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【特集】UDトラックス新型「クオン」登場

TheTRUCK2017年5月号16
 予てより準備をして参りました『2017TTSショー
(特装車・トレーラ展)は、準備が整い、本年6
月8日〜10日の3日、幕張メッセで開催の運びとな
りました。
『2017TTSショー』は、従来のトラックショーが主
に車体産業を対象にスターしましたので、その原
点となると特装車(T)と最近国土交通省が推進して
いるレーラ(T)による効率輸送、それに自動運転
など先端技術を取り入れたスペシャルビークル(S)
対象にした商用車展として、改めてプランニングした
ものです。
『2017TTSショー』は、昨年11月に企画説明会
を開催して、本格準備に入りましたが、出展企業
の確保が遅々として進まず、不安の中で新年を迎
えることになりました。
 過去約30年に渡ってトラックショーを運営した経験
では、出展企業にとって最大の懸念材料となるのが、
「展示を見て欲しい顧客が果たして来場するのか」
の疑問でした。従って、今回は出展企業の確保よりも
「来場者の誘致」を先行して、活動して参りした。
 トラックの最大ユーザーは全国に6万3000事業
者もあるトラク運送業者で、その事業者は47都
道府県にトラック協会を組織して、荷主ニーズや地
域の発展に貢献しており、それを統括しているの
が、公益社団法人全日本トラック協会という形で組
織が出来上がっています。
 そこで、先ずは全日本トラック協会に、『2017TTS
ョー』の母体となっている本誌の姿勢を理解して頂
く事からスターしました。幸いにも、全日本トラック
協会はこれまでのトラックショーに唯一“後援”を貫
いた団体という事もあり、本誌の編集方針は大筋の
理解を得て、地方トラック協会の取材へと進むこと
になます。
 トラックショー来場者は過去のデータから、関東圏
の事業者が約7割を占めていることが明らかになっ
ていますので、密度の高い関東8県のトラック協会
長対談がスタートしました。第1回は2015年3月
号の東京都トラク協会、大髙一夫会長(平成28
年1月他界)で、『夢』をテーマにした内容は、第1
回に相応しい高次元のものとなりした。続いて神
奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨と
順調に進み、その延長で新潟、静岡、愛知まで全
11都県のトラック協会長対談は2016年3月号で無
事終了しました。
 このトラック協会長対談で一貫して協力要請し
たのは『2017TTSショー』への来場でした。リー
マンショック以来、トラック産業界は販売体制が大
く変わって、ユーザーとメーカーの関係が希薄
になっていますので、今こそトラックショーがその
溝を埋める役割があると考えていたからです。協
会長と対談した全てのトラック協会は、筆者の要
請を理解して「協賛の立場で協力する」ことを約束
してくれました。
 これにより、『2017TTSショー』へトラックユーザー
を来場誘致する道筋は確立されたことになります。
更に、45歳以下の経営者約5千700事業者で組
織している全日本トラック協会・青年部にも来場協力
を要請して了承されました。
社告
TTSショー開催へ
最新のトラック、レーラが勢ぞろい

TheTRUCK2017年5月号17
主催:特装車とトレーラ展運営委員会
http://www.truck-x.com
開催ご案内
会場:幕張メッセ国際展示場
会期:6月8日(木曜日)
6月9日(金曜日)
6月10日(土曜日)
㈱日新・TTSショー運営委員会
代表 
横路美亀雄
 今秋には、新しい排ガス規制がスタートするの
で、今年は大型トラックメーカーの新型車が勢揃い
することが明らかになっていますので、来場するユー
ザーに新しい性能をアピールするのに『2017TTS
ョー』は絶好の機会です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 人知ではまだその全てを解き明かすことの出来な
い宇宙、その中で私達人類は奇跡の天体“地球”
に命を繋いで今日を迎えています。その宇宙も重力
のバランスによって一定の秩序を保っています。
 この地球上では、過去数えきれない程の混乱が
ありました。我が国の直近で最も大きな出来事は
70余年前の太平洋戦争です。太平洋戦争は、広
島、長崎の悲劇によってピリオッドが打た
れましたが、その悲劇と今日の“少子高
齢化”は深い関わりがあります。団塊世
代と呼ばれる我々が“高齢化”を加速さ
せているからです。
 今、物流界では“少子高齢化”を背
景とするドライバー不足が大問題になっ
ています。国はこのままでは“物流パニッ
ク”が起きかねないとして、トレーラや脱
着システム車両による効率輸送や、海上
へのモーダルシフト等を推進しようとして
います。その意味では、正に今こそが
時代の変わりと申せましょう。変化の時
代はチャンスの到来でもあります。
 TTSショーには発売されたばかりの
新型トラック、国土交通省が推進する大
量輸送の長大トレーラや最新技術を取り
入れた脱着システム車、全長40mにも
及ぶ緩和トレーラそして、最新鋭のEV
車両や各種開発用品が展示される他、
実用化を目前にした追随無人走行トラッ
クや自動運転など、先端技術の課題と
展望も、講演会やシンポジゥムで明らかにします。
 今回、私たちはトラック物流に係る皆様をご招待
致します。どうかTTSショーにご来場頂き、人的
交流や新技術発見で、事業発展にお役立て頂き
すよう、切に希望する次第です。
「スチャンスは与えられる物ではない、自ら掴み取
るもの…。と申します。TTSショーには必ずそのヒ
トがある筈です。幕張メッセで皆様のご来場をお
待ちしております。

TheTRUCK2017年5月号18
巻頭
Birds Eye
バーズアイ
国際化など当たり前
 戦前までの「経営学」の科目はドイツの経営経済学をベースとし、企業や経営というものを経済学的に
アプローチするものだった。「商業学」という科目があったがこれは商業を構成するものをインスティチュ−
ショナル(制度的)にアプローチするものだった。しかし、戦後になるとアメカ型の学問体系に変わってい
く。経営学はマネジメトの視点から経営戦略論、市場競争論の方向をとることとなる。商業学はマーケ
ティングが中心となる「流通論」に置き換わって行った。このマーケティングであるがそれは企業の「市場適
合」「需要創造」などに視点を持った企業の経営活動であろう。この経営学とマーケティング論が合体し
たものが「戦略的マーケティング」である。
 マーケティングの考え方が多くの企業に普及して行ったのは昭和30年から40年代にかけての頃であ
る。この時期、学会においてもマーケティングのある部分をとって「エクスポート・マーケティング」「インポー
ト・マーケティング」ということを言っていた。
 エクスポート・マーケティングとは輸出のマーケティングである。日本の企業が外国の市場に対して商品
を輸出し、その外国市場で売っていこうという戦略を考える。例えば、きわめて日本市場に限定されてい
たキッコーマンが醤油をアメカ市場で売って行こうとするその戦略展開を考えればよい。当初、キッコー
マンはアメカにおいて日本で生産された商品をブローカーというアメカ独特の卸売業(代理商)を利用
し、スーパーマーケッを開拓した。やがて、キッコーマンはアメカに工場を作り、現地生産を始める。
このことは昨年の日本経済新聞の「私の履歴書」に茂木友三郎さんが詳しく書いていた。余談だがこの
時期、私は勤めていた研究所がキッコーマンの委託調査を行っていたので私も茂木さんの外部スタフと
してキッコーマンのアメカ工場に行ったことがある。
 インポー・マーケテングは日本市場で外国商品を市場展開させる企業活動である。その代表としてよ
取り上げられたのは外車の輸入商社である「ヤナセ」である。オーナーの梁瀬次郎氏はマスコミの寵児と
なっていた。ヤナセは戦前からアメカのゼネラル・モーター(GM)社の自動車を輸入して販売していたが、
それは一部の富裕層や企業向けであった。それが戦後はフォルクスワーゲンの車を中心としてモータリゼー
ションを予測し、大衆市場に入り込んでいく。これも余談だがヤナセは就職市場でも人気企業であった。
 このように輸出を特別な事として国内市場におけるマーケティングドメスティク・マーケティング)と分け
てエクスポート・マーケティングと、また、輸入品を外国製品と呼んで特別扱いをして、それのマーケティ
ングをインポート・マーケティング言ったのである。そこから出て来た言葉が「アメ車」だの「洋モク」などで
ある。しかし、やがて、これらの言葉は消えていく。「インターナシナル・マーケティング」などと言ったり、
「グローバル・マーケティング」と言ったりするようになった。インターナショナル・マーケティングが「世界市
場が国別に個々、別物であり、それらを集合体と見るものである」とか、グローバル・マーケティングは「世
界市場を一つのものと見る」と言うのである。しかし、今ではあえてグローバルだのインターナシナルなど
という言葉を上につけることもなく、企業のマーケティングはその対象を世界とするのは当たり前であって
特にそういう分類をすることもなくなった。生産、調達、販売、労働、金融の各市場は世界を一つのもの

TheTRUCK2017年5月号19
中田 信哉
して考え、むしろ、国内と外国を別物と考え
る産業、企業の方が特殊なのである。これらを
「山奥産業」と言った人がいた。山奥は過疎が
進み、高齢者だけとなる。
 そういう世界経済である以上、いかにトラン
プ大統領が保護主義的方策を示そうとも体制
は変わらない。国境税だか何だか知らないが
例えば、メキシコで生産された自動車に多額の
関税をかけるとしてもそのメキシコで生産する自
動車には多くのアメカ製の原料・部品が使われている。日本の例で言ってもアメカの航空機の製造の
部品、材料の多くは日本のものである。かつて石原慎太郎氏が言っていたがアメカが誇る大型二輪の
ハーレー・ダビットソンは「90%、日本の部品と技術で作られている」と。90%はオーバーとして外国からの
輸入がないと生産もできないのである。入るものに税をかければ、出て行くものにも税はかけられる。国
際経済はブーメラン経済でもある。おなじ事である。
 トランプ氏も世界の経済の仕組みは知っているはずだから「今の世界経済の中でいかにアメリカ(のある
層)が有利なポジシンをとるか」ということでアドバルーンを揚げ、交渉を有利にしよとするのであろう。ト
ランプ経済政策は抜本的(破壊的)改革を目指すものではないようである。結局、今の国際経済の仕組
みを変えるという方向性を見ることができない。単に経済に対するスタンスとかスタイルを意識的に変えて
いるだけで本質はかわらないだろう。しかし、それは全体に言えることであり、個々の企業、産業につい
ては十分な変化要因となる。それは運輸業についてもそうである。現在、運輸業界でも航空、国際海
運は世界経済の中にまったく存在している。しかし、陸運は市場環境を別として世界的市場経済の要素
が希薄である。だから、そこには人手不足だの取引条件だの運賃だのといったことのみが問題とされる。
例外と言える。
 大体、私はポピュリズムという言葉が嫌いである。使わないようにしている。「大衆迎合」などいうのだが
大衆の要求に応えるのが民主主主義の基本ではないか。それを政治家、官僚、富裕者、経営者、学
識者など社会的に恵まれた人が上から目線でマクロの視点から大衆を一把一からげにして言うのはおかし
はないか。例えば、テレビや新聞に出て来て偉そうことを言う大学教授は研究者でもあるだろうが所詮、
学校という企業のサラリーマンではないか。安給料であり、大学のサラリーマンしてたいした能力もなく、
普通の企業の平社員か下級管理者である人が大部分である。大衆の一人にしかすぎない。大衆として
の自分の声はどうなのだろうか。これは評論家という人も同じである。
  こういう句がある。
    祝辞みな未来のことや植樹祭   飛旅子

TheTRUCK2017年5月号20
UD
トラックスのフラッグ
新型車◇REPORT
より使いやすく・よりスムーズに、よりクリーンに・より力強く、より
5
つのコンセプトで
基本性能を向上
レポート◇
岡雅夫
(本誌編集部アドバイザー)
UDトラックスは2017年4月11日、新型「クオン」を発表・発売した。
今回の新型はキャブの骨格こそ残しているもののシャシーフレーム、足回り
を含め全てを見直したフルモデルチェンジと位置付けられている。本年の
10月1日から新型車において適用される平成28年(2016年)排出ガス規制
に適合した重量車として大型各社がモデルチェンジ車をデビューさせる中、
4月5日の日野プロフィアに続いて1週間を断たずして発表された新型車で
ある。間もなく他社も登場してくるであろうが、いずれも久々の新大型車ら
しく大きな改良がなされてくるであろう。

TheTRUCK2017年5月号21
シップ新型「クオン」登場
安全に・より頼もしく、より多く・より効率的に、より長く・より安心に

TheTRUCK2017年5月号22
新型クオンを発表したヨアキム・ローゼンバーグ会長(右)と村上吉弘社長。
モーターショーで提案した
 コンセプトモデルを具現化
 最近の傾向として新型になるたびにフロントグリル
が堂々と大きくなり迫力を増している。この傾向は一
昨年の東京モーターショーでデビューしたいすゞの新
型ギガから始まっているが、エンジンの冷却性能を向
上させるためと説明されている。乗用車においても大
型サイズのワンボックスミニバンのグリルが大きくなっ
て威圧感さえ感じさせているが、大型トラックではイ
ンタークーラーの冷却能力向上で燃費向上にも寄与
しているため機能面の効果も狙っていることがわか
る。今後はキャブ前面からの冷却気取り入れだけでな
く、後部からの熱気排出を同時に考えていくことが考
慮されていくだろう。その内に大きな扇風機風の熱排
出機構が付くのではなかろうか。今回クオンも堂々と
したヘキサゴングリルを採用し、モーターショーに提
案されたコンセプトモデルのイメージを具現化してい
る。ヘッドランプ周りも大人しい印象だった従来型か
ら一新して迫力が増した。
 しかし、フルモデルチェンジというだけあってキャブ
周りだけではなく前回4年前のモデルチェンジ以降か
なり大幅な改良が施されている。具体的にはトランス
ミッションが大幅に進化したことや総輪ディスクブレー
キが採用されたことなどの他、エンジンやブレーキ、
ミッションが総合的に一体制御されていることが特徴
点である。シャシフレームも高張力鋼板により軽量
化、高剛性化が図られ上面突起が一切なくなり架装
性も向上している。
 ともかくもあらゆる面で質実剛健に進化してますま
すいい車に成長したと感じられた。
 今回は明確な5つのコンセプトで基本性能を向上さ
せている。
 それは、運転性能(より使いやすく、よりスムーズ
に)燃費・環境性能(よりクリーンに、より力強く)
安全性(より安全に、より頼もしく)、生産性(より多
く、より効率的に)、稼働率(より長く、より安心に)
以上5点である。
 それでは具体的にどこがどう進化したかを紹介して
いこう。
 先ず「運転性能」である。もはや大型トラックの主流
となった2ペダルのAMTだが、UDのESCOTは
新型車◇REPORT

TheTRUCK2017年5月号23
発表会場で質疑応答に応える幹部社員。
参考出品の新型クオン2軸トラクタヘッド。近々発売予定。
クオンCDタンクローリー車
パーフェトクオン・冷凍バン。
直結式冷凍機搭載の冷凍ウイングも用意。
パーフェトクオンドライウイング車。
従来車より200㎏増の14,300㎏積載。
パーフェトクオンドライウイング車。
日本トレクス製、日本フルハーフ製の汎用パッケージを用意。

TheTRUCK2017年5月号24
テストコースでの試乗の模様。車両は3軸のCD390psウイング車。
試乗前の筆者。生憎の雨であった。
今回さらに進化してESCOTⅥとなった。シフトパター
ンは従来のH型からストレートパターンにシンプルにな
りシフトレバーにシーソー式変速ボタンが内蔵されて
操作性は大いに向上した。従来はECOモードはボタ
ンを押して選択していたが、今回はそもそもECOモー
ドが標準となり、逆にECOモードOFFを選択するよ
うに改められた。
 前方先の信号が赤の場合などにシフトをニュートラ
ルにすることで燃費を向上させるESCOTロールも
自動制御されるようになりスイッチそのものがなくなっ
た。さらに二つの新たな機構が追加された。一つは
「フォアトラック」で、オートクルーズ使用時にGPS
で以前利用したルートの勾配などを記憶させておき最
適な走行状態をキープできる仕組みである。もう一つ
は雪道・泥濘地からの脱出性改善がアクセルのオン
オフで車体を揺らすことにより可能となる仕組みであ
る。いずれも新しいESCOTⅥによって可能となった
先進的機能である。ESCOTⅥでは「トラフィックアイ
クルーズ」という車間距離制御装置も装備され、前方
走行車両との車速を自動的に保持することができる。
 なお、ESCOT以外にマニュアルミッションも7
速と12速が車型によって選択できるよう準備され
ている。
 運転性能向上の最重要なポイントとして「停まる」
性能があるが、今回のクオンには全車総輪ディスクブ
レーキが採用された。ヨーロッパでは主流となってい
る大型車のディスクブレーキだが、日本ではガツンと
効くドラムブレーキが好まれてきた。クオンのディスク
新型車◇REPORT

TheTRUCK2017年5月号25
欧州では主力のディスクブレーキ。軽く耐フェード性に優れる。
さらに進化した12段AMT「ESCOTⅥ」。ベース3段×2×2で12段となる。
排出ガス規制に対応しながら従来より10psアップした新GH11エンジン。

TheTRUCK2017年5月号26
ンパネ全体が新しくなり、燃費コーチを含めカラーディスプレーで見やすなった。新たに装備されたステアリングスイチもわかりやすく操作しやすい。
車内でスマホなどを充電できる12Vコンセントの追加など使い勝手
がさらに向上。
ブレーキは社外製のブレーキ部品をそのまま採用する
方式でなく自社開発のブレーキ総合制御とすることで
排気ブレーキ、エンジンブレーキを併用した経済的に
も優れたものとしている。
 次に「燃費・環境性能」だが、平成28年排出ガス
規制に適合するとともに、全車平成27年度重量車
燃費基準+5%を達成しており、従来から好評の低燃
費をさらに向上させている。実燃費も社内テストで5
〜6%向上しているという。エンジン出力も3バリエー
ションそれぞれ10psアップしており、低速トルクも
同時に向上することで性能に余裕が出たためエコモー
ドでの走行でも加速などで不満を感ずることはない。
カラー液晶が採用されて刷新されたインパネの正面に
は省燃費運転アドバイス機能「燃費コーチ」が配置さ
れており省燃費運転をサポートしてくれる。
 次は「安全性」である。大型車の事故は昨今問題
化され衝突被害軽減ブレーキの義務化などで対策が
とられているが、クオンでは従来のミリ波レーダーに
加え、キャブ内に設置されたカメラで前方を二重監
視する「トラフィックアイブレーキ」や、ふらつき注意
喚起も行う。さらに車線逸脱警報装置「LDWS」や、
カーブや滑りやすい路面などで車両の不安定な状態
を検出するとエンジン出力やブレーキ、各タイヤへの
新型車◇REPORT

TheTRUCK2017年5月号27
座り心地の良い新シート。ESCOTⅥのストレート型シフトレバーが使いやすい。
岸シニアVPに質問する筆者。難問にも的確に回答いただいた。
制動力を適切に制御し車両の状態を安定させる「スタ
ビリティ・コントロール」も採用されている。放熱性と
耐フェード性に優れたディスクブレーキも安全性の一
つの特徴である。ヘッドランプは省電力、長寿命の
LEDランプを採用し夜間の視認性を向上している。
EBS(電子制御ブレーキシステム)はABS/ASR
組み合わせ、積載量に応じて変化するブレーキ性能
を制御し、制動によるショック軽減やグリップ力確保
など安定した制動を実現している。
 次の「生産性」とは、積載量に優れること、輸送の
効率化をいう。シャシフレームに高張力鋼板を採用す
ることで軽量・高剛性化した他、ディスクブレーキも
軽量化に貢献している。積載量で100㎏〜200㎏
増加を図っており、4年前のモデルチェンジで100
㎏以上軽量化された以降、さらに軽量化が進んだこ
とは驚くべきことだ。エアサスペンション車には左右
の車高差を自動調整する片荷調整機構が採用され荷
役性も向上、荷崩れも防止できる。プラットフォーム
での荷役性向上のためには高さ調整幅も拡大してい
る。「パーフェクトクオン」と呼ばれる短納期の完成車
もバリエーションが拡大し仕様も充実した。
 最後は「稼働率」で、シャシーの耐久性向上、メンテ
ナンス性向上がさらに進んでいる。デフオイルの化学
合成油使用など定期交換部品の削減とロングインター
バル化など細かい部分でもサービスが充実している。
試乗で操作性、安定性の
 完成度を確かめる
 ここで短時間ながら上尾テストコースで新型クオン
に試乗することが出来たのでインプレッションを報告
したい。現行車と比べわずかながら静粛性が増した
ように感じたがそれは筆者の耳が4年間の間に衰えた
だけだったようだ。特に音の抑え込みを強化している
訳ではないそうだ。試乗車は4軸低床ウイング車
総重量は20トン、390psのESCOTⅥ仕様車であ
る。最初からECOモードとなっているので発進加速
が心配だったがごく自然に力強く加速していった。全
くショックなくどんどんシフトアップしていくのが印象

TheTRUCK2017年5月号28
乗用車では多く採用されているスリップ防止機能いわゆるトラクションコントロー
ルがクオンでは「UDスタビリティコントロール」という名称で採用された。
トラフィックアイブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)は従来のミリ波レーダーに加
え、フロントウイドウにカメラを設けクルーズコントロールや車線逸脱警報にも
役立つ。
フロントリッドも大きくなり整備性はさらに向上した。
的だ。現行車のECOモードはかなり燃料を絞った感
触がアクセルを踏んだ時に感じられたが新型ではあえ
てECOモードを解除しなくとも少なくともフラットな場
面では全く問題はない。
 ステアリングホイールは新しく4本スポーク化され
左右にスイッチが配されている。左側のクルーズ関連
のスイッチは扱いやすい。2ペダルなので確かに誰で
も運転できる感覚であるがやはりステアリングの感覚
は乗用車とは異なり路面感覚がつかめない。キャブサ
スとサスシートによる乗り心地の良すぎる感もそれに
輪をかけるのだが、長距離運転ではある程度の甘さ
加減が必要なのだろう。ステアリングホイールの大き
さも影響しているのだろうが大型路線バスを運転して
いると同じ感覚で何か落ち着かない。どちらかという
と乗用車ではトヨタ車とメルセデス車の違いのような
感覚と言ってもわかりにくいがもう少し欧州車的なしっ
かり感があるとさらに乗りやすく安心感も得られるよう
に思った。
メーターの視認性は大変良くマルチディスプレイも
見やすい。ストレート化されたESCOTのシフトレバー
は分かり易く操作しやすい。トラック本来のあるべき
ものが適切な位置にあるという基本的なものが守られ
ている点での安心感がしっかりわかる配置である。新
型の日野プロフィアではシフトとサイドブレーキがイン
パネに配置されており、ヨーロッパ車のようになった
が、切り返しなどの場面では従来の(つまりクオンのよ
うな)シフト位置の方が扱いやすいであろう。
 メルセデスやヒュンダイのようなコラムシフトレバー
もいいが、長年使い慣れた配置は身体で覚えている
から、いざという時の安全にもつながる。ディスクブ
レーキのしっかり感と制動力は申し分ない。雨の中で
も思い切り踏めるいいブレーキであった。ダンプなど
泥濘地での使用にはディスクのカバーも用意されてい
るというから安心だ。
 今時の乗用車はプッシュボタン式スターターになっ
ているが、何故採用しなかったのか聞くと、トラック
は一度エンジンをかけるとその後頻繁に止めたりかけ
たりしないことと何より信頼性が重要なことからキーを
ひねるアクションも従来通り大切にしたということで
あった。納得である。短い試乗ではあったが操作性、
新型車◇REPORT

TheTRUCK2017年5月号29
鏡割りを行う首脳陣。右は開発責任者ダグラス・ナカノ氏。
シャシフレームも完全に刷新され、高張力鋼
板採用で軽く強くしてフラットな上面で架
装性も向上した。サスペンションも見直され
軽量化された。エアサス車では片荷防止機
構も採用され、エア調整幅の拡大でプラッ
フォームつけ作業が楽になっている。
安定性、完成度を確かめることはできた。
 今後富士スピードウエイ、岡山サーキット、仙台菅
生サーキットでも試乗会を行うというので期待したい。
市場シェア25%を目指し開発した
 ユーザー満足度の高い大型車
 今回の新型「クオン」について、村上代表取締役は
「新型クオンは厳格化された排出ガス規制に適合す
るだけでなく、各種性能を向上させるとともにお客様
から高い評価を得ている電子制御式トランスミッション
をさらに進化させたESCOTⅥを採用するなど、乗
用車感覚で運転操作ができる大型トラックです。お客
様のご要望に応えた高い完成度にきっとご満足いただ
けるはずです」と述べている。
 実はここ1年、いすゞの新型ギガがその大きな目立
つフロントグリルのせいもあるのかどうか、かなり目に
つくようになってきた。大型トラック市場で25%を目
指すべく開発された新型クオンの活躍する姿を早く街
で見たいところである。
「新型クオンはUDのフラッグシップとしてボルボグ
ループの最先端技術を活用し、日本の風土に合わせ
て開発された匠の結晶である。
「新型クオンの開発期間は4年で、そのテスト車
両は92台、走行距離は600万㎞、テスト時間は
250万時間にも及ぶ。
「なお価格は従来車に対し約100万円アップとな
る。(従来車参考税抜き価格:クオン25トン・ウイン
グ完成車380psは19,754千円)

TheTRUCK2017年5月号30
日野自動車、新大型

安全装備で
4月5日、日野自動車は新大型プロフィア、及び新中型レンジャー両車を
同時発表した。プロフィア車では、平成27年新燃費基準+10%に適合
させたダウンサイジング新9Lエンジンを採用。エアサスの設計変更などを
併せてシャシ全体で300kg余の軽量化を実現。安全装備も一層の充実を図っ
た。新中型レンジャー車でも新5Lエンジンや安全装備を拡充して商品力を
高めた。プロフアは5月22日から発売する。レンジャーは発表した4月5日
に即日発売した。
新型車紹介
発表会はさいたまスーパーアリーナの広いフロアを借り切ってプロフィアとレンジャーが同時に行われた。午前の報道関係向けの発表の後、午後には全国
の販社から営業担当者が集まって総決起大会も開催された

TheTRUCK2017年5月号31

&新中型車同時発表
業界をリード
西 襄二
外観デザインを一新
 正面からみたデザインでは、グリルを上下に拡
大。従来は3本構成のグリルをより太い4本構成(車
載車架装用のローキャブでは3本)とし、左右両側
の切れ上がり線をやや上開きとして力強い印象を高
めた。キャブの骨格及びドア回りは従来のものを活
用しつつ、グリル上部ドアを兼ねたフロントのコー
ナー部材をドアの見切りまで回り込ませて延長し斬
新感を強調した。これらにより一層力強さが印象的
なデザインとなった。整備性を高める効果もある。
キャブバリエーションは正面から見て3種・・
・・横から見て車軸配列に従って5種ある

TheTRUCK2017年5月号32
 一方、スイッチ〝オン〟で常時点灯するデイライト
を採用した。ヘッドライトの下辺から側辺へ立ち上
げて昼間でも対向車や歩行者からの視認性を高め
た。国内トラックでは初の装備だ。
 キャブは、正面から見て〝ハイキャブ・ハイルー
フ〟〝ハイキャブ・標準ルーフ〟〝ローキャブ〟の3通
りがあり、横から見ると〝ローキャブ1軸〟〝ハイキャ
ブ1軸ベッド付き〟〝ハイキャブ2軸ショートキャ
ブ〟〝ハイキャブ1軸ショートキャブ〟〝ハイキャブ
1軸ハイルーフ・エアスポイラー付き〟の5バリエー
ションがある。
 なお、全てのドアに車幅灯を新設して実用性と斬
新さを高めた。
扱いやすさを向上
軽量化にも配慮
 ヘッドライト下部のバンパーには中央部上面2か
所に加えて掘り込みの外側ステップを設け、フロン
トガラスの清拭に際し女性など小柄なドライバーで
も手が届きやすい配慮を造り込んだ。バンパーは樹
脂化し、かつ背後のスチール部材でバンパー強度機
能は確保されている。樹脂化はフロントグリル回り
で広く採用され軽量化に一役買っている。
新型車紹介
販売構成が伸びている4軸低床FW型車
空力特性改善のパーツはオプションが多い。完成バン型車の後端部の
処理は普及が拡大している
ヘッドライトにL(右側)/逆L(左側)型のデイライトを新設。昼間も対
向車や歩行者からの視認性を高める。大型トラクで国内初
グリルドアの開口幅が拡がり整備性も向上

TheTRUCK2017年5月号33
インテリアは
洗練度に磨き
 キャブ内部では、ドライバーに対する人間工学的
な配慮を一層高めたデザインが随所に採用された。
操作性、居住性、見た目のデザイン性など、体格の
大きく異なるドライバーの誰でもが満足できる充足
感に拘った。具体的には、シートのデザインと上下・
前後の調整代を拡大した。隠れた配慮だが、乗降時
に頼りになるアシストハンドレールの形状は連続性
に違和感の無い形状に改良された。
 従来のセンタークラスタ部分をよりドライバーに
近づけ手が届きやすい配置とした。そしてここに駐
車ブレーキノブまで組み込んだ(全車標準)。
 また日野のAMT(自動化機械式変速機)である〝プ
ンテリアはメーター類の大型化、センタークラスターの操作面をドライバーにより近づけ操作性を向上した。写真の仕上げは上級グレード車の場合
プロシフトProShiftのセレクタは、センタークラスター上にダイアル式となっ
て移動した
円形メーター(左:速度計、右:回転計)の中央に7インチに拡大された液晶モニターが
設置されている。各種情報がここに映し出される

TheTRUCK2017年5月号34
ロシフトProShift〟搭載車では、ダイヤル式のギ
ヤセレクターのつまみをここに配置した。わが国初
のデザインだ。
 変速モード切り替えやマニュアル変速操作用のス
イッチはステアリングホィール上に設け、近年の多
くの乗用車同様に操作性を高めた。
 これらの変更に伴い、ドライバーの左側上面は
フラットな広い空間となりキャビン内のベッドス
ペースなどへの移動がよりスムースに楽に行える
ようになった。因みにプロシフト搭載車の出荷割
合は70%を上回っているという。なお、MT搭載
車では従来に準じた位置にシフトノブを配置して
いる。
 シートも一新され、乗り心地と快適な姿勢の維持
に一層磨きをかけた。小柄な女性にも最適なシート
ポジションが得られるよう、上下・前後の調整代、
シート前端部の形状等に木目細かい設計上の気配り
を行った。。
安全面にもこだわりを
カーゴ系車に標準装備されて来たドライバーモニ
ター(ドライバーの挙動から疲労状態を検出して
警報音で注意を促す)、車線逸脱警報、VSC(車両
の旋回時や制動時の安定性自動制御システム)に加
え、PCS(衝突事前安全システム)の機能向上を図
り、ミリ波レーダーとカメラによる画像センサーに
より前方の停止車両や歩行者も適格に検知して衝突
新型車紹介
基本表示は、車間距離と速度(この場合はクルーズコントロールをセットし
て走行中の場合)と水温、尿素触媒量、燃料残量が表示される
可変配光式LEDヘッドランプも設定された。完成バン型車では標準で採用している

TheTRUCK2017年5月号35
回避をより高度に支援することを可能とした。こう
した装備を全車に標準装備することにより日野車全
体の安全性マージンを高めている。
 なお、ドライバーモニターは、建設系車ではオプ
ション設定とされている。
省燃費性に徹した動力系
 新9リットル・A09C型エンジンを主力エンジ
ンに据えて、軽量化と燃費性能の向上を果たした。
平成27年燃費基準の+10%達成を全車で果た
し、登録時に減税の扱いを受ける。ダウンサイジン
グ(13L→9L=31%減容)に伴う出力及びトルク
の低下を最小限に抑える為に、吸気系は2段過給
方式を採用した。また、シリンダーライナーのピス
トン摺動部に微少で多数の窪み(ディンプル)を設け
て摺動抵抗を減らす新技術を開発し採用した。日本
ピストンリング株式会社との共作である。
 一部の重量車型では、従来の総排気量13Lの
E13C型エンジンの選択も可能としてある。こ
ちらは最高出力302kW(410PS)、最大トルク
1,569N・m(160kgf・m)が確保されている。
 定評あるAMT(自動化機械式トランスミッショ
PCSプリクラシュセフティシステムの機能を向上し、停止している車輌や歩行者に対する感知と作動も盛り込まれた

TheTRUCK2017年5月号36
新型車紹介
ン)プロシフトProShiftはFH型車を除き全車型
に展開し、ドライバーの運転負荷を減らし燃費向上
の効果を確実なものにしている。従来のスムースな
変速機能と交通環境によって選択可能な変速モード
に加え、〝E-コーストE-COAST〟と呼ぶ機能を追加
した。これは、かなり前方の信号が赤に変わった様
な場面で効かすと、クラッチを切って惰性走行距離
が伸び燃費向上効果を高められるし、緩やかな下坂
路でも一定条件のもではクラッチをオフにしてエン
ジンブレーキ機能を遮断し、次の登坂路にかかる間
の車速に余裕を持たせてアクセル踏み込み量を少な
い状態で狙った車速幅を維持出来るなど、ベテラン
ドライバーがマニュアルシフト車で行う燃費向上策
の一手法をプロシフトのプログラムに組み入れたも
のである。
 なお、オプションでトランスミッション後部直づ
けの永久磁石式リターダの選択も可能である。先の
E-COASTの活用とあいまって、ドライバーの選択
操作に磨きを掛ける訓練の必要もありそうだ。
新開発のA09C型エンジン外観。排気量は7Lながら吸気系に2段過
給方式を採用して11LのE13C型に肉薄する出力が出る。車両重量
の軽量化に最も寄与している
A09C型エンジンの性能曲線(最大の場合)が表示されている
(表1)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値
トラック等(車両総重量3.5t超の貨物自動車)=抜粋=
出所:国土交通省ホームページ
(表2)平成27年度燃費基準値及び減税対象基準値
トラクタ(車両総重量3.5t超の貨物自動車)
出所:国土交通省ホームページ
出所:国土交通省ホームページ
区   分 燃費基準値
燃費基準 燃費基準
+5%値 +10%値
2.車両総重量が 7.5t 8.0t 以下 7.24 7.61 7.97
3.車両総重量が 8.0t 10.0t 以下 6.52 6.85 7.18
4.車両総重量が 10.0t 12.0t 以下 6.00 6.30 6.60
5.車両総重量が 12.0t 14.0t 以下 5.69 5.98 6.26
6.車両総重量が14.0t 16.0t 以下 4.97 5.22 5.47
7.車両総重量が 16.0t 20.0t 以下 4.15 4.36 4.57
8.車両総重量が 20.0t 超 4.04 4.25 4.45
区   分 燃費基準値
燃費基準 燃費基準
+5%値 +10%値
1. 車両総重量が 20.0t 以下 3.09 3.25 3.40
2. 車両総重量が 20.0t 2.01 2.12 2.22

TheTRUCK2017年5月号37
燃費向上策として惰力の活用を積極的に行うプログラム〝Eコースト〟もプロシフトProShiftに採用された(本文参照)
(表3)新A09C型エンジンラインアップ
出所:日野自動車新型車カタログの記載事項から筆者作表
型式類別最高出力最大トルク変速機適用車型
A09C
8,866L
VA279kW(380PS)1,765N・m(180kgf・m)
ProShift12
7MT6MT
FS(6×8)FR(6×2)
FW(8×4)
UV265kW(360PS)1,569N・m(160kgf・m)
ProShift12
9MT7MT6MT
FS(6×8)FR(6×2)
FN(6×2)FQ(6×4)
UU235kW(320PS)1,569N・m(160kgf・m)
ProShift12
7MT
FR(6×2)FN(6×2)
FQ(6×4)FH(4×2)
UT221kW(300PS)1,179N・m(120kgf・m)7MTFH(4×2)

TheTRUCK2017年5月号38
新型車紹介
運転支援システムリポート機能も充実
 スピードメーターとタコメーター間のディスプレ
イを3.5インチから7インチへ大幅に拡大し、こ
こに燃費性能のリアルな状態、各種警報、運転履歴
情報などを表示するとともにデータを記憶し、随時
運行管理者の元へ送信する〝つながる機能〟も備え
た(従来の機能を更に改良)。
 基本機能として、リポート機能は〝運転評価〟と〝車
両リポート〟がある。前者は安全性と省燃費性につ
いてのドライバー毎の評価をレーダーチャート方式
で出力して分かり易く表示する。車間距離について
も図示してドライバーの癖を描き出す。
 後者は燃費性能を単に燃料消費量と運行距離の関
(単純燃費率)で示すだけでなく、積荷の多寡(多
いか少ないか)と燃料消費・運行距離の相関を計算
して表示することも出来る。運行計画にこれを反映
させ実車率の向上に刺激を与える使い方に役立つ。
ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につ
ながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに
14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメトが表
示される
ICTサービス(運行中の各種情報を蓄積処理して運転方法の改善につ
ながるように出力できるシステム)の出力情報の例。レーダーチャートに
14項目の運転中の動作項目を上げ安全と燃費の切り口でコメトが表
示される
・・ドライバーに運転のクセを
改善する刺激を与える

TheTRUCK2017年5月号39
排気後処理システム
 全車にDPRと尿素SCRの直列複合システムを
採用した。基本的には従来のシステムと同類だが、
エンジン本体の改良に伴う尿素触媒の消費量を抑制
しこの方面のコスト削減を図った。
車上メーター間のモニターには燃費情報が木目細かく表示され・・

TheTRUCK2017年5月号40
新型車紹介
軽量化で実質積載
重量アップに貢献
 エンジンのダウンサイジングは凡そ300kgの軽
量化効果を実現したという。併せて、キャブのフロ
ント回りのバンパーやグリル、パネル等の樹脂化も
進めた(前述)。
 シャシではリヤエアサス車の車軸支持方式を、従
来の前後軸共トレーリング式から今回は前軸リー
ディング式、後軸トレーリング式とした。必ずしも
日野独自の設計ではないが、サスペンションブラ
ケットの形状と配置を変更した。具体的な軽減重量
は公表されていないが、この部分でもかなりの軽量
化が得られているという。
 軽量化効果と共に架装性に大きく貢献した変更は
フレームである。コ字断面のメインフレーム形状は
変わりないが、材質を500MPaから600MPaの
高高張力鋼に変更したことに加え、クロスメンバー
や各種ブラケットの締結を全て側面(ウエブ面)でボ
ルト締めで行う方式に変更した。従来は、上下のフ
ランジ面を利用してリベット締めであったので、架
装に当たりフレーム上面の凹凸を処理する必要が
あった。これが今後必要無くなる。架装性と重量軽
減の両方に好影響がある。
 こうした設計変更を総合すると、メーカー完成の
ウィングバン(FS6×4車、FW8×4車など)
車両重量が400㎏程度軽量化され、その分、実質
積載重量の増加メリットが享受できることとなっ
た。これは大きな改良である。
 なお、車型毎にエンジン搭載位置及びフレーム付
けの補機類配置の見直しも行い、架装性を一層向上
させた。
シャシ側の設計変更もいろいろ行われた。後2軸車のエアサスは軽量化の狙いから日野車では初めての方式が採用された(本文参照)

TheTRUCK2017年5月号41
重量の張るサスペンションブラケット(鋳鋼製)は中央に1か所となったエアサスは普及が進んでいる
フレーム材質の変更(本文参照)とともに、架装物の締結を全てコ断面
の側(ウエブ)面でおこなう方式に変更された。予め定ピッチの孔が明け
てあり、架装工場でフレームに加工する必要はななった。必要に応じ
てUボルトが併用される
ドライバー重視の設計は随所にもりこまれている
中央の空色の部材が後2軸の動きを規制する重要な部品

TheTRUCK2017年5月号42
新型車紹介
外観イメージを
プロフィアと調和
 外観を一新し、プロフィア車と共通の印象を与え
る太めのグリルを採用した。左右の上方にやや拡が
る切れ上がりがポイントだ。
 スイッチ〝オン〟で常時点灯するデイライトを採用
したのはプロフィアと共通で、日野車の新しいアイ
デンティティーを誇示する。
 キャブバリエーションは、キャブ幅で標準とワイ
ドの2種、ルーフ高さで標準とハイルーフぼ¥の
2種、組み合わせで3種である。長手方向では、
ショート、ベッド付き、ダブルキャブの3種、ルー
フ高さで標準とハイルーフの2種、組み合わせで
合計4種の設定だ。
プロフィア車と外観イージを調和させた
標準幅キャブワイドキャブ標準型キャブハイルーフ

TheTRUCK2017年5月号43
インテリアもプロフィア車を意識
 大型メーターと7インチ運転情報モニターの採用
など、プロフィア車を意識したデザインである。
ProShiftの採用車種の拡大に関連してダッシュパ
ネルにセレクターノブを設け、併せてステアリング
スイッチの採用したことも同じデザインポリシーに
基づいている。
LEDヘッドランプ。デイライト組み込みはプロフィアと共通する
ンテリアでは、プロシフトのギヤセレクターをプロフィアと同じようにセンタークラスター部に移動した

TheTRUCK2017年5月号44
新型車紹介
ーターを大型化し、中央に7インチ液晶モニターを配置した
ステアリングスイッチ右
ステアリングスイッチ左
小柄な女性にも優しいシートを採用した。上下・前後の調整代を拡大し
たのはプロフィアと同じ考え方に基づく
プロシフトProShift用ギヤセレクターをセンタークラスターに移動した

TheTRUCK2017年5月号45
新エンジンを採用
 新たに全面採用したJ05C型エンジンは中型バ
ス・レインボーでも実績を積んでいる機種で、従来
も一部車型には搭載してきた。旧モデルに多用され
てきたJ07E型エンジンは国内向けレンジャーで
は使用を中止し、ダウンサイジングを明確にした。
 新J05C型エンジンは用途により出力仕様を5
通りに設定し、旧モデル7Lエンジンを上回る出力
特性とした。例えば、新J05Cエンジンの最強力
機種の最高出力は191kW(260PS)・最大トルク
は882N・m(90kgf・m)であるが、旧モデルの
最強機種の最高出力は177kW(240PS)・最大ト
ルクは774N・m(79kgf・m)であった。これで
分かるように、新J05C型エンジンは2段過給に
よるチューンアップで20%の排気量ダウンサイジ
ングにも拘わらず旧型車より最大で8%の出力向
上を行い、かつ平成27年燃費規制を達成(一部車
種では+5%達成)を実現している。
 トランスミッションはAMTであるProShift6
とマニュアル7MTと6MTを選択可能としてある。
アリソンATもFJ、FE両車型に設定を残した。
新開発の5LエンジンA05C型外観A05C型エンジン性能曲線
(表4)新A05C型エンジンラインアップ
出所:日野自動車新型車カタログの記載事項から筆者作表
型式類別最高出力最大トルク変速機適用車型
A05C
総排気量
6,403L
TC191kW(260PS)882N・m(90kgf・m)6MTProShift6FE
TD177kW(240PS)833N・m(85kgf・m) 6MT6ATFJ FE
TE177kW(240PS)794N・m(81kgf・m) 6MTProShift6
FC FD GC GD FX GX 
FJ FE アリソン2500
TF155kW(210PS)706N・m(72kg・fm) 6MTProShift6FC FD GC
TG140kW(190PS)706N・m(72kgf・m)6MTFC

TheTRUCK2017年5月号46
新型車紹介
排気後処理システム
 軽量型車(FC、FD、GCの各一部モデル)では尿
素フリーのDPR-Ⅱで排出基準達成を実現してい
るが、高性能車型ではDPR+尿素SCRシステム
を採用している。冷凍車専用シャシでは冷凍機関係
の架装を考慮して、一般カーゴ系とはシステム接続
構成の変更を行っている。
安全性と運転支援システム
 プロフィア車並の装備をほぼ全車に採用して、日
野の安全への高い意識を反映させている。全車種に
採用のアイドリングストップの作動は、パーキング
ブレーキの操作無しで信号の切り替わりと運転操作
に素早く反応させる改良が行われた。
FE型車のクレーン専用シャシの補機配列FC型車の冷凍車専用シャシの補機配列。床下搭載機器の為にス
ペースを確保して架装メーカーの工事負担を解消した
排気後処理システムの配列は、架装車体種別で予め区別されている

TheTRUCK2017年5月号47
100年の歴史に立って
 日野自動車は、同社のルーツである東京瓦斯電
気工業株式会社(1910年設立)が陸軍大阪砲兵工
廠から四頓自動貨車(貨物トラック)の製造を勧奨
され(1917年)、翌年に5台の試作を大森工場で
行った歴史から記念すべき100年となる本年、次
の100年を見据えた展望の元に今回の新型車発表
を行った。周知のように、上記の歴史は一定期間に
おいていすゞ自動車と共有する部分であり、日野自
動車の現在の本社(東京都日野市)の場所に瓦斯電気
工業の自動車部門分工場として日野製造所を設け、
1942年に分社・日野重工業となった時点で独自の
道を歩み始めた。ここを始点とすると日野自動車は
本年、大きな節目の75周年を迎えたことになる。
(本稿おわり)
FC型標準平ボディ車。一部車種では尿素フリーの排気後処理システムが採用されている
FX型バン型車架装例FE型ウィングボディ架装例。レンジャーシリーズ中の最重量級車

TheTRUCK2017年5月号48
第7回 AIや自動運転が満載の
“銀色”の世界は人類を豊かに
できるのか?
(後編)
    
伊藤慎介の“T
󱤋󱥄󱣱
alkI
󱣥󱣽
sC
󱤄󱥄󱤚
heap”
〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 
×
共同企画
 AI、自動運転、IoTなど、日本人は海外発
の概念やキーワードにとかく振り回されやすい。
 他国の文化に寛容な日本人が、次々と海外の
トレンドや文化を取り込んでいくことは素晴らしい
ことであるし、そういうことを積極的にやってこ
なければ多様な食文化や戦後の高度成長などが
実現することはなかったであろう。しかし、自分
たちの社会や生活のあり方についてのビジョンを
明確に持たないまま、要素だけを海外から取り入
れてしまうのはどうかと思わざるを得ない。
 谷崎潤一郎が昭和初期に記した随筆である
『陰翳礼讃(いんえいらいさん)では、近代化に
よって西洋文化が日本人の生活文化にどんどん
入り込み、日本人が古くから大切にしてきた美意
識や伝統が失われていく様を描いている。
谷崎の主張を単純に肯定するわけではないが、
これからの社会や生活のあり方を考える際には、
単純に海外のトレンドを取り入れるだけでなく、
一度立ち止まって自分たちの祖先が築いてきた
文化や伝統を見つめなおしてみることも大切であ
るように思う。
 そういう意味で、前編では京都の町家の概念
を取り入れた本当の意味の「スマートハウス」
自動車専用道路と化してしまった生活道路をもう
一度住民の手に取り戻す「道を街にする」という
当社の提案を取り上げさせていただいた。
 後編となる今回では「道を街にする」という構
想について深掘りしてみたい。
□生活道路を緑道化し、共有財産を増やすと
 いう建築家末光氏の構想
 東京に住んでいると街中のあらゆるところで新
しいマンションやオフィスビルが建設されている
姿を目にする。建蔽率や容積率の緩和によって、
古い住居を圧倒的に上回る高さの建築物が次々
と建ち、昔ながらの一軒家や趣のある古いビル
がだんだん肩身の狭い状況に追い込まれ、そし
てどこかの段階で取り壊されてしまう。
 若手建築家で、建築事務所SUEP.の代表を
務める末光弘和氏は、このように効率化を最優

TheTRUCK2017年5月号49
図1 建築家末光弘和氏が提案する新しい集合住宅の形
(上:従来、下:末光氏の構造)
図2 あえて500人で同居するという提案
先にした現在の都市開発や街づくりに対して疑問
を投げかけている。
 これまでの都市開発では容積率の緩和などに
より従来の建物と比べて圧倒的に高さのある集
合住宅が建築されてしまい、周囲からは日当たり
が悪くなる、自治活動に参加しない住民が増えて
地域コミュニティが劣化するなどと古くからの住民
から敬遠される存在になってしまう。
 そこで、高層ではなく中層の建築物を複数個
所に分けて立てることで地域コミュニティに対し
てオープンな集合住宅を建てようというのが末光
氏の構想である。(図1)
 高層の集合住宅では当たり前のように作られる
豪華なエントランスホールを廃止し、その費用を
活用して歩道の緑化や地域に対してオープンな
シェアファシリティ(カフェテリアなど)を作るこ
とで、地域コミュニティから歓迎される集合住宅
を作ろうと提案している。
 そして、末光氏は集合住宅の共有スペースや
住民同士の交流のあり方についても一石を投じ
ている。過去の住宅政策では、将来はマイホー
ムという夢を持たせて一軒家の購入を推奨してき
たが、一世帯当たりの人数が2人を切った今、
世帯ごとに住居を所有するというのは時代に合っ
ていないという。
 むしろ500人程度の住人を一つの単位とし、
その500人がお互いに支え合えるコミュニティを
形成できるような集合住宅こそが未来の住まいの
あり方であると主張する。(図2)
 その中でも非常にユニークな考えが、あえて
占有空間を減らして共有空間を増やすという発想
の転換だ。

TheTRUCK2017年5月号50
図1 建築家末光弘和氏が提案する新しい集合住宅の形
(上:従来、下:末光氏の構造)
緑道に対して派生するコミュニティ
 例えば、50㎡の占有スペースを30㎡に減ら
せば、500人分で合計1万㎡の共有スペース
が生まれることから、共有スペースを増やし、そ
こに様々な機能を持たせることでシェアによる生
活の豊かさを享受できるのだ。
 そしてこの集合住宅ではシェアを物や施設に留
まらせるのではなく、仕事にまで広げようと提案
している。老若男女が同居し、高齢者も含めて
すべての住民が何らかの「仕事」を持ちコミュニ
ティに対して貢献する仕組みが構築できれば、全
ての人が「誰かの役に立っている」という参画意
識を持てる活き活きとした地域コミュニティが形
成できるのではないかという。
□生活道路を緑化することで街を冷やし、
 新しいコミュニティが生まれる
 末光氏は道路のあり方についても一石を投じる
提案をしている。現在の都市部は生活道路も含
めてアスファルトで覆われてしまっているが、生
活道路のような細い道についてはあえてアスファ
ルトを剥がし、緑化舗装を施すべきだというのだ。
 こうすることでヒートアイランド現象を緩和する
とともに、乗用車の乗り入れを規制し、歩行者、
自転車、パーソナルモビリティのみが通行できる
道路とすることを提案している。
 このように緑道が増えていけば、住宅が緑道
に対して開いていき、そこに新しいコミュニティ
が生まれていくという。
まさに「道を街にする」という構想そのものであ
り、未来の都市のあるべき姿だと共感できる。

TheTRUCK2017年5月号51
図3:サンフランシスコなどで設置されているパークレッ
□道を街にする「パークレット」
 設置され始めているサンフランシスコ
 実は、道を街にする活動は日本よりも海外の
方が先行している。
サンフランシスコ市では、市内の25%の土地を
占めている道路を有効利用するためにパークレッ
トの設置を始めている。パークレットとは、路上
のパーキングスペースに設置される「ミニ公園」
のことであり、図3に示すようにテーブルやいす
が設置され、住民が食事やお茶などを楽しみなが
ら近所づきあいができるスペースとなっている。
 このパークレットであるが、サンフランシスコ
市では税金を一切使わずに設置するという非常
に賢い方法が取られている。
 サンフランシスコ市が作成したパークレットマ
ニュアルによると、パークレットを設置するのは
民間企業であり、行政はパークレットの設置場所
についての審査を行った上で設置することに問題
ないことが確認されると、設置許可を出すととも
に民間企業から使用料(15万円〜20万円程度)
を徴収するという仕組みを取っている。
 では、誰がパークレットを設置するのか。
どうやらカフェやレストランのオーナーが設置する
ケースが多いようである。
 路面に面しているカフェやレストランのオー
ナーからするとお店の前の路上スペースに新たに
テーブルといすを設置することが出来れば、客
席を増やすことが出来る。また、天気の良い日
であれば外で食事をしたいお客にとって店の外に
も席があることは魅力になるに違いない。
 このパークレットであるが、現在ではロサンゼ
ルス、ダラス、シアトル、サンディエゴ、フィラ
デルフィアなどにも導入され始めているとのこと
であり、全米に広がりつつあるのである。

TheTRUCK2017年5月号52
ParallelDiagonalPerpendicular
4’
buffers
3’
buffers
2’ setback
from active
driveways
Usually at least one
parking space away
from street corners
Parklet
Sidewalk
Driveway
Running
slope
Cross
slope
2% max.
cross slope
Sidewalk
Parklet
5% typ. max.
running slope
Figure 2. Corner Locations and DrivewaysFigure 3. Street Slope
Figure 1. Parking Spaces
Version 2.2
SPRING 2015
Brought to
you by:
City of
San Francisco
SAN FRANCISCO
PARKLET MANUAL
VERSION 2.2
 サンフランシスコ市によると、パークレットの
設置によって市内の土地の有効利用だけでな
く、歩行者が歩きやすい街づくり、自転車移動
の促進、近所づきあいの促進、地元企業へのス
ペース提供による地域活性化などを狙っていると
のことである。
□日本の地方都市は
 コンクリートジャングルと化しつつある
 路上にレストランやカフェースペースが増え
始めているアメリカの都市に対して、日本の地
方都市はどうなっているか。
 先日、福井県庁の方とお話する機会があった
が、福井市内では空き家が増加しており、最終
的に解体されることになった空き家は貸し駐車
場に化けてしまうケースが非常に多いという。
 地方都市の市内の物件は郊外と比べて小さい
住宅が多く、中古住宅を探している若い世代か
らすると魅力に欠けるらしい。そのため空き家
になる確率が高く、相続などで次の世代が引き
継ぐことになると相続税を支払う必要があるこ
とから、住宅を解体し収入が得られる貸し駐車
 極度の自動車社会となっているアメリカにおい
てパークレットのような新しい街づくりが行われて
いることは非常に注目に値する。
 ちなみに、サンフランシスコ市のパークレッ
マニュアルは行政の資料とは思えないほど素人が
見ても分かりやすく解説されていることも素晴ら
しい。
場とする傾向が高いというのだ。
 同様の話は佐賀市でも起きていると以前に建
築家の方から伺ったことがある。
 その方のお話では、地方都市の市内がどんど
ん駐車場になっていくと、そこが犯罪の温床に
なっていくリスクもあるとのことであり、空き
地が駐車場にならないようにするための方策と
して緑地にして住民が自然と集まる場を作るよ
うな実験的な取り組みを始めているとのこと
だった。
 これらの話を聞く限り、人口減少が進む地方
都市では住宅地のコンクリートジャングル化が
進んでいるということであり、今後、大都市や
郊外においても同様のことが起きる可能性が高
いことを示唆している。

TheTRUCK2017年5月号53
著者紹介:
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国
家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、
有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝
太氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
 前述の末光氏が提案する緑道に囲まれた街づ
くりとは程遠いのが日本の街づくりの現状であ
り、高度成長期の名残で進めてきた効率重視の
街づくりを改め、未来の生活のあり方、街のあ
り方について根本から見直すべき時期に来てい
るといえよう。
□“銀色”の世界に本当に住みたくなるのか?
IT、AI、ロボット技術などを活用したスマート
ハウスやスマートグリッド。経産省時代にこれ
らを実用化すべく国家プロジェクトの立ち上げ
から取り組んできた私は、木村文雄氏が提案す
るSDLを訪れてみて、自分の考えが間違って
いることに気付いた。
 技術や機械がどんなに進化したとしても、人
間は人間のままであり機械にはなれないという
ことだ。つまり、我々人間がアナログであり有
機物である限り、最新の機械やロボットやAI
などに囲まれた“銀色”の世界で生きていくこ
とは不自然であり、心地よくないと感じてしま
うのではないだろうか。
 都内のタワーマンションに住んでいる方が飲
み会でふと発した言葉に驚いた。タワーマン
ションの20階に住んでいると、なぜか眠くな
りやすいと感じるとのことであり、その理由は
空気が薄いからではないかというのだ。
 また、その方はタワーマンションが立ち並ぶ
新興住宅地に引っ越したのだが、今では下町風
情の漂う古い街に引っ越したくてたまらないそ
うだ。
 宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」では、主人
公のシータが天空の城の崩壊後にこういうセリ
フをいう。
「どんなに恐ろしい武器を持っても沢山のか
わいそうなロボットを操っても土からは離れて
生きられないのよ」
 結局、人間も動物であり自然から逃れること
はできないし、自然ではないものに囲まれてし
まうと人間らしく生きられないようになってし
まうのではないだろうか。
 水があり、緑があり、そして自然の風が吹
く。道にはマルシェ、オープンカフェが立ち並
び人々に憩いの場を提供している。自転車や
rimOnOのようなパーソナルモビリティは人
に遠慮しながらゆっくりと通り抜けていく。
 こういう人間味にあふれた街こそが、我々が
目指すべき街の姿なのではないだろうか。

TheTRUCK2017年5月号54
新シリーズ
時代語る
車体人
󱍀
 今月号の「車体人」シリーズは、物流とは切っても切れない関係にあるパレットを扱う
石井産業㈱を訪問した。
 同社が扱うスチールパレットは軽量で加工性に優れている。運ぶ製品に合わせた最適な
パレットを提供できるのもスチールパレットの大きな特長でもある。日本の輸出産業にスチール
パレットで貢献していく目的もある、と創業者の石井修会長は語る。最近では、同社のアイデ
ンティティでもあるISIX(アイシックス)ブランドで化粧品事業にも進出している。
 経営理念は、「私たちの目的は、ユーザーとメーカー双方を満足させることであり、且つ地球
環境に配慮した活動により社会に奉仕貢献する。私たちは仕事に夢を持ち向上心を忘れずに
夢の実現に努力する」である。現社長は、会長のご子息の石井聡氏が継いでいる。現在の
資本金は8,850万円。日本の他、海外にも生産拠点と
営業所を構えている。
 今回は、創業者の石井会長にスチールパレットの汎用性の
パワー、石井産業を設立した苦労話などもお聞きすることが
できた。それでは、画家を目指したこともあるという石井会長
へのインタビューを開始する。
石井産業株式会社
(大阪市中央区)
物流機器編
インタビュアー◇
於久田幸雄
(本誌編集長)

スチールパレットで輸出産業に貢献していくと語る創業者の石井修会長
TheTRUCK2017年5月号55
■仕入れ商品を扱う包材商社からスタート
 東芝のスチールパレット製造に転換
□於久田 まずは、創業のことからお聞きしたい
んですが、石井会長が創業者になるんですか?
石 井 そうです。創業は1981(昭和56)
年です。資本金200万円で、京都府八幡市
にある男山団地の2DKの部屋からスタートしま
した。
 それ以前はサラリーマンでして、そこで扱って
いたKS-VCI(防錆紙)という錆止め紙の営業を
主にしていたんです。営業先は、東芝姫路工場
や新日鉄広畑製鉄所などで、新規開拓も含め営
業を頑張っていたら東芝や新日鉄から独立したら
どうかというお声掛けをいただいて、37歳で独
立しました。資金もなかったので、2DKの団地
を事務所にして会社を設立したんです。その3
年後の1984年にこの近く(大阪市中央区)に事
務所を借りて本社を移転しました。
□於久田 当初からパレットのメーカーだったん
ですか?
石 井 創業当時は包材商材を扱う商社でし
た。サラリーマン時代に担当していた防錆紙、
防水紙も包材でしたからね。そういう商品の仕入
れ販売をメインにしてました。そこから、徐々に
事業を拡大して行って、東芝の半導体の輸送用

トランジスタなどの物流に使用されるキャリアテープ。石井
産業の原点とも言える包材でもある
真空ロータリー成形による高精度の「微細キャリアテー
プ」。0402・0603といった極小デバイスに対応するキャ
リアテープだ
TheTRUCK2017年5月号56
新シリーズ
時代語る
車体人
󱍀
の包装材料、今は機能部材と呼んでますが「キャ
リアテープ」という物を扱うようになりました。
 キャリアテープというのは、その中に入る製品
が、一番小さいのは0402と言って製品の大き
さが0.4㎜×0.2㎜なんです。トランジスタやダ
イオード用の包装資材です。それを東芝さんが
評価してくれて、営業もよう頑張ったということ
もあって、それがどんどん拡大して行ったんです。
 そうしている内に、電子部品とは別の事業部
でブラウン管を製造している部署があって、そ
こからスチールパレットに挑戦しないかと言われ
て、それでスチールパレットを扱い始めたんで
す。当初は仕入れ販売でしたが、阪神大震災が
あり、その時、納入先のメーカーからパレットが
供給されないのではないかという懸念があって、
東芝さんが心配されて、1社だけに任せていた
のでは問題がある、どっか他所を探すという話が
出たんです。その時に、他を探さないでくださ
い、と私が言って、それで滋賀の工場でスチー
ルパレットの製造を始めたんです。
 もともと滋賀に当社の加工工場があって、そこ
は下請けの仕事をしていたんですが、そこにパ
レット設備を導入してパレット製造に切り替えたん
です。それがスチールパレットを本格的に製造し
始めた最初です。
□於久田 阪神淡路大震災ということは20年
以上前になりますね。
石 井 それが1995年ですから、22年前
になります。その時は東芝さんの特許を使って製
造を始めたんです。その後、その特許が切れて、
当社独自で新しい意匠登録を2002年に取った
んです。今年(2017年)の2月にその意匠権も
切れたので当社独自のスチールパレットは15年
前に始めたということになります。
 東芝の特許はアーク溶接を使った方式でした
が、私どもで特許申請したものはスポット溶接の
方式を採用した製品でした。アーク溶接だと生産
効率が悪くて環境的にも悪い、それとガスが要る
溶接線が要る、その点、電気があれば溶接でき
るスポット溶接ならば、安く早くできるわけです。
同時に、薄肉化も進めて来ました。もともと東芝
タイプは0.7㎜の厚みでやっていましたが、私ど
もは0.6㎜からスタートして現在は0.4㎜厚に挑
戦しています。
□於久田 薄くできれば軽量化も実現できますか
らね。

軽量、低価格でオーダーメイドに対応できる0.45㎜厚のス
チールを使用した「スチール製ライトパレット」。独自の構造
(ブロック形状)とスポット溶接により生産効率の向上と軽
量化(写真の11仕様でのパレット自体の重量は約10㎏)
を実現させている。溶融亜鉛メッキ鋼板の使用で赤錆びの
発生も防止している
ライトパレットをさらに強化し、耐久性を追求した「ライトパレッ
トST」。主に輸出用ワンウェイ用途に開発されたライトパレッ
トに対して、リターナブル用途や自動倉庫での使用に耐え
るように強度をアップしながら軽量化も実現させたスチールパ
レット。両端支持積載(長尺ロール・フィルムの宙吊り等)
に最適
ライトパレットをさらに薄肉化し、超軽量と超低価格を
実現させた「ライトパレットU」。輸出用の航空貨物な
ど、パレット自身の軽量化も物流コスト削減につながる
場合などに最適なパレットだ。0.4㎜厚スチール使用で
約15%の軽量化(写真の11仕様でのパレット自体の
重量は約6.2㎏)を実現させている
TheTRUCK2017年5月号57

製品直置き禁止の作業
場用に開発されたスチー
ル製「ライトスノコ」。木
屑の発生がなく、錆びに
い特長を持っている
溶接などにより使用目的など様々なニーズに対応する各種
部品(L字アングル、コーナーストッパー、転がり防止ストッ
パーなど)が取り付けられるのもスチールパレットの優れた特
長である
TheTRUCK2017年5月号58
新シリーズ
時代語る
車体人
󱍀
石 井 そうなんです。軽量化とコスト削減が
可能になる。この15年間にコスト削減と軽量化
を進めてきました。結果、スチールパレットでは
国内最大シェアを占めるまでになりました。とは
言っても小さな世界ですけどね。(笑)
 われわれがパレットを始めた時に日本パレッ
協会のデータで、木製、プラスチック、スチー
ルなどすべてを合わせて5千万台ぐらいの需要が
ありました。その5千万台の内のシェア5%をわ
れわれのスチールパレットが取ろう、という目標
を掲げてスタートしたんです。でも、未だに1%
に到達してませんけどね。それでも、今も5%の
シェアを獲得するつもりで頑張ってます。
■木製にはないスチール製の利点を活かし
 世界の輸出入産業に貢献
□於久田 スチールパレットは汎用性が広い、と
以前石井会長からお聞きしたことがあります。
石 井 スチールパレットは木製と同じようにミ
リ単位での対応が可能です。各種のパレットはそ
れぞれ長短があります。例えば、木製は安くて
強いけれど水分を含むし虫も付くなどの欠点があ
る、プラスチックは清潔だけど高価な金型が必要
なのでニーズに応じた幅広いバリエーションに対
応させるのが難しい、ということです。
 われわれのスチールパレットは、木製と同じよ
うに基本の金型は必要ないんです。勿論、波型
を付けたりしてますからそういう金型は必要には
なりますが、ただこれはわれわれの規格でやって
いますのでお客さんに金型代を請求することはあ
りません。
 スチールパレットは、お客さんの要望のサイズ
に合わせて製造できますし、軽量です。それと、
鉄のいいところは、軽くて強いパレットが作れる
ということです。特にエア便では水分を含んで重
くなる木製パレットを使うのが難しいんです。
□於久田 日本パレット協会の統計を見ると、
2015年は木製、金属製、プラスチック製、紙
製、リサイクルのパレットを合わせて合計で約6
千万枚が製造されています。その5%を目指す
というのは相当な量になりますね。
石 井 5%を目指すというのは、日本の輸
出産業に貢献したいという目的があるからなんで
す。資源のない国ですから製品を作ってそれを輸
出して外貨を稼ぐ必要がある。その時に、木製
だと水分管理や燻蒸処理などの手間をかけなけ
ればならない。手間をかけても輸出先の受け入

パレット上面を鉄板貼りすることでフラットな上面が必要な
ユーザー向けとした「上面鉄板貼りフラットパレット」
ロール状の横置き積載時に転がらないように左右にストッ
パーを取付けた「ロール状製品積載用パレット」
TheTRUCK2017年5月号59
れ先で、証明書があったとしても虫が付いている
などの理由で返されることが実際にあるんです。
 規格のパレットならプラパレでの対応もできま
すが、規格外になると木製では問題がある。規
格外のサイズで、問題なく採用可能なものはわ
れわれのスチールパレットなんです。段ボール
もできますけど水分に弱いし強度の問題がある
という欠点がありますからね。木製と同等の強
度があって水分管理、燻蒸処理や熱処理なども
しなくていい、それがスチールパレットなんで
す。だから、われわれは輸出産業に貢献できる
んです。
□於久田 タイのWSP社(WorldSteelPallet
Co.,Ltd.)でも、石井産業のパレットの一部を製
造していますよね。そのスチールパレットが伸び
ていると聞いてます。つまり、タイの製品を海外
輸出する時にも同様の考えでスチールパレットが
必要になっているということでしょうね。
石 井 タイのWSP社はわれわれの特許
を真似して内緒で作ってたんです。われわれが
WSPを訪問した時に、彼らは怒られるんじゃな
いかと思ったらしいんです。でも、喧嘩をしに来
たんじゃないよ、ということで生産協力をお願い
しています。
 ちょっと話が逸れましたが、そういうことです。
当初は、日本の輸出産業に貢献しようという思い
でスタートしたけれど、今は、世界の輸出産業に
貢献したいと思ってます。なので将来的にはタイ
にも石井産業として本格的に工場進出しようと考
えてます。
 現在はWSP社に製造をお願いしていますが、
日系の企業は、安くしろ、もっと軽くしろと無理
難題を言ってきます。タイの企業はそういうこと
に慣れてないし鍛えられていないので、これ以上
安くしたら、これ以上薄くしたら、一体どうなる
んでしょうか、ということになる。日系企業の要
求は厳しいですから、そのニーズに対応するため
にはWSP社だけに任せておくわけにはいかない
んです。それで、われわれがタイに出て行かな
ければならないと思ってます。
□於久田 最初は日本の輸出産業に貢献しよう
と考えていたのが、これからは日本だけでなく世
界の輸出産業に貢献するという目的に発想を拡大
して事業展開している。凄いことですね。
石 井 日本パレット協会の調べでは規格外
パレットの方が規格パレットより比率が大きいん
です。世の中にはいろいろな製品がありますから
ね。メーカーは、規格パレットのサイズに合わせ
て製品を作ってるわけではない。とは言ってもパ
レットのサイズと製品サイズが合わないと品質事
故が起きやすいんです。やはり製品に合わせた
パレットを作った方がいいに決まってます。木製
は安いし製品サイズに合わせて作れますが、輸
出ではいろいろと問題になることも多い。われわ
れのスチールならその問題も非常に少ないんで

フィルム印刷用ロール版積載専用としてニーズに応じたサイ
ズで作成した「組立式ポストパレット」
TheTRUCK2017年5月号60
新シリーズ
時代語る
車体人
󱍀
す。だから、今後は輸出入の世界を中心にスチー
ルの時代が来ると私は思ってます。
■製品の大きさや形状や重量など
 いろいろな条件に合わせて設計可能
□於久田 石井産業はスチールパレットの製造販
売がメインなんでしょうか?
石 井 石井産業全体としての売り上げの約
半分がスチールパレットになります。その他は、
トランジスタ用のキャリアテープとかその関連の
仕入れ商品、それとちょっとかけ離れてますけど
化粧用のフェイスマスクも扱ってます。最近はく
まモンマスクや歌舞伎マスクなどいろいろなもの
もやっていて、ドラッグストアや化粧品店で売っ
てます。
□於久田 海外展開もされていますが、現在の
社員数は何名ぐらいなんでしょうか?
石 井 社員が80名でパートが40名ぐらい
です。それが日本国内でその他、海外としてタ
イが12名、シンガポールが4名、中国の上海
に1名おります。
□於久田 タイで開催の「タイ国際トラックショー
(TTS)」には、タイ・アイシックス(THAIISIX
CO.,LTD.)が今回の6月開催展(TTS2017)
にも連続ご出展いただくことになりました。主催
者として感謝しております。
石 井 タイ・アイシックスは、キャリアテー
プを製造しています。シンガポールは商社機能
で、上海はパレットの輸入元の管理などを行う事
務所になります。
□於久田 国内の工場としては3ヵ所になるんで
しょうか?
石 井 そうです、自前の工場が滋賀、神奈
川、姫路にあって、協力会社が金沢にひとつあ
ります。
 現状は月産2万台で、これまでの生産累計台
数は250万台ほどにになります。生産台数で
すが、天板何枚とか、裏板何枚とか、裏板なし
で天板だけとかいろいろなパターンがありますか
ら、何枚作ってますかと聞かれると説明しにくい
ですね。11パレットの片面パレットに換算したら
月産で3万台とか4万台とかそのくらいになると思
います。
 東芝さんがブラウン管を輸出するのにスチー
ルパレットを使ってたと話しましたが、もともと
は木製だったんです。でも、木製だとパレッ
の問題で品質ダメージがあって返品されたりして
て、それでスチールに切り替えたんです。乾燥
材も使ってたんですが、それでは間に合わない
場合も出てきたので、それでスチールにしたわ
けです。
 当社のスチールパレットは、お客さんの製品に
合わせて作って行きます。パレットを使う製品の
大きさや形状、重量、そして使い方、などいろ
いろな条件に合わせて設計をするんです。殆ど
がオーダメ―ドになります。
 当社は規格パレットが作れないんじゃなくて作ら
ないんです。規格パレットで間に合うなら安いプ
ラパレットを使われたらどうですか?、と言ってま
す。作りませんということではなくて、規格の再
生プラパレットを買われた方がいいですよ、とお
客さんのことを考えてお答えしてるんです。
 スチールは高いけど木製よりは高いという程度
でプラと比べればほぼ同等ですし、木製の価格
に近づける努力もしています。倉庫に置かれるリ

スチールパレットの溶接組立工程(滋賀工場)
パルプ100%、コットン100%、レーヨンなど用途に応じた
素材を用意した「化粧マスク」(写真は“くまモン”バージョン)
TheTRUCK2017年5月号61
ターナブルのプラパレットと比べるとスチールの
方が安くなります。ワンウェイと比べてほぼ同じ
ということです。
□於久田 スチールパレットは加工性に優れてい
て、ニーズに応じていろいろなタイプが製造でき
る。さらに、輸出入用としても最適となればこれ
から大きく伸びると思いますね。
石 井 溶接でいろいろな部品も付けられると
いうのもスチールの大きな特長です。強くて軽く
て。それぞれ長短はありますけど、総合点では
スチールが最も優れていると思っています。
■サラリーマン時代に2回倒産を経験
 絵を描く時の感性を経営に応用
□於久田 会長は何年のお生まれなんですか?
石 井 1944年生まれなので、もうすぐ73
歳です。兵庫県姫路の出身です。
 工業高校機械科を卒業してから早川電機工業
(現シャープ)に入社したんですが、機械科卒
ということもあってプレス課に配属になったんで
す。でも、油にまみれての仕事が嫌で、1年
10ヶ月で退職したんです。スーツ姿で仕事した
いと思って小さな商社に入社したんですが、そこ
が倒産してしまって、まだ別の小さな商社に入っ
たんです。その時、大阪に出てきて学歴という
ものを初めて感じました。高卒だと、どうしても
小さな会社しか雇ってくれない、それでそこもま
た倒産したんです。そこは倒産したというか、大
手の紙商社に商圏と一緒に買われたんです。そ
の時に、KS-VCI(防錆紙)などの包装商材を扱っ
ていて、そこで10年間頑張って、その後に独
立したんです。
□於久田 サラリーマン時代に倒産を2回経験
してる人はなかなかいませんよね。
石 井 そういう経験があるので、自分が経
営者になったら絶対に倒産はさせなない、という
思いが強くあります。社員がなんぼ頑張ってもな
んぼ優秀でも、社長がアホとか極端なお人好し
だと会社は潰れます。私は実際にそういう経験を
してきましたからね。
□於久田 現社長はご子息になられるんですか?
石 井 そうです社長は息子(石井聡氏)が継い
でます。私が70歳の時にチェンジしました。約
3年前です。
□於久田 会長の趣味とかの話もお聞きしたい
んですが。
石 井 小さい時から絵が上手くて、学校の
先生にも君はそういう(画家)道に進みなさいと言
われてました。ところが、家が貧しくて美術系の
学校には行けず工業高校機械科に入ったんです。
 でも、社会人になって早川電機の工場の現場
に回され、それが嫌だったのでいろいろなものを
スケッチしてそれを見せて意匠部か何かに転属さ

汎用性に優れる石井産業のスチールパレットは様々な現場で使用されている
TheTRUCK2017年5月号62
新シリーズ
時代語る
車体人
󱍀
せてほしいと部長にお願いしたんですが、認めら
れなかったんです。それで退職を決めたんです。
一時期はサラリーマンに失望して、絵を一所懸
命描いてた時期があるんです。油絵で、大きな
ものは80号の絵も描きました。37歳で独立を
決めたけど、自分の人生がどちらになるかわから
ないので絵と営業の両方をとにかく懸命にやって
ました。
□於久田 企業経営者で絵を趣味にしている人
を何人か知ってますが、感性が鋭い気がします。
石 井 絵を描くには凄くエネルギーが必要な
んです。集中する必要があります。今はもう絵は
描いてませんが、絵描きの考え方を経営にも活か
してます。ちょっと離れて見てみると、それまで
気付かなかったことに気付いたりするんです。客
観的に見るということを絵で勉強しました。
 それと感性を磨くという面でも役に立ってま
す。景色を見ても他の人とは違う感じ方をする
んです。それと、パッと見てもよく覚えている。
だから、社員にもボーっと見てたらあかんで、と
言ってます。倉庫をちょっと見ただけで、おっ、
他社のパレットが入ってるぞ、というのをパッと
見ただけで見抜く力は重要です。昔、絵の先生
によく言われてましたけど、それが観察力なんで
す。今になって、そういうことが仕事に役立って
ます。
□於久田 スチールパレットの優秀性、それと絵
を描く感性は経営につながる、など貴重なお話を
お聞きできました。本日はお忙しい中、ありがと
うございました。

永年培った車体技術で
不可能を可能にします
移動販売店舗車
 3トン車タイプ(拡幅式)
移動理美容車
 「イノベーション」3トン車タイプ(拡幅式13.2㎡)
■物流車
 電動式リフトウィング車
物流車水平脱着ボデー
物流車
   空ドラム缶運搬車
物流を創造する
オオシマからの提案
永年培った車体技術で
不可能を可能にします
オオシマ自工株式会社
〒742ー0023 山口県柳井市南浜4丁目3ー7 
TEL0820ー23ー3800 FAX0820ー23ー3801
http://truck.oshimajiko.co.jp/
エアーを抜いた状態
ゴムベルトの収縮によ
り、薄くなった状態
エアーにより膨らんだ
 状態
約5トンの圧力で固定
(エアーホース∅310㎜)

TheTRUCK2017年5月号70
世界初、スカニア車にミシュランの
ワイドシングルタイヤ
浜名梱包輸送導入を機会に
報告セミナーを開催
 いま、トラックのワイドシングルタイヤに注目が
集まっている。大型トラックの後輪は通常ダブル
なので、2軸で8本のタイヤが装着されている。
ところが、ワイドシングルタイヤだとこれを4本
にすることが出来るので、軽量化や少燃費さらに
はドライバー不足解消にも貢献というのである。
常に先進トラックを導入する事で知られる浜名梱
包輸送㈱はこのほど、スカニアの大型トラックに
「MICHELINXOne(ミシュランエックスワン)
(以下“XOne”)を装着したことから、日本ミシュ
ランタイヤ㈱は、関係者を招いて報告セミナーを開
催した。スカニアの大型トラックに“XOne”を装
着して登録したのは世界初だという。
なぜ今、ワイドシングルタイヤが
 求められるのか
 報告セミナーが開催されたのは、浜名梱包輸送(鈴
木猛社長、静岡県浜松市浜北区)本社近くのピラッ
クス高薗というホテル。
 報告セミナーは、先ず日本ミシュランタイヤの高
橋敬明執行役員(トラックバスタイヤ事業部)が、
感謝の意を表わして挨拶。続いて同社のマーケティ
ング部の尾根山純一マネージャーがミシュランタイ
ヤと“XOne”について、およそ以下の通り紹介した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 ミシュランは様々なガイドブックでも知られ
ているが、タイヤは世界170カ国で年間約1億
セミナー会場に展示されたミシュラン“XOne”

TheTRUCK2017年5月号71
8000万本を販売している。日本での販売開始は東
京モノレールが最初で、その後あらゆるカテゴリー
のタイヤを販売している。我が国の大型トラック後
軸は多くがダブルタイヤとなっているが、実はこの
ダブルタイヤを世界で最初に提案したのはミシュラ
ンタイヤで1908年(明治41年)に遡る。他にも
ラジアルタイヤの開発が早く、ラジアルといえはミ
シュランと言われる程の定評がある。
 “XOne”を使用するユーザーメリットは、軽量
化、作業性(内側にタイヤがない為)、低燃費性能、
それにインフィニコイルを採用しているのでパンク
しにくい事があげられる。更に、“XOne”を装着
したトラックを運転するドライバーさんは口を揃え
て「運転感覚が変わる」とおっしゃる。この点はダブ
ルタイヤと大きく異る点。
 “XOne”で特に注目されるのが軽量化。具体的
には1軸当たり100Kg、2軸で200Kgになる。
トラックの軽量化はエンジンが搭載されているフロ
ントよりも、何もないリアの方が難しいと言われる
が、ダブルタイヤをシングルに替えるだけで、200
㎏の軽量化は大きい。
 ミシュランはこれまでにもシングルタイヤを提供
してきたが、トレーラー用など限定的だった。“X
One”は駆動軸を含めて装着位置を選ばない、何処
にでも装着できるのも特長のひとつ。また、耐荷重
は1軸10トンなので、日本の道路にマッチして
いる。
 “XOne”は以下のようなユーザーに向いている。
①.危険物輸送=タンクを載せ替える時に、シャ
シが代わるので従来車と同じ積載が取れなくな
る事がある。“XOne”は約200㎏の軽量化に
なるので、それだけ重量にゆとりがある。
②.長距離ユーザー=長距離の運送は往復で荷物
が異なる事が多い。“XOne”で200㎏のゆと
りが出来るので、過積載になる心配がない。
③.低温輸送車=冷凍機も搭載しているし、車体
も断熱しているので重い。“XOne”の軽量化
効果が発揮される。
④.工場間輸送のトラック=荷主の物流ニーズに
応える為には、積載重量にゆとりが必要。
⑤.ダンプのユーザー=産業廃棄物なども含め、
積載量が運賃に直結している。
 そのほかに“XOne”はドライバー不足の解消に
も効果がある。トラック運送業界は深刻な人手不
足に陥っている。“XOne”は、車両重量にゆとり
を与えるので、荷役省力の装置も搭載しやすくなる
し、ハンドリングも良くなるのでドライバーさんの
ストレス軽減にもなる。
 これからの運送経営は、人に優しいハイレベル
の車両を導入することが重要なポイントになる。
その意味でもこれからが“XOne”の出番だと考え
ている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 尾根山マネージャーの“XOne”の説明は、非常
に分かりやすく、説得力があった。
スカニア車に“XOne”装着は世界初
 次にプレゼンテーションを行ったのは、“XOne”
装着車を導入した浜名梱包輸送の伊熊章浩取締役。
簡単な会社紹介のあと、“XOne”を装着したスカ
ニア車を導入した狙いをおよそ次のように述べた。
「当社がスカニア車を導入するのは3台目。ミシュ
ランタイヤには随分早くからお世話になっている。
先程、“XOne”で200Kgの軽量化が可能と言わ
れたが、今回のスカニア車では300Kgの軽量化が
実現している。当社が他社にないトラックを導入す
る目的は、社員のモチベーションを上げるため。ト
ワイドシングルタイヤ“XOne”の装着効果を小気味よく説明する尾根山
純一マネージャー

TheTRUCK2017年5月号72
ラックドライバーには良いクルマに乗りたいという
心理がある。“XOne”を履いたスカニア車には誰
もが乗りたいと思う筈。ミシュランタイヤには、積
載量の確保が難しい中型トラック用タイヤも開発し
て頂きたい。」
 続いて、プレゼンを行ったのf、スンニア車を販
売している港自工㈱の石川昌和社長。石川社長は、
世界のトラックレースを取材して本誌に投稿頂いた
経緯がある。“XOne”を装着したスカニア車につ
いて、次のように述べた。
 「スカニア車に“XOne”を装着したのは、今回報
告するトラックが世界でも初めて。トラックメー
カーが完成車としてライン生産するトラックに、ワ
イドシングルタイヤを装着するのはそれほど難しく
ないが、一般車両の場合は登録がなかなか難しい。
今回は、関係者のご協力で実現した。これからもト
ラック運送会社のお役に立つスカニア車の販売に努
めるので変わらないご支援をお願いしたい。」
 引き続いて、“XOne”の販売を担当した有限会
社タイヤショップシバタの柴田昌直社長から“X
One”の販売経緯の説明があり、その後“XOne”
装着のスカニア車を見学した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 スカニアのトラックはフロントのデザインに特長
があり、世界的な有名ブランドである。筆者も大型
トラックの後軸に“XOne”を装着した車両を見る
のは初めてである。
 “XOne”を装着するメリットは前述の通りであ
るが、「省燃費」「軽量化」に直結するワイドシング
ルタイヤがなぜ本格的に普及しないのか。関係者の
話を総合すると「トラックユーザーの荷重性能や耐
久性への不安」がその理由としてあげられる。
 日本ミシュランタイヤがきめ細かく“XOne”の
装着報告セミナーを展開しているのも、このトラッ
クユーザーの不安払拭が狙いと思われるが、この地
道な努力には敬意を表したい。
(秋林路)
浜名梱包輸送の伊熊章浩取締役
一般車では初めての登録
スンニア車を販売している港自工㈱の石川昌和社長

TheTRUCK2017年5月号73
スカニア車は独特なフロントデザインが特徴“XOne”を販売した有限会社タイヤショップシバタによるワイドシングルタ
イヤ着脱の実演
世界で初めて“XOne”を装着したスカニア車
スカニア車の後ニ軸に“XOne”を装着

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号88
 日野自動車㈱は、小型トラック「日野デュトロ」を改良
して、2017年5月8日に発売する。
 今回の改良では、衝突被害軽減ブレーキ「PCS(プ
リクラッシュセーフティ)および「車線逸脱警報」を全
車(LPG車、消防車用車型を除く)に標準装備とした。
既に標準装備としている車両安定制御システム「VSC
(VehicleStabilityControl/LPG車には設定なし)」や
「電動パーキングブレーキ(ダブルキャブ・ルートバン・
LPG車には設定なし)とあわせて、安全装備を一層充
実させている。また、車両総重量が7.5トンを超える
車型についてはエンジンおよび排出ガス後処理装置の改
良により平成28年排出ガス規制に適合させた。あわせ
て、3月から新設された「準中型自動車免許(車両総重量
7.5トン未満の運転が可能)に対応させ、車両総重量の
上限を7.5トン未満とした車型を新たに設定した。
 今回、全車に標準装備としたPCSは、フロントバン
パー中央に装着したミリ波レーダーに加え、フロントウ
インドウの上部中央に画像センサーを装備しており、歩
行者を検知することが可能で、先行車や、歩行者を含む
停止障害物に対して衝突回避または衝突被害軽減を支援
する。また、画像センサーは車線逸脱警報の車線認識セ
ンサーとしても機能する。
 今回発売する「日野デュトロ」のハイブリッド車は平成
27年燃費基準+15%、ディーゼル車のうち6速A/
T車は同+5%を達成(7.5トン超車型、85kWエンジン
搭載車型は除く)させている。このほかの車型も含め、
「日野デュトロ」のハイブリッド車およびディーゼル車は
すべてASV減税またはエコカー減税の対象となる。
 なお、年間販売目標台数は、日野デュトロシリーズ全
体で26,300台としている。また、代表車型の東京地区
希望小売価格(税込)は次の通りとなる。
①日野デュトロハイブリッド(TSG-XKU710M-
TQUMC)ワイドキャブ・全低床ロングボデー・110kW
(150PS)・ProShiftⅤ(5速AMT)・2.0トン積…
5,616,540円
②日野デュトロ(TPG-XZC605M-TQTMB)標準幅キャ
ブ・全低床標準長ボデー・100kW(136PS)・6速AT・2.0
トン積…4,452,300円
小型トラック改良…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
小型トラック「日野デュトロ」を改良して発売
PCSを全車に標準装備、排出ガス適合車もラインアップ
PCSを全車に標準装備した「日野デュトロハイブリド」

TheTRUCK2017年5月号89
 TOYOTAは、ダイナならびにトヨエース2t積系を一部改
良し、ダイナは全国のトヨタ店(大阪地区は大阪トヨペット)
トヨエースは全国のトヨペット店(大阪地区は大阪トヨタ)を通
じて、2017年5月8日に発売(平成28年排出ガス規制
適合車の6速MT車は6月発売予定)する。
 今回の改良では、衝突回避や衝突時の被害軽減を支援す
るプリクラッシュセーフティ(歩行者検知機能付)および車線
逸脱による衝突事故の回避を支援するレーンディパーチャー
アラートを標準装備(LPG車を除く)。
 また、環境性能については、ディーゼル車の一部(車両総
重量7.5t超車両)「平成28年排出ガス規制(国土交通
省の低排出ガス車認定制度)に対応。そのほか、AT車に
おいては、従来型に対し7〜5%燃費(重量車モード燃費、
国土交通省審査値)を向上させた。
 さらに、TECS(メーカー完成特装車)においては、ベース
車と同様の改良を施すとともに、アルミバンのラインアップを
充実させている。
 なお、ダイナ、トヨエースの主要車型、およびTECS主
要車型のメーカー希望小売価格(税込/北海道、沖縄のみ
価格が異なる)は次の通りとなっている。
カーゴ・標準シングルキャブ・高床ロング3t積・5速
マニュアル…4,399,920円
2t積系改良…TOYOTA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ダイナならびにトヨエース2t積系を一部改良
衝突被害軽減のプリクラッシュセーフティ設定を拡大
トヨエースカーゴ標準キャ・標準デッキ・ジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD
“Gパッケージ装着車”
プリクラシュセーフティ作動イージ
ダイナカーゴ標準キャブ・ロングデッキ・高床・3t積・ディーゼル車・2WD

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号90
②カーゴ・標準シングルキャブ・ジャストロー2t積・
ECT…4,137,120円
③カーゴ・ワイドキャブ・超高床ロング3.5t積・6速マニュ
アル…5,274,720円
⑤TECSアルミバン・ハイルーフ標準シングルキャブ・フ
ルジャストロー2t積・6速マニュアル…4,645,080円
 ㈱タダノはこのたび、ラフテレーンクレーン「CREVO160
G4(最大吊上げ荷重16t)」を2017年3月16日に発売
した。ラフテレーンクレーン(RoughTerrainCrane)は、ひ
とつの運転席で走行とクレーンの操作が行える自走式クレー
ンで、狭隘地での機動性に優れ、コンパクトさと小回り性
を活かし、市街地などの工事において活躍するクレーンであ
る。また、CREVO(クレヴォ)は、
CRANE(クレーン)+EVOLUTION
(進化)の造語で、今回発売され
たCREVO160G4(クレヴォジー
フォー)は、2016年10月発売
のCREVO700G4/CREVO250
G4に続くG4シリーズの第3弾と
なる。
 CREVO160G4は、タダノの
コアバリュー「安全・品質・効率」
を具現化すべく、研究開発を進め
てきた各種新機能をラフテレーン
クレーンに搭載し、時代を切り開く
「Generation4(G4)」として結実
話題のニュートラック新製品情報・新情報
安全・品質・効率を具現化した
ラフテレーンクレーン「CREVO160G4」を発売
新発売されたラフテレーンクレーン「CREVO160G4(最大吊上げ荷重16t)
ダイナアルミバンワイドキャブ・ロングボティ・フルジャストロー・2t積

TheTRUCK2017年5月号91
させている。また、ディーゼル特殊自動車2014年排出ガ
ス規制適合エンジンが搭載されている。
 CREVOG4シリーズは、安全走行をアシストする新機能
の安全性や、新型キャビンの作業効率・操作性などが認めら
れ「2016年グッドデザイン賞」を受賞している。
 なお、標準仕様の価格は3,800万円(税別)で、販売見
込台数は年間150台となっている。
■CREVO160G4の主な特長
⑴2段パワーチルト・ジブを搭載
 従来の1段スタンダード・ジブから、2段パワーチルト・ジ
ブを初採用。ジブ長さが従来の3.8mから6.9mとなり、最
大地上揚程はクラス最高の35mを誇る。さらにジブチルト角
度も、従来の最大45°から60°となり、作業領域が大幅に
拡大した。
 また2段パワーチルト・ジブを採用し軽量化を図ったことに
より、ジブ本体の重量増加に伴うブーム性能のダウンを回避
し、従来のブーム性能を保持。
⑵ラフテレーンクレーン初のセットアップラジコン(オプ
ション設定)
 周囲の状況を確認しながら、安全で効率的に作業準備や
格納作業が行える「セットアッラジコンを新採用。手元のラ
ジコン操作で、アウリガのスライドやジャッキの設置・格納、
ジブの装着・格納、フックインなどのブーム格納操作(クレー
ン作業はできない)が行える。
⑶キャビンを新開発
 キャビンのデザインと装備類を一新し、作業効率・操作性・
視認性などが大幅に向上。
 新採用の大型マルチファンクションディスプレイは、10.4イ
新型キャビンの作業効率・操作性などが認められ「2016年グッドデザイン賞」を受賞

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号92
ンチカラー・タッチパネルに、クレーンの作業情報や各種操
作設定の機能を集約し、作業効率を高めた。さらに感圧式タッ
チパネルの採用により、手袋をした状態でも操作が可能。
 また、操作レバーに電気式操作システムを採用。これまでに
ないフィット感のある操作性を実現した。旋回・ブーム起伏・ジ
ブチルトの操作速度をそれぞれ5段階に設定可能で、オペレー
タのフィーリングに合わせた操作が可能。インパネの形状や高
さ、ガラス面の角度を改善し、運転席からの視認性を向上。
⑷タダノビューシステムが安全走行をアシスト
 クレーン業界では国内初の俯瞰映像表示装置「ワイドサイ
ビュー」を搭載。クレーンを上から見たような映像を大型カラー
ディスプレイに表示し、周囲の状況把握や安全確認をサポート。
 また、クレーン業界では世界初となる人物検知警報装置
「ヒューマンアラートシステム」は、運転席からは確認しづらい
車両左前方の歩行者や自転車などに乗った人物を検知し、
ブザーで知らせる。
⑸環境への配慮
 環境に配慮した「燃料消費モニタ」や、「エコ・モード」機能
を搭載。CO
排出の削減や、燃料消費量の改善、低騒音
作業など、作業効率と環境に配慮した操作をサポート。
装備類を一新し、作業効率・操作性・視認性などを向上させたキャビン

TheTRUCK2017年5月号93
 日本トレクス㈱(本社:愛知県豊川市/西川柳一郎社
長)は、温度管理車事業強化の一環として、最新鋭の断
熱パネル生産設備を本社事業所内に導入し、品質向上と
生産能力を増強した。
 温度管理車は食品輸送・医薬品輸送など様々な分野で
使用され、今後も安定した需要が見込まれている。また、
輸送品質の要求も高まる状況にあり、同社はこの市場要
 また、ディーゼル特殊自動車2014年排出ガス規制にも
適合したエンジンを搭載し、さらに超低騒音型建設機械指定
求に対応するため約9億円を投資し、欧州製最新鋭断
熱パネル生産設備を導入した。
 パネル面材に発泡原液を流し込みプレスするウレタン
オープンフォーミング工法を国内で初めて車両用パネル
として採用。従来のスチレンブロックを使用した接着工
法ではサイズに限りがあったが、今回の設備導入によ
り、将来的にトレーラに対応できるサイズまでの生産が
も取得している。
⑹テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」を
装備
 携帯・衛星通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、
GPSによる位置情報確認、さらに保守管理のための情報を
ウェブサイトでサポート。使用の製品の情報をユーザーと共有
し、一歩進んだサポート・サービスを提供。
冷凍車事業強化…日本トレクス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
日本初の欧州製断熱パネル生産設備を導入し
生産能力倍増など冷凍車事業を強化
大型カラーディスプレイ採用で周囲の状況把握や安全確認を可能にしている
ラフテレーンクレーン初のセットアッラジコン
「CREVO160G4」主要諸元表

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号94
可能となった。
 断熱性に優れたウレタン素材の採用
により保冷性能は約20%アップ(同社
従来比)、さらに車両全体の構造を改
良し、大型クラスで約170㎏の軽量
化(同社従来比)を実現させている。
 今後、同社ではトラック系温度管理
車の生産能力倍増を目指しラインの設
置を進めており、2017年5月を目途
にバントラックの受注を開始する予定
となっている。
 現在、温度管理車の納期が延びてい
る状況にあり、今後は生産の前倒し等を
進め、納期の圧縮を図って行く計画だ。
また、欧州のトレーラ市場においても同
技術の採用が進んでおり、今後同社も検
証を進め、トレーラ系温度管理車へも順
次拡大する方針となっている。
フラトパネル・バン
フラトパネル・ウイングボデー
冷凍フラトパネル・ウイングボデー
東京モーターショーに出品されたフラトパネルの冷凍レーラ

TheTRUCK2017年5月号95
 横浜ゴム㈱の三重工場(三重県伊勢市)は、
2017年3月13日、三重交通㈱の大型電気バス
のデザインリニューアルに合わせ、リニューアル車両
向けにトラック・バス用タイヤを寄贈した。横浜ゴム
と三重交通は、共に伊勢市が主導する低炭素社会
づくりに取り組む「電気自動車等を活用した伊勢市
低炭素社会創造協議会」に参画し、協力関係を築
いている。横浜ゴムによるタイヤ寄贈は2014年、
2016年に続き3回目。リニューアル車両は3月15
日から運行されている。
 伊勢市は「伊勢市環境基本計画」「伊勢市地球温暖化
防止実行計画」に基づく地球温暖化対策として、「電気自動
車等を活用した伊勢市低炭素社会創造協議会」を設立し、
化石燃料に依存した暮らしから低炭素社会での暮らしに移行
していくため、電気自動車などの普及啓発に取り組んでいる。
 三重交通は2014年3月から伊勢市内乗合バス路線で
大型電気バスの運行を開始している。電気バスの導入は東
海地方のバス会社では初、また国産大型電気バスの通年営
業は全国初の取り組み。電気バスを幅広い世代に周知、浸
透させるため当初から「ポケットモンスター(ポケモン)のブラ
ドマネジメトを行っている㈱ポケモンからデザイン協力を得
ており、今回のリニューアルでは様々な「電気タイプ」のポケモ
ンが外装、内装に配置された。
 三重工場はトラック・バス用、ライトラック用、SUV用タ
イヤの専用工場。今回寄贈したのは低燃費指向オールシー
ズンタイヤ「ZEN702ZE-i」で、従来品(ZEN701ZE)に比
べころがり抵抗を18%低減させ、燃費向上を図っている。
低燃費タイヤ…横浜ゴム三重工場
話題のニュートラック新製品情報・新情報
地球温暖化対策として
三重交通の大型電気バスに低燃費タイヤを寄贈
 三菱ふそトラク・バス㈱(MFTBC)は、米インディアナ州
ンディアナポリスで開催された「NationalTruckEquipment
Association(NTEA)WorkTruckShow」で、電気小型トラ
「eCanter」を披露した。
「eCanter」は市街地での騒音や排出ガス問題に対するソ
リューションを提供し、市街地配送をクリーンで静粛にする。
航続距離は配送トラックの1日平均走行距離を超える100㎞
以上(日本の場合、都市部で使用される小型トラックの80%
は、1日の平均走行距離が50㎞程度)となっている。
 ゼロ・エミションを実現した「eCanter」は、実際の走行条
電気トラック…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
電気トラックのトップランナーを目指し
米トラックショーで「eCanter」を披露
三重交通の大型電気バス
三重交通伊勢営業所で行われた贈呈式の様子。谷口弘幸三重交通取締役
(左)に目録を渡す横浜ゴムの森本剛央三重工場長(右)

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号96
 日産自動車㈱と㈱オーテックジャパンは、2017年
4月20日から22日までの3日間、インテックス大阪
で開催された「バリアフリー2017」(第23回高齢者・
障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展)に、
ライフケアビークル(LV)6台を出展した。
 日産自動車グループでは、ユーザーの生活のいろい
ろなシーンで役に立ちたいとの意味を込め、福祉車両
「ライフケアビークル」(LV:LifeCareVehicles)と
呼称し、個人ユースから施設での利用まで対応できる
幅広いラインナップを取り揃えている。
LV出展…日産&オーテック
話題のニュートラック新製品情報・新情報
大阪で開催の「バリアフリー2017」
幅広いニーズに応える福祉車両6台を出展
件下でユーザーによる試乗を通して、技術的に高い信頼性を
確保したうえで、日常の利用で充分な走行距離と積載量を達
成できるこを証明している。
 MitsubishiFusoTruckofAmerica,Inc.のJecka
Glasman会長兼CEOは同イベントで、「eCanterは市街地
での小型トラックの未来像を描き出すでしょう。同車種は排出
ガスゼロ、騒音ゼロを実現するともに、最大で100キロ以
上の走行が可能です。私たちはこれを『ポジティブ・エネルギー』
と呼んでいます。これまでに複数のお客様と話し合いをした結
果、eCanterに対する関心が大きいことを実感しました。これ
は私たちにとって、大きなモチベーショ
ンになっています」と述べている。
「eCanter」は2016年に独ハノー
バーで開催された世界最大の国際商
用車ショー「2016年度IAA国際モー
ターショー」で初公開され、世界の注
目を集めた。
「eCanter」の量産先行モデルは、
2017年後半から米国、日本、欧州
で納入されており、これによりMFTBCは、商用車メーカーと
して世界で初めて、電気小型トラックの量産モデルを納入した
ーカーとなった。
 MFTBCは電気トラック分野のップランナーとして、電気
ラックの開発にこれまで4000万ユーロを投じてきた。ゼロ・
エミションを実現した同車種は、ポルトガル・トラマガル工場
および川崎工場で生産されている。
市街地配送をリーンで静粛にする電気小型トラック「eCanter」
電気小型トラック「eCanter」の運転席グローバルで注目されている「eCanter」
日産セレナチェアキャブスロープタイプ車いす1名セカンド仕様ハイウェイスター(2WD)

TheTRUCK2017年5月号97
 今回出展された車種は、そのラインナッ
プの中から、車いすのまま乗車できる「セレ
ナチェアキャブスロープタイプ」をはじめ、
電気自動車のまったく新しいカタチ「NOTE
e-POWER」をベースに開発した「ノート助手
席回転シート」など、計6台となった。いずれ
も、家庭での利用はもちろん、福祉施設や
病院の送迎用など、幅広いニーズに応えるこ
とができるモデルである。
 また、バリアフリー展の展示ブースでは、
車両や歩行者との衝突回避をサポートする「エ
マージェンシーブレーキ」や、駐車時などに上空から見下ろした
ように把握できる「アラウンドビューモニター」など、日産の先
進安全装備も展示された。
■出展車両一覧
①セレナチェアキャブスロープタイプ
(車いす2名仕様)
②セレナチェアキャブリフタータイプ
(助手席スライドアップシート付)
③セレナセカンドスライドアップシート
④ノート助手席回転シート
⑤日産デイズルークス助手席スライド
アップシート
⑥NV100クリッパーリオチェアキャブ
 2016年、UDトラックスブランドの世界販
売台数が、前年比3.1%増の2万419台
となった。
 日本市場では、前年比4.0%減の1万
661台となったものの、トラクタ系の販売が引
き続き好調となった。
 また東南アジア市場では、イドネシアなど
で好調なタイで生産する「クエスター」の販売
に支えられ、前年比38.4%増の伸びを記録
した。
 先日タイにおいてUDトラックスは、ユーザー
の生産性を最大に引き出す新発想の中型
販売台数…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
UDトラックスブランドの世界販売台数
2016年は前年比3.1%増の2万419台に
2017年4月11日に発表された新型「クオン」
日産NV100クッパーリオチェアキャ(2WD)
家庭での利用から福祉施設や病院の送迎用など幅広いニーズに応えるチェアキャブの室内

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号98
ラックとして新興国向けの「クローナー」を発表している。クロー
ナーは今後、アジアやアフリカ、中東、南米の成長市場向
けに投入する計画となっており、この地域でのUDトラックス
の伸びが期待できる。
 また、日本では安全性、省エネ性、架装性を大幅に向上
させた大型トラックの新型「クオン」も発表されており、その市
場の評価も期待できる。
 三菱ふそうトラッ・バス㈱(MFTBC)は、イドネシアで「コ
トディーゼル」として販売しているFUSOの小型トラッ「キャ
ンター」が、1975年の発売以来、累積販売台数が100万
台に到達したと発表した。
 単一市場、単一商用車モデルの100万台達成は、商用
車ブランドではFUSOが初めてとなる。コルトディーゼルは、
インドネシアでの輸送需要が増え始めた
1975年に発売されている。インドネシア
政府はこの頃から同国における自動車産業
の促進に着手。同年には、同車両のイ
ドネシア国内での組み立ても始めている。
インドネシアでのFUSOブランドの卸売・
販売事業はMFTBCとの合弁会社である
クラマユダ・ティガベルリアン社(KTB)が
行っている。同社は46年にわたり、同国
市場で比類なき成功を収めたことになる。
 MFTBCのミヒャエル・カンパー副社長
インドネシア…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
インドネシアでトップシェアを誇るFUSOが
「キャンター」販売台数100万台を達成
兼セールス・カスタマーサービス本部長は、「私たちの46年
間にわたる懸命な努力が、イドネシアの小型トラック市場で
のトップシェア維持につながりした。これはダイムラー・トラッ
ク・アジアやKTBの真の意味での達成であり、長年にわた
るサクセスストーリーです。今後もKTBとの関係をさらに強化
していきます」と語っている。
1975年の発売から累積販売100万台に到達した「コルトディーゼル」。イドネシアFUSOのホームページにも
100万台の数字が表示されている
2017年3月1日にタイ・バンコクで発表された中型トラック「Croner(クローナー)
東南アジア各国で販売されている
新興国向け大型トラック
「Quester(クエスター)

TheTRUCK2017年5月号99
 東南アジア地域のリージョナル・センター統括のKay-Wolf
Ahldenは2017年3月10日、ジャカルタで開催された式
典で、「このたびの快挙はお客様からの信頼、KTBとの協力
関係、イドネシアの経済成長、政府の支援のうち、いずれ
かが欠けていたら達成できなかったものです。今ではこの国の
どこを訪れても、小さいながらも強力な黄色いトラックが、昼
夜問わず一生懸命走り回りながら、この国の成長と発展に一
役買っているのを目にすることができます」と述べた。
 また、KTBの栗田敦ディレクターは、「このたびの快挙は、
インドネシアにおける商用車の歴史において画期的なことで
す。イドネシア社会がコルトディーゼルを受け入れてくれたこ
とで、初めて実現しました。この歴史的快挙は、インドネシ
アにおける三菱ふそうの基盤を一層強固にすると願っていま
す。これにより、私たちの製品は今後もイドネシアの成長を
サポーしていくしょう」と語った。
 KTBは同式典で、三菱ふそうのブランド・アンバサダーとな
るIwanFals氏を披露した。インドネシアでは英雄的存在で、
伝説的ミュージシャンである同氏が、今後三菱ふそブラン
の販売促進をサポートすることになる。
 三菱ふそうは1970年にインドネシア市場に参入し、翌年
の車両発売以来、46年にわたりトップシェアを維持し続けて
いる。同国の人気車種である「コルトディーゼル」はイドネシ
アの小型トラック分野でシェア55%を誇り、2016年には小
トラックの販売台数で首位を獲得した。こうした成果は、
FUSOブランドの卸売・販売事業会社であるKTBとの密接
な協力関係により、イドネシア市場に最適な製品をカスタマ
イズし、きめの細かいカスタマー・サービスを提供することによ
り実現している。
 インドネシアはFUSOの最大の輸出市場であることから
2016年、MFTBCは三菱商事㈱、三菱自動車工業㈱、ク
ラマユダ社とKTBの株式保有率を18%から30%に引き上げ
ることで合意した。FUSOはイドネシアの商用車市場にさ
なる成長の可能性があると考え今後も注力して行くしている。
100万台達成記念の「コルトディーゼル」限定車両
インドネシアで「コルトディーゼル」して販売されてい
るFUSO小型トラック「キャンター」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号100
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は輸入・卸
売事業を手掛ける合弁会社「ダイムラー・トラック・
アジア台湾(DTAT)のオフィスを台湾・台北市に開
設し、同事業の本格稼働を開始した。同社はMFTBC
が、台湾の商用車販売大手・順益貿易股份有限公司
(ShungYeTradingCo.,Ltd.=SYC社)と2016年
8月に設立した合弁会社である。同社の株式保有比率
はMFTBCが51%、SYC社が49%で、小・中・大型
トラックおよび小・中型バスを輸入・卸売販売する。
同社は輸入、組み立て、卸売り、小売り事業を一元管
理し、FUSOブランドの台湾市場でのプレゼンスをさ
らに高めることになる。
 MFTBCのセールス・カスタマーサービス本部ミヒャ
エル・カンパー部長兼副社長は、台北で開催したオー
プニングイベントで、「ダイムラー商用車のアジア部
門の成功のカギを握るのは市場での高いプレゼンスで
す。私たちは『重要市場でお客様に近い存在になる』
いうミッションを掲げています。台湾は同組織にとり、
世界で最も重要な市場のひとつです。ダイムラー・ト
ラック・アジア台湾を通して直接関与することでプレ
ゼンスを一層強化し、カスタマーサービスをさらに高
い水準に引き上げることができると信じています」と述
べた。
 DTAT設立は、台湾のユーザーにより近づき、市場
台湾オフィス開設…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「ダイムラー・トラック・アジア台湾」がオフィス開設
FUSOブランドをさらに強化
へのコミットメントの強化につなげられることにな
る。上質なカスタマーサービスを継続的に提供すると
ともに、全国159ヵ所にある同市場で広範囲なサービ
ス網を通じて、ユーザーの車両に最高水準のアップタ
イム(稼働時間)を提供できる。
 またDTATは、最高のカスタマー・エクスペリエン
スを提供することで、台湾での製品ラインアップを拡
充、市場のニーズに見合った製品を投入できる。2017
年に導入を予定している製品やサービスは次の通り。
①独立懸架のフロントサスペンションを装備した総重
量3.49トンの小型トラック「キャンター」を導入。
機械式自動トランスミッション車とマニュアルトラ
ンスミッション車の両バージョンを揃えている。快
適な操作性に加え、経済効率と高い積載量を同時に
実現。
②台湾のユーザーニーズに応え、台北市が導入を予定
している許容総重量に関する新規制に準拠した6.5
トンの小型トラック「キャンター」を導入。
③技術革新のパイオニアとして最先端の車両を提供。
台湾市場でも、電気小型トラック「eCanter」導入
の可能性について調査を開始する。
 さらに、DTATは先端製品ラインアップ提供で台湾
市場にコミットメントを示すだけでなく、今後は台湾
での社会貢献プログラムを通じて、同国の人材育成に
も貢献するとしている。
①DTATはFUSOディーラによる高速道路
での車両の無料検査プログラムを支援。これに
よりディーラは車両データの収集・分析を行う
と同時にドライバーが車両の正しいメンテナ
ンス方法を学ぶことで、安全性の向上を図る。
②台湾での人材育成を目的として、キャリアプ
ログラム推進に関する説明会を全国で実施。
③台風や地震などの自然災害発生時にFUSO
車両を提供し、救援活動を支援する。
 台湾でMFTBCは1958年以来、SYC社
を通じてFUSO製品を販売している。台湾は
FUSOブランドにとり3番目に大きい市場と
台北で開催された「ダイムラー・トラク・アジア台湾」のオフィスオープニングイベン

TheTRUCK2017年5月号101
なる。台湾の商用車市場でFUSOはトップシェアを
維持しており、2016年には34%のシェアを獲得して
いる。FUSOブランドは1934年に小型バス「B46」
台湾市場に初参入し、その後、1973年に大型トラッ
ク、1983年には主力製品である小型トラック「キャン
ター」の現地組み立てを開始している。2013年には
台湾初のハイブリッドトラックとして、小型トラック
「キャンターエコハイブリッド」を発売した。MFTBC
とSYC社の長期にわたる密接な関係により、2017
年、DTATを本格稼働し、台湾におけるFUSOの長い
歴史に新たな1ページを加たことになる。
■ダイムラー・トラック・アジアの概要
 ダイムラー・トラック・アジア(DTA)は80年以上
の歴史を誇る三菱ふそうトラック・バス㈱と、インド
市場で躍進的な成長を続ける新会社ダイムラー・イン
ディア・コマーシャル・ビークルズ社が共同で事業を
行う組織である。DTAは、製品開発、生産、輸出、調
達、研究活動を共同で行い、顧客にとって価値ある製
品とサービスを提供する戦略的なビジネスモデルを推
進している。
■順益貿易股份有限公司(SYC社)の概要
 SYC社は長年にわたり台湾で三菱ふそうの商用車を
輸入・卸売販売している輸入代理店である。SYC社
が統括するShungYeグループは、輸出入業から始ま
り、現在は台湾でFUSOの商用車、メルセデス・ベン
ツの大型トラック、三菱自動車の乗用車・SUV車、三
菱重工のガソリン・ディーゼルエンジンおよび発電機、
JXエネルギー製潤滑油、STAMFORD/AVK製オル
タネーター、JohnDeere製ディーゼルエンジンなど、
世界有数のブランドの製品を取り扱っている。同グルー
プは主に自動車販売と関連サービスの提供、系列会社
を通じた関連事業を展開している。台湾有数の商用車
ディーラである同グループは、直販店の設立・拡大に
継続して取り組むとともに、ユーザーに高品質で迅速
なサービスを提供している。同グループの従業員数は
3,000人、直販店・直営サービス店は80拠点以上を
数える(2015年)。2015年の売上高は約8億米ドル
となっている。
台湾の商用車市場でトップシェアを維持するFUSOトラック

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号102
 住友重機械工業㈱100%出資の住友重機械ギヤモータ
(本社:愛知県大府市/小林亮社長)は、小型ギヤモータ
の防水仕様2製品を開発し、2017年3月21日に発売した。
 小型ギヤモータは、コンベア、食品機械、包装機械、農
業機械など、さまざまな産業機械に幅広く使用されている。
近年、食の安全への意識が高まり、食品機械、包装機械
業界より食品工場の衛生に適した仕様として防水仕様のニー
ズが高まっていた。
 住友重機械ギヤモータでは、すでに保護等級IP65(耐
塵防噴流形)を満たすシリーズとしてハイポニック減速機、お
よびアルタクスNEOを発売しているが、今回新たにプレス
トNEOギヤモータの防水仕様(IP67、IP65)を発売すると
もに、ハイポニック減速機の90W以下についても保護等級
をIP65からIP67(耐塵防浸形)に改良したシリーズを発売
する。住友重機械ギヤモータは、今後も食の安全に貢献で
きる製品、仕様の開発を継続して行くとしている。
 新製品は、ギヤモータを丸洗いすることができるため、水
がはねたり、定期的に水洗いする機械に最適なもの。IP65
とIP67をラインアップしており、プレストNEOギヤモータは
40W〜2.2kW、ハイポニック減速機は15W〜2.2kWの
ワイドバリエーションを揃えてる。さらに、水洗いしても抗菌力
が持続する抗菌塗装(産業用ギヤモータで初めてSIAA認証
を取得)のオプションも用意しており、防水仕様と併用するこ
ギヤモータ…住友重機
話題のニュートラック新製品情報・新情報
食の安全への意識の高まりを受け
防水仕様ギヤモータ2製品を発売
とで、水洗いが必要な環境で使用した場合でも、抗菌性を
保つことが可能となる。
 主な用途としては、食品機械、包装機械、ベルトコンベア、
ミキサー、ポンプなどで、代表機種の標準価格は、200V級・
三相誘導電動機・防水仕様・出力軸ステンレス製仕様のプ
レストNEOギヤモータ(IP67)で30,600円(税別)。販売目
標は5000台/年(初年度)としている。
 ちなみに、減速機は、モータの回転速度を最適なスピー
に減速するともに、回転力トルク)を高める装置で、モータ
などの駆動装置とそれによって動く装置の間に設置すること
で、必要なトルク、回転速度を得ることができる。減速機とモー
タが一体になったものを、特にギヤモータと呼び、産業用ロボッ
トやコンベヤなどの工場設備から、自動ドアや遊園地の乗り
物などの日常生活に関わる設備まで、われわれの身の回りで
幅広く使われている
 日産自動車㈱は、㈱JTBコーポレートセールス(本社:東
京都千代田区/皆見薫社長)並びに㈱日産カーレンタルソ
リューショ(本社:神奈川県横浜市西区/岡本智社長)
共同で、電気自動車(EV)「e-NV200」を活用した宿泊施設
でのカーシェアリング「ゼロエミション・ツーリズム」を行うと発
表した。
「ゼロエミション・ツーリズム」とは、宿泊施設において、
EV活用…日産&JTBコーポレートS
話題のニュートラック新製品情報・新情報
EVを活用したカーシェアリング
「ゼロエミッション・ツーリズム」を実施
観光客が観光スポット等への移動(カーシェアリング)、宿泊
施設の送迎や業務などで、走行中にCO
を全く排出しない
EV「e-NV200」を活用するプログラムである。
 2016年7月より、神奈川県と箱根町にある4軒の旅館と
共同で、本取り組みを行った結果、観光地でEVを活用する
有効性が検証された。このたび「ゼロエミション・ツーリズム」
と名付け、全国へ展開することにしたもの。
住友重機械ギヤモータが扱う防水仕様の小型ギヤモータ

TheTRUCK2017年5月号103
 JTBコーポレートセールスが同社の加盟施設や協力自治体
を通じて、EVを活用した観光に積極的に取り組む意向をもっ
た施設を募集し、国内17県の宿泊施設が「ゼロエミション・
ツーリズム」を導入する。
 日産とJTBコーポレートセールスの協業による観光地での
EVの積極利用は、地域の観光資源の保全と旅行の楽しさ
を両立し、観光地の持続可能性を高め地域活性化にも寄与
することになる。
 今回「ゼロエミッション・ツーリズム」で活用するEV「e-
NV200」は、多目的商用バン「NV200バネト」をベースに、
e-パワートレインを組み合わせることで、室内の広さや多用途
性とEVならではの滑らかな加速性や静粛性を兼ね備えたモデ
ルで、バンだけでなく5人乗り、7人乗りのワゴンタイプも設
定されている。また、「e-NV200」は、最大1500Wの電力を
供給するパワープラグによって屋外での電源供給が可能とな
り、走る蓄電池としてさざまな場面で役立てることができる。
 日産は、ゼロ・エミッション領域におけるリーダーとして、
EVの開発、販売を行うだけでなく、EVを普及させ、持続可
能なモビリティ社会を構築するために包括的な取り組みを行っ
ている。今後も電気自動車の更なる普及に取り組んで行く
している。
■e-NV200導入施設名一覧
【茨城県】ホテルニュー梅屋
【栃木県】アートビオトープ那須、アイランドホテル&リゾー
ト那須、あったか〜い宿勝風館、ONSENRYOKAN
山喜グランドホテル愛寿、山水閣、那須野ヶ原ファーム、
那須モンゴリアビレッジテンゲル、ホテルエピナール那
須、ホテルサンバレー那須、松川屋那須高原ホテル、旅
館山快
【千葉県】潮騒リゾート鴨川、ドッグホテルわん楽
【神奈川県】箱根金乃竹塔ノ沢、箱根ホテル小涌園、箱
根湯本温泉天成園、箱根湯本温泉吉池
【新潟県】松之山温泉ひなの宿ちとせ
【石川県】加賀八汐、十番館、天空の宿大観荘、日本の
宿のと楽、山代温泉たちばな四季亭、和倉温泉はまづる
【福井県】荒磯亭、あわら温泉長谷川、エースイン福井、
グランディア芳泉、清風荘、ふるさとの宿こばせ、ホテ
ルフレアール和泉、まつや千千、みのや泰平閣、ユアー
ズホテルフクイ
【山梨県】ホテル八田、旅館喜仙
【長野県】旬彩月の静香
【岐阜県】岡田旅館、奥飛騨温泉郷平湯温泉旅館湯の平
館、ひらゆの森、平湯プリンスホテル、湯う香三蔵庵
【三重県】賢島の宿みち潮、志摩地中海村、和亭朝日館、
ホテルアルティア鳥羽、リゾートヒルズ豊浜蒼空の風
【兵庫県】城崎温泉西村屋ホテル招月庭
【和歌山県】湯処むろべ
【鳥取県】一般社団法人大山観光局、一般財団法人大山恵
みの里公社、皆生温泉おーゆホテル、皆生グランドホテ
ル天水華水亭、寿製菓お菓子の寿城、大漁市場なかう
ち、とっとり花回廊、緑水園
【岡山県】湯原町旅館協同組合
【山口県】梅乃屋、西の雅常盤、ビジネスホテルうえの、
ホテルかめ福
【佐賀県】蟹御殿、星降る露天とかにまぶし旅館豊洋荘
宿泊施設でのカーシェアリング「ゼロエミション・ツーリズム」に採用された電気自動車「e-NV200」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年5月号104
 UDトラックス㈱は、企業活動を通じ3つの「幸せ」の実現を
目指している。一つは「私たちの提供する商品・サービスでお
客様と私たちの暮らす社会が幸せになること」、二つ目は「その
結果私たちの会社が幸せになること」、そして三つ目は「なによ
りUDトラクスで働く私たち自体が幸せになること」になる。
 現代社会における働き方の選択は、少子高齢化や核家族
化などの要因により多様化が進んでいる。また、ボルボグルー
プの一員であるUDトラクスでは、アジア・オセアニア・ヨー
ロッパ・南米アメカなど世界さざまな国の出身者が働いてお
り、それらの国籍数は20以上を数えている。
 そのため、働き方に関する価値観も多種多様である。UD
トラックスは、多様性(ダイバーシティ)を尊重し、相互理解し
て強みに変える(インクルージョン)ことを重視している。この考
え方にもとづき、職場・働き方についても従業員が幸せにな
る環境づくをソフト・ハードの両面から進めている。
 ソフト面では、2014年に主に事務系従業員向けにコアタ
イム無しの完全フレックスタイム制を導入するとともに、在宅勤
務制度(UDトラクスでは“ワーク・フロム・ホーム”と呼んで
いる)を整備した。これら制度は従業員が家族との時間を有効
活用することにも役立つが、世界中のボルボ・グループの同
僚と協業することが多いUDトラックスの従業員たちの勤務の
柔軟性維持にも貢献している。
 女性も活躍しやすい職場であり、UDトラックスにおける女
性管理職の数・比率は、業界内でも高い水準となっている。
また、日本各地のUDトラックスのカスタマーセンターでも、
職場環境…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
働きやすい職場環境つくりで
「従業員も幸せ」を目指すUDトラックス
2016年よりシフト勤務制度を導入し職場環境の改善を図って
いる。
 ハード面では、2015年の上尾本社ビル新設、上尾工場
にある2箇所の食堂・工場事務棟・工場従業員のためのロッ
カールーム・シャワールームなどのリノベーションを実施してい
る。また、各地のカスタマーセンターでも順次リニューアル工
事を進めると同時に、2017年の4月には、上尾本社ビル1
階に従業員向けのスポーツジムをオープンさせている。
 UDトラックスは、ハード面での業務環境改善を図る際、た
んに綺麗な職場の提供を目的とするわけではなく、例えば本社
ビル各階には従業員が自由に休憩・交流ができる開放感のあ
る広いスペースを設けるなど従業員間のコミュニケーションを
らに促進できるよう配慮している。
 こした施設を活用して、従業員による部門内部門間のカジュ
アルな交流会(UDトラクスではボルボ本社が拠点を置くスウェー
デンの風習に従って、フーカ“FIKA”と呼んでいる)が盛んに開
かれ、さなる“インクルージョン”を進める機会となっている。
UDトラクス上尾本社ビルに新しオープンしたスポーツジム

5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩車両、󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応OP装着車)
5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩、側方󱞅󱝖󱝍󱝝󱞚󱞅󱝸荷役対応低枠型)
小型󱞉󱝍󱝩軽自動車3台積󱜵車両運搬車
大型3台積󱜵車両運搬車
(󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応󱝡󱝍󱝸装着車)
4t、5.5t󱞉󱝍󱝩2台積󱜵車両運搬車
(󱝗󱞇󱝧󱞗󱞣装着車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(後柱昇降式、WB延長改造車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(󱝙󱝍󱞌󱝍󱝑OP)
5台積載車両運搬車
(F󱝨󱞓󱝳󱝛󱝏󱝳󱞇仕様OP装着車)
素早い対応 徹底追求
お客様の信頼のために最高の品質を
本   社 〒136ー0071 東京都江東区亀戸1丁目7番3号 パークノヴァ亀戸20
TEL03ー3683ー0391(代表)FAX03ー3636ー1105
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TEL047ー488ー2511(代表)FAX047ー488ー2514
http://www.hosoyashatai.co.jp/
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