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【トピックス】「電撃的発表・日野自動車とVWT&B」

世界のトラック業界研究
共同記者発表に臨む 日野自動車・下義生社長CEO(左)とVWT&BのR.レンシュラーCEO
日本で最初に発表
 このビッグニュースは東京で発表された。ドイツと
の時差8時間を念頭に、当日、本誌でもお馴染みの
スウエーデン在住の朋友ジャーナリスト・スヴェン・エ
リクリンドストランドに現地の動きを探ったところ初耳
だという。筆者が送った情報が現地ブログの一番乗り
を飾ったという。報道陣に対する事前案内が当日朝
だったという慌ただしい日程からも、電撃発表だった
ことがご理解頂けると思う。
 4月12日、日野自動車株式会社(下善生代表取締役社長・
CEO。以下、日野自動車)とフォルクスワーゲン・トラック・ア
ンド・バスGmbH(アンドレアス・レンシュラー・CEO。以下、
VWT&B)の両社は電撃的に包括提携に入ることを表明した。今後
のグローバル市場に及ぼす影響が注目される。
電撃的発表・
日野自動車と
VWT&B
戦略的協力関係の
構築に向け合意
西襄二
TheTRUCK2018年5月号20

北米市場向け中型日野車(日野HPより)
両社CEO立ち会い
包括提携の内容は・・
 日野自動車の社長が今回初めてCEOのタイトルを
併記して記者発表に臨んだのは、パートナーとなった
VWT&Bのアンドレアス・レンシュラーCEOと対等
な関係でこの包括提携がスタートしたことを象徴する
演出の一環だった。
 両社の発表によれば、今回の合意内容は次の5
項目に集約されている(英文はVWT&B側資料によ
る)
◎戦略宛貴協力関係構築の枠組みに関する合意書に
調印
 StrategicCooperationFrameAgreement
(SCFA)signed
◎両社が共有する価値観:さまざまなお客様に最高の
価値を提供
 Sharedcommonvalue:offercustomersthe
highestvalue
◎幅広い協力可能性:未来の物流/輸送、技術、調
達等
 Widerangeofpossibleareasforcooperation:
futurelogisticsandtransportation,technology
andprocurement
◎両社の強みが活かせる関係:事業展開地域、商品
ライン
 Excellentfit:expandingglobalfootprint
andcomplementingproductportfolios
◎合意の基本スタンス:長期視点、対等かつ互恵的
な関係
 Guidingprinciples:long-termeye-level
partnershipandmutualbenefits
 ここに見られる〝戦略的、共通、長期、互恵、対等、
お客様への最高の価値観提供〟などのキーワードとフ
レーズからは、包括提携のトップの熱い思いが読み取
れる。なお、発表内容は本稿の最後に全文を原文で
併載しておくので是否参照頂きたい。
対照的なCEO二人の経歴
 2014年1月29日、アンドレアス・レンシュラー
AndreasRenschler(以下、R.レンシュラー)氏
は前ぶれ無く、終期には全車型について世界生産の
責任者だったダイムラーでの地位を退いて世間を驚か
せた。この時まで、R.レンシュラー氏はダイムラー・
グループの商用車ブランド、即ち、メルセデス・ベン
ツ、フレイトライナー、ふそう、ほかの各車について
CEOの立場にあり、9年間に亘ってこの任務を成功
裏に遂行していた。
 その数ヶ月後、VWグループが商用車部門を独立
組織としたVWT&BGmbH(フォルクスワーゲン・ト
ラック&バス株式会社)の社長に指名されたニュース
が流れた。彼の新たな任務は、VWの商用車部門と
VWが資本参加して影響下にあるMAN(ドイツの名
門)、SCANIA(スウエーデンの名門)の各企業トラッ
ク部門を総合して最適な運営を行うことであった。実
は、この任務はSCANIA社のレイフ・オウストリンク
社長が当時担っていたのである。
 これで分かるように、R.レンシュラー氏はトラック
系商用車メーカーとしは世界ナンバーワンで(今日の
立場では)ライバルに相当するダイムラー・グループ
から乗用車を加えた販売台数で世界ナンバーワンな
がらトラック系商用車では後塵を拝しているVWT&B
グループのトップに転じたということになる。生年は
1958年の本年60歳。
 一方、2017年6月に日野自動車の社長に選任さ
TheTRUCK2018年5月号21

世界のトラック業界研究
記者発表を終えてポーズをとる両CEO。左:下義生社長CEO、右:R.レンシュラーCEO
れ就任した下善生氏は、日野自動車生え抜きで社長
就任前の1年間はトヨタ自動車で常務の地位にあっ
た。それまで、トヨタ自動車から転じて日野自動車の
社長につく人事が数代繰り返されて16年が経過して
きたが、ここで一線を画する人事に移行したことを意
味する。
 近年、親会社に相当するトヨタ自動車はVWと激し
く世界の販売シェアを競う間柄にあるが、トラックに
ついては専門メーカーに任せるべきとの時代の流れを
意識した経営判断が働いたというべきだろう。
 下社長は、1981年に早稲田大学理工学部を卒業
し日野自動車に入社した。バスの開発にも従事し、
近年は北米向け中型トラックの開発を手掛け02年か
ら05年は北米日野自動車販売の副社長を務めた経
歴がある。トラックはボンネット形が好まれる現在の米
国に向けて進出するに当たり、当時下社長が主導し
てセミボンネット形のスタイルを商品化したところに進
出地域のユーザーの好みを研究し尽くした取り組みを
改めて汲み取ることが出来る。生年は1959年で本
年59歳。
記者団との質疑応答
 今回のビッグニュースについて下義生、R.レンシュ
ラー両CEOから発表があった後に質疑応答を行った
が、これに対する二人の回答で印象に残ったことを整
理して要約しておこう。(以下、下社長=S.、A.レン
シュラー社長=A.R.)
Q
 今回の提携構想が動き出した時期は?
S.
 2017年6月以降です。(との明確な回答があっ
た。つまり、昨年の社長就任直後から動き出したプロ
ジェクトであったことになる。
Q
 日野自動車が現在営業活動する国・地域の数
は? 課題は?
S.
 現在、80か国・地域に上っています。全てでチー
ム日野としてお客様の目線でトータルサポートを提供し
なければなりません。
Q
VWT&Bが提携に合意した最大の目的は?
A.R.
 物流の変化に対応したソリューションに広範
囲かつ迅速に対応するには互いの強みを出し合いシナ
ジー効果が生まれます。例えば商品の相互補完も考
えられでしょう。私達はものを運ぶ、人のモビリティを
確保する、双方の観点でパッションを持って互いの提
携効果を出したいと考えています。
Q
日野の強みはどの様にお考えですか? 
VWT&Bの場合は如何ですか?
S.
 ADAS(先進運転者支援システム)の標準採
用で業界の先例となっています。大型バス・トラック
のHVハイブリッド車では延べ1万5千台の市販実績
TheTRUCK2018年5月号22

VWT&B社の製品代表例。2016年IAA商用車展@独ハノーバーメッセ
で世界をリードしています。お客様の利益となるトータ
ルサービスにコネクティヴィティーを連動させるシステ
ムも稼働が始まっています。
A.R.
 MAN、SCANIA両社との緊密な関係に加
え、自社の南米市場の実績はトップランナーンです。
2016年に立ち上げた〝RIO〟はMANのイニシアティ
ブで開発されたディジタルシステムで、車輌の効率的
運用と物流の最適化を通じてお客様の利益を極大化
することに貢献します。どの車にも搭載して活用でき
ます。日野のシステムとも融合するでしょう。
Q
今回の包括的提携の具体像はどんなことから始
まるのか?
S.
 アライアンス委員会を直ちに立ち上げます。こ
の発表まで2ヶ月に1回のミーティングを開催してき
ましたが、今後はもっと加速するでしょう。
A.R.
 提案されるプロジェクト毎にフィージビリティ
スタディFSを行い、優先順位をつけて両社で取り組
みます。
Q
トヨタ自動車とのとの関係はどうなりますか。ま
た、いすゞ自動車とは?
S.
 トヨタの子会社という関係は変わりません。トヨ
タグループの一員という立場も変わりません。ただ、
乗用車PCと商用車CVはビジネスがことなりますの
でトヨタグループ内にとどまっていると勝者にはなり得
ないとの認識をもっていま す。トヨタからは「是否、
進めて欲しい」と言われています。
いすゞ自動車とはバスで協業関係にあります。これも
些かも変更ありません。
Q
VWには過去にスズキと提携したが分かれたと
いう歴史があります。今回は何が背中を押したのか。
A.R.
 PCとCVでは環境が違います。CVの世
界でVWは未だ弱い。いわばヴェンチャーの立場に
ある。これまでのMAN、SCANIAに当社VWのグ
ループに、強力な日野が加わることはとても大きな意
義があります。
S.
 近年は中国メーカーの力も高まっています。例
えばEVでのBYD・・。コスト競争力に加え技術力
も侮れません。
Q
生産面で相互乗り入れは考えられますか?
A.R.
 スケールメリットを考えれば意識できること
です。全てはこれからのことですが。
(この部分の構成は筆者のメモに基づく)
 下社長は昨年の社長就任にともなう記者会見の席
上、筆者の質問に応えて「日野自動車は中大型トラッ
ク分野で日本の業界一位といわれているが、なお〝チャ
レンジャーです〟と語っていたことが筆者の印象に強
く残っている。小トラ部門でかなり水を明けられてい
いすゞ自動車を名指しした訳ではないが、暗に意識
した発言と筆者はとった。あの時、既に今回のプロジェ
クトも念頭にあった事になる。
TheTRUCK2018年5月号23

世界のトラック業界研究
旗艦車の重み
 日野自動車といすゞ自動車は、わが国内のトラック
バスメーカーの中で上場企業としてトラックでは激しく
競い合う、一方、バスではJバス株式会社を共同運
営して協調する仲である。
 日野は大型トラック・プロフィアPROFIA、一方の
いすゞの場合は小型トラック・ELFが互いに長年の実
績で市場のトップを走る関係にある。実績の上での旗
艦車と言うべき車種に夫々の歴史があるわけだ。
 いすゞは近年、デザインポリシーで全車に最量販
車エルフの特徴を大中型車ギガGIGA及びフォワード
FORWARDに展開し完成させた歴史を有する。この
意味でいすゞの旗艦車はエルフELFという表現をこ
こでは用いる。この小→大という取り組み方はコスト
面でも実効を上げているとも見ることが出来る。
 対する日野の場合は、大型から小型まで一貫した
デザインポリシーは未だ途上にある。
世界市場での今後は?
 VWT&Bが今回の記者発表資料に掲載した参考資料
を参照すると、同社と日野の両社を比較した最近の販
売実績及び関連トピックスは(表1)に示す内容である。
 筆者の知る限り、VWT&Bは世界のニッチ市場と
いう観点で南アメリカ(最大市場はブラジル)で海外
進出を始め、ここからの輸出でこの地域に実績を拡
大、次いでアフリカへも進出して実績を拡大してきた
という歴史を辿っている。
 欧亜大陸で優勢のダイムラーDaimler(Mercedes
Benz)の場合、世界のトラック市場に進出した歴史を
辿ると、1990年代にM&A方式で先ず北米(アメリ
カ)の量販車フレートライナーFreightliner社(車)
エンジンメーカーのデトロイトDetroitを傘下に収め
TheTRUCK2018年5月号24
日野自動車 VWT&B
商品構成
小中大型
/小中大型バス
軽量商用車/
中大型/中大型バス
販売実績(2017 年) 185,000(80 国) 205,000
製造拠点数/拠点国数 14/11 31/17
全世界 従業員数 32,000(連結) 81,000
グループ
自動車、
[いす動車(バス製造販売分野)
VW、MAN、SCANIA、VW
CaminhoessOnibus、RIO
出典:VWT&B発表資料、日野自動車HPなどを参考に筆者作表
メー (車名)
クラ 8 クラ 7 クラ 6 クラ 3 4 5
8月 18月
1〜 8
8月 18月
1〜 8
8月 18月
1〜 8
8月 18月
1〜 8
Chevrolet
3,889 28,296 10.61%
ChevroletLGF
226 1,583 0.59%
Dodge/Ram
13,808 115,447 43.30%
Ford
191 1,336 3.32% 1,617 13,594 31.33% 12,936 92,134 34.55%
Freightliner
5,848 5,848 5,848 2,900 19,120 47.51% 1,754 13,593 31.33% 162 2,419 0.91%
BMC
1,312 10,533 3.95%
Hino
135 1156 2.87% 621 4,501 10.37% 345 2,272 0.85%
International
2,751 2,751 2,751 2,870 12,125 30.13% 1,194 9,918 22.86% 10 137 0.05%
Isuzu
25 29 1,790 13,254 4.97%
Kenworth
2,427 2,427 2,427 406 2,930 7.28% 228 1,537 3.54% 4 24 0.01%
Mack
1,372 1,372 1,372
MitsubishiFuso
101 535 0.20%
Peterbilt
2,761 2,761 2,761 501 3,580 8.90% 10 215 0.50% 4 14 0.01%
Volvo
1,513 1,513 1,513
Westernstar
473 473 473
Other
21 21 21
Total
17,166 17,166 17,166 7,003 40,247 100% 5,440 43,387 100% 34,587 266,648 100%
出所:バークレー市条例より抜粋 翻訳:物流問題研究所
(表1) 日野自動車及びVWT&Bの販売実績
(表2) アメリカ国内 トラック販売(2017年1月〜8月)

日野自動車側のプレスリリース
たところからスタートしている。アメリカのトラックは、
ユーザーが好みのエンジンを指定できる商習慣がある
が、ダイムラーは、垂直統合方式の自社の方針を北
米でも展開しようとの考えに基づく行動であった。
 当時、最大のライバル・パッカーPACCAR社で
はケンワースKenworth、ピータービルトPeterbilt
二大ブランド車がオーナーオペレーター個人事業主を
中心に根強い固定客を擁して市場の過半を確保して
いた。ダイムラーの販売戦略はフリートユーザーであ
るリース車に当初は焦点を当てて開拓に努めることで
あった。筆者が2000年にダイムラーの本社を取材
した折に、車体+エンジン共にメルセデス・ベンツ・
ブランド車で受注に成功した、として祝賀ムードであっ
たことを記憶している。
 北米のクラス8大型トラック市場で、近年はフレト
ライナーFreightliner車はトップを占めるに至って
いるが、ダイムラーは根気よく取り組んできたのであ
る。その間に、三菱ふそう社(車)を傘下に収めて「ふ
そうFUSO」ブランドと技術力を多いに買って収益に
寄与させていることは周知のことだ。
 対するアメリカのパッカーPACCAR社は、オランダの
DAF社(車)を買収して傘下に収め、欧州式のトラックビ
ジネス方式も採り入れつつ国際化に対応しつつある。
 更に、ボルボVolvo社(車)は早くに仏ルノートラッ
ク社(車)及び米Mack車(社)を傘下収め、近年に
はUDトラックス車を自社グループに引き入れてダイ
ムラー社を猛追する姿勢を示している。
 そして、今回の日野とVWT&Bの広範な分野での
提携突入である。
 いすゞ自動車などうだろうか。劇的な変遷を辿って
北が、現在、同社はアメリカのジェネラルモーターズ
GeneralMotors社(車)と提携関係にある。たまた
ま4月のある日、TVを見ていたらガラパゴス諸島の
ある島にはシヴォレーChevolet車のバッジを付けた
エルフ車が走っている映像が流れていた。地の果て
ガラパゴスにも進出しているGM車の全世界に広が
る強力な販売組織との提携は力強い援軍だが、トラッ
ク市場全体でみた場合のポジションは今後どうなって
行くかのだろうか、目が離せないのが世界市場の動き
である。
注:特記なき写真は筆者による撮影
TheTRUCK2018年5月号25

世界のトラック業界研究
VWT&B側のプレスリリース
(本稿おわり)
TheTRUCK2018年5月号26

仕様
項目
チップセッ
センサーデバイス
画角
ディスプレイ
供給電圧
動作温度範囲
記憶ディバイス
記録フレーム
カメラモード
記録内容
記録形式
マイク
時刻設定
加速度センサー
質量
内容
AmbarellaH.264画像圧縮チップ
フルHD5MCMOSセンサー
約105度
LCD3インチ4:3モニター
DC10-30V
−10℃-+70℃
SanDiskSDカードClass10以上
読み書き速度15MB/s以上推奨
(最小容量:4G、最大容量:32G)
1920×1080(フルHD1080P/30F)
1280×720(HD720P/30F)
システム起動時に自動録画
解像度:3M、5M、8M
手動写真撮影、加速度センサー、セルフタイマー
日付、時刻、画像、加速度、GPSデータ(速度含む)
専用プレイヤー用独自フォーマット(記録モード)
内蔵デュアル高感度マイク
GPS信号による自動設定
GPSが無効の場合、内蔵時計を使用
内蔵
本体:192g、シガー電源アダプター:112g
これは凄い!
製造販売元:株式会社日本ヴューテック http://www.nvt.co.jp/
営業本部:〒211ー0066川崎市中原区今井西町93ー3 TEL.044ー722ー2211(代) FAX.044ー722ー8488
本社:〒211ー0063川崎市中原区小杉町3ー239ー2 【サポート:TEL.044ー722ー2211】
常時録画
エンジン連動録画
イベント録画
センサー検知時録画
GPS搭載
Googleマップ連動
日付、時刻、速度を記録
音声録画
車内の音声を記録
VFーDVRー001
FULLHD5メガピクセル
ドライブレコーダー
FULLHD5メガピクセル
VIEWTECのドライブレコーダーVIEWTECのドライブレコーダー
FULLHD5メガピクセル
こんな使いかたも
自分の運転をチェック
旅行の想い出に
レース走行を記録

TheTRUCK2018年5月号28
MaaS先進国フィンランド出張レポート
「胎動する次世代ビークルの世界」では、100年に一度の大変革を迎えていると
いわれている自動車産業において、何が起きているのか、どこに課題があるのか、
日本企業はどうすれば良いのかなどを様々な有識者からインタビュー形式で伺って
ました。第7回ではインタビューを小休止して、第1回にご登壇いただいた自動車
ジャーナリストの桃田健史氏とともに3月に訪問したジュネーブ・モーターショーと
MaaS先進国フンランドの出張レポートとさせていただきます。
 ヨーロッパを代表するモーターショーであるジュネーブ・モーターショーでしたが、
最も印象に残ったことは高級電気自動車を欧州メーカーが続々と発表してきたこと
です。また、自動運転に関する様々なコンセプト提案もありした。そこから透けて
見える欧州企業と米国企業、欧州企業と中国企業の関係についてレポーしたい
と思います。
 MaaSGlobal社(マース・グローバル社)というモビリティ・アズ・ア・サービス
(MaaS)を代表する企業があると聞いていたことから訪問することにしたフンラン
ですが、同社の存在以上に驚いたのは、運輸・通信省という日本でいう国土交通
省に相当する役所がこれまでの規制を抜本的に改革し、ユーザー目線での様々
な交通サービスを創出しやすい環境づくを運輸・交通大臣の強い政治的リーダー
ップで進めていることでした。なぜフンランドがそれほどまで本気で規制改革を
進めているのか、その背景についてもレポーしたいと思います。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦

↑湖と山に囲まれたジュネーブジュネーブ・モーターショーの入り口
ジュネーブ空港に隣接したPalexpoという会場で実施
プレスパス
TheTRUCK2018年5月号29
プレスデーに潜入した
ジュネーブ・モーターショー
 第88回ジュネーブ国際モーターショーは3
月8日から18日までの11日間が一般公開と
なっており、3月6日、7日はプレス関係者
のみが入場できるプレスデーとなっていまし
た。日新の横路社長のご配慮により私はThe
Truckの記者として入場し、自動車ジャーナ
リストの桃田健史氏の導きに従って会場を巡る
こととなりました。
 私にとって初の海外のモーターショーへの参
加でしたが、最初に感じたのは国内の様々な展
示会とは全く異なる「サロン」のような雰囲気で
す。通路には赤いカーペットが敷き詰められて
おり、床のコンクリートが見えているような場
所は一つもなく、天井からはまばゆいほどの沢
山の照明がたかれてい
ました。また、会場の
一部が中二階のように
なっていることからエ
スカレーターを上がる
と会場全体を俯瞰して
みることができること
も会場の雰囲気の良さ
に貢献していました。

日本の展示会とは雰囲気の異なるジュネーブ・モーターショー
大手自動車メーカーはカプチーノやお菓子をブースにて無償提供(日系ではトヨタのみ) ※ダイムラー、Audi、Volvo、プジョー、現代など
AUDIでは映画館のような雰囲気でポップコーンとコーヒーを提供
TheTRUCK2018年5月号30
 サロンであることの印象を更に強くしたの
が、大手自動車メーカーのブースに設置されて
いるカフェコーナーです。ダイムラー、アウ
ディ、ボルボ、プジョー、トヨタ、現代などの
大手自動車メーカーはカフェコーナーでカプ
チーノ、ジュース、お菓子などを無料でふるまっ
ていました。また、プレスや重要顧客向けに料
理をふるまうためのレストランブースを設けて
いる自動車メーカーもあり、中には毎年三ツ星
シェフに料理させているメーカーもいるとのこ
とです。
 欧州の自動車メーカーはジュネーブ・モーター
ショーで初披露目することを非常に重要視する
と桃田氏が言っていましたが、自動車産業をゼ
ロから育ててきたヨーロッパの人たちには文化
を守りたいという強い思いがあり、それが“サ
ロン”としてのジュネーブ・モーターショーの
雰囲気につながっているのだろうと思います。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦

ポルシェが初披露したMissionECrossTurismo
ジャガー初の電気自動車であるI-Pace
TheTRUCK2018年5月号31
“テスラ殺し”の高級電気自動車が
次々と発表
 ここからは2018年ジュネーブ・モーター
ショーの目玉をご紹介していきます。最大の目
玉はポルシェ、ジャガーなどの高級メーカーが
次々と電気自動車のモデルを発表してきたこと
です。
 その象徴的存在が、VWグループの最高級ブ
ランドであるポルシェが高級電気自動車ミッ
ションEの派生モデルとして発表したミッ
ションEクロスツーリスモでしょう。ポルシェ
はスポーツカータイプのEVであるミッショ
ンEを2019年4月に市販することを既に発
表していますが、スポーツカータイプがテスラ
ModelSの対抗車種だとすると、クロスツー
リスモはModelXの対抗車種になります。こ
れによってポルシェは完全に“テスラ殺し”の
ラインナップをそろえていくことになります。
更にポルシェは1月に800V、350kWの超
急速充電方式を発表しており、これにより航続
距離500kmの80%充電を15分で行えると
いっています。テスラの急速充電では400V、
120kWで約300kmの航続距離の充電に30
分かかりますので、ポルシェの方式では充電時
間が半分以下に短縮されることになります。
 現在はインドのタタ・モーターズの傘下にあ
るイギリスのジャガーはI-PaceというSUV
タイプの電気自動車の市販モデルを発表しまし
た。こちらも航続距離480㎞となっています
が、充電方式については既存のインフラを使う
ことを想定しているようです。2019年に市販
される予定とのことですが、現在は詳細な発売
時期と販売価格は提示されていません。ただ、
このモデルもテスラModelXの対抗車種とな
ります。 

ボルボ・カーズの高級電動車ブランドの初代モデルであるPolestar1
TheTRUCK2018年5月号32
 スウェーデンのボルボ・カーズは高級車ブ
ランドPolestarを展開しようとしており、そ
の最初のモデルであるプラグインハイブリッ
ド自動車のPolestar1が初めて欧州で披露
されました。このモデルは既に2017年秋に
上海に手発表されたものですが、2010年か
ら中国の浙江吉利控股集団の傘下となったボ
ルボ・カーズが高級化、電動化、中国での現
地生産化を進める象徴的なブランドとなって
います。また、同社ではテスラModel3の対
抗車種となるPolestar2の生産を2019年
後半に始め、ModelXの対抗車種になるであ
ろうSUVタイプのPolestar3も市販化する
としています。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
 テスラ社は廉価版のModel3の量産が計画
通りに進んでおらず、資金的に相当厳しい状況
にあるという噂が絶えませんが、既に電気自動
車を展開しているBMWに加えて、ポルシェ、
ジャガー、ボルボPolestarなどの大手高級車
メーカーが次々と対抗車種を投入していくよう
になると、熾烈な市場競争にさらされ、更に経
営的に追い込まれていくものと想定されます。
 また、電気自動車ベンチャーの世界では、
テスラの後を追うように数多くの企業が生
まれています。2014年に上海で創業し、
中国版Twitterであるテンセントや中国版
AmazonであるBaiduなどから支援を受けて
いるNIO、2015年に上海で創業し、中国自
動車メーカー吉利汽車から支援を受けている
Weltmeister、マツダやテスラ出身者が2007
年にカリフォルニア州で創業したLucid、
2016年に大学発ベンチャーとしてスウェー
デンで創業したUniti、BMW・テスラ・日産
などの出身者が2016年に香港で創業した
Byton、FaradayFutureという電気自動車
ベンチャーからスピンオフし2017年末にロ
サンゼルスで創業したEVelozcityなど、数え
ればきりがないほど数多くの電気自動車ベン
チャーが誕生しており、彼らの活躍次第では更
にテスラにとって厳しい競争環境となっていく
可能性があります。
自動運転では無人運転中の
ユーザー体験の提案競争が始まっている
 EZmile、LocalMotorsと並ぶ自動運転バ
スの3大メーカーの一つであるNAVYAの
ブースを訪問したところ、1月にラスベガス
のCESで発表されたロボットタクシーが展示
されていました。初代の完全自動運転バスは
全世界で65台を既に販売したとのことで、第
二弾となるロボットタクシーでは6カメラ、

NAVYAの無人運転車の第二弾であるロボットタクシー
TheTRUCK2018年5月号33
2GPSを搭載し、最高90km/h・平均50km/
hでの走行性能を実現しているとのことでし
た。今年の9月からフランス、アメリカ、オー
ストラリアで実証実験を開始することで、モビ
リティサービスを提供する事業者に対して様々
なソリューションを提供する会社を目指してい
るそうです。NAVYAが提供する車両は全て
無人運転を前提としていますので、彼らがこだ
わっているのは無人運転中においける車内での
ユーザー体験であり、他社と差別化すべく様々
な機能を開発中とのことでした。
 更に2017年3月にサムソンに買収された
自動車部品大手のHarmanのブースを訪れた
ところ、Rinspeedというデザイン会社が提案
する上下分離型の無人走行車のモックアップが
展示されていました。車内には座席ごとに個人
用ディスプレイが設置され、ディスプレイ及び
シート横の操作パネルで音楽や動画コンテンツ
などを再生できる仕組みとなっていましたが、
この車内でのユーザー体験の提案はHarman
が担当しているとのことでした。
 Harmanのブースにはサムソンのディスプ
レイや半導体を搭載したシステムの提案や車内
でのスマートフォンとの連携を想定したHMI
(車内ディスプレイ+操作システム)も展示され
ていました。また、Harmanは音響分野では
有名ブランドであるスピーカーのJBL、アン
プのMarkLevinsonなども抱えていること
から、ディスプレイ+操作+音響を組み合わせ
た総合的な車内体験を提案できる存在と言えま
す。桃田氏によると、ヨーロッパメーカーの高

デザイン会社のRinspeedが提案する上下分離型
の無人走行車
サムソン傘下になったことのシナジーを感じさせるHarmanのブース
未来の無人走行車内の体験を提案するHarman社
TheTRUCK2018年5月号34
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
級車の大半にはHarmanのHMIが搭載されて
いるとのことですので、Harmanがサムソン
傘下になったことで電機業界と自動車業界の最
強の組み合わせが実現したという印象を持ちま
した。
 日本にもパナソニック、ソニー、三菱電機、
日立など音響や自動車に強い電機メーカーがあ
りますが、サムソン×Harmanを越えられる
だろうかと少し心配になりました。

ICONA社が提案する無人走行車のデザインモックアッ
偶然対応してくれたICONA社CEOのDr.TeresioGigi
Gaudio氏
TheTRUCK2018年5月号35
 無人走行車でもう一つ気になったのは
ICONAというデザイン会社のブースです。こ
ちらはあくまでデザインモックアップに過ぎな
いものでしたが、偶然我々の対応に応じてくれ
たCEOのGaudio氏との会話が大変印象に残
りました。
 かつてイタリアには“カロツェリア”という
自動車デザイン会社が多数存在し、自動車メー
カーから注文を受けて高級車のデザインを行っ
ていました。例えば、日本で有名なデザイナー
の奥山清行氏は代表的なカロツェリアであるピ
ニンファリーナの出身であり、そこではフェ
ラーリなどのデザインを手掛けていたことで知
られています。
 Gaudio氏はピニンファリーナと並ぶ代表的
なカロツェリアであるベルトーネの出身だそう
ですが、2010年のリーマンショック後に自動
車メーカーがデザインを内製化したことなどが
原因でベルトーネは倒産に追い込まれてしまっ
たため、一念発起して市場が急拡大する中国
市場を狙ってICONAを創業したとのことでし
た。当初は5人のデザイナーでスタートした
ICONAは現在85人のデザイナーを抱え、中
国の主要な自動車メーカーとは全て取引を行っ
ているとのことでした。今回展示されていた無
人走行車は若い中国系女性デザイナーが手掛け
たとのことで、これも中国メーカーを意識して
製作したのかもしれません。Gaudio氏の話を
聞き、中国メーカーが技術的に成熟し、そこに
イタリアンデザインが取り込まれるようになる
とかなり魅力的な車両が提案されるようになっ
ていくのではないか、そうなると自前主義が強
い日本車にどこまで競争力が残るのだろうかと
気になりました。

VWが今年10月に発売予定の3輪型電動スケーターCityskater
トヨタブースに展示されて
いたi-walk(日本では
公道走行禁止)
TheTRUCK2018年5月号36
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
VWが今年10月に3輪型の
パーソナルモビリティを市販予定
 自動車そのものではないですが、少々驚い
たのがCityskaterという3輪型の電動ス
ケーターをフォルクスワーゲンが今年10月
に発売すると発表したことです。同社はモー
ターショー前日の関係者ディナーの席におい
て、都市部のモビリティ問題の解決のために
2022年までに関連技術に340億ユーロの投
資をすると表明したようですが、その一部に
Cityskaterも含まれると考えられます。担当
者に聞いたところ、ヨーロッパでは最高速20
㎞/h以下のパーソナルモビリティであれば
公道走行が認められているとのことで、販売
価格としては1500ユーロ(約20万円)以下
を予定しているとのことでした。Cityskater
と近いイメージのパーソナルモビリティはト
ヨタ自動車でも提案しており、i-walkという
コンセプトモデルがブースに展示されていま
した。しかし、日本ではこのようなパーソナ
ルモビリティの公道走行は禁止されているこ
とからi-walkについては現時点で販売する
計画があるとは聞いていません。ロボット技
術、エレクトロニクス技術、自動車技術の三
拍子がそろっていることからパーソナルモビ
リティを開発・製造する上では優位な状況に
ある日本の産業界ですが、厳しい規制によっ
て市場開拓の機会を失っているのではないか
と残念に思いました。
 次にご紹介したいのが超小型モビリティの世
界です。rimOnOで開発している超小型モビ
リティは二人乗りの車両を市販できる制度がな
かなか整備されないことからメーカーとしての
本格量産化に踏み切れずに今に至りますが、
ヨーロッパではL6e、L7eという超小型モビ
リティの車両制度が整備されていることから商
品を市販するメーカーも存在しています。モー
ターショーでは名車Isettaを現代的に復刻さ
せたmicrolinoが展示されていました。こち

名車Isettaの復刻版の超小型モビリティmicrolino
ジープのような超小型モビリティE-Moke
予約受付が始まった空飛ぶクルマのPal-V
TheTRUCK2018年5月号37
らの車両はL7eカテゴリーに相当し、価格は
12,000ユーロ、最高速90km/h、航続距離
は120㎞と215㎞の2つのバージョンがあ
り、イタリアの自動車メーカーTazzariとの
合弁で開発・生産を行っているようです。
 また、ジープのような見栄えの超小型モビリ
ティはE-MOKEという車両で、鉛バッテリー
を搭載しL6eカテゴリーで二人乗りの
Mokyと、L7eカテゴリーでリチウム
イオンバッテリーを搭載した四人乗りの
BeachMoke/JumMokeがあるとのこ
とです。
 空飛ぶクルマの展示もありました。
以前から話題になっているオランダの
Pal-Vです。税別49万9000ユーロ
という価格で限定90台の予約受付が始
まっており、初号機の納入は2019年の
予定とのことです。飛行機になるクルマ
ですので流石にダッシュボードには様々な計器
や情報が表示されていたのが印象的でした。

予約受付が始まった空飛ぶクルマのPal-V
Italdesignが提案し、AirbusとAudiが協力した空飛ぶクルマのコン
セプト展示
TheTRUCK2018年5月号38
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
 同じ空飛ぶクルマでもユニークだったのがデ
ザイン会社のItaldesignのコンセプト展示で
す。AirbusとAudiが協力し、非常に出来の
良いプロモーションビデオも放映されていまし
た。(https://youtu.be/2LggHhR2kFk)回転
翼とボディとシャシがそれぞれ分離できる構
造となっており、空を飛ぶときは回転翼とボ
ディ、地上を走行するときはボディとシャシが
一体化します。コンセプトとしては面白いと思
いましたが、あれだけの大きい回転翼を回すに
は相当な大きさのバッテリーが必要なはずです
がそのスペースが確保されているように思えな
い、回転翼とボディの連結パーツが貧弱そうで
とても強度が十分と思えない、など実用化には
相当課題があると感じた展示でした。ただ、こ
れだけのコンセプト展示にリソースをかけられ
ること自体がうらやましいと思います。

Italdesignが提案し、AirbusとAudiが協力した空飛ぶクルマのコンセプト展示
初日に使用していた純正ナビと渋滞を引き起こす要因の一つであるroundabout
TheTRUCK2018年5月号39
フランス側からジュネーブに
通勤して感じたグーグルマップの威力
 フィンランドの話に移る前に今回のジュネー
ブ訪問で感じた現地の交通事情やカーナビの現
状について感想を述べたいと思います。
 年が明けてからジュネーブ・モーターショー
訪問を決めた我々は、天文学的に高騰したホテ
ルしか選択肢がないジュネーブに宿泊すること
ができなかったため、国境超えたフランス側の
ホテルを取らざるを得ませんでした。ありがた
いことに桃田氏がレンタカーを運転してくださ
るというので、毎日ホテルから会場までをレン
タカーで通勤することとなったのですが、約
15㎞の距離を移動するのに毎回1時間以上か
かってしまうのです。その理由はジュネーブや
フランス側の旧市街の道が複雑に入り込んでい
るうえに、roundaboutというロータリー方
式の交差点となっていることで、慢性的に渋滞
が発生するからです。更に渋滞を悪化させるの
がスイス・フランス国境でして、高速や国道の
ような道路を走っていても国境のゲートを通過
する際には大幅に速度を下げて通過しなければ
ならず、そのことで大渋滞が発生していました。

運輸・交通省
TheTRUCK2018年5月号40
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
 初日は有料で申し込んだ純正ナビを積極的に
活用していた我々でしたが、使っているうち
に、プローブ情報も道路情報も取得しないナビ
であるため推定到着時刻が実際の到着時刻と全
く異なることが分かってきました。そこで、出
張の後半ではグーグルマップのナビを活用する
ことにしたところ、推定到着時間がかなり正確
になりました。加えて、大渋滞の原因となる国
境のゲートを避けるべく、グーグルマップの
ルート案内では国境ゲートが全くない生活道路
のルートを提示されました。実際に案内された
ルート通りに移動してみると、純正ナビを使っ
ていた時と比較して10分以上も移動時間が短
縮され、改めてグーグルマップの威力に脱帽す
る経験をしました。
 日本で運転していると、純正ナビの性能の方
が高いことからグーグルマップで移動している
ドライバーは少ないかもしれませんが、海外で
こういう体験をすると、グーグルマップがナビ
のデファクトとなる日がどんどん近づいている
と感じざるを得ませんでした。
政治・行政主導で交通規制改革を進める
フィンランド
 フィンランドにはトヨタ・ファイナンスとデ
ンソーが出資したMaaSGlobal社(マース・
グローバル社)があり、公共交通機関・タク
シー・カーシェアリングなどの複数の交通手段
を組み合わせることで自家用車を持たずに移動
することができる“マルチモーダル・サービス”
を提供しています。同社がこのようなサービス
を提供することになった背景に、自家用車を持
たずに移動できる街づくりを進めているヘルシ
ンキ市のイニシアティブがあったと聞いていた
ことから、より詳しい背景を知るためにフィン
ランドを訪問することにしました。
 ところが実
際に現地を
訪問してみる
と、ヘルシン
キ市は自家用
車を持たずに
移動できる街
づくりは進め
ておらず、MaaSやマルチモーダル・サービ
スの旗振り役はヘルシンキ市ではなく、交通規
制を担う運輸・通信省であることが判明しまし
た。同省では2010年ごろから縦割りであっ
た自動車、航空、鉄道、船舶などの運輸各局を
統合し、2016年には通信当局とも統合したと
いいます。そして、これまでの交通サービスご
との規制体系を抜本的に見直し、ユーザー主権
での交通規制へと規制改革を推進しています。
今年から施行された交通サービス法では、交通
に関するあらゆる情報のオープン化とAPI化
(ソフトウェアに容易に取り込めるデータにす
ること)を今年1月より交通事業者に義務付け
ており、今年7月からはライドシェアが全面
解禁されてタクシーと同等の同じ扱いとなるそ
うです。
 担当者に伺うと、ライドシェアの解禁はタク
シー業界による相当な抵抗がある中で進められ
たようです。規制改革の提案に対してタクシー
業界は猛反発し、ヘルシンキ市の中心部で「タ
クシー業の葬儀」と称するデモが行われたとの
ことですが、女性の運輸・通信大臣がリスクを
とって政府主導で規制改革を推進し、交通サー
ビス法が制定されたとのことでした。

港が凍っているヘルシンキ市内観光案内所に描かれたムーミンの絵
市内を走るフィンランドらしいデザインのバスとトラム
ユーザー主権へと改革されたフィンランドの交通政策
TheTRUCK2018年5月号41

交通情報のオープン化・API化を積極的に進める交通安全庁
TheTRUCK2018年5月号42
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
 日本政府における国土交通省の運輸部門と、
総務省の通信部門が統合したような組織である
運輸・通信省ですが、規制当局である同省がこ
れほどまでの抜本的改革に踏み切った背景には
3つの理由があるようです。
 1つ目は自動運転やライドシェアなどに代表さ
れる自動車・モビリティ分野において世界全体で
イノベーションの動きが顕著になる中で、フィン
ランド政府としてもその流れに対応する必要があ
るからとのことでした。2つ目は低賃金・低収益
性・補助金依存体質などの構造的な課題を抱えて
いるバス、タクシー、トラック輸送の業界に対し
て若者が魅力を感じなくなりつつあり、社会に必
要となるこれらの業界を維持するためには、若者
にとって魅力のあるビジネスモデルを創出しやす
い環境へと構造改革していく必要があるからとの
ことでした。そして、明言はされなかったものの、
3つ目の理由としてはフィンランドを代表する世
界的企業である携帯電話会社のノキアの衰退があ
るようでした。ノキアに代わる新興企業を運輸×
通信の組み合わせで生み出したいという強い思い
を感じ取りました。
 世界を代表する企業となったノキアは、携帯
電話の通信規格であるGSMで世界を席巻し、
1台の携帯電話で異なる通信キャリアの電波に
対応できる“ローミング”によって成功を収め
ました。そこで、運輸・通信省ではその経験
を交通サービスに適用できないかとの発想で
“ローミング型”のマルチモーダル・サービスを
普及させようとしています。具体的には、サー
ビス事業者から提供される情報のフォーマット
が多少異なっていたとしてもその違いを吸収す
ることで、どの事業者であってもマルチモーダ
ル・サービスを提供できるようにしていくこと
を目指しているようです。
 また、運輸・通信省に所属する交通安全庁で
は、運転免許のアプリ化、車両の登録情報の
オープン化とAPI化、全国のバス停のオープ
ン化、交通情報のAPI化などを実施していま
す。運転免許のアプリ化はお隣のエストニアに
続く世界第2位の速さだそうです。これらの
オープトアップに対する融資や補助なども行っ
ているとのことです。帰国後にフィンランド事
情に詳しい日本企業の方に伺ったところ、実は
BusinessFinlandの入居している建物はかつ
てノキアのオフィスビルだったそうで、ノキア
が経営的に厳しくなり建物を手放さなくなった
際にフィンランド政府がその建物を買い取ると
ともに、ノキアに勤務していた優秀な従業員の
多くをBusinessFinlandで受け入れたとのこ
とでした。ン化によってフィンランドでは車両
のナンバープレートが分かれば、①車種、②所
有者、③加盟している保険会社などが分かる仕
組みになったそうで、事故の際の手続きなどが
大幅に効率化したとのことです。
 今回の運輸・通信省との面談を含めて、フィ
ンランドでのアポイントの大半をアレンジく
ださったのがフィンランド版のJETRO(日本
貿易振興機構)のような組織であるBusiness

完全にペーパーレス・キャシュレスで乗船できるエストニアのフェリー
Finlandです。BusinessFinlandは民間出身
者によって構成されている組織で、フィンラ
ンド企業と海外企業の橋渡し役やフィンラン
ド国内の官民の橋渡し役を担っており、同時
にスタートアップに対する融資や補助なども
行っているとのことです。帰国後にフィンラ
ンド事情に詳しい日本企業の方に伺ったとこ
ろ、実はBusinessFinlandの入居している
建物はかつてノキアのオフィスビルだったそ
うで、ノキアが経営的に厳しくなり建物を手
放さなくなった際にフィンランド政府がその
建物を買い取るとともに、ノキアに勤務して
いた優秀な従業員の多くをBusinessFinland
で受け入れたとのことでした。
 国の雇用を支え、外貨を稼いできた大企業や
産業が窮地に陥った際、次の新しいビジネスや
産業を創出すべく優秀な人材を再雇用し、政治
行政が主導して痛みの伴う規制改革を断行して
きたのがフィンランド政府です。一方、電機産
業や通信産業が窮地に陥った際に、その企業を
延命することは行っても、次の新しいビジネス
や産業を生み出すためにチャンスを作り出すよ
うなことはほとんどやってこなかったのが日本
政府です。それぞれの役割をわきまえながら、
しかるべきリスクを取って官民それぞれが挑戦
しているフィンランドから日本が学ぶべきこと
は数多くあるのではないかと感じた出張でした。
週末に訪れたエストニア行きの
フェリーで感じたIT先進国の風
 BusinessFinlandの方のお勧めで週末は
フィンランド・ヘルシンキを離れてエストニア
の首都であるタリンに行くことにしました。バ
ルト三国の1つであるエストニアと聞くとロシ
アに近いイメージは持っていましたが、北欧に
も近いとは全く思いもしませんでした。実際は
フェリーでたった2時間の距離にあり、その
地理的な関係からヘルシンキにはかなり多くの
エストニア人が出稼ぎ労働者として働きに来て
いるとのことでした。
 ヘルシンキとタリンを結んで
いるフェリーはTallinkという
エストニアのフェリー会社が運
航しているのですが、IT先進国
であるエストニアらしく、完全
にペーパーレス、キャッシュレ
スの乗船体験をすることができ
ました。フェリーの予約は全て
インターネットで行うことができ、予約後に送
られてくるQRコードをかざすことでフェリー
ターミナルから乗船する仕組みとなっていま
す。更に、フェリー内は無料Wifiが完備され

凍った海を砕氷しながら進むフェリー
TheTRUCK2018年5月号44
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑦
ており、チケットに記載されたIDを入れるこ
とで自由に使うことができます。また、船内の
スーパーには電子決済の端末が用意され、すべ
ての商品をキャッシュレスで購入できるという
徹底ぶりです。
 この時期のヘルシンキの周辺の海は氷で覆
われているのですが、フェリーがゴリゴリと
音を立てて砕氷しながら海を進む姿はバルト
海ならではの光景でして、寒い3月にヘルシ
ンキを訪れて良かったと思った貴重な体験と
なりました。
ジュネーブ・ヘルシンキ出張を通して
感じた周回遅れの日本
 今回のジュネーブ・ヘルシンキ出張を通し
て、自動車及びモビリティを取り巻く大変革の
要素といわれているCASE(IT化、自動運転、
シェアリング、電動化)の全てにおいて日本が
周回遅れの状態に陥っているのではないかとい
う焦りを感じました。
 電気自動車の世界では、テスラvs日産vs
中国メーカーという構図がしばらく続いていま
したが、ジュネーブ・モーターショーで発表さ
れた欧州メーカーの高級電気自動車投入によっ
て、高級車=電気自動車という相場観が作られ
ようとしており、同じカテゴリーの対抗車種を
持たない日本メーカーは存在感が薄まっていく
のではないかと思いました。また、中国やアメ
リカではテスラに対抗する新興の電気自動車ベ
ンチャーが次々と登場し始めていますが、残念
ながらそういう企業も日本からは登場していま
せん。10年前にはリチウムイオン電池を自動
車用に展開できたのは日本メーカーだけでした
ので電気自動車が日系企業の専売特許のように
なっていましたが、韓国や中国の電池メーカー
が次々と自動車用リチウムイオン電池を大量生
産するようになり、それを全世界に供給するよ
うになったことで、もはや専売特許は失われつ
つあるといえます。
 また、自動運転の世界では、ウーバーやテス
ラの死亡事故の影響により、圧倒的な技術力と
蓄積データを保有するグーグルのWaymoの
存在感が増していますが、ジュネーブ・モーター
ショーで展示されていた様々な無人走行車の提
案を見ると、アメリカだけではなくヨーロッパ
でも自動運転に関するデザイン・ユーザー体
験・車両開発などが進んでいることを体感でき
ました。
 そして、ライドシェア、カーシェアリング、
マルチモーダル・サービスなどのモビリティ
サービスの世界では、規制当局が自ら規制改革
を主導することで次のビジネス、次の産業を生
み出そうとするフィンランド政府の“本気度”

TheTRUCK2018年5月号45
に圧倒されました。帰国後にモ
ビリティサービスの世界動向を
調べてみると、実は2010年〜
2015年頃に世界中のあらゆる
地域でモビリティサービス企業
が数多く誕生していたことが分
かりました。その多くは、スマ
ホ×タクシー(タクシー配車)
スマホ×バイク(東南アジアのグ
ラブなど)、スマホ×自家用車(ライドシェア)、
スマホ×レンタカー(カーシェアリング)、ス
マホ×バス(オンデマンドバス)、スマホ×駐車
場(スマートパーキング)など、既存の交通関連
サービスにスマートフォンを連携させること
で、①簡単に予約ができる、②事前に決済がで
きる、③ドライバーや配達員に騙されないと
いったこれまでのサービスにはなかったメリッ
トを提供しています。そして、スマホ型エコノ
ミーとも呼ぶべきこれらの新しいモビリティ
サービスは、バス、タクシー、運送業界といっ
た古い業界をじわじわと撤退に追い込み、新し
い世代への世代交代・新陳代謝を急速に進めて
います。
 今年の3月28日には様々なモビリティサー
ビスを傘下に収めてきたダイムラーとBMW
が手を組み、両社でモビリティサービスの合弁
会社を設立してすべてのモビリティサービス事
業を統合していくと発表しました。その背景に
は、大きな市場支配力を持っているアメリカの
ウーバーや中国の滴滴出行(DiDi)への対抗意
識があると推測しています。
 こういうダイナミックな動きがある世界に対
し、ライドシェアは認められておらず、カーシェ
アリングにおける乗り捨てサービスは事実上提
供できず、マルチモーダル・サービスは未だに
登場していないというのが日本の現状です。世
界のモビリティサービスは成熟期に入っていま
すが、日本は未だに黎明期という非常に立ち遅
れた状況にあるといえます。
 現在は、米国市場など海外の自動車販売が好
調であることから好調である自動車産業です
が、急拡大するモビリティサービスの影響が顕
著になり、自動運転や電気自動車などの技術革
新が社会全体に浸透するようになっていくと安
泰であり続けることは難しくなっていくと思わ
れます。周回遅れの差が開きつつある中で、ど
んどん巻き返しの余裕がなくなりつつあります
が、危機感が共有されているのであれば一刻も
早く巻き返しに向けたアクションが求められる
のではないでしょうか。
著者紹介:
伊藤慎介
−株式会社rimOnO
      代表取締役社長
(兼)有限責任あずさ監査法人総合研究所顧問
(兼)ミズショー株式会社顧問
(兼)亜細亜大学都市創造学部都市創造学科講師
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の
国家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9
月、有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根
津孝太氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
モビリティサービス事業の統合を発表したダイムラーとBMW
ダイムあラーグループ BMW グループ
ルチダルサー moovel ReachNow
Car2Go DriveNow
ライドシェア・配
mytaxi
ChauffeurPrivé
CleverTaxi
スマーーキング
ParkNow
Parkmobile
スマーージング
ChargeNow
DigitalChargingSolutions

世界のトラック研究
「Fujin&Raijin」を映し出す演出に浮
かび上がる2017年にUDTが発表し
た次世代車のコンセプト車。東京・六
本木のスウエーデン大使館構内で
[Fujin&Raijin(風神雷神)
ビジョン2030]
 記者発表に際し、始めに代表取締役会長のヨアキ
ム・ローゼンバーグ氏が今回明らかにした次世代技術
ロードマップ[Fujin&Raijin(風神雷神)――ビジョ
ン2030]の理念について次のように説明した。
 「UDTは創業者の安達堅造が1935年に示した
〝時世が求める商品・サービスを提供する〟という
理念を一貫して守っている。深刻化する社会や物流
業界の課題解決に貢献することは正に当社の理念に
沿ったものです。として、「次世代技術の要である自
動化と電動化分野に重点をおいた開発を進めます。
その行程は、既に本2018年1月に国内の公道で実
施された自動隊列走行の実証実験に他社と共に参加
して成功を収めていますが、20年には自動化車両の
特定用途での実用化を目指します。更に30年に向
けて完全自動運転及び大型フル電動トラックの量産化
を実現します。とロードマップを示した。
「UDTの次世代技術開発計画における取り組みは、
モノを動かす象徴の神<風神>と電気エネルギーの
力を象徴する<雷神>に電動化の取り組みを重ねて
[Fujin&Raijin(風神雷神)――ビジョン2030]
としたもので、自動化と電動化を軸にコネクティビティ
(つながるトラック)とデジタル化の進化を通じて、輸
送をよりスマートにします。と取り組み姿勢を示した。
 UDトラックス(本社:埼玉県上
尾市代表取締役・村上吉弘氏。
以下、UDT)は2030年に向け、
大型トラックで完全自動運転車及
び電動車の量産化を視野に開発を
進める。行程を示して4月23日
に発表した。
UDトラックス、
2030年に向け
自動運転・大型電動トラック
量産化
西襄二
TheTRUCK2018年5月号46

風神 FujinistheGodofWind,theinvisiblepowerthatcan
movesolidobject.(風神は風の神、目に見えない力で形あるモノ
を動かす)
雷神 RaijinistheGodofThunder,thepowertoenergize.
(雷神は雷の神、エネルギーの源)・・プレゼン画面は英語だけ・・
CASTはCommonArchitectureandSharedTechnology(共
通の設計思想と互いに共有する技術)、と説明するヨアキム・ロー
ゼンバーグ氏
これからのトラックが直面する社会問題とUDTの取り組み
ボルボグループの一員
グループ力とUDTの役割
 次いで、2016年よりUDTの開発部門統括責任
者を務めるダグラス・ナカノ氏が、次世代技術の中核
とする自動運転と電動化、並びに双方に共通するデ
ジタル化などについて、掘り下げた説明を行った。
「自動運転は生産性、安全性、燃費効率などにお
いて物流企業と社会全般に直接的な貢献と変化をも
たらします。として、UDTが工場構内や港湾などの
閉鎖的区域での安全な低速運転技術を開発し、隊列
走行の公道での実証実験にも加わっており、1月時
点での国内実験では他社との共同による3台編成で成
功していること、UDTは4台編成を想定して開発を
進めていることなどを表明した。
 ボルボグループ内でのシナジー効果が開発速度を
速め応用分野を広大できる利点にも触れ、ボルボ車
が鉱山坑内路で無人自動運転を既に行っていることを
事例として挙げた。
TheTRUCK2018年5月号47

世界のトラック業界研究世界のトラック研究
隊列走行のイメージ。18年1月の国内4社外による共同実験では3台の隊列で行われた。UDTの今
回の説明では4台編成を想定し2〜4台目は無人運転させたいとしている
記者発表の前に行われたシンポジウムのテーマであった〝THE
FUTUREOFTRANSPORT次世代革新技術でSociety5.0〟
(産学官を横断した取り組みで社会構造を変えなければ・・との問
題提起)がUDTの技術開発の根底にあることから説明に入ったダ
グラス・ナカノ氏
課題解決のアプローチは様々ある。グループを挙げて取り組むと洩
れなく解析が進められる
「電動化はUDTが環境負荷軽減への絶え間ない
努力の一環として取り組んでいるもう一つのテーマで
す。大型トラックとしての電動化は、バッテリー方式、
エンジンも併用するシリーズ或いはパラレレル・ハイブ
リッド方式なども全方位で視野に入れて開発に取り組
んでいます。実は、ボルボのバス分野で様々な給電
方式を採用した実用車を既に公共交通機関に収めて、
22か国で約2000台が実用に供されていますから、
グループとしてのシナジー効果で稼働環境に合った方
式を提案できることも強みです。として、条件が整え
ば路面に設置した充電インフラから走行中に給電を受
けつつ走行距離を伸ばす方式も考えているという。
 バッテリーによるEVが実用化できると、夜間の配
送に投入することも抵抗が少ない筈であり、これが自
動運転と結びつけば物流の世界の可能性がまた広が
るとの構想にも触れた。
「コネクティビティとデジタル化は現在から将来に向
けての基盤技術ですが、〝UDTインフォメーションサー
ビス〟を通じて日本国内で販売する約4万5千台のト
TheTRUCK2018年5月号48

2030年に向けた行程を明らかにしてボルボグループとしてのUDT
の覚悟が表明された
ヨアキム・ローゼンバーグ氏(左)
はボルボ・グループでエグゼクティ
ブ・バイスプレレジデントを兼務す
る。スウエーデンのヨーテボリ繻
子率大学で金融経済学を経営管
理額を学び修士学位を取得。ダ
グラス・ナカノ氏はブラジル・ク
リティバのパナラ連邦大学で機
械工学を修め、ブラジルのISAE
/FDVでMBAを取得した日系
人。ボルボ・グループ内で大型
エンジン(HD13)及び中型エン
ジンの開発責任者を務めHD13
開発時にその功績によりボルボ・
テクノロジー・アワードを受賞
ラックから収集したデータの解析を行って適切に活用
することを通じて車両稼働率向上、即ちアップタイム
の極大化にも貢献しています。信頼性の高いトラック
の設計・開発にもつながっています。
プレゼンは全て英語で
進むボルボ化、どこまで
 本年は日本とスウエーデンが国交を樹立してから
150年目の節目に当たる。ここに紹介した記者発
表は、東京六本木にあるスウエーデン大使館の〝ア
ルフレッド・ノーベル講堂〟を会場として行われた。
当日、別の会場で開催された〝THEFUTUREOF
TRANSPORT次世代革新技術でSociety5.0〟
題するシンポジウムと連動したものであった。この一
連の事柄はUDTが自社のアイデンティティを堅持し
つつもボルボ、もっといえばスウエーデン企業の中に
深く組み込まれた姿を見た、と筆者の目には映った。
 UDTは、自らの固有技術とボルボの固有技術が
夫々にあり、2007年以降はボルボグループの一員と
しての現在の企業形態に入って企業の文化も技術も
互いの良いところが渾然一体となって新たな企業風土
が醸成されるものだとすると、個々の従業員には葛藤
があった、或いは今も有るかも知れないが激動する世
界、自動車業界の中にあって自らの道を着実に進んで
いるとも感じられた。
 今後の動向を注視したいと思う。(この稿おわり)
TheTRUCK2018年5月号49

TheTRUCK2018年5月号50
タジマEV設立発表で挨拶する田嶋伸博社長
 田嶋伸博氏は、タジマモーターコーポレーショ
ンの会長兼社長で、一般社団法人電気自動車普
及協会(APEV)の代表理事でもある。2013年
からは電気自動車の先行開発事業を手掛けてきた
SIM-Driveの社長にも就任している。
 また、田嶋氏はモータースポーツの世界では
還暦を過ぎても第一線で活躍する世界を代表する
レーサーでもある。アジアパシフィックラリーやパ
イクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パ
イクスピーク)をはじめ多くのレースで活躍、2012
年のパイクスピークからは電気自動車で参戦、ベ
ネッセホールディンクス名誉顧問の福武總一郎氏
と共にEVの普及に積極的な活動を展開している。
 新会社『タジマEV』の事業は主に、ハイパー
EVプロジェクト、超小型モビリティプロジェクト、
静岡県自動運転プロジェクトの3つのプロジェク
からなる。この内、ハイパーEVプロジェクトと
超小型モビリティプロジェクトは、電気自動車のエ
キスパートや先進企業の技術と力を集結し、日本
のEV技術を主張するハイパーEVを開発すると
同時に、超小型モビリティ等マイクロEVでも社
会問題をクリアし、EV社会の可能性を追求する
タジマモーターコーポレーション
モンスター田嶋が
『タジマEV』を設立
自動車メーカーが手掛けない「ピンキリ」分野を狙う

TheTRUCK2018年5月号51
タジマEVに協力する面々。真ん中がベネッセホールディンクス名誉顧
問の福武總一郎氏
1000ps級のハイパーEV
航続距離100㎞/hほどの超小型モビリティ
MobilityLifeDesign事業を目指すという。また『タ
ジマEV』は量産型の一般EVは大手の自動車メー
カーに任せ、同社は世界に誇れる最高性能の「ピ
ン」と、便利で身近な「キリ」のEVでナンバー1
を目指す。
 これらの事業にはパートナーという形で外部協
力を得ることになるが、「ハイパーEVプロジェクト」
は、KENOKUYAMADESIGNが車両デザインを担
当する。また、車両の運動制御には東京大学の堀
藤本研究室、搭載するバッテリーは、リチウムイオ
ン電池の先駆者でもある小澤和典氏のオザワエナッ
クスがこれに協力する。そのバッテリーにはモンス
ターバッテリーと命名されている。更に、ラストワ
ンマイル問題などにチャレンジする「超小型モビリティ
プロジェクト」ではオザワエナックスに加えて、既に
AGV(無人搬送車)で実績のあるダイヘンの非接触
充電システムも採用する。車両販売などにはヤマダ
電機や石油元売りネッワーク、更にIOTコネクテッ
ドでは通信事業会社との連携も図る。
 一方の「静岡県自動運転プロジェクト」は、静
岡県交通基盤部と一緒に「ラグビーワールドカップ
2019」が開催される静岡県袋井市・磐田市のエ
コパスタジアム周辺で自動運転の導入を目指すこ
とにしている。

新たに開発した特殊専用スプリング
TheTRUCK2018年5月号52
出荷と搬入が生産台数にも影響することから、荷役
時間の短縮が大きな課題となった。
 この当時、ダイハツとトヨタ自動車の部品輸送を
担っていた名古屋東部陸運㈱では、労災と荷役問題
の観点からトラックのあり方を研究していたが、幌車
の側部をスプリングを活用することで全開放する『ワ
 昭和40年代、トラックの車体はフラットデッキの
両側部と後部に“アオリ”を取り付けた平ボデーが大
半を占めていた。荷役作業も手積みが殆どで、積載
物を保護するためにシートを被せていた。そのシート
も雨で濡れると重さが100㎏近くにもなり、運転者
のシート掛けは重労働で、不安定な高所作業のため
に労働災害も頻繁に発生していた。
 このシート掛け作業を解消したのが、アオリに幌
骨を取り付け、その上にシートを被せた“幌車”で
ある。この幌車は積載物の保護、シート掛け問題の
解消という意味では一定の効果を発揮した。しかし、
荷台を密閉にすることで、逆に積載物の積み下ろし
は不便を来たすことになった。
 昭和40年代後半になると、日本経済も大きく進
展して物づくりが盛んになると同時に物流の効率化も
大きな課題になった。とくに、自動車や農機具のよう
に部品を組み立てて大量生産する工場では、部品の
手動開閉式パネルウイングボデー
『アシストウイング』を発売
新製品情報
㈱メイダイ

外観寸法
TheTRUCK2018年5月号53
ンタッチ幌』を考案、㈱メイダイから発売した。当時
はトヨタ自動車のカンバン方式に代表される通り、企
業は徹底した物流効率化を進めており、一貫パレチ
ゼーションは国の施策としても推進されることになる。
 ㈱メイダイが販売するワンタッチ幌は、この時代の
要請にもマッチして側面開放車のヒット商品となって
全国に普及した。
 しかし、一方で躍進してきたのが軽量のアルミ材
を使用した油圧駆動のウイングボデーである。当
初、ウイングボデーは高価なアルミを使用しているこ
とや開閉に油圧機構を使用していることから、シート
とスプリンクを使用するシンプルなワンタッチ幌に大
きな価格差があったが、ウイングボデー
が大手車体メーカーが量産化すること
でアルミウイングがコストダウン、価格
面での格差が徐々に縮まることになる。
 そこで㈱メイダイがこのほど開発した
のが、スプリング力の活用はそのまま
に、車体をフラットなサンドイッチパネ
ルにした『アシストウイング』である。
 開閉は新たに開発した特殊専用スプ
リングで楽々。高頻度開閉による故障も油漏れの心
配がなく、万一の事故時でも積載物の取り出しが可
能と、従来の特徴はそのまま受け継いでいる。
 またウイング部をスタイリッシュなサンドイッチパネ
ルにしたことで見栄えのする車体デザインが実現で
きるのも新たな特徴となっている。
 この『アシストウイング』は、操作が簡単なため女
性や高齢者でも簡単に操作できるほか、荷台容積も
充分確保しているので、輸送効率向上も実現、環境
にも優しいウイングボデーとなっている。この大型車
に続いて中型、小型車もシリーズ化することにして
いる。

幌は前後に開閉
開閉はワイヤー方式で作動。中央の青部は電動モーター
TheTRUCK2018年5月号54
 同社が取り付けた幌装置はイタリアのクラマロ社
が製作する電動式の前後開閉方式で、車両高所での
幌掛け作業がなく地上で操作が可能である。
 クラマロ社が製作する幌装置は欧州で最も人気の
ある幌装置で、多くのダンプトラックやダンプト
 小平産業株式会社(小山市 栃木県)は海外で取り
付けが普及しているクラマロ製自動幌開閉装置(商
品名:カバーリーダー)をこのたび同社が製造する
大川運輸株式会社(鹿嶋市 茨城県)向けダンプト
レーラに装着して納車した。
危険な高所作業、重労働の幌
クラマロ幌開閉装置を
自動幌開閉装置・・・小平産業

開閉時、後部はスプリングで上下に作動開放時の幌は前方に収納
TheTRUCK2018年5月号55
レーラ、チップ輸送車などのオープントップ車両に
装着され、たくさんの海外メーカーが標準仕様とし
て採用している。
 小平産業㈱が装着したクラマロ幌装置はボデー部
掛け作業を解放する欧州の名品
国内ではじめて取り付け 
へのレール取り付けや、摺動ローラーの使用がない
ので、ボデー変形による開閉不良や、荷物の噛み込
みによるローラー部の固着や寒冷下での凍結がな
い。開閉方式は単純なワイヤー駆動で操作されるの
で故障も少ない構造になっている。 対候性に優れ

クラマロ製幌装置はたくさんの欧州メーカーで標準装備として採用されている。写真はベナルー製オールアルミ
レーラに装着されたクラマロ幌装置
幌の開閉操作は地上からリモコンで実施
土砂、小石を後方に飛散して走行するダン
プ車
TheTRUCK2018年5月号56
た幌布は何層にも編み込んだポリエステル繊維に
PVCコーティングが施されている。高温なアスファ
ルト輸送などの車両には、+180℃の耐熱性を有
するポリウレタン幌布もオプションとして用意され
ている。
 国内のダンプ車両ではボデー側面の上部に短いフ
ラップが取り付けられるだけなので、積載された小
石や砂は後方に飛散し、後続車のフロントガラスや
ボデーを損傷したり安全運転を妨げたりしている。
 一方、海外で
は走行中に上部
が開放したダン
プ車両やオープ
ントップ車両の
荷台からの飛散
防止に、それら
の車両には積荷
を幌で覆うこと
が義務づけられ、ボデーを覆う種々の幌装置が製造
され取り付けられている。
 高さ3.8mを超える車両天井部での重い幌掛け
作業では、作業員が高所から転落して大怪我をした
り、重傷を負って死亡したりする事故も発生してい
る。特に冬季には寒冷下での厳しい幌掛け作業が強
いられている。
 運転手不足が
社会問題化し、
その解消として
高齢ドライバー
や女性ドライ
バーの採用が増えているが、体力や筋力の劣るドラ
イバーからは高所での安全作業や容易な開閉操作が
可能になる自動幌開閉装置の取り付けが求められて
いる。
 先進的なクラマロ社の幌装置をはじめて国内で装
着した小平産業㈱、使用を開始した大川運輸㈱の車
両が、運転手の危険な高所作業や重労働の幌掛け作
業を解放する。
クラマロ幌装置の問い合わせは:
ゲンケートジャパンコンサルティング(井上)
Tel.090ー3468ー6146
Mail:gen-i@hkg.odn.ne.jp
自動幌開閉装置・・・小平産業

TheTRUCK2018年5月号70
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 日本経団連は「新たな高付加価値
産業の創出に向けた環境整備」につ
いて提言。7つの有望産業の1つに
「次世代物流システム」を挙げ、政
府に対して担い手である中小物流企
業に対するIoT環境整備に向けた公
的支援の拡充、ソリューション対応
能力を持つ大手との連携のスキーム
を求めた。
 日本経団連は「新たな高付加価値
産業の創出に向けた環境整備」につ
いて提言。7つの有望産業の1つに
「次世代物流システム」を挙げ、政
府に対して担い手である中小物流企
業に対するIoT環境整備に向けた公
的支援の拡充、ソリューション対応能
力を持つ大手との連携のスキームを
求めた。
 提言は、政府が掲げるGDP600
兆円を実現するには、設備や人材
への投資を通じた生産性の向上に加
え、新たな高付加価値産業の創出が
不可欠との観点からまとめた。
 高付加価値の創出が有望な産業と
して、自動運転、革新的素材、次
世代蓄電池、ロボット、フィンテッ
ク、革新的新薬および次世代物流
システムの7つを挙げ、それぞれが
成長を加速するために必要な施策を
示した。
 わが国の物流サービスは、顧客の
要求を理解し、細かいプロセスにまで
目配りしながら現場に品質管理を落と
し込むことができる点に強みがあり、
産業の国際競争力強化に欠かすこと
ができない重要な役割を担っていると
見解。
 しかし、サプライチェーンを支える
物流プロセスは、企業ごと、産業ご
とに多種多様であり、企業・産業横
断的な協業体制の構築には時間がか
かると指摘。そこで、まず地
域完結型あるいは産業セグメン
ト協働型の基盤整備を行い、
その上で物流システム全体を
デジタル的につなぎ合わせるた
めの実証実験に取り組む必要
があるとした。
 具体的には、Naccsの輸出入
申告データには商品明細の情報(品
名・数量・重量・コンテナ本数・荷
姿など)が含まれており、データを協
調領域として産業界全体で共有する
ことが戦略的な物流設備投資や効率
的なオペレーションを構築する上で
重要とした。
 一方、物流サービスの担い手の大
半は中小企業であり、IoTなど革新
的技術の活用に向けた経営資源には
限りがあるため、IoT設備投資支援
の拡充や大手との連携が求められると
した。
 こうした取り組みを通じ、物流シス
テム全体の最適化モデルを構築し、
アジア諸国へ積極的に展開すること
により、欧米のメガキャリアや中国系
物流企業に打ち勝つことができると結
んでいる。
 名鉄運輸(内田亙社長)は、2018
年度を初年度とする3カ年のグルー
プ中期経営計画を策定した。経営
力・人材力・ネットワーク力を3つの
柱に、最終年度(20年度)の売上高
1180億円(17年度見通し1120
億円)、営業利益54億円(同44億
円)、営業利益率4.6%(同4%)
目指す。
 新中期経営計画の基本方針は「安
心と信頼のこぐま品質を提供する人材
力・輸送サービス基盤を強化し、成
長の礎にする」
 こぐま品質を提供する人材スキル
向上を図り、大型免許補助制度利用
の免許取得者を30人に(17年度
20人)、物流技術管理士資格者を
15年度比倍増(同140%)を目指
す。最新の安全装置(ドライバーモ
ニター、衝突軽減ブレーキ、車線逸
脱警報、巻き込み防止警報など)
装備された車両を毎年500台導入
する。
 老朽化施設や遊休施設を中心にリ
ニューアル投資を進め、強い地域拠
点を整備する。輸送ネットワーク最適
化のため、スワップボディ車の導入、
長距離輸送のモーダルシフトや乗継便
を促進。
 日本通運との提携は既に東日本
で進んでいるが、今後も共同施設
利用やシステム統合などを通じて効
果の深化を図るとともに、協力会社
を含む外部との提携を積極的に検
討する。
提携を積極的に検討
新中計
大型免許取得30人に
名鉄運輸

TheTRUCK2018年5月号71
提供:運輸新聞
浦川竜哉常務
DPL市川
トラー
 環境優良車普及機構(LEVO)は、
小型CNGトラック用エンジンの技術
開発を2016年度から3カ年で進め
ており、今年度(最終年度)はミラー
サイクル化改造を行い燃費を向上さ
せたCNG車の実証走行を今月から開
始した。
 現行の小型CNGトラックは、排
気量4.6リットルの古い型のディーゼ
ルエンジンを改造したものであり、充
填スタンドの減少もあって登録台数は
1000台を割り、ハイブリッド車や低
燃費ディーゼル車への代替が顕著。
そこで、日本ガス協会委託事業とし
て、16年度からエンジン開発に着手
した。
 ステップ1として、排気量3.0リッ
トルにダウンサイジングし、ターボを
付けて出力を増し、昨年度佐川急便
と新潟運輸が実証走行を行い、燃
費改善の効果が認められた。ただ、
ディーゼル車と比べて発進時のトルク
不足に課題を残した。
 さらにステップ2としてミラーサイ
クル化(吸気冷却を行う過給燃焼サイ
クル。小排気量で高いトルクを発生さ
せる)を行い、4月から約1年かけて
実証走行し、燃費がどの程度良くなっ
たかを確認していく。
 同クラスのディーゼル車と比べ
10%の燃費向上を目標にしている。
小型CNG復権へ
   燃費の実証走行開始
 大和ハウス工業とダイワロジテッ
クは、2016年に稼働を開始した
マルチテナント型物流施設「DPL市
川」2階にAI、IoT、ロボットなどの
最新鋭ショールーム「International
LogisticsCenterPROTO」(ILC)
を完成させ、このほど内覧会を開催
した。4月25日から本稼働する。
 大和ハウス工業は、DPL市川2
階部分(約6855平方メートル)と、
5月にオープンするDPL流山Ⅰを次
世代物流の中心的拠点と位置付け、
物流タウン構想で最新テクノロジーを
提供する流山のための実証を行う研
究開発機能も兼ね備える。
「最新テレビCM『物流にAIを』
コンセプトがこのショールーム。物流
の未来像を変える新しい形をお見せし
たい」と浦川竜哉常務。
 ILCでは本来の物流センター機能
のほか、庫内業務の効率化、省人化
を実現する、グループ会社提供によ
るプラットフォームを多数導入した。
 ショールーム「Panoramaエリア」
は、GROUNDの自動搬送ロボッ「バ
トラー」を30基導入。デジタルピッ
キングを行うステーション(3カ所)
で、バトラーが専用ラッ
(MSU)を持ち上げ
て搬送。作業者はコン
テナからラックを抜き取
り、間口の表示器に示
された必要個数の種ま
きを行う。
 作業終了後には、制
御システム(WCS)側で
高い出荷頻度の商品を
リアルタイムに解析、
移動しやすい前列に自
動保管する。作業者動
線が大きく削減(40%)
される。
「通常の物流センター
は荷主単位やブランド
単位でトータルピックするが、バトラー
は同じ形状の商品群をまとめて搬送で
きるため、シェアリングに最適」と語
るのはGROUNDの宮田啓友社長。
ILCは、坪単位の賃貸契約ではなく、
複数の荷主企業による従量課金制を
導入した。
 ダイワロジテックの秋葉淳一社長
「世界初のオープン型シェアリング
サービスを目指す。激変する物流業
界は、外資系の参入があるかも知れ
ない。我われだけでできないことは、
DPL市川に次世代
燃料価格下落も人材不足で
大和ハウス
工業
LEVO
ミラーサ
イクル化

TheTRUCK2018年5月号72
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
ステーションでの種まき
ライティングやカメラ設定が標準化された商品撮影
国内のパートナー企業と協業し、構
築したサービスを物流業界に提供し
て、メイドインジャパンの物流品質を
仕上げたい」と述べた。
 ILCの荷主となる
エアークローゼット、
waja、TokyoOtaku
Modeのベンチャー企
業の社長も内覧会に参
加。エアークローゼッ
トは普段着に特化した
ファッションレンタル
サービスを提供、「一番
大切なのはお客様にお
届けする物流。ILC構
想に共感した」と天沼聡
CEO。ファッション通販
サイトを手掛けるwaja
の村田高宗CEOは「我
われのような規模では
自前でバトラー2台も導入できな
い。大和ハウスの熱狂的ファンとなっ
た」アニメ関連グッズの越境Eコマー
スのTokyoOtakuModeの小高
奈皇光CEOは「物流の世界にも確
実にシェアリングは訪れる」と期待を
寄せた。
 Hocobuが提供するクラウド型配
車・運行管理システム「ムーボ」
バース予約にも対応。納品事業者側
から希望納品時間枠、納品トラックな
どをオンラインで運送会社が登録。
物流拠点ではバース自動割当機能に
よる入荷スケジュール作成を行い、
確定した予約時間をドライバーの携帯
にSNSで通知する。入庫したトラッ
クのナンバーはソニー製カメラで撮
影、クラウド上でA識別を行う。
「Sasageエリア」ではアパレルの
商品撮影、採寸の様子、原稿作成の
様子も視察可能。返品を再販にする
業務では30%程度の人員削減効果
を見込む。
 官邸に置かれた貿易手続きに関す
る官民協議会は最終報告をまとめ、
輸出貨物のCY(コンテナヤード)カッ
トタイムを削減するのに取り得る3
つの方策を提示した。3案のいずれ
かを提供できる船社と荷主とが互い
に契約することで、競争強化の促進
につながるとしている。
 官民協議会は、CYカットタイム
見直しと港湾の渋滞緩和対策を検討
してきた(渋滞対策の結果は本紙3
月30日付既報)
 CYカットタイムは、北米・EU向
け輸出貨物について本船入港(船積
み)3日前までにマニュフェスト情
報の提出および貨物の搬入を済ませ
るという船社によるルール。
 米国同時多発テロをきっかけに、
米国などが貿易相手国に対して船積
み24時間前までにマニュフェスト
情報の提出を義務付けたことから、
従来船積み1日前に設定されてい
たCYカットタイムが2日間も前倒
しされた。北米・EU当局へ情報を
送信し、何らかの理由で「DoNot
Load」の回答がなされた場合の補
正時間を考慮したものだが、これが
CYでの貨物滞留を招き、著しく物
流効率を低下しているとの指摘がな
されている。
 今回、海外の多くの国で採用して
いる方式を参考に、3つの方策を提
示した(表参照)
 方策①と②は、情報と貨物を分離
し、①と③は正確なマニュフェスト
情報を提出できると船社が判断した
荷主に限っている。
 ①②はバンニングの時期を後ろ倒
しでき、CYに在庫を蔵置する期間
を短くすることができる。ただし、
①③は荷主の情報が正確でない場
合、不積のリスクが増大する。②は
これまで通り荷主は空コンテナをピッ
クアップしておくことが前提となる。
 どの案を選択するかは、荷主と船
社間の自由な調整に委ねるべきとし
つつ、いずれかの方策を実施するこ
とが望まれ、関係省は実施状況を
把握し、新たな方策を加える必要性
も示した。
CYカットで3案
実施すること「望まれる」
官民
協議会

TheTRUCK2018年5月号73
提供:運輸新聞
パネルディスカッション(壇上右から3番目が岡藤氏)
機内清掃の様子
 合成樹脂販売の三洋は4月から、
大阪本社(大阪市中央区)の7階
に、ZMPが開発した物流支援ロボッ
ト「CarriRo(キャリロ)のショールー
ムを本格的に開始した。
 「CarriRo」は、ZMPの自動運転
技術を応用して開発された製品。少
子高齢化などにより急速な人材不足
となっている物流業界で、搬送作業
の負荷を軽減し、省人化・効率化を
図ることを目的に販売。現在、物流
倉庫のピッキング作業や工場内の工
程間配送、駅・空港・商業施設内の
館内物流などに
導入が広がって
いる。
 主な機能は、
①ドライブモード
=ジョイスティッ
クを操作するだ
けで前後左右に
走行。ほとんど
力を使うことなく荷物を運ぶこと
ができる②カルガモモード=ビーコ
ンに反応し、作業者や親機となる
「CarriRo」に追従することが可
能。作業者の負担なく一度に3台の
荷物を運ぶことができる。
物流支援ロボット
ショールーム開設
 タイ国政府商務省国際貿易振興
局とリード・トラデックス社は6日、
今年8月29日〜31日にタイ・バ
ンコクのBITECで開催される貿易
ロジスティクス産業見本市「TILOG-
LOGISTIX2018」に関するセミナー
と発表会を都内で開催。日タイ貿易
と物流を促進するために、タイ国政
府が日本企業に提供する施策や戦略
が発表された。
 セミナーの最後に、日本とタイのロ
ジスティクス専門家によるパネルディ
スカッションが行われ、一般社団法
人航空貨物運送協会(JAFA)の副会
長を務める阪急阪神エクスプレス会
長の岡藤正策氏がゲストスピーカーと
して参加。
 岡藤氏は、「タイはASEAN諸国に
おける日本最大の貿易相手
国であり、同国はASEAN
の中心に位置している」
説明。
「近年、両国間の航空貨
物輸送量は、タイにおける
自動車メーカーを含む日本
企業の製造拠点の増加や
国境を越えた電子商取引の普及によ
り、大幅に増加している。日本企業
はタイとの貿易投資を積極的に拡大
しているが、これは同時にASEAN
諸国との多国間貿易へと発展する大
きな可能性がある。両国の物流産業
がさまざまな面で協力すれば、産業
の発展と日本企業の大きな利益に貢
献する」と語った。
阪急阪神エクスプレス
岡藤会長  が参加
『TILOG−
LOGISTIX
2018』セミナー・発表
三洋
 鴻池運輸のグループ会社で関西国
際空港、東京国際空港(羽田)、成
田国際空港、大阪国際空港(伊丹)
福岡空港でグランドハンドリング事業
を行うコウノイケエアポートサービス
(KAPS)は、神戸空港で新たに全
日空機(提携航空会社の航空機を含
む)の機内清掃業務を受託し、業務
を開始した。
 具体的には、同空港でグランドハ
ンドリング事業を行っているANA大
阪空港から受託し、約30人体制で
神戸空港で全日空機
の機内清掃業務受託
KAPS
JAFA
副会長

TheTRUCK2018年5月号74
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 センコーが静岡県内の物流機能を
強化するため、富士市で建設を進め
ていた東富士PDセンター(写真)
13日に竣工した。
 新センターは、敷地1万449平
方メートル、鉄骨造4階建て延床面積
1万6369平方メートル。うち倉庫
は1万5301平方メートルで、貨物
用エレベーター3基、垂直搬送機1
基、クライミングレベラー1基を設置。
 倉庫棟前面には27台のトラックが
接車できる長さ95メートルのトラッ
クバースを設け、幅13メートルの大
きな庇は雨天時の作業にも配慮
している。
 また、量販・小売り関連業務
に対応するため、倉庫内の一
部エリアには空調設備を設け、
働く従業員に快適な職場環境を
提供、ICカードによる入退室管
理や監視カメラなどのセキュリティ対
策も行っている。
 富士市中心部から約10キロメート
ルで、東名高速道路の富士ICや沼
津バイパスの富士東ICにも至近。静
岡県内はもとより、関東や中部地域
の物流もカバーする。
東富士PDセンターが竣工
センコー
業務を行う。業務内容は「機内誌、
ヘッドホンなどの補充・交換」「座席
テーブル、窓ふき、機内各所のクリー
ニング」
 KAPSが関空、羽田、成田、伊
丹、福岡で培ってきた経験とノウハ
ウにより、同空港でも安全・品質に
根ざしたサービスを提供する。
 首都圏1都7県と福島・新潟・長
野・静岡県の地方行政機関、自治体
などで構成される首都圏広域地方計
画協議会は、2年前に策定した計画
の取り組み状況を初めてまとめた。
首都圏3リングの1つ、圏央物流リ
ング(ゴールデンリング)では、圏央
道沿線への物流施設の立地誘導をさ
らに進めていくとしている。
 広域地方計画は、①リニア開業を
踏まえたスーパー・メガリージョン②
東日本地方創生回廊③太平洋・日本
海横断軸④首都圏3リング⑤IoTを
活用したスマート関東⑥国土強靱化
の6プロジェクトで構成される。
 このうち、スーパー・メガリージョ
ンプロジェクトの中で、首都圏南西
(相模原市・八王子市など)に国際
ゲートウェイとして大容量かつ高機能
な物流拠点を整備する構想がある。
 太平洋・日本海横断軸プロジェク
は、北関東と信越地域の高速道路網
整備、太平洋・日本海両面の港湾を
活用して、工場の国内回帰、マザー
工場の集積などを目指しており(図参
照)、これまでに水素ステーション設
置(13カ所)。栃木県佐の
インランドポート供用(昨年
11月)、圏央道の茨城県
区間全通(昨年2月)などを
実現。今後、茨城港(常陸
那珂地区)の集荷と航路便
数確保、高速道路と直結し
た港湾の有効利用などに取
り組み、産業集積ベルトの
構築を目指す。
 首都圏3リングは、関東
大環状軸(国道16号周辺
など東京から1時間圏で定
住)、圏央物流リング、近郊
再生リングで構成される。圏
央物流リングは、茂原にいは
る工業団地、袖ヶ浦椎の森
工業団地整備(今年度末完了)、成
田空港貨物ビル更新(同)により物流
機能が向上したことから、今後は沿
線への物流施設立地誘導、定時性
確保のための方策や、圏央物流リン
グに近接する特性を生かした居住の
魅力構築を検討する。
圏央
ング
に物流形成
太平洋・日本海横断
マザー工場集積へ
首都圏
広域計画

TheTRUCK2018年5月号75
提供:運輸新聞
完成予想図
小丸成洋社長(右)と北澤敏也社長
 環境優良車普及機構(LEVO)、い
すゞ自動車、シェルジャパンは、液
化天然ガス(LNG)を燃料とする大型
トラック2台を開発・製作し、6月か
ら日本初の大型LNGトラックによる
営業走行試験を開始する。
 佐川急便とトナミ運輸の2社が各
1台を使用して東京〜大阪間を営業
運行。大阪南港と京浜トラックターミ
ナルにスタンドを設ける(大型LNG
車は1回の充填で1000キロメート
ル超の走行が可能)
 環境省のCO
排出削減対策強化
誘導型技術開発・実証事業として
2016年度から開始し、今年度が最
終年度。営業走行により大型LNG
トラックの実用性、性能、環境性能
などのデータを収集・分析し環境省に
報告する。
 試験期間は6月から来年2月頃ま
でを予定。
 試験車両は、4軸低床Gカーゴ
(CNG)仕様、最大積載量13トン
前後。いすゞ自動車は2015年に
大型CNG車を市販するなど天然ガ
ス自動車の開発に取り組んできた。
LNGはマイナス162℃に下げると
液化して体積が600分の1になる
ため、燃料をたくさん積むことができ
る。圧縮するのに電気を使うCNG
と比べ価格も安価。ただし、泡立ち
するため燃料が新鮮なうちに使用す
る必要があり、長距離走行に適して
いる。
大型LNG営業試験
日本初
佐川とトナミが運行
LEVO
いすゞなど
 住友商事は、100%子会社であ
る住商グローバル・ロジスティクス
を通じ、タイで運営する物流子会
社のSumishoGiobalLogistics
(Thsiland).Co.,LTD(SGLT)
で、新たにチョンブリ県に1万平方
メートルの自社倉庫を建設し、さら
なる業容拡大に着手した。稼働は7
月中の予定。
 新倉庫は、タイ最大の貿易港であ
るレムチャバン港と自動車産業の集
積が進む大手工業団地の中間にある
SGLTレムチャバン支店内に立地。
チョンブリ県は東部経済回廊の投資優
遇地として経済特区に指定されてお
り、今後次世代自動車をはじめ医療・
航空・ロボットなどハイテク産業界の
投資が期待される。
 レムチャバン支店
の敷地内に自社倉庫
を建設することで、
支店の既存人員やノ
ウハウを有効活用し
作業品質を確保。新
たな物流ニーズに対
応するため、輸送容
器積み替え、輸出梱包、JITデリバ
リーなどの荷主目線のきめ細かい物
流サービスを提供していく。
 SGLTは現在、5支店・7拠点
のネットワークを構築。タイでオペ
レーションに携わる倉庫延べ床面積
は約8万平方メートルで、新倉庫を
合わせて9万平方メートルに拡大す
る予定。
タイに1万㎡の自社
倉庫を建設
住友商事
 福山通運は11日、引越し事業を
手がけるキタザワ(本社=東京)の株
式51%を取得し、資本・業務両面で
提携すると発表した。
 キタザワは1957年4月に貨物運
送事業者として設立し、98年4月に
キタザワ引越センターを立ち上げて引
越し事業に進出した。17年3月期
の売上高は11億8800万円。
 福通は従来から、引越し事業の拡
引越事業に進出
キタザワの株式51%取得
福山通運

TheTRUCK2018年5月号76
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
梅野氏(左)とジャギ氏
大を検討してきた。今回、キタザワ
と提携することで、引っ越しに関する
ノウハウや情報提供を受けることがで
き、キタザワは福通の全国網を活用
して営業エリアの拡大が図られること
から、資本・業務の両面で提携する
ことで合意したもの。
 資本提携について、福通は「今後
の両社の緊密な関係を継続するため
に行われるもの」と説明。今後は両社
で営業車両や引越資材などの共同購
入を進め、コストの圧縮を図る。
 UPSはこのほど、都内で2018
年事業戦略およびEコマースに関す
る調査結果についての記者説明会を
開催。UPS ジャパン社長兼UPS
 サプライチェーン ソリューション
ジャパン社長の梅野正人氏と、UPS
アジア太平洋地域プロダクト&インダ
トリーセグメント マーケティング
ディレクターのサヒル・ジャギ氏が説
明を行った。
 2017年の連結売上高は659億
ドル(前年比8.2%増)で過去最高
を更新、営業利益は83億㌦(同
2.59%増)、小口貨物の取扱量(総
合)は年間合計51億個(同4.9%増)
に達した。 
梅野氏は、UPSジャパンの2018
年の事業戦略について、『サービス・
ネットワークの強化』『垂直産業への
注力』『中小企業への注力』
の3つを軸に取り組みを展
開すると説明。重点戦略エ
リアの拡大として、広島・
岐阜・新潟を新たな強化地
域に挙げた。垂直産業への
注力では、引き続き「自動
車・産業機器」に注力するとした。
 続いてジャギ氏が、UPSが
発表したEC消費者意識調査
『UPSPulseoftheOnline
ShopperTM』について説明。
調査では、EC利用者の行動、嗜好、
認識に着目。アジアの消費者は送料
無料と返品無料を重要視しており、
スマートフォンを利用した越境ECの
利用にも積極姿勢であることがわかっ
たと述べた。
引き続き自動車・産業機器
分野に注力
事業戦略を説明
EC意識調査結果も発表
UPS
 郵船ロジスティクスのベトナム法
人、YusenLogistics(Vietnam)
 西日本鉄道は、ニュージーラン
ド地場物流企業「GCSLogistics
Ltd」(本社=オークランド市)の株式
90%を取得し、子会社化する。買収
後は「NNRGLOBALLOGISTICS
NEWZEALANDLTD」に社名変更
する。営業開始は5月1日の予定。
 西鉄グループは、第14次中期経
Co.,Ltdは、国際的な産業・観光都
市として発展が著しいベトナム・ダ
営計画で国際物流のネットワーク拡大
に取り組んでおり、将来ビジョンであ
『にしてつグループまち夢ビジョン
2025』において、世界35カ国・地
域130都市まで拡大する目標を掲げ
ている。今回の買収により、ネットワー
クは世界27カ国・地域109都市の
海外拠点となる。
ナンに約1万平方㍍の自社倉庫を新
設、4月に営業を開始する予定。ベ
トナム中部における自社倉庫は日系
物流企業初となる。
 ダナンはベトナムの2大消費地であ
るハノイとホーチミンのぼほ中間に位
 GCS社は2010年9月20日設
立、資本金NZD300(約2万4000
円相当)、責任者はMr.Andrew
Kirkcaldy。2016年度の経営実績
は、営業収益約11億4300万円、
営業利益約2800万円。従業員17人
(17年3月末時点)。事業内容は航
空・海上貨物の利用運送事業、通関業。
 買収後の株主構成は、西鉄
90%、Kirkcaldy氏10%。GCS
社の従業員を引き継ぎ、従業員数は
17人を予定。
ダナンに自社倉庫
郵船ロジベトナム
中部では日系企業初
NZ物流企業を買収
国際物流拠点
27カ国・地域109都市に
郵船ロジ
ベトナム
西 鉄

TheTRUCK2018年5月号77
提供:運輸新聞
自社倉庫外観イメージ
置している。ASEAN域内の関税撤
廃により活性化が見込まれる東西経
済回廊ルートの東の玄関であり、さら
なる物流需要が見込まれる。
 新倉庫では、ダナン市周辺のさま
ざまな生活資材や食材の保管・配送
需要のみならず、東西経済
回廊のクロスボーダー輸送、
南北輸送の中継地としての需
要にも応え、コントラクト・ロ
ジスティクスサービスを提供
する。
 センコーグループホールディングス
傘下の物流事業中核会社・ランテッ
クは13日、福岡支店(福岡県久山
町、写真)を増築して冷凍立体自動
倉庫などを設置した。
 福岡支店は、敷地面積4万
6270平方メートルで、九州自動車
道福岡ICと古賀ICに位置している。
 今回、2階部分を1万2028平
方メートル増築。従来からある冷凍・
冷蔵倉庫に6000棚増設して1万
2600棚に、新たに設置した冷凍立
体自動倉庫は3000棚設けて収容力
を大きく拡大した。
 2階部分へは直接アクセス
できるスロープを備えており、
79台接車可能なトラックバー
スはドックシェルターを設置。
保管商品が外気温に触れること
なく荷捌きを行うことができる。
 ロケーション管理するとともに、荷
物用エレベーター1基と垂直搬送機
も2基増設した3基態勢として荷役
効率を高めた。
 冷凍冷蔵設備には省エネ型の自
然冷媒冷凍機を採用。CO
排出量
削減と地球温暖化対策に取り組んで
いる。
福岡支店に冷凍自動倉庫
ランテック

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年5月号78
 いすゞ自動車㈱は、小型トラック「エルフ」の一部車型を改
良し、2018年3月20日より全国一斉に発売した。
 今回、車両総重量7.5トンを超える車型について、新型
4JZ1エンジンの搭載と後処理装置の改良により平成28年
排出ガス規制に適合させている。
■主な特長
・平成28年排出ガス規制への適合と燃費性能の向上
 主要コンポーネントを一新した新開発の小排気量高過給エ
ンジン4JZ1(排気量2,999㏄)と、後処理装置にDPD+
尿素SCRを採用したことにで平成28年排出ガス規制に適
合しながら燃費性能を向上させている。平成27年度燃費基
準+10%を達成し、エコカー減税の対象となる。
 ちなみに、4JZ1-TCS搭載ecostop装着車は平成27
年度燃費基準+10%を達成、取得税と重量税が75%に減
税される。また、GVW7.5トンを超えるその他の車型も+5%
を達成し、取得税と重量税が50%に減税される。(2018年
3月20日現在)
■東京地区希望小売価格
・車型:2RG-NPR88YN
・主な仕様:平成28年排出ガス規制適合、平成27年度
燃費基準+10%達成、ワイドキャブロングホイールベース、
高床4.6トン積木製平ボディ、SGグレード
・エンジン:4JZ1-TCS 110kw(150PS)
トランスミッション:6速MT
・東京地区希望小売価格(消費税込):5,582,520円
・目標販売台数:44,000台/年(エルフ全体)
小型トラック改良…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
小型トラック「エルフ」を改良し発売
新型エンジン搭載などで平成28年排出ガス規制に適合
平成28年排出ガス規制に適合した小型トラッ「エルフ」
エルフはボデーの架装性にも優れている

TheTRUCK2018年5月号79
 ㈱モリタホールディングスの連結子会社である㈱モリタエコ
ノス(本社:兵庫、白井幸喜社長)は、「より安全に使いやす
く!」をコンセプトにフルモデルチェンジした「プレス式塵芥収集
車:PressMaster(プレスマスター)PA7型小型ワイド車」
2018年4月から販売を開始した。
 プレスマスターPA7型は、ごみ収集の効率化と、安全性
の改善・負担軽減を目指したプレス式塵芥収集車で、今回
フルモデルチェンジした小型ワイド車は、同社独自のハイマウ
トリアパネルに表示器類を集約し、後方からの視認性を高
め安全性を向上させている。
 また、ボディは、剛性などの基本性能を高め、デザイン性
を大幅に向上させたことで、実用性と美しく力強いデザインを
兼ね備えた製品となっている。
 モリタエコノスは、今後もユーザーの声を大切に、より安全
で実用性の高い製品を追求するとしている。
 プレス式塵芥収集車「プレスマスターPA7型・小型ワイ
ド車」の適用車種は3.5〜4トン車で、販売台数は70台
/年。販売価格(税別)は、PA760E:10,800,000円〜
PA773E:11,100,000円となっている。
■プレスマスターPA7型・小型ワイド車の負担軽減と
 安全性
◇負担軽減
・アシスト扉&ワンタッチバーハンドル…ゴミ収集車は、収集
箇所での作業の度に投入口の扉を作業員が開閉する必要が
ある。従来の扉は重く、開閉時にはロック解除の必要があっ
た。新開発のアシスト機構を搭載したことで軽い力でスムーズ
塵芥車…モリタエコノス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
プレス式塵芥収集車プレスマスターPA7小型ワイド車が
安全性改善と負担軽減などフルモデルチェンジ
フルモデルチェンジした「プレスマスターPA7型・小型ワイド車」
機能的なエルフの運転席はドライバーの使い勝手に優れている

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年5月号80
に稼働し、バー形状のハンドルは、どこを持っ
てもワンアクションでロック解除ができる。こ
れにより片手で簡単に扉を開閉することを可
能にした。
◇安全性
・注意喚起機能…ゴミ収集車は、収集場
所に面した路上に停車することが多く、狭
い道路上では通行する自動車や自転車、
歩行者と接触する危険がある。従来の一
般的なゴミ収集車は灯火器の取付位置が
低く、作業中に作業員によって隠れてしま
こともある。プレスマスターPA7型は灯火
器類や表示器を高所に集中配置することで、従来よりも広範
囲に注意喚起を行い、市民と作業員の安全性を向上を実現
させている。
・巻き込まれ防止…積込プレートの接近時に、上部に設け
られたLEDシグナルライトと、音声でプレートで作業者に伝
える。これにより、積み込み作業中の巻き込まれ事故を未
然に防ぐ。また、足元にはバー形状の緊急停止スイッチを
搭載しており、足等で押すことで積込動作を停止することが
できるなど、総合的な対策により作業員の安全性を改善し
ている。
・後部視認性…リアカメラとキャビン内モニターをオプションで
用意。運転手はキャビンから容易に後方を確認でき、狭い住
宅街の中での作業や走行の際に安全性を確保しながら操作
できる。また、後端部のガードプロテクタを従来よりも車両左
右方向に延長し、視認性の高いカラーリングを施すことで、ミ
ラーで容易に後端や角部を確認できる。
 いすゞ自動車㈱は、大型路線バス「エルガハイブリド」をフ
ルモデルチェンジし、2018年4月13日より全国一斉に発売
した。
 今回のフルモデルチェンジにより、平成28年排出ガス規
制に適合。さらに、新型のボディとハイブリドシステムを採
用することにより、基本性能、燃費性能を向上させている。
 この新型ボディでは、ノンステップエリアの長さ・通路幅・
室内高、及び後方段上部の室内高を拡大し、広々とした室
内空間を実現させ、利便性・安全性を向上した。また、優先
大型路線バス…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「エルガハイブリッド」をフルモデルチェンジ
平成28年排出ガス規制に適合
席まわりの安全性の向上、反転式スロープ板の採用による車
いす乗降の簡易化・時間短縮化を図り、新たな車いす固定
装置により作業の省力化を可能にするなど、バリアフリー・ユ
ニバーサルデザインをレベルアップした車両となっている。
 また、小排気量ながらも余裕のある動力性能と燃費性能
を両立させた新エンジンA05C(排気量5,123㏄)の搭載
に加え、ハイブリドシステムとAMTの協調制御による変速
の最適化により燃費を向上させることで、平成27年度燃費
基準+15%の低燃費を実現。エコカー減税の対象となり、
フルモデルチェンジされた大型路線バス「エルガハイブリド」

TheTRUCK2018年5月号81
取得税は非課税、重量税は免税になる。(2018年4月13
日現在)
■東京地区希望小売価格
・車型:2SG-HL2ANBD
・主な仕様:平成28年排出ガス規制適合、平成27年度
燃費基準+15%達成、ノンステップ都市型中乗り
・エンジン:A05C-K1 191kW(260PS)
トランスミッション:6速AMT
・東京地区希望小売価格(消費税込):31,499,280円
・目標販売台数:100台/年
 大型トラック、バス、産業用エンジンを販売するスカニア
ジャパン㈱(本社:東京都港区、ミケル・リンネル社長)は、
2018年4月に新モデル「NEXTGENERATIONSCANIA」
トラクタを発売した。
 スカニアにとって21年ぶりのフルモデルチェンジとなる
「NEXTGENERATIONSCANIA」は、ドライバー環境、
燃費、キャブ空間の最適化、安全性の4つの領域向上に
焦点をあて開発された新モデルである。今回発売されたのは、
らゆる用途に対応できる4×2トラクタと6×4トラクタで、
全国の正規スカニアディーラーを通じて販売される。また、
2018年中にはトラックの発売も予定されている。
 今回のモデル変更で新モデルとして加わった、フルフラトフ
ロアのSシリーズをはじめ、キャブの乗り心地はそのままに機動
性が高く経済的なPシリーズまで、4タイプのキャブシリーズが
用意されている。さらに、充実の標準装備と追加された安全
装置で最高のドライバー環境が提供できるモデルとなっている。
■発売のモデル
◇車型:4×2トラクタ、6×4トラクタ
新モデル…スカニアジャパン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
燃費と安全性などをさらに向上させ新発売
新モデル「NEXTGENERATIONSCANIA」トラクタ
◇キャブシリーズ:Sシリーズ、Rシリーズ、Gシリーズ、Pシ
リーズ
◇第5輪カプラー:固定式もしくはスライド式
◇エンジン(平成28年排出ガス規制適合予定、国土交通
省申請中)
・13リッター…410HP(直列6気筒)、450HP(直列6気
筒)、500HP(直列6気筒)
・16リッター…520HP(V型8気筒)650HP(V型8気筒)
ギアボックス
・12+2速、クローラーギア付きオーバードライブギアボッ
クス
・スカニア・オプティクルーズ
◇安全装備(全車両、標準装備)
・高剛性キャブ(VVFS2003:29規格対応)
・流体式リターダブレーキ
・コーナーアイカメラ(左方直下視野補助デジタルカメラ+10
ンチモニター)
・ACC(車間距離保持機能付きクルーズコントロール)
・AEB(衝突被害軽減ブレーキ)
・LDWS(車線逸脱警報)
新モデル「NEXTGENERATIONSCANIA」トラクタはヨーロッパ
でも人気車種だ
ドライバー環境、燃費、キャブ空間の最適化、安全性を向上させて登場した「NEXT
GENERATIONSCANIA」トラクタ

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年5月号82
 いす自動車㈱は、環境省の「CO2排出削減対策強化誘
導型技術開発・実証事業」のひとつである「大型LNGトラッ
クおよび最適燃料充填インフラの開発・実証事業」を受託
し、液化天然ガス(LNG)を燃料とする大型トラックの開発を
進めている。
 このたび、2台の大型LNGトラックを製作し、共同実施
者としてシェルジャパン㈱、一般財団法人環境優良車普及機
構と組んで2018年6月上旬から、日
本初のL(LNG)+CNGステーションを
開設し、日本初の運送事業者によるモ
ニター走行が開始される。
 LNGは、燃料のエネルギー密度が高
く搭載効率が優れるため、今回の大型
LNGトラックでは1,000㎞以上の航続距離を確保するととも
に充填時間の短縮を実現している。
 いすゞは、エネルギーセキュリティ及び環境負荷低減の観
点等から約20年にわたって天然ガス自動車の取組みを進め
てきており、天然ガス自動車の普及促進に向けて、モニター
走行で得られた情報を基に量産モデルの検討を進めるとして
いる。
大型LNGトラック…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
天然ガス自動車の普及促進に向け
日本初の大型LNGトラックのモニター走行開始
 本誌でも開発発表を伝え、第45回東京モーターショー
(2017年10月開催)で参考出品されたトヨタ自動車㈱の
燃料電池バス(FCバス)「SORA」がこのたび型式認証をFC
バスとして国内で初めて取得し、2018年3月7日より販売
が開始された。
 今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け
て、東京を中心に100台以上のFCバス導入が予定されて
FCバス…トヨタ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
型式認証取得のトヨタ燃料電池バス「SORA」本格発売
2020年までに東京中心に100台以上の普及を見込む
おり、市街地を走行するFCバスが増えるにつれて、一般社
会からの理解が高まっていくことが期待されている。
トヨタは、人々に寄り添い、皆がそれぞれの可能性にチャ
レンジできる社会づくりへのサポートを通じて、人々の生活や
社会全体の向上や改善に貢献したいという決意を込め、自
動車会社からモビリティサービス会社への変革を目指すグロー
バル企業チャレンジ「StartYourImpossible」を開始した。
「SORA」の開発にあたっても、乗客に移動の自由
を提供し、街のアイコンとして親しまれるバスを追求し
ている。
 社会のために働くクルマであるからこそ、環境に配
慮するともに、災害時に電源として利用できるトヨ
タフューエルセルシステム(TFCS)を採用。「SORA」
に乗車することで、すべての乗客にとって「移動」
チャレンジするための障害ではなく、夢を叶えるための
可能性になってほしいとの想いから、人を中心に考え
たユニバーサルデザインと機能が採用されている。
いすゞの大型LNGトラック(モニター車イージ)

TheTRUCK2018年5月号83
本格販売が開始されたトヨタの量販型燃料電池バス「SORA」。FCバスと一目でわかる立体的な造形デザインが採用されている
大容量の外部給電システムの搭載により、災害時に電源としての利用も可能となっている

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年5月号84
 ちなみに、名称のSORAは地球の水の循環を表しており、
Sky、Ocean、River、Airの頭文字をつなげたもの。
■FCバス「SORA」の具体的な特長
◇高い環境性能とFCならではの嬉しさ
・燃料電池自動車「MIRAI」向けに開発したトヨタフューエル
セルシステム」を採用し、走行時にCO
や環境負荷物質を
排出しない優れた環境性能と、騒音や振動が少ない快適な
乗り心地を実現。
・大容量外部給電システムの搭載により、高出力かつ大容
量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電力量235kWh)
を備えており、災害時に電源としての利用が可能。
◇すべての人が自由に移動できるためのユニバーサルデ
ザインと機能
・自動格納機構付き横向きシー(日本初)…未使用時には
自動的に格納されるシートを採用し、ベビーカーや車いす利用
者と一般利用者の居住性を両立。
・視界支援カメラシステム(バス周辺監視機能)(日本初)…
車内外に配置した8個の高精細カメラの画像を運転席モニ
ターに表示。さらに、バス停車時には周囲の歩行者や自転
日本初の自動格納機構付き横向きシート。ベビーカーや車いす利用者などの利
便性が向上している
バス周辺の監視機能を持つ視界支援カメラシステムは歩行者や自転車などの動
体を検知し、運転手へ音と画像で知らせる安全機能だ
シンプルながら人を中心に考えたユニバーサルデザインと機能が採用されたFCバスの室内

TheTRUCK2018年5月号85
 日本パレットレンタル㈱(JPR/本社:東京都千代田区、
加納尚美社長)は、パレット伝票電子化の取り組みを2018
年4月9日より開始した。
 これは、複写式のパレット伝票を電子データへ移行すること
で、作業負荷の軽減、データのリアルタイム性の向上および
紙資源の保護を実現するともに、パレット、物流容器を介し
た企業間の情報共有を実現する基盤としていく計画である。
RFID付きレンタルパレットに積載する商品の検品作業自動化
トレースを可能とするサービスを今後展開するにあたり、新
サービスの基盤となるレンタルパレット管理の効率化・高度化・
精密化を図ることになる。
■概要
・レンタルパレットサービスで使われる複写式パレット伝票の電
子化。
車などの動体を検知し、運転手へ音と画像で
知らせる「視界支援カメラシステム」を搭載し、
安全性を向上。
・加速制御により、安全性を向上(日本初)
…モーター走行により変速ショクがないことに
加え、急加速を抑制し緩やかな発進を可能と
する加速制御機能を採用し、車内で立ってい
る乗客の安全性に配慮。
◇デザイン
・従来の路線バスに見られる六面体(箱形)から大きく異なる
立体的な造形を追求し、前後ランプにLED採用。一目で
電子化…JPR
話題のニュートラック新製品情報・新情報
作業軽減やデータのリアルタイム性向上などを目的に
パレット受払いの電子化をスタート
・パレットの移動情報をQRコードから照合する仕組み。
・物流現場における業務負荷の軽減や、データのリアルタイ
ム性向上、森林資源保護への寄与。
・パレット情報を電子化することで、目的のデータの検索性が
向上し、パレット受け払い時の照合作業や事後確認が簡便化。
■メリッ
①伝票入力・管理・保管業務の負荷削減
 紙伝票での運用を電子データに変更することにより、紙の
管理・保管業務の負荷を削減。
②伝票入力漏れ等による未照合件数の削減
 伝票未作成等による作業ミスの軽減、また現場完結の仕
組みを導入することにより、未照合データの調査の負荷や
FAX送信等の付随する業務の削減が図れる。
③現場にてパレットの入出荷を即時確定
 入荷情報をもって現場で情報を即時
確定する為、内容不備、受注印なし、
伝票が未持参等の場合に必要な確認
作業を軽減できる。
④将来的なRFIDによる検品作業等
を含めた自動化への発展
 RFID付きレンタルパレットを活用し、
積載情報の検品作業の自動化やトレー
スを可能とするサービスの展開。
■利用者コメント
 サービス開始による製配販各分野の
FCバスとわかる特徴的なデザインとした。

The TRUCK News
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TheTRUCK2018年5月号86
企業からのコメントは次の通り。
〈出荷側企業〉
・大塚倉庫㈱…「今回のパレットシステムは非常にシンプルな
作りで現場テストにおいてもスムーズに運用を開始することが
できました。このサービスの普及により、パレット枚数の受け
払いにおける入力作業や確認作業などが不要になり、物流
現場で働く方の業務量の軽減が期待できます」。
〈入荷側企業〉
・加藤産業㈱(加工食品卸業)…「多くの商品がJPRのレン
タルパレットで納品されますので、パレットの管理が省力化でき
る当サービスを歓迎していますし、荷受け側として積極的に協
力していきたいと思います。近い将来の検品省力化への展開
を期待しています」
・㈱あらた(日用雑貨卸業)…「製配販全体で当サービスが普
及し、拡大すれば、負荷なくパレットの管理精度が上がると
期待しています」。
・㈱トライアルカンパニー(小売業)…「パレットの管理データ
は、未照合時に調査作業が負荷になっています。作業負荷
が軽減することを期待し、当サービスの導入を決めました」。
■日本パレットレンタル㈱(JPR)について
 JPRは、年間約4,000万枚を上る一貫輸送用パレットを
供給し、日本全国約70カ所のデポでパレットを供給・回収
する体制を整えている。同社のサービスは、加工食品、日用
品業界における物流インフラとも呼べる規模で運用され、国
内で5,000以上の拠点で利用されている。
・本社:東京都千代田区大手町1-1-3大手センタービル
・事業所:札幌、仙台、埼玉、東京、名古屋、大阪、福岡、
シンガポール
・デポ:全国約70ヶ所(デポは、レンタルパレットの貸し出し
返却・メンテナンスの拠点)
・パレット保有枚数:約900万枚(内プラスチック製レンタル
パレット約600万枚)
・売上高:227億円(2016年度)
・社員数:268名(2017年3月現在)
・主要顧客…アサヒ飲料/アサヒビール/味の素/味の素
ゼネラルフーヅ/味の素物流/あらた/イオングループ/伊
藤園/伊藤忠食品/宇部興産/エーザイ/エスビー食品/
エバラ食品工業/大塚グループ/花王/カゴメ/加藤産業
/カルビー/キッコーマングループ/キユーピーグループ/国
分グループ/コスモエネルギーグループ/サンスター/JAあ
いち経済連/JA静岡経済連/JXTGエネルギー/J-オ
イルミルズ/資生堂/士幌町農業協同組合/昭和シェル石
油/新日鐵住金グループ/鈴与/セブン&アイ・ホールディ
ングス/センコー/全農ライフサポート山形/大正製薬/
ライアルカンパニー/ニチレイ/日清オイリオグループ/日清
フーズ/日本アクセス/日本サンガリアベバレッジカンパニー
/日本通運/ネスレ日本グループ/ハウス食品/ハウス物流
サービス/パナソニック/P&Gグループ/日立物流/ブル
ドックソース/ポッカサッポロフード&ビバレッジ/三井食品/
MizkanHoldings/三菱食品/名糖運輸/ヤマサ醤油/
UCC上島珈琲/ユニ・チャーム/ユニリーバ・グループ/ラ
イオン/ロッテ、他。
 いすゞ自動車㈱と日野自動車㈱は、2016年5月以降、
高度運転支援技術・ITS技術の共同開発を進めている。今
後、実用化に向けて同技術を磨きあげた後、いす・日野そ
れぞれのトラックやバスなどの製品に搭載されることになる。
共同開発…いすゞ&日野
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞと日野が将来の自動運転実用化に向け
高度運転支援技術・ITS技術を共同で開発
 いすと日野は、自動運転システムの早期実用化に向け、
そのベース技術となるITSシステムや高度運転支援技術に
ついては「競争領域」ではなく、早期普及のための「協調領域」
いすと日野は共同でITS技術などを開発している
いすと日野が共同開発を進めるハイブリド連節バス(イメージ)

TheTRUCK2018年5月号87
と位置付け、両社で共同開発を進めることで2016年5月
に合意。この合意に基づき、両社で開発を進めてきた結果、
「視界支援」「路車間通信」「加減速支援」「プラットホーム正
着制御」の4つの技術を開発した。
 これらの技術は、いすと日野で共同開発を進めているハイ
ブリド連節バスをはじめ、18年度以降順次、製品に搭載し、
実用化していく計画となっている。
■共同開発した技術の概要
⑴視界支援
 車両内外にカメラを設置、ドライバーはモニターで監視。
車外に設置したカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物
を検知し、ドライバーにアイコンと音で警報を行うことで、事
故防止に貢献。
⑵路車間通信
 路車間の通信により、安全支援(赤信号注意喚起、赤信
号減速支援、右折時注意喚起、信号待ち発進準備案内)
やバス優先の信号制御(PTPS)による公共交通の効率化に
貢献。
⑶加減速支援
 先行車の加減速の操作情報を通信で後続車に送ることに
より、先行車との車間距離を高精度に制御し、無駄のない、
スムーズな加減速を実現(CACC)。
⑷プラットホーム正着制御
 路面上の誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速
によりバス停へ誘導することで運転操作を支援。バス停側の
対応とあわせて、隙間・段差を解消することで、円滑な乗降
が可能になり、バリアフリー化を実現。
 いすゞ自動車㈱は、中華人民共和国重慶市の事業パー
トナーである慶鈴汽車(集団)有限公司(慶鈴集団)、及び
慶鈴汽車股份有限公司(慶鈴股份)との間で、現地の合
弁会社である、いすゞ慶鈴(重慶)部品有限公司(ISUZU
QINGLING(CHONGQING)AUTOPARTSCO.,LTD.=
IQAC)と慶鈴五十鈴(重慶)発動機有限公司(QINGLING
ISUZU(CHONGQING)ENGINECO.,LTD.=QIEC)
の合併を進めることで合意した。
 いすゞは、世界最大の商用車市場である中国での商用車
事業の強化と、大型商用車のグローバル競争力強化を図る
ことを目的に、2012年7月、重慶市に車両コンポーネン
の製造・購買・輸出を行う合弁会社IQACを設立した。
 中国では、今後も経済成長に伴う市場拡大が見込まれると
中国事業…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中国での商用車事業の強化などを目的に
重慶に車両コンポーネントの製造を行う合弁会社を設立
慶鈴集団のホームページにはISUZUのロゴと2017年12月に発売されたピッ
アッ「TAGA」が掲載されている
いすゞの大型トラクタ(参考写真)
日野の大型車とバス(参考写真)

The TRUCK News
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TheTRUCK2018年5月号88
ともに、将来の排出ガス規制の強化をはじめとした自動車産
業における環境変化が予想されることから、IQACをいすゞグ
ループのエンジン製造・販売の機能を担うQIECに統合し、
らなる機能の強化と事業運営の効率化を図るもの。
 この統合により、高品質かつコスト競争力を持ったエンジン
及び車両コンポーネントを、いすゞ車の製造・販売を行う慶鈴
股份に供給していくとともに、いすゞの商用車とパワートレイ
のグローバル競争力をより一層高めることになる。
■合併後の合弁会社概要
・会社名:慶鈴五十鈴(重慶)発動機有限公司QINGLING
ISUZU(CHONGQING)ENGINECO.,LTD.
・所在地:中華人民共和国重慶市
・代表者:未定
・事業内容:エンジン製造・組立・販売、車両及びエンジン
部品の販売
・資本金:324.26百万ドル(登記)(約350億円)
・出資比率:いすゞ自動車㈱…約51%(予定)、慶鈴汽車集
団有限公司…約30%(予定)、慶鈴汽車股份有限公司…
約19%(予定)
・統合年月:2018年10月(予定)
 UDトラックスは50年以上の販売実績があるスーダンで新
興国向け大型トラック「クエスター(Quester)」と中型トラック
「クローナー(Croner)」の販売を開始した。
 幅広い車型を備えた「クエスター」「クローナー」の投入に
より、高まる公共事業や物流需要に貢献するともに、現地
のユーザーニーズに細かく応え販売を拡大していく計画だ。
 スーダンは近年の情勢不安や経済制裁などの影響により
ジネスが一時期停滞していたが、2017年10月に経済制裁
が解除されたことにより、今後は経済活動や公共事業が活
発化し近代化がさらに進むと見込まれている。また、石油を
海外販売…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
スーダンで新興国向け大・中型トラックを発売
燃料と農産物の長距離輸送の需要増加に対応
主要産業とする同国は肥沃な農土に恵まれているため、砂漠
が国土の大半を占める近隣諸国から食料供給地として注目さ
れている。そのため、燃料に加え農産物の長距離輸送に対
する需要も増加していくと見られている。
中国のいすゞ大型トラクは日本よりもひと回り大きいクラスになる
現地スーダンでの発表イベントの様子高出力エンジン・ハブリダクションを備えた「クエスター」トラクター
中国市内で稼働するいすゞ小型トラック「エルフ」

TheTRUCK2018年5月号89
 UDトラックスの大型トラックはこれまで、建設現場でダンプ
を主流として現地の需要に応えてきた。今回、高出力エンジ
ン・ハブリダクションを備えたトラクターをラインナップに加えた
新興国市場向け大型トラック「クエスター」の投入により、活
性化が見込まれる建設分野での販売強化に加え、長距離輸
送用トラクターの需要にも応えていくことになる。
 また、中型トラックは主に水・飲料や食料品を運ぶ市内配
送を担ってきた。中型トラッ「クローナー」の投入により、市
内配送分野での販売を強化することになる。また、都市部の
近代化に伴い冷蔵・冷凍輸送への需要が高まっており、こ
れに対してもUDトラックスの冷蔵・冷凍車で高品質輸送に
貢献するとしている。
 UDトラックス中東・北東部地域担当の横藤田宏セール
スダイレクターは、「経済制裁が解除され、経済活動が活発
化することが予想されるこのタイングで商品力のある“クエス
ター”と“クローナー”を投入することができました。同国市
場での販売拡大を図ると共に将来的にはスーダンを北東アフ
リカ地域の核となる市場にしていきたいと考えています」と述
べている。
「クエスター」「クローナー」の発表イベントは2018年
2月20日にスーダンのハムツールにある輸入・卸売り販
売会社、タラ・インターナショナル社(TaraInternational
Co.,Ltd.)が開催し、約260名の顧客や現地パートナー、報
道関係者が参加した。タラ・インターナショナル社はUDトラッ
クスと10年以上の協力関係にあり、現地での販売およびサー
ビスを担っている。
需要が期待される建設車両(クエスター・ミキサ車)燃料輸送の拡大にも期待が(クエスター・タンクローリ)
市内配送分野での販売を強化を狙う中型車「クローナー」

The TRUCK News
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TheTRUCK2018年5月号90
 マツダ㈱の次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイア
クティブ-エックス)」が、米国ニューヨークで開催された「2018
EdisonAward」の表彰式において、「EngineEnhancements
(エンジンエンハンスメト)部門}の金賞を受賞した。
 「EdisonAward」は、世界中の革新的な製品、サービス、
ビジネスリーダーを表彰し、その栄誉を称える国際的な賞であ
る。同賞はアメリカ・マーケティング協会によって1987年に
創設され、2008年からは独立機関が主催しており、自動車
業界だけでなく各業界で変革を起こしている国際的企業の製
品・サービスなどから選出されている。
 このたび受賞した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」
は、マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(SparkControlled
CompressionIgnition:火花点火制御圧縮着火)により、
ガソリンエンジンにおける圧縮着火の実用化に世界で初め
てめどを付けた画期的な内燃機関である。燃費改善率は
現行ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」比で最大で20〜
 ㈱デンソー(本社愛知県刈谷市、有馬浩二社長)のグルー
プ会社で、金属プレス部品の製造を行う㈱デンソープレアス
(本社:愛知県豊川市、竹ノ内省一社長)とデンソー機工㈱
(本社:愛知県高浜市、樋口竹生社長)の2社は、2018
年7月1日に経営統合する。
 車の電動化や自動運転の進展により事業環境が大きく変
化する中、今後、新技術が必要となるプレス部品の開発対応
30%、トルクは全域で10%以上、最大で30%改善する見
込みであり、環境性能と走りの楽しさの両方を飛躍的に高め
ている。この「SKYACTIV-X」を搭載したマツダの次世代商
品は、2019年以降に全世界で順次導入していく予定である。
 マツダは、将来においても「地球」「社会」「人」とクルマが
共存する世界の実現を目指し、「走る歓び」にあふれたカーライ
フを通じて、ユーザーの人生をより豊かにし、ユーザーとの間
に特別な絆を持ったブランドになることを目指している。
と市場拡大が期待される海外地域での生産対応がますます必
要になる。これらを競争力ある形で実現するためには、高精
度金型に強みを持つデンソーとこれまで以上に連携強化を図る
とともに、製造面でそれぞれの強みを持つデンソーグループの
プレス会社2社が統合し、プレスの核となる会社が必要との
次世代エンジン…マツダ
経営統合…デンソーグループ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」が
「2018EdisonAward(エジソン賞)」の金賞を受賞
海外地域での生産対応を見据え
デンソーの部品製造子会社2社が経営統合
エジソン賞で金賞を受賞した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」

TheTRUCK2018年5月号91
判断に至ったもの。
 統合会社はデンソーの各部門との連携強化により、量産
技術・製造力の強化を図り、電動化システムや自動運転シス
テムを支えるプレス部品を通じて、環境に優しく、安全快適な
モビリティ社会の実現に貢献していくしている。
■統合会社の概要
・社名:株式会社デンソープレステック(DENSOPRESS
TECHINC.
所在地愛知県豊川市萩町ゲンザウ11-16(現、㈱デンソー
プレアス本社)
・設立年月:2018年7月
・資本金:3,250万円
・出資比率:デンソー100%
・人員数:378人(設立時)
・事業内容:自動車関連部品の試作・製造・販売
【参考】
〈デンソープレアスの概要〉
・設立年月:1953年5月
・資本金:3,250万円
・出資比率:デンソー100%
・人員数:187人(2018年3月時点)
・事業内容:自動車用プレス部品の製造販売
〈デンソー機工の概要〉
・設立年月:1973年3月
・資本金:1億6,000万円
・出資比率:デンソー100%
・人員数:191人(2018年3月時点)
・事業内容:自動車用部品等の試作品・量産品の生産及び
搬送設備・治具の製作、取付
 日産自動車㈱と㈱オーテックジャパンは、2018年4月19
日から21日までの3日間、インテックス大阪で開催された「バリ
アフリー2018」(第24回高齢者・障がい者の快適な生活を
提案する総合福祉展)に、ライフケアビークル(LV)を出展した。
 日産自動車グループでは、ユーザーの生活のいろいろなシー
ンで役立ちたいとの意味を込め、福祉車両を「ライフケアビーク
ル」(LV=LifeCareVehicles)と呼称し、個人ユースから施設
での利用まで対応できる幅広いラインアップを取り揃えている。
 今回の「バリアフリー2018」では、新電動パワートレイン
「e-POWER」を搭載した、「セレナe-POWERチェアキャブ
スロープタイプ」や、福祉施設や病院の送迎用として活躍する
「NV350キャラバンチェアキャブ」など、計5台を展示した。
 日産は、「ニッサンインテリジェトモビリティ」の取り組みの
もと、クルマの「電動化」「知能化」に向けた技術開発を進め
ている。ライフケアビークルにおいても、「出かける喜びを一人
でも多くの方へ」というテーマのもと、「ニッサンインテリジェト
モビリティ」を具現化する先進技術の搭載を推進している。
「バリアフリー2018」では、「ニッサンインテリジェトモビリ
ティ」をセレナe-POWERチェアキャブスロープタイプとともに
紹介した。
福祉車両…日産&オーテック
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日産自動車とオーテックジャパンが
「バリアフリー2018」に福祉車両5台を出展
デンソー機工が扱う自動車用部品
セレナe-POWERチェアキャブスロープタイ
2018年4月にインテックス大阪で開催された「バリアフリー2018」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年5月号92
 一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(ToyotaMobility
Foundation=TMF)は、「水素社会構築に向けた革新研究
助成」において、2017年度は、10件の研究への助成を決
定した。
 2017年7月に創設された「水素社会構築に向けた革新
研究助成」は、技術革新によるCO
フリー水素の低コスト化
の早期実現に向けて、2025〜2030年頃の実用化を目指
す研究に助成するもの。2017年度は「水素製造」「水素
貯蔵・運搬」「水素利用」「エネルギーシステム」の4分野で
公募を実施し、応募総数32件の中から、大学や公的研究
機関等の水素およびエネルギー関連の有識者で構成する評
価委員会での審査を経て決定した。
 評価委員会の委員長を務める九州大学副学長の佐々木
一成氏は、「本年度の助成対象となる研究は、水素エネルギー
の本格普及に向けた重要な技術革新につながるものです。
評価委員会は、今後も継続的な助言や議論を通じて研究者
を支援していきます。TMFの助成によって、研究者の皆様
が、評価委員や研究者同士による交流や議論の場を持つこ
とで、広い視野を持ち、2050年の水素社会実現に貢献す
リーダーとしてご活躍されることを期待しています」と述べた。
 また、TMFの豊田章男理事長(兼トヨタ自動車代表取締
役社長)は、「環境に優しくサステナブルなエネルギーの確保
は、モビリティの分野においても重要な課題であり、再生可
能エネルギーと組み合わされたCO
フリー水素は有力な選択
肢の一つです。一方で、水素社会の実現に向けては、数多
くの技術革新が必要であることから、研究を支援するために
助成を開始しました。本活動には、佐々木先生や評価委員
の皆様を始めとし、多くの方々からのご理解ご支援いただき、
改めて感謝を申し上げます。今後、5年間のTMF研究助
成公募を通じ、評価委員の皆様と共に、技術革新へ挑戦す
る次世代の研究者を支援し、水素社会と、より良い社会の
実現に貢献していきます」と語っている。
 TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社
会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タ
イやベトナム、インド、ブラジルでの交通手段の多様化や、
日本の中山間地域における移動の不自由を解消するプロジェ
トへの助成のほか、障害者向けの補装具開発を支援する
アイディアコンテストの実施など、世界のモビリティ分野にお
ける課題に取り組んでいる。
 今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を
活用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関等と連携
し、都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用
の拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組み
をすすめていくしている。
助成…トヨタ・モビリティ基金
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「水素社会構築に向けた革新研究助成」において
10件の革新的研究への助成を決定
トヨタ・モビリティ基金の活動は幅が広い。基金初の助成プロジェクトとしてバンコク
での交通渋滞緩和プロジェクトが行われた。写真はクロージングセレモニーの記念
ショット