ収集車の例(EZPack社製)。
圧縮機能搭載(シャシはMACK車)
新しいサービスについて
 久し振りにアメリカに出かけた。サンフランシスコ
とベイエリアである。
 サンフランシスコは、近年のモビリティの世界で話
題のウーバーUberの発祥の地としても知られてい
る。創業は2009年。更には旅行者に便利さを提
供するエアビーアンドビーAirbnbの発祥の地でもあ
る。こちらの創業年は2008年。
 かのシリコンバレーに近く、IT系スタートアップ企
業が事務所を構えるのに比較的ハードルが高くないと
いうことかから、近年、新しいIT企業がひしめいて
いるともいわれる。
 筆者も、滞在中の短距離移動は全てウーバーを利
用した。必要な時間の15分くらい前に検索をかける
と、スマホの画面に付近の地図と圏内にいるUber
契約車が複数表示される。その内の応答車が決まる
と他の車のアイコンは消えて応答車が自分のところに
刻々近づく様子が動画風に表示される。指定時刻の
2〜3分前には到着、ということが殆どであった。乗
車前には目的地までの凡その所要時間、そして確定
料金が表示されるから、安心度は高い。人数に応じ
て車種は選べる。
 下車すると、直ちにドライバーに対する評価を問い
合わせて来る。気持ちよかったらチップを支払うこと
も全てスマホを介してネット決済である。
 宿泊施設は、予め出立前にエアビーアンドビー
Airbnbを通じて予約しておいた3か所の民宿を利
用した。目的と人数と希望地区を入力すると多くの
候補物件が表示され、そこから空き状況を見ながらこ
れも全てネット経由で手配と決済ができる。いずれも
ビーアンドビーの宿泊部分の利用に限定されていた
が、居間やキッチン、洗濯の設備は満足の行く施設
であった。
 長距離移動には伝統的なレンタカーを利用した。
これまでの感覚では、空港でレンタカーを借りだ
し、帰国時に返却するというパターンが多かった
が、今回はダウンタウンに拠点のあるレンタカーを
長距離移動期間のみ利用し、その他はUberの活
用で経済的にも負担は削減できた。空港で返却す
る方式はそれなりに便利ではあるが、返却場所か
ら航空会社のチェックインカウンターまで手荷物を
持っての移動は結構面倒だから、新しいモビリティ
サービスの利用は実感として便利な仕組みで、良
い経験をした。
(本稿了)
TheTRUCK2018年7月号42

仕様
項目
チップセッ
センサーデバイス
画角
ディスプレイ
供給電圧
動作温度範囲
記憶ディバイス
記録フレーム
カメラモード
記録内容
記録形式
マイク
時刻設定
加速度センサー
質量
内容
AmbarellaH.264画像圧縮チップ
フルHD5MCMOSセンサー
約105度
LCD3インチ4:3モニター
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読み書き速度15MB/s以上推奨
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VIEWTECのドライブレコーダーVIEWTECのドライブレコーダー
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こんな使いかたも
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共同プロジェトの開始で握手を交わすセブン-イレブン・ジャパンの古
屋一樹社長(左から3人目)トヨタ自動車の友山茂樹副社長(右から
2人目)
TheTRUCK2018年7月号44
 ㈱セブン‐イレブン・ジャパンとトヨタ自動車㈱は、
2017年8月に店舗および物流における省エネル
ギー・CO
排出削減に向けた検討に関する基本合意
書を締結し、トヨタが新たに開発する燃料電池小型ト
ラック(FC小型トラック)や燃料電池発電機(FC発電
機)の活用を検討していた。このたび、共同プロジェ
トの具体的な内容が固まり、2019年から順次プロ
ジェクトを展開することになった。
 これを受け、両社は2018年6月6日、2019
年秋に開始する「CO
排出削減を目指した次世代型コ
ンビニ店舗の共同プロジェクト」の説明会を東京都江
東区のメガウェブで開催した。
FC
小型配送車が始動!
セブン‐イレブンとトヨタがCO
大幅排出削減を目指した
次世代型コンビニ店舗の共同プロジェクトを2019年秋より開始
物流も含めた低炭素化・省エネルギーを推進
次世代自動車◇ニュース

①店舗で使用するエネルギーを、再生可能エネルギー
と、将来的に低炭素水素に移行することを見据え、
両社で効率的なエネルギー調達方法と活用について
検討する。
②店舗にリユース蓄電池やFC発電機を、配送には
FC小型トラックを導入し、各領域でのCO
排出削減
を進めるとともに、求められる性能・コスト・耐久性・
CO
削減効果を評価し、さらなる展開を目指す。
共同プロジェクトの全体概要
今後の展開計画
TheTRUCK2018年7月号45
 このプロジェクトは、セブン‐イレブンの店舗と物流
にトヨタが培ってきた技術やシステムを導入し、CO
排出削減を目指すもので、店舗に、定置式のFC発
電機とリユース蓄電池を導入するとともに、それらを
店舗エネルギーマネジメントシステム(BEMS)で統合
的に管理し、店舗で使用する再生可能エネルギーや
水素由来の電力の比率を高めることで、CO
排出削
減を進めるもの。物流では、新開発のFC小型トラッ
クを導入し、CO
を含めた環境負荷物質の排出ゼロ
を目指すことになる。
 セブン&アイグループでは、取り組むべき社会・環
境に関して、①高齢化、人口減少時代の社会インフ

店舗に導入予定のアイテム「FC発電機」
①店舗にFC発電機を導入し、水素で発電した電力を店舗で使用。②水素ステーションから生じるボイルオフ水素の有効活用も可能。③将来的には、
低炭素水素の利用も見据え、水素エネルギーの有効活用を目指す。
店舗に導入予定のアイテム「リユース蓄電池」
①天候によって発電量が左右される太陽光発電の電力を安定的に利用。②店舗の電力需要に対して発電量が余剰している場合は充電、不足してい
る場合は放電することで、店舗での再生可能エネルギー使用比率を高める。③ハイブリド車の使用済みバッテリーを再利用する。
TheTRUCK2018年7月号46
ラの提供、②商品や店舗を通じた安全安心の提供、
③商品、原材料、エネルギーのムダのない利用、④
社内外の女性、若者、高齢者の活躍支援、⑤お客様、
お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと資源の
持続可能性向上、という「5つの重点課題」を明確に
し、事業を通じた社会課題解決に取り組んでいる。
その中のひとつである「商品、原材料、エネルギー
のムダのない利用」の項目では、2015年に国連で採
決されたSDGsの目標達成に向け、再生可能エネル
ギーの利活用とその拡大を目指している。
 具体的には、2030年までに店舗での再生可能エ
ネルギーの利用比率を20%まで引き上げ、CO
出量を2013年度対比で約27%削減する計画となっ
ている。セブン‐イレブンにおいても、セブン&アイ
グループが掲げる目標に向け、再生可能エネルギー
の利用を中心にサプライチェーン全体でのCO
排出
削減への取り組みを進めている。
 また、同取り組みのフラッグシップとして、2017
年12月7日に“ひとと環境にやさしい店舗”セブン
‐イレブン千代田二番町店を開店。2018年5月22
日には、2店目となるセブン‐イレブン相模原橋本台
1丁目店を開店し、店舗で使用する電力の再生可能
エネルギー比率を46%まで高めている。
 今回、トヨタの技術やシステムを店舗や物流拠点へ
導入して水素を活用した環境負荷低減に取り組み、
2019年春ごろに首都圏でFC小型トラック2台を導
入、2019年秋ごろから、さらに再生可能エネルギー
の比率を高める、次世代型店舗への取り組みを進め
次世代自動車◇ニュース

店舗に導入予定のアイテム「BEMS」
店舗の電力消費状況に応じて、太陽光発電・FC発電機・リユース蓄電池を制御し、最適な電源構成で店舗へ電力を供給。
店舗に導入予定のアイテム「給電機能付き充電器」
EVやPHVへの充電に加えて、EV・PHV・FCVから店舗への給電が可能。災害時に、BEMSと連携し
て充電器に接続しているEV・PHV・FCVから店舗へ電力供給することで、店舗を継続して営業でき、地域
の復旧に貢献できる。
TheTRUCK2018年7月号47
ることになっている。
■FC商用車の投入で水素利用拡大を…
 トヨタは、持続可能な社会の実現に貢献するため、
2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」を発
表し、「地球温暖化」「資源・エネルギー問題」といっ
た地球環境問題に対し、CO
排出削減、エネルギー
の効率的利用や代替燃料の利用促進に向けた水素の
活用などに積極的に取り組んでいる。今回の共同プ
ロジェクトを通じて、セブン‐イレブンの店舗・物流に
おけるCO
排出削減や省エネルギーに貢献するとと
もに、FC小型トラックやFC発電機など新たな技術
や知見の蓄積・実証を進めていくとしている。
 トヨタのFC小型トラックには、FC乗用車「MIRAI
(ミライ)のFCユニットと水素タンクが搭載されてお
り、走行中のCO
排出がなく、FCユニットで発電さ
れた電気は、庫内商品の冷蔵・冷凍にも使われる。
 トヨタの友山茂樹副社長は「持続可能な水素社会の
構築には、水素の安定供給と、安定利用の拡大が必
要で、商業車での展開によって水素の需要拡大を図
りたい。FC小型トラックが1日に使用する水素量は
ミライの30〜35倍程度で、水素の需要を増やすこ
とで、水素供給のインフラを普及させるためには、
乗用車だけでは限界があり、FC小型トラックに期待
するところは大きい」と語った。
 トヨタは2014年に世界初の量産型燃料電池車
(FCV)のミライを発売したが、700万円超の高額な

物流アイテム「FC小型トラック」
MIRAIのFCユニットを搭載し、走行中にCO
などの環
境負荷物質を排出しない配送車を首都圏に導入。FCユ
ニットで発電した電気は、動力のほかに冷蔵ユニットの電源
に使用し、停車中もFCユニットで発電した電気を冷蔵・
冷凍ユニットに給電する。
TheTRUCK2018年7月号48
車両価格と、脆弱な水素ステーション数がネックとな
り、当初の計画より普及が進んでいない。今回のFC
トラックの市場投入は、さらなる水素需要を増加させ
ることになり、水素インフラの整備が加速すれば乗用
車などを含めたFCVのシェアも大きく伸びると期待さ
れている。
 今回投入されるセブン‐イレブン配送用FC小型冷
凍車は、水素を約7㎏積載でき、1回のフル充填で
約200㎞の走行を可能にしている。これは、セブン
‐イレブンの配送車が1日に走行する標準的な距離と
なる。
 トヨタはすでに東京都に対してFCバスを納車して
おり、2020年代の本格的な普及を見据え、乗用車、
バス、トラックなどを含め、世界で年間3万台以上
のFCV販売を目指している。
次世代自動車◇ニュース

TheTRUCK2018年7月号49
第15回定時総会風景
講演する京都大学の塩路昌宏名誉教授
ロータストラックネットが
第15回定時総会を
開催
  全国のトラック整備事業者で組織する『ロータ
ス・トラックネット』は5月23日、都内ホテルで
第15回定時総会を開催、「2018年度組織基本方針」
などを決議した。
 それによると、今期スローガンは「質を高め、内外
から必要とされる組織へ」で、外部に対しては、行政
官庁並びに業界団体との関係強化、ロータストラッ
クネットの知名度向上、各種メーカー並びに提携団
体、企業との関係強化、ロータスとの持続的な連携
を掲げている。また、組織内活動については、組織
理念の実践・統一ブランドの浸透、人材確保・育成
活動の支援と研究、新たなサービスネットワークの
模索などを掲げている。
 各委員会の事業計画では、経営強化委員会がス
ターチャレンジ・プログラムの推進、スターチャレ
ンジ推進協議会の開催、フロントマンミーティン
グの開催などを掲げているほか、技術委員会が、『ス
キャンツール技術研(トラック基礎編)の開催、『ト
ラック整備士テクニカルミーティング』の開催を予
定している。
 また、総会終了後の基調講演は京都大学の塩路昌
宏名誉教授が『次世代自動車をめぐる最近の動向』と
題して、自働車社会とトラックの普及、次世代トラッ
クのEVシフト・電動化等について約1時間講演
した。
 講演会終了後は、懇親会に移って和やかな中での
情報交換となったが、トラック整備の業界も人手不
足が深刻の度を増していることから、海外へのアプ
ローチも注目の話題となっていた。
ロータストラックネッ

TheTRUCK2018年7月号50
北米 日野クラス8新型‥THEWORKTRUCKSHOWより 

TheTRUCK2018年7月号51
石野 潔
HINOCLASS8XLSeriesDebut!THEWORKTRUCKSHOW
左の絵:トラック大国といっても北米は鉄道輸送が6割を占めており、53フィートコンテナの2段積み(ダブ
ルスタック)低床キャリアで2〜3㎞の長大列車がひっきりなしに行き交う。6000hp×3台平均のディーゼ
ル電気機関車でロッキー山脈を超えるスケールの大きな輸送機関である。一方近年は好景気が続く中「ウオー
ルマート」「アマゾン」などの小口宅配で長距離トラックも増加しており、ビギーバック輸送も盛んである。
 そんな中でも北米では各地でトラックショーがあり、3月上旬には地味だが「THEWORKTRUCK
SHOW」が開かれ日本の「HINOCLASS8」や「MACK」、「VOLVO」が相次いで新大型車を展示した。
HINOCLASS8「XLSeries」デビュー:
 大昔のスーパードルフィンキャブオーバーを北米に持ち込み密かに走らせてから20数年が経、日野の長
年の夢であった北米大型車の華である「クラス8」を発表した。
 ベースは既ボンネット車であるがキャブ内外装やシャシーフレーム足回りをクラス8の大型仕様にし、エン
ジン「A09C300〜360hp」を搭載。(クラス7も同時発表)
右下絵はユーザーから強い要望もあったクラス8のタンデムアクスル3軸フラットデッキストレートトラック。
当面はデーキャブであるが将来はベッド付キャブもシリーズ化予定。(北米向けであるが開発投資額低減など
でピラーが立っている中型キャブを流用したがやはり大型ボンネットスタイルには厳しい)

TheTRUCK2018年7月号52
Cumminsクラス7「Aeos電気トラック」プロトタイプ
(ʼ17.8月発表)
     (ショー展示は無し)
電気トラックは着々と
開発されている。

TheTRUCK2018年7月号53
THEWORKTRUCKSHOWではFORD、GMCやISUZUなど中型クラスの新型車が
発表されたが、クラス8の「MACK」「VOLVO」の新型車も披露された。
   「MACKANTHEM」
 VOLVOTRUCKS傘下のアメリカンヘビーデューティートラックの名門「MACK」。
今はBENZ傘下の「Freightliner」や「VOLVOUS」にトップの座を譲っているが
「Peterbilut」や「Kenworth」とともにフリートオーナーには熱烈な支持を得ている。又
オーストやニュージーなどでのロードトレイントラクタヘッドも高いシェアを持っている。
 展示された「MACKATHEEM」は競合他車がエアロスタイルを訴求する中ごついボ
クシースタイルと近代的なデザイン処理で堂々とした風格を誇示している。エンジンは
かつては自社製「Maxidyne」を持っていたが現在はVOLVO系MPシリーズで325〜
505hpを用意している。
 「MACK」らしさを打出しており人気のモデルとなるであろう。
 「VOLVOVNLSeriese」
 1990年代以降北米トラックメーカーと合併を繰り返したが2004年上記MACKと仏
Renault、日産UDを買収し、2009年以降本格的に北米市場でのクラス8車を拡販し、
すっかり大型市場に根を下ろした。
 下右絵は昨年、エアロ改善とボンネット部を大幅マイナーチェンジし展示した旗艦「VNL」
シリーズ長距離車。大型車だからこその緻密で始末の良い品質を確保している。エンジン
は325〜500hpの3種類を用意している。
(別にCUMMINS565hp有り)
VOLVOUSA「VNL860」

展示会◆レポート
TheTRUCK2018年7月号54
今回は同時開催展と一緒の会場での展示に戻った《運輸・交通システムEXPO》
本誌レポーター:
岡雅夫
同時期に開催された注目の自動車関連展示会に

TheTRUCK2018年7月号55
J-BHEAの大型トラクタヘッド説明パネル《運輸・交通システムEXPO》
バスるが出展した「ミラくる」《運輸・交通システムEXPO》小型から大型トラッ・バスまで幅広いバリエーションを計画するJ-BHEA
《運輸・交通システムEXPO》
《運輸・交通システムEXPO2018東京》
 2018年5月23日㈬〜25日㈮、東京ビッグサ
イト西3・4ホールにおいて恒例となった運輸・交
通システムEXPOが開催された。参加企業は47社
と前回の50社より3社減ってはいるがほぼ同等の
規模で開催され、その中に新規参加企業も数社見ら
れた。昨年はビッグサイトの大規模改修工事の影響
で同展示会は1階アトリウムでの展示となったが、
今回は同時開催の「ワイヤレスジャパン2018/ワ
イヤレスIoTEXPO2018」「ワイヤレス・テクノロ
ジー・パーク2018」と同フロアで一体感ある展示
に戻り、来場者も絶えることなく、ブース内では活
発な商談が行われていた。セミナーも11種13回
開催され、セミナー会場内は熱心な聴講者でほぼ
満席状態であった。主催は、運輸・交通システム
EXPO実行委員会で、会期中の来場者は54,423人
(同時開催展を含む)となった。
 ここで新規出展者をはじめとして注目される新提
案を数件紹介していきたい。
 まず「J-BHEA/SmartEnergy」だが、電気
商用車を積極的に導入する活動を行う福岡市のベン
チャー企業で、これから本格参入すべく準備を進め
ている。生産は中国で行うが、部品は東芝など日本
製部品を送り込んでいる。小型トラックから大型ト
ラック・バスまでと幅広い商用車バリエーションを
計画している。ただし電気トラックはまだ国内イン
フラ整備が追い付かないため長期レンジで計画を進
め、その前段階として中国製トラックを右ハンドル
に改造して販売するという。価格メリットは大き
く、大型トラクタヘッド(2軸)は900万円程度と
国産同クラスと比較し3割以上安い。中国製エン
ジンでは困るというユーザーに対しては100万円
アップで日野製エンジンに換装するという。九州地
区で大型車業界としては新たな競争相手となるかも
しれない。なお、トラクタヘッドのEV版の価格は
非常に高く3倍の2700万円とのことである。た
だし既に発電所の構内運搬用として受注していると
のことだ。
 次に「株式会社バスくる」だが、大型観光バス
用の左側ミラーが万が一破損したときに応急措置と
してボルト3本で交換でき、そのまま運行を継続
できる「ミラくる」を提案している。価格は7万円
以下と比較的リーズナブルである。バスはミラーが
破損したらその場で運行できなくなり、代わりのバ

展示会◆レポート
TheTRUCK2018年7月号56
㈱三陽工業が出展した「クリアプレックス」
《運輸・交通システムEXPO》
システム計画研究所が出展した「ながらスマホ検出AI」
《運輸・交通システムEXPO》
ナビタイムジャパンのトラックカーナビ《運輸・交通システムEXPO》
スへの乗り換えなど損失も非常に大きくなるが、緊
急スペアとなるミラーに簡単に交換することでその
まま暫く運行できるメリットは大きい。純正ミラー
は一体で交換しなくてはならず価格も40万円を超
える。「ミラくる」はJバス用とふそう用の2種が用
意される。なお、いまのところ路線バスとトラック
用は製作の予定は無いという。
 次は「システム計画研究所」のAIによる運転中
の通話及びスマホ操作行為検出機能である。リアル
タイムではないが運転中のドライバーの動画をクラ
ウドサーバで分析し、運行管理者がそれを確認する
ものである。乗務員教育や危険運転防止に役立つこ
とが期待される。スマホ本体がドライブレコーダー
に映っていなくても検知可能である。
「株式会社三陽工業」が出展したのは透明フィル
ムで飛び石対策を行うもので、1枚数十万円から数
百万円もする大型車のフロントガラスを保護するも
のである。大型バスで13万円、大型トラックなら
8万円という価格はガラスの交換費用を考えれば比
較的リーズナブルと言えよう。保険制度の変更でこ
れまで等級据え置きだった保険によるガラス交換が
出来なくなったことで走行距離の多いトラックやバ
スでの普及が見込まれるものである。
「リアライズコーポレーション」は日本初のト
ラックファンドによる大型トラックのオペレーティ
ングリースを始めた。高価な大型トラックを車を自
己資本とするファイナンスリースではなく、いつで
も自由な期間借りることができ財務負担も減る新し
いリース形式である。これまで大型トラックのリー
ス車両残価の見極めが難しく実現しなかったこの
リース方式はトラック売買のノウハウを熟知した企
業が立ち上げることで初めて出来上がったものであ
る。六本木ヒルズに本社を構える同社の今後が期待
される。
「株式会社ナビタイムジャパン」は、日本初のト
ラック専用カーナビアプリを開発した。大型車を考
慮したルート検索ができ、高さ、幅、重量、通行止
めなどを検知し最適なルートを案内するものであ
る。また、通行規制時刻や対象車種情報も確認でき
る。大型車の駐車可能施設検索、巡回経路、最適ルー
ト、横づけ設定など細かい配慮が行き届いている。
「株式会社デンソーセールス」はクラウド型やド
ライブレコーダー搭載デジタコなど、富士通と提携
して最新のデジタコを提案している。
「株式会社ドラEVER」はドライバーの求人サイ
トだが、この深刻な問題解決に取り組み、高齢化、

TheTRUCK2018年7月号57
バック事故0にするドラレコを展示したデータ・テッ
《運輸・交通システムEXPO》
ドライバー採用の提案をする㈱フルバック《運輸・交通システムEXPO》
ドライバー求人サイトのドラEVER《運輸・交通システムEXPO》
最新カーナビを展示するクラリオン《運輸・交通システムEXPO》
離職率、応募減、給与、休日などを細かく分析して
最適なマッチングを行えるような仕組み作りと効果
を実現している。
「クラリオン株式会社」は毎回出展している
が、今回も入口前のベストポジションにブースを
構え、最新のドライブレコーダーやウインカー操
作で自動的に画像を映し出すカメラモニターなど
を紹介した。
「株式会社データ・テック」は、バック事故を0
にするドライブレコーダーと銘打って、うっかり事
故を防止するシステムを組み入れた提案をしてい
る。バックでの注意事項としてしっかりミラーを確
認するには最低3秒が必要で、その時のドライバー
の眼の動きを感知し安全なバック走行につなげるも
ので、自動ブレーキ作動に連動したものではない
が、ドライバー教育に役立てることができる。
「株式会社フルバック」は、ドライバー採用によ
く効く働き方改革の処方箋という提案をしており、
処方箋を配る看護師姿の女性説明員のコスチューム
は視線を集めていたが、内容は当然ながらいたって
真面目なものである。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 先般、5月10日から12日までパシフィコ横浜
でジャパントラックショーが開催されたが、部品・
サービス・ソフトウエアなどの部分で運輸・交通シ
ステムEXPOと出展コンセプトが重なる部分がある
のかどうか興味があったが、実際に双方の展示会に
出展した会社は9社にとどまっていた。どちらも
商用車を意識した展示ではあるが、運輸・交通の方
が乗用車を含めたクルマシステム全体のイメージで
の展示が考えられているように思える部分もあり、
今後とも共存共栄できるところは大いにあるように
思われる。

展示会◆レポート
TheTRUCK2018年7月号58
新環境展の「上陣」ブース。最新のダンプトレーラーなどを展示《NEW環境展》
《2018NEW環境展(N-EXPO2018)》
 運輸・交通システムEXPOとほぼ同会期で同じ
東京ビッグサイト東ホールで日報ビジネスが主催
する「2018NEW環境展(N-EXPO2018)が開催さ
れており、こちらには環境をコンセプトとした商
用車がいくつか展示されていたので主なものを紹
介したい。
 先ずは松山市の「株式会社上陣」である。1995
年から欧州のトレーラを輸入し高い運搬効率を提
供している。今回は迫力ある3軸ダンプトレーラ
をメイン展示していたが、初めてディスクブレー
キを採用して安定した制動力と軽量化を実現して
いる。UDトラックスの大型車クオンがディスクブ
レーキを標準採用したことに準じてトレーラ側も
ディスク化することでマッチングを図ったと言え
よう。この3軸ダンプトレーラは最大積載量28t
だが、2軸で25tのトレーラは連結全長10mと旋

TheTRUCK2018年7月号59
極東開発の小型ゴミ収集車《NEW環境展》
新明和工業の小型ゴミ収集車《NEW環境展》
モリタエコノスの小型ゴミ収集車《NEW環境展》
富士車両の中型ゴミ収集
車《NEW環境展》
新明和工業の準中型免許対応アームロール車《NEW環境展》
回性能に優れている。
「極東開発」「モリタエコノス」「新明和工業」「富士
車両」はいずれも最新のタウンパッカーを展示し
ていた。いずれもリヤスタイルが洗練され機能と同
時にデザインがスマートになっている。また新明和
工業には新たに従来4トンシャシーで運んでいた
アームロールベッセルを小型ベースの3.5トン車で
運べるようにして準中型免許での稼働ができるよう
にした新型アームロールが紹介されていた。

展示会◆レポート
TheTRUCK2018年7月号60
UDトラックス・クオンに搭載されるダウンサイジングGH8エンジン
《人とるまのテクノロジー展》
テクノロジー展のいすブース《人とるまのテクノロジー展》
来場者で賑わう来場者受付
《人とるまのテクノロジー展》
《人とくるまのテクノロジー展2018横浜》
 さらに、運輸・交通システムEXPOと同会期(5
月23日〜25日)にパシフィコ横浜で開催された
「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」も紹介
したい。
いすゞ自動車」は大型車のエンジンとAMT
ミッションのカットモデルを展示したが、今や大型
4社のAMTは全て前進12速、後退2速となって
おり、それも全てメイン3速の前後に副変速機を付
けた設計となっている。ミッションの前後長を短縮
させるための手法だろうが、これで12速とマニュ
アル7速の前後長はほぼ同じだと言う。偶然4社
とも同じ設計になったのかどうか不明だが、共同開
発は行っていないというから不思議なものである。
 こちらは出展社数597社1207小間と大きく、
毎年その規模は拡大し来場者も増え続けている。今
年はメーカー系の展示面積が従来より縮小され、特
に大型車メーカーは実車展示が困難になりエンジ
ン・ユニット・カットボディなどが並べられた。同
展の主催は公益社団法人自動車技術会で、会期中の
来場者は3日間で93,458人を記録している。
「UDトラックス」はキャブのカットモデルとこ
の秋に大型車クオンに新たに搭載する新エンジン
GH8を参考出品した。他社のダウンサイジングに
追い付いて競争力を高める作戦だが出力や燃費につ
いてはまだ公表できないという。また電気トラック
の開発についてもパネルで触れていた。

TheTRUCK2018年7月号61
日野プロフィアの赤いエンジン《人とるまのテクノロジー展》
テクノロジー展の学生デザインブース《人とるまのテクノロジー展》
ZMPのキャリロデリバリー《人とるまのテクノロジー展》
「日野自動車」は電気小型トラックコンセプト
モックアップと大型車エンジンを展示した。いすゞ
とふそうが小型EVトラックを本格的に納入し始め
たことから、日野も当然追従していくとの意思の表
れである。自動運転についてもようやくパネルで紹
介するようになった。
 今回ふそうは残念ながら出展していなかった。自
動車メーカーで唯一出展していない理由は何なのか
不明だがジャパントラックショーにも初出展したの
だから何かしら出して頂きたかった。
 トヨタはFCEVミライ、ホンダはN-BOX、マツ
ダはアテンザのそれぞれカットモデルを展示した。
日産はリーフ、三菱はエクリプスクロス、スバルは
新型フォレスター、ダイハツはタント、スズキはス
ペーシアのそれぞれ実車展示を行った。一つだけ興
味を引いた物流機器として、ロボットタクシー開発
で有名になったZMP社が新たに開発したCarriRo
Dellvery(キャリロデリバリー)と呼ぶ日本初の宅配
ロボットがある。物流ラストワンマイルの無人化を
目指したボックス型車両で宅配、集配、見回りなど
での活躍が期待される。既に宅配すし、森ビルオフィ
スデリバリー、日本郵便、ローソンなどで実証実験
が行われている。
 2階エントランス付近では学生デザインコンテス
ト優秀作が掲示されていた。毎回行われているよう
だが頭の柔らかいユニークな作品は見ているだけで
刺激になる。車の歴史を振り返る展示だけでなく夢
のある展示を今後とも期待したいものである。
 今回は1階のエントランス通路もフルに展示小
間として活用していたがスペース的にはそろそろ限
界だと考えられる。休憩スペースも取れない状況か
ら考えると次回はローディングスペースに仮設館で
も考えるのだろうか。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 以上3つの展示会はB2Bの商談を目的としたも
のであるが、テクノロジー展がややB2C的な来場
者が増えているように思える。全体としてみるとい
ずれの展示会とも出展社、来場者とも活性化してい
ることが感じられる。ジャパントラックショーも成
功裏に終了したが、自分のブースで何を売り込むか
が明確なところが増えて、それが来場者の期待に応
えるような展示が増えていると筆者は感じているが
いかがだろうか。

TheTRUCK2018年7月号66
 「東京国際消防防災展2018(FIRE-SAFETYTO
KYO)」が2018年5月31日〜6月3日の4日間、
東京ビッグサイト東5・6・7ホール、及び東屋外特
設会場で開催された。特装車の中の特装車である最
新の消防関係車両が数多く出展される展示会でもあ
り、さっそく取材に向かった。
 同展は、防火防災意識と行動力の向上、住民企業
行政による三者相互の連携強化と関連技術・産業の
振興促進を目的に開催されており、今回が10回目と
なる。開催規模は、過去最大の296社団体、1,644
小間となり、会期中の総来場者数も前回の2013年
開催展を大幅に上回る約18万人と過去最高を記録し
た。主催は、東京消防庁、東京ビッグサイト、東京
国際消防防災展2018実行委員会になる。
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
新時代の消防車を見る!
過去最大規模で開催された防災意識向上目的の
東京国際消防防災展2018

東京消防庁の特別ブース“BOUSAITOWN”にはVR防災体験車をはじめ、震度7までの体験ができる起震車、拡幅型の救護車「スーパーアンビュランス」
などの消防関係車両が展示されていた。また、応急救護体験コーナーやボルダリングタワーなども用意され、楽しみながら学べる構成となっていた
最大の展示スペースを使用していたのが今回もわが国最大の消防車メーカーの
モリとなった(上)。アメカのはしご消防車も特別展示され写真スポットとなる
など多くの来場者の人気を得ていた(左)
TheTRUCK2018年7月号67
の開催に向け、国際都市として発展を続ける首都東
京の安全と安心は、都民のみならず全世界から注目さ
れている。そんな中で開催された同展では、各種の
ハイテク技術を詰め込んで大きく進化した最新鋭の消
防車両が展示されていた。本号では注目の消防車両
を写真中心にレポートする。

《IntelligentAttacker:モリタ》次世代の消防活動に向けて開発された
モリタオリジナルの「専用バス型キャビン(参考出品)。ダブルキャブの後席部分
を延長し、広大なキャブ内スペースを確保。ハイルーフの天井部は作業台として
使用可能で、1,700㎜×800㎜の大きな開口の後部ドアは自動展開ステップ
付のCFRP製自動スイングドアとなっている。
《RedLadybugモリタ》一般火災突発火災に対応した「小型オフロー
ド消防車」。地震災害や土砂災害で一般的な消防車が現場進入できない
現場でも自走進入できる高いオフロード能力を持つドローン搭載の消防車だ。
《SUPERGYROLADDER:モリタ》
一人でも多くの命を救
うために新開発された「先端屈折式はしご付消防ポンプ自動車(車
いす対応)である。従来のはしご車の傾斜矯正角度は最大7度だっ
たが、新設計のジャイロターンテーブルの採用により最大11度を
実現。これまで難しかった傾斜地での消火・救助活動を可能にして
いる。また、バケット許容積載荷重を従来シリーズの4,000Nから
5,400Nにパワーアップし、さらにバケット前面にスロープを装備した
ことで車いす利用者の救助も可能にしている。さらなる操作性と機
能美を追求して新設計された基部操作台と後部ボディは、フラグシッ
プモデルにふさわしいスタイリッシュで扱いやすさを実現している。片
側だけのアウリガー張り出しにも対応するワンサイドモードは、建物
や障害物がある狭い現場でも消火・救助活動が行え、アウリガー
張り出し幅に応じて作業範囲を無段階で自動設定できる機能も搭載
されている。また、“制揺制御装置”“垂直・水平制御”“はしご自
動収納”“メモリーコントロール”などの高性能制御により、複雑なは
しご操作をサポートする機能も採用されている。
TheTRUCK2018年7月号68
東京国際消防防災展2018

《MiracleN7:モリタ》窒素を利用して防消化する水を使わない「窒素富化空気(NEA)システム搭載車」。車両に搭載された窒素分離膜を使い空
気中の窒素の割合を増やすことで、火の燃焼を促す酵素の割合を減少させ、着火しにくい環境をつくり出すことで消化を行う未来型の消防車だ。消火
剤のベースとなる空気は無限大で、さらに水を使わないことで、水による二次災害が懸念される場所でも消火活動が行える。ボディ内にコンプレッサ、ダ
トフィルタ、窒素分離膜、送風ユニットを搭載し、車両後部に配置された操作パネルは人間工学に基づくレイアウトで、直感的にパネル・スイッチ・バ
ルブの濃度設定や流量などをコントロールできる。会場のブース内には窒素消火システムが理解できるイージモデルも展示されていた(写真右下)
《RedSkyLance:モリタ》参考出品の「破壊放水塔付自走式
化学消防ポンプ自動車」。そのコンセプトは、“大型化学車に放水銃
兼用の破壊器具を備えたブームを装備し、より火点に近い位置での消
化”“走行しながらの消化”“住宅密集地や大型物流倉庫での火災に
対応”である。直近の建物をまたいでの放水が可能な他、最大時速
15㎞での走行放水により航空機火災への対応や、壁面を破壊して屋
内への直接放水も可能にしている。
《MVF21:モリタ》次世代
型消防車シリーズのニューモデ
ルで、消化・救助をはじめとす
る様々なシチュエーションに対
応できる「21mブーム付多目
的消防ポンプ自動車」である。
屈折式はしご付消防車の世界
トップブランドであるBRONTO
SKYLIFTOYAB社とモリタの
コラボレーションにより誕生した
高所救助に対応できるモデル
だ。フレキシブルな21mブーム
と900リターの水タンクを搭載
した他、ボディに収納庫を多数
配置している。放水銃を備えた
ブーム先端のバケット最大許容
荷重は4,400Nで、ブーム式
のため屋内への直接進入も可
能で、車いすのままでの救助も
敏速に対応できる。また、傾斜
矯正機能により7度までの傾斜
地での活動も実現させている。
TheTRUCK2018年7月号69

《オールアルミニウム製消防車:長野ポンプ》1934年(昭和9年)
立の石川県金沢市のポンプメーカー。同社の消防車両づくりの理念は「現場
で命を懸ける消防職員、分団員を車づくりの角度からサポートする」「加賀とび
の伝統を支え、守る」ことで、その哲学は「人の命を救うために自分の命を懸
ける人たちに思いやりをもって消防車をつくり込み地域社会に貢献する」こと
にある。同社の消防車は、ドイツZiegler社の消防車両のアルミパネルフレー
ムの製造技術を取り入れている。
《水槽付消防ポンプ自動車:
吉谷機械製作所》鳥取市に
本社がある昭和2年創業の歴
史ある消防車両メーカー。展
示車は、1,000リトルのタン
クを搭載した消防車で、アル
ミ、FRP、カーボンなどを多用
することで従来比500㎏の軽
量化を実現。より多くの資機
材の積載を可能にしている。
また、操作部を後部に集中さ
せた“後部集中操作”方式の
採用で、狭隘場所でも消火活
動と救助活動をストレスなく行う
ことができる。そこには同社の
Y.R.V.(YOSHITANIRescue
Vehicle)コンセプトが活かされ
ている。
《TOYOACEオールアルミパネ
ル型消防車:シバウラ防災製作所》
長野県松本市に本社を持つ消防ポン
プメーカーで、軽四輪から小型トラッ
を中心とした各種消防車両を提供して
いる。展示車は、アルミパネル採用
で総重量を3.5t未満に抑えた新普
通免許対応の「多機能型普通積載
車」。ポンプなどの機材を効率良く積
載できる車両で、後部に設置された
内装式テールゲートリフターにより消防
ポンプなどの各種資機材の積み卸ろ
をスピーディに行うことを可能にしてい
る。また、資機材を側面から取り出せ
るワンタッチ引き出し装置も架装されて
いる。
《ハイドロサブポンパー4000:帝国繊維》消化と排水の役目を果
たす「海水利用型消防水利システム搭載消防車」。従来は、送水車
とホース車の2台セットで運用されていた海水利用型消防水利システム
を、性能はそのままに1台にまとめたのがハイドロサブポンパー4000で
ある。車両エンジンのPTOにより、水中ポンプ駆動、ホース回収、
水中ポンプ投入用クレーン作動が行えるオールインワン設計を採用。
車両数、要員数、保管スペース、メンテナンス費を削減できる。
TheTRUCK2018年7月号70
東京国際消防防災展2018

《MULTIFLOWConcept/PPTANKER10000:日本機械》小型エンジン
出力を有効に利用し、A-1級ポンプと水中ポンプ(最大流量3500L/min)の併用により小
型車の限界性能を引き出す“MULTIFLOWConcept(写真左)”と、水槽を従来の楕円
型から角形PP型に変更し、水槽前後への大型シャターボックスの構築を可能にした“PP
TANKER10000(写真右)”など、新技術を採用したタイプの消防車両を屋外会場に出展
していた。
《消防自動車:日本ドライケミカル》水槽付消防ポンプ自動車をはじめとする最新の各種
消防車両を展示していた。昭和30年に設立した同社は、消火栓や河川から水を汲み上げ
放水するポンプ自動車、水源のない場所で放水可能な水槽付ポンプ自動車、油火災等の
消火を行う化学消防車などニーズに応じるさまざまな種類の消防車を製造している。
《可搬ポンプ付消防積載車:トーハツ》新免許対
応のGVW3.5t未満車両。アルミ材使用により車両
重量を大幅低減させ、消防資機材、救助資機材など
の搭載が可能。装備品に合わせて棚板調整ができる
収納棚も装備している。
TheTRUCK2018年7月号71

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号80
 極東開発工業㈱はこのたび、ダンプ機構とスライド機構の
2つを併せ持ち、1台で2WAYの使用が可能な「スライドダ
ンプ」を開発し、2018年6月4日に発売した。
 新機種の「スライドダンプ」は、従来の土砂運搬・排出を行
ことができるダンプ機構に加え、小型建機等の積込・運搬
を可能とするスライド機構を装備。2つの機能のコンビネーショ
ンにより、さらに安全かつ効率的な現場作業を実現する、高
い機動力を備えた新しいダンプトラックである。
 希望小売価格は165.5万円(シャシ・消費税抜き)で、年
間販売目標台数は360台としている。
■新型「スライドダンプ」の特長
⑴ダンプとスライドの2つの機構のコンビネーション
 従来の土砂運搬・排出が可能なダンプ機構に加え、スライ
ド機構を搭載。小型建機等の安全かつ確実な積込・運搬を
行うことができ、現場での効率的な作業に貢献。
⑵ワイヤレスリモコンを標準装備
 ボデーのスライド操作は標準装備のワイヤレスリモコンで行
うことが可能で、高い操作性と安全性を確保している。
⑶スライド連動リヤジャッキを搭載
 ボデーのスライド操作に連動して作動するリヤジャッキを搭載
し、より効率的な作業が行える。また、樹脂製ローラを採用
することで路面のキズつき防止とスムーズな動きを実現させて
いる。
⑷テールゲートにもきめ細やかな配慮
 テールゲートの上部にはステンレス製のカバーを採用。防
錆性と耐久性を高め、タフな使用にも対応する。さらに、テー
ルゲートと地面の接地部には路面のキズ付きを防止する樹脂
パッドを装備するなど、現場のニーズに応えるきめ細やかな配
慮を行っている。
2WAYダンプ…極東開発工業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
土砂と建機運搬に2WAYで活躍する
新型スライドダンプを発売
「スライドダンプ」は土砂用ダンプ(左)と建機運搬用スライド機構(右)が1台の車両に搭載されている
ダンプ機構とスライド機構を持ち合わせた「スライドダンプ」(スライド機構イメージ)

TheTRUCK2018年7月号81
⑸信頼の井桁構造のデッキ骨組み
 デッキ骨組みはメンフレームにクロスメンバーを貫通させた
同社独自の井桁構造を採用。長年の歴史あるダンプトラッ
製造の実績と経験を生かした信頼の構造で、高い耐久性を
発揮する。また、建機の乗り込み箇所には、デッキ背面の
全長に渡って縦骨を配置し強化している。
 日野自動車㈱は、2018年9月より適用される「平成28
年排出ガス規制」に適合させるなど、大型トラッ「日野プロフィ
ア」トラクターシリーズをモデルチェンジし、7月10日に発
売する。
 新型「日野プロフィア」トラクターは、2017年5月に発売さ
れた新型「日野プロフィア」同様に、エクステリアデザインとイ
ンテリアデザインを一新。トラックとしての基本性能を大幅に
アップさせ、安全性能の大幅進化を実現した。PCS(衝突
被害軽減ブレーキ)の機能を向上させ、停止車両や歩行者も
検知して衝突回避を支援することを可能にしている。さ
に、常時ハイビームを使用可能で夜間の視認性を向上さ
せる「可変配光型LEDヘッドランプ」を標準装備すると
もに、トラクター専用機能として「作業用トレーラブレーキ」
を新たに追加し、安全な走行をサポーしている。また、
ICTサービス用の通信端末を搭載しており、2018年4
月より提供を開始した新サービス「HINOCONNECT」
も対応させている。各種ユーザー向け通知機能やウェ
閲覧機能を備えており、万一のトラブル発生時の迅速な
対応につなげ、ユーザー車両のアップタイム最大化を支
援。また、省燃費運転サポート機能も強化している。
 さらに今回、トラクターのモデルチェンジに合わせて、
従来のクルーズコントロール機能に渋滞追従機能を追加
した「スキャニングクルーズⅢ」を新たに設定。この「スキャ
ニングクルーズⅢ」トラクターを含む「日野プロフィア」一部車
型に標準装備し、ドライバーの運転負荷軽減に貢献している。
■プロフィア・トラクターの新たな安全装備
▽スキャニングクルーズⅢ
 従来のクルーズコントロール機能「スキャニングクルーズⅡ」
に、渋滞追従機能を追加。ミリ波レーダーで先行車を検出し、
車間距離維持に加え、先行車が停止した場合には追従して
停車。ステアリングに設置されたスイッチもしくはアクセルの操
作により再発進する。高速道路走行時の運転負荷軽減に貢
トラクタ…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「日野プロフィア」トラクターを排ガス規制に適合させ
デザイン一新と安全性向上でモデルチェンジ
スライド操作に連動して作動する樹脂製ローラ付リヤジャッキ
防錆性と耐久性を高めるステンレス製のカバー(左)と樹脂パッ(右)
独自構造のデッキ骨組み
標準装備のワイヤレスリモコン
モデルチェンジされた「日野プロフィア」トラクター

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号82
献する。
※トラクターは410PS以上のProShift12搭載車に標準
装備。※日野プロフィアトラクター以外)は、380PS以上
のProShift12搭載車に標準装備(電動冷凍車は除く)。
▽作業用トレーラブレーキ
 車両停車中にスイッチを押し続けている間、トレーラブレー
キが作動。連結のロック確認などトレーラー連結の作業時に
使用できる。また、作動時はブザーおよびマルチインフォーショ
ンに表示をすることで、安全な操作を支援する。
■東京地区希望小売価格(代表車型)
▽日野プロフィア2(PG-SH1EDGG):ハイルーフキャ
ブ・リヤエアサス・スキャニングクルーズⅢ標準装備、E13C
〈ET-XX〉エンジン331kW(450PS)、ProShift12(プロシ
フト12)…19,337,400円(税込み)
▽日野プロフィア2(DG-SS1EKHA):ハイルーフキャブ・
リーフサス・スキャニングクルーズⅡ標準装備、E13C〈ET-
XXⅡ〉エンジン382kW(520PS)、ProShift16(プロシフ
16)…22,509,360円(税込み)
 ㈱豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、1.0〜3.5ト
ン積電動フォークリフト「geneB(ジェネビー)シリーズに、長
時間稼動を実現する3トン系ハイキャパシティ車(3.0トン、3.5
トン積)を追加し、2018年6月18日より、全国40社のト
ヨタL&F取扱店を通じて販売開始した。
 近年、排ガス規制強化の影響や環境意識の高まりととも
に、自動車トラック業界における電動化シフトが加速しいる。
一方で、フォークリト業界における電動車の普及は先行して
おり、1990年時点で国内市場の電動車比率は28%に達
し、直近では大型物流倉庫の新設など市場の環境変化とあ
いまって、2017年の電動車比率は62%まで伸長している。
 電動フォークリフトの用途は屋内作業に限らず、近年は木
材業・産業廃棄物業等の屋外作業にも広がりを見せており、
電動フォーク…トヨタL&F
話題のニュートラック新製品情報・新情報
電動フォークリフト「geneB(ジェネビー)」に
長時間作業を実現した3トン系ハイキャパシティ車を追加
1.0〜2.0トン積の小型フォークリフトだけでなく、3.0トン、
3.5トン積の中型フォークリフトの需要も高まっている。エンジ
ンフォークリトの代替として、ますます活躍の場を広げる電動
フォークリフトのニーズに対応するため、稼動時間の長い現
場や電力消費の激しいアタッチメトを使用する作業現場にお
いても、安心して使用できる3.0トン系ハイキャパシティ車を
このたびgeneBシリーズに追加した。
 3.0トン系ハイキャパシティ車は、2016年にフルモデルチェ
ンジしたgeneBシリーズで好評を得ているバッテリーを長持ち
させる機能や防水性(IPX4)に加え、高容量バッテリー搭載
によりクラストップレベルの稼動時間を実現。geneBシリーズ
はますます充実したラインアップにより、今後も作業現場の環
境改善フォークリフトの電動化ニーズに応えていくしている。
■電動フォークリフト「geneB」3.0、3.5トン積ハイキャ
パシティ車の主な特長
▽長時間稼動
 80V565Ahの高容量バッテリーを搭載し、稼動時間
67%延長(8FB30/J35標準仕様車(80V370Ah)と比較)
を実現。
▽バッテリーの長寿命化に貢献
 車載充電器にスマート充電機能を搭載、バッテリー状態に
応じて充電量を制御。バッテリー保護機能でバッテリーのダ
メージ防止に寄与。稼動時間延長により放電深度が浅く
り、バッテリーへのダメージを軽減。
■メーカー希望小売価格(標準仕様/税抜き)
・3.0トン(8FBH30)…5,667千円
・3.5トン(8FBHJ35)…6,127千円
電動フォークリフト「geneB」3.0トン積ハイキャパシティ車(8FBH30)

TheTRUCK2018年7月号83
 日本で初めての大型LNGトラックの本格的な公道走行実
証が、環境省事業「CO
排出削減対策強化誘導型技術開
発・実証事業」で開発された大型LNGトラックとLNGスタン
ドを使用して行われることになっている。
 なお、実証に先駆けて2018年6月1日に大阪市でLNG
スタンドの開所式と大型LNGトラクの出発式が行われた。
◇環境省事業「大型LNGトラック及び、および最適燃料
充填インフラの開発・実証事業」について
 環境省のCO
排出削減対策強化誘導型技術開発・実証
事業として、いす自動車㈱、シェルジャパン㈱、一般財団法
人環境優良車普及機構は、平成28年度から平成30
年度までの3年間の予定で、「大型LNGトラック及び、
最適燃料充填インフラの開発実証事業」を実施してきた。
 具体的な事業内容は、航続距離1,000㎞以上を実
現する大型LNGトラックの開発を行うとともに、燃料充
填インフラとなるLNGスタンドを構築し、主に東京・大
実証…いすゞ・環境優良車普及機構
話題のニュートラック新製品情報・新情報
航続距離1,000㎞以上の大型LNGトラック開発に向け
日本初の大型LNGトラック公道走行実証を開始
阪間での高速走行を主体とした運送事業者による公道走行
実証を行うもの。
 本事業において開発した大型LNGトラックは、1,000㎞
以上の航続距離を確保するともに、高速走行によって最新
ディーゼル重量車燃費基準からCO
排出量を10%程度
削減することが可能で、運輸部門の更なるCO
排出削減に
資することが期待されている。
 今般、大阪市内で構築したLNGスタンドの開所式ととも
に大型LNGトラックの出発式を行い、大型LNGトラックの
運送事業者による公道走行実証を開始する。
 TOYOTAは、「コースター」を一部改良し、全国のトヨタ店
(大阪地区は、大阪トヨペット)を通じて、2018年7月2日
に発売した。
 今回の一部改良では、衝突回避支援パッケージ
「ToyotaSafetySense」を標準装備(幼児専用車除
く)した。さらに、コンライ(ライト自動点灯・消灯シ
ステム)を標準装備(幼児専用車除く)し、利便性を高
めたほか、大型化した電動格納式補助ステップを設定
し、スムーズに乗り降りできるようになった。また、全
車、ウィンドシールド両サイドにレインガーターモールを
設定し、フロントピラーの段差を少なすることで、空力
性能を向上させ操縦安定性を高めている。
 なお、「ToyotaSafetySense」は、従来の「Toyota
SafetySenseP」「ToyotaSafetySenseC」
どのパッケージ名称を統一したもので、ミリ波レーダーと単
眼カメラの異なる2つのセンサーにより、高い認識性能と信
小型バス…TOYOTA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
衝突回避支援パッケージを標準装備するなど
小型バス「TOYOTAコースター」一部改良
日本初の公道走行実証に使用される大型LNGトラック
衝突回避支援パッケージを標準装備した「TOYOTAコースター」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号84
■シンガポールで新型「クオン(Quon)」の販売を開始
 UDトラックス㈱は、シンガポールでフラッグシップ大型トラッ
ク新型「クオン(Quon)」の販売を開始。2018年5月24日、
シンガポールで多数の関係者や報道関係者を集め、新型「ク
オン」の発表イベントを開催した。
 世界第2位のコンテナ取扱量を誇るシンガポールで、優れ
た操縦性能と耐久性を備えた「クオン」で、国際物流のハブ
機能の強化に貢献するともに、現地のユーザーニーズに対
応することで販売を拡大するもの。
 優れたビジネス環境を背景に高い成長を誇るシンガポール
は、世界の物流シーンにおいて大きな存在感を示している。
シンガポール政府は、海運・港湾事業を国の主要産業のひ
とつとして位置づけ、官民一体となって港湾整備、制度面の
充実に取り組んでおり、その結果、年間のコンテナ取扱量は
世界第2位の規模となり、「国際物流のハブ機能」しての地
頼性を両立させ、プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼]
知機能付)、レーンディパーチャーアラート、オートマチック
ハイビームの3つの先進安全機能を組み合わせることで、
衝突回避や衝突時の被害軽減をサポートする機能を持って
いる。
海外販売…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
シンガポールとニュージーランドで
フラッグシップ大型トラック新型「クオン」の販売を開始
位を確かなものにしている。また、国際物流の活況に伴い、
国内のみならず近隣諸国をまたいでの物流も急激に増加して
おり、トラック需要のさらなる拡大が見込まれている。
 シンガポールでは長距離輸送のみならず、周辺国によって
路面状況も異なるため、優れた操縦性能によるドライバーの
負担軽減、そして高い信頼性が求められている。また、パリ
協定に基づき、国を挙げて二酸化炭素排出量の削減に取組
んでおり、高い環境性能も必要とされている。UDトラックス
は、フラッグシップ大型トラック「クオン」を主力として現地の
ユーザーニーズに応えている。
 今回、UDトラックスが導入する新型「クオン」は、軽量化
されたシャシーおよび新しいGH11エンジン、電子制御式オー
トマチットランスミッショ「エスコット・シックス(ESCOT-Ⅵ)」
により優れた操縦性能を発揮、シンガポールの市場で求めら
れるニーズに高次元で対応することが可能である。また、高
 希望小売価格(消費税込み)は、LX標準ボディ25人乗
り5速MTの6,153,840円から、EXロング24人乗り6
ATの9,086,040円まで、ニーズに応じる数多くの車種
が用意されている。ちなみに、写真のEXロング29人乗り
6速ATは8,837,640円となっている。
軽量で高性能な新型「クオン」は海外市場でも幅広く活躍できるトラクである

TheTRUCK2018年7月号85
い環境性能により社会的なニーズにも対応することで、同国
の国際物流のハブ機能の強化に貢献していくとしている。
 新型クオンの販売開始に際し、UDトラックスのピエール・
ジャン・ヴェルシュ・サラモン、インターナショナルセールス担
当シニア・バイスプレジデントは、「私たちは常に人を最優先に
したイノベーションを旨としており、どんなドライバーでも安全に
運転しやすいトラックを提供しています。私たちのトラックは物
流効率を最大化し、そして生産性の向上に貢献します。新型
クオンは、今日そして今後のお客様のニーズのみならず、シン
ガポールの『国際物流のハブ』を目指すという目標をサポートす
るための新しい世代のトラックです」と期待を表した。
 UDトラックスはシンガポールで約40年にわたり販売・サー
ビスを提供しており、2017年の販売台数は約190台だっ
た。シンガポールでは特に海運・港湾業のユーザーから、信
頼性、高い効率性、そしてカスタマーサービスに定評があり、
トラクターに対して高い需要がある。また、新型「クオン」
導入に際し、建設業者からのニーズに応え8×4をラインナッ
プに追加することで、シンガポールの発展に貢献にするととも
にさらに多くのユーザーにトラックをお届けることになる。
■ニュージーランドで新型「クオン(Quon)の販売を開始
 UDトラックスは、オーストラリアに続き、ニュージーランドで
もフラッグシップ大型トラック新型「クオン(Quon)」の販売を開
始した。商品ラインアップのさらなる強化で、輸出が好調な
農林水産物の輸送需要などに応えると共に、ニュージーラン
ドのユーザーの細かなニーズに対応することになる。
 豊かな国土と地形に恵まれたニュージーランドはその特性を
活かして、林業や酪農、農業といった農林水産業を国の主
要産業とし、それらの輸出が同国の輸出総額の半分以上を
占めている。近年は最大の貿易相手国である中国への輸出
が急増しており、これに伴い、各生産地から輸出拠点への
地域間輸送の需要が拡大傾向となっている。また、住宅不
足やインフラ事業の促進により、建設業も活性化、ダンプや
建設機械を輸送する需要も増加している。
 ニュージーランドの道路は起伏に富んでおり、トラックには高
い「運転性能」が求められる。また、長距離輸送のみならず、
一般輸送でのニーズも高いため、日本メーカーに対する需要が
高くなっている。UDトラックスは、トラクターモデルからカーゴ
モデルまで幅広いラインアップをニュージーランドで展開する。
特に大型トラッ「クオン」の6×4トラクター(後輪2軸駆動)
は従来から信頼性、効率性への評価が高いため、ニュージー
ランドでの販売台数は、今回発売する新型効果も含めて大
幅に上回ると見込まれている。
 今回、販売開始する新型「クオン」は、「運転性能」「燃費
環境性能」「安全性」「生産性」「稼働率」が格段に進化し
ており、これまで以上にユーザーニーズに対応できるトラックと
なっている。ニュージーランドのマーケットで重要視される「運
転性能」については、新型エンジンとトランスミションの組合
せにより高い性能を発揮し、より多くのユーザーに満足を提供
する。さらに、フェリー航送の多いニュージーランドの物流に
おいては、航送時に車体の揺れを抑える機能を備えたエアサ
スペンションに高い期待が寄せられている。
 新型クオンの販売開始に際し、UDトラックスのピエール
ジャン・ヴェルシュ・サラモン、インターナショナルセールス
担当シニア・バイスプレジデントは、「現在、好景気に沸く
ニュージーランド市場に良いタイングで、クオンを導入する
ことができました。この導入をきっかけに、さらなる販売拡大
につなげていきたい」と語り、さらに「オーストラリアに続き、
ニュージーランドでもクオンの市場投入を果たしましたが、こ
れで終わりではありません。今後もお客様のニーズにより細
かく対応できるよう、さらなるバリエーション展開を予定してい
ます」と述べた。
 新型「クオン」は、UDトラックスディストリビューターズNZ
(UDTruckDistributorsNZLtd)を介して、23の拠点で
販売される。発売に際し、ニュージーランドのオークランドの
南部で発表イベントを開催、関係者、報道関係者の出席の
下、商品説明と試乗が実施された。UDトラックスは質の高
い充実したカスタマーサービスとネットワーク、UDトラックスが
受け継いできた日本のモノづくり、そしてボルボ・グループによ
る世界水準の技術力の3つの強みの結集により、2017年
は97台の大型車を販売している。
シンガポールではコンテナ輸送に威力
を発揮すると期待されている
「クオン」には全輪ディスクブレーキが
採用されている
ニュージーランドで行われた発表イベントでの試乗会

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号86
 矢崎エナジーシステム㈱(矢崎ES)は、国内の求荷
求車ビジネス最大手のトラボックス㈱(本社:東京都足
立区/吉岡泰一郎社長)、タイの商用車テレマティ
スビジネス最大手DTCEnterpriseCo.,Ltd.(本社:
タイ・バンコク市/トサポール・クナパムシリ社長)との
3社共同で、ASEAN市場の物流業界向けに求荷求
車サービスの提供を2018年6月に、タイから開始した。
 矢崎ESとDTCの2社は、タイの運送業界が抱
える、安全、省エネ、環境、効率問題を具体的に解
決するため、商用車向けテレマティクスサービスを展開
し、装着台数ベースではトップシェアを保有しているが、
既存のユーザーから国内同様の求荷求車サービスへのニーズ
が多く寄せられていた。また、今後タイが国際化を進め、経
済発展して行くためには、大幅な輸送品質の向上と、物流
面での生産性の向上が不可欠と考え、旧来の車両とドライ
バーの管理の枠を超える、荷物情報の分野へ参入する必要
性を感じていた。その背景に対応するため、2社で求荷求車
サービス事業に参入する事業化方針を決定したもの。
 そのため、日本国内で求荷求車サービスを広く展開している
トラボックス社に対して協業化を打診し、このたび合意した。
3社が業務提携を行う事で、技術面やノウハウを補完し、共
同でASEAN地域向けの求荷求車サービスの展開を実現で
きることになる。
 タイの物流業界を取り巻く環境は、交通事故の増加や慢
性的な交通渋滞、貨物の配送遅延に加え、紛失・破損など
輸送品質面でも様々な問題を抱えており、世界銀行が発表し
ている物流の効率性指標(LPI)でもタイは世界45位と、輸
求荷求車…矢崎ES・DTC・トラボックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
Thailand4.0での物流コスト低減政策を目的に
荷物と車両のマッチング求荷求車サービスをタイで開始
送効率や輸送品質面で先進国から大きく遅れをとっている。
 タイ政府としても、タイランド4.0の国家戦略の元、ロジスティ
クスを今後の育成業種のひとつと位置づけ、最新デジタル技
術の活用による生産性の向上などで、国民総生産(GDP)に
対する物流コストを(2016年)現在の14%から、12%以下
に抑えるという第12次国家経済社会開発計画も定められて
いる。
 また、経済産業省もコネクティドインダストリー政策で
ASEANのファーストパートナーにタイを指名。両国間で取り
組むテーマに『スマートロジスティクス』を掲げている事もタイか
らサービス提供を開始する要因のひとつとなっている。
トラック版ウーバライゼーショ(求荷求車)サービスは、運
んで欲しい荷物情報(荷主)と、運びたい車両情報(運送会
社)をWEB上でマッチングさせ、顧客間で発生する実際の運
賃取引きには介在せず、情報のみを提供。運賃の支払いや
回収、荷物の破損、紛失等に関しては荷主と運送会社の2
社間で責任を持ってもらうシステムになっている。ただ
し、オプションで運賃保証サービスを付加することも
可能である。
 サービス料金は、荷主は登録料、サービス料と
に無料で、運送会社は登録料1,000THB、サービ
ス料1,000THB/月となる。
 事業の実施体制としては、矢崎ES、DTC、トラ
ボックスの3社で新会社「TR@MOVE(トラムーブ)
を資本金500万THBで2018年9月に設立し、
TR@MOVEを事業主体として展開することになっ
商用車向けテレマティクスシステムでタイ市場トップシェアを誇るDTCのHP
ンターネトによる求荷求車情報配信サービスで知られるトラボックスのHP

TheTRUCK2018年7月号87
ている。本社はDTC内に置き、社長はDTCのトサポール
クナパムシリ社長が兼務する。また、初年度の会員獲得数
は3,000社を目標にしている。
■サービスの詳細
▽第1STEP(2018年6月21日〜)
『求荷求車単発サービス』
 荷主は、運んで欲しい荷物情報(発地、着地、時刻、荷
種、荷量、希望運賃等)をWEB画面から登録し、運送会
社からの受注連絡を待ち、運送会社は、受信した(荷物情報)
メールや、WEB上に登録された荷物情報で受注したい荷物
情報を選択し、成約が確定し、確認を電話で行う。この様な
荷物単位で単発的に発生する荷物情報のマッチングが単発
サービスである。
『求荷求車見積もりサービス』
 単発サービスとは異なり、一定量(一定期間)継続的に荷物
を運んで欲しい場合、荷主は運送区間、荷種、荷量、希望
車種、希望運賃等の商談情報を登録すると、運送会社に自
動的で転送され、WEB上にも掲載され。運送会社は、荷主
の商談情報から受注したい荷主に対して、提案や見積もり提
出することができる。荷主にとっても複数の会社から提案を受
けることができ、自動的に相見積もりが取れる仕組みとなる。
▽第2STEP(2018年12月21日〜サービス開始予定)
『最適マッチングサービス』
 サービスの基本構成は、運送会社がメールで受信したり、
WEB上に登録された荷物情報の中から欲しい仕事(荷物情
報)を選択して荷主と連絡を取る仕組みだが、最適マッチング
サービスでは、求車情報と求荷情報からデータサーバー側で、
運送会社の業務条件に見合った荷物情報を自動検索して運
送会社にアウトプットする機能となる。すべての情報を閲覧す
る必要がなく、自社の業務条件にあった荷物情報を自動受信
する事ができる。
『GPS連動マッチングサービス』
 さらに、GPS情報やGPSの空車情報と連動することで、
荷主に位置情報や配送状況をリアルタイムで提供するだけで
く、空車情報と連動する事により、空車情報を優先した荷
物情報の自動検索も可能としている。DTCや矢崎のGPS
ユーザーについては、GPS側のWEB画面に、自社車両配
送ルートに沿った新規荷物情報をポップアップ表示することが
可能となる。
『AIを活用した条件別新規需要予測と最適配送ルート支
援サービス』
 過去の求荷求車情報やGPSの累積データを元に、AIを
活用する事で、荷主や運送会社の業務条件にマッチした新
規需要予測情報を提供。また、既存業務での配送計画を加
味した新規荷物情報の提供や、最適配送ルート立案の支援
サービスを行う。
■提携会社概要
▽矢崎エナジーシステム㈱
 1960年に日本で最初にタコグラフの製造、販売を開始
し、以来、半世紀以上に渡り、タコグラフやタクシーメーター、
ドライブレコーダー等、運行管理機器やシステムを開発・製
造・販売している。
・資本金:3億1,000万円
・設 立:1963年8月21日(旧矢崎電線㈱)
・代表者:代表取締役社長矢﨑航
・本社所在地:東京都港区
▽DTCEnterpriseCo.,Ltd.
 1996年にタイ国バンコクにて創業。以降、商用車向けの
テレマティクスシステムを展開し、タイ市場でNo.1シェアを誇
る。近年はテレマティクスだけでなく、車載カメラや居眠り検知
器、業務効率化ソフトウェアなどの様々
なIoTソリューションを展開している。
・資本金:225,000,000THB
・設 立:1996年3月11日
・代表者:トサポール・クナパムシリ
・本社所在地:タイ国バンコク
トラク輸送が注目されつつあるタイからサービス展開をスターさせる
トラク輸送が注目されつつあるタイからサービス展開をスターさせる

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号88
 日野自動車㈱は、ドライバー不足や積載率の低下等、課
題に直面する物流業界のユーザーニーズに応えるため、新し
い物流のかたちを提案する新会社「NEXTLogisticsJapan
㈱」を2018年6月1日に設立した。
 日野は、これまで商用車メーカーとして、ユーザーに最高の
価値を提供していくためのトラック・バス、およびトータルサポー
トの提供に努めている。これまで培ってきた知見や先進の技
術を活かしながら、物流に携わる関係者と共に業界の課題解
新会社…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日野自動車が新しい物流のかたちの提案に向け
高効率輸送などの実証実験を行う新会社を設立
▽トラボックス㈱
 1999年、インターネットや携帯電話を使った「誰でも簡単
に参加できる物流ネットワーク」の構築を目指し、運送会社の
若手経営者が集まってシステム開発をスタート。インターネッ
を活用した求荷求車情報を物流企業へ配信することにより、
従来の電話ベースでの情報交換よりも格段のスピードアップ
を実現させている。
・資本金:7,300万円
・設 立:2000年3月3日
・代表者:代表取締役社長吉岡泰一郎
・本社所在地:東京都渋谷区
物流投資をタイ政府が積極的に行っておりこのレムチャバン港も今後拡大される

TheTRUCK2018年7月号89
 日産自動車㈱は、2018年5月25日、「日産リーフ」の国
内販売累計10万台を記念し、「ゼロエミション社会の実現
に向けて」をテーマにしたフォーラムを開催した。
「日産リーフ」は、2010年12月の初代モデル発売から、
2017年10月の2代目モデル発売を経て、2018年4月、
日本国内での累計販売が10万台を突破した。
 日産は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、独自
性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けることを使命に
活動を続けている。また、クルマを取り巻く環境が大きく変化
する中、クルマの設計開発、生産、販売、サービスに至る
あらゆる分野で、積極的な変革に取り組んでいると同時に、
ゼロエミション社会の実現に向け貢献することも、企業の責
務と考えている。
 フォーラムは、ゼロエミション社会の実現に向け、同じ志
を持って様々な取り組みを行っている自治体や企業、政府関
係者など約100名の参加のもと、これまでの活動を振り返る
と共に、さらなる発展を目指すことを相互に確認する目的で開
催したもの。
 日産のダニエレ・スキラッチ副社長は、『日産リーフ』累計
販売10万台は、まだはじまりに過ぎません。『日産リーフ』
お乗りのお客さまのほとんどが、次も電気自動車の購入を希
望されます。私たち日産自動車は、常にお客さまへわくわく
るクルマをご提供するともに、人や社会と共存する存在であ
り続けることをお約束します。そして今日ご参加のみなさま、そ
してお客さまと共に、ゼロエミション社会の実現に向け、前
進し続けます」と語った。
 また、日産の星野朝子専務執行役員は、「未来の日本は、
豊かな自然と人々が共生するゼロエミション社会であると想
フォーラム…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「日産リーフ」国内販売累計10万台記念の
「ゼロエミッション社会の実現に向けて」フォーラム開催
像しています。しかしそれは、CO
2
排出ゼロの電気自動車の
普及だけでは成し得ない世界です。『日産リーフ』の累計販売
が10万台を迎えた今、日産は、電気自動車のパイオニアと
して、また世界で初めて量産を開始したリーディングカンパニー
の使命として、多くのビジネスパートナーの皆さまともに、次
なるステージを切り開いて行きたいと思います。クルマも、道
路も、街も、社会も、もっともっと美しい“ブルー”に、日本
をもっと美しい国に、との想いを込め、是非、一緒に取り組
んでいきましょう」と述べた。
決の一助となる取組みを推進するとしている。
 新会社では、新しい物流のかたちを確立すべく、①ドライ
バー・車両・荷物情報の3つの情報を高度に活用した安心・
安全な物流環境及び高積載率の実現、②隊列走行・ロー
トレインによる高効率大量輸送の実現、に関する実証実験
を開始する。
 また、将来的には自動運転やより高度な環境技術の実用
化を見据えた実証実験を通じて、ユーザーと社会にさらなる価
値を提供していくことになる。
■新会社の概要
・社名:NEXTLogisticsJapan株式会社
・所在地:東京都新宿区西新宿一丁目26番2号
新宿野村ビル
・資本金:40百万円(日野自動車100%)
・設 立:2018年6月1日
・代表者:梅村幸生(日野)

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号90
 ㈱ドラEVER(本社:埼玉県さいたま市/岡野照彦代表)
は、2018年5月10日に同社が運営する求人サイト「ドラ
EVER」(https://doraever.jp/)のトップページを求人サイ
の中でいち早くAMP化した。AMP(AcceleratedMobile
Pages)は、モバイル向けページの表示速度を上げることを目
的とした仕組みのこと。
 求人サイト「ドラEVER」は、現在全国的に人材不足が叫
ばれているドライバー求人にターゲットを絞った求人サイト。今
回のAMP導入は、スマートフォンでのアクセスによる表示速
度向上と同時にgoogle検索結果に表示される検索順位変
動の効果計測を目的としている。今後は、求人検索一覧ペー
ジや、求人情報詳細ページについても導入を進めていく予定
である。
 国土交通省によると、現在全国のドライバーは10万人
ほど不足しているとされており、運輸業界や引越業界での人
手不足はニュースで取り上げられるほどの社会問題となってい
る。求人サイト「ドラEVER」は、現状のドライバー不足を解
決するため、ドライバーとして働くメリットや求人情報などを多く
掲載し、月間閲覧ユーザ数は約10万人、求人情報を掲載
する運送企業の累計は1,000社以上で、日本国内最大級
のドライバー求人情報の配信サイトになっている。
 求人情報はもちろん、企業と企業をつなぎ売上・効率アッ
プを図ることが可能な「ビジネスマッチング」や、企業PRに最
適な「動画プロモーション」をいち早く取り入れるなど、運送企
業に必要な様々なサービスを提供・掲載している。
 今後、一層の利用ユーザの利便性向上と、求人掲載企
業と求人応募者の就職・転職成功のためサイトの改善など
行っていくしている。
求人サイト…ドラEVER
話題のニュートラック新製品情報・新情報
運送業界のドライバー不足を解消する
求人サイト「ドラEVER」のページをAMP化
AMP化した日本国内最大級のドライバー求人サイト「ドラEVER」

TheTRUCK2018年7月号91
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、2018年6月
13日に都内で開催された「AsianLegalBusiness(ALB)
JapanLawAwards2018」(AsianLegalBusiness主催)
「製造及び小売業界のインハウスチーム」部門で優秀賞を
獲得した。
 今回の受賞は、電気トラックの先駆けとなった電気
小型トラック「eCanter」と電気商用車に特化したブランド
「E-FUSO」が法の遵守のもと、開発や生産、販売、カスタ
マー・サービスなど他部門と協力し世界展開を実現し、また、
関係各国での法的問題を迅速かつ正確に解決に導いたこと
が高く評価されたもの。
 受賞したMFTBC法務部は日本国内に加え、170を超え
る世界市場での事業と製品を法のエキスパートとして支えてお
り、今後も引き続き、多様化する事業を強固なチームで支援
していくしている。
 同アワードは国際的法律雑誌「AsianLegalBusiness」
各国で主宰する賞で、法律業界に功績と発展をもたらした法
律事務所や企業法務部に賞を授与しており、今年で14回
目を迎えている。
ALB最優秀賞…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
三菱ふそうの法務部がALBJapanLawAwards2018で
「製造及び小売業界のインハウスチーム」の最優秀賞獲得
 三菱ロジスネクスト㈱(京都府長岡京市/御子神隆社長)
は、ユニキャリアTX3電気式3輪カウンターバランス型フォー
クリフト(欧州・アジア・中近東・アフリカ向専用モデル)が、
2018年の「レッドット・デザイン賞(RedDotAward)」を受
賞した。
「レッドット・デザイン賞」ドイツで1955年に設立された国
際的なプロダクトデザイン賞で、国際的なデザインの専門家が
革新性(Degreeofinnovation)、機能性(Functionality)、
人間工学(Ergonomics)、耐久性(Durability)等の基準をも
とに優れた製品を選定するもの。
 ユニキャリア「TX3」は、48V電動3輪で、4.2kWh/hと
ラスップのエネルギー消費率を誇る電気式フォークリト。デ
ザインと機能の高い次元での融合、とりわけドライバーからの
視認性の高さとそれによる優れた安全性において高い評価を
受けて受賞した。
 ちなみに、三菱ロジスネクトは、2017年にニチユ三菱フォー
クリト㈱とユニキャリア㈱が経営統合してスターした会社で
ある。
デザイン賞…三菱ロジスネクス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
海外向けTX3電気式フォークリフト
ドイツのレッドドット・デザイン賞を受賞
電気小型トラック「eCanter」の世界展開などが評価されALB部門賞を受賞した
ドイツのレッドット・デザイン賞を受賞した「TX3電気式フォークリフト」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年7月号92
 いすゞ自動車㈱は、創立80周年記念事業の一環として
2017年4月11日にオープンしたコミュニティー施設『いす
プラザ』の来館者が2018年6月9日に累計で10万人に
到達し、これを記念するセレモニーを行った。
『いすプラザ』は、いすゞの歴史の紹介や貴重なレストア
(復元)車両の展示と共に、商用車の役割や運ぶを支えるも
のづくを見て・感じて・体験することができるュージアムエリ
アと、ものづくり教室などの開催を通じ、いすと地域の人た
ちとのつながりを深めるためのコミュニティーエリアから構成さ
れている。
 セレモニーでは10万人目の来館者へ記念品と、隣接する
宿泊施設「PLAZAannex」のペア宿泊券が贈呈された。
 今後も多くの来館者が楽しめる施設、社会に役立つ施設
を目指し、展示物の充実や参加型イベント開催を企画してい
くとしている。
プラザ…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞプラザの来館者が累計10万人を達成
記念品と宿泊施設「PLAZAannex」宿泊券を贈呈
 コマツは、2018年7月14日㈯にコマツ金沢工場で「コ
マツ工場開放デー金沢2018」を開催する。
 ステージでは、大人気の「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS
警察戦隊パレンジャーショー」をはじめとしたパフォーマンスが
予定されているほか、会場内では、飲食・ゲームの模擬店が
出店。建設機械の試乗や、大型油圧ショベル・プレス機械
組立てエリアの工場見学会なども行われる。
 なお、当日は大浜埠頭にて「港フェスタ金沢2018」
が同日開催されるため交通の混雑が予想される。石川
県庁からの無料シャトルバスを随時運行することになって
おり、県庁からのシャトルバス利用が便利である。
■「コマツ工場開放デー金沢2018」について
・日時:2018年7月14日㈯10:00〜16:00
*小雨決行
・会場:コマツ金沢工場
(石川県金沢市大野町新町1-1)
・入場料:無料
・問合わせ:電話076-237-2200
(コマツ金沢工場金沢総務課)
工場開放デー…コマツ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
石川県の金沢工場で
「コマツ工場開放デー金沢2018」を開催
いすプラザの来館者が累計10万人を達成