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【特集】日野自動車・下 義生新社長

企業研究
TheTRUCK2017年8月号20
「日野は
チャレンジャー・・」
西 襄二
 日野自動車・下
󱢘󱣃
義
󱣉󱢘󱢉
生新社長は、6月27日の株主総会後の取締役会で
代表取締役社長に選出された後、7月5日に初の記者懇談会に臨んだ。
中・大型トラックで長くップを走る日野自動車だが、小型トラックを含めれば
二位でありチャレンジャーだ、として今後の舵取りに意欲を示した。
技術系生え抜き社長誕生
 東京・西新宿の高層ビルが立ち並ぶ一角、野村
ビル48階の会場には50名余の誌紙記者が集まっ
た。久し振りの生え抜き、それも技術系の社長誕生
に関心の高さが表れたといえよう。
 定刻に入室した下新社長は気負わず穏やかな面持
ちで席に着き、一斉にカメラの放列を浴びながらに
こやかな笑顔で応じ、自己紹介で懇談の口火を切っ
た(略歴参照)。

TheTRUCK2017年8月号21
満を持して登場
 世間的に見て58歳で社長就任というのは特別早
いわけではないが、トヨタ自動車出身の社長が続い
ていた近年の日野の歴史をみれば、下氏の今般の社
長就任は日野自動車の社内に大きなインパクトと
なったことは想像に難くない。
 1999年に北米向け専用トラックのプロジェクト
リーダーを務めたが、ご存知のセミキャブオーバー
型の外観デザインを採用したことは、彼の地のト
ラックデザインの流れを強く意識した決断であった
といえるだろう。
 2002年に米国日野販売に副社長として転じたこ
とは、この自ら手掛けた製品の市場性を正にその地
において確認することになる。同時に、既にこの時
までに技術系の素地にマネジメント力が加わって商
用車専業の企業力を率いる人間力が認められていた
ことを示す証左であったろう。ニューヨークを拠点
として米国滞在中に、自分が手掛けた北米専用車の
マーケティングに没頭する中で、企業が社会と市場
とどのように係わってゆくべきかを掘り下げる必要
性を強く感じた結果、個人的な時間を割いて略歴に
ある中大大学院総合政策研究科にに通って2005年
に博士・課程を修了したことは、納得ゆくまで自己
研鑽に磨きをかける氏の姿勢が読み取れる。
 2011年に執行役員に昇進し主として商品企画を
担当、終始自社の立ち位置を客観的に分析する目
をもっていた姿勢が覗われた。2012年には常務役
員、2015年には専務役員に就任し今日の地位が約
束されたと思われるが、過半の株主であるトヨタ自
動車との絆を強めるある意味だめ押しのキャリアと
して2016年にトヨタ自動車の常務に就任し、主
としてアライアンス関係の担当を経験している。こ
の間に、トヨタからみた日野の立場や役割を改めて
見直す機会を得て筆頭株主の信任も不動のものとし
て今回の日野自動車代表取締役就任となったもので
ある。
 2017年は日野自動車の創立75周年の節目の年
に当たる。ここでプロパー社長の就任は特段の意味
があるといえよう。
『トラックやバスという社会の物流と交通を支
える機能の底辺を支える役割の当社は、製品寿命
が10年から15年という長期に亘ることからアフ
ターセールス事業が特段の重要性を帯びている。こ
こに一層力を入れてゆくことが肝要。』との心中を述
べて一問一答に移った。
問1 直近の1年間をトヨタ自動車の常務として
過ごされました。ご感想は如何ですか。(女性記者)
󱀄
トヨタが時代の変化を受けて危機感のカタマ
リにあると肌で感じた。例えばEV(電動車)。
単独ではダメでどの相手とアライアンスを組むか、
という視点が益々重要性を帯びてきている。
 時代の変化に対応するという観点では商用車の変
化の方が激しいと感じている。
 トヨタの凄さは人作りにあることを改めて印象付
けられた。全世界に20数万人の自社スタッフを配置
しているだけに、企業の浮沈は人間力に掛かってい
るとの認識が強いのだろう。日野も一層学ぶべきだ。
 商品的には、社会的にインパクの大きい安全への
取り組みを一層強化する。
 トラックもバスも安全装備の標準化を進め安全技
術の普及に務めてゆく。コーポレートとしての姿勢
として発信してゆきたい。
問2 物流を支えるトラックを提供する立場で、ど
のようなお考えをお持ちですか。(男性記者)
󱀄
直近の話題は人手不足がある。宅配ビジネス
の環境変化もある。
 車両メーカーとしての取り組みには様々あるが、
幹線道路での大型トラックの隊列走行の実用化も視
野に入れている。この分野ではいすゞ自動車と協働
しているが、近く、実証実験に入る計画がある。
 日本の物流は、効率という視点では未開発の分野
がまだまだ多く改善余地が大きい。全体最適を目指
して取り組みを継続してゆく。
問3 アライアンスのあり方についてもう少し補足
頂きたい。いすゞ自動車との関係は?(男性記者)
󱀄
トヨタでの経験からいえば、トヨタも自分
たちが(業界で)一番とは思っていない。だか
ら、激しい環境変化に迅速に対応する為に相手を選

TheTRUCK2017年8月号22
んで適切なアライアンスの実現に務めている。
 今迄この方面について、日野はどちらかといえば
不得手であった。いすゞとの協働は従来からの予定
通り進めて行く。
 先ほどの隊列走行の事に付け加えるなら、3台以
上の大型トラックが隊列走行するとして、1台目は
有人、2台は機能的には無人で先行車に車間距離
10mで追尾し、3台目も機能的に無人で車間距離
10mで2台目に追尾して走行するイメージだ。走
行速度は自動車専用道路での法定上限速度が目標と
してある。
問4 トヨタのCVカンパニー(筆者注:商用車
担当部門)との情報交換はどの様に行ってゆきます
か。(男性記者)
󱀄
トヨタと日野のチームで対応してゆく。物流
の現場に入って何が求められているか正確に
把握して製品やアフターセールスの仕組みに反映さ
せなければいけない。
 私はトラックやバスといった商用車は関係する社
会の仕組みの中で貢献すべきであり、入社当時から
その考えであった。これは今も一貫した姿勢である。
問5 海外市場についてどの様にお考えですか。ト
ヨタと協働しますか(女性記者)
󱀄
地域によって市場特性は違うので、一律な対
応でなく夫々の特性を見極めて対応する。大
きな括りとしては、北米、中南米、南アフリカ・北
アフリカ、中国、インド及びアジア、それにロシア・・。
 北米は[クラス6]に対応する北米専用車が現在
13,000台/年の規模に育っている。現在は国内も
含めて海外全体で11万台/年の規模だ。インドに
ついては部品供給基地として重視してゆく。商用車
メーカーとして目指すべき姿はトータルサポート体
制を高めてゆくことだ。これについては日本が先行
しているが、これをアジアに展開してゆく。タイ、
インドネシア、ベトナムなどが大きく伸びる筈で
ディーラーを大切にしてゆきたい。
問6 ドライバー不足についてどの様にお考えです
か。(男性記者)
󱀄
少子高齢化・人口減少傾向の流れの中にあっ
て、各種の対策を地道に重ねて行く必要があ
る。女性ドライバー対策も重要な課題の一つだ。
 日野は大型中型トラックでトップを自負している
が、小型トラックを含めれば未だ2位である。チャレ
ンジャーとの思いでやるべきことをやってゆきたい。
問7 アライアンスについてもう少しお聞きした
い。これまでの提携先とは別にアライアンスの相手
は広げるのでしょうか。(男性記者)
󱀄
ジェイバス株式会社を共同運営しているい
すゞとの関係は永く継続しておりうまく行っ
ている。先ほどの自動運転による隊列走行の実用化
に向けての協働はトラック分野でもアライアンス関
係が強い表れだ。両社の歴史的関係からの必然でも
ある。ただ、新たなアライアンスの相手とも、必要
と思えば躊躇せず手を組むことはあり得る。
問8 大型トラックの生産拠点が古河工場にほぼ集
約されます。すると日野工場は今後どの様になりま
すか(筆者)
󱀄
今期中に大型トラックの生産は新両工場に集
約される。本社工場の跡地は未だ何も決まっ
ていないが、個人的にはグローバルでのトータル・
サポートの発信拠点として活用できないかと考えて
いる。具体的にはこれからだ。
問9 全世界の日野車の保有台数からみて、今の構想
をもう少し具体的にお話いただけますか。(男性記者)
企業研究
北米専用車ノースカロライナ州の販社店頭にて(SEリドストランド撮影)
日野・北米専用車販売実績
期 間 販売台数数値
2004 年〜 2013 47,545
2014 年〜 2017 6 37,420

TheTRUCK2017年8月号23
󱀄
全世界で稼働中の日野車は160万台ある。
内、国内は85万台。これらの車のメンテナ
ンスを行うのに日野の系列工場で担当しているのは
30%と認識している。サービス工場のリニューア
ル、受け入れ体制の拡充、小型専用ショップの整備、
メカニック不足への対応など課題は山積している。
整備士の育成も喫緊のテーマだ。
 先ほども述べたとおり、小型トラックも含めた全
トラック市場では日野は未だ2位でチャレンジャー
だ。施策の中で小型トラックの伸びに注力してゆく。
問10 世界の自動車はEV化の方向に向かってい
る。トラックやバスはこれからどうなるでしょう
か。(男性記者)
󱀄
バスではEV化も具体的に考えてゆくべきだ
ろう。但し、商用車はコストを重視しなけれ
ばビジネスとして成立しない。この観点で、小型バ
スはEV化の可能性は高いのではないか。大型車は
(ハイブリッド車などの)現状の延長線上が現実的な
のではないか。
 トヨタの燃料電池車(FCV)のコンポーネントを
共用する考えもあるかも知れない。同じ思いのパー
トナーがあれば協働することもあり得るのではない
か。ただ、今後の展望は20年程度の長い見通しの
上で論ずる必要がある。
問11 トヨタの子会社化の可能性はありますか。
(男性フリーランサー)
󱀄
これはトヨタの考え方次第だ。ただ、ダイハ
ツとは立ち位置が異なる。個人的にはその可
能性は無いと考えている。1年間トヨタの人間とし
て働いた関係でそれなりに人脈もできている。そう
した経緯もこの考えには反映している。
問12 トラックは架装されて初めて機能を発揮す
るのに、架装メーカーの生産能力が不足して納期が
長くなっています。1年半も納車待ちの事例もあり
ます。どのようにお考えですか。(男性記者)
󱀄
ご質問は重要な課題です。当社のグループに
トランテックスがあります。カーゴ系の需要
には完成車比率を上げて対応を早めることにも一層
力を入れてゆきます。細かい仕様なども含めて対応
力を上げてゆきます。
問13 バスのグローバル市場でみた日野のブラン
ド力について、どの様にお考えですか。(バス誌記者)
󱀄
バスについてもブランド力を強く高めてゆき
たい。成長市場への対応力を考えると、現状、
バスボディの生産に力不足を認めなければならな
い。これが大きな課題だ。インドネシア、パキスタ
ンなど成長市場ごとに適切に対応してゆく。
 大型バスについてはディーゼルは今後も主流と考
えているが、電動化も考えねばならない市場がある
だろう。トラックのFCVのコンポーネントの活用
もあり得る選択肢かも知れない。
 一つ一つの質問に丁寧に対応して予定の1時間
を超過して11時10分に懇談会は終了。筆者を含
め多くの記者達が名刺交換に列をつくったが、終始
にこやかに相手の眼を注視して対応されていたこと
が強く印象に残った一時だった。(この稿おわり)
日野自動車株式会社下義生氏新社長略歴
生年月日1959年1月28日生
学  歴
1981年 早稲田大学理工学部機械工学科卒業
2005年 中央大学大学院総合政策研究科博士
課程(前期課程)修了
主な職歴
日野自動車入社、第一研究部でバス設計を担当
1986年より製品開発室にて初代セレガを企画
1999年 商品企画部にて北米専用車のプロジェ
トリーダーなどを務める
2002年に米国日野販売 上級副社長に就任
2005年より海外企画部長、北米事業部長を経て
2011年に執行役員、2012年に上級役員、
2015年に専務役員に就任
2016年 トヨタ自動車の常務役員に就任
2017年6月27日 日野自動車 代表取締役
社長に就任
趣味/
休日の過ごし方
美術館めぐり、建物を見ながら街歩き、
歌舞伎鑑賞
座右の銘「ならひのなきを極意とする」(千利休)

安全システム研究
大型連結車などが一度事故を起こすとその影響は多大である(この写真は本文とは直接関係ありません)
 ボルボが安全への取り組みを始め、これを公にしたのは1965年
代。地道な交通事故調査活動を積み重ねて得られた知見から、今日
のシートベルト、車体/台構造、緊急時の自動制動システムなどが
生まれ、安全基準に取り込まれて他車への普及につながってきた。
この貢献の歴史を筆者の体験を交えて辿ってみよう。
文と写真・
スヴェ
エリクリンドスラン
(国際自動車記者)
訳・構成 
西襄二
TheTRUCK2017年8月号24

ボルボトラックスで全世界の事故調査チームのヘッドを務めるペーター
ヴェルス(ステアリングを握っている)。背中を見せているのはキャブ専門
家の ウルフ・トルギルスマン。現場で調査に当たる6 名とデータ整理
とマネジメントを担当する2名の計8名のチーム編成だ
第一部 Volvo車安全性追求の歴史
交通事故に関するボルボの調査報告
安全ベルトに関する全てを物語る
 この7月初旬、VolvoTrucksボルボ・トラック
スの本社(スウエーデン・ゴーテンバーグ市)が国際
記者会見を行うとの呼びかけを行った際、参加した記
者達(ブラジル、チリ、アルゼンチン、オーストリア、
ギリシャ、ドイツ、スペイン、デンマーク、フィンラン
ド、ベルギー、イギリス等=順不同=)の間にはラ
イバルScaniaスカニアの最新装備(サイドウィンドウ
に装備したサイドカーテンエアバッグ)に正面から対抗
する、或いはその性能を上回ることの発表ではない
か、或いはメルセデス・ベンツの歩行者に対しても有
効な自動ブレーキシステムと同様システムの発表か、
との期待感をもって受け止められていた。
 今回の発表は、実際にはこれまでのボルボの走行
中の安全性に関する取り組みを再整理した最新の内
容であった。広域欧州で発生したトラックが関与する
重大交通事故の発生件数は、近年、減少傾向にある
という。これは良いことだ。
 加えて、ボルボは、高度情報システムが交通事故
の発生を減少させていることにも触れている。特に強
調したのは、2015年11月からEU圏内で施行さ
れた大型車輌に対する衝突警報と緊急制動システム
で、その作動を実際に見せることも行った。ボルボは
この法規制定に先立つ2012年に、独自の緊急制動
システムを実車に搭載して世に問うている。筆者もこ
の時にデモ車を運転して、その衝撃的効果を体験し
印象深かったことを記憶している(後述)。
〈訳者注:ボルボは、現在は乗用車部門とトラック
部門に分割され、前者はボルボ・カーとして資本的に
は中国の浙江吉利控股集団(ジーリーホールディング
グループ)に2008年に買収されて現在その傘下に
ある。ボルボ・トラックスはボルボの歴史と乗用車以
外のトラック、マリン、建機、その他の製品部門を継
承してスウエーデン発祥の国際企業としてその存在感
を誇示している。周知の通り、トラックについてはフ
ランスのRenautルノー、アメリカのMackマック、
日本のUDトラックスの各ブランドを傘下に持つ。〉
追随希望企業、後を絶たず
 自動車業界の中でボルボは、安全に対する研究開
発の取り組みに最も長い歴史を有する企業として名実
共に認められており、今日では他のメーカーも取り組
みを強化してボルボに追随している。ボルボは自社製
車の関与の有無を問わず、公道で発生した交通事故
の因果と損傷との関係調査、これに基づく研究を継続
して50年の歴史を刻んできた。これは自動車の安
全問題について、他のどの企業よりも先行して来た証
である。
蓄積された莫大な数の記録
 世界中の統計によれば、毎年、120万人が交通
事故の犠牲となって死亡している。これは毎日3500
人が亡くなっている計算だ。例えるなら、毎日10機
のジャンボジェット機が墜落して乗員が全員死亡して
いる、とも言える数だ。こんな事が航空業界で起こっ
たら直ちに運航停止措置がとられてもおかしくない。
EU圏内で毎年発生している重大交通事故は2万6
千件に達し、内15%にトラックが関与しているとされ
る。件数にすると3900件に相当する。
無防備の通行者等に焦点を当てれば
 “過去10年間についてみると、欧州に於いて大型
トラックが関与した重大交通事故は半減している。と
ころが、無防備の歩行者等についてみると、同じよう
な減少傾向にあるとは言えない。これが我々の最新
調査の結果なのです。”と語るのはカール・ヨハン・ア
ルムクヴィストで、彼はボルボ・トラックスの全世界交
通及び製品安全部門長だ。
TheTRUCK2017年8月号25

安全システム研究
シートベルトはかなり昔に自動車の法規制で装着が義務づけられた。ボ
ルボはトラックに3点式を提案した。その頃、上部ポイトはBピラーに
取り付けられていた。ドライバーシートは体格によって上下にも調節する
構造で、かつ振動吸収のサスペンションも装備されていたから、運転中
に人によって胸に食い込んで不快を訴える人も出る始末だった。1979
年、ボルボは上記のような上下振動馴染んで胸を圧迫せず、一度急ブ
レーキなどが作動したときにはしっかり上体を支える仕組みを組み込んだ
ものだ。
ボルボトラック社の事故調査チーム長のカール・ヨハン・アルクヴィスト
“交通量の多い路上で保護されていない(無防備な)
クターの通行者の保護は、喫緊の課題です。この対
象者は、歩行者であり、乳母車を押す親御さん達で
あり、スケートボーダーであり、自転車に乗っている
人であり、大小のモーターサイクル運転者達である。
トラックドライバーにとっては、自分の車の直近の周
囲に何があるか鮮明に認識出来ることが必要だ。とり
わけ交通量の多い場所では車両間近の視界の確保が
事故防止に重要です。”とカール・ヨハンは続ける。
見えない部分
 現存車の車外ミラーの設備状況では見えない部分
を補完する為に、ボルボは解決策として助手席側車
外の下部の視界を確保するカメラを提案している。こ
れにより、自転車等が直進しようとしている場面で、
自分のトラックは左折しようとしている際の自転車等の
視認性を確保することができる。(訳者注:ここでは右
側通行で左ハンドル車を運転している場合を想定。)
監視機能が人命保護に最も重要
 別の観点で驚くべき調査報告がある。トラックドラ
イバーのかなりの割合がシートベルトを着用していな
い実態を明らかになっている。交通事故に巻き込まれ
た際に人命保護に最も関係するのがシートベルトであ
ることを忘れてはいけない。
 “シートベルトを着用せずに事故に遭い死亡したド
ライバーの半数は、シートベルトを着用していれば
死亡せずに済んだと言える”と断言するのはボルボ
トラック社の事故調査チーム長のペーター・ヴェル
スだ。
 “何故シートベルトを着用しないのか、という質問に
対する答は、時間が無かったから、とか、必要と思
わなかった、などがある。一方、秘話的な話として、
鉄道の踏切で衝突の危機にあったドライバー(男性
或いは女性)がシートベルトを着用していなかったので
奇跡的にキャブから脱出できた事例が少数ながらあっ
た。”とペーターは続けた。
 何故事故は起きたのか、との問に、”不幸にして”
という答が屡々聞かれる。真実はと言えば、殆どの
ケースで事故の原因はドライバーの判断ミス、注意散
漫、速度超過、或いはアルコールや薬物の服用が起
因している、とペーターヴェルスは結論付けている。
TheTRUCK2017年8月号26

第二部ボルボ・トラックスの事故調査チーム
 第一部で見られたように、ボルボ社は道路交通の
安全への取り組み、という観点で他社を凌駕してき
た。これは乗用車と共にトラックについても評価され
ている。同社の交通事故調査チームがこの分野の
活動の基軸と考えてよい。現在、この組織の任務
はボルボ・トラックスの組織内で製品開発部門の重
要な機能である。社内ではこの組織機能をART:
AccidentResearchTeam事故調査委員会と呼ん
でいる。
 1969年の発足以来、この組織が現場で調査した
数千件に上るボルボトラックが関与した交通事故を通
じて、数多くの調査報告書が作成され、それらに基づ
いてトラックに搭載される安全装備や交通環境の安全
に向けた改善に深く寄与してきたことは間違い無い。
事故現場で
 実務上の観点から、ARTは事故発生の一報を受け
るとスウエーデンのゴーテンバーグ市の本部から1時
間以内で到着できる範囲であれば現場に駆けつけて
調査を開始する。欧州大陸側であれば、ベルギーの
ゲント市を始めにオランダ及びドイツ国内に現地調査
事務所を開設しており同様の対応を行う。
 1995年には、北米のボルボ・トラックスとGM(当
時)の共同拠点であるノースカロナイナ州グリーンズ
ボロにも事故調査チームを設置している。しかしな
がら、アメリカに於いては事あらば訴訟に持ち込もう
とする弁護士と裁判所などの司法関係者の動きがあ
り、ボルボの事故調査活動は排除されることがある。
安全ベルトは最も重要な安全装備
 事故調査委員会の発表する報告書群は、様々な事
故の形態を明らかにしてきた。
 第一の形態は1973年に発行された報告書が指摘
しているが、それは大型トラックと路上の保護されて
いない通行者の衝突事故についてである。
 第二の形態は、大型トラックと乗用車の深刻な事故
例で、これは1974年1月の報告書に記されている。
1994年3月の報告書では、ボルボ車の乗員に係わ
る負傷事故についてエアバッグが作動したので負傷は
深刻にならずに済んだことを述べているが、シートベ
ルトを着用して居る場合にのみ負傷の度合いが軽くな
ることを強調している。
 様々な形態の事故報告が、ボルボ車の安全面での
製品開発に寄与したことは明らかである。1970年
代に表された2件の報告の中で、その後Fシリーズ
車に採用された、低めに取りつけられたフロントバン
パーに反映されたことを記している。これは、乗用車
がトラックのフレーム下部に潜り込んでしまった事故を
教訓として採用された安全設計の例である。現在、
この方式はFUPS(FrontUnderrunProtection
System乗用車のフロント潜り込み防止システム)と
して広く採用されている。ステアリングホィールを可
撓式としてシートベルトを組み合わせる方式は、法規
制に採用されるかなり以前にボルボトラックでは採用
された安全対策である。同様に法規で規制される以
前に、ボルボ車ではエアバッグ、交通状況に順応し
たクルーズコントロール、更には緊急自動制動システ
ムなどを採用した事例を挙げることができる。
第三部 ボルボの緊急ブレーキについて
 2015年11月以降、EUの法規では2〜3軸の
大型トラックにあっては、標準で緊急ブレーキシステ
ムを搭載しなければならなくなった。これは、先行車
への追突事故の減少を狙った施策である。こうした先
行車への追突事故はトラックが関係する全交通事故の
およそ20%を占めている。法規による緊急ブレーキ
は時速10キロ相当の減速を定めている。
 なお、2018年迄に緊急ブレーキの減速幅は時速
20キロ相当へ強化される
 ここで指摘しておきたいことは、法規による減速幅
は依然として弱いことだ。若しもあなたが時速80キ
ロで走行しているとして、相手車が停止状態なら、
衝突時の強い衝撃を考慮すれば減速幅は時速20キ
ロよりもっと強い効果が要求される、とカール・ヨハン
アルムクヴィストは指摘している。
警報機能の拡充
 ボルボ・トラックスではこうした場面の為のシステ
ムを“緊急ブレーキ付衝突警報システム”と呼んでい
る。カメラとレーダーを組み合わせたシステムがこの
場合のキモであり、先行販売された車には既に採用
TheTRUCK2017年8月号27

安全システム研究
筆者が2013年に自ら体験した当時開発中の非常ブレーキ作動実験の模様。前方に徐行するダミー車を検知した実験車は、自動で緊急ブレーキシステム
が作動した
激しい断続的動作
 トラックのブレーキがシステムからの指令により動作
を開始すると、最大7m/sec2の減速度が発生す
る。これは乗用車でフルストップをかけた状態に匹敵
する急制動だ。実際の場面に当てはめてみると、時
速80キロで走行していたトラックが40mの距離で停
止すると思えばよい 緊急ブレーキが作動すると、
制動ランプは明滅し、後続車のドライバーに注意を喚
起する。そして完全に停車すると、ハザードランプが
自動的に作動する。
第四部 自動緊急ブレーキを実車体験する
 以下は、2013年に筆者がボルボの自動緊急ブレー
キを体験した際の印象である。
 供試車はVolvoFH13型4×2のセミトラクタ+
3軸セミトレーラの連結車で時速60キロで走行。場
所はゴーテンバーグ市内のストラ・ホルム走行試験場
の左カーブ地点、積荷の重量は合計で4トン、エン
ジンは快音で走行していた。カーブの終わりに差し掛
かった地点では同乗の係員からクルーズコントロール
の速度保持(クルーズ)ボタンを押すように指示を受け
た。車は予めセットされた車速の時速70キロまで加
速を開始するが、係員は筆者にアクセルとブレーキの
両ペダル類には足をかけないように指示した。
 およそ50m前方に突然、道路をブロックするよう
に時速約20キロ以下の低速で走る車が現れた。こ
れは空気で膨らませたデモ用のダミー車だった。
されている。2012年には採用されており、当初はド
ライバーに対して衝突の危険性を警報するものであっ
た。多くの事例で、この程度のシステムでも衝突事
故防止にはドライバーに対する注意喚起により事故防
止効果が認められたものだった。
 若し、衝突の危険性があるとシステムが感知すれ
ば、強い発光ランプと警報音でドライバーに危険を知
らせる。これに対し、若しドライバーが反応しなけれ
ばシステム自体が制動をかける。それでもドライバー
が制動動作を行わなければ、システムがフルストップ
をかける。
TheTRUCK2017年8月号28

停止した瞬間のドライバー席の筆者 劇的な緊急停止に息を飲んだ格好だった
が、上体はシートベルトでしっかり保持されていた
俄に現れた前方の障害物を発見しても自分で制動操作を行わないように
指示されていた筆者の様子
まるでドラマのように
 瞬時に次の様な現象が起こった。筆者の目の前
の風防ガラスに赤色ライトが点滅し、続いて警報
が鳴り響いた。その直後、自動制動が作動し始め
たが筆者は何をするでも無くただステアリングハン
ドルをしかと握っているのみだった。衝突寸前の数
mのところで筆者は反応を取り戻しブレーキペダル
を思い切り踏み込んだ。実際には車の方が既に最
大制動を効かせており、キャブは前のめりになって
筆者はといえばシートベルトで上体を支えられてい
るのだった。そして、筆者達の試験車はダミー車
の数cm手前で停車したのであった。
現実の事ではなく
 幸いにして、この実験の設定は交通状態のある
場面を想定したものであった。低速走行車は空気
で膨らませた“ダミーカー”でボルボのV70型車
に牽引されて徐行していたものである。この実験
の目的は、ジャーナリストとしての筆者に実際の交
通の場面でボ
ルボの(当時既に実用域にあった)
急ブレーキの作動の実際を体験させてくれたので
あった。
 これは実に説得性のある実験であった。この
システムのボルボによる正式名称は緊急ブレーキ
付衝突警報システム(CollisionWarningwith
EmergencyBraking:CWEB)という。
システム構成
 CWEBのシステム構成だが、前進中の自車の前
方に停車しているか速度の遅い車を感知すると、ド
ライバーの目前のフロントガラス(ウインドシールド)
に赤色の警告灯が点灯し、警報が鳴り響いてドライ
バーの注意を先ず喚起する。
 ドライバーが即時に制動をかけるか車線変更を行
なうようなステアリング操作を行わなければ、赤色
警告灯は点滅を開始し自動的にブレーキが作動し瞬
時に最大制動力が発揮し制動灯は点滅を開始して
後続車に非常を知らせ、続いて車は停止する。
TheTRUCK2017年8月号29

安全システム研究
実験車の自動緊急ブレーキは40トン積載のレーラごとフルストップをかけて、ダミーの僅か数センチ手前で停止した
ボルボ独自の方式
 欧州や北米のトラックメーカーは、似たような非
常制動システムの採用を行っている。これらは、
WabcoワブコやBendixベンディックスといったサ
プライヤーからの部品供給を受けて組み立てている。
 一方、ボルボは独自の方式を自社開発しており、
センサーとしてレーダーとカメラの複合方式を採用し
ている。これに対し、他社の場合はレーダーのみによ
るセンシングの筈である。
システム構成
 CWEBのシステム構成だが、前進中の自車の前方
に停車しているか速度の遅い車を感知すると、ドライ
バーの目前のフロントガラス(ウインドシールド)に赤
色の警告灯が点灯し、警報が鳴り響いてドライバーの
注意を先ず喚起する。
 ドライバーが即時に制動をかけるか車線変更を行な
予防機能
 上述した非常ブレーキシステムは、ボルボの大型
車にあっては既に2014年央に標準装備されたので
ある。これはEUが法規として装備を義務付けるより
1年前の事だった。
 2013年には、前記のCWEBシステムはボルボ
のFHシリーズ車においてオプション仕様に指定され
ていた。その目的は追突防止であったことは言うま
でも無い。追突事故というのはまま発生することであ
り、重大事故につながりやすい。自動車専用道路で
はことのほか可能性がある。速度超過であったり車間
距離が短い状態で隊列状態をなして走行している場
合などでは、特に安全マージンが小さくなっている。
 衝突防止緊急ブレーキシステムの作動をもってして
も追突事故を完全には防げないとすると、走行速度を
低く抑えることを考えなければならない。
TheTRUCK2017年8月号30

フルストップが作動したレーラ側のタイヤは路面との間でかすかに発煙していた
別に用意されていた被突用ダミー車
うようなステアリング操作を行わなければ、赤色警告
灯は点滅を開始し自動的にブレーキが作動し瞬時に最
大制動力が発揮し制動灯は点滅を開始して後続車に
非常を知らせ、続いて車は停止する。
TheTRUCK2017年8月号31

TheTRUCK2017年8月号32
記者会見に出席した(左から)桝野龍二理事長、国土交通省自動車局平嶋隆司貨物課長、坂本克己新会長、辻卓史副会長
 公益社団法人全日本トラック協会(全ト協)は、2017
年6月29日に第93回通常総会、及び第171回理事
会を東京・新橋の第一ホテル東京で開催。任期満了
に伴う役員改選では、星野良三会長(80、多摩運送
会長)が退任し、新たに坂本克己副会長(78、大阪運
輸倉庫会長)が会長に就任した。それを受け7月13
日、第一ホテル東京で会長就任にあたっての記者会見
が行われた。
 坂本新会長は、「現場で働く人々にとって、豊かな労
働環境を実現することを目指し、ドライバーの幸せに全
力を尽くしていきたい」と、総力を挙げてトラク運送業
界の発展に取り組んでいく姿勢を明確に表明した。さ
に、「トラック運送業界は、いよいよここにきて、非常に素
晴らしい業界になってきたと感じています。トラック運送
業界が、いつまでも“生活と経済のライフライン”として
の重要な役割を果たし続けるためには、何より現場で汗
をかいて大変な苦労をしているドライバーの皆様に“こ
の業界はいい業界だ”と思っていただけることが重要で
す。“ドライバーの幸せ”を最重要課題と位置づけ、労
働環境をよくするなど、これから様々な施策を進めて行
きたいと考えています」と語った。
 具体的には、「ドライバーが普通に働けば世間並みの
給料がもらえる、安心して働ける業界にしていくことが求
められています。そのためには、荷主から適正運賃を
全ト協ニュース
全ト協新会長に
坂本克己
が就任
ドライバーの幸せが
最重要課題
豊かな労働環境の
実現を目指す

TheTRUCK2017年8月号33
豊かな労働環境実現のため「ドライバーの幸せに全力を尽く」と語る坂本新会長
運送関係の報道機関を集めての記者会見
収受できるような環境をつくっていく必要があります。全
国の運送業者の皆様がしっかり運賃・料金を収受でき
る環境づくを推進して行きます」と述べた。それと併せ
て、「長時間労働の削減、生産性向上といった“働き方
改革”を進めていくことが必要です。国土交通省・厚
生労働省の『トラック輸送における取引環境・労働時間
改善協議会』も活用して、パイロト事業の成果を普及
浸透させ、長時間労働の削減、生産性の向上に取り
組んでいきます」も語った。
 下請多層構造や第一種貨物利用運送(専業水屋)
どの問題をはじめ、高速道路料金の大口・多頻度割引
の恒久化などトラク運送業界を取り巻く様々な諸課題
について、「業界としてままった意見をつくって、一丸と
なり、火の玉のごとく業界全体がまとまって解決していく
ことが最も重要」だとした。
 任期満了に伴う役員改選では、坂本会長のほか、
副会長に奈良幹男氏(北海道)、竹津久雄氏(全国)
新たに選任され、須藤弘三氏(宮城)、千原武美氏(東
京)、小林和男氏(新潟)、小幡鋹伸氏(愛知)、辻卓
史氏(大阪)、小丸成洋氏(広島)、粟飯原一平氏(徳
島)、眞鍋博俊氏(福岡)が再選された。また、福本秀
爾理事長が退任し、新たな理事長として桝野龍二氏が
選任された。さらに、細野高弘氏の退任に伴い専務理
事が空席となったほか、常務理事には山崎薫氏、松崎
宏則氏、藤原利雄氏が再選された。なお、永島功常
務は退任。星野氏は名誉会長に就いた。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇

TheTRUCK2017年8月号34
“高速道路料金の大口・多頻度割引の継続を実現しよう〜!”“軽油引取税を含む自動車
関係諸税の軽減を実現しよう〜!”とトラック業界の要望を実現する会」でシュプレヒコール
を行う坂本会長
 全ト協は、「トラック運送業界からの最重点要望事項」
をまとめ、7月10日、自民党トラック輸送振興議員連盟(ト
ラック議連)の細田博之会長、赤澤亮正事務局長に対
して、平成30年度税制改正・予算に係る最重点要望
事項に関する要望を行った。
 トラック議連の細田会長らを訪ねた坂本克己会長、桝
野龍二理事長は、トラック運送業界の現状ともに、働
き方改革実現のための諸対策に係る補助・助成や高速
道路料金の大口・多頻度割引最大50%の継続などの
最重点要望事項について説明した。
 トラック運送業界からの最重点要望事項は次の通り
なる。
1.働き方改革実現のための諸対策に係る補助・助
成の創設・拡充
 本年3月、「働き方改革実行計画」が取りとめられ、
自動車運転業務の時間外労働について、年720時間
以内とする一般則が適用される5年後に、年960時間
以内とする上限規制が適用されることとなった。政府で
は、取引条件改善などの取組を推進する一環として、
商慣習の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推
進することされたことを踏まえ、働き方改革に対応し、
長時間労働抑制がさらに促進されるよう、中小企業に
対する労働時間の短縮を支援する助成金の創設・拡
充やトラック予約受付システムの導入、荷役作業の機械
化など諸対策に係る補助・助成の充実を図られたい。
2.高速道路料金の大口・多頻度割引最大50%の
継続
 トラック輸送にとって、高速道路の利用は、輸送時間
の短縮及び定時性の確保等生産性の向上やドライバー
の拘束時間短縮等労務負担の軽減、一般道における
交通事故の削減や環境改善に大きな効果をもたらすた
め、今後も積極的に高速道路の利用促進を図りたいと
考えており、また地方創生を推進する観点からも地方と
大都市圏とを効率的につないでいる高速道路の利用は
不可欠である。
 高速道路料金における大口・多頻度割引の最大割
引率50%の措置は、ETC2.0搭載車を対象として平成
30年3月末までとなっているが、トラック輸送が国民生活
と経済のライフラインとしての機能を将来的にも維持し続
けるため、この最大割引率を継続されたい。

TheTRUCK2017年8月号35
7月10日に細田博之自民党トラック議連会長と赤澤亮正自民党トラック議連事務局長に対して要望書を提出する坂本会長と桝野理事長
全ト協の新たな理事長に就任した桝野龍二氏
3.高速道路の積極的な活用に向けた諸施策の実現
 トラック運送事業者がより高速道路を活用できるよう、
以下の施策を実施されたい。
⑴全国の高速道路ネットワークの積極的な整備推進
及びミシングリンクの解消
⑵安全対策の推進(暫定2車線区間の4車線化、ワ
イヤロープの設置等)
⑶渋滞対策の推進(ピンポイト渋滞対策、主要幹線
道路の整備等)
⑷自動運転や隊列走行の実現、ダブル連結トラックの
導入推進など物流効率化のための取組推進(技術
開発の促進や新東名の六車線化等)
⑸その他の施策
 ①ETC2.0によるサービスの拡充
 ②SA・PA、道の駅における駐車スペースの整備・
拡充や路外施設と連携した休憩施設の確保、スマー
IC事業の活用
4.自動車関係諸税の軽減
・軽油引取税は、一般財源化により、本来国民が公
平に負担すべきであるにもかかわらず、「当分の間税
率」と名前を変えてトラック運送事業者が負担を強い
られており、「税負担の公平」の原則に著しく反してい
ることから、少なくとも旧暫定税率相当分を廃止され
たい。
また、トラックには過重な自動車関係諸税が課せられて
いることから、自動車税の引下げ、自動車重量税及
び自動車取得税に係るASV(先進安全自動車)特例
措置の延長・拡充など自動車関係諸税の軽減を図ら
れたい。

TheTRUCK2017年8月号36
 平成23年6月から3期6年間、会長職を務めた
星野良三氏(多摩運送㈱会長)が6月29日開催の第
93回通常総会および第171回理事会で退任した。中
西英一郎元会長の後を継いで全ト協会長に就任した
星野氏は、東日本大震災発生(23年3月11日)直後
という事もあって、大災害時におけるトラック運送の役
割を前面に押し出し公共性を強く訴えた。その後も持
ち前の行動力で全国の全てのトラック協会を自らの足
で訪ね、地方のあり方に耳を傾けたことも特筆される。
今総会で退任の挨拶を求められて、星野前会長はお
よそ次のように述べた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 振り返ってみますと、私がこのトラック運送業界に入っ
て、ちょうど60年になります。この間、私はこの仕事
が嫌だと思った事は一度もありません。昭和41年の
大不況があったり、石油ショックがあり、バブル崩壊が
あり…色々な出来事があったけれども、このトラック運
送が私の天職だと思ってやってきした。
 昔は東京から大阪に行くにしましても、箱根を越え、
その先もいくつも難所を越えて辿りついていました。冬
場にはラジエターの水が凍結しますから、毎日水を抜く
訳ですが、そのお湯で顔を洗ったり身体を拭いりしたも
のです。当時のトラックはボンネトでしたが、道路も悪
く、ボデーは重いし、雨が降ると荷台が水浸しになる
ので、シートを2枚も掛けていたけれども、これが重く
て大変な作業でした。
 現在のトラックはウイングですからシート掛けは必要な
いし、積み降ろしもフォークリフトですから、力仕事は
殆どないし、エアコンも完備しています。
 このように振り返ってみますと、今、このトラク業界
は非常に良い業界になっていると思います。長時間労
働が今日問題になっていますが、この業界の特異性が
あることも確かです。また最近、運転者さんが足りな
い状況が続いていますけれども、先ず、ここに集まっ
ておられる皆さま(運送経営の代表者)が、「このトラック
運送の仕事ほど良い業界はない」と信じることです。
社長が信じれば社員の皆さんも信じるようになります。
従業員が信じれば会社全体も良くなります。
 このようにして、業界全体が良くなれば、業界の外
に居る若い方も注目して集まってくるようになります。い
ま一緒に働いている仲間を大切にして、新しい仲間も
増やして頂きたい。
 また、安倍総理がおっしゃっている生産性の問題…
これも古くて新しい問題です。トラックで申しますと、積
全日本トラック協会・第93回通常総会
星野良三前会長
退任のことば
天職と考えて取り組んだ
トラック運送
60
経営者自身が「この業界は良い」
信じることが大切

TheTRUCK2017年8月号37
退任のあいさつをする星野良三前会長
載効率を上げる、空車で走らない。その為には、運
転者さんが気を利かせるように教育して、少しずつで
も向上させる。そうすれば、この業界は更に向上する
ことは間違いありません。
 先ずは、素晴らしい業界であることを皆さんご自身
が信じる事が大事です。私は本日、全日本トラック協
会の会長を退任しましたけれども、トラク運送の仕事
は生涯続けるつもりです。
 本日まで全日本トラック協会の会長としてご支援、ご
協力頂きした事に深く感謝申し上げますと共に、トラッ
ク運送業界の益々の発展を念願する次第です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 資料によると、全日本トラック協会の初代会長は昭
和23年2月に就任した参議院議員の小野哲氏で、
暫くは政治家が会長を務めていた。また、民間から就
任する場合も“会長代行”の肩書になっている。筆者
が物流記者として本格的に取材を開始したのは昭和
44年からであるが、昭和56年に当時西濃運輸の会
長であった田口利八氏が民間初の会長に就任しインタ
ビューした記憶がある。それまで、全ト協は“政治団
体”と思い込んでいたので、取材対象として興味が持
てないでいたのであるが、そのインタビューで得た田口
会長の印象が強烈で、トラック運送がこれから大きく変
わる事を予感したものである。
 それから30年、平成23年に星野氏が会長に就任し
て、記者懇談会などでお目にかかる機会も多くなったが、
持ち前のダンディで気さに応対される様子は、この業界
の3Kイメージを払拭するに充分であったと言える。
 今総会の懇親会席上で「今後の業界活動をどのよ
にお考えですか」と尋ねたところ、「できる事なら青年部
の皆さんのご支援をしたい。と回答があった。企業も
後進の育成が明暗を分けると言われるが、トラック業界
を想う気持ちは人一倍強いものをお持ちである。恐ら
く、全日本トラック協会の名会長として後世に語り継が
れるに違いない。
(秋林路)

横浜市風力発電所(ハマウィング)敷地内に接地された水素供給拠点。ここの風力発電を利用し低炭素の水素を製造
TheTRUCK2017年8月号38
トピックス◇低炭素社会実現に向けた実証事業
燃料電池フォークリトへ水素を供給
風力発電で製造した低炭素水素利用の実証事業が本格運用開始

燃料電池フォークリフト(㈱豊田自動織機)
【本実証プロジェクトによるサプライチェーン】
【マネージメトシステムイージ】
TheTRUCK2017年8月号39
〈水素価格〉
◇現状(本実証におけるコスト)の評価から、量産効果の検
証、必要な規制緩和項目等の洗い出しなど、今後の水素価
格低下に向けた対応の方向性について検討。
◇将来(2030年頃)を見据え、技術革新やサプライチェー
ンの大規模化による普及/横展開モデルについて検討。
〈CO
削減効果〉
◇低炭素水素のサプライチェーン構築により、従来比80%
以上のCO
削減効果との試算。
◇更なるCO
削減に向けた取組の方向性の検討。
 神奈川県、横浜市、川崎市、岩谷産業㈱、㈱東芝、ト
ヨタ自動車㈱、㈱豊田自動織機、㈱トヨタタービンアンドシ
ステム、日本環境技研㈱は、環境省委託事業「平成27年
度地域連携・低炭素水素技術実証事業」に採択され、京
浜臨海部における再生可能エネルギーを活用した、低炭素
な水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証プロジェク
トを進めているが、このたび、すべての設備が完成し、本
格運用を開始することになった。
 本実証プロジェクトは、横浜市風力発電所(ハマウィング)
敷地内に風力発電を利用し水を電気分解して低炭素の水素
を製造し、貯蔵・圧縮するシステムを整備。さらに、ここ
で製造した水素を簡易水素充填車により輸送し、横浜市内
や川崎市内の青果市場や工場・倉庫に導入された燃料電池
フォークリフトで使用するというサプライチェーンを構築す
るもの。
 こうした地域と一体となった水素サプライチェーンの構築
により、従来の電動フォークリフトやガソリンフォークリフト
利用時と比べて、80%以上のCO
削減が可能になると試
算している。この実証を通じて、将来の普及展開モデルを
見据えたコスト試算やCO
削減効果等を検証していくこと
になる。
■実証プロジェクトの概要
 実証テーマとして、①風力発電(ハマウィング)により水
を電気分解して水素を製造するシステム、②最適な水素供
給を行うための貯蔵と輸送の仕組み、③燃料電池フォーク
リフトの導入利用、④水素サプライチェーンの事業可能性
調査、がある。
■実証プロジェクトによる具体的な検証内容
 将来の他地域展開を見据え、コスト試算と地球温暖化対
策への貢献など水素サプライチェーンの事業可能性を検証
する。

風力発電(ハマウィング)
水素製造安定化システム
水電解装置
簡易型水素充填車
水素貯蔵・圧縮装置
水素貯蔵タンク
【ハマウィング敷地内計画イージ】(日本環境技研㈱)
TheTRUCK2017年8月号40
トピックス◇低炭素社会実現に向けた実証事業

横浜・川崎市内の青果市場や工場・倉庫に導入されている燃料電池フォー
クリフト
【燃料電池フォークリフトの導入先と水素運搬ルート】
【今後の実証スケジュール】
TheTRUCK2017年8月号41
■今後の本格運用の概要(2017年7月〜)
 ハマウィングの電力を利用した低炭素水素の製造を開始
し、燃料電池フォークリフト12台、簡易型水素充填車2
台を用いた水素供給を検証する。また、クラウドを利用し、
水素の製造から利用までを管理・運用する。
■本格運用に先駆けたトライアル
(2016年11月〜2017年7月)の実施結果
 トライアルの目的として、①水素供給・充填作業の習熟、
②水素・燃料電池に関する教育、③燃料電池フォークリフト
の先行導入、があり、横浜市中央卸売市場及びナカムラロ
ジスティクスにて各1台ずつ試験運用を実施し、岩谷瓦斯
㈱千葉工場から簡易水素充填車により水素を配送した。
 そのトライアルの評価としては、①電動フォークリフトに
比べ、燃料電池フォークリフトは充填時間が短く、また、使
い勝手においても特に問題はなく、概ね高い評価を得た、
②燃料電池フォークリフトの稼働率を高めるために、水素配
送回数の増加要望があった、となっている。

TheTRUCK2017年8月号42
新型トラック
̶
̶
運転台‥‥インスツルメントパネル(インパネ) 今昔
 下右の絵は、1970年に発表された「GMCASTRO95」の画期的な運転台! 
欧州ばかりに目がいっていた当時としては衝撃であった。操作性、視認性などは人間工学
に基づいた合理的で近代的なインパネスタイルである。大いに刺激を受けた
右の運転台の絵は1950年代後半〜ʻ60年代
前半のもので主にボデーメーカが製作していた。
キャブも次第に車両メーカ製となり、
固定ウインドや内臓ヒーターに移行。
 左の絵は1961年頃の
「日野TC30前輪2軸
ティルトレスキャブ」
当時の路線トラックの花形であったが
エアブレーキとギアチェンジ操作は
職人技であった。
下の絵はその外形。スティールとアルミ製の
テイルトキャブ。
主エンジンはデトロイディーゼル
12V71の450hp搭載。
 先月号では国内新型車の外形を描いてみた。
インパネ、内装がどんなに話題性があっても、新車セールスや商談などでは、やはりまずは外観外装
に目が行きがちである。今まではコンセプト車などでインパネや内装を数点描いてきたが、今月はそ
の今昔をスケッチで見てみた。
 インパネは操作性、視認性、安全性、快適性などが重視されインパネ無くしてトラックは稼動できな
い。「走る、止まる、曲がる」の基本機能操作系は変わっていないが、かつてはアナログ機械式であっ
たが近年ではデジタル電子式が主流になりその進化は目を見張るも
のがある。

TheTRUCK2017年8月号43
石野 潔
・昔のワイパーはエアー式で拭き払い速度調整が便利だった。
風通しの良い開閉式フロントウインドウと三角窓
・エンジンフード
・だるまヒーター
・デコンプレバー
・グロウプラグS/W
見事なフルラップラウンドの
インパネスタイル。

TheTRUCK2017年8月号44
新型トラック
̶
̶
 1970年代に入りディーゼル各社はエンジンが予燃焼室式から直噴式となりデコンプレバーや
グロープラグスイッチなどは一掃されたが、バッテリーS/Wやシガーライターなどは残った。
 日野も新キャブ+「赤いエンジン」で対応し、1975年にはインパネを一新したマイナーチェンジ
を実施。前頁描画の「GMCASTRO」インパネに感動し、わが国初のセミラウンド形状のインパ
ネを創り搭載した。当時は3人乗車条件でありフルラウンドタイプとはならなかった。「最新のプロ
フィア」インパネへの出発点でもあった。
 外形はʻ69年発売の大中共通化のスタイリッシュなキャブデザイン
右の絵群は(右)最新型「UDクオン」マイナーチェンジインパネ、
     (下)「いすゞギガ」フルモデルチェンジインパネ、
いずれもエンジンフード部は現在の日本のドライバー特性を読み
ドライバー席周りに物入れなどを配した日本的な4畳半炬燵タイプ
の囲い型セミラウンドインパネ。
絵はないが日野プロフィアはあえてエンジンフード部は
欧州車相当の空間タイプとし物入れは排除した。
が、空き空間はドライバーにはなかなか理解されずそれ
ぞれ小物入れを工夫するであろう。
「クオン」インパネ⇨
意匠として完全な「囲
い型」
「ギガ」インパネ⇨
センターコンソール
が中央部を占める。

TheTRUCK2017年8月号45
ʻ75年、日野「ビッグワン悠々キャビン」に搭載したセミラウンドタイプのインパネ。
ブラウン系配色でまとめた。
 下絵 ⇩
典型的な欧州車のインパネと内装。
(ベンツアクトロス)
インパネはラウンドタイプでフロア形状
にもよるが中央部の空間スペースを確保
し、キャブを広々と使わせている。

TheTRUCK2017年8月号46
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峴௭岲岝ણ岷ણ岷峒඿ి峕ථ峳峃岽峒峘峑岷峵঺ভ岞岤
قਸ਼਋ఐ৾ૼ୒੦মੑ઺ك
出典:経済産業省
第10回 下請けマインドを
捨てなければ
IoT時代の勝者にはなれない
(前編)
    
伊藤慎介の“T
󱤋󱥄󱣱
alkI
󱣥󱣽
sC
󱤄󱥄󱤚
heap”
〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 
×
共同企画
「モノのインターネット」と言われるIoT(Inter-
netofThings)。私がIT政策を担当していた
約10年前では知る人ぞ知るという言葉だった
が、今では新聞や雑誌などで目にしないことがな
いくらい当たり前の言葉となった。
 5月30日に経済産業省から発表された「新産
業構造ビジョン」では、このIoTを活用した「第
4次産業革命」が成長戦略の次の一手として位
置づけられ、IoT、ビッグデータ、人工知能、ロ
ボットなどの技術を社会実装することで第四次産
業革命において日本が勝ち筋を実現することを目
指している。
 前回のコラム(第9回)では、「通信と放送の融
合」というデジタルコンテンツ配信の分野におい
て、社会システムを大変革させるチャンスを自ら
奪ってしまい、YouTubeやAmazonなど外国
企業が活躍する状況を招いてしまったと書いた。
そのことについては今回の報告書においても触れ
られており、『ネット上のデータ競争では、プラッ
トフォームを海外に握られ、我が国産業は「小作
人化」した』という表現でグーグル、アップルなど
の外国企業がデジタルコンテンツの世界で社会
システムである「プラットフォーム」を握ったこと
が解説されている。

TheTRUCK2017年8月号47
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図1:ウィドウズ95が変えたパソコンの世界
 その上で、IoTが本格化するこれからのフェー
ズでは、健康・医療・介護、製造現場、自動走
行等のリアルな世界のデータが流通するようにな
ることから、このリアルデータにおいては日本発
で社会システムである「プラットフォーム」を創出
していくべきであることが謳われている。
 過去や今後の分析と民間企業に対する期待に
ついては、まったくそのとおりであり、今でも経
産官僚を続けていれば私も同じようなことを提言
していたように思う。
 しかし、3年間の民間人としての経験からは、
プラットフォームを日本発で創出していくことは現
実的には極めて厳しいと考えている。
 それは何故なのか、ではどうしていけばよいの
かを2回シリーズに渡って解説していきたい。
 しかし、ウィンドウズ95が登場してからは、
パソコンにウィンドウズ95をインストールしてお
けば、事後的に文書作成ソフト、ゲーム用ソフ
などのソフトウェアをインストールすることで様々
な用途に対応できるようになった。
□ウィンドウズ95の登場から始まった
 日本企業の苦戦
 1995年にマイクロソフトが発売した「ウィンド
ウズ95」。単なるパソコンのソフトウェアであり、
ウィンドウズのOSを入れるだけで出来ることは
ほとんどないが、発売時に大行列が出来るほど
の社会現象となった。
 実は、このウィンドウズ95の登場こそが、そ
の後の日本企業の苦戦の始まりであり、デジタル
化・ソフトウェア化で苦戦を強いられる日本企業
の代表的な事例となった。
 ウィンドウズ95が登場するまでのコンピュー
ターは図1の左側に示すように文書を作成すると
きはワープロ、ゲームをするときはゲーム機といっ
た具合にハードウェアとソフトウェアが一体化され
ており、ユーザーは用途に応じて機器を選択す
る必要があった。

TheTRUCK2017年8月号48
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図2:アナログとデジタルの違い
 また、パソコンに搭載されたハードウェアだけ
では必要とする機能を満たせない場合は、USB
での接続などを通して周辺機器をつなぐことで、
ハードディスク容量を増やす、外付けドライブで
駆動させる、テレビチューナーを取りつけるといっ
たことができるようになった。このような拡張性
のある仕組みを作ったのが、パソコンの心臓部で
あるCPUを握っていたインテルである。
 すなわち、パソコンの基本的な機能について
ハード側はインテル、ソフトウェア側はマイクロソ
フトが対応することで、ユーザーは自らのニーズ
に応じてソフトウェアや周辺機器を事後的に選べ
る仕組みが登場したのである。
 このような仕組みは「オープンアーキテクチャ」
と呼ばれ、パソコンを発端としてその後、スマー
トフォンなど多くのデジタル製品に採用されてい
くこととなった。
□第三者が参入しやすい環境を意図的に
 創り出したオープンアーキテクチャ
 オープンアーキテクチャの登場はハードウェア
のデジタル化・ソフトウェア化と密接に関係して
いる。
 ハードウェアがアナログからデジタルに切り替
わった場合の変化として、時計を例として説明す
る(図2を参照)。
 アナログ時計の場合は針、バネ、ネジ、歯車
などの部品の製造や、それらを組み合わせて時
計を組み立てるという製造工程において、経験
やノウハウなど複製が容易ではない要素があるた
め、例え精巧な設計図面があったとしても同じ機
能の時計を短期間で大量生産してコストを下げる
ことが極めて難しかった。
 しかし、デジタル時計の場合はどうだろう。時
計の基本的な機能はチップの中に書き込まれたソ
トウェア(プログラム)が担っており、このソフ
ウェア自体は瞬時に大量に複製できることから大
量生産とコスト低減が極めて容易となった。ソフ
トウェアを書き込むチップも量産効果が大きいこ
とから、結果としてデジタル時計は急速
に値下がりが起き、今では100円ショッ
プでも買えるものとなった。
 すなわちハードウェアのデジタル化が
進めば進むほど機能の複製は容易とな
り、アナログ機器と比べて圧倒的な量産
効果が得られるのである。
 そこで、パソコンの世界では、ゲー
ム機やワープロのように用途別にハード
ウェアとソフトウェアを開発するのではな
く、出来る限りソフトウェアの共通化を
進めてデジタル化の恩恵を最大化できることを
目指し、用途によって異なる部分だけを個別対
応する「オープンアーキテクチャ」を採用したの
である。

TheTRUCK2017年8月号49
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図3:第三者の参入を誘導するオープンアーキテクチャ
図4:オープンアーキテクチャの仕組みを握る企業が独占
 もう一つ、このオープンアーキテクチャにお
いて重要なのは、用途別の対応に必要となるア
プリケーションソフトウェアや周辺機器について
は、第三者が参入しやすい仕組みを作ったという
ことである。
 マイクロソフトやインテルは、ウィンドウズ上
でソフトウェアを作りやすいような情報を提供す
る、周辺機器メーカーにハードウェアの信号処
理に関する情報を提供するなどして、ユーザー
の様々なニーズを第三者が満たせるようにして
いった。
 実際、家電量販店に行くと、パソコンの売り
場と同じような面積を割いてパソコン周辺機器や
ソフトウェアの売り場が設けられているが、この
ような売り場が存在できるようになったのは第三
者が参入しやすい「オープン」な部分を意図的に
作ったからなのである。(図3:参照)
 図4は製品の仕様がクローズドな場合とオー
プンな場合との違いをイメージ図として表現した
ものであるが、オープンアーキテクチャの製品の
場合は、オープン部分に次々と新規参入者が現
れ、製品だけでなくその周辺市場も充実させて
いくことになるため、オープンアーキテクチャの
仕組みを握る企業が場の支配者として独占できる
状況が作りだされるのである。
 このようなオープンアーキテクチャの概念はそ
の後、スマートフォンの世界にも展開され、様々
な事業者が「アプリ」を開発・提供できるようにす
ることで、ユーザーは事後的に新しい機能を携
帯電話に取り込むことが可能となった。
□オープンアーキテクチャが不得意な
 日本勢の姿勢が苦戦を招いた
 70年代、80年代のアナログ機器時代におい
て、テレビ、オーディオ、カメラ、白物家電など
で国際競争力を謳歌してきた日本のエレクトロニ
クス業界。
 彼らの業界では、ソニー、松下電器(現パナ
ソニック)などの最終製品メーカーが商品の仕様
を定め、系列を含めたサプライヤーがその仕様
に従った部品を提供するという構造で多種多様な
商品を市場に提供してきた。
 そのため、サプライヤーは仕様決定の権限を
持っておらず、新機能の開発費も最終製品メー
カーに依存するという「下請け」構造が定着して
いった。
 ところがパソコンで誕生したオープンアーキテ
クチャでは、CPUを提供するインテルであり、
OSを提供するマイクロソフトという、いわば「部
品メーカー」がパソコンの基本的な仕様を決定す

TheTRUCK2017年8月号50
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図5:崩壊したケイレツ型の産業構造
るようになった。
 実際に、ウィンドウズとPentiumさえ入って
いれば、どこのメーカーであろうと機能的に大差
がなくなってしまい、パソコンの最終製品メーカー
としてはデザインや価格などで差別化することを
余儀なくされてしまったのである。
 その結果、最終製品メーカーを頂点としてケイ
レツ型/ピラミッド型の産業構造を構築していた
日本のエレクトロニク産業は大打撃を受けること
となり、最終製品であるパソコンから撤退する、
系列の部品メーカーを切り離して他系列の競合他
社と共に合弁会社を作るといった結果を招いてし
まった。(図5:参照)
 パソコンで起きたような産業構造の変化はス
マートフォン、液晶テレビ、DVDプレイヤー、
太陽光パネルなどでも起こり、ケイレツ型で君臨
していた日本の最終製品メーカーは世界シェアを
落としてしまい、撤退や系列部品メーカーの整理
統合を余儀なくされていったのである。
□オープンアーキテクチャで
 プラットフォームを握ったウィンテル
 パソコンのオープンアーキテクチャを握ったマ
イクロソフトとインテル(ウィンテル)。しかし、
元をたどれば、マイクロソフトもインテルもパソ
コンを発明したIBMにソ
フトウェアや部品を提供し
ていた「サプライヤー」
あった。
 日本であればケイレツ
のソフトウェアベンダーあ
るいは部品メーカーとし
てIBMをサポートし続け
る存在になっていたかも
しれないが、デジタル化
の恩恵を最大化するとと
もに、自社のポジション
を不動のものにすること
を狙った両社は、IBMと
同業の最終製品メーカー
が次々と生まれやすい仕組みを作っていった。
 その結果、ウィンテルのオープンアーキテク
チャが完成してからは、最終製品であるパソコン
の組立は台湾のOEM/ODMメーカーが行うよ
うになり、自社生産していた日系メーカーの多く
も台湾企業に製造委託せざるを得ないようになっ
ていった。
 このような産業構造の変化によって、パソコ
ンの発明者であるIBM自身もPC事業から撤退
し、その事業を新興メーカーである中国のレノボ
に売却する結果となったのである。
 シリコンバレーなどでは、既存の産業構造や
バリューチェーンを変革するプレイヤーのことを

TheTRUCK2017年8月号51
著者紹介:
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国
家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、
有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝
太氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
“ゲームチェンジャー”と呼んでいるが、マイク
ロソフトやインテルはゲームチェンジャーとして取
り組んだ結果、「部品メーカー」であった存在から
「プラットフォーム」を握る存在となり、パソコン
の世界で不動の地位を築いたのである。
□なぜ日本ではオープンアーキテクチャは
 生まれなかったのか?
 デジタル化によって機能のコピーが容易にな
り、オープンアーキテクチャを構築したプラッ
フォーム企業が大きな支配力を持つことが証明さ
れた。
 パソコンの分野で苦戦を強いられた日本のエレ
トロニクス企業の中にはこの構造を理解してい
た人がいたはずであり、その後デジタル化が進
んでいった液晶テレビ、DVDやブルーレイディス
クなどの録画再生機器、携帯電話・スマートフォ
ンなどの分野では日本からプラットフォームを握る
企業が登場してもおかしくなかった。
 しかし、液晶テレビ、DVDなどの分野では台
湾のメディアテックというチップメーカーがプラッ
トフォームを握り、中国メーカーが容易に参入で
きる仕組みを構築するという結果となった。
 また、スマートフォンの世界ではグーグル、アッ
プル、クアルコムといった米国企業や台湾のメ
ディアテックなどがプラットフォームを握り、日本
発のプラットフォームが登場することはなかった。
 このような残念な結果を招いたのは、ケイレツ
型の産業構造とサプライヤーに蔓延する「下請け
マインド」に原因があるのではないかと私は考え
ている。
 日本の場合は最終製品メーカーの支配力が強
く、サプライヤーは最終製品メーカーの意向を
「忖度」しながら、取引関係を維持しようとする
「下請けマインド」が広く定着してしまっているよ
うに感じる。
 そのため、マイクロソフトやインテルのような
“ゲームチェンジャー”としての取り組みは大きな
取引先を失うリスクがあるとみなされ、そういう
仕組みづくりを行うこと自体を封印されているの
ではないかと推測している。
 強い下請けマインドとケイレツ関係は、産業構
造が変化しない時代においては大きな効果をもた
らすものであった。しかし、デジタル化ソフトウェ
ア化のような壮大な技術革新とそれに伴う産業構
造の大変革が起きてしまうと、産業構造全体が崩
壊するという負のインパクトをもたらしてしまう。
 後編となる次回のコラムでは、デジタル化・ソ
フトウェア化に続く技術革新であるIoTについて
解説するとともに、IoTを巧みに活用してゲーム
チェンジャーとしての不動の地位を確立したGE
のエンジン事業の成功例を紹介することで、下
請けマインドの蔓延がIoT時代において更なる負
のインパクトとなりかねないリスクについて述べ
たい。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号74
 極東開発工業㈱は、このたび粉粒体運搬車「セミダンプ式
ジェトパック」をモデルチェンジし、2017年7月28日に発売
した。
 ダンプ式ジェトパッ(フルダンプ式・セミダンプ式)は、タ
ンクを傾斜させ積荷の粉粒体を後部排出部から排出させるタ
イプの粉粒体運搬車で、比較的大きな粒状の積荷の排出に
適している。
 今回モデルチェンジした新型セミダンプ式ジェトパックは、
操作系をシンプルにすることで簡素化を図ったほか、タンク内
構造の最適化により排出性能を向上させるなど、より使いや
すく進化している。
 なお、消費税抜きの希望小売価格は641.5万円からで、
年間販売目標台数は20台としている。
■新型「セミダンプ式ジェットパック」の特長
⑴操作がシンプルに
 旧型では2個あった操作系のエアバルブを、構造の見直
しにより1個とすることで、よりシンプルな操作を可能とした。
 これにより、作業性が大幅に向上し、現場における負担の
軽減を実現した。
⑵積荷の排出性能を向上
 タンク内構造の最適化により、タンク後端の排出口に積載
物がよりスムーズに誘導される構造としたほか、積載物を排出
させるためのエア供給の構造も見直した。
 これにより、旧型と比較して大幅な排出性能の向上を図
り、作業時間の短縮を実現させている。
⑶アルミ製サイドバンパを標準装備
 アルミ製のサイドバンパを標準装備とし、防錆性能および
外観品質を向上した。
⑷操作性・視認性が向上した3連メータを採用
 コンプレッサ回転計、タンク内および配管圧力計、ガバナ
バルク車…極東開発
話題のニュートラック新製品情報・新情報
操作性と排出性能を大幅に向上
セミダンプ式ジェットパックをモデルチェンジ
モデルチェンジされた「新型セミダンプ式ジェトパック」
操作性・視認性が向上した3連メータ
エアスライド式ジェトパッ
エアレーションブロー式ジェトパッ

TheTRUCK2017年8月号75
コントロールを1カ所に集約した3連メータを採用し、操作性
と視認性の向上を図った。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 ちなみに、極東ジェトパックには、今回のダンプ式の他に
次のタイプがある。
・エアスライド式(一室傾胴排出)ンク底部に設けたエ
アスライドキャンバスの布目から噴きだすエアにより粉粒体を流
動化させ、タンク中央部の排出口に集めるエアスライド式を採
用した車両。セメト・フライアッシュ等の流動性が良い粉粒
体の排出に適している。
エアレーションブロー式(多槽式排出)…セメト、石灰、
化学薬品等の粉粒体をエアレーションブロー式で長距離・高
所排出できる汎用性が高い車両。特に粗粒子排出に威力を
発揮する。
 ㈱アイチコーポレーション(本社:埼玉県
上尾市、三浦治社長)は、コンパクト性を
追求した配電工事用省スペース高所作業車
「SN13A1FS」を2017年4月に発売した。
■主な製品の特長
⑴コンパクトな車体でコンパクトな運用
 架装シャシークラス2.0t、車幅1,735㎜、
車高2,530㎜、最小回転半径5,500㎜のス
ペックにより、配電工事用高所作業車の活動
範囲を大きく広げる。
⑵4段ブーム採用とバケットの小型化
 4段ブームによる最小ブーム長さの短尺化、
バケット積載120㎏(1名)によるバケットの小
型化により、道路横断する引込線、通信線を
避けての作業位置への移動など、線間割り込
みに効果を発揮する。
⑶前後領域で広い作業範囲
 アウトリガー張出幅を4段階設定にしたこと
で、ターンテーブル中心からバケット先端まで最
大作業半径9m、最大地上高13mと、現場
環境と作業設備に合わせた幅広い作業に貢献
する。
⑷作業品質を求める充実装備
 コンパクト性にこだわりつつ、配電工事に必
要な機能を充実させることで作業品質に貢献。
[主要標準装備]①500㎜バケット昇降、②
バケット首振り、③多関節アーム、④490㎏ウ
ンチ、油圧サブブーム、⑤バッテリーユニット、
⑥工具箱(内寸1700×480×530㎜)。
高所作業車…アイチ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
コンパクト性を追求した
配電工事用省スペース高所作業車を発売
配電工事用省スペース高所作業車「SN13A1FS」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号76
 極東開発工業㈱は、このたびGVW22トン車級クラスで
国内最長となる33メートル級ブームを搭載したコンクリートポ
ンプ車「ピストンクリートPY120-33C」を開発し、2017年7
月4日に発売した。
 新機種は、機動性の高い大型ショートホイールベースシャ
シであるGVW22トン車に、高張力鋼板の採用やブームの最
適設計による軽量化により従来機種比3メートル長を実現し
た33メートル級ブームを搭載したピストン式コンクリートポンプ
車で、取り回し性能の良さとクラス最長ブームで、様々な現
場においてより効率的な作業を可能としている。同機種はコ
ンクリートポンプ車の国内トップメーカーとして、現場での使い
やすさを徹底的に追求したモデルとなっている
 なお、希望小売価格は7,900万円(消費税抜き・シャシ
価格込み)で、年間販売目標台数は50台としている。
■ピストンクリートRPY120-33Cの特長
⑴GVW22トン車級クラスで国内最長の33メートル級
ブーム搭載
 機動性の高い大型ショートホイールベースシャシである
GVW22トン車に、高張力鋼板の採用やシリンダの小型化お
よび油圧の向上など、ブームの最適設計による軽量化を実現
した33メートル級M型4段屈折ブームを搭載。
 高い機動力とクラス国内最長のブームにより、あらゆる現
場で効率的な作業に貢献するオールマイティーなピストン式コ
ンクリートポンプ車である。
⑵クラス最長のロングストロークシリンダで騒音、振動を
低減
 メン油圧シリンダは、クラス最長のロングストローク1,900
㎜で、Sパイプの切替回数を減少。これにより、作業時の
振動や騒音を抑制。
 また、ショクの回数が少ななりオペ
レータへの負担が軽減するとともに、周
辺部品やコンクリートピストン等の部品の
消耗を抑えることができる。
⑶旋回台内部とブーム屈折部分の貫
通式パイプに耐摩耗性能と耐圧力
を兼ね備えたエッサーツインパイ
プを標準装備
 旋回台内部とブーム屈折部分の貫通式パイプには、内層
外層の二重構造による耐摩耗性と耐圧力を兼ね備えたエッ
サーツインパイプを標準装備。表面のみ硬度を上げた高周波
焼入処理パイプとは異なり、内層全肉厚にわたり高い耐摩耗
性を有し、長寿命を実現している。
⑷極東が開発した独自の制振装置で優しい打設作業
 ブームに掛かる荷重をサスペンション機能により軽減し、揺
れを抑える同社が独自開発した制振装置(KAVS)を搭載。
耐久性アップと、オペレータの負担を低減し、作業環境を向
上できる。
コンクリートポンプ…極東開発
話題のニュートラック新製品情報・新情報
国内最長の33メートル級ブームを搭載
新型コンクリートポンプ車「ピストンクリート」発売
33メトル級ブームを搭載した「ピストンクリートPY120-33C」

TheTRUCK2017年8月号77
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、小型トラック
「キャンター」2017年モデルを2017年6月29日より全
国の三菱ふそう販売会社及び三菱ふそう地域販売部門から
発売した。
 小型トラッ「キャンター」2017年モデル車両総重量7.5t
超車は、4P10(T6)改良型エンジンを
搭載し、平成28年排出ガス規制に適
合している。
 「キャンターEX」は従来のK尺車
(4,750㎜)に、ホイールベース違いの
2機種(G尺3,850㎜、H尺4,300㎜)
を追加設定し、架装の充実性を図ると
ともに、用途に合わせた選択の幅を拡
げている。
 また、2017年3月より新設された
「準中型免許」制度に対応するため、
2016年12月より車両総重量7.5t車
の26機種追加設定を行い、ユーザー
ニーズに対応している。
 東京地区販売価格(税込)は、車
型2RG-FEC90K73S008、4P10(T6)改良型129KW
(175PS)エンジン搭載、6速Duonic2.0、アイドリングストッ
プ&スタート付きの平ボデー仕様で6,075.00(千円)となって
いる。
2017年モデル…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「キャンター」2017年モデルを発売
平成28年排出ガス規制に適合させ「EX」に2機種追加
軽量化を実現した33メトル級M型4段屈折ブームを搭載
クラス最長のロングストロークシリンダを装備したポンプユニッ
耐摩耗性能と耐圧力を兼ね備えたエッサーツインパイ
独自開発した制振装置(KAVS)
「キャンター」2017年モデル(撮影用特別仕様車)

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号78
 UDトラックス㈱は、このたび平成28年排出ガス規制に
適合した新型中型トラック「コンドル(Condor)」を発売した。
なお、新型「コンドル」はいすゞ自動車㈱からのOEM調達車
となる。
 UDトラックスの新しい中型トラッ「コンドル」は、ゆるぎな
い安心感をもたらし物流の課題に立ち向かうユーザーの良きビ
ジネスパートナーとして、中型トラックに求められる燃費性能・
安全性能・運転性能を備え、さらにUDトラックスの万全の
サポート体制により効率的な物流を実現する車両だ。
 新型「コンドル」は、エンジン出力・キャブタイプ・駆動形式
など、従来モデルに比べバリエーションも豊富とした。機械式
オートマチットランスミションを新たに設定し、ユーザーのビ
ジネスニーズに応える幅広い車種を取りそろえている。また、
フロントグリルにはUDトラックスの基本モチーフであるヘキサ
ゴングリルを採用し、新型「コンドル」がUDファミリーの一員
であることを表している。
■新型「コンドル」の商品特長
燃費性能】
 軽量・コンパクトでありながら高効率を実現する「4HK1」
ンジンは、輸送コスト低減に大きく貢献する。無駄な燃料消
費を抑制し、排出ガスの削減に効果的なエコストップ(アイドリ
ングストップ&スタートシステム)、エンジン回転数・燃料噴射
量を自動制御して過剰な加速を抑えるECONO(エコノ)モー
新型車…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
平成28年排出ガス規制適合の中型トラック
燃費性能と安全性を向上させた「新型コンドル」登場
ド、先進的なターボシステム・燃料噴射システムなどの採用
により、環境性能と積載性・燃費の高効率化を実現。エコ
トップ(アイドリングストップ&スタートシステム)付きGVW8t
〜14.5tの4×2全車で平成27年度重量車燃費基準+
10%を達成させている。
【安全性能】
 新型「コンドル」は、アクティブセーフティ(危険を予測し、
ライバーをサポート)・パッシブセーフティ(被害を最小限に抑え
る)・ベーシックセーフティ(日々の安全運行を支援)の3つの
観点から安全性能を強化。特にアクティブセーフティして、
リ波レーダーとカメラで二重検知するプリクラッシュブレーキや
車線逸脱警報、ミリ波車間ウォーニングなど先進の安全技術
を採用。ユーザーの日々の安全運行を強力にサポートする。
【運転性能】
 信頼のマニュアルトランスミションに加え、シフトレバーの
操作のみで変速が可能なクラッチペダルレスの「機械式オー
マチックトランスミション(AMT)」を全車に設定。省燃費自
動変速を行なうECONO(エコノ)モードにより、すべてのドラ
イバーに快適な操作性と省燃費運転を提供する。
 広いインテリアは、操作性・視認性に優れるとともに、セン
ターコンソールボックスをはじめとした収納系装備も充実。運
転時だけでなく、室内での作業時にもドライバーに快適かつ
効率的な環境を提供している。

TheTRUCK2017年8月号79
 いす自動車㈱は、中型自家用・観光用バス「ガーラミオ」
を改良し、2017年7月21日より全国一斉に発売した。
 いすゞの中型自家用・観光用バス「ガーラミオ」は、今回の
改良により、すべての車型で2017年9月より適用される平
成28年排出ガス規制に適合。トランスミッションはAMT(自
動変速式マニュアルトランスミッション)を全車に採用しイージー
ドライブを実現させ、ダウンサイズした新型A05Cエンジンの
搭載と併せて燃費を向上させている。
 なお、目標販売台数(国内)は、中型自家用・観光用バス
「ガーラミオ」シリーズで150台/年、東京地区希望小売
価格(税込)は、車型2DG-RR2AJDJ、エンジンA05C〈A5-
VIII〉162kW(220PS)エンジン搭載、6速AMT、「M-I」グレー
ド送迎9列で16,545,600円となっている。
中型バス…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中型自家用・観光用バス「ガーラミオ」を改良し発売
平成28年排出ガス規制への対応とAMTの採用
■「ガーラミオ」の主な特長
【排出ガス規制対応】
 排出ガス後処理装置として、新たに尿素SCRを採用し、
すべての車型で平成28年排出ガス規制に適合。
【全車にAMTを採用】
 全車に6速AMTを採用し、誰もが使いやすいイージードラ
ブを実現。また、アクセルペダルの踏み込み量と車速に応
じて最適なギア段に自動で変速するオートモードに加え、セレ
トレバーで操作して手動で変速するマニュアルモードの選択
が可能。
【新型ダウンサイズエンジンの採用】
 エンジンはダウンサイズを図り220馬力5.1リッターA05C
新型エンジンを採用、AMTと併せて燃費を向上。
中型自家用・観光用バス「ガーラオ」
コンビネーションメーター採用の「ガーラオ」運転席
6速AMTSRSエアバッ
ISUZU「ガーラオ」の35人乗り(8列シート)

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号80
 日野自動車㈱は、中型バス「日野メルファ」を改良し、平
成28年排出ガス規制に適合させるとともに、全車にAMT
(機械式自動変速機)を搭載して2017年7月21日に発
売した。
 今回の改良では、エンジンを従来のJ07E型(6.403L)か
らダウンサイズし、新型A05C型(5.123L)に変更した。小
排気量化にもかかわらず大幅にトルクを向上させている。ま
た、トランスミションを全て6速AMT「ProShift(プロシフト)
6」した。「Proshift6」はドライバーを変速操作から解放し運
転時の負担を軽減するだけでなく、電子制御により最適な変
速を行うことで、エンジンのトルク向上とも相まって燃費を向上
(従来の5速AT車に対し、約9%の燃費向上)させている。
あわせて尿素SCRを採用し、平成28年排出ガス規制に適
合させている。
 このほか、大径化した新型メーターに液晶表示を採用し視
認性を向上、一部灯火類をLED化する等、商品性の向上
を図っている。
 ちなみに、新型A05C型エンジンは、162kW(220PS)・
794N・m(81㎏f・m)で、従来のJ07E型エンジンは、AT
車が162kW(220PS)・617N・m(63㎏f・m)、MT車が
169kW(230PS)・657N・m(67㎏f・m)となっている。
 なお、代表車型「日野メルファロイヤルサルーン35人乗り」
の東京地区希望小売価格(税込)は21,238,200円、「日野
メルファデラックス 45人乗り」は16,524,000円。また、
年間販売目標台数は日野メルファシリーズ全体で200台と
ている。
中型バス…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中型バス「日野メルファ」を改良して新発売
平成28年排出ガス規制に適合させ全車にAMTを新採用
メーター視認性の向上】
 ユニバーサルデザインを採用したコンビネーショメーター
は、速度計やエンジン回転計の大径化を図り、メーター内の
文字を拡大することで視認性が向上。また、マルチモニター
と液晶ディスプレイでドライバーや管理者に各種車両情報・
整備情報を的確に伝達。
【運転席エアバッグの初採用】
 運転席SRSエアバッグおよびプリテンショナー付シートベル
トを採用し、ドライバーの安全性が向上。
日野メルファロイヤルサルーン(撮影用特別仕様車)
大径化した新型メーター採用の「日野メルファ」運転席
「日野メルファ」室内のシート 

TheTRUCK2017年8月号81
 いすゞ自動車㈱は、大型路線バス「エルガ」を改良し、
2017年8月8日より全国一斉に発売する。
 いすの大型路線バス「エルガ」は、今回の改良により、すべ
ての車型を2017年9月より適用される平成28年排出ガス
規制に適合させている。また、車両総重量14トン超のAMT
車で平成27年度重量車燃費基準+15%を達成している。
 また、ヘッドランプに長期間使用可能なLED式ランプを採
用することにより、夜間の視認性向上のほか、メンテナンスコ
ト削減を図っている。
 運転席周りではシフトレバー位置と形状の変更により、足
元スペースを拡大させ、より快適な運転環境を確保した。
 目標販売台数(国内)は、大型路線バス「エルガ」シリーズで
600台/年、東京地区希望小売価格は次の通りなっている。
【東京地区希望小売価格(税込)】
 ポスト新長期排出ガス規制適合、平成27年度燃費基準
路線バス…いすゞ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
全車に平成28年排出ガス規制を適合させるなど
大型路線バス「エルガ」を改良し発売
+15%達成、ノンステップ都市型中乗り、4HK1-TCHエ
ンジン搭載の①2TG-LV290N2(GVW14トン以上)6速
AMTで26,639,280円、②2PG-LV290N2(GVW14ト
ン以上)6速ATで27,697,680円、となっている。
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、環境に優しい電
気小型トラック「eCanter」の生産を川崎工場にて2017年7
月より開始した。
 「eCanter」は、今日の都市が抱える、騒音や排出ガスの
課題を解決する答えとして、三菱ふそうが川崎で開発した車
両である。走行距離は、配送トラックの1日の平均走行距
離である100㎞以上を確保している。「eCanter」は、国産初
の量産電気トラクとして、9月に正式発表が予定されている。
 今回の生産は、国内向けの車両として、2017年内に
電気トラック…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
川崎工場で日本初の電気トラック「eCanter」生産開始
ポルトガルでは7月下旬に欧米向け車両を生産開始予定
いすゞ大型路線バス「エルガ」
「エルガ」都市型(中乗)ホイールベース(5300㎜)「エルガ」都市型(中乗)ホイールベース(6000㎜)車いすの乗降もスムーズな「エルガ」
環境に優しい電気小型トラック「eCanter」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号82
 日産自動車㈱は、「NV350キャラバン」をマイナーチェンジ
し、2017年7月13日より全国一斉に発売した。
「NV350キャラバン」は、広く使い勝手の良い荷室空間や
存在感のある外装デザイン、インテリジェトエマージェンシー
ブレーキ(自動ブレーキ)をはじめとした先進装備などがユーザー
から高く評価されており、法人ユーザーからレジャーや趣味を楽
しむ個人ユーザーまで、幅広い人々に選ばれている。
 今回のマイナーチェンジでは、魅力的な先進安全装備や
利便装備を充実。バンの2WD車の一部のバリエーションの
みの標準設定だった「インテリジェントエマージェンシーブレー
キ」「VDC(ビークルダイナミクスコントロール、TCS機能含
む)」、「ヒルスタートアシスト」をバン全車に拡大し標準設定と
マイナーチェンジ…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
人気の「NV350キャラバン」がマイナーチェンジ
先進安全装備や利便装備を充実
た。また、小型貨物車4ナンバーバンクラスで初めて「インテ
ジェトアラウンドビューモニター(移動物検知機能付)を装
備。資材などが置かれた狭い駐車スペースや荷物で後方視界
が遮られている際などにも、安全な運転をサポートできる。
 利便性では、住宅街や深夜・早朝などで大きな音を立てず
に全閉できる「バッドアオートクロージャー」や視認性に優れた
液晶モニターと大きなスイッチにより操作性を向上させた「オー
エアコン+リヤクーラー」を設定した。
 エクステリアでは、日産デザインを象徴する「Vモーショング
リル」をよりダイナミクに強調し、力強さを表現。また、ヘッ
ランプ(ハイ/ロービーム、オートレベライザー付)、リヤコンビ
ネーションランプにLEDを採用することで精悍な印象とし、視
認性も向上させた。さらに、「プ
レミアムGX」「GX」グレードの
インテリアでは、シルバー加飾
を施したモダンなステアリングを
設定するとともに、ブラク生地
にホワイトのラインをランダムに
配したシートファブリクを採用す
るなど、プレミアム感を高めた。
 グレード体系では、エクステリ
アを中心に上級グレードに準ず
る仕様・装備とした「VX」グレー
ドを追加した。なお、商用車
50台組立を
行い、その内
の25台は、
㈱セブン-イ
ブン・ジャパン
に納入が決定
している。
 また7月
下旬より、連
結子会社三菱ふそうトラック・ヨーロッパ(MitsubishiFuso
TruckEurope-SociedadeEuropeiadeAutomoveis,
S.A.)のトラマガル工場(ポルトガル)にて、欧州・北米向けの
車両100台の生産を開始する計画となっている。
 三菱ふそうは、生産開始に先駆け、2017年5月に川崎
工場内に国内で初めて電気トラック用の急速充電設備「EV
PowerCharger(EVパワーチャージャー)を開設している。
 MFTBCのオリバー・クルッグ、ライフサイクル・マネージメ
ト本部長は、「当社は、2020年までにフルレンジの電動車
両の導入を計画しており、三菱ふそうは、電動化技術におい
て業界のフロントランナーを目指します」と述べた。
 また、MFTBCのスヴェン・グレーブレ生産本部長は、「川
崎工場は、電動化技術の開発・生産拠点としての役割を担
います。今後は、電気トラック用のコンポーネントの生産を含
めた体制作りを計画しております」と語っている。
NV350キャラバンバンプレミアムGX(オプション装着車)
FUSO川崎工場での「eCanter」生産開始イベント風景

TheTRUCK2017年8月号83
系特装車についても標準車に準ずる仕様・装備の変更を行
い、7月31日より発売した。
 また、日産産自動車の関連会社である㈱オーテックジャパン
(本社:神奈川県茅ヶ崎市、片桐隆夫社長)は、「NV350キャ
ラバン」のマイナーチェンジにあわせ、カスタムカー「ライダー」
送迎仕様車「送迎タイプ」、車いす仕様車「チェアキャブ」をマ
イナーチェンジし、日産の販売会社を通じて7月13日より全
国一斉に発売した。
▼NV350キャラバン「ライダー」
 NV350キャラバン「ライダー」は、仕事でもプライベートでも
こだわりの一台を求める人のためのモデルで、2002年に先代
E25型のキャラバン「ライダー」を発売して以来、人とは違った
個性を表現できる商用車として、ユーザーから好評を得ている。
 今回のマイナーチェンジではデザインを一新し、より力強く迫
力あるフロントマスクとした。また、ユーザーニーズが多かった、
サイドスタイル・リヤスタイルの印象を変えるアイテムとして、
専用のサイドシルプロテクターやリヤアンダープロテクター、ルー
フスポイラーなどを新たにオプション設定し、好みに応じてカス
タマイズする楽しみを提供している。さらに、専用の本革巻ス
テアリングや防水シート、フロントマーカーLED、アルミホイー
ルなどを装備する「プロ・スタイルパッケージ」も設定し、機能
性とスタイリッシュさの両立を求めるニーズ
にも対応させた。
 なお、NV350キャラバン「ライダー」
ベース車と同様に今回のマイナーチェン
存在感のある外装デザインの「NV350キャラバン」
小型貨物車4ナンバーバンクラス初の「インテリジェトアラウンドビューモニター」
広く使い勝手の良い荷室空間の「NV350キャラバン」
個性を表現できる商用車として好評の「ライダー」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号84
ジで、「インテリジェトエマージェンシーブレーキ」「VDC(ビー
クルダイナミクスコントロール)」、「ヒルスタートアシスト」をバン
全車に標準設定したほか、「インテリジェトアラウンドビューモ
ニター(移動物検知機能付)」や「バッドアオートクロージャー」
など、先進安全装備や利便装備を充実させている。
▼NV350キャラバン「送迎タイプ」
 多人数を送迎するのに最適なモデル。10人乗りワゴンと
14人乗りマイクロバスをベースに、スムーズな乗降を実現する
「専用シーレイアウト」(10人乗りワゴンのみ)、手すりやグリ
プ、スライドア開閉に連動して出てくる「オートステップ」など
装備した。
 今回のマイナーチェンジで、「ワンタッチオートスライドア〈助
手席側〉(挟み込み防止機能付)を標準設定した「送迎タイプ
ワゴンGX(標準幅ロングボディ標準ルーフ)を新規設定した。
 さらに全グレードで「インテリジェトアラウンドビューモニター
(移動物検知機能付)を選択でき、ドライバーにも配慮して
いる。
▼NV350キャラバン「チェアキャブ」
 簡単なリモコン操作で昇降する全自動リフターを装備し、車
両後部から車いすやスレッチャーのまま車内に乗り込めるモデ
ルで、主に福祉施設病院の送迎用、福祉介護タクシーのニー
ズに応える車両となっている。
 広い室内スペースと高いスライドア開口を活かし、充分な
介護スペースと多彩なシートアレンジを実現した3つの仕様を
設定した。
 今回のマイナーチェンジでは前型モデルの車いす1名仕様
(C仕様)を、いざという時にもう1名車いす乗車ができる「車
いす1+1名仕様」に仕様向上させた。
 さらに先進安全装備「インテリジェトエマージェンシーブレー
キ」「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」、「ヒルスター
アシスト」、ならびに、「インテリジェトアラウンドビュー
モニター(移動物検知機能付)を標準設定した。
NV350キャラバン「ライダー」の運転席
「チェアキャブ・車いす2名仕様」の室内
全自動リフターを装備した
NV350キャラバン「チェアキャブ・車いす2名仕様」
多人数を送迎するのに最適なNV350キャラバン「送迎タイプ・ワゴンGX」
「送迎タイプワゴンGX」の室内

TheTRUCK2017年8月号85
 いすゞ自動車㈱は、米国HELMホールティング傘下でコ
ロンビア国内に広域の修理・整備網を持つナショナルトラッ
クサービス社(NationalTruckService=NTS)とユーザー
の車両維持コスト低減と資源の有効活用を目的とした合弁
会社、『いすゞレマヌファクトゥーラ デコロンビア社(ISUZU
REMANUFACTURADECOLOMBIA S.A.S.=IRC)』
を設立することで合意した。
 IRCは首都ボゴタ市に設立し、いすゞ車向けの車両用
中古エンジンの再生(リマニ生産)事業を行う。いすゞは、
2008年より同国に新車販
売のマーケティング会社GM-
IsuzuCamionesAndinosde
Colombia,Ltda.社(GMICA‐
Colombia)をゼネラルモーター
ズ・サウスアメリカ社(本社:サ
ンパウロ)と合弁で設立してお
り、再生エンジン事業において
も同社との協業を進めて行く
とになる。
 いすは同国商用車市場にお
再生事業…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞがコロンビアで中古エンジン再生事業に進出
ユーザー車両のランニングコスト低減に貢献
いて 50%を超える高いシェアを持っており、車両の供給に加
え高品質の再生エンジンを提供することで、ユーザーの車両
のランニングコスト低減に貢献し、「運ぶ」を支えて行くしてい
る。
■新会社「IRC」概要
◇名称:ISUZUREMANUFACTURADECOLOM
 BIAS.A.S.(いすゞレマヌファクトゥーラデコロンビア)
◇所在地:コロンビア共和国首都ボゴタ
◇代表者:槌永浩二
◇事業内容:車両用中古エン
ジン再生事業(リマニ生産事
業)
◇資本金:2,500,000米ドル
(約2.7億円)
◇設立年月:2017年7月
◇営業開始:2017年11月
◇出資比率:いすゞ46%、い
すゞエンジン製造北海道5%、
NationalTruckService
49%
 スカニアジャパン㈱(本社:東京都港区)は、2017年7
月1日付の社長交代人事を発表した。
 現社長ヨハンルンデン(JohanLunden)氏の後任として、
ScaniaUSA(本社:アメリカテキサス州)の社長ミケル・リ
ネル(MikaelLindner)氏がスカニアジャパン㈱の代表取締
役社長に就任した。
 新社長となったミケル・リンネル氏は、スウェーデン生まれで
2003年にスカニア本社に入社。マリンエンジン・発電機セー
ルス部長を経て、2012年よりScaniaUSAの社長となり、
北米におけるディーラーネットワークを着実に拡大させ、スカニ
社長交代…スカニアジャパン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
北米で大きな実績を築き上げた
ミケル・リンネル氏がスカニアジャパン新社長に
アブランドの北米での
確固たる地位を築き上
げた実績を持っている。
 スカニアジャパンは
ミケル・リンネル新社
長体制のもと、国内
における販売・サービ
スネットワークの一層
の強化を進めて行く
している。
スカニアジャパン新社長の
ミケル・リンネル(MikaelLindner)氏
いすゞの高性能ディーゼルエンジン(6UZ1型)※参考写真

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号86
 日産自動車㈱は、2017年4月に所沢市と締結した「電気
自動車の普及推進に関する連携協定」に基づき、2017年
7月から2018年1月まで、所沢市が行う電気自動車(EV)
を活用したモニタリング調査に協力していくと発表した。調
査の実施には、所沢市が導入した「日産リーフ」6台と「e-
NV200」3台の計9台のEVが活用される。
 この電気自動車モニタリング調査は、所沢市民や市内事
業者等を対象に実施するもので、今後のEV普及推進のた
めの効果的な方策立案の一助とすることが狙となる。日常生
活におけるさまざまな用途で、EVを活用し、その利用形態や
走行・充電状況など、利用状況を分析する。日産は、活用
状況の調査・検証に必要なモニター車両の走行データを提
供するほか、地元販売会社の埼玉日産自動車と共に運営を
サポートする。
 所沢市で今年6月から開始したモニター公募には、300
件を超える申し込みがあり、この中から選出される一般市民や
事業者計18モニターが、その用途に応じて、今後2ヶ月か
ら6ヶ月の間、各々の目的に応じてEVを活用することになる。
EV調査…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
所沢市と電気自動車普及推進のため
日産EV9台を活用し長期モニタリング調査を実施
 対象となるモニターには、自家用車としての使い方の他、
駅から徒歩圏外の職場への通勤の足としての共同利用や
郊外の買い物不便地域における共同利用も視野に入れてお
り、CO
削減効果のみならず、移動の効率化や利便性の
向上等、昨今の街づくりにおけるヒントが得られることも期待さ
れている。
 自家用、事業用、共同利用など、さざまな使い方でのモ
ニタリングはこれまでに例がなく、この取組による新たな発見
が更なるEV普及促進策立案に繋がるとしている。
 なお、7月20日、所沢市役所西口玄関前広場で「電気
自動車モニター出発式」が、所沢市の藤本正人市長、日産
理事の石井裕晶渉外担当役員の他、市民モニター代表等
の出席の下、盛大に執り行われた。
 日産は、今年4月、「マチごとエコタウン所沢構想」を掲げ
る所沢市と電気自動車の普及推進に関する連携協定を締
結。今後は、本モニタング調査を柱に、所沢市が行うEV
普及推進イベントや、災害時におけるEV活用スキームの構
築サポート等、EVの更なる普及に取り組んでいくとしている。
低公害EV車として人気の「日産リーフ」電気自動車e-NV200は電源供給用にも利用できる日産のEV商用車「e-NV200」
SCANAのトラックは日本でも高く評価されている

TheTRUCK2017年8月号87
 マツダ㈱は、2017年7月2日に「MAZDAZoom-Zoom
スタジアム広島」の累計来場者数1,500万人達成を受け、
「社会福祉法人三矢会太田川学園第4成人部」(広島市
安佐南区)に、福祉車両「マツダビアンテGRANZオートス
テップ車」を贈呈した。
 今回の贈呈にともない、7月29日に同球場で開催される
「広島東洋カープ対東京ヤクルトスワローズ」の試合開始前
に、マツダの小飼雅道代表取締役社長兼CEOより、贈呈
先の代表者に目録を渡すセレモニーが行われた。
 この取り組みは、マツダが広島市民球場の命名権に応募
した際に、社会貢献活動のひとつとして広島市に提案したも
ので、2009年以降の来場者数が100万人を達成するごと
に、社会福祉法人広島市社会福祉協議会により選定され
た社会福祉団体にマツダの福祉車両1台を贈呈している。
 今回の贈呈にあたり、マツダの小飼社長は「『MAZDA
Zoom-Zoomスタジアム広島』の累計来場者数1,500万人
達成をお祝い申し上げます。マツダの福祉車両が、贈呈先
の皆さまにとってかけがえのない存在になることを願っており
 FujisawaSST協議会(代表幹事:パナソニック㈱)とヤマ
トホールディングス傘下のヤマト運輸㈱は、2016年11月
1日、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa
SST)に、一括配送など街の物流インフラを担う「Next
DeliverySQUARE
(ネクストデリバ
リースクエア)」を
開業した。このた
び、一般社団法
人日本物流団体
連合会主催の第
18回物流環境大
社会貢献…マツダ
物流環境大賞…ヤマト運輸
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
MAZDAスタジアムの累計来場者1,500万人達成を記念し
福祉車両を社会福祉団体に贈呈
第18回物流環境大賞「物流環境保全活動賞」を受賞
FujisawaSSTにNextDeliverySQUAREを開設しエコ物流を実現
す。ファンの声援が選手のパワーとなり、選手はプレーでファ
ンの期待に応える、というつながりは、『お客様の期待を超え
るクルマづくりで感動をお届けする』という私たちが目指すべき
お客様との関係性を、体現していると感じています。これから
もマツダ車が、多くの方の人生を輝かせる存在であり続けるこ
を期待しています」と語った。
 マツダは、今後も社会の一員として地域の人々から、より
親しまれる企業になるべく、継続的に社会貢献活動に取り組
んで行くしている。
賞において、物流効率化など環境負荷を低減する取り組みが
評価され、「物流環境保全活動賞」を受賞した。
 物流環境大賞は、日本物流団体連合会が主催し、物流
部門における環境保全の推進や環境意識の高揚を図ること
目的に、物流の健全な発展に貢献した団体・企業または個
人を表彰する制度である。平成12年に創設され、今回で
18回目を迎える。
 受賞内容の審査結果は、「物流環境保全活動賞」で、功
績事項として、FujisawaSSTの総合的な物流インフラ「ネク
トデリバリースクエア」となる。
 FujisawaSSTは、神奈川県藤沢市で1,000世帯もの
家族の営みが続くリアルなスマートタウンとして、技術先行の
福祉車両「マツダビアンテGRANZオートステップ車」
表彰式の様子。物流連工藤泰三前会長(左)と
ヤマト運輸の臼井祐一常務

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号88
 台湾の高雄市政府交通局は、2017年6月に無人自動
運転バス2両を導入し、市内の駁二芸術特区で走行試験を
行っていたが、この10月から一般試乗を行うと発表した。同
局はこれにより「都市の公共交通サービスに変革をもたらす」
している。
 同市政府は今年4月にフランスの自動運転電気自動車メー
カー「イージーマイル」などと協力覚書を交わし、本格的な自
動運転バスの導入を積極的に検討していた。高雄氏の陳市
長は自動運転バスの導入後、高雄メトロ(MRT)やバスなどの
公共交通と合わせて多様で地域に合った最先端の交通サー
エコモビリティ…台湾・高雄
話題のニュートラック新製品情報・新情報
エコモビリティワールドフェスティバルで
無人自動運転バスの一般試乗を開始
ビスを市民に提供することで交通事情の改善に期待したい、
と語っている。
 自動運転バスの一般試乗は10月に高雄市で開催される
「エコモビリティ・ワールド・フェスティバル2017」に合わせ
開始する予定となっている。
 エコモビリティ・ワールド・フェスティバルは、環境にやさ
い交通手段の導入をテーマにした国際フェスティバルで、世
界各地から研究者や学者らが集まることになっている。同市
はモデルエリアを設け、自動運転バスやライトレールなどさまざ
まな公共交通を体験してもらことでエコ交通推進への取り組
ンフラ起点だけでなく、住人ひとりひとりのくし起点での街
づくりに取り組んでいる。
 NextDeliverySQUAREでは、これまで宅配事業者が
各々に届けしていた荷物を集約し、台車や電動アシスト自転
車などでヤマト運輸が一括配送することで、走行車両を減ら
し、CO
排出量の削減と安全性を向上させた。
 平成29年3月からは届け予定や不在連絡の情報を家庭
に設置したスマートテレビに配信し、利用者はテレビ画面から
まとめて届け日時や受 取場所を変更でき、エコでスマートに荷
物を受け取れるようになった。
 また、NextDeliverySQUAREは、エネルギーを生み出
すスマートな施設として、太陽光発電やLED照明を導入し、
街全体の環境負荷の低減にも貢献している。
高雄市政府交通局が導入を進めている無人自動運転バス
NextDeliverySQUAREの外観FujisawaSST内を台車で配送FujisawaSST内を電動自転車で配送

TheTRUCK2017年8月号89
みをアピールするとしている。
■エコモビリティ世界フェスティバル
 2年に1度の隔年開催のエコモビリティをテーマにした国
際フェスティバルで、開催期間中の1ヵ月間、開催都市が
指定する区域における自動車通行を制限し、公共交通機関、
歩行、自転車など、環境に配慮した交通機関の利用を促進し、
「エコ・モバイル」な将来像を参加者に体験してもらうことを目
的としている。このフェスティバルはこれまでに、南アフリカ・
ヨハネスブルグ(2015年)と韓国・水原(2013年)で開催さ
れている。
 今回3回目となる「エコモビリティ世界フェスティバル2017」
は、2017年10月に台湾の高雄市で開催される。大会が
開催される1ヵ月間、歴史的な哈瑪星(はません)地区の道
路が、エコモビリティ(歩行、自転車、公共交通、シェアリ
ング、電気自動車)のための専用スペースに取って代わる。
同地区は、高雄市の交通や経済の中心として栄えた歴史あ
るエリアとして知られており、現在は観光スポットとしても親しま
れている。フェスティバルは、エコモビリティを通じて、都市が
先進的な都市交通文化を創出できることを示すことを目指すこ
とになる。
《エコモビリティ世界フェスティバル2017》
・開催期間:2017年10月1日〜31日「エコモビリティ
世界フェスティバル」/2017年10月2日〜4日「エ
コモビリティ世界大会」
・開催場所:台湾・高雄市
・目的:エコモビリティを通じて、都市が先進的な都市交
通文化を創出できることを示す
・主なテーマ:「住みやすさ−道路を再び歩行者のもと
へ」「シェアリング−住民へ幅広い交通手段を提供」
「インテリジェント−交通手段の統合とエコモビリティへ
のアクセスを促進する技術活用」
・主催:イクレイ、高雄市
 一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(ToyotaMobility
Foundation=TMF)が助成するベトナムのダナン市での交
通渋滞多様化プロジェクトにおいて、2017年6月30日に
オープニングセレモニーを開催し、TMFバス(市内循環バス)
の運行とパーク&ライドシステムの運用を開始した。
 ダナン市はベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「イ
ドシナ東西経済回廊」の玄関口に位置し、急激な人口の増
加と経済成長により、モータリゼーションが進展しており、バ
イクや自動車の登録数がこの5年で約40%上昇し、将来
的に渋滞が深刻化することが懸念されている。
 本プロジェクト(期間:2015年7月から2019年3月)で
は、ダナン市人民委員会を助成先とし、自家用車、バイク、
交通多様化プロジェクト…トヨタ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ベトナム・ダナン市での交通多様化プロジェクトにおいて
バスの運行とパーク&ライドシステムの運用を開始
公共交通機関を併用した交通手段の多様化によって、市民
の移動手段に関する行動様式の変容を促し、渋滞の深刻化
を未然に防ぐことを目指している。助成総額は約290万ドル
(約3.2億円)で、主な施策は次の通りとなる。
【TMFバス(市内循環バス)
 市内バス路線に接続する、フィーダーバスと呼ばれる支線
バスの役割を持ち、ダナン市の都市開発計画に合わせて、
市営バスを始め、他の交通手段との接続性を考慮したルー
を走行する。また、通勤・通学の利用者だけでなく、家族連
れや旅行者など様々な利用者にとってバスでの移動が安全で
快適になるよう配慮している。
◇運行概要
・市街地と住宅地を結ぶロン
グルート、および市街地を循
環するショートルー
合計8台(40人乗り6台、
28人乗り2台)の車両
・バスを利用するきっかけ作り
のため、当初1年間の運賃
は無料
オープニングセレモニー(左)と初運行に向かうTMFバス(市内循環バス)

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号90
 矢崎総業㈱(本社:東京都港区、矢﨑信二社長)は、セ
ルビア共和国に自動車用ワイヤーハーネスを製造する新会社
を設立し、2017年7月4日より量産を開始した。
 新会社は矢崎セルビア有限会社(YazakiSerbiad.o.o.)
で、矢崎ワイヤリング・テクノロジー有限会社(Yazaki
海外拠点…矢崎総業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
自動車用ワイヤーハーネス製造をセルビア共和国で開始
セルビアでの製造拠点は矢崎グループとして初
WiringTechnologiesGmbH)の100%子会社になる。資
本金は約120百万円(120百万セルビアン・ディナール)、
投資額は約30.6億円(25.1百万ユーロ)となる。
 矢崎セルビアでは主に欧州のトラックメーカーの自動車用ワ
イヤーハーネスを製造し、7月より顧客への納品を開始。また、
・次年度以降の運賃は利用状況に合わせて決定し、他の交
通手段と統合された電子支払システムを導入予定
◇安全で快適な移動体験
・全車両へエアコンおよびベトナム語と英語(観光客向け)
案内表示を設置
・主要なバス停に電子掲示板を設置し、GPSによるバスの
位置情報などの運行状況を表示
・全てのバスドライバーへの安全運転とエコドライブ教育の実施
【パーク&ライドシステム】
 自家用車やバイクを駐車場に止め、バスへの乗り換えを促
進するために、「路外駐車場」「路上駐車場」を整備した。そ
の際、IT技術も活用し市民にとって安全で使いやすい仕組
みづくりに配慮した。
◇路外駐車場
・バスの発着場であるバスターミナルに併設
・車番認識カメラ機能をもつ自動開閉ゲートを設置し、車番と
ICカード駐車券を連動させることで車両盗難を防止
・バスへの乗換えを促進するため、サービス開始時の駐車料
金は無料(利用状況に応じて決定)
◇路上駐車場
・バスルート上の川沿いのメインストリートを中心に100台規
模の駐車スペースを整備
・駐車料金の支払いには、ダナン市民が使い慣れている携
帯電話によるプリペイド式決済システムを採用
◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 ダナン市人民委員会の副委員長のズン氏は、「ダナン市に
おいて交通手段の多様化を実現することは、中長期的な市
民生活の質の向上において重要である。TMFバスとパーク
ライドシステムの運用開始は、その記念すべき一歩である。
今回、昨年末から運行開始した市内バス路線とリンクした
TMFバスとパーク&ライドシステムの運用が始まったことで、
市民にとって利便性が増す。将来的なダナン市の発展を見
据えたTMFの貢献に感謝する」と述べた。
 TMFの永田理事務局長(兼トヨタ自動車㈱取締役・副社
長)は「TMFバスおよびパーク&ライドシステムは、ダナン市
人民委員会を始め、ハイチャウ区、トヨタ・モーター・ベトナム
(TMV、トヨタ現地法人)など、多くの皆様のご協力によって
開始することができた。心より感謝を申し上げる。今後は、
実際の利用状況を踏まえて改善を行い、より良いモビリティ
サービスの実現に向け、関係者の皆様と一体となって取り組
んでいきたい」と語った。
トヨタ・モーター・ベトナム(TMV、トヨタ現地法人)社長の
木下徹氏は、「ダナン市の交通手段の多様化を目指す本プロ
ジェクトに参加することは、地域に貢献し企業市民として活動
する重要な機会となる。これまでもベトナム各地での交通安
全のプログラムの実施などを行ってきた。今回のプロジェク
においてもTMFバス用に2台の28人乗りバンを寄贈し、
安全な運行のためのメンテナンスの実施等を行っていく。ぜ
ひ多くの人々に利用していただき、ダナン市の移動手段と
て定着することを願っている。今後も本プロジェクトに必要な
サポートを提供していく」と述べている。
 TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社
会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タ
イやインドでの交通手段の多様化や、日本の中山間地域に
おける移動の不自由を解消するためのプロジェクトに助成する
など、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいる。
 今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活
用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関等と連携し、
都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用の
拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組みをさ
らに拡大していくしている。

TheTRUCK2017年8月号91
9月には関係者を招いての開所式を実施予定となっている。
 矢崎セルビアでは2019年末までに1,700人を雇用する
予定で、事業のさらなる強化を図ることになる。
■矢崎セルビア有限会社の概要
◇所在地:セルビア共和国マチュヴァ郡シャバツ市
◇登記日:2016年5月
◇代表者ClausPatrickNottbrock(ゼネラルマネー
ジャー)/ZeljkoCvijan(工場長)
◇従業員数:322名(2017年5月31日時点)
◇主な生産品目:自動車用ワイヤーハーネス
◇敷地面積:68,575㎡
 ㈱豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、大阪府吹田
市にトヨタL&Fカスタマーズセンター大阪(CC大阪)」を新
設した。
 CC大阪はフォークリフト販売60年、物流システム販売
30年で培ってきた物流ノウハウに豊富な商品ラインアップを
組み合わせ、ユーザーに最適な物流ソリューションを提案、
体験してもらうことを可能にしたショー
ルームである。流通業や製造業など
業種別の物流課題に焦点を当てた展
示や、VR(仮想現実感)・AR(拡張
現実感)を活用した映像展示を新たに
導入するなど、商品の機能や使いや
すさ、改善の効果をユーザーに確認・
イメージしてもらえる。
 独創性に富む発明によって優秀な技術・製品を生み出した
中堅・中小企業(資本金10億円以下の企業)の人達(個人
またはグループ)を表彰する第43回「発明大賞」の応募が開
始された。中堅・中小企業を対象とした表彰制度の中で最も
情報発信拠点…トヨタL&F
発明大賞…日本発明振興協会
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「トヨタL&Fカスタマーズセンター大阪」を新設
物流改善ニーズに応えるソリューション体験型ショールーム
発明が世界を変える、社会を育てる
第43回発明大賞の応募が現在受付中
 完成の後は、東京、愛知に続く第3の情報発信拠点と
て、商品展示と物流ソリューションの提供を通じて、ユーザー
目線での物流課題の解決に磨きをかけ行くしている。
 6月1日の安全祈願祭では、トヨタL&F販売店の関係者、
工事関係者および同社の社員を含む約40人が出席し、建
設工事が無事に完了するよう玉串を奉奠し、安全を祈願行っ
た。なお、CC大阪の竣工は、2018年5月を
予定している。
■CC大阪の施設概要
◇名称:トヨタL&Fカスタマーズセンター大阪
◇所在地:大阪府吹田市芳野町
◇敷地面積:約5,700㎡
◇延床面積:約8,000㎡・地上4階建て
◇竣工時期:2018年5月予定
歴史が古く、関係諸官庁をはじめ、広く一般からも高い評価
を得ているのがこの「発明大賞」である。
 テーマは「発明が世界を変える、社会を育てる」で、主催は
公益財団法人日本発明振興協会と日刊工業新聞社。文部
セルビアで初となる矢崎グループの製造拠点
「トヨタL&Fカスタマーズセンター大阪」完成予想図

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年8月号92
 横浜ゴム㈱の中国の事業統括会社である優科豪馬橡膠
份有限公司が支援する生態系保護プロジェクトが、中国国
務院から国情調査の対象に認定され、2017年5月23日
から本格的調査が開始された。
 調査では国連開発計画、中国社会科学院(国務院直属
の最高学術機構)、環境NGO「麗江健康環境研究センター」
がプロジェクトの進捗を確認。国情調査は中国の政策決定
に重要な役割を果たす調査で、同プロジェクトは中国におい
て最も環境保護の成功が見込めるプロジェクトとして調査対
象に認定された。
 優科豪馬橡膠が支援する生態系保護プロジェクトは、雲
南省麗江市老君山自然保護区内の山村における森林伐採
のみに依存した経済を農畜産物生産に転換し生態系を保護
しようとするもの。優科豪馬橡膠は同プロジェクトに賛同し
2011年から河源村、2015年から黎光村で行われている活
動を支援しており、農畜産物生産への転換に必要な融資を
行う「村バンク」の設立、蜂蜜採取や葡萄栽培などに必要な
生態系保護…横浜ゴム
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発明が世界を変える、社会を育てる
国情調査の対象に認定され本格的調査を開始
設備の寄贈、農畜産物の販売組織立ち上げ、子供の教育
支援など住民が自らの生産物を収益に変えることができる仕組
みを整備してきた。
 2017年5月現在、河源村では45%、黎光村では62%
の世帯が「村バンク」の融資で起業し、両村で合わせて約
9,231ヘクタール(河源村3,021ヘクタール、黎光村6,210
ヘクタール)の森林が保護されている。今回の認定は、こうし
た現地住民の経済的自立と森林保護の両立が評価された結
果であり今後も継続的に支援していく計画だ。
科学省、経済産業省、特許庁、中小企業庁、東京都、日
本商工会議所、日本弁理士会、東京商工会議所、(地独)
東京都立産業技術研究センターが後援する。
 応募された発明は、学識経験者による審査委員会(審査
委員長=菅野卓雄東京大学名誉教授)を開き、厳格・適正
に審査を行う。表彰として、「発明大賞本賞」1件に賞状と
副賞100万円、「発明大賞東京都知事賞」1件に賞状と副
賞50万円、「発明大賞日本発明振興協会会長賞」1件に
賞状と副賞50万円、「発明大賞日刊工業新聞社賞」1件
に賞状と副賞50万円、その他、「発明功労賞」7件に賞状
と副賞20万円、「考案功労賞」10件に賞状と副賞10万
円、「発明奨励賞」5件に賞状が授与される。
 募集期間は、平成29年7月1日㈯〜9月30日㈯までで、
審査結果は2018年3月初旬に日刊工業新聞紙上におい
て発表される。応募にあたっては、申請書と所定の添付書
類の提出が必要となる。詳細はHP(http://form.nikkan.
co.jp/r/c.do?1eL4̲1t1V̲24Y̲aes)をご覧いただきたい。
 ちなみに、前回の第42回受賞案件は次の通り
・発明大賞本賞…「らせん状回転流を利用した揮発性物
質の濃縮装置」(株式会社バイオクロマト/第一三共RD
ノバーレ株式会社)
・発明大賞東京都知事賞…「果実表面と接触しない果物
個別包装容器」(アイ・イート株式会社)
・発明大賞日本発明振興協会会長賞…「胴部材の芯材と
軸材を摩擦接合した圧延ロール製造方法」(株式会社フ
ジコー)
・発明大賞日刊工業新聞社賞…「断面形状が波形の集水
管」(株式会社藤進)
現地調査後、優科豪馬橡膠社員と現地住民で記念撮影(黎光村)