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0120-918-101

【対談】上野 健彦KTグループ代表取締役

株式会社rimOnO
代表取締役社長
伊藤慎介
KTグループ
代表取締役
上野健彦
TheTRUCK2018年3月号20
変革に向けて動き始めた
自動車ディーラー
つながるクルマ、自動運転、シェアリング、電気自動車化に象徴されるCASE
(Connected,Autonomous,Sharing,Electrification)によって自動車産業が大き
く揺り動かされています。前回インタビューさせていただいたJTBの黒岩氏からは、
ある地方都市で保有されている自動車10万台を全てシェアに切り替えた場合、
たった3000台で人口約20万人の移動を賄えるというシミュレーシン結果になったとの
お話がありした。また、第1回の対談において自動車ジャーナリストの桃田氏は、
自動車産業が大量生産ビジネスから脱却し、付加価値のある産業へと変革しなけれ
ばならない、そしてもとユーザーからの声に耳を傾けなければならないと主張されて
いました。
そこで今回は自動車ディーラーの世界で革新的な取組をされている神奈川トヨタこと、
KTグループの上野代表取締役から、現在どのよな革新的な取組をされているのか、
これからの自動車ディーラーはどうなっていくべきか、そして自動車産業全体が抱える
課題について伺いたいと思います。
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑤

TheTRUCK2018年3月号21
「モビリティ・ライフ・デザイン」が狙い
伊 藤 神奈川トヨタさんの本店にお邪魔して
まず驚くのは、店舗の入口となる1階と地下
1階に自動車ではなく、キャンプ用品、自転車、
フィッシング用品を販売されていることです。
なぜ、自動車ディーラーであるにもかかわらず
自動車以外の商品を扱うようになられたので
しょうか。
上 野 新しい自社ビルを開発する際に自動車
ディーラーの新しい形として何を提案するかと
いうところから全てがスタートしています。最
初はお客様へのアンケート調査から始めまし
た。お客様が話された言葉からテープ起こしを
行い、一字一句から要素を探し出した結果、い
くつかの要素が出てきました。その要素をクリ
エイティブに意訳して、総合的に分析した結
果、好意度が高く、かつ有償度が高いもので構
成していきました。
 お客様の声を直接聞いて今の結論に至ったわ
けではありません。いろいろな人間が集まって
侃々諤々と議論したことで今のお店の形になっ
ていったのです。
伊 藤 その過程をもう少し詳しくご紹介いた
だけますか。
上 野 お客様へのヒアリングを行ったテキス
トをもとに社内で議論を行い、どういうサービ
スを提供すべきかについてのいくつかの仮説が
できあがりました。その仮説をもとに「実際に
そのようなサービスは必要ですか」「お金を払っ
てでもそのサービスを受けたいですか」と2段
階の調査を実施しました。
 その中で出た最初の仮説が365日・24時
間営業でした。そのようなサービスを提供す
ることの有用性については9割近くのお客様
が好意的でしたが、一方でお金を払ってまで
受けたいかというと、そう回答したお客様は
たった1割でした。では、何をすればお金を
払ってまで受けたいかという部分を深堀りし
ていくとショールームのコンセプトが見えて
きました。
 当時、私は新しい自社ビルの開発責任者だっ
たのですが、前提条件として当時の代表から
「お金かけてお客様が来ないような施設を
作ったら承知しない」と厳しく命令されていま
したので企業のショールームのようなありき
たりな施設にすることは選択肢としてありま
せんでした。
 とにかく人が来たくなる施設にすることが大
前提でしたので、最終的に2つのアイデアに
絞り込まれました。1つは流通小売に挑戦する
こと、もう1つはキャラクターを導入したテー
マパークのような施設です。今だから申し上げ
ると、テーマパーク化するために有名なキャラ
クターのプロダクションとも商談を進めていま

TheTRUCK2018年3月号22
した。しかし、あまりにもロイヤリティが高く
断念せざるをえませんでした。
 そこで、流通小売を前提としてそこにテーマ
パーク的要素を合体させることにしたのが、今
の店舗の基本的な考え方です。個人・法人問わ
ず、お客様のライフデザインをすることがメ
イン・コンセプトです。“モビリティ”という
言葉がまだ一般的でなかった90年代前半から
「モビリティ・ライフ・デザイニング・スペー
ス」というコンセプトを打ち出し、個人のお客
様を対象としたレジャー分野のほか、トラック
などの特装車の分野、障害などハンディのある
お客様やご年配の足の不自由な方を送り迎えし
ているご家族の方など、プラスアルファの何か
が欲しいというお客様を対象にライフデザイン
を提案できるスペースとしてこの場所を作りま
した。
伊 藤 しかし、実際に自動車ディーラーさん
がキャンプ用品などを扱うとなると色々とご苦
労があったのではないですか。
上 野 キャンプ用品を扱おうとして仕入れの
経験の全くなかった社員に仕入れに行ってもら
うところから始めましたが、最初は仕入れ先
から何も売ってもらえませんでした。自動車
ディーラーがキャンプ用品を売るってことを誰
も本気にしてくれなかったんですね。ですの
で、最初はコンセプトだけの紙の資料しかあり
ませんでした(笑)。パタゴニア社に至っては、
環境破壊をする自動車業界にはうちの商品は絶
対に売れないといわれたのですが、そのあとに
トヨタ自動車が北米でパタゴニアとコラボレー
ションすることになったので扱わせていただけ
るようになりましたが。
伊 藤 仕入れの必要のない自動車ディーラー
の社員が仕入れを経験するというのは並大抵の
経験ではないでしょうね。ところで自転車や釣
具を扱っているとクルマも売れるのでしょうか。
上 野 釣り好きな人の中にはボートをけん引
されたいというお客様がいるので、そういう
方には安心してけん引できるSUVはランドク
ルーザーしかないですとお勧めしています。
伊 藤 トヨタ自動車の扱っている中で最も高
額の車両の部類に入りますね(笑)
上 野 自転車の場合はクルマに搭載するキャ
リアをつけてほしいといったご要望を頂きます
が、何よりも1台100万円もする自転車が売
れることに驚きます。こうやってキャンプ用
品、自転車、釣具などを扱っていると社員がど
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑤

TheTRUCK2018年3月号23
んどん詳しくなっていきますし、そういう業界
のイベントのスポンサーをお願いされたりし
て、そこから新しいお客様との接点も生まれま
す。ただ、気を付けないといけないのはプロ
ショップ化しないことですね。やはり、一般の
お客様が入りやすいお店にしなければ来店者を
増やすことができませんので。
伊 藤 確かにそうですね。私もオーディオが
趣味ですが、プロ専用のお店は私でさえも敷居
が高くてとても入れないので、大型量販店の
コーナーで試聴してしまいます(笑)
着想力があれば
 大変革もコスト競争も怖くない
上 野 最近挑戦している面白い取り組みとし
て、焼き物の窯を積んだトラックを作る話があ
ります。種子島にお住まいの若手の陶芸家さん
のご要望なのですが、現地の土で作った焼き物
を作りたいが窯を借りようとすると結構大変な
ので、窯を搭載したトラックを作れないかとい
われたのがきっかけでした。
 そういう要望に対して私は安直にやってみよ
うと即答したのですが、なぜそういうことがで
きるかというと、お客様のニーズを形にするこ
とができるチームがあるからです。窯を搭載し
たトラックを担当しているチームのリーダーは
用途別の小型トラックを作らせたら日本一の職
人です。既に設計と機器の選定が終わった段階
なのですが、誰からいくらお金をいただけるの
かと全く考えずにものづくりを進めていたのが
問題なのですが(笑)
伊 藤 面白いことが優先されて先に車両を
作ってしまったわけですね(笑)
上 野 収支についてはもちろんしっかり見て
いく必要がありますが、うちの会社でおもしろ
いのは、幹部が細かくいわないでいると、スタッ
フのスキルが次々と成長していくことです。自
動車を使う理由が仕事であれ、趣味であれ、お
客様の要望に対して「車を含めてデザインする」
ことを地道にやっていくと様々なスキルが備
わっていくんですね。これが仕事として一番お
もしろいことだと思います。
 ハンディキャップのある方への対応でも同じ
ようなことがあります。かつて神奈川県のリハ
ビリテーションセンターの副所長をやられてい
た方が社員にいたのですが、彼自身が事故で脊
髄を損傷した障害者であることもあり、どんな
障害をお持ちの方であっても何をすればよいの
かが全てわかる人でした。この障害であれば車
両のこの場所にアシストグリップをつけるだけ
でいいとか、この車両を仕事で使うのであれば
ここにこの装置をつけたらよいといった感じで
す。ところが、その方が引退してしまったらノ
ウハウが一切失われてしまった(笑)これに懲り
て今では必ずお弟子さんを育てるよう指導して
います。
伊 藤 お話を伺っていると今のものづくりの
世界に対するアンチテーゼの様に聞こえます
ね。効率を重視しすぎるあまり、ユーザー目線
ではなくサプライヤー目線でものづくりを行
い、ものづくりに従事している人たちもハッ

TheTRUCK2018年3月号24
ピーではないという状況ですから。
上 野 うちの会社でしかできないことを増や
すことでコスト競争に巻き込まれない体質にし
ていけると考えています。お客様の中に鶏卵の
運送会社さんがあるのですが、非常に先進的な
考えの経営者でして、今でいうデジタコ、ネッ
トワーク型の運行支援などの原型を30年前か
らアナログで実施されていました。卵の欠損率
をできる限り最小化できる運送方法を確立する
ために、運行経路はどのような経路が一番効率
的か、デポはどこにあったほうがいいか、どの
メーカーのどのモデルのトラックにどのタイヤ
を使うと欠損率が低いのかなど、あらゆるデー
タを集めてデータベース化されていました。そ
のデータベースを活用して客先である荷主にデ
ポや配送経路、ケースの在り方をどんどん提案
していくため、荷主はその会社に頼まざるを得
なくなり、コスト競争に巻き込まれなくなって
いきます。
伊 藤 荷主の物流システムに入り込んだわけ
ですね。そこまでできる会社はすごいですね。
上 野 結局はどれだけのことを着想できるか
に尽きると思います。こういう事例を見てきた
私としては、自動車業界が100年に一度の大
変革を迎えているといわれても本当なのかと
思ってしまいます。どれほどデジタル技術が進
化しても、その技術を実際にどう活用し、どう
いう価値を見出すかを着想できない人が果たし
てデジタル技術を活用できるのかと思ってしま
います。弊社の特装担当もあらゆるデータを取
りながら一つ一つの特装車を作っていますが、
それぞれが一品ものであるためビッグデータの
ように他の事例から導き出すことは不可能で
す。結局、大工さんのような現場合わせが必ず
必要であることから、どんなにデジタル化や
AIが進んだとしても特装車を作った経験がな
い人が作れるようになるとは思えません。
 AIやIoTを否定するつもりはなく、それら
は人間の生活を豊かにするものと考えています
が、一方で付加価値を生むようにそれらの技術
を使いこなす知恵がないと面白いことにならな
いような気がします。特に実用車の場合はその
傾向が顕著に表れてくると思います。
コミュニティバスの提供
 までも視野に入れた戦略
上 野 当社には生命保険の特任部隊も抱えて
います。個人にとって重要な4大資金として、
①住宅、②生活保障・疾病保障、③学資、④自
動車関係費がありますが、最後の自動車関係費
として多額の資金を投入していただいていま
す。そのため自動車ディーラーとして正しい情
報をご提供して正しく資金を使っていただくこ
とは、お客様のライフデザインに貢献できると
考えています。フィナンシャルプランナーの資
格を持った10数名の社員が生命保険の診断を
させて頂いていますが、20名ほどまで拡大し
ていけば住宅ローンのご提案もできると考えて
います。これまで3万5000件程度の保険診
断を行ってきましたがクレームをいただいたこ
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TheTRUCK2018年3月号25
とは一切ありません。お客さん全員がありがと
うと握手をして帰られていきます。
伊 藤 そこまで幅広くライフデザインを手が
けられているとなると、自動車を販売する以外
のモビリティサービスも提供することになりそ
うですね。
上 野 そのうちにコミュニティバスも始める
のではないでしょうか。バス会社もタクシー会
社も手を出さないような山奥では生活弱者の方
がいらっしゃるため、我々の店舗をコミュティ
のハブとしてコミュニティバスのサービスを提
供するといったことはありうると考えています。
 そういう意味では、トヨタ自動車が1月に
発表したeパレットには大変興味を持ってい
ます。例えば、オフタイムとオンタイムの2
種類の方法でカスタマイズができると思いま
す。オフタイムとは、車両を納入する前に架装
する、お客様の用途に応じて何らかのアタッチ
メントを取り付けて使いやすくするといったカ
スタマイズです。オンタイムとは、車両が移動
している最中に椅子の配置が変わりカーゴ
ペースになる、停車したらリフトでカーゴを積
載できるようにするといったカスタマイズで
す。こういったことがeパレットで自由に実
現できるようになると様々な生活シーンで役に
立つクルマになると思います。大量に物資を運
搬するトラックのような車両としてももちろん
活躍するでしょうが、生活弱者が増えていく中
で、昼間は移動展示販売などの行商用途から、
夜は救急車を呼ぶほど緊急ではないが担架で運
ぶ必要のある患者さんを病院にお連れするため
に救急車の代わりとして使用するといった具合
です。私にとってeパレットとはそういった
これまでにはない全く新しい使い方を想起させ
てくれるコンセプトの車です。ラスベガスでト
ヨタ自動車が行ったプレゼンテーションはすご
く格好いいものでしたが、私にかかると生活に
密着したベタな構想になってしまいます(笑)
伊 藤 しかし、上野代表の構想の方がずっと
リアリティがあると思いますよ。
上 野 我々は地域のサービス事業者として
いかに地域に食い込んでいけるかを目指すべ
きだと考えています。生活弱者の方も含めて
「動き」のある生活をサポートしていく必要が
あります。
 その時の「動き」には①ユーザーご自身が動
く、②モノが動いてやってくる、③情報が動く
という3つがあり、これら動きをデザインし
て具体的なリアルの生活現場に当てはめていく
ことで、初めてあるべきモビリティサービスの
中身が見えてくると考えています。個人がモビ
リティを手にする場合、仕事でモビリティを手
にする場合など、様々なシーンに応じたデザイ
ンがあると思いますが、我々なりの解釈をしな
がらお客様と一緒に答えを見つけていくお手伝
いをし続ける限り、我々の仕事は永遠にあると
思います。
伊 藤 上野代表がお話をされていることこそ
が自動車業界の人たちが本来考えていくべきこ
とですね。日本では業界や取引関係などが過去

TheTRUCK2018年3月号26
の成功体験に基づいて固定化しているため、時
代や環境が変化してもその変化に対応した動き
がなかなか取れないと感じています。イノベー
ションの話になると米国のアマゾン、グーグ
ル、アップルや中国のバイドゥ、アリババ、テ
ンセントなどのITジャイアントがすぐに話題
になりますが、一番恐ろしいのはITジャイア
ントよりも我々一人一人のユーザーではないか
と思っています。例えば、ランチに行く店を予
め心の中で決めていたとしても、行列になって
いたり他の店のメニューに心が奪われたりする
とあっという間に違う店に入っていきます。お
店で買うものもそうですよね。最初に買うと決
めていたものではなく、別のものを買って帰る
といったことは日常茶飯事です。すなわち、消
費側であるユーザーに数多くの選択肢が用意さ
れていることがサービスやプロダクトの提供側
に大きな変化をもたらす時代になっているわけ
です。したがって、移動にまつわるライフスタ
イル、ライフデザインなどの解決策をユーザー
が求めるとおりに素直に提供していけば、ビジ
ネスがなくなることはないですよね。
生活サイドに立って見えてきた
 4K映像システム
上 野 どうして日本企業が変化に対応できな
いか――。それは供給サイドに立つからです
よ。これが生活サイドに立ったらいくらでもア
イデアは出てくるのですが、実際にそれをやろ
うとすると我が国では頭がおかしいと扱われて
しまうんです(笑)
伊 藤 頭がおかしいといわれるとはどういう
ことでしょうか。
上 野 儲からないことをやろうとしている
と思われるのでしょうね。一つの事例として、
4K映像を遅延なしで送受信できる映像コ
ミュニケーションシステムに以前から取り組
んでいます。圧縮しても良いのでほぼオンタ
イムで遅延なく映像が送れるようになると、
まず医療分野で使えるようになります。トラ
ンシーバーの様に相手が話し終わらなければ
こちらが話せないとリアルタイムのコミュニ
ケーションができないため、お互いが同時に
しゃべっても重なったまま聞き取れる仕組み
が必要と考えています。10年ほど前から部
下に指示して検討させたのですが、全くレス
ポンスがないのでお金の問題かと思っていた
ら実は技術的な問題でできないことが分かり
ました。そこで、大手メーカー数社に声をか
けていきましたがどこも一緒にやろうとは
言ってくれなかったため、ある大学の先生と
一緒に開発しています。そんなことをやって
いるとなかなか儲けにつながらないのです。
伊 藤 確かにそういうことまでやっていると
儲かりませんね(笑)
上 野 実はこういう映像コミュニケーション
システムは車両の整備に必要だと思っているか
らこそ取り組んでいます。今我々が直面してい
るのは、燃料電池自動車やハイブリッド自動車
The Next Vehicle World
胎動する次世代ビークルの世界⑤

TheTRUCK2018年3月号27
など整備が難しい高難度整備車両が増えている
ことです。今や一人の整備士が全ての車両を整
備することは難しく、それぞれの車両を整備す
る専門の整備士が必要となっています。一方
で、ディーラーの各店舗に専門の整備士をすべ
て配置することはできないため、各店舗には「か
かりつけ医」のような整備士を配置し、KT本
社を「総合病院」としてそこに各車両専門の「専
門医」のような整備士を抱える形をとっていま
す。仮に湯河原店で不具合のある車両が持ち込
まれたとしても、実際にその車両をKT本社で
整備すべきかどうかを湯河原店で判断する必要
があります。
 そこで映像システムが必要となってきま
す。高電圧・高電流を扱うハイブリッド自動
車の場合、修理の際に「ここを触るな」
といわれた時にすぐに手を引っ込め
ないと命が危険にさらされる部位がい
くつかあります。映像システムを通し
て車両の不具合を判定するとした場合
に、映像に遅延があったり、不鮮明な
映像で表示されたりすると気づいたら
感電していたということになりかねま
せん。こういう理由で開発した映像コ
ミュニケーションシステムは、昨年4
月に開催した「KTグループが今実現
したいこと展」という展示会で披露さ
せていただきました。展示会自体はト
ヨタ自動車にもご協力いただいたこと
もあって、おかげさまで大盛況に終わりまし
た。一般のマスメディアには「トヨタディー
ラーからの逆提案」と書かれてしまいました
が、実態は逆提案ではなく「協力してください」
という懇願です(笑)
 映像システムが完成すれば整備だけではな
く、医療やテレビ会議など様々な分野で使え
る社会インフラになっていくと考えていま
す。そういうことに取り組めるのはうちの会
社が儲けを先に考えていないからです(笑)
示会では触覚を遠隔で伝送する技術なども披
露しましたが、利用方法も明確になっていな
い新しい技術について、用途も含めて開発し
ていくことで数年間のうちに実用化すること
が私の夢です。世間で騒がれているAIやIoT
も7〜8年もすれば正体が見えてくるでしょ
うし、自動運転はどこからどういう形で使う
べきものなのか――も見えてくるはずです。
IT企業の発想だけでは「自動化」という領域を
出ない。彼らは過去の蓄積を踏まえずに先の
ことだけして考えていないからです。しかし
自動車業界は過去数十年間の蓄積を背負って
います。その蓄積から先を見通さなければ答
えは出てこないと思います。
オープンイノベーションには
 法規制と規格が課題
伊 藤 トヨタ自動車は自動運転に積極的な姿
勢を見せています。
上 野 今から30年ほど前、北海道のテスト
コースに行っていた上司が「怖かった」と言いな
がら会社に帰ってきました。凍結路で5m車間

TheTRUCK2018年3月号28
での無人運転車に乗せられたらしいのです。ト
ヨタ自動車は自動運転をそれほど前からやって
いるので自動運転の怖さはいやというほど知っ
ています。eパレットの発表時にも話されてい
ますが、自動運転にはいろいろなタイプがあり
使う人や用途によって変わっていきます。であ
れば、用途に応じて適切なソフトを載せればよ
いわけです。普通の道を普通に走行する場合は
トヨタのシステムを活用する。これはすごく大
人のコンセプトだと思います。30年も前から
実験を重ねてきた結果でしょう。
伊 藤 自動運転の話も含めて、これまで個別
に最適化してきたものを一度見つめなおし、新
しいことをやるために再統合していかなければ
ならないフェーズに入っていると思います。上
野代表のコンセプトにある変身するeパレッ
トのような車両が出てくるようになると、既存
の道路運送車両法や道路交通法では対応できま
せん。そこで本来であれば会社の枠組みを超
え、行政も巻き込みながら新しいことに挑戦す
る形を作らなければなりませんが、残念ながら
そういう挑戦は海外のほうが起こしやすい状況
にあります。
上 野 確かにそうですね。道路三法および
関連関連諸法と呼んでいますが、道路運送法、
道路運送車両法、道路交通法とそれに関連す
る法律が100本くらいあり、モビリティに関
して新しいことに挑戦しようとするとこの法
律との関係が必ず発生しますね。また案外語
られていない重大な問題として「規格」があり
ます。端子一つ、部品一つのレベルでも規格
への準拠が求められ、その規格を決めている
協会を紐解くと大手メーカーのトップから管
理職までが関与する形になっています。その
構造はどの分野でもほとんど同じです。そう
いう仕組みを変えないとイノベーションなど
あり得ないと思います。
伊 藤 規格の話は自動運転にも大きく影響
しますね。これから自動運転車が走行するよ
うになると、過去の走行実績に危険な走行パ
ターンがあった場合は次に通過する車両はそ
の履歴を踏まえて学習しながら走行するとい
う仕組みが必要となってきます。となると、
自動運転車が走行する際に必ず参照しなけれ
ばならないデータベースを作り、メーカー
や車種に関係なくすべての自動運転車はその
データベースの履歴を学習しな
がら走行することが求められる
ようになります。こういう規格
づくりはどうしてもドイツなど
の海外が先行してしまい、日本
メーカーは最終的に海外の規格
を使わざるを得ないという結果
になりかねないと懸念していま
す。ドイツではメーカーから大
学に行き、そしてメーカーに戻
るということもできますし、車
作りのすべてを理解したうえで
ルールを作るといったことがで
きます。終身雇用などで人材の
The Next Vehicle World
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TheTRUCK2018年3月号29
流動性が低い日本ではこういうことがなかな
かできません。
上 野 そこは日本の悪しき文化かもしれませ
んね。大学、メーカー間の行き交いが自由にで
きるようになると相当変わっていくものと思い
ます。eパレットではトヨタ自動車はあれだけ
の企業とアライアンスを組んでいますが、そう
やっていろいろな業種のいろいろな力を集める
オープンな姿勢は大切だと思います。かつてカ
メラを作ろうとして電機メーカーさんに話を持
ち込んだ際にわかりましたが、彼らはものすご
い自前主義です。まじめな研究者が良い研究を
しているとできるだけその成果を取り込もうと
します。それは自社で作りたいからです。でも
本当はオープンにしたほうが圧倒的に良い成果
が出ると思うのですが。
伊 藤 仰る通りですね。泥棒しようとする人
たちがいそうなところでオープンイノベーショ
ンを行おうとすると、技術や成果を盗られるこ
とを恐れて何もできなくなります。国家プロ
ジェクトがまさにそうです。公平性を前提にプ
ロジェクトを管理するため、他社の成果発表を
そば耳立てる人が他チームにいて、お金までも
らってしまうと良い成果は生み出せなくなりま
す。真のオープンイノベーションを実現するた
めには、熱意やアイデアを持っている人たちが
しがらみに関係なく新しいことを産み出せる環
境が絶対に必要です。グーグルのような会社
はそういうことを完全なユーザー目線でトライ
できるからこそプラットフォーマーになれてい
ると思います。
 10年以上前にグーグルを訪問した時にグー
グルが自ら電話番号を振るという構想を聞きま
した。ある人に電話を掛けたいだけなのになぜ
自宅、オフィス、携帯番号など複数の番号を使
い分ける必要があるのかというところから発想
が始まり、すべての番号に紐づいた番号をグー
グルが提供すればその番号にかけると同時にす
べての電話が鳴り、ユーザーは最も便利な電話
から応答するだろうという構想でした。NTT
の中でそんな構想を考えていたという話は聞い
たことがなかったので、そういうところから
ユーザー目線で取り組み、具体的なサービスま
で持っていけるグーグルの凄みを感じた記憶が
あります。通信やインターネットビジネスは
ユーザー目線を徹底したアメリカのITジャイ
アントに依存せざるを得なくなりましたが、自
動車業界がそうなってしまうと日本の稼ぎ頭が
無くなってしまうと懸念しています。しかし、
本日は上野代表のお話を伺って、ユーザー目線
を徹底的に追求した自動車ディーラーが出てく
ればそういう懸念は払しょくされると感じまし
た。最終的には自動車ディーラーの看板もいら
なくなりそうですね。
上 野 KTグループという持ち株会社にした
のはそういう理由からです。大風呂敷を広げて
いくと、自動車ディーラーという看板があらゆ
る事業の一部になっていくと思っています。
伊 藤 そこまで考えたうえで持ち株会社にさ
れたとは本当にすごい発想力ですね。本日はど
うもありがとうございました。
上野健彦
(うえの・たけひこ)/1982年慶
応義塾大学卒業後、神奈川トヨタ自動車入
社。1985〜1989年、トヨタ自動車に出向。
1989年神奈川トヨタ自動車取締役。2000
年社長。2007年会長。2008年KTグルー
プ会長兼社長に就任。

全国から727名が出席して開催の29年度全国大会
TheTRUCK2018年3月号30
全日本トラック協会・青年部会
『変革への挑戦』
をテーマに平成29年度全国大会を開催
白熱したパネルディスカッションを展開
 全日本トラック協会・青年部会は2月22日、都
内のホテルで『変革への挑戦』をテーマに、727人
の若手経営者が出席して、平成29年度全国大会
を開催した。
 大会の中では「働き方改革と生産性向上につい
て」〜長時間労働抑制に向けて〜と題して、二社
が事例発表しパネルディスカッションを行った。
☆  ☆  ☆  ☆  ☆
 事例発表の一社、株式会社柳川合同(福岡県ト
ラック協会)の荒巻哲也社長は、およそ以下の発
表を行った。
《長距離便の時間短縮》
◎走行時間の短縮化、充分な休息の確保、ストレ
ス軽減など、事故防止(労務管理)を徹底するた
めに、300㎞以上の輸送は、全線高速道路を利
用(平成21年9月から実施)
《他社と連携した輸送の効率化》
◎国土交通省の実証実験では、幹線ルート別に各

開会の挨拶をする山本明徹青年部会部会長
挨拶する須藤弘三全ト協副会長
TheTRUCK2018年3月号31
拠点の到着時間を設定し、ドライバーによる車両
への乗換えを実施。
◎幹線ルート「福岡⇔広島⇔姫路⇔浜松⇔埼玉」
の輸送ルートでは3拠点を設定、ドライバーの労
働時間については、改善基準以内の労働時間に
よる輸送が実現。
《モーダルシフト認定》
◎家具・雑貨などの輸送をフェリーを利用した海上
輸送(門司⇔大阪南港間)へシフト。成果とし
て、CO
排出量44%削減、ドライバー運転時
間17,955時間/年。
《中継輸送》
◎同社グループの事業所拠点を活かし、中継輸送
を検討。
◎これまでのノウハウを活用して各種課題を解決。
《安全意識向上への取組み》
◎ドライバーの安全意識向上に向けて、燃費表彰、
デジタコ表彰、改善基準無違反表彰等を実施。
☆  ☆  ☆  ☆  ☆
 事例発表二社目は、菱木運送株式会社(千葉県
トラック協会)の菱木博一社長。発表の主なポイン
トは以下の通り。
《適切な労務管理の実現=改善基準告示の遵守・
長距離便の時間短縮》
◎改善基準告示が複雑:ドライバーが面倒な計算を
行い、遵守に必要な情報を導き出しながら日々
運行することが、現実的には困難。
◎実際の現場では実現が困難:運行指示書を頼り
に運行しても、渋滞や荷積み・荷降ろしの待機
時間等によって、運行計画が無意味化。
◎運行管理者による運行後の指導では解決できな
い:ドライバーへの運行結果に対して違反項目を
指摘する従来の指導では効果なし。
《改善基準告示を遵守するには?》
◎リアルタイムの時間情報がわかるデジタコを段階
的に開発・導入した。
《システム導入だけで効果はない!→運用の工夫》
◎固定残業代を含め、320時間分の給与を支払い
→ドライバーは実質320時間の仕事をしなくて

事例発表をする㈱柳川合同の荒巻哲也社長(左)と菱木運送㈱の菱木博一社長
コーディネーターの小坂真弘社長
TheTRUCK2018年3月号32
も、自ら早く終わらせて帰宅できるようにする(自
主的に生産性を向上させ、労働時間を削減する
仕掛け)
◎社長自らが配車をし、時間超過等の問題があれ
ば、取引先に直接電話連絡し、交渉←取引先と
の信頼関係が盤石。
◎取引先とも出発・到着の時間など、運送条件に
ついて話合い、条件の見直しを実施。
◎車両、業務を増加させない方針のため、業務時
間を長時間化して対応する必要がない。
《システムの導入効果》
◎改善基準告示の遵守
◉ドライバー自らが時間管理をするようになった。
◉自発的対応が遵守率100%へ導き、労働時間

パネリストの面々
TheTRUCK2018年3月号33
の短縮に直結。
◎交通事故の削減
◉適切な労働時間での運行は、交通事故の削減に
大きな効果。
◉導入前は月に1件、現在は物損事故も含めて年
に1〜2件。
◉自動車保険料も削減
◎適切な運行を行うためのお客様との交渉→交渉
成功
◉運行状況(拘束時間残、休息時間残、運転時間
残など)をリアルタイムに把握出来ることから、
お客様に対して改善内容を具体的にタイムリーに
申し入れできるため、協力が得やすくなった。
◎ドライバーの定着率が改善
◉徹底した時間管理はドライバーと家族にも安心を
与えている。
◉実際、平均勤続年数は14.3年。
◉必要な運転者数は確保できており、募集しなくて
も口コミにより、転職の問い合わせ多数(社員満
足度が高い仕組みづりが奏功)
☆  ☆  ☆  ☆  ☆
 事例発表の後、日本PMIコンサルティング株式
会社の小坂真弘社長のコーティネーターで白熱した
パネルディスカッションが展開された。
 パネリストは岩田亨也氏(東ト協)、米田勝紀氏
(富山県ト協)、虎谷勝之氏(和歌山県ト協)、河
合智哉氏(岡山県ト協)、松木一史氏(熊本県ト協)
の5名。

世界のトラックショー研究
B4館エントランス。円形に配置された展示館の東半分がB
ブロック、B1からB6が半円形に配置されている
B4号館内配置図。出展企業はプレス向け
資料で83社だが、グループ内企業を分解す
ると更に数は増える。主としてサプライヤーに
割り当てられていた
B4号館・出展企業83社
 B4号館には特装車・コンポーネントサプラ
イヤーなどが集中出展していた。グローバルブ
ランド商品も見られたし、多くの地場商品も
 驚異的なスピードで急成長し、世界第一の自動車市場となった中国。
現地取材によるトラック及び特装車の数々に加え、中国政府が大きく
舵を切ろうとしている電動(EV)化への対応の拡がりなどを追加して報告
する。また、筆者が信頼すべき筋から入手した中国国内の最新販売
実績の詳細データを分析し、企業グループの特色を概観する。
中国国際商用車展覧会
CCVS2017
@武漢
(第3回)
併・最新販売実績を読み解く
西襄二
TheTRUCK2018年3月号34

同じブランド架装の車載
フルトレ。トラットラクタ
は日野車だ
上海汽車工業集団に属する架装メーカー中集車両CIMC
ブランドを冠するカーゴ用フルトレ。CIMCは広東省深圳
市に所在する海上コンテナメーカーの最大手で、ボディ架
装工場も傘下に保有する。この場合のトラックトラクタは
IVECO(中国)社のシャシに架装。パレット荷役は意識し
ていない? 連結を解かずに側面ドアを利用する手積みか
大型フルトレ4題
 大量輸送を支える一方の手段はフルトレーラだ。
 先ずご覧頂くのは、温度管理車に連結された簡易
断熱仕様フルトレ車の編成だ。連結と離脱は行わな
い使い方のようだ。
 次に紹介するのは車載車の3台。これも通常の
稼働時は離脱操作は行わない運用だろう。誌面の
関係で一部の代表製品しか紹介できないが、大量
輸送にフルトレが活用される場面が増えていることを
示している。但し、統計上の分類は未だ行われてい
ない(後述)
TheTRUCK2018年3月号35

世界のトラックショー研究
中集車両CIMCによる45フィー海コントレー
ラ。見慣れた構造だ
こちらもCIMCによる車載フルトレ。トラックトラクタはFAW中国第一汽車集団による。架装自体は、いずれも比較的単純構造の車載車架装だ
大型セミトレ6題
 大量輸送を支える他方の手段はセミトレだ。こちら
は統計上の分類項目で表記がある。
 輸出入で欠かせない国際海上コンテナの輸送に供
されるのは一般に呼ばれるコンテナシャシーだが、展
示されていたのは45フィート用である。見慣れたフ
レーム形状だ。
 カーテンサイダー型、ウィング型、ステーキ型など
の側面荷役トレーラも多種が見られた。タンク型も多
彩だ。
TheTRUCK2018年3月号36

同じく中集車両CIMCによるカーテンサイダー。ロックロッドを内装した後部ドアデザインは最先端だ。リヤドアに施された文字
表記は納入先運輸企業を表している
同じく中集車両CIMCによるウィングボディ。コスト的な制約?の為か板厚の薄い内張りで見栄えはご覧のとおりだが、外観は一定水準にある
中集車両CIMCによる粉粒体タンつトレーラ。外面の表示は納
入先運輸企業名
山東省に所在のShandongLuoxiangAutomobileManufacturingCo.Ltd.(簡
体字表記はご覧のとおり)によるステーキ仕様セミトレ。一般的には酪農用途を想起
するがどうだろうか
TheTRUCK2018年3月号37

世界のトラックショー研究
軍民融合応急物流企業連盟と読める側面表示から、用途は想像できる
永強汽車YQVehicle社によるタンクセミトレ。強度をウリしてデザインされた立て看板が強く印象に残った
脱着ボディ
 何でもあり、のCVCC会場の一角に脱着ボディの
展示も見られた。
サプライヤー
 従来の自動車を構成するコンポーネントは、エンジ
ン、トランスミッションなどのパワートレーンに始まり、
アクスル、サスペンションなどのシャシ関係、荷役に
関係する油圧装置類、積荷の品質保持の為の温度管
理機、そして各種制御システムなどに代表される。こ
うしたコンポーネントは専門メーカーで基本形が開発
され、自動車メーカーの要請でカスタマイズ(個別仕
様化)が施されてサプライ(納入)される。その形態は
当地でも変わらない。
 サプライヤーの力量が高度であれば、そのブラン
で完成車の価値も上がろうというものだ。
 会場を巡ると、既に世界的に定評を得ているブラン
ドの製品が多く見られた。中国では政府の産業政策
で自国企業との合作(合弁)で運営することを原則と
し、先進技術の導入と早期定着を促し、もって品質
とコスト面での競争力を付けるのが一般的だ。
 一方で、地場のブランドで世界的ブランド製品への
TheTRUCK2018年3月号38

㈱矢野特殊自動車が合作(技術指導)しているAnhuiKaileSpecialVehiclesCo.,Ltd.(簡体字表記はご覧のとおり)の温度管理車。搭載している温度
管理機はUnfreezeブランドだが注視するとDENSOのブランドが並記されている。㈱デンソーとの合作製品と言えよ
キャッチアップを目指すサプライヤーがあるのも現実
の動きだ。ローカルブランドを冠した小・中型の温度
管理機などはその類いと言える。
 大型温度管理機はグローバルブランドがやはり強
い。国産化しているか、については残念ながらサー
モキング社としての出展ブースは見当たらなかったの
で会場での確認ができなかったが、筆者の調査では
主要なユニット部品を含む相当部分について国内製造
を行っている模様である。
TheTRUCK2018年3月号39

世界のトラックショー研究
ローカルブランドの温度管理機。技術提携(合作)先があると推察されるが具体的なところは不詳
FUWAブランドのレーラ用車軸、サスペンション部
品。1997年創業で世界一の規模を誇ると企業紹
介には記載されている
TheTRUCK2018年3月号40

URUANは地場の製造・サプライヤーだ。レーラ用サスペンションなど
展示した
FUWAと隣接するブースには独BPW社の出展が見られた。広東省梅州に本拠を置く現地法人の出展。スーパーブランドであるこを誇示している
CADROは深圳市に立地している地場企業としてウングボディの開閉機構、ゲートリフト装置などを出展した
JOSTも自他共にグローバルブランドを誇示するサプライヤーだ。M&Aでグループに取り込んだROCKINGER、TRIDEC、Edbroなどの機能製品も展示した
HENDRICKSONもグローバルブランドとしてレーラ用サスペンションなど
出展した
TheTRUCK2018年3月号41

世界のトラックショー研究
湖北三環鍛圧は各種の鍛造、プレス機械のメーカー。地味な製品であるが車体メーカーには関係の深い設備だ
Binottoはイタリーの油圧シリンダーメーカーで、今
回の出展は100%出資の現地法人で参加した。
多段式油圧シリンダーで大型ダンプのティピングに
供される
Hyvaはオランダで創業した油圧機器メーカーで、今回は江蘇省にある現地拠点現地合作社が出展した
TheTRUCK2018年3月号
42

ARANNOVIREVERBERI
は1958年にイタリアはモデナ
で創業したダイヤフラムポンプ
やスプレイ機のメーカー
峡西重型商用汽車は峡西省西安市に本拠のある峡西汽車集団に連なる架装メーカー。(表1)を参照すると峡西汽車集団として年間約19万台(2017年)
の架装を行っている。出展車から見る限り小型車系に実績が多いようだ
当社は電気式リターダーメーカーで水冷式を特長としている。車輌の電動
化の動きの中で、発電機能を単に放熱させるだけでなく充電にも利用する
研究も行っている由
小型温度管理車が多数出展されていた。いすエルフ車に極似のキャブデザ
ンだが関係は不詳
TheTRUCK2018年3月号43

世界のトラックショー研究
中国重機のグループでは小型バンベースの温度管理車架装も行っている。ベース車のリヤゲートは残して内部に作り付けたインナーボディ専用の気密性の良
ドアをつけることに特長が見られる
オリジナル車の側面ドアは残って
いるが、内側の断熱ボディに
アは無い
中国重機社の架装製品として出展されていた大型温度管理車。サーモキング製品が採用されている
TheTRUCK2018年3月号
44

電動蓄冷式の温度管理方式を採用した小型トラック
東風グループの当車は独自デザインの大型車の製造を行っている。工場がことなるとエンブレムもデザインを変えるのが当地
の習慣とみる。
中型の枝肉運搬車の例。温度管理機は地場ブランド品のようだ
車両メーカーの展示
純電動車EVを見る
 会場はB3館に移動するが、東風汽車集団の一つ
である東風柳汽のブースには、将来の北米向けを意
識した(?)セミボンネット型デザインの車も含む大型ト
ラック展示が見られた。エンジンは自社製ディーゼル
だ。東風集団に属するメーカーの出展で「天翼」とい
うブランドの中型バスのEV、小型トラックのEVも見
られた。
 更に戻ってB1館の入り口直近の左手にブースを
構えていたのは吉利控股集団(Geely)に属するメー
カーで、 綺麗な仕上げの2台のEV車だった。1
台は中型のバス、もう1台は2トン積みクラスの小型
トラック(77頁)。
TheTRUCK2018年3月号45

世界のトラックショー研究
最大けん引質量40000㎏の大型セミトラクタ。東風汽車集団は乗用車も含めて
全方位の製品を持つが、商用車にウエイトがかかっていることが(表1)から分かる
当社は独特のデザインで特色を出しているーカーだが、詳細は分からない、(表1)のどこに分類されて
いるか調査中
TheTRUCK2018年3月号
46

B1号館に展示されていた純電動EVトラック(小型)
東風汽車集団のブースに出展されていた純電動中型バス
TheTRUCK2018年3月号47

世界のトラックショー研究
同じブースで見つけたEM10型EVバン
TheTRUCK2018年3月号48

写真を付けたメニューは急速に普及している。魅力的な価格ではないか。
(参考:1元≒17円)
こちらは中型トラクのEV版
閑話休題
 会場内で営業している食堂のメニューから、当地の
物価の一端が分かる。
TheTRUCK2018年3月号49

世界のトラックショー研究
 本連載の第1回(2018年1月号70頁)で世界の四
輪車販売推移(2014〜2016年)を掲載した。2016年
の中国の販売台数は2千803万台となっている。筆者が
入手した最新資料によれば、2017年の中国国内販売実
績は2千900万台を超えた(表1)。本表中、車種分類
の①〜③を乗用車、同④〜⑱を商用車とすると、商用車
割合は16.3%である。世界第一の市場である中国の国内
中国の自動車販売(2017年実績)
TheTRUCK2018年3月号50
グループ
車種①
小計台数
車種②
小計台数
車種③
小計台数
車種④
小計台数
車種⑤
小計台数
車種⑥
小計台数
車種⑦
小計台数
VW グルプTotal
3,337,826 686,848 32,172
グルプTotal(含日野)
854,597 284,346 181
GMループTotal
1,685,819 941,113 963,386 329,027 256,933
Renault日産Total
751,927 594,881 22,816
現代 起亜自動車グルプTotal
829,432 324,535
FordループTotal
594,019 238,079
ダTotal
687,537 635,242 119,963
FCA(FIATChrysler)Total
1,810 208,930
PSATotal
225,907 155,979
ズキTotal
69,053 40,795
DaimlerループTotal
248,376 187,239 21,507
BMWループTotal
304,194 91,952 126
ダTotal
193,514 121,080
吉利控股集団(Geely)Total
733,299 699,363 5,287
三菱Total
2,624 121,860
長城汽車股份(GreatWall)Total
12,243 907,308 121,474
TataループTotal
22,058 61,530
奇瑞汽車(Chery)Total
242,007 302,532 37,592 9,395 12,500
中国第一汽車集団(FAW)Total
52,813 184,559 6,977 5,399 4,455 18,601 25,949
比亜迪汽車(BYD)Total
210,666 162,650 31,539
いすTotal
3,667
力帆実業(集団)(Lifan)Total
15,850 38,088 20,768 4,438 20,796 57,130
安徽江淮汽車集団(JAC)Total
33,176 118,593 66,100 177,338
北京汽車ループTotal
113,541 390,916 226,904 22,261 51,070 319,830 646
華晨汽車集団(Brilliance)Total
72,886 95,244 61,390 49,694 17,552 32,951 575
長安汽車(集団)(Changan Chana)Total
191,575 610,281 226,888 56,369 76,482 110,360
中国重型汽車集団(CNHTCSINOTRUK)Total
96,612
東風汽車公司(Dongfeng)Total
70,711 410,954 166,750 45,857 83,393 112,800 53,671
河北中興汽車製造Total
42,300
福建汽車工業集団Total
9,621 149,098 2,660 6,320
広州汽車集団(Guangzhou)Total
40,286 471,469 562
海馬汽車集団Total
35,154 59,778 120
華泰汽車集団Total
29,663 102,848
江鈴汽車集団Total
30,101 69,041 193,314
慶鈴汽車(集団)Total
210 32,390 19,572
上海汽車工業(集団)総公司(SAIC)Total
162,365 381,235 27,240 12,215
裕隆ループTotal
2,745 12,879 1,006
中国衆泰控股集団Total
70,425 244,008 930
陜西汽車集団(Shaanxi)Total
11,954 2,122
廈門金龍汽車集団Total
107
宇通集団(YutongBus)Total
中小ーカループTotal
171,839 15,225 323 37,530 287,767 3,345
不詳Total
6,013
車種 SubTotal
11,937,820 10,286,982 2,051,752 530,133 560,711 1,632,430 105,880
車種別大分類
乗用車(車種①〜③)
小計24,276,554 (83.7%)
(表1)2017年中国国内自動車販売実績
車種分類 ①基本型乗用車(セダン・ハッチバック) ②SUV ③MPV ④微型バン ⑤微型トラック ⑥軽型トラック ⑦軽型トラック(シャシ) ⑧中型トラック
     ⑫軽型バス⑬軽型バス(シャシ) ⑭中型バス ⑮中型バス(シャシ) ⑯大型バス ⑰大型バス(シャシ) ⑱セミトレーラー

販売は未だ伸び代があるだろう。一層力を付けて輸出割
合も増えれば世界の市場動向にも影響が現れよう。今後も
注視して行きたい。3回に亘ってお届けした「中国商用車
国際展覧会@武漢」リポートは今回で終わる。
TheTRUCK2018年3月号51
車種⑧
小計台数
車種⑨
小計台数
車種⑩
小計台数
車種⑪
小計台数
車種⑫
小計台数
車種⑬
小計台数
車種⑭
小計台数
車種⑮
小計台数
車種⑯
小計台数
車種⑰
小計台数
車種⑱
小計台数
グループ
合 計
4,056,846
844 3,923 1,692 1,145,583
4,176,278
1,369,624
1,153,967
832,098
1,442,742
210,740
381,886
109,848
457,122
396,272
314,594
545 91 12 39 2 80 1,438,718
124,484
1,041,025
83,588
1,305 605,331
2,684 23,429 3,771 77,685 200 2,241 40 64 25 181,275 590,167
537 3,181 11,143 419,716
3,667
57,075 214,145
22,483 39,540 7,384 7,869 2,772 5,027 2,862 10,055 493,199
17,959 16 33,918 22,207 32,700 2,291 19 8,051 2 63,319 1,305,650
28,456 358,748
2,383 28 712 43 1,275,121
13,997 42,909 58,065 240 2,272 82,499 296,594
16,868 24,247 27,421 109,772 11,763 19,664 2,657 7,658 213 6 83,157 1,247,562
42,300
1,475 5,780 415 175,369
512,317
95,052
132,511
796 91,070 384,322
3,407 13,570 240 1,142 489 71,020
9,839 27,805 26,541 376 838 10,434 658,888
16,630
315,363
368 30,896 41,166 102,560 189,066
32,740 10,358 15,255 58,460
7,803 31,845 27,583 67,231
37,353 12 32,808 3,556 69,915 11,339 19 24,826 7 49,713 745,577
6,013
172,371 61,642 222,229 342,242 314,084 33,580 72,350 12,765 93,230 40 585,193 29,015,434
商用車(車種④〜⑱小計 4,738,880 (16.3%) (総合計)
(表2)中国のトラック車格区分
区分表示 車両全長 積載重量
微型 全長 3.5 以下 750㎏以下
軽型 全長 6 以下 750㎏超 4.5t 以下
中型 全長 6 以上 4.5t 12t 以下
重型トラック 全長 6 m以上 12t
中型トラック(シャシ) ⑩重型トラック ⑪重型トラック(シャシ) 
出典:信頼すべき民間調査機関 筆者表記及び分類加工

TheTRUCK2018年3月号54
相変わらず所狭しとびっしりとトラック群が仮眠する深夜のサービスエリア

TheTRUCK2018年3月号55
石野 潔
日本のトラック‥‥
機会があり、久しぶりに東名〜名神―中国道(山陽道)のト
ラック街道を走ったのでトラック風景を描いてみた
 夜の高速道は「新東名」に代表される各地域で高速迂回路が徐々に開通している
とはいえ幹線高速道は状況に応じて相変わらず数珠つなぎや渋滞風景が見られる。
      左絵:伊吹おろしが絶えない雪の名神「関ヶ原」付近。関ヶ原迂回路で名
古屋からは新東名〜伊勢湾岸道経由「新名神」が通っているが、やはり「名神の関ヶ原」
は小雪でも「朝方前に阪神地方へ現着」で急ぐトラック群で渋滞する。
下絵:基幹産業の自動車工場やサプライヤーが位置する東名〜名神では関連部品
を運ぶ軽量定積で燃費を重視する前輪2軸車が多くなる。
都会では個人小口の「ヤマト」が幅を利かせているが、夜の東名〜名神ではやはり
法人向け小口輸送の「西濃運輸前輪2軸車」が行儀良く数多く走る。旧「相互車両
製」で現在は「トランテックス」が製作する西濃仕様のスッキリした「スライドリア扉」
の綺麗なバン型はウイングボデー全盛の今では西濃らしく時として懐かしく想う

TheTRUCK2018年3月号56
トラックキャブ斜め後ろから‥‥
トラックを眺めるに、走行時の斜め後ろ
からの見映えも各車の特徴がある。
 最新車はモデルチェンジと称しても、
キャブ形状は変えず新型らしくないのは
商品力競合上残念である。
右絵は「プロフィア」
キャブ前面に向けて側面を絞っており、
光を受けて円筒形が感じられるが、「旧型
プロフィア“テラビ”」の方が良かった感
がある。ステップ周りは各車、欧州キャ
ブ並みの始末に近づいてきた。
下絵は中国道を往く
長距離直行便

TheTRUCK2018年3月号57
トラック荷台の後ろ姿から‥‥
前ページ描画の西濃バン同様にリア扉をフ
ラット化した「パブコ」製の「エクシオウイング」。海老ロックは欧州ボデー同様
に扉下部にビルトイン、ヒンジもサイドに
格納し扉周囲のフラット枠と合わせ
スッキリした綺麗な始末は目を引く。
中央絵はトラックらしいブロック煽り
に幌がけ姿。だいぶ少なくなった
山陽道は拠点経由のトラック便が多いが中国道は登坂
路もあり北や南への直行便利用が多い。生鮮食料積載
車や冷凍車が800L以上の燃タンを付けて走る

TheTRUCK2018年3月号58
第100回「トラック運送業界の景況感(速報)
平成29年10月〜12月期の業況判断指数は
好調な企業業績が
景況感を押し上げ
平成3年11月調査以来の水準に
 公益社団法人全日本トラック協会は、平成30
年2月9日に第100回目となる「トラック運送業
界の景況感(速報)」を発表した。
 平成29年10月〜12月期の業況判断指数(日
銀短観12月)は、堅調な世界経済を背景とした好
調な企業業績が景況感を押し上げ、5期連続で改
善、中小企業・非製造業は6期連続の改善により
平成3年11月調査以来の水準となった。
 こうしたなか、トラック運送業では燃料価格上昇
や労働力不足等によるコスト増加の影響を受け、経
常損益はやや悪化したものの、「一般貨物」では輸
送数量及び運賃・料金の水準は堅調に推移し、「宅
配貨物」では運賃・料金の水準が回復基調で推移
した。その結果、景況感の判断指標は2.2となり
前回(▲12.7)から14.9ポイント改善、平成26
年4月調査以来のプラス圏に回復した。
 なお、今後の見通しは、燃料価格上昇や運転者
の人材不足等が継続して影響することから、経常
損益は悪化傾向となることが見込まれるため、今
回から7.7ポイント悪化し、▲5.5となる見込み
である。
■【1】今回
(平成29年10月〜12月期)の状況
①概況
 業界の景況感は「好転」とした事業者は26.2%
(前回17.9%)「悪化」とした事業者は22.6%
(前回29.0%)で判断指標は2.2となり、前回(▲
12.7)から14.9ポイント改善となった。
②一般貨物
 一般貨物では、輸送数量が「減少」した事業者は
19.5%、「増加」とする事業者が33.6%で、判断
指標は12.0となり、前回(▲0.6)から12.6ポイ
ント改善した。営業収入(売上高)「減少」とする
事業者が21.6%、「増加」とする事業者が35.9%
で、判断指標は13.2となり、前回(2.0)から
11.2ポイント改善した。営業利益は「減少」とする
全ト協◇ニュース

TheTRUCK2018年3月号59
事業者が32.1%、「増加」とする事業者が23.8%
で、判断指標は▲11.5となり、前回(▲12.3)か
ら0.8ポイント改善した。
③特別積合せ貨物
 宅配貨物では、輸送数量は「減少」とする事業
者が50.0%、「増加」とする事業者が21.4%で、
判断指標は▲39.3となり、前回(3.6)より42.9
ポイント悪化した。営業収入(売上高)「減少」
とする事業者が27.5%、「増加」とする事業者が
31.0%で、判断指標は▲6.9となり、前回(0.0)
よりも6.9ポイント悪化した。営業利益は「減少」
とする事業者が41.4%、「増加」とする事業者が
27.5%で、判断指標は▲24.1となり、前回(▲
14.3)よりも9.8ポイント悪化した。
 宅配以外の特積貨物(宅配以外貨物)では、輸送
数量は「減少」とする事業者が17.5%、「増加」
する事業者が39.7%で、判断指標は22.2となり、
前回(34.0)から11.8ポイント悪化した。営業収
(売上高)「減少」とする事業者が11.1%、「増
加」とする事業者が50.8%で、判断指標は39.7
となり、前回(30.2)から9.5ポイント改善した。
営業利益は「減少」とする事業者が22.2%、「増
加」とする事業者が36.5%で、判断指標は14.3
となり、前回(▲3.8)から18.1ポイント改善した。
④運賃・料金水準
 運賃・料金水準は一般貨物12.8(前回7.4)と
5.4ポイント改善、宅配貨物は82.8(前回67.9)
と14.9ポイント改善、宅配以外貨物は52.4(前
回50.9)から1.5ポイント改善となった。
⑤実働率等
 実働率は11.6(前回▲0.5)と12.1ポイント改
善、実車率は9.3(前回▲0.7)となり10.0ポイ
ント改善し、前回と比較して輸送の効率性が向上
した。
 採用状況は▲12.8(前回▲8.2)と4.6ポイン
ト低下、採用状況は一段と悪化したことから、雇
用状況(労働力の過不足)は100.7(前回81.5)と
19.2ポイント上昇し、不足感が一層強まった。労
働力不足は、運転者等への負担増にも直結し、所
定外労働時間は1.2(前回▲12.0)と13.2ポイン
ト増加、所定外労働時間は増加傾向となった。さ
らに、人材不足により稼働可能な車両台数の減少
を補うために、貨物の再委託(下請運送会社への
委託割合)は9.3(前回6.5)と2.8ポイント増加し、
貨物の再委託が増加傾向となった。
 一般貨物、宅配以外貨物における営業利益の改
善を背景に、経常損益は▲6.4(前回▲15.0)
8.6ポイント改善、経常損益の水準が回復基調と
なった。
⑥規模別及び取扱い品目別、地域別
 事業者規模別にみると、大規模事業者は13.0
(前回▲4.1)と17.1ポイント改善、中規模事業
者は6.0(前回▲9.9)となり、15.9ポイント改善、
小規模事業者は▲8.6(前回▲21.2)と12.6ポ
イント改善した。
 一般貨物の景況感を取扱い品目別にみると、消
費関連貨物は▲1.0(前回▲11.5)と10.5ポイ
ント改善、建設関連貨物は2.4(前回▲9.4)と
11.8ポイント改善、機械関連貨物は▲3.8(前回
▲15.2)と11.4ポイント改善、その他貨物は0.5
(前回▲17.4)と17.9ポイント改善した。
 一般貨物の景況感を地域別にみると、東北、関
東、北陸信越、中部、近畿、四国、九州は水準
を上げたが、北海道と中国は水準を下げた。

TheTRUCK2018年3月号60

TheTRUCK2018年3月号61

TheTRUCK2018年3月号62

TheTRUCK2018年3月号63

TheTRUCK2018年3月号64

TheTRUCK2018年3月号65
■【2】今回
(平成30年1月〜3月期)の見通し
①概況
 業界の景況感の今後の見通しは、▲5.5(今回
2.2)と7.7ポイント悪化する見込みである。
②一般貨物
 一般貨物では、運賃・料金の水準が16.3(今回
12.8)と3.5ポイント改善するものの、輸送数量は
3.1(今回12.0)と8.9ポイント悪化することから、
営業収入(売上高)は2.6(今回13.2)と10.6ポ
イント悪化するため、営業利益は▲18.3(今回▲
11.5)と6.8ポイント悪化する見込みである。
③特別積合せ貨物
 宅配貨物では、運賃・料金の水準が72.4(今
回82.8)と10.4ポイント悪化するものの、輸送数
量が▲17.2(今回▲39.3)と22.1ポイント改善
することから、営業収入(売上高)は27.6(今回▲
6.9)と34.5ポイント改善するため、営業利益は6.9
(今回▲24.1)と31.0ポイント改善する見込みで
ある。
 宅配以外貨物では、輸送数量は28.6(今回
22.2)と6.4ポイント改善するものの、運賃・料金
の水準が47.6(今回52.4)と4.8ポイント悪化す
る影響を受け、営業収入(売上高)は36.5(今回
39.7)と3.2ポイント悪化、営業利益は6.3(今回
14.3)と8.0ポイント悪化する見込みである。
④運賃・料金水準
 運賃・料金水準の今後の見通しは、一般貨物
では3.5ポイント改善(今後16.3)、宅配貨物は
10.4ポイント悪化(今後72.4)、宅配以外貨物は
4.8ポイント悪化(今後47.6)する見込みである。
⑤実働率等
 実働率は0.2(今回11.6)と11.4ポイント悪化、
実車率は0.2(今回9.3)と9.1ポイント悪化する
など輸送効率は悪化する見込みである。
 採用状況は▲12.6(今回▲12.8)と今回とほ
ぼ同様の水準の見込みであることから、雇用状況
(労働力の不足感)は110.5(今回100.7)と9.8
ポイント上昇し、一段と人材不足感が強まる見込み
である。
 所定外労働時間は▲9.1(今回1.2)と10.3ポ
イント減少する見込みであり、貨物の再委託は4.7
(今回9.3)と4.6ポイント減少する見込みである。
経常損益は、燃料価格上昇、運転者人材の不足
等の影響から、▲14.7(今回▲6.4)と8.3ポイン
ト悪化し、経常損益の水準は落込む見込みである。
⑥規模別および取扱い品目別、地域別
 事業者規模別にみると、大規模事業者は10.0
(今回13.0)と3.0ポイント悪化、中規模事業
者は▲1.8(今回6.0)と7.8ポイント悪化、小規
模事業者は▲18.8(今回▲8.6)と10.2ポイン
ト悪化と、事業規模を問わず水準を下げる見込み
である。
 一般貨物の景況感を取扱品目別にみると、消費
関連貨物は▲2.9(今回▲1.0)、建設関連貨物
は▲8.3(今回2.4)、機械関連貨物は▲11.5(今
回▲3.8)、その他貨物は▲11.0(今回0.5)と、
全ての取扱品目において、水準を下げる見込みで
ある。
 一般貨物の景況感を地域別にみると、全ての地
域において水準を下げる見込みである。

TheTRUCK2018年3月号68
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 47都道府県に設置されたトラック
輸送の取引環境・労働時間改善協議
会は、昨年度から2年間でパイロッ
ト事業を実施している。それ以外に
も、東北6県は荷主懇談会の開催、
静岡県は荷主向けリーフレットの作
成、大阪府は荷主からの高速料金収
受状況の調査を行うなど、荷主を巻
き込んだ活動が進行している。
 東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・
山形福島)は、トラック協会労働局
運輸支局共催により荷主懇談会を開
催している。労働局から時間外労働
の上限規制(労働基準法改正案)や改
善基準告示、運輸支局は貨物自動車
運送約款や荷主勧告制度の改正につ
いて説明。一部の会場では公正取引
委員会が下請法の説明も行った。
 静岡県は、トラック協会が労働局・
運輸支局・農政局・経済産業局・県
後援により荷主向けリーフレッ(写
真)を作成。荷積み・荷卸しの際の待
ち時間、検品・仕分けなど契約外の
付帯作業がドライバーの負担になって
おり「ドライバーの労働条件改善に協
力を」求める内容で、商工会などを通
じ配布を計画している。
 大阪府は、距離別の高速道
路使用状況と荷主からの高速
料金収受状況を調査。高速道
路の使用は、100キロメート
ル未満は39%だが、101〜
200キロメートルは82%、
201〜300キロメートルは
97%。しかし、料金を収受し
ている割合は、201〜300
キロメートルは48.5%、301
〜400キロメートルは68.3%
だが、それより長くなると減る
傾向にあり、401〜500キ
ロメートルは48.1%にとどまっ
ている。
 全体では約半分が収受して
おらず、高速道路を使用することでド
ライバーの労働時間が減ることを訴え
ていく。
 22日に開催された中央協議会
で、全ト協の辻卓史副会長は「約款を
浸透させることが課題。改善基準告
示の存在も荷主にあまり知られていな
い。北海道では荷主にダイレクトメー
ルを送り、周知活動をしていると聞
く。近畿でも運輸局に要請していく」
と述べ、取引環境の改善に注力する
姿勢を示した。
 無人航空機(ドローン)の飛行に関
する国土交通省と経済産業省の検討
会は21日、第3回物流分科会を開
き、2地点間目視外飛行を行う際の
注意事項を審議した。
 注意事項には、飛散防止カバーな
ど落下した荷物による損傷を軽減す
る装置を備えること、重量バランスの
変化に応じたピッチ制御など機体制御
機能を持つこと、過積載センサーな
ど過積載を防止することのほか、損
傷を軽減する梱包方法の採用、賠償
主体間の責任の整理なども求めた。
 注意事項は、28日に審議予定の
物流用ドローンポート利用ガイドライ
ン案に反映させるとともに、今春改
訂する航空法にもとづく飛行許可・承
認の審査要領に盛り込む。さらに、
来年度実施予定の過疎地域での配送
実用化推進事業(調査・実証)の中で
も注意事項の確認を行う。
 物流分科会は来年度以降、多地点
間・複数機運航、災害時、第三者上
空それぞれのケースについて、安全
や品質をクリアするために求められる
要件を検討する。
 なお、来年度実施する配送実用化
推進事業により、山間部などニーズ
の見込まれる地域でドローンによる荷
物配送を実現。その後も目視外飛行
や第三者上空飛行など高度な飛行を
可能とする技術開発と制度的対応を
進め、2020年代に人口密度の高い
都市でも安全な荷物配送を実現する。
損傷軽減機能求める
2地点間飛行の要件整理
ドローン

TheTRUCK2018年3月号69
提供:運輸新聞
ロータリーピースソーター
黒川久社長
 日立物流は、メディカル関連事業
の拡大に伴い、19日から「関西第二
メディカル物流センター(兵庫県三
田市)」を稼働した。
 同センターは、次世代省人化セン
ターの実現に向け、無人フォークリフ
ト、ロータリーピースソーター(順立
機)、現場可視化システムなど、さま
ざまなスマートロジスティクスの新技
術を実装。GDP(医薬品の適正流
通基準)に準拠したメディカルプラッ
フォームセンターとして、温度管理、
セキュリティ管理(静脈認証ほか)
ドックシェルター設置(31カ所)など
を行うとともに、顧客の
BCP対応として、自家
発電設備の導入や免震構
造を採用。休憩室には無
線LAN環境を整備し、
化粧室の内装を充実させ
るなど快適な職場環境を
整えている。
 舞鶴若狭自動車道三田
西ICから約1.5キロメー
トルに立地。敷地面積約2万5900
平方メートル、鉄筋コンクリート造4
階建て、延べ床面積約4万4500
平方メートル。空調設備、保冷庫、
垂直搬送機6基、貨物用EV2基、
ペストコントロールなどを装備。
関西に次世代
メディカル物流C開設
日立物流
 押入れ産業は22日、東京・千代
田区のKKRホテルで2018年度全
国加盟店経営者大会を開催、全国の
加盟店から70人強が参加した。
 黒川久社長の開会あいさつに続
き、2017年度の活動報告、2018
年度の活動計画を承認、活動テーマ
「顧客ニーズに対するサービスの
提供」に決定した。
 順天堂大学医学部特任教授の奥
村康氏が研修講演した。免疫学の権
威である奥村氏は「不良長寿」の演題
で、ストレスをためると健康を害する
ことや、ヨーグルトで免疫力を高める
効果などを紹介した。
懇親会の冒頭、古川浩延専務は「顧
客目線でお客様が求めていることを
ソリューションとして提供し、トランク
ルームのパイオニアとして世の中に
貢献したい」と述べ、乾杯の音頭を
とった。
 大会後、黒川久社長が記者会見
し、2月1日から新年度となるが、
17年度は増収増益となる見込みと発
表した。事業別ではコンテナ事業(コ
ンテナ稼働台数)が5622台で前年
比1.2%減、文書保管事業での在庫
数実績は8.1%増、レンタル収納ス
ペース事業は4店舗新設で21.3%
増の稼働室数となった。
 コンテナ稼働台数が微減となった
要因として、「利用目的の固定化、他
社の屋外コンテナとの競合、熊本地
震などの震災需要の鎮静化がみられ
た」と分析した。
 新年度の最重点施策は、コンテナ
事業の新サービス投入。従来のトラ
ンクルーム単位ではなく、預かる荷
物を段ボール単位など細分化しなが
ら、ユーザー自身が契約倉庫まで持
参・引き取りするもの。ユーザーのコ
ト負担を抑え、底上げを狙う。
 同サービスの専用サイトを強化す
る。Webのみで、予約や決済など
を完結。5月開始に向けシステム構
築中で、自動車用タイヤからサービ
スを開始、ほかの荷物へも順次広げ
ていく計画。
 コンテナ事業では高いニーズのあ
る業種へ営業強化するなどテコ入れ
を行い、新年度は3・6%増を目指
す。文書保管事業は2%増、レン
タルスペース事業は4店舗増設の
56%増を目標に設定。
 海外物流施設研修会は7月に行
い、ベルギー、オランダ、ドイツ、
フランスを視察する予定。
 黒川社長は「顧客目線と市場と
の対話を
キーワード
に、顧客
属性デー
タ収集と
活用を行
い、マー
ケティング
を強化して
いきたい」
と述べた。
マーケティング強化
       
17年度は増収増益
押入れ産業
全国加盟店
経営者大会

TheTRUCK2018年3月号70
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
 長良川鉄道とヤマト運輸は21日
から、岐阜県関市の関駅と郡上市の
美並苅安駅の区間で、全国で初め
て、鉄道にヤマト運輸の社員が同乗
せず、無人で乗客と宅急便を混載す
「客貨混載」を開始した。同日、
関駅で長良川鉄道の日置社長、ヤマ
ト運輸中部支社の西出支社長、美
濃市の武藤市長らが出席し、出発式
を行った。
 両社は昨年11月、同区間で、ヤ
マトの社員が長良川鉄道に同乗する
形で客貨混載の実証実験を実施。そ
の結果、セールスドライバー(SD)
の1日の走行距離が約24キロメー
トル削減し、運転時間の削減や夜間
業務の圧縮により1日あたり約2時
間の時間削減効果が得られ、CO
排出量を抑えることで環境負荷の軽
減にも一定の効果がみられた。また、
乗客がいる状態でも作業の安全性を
十分に確保できたため、今回、本格
的な運用を開始したもの。
ヤマト運輸岐阜ベース(関市)から郡
上支店(郡上市)間の、宅急便の幹
線輸送の一部を長良川鉄道の列車で
輸送する。運用フローは①岐阜ベー
スから関駅まで荷物を輸送②関駅で
列車に、駅係員が宅急便を積載③列
車が関駅を発車(午後1時16分)
し、美並苅安駅まで客貨混載で輸送
④列車が美並苅安駅に到着(午後1
時55分)し、ヤマト運輸SDに荷物
を引き渡し⑤SDが集配車両に荷物
を積載し、郡上市美並町の届け先へ
配達。
SDが集配地域に滞在できる時間が
増えるため、当日発送の集荷締切時
間が延長されるなど、サービスをより
便利に利用できるようになる。
鉄道を利用し全国初の
無人での客貨混載開始
長良川鉄道
ヤマト運輸
 自動車運送事業の働き方改革の一
環として、警察庁は各都道府県警察
に、貨物集配中の車両を駐車規制
の対象からはずす具体的な場所(エ
リア)を検討するよう20日に通達し
た。国土交通省は、乗務時間など過
労防止違反が認められた車両に対す
る行政処分を引き上げるため、20
日からパブリックコメント(意見募集)
を開始した。
 警察庁は、通達の基本的考え方と
して「駐車規制が交通の安全と円滑
を確保する上で、必要最小限のもの
となるよう」積極的な検討を行うこと
を求めた。
 同庁は、2007年に「物流の必要
性への配慮」について通達している
が、今般その取り組みを一層推進す
るためとして「貨物自動車運送事業者
団体などからの要望が実際に出され
ている場所から検討を進めることが肝
要」とし、具体的には「集配に相当な
時間を要する集合住宅・中高層オフィ
スビルなどの建物の付近、中低層の
小規模ビルなどが密集する市街地な
ど、貨物集配中の高い路上駐車需要
が認められる場所」を重点的に選定す
るよう求めた。
 駐車規制の対象からはずすのは「貨
物集配中の車両」に限定し、対象車
両が駐車できる時間帯は「一定の時
間帯」に限定することとして
いる。
 見直しにあたっては、地
域住民へ十分な説明を行う
(地域住民も見直しの受益者となる
ため)、すべての駐車需要に対応す
ることは困難なため、自治体に対して
駐車施設の付置義務条例を整備する
こと、共同住宅やビルに集配車両の
駐車場所確保を働きかけることも求め
た。
 2020年度末までに見直しが完了
するよう計画的な実施と不断の見直し
都道府県警察に促す
20年度末までに完了を

TheTRUCK2018年3月号71
提供:運輸新聞
Facebookのスクリーンショット
松田社長と優勝した兼久選手
昨年優勝の秋山さんによる模範演技
を行うことも加えた。
5月から過労防止
違反の処分を強化
 過労運転に対する行政処分は、車
両停止処分量定を2〜4倍に引き上
げることにした。
 具体的には、乗務時間告示違反は
現行20日車を40日車へ、健康診
断未受診は、現行の半数以上未受診
10日車に対し、2人未受診で20日
車、3人以上40日車、社会保険未
加入は現行一部未加入10日車、す
べて未加入20日車に対して、1人
未加入警告、2人20日車、3人以
上40日車とする。
 車両を停止させる車両数の割合
は、最大で保有車両数の5割まで引
き上げる。例えば10台保有の営業
所が150日車の停止処分を受けた場
合、現行2台75日車を5台30日
車停止とする。
 3月21日まで意見募集を行い、3
月中に通達。5月1日から施行する。
 DHLジャパンは、ラグビーワー
ルドカップ2019(RWC2019)
日本大会を応援し、19日に公式
Facebookをオープンした。
 日本大会のオフィシャルロジスティ
クスパートナーを務めるDHLならで
はの情報をリアルタイムに発信し、
日本初アジア初の世界的スポーツイ
ベントの開催機運の盛り上げをバック
アップしていく。
 また、公式ページとしてDHLに
愛着を持ってもらい、DHLが提供す
る国際エクスプレスサービスの利便
性への理解を促すことがねらい。
 掲載情報は、RWC2019日本大
会、RWC2019に関するDHLの取
り組みや動画および写真、DHLの
会社情報、貿易の豆知識など。
 DHLは、前回大会(2015年)
もオフィシャルロジスティクスパート
ナーとして、世界各地から英国・イン
グランドへの、大会やチーム装備一
式の輸送を担っている。
DHL、公式フェイスブックをオープン
ラグビーワールドカップを応援
 ニチレイロジグループ本社は、第
2回全国フォークリフト運転競技大
会を17日にトヨタL&Fカスタマー
ズセンター東京(千葉県市川市)で開
催。全国の地区予選を勝ち抜いた
16人が日頃の技を競い、200人を
超える家族や同僚が見守った。
 開会式の冒頭、松田浩社長は「労
働環境の向上が最大の経営課題であ
り、目下働き方改革に着手している
が、安全が確保されて初めて実現で
きる」と述べ、安全第1に立ち返る
ため、昨年から全国大会に拡大した
と説明。「物流がマヒすると食料が届
かなくなる。物流はミスなし、安全で
成り立っている」と、安全意識の重要
性を改めて強調した。
 競技は、冷蔵室エリアを想定して狭
い空間でフォークリフト(リーチ式)
取り回さなければならない、かなり難
易のコースを設定。安全確認は必須
だが、あまり時間をかけすぎると6分
30秒の制限時間をオーバーすること
になり、キビキビした動きも必要となる。
 技能点数200点、審査員点70
点、学科試験30点の合計で評価
し、優勝はロジ関西咲洲DC勤務の
兼久雄弥選手(吉川運輸)、準優勝
にキョクレイ大黒DC勤務の中村勝
彦選手、第3位にロジ関西咲洲DC
勤務の小川敏栄選手(吉川運輸)
輝いた。また、NKトランス新座TC
勤務の熊倉由香選手(NKトランス)
に審査員特別賞が贈られた。
物流は安全で成立つ
     
兼久選手が優勝
第2回フォーク
リフト全国大会
ニチレイ
ロジ

TheTRUCK2018年3月号72
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
新倉庫イメージ
車両贈呈式の様子
車両左側面
 日本通運の現地法人、NEXロジ
スティクスインドネシアは、西ジャワ
州ブカシ県にあるゴーベル工業団地
で新倉庫建設の地鎮祭を1月24日
に行った。開業は来年3月を予定。
 新倉庫は、敷地面積7万9143
平方メートル、延べ床面積4万
8480平方メートル。鉄骨・鉄筋コン
クリート造、平屋(一部2階)建て。
冷凍・冷蔵・定温倉庫のほか、高床
ホーム、両面接車バースを備える。
24時間警備を実施。
 埼玉県トラック協会から埼玉県特別
機動援助隊(埼玉SMART)の登録
機関(埼玉DMAT)への車両贈呈式
が15日、さいたま市の埼玉県危機
管理防災センターで行われた。
 寄贈車両は2台で、獨協医科大
学埼玉医療センター(兵頭明夫病
院長)、さいたま市民医療センター
(加計正文院長)に各1台贈られる。
DMAT隊員が乗車するほか、AED
や各種医療器具・医薬品など、災害
現場において使用する資機材を搭載
 日本通運は、同社が東京ディズニー
ランドで提供しているアトラクション
「イッツ・ア・スモールワールド」がリ
ニューアルオープン(4月15日)を迎
えるのを記念して、2月12日からラッ
 ゴーベル工業団地は、ジャカルタ
中心部に隣接し、主要港であるタン
ジュンプリオク港、スカルノ・ハッタ
国際空港に近い。
 インドネシア
は、中間層によ
る耐久消費財の
活発な国内消費
が期待されてお
り、ジャカルタ
都市部での販売
網強化が求めら
できる。
 2011年から交通安全対策の一環
として車両の寄贈を始め、今回で7
回目。寄贈車両は合計19台になる。
 あいさつに立った埼ト協の鳥居伸
雄会長は「寄贈車両が災害時などに
1人でも多くの尊い命を救うことに役
立ってほしい。今後もできる限りの支
援を続けていきたい」と語った。
 これに対し、病院から「最近は患
者搬送の依頼も多く、災害時に迅速
に対応できる車両として大事に使っ
ピング車両の運行を
開始した。
 車体の左右を異な
るデザインとし、東
京ディズニーリゾート
れ、販路もジャワ島都市部に加え島
嶼部への強化が本格化している。
 NEXロジスティクスインドネシア
は、航空・海運フォワーディング、
国内販売物流、製造物流(ジャストイ
ンタイム納品)、冷凍・冷蔵保管や
定温輸送など物流全般のニーズに応
えるため、拠点の新設を決定した。
ていきたい」(兵頭病院長)「地域ぐ
るみで災害に強い医療体制を構築し
ていく。車両はいろいろなところで
活躍する」(加計院長)と謝辞が述べ
られた。
ゴーベル工業団地に
新倉庫建設
病院に車両2台贈呈
災害現場の救急医療へ
ラッピングトラック
を運行
NEXロジ
インドネシア
埼ト協
日本通運

TheTRUCK2018年3月号73
提供:運輸新聞
加藤氏(右)と戸叶氏(15日の記者懇談会で)
開催35周年とイッツ・ア・スモール
ワールドリニューアルそれぞれの記念
日をお祝いする。
 キリングループロジスティクスは、
中期経営計画最終年度に入り、今
年のテーマを「ロジスティクス基盤
の再強化」と定め、事故発生率は
18ppm以内に抑え、集車力向上・
外販貨物拡大の取り組みを強化する
ことなどを通じキリン品質をさらに高
めていく。
 2017年の業績は、売上高663
億円、営業利益10億円、外販売
上高184億円。中計2年間ともに
 政府は、昨年5月に設置した生
産性向上国民運動推進協議会の第
3回会合を15日に開催するととも
に、翌16日には中小事業者の生産
性向上を3年間の集中期間に100
万社規模で推進するための「中小
サービス等生産性戦略プラットフォー
ム」発足式を行い、全日本トラック協
会など75団体が参加表明した。
 第3回会合には、道路貨物運送業
など協議会発足当初から取り組んで
いる5業種に加え、小売業など5業
種の合計10業種が進捗状況を報告。
 また、世耕経済産業大臣が生産性
戦略プラットフォームを説明した。
 3年間に100万社規模で生産
性向上を推進するためのアプローチ
 運行地域は国内各地(沖縄を除
く)、利用業務は引越を含む貨物輸
送業務。35周年にちなみ、全国
目標を達成することができた。特に
外販は前年比10
億円増となり、内
訳は既存案件5.3
億円、新規獲得
案件4.7億円。
新規のうちター
ゲット領域の全国
型食品メーカー貨
物が全体の半数
以上を占めた。
は、①案件発掘・組成支援と②IT
の徹底活用。
 案件発掘・組成支援は、IT補助金
(今年度補正予算500億円=約13
万社対象)に加え、業界団体・商工
会議所など経済団体・金融機関によ
る支援、日本生産性本部などによる
標準的な支援手法の策定などを行う。
 ITの徹底活用は、IT化を通じて
生産性向上の多様な事例を見える化
し、それを通じて業務プロセス全体
の見直しとIT化をセットにした生産性
向上活動を中小に広げるもの。ITツー
ルにはバックオフィス効率化、電子
商取引化、受発注管理効率化、予約
顧客管理などが想定される。
 協議会には全日本トラック協会の坂
で35台導入する。残念ながら、
引越の際に車両を指定することはで
きない。
 同社は16年に外販拠点管轄
を物流管理部に移管。これによ
り拠点のレイアウトや動線を、
スタッフが顧客と話をしながら改
善に結びつけ、事故発生率を5分
本克己会長、サンスターの荒木協和
理事が出席。生産性向上セミナーは
44都道府県52カ所で3769人が
参加し、適正取引の確保、生産性向
上方策、中継輸送をテーマに開催。
原価意識強化セミナーは31都道府
県34カ所で1565人が参加し、荷
主との交渉力強化に向けた内容を説
明。情報化支援セミナーは16都道
府県16カ所で433人が参加し、
運行管理のシステム化や物流セン
ターでのIT管理の導入事例、情報
セキュリティチェックについて紹介し
たと報告。
 取り組み事例では、サンスター、
名鉄運輸、ジャパンロジコム、あら
たが連携し、格納場所別の事前仕
分け、優先荷卸場所の設定、RFID
を活用した検品作業の廃止などで、
ドライバーの1日あたり労働時間が
400分から130分に68%縮減、ト
ラック回転率、物流センターのスペー
ス効率が向上したと報告。
協力会社と関係強化
外販拡大
全国型食品
メーカー
が過半
キリンG
ロジ

TheTRUCK2018年3月号74
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
受賞者と家族の集合写真
の1まで減少するなどの成果を生ん
だ。今年は営業部と物流管理部が連
携して顧客満足度向上に取り組み、
グループシナジーを最大化していく。
 今年は、年々悪化する物流環境を
乗り越え、拡大を果たすため再度基
盤整備に取り組む。「誤」の付く事故
発生率は、17年は18.5ppm(100
万分の18.5)と既に業界トップレベ
ルだが、「18ppmにこだわる」(加藤
元社長)ことで品質に磨きをかける。
 深刻化する人手不足などの環境変
化に対して集車力への取り組みを強
化するとともに、今年は特に協力会
社との関係強化にフォーカスし、外
販拡大により積載率を改善し、1台
あたりの運収金額を高めていく。
 昨年スタートしたアサヒとの北陸エ
リアの共配は、3月に富山エリアへ
拡大する予定。1月には通関業者と
してAEO認証を取得した。
戸叶常務が3月
23日付で社長に
 キリングループロジスティクスの代
表取締役社長に戸叶弘常務執行役員
が3月23日付で就任する。加藤元
現代表取締役社長はキリンビール執
行役員マーケティング本部副本部長
に就任する。
 戸叶弘氏(とかの・ひろし)1962
年6月29日生、北海道出身。北海
道大学経済学部卒業後の85年キリ
ンビール入社。2013年本社SCM
本部物流部長、14年キリングルー
プロジスティクス取締役東日本支社
長、16年常務執行役員本社物流管
理部長。
 福山通運は、創業70周年を
迎える2018年度から3カ年の
第4次中期経営計画「Challenge,
Change2020」を策定した。「挑
戦、変化そして未来に繋ぐ」(Conne
cttotheFuture)をテーマに掲
げ、最終年度に売上高3000億円、
営業利益率5%以上、自己資本利益
(ROE)5%を目指す。
 スローガンは「すべてのステークホ
ルダーの満足の向上を目指し、持続
可能(Sustainable)な成長を実現す
ることで企業価値の向上に努めてま
いります」
 基本方針として、環境(Environm
ent)、持続可能(Sustainable)な
成長を目指し、環境・社会(Social)・
企業統治(Governance)のESG4
加えて、従業員満足(Employee
Satisfaction)に対する取り組みとい
「4つのこだわり」を定めた。
 環境面では、輸送の効率化やモー
ダルシフトによりCO
の排出を削減
するほか、環境対応車の積極的導
入、出荷支援システムの利用促進に
よる紙使用量の削減などを進
める。
 セグメント別の売上高目標
は▽運送事業=2493億円
(営業利益133億円)▽流
通加工事業=132億円(同9
億円)▽国際事業=105億円
(同8億円)▽その他事業(不動産
賃貸・商品販売)=232億円(同39
億円)▽新規事業=130億円(同6
億円)──と設定。
 これらを進めるにあたり、ネットワー
クにかかわる投資に300億円、情
報関連投資に140億円、省力機器
投資に100億円、環境関連投資に
120億円、新規事業と業容拡大投
資に100億円の合計760億円を予
定。従業員数2万1000人体制を
目標としている。
売上高3千億円へ
第4次中計を策定
設投760億円予定
福山通運
 SGホールディングスは、小学生
対象の環境絵画コンクール「SGホー
ルディングス/佐川急便 全国エコ
絵画コンクール」の環境大臣賞を受賞
した2作品をラッピングしたトラック
をお披露目する「ラッピングト
ラック発表イベント」を、東京
スカイツリータウンⓇのソラマ
チひろばで開催、約800人
が来場した。
ラッピングトラック発表
イベントを開催
SGHD

TheTRUCK2018年3月号75
提供:運輸新聞
 政府の日本経済再生本部は、
産業競争力強化に関する実行計画
2018を決定した。無人自動走行に
加え、物流関係でトラックの隊列走
行、AIターミナル、ドローン、スマー
トサプライチェーンの実現目標など
を明記した。
 トラックの隊列走行は、1月に高
速道路で後続車有人の公道実験を
行ったが、今後18年度中に後続車
無人システムの公道実証を開始。併
せて隊列で走行する車両の電子けん
引要件の検討など、技術や運用ルー
ルに応じたインフラ面の事業環境を
検討する。
 国際海上コンテナ物流は、荷役機
械の遠隔操作に必要な基準を17年
度中に整備するとともに、ターミナ
ル運営全体を効率化し、世界最高
水準の生産性を有するAターミナル
実現に向け、18年度中に工程表を
策定・公表する。
 ドローン(小型無人機)は、18年
に山間・離島での荷物配送を開始
し、20年代には都市でも安全な荷
物配送を本格化させる。このため補
助者を配置しない目視外飛行や第三
者上空飛行を可能とする技術開発お
よび制度的な対応を進める。
 具体的には、目視外飛行可能な
機体や操縦者の要件について17年
度中に明確化し、18年度早期に航
空法にもとづく許可・承認の審査要
件を改訂する。
 スマートサプライチェーンは、企業
の枠を超えて受発注・設計・生産・
物流・販売・消費・保守のデータ連携
の先進事例を創出することを目指す。
 このため国内の実証に加え、国
内外の複数企業にまたがる国際的
実証を実施。それを踏まえ17年度
中に統一的なデータ記述フォーマッ
(データプロファイル)を策定し、国
際標準提案につなげる。
 無人自動走行に関しては、移動
サービス実現に向け、さまざまな観
点から検討を行う。
 現在、道の駅など全
国10カ所以上で公道
実証(遠隔運行を含む)
行っているが、18年度
中にモデル地域で実証を
行い社会受容性を確認
するとともに、18年以
降は道の駅での実証実
験を拡大し、地域特性を
生かした多様なビジネス
モデルを検討する。
 ドローンを含めた事
前規制・手続きを抜本
的に見直すためのサ
ンドボックス制度(現
行法による規制を止め
て、特区内で新技術
を実証できる制度)の仕組
みを検討・活用する。
 さらに、高度な自動走行
(レベル3以上=運転者な
し)の市場化・サービス化
に必要な交通関係法規を見直すた
め、17年度中に政府全体の制度方
(大綱)をまとめる。
 自動走行の鍵を握る認識・判断技
術の開発を加速するため、安全評
価と関連付けた走行映像データや事
故データの収集・活用の基本方針を
17年度中にまとめる。
 このほか、自動走行地図の仕様
統一、超高速・大容量・多数接続を
可能とする第5世代移動通信システ
(5G)の実現、サイバー攻撃に対
応する車載セキュリティの開発プロ
セスや安全性評価の仕組みづくりを
加速させる。
  今年度中に大綱
海コン荷役
遠隔操作基準を整備
政府が
実行計画
自動走行
 同コンクールは、子どもたちに絵
を描くことで楽しみながら環境につ
いて考えてもらい、環境意識の醸成
を図るもの。4回目の今回は1万
4197点の応募があった。
 イベントでは、入賞した全58作
品の展示やトラックの試乗体験、環
境大臣賞受賞者を対象にしたSGHD
グループの東京スカイツリータウンⓇ
での取り組みを紹介する館内ツアー
も行われた。
ラッピングトラックは、今春から全
国主要都市を中心に80台が走行す
る予定。

TheTRUCK2018年3月号76
トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
提供:運輸新聞
坂本深社長(左)とチン・ヤウ・セン社長
完成予想図
 日本貨物航空(NCA)とシンガ
ポール航空カーゴ(SIAカーゴ)
13日、顧客のさらなる利便性向上
の機会を追求するため、戦略的パー
トナーシップの構築に向けた覚書(M
OU)を締結したと発表した。
 今後、両社が5年をかけて段階
的に拡大してきた既存のブロックス
ペース契約に基づいて構築していく。
 第一段階として、当局による承認
を前提に、4月1日から日本とシン
ガポールを結ぶ路線でコードシェアを
開始することで合意した。
 現在NCAは、成田空港̶チャン
ギ空港間をボーイング747Fで週6
便の定期便を運航し、SIAカーゴは
チャンギ空港̶成田空港間で毎日2
便、チャンギ空港̶羽田空港間で毎
日3便、旅客便を運航している。
 なお、NCAが運航するコードシェ
ア便は、月曜〜金曜が成田̶関西̶
シンガポール線、土曜が成
田̶シンガポール線となる。
 締結について、NCAの
坂本深社長は、「当社にとっ
てシンガポールはアジアの
主要拠点の1つ。昨年、
定期便就航30周年の節目
を迎え、この折に、SIAカー
ゴとの提携関係強化に踏み
出せることを大変喜ばしく
感じている。今後ますます
両社の関係を発展させ、お
客様に選ばれる航空会社で
あり続けたい」とコメント。
 SIAカーゴのチン・ヤウ・セン社
長は「今回のMOU締結は、両社に
よる相乗効果を実現し、プロダクト
とサービスをともに拡大することで
お客様の利益向上を目指すという、
私たちの取り組みを示すもの。コー
ドシェア便の運航は、両社の戦略的
パートナーシップを発展させていく
上で重要な第一歩となる」と語って
いる。
日本
̶
シンガポール
路線でコードシェアなど
NCAとSIAカーゴ
戦略的パートナーシップ締結
 オリックスは13日、物流施設「蓮
田Ⅱロジスティクスセンター」(埼玉
県蓮田市根金字皿田706ほか)
建築工事に着手した。竣工は2019
年1月末の予定で、現在入居企業
を募集中。
 同物件は、東北自動車道久喜IC
から約5キロメートル、首都圏中央
連絡自動車道(圏央道)白岡菖蒲IC
から約3.6キロメートルにあり、首都
圏を中心とした東北、関東エリアへ
の広域配送集約拠点として利便性の
高い立地。
 敷地面積2万1929.15平方メー
トル、建物は片面バースの鉄骨造
地上3階建て(耐火構造)、延べ
床面積2万
6072.78平
方メートル。
床荷重1.5ト
ン/平方メー
トル、梁下有
効高5.5メー
トル以上、
全館LED照
明。1棟賃貸
もしくは2分割での賃貸に対応
し、顧客のニーズに応じて垂
直搬送機や事務所スペースを
追加することも可能。今月に
は、隣地に蓮田ロジスティクス
センターの竣工を予定しており、「蓮
田Ⅱ」竣工後は両施設間で賃貸床を
増床することもできる。
蓮田Ⅱロジスティクス
センター着工
オリックス

TheTRUCK2018年3月号77

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号78
 極東開発工業㈱はこのたび、耐摩耗鋼板「HARDOX
(SSAB社の登録商標)を採用した新型の4トン耐摩耗鋼
板仕様リヤダンプトラックを開発し、2018年2月27日に発
売した。
 この新機種は、高い硬度と靭性で多くの実績を誇る耐摩
耗鋼板「HARDOX」をボデーに採用することで、強度の向上
と大幅な軽量化を実現。また、外観もサイドゲートおよびテー
ルゲートをスチフナ(補強柱)レスとすることで、すっきりとしたシ
ンプルなデザインとした高い性能と美しい外観を併せ持つ、新
しいダンプトラックである。
 販売価格は118万円(希望小売価格、消費税抜き)で、
販売目標台数は250台(年間)としている。
 極東開発グループでは、新機種の投入により製品ライン
ナップを拡充し、特装車事業の強化を図るとしている。
ダンプトラック…極東開発
話題のニュートラック新製品情報・新情報
耐摩耗鋼板「HARDOX」採用で軽量化と高強度を実現
新型4トン耐摩耗鋼板仕様リヤダンプトラック発売
軽量化と耐久性を両立させた「4トン耐摩耗鋼板
仕様リヤダンプトラック」
耐摩耗鋼板「HARDOX」の特性をもった製
品の証である「HARDOXINMYBODY」
の認定を受けている
テールゲー(左)とデッキ裏(右)

TheTRUCK2018年3月号79
 UDトラックス㈱は、富山県富山市で2018年2月8日、
9日に開催された「ゆきみらい2018in富山」の「除雪機械
展示・実演会」に、平成28年排出ガス規制へ適合し
た新型「クオン」除雪専用車を参考出展した。UDトラッ
クスは国内唯一の大型総輪駆動除雪車製造メーカーと
して、雪国での生活道路の確保や円滑な物流を支え
ている。
 「クオン」総輪駆動除雪専用車は、過酷な使用に耐
え、日々の業務を確実に遂行できる高い除雪効率性を
備え、責任と誇りを持って除雪作業に従事するオペレー
■新型4トン耐摩耗鋼板仕様リヤダンプトラックの特長
⑴高強度ボデー
 高い硬度と靭性を併せ持ち、多くの実績を誇る耐摩耗鋼板
「HARDOX」を採用。耐衝撃性だけでなく、変形や亀裂の
発生にも強い高強度なボデーとしたことで、耐久性が向上し、
長寿命化も実現。
⑵大幅な軽量化
 「HARDOX」の採用により、強度を保ったまま板厚の薄肉
化と補強部品の削減を可能としたことで、ボデー重量は、従
来機に比べ約120㎏、レンタル向け強化ボデーに比べて約
320㎏の軽量化を実現。効率の高い運搬と空荷状態におけ
燃費向上に貢献。
⑶スチフナレスでシンプルなデザイン
 外観はサイドゲートおよびテールゲートをスチフナレス化した
ことで、すっきりとしたデザインに仕上げられている。ボデー表
ターから高い信頼を得ている。2017年の総輪駆動除雪車
の販売台数(出荷ベース)は、約260台を数えている。
面がフラットになり、看板やステッカーなどの自由なデザインに
対応可能。
⑷ボデー内の外観品質および作業性の向上
 デッキとサイドパネルを一体化としたことで、溶接箇所を極
限まで削減し外観品質の向上を図っている。また、デッキ部
は緩やかなRを持つ丸底デッキ形状を採用し、積荷の排出性
と清掃性を向上させた。
除雪専用車…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「ゆきみらい2018in富山」に
新型「クオン」総輪駆動除雪専用車を参考出展
サイドビューとリアビュー
ボデー内(デッキ・サイドパネル)デッキ部はRを持つ丸底デッキ形状
ゆきみらい2018in富山に出展された新型「クオン」総輪駆動除雪専用車

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号80
 ㈱ブリヂストンは、「ECOPIA」ブランドの新商品として、ラ
イフ性能、低燃費性能とウェト性能など、商用車に求めら
れる各種性能を高い次元で実現したバン・小型トラック専用
タイヤ「ECOPIAR710(エコピアアールナナイチマル)」を
2018年3月より国内で発売する。発売サイズは2サイズ(145
/80R1280/78N/145/80R1286/84N)で、オープ
ン価格となる。
 今回発売する「ECOPIAR710」は、同社独自の「ナノプ
ロ・テック」の技術に加え、転がり抵抗改良剤を新配合した
「VAN専用エココンパウンドⅡ」を新たに採用することで、
耐摩耗性、ウェト性を高次元で確保しながら転がり抵抗の
低減を図っている。また、タイヤに求められる性能を最大限
に高める当社独自の徹底したシミュレート&計測技術である
「ULTIMATEYE」を活用することで、従来品対比タイヤの
接地圧の均等化を図り、偏摩耗を抑制している。
 その結果、新商品「ECOPIAR710」は従来品と比較し、
「摩耗寿命25%向上」「転がり抵抗19%低減」と大幅な
性能向上を実現させている。
 同社の「ECOPIA」は、安全性能や操縦性能、ライフ性能
などタイヤに求められる諸性能を高次元で維持しながら転がり
抵抗低減を実現したタイヤブランド。現在では様々な車種に
向けた商品ラインアップを取り揃えている。
 同社は今後も、タイヤの役割を果たすだけではなく、安全・
安心を追及しユーザーのニーズに応えするために「ECOPIA」
の展開を積極的に進めていくとしている。
 ちなみに、「ナノプロ・
テック」は、低燃費・安
全性・静粛性・耐久性
など求める性能に応じ
て、ゴムの構造を100
万分の1ミリ単位で自在
新タイヤ…ブリヂストン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ライフ・低燃費・ウェットの性能を高次元で両立
バン・小型トラック専用タイヤを新発売
 車両の先進性に加えて、プロフェショナルによる多彩な
サービスを提供するバックアップ体制も充実させており、UDト
ラックスは物流インフラの安定化を支えることで、これからも雪
国の生活の安全に貢献する社会的責務を果たしていくして
いる。
 なお、新型「クオン」総輪駆動除雪専用車は、2018年3
月の販売開始を予定している。
■新型「クオン」総輪駆動除雪専用車の特長
⑴人間工学に基づいて操作性・視認性を根本から見直した、
新デザインのコックピットを採用。
⑵4×4モデルには360PS、6×6モデルには420PSの、
それぞれ現行車比+10PSの出力を向上させた省燃費・パ
ワフル・クリーンな「GH11」エンジンを搭載。
トランスミションは12段マニュアルを採用。6×6モデル
では6段トルクコンバーター付きオートマチットランスミショ
も選択可能。
⑷全車に「UDインフォメーションサービス(UDIS)」を標準搭
載。通信機能を使って車両を遠隔診断する「安心稼動サポー
ト」を提供。
⑸平成28年排出ガス規制へ適合。
バン・小型トラク専用タイヤ「ECOPIAR710」
従来品と比較して摩耗寿命25%の
向上を実現

TheTRUCK2018年3月号81
にコントロールし、タイヤのパフォーマンスを、極
限まで引き出す為に生まれた超微細技術である。
「VAN専用エココンパウンドⅡ」は、転がり抵抗
改良剤の新配合により、耐摩耗性、ウェット性を
高次元で確保しながらヒステリシスロスを抑制、
転がり抵抗を低減するもの。「ULTIMATEYE」
は、タイヤに求められる性能を最大限に高めるブ
リヂストン独自の徹底したシミュレート&計測技術
で、タイヤ開発時にシミュレーションとタイヤの現
物の計測を繰り返し行うことで、タイヤ解析のさ
なる精度向上を実現する技術である。
 日野自動車は、新車のみならず、既販車への安全装備も充
実させるため、2018年1月31日に後付け衝突防止補助シ
ステム「モービルアイ」の取扱いを全国の販売会社で開始した。
 日野は「交通事故死傷者ゼロ」を掲げ、業界に先駆けて
安全性能の向上に努めてお
り、PCS(衝突被害軽減ブレー
キ)はすでに大型・中型・小
トラックおよび大型観光バ
スに標準装備している。この
たび、より多くのユーザーに
日野車を安全・安心に運行し
てもらうため、既販車への安
全装備充実の一環として、
全国販売会社で「モービルアイ」の取扱いを開始したもの。
「モービルアイ」(製造:Mobileye社、日本における販売
代理店:ジャパン・ゥエンティワン㈱)は、車両のフロントガラ
スに取り付けたカメラによって、前方車両や歩行者、車線を
検知し、アイコン表示と警報音でドライバーに危険を知らせる
装置で、追突や車線逸脱による事故を防ぐことに貢献できる。
 安全装備を充実させる一方で、日野はユーザーへのトータ
ルサポートの一環として、ドライバーへの安全運転講習も積
極的に展開している。2005年6月には、日本で初となる自
動車メーカー直営の常設型ユーザー向け講習施設「お客様テ
クニカルセンター」(東京都羽村市)を開設。2013年の施設
拡充による受け入れ能力の向上を経て、これまでに累計8万
安全装備…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
既販車への安全装備充実を目的に
後付け衝突防止補助システムの取扱い開始
人を超えるドライバーなどへ安全・省燃費に関する運転講習
を提供している。
 日野は引き続き、先進技術の積極的な開発に努めるととも
に、新車のみならず既販車への安全装備も充実させるとして
いる。さらに、「お客様テクニカルセンター」での運転講習の提
供も含め、車両のライフサイクルを通じて多様なニーズにきめ
細かく対応するトータルサポート」を一層強化し、より多くの
ユーザーのビジネスを支えていく考えである。
衝突防止補助システム「モービルアイ」
既販車への後付けも可能なモービルアイを採用
モービルアイはアイコン
表示と警報音でドライ
バーに危険を知らせる

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号82
 ㈱豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、ユニット式パ
レット用自動倉庫「ラックソーター」をフルモデルチェンジし、
2018年1月18日より全国40社のトヨタL&F取扱店を通
じて発売した。
「ラックソーター」は、優れた安全性や、安定稼動をサポー
トする予防保全・異常時早期復旧などの機能が評価され、
1992年の発売以来、製造業、運輸業のほか、幅広い業
種のユーザーに導入されている。
 近年、eコマース市場の拡大に伴う大型物流倉庫の新設
や、労働者不足といった環境変化を背景に、物流現場の効
率化や自動化を実現するソリューションの需要は一層高まっ
ている。このようなユーザーニーズに応えるため、10年ぶりに
「ラックソーター」をフルモデルチェンジしたもの。
 新型「ラックソーター」は、新たに「制振制御機能」を搭載
し、クレーン走行におけるマストの揺れを軽減することで、
停止するまでの待ち時間を大幅に短縮。サイクルタイムを約
10%向上させている。また、クレーンの減速・下降時に発生
する運動エネルギーを回生電力として走行モーターで再利用
する技術も新たに採用し、エネルギー効率の約10%向上も
実現させている。
 なお、価格はオープン価格で、クレーン本体にラック・施
工費などを加えたシステム一式での販売となる。
 豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、これからもユーザー
ニーズに沿った商品の開発とラインアップの拡充に努め、一
人ひとりのユーザーに最適な物流ソリューションを提案していく
している。
「ラックソーター」の主な特長
「制振制御機能」の標準採用によるサイクルタイムの向上
 モーターをより正確に制御することで、マストの揺れを軽減
し、その揺れが停止するまでの待ち時間を大幅に短縮。従来
モデル比約10%のサイクルタイム向上を実現。
⑵DCリンク式の回生電力利用によるエネ
ルギー効率向上
 クレーンの減速・下降時に発生するエネル
ギーは、従来熱として消費されていたが、回生
電力としてモーターで再利用することにより、
従来モデル比約10%の省エネを実現。
ラックソーター…トヨタL&F
話題のニュートラック新製品情報・新情報
サイクルタイム・エネルギー効率を10%向上させた
ユニット式パレット用新型ラックソーター
■仕様(型式:ラック全高)
▽最大荷重…1,000㎏
 ・5ASP6:2,000〜6,000㎜
 ・5ASP9:〜9,000㎜
 ・5ASP12:〜12,000㎜
 ・5ASP15:〜15,000㎜
▽最大荷重…1,500㎏
 ・5ASP6-15:2,500〜6,000㎜
 ・5ASP9-15:〜9,000㎜
 ・5ASP12-15:〜12,000㎜
 ・5ASP15-15:〜15,000㎜
▽最大荷重…2,000㎏
 ・5ASP6-20:2,500〜6,000㎜
 ・5ASP9-20:〜9,000㎜
 ・5ASP12-20:〜12,000㎜
 ・5ASP15-20:〜15,000㎜
ユニット式パレット用新型ラクソーター

TheTRUCK2018年3月号83
 コマツの鉱山向け無人ダンプトラック運行システム
(AutonomousHaulageSystem=AHS)は、商用導入
開始から今年で10周年を迎え、豪州・北米・南米での
AHSダンプトラックの稼働台数は、合計で100台を超
過した。これまでの10年間に稼働環境の異なる鉱山現
場で実証、蓄積したAHSの安全性・生産性・環境性・
システム柔軟性に対する高い市場評価を踏まえ、コマツ
は鉱山現場でのAHS導入を一層加速させるとしている。
 コマツは、2005年にチリのコデルコ社銅鉱山へ
AHSを試験導入し、2008年1月に同社と共に世界初
のAHSの商用導入に成功した。そして、2008年末に
は豪州リオのティント社鉄鉱山においてもAHS導入に
成功し、ティント社は、現在までに西豪州ピルバラ地区
の4鉱山でAHSダンプトラックを導入し稼働させてい
る。ティント社のすべての無人オペレーション運行管理
は、現場より約1,500㎞離れたパースにある同社オペ
レーションセンターから安全で効率的に実施されてい
る。これらの成果を受け、2013年にはコマツはカナダ
のサンコー社オイルサンド鉱山の一部稼働エリアへの
AHS試験導入の支援を実施している。
 現在、コマツのAHSは合計3ヵ国・6鉱山・3鉱石
運搬で24時間稼働しており、2017年末時点までの累
計総運搬量は15億トンを達成している。わずかな運転
ミスが重大事故に発展する可能性のある鉱山現場におい
て、既存の有人オペレーションに比べてAHS導入する
ことでその安全性は格段に高まるとの評価を得ている。
また、生産性に関しても、既存の有人稼働の積込・運搬
コスト単価に比べて、15%を超えるコスト削減効果が
実証されている。さらに、AHSの最適な自動運転制御
による急加速・急ハンドルの減少により、タイヤ寿命が
40%改善する効果もあり、AHS導入による様々な効果
は環境負荷低減にも多大な貢献を示すことができる。
 AHSで実証した無人化の効果を既存稼働鉱山にも展
開すべく、コマツは2017年9月にリオ・ティント社
既存鉱山で有人稼働中の電気駆動式大型ダンプトラッ
ク830E(最大積載量220トン)を無人稼働可能とする
AHS改造後付キットの試験導入に成功し、このたび、
ティント社より同社豪州ブロックマン4鉱山で有人稼
働する830E29台向けのAHS改造後付キットを一括
受注している。
 今後コマツは、このAHS改造後付キットを主要なコ
マツ大型トラックモデルに展開すると共に、既存の他社
製トラックをAHSフリート内で安全に有人稼働させる
混走稼働の機能拡充を進め、鉱山会社において一層需要
が高まりつつある既存鉱山の段階的な無人化移行に貢献
するAHSソリューションを提供していくとしている。
無人ダンプ…コマツ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
無人ダンプトラック運行システム商用導入10周年
稼働100台超達成で鉱山の無人化を加速
豪州のリオ・ティト社鉄鉱山でAHS改造後付けキッを搭載し無人稼働する830E

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号84
 極東開発工業㈱が、名古屋工場(愛知県小牧市)内に建
設していたテールゲートリフタ「パワーゲート」の生産工場であ
る新パワーゲートセンターが竣工した。
 極東開発は1964年よりパワーゲートの生産・販売を行っ
ており、テールゲートリフタの先駆者として継続的に製品およ
び生産体制の向上を図っており、直近の物流関係車両の高
需要に伴うパワーゲートへのニーズの高まりや、生産の大幅
な効率化を目指し、今回生産ラインの更新と新たな建屋の新
設を行ったもの。
 新パワーゲートセンターは、事務所棟(3階建)を併設した
鉄骨造・延床面積5,775㎡のパワーゲート専門の生産工場
で、アルミ加工機の増設や、自動倉庫および自動搬送台車
(AGV:AutomaticGuidedVehicle)による場内物流の自
動化を行うことで効率的な生産活動を可能としたほか、生産
工程では天井クレーンを設けず、省力装置(バランサ)を導入
している。
 また、環境にも配慮しており、夏場の暑さ対策のため、生
産工場の屋根への遮熱塗装や天井サーキュレーションを装備
したほか、照明のオールLED化および自然光採光のための
「スカイライトチューフ」を採用している。その他、ユーザーが
生産工場全体を一望できる見学歩廊やパワーゲートの歴史や
実製品を知ることができる展示室も設置している。
 今後は旧パワーゲートセン
ターからの生産の移管を経て、
2018年3月頃の本稼動を見込
んでいる。
 極東開発グループでは、今回
の新パワーゲートセンターの竣工
テールゲート…極東開発
話題のニュートラック新製品情報・新情報
生産の大幅な効率化を目指した
名古屋工場の新パワーゲートセンターが竣工
により、主力製品のひ
とつであるパワーゲー
トの品質および製品
力のさらなる向上とシェ
アアップを目指し、業
績の拡大に一丸となっ
て努めるとしている。
名古屋工場の新パワーゲートセンター全景
新パワーゲートセンター生産工場のフロアパース図
生産工場
自動倉庫
自動搬送台車AGV
左から見学歩廊・天井サーキュレーション・展示室

TheTRUCK2018年3月号85
 日本パレットレンタル㈱(JPR)は、2018年2月14日より、
新型パレット台車「フォールディングトラク」の販売を開始した。
「フォールディングトラック」は、韓国のP&F社で開発された
まったく新しい発想のパレット台車で、片面プラスチックパレッ
と軽量積載物(200㎏まで)を、ハンドリトよりも軽快に移動さ
せることができる。物流拠点でのピッキング時の利用や、輸送
車両への積載など、アイデア次第で今までにない使い方が考え
らるパレット台車だ。価格はオープン(送料込)となっている。
 ちなみに、JPRは、年間約4,000万枚を上る一貫輸送
用パレットを供給し、日本全国約70ヶ所のデポでパレットを
供給・回収する体制を整えている。同サービスは、加工食品、
日用品業界における物流インフラとも呼べる規模で運用され
ており、国内で5000以上の拠点で利用されている。
「フォールディングトラック」の特長と仕様
①軽量で操作がしやすい。
②ハンドルを握って右側に倒すだけで、パレット差込口へ挿入
可能な新しい発想の操作方法。(特許:第6042487号)
〈仕様〉寸法720(W)×1,300(D)×1,150(H)㎜/重量
20㎏/・最大積載質量:200㎏/・製造元:P&F社(韓国)
「フォールディングトラック」の購入
パレット台車…JPR
話題のニュートラック新製品情報・新情報
軽量積載物に最適な新型パレット台車
「フォールディングトラック」を販売開始
 購入に関しては、次のJPRの販売代理店(電話・FAX)
に問い合わせてほしい。
秋田エコプラッシュ㈱(0185-58-5600・0185-58-5601)
/エコスタッフ・ジャパン㈱(03-5643-7222・03-5643-
7232)/エネクスフリート㈱(06-6350-5572・06-6350-
1800)/㈱ジェットイノウエ(03-3602-1121・03-3604-
6218)/司化成工業㈱(03-3258-0761・03-3258-0766)
/ティ・エス・ケイ㈱(076-478-5550・076-479-9051)/
トヨタL&F近畿㈱(06-6462-5326・06-6465-6950)/
日本梱包資材㈱(03-3634-5131・03-3634-5138)
 ㈱デンソーは、夜間歩行者や自転車などを認識し、車両の
安全性能の向上に貢献する製品として、普及型の新型画像
センサーを開発した。今回開発した画像センサーは、2017
年7月に発表したミリ波レーダーと合わせ、2018年1月に
発売されたトヨタ「新型アルファード」「新型ヴェルファイア」
に搭載されている。
 新型の画像センサーは、新たなレンズの開発、撮像素子
の高感度化により、夜間の認識性能を向上させている。こ
の画像センサーとリ波レーダーの組み合わせにより、昼間だ
けでなく夜間の歩行者の認識を可能にしている。これにより、
安全装置…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
普及型の新型画像センサーを開発
夜間の歩行者など認識対象を拡大し安全性能向上に貢献
新型パレット台車「フォールディングトラク」
夜間認識の拡大で安全性能を向上させた画像センサー

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号86
街灯のある夜間の住宅地において
も、歩行者を認識し、緊急時の自
動ブレーキの実現に貢献できること
になる。
 また、パターン認識の高精度化に
より画像認識性能を向上させること
で、自転車の認識、三角形四角形
八角形など日欧米の道路標識の認
識に対応。さらに、白線認識アルゴ
リズムの改良と道路端認識アルゴリズムの追加により、車線
維持支援車線逸脱抑制機能の適用範囲を拡大させている。
 今回開発した新型画像センサーは、従来品に比べ体積を
約4割小型化し、搭載性を向上させることで、安全製品の
普及にも貢献できる製品となっている。
 デンソーは、交通事故のない社会の実現を目指し、これま
で技術・製品開発に取り組んできている。今まで培ってきた
技術を活用し、これからも、ドライバー、歩行者をはじめとす
る、世界中のすべての人にとって安心で安全なクルマ社会の
実現に取り組んでいくとしている。
 日産自動車㈱は、一般財団法人省エネルギーセンター
主催(経済産業省後援)「平成29年度省エネ大賞」
おいて、同社「ノート」に搭載している新電動パワートレイン
「e-POWER」の技術が「省エネルギーセンター会長賞」を受
賞した。
 受賞した「e-POWER」技術搭載の「ノートe-POWER」
は、ガソリンエンジンにより発電し、その電力を利用してモーター
の力だけで走行する、従来の駆動方式とは一線を画す新しい
電動パワートレインで、100%モーター駆動ならではの力強く
スムーズな加速性能と優れた燃費性能を両立させている。
省エネ大賞…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
エンジンを発電専用にしたe-POWER技術が
「省エネ大賞・省エネルギーセンター会長賞」を受賞
 発電専用のエンジンは、効率良く集中的な発電を可能と
し、無駄なエンジン始動をなすことで燃費の消費を抑制して
いる。これにより、同等出力のガソリンエンジンに対して、燃
費消費率が約30%向上(XDIG-S、MEDALISTとの比較)
している。また、平成27年度燃費基準を97%上回っており、
燃費はJC08モードで34.0㎞/Lを実現させている。
 走行性能では、新感覚の走行モード「e-POWERDrive」
により、アクセルペダルの踏み戻しだけで加速から減速までを
意のままに行うことができ、加えて停車寸前まで回生を行うた
め、燃費性能も向上している。
e-POWERを搭載した低燃費車「note」
夜間の歩行者認識性能イージ。新型画像センサーで見た場合(左)と肉眼で見た場合(右)
省エネルギーセンター会長賞を受賞したe-POWER

TheTRUCK2018年3月号87
 今回の「省エネルギーセンター会長賞」受賞は、これらの
「e-POWER技術」がCO
排出量削減に寄与すると評価さ
れたもの。
「ノートe-POWER」は、多くのユーザーからも高い評価を得
ており、2017年10月には、発売からわずか1年弱で販売
累計10万台を達成。また、「ノート」は2017年暦年の国内
販売において、コンパクトセグメント(総排気量1600㏄以下
の小型・普通乗用車)のランキングで1位を獲得している。
 なお、2018年春には、ミニバンの「セレナ」にも
e-POWERを搭載し発売する予定となっている。
 日産は、「ニッサンインテリジェトモビリティ」の取り組みの
もと、クルマの「電動化」「知能化」に向けた技術開発を進
め、今後も新たな提案を続けていくとしている。
「省エネ大賞」とは、優れた省エネルギー推進事例や省エ
ネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するも
の。省エネルギー意識の拡大、省エネルギー製品の普及促
進等に寄与することを目的としており、広く優秀な事例を数多
く表彰している。
■「燃費」の常識を超えるe-POWERの主な特長
・e-POWERは、“自ら発電する電気自動車”で、モータード
ライブの楽しさと燃費性能の両立を実現。
・エンジンを発電専用にしたe-POWERは、燃費に悪影響を
与える作動領域を使用しない分、エンジンの作動時間を短
縮。さらに、ごわずかな減速でも回生エネルギーがとれるよ
う設定。市街地から高速道路まで、あらゆる走りのシーンで
優れた燃費性能を発揮できる。
・日産リーフで培った先進のモータードライブシステムと発電用
エンジンを組み合わせた新時代のパワートレイン。
・NOTEe-POWERは、世界に先駆ける日産リーフの優れた
電動自動車技術の基本機構を受け継ぎ、独自の発電シス
テムを搭載。最先端技術と信頼性がある。
 横浜ゴム㈱は2017年12月、世界最大となる直径6m
の超大型防舷材を開発した。同商品は洋上にてLNG(液化
天然ガス)の液化・貯蔵・出荷を行うLNG-FPSO(Floating
防舷材…横浜ゴム
話題のニュートラック新製品情報・新情報
より安全なLNG荷役作業を実現する
世界最大の超大型防舷材を開発
Production,StorageandOff-loadingsystem:浮体式生
エンジンで発電しモーターで走行するe-POWERシステム
世界最大の直径6mの超大型防舷材防舷材は安全なLNG荷役作業を実現する

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号88
産貯蔵積出設備)からLNGタンカーへの荷役の際に使用さ
れる防舷材である。
 LNG-FPSOは、近年のLNG需要の高まりを受けて増加
が見込まれている。LNG-FPSOでは約マイナス160℃の
LNGをLNGタンカーへ安全かつ効率的に荷役しなければな
らない。今回開発さけた超大型防舷材は、従来の防舷材に
比べLNG荷役中にLNG-FPSOとLNGタンカーの距離を
広く保つことができるため、より安全な荷役を実現できる。ま
た、大型海洋構造物など海洋工事分野での活用も期待され
ている。
 空気式防舷材は、船舶の接岸または接舷時における船体
および岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間
に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材である。
横浜ゴムは、空気式防舷材やマリンホースなどの海洋商品市
場において世界トップクラスのメーカーで、1958年に世界で
初めて生産販売を開始した空気式防舷材は、洋上で原油や
LPGなどを移送する2船体間荷役において欠かせない製品と
なっている。
 ユーピーアール㈱は、物資の在庫把握や入出庫管理など
をクラウド上でリアルタイムに管理できるサービス「スマートパ
レット」の効率的な運用を目的に、NTTコミュニケーションズ
㈱(NTTCom)が提供するIoTPlatformサービス「Things
Cloud」と、モバイル通信サービス「OCNモバイルONE」を
2018年2月27日に導入した。
 物流業界では、製品を輸送・保管するパレットの紛失問題
や、ハンディスキャナを用いた入出荷作業、目視による棚卸
業務作業など倉庫管理のコストが大きな課題となっている。
 ユーピーアールは、これらの課題を解決するため、入出荷
時間や正確な在庫データをリアルタイムに把握できる、クラウ
ド型パレット管理サービス「スマートパレット」を、920MHzア
クティブRFIDを活用したサービスとして実用化し、2014年
管理サービス…ユーピーアール株式会社
話題のニュートラック新製品情報・新情報
UPR「スマートパレット」の効率的運用実現に向け
「NTTComのIoTPlatform「ThingsCloud」を導入
に世界で初めて国内の大手企業のユーザーに対して提供を
開始している。
 近年、多くの企業でIoT活用が進む中、ユーピーアールは、
これまで自社で運用してきた「スマートパレット」の各パレットか
らのデータを収集する基盤に運用が柔軟なUIや豊富なAPI
機能を具備するNTTComのIoTPlatformサービス「Things
Cloud」と、高い信頼性を誇るモバイル通信サービス「OCN
モバイルONE」を導入することで、人的作業を自動化し、さ
らなる運用の効率化を図ることになる。
 今後、ユーピーアールとNTTComは、「スマートパレット」
とIoTPlatformとのシステム連携をはじめとして「なんでも追
跡システム」など他サービスにおいても、物流とIoTを融合し、
物流分野・業界の労働力不足を解消する方策のひとつである
スマートパレットに「ThingsCloud」を導入のイージ図

TheTRUCK2018年3月号89
「Logistics4.0」の実現を目指すとしている。
 なお、「なんでも追跡システム」は、位置、温度・湿度セン
サを内蔵した端末をトラックやカーゴ台車に搭載し、リアルタイ
ムにWeb上から確認できるシステムである。
■ユーピーアール㈱について
 1979年設立。全国140拠点で、輸送・運搬、保管に
便利なパレットおよび運搬機器のレンタル、研究開発、販売
など、日本の物流をサポーしている。
■NTTコミュニケーションズ㈱について
 通信事業者な
らではの高品質
なインフラと、AI
やIoTなどの先
端技術を用いた
ビジネス創出を通
じて、ユーザー
のデジタルトラス
フォーメーションに貢献している。
 横浜ゴム㈱は2月28日から3日間、東京ビッグサイトで
開催された燃料電池関連の世界最大の展示会「第14回国
際水素・燃料電池展〜FCEXPO2018〜」に出展した。
同展示会への出展は初めてで、今回は高圧水素ガス用ホース
「ibar(アイバー)」シリーズを紹介した。
 「ibar」シリーズは、今後普及が見込まれる燃料電池自動車
(FCV)に水素を充填するディスペンサー用ホースとして岩谷
瓦斯㈱と共同開発したもので、水素充填圧力35MPa用の
「ibarHG35」、70MPa用の「ibarHG70」、82MPa用
の「ibarHG82」の3商品を販売している。本展示会では
FCV以外の使用用途として、水素製造工場内での圧縮水
素の移送における優位性を訴求した。現在、圧縮水素をカー
ドル(ガス容器を集結させた機器)など別の容器に移す際には
金属配管が使われているが「ibar」シリーズは金属配管に比
べ、軽量かつ柔軟で運搬や充填作業がしやすいほか、高い
 経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営
優良法人2018〜ホワイト500〜(大規模法人部門)」で、
㈱タダノや矢崎総業㈱などが認定された。
「健康経営優良法人〜ホワイト500〜」は、特に優良な健
康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を顕彰
水素ガス用ホース…横浜ゴム
健康経営…日本健康会議
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「水素・燃料電池展〜FCEXPO2018〜」
軽量で柔軟な高圧水素ガス用ホース「ibar」を出展
優良な健康経営を実践している大企業として
タダノと矢崎がホワイト500に認定
安全性や耐久性も実現できる。
 FCEXPO2018は、水素・燃料電池の研究開発、製
造に必要なあらゆる技術、部品・材料、装置および燃料電
池システムが一堂に集まる国際商談展で、燃料電池、エレク
トロニクス、自動車、エネルギー、建設・プラントなどの関連
企業に加え、大学や研究所、自治体などが来場した。
する制度で、2017年度より開始され、昨年の第1回目は
235法人が認定され、第2回目となる今年は541法人が
認定を受けた。
■㈱タダノ
 同社は1981年に「心とからだの健康づくり運動」をスター
画期的な仕組みのスマートパレットのイメージ図
FCEXPO2018の横浜ゴム展示ブース

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2018年3月号90
させ、社内に設置した「体力増進センター」を社員と家族に開
放するなど、健康文化の育成に取り組んでいる。今回の認
定審査では、同社の「経営理念・方針」や「制度・施策実行」
の側面が高く評価され「健康経営優良法人2018〜ホワイト
500〜」の認定を受けたもの。今後も同社の良き伝統である
「健康文化」を継続し発展させていく考となっている。
■矢崎総業㈱
 今回一括認定された矢崎グループ4社では、それぞれの独
自性と主体性を尊重しながら、「従業員が健康であること」を企
業風土として定着させることを目指し、①法令遵守のもと、職
トップとすべての従業員が一体となった安全衛生活動を推
進し、「安全風土」の定着を図る、②事業場の主体的な安全
衛生管理体制の維持強化を図るとともに、継続的な改善を
行い、災害ゼロを目指す、③職場コミュニケーションを更に高
めるともに、新たな施策を織り込んだ従業員の心身の健康
保持増進を図る、など安全衛生活動方針に基づき健康保険
組合を始めとする関係部署が連携しながら具体的な活動に取
り組んでいる。
「健康経営優良法人2018〜ホワイト500〜」の認定式
優良な健康経営の実践により社員の健康文化育成は重要だ

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2018年3月号94
1.序
 パンを初めて食べたのは小学校の給食でコッペパ
ンを食べたのが初めてだと思う。終戦後でまだ食べ
るものが豊かでない時代、給食のコッペパンには縦
横の長さが2センチ、厚み5ミリほどのバターが中
央に挟まれて脱脂粉乳の不味い牛乳と一緒に給仕さ
れた。戦後、日本の食料難に乗じて米国産の小麦粉
をたくさん消費させる米国の対日向け戦後政策のひ
とつだったようである。
  
 コッペパンの次には丸く渦を巻いてほのかに甘い味
がする甘食パンが登場した。パン屋さんでコッペパン
や甘食にイチゴジャムやピーナツバターを塗ってもら
い、おやつに食べるのが楽しみだった。パン屋さんの
店先で料金を支払ってジャムやクリームを追加するの
は販売商品の少ない時代に、パン屋さんの付加ビジネ
(バリュチェーン)だったのかもしれない。
  世の中が少しずつ豊かになり家の中に電化製品
が増えてくると、食卓の上に左右開きの食パンが2
枚焼けるトースターが置かれ、朝食にパンを食べる
生活が始まった。コッペパンと甘食から芳醇な食パ
ン、菓子パン、調理パンなど他国では見られない豊
富な種類のパンが食べられる国に変化していった。
その理由として国内では伝統的な和食だけでなくイ
タリア料理、フランス料理、中華料理など海外の料
理を食べられるレストランがたくさんあり、家庭で
も毎日、種々の異国料理を食べるので、それらをミッ
クスすることで種々の美味しいパンが開発され、日
本独自のパン文化が発展したように感じる。
『麺麭(パン)
 パンはポルトガルからの外来語で漢字では麺
󱢱󱣔
麭と書く。画数を数えてみると
麺も麭も16画で、合計32画になり、誰が考えたのか難しい当て字を考えたも
のと感心する。古来、我が国では米飯が食生活の中心だったが、戦後の食糧
の乏しい時代から、短期間でパン食が中心の欧米に優る美味しいパンを作り、
さらには異文化の味とのコラボレーションや発想の豊かさを活かして食パン、
菓子パン、調理パンなど種類でも、味でも、見た目でも、品質でも、さらには
包装、輸送面でも世界に誇れる我が国独自のパン文化を創りだした。
 海外にないオリジナリティのある日本生まれのパンを日常的に味わえること
に“口
󱢔󱢅󱢶󱢏
福”を感じる。
ゲンケートジャパンコンサルティング
井上元
(元日本フルハーフ㈱)
“元さんの従心こばなし”

TheTRUCK2018年3月号95
2.パン輸送車
 就職して工場勤務になった。ある日、工場内に上
下に開閉するロールアップドアーが付いたアルミバ
ンが置かれ、昼食後に一人100回、上下に開閉する
ように先輩から指示された。顧客先に製パン会社
があり、配送時の効率UPに国内で初めて装着する
ロールアップドアーの耐久回数の試験だった。米国
から来社していた技術者から、米国では大型トレー
ラにもロールアップドアーを取り付けるが、ロック
ロッドを使用した観音ドアーに比べ、ボデーのモノ
コック構造の維持が難しいので後部扉の強度に注意
が必要なことを教わる。
 全員参加の耐久回数試験がクリアすると、パンは
早朝に配送されるので、居住者の迷惑にならないよ
うに開閉時に騒音の少ないロールアップドアーの開
発が求められ、従来の鋼製ローラーに代わりナイロ
ンローラーを開発し、低騒音への改良が図られた。
 ロールアップドアーの材料は合板にアルミ板を
貼ったアルプライ材からアルミ押し出し材に変更さ
れ軽量化された。当初の米国製の大きな鎌状のハン
ドルは国内製の小型施錠装置に改善されて、海外の
ロールアップ機構に比べ、軽量で低騒音、外観の美
しい製品に変化していった。
 製パン会社ではパンのビジネスに加え、弁当やお
にぎりなどの米飯、ケーキ、氷菓などの販売にも商
品展開を拡大したので、それらの輸送に合わせて加
温車、冷蔵車などが開発された。
 さらに街中のパン屋さんの店先でパンを焼く“焼
き立てパン”の販売が開始されると、工場から店先
まで極低温でのパンの冷生地輸送が求められたの
で、汎用性のある2室車、3室車など他の国にない
ボデーが開発され、国内のパン輸送用ボデーは世界
レベルになっていった
3.トース
 工場勤務から海外担当に転属すると出張や個人旅
行で外国に行くようになった。米国や英国では薄切
りのト−ストが食べられている。日本の食パンに比
べるとカリカリしている。
 国内で“ダブルソフト”の名称で厚切りトースト
用のパンが販売された。3センチほどの厚みのある
食パンを焼いて食べると、中身が柔らかくて食感は
絶品と思うが、海外では厚切りトーストは見たこと
がないし、食べたこともない。機会があれば欧米の
友人らに日本独特の厚切りトーストを食べさせたい
と思う。
 名古屋の喫茶店にはいろいろな種類のモーニング
セットのサービスがあるが、餡子を厚切りトースト
に塗って食べる“餡子トースト”には違和感があっ
た。名古屋の友人は「アンパンはパンと餡子の組み
合わせではないか、トーストに餡子を塗っても何も
おかしくない!」と反論された。さすがスパゲッティ
に片栗粉でとろみをつけた“あん”をかけて名物の
“あんかけスパゲッティ”を生んだ土地柄を感じる。
 雪のように真っ白で中身のソフトな日本の食パン
を美味しく感じるが、それぞれの国や地域で味覚に
も物差しの違いがあることを知る。
軽量、低騒音で操作性、耐久性に優れる国産ロールアップ
ドアー(提供:日本フルハーフ㈱)
海外で見かけない芳醇な厚切りトースト。名古屋には餡子を
塗る名物“餡子ト−スト”もある

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2018年3月号96
 パン屋さんの店頭では6枚切り、8枚切り、10枚
切りとお客の注文に合わせて食パンを切り、ビニー
ル袋に素早く入れて手渡してくれるが、こんな手際
の良いサービスも海外では見たこともない。
 我が家のト−スターは左右に開いて片側ずつ焼く
型式から、焼きあがると真上にポンと上がるタイプ
に変わり、さらに厚切り食パンをトーストできる
オーブントースタへと変化していった。
4.ホッドッグとハンバーガー
 米国を代表するメニューはホットドッグとハン
バーガーである。その昔、ドイツで熱いソーセージ
を食べるのにパンで挟んで食べたのがホットドッグ
の始まりと言われ、アメリカに渡って年間に60本
/人も食べる米国の国民食になった。日本人が海
外旅行から帰国して最初に食べたい食べ物は“寿
司”、“蕎麦”、“みそ汁”などだが、米国人は最初
にコカコーラと“ホットドッグ”、“ハンバーガー”
との答えが返ってくる。
 米国では野球観戦にニューヨークのヤンキー
スタジアムやロスアンジェルスのアナハイム球場
へ行った。球場での食事はいつもホットドッグ
だった。売店でホットドッグを買い、“ケチャップ
(Catchup)”を頼むのだが通じない。後ろの米国人
が助け舟を出して“キャッチアップ”と発音すると
簡単に通じることを教わる。
 海外の一人旅では夕食に度々、ハンバーガーを
買い求めてホテルで食べたが、“マクドナルド”店
は何処にあるかと海外の人に聞いても全く通じな
かった。彼らの“マクドナルド(McDonald)”の発
音を聞いてみると、“マドンナ(Madonna)”と聞こ
える。女性歌手のマドンナと同じ発音で“マドン
ナ”と大きな声で発音すると簡単に通じた。国内
で日常的に英単語がカタカナに訳されているが、
外国人の発音と全く異なるカタカナ語が多いこと
を知る。
 ロサンジェルスから帰国するときは毎回、空港の
カウンターでチリドッグを食べてから搭乗した。旅
の終わる安堵感や、次回の訪米を夢見て食べたチリ
ソースがたっぷりかかったホットドッグの味が懐か
しい。
 高齢になると脂質の多い肉料理を好んで食べられ
なくなるようだが、従心の世代になっても米国の
味、“ホットドッグ”と“ハンバーガー”を楽しん
で食べる健啖家でありたいと思う。
一人が年間に60本を食べる米国の国民食“ホッドッグ”
本場、米国の“バーガーキング”“マクドナルド”などのハンバー
ガー店も日本に進出”
店頭でお客の希望枚数に合わせてパンを切り、手際よく袋に
入れる販売員。海外で見かけないサービス

TheTRUCK2018年3月号97
5.フランスパン
 フランスのホテルでは三日月形をしたクロワッサ
ン、バター風味が香ばしいロールパン、噛めば噛む
ほど味の出るバケットなどのフランスパンがバス
ケット(籠)に入ってサービスされる。コーヒーにパ
ンだけの所謂、コンチネンタル・ブレックファスト
の朝食なのだが、パンの美味しさがおかずの付かな
い寂しさを感じさせない。材料の違いなのか、調理
法の差なのか、気候、風土が原因なのか不明だが、
訪問するたびに本場のフランスパンは美味しいと感
じる。
 日本にも店舗を出店しているフランスを代表する
パン店“ポール(Paul)”には朝から晩までたくさん
の人が並んでパンを買い求めている。一人旅は生ハ
ムやサラミ、スモークサーモンを挟んだバゲットサ
ンドイッチを買って自室での夕食にするが、外皮の
パリパリしたバゲットだけでもワインのつまみに適
していることを知る。
 飛行機の機内食では冷たいロールパンが給仕され
る。仕事で何度も訪れた台湾だが、数年前、台湾の
航空会社“ChinaAirline(中華航空)”を利用して初
めて観光旅行に行った。食事時、エコノミー席にも
関わらずキャビンアテンダント(CA)が“熱いので
気を付けて”と声をかけながら、焼肉を食べるとき
に使用するトングのような道具で温かいロールパン
を挟んで給仕してくれる。東京から台北まで約4時
間の短いフライトだが、温められたロールパンの
サービスは他社にない乗客への気配りを感じ、たっ
たひとつの温かいロールパンが乗客の心を暖かくし
てくれる。
6.菓子パンと調理パン
 パンの中に餡
󱢁󱣔󱢔
子、クリーム、カレー、チョコレー
トなどの具を入れた菓子パンは主食用なのか間食用
フランスのパン屋さんの店頭に並ぶ種々のフランスパン
(パリ仏)
米国民の味、“ハンバーガー”。高齢者にはカロ
リーの高さが気になる” 
フランスパンの代表格“バゲット”ワイ
のつまみにも最高(パリ仏)
フランスパンの名店“ポール”。店頭にお客が列を並んでパン
を購入(パリ仏)

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2018年3月号98
なのか定かではないが、子供の頃、最初に食べた菓
子パンは多分、アンパン(餡パン)だと思う。菓子パ
ンは欧米で人気のデニッシュやペイストリーと似て
いるが異なる食べ物で、日頃、国内で食べる豊富な
種類の菓子パンや調理パンを海外で食べることは難
しく、我が国で生まれた独自のパン文化に思える。
 国内のパン屋さんやスーパーマーケットには数十
種類のパンが販売されているが、店先に並んだ商品
には、パン販売に携わる人たちの気配りや商品開発
への発想の豊かさを感じる。
 和食文化の“餡
󱢁󱣔
”と洋食文化の“パン”を組み合
わせて“アン(餡)パン”を作り、さらに上部にはゴ
マをのせたり形状を変えたりして中身の判別できる
ように気配りしている。
 ジャムパンとクリームパンはフットボールに似た
形をしているが、中の具材が判るようにクリームパ
ンにはギザギザの切込みを入れていることにパン製
造者の優しさを感じる。こんなに気配りを感じるパ
ンは世界中に見当たらない。
 菓子パンはデザインも豊かで、外皮に焼き色を付
けたメロンパン、渦を巻いたパンの中にチョコレー
トやカスタードクリームが入ったコロネ形状は芸術
的でさえある。
 商品開発の現場ではコラボレーション(Collabora
tion:共同・合体制作)の発想が求められるが、新商
品のパンにはたくさんのコラボレーションの成果が
感じられる。
 カレーパンはロシア料理のピロシキを真似たの
か、或はインド料理のカレーと合体して米国のドー
ナツを真似して油で揚げたパンなのか?
 クリームパンやジャムパンは欧風クリームソース
やジャムとの合体で生まれたたように感じる。
 餡子の詰まったアンパンを油で揚げた揚げパンは
日本が生んだ和製ドーナツで、従心世代の糖尿病者
にはカレーパンと同様にカロリーが多いのが気に障
るが、美味しさの魅力でつい手が出てしまう。
 ホットドッグのソーセージの代わりに生クリーム
を入れた生クリームパンやコロッケを挟んだコロッ
ケパン、イタリ
ア料理とコラボ
レーションした
スパゲッティパ
ンやピザパン、
中華料理と合体
した焼きそばパ
ンなど、新商品
の調理パンも次
から次へと新登
場している。
製造者の豊かな発想が感じられる外国にない日本のメロンパ
ン、三色パン、クリームパンなどの“菓子パン”
海外の料理とのコラボレーションで生ま
れたコロッケパンやカレーパンなどの“調
理パン”
ショーウィドーに並んだデニッシュやペイストリー。国内のよ
うな菓子パン、調理パンの販売はない(パリ仏)
国内のスーパーには数十種類のパンが並ぶ。海外では国内
のように袋に入ったパンの販売はない

TheTRUCK2018年3月号99
 三色パンは中身がクリーム、チョコレート、餡子
と三種類の具材が入っているので、何味の中身に当
たるのか食べる前から想像力を沸かせる遊び心に感
心させられる。
 パン業界には新商品への想像力やコラボレーショ
ン発想の豊かな人が多いのかもしれない。
7.サンドウィッチ
 サンドウィッチの語源は英国人のジョーン・サン
ドウィッチ侯爵がトランプ遊びの最中に簡単で早く
食べられる方法として、薄切りのパンのあいだに
ローストビーフを挟んで食べたのが最初らしい。
 初めての米国でルーベン・サンドウィッチ(Reuben)
を食べた時には、日本と比べて中身のコンビーフの
厚みが1センチ以上もあることに米国の豊かさ、ボ
リュームの凄さを感じた。サーモンやハムなども挟
んでいるパンよりも中身が厚いことに驚く。
 欧米のサンドウィッチにはパンの耳が付いている。
日頃、国内ではパンの耳がないサンドウィッチを食べ
慣れているが、よく噛むとパンの耳部にもバゲットパ
ンのパリパリした皮と同様に美味しさを感じる。
 カツサンドは高齢者にはカロリーの多さが気にな
るが、洋食とのコラボレーションで生まれた絶品の
商品である。
 コンビニで販売されている耳のない真っ白なパン
にシャキシャキした新鮮なレタスを挟んだミック
スサンド、生クリームに苺、ミカン、キウイなど
入ったフルーツサンドなど外国にない日本のサンド
ウィッチは世界レベルである。 
 我が国では古来、米飯が中心の食生活だったが、
戦後、数十年の短い期間でパン食が主体の欧米のパ
ンに追いつき、さらに異文化の味とのコラボレー
ションや発想の豊かさで種類も、味も、見た目も、
品質も、包装も、輸送面でも我が国固有のパン文化
を創りだしたといえる。我が国で生まれた食パン、
菓子パン、調理パンはまさにパンの芸術品と呼べる。
 日本で生まれたオリジナリティのあるパンを日常
的に味わえることに“口
󱢔󱢅󱢶󱢏
福”を感じる。
日本固有のサンドウィッチ“カツサンド”
海外で食べられない新鮮なレタスを挟んだ“ミクスサンド”と
生クリームと苺、キウイなどの果物で作る”フルーツサンド“
日本で最初に
“アンパン”を
販売したキムラ
ヤパン(東京銀
座)
モスクワのパン屋さん。(モスクワロシア)