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【特集】ドローンポートって何?

TheTRUCK2017年4月号18
 昨年10月に予定していた「NIPPONトラック
ョー」を今年6月に延期して、開催準備をして参り
した『2017TTSショー(特装車・トレーラ展)は、
日野自動車殿の絶大なご支援により開催の運びとな
りました。
『2017TTSシー』は、従来のトラックショーが主に
車体産業を対象にスターしましたので、その原点と
なると特装車(T)と最近国土交通省が推進している
レーラ(T)による効率輸送、それに自動運転など先
端技術を取り入れたスペシャルビークル(S)を対象にし
た商用車展として、改めてプランニングしたものです。
『2017TTSショー』は、昨年11月に企画説明会
を開催して、本格準備に入りましたが、出展企業
の確保が遅々として進まず、不安の中で新年を迎
えることになりました。
 過去約30年に渡ってトラックショーを運営した経
験では、出展企業にとって最大の懸念材料となる
のが、「展示を見て欲しい顧客が果たして来場する
のか」の疑問でした。従って、今回は出展企業の
確保よりも「来場者の誘致」を先行して、活動して参
りました。
 トラックの最大ユーザーは全国に6万3000事業
者もあるトラク運送業者で、その事業者は47都
道府県にトラック協会を組織して、荷主ニーズや地
域の発展に貢献しており、それを統括しているの
が、公益社団法人全日本トラック協会という形で組
㈱日新・TTSショー運営委員会
代表 
横路美亀雄
織が出来上がっています。
 そこで、先ずは全日本トラック協会に、『2017TTS
ョー』の母体となっている本誌の姿勢を理解して頂
く事からスターしました。幸いにも、全日本トラック
協会はこれまでのトラックショーに唯一“後援”を貫
いた団体という事もあり、本誌の編集方針は大筋の
理解を得て、地方トラック協会の取材へと進むこと
になます。
 トラックショー来場者は過去のデータから、関東圏
の事業者が約7割を占めていることが明らかになっ
ていますので、密度の高い関東8県のトラック協会
長対談がスタートしました。第1回は2015年3月
号の東京都トラク協会、大髙一夫会長(平成28
年1月他界)で、『夢』をテーマにした内容は、第1
回に相応しい高次元のものとなりした。続いて神
奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨と
順調に進み、その延長で新潟、静岡、愛知まで全
11都県のトラック協会長対談は2016年3月号で無
事終了しました。
 このトラック協会長対談で一貫して協力要請した
のは『2017TTSショー』への来場でした。リーマン
ショック以来、トラック産業界は販売体制が大きく変
わって、ユーザーとメーカーの関係が希薄になって
いますので、今こそトラックショーがその溝を埋める
役割があると考えていたからです。協会長と対談し
た全てのトラック協会は、筆者の要請を理解して「協
賛の立場で協力する」ことを約束してくれました。
 これにより、『2017TTSショー』へトラックユーザー
を来場誘致する道筋は確立されたことになります。
社告
TTSショー(特装車・トレーラ展)開催へ
日野自動車の英断に感謝

TheTRUCK2017年4月号19
更に、45歳以下の経営者約5千700事業者で組
織している全日本トラック協会・青年部にも来場協力
を要請して了承されました。
 今秋には、新しい排ガス規制がスタートするの
で、今年は大型トラックメーカーの新型車が勢揃い
することが明らかになっていますので、来場するユー
ザーに新しい性能をアピールするのに『2017TTS
ョー』は絶好の機会です。
 主催者としては、顧客である運送事業者に来場
して頂く準備は、ほぼ2年間の歳月をかけて整えて
参りしたが、肝心のトラックメーカーが日野自動車
以外は、出展の意向が明らかに
ならないまま3月末の〆切が迫っ
て参りました。その結果、土壇
場になって、某トラックメーカーの
“不参加”が明らかになます。
 日野自動車も窓口担当者からは
「他社が出展しなければ、当社
も不参加になる可能性が高い」
と告げられていましたので、“万
事休す”の思いで、その経緯を
国内販売責任者の谷口智貞常
務取締役(4月から専務取締役)
に報告したところ「他社の意向
に関係なく日野自動車は出展の
方向に変更はない。との回答が
戻ってまいりました。正に『2017
TTSショー』は首の皮一枚で、
命脈を保った形となったのです。
 以来、全ての業務をスップし
て、従来の出展企業にこの状況
を説明、出展要請に奔走の毎日
となり、この4月号も編集作業が
大幅に停滞、この本稿執筆も発
行日に近い3月29日深夜に及ぶ
始末となっています。
 この約10日間は、不眠不休の日が続きしたが、
結果的には、盛大な規模にはなりませんが、『2017
TTSショー』して成立の見通しです。
 トラックが大きくモデルチェンジするこの時期に、
一社もメーカー参加がない展示会を開催すること
は、来場するトラックユーザーに対して、失礼極
りない事になります。その意味でも、『2017TTS
ョー』への日野自動車の参加表明は、トラックショー
の歴史に大きな足跡を残すともに、筆者個人と
ても、感謝に堪えない次第です。
主催:特装車とトレーラ展運営委員会
http://www.truck-x.com
開催ご案内
会場:幕張メッセ国際展示場
会期:6月8日(木曜日)
6月9日(金曜日)
6月10日(土曜日)

TheTRUCK2017年4月号18
巻頭
Birds Eye
バーズアイ
生活が変わる
 ある学者が「贅
󱢝󱢃󱢠󱢏
沢商品」ということを言った。通常、贅沢商品と言うなら、「カシミヤのセーター」「メルセ
デス・ベンツの乗用車」「ローレクスの時計」「柿右衛門のお湯呑み」「紫檀のテーブル」「松坂牛の
すき焼き」「マキシムでの食事」とかいったものを普通の人は考える。「自分の収入から見て分を越す高価
格な物」とか「普段は出来ない高級な場での食事」といううなものである。贅沢を売り物にする例は戦前
「デパートでのショッピング」や戦後、車好きの普通の若者が「フォードのマスタング」を購入するというよう
なことだったろう。商売でもそういう例はある。ある銀座のクラブはすべての席の脇に何十客という「ガレ
の花瓶」を無造作に置いていたし、ある自動車教習所はすべての教習車をBMWにした例がある。個人
タクシーが「ロールスロイス」を使っていたという話もある。こうしたことで言う贅沢とは「普通は手にするこ
とが出来ない、常識から言って身分不相応な高価な高級品」のことを言ううである。「贅沢は貧乏の敵だ」
とか戦中に「ぜいたくは(素)敵だ」と隠れて言っていたという話がある。
 しかし、この学者の言う贅沢商品とはそういう贅沢とは違うようである。それはどういう意味かという「こ
れまでの生活をガラと変えるほど大きなインパクを持つ商品」のことであった。例を挙げて説明するとわ
かりやすい。ある音楽大好き青年がいた。音の悪いラジオにしがみついて音楽を聴いていた。それが自
分でアルバイをしたか親に買ってもらったかでFM付きのハイフイのステレオを手に入れた。これでこの
青年の生活はそれまでとはまったく変わってしまった。昭和20年代後半から40年代までにはこういう例
は多い。家に電気洗濯機が入った。これで主婦の生活はまったく変わった。家事の時間配分が根本的
に変わったのである。電気冷蔵庫が入った。この家の食生活はまったく異なるものとなった。初めてテレ
ビを買った家庭も生活が変わる。
 こういうこともある。ある普通のサラリーマンが自家用自動車を初めて購入した。これでこのサラリーマ
ン家庭の生活は大きく変わった。それまで休日でも近所に食事に行くらいだったし、遠出はごくたまにし
か行わなかった。しかし、自動車を手に入れたことによってまったく変わったのである。毎週、日曜日は家
族そろってドライブに行く、近くの面白い場所に行く。時には泊りがけで遠くの観光地に出かける。ユカ
ダンを入れる。冬の家族団らんのスタイルが変わった。ケータイやスマホを購入する。ウォシュレトのよ
なトイレでのお尻洗浄機を手に入れる。タブレト型のパソコンを買う。こういう例はいくらでもある。冷凍
食品の登場もそうだろう。電子レンジもそうである。ファッションで言うならダウン・コートなども上げられる。
初めてそういうものを購入し、それによって生活が大きく変化するもの、これを贅沢品と言うわけである。
 そういうとで言うなら初めて購入した自動車は贅沢品であるがそれがサニーであったり、カローラであっ
たとしてそれをより上級車に替えたとして、それによって自動車のある生活ががらと変わるわけではない。
したがって、たとえクラウンを購入したとしてもそれは贅沢品とは言わない。4人乗りのセダンを6人乗り
ンボックスカーに替えて祖父母と夫婦、子供たちが一緒に動くうになるとそれは贅沢品かもしれないが5
人乗りノートをBMWに変えてもそれは贅沢品ではない。
 つまり、生活スタイルががらりと変わるような商品を言うわけであるから考えてみると「贅沢商品」という

TheTRUCK2017年4月号19
中田 信哉
ネーミングは適当ではないのだろう。「生活変化
商品」と言うべきか。いずれにしてもそういう概
念がある。しかし、こういう贅沢品というのは大
きな問題を含んでいる。それはこれらの商品は
その購入時は生活を大きく変えるのだがそれを
購入したあとはその生活が定着し、初めは贅
沢と考えるのだろうがあとは普通の日常となるの
である。いくら高級品や大型のものに替えても
生活は変わらないからその後、「贅沢品だ」とい
う気落ちは起こらない。日常となってしまって生活が良くなったという気持ちにはならない。生活を替えるた
めにまた、別の贅沢品を探す事となる。「追いかけられる生活」という意識が生まれる。
 もう一つの問題は贅沢商品を手に入れた時は生活が変わってうれしいがその後に発生するのが維持
費、関連商品の購入である。ステレオを買えば電気代がかかる。レコードやテープやCDを買わねばな
らない。スマホを買えば生活は変わるが通信費が月にベラボウにかかる。アプリのお金もバカにならない。
地方自治体が大きな文化施設を作る。これで地域住民の生活は変わるがその施設の維持費が莫大にか
かり、税金の負担は大きなる。贅沢品は贅琢だからその後の生活を圧迫するようになり、贅沢品を得れ
ば得るほど、生活の困窮感が増して来るという皮肉な結果となるのである。
 最近の新聞にこういうことが書いてあった。タイトルは「固定費ずしり 緩まぬ財布」である。それはス
マホ、保険料・光熱費・・であり、「ちっぴり収入は増えたけど、財布のひもは緩めない」ということである。
楽しみにスマホを購入し、将来の不安に対して地震・疾病・生命保険に入り、快適な暖冷房完備にす
るからその費用は大きなり、他の消費を圧迫するというのである。収入は増えてもそれは他の消費に行
かず、かえって支出を抑制するようなる。こういうことがこの記事に書いてあった。「2人以上の働く世帯
の携帯電話料金は2016年に年16万5千円と10年前に比べて5万6千円増えた。保険の費用も初め
て10万円を越えて10年前から2万7千円増えた。光熱費も電気代が11万5千円となり10年前から
7千円増えている」。家庭の固定費が増え続けているのである。
 これでは少々、収入が増えても支出を他にまわす余裕はない。いくら景気対策をしても個人消費支出
は増えない。このことは企業経営でも言える。販売額は増え、経常利益が増えているように見えるが費
用の明細を分析してみればよい。費用というのは家庭における支出である。余分な支出はふえず、経営
環境を変えるために企業にとっての贅沢品を導入するからその固定費が増えてしまうのであう。より良いも
のを追い、それが固定費の増大を招く事となる。それでもぜいたく品を探し続ける。つかの間の生活向
上のために
     よろこべばしきりに落つる木の実かな   風生

TheTRUCK2017年4月号20
ドローンポートって何?
正確に着陸地点を
決められる・・
西 襄二
何かと話題の「ドローン」(超・小型ヘリのこと)だが、物流目的でこれを利用
しようとするといくつか課題がある。国土交通省は官民協働のプロジェクトで
これを克服しようとしている
物流用ロボット新動向研究

TheTRUCK2017年4月号21
先ずは実証実験の現場から
第一幕 都市内物流集積拠点にて
 回転翼4枚の小型ドローンが、3m四方の白色
コーティングシートの中心に設置された〝こちら〟の
離陸地「ドローンポート」に置かれている。目視でき
る約80m先の〝あちら〟の平地に同じ組み合わせの
着陸地「ドローンポート」が設置されている。
 機体は3㎏弱。飛行制御は目視によるリモートコ
ントロール(リモコン)のほか、GPSによる自律飛
行が選択可能である。今回はリモコンで〝こちら〟の
「ドローンポート」を離陸して高度約30mで〝あち
ら〟「ドローンポート」上空まで飛行し、ここでリ
モコンから自律飛行・着陸モードに切り替えて「ド
ローンポート」を認識して高精度の着陸を行う実証
実験である。
 ドローンポートには、[1.着陸誘導機能]と[2.障
害物侵入時に空中待機指令機能]の複合機能を持た
せたところが新技術のキモである(表1)
1.については3m四方の白色シートの中央に数種
のパターンを組み合わせコントラストを付けて
白黒印刷したターゲットと、白色シートの3か
所の角に置かれた電波誘導発信器が認められる。
2.については障害物進入検知器(電波誘導発信器
兼用)が障害物を検出している間はドローン本体
に空中待機信号を送る、二つの技術開発項目が
あった。
 今回の公開実証実験までに充分な予行訓練を行っ
ていたから、今回は夫々の実験項目は見事に達成さ
れたことは計画通り。
 次いで、構内の高層階構内から近隣目的地への飛
行を想定した飛行を行い、半径1㎞程度の距離への
自律飛行を行った。
手前のドローンポートから向こうのドローンポートへの飛行。飛行距離は直線で約30m、高度約30m。飛行空間に
電線等の障害物はない。実証試験に用いられた場所は、神奈川県座間市の大規模物流集積拠点「GLP座間」
ここは日産自動車の元座間工場の跡地で、大規模物流施設の集積地に生まれ変わった
(表1)ドローンポート開発 機能検証項目
No.区 分項 目目 標
1着陸精度
ドローンポート誘導なしなりゆき(現行GPSシステムでは数m/高精度GPSでrは数10㎝)
ドローンポート誘導あり水平誤差 50㎝
2障害物進入検知
障害物/人等進入ドローンは空中で待機
障害物/人等退去ドローンは待機解除→着陸
(出所)国土交通省に筆者加筆( )

TheTRUCK2017年4月号22
第二幕 山間過疎地での自律飛行
 場面は首都圏から中部山岳地帯の過疎地域に移
動する。長野県伊那市長谷地区で
ある。伊那市の市街部は中央高速
道伊那ICから15分程の天竜川の
右岸に拡がり、市役所と郊外地域
は左岸に立地している。ここから
東に30分程車で移動した山間部
に長谷地区がある。南アルプスの
仙丈ヶ岳(3,033m)の麓だ。ここ
に、人口約2000人、所帯数が凡
そ700、65歳以上の割合が人口
の約30%という南アルプスの懐
に抱かれ国道152号線沿いに人
家が点在する村落だ。コンビニ店
も無い典型的な山間村落で近くに
有名な高遠城址公園がある。本誌
がお手元に届く頃には桜が満開の景勝の地だ。
 この村落を貫く国道152号線沿いに道の駅「南ア
物流の担い手研究
GPSによる自律飛行も想定して飛行経路の発地点・着地点双方に3m
の白色キャンバスの中央に同じパターンを設置したドローンポート。異物
侵入検知センサー兼誘導電波発信機が3か所の隅に置かれていた
異物侵入検知センサー兼ドローン誘導装置
長野県伊那市長谷地区に設けられた離陸地点
自律飛行機能の実証実験用に準備され飛行する当日のドローン(ロー
ンはブルーイノベーション社製)。機体は寸法:縦1m×横1m×高さ
0.58m、重量約2㎏、最大積載重量約1.5㎏。積載装置、積載重量
など物流用には目的に応じて別途検討が必要である
今回の実証実験に投入されたドローンは地上に設置されたドローンポー
認識用カメラを底面に取りつけていた関係で貨物の積載に最適な機体で
はなかった。但し、実験の主たる目的が開発中の独特なパターンを有す
ドローンポートの認識システムの作動確認にあったから、これが実証さ
れれば物流目的によって最適な機体を選定すれば良いわけだ

TheTRUCK2017年4月号23
ルプス長谷」があり、ここから直線距離で300m
程の地点に高齢者専用住宅がある。ここで緊急な物
品の需要が発生したとの想定で、道の駅と高齢者専
用住宅間をドローンで飛行して届けるというシーン
を想定した実験であった。
 実際の設定飛行経路は、地域の幹線国道を跨いで
上空を飛行し、電線などの架空施設もあるので、
事前の飛行計画を届け出ておかなければならない
経路である。自律飛行はGPS方式で、認識しや
「GPL座間」での実験に用いられたパターン
当日は晴天で風も弱く飛行中のドローンが飛行姿勢を乱すことは無かった。離陸地点から延長約400m・飛行時間約4分で目的地点上空達し・・
伊那市長谷地区での実験に用いられたパターン
・・正確に着陸した
伊那市長谷地区での実験に用いられたパターン

TheTRUCK2017年4月号24
すく東西南北に直交するL字形経路を計画して実
験は行われた。離陸地点は道の駅の駐車場(標高約
832m)、着陸地点は高齢者専用住宅で離陸地点と
の高低差は約7m、飛行距離は延長で約400m、
飛行時間は約4分である。飛行高度は50mに設
定されていた。
 搭載貨物は当地の特産物「雑穀」約0.5kg。不測
の事態に備えて離陸地点と着陸地点の双方にオペ
レーターを配置したが、実験は自律飛行で成功した。
 ここまでは、㈱ブルーイノベーションと東京大学
工学系研究科・航空宇宙工学系に加えて、長野県伊
那市の共同研究である。
ピンポイント地点特定には有効
 今回提案されたドローンポートがシステムとし
て公式な規格となるかについては、精度が向上さ
れる新規格GPSの実用化を控えた現在、民・官の
更なる意見交換と民間の広範な検討が必要であろ
う。いずれにしても、繰り返し利用する〝人が対象
となる〟物流目的のドローン飛行では、離着陸両地
点に予め人が赴いて地点を特定しておく準備が必
要であり、ピンポイントで離着陸地点を決めてお
くなら、今回のドローンポート提案は有効な方法
といえよう。
 緊急災害時の救援目的の場合は、今回のシステム
を下敷きとした新たな規格に基づいて、平時の訓練
物流の担い手研究
プログラムに組み込むなどを視野に入れた調整が必
要であろう。
国のプロジェクトで新技術開発
推進 実務は応募の民間に委託
 国土交通省は平成28年度に交通運輸技術開発推
進制度を創設し、総合政策局の担当で〝交通運輸分
野における真に必要な基礎研究を国において実施す
る〟ことを決め予算化した。年度毎に研究テーマを
定め、具体的な技術開発については民間の力を活用
する内容である。
 平成28年度は(表2)に示す3テーマが設定さ
れ、前段で紹介した実験は[研究テーマ①]に係わる
ものである。
緊急物資に見立てられた当地区特産の〝雑穀〟約100gを貨物に見立てて、無事、受取人(当地区で昨年まで保護司を務めていた)佐藤智良氏の手元に
届けられた
「道の駅南アルプスむら長谷」に表示されている〝土砂災害啓開区域等明
示版〟

TheTRUCK2017年4月号25
ドローンを含む各種ロボットの
性能規格と認証システム
 一方、国立研究開発法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構(NEDO)は、3月10日に「物流・
インフラ点検・災害対応ロボットシンポジウム」
開催した。
 この中で、今後活用が拡大することが必至のド
ローンについて、安全性を重視した型式認証シス
テムを運用するにあたり、認証試験を行うテスト
フィールド設置の計画について報告があった。この
課題を担当しているのは「無人航空機に関する連携
ワーキンググループWG」で、WG主査を務める東
京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻の鈴
木真二教授である。同教授は前記のリポートに登場
したドローンポートの開発にも携わっている。
 わが国では2015年に航空法の改正が行われ、
無人航空機(通称名:ドローン)の運用に対する許可
申請の必要な空域や飛行方法が規定された。これは
ドローンを正式に航空機として認知し事業目的にも
活用する法的環境が整ったことを意味するが、新し
い技術であるので共通の性能評価基準が世界的に未
定である。今後、いろいろな目的で活用場面が増加
することを想定すると、関係者が共有出来る基準が
確立されることがビジネス上望ましい。また、性能
をテストする試験場(空域と諸設備)も必要である。
シンポジウム会場に展示された大型ヘリ形ドローン(富士重工製)
ンフラ点検用ドローンの例
(表2)平成28年度研究開発テーマ(新規課題)
区分研究テーマ課  題
1交通・運輸システムの安全性・信頼性向上事故未然防止等の輸送における安全性向上に係わる技術開発
2
交通運物流問題研究所分野におけるエネル
ギー・環境問題への対応
さらなる低炭素化等の環境にやさしい交通インフラシステムの開発
3交通運輸分野の国際競争力強化・新市場の創出国際競争力強化に向けた物流の効率化に資する技術開発
(出所)国土交通省に筆者加筆( )

TheTRUCK2017年4月号26
各種ロボットの活用拡大を視野に
ロボットの総合試験設備集積地を整備
 今回のシンポジウムでの報告を総合すれば、業務
用ロボットは活動する領域から<陸・海・空>に分
類できる。
 想定用途は、先ず、高度成長期に建設整備された
各種のインフラ(ダム、橋梁、ビル、トンネル、水
路など)の老朽化が進んでいるので、これらの点検
用に大きなニーズがある。
 また、今後も必ず起こる自然災害への備えとして
の研究用、及び発災後の被災者救援用にも整備を拡
充することが望ましい。
 ドローンに代表される空中ロボットから、特殊で
はあるが東京電力福島第一原発の事故を起こした原
子炉内の破損状況を調査するなど災害被害状況等を
調査する陸上ロボット、海洋探査等を行う水中ロ
ボット、など現実に稼働しているロボット類は稼働
空間によって上記の様に三大分類できる。
物流の担い手研究
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水中ロボットの例
陸上ロボットの例
福島ロボットテストフィールド計画の概要(シンポジウムにはアメカ始め海外からの参加者があり英文併記であった)。ドローンの長距離飛行サイ
トは太平洋岸の浪江町と南相馬市間の沿岸約13㎞に設けられ
(出所)福島県ロボット産業推進室(左図共)

TheTRUCK2017年4月号27
 こうしたロボット類は、現在までメーカー各社が
独自に準備した試験設備で性能試験が行われている
が、これを希望すれば誰でも利用出来る公設の集積
試験場(ロボットテストフィールド)を整備する計画
が動き出した。
 3・11東日本大震災で深刻な被害を受けた地域の
一つである福島県の復興と新たな可能性を考慮し
て、同県内に総合的な「ロボットテストフィールド」
を整備して内外のロボットメーカーに活用を呼び掛
ける(表3)。平成30年度に順次稼働出来るように、
約50haの用地に建設整備される。
 一連の技術開発と施設整備には、国の予算措置に
よりNEDOの呼び掛けに応募した民間の活力を活
用する。資金はNEDOを経由して支援される。
海外の動向は
 今回のシンポジウムにはアメリカからも3名の参
加・発表があった。
 一つ目は、連邦政府の機関として各種工業製
品の標準を制定する機関であるNIST(National
InstituteofStandardsandTechnology:2005
年設置)から、〈陸・空・海〉領域で稼働する各種ロ
ボットの性能評価法の最新動向についての紹介で
あった。
 二つ目は、ドローンによる橋梁の点検方式につい
てであった。巨大構造物が検査対象である場合に、
航続時間はどの程度であるべきか。収集したデータ
の保存と取り出し・解析システムはどうすべきか、
などアプリケーション分野の課題についての研究報
告であった。
 三つ目は、こちらもドローンの活用を安全に進め
る為のシステム構築に関して、民間活力を利用する
為に懸賞金5億ドルをかけた3枠のコンペがニュー
ヨーク州で2015年に実施され、採用されたプロ
ジェクトが順次実施されていることが報告された。
 飛行距離が50マイル(80㎞)に及ぶテストフィー
ルドが実用にはいっているなど、わが国の福島テス
トフィールドよりスケールが大きいことにも触れて
いた。
 今後の課題は多いが、例えば長時間航続可能なド
ローンに必要なバッテリーの開発などが重要である
ことも報告されていた。(本稿おわり)
(表3)ロボットテストフィールドが供える主な機能(平成30年度順次開所予定)
施設・設備名主な機能
無人航空機(ドローン)エリア
□滑走路[L500×H20m]
□緩衝ネット付飛行場[150×80×H20m]
□落下試験場[L680×W200m]
□ヘリポート[40×25m]
□連続飛行耐久試験施設[10×10×H5m]
・緩衝メット付飛行場や滑走路での基本飛行試験
・落下措置、衝突回避、非常時着陸、物件投下など特殊飛行試験
・10㎞以上の長距離飛行区域
・形態電話電波やロボット電波などの通信環境整備
・地上〜150m上空の風向風量情報提供
・地上の第三者との調整支援
インフラ点検・災害対応エリア
□トンネル[L50×W6m]
□橋梁[L50×W10m]
□瓦礫・土砂崩落道路
□市街地、住宅、ビル
□プラント[10×10×H30m]
トンネル、橋梁、道路、市街地、住宅ビル、プラントでの維持点検障害物除去・
啓開、捜索救助訓練
・風雨、火災、発煙、ガス漏れ(防爆)、暗所など多様な環境を模擬
・土砂、泥濘、岩石、コンクリ片、倒木、車両、電柱、亀裂、陥没など多
様な障害を設置
・電源、LAN回線、計測カメラ、スピーカ、証明車、クレーン車、整備室
などの支援機器を設置
水中・水上ロボットエリア
□水没市街地[50×25×D1m]
□屋内水流付大深度水槽[30×12×D8m]
□屋内濁度調整水槽[5×3×D2m]
・屋内外の大型水槽での基本運動性能試験
・水中構造物を水没させての維持点検試験
・ダム・河川を想定した水流、濁度、明度を調整可能
・水没市街地、水没車両の捜索救助訓練
開発基礎エリア・基礎的な計測装置、耐環境試験装置、加工機
・電波暗室、3軸同時振動試験、防爆試験など特殊計測装置
・滞在者用の研究室、オフィス、TV会議室、宿泊施設、整備格納庫
(出所)福島県ロボット産業推進室

TheTRUCK2017年4月号28
車体メーカー訪問
社長にモノづくりに
経験豊富な中島氏が就任
『誠心誠意』と
『不易流行』がスローガン
昭和50年頃だったと記憶しているが、本誌を突然ひとりの男性が訪ねて来ら
れた。テーブルに写真と図面を広げて、開発したばかりのワンタッチ幌の説明
を熱心にされた。それが若かりし頃の㈱メイダイ、小幡鋹伸会長である。応対
した本誌の増田周作主幹は、スポンサーにアルミウイングのメーカーもあった
ことから、ライバルとなるワンタッチ幌をけんもほろろに批評した。しかし、
間もなくワンタッチ幌は側面開放車の代名詞になるほどの大ヒット商品になる
のである。筆者はその後、小幡会長との交流を深め、メイダイ発展の歴史を脳裏
に刻むことになる。トラック協会や豊田スタジアム、商工会議所など、公職が
多くなった小幡会長は、トヨタ自動車とダイハツ工業の生産管理で経験豊富な
中島栄治氏を社長に迎え入れる。時代が大きく移り変わる現代は、それに相応
しい経営者を迎える必要があると考えたのである。メイダイの社長に就任して
3年目、熱心に社内改革に取り組む中島社長にお話しを伺った。
(秋林路)
中島栄治
株式会社メイダイ
代表取締役社長

TheTRUCK2017年4月号29
中島栄治社長
志願して生産管理部へ
□秋林路 昭和23年のお生ま
れで、トヨタ、ダイハツを経て㈱メ
イダイという事ですが、トヨタへの
ご入社は何年ですか。
中 島 奈良高専(奈良工業
高等専門学校)を卒業して昭和
44年です。それから平成18年ま
で37年間勤務しました。
□秋林路 その間のヨタはモー
タリゼーションを経て世界のトヨ
タに大躍進する時代ですから、
経済界も注目の的です。主にどん
な分野をご担当されたのですか。
中 島 奈良高専の一期生
ですが、他の新入社員は優秀な
方が多くて、皆さんエンジン設計
とか車両設計をやりたいという方
が多かったのですが、私はそうい
うのがあまり好きでは無かったの
で、訳も分からずに生産管理を
志願して配属になりまして…以来
それ一本道です。
□秋林路 昭和44年ですと、私
とほぼ同世代です。私も高卒で
一度トヨタを受験した経緯があり
す。合格したのですがエンジニア
になりたかったので進学してしまい
ました。その後もヨタにはずっと
注目していたのですが、モータリ
ゼーシンを経てヨタの生産管理
は世界に轟きしたね。
中 島 正直、今だから言え
るのですが、それはトヨタの凄いと
ころです。私も内外のカーメーカー
の生産を見て来ましたけど、ヨタ
の生産管理は群を抜いています。
□秋林路 そうですね。でも、ご
入社当時のヨタの生産管理はま
だ世界の冠たるところまでは至っ
ていないですよね。当初はどんな
感じだったのですか。
中 島 私は入社して7年間
は新車進行管理を担当していま
た。具体的に申しますと、例えば
カローラという車種をモデルチェン
ジするとなると、生産準備をして、
ある時期が来ると量産を立ち上げ
る訳です。開発から生産に至るま
で、その間のプロセスを日程管理
する訳です。これは他のメーカー
には、無かった管理システムだと

TheTRUCK2017年4月号30
車体メーカー訪問
思います。
□秋林路 その新車進行管理の
次はどんなお仕事だったのですか。
中 島 同じ生産管理で、トヨ
タの表現では内外製と呼んでい
ますが、使用する部品を内製す
るか、外注するかを決める仕事で
す。ここが永かったのですが、私
が40代半ばで次長に昇格した時
に生産企画室が出来ました。ここ
は、部品だけではなくて車両をど
こで製造するべきか、といったプラ
ンを進めるところですが、海外展
開もここでやっていたのです。
□秋林路 それは世界のヨタ
に発展する中枢ですから、大変
なお仕事です。
中 島 そうですね。私は生
産を束ねる副社長の直轄スタッフ
でしたし、生産管理は大野耐一さ
んがやって来られたトヨタ生産方
式の本家でもありますから、良い
勉強をさせて頂きした。
□秋林路 大野さんの著書『ト
タ生産方式』(ダイヤモンド)を熟読
しました。私は物流の視点で読ま
せて頂いたのですが、やはり凄い
人だな、と思いました。
中 島 私の机はその大野さ
んのすぐ近くにありしたので、色々
なこを学ばさせて頂きした。
□秋林路 40年間近くトヨタの生
産管理に携わられて、今はどのよ
うに感じておられるのですか。
中 島 多くの部品メーカーさ
んやボデーメーカーさんと交流でき
ましたし、何よりもトヨタが大きく発
展する時期の生産管理に携わり
したので、誰にも経験できない仕
事をさせて頂いて、今はそれが私
の財産だと思っています。
□秋林路 それは幸せな事です
ね。生涯を通して誇りに思える仕
事に就ける人はそれ程多くはない
です。本誌はトラックを対象にして
来ましたので、トヨタは、今の法
人営業部の方々と交流して来ま
た。昭和50年前後には、当社
が主催する海外の自動車産業視
察団(呉越会)にも参加頂きした
が、皆さん勉強熱心でした。その
延長線に今のTECSがあります。
中 島 TECSはトヨタが品質
を保証した特装車シリーズです。
現在は車体メーカーさんにもご協
力頂いてシリーズが完成していま
すが、当初は全て内製でした。
□秋林路 そうですね。コール
ドチェーンが普及する段階で、ト
ヨタがあらゆる方式の定温管理
(保冷車、冷凍車)を内製でシ
リーズ化されましたので驚いたこと
があります。
中 島 トヨタのものづくりは、
先ずは全てを自分たちで創り上げ
るという思想があるのです。これ
も凄いことだと思います。
時代の要請にピッタリ
 合ったワンタッチ幌
□秋林路 ダイハツへの移動も生
産管理の関係ですか。
中 島 当時、ヨタの副社長
で上司だった方がダイハツに行っ
ておられましたので、そういう関
係もあったと思います。ダイハツ
でも役員として、生産管理や物
流を担当させて頂きました。それ
で、平成21年に還暦になりした
ので、ダイハツを退職した訳です
が、部品を輸送しております名古
屋東武陸運からお声がけ頂きまし
て移籍しました。私も出身が豊田
市ですし、大阪には単身赴任して
おりましたので、喜んでお受けさ
せて頂きした。(現在は同社の副
社長)それで初めて物流の世界に
身を置くことになったのですが、「グ
ループにワンタッチ幌のメイダイが
あるので、そちらの経営も見て欲
しい。とのご依頼で、3年前に社
長に就任しました。今は、名古屋
東武陸運とメイダイの両者の実務
を任せて頂いております。
□秋林路 それは素晴らしいご
縁だと思います。ワンタッチ幌は、
もともと普通トラクの荷役作業の
際に、幌かけ作業に時間がかか
るし荷台上作業で危険も伴う事
から考案されたものですが、自動
車部品の輸送に大活躍しましたの
で、トヨタ生産方式にも大きく貢
献したと思います。
中 島 その通りです。ちょ
どモータリゼーションと重なった時
期でしたので、部品の輸送と生産
ラインを繋ぐ接点がこれで大幅に
省力化されたと思います。
□秋林路 現在のウイングボデー
が普及する前ですし、まだ日本は
幌車が主流でしたので、油圧も
使わずにワンタッチで幌車の側面
を開閉する発明は画期的だったと
思います。

TheTRUCK2017年4月号31
■ワンタッチ幌(STD・Cスペック)
特徴ロープ1本で開閉でき、故障もなく丈夫で軽い
Cスペックは操作性に優れ、積載効率UP
ロングセラー商品
対象
トレーラー、大型、中型
オプション
軽量油圧(MMP)を併用した自動タイプ有
(商品名:サクシード)
中 島 今はメイダイの社長で
すから、こういう事を言うと我田引
水になりますが、よほど現場に精
通していないと出て来ない発想だ
と思います。
□秋林路 私もワンタッチ幌の開
発経緯は以前に小幡会長から伺っ
たことがありますが、現場の作業
を見ていて、ドライバーにこれほど
危険な仕事をさせてはいけない。
と考えて思いついたそうです。
中 島 それほど熱心だった
のだと思います。
□秋林路 その後の販売方法
も、車体メーカーをグループ化し
た販売代理店を窓口にされました
ので、お客様との接点が全国に
広がり、一気に普及しました。ち
ど物流ではユニッロードが進展
する時期でもありましたので、パ
レタイゼーション、荷役の機械化
にも大きく貢献しました。そういう
意味では、これまでのメイダイさん
は、小幡会長の着眼点も良かっ
たけれども、物が量産化されて経
済も進展し、その物流にピッタリ
合ったという点で、タイミングも良
かったと思います。ただ、これか
ら先は新たな課題に直面するの
ではないかと思います。
中 島 その通りです。当社
も物づくりの現場をもっていますの
で、原点に立ち戻って先ずは良
い商品を開発する。ここがスター
トだと社内で話しているところで
す。何しろ売れる商品がない事に
は商売になりません。商品は開
発がないと造れないし、販売
商品がないと売れません。だから
モノづくりを大事にしなければ
ならないのです。
『誠心誠意』
『不易流行』
□秋林路 そうですね。メイダイ
はワンタッチ幌があったから、ここ
まで会社も伸びて来たと思います。
中 島 私がメイダイの社長に
就任した時に最初に社員に話した
のは、何よもお客様第一『誠心
誠意』だ。この気持を絶対に忘れ
てはいけない。それと、スローガ
ンにも掲げております『不易流行』
です。これは、「いつまでも変化し
ない本質的なものを忘れない中に
も、新しく変化を重ねているものを
も取り入れていくこと。また、新味

TheTRUCK2017年4月号32
■オープンスライダー
特徴全開放型ホロ、天井クレーンに完全対応
ホロと同時に観音扉も動きます。
シート掛け不用による安全性、荷役効率向上
対象
トレーラー、大型
オプション
アオリ無しタイプも架装可能
他多数有ご相談ください
車体メーカー訪問
を求めて変化を重ねていく流行性
こそが不易の本質である。という
事で、私が好きな言葉でもあり
すが、大変難しい事でもあります。
□秋林路 確かに必要に応じて
現状を変える事は、勇気が伴い
ます。
中 島 そうですね。ただ流
れない水は腐ってしまいますか
ら、同じことを延々続けていては、
世の中の動きについて行けなく
なって、敗北してしまいます。そ
の為には、問題意識を持たない
事には変えられないんです。この
問題意識は事実をしっかりと把握
しないと持てないものです。
□秋林路 私も駆け出し記者の
頃に「問題意識をしっかり持て」
編集長から何度も叱られた覚えが
あります。
中 島 この問題意識にも二
つあるんですね。ひとつは、ある
べき姿に対して、今のレベルはど
うなのか比較してみる。このギャ
プが問題だという意識。もうひと
つは、一定のレベルがあって、そ
のレベルよも現状が乖離してい
れば問題です。具体的には、お
客様に提供した商品はクレームが
あってはなりませんから、クレーム
が発生すればそれは問題です。
更に、そのクレームに対しても場
当たり的な対応では改善になり
せん。これまでは、そういう点で
やや甘いところがありました。ト
タでは問題が発生するとなぜ
を5回くり返せ」と指導していま
す。そうすると、クレームが発生
した真因に達します。その根本
原因に対して対策を講じれば、再
発防止になるのです。
□秋林路 確かにそうですね。
ただ、この車体産業はトヨタの品
質管理に比べると、大きな格差が
あると思います。それは、あまりに
も少量多品種だからだと思います
ね。場合によっては試作品レベル
のものをそのままユーザーに使っ
て頂く場合もあります。用途が限
定される場合には、顧客が使う
プロセスで不具合が生じたら、そ
こを改良して完成度を上げてゆく
ケースもあります。その辺りが産
業の成熟度になると思うのです
が、量産化レベルまで完成度が
高くなると、社会への貢献度は高
なるのですが、ビジネスとしては
薄利になります。アルミのウイング
ボデーはそういうレベルに近づい
ていますから、小さな車体メーカー
では採算が合わななっています。
中 島 確かに現実はそうです
ね。ただ、物づくりの基本は同じ
ですから、先ずは上に立つ人の意
識改革が必要だと考えています。
□秋林路 大企業と中小では人
材の問題もあります。中小はよほ
ど運が良くないと良い人材に巡り
会いません。
中 島 それもその通りです
が、その人材の中でベストを尽
くさないと、競争には勝てませ
ん。基本はOJT(OntheJob
Training=仕事の現場で業務に
必要な知識や技術を習得させる
研修)です。このOJTの中で、
どこまでそういう事をやって来たか
が問われるんです。

TheTRUCK2017年4月号33
■2段ウイング
特徴通常開閉と天井が低い場所での開閉が可能
対象トレーラー、大型、中型
オプション
ご相談下さい
□秋林路 ワンタッチ幌が考案さ
れたプロセスは、マーケッティング
をして、売れる商品を徹底研究し
て開発されたものではないですよ
ね。小さい会社の良さは小回り
効かせて、お客様の情報にも耳
を傾けて、求められる物を出来る
だけ早く提供することではないか
と思います。中小の車体メーカー
にはそういう宿命のようなものを感
じます。その点はいかがですか。
中 島 確かにアルミウイング
は量的に伸びているのですが、
実はこのワンタッチ幌も、故障しな
い、油漏れの心配がないなど、
部品輸送などでも高く評価されて
います。それで、私はこの評価
されている部分に更に磨きをかけ
て品質向上に取り組んでいるんで
す。しかもこの点は抜本的にスピー
ドをもってやり抜きます。
□秋林路 それは楽しみです。
女性ドライバーも多くなる時代です
し、車両ニーズも変化する時代で
すから、ここは『不易流行』流
行ですね。
中 島 ともあれ軽くて安いも
のを徹底的に追求しています。
それと、荷台を全面開放するオー
プンスライダーも認知度が上がっ
て来ましたので、少し小さいタイ
プの開発にも着手しています。
□秋林路 小さい車といえば、
最近は軽自動車の保有が伸びて
いるようです。
中 島 オープンスライダー
は軽自動車にはどうかと思います
が、ワンタッチ幌は「あけたろう」
軽自動車用に開発しています。山
間部や漁村部は圧倒的に軽自動
車が多いので、期待しているとこ
ろです。
アフターマーケッ
 にも期待
□秋林路 以前「潮目が変わる
時こそビジネスチャンス」と述べて
いる経済評論家がいました。潮
目とは時代変化の事だと思います
が、最近は産業革命以来の大変
化を感じる事があります。人工頭
脳とか、IOTとか、宇宙との関係
とか、何百年のスパンで変化が起
きているのではないかと思います。
中 島 そういう変化もありま
すが、現実を見ますと、この少子
高齢化は、どんどん進行しますの
で、これから暫くは人口も増えな
いし、経済規模も日本は右肩下
がりになるのではないかと思いま
す。そういう時代背景を考えます
と、新車対応の商品だけやって
いたのでは、ジリ貧になってしま
います。これからは修理やサービ
ス、中古車も含めてビジネスのあ
り方を考える必要があるのではな
いか、と思っています。
□秋林路 所謂、アターマーケッ
トの世界ですが、実はトラックの
メーカーも非常に重要視していま
して、販売した車両をいかに故障
させないで走り続けさせるかに取
り組んでいます。トラックは運行中
に止まってしまうと、積載物の関
係もあるので大変な事になってし
まいます。ですから、トラブルが
発生する前に故障を予知して、
早めに部品交換するなどの対策
を進めています。
中 島 これからは新車がどん
どん増える事はなくても、実際に
走っているトラックは沢山あります
から、その市場を我々もビジネス
対象にしたいと考えているのです。

TheTRUCK2017年4月号34
■ME'B(メイビーウイング)
特徴堅牢性に優れた、中型専用のアルミウイング
対象中型車
オプション
羽根の内張り等、他多数用意してあります
■小型ワンタッチ幌
特徴メーカー完成車にも二次架装で対応
対象小型車
オプション
リヤ形状は観音、カーテン等、他多数用意して有ります
車体メーカー訪問
□秋林路 実は2011年に開催
したトラックショーでは『リニューア
ルトラックフェア』を同時開催しまし
た。これは、中古車販売のグルー
プが結束して展示したものです
が、仕入れた中古車をそのまま横
流しするのではなくて、用途に合
わせて車体をリニューアルして付
加価値をつけて再販するビジネス
ですが、大変話題になりました。
中 島 そういう事なんです。
わが社のグループにも、修理点検
などを扱うオバタ産業があります
ので、何らかの形でアフターマー
ケットに働きかけたいと考えている
んです。
□秋林路 何か具体的な活動が
あるのですか。
中 島 実は、今期からメイ
ダイムービングサービス=MMSと
名付けた活動を展開しているので
す。これまでは、対象車両を一
度持ち帰って修理していたのです
が、幌の補修とか簡単な溶接も
こちらからサービス車両で出かけ
て、お客様の現地で行うようにし
ています。こちらから出向くと、お
客様と色々な対話が出来るし、次
のビジネスに繋がる可能性もあり
す。最初は近場のお客様だけが
対象でしたが、最近は少し遠く
で出かけるようになって来ました。
□秋林路 それは中島社長様の
発案なのですか。
中 島 実は、若い人達を対
象に、ブレイクスルーのプロジェク
トをつくましてアイディアを出して
もらったのです。その中のひとつ
なのですが、私は良いアイディ
だと思いましたね。加えて、住宅
部門でもリフォームで何か良いアイ
ディアはないか検討を進めている
ところです。私としては、こういう
場を提供することで活性化を図り
たいと考えている訳です。
□秋林路 それは楽しみです
ね。若い皆さんも自分達が発案し
た事が、会社の新しい仕事にな
ればやり甲斐があると思います。
経営改善の面でも何か取り組んで
おられる事はあるのですか。
中 島 大きい会社とはレベル
が違いますが、先ずは予算管理
をしっかりやりなさい、と言ってま
す。年度初めには、今期はどん
な事をるので、どれだけのお金が
必要なのか、そういう事をキチン
とやる。そうしますと、途中で予
算が食い違ってきます。そこで、
なぜそうなったのか詳しく分析し
て記録していきます。これを重ね
ると、事業計画と予算が次第に
合ってくるようになるのです。
 それと、経営の面では、目標(方
針)管理です。当然、事業計画と
もリンクしていますので、四半期毎
に見直しをしながら進めています。
トヨタ、ダイハツに比べるとはるかに
小さな組織ですが、やるべき事は
ちゃんとやろと考えているのです。
□秋林路 今後の展開ですが、
国土交通省は人手が足りなくなる

TheTRUCK2017年4月号35
簡易組み立て式の軽四専用の幌ウイング
ひさしの効果があるので移動展示販売などに最適です
■あけたろー(後部)
ので、乗り継ぎ方式とかレーラに
よる大量輸送とか、推進しようとし
ています。この変化には何か対
応をお考えですか。
中 島 具体的な内容を申し
上げる訳にはいきませんが、レー
ラによる大量輸送は促進されると
思いますので、当社のワンタッチ
幌が活用されるように、商品開発
も営業力も強化しなければいけな
いと考えています。
□秋林路 ワンタッチ幌は電源が
なくても人力で開閉できるので、ト
レーラに対しては油圧のウイングよ
も有利だと思います。
中 島 それも商品の特長で
すので大いにアピールしていきた
いですね。
□秋林路 ASEANがひとつに
なって、近い将来経済発展する
のではないか、という人も居ます
が、海外戦略はいかがですか。
中 島 これまでタイとインドネ
シアには少しアタックしたのです
が、実績はないんです。色々調
査は必要だと思いますが、防犯
の問題もあると聴いています。た
だ、あちらには小さい車両が沢山
走っているので、『あけたろう』のよ
うな商品も面白いのではないかと
思っています。
乱読の読書、
 見るだけの囲碁と将棋
□秋林路 最後にスポーツとか、
ご趣味も伺いたいのですが…。
中 島 とくに打ち込んでいる
スポーツはないのですが、スポー
ツは全般に好きで、若い時分に
野球も少しやりした。今はもっぱ
らゴルフです。
□秋林路 ゴルフと言いますと、
小幡会長は3回もホールインワン
を達成なさっていますので、別格
ですね。
中 島 そうですね。ゴルフも
上手で趣味も多彩な方です。実
は私もホールインワンは2回あるん
ですよ。(笑)
□秋林路 そうですか。そんな
に簡単に入るものですかね。
中 島 そうですね、ある程
度確率もあると思いますが、運が
左右すると思います.長年やって
上手な人でも一度もホールインワン
のない人は沢山おられます。
□秋林路 私は10年ほどのキャ
リアですが、一度も経験があり
せん。運がないのかも知れません
(笑)。ご趣味はいかがですか。
■中 島 それ程高尚なものは
ありませんが、読書は好きです。
それも乱読といいますか、手当た
り次第何でも読みます。それと、
今はほとんどやりませんが、若いと
きは麻雀をよやりした。(笑)
□秋林路 私は経験ないのです
が、若い時分は皆さん麻雀に熱
中していました。今日のようにパソ
コンのゲームも無かったので、唯
一のレジャーだったのかも知れま
せん。囲碁とか将棋をやる機会は
なかったのですか。
中 島 実は、NHKの囲碁
や将棋の番組はよく観るんです。
□秋林路 という事は、ゲームの
ルールや勝敗は判るわけですね。
中 島 それは判ります。自分
だと、次の手はここだと予想しな
がら見ますので、それなりに楽し
い訳です。
□秋林路 それでしたら、対局も
まったく問題ないです。私は囲碁
は3年目位に日本棋院で初段を
獲得しましたから、何時でもお手
合わせ大丈夫です。楽しみにし
ています(笑)。本日はお忙しいと
ころ有難う御座いました。

TheTRUCK2017年4月号36
けの中型トラックである。クローナーは、あらゆる業
界・地域のビジネスニーズに合わせて他に類を見な
い自由な組み合わせが可能で、同じコンセプトにより
2013年に発売された大型トラック「クエスター」とあ
わせ、UDトラックスの新興国市場向け商品ラインナッ
プが一段と拡充したことになる。
 3月1日にバンコクで行われたメディアデーには、
アジア・中東・アフリカなど世界9各国・地域から、
 UDトラックスは2017年3月1日から4日にわ
たり、タイの首都バンコク郊外のUDトラックスタイ
ランドにて、新中型トラック「Croner(クローナー)」
のグローバル発表イベントを開催した。4日間にわた
るイベントには、各国からのトラック運送事業者・報
道関係者ら約600名を含む、社内外あわせて合計
約900名が参加した。
 新興国市場向けにUDトラックスが開発したクロー
ナーは、生産性や稼働率向上を実現するための幅
広いカスタマイズが可能な新しい思想の中型トラック
で、「時代が求めるトラック」造りで培ってきたUDト
ラックスの歴史を継承する新型車になる。今後、ク
ローナーは、アジアやアフリカ、中東、南米の成長
市場向けに投入する計画となっている。
 クローナーは、UDトラックスの得意とする日本企
業ならではの品質管理と熟練技術、ボルボ・グルー
プが保有する世界最高レベルの技術力と調達力の活
用、そして現地に根付いた生産とサポート体制とい
う3つの強みの粋を集めて生み出された新興市場向
UDトラックスが新型車を発表
新興国向け新中型トラック「クローナー」
グローバル発表イベントをタイで開催
ユーザーの生産性を最大に引き出す新発想の中型トラック

TheTRUCK2017年4月号37

新型車クローナーを中心にしてのUDトラックス首脳陣たちの記念ショット
TheTRUCK2017年4月号38
組みあわせ、クローナーの商品の魅力とUDトラック
スの哲学の一端も紹介していた。また発表会後、希
望する報道関係者を対象に、クローナーとクエスター
を生産するUDトラックスのバンコク工場(タイ、バ
ンナー区)の見学会が行われた。バンコク工場は、
UDトラックス上尾工場の姉妹工場であり、特に工程
管理・品質管理の面において、上尾のモノづくりの
精神と製造ノウハウがふんだんに投入されている。
 クローナーは、3月上旬にタイ向けの第一号車の
納車が行われ、その後順次アジアやアフリカ、中東、
および南米の新興国市場への輸出が開始されること
になっている。
67社約90名の報道関係者が集まった。
 メディアデーの冒頭で挨拶したUDトラックスの村
上吉弘代表取締役社長は、「クローナーには、UDト
ラックスの持つこれまでの知見に加え、クエスターの
ビジネスで新たに培ったノウハウ・現地のお客様から
の声が反映されています。クローナーは、まさに現
代の新興国市場における󰱐現場”・󰱐お客様”の求め
トラックだと自負しています」と語った。
 当日は商品発表のほかに、クローナーのもつ優
位性をそれぞれ体感してもらうために4つのプレゼン
テーション(生産性、稼働率耐久性、アフターマーケッ
トサポート、省燃費性能・操作性)、そして試乗会を
UDトラックスが新型車を発表

発表会会場に並べられた各タイプ別のクローナー
プレス発表ではクローナーの優れた特長が説明された
TheTRUCK2017年4月号39
 なお、新中型トラック「クローナ―」には次のような
商品ポイントがある。
なにより貴重なユーザーの「時間」
 クローナーを開発するにあたりUDトラックスは、
現地のユーザーのビジネスニーズを理解した上で、
「いかにお客様の無駄な時間を排除し、ビジネスに
注力する環境づくりに寄与することが出来るか」を最
優先とした。クローナーという名前はギリシャ神話の
“時の神”に由来するが、これにもUDトラックスが
ユーザーの「時間」を貴重なものと考える思いが込め
られている。
 VolvoGroupTrucksAsia&JVsSalesプレ
ジデントのジャック・ミシェル氏は、「シンプルにメンテ
ナンス時間を減らして稼働時間を増やせば、お客様
のビジネスの成功につながるとUDトラックスは考え
ます。すなわち、私たちがクローナーで目指したの
は、“お客様の時間を一瞬たりとも無駄にしないトラッ
ク”です」と述べている。
 さらに、ジャック・ミシェル氏は、「クローナーは、
UDトラックスの得意とする日本企業ならではの品質
管理と熟練技術、ボルボ・グループが保有する世界
最高レベルの技術力と調達力の活用、そして現地に

イベントでは試乗会も行われた
TheTRUCK2017年4月号40
掲げるブランドプロミス(ユーザーとの約束)「Going
theExtraMileその一歩先へ」を形にしたトラックで
ある。
多彩なバリエーション
 クローナーには車両総重量(GVW)別に、MKE
(10.4〜11トン)、LKE(12〜14トン)、PKE(15
〜17トン)という3つのモデルがあり、各モデルに応
じて、6つの基本ホイールベース長(PKEではロン
グホイールベースも選択可能)、3種類のエンジン出
力が選択可能な5リッターエンジンと、同じく2種
類が選択可能な8リッターエンジン、6速と9速の
マニュアルトランスミッションとオートマチックトランス
ミッション、通常タイプとスリーパータイプのキャブデ
ザイン、PTO、多彩なアクスルアレンジメント、精
密機器などの積荷を保護するために有効なエアーサ
スペンションなど幅広いバリエーションとオプションを
用意。新興国市場向け大型トラック「クエスター」
同様に、あらゆる業界・地域のビジネスニーズに合
わせて他に類を見ない自由な組み合わせを可能にし
ている。
ドライバーへの配慮
 クローナーは、1日の大半を運転席で過ごすドライ
バーのために、安全性や操作性が今まで以上に配慮
されている。例えば、優れたブレーキとハンドリング
性能は、車両の挙動を安定させ、ドライバーを無用
なストレスから解放することになる。
 そして、オプション設定されたオートマチックトラン
ミッションも、クローナーに対するUDトラックスの
考えを示す特長のひとつとなっている。
 UDトラックスの岸伸彦ブランド&プロダクトシニ
ア・バイスプレジデントは、「クローナーのオートマチッ
トランスミッションは、日本と同じく深刻なドライバー
不足に直面している南アフリカのような市場で極めて
重要なオプションになり得ます。オートマチックトラン
スミッションにより運転が楽になり、ベテランから新
人までドライバーの疲労を軽減することにより、お客
様のドライバー確保に貢献できると考えています。同
様にアジア地域でも、クラッチレスゆえに長期的には
メンテナンスコストと休止時間の大幅な削減が期待で
根付いた生産とサポート体制という、3つの強みの
粋を集めて生み出されました。さらにはUDトラック
スのコアバリュー“UltimateDependability(究極
の信頼)”や、創業以来受け継がれているプロ意識、
情熱、そして信頼というUDトラックスの精神である
“現場スピリット”があらゆる要素に取り入れられてい
ます。コンポーネントの一つひとつが何年にもわたる
開発や厳しいテストの結果なのです。まさに日本のモ
ノづくり、すなわち高品質の追求を具現化していま
す」とUDトラックスの妥協を許さないモノづくり精神
を強調した。
ユーザーのビジネスを「一歩先へ」
 クローナーの多様な機能・オプション、優れた安全
性・操作性、省燃費性能、耐久性そしてメンテナン
スの容易さは、幅広い市場において、ユーザーの生
産性や稼働率の向上を実現させる。UDトラックスの
他のモデルと同じく、クローナーもUDトラックスが
UDトラックスが新型車を発表

TheTRUCK2017年4月号41
きるオートマチックトランスミッションは市場の流れを
変え得ると見ています」と述べている。
燃費性能
 車両を多数保有するオーナーにとって、トラックの
数や走行距離に比例して増加する燃料代は大きな支
出となる。
 岸シニア・バイスプレジデントは省燃費性能につい
て、「クローナーは、新興国市場における中型トラッ
ク燃費性能水準を一段引き上げたと言えます。燃料
噴射量とタイミングを最適にコントロールする新しい
GHEエンジンシリーズ、オートマチックトランスミッ
ション、省燃費運転コーチングシステム、CD値を5%
削減し空力性能を改善したキャブなどにより、クロー
ナーは燃料を効率よく使用します」と説明した。
UDエクストラマイルサポー
 クローナーの各コンポーネントの頑丈さにUDトラッ
クスは自信を持っている。また、一新した駆動系や
新しいシャシーなどにより、整備のインターバルを長
くすることも可能にしている。こうした車両自体の信
頼性に加え、UDトラックスは、UD純正整備・純正
部品、UDドライバートレーニング、「UDトラスト」サー
ビス契約といった、包括的なUDエクストラマイルサ
ポートを提供し、ユーザーの稼働率向上を実現させ
ていくとしている。
 さらに、エクストラマイルサポートに加えて、UDト
ラックスは先進的なテレマティクスソリューションを提
供している。ユーザーに情報をリアルタイムで発信
し、ユーザーの車両運行を改善できるようにレポート
の提供も行っている。ユーザーの車両とUDトラック
スの整備拠点をつなぐことで、UDトラックスはユー
ザーに対してタイムリーかつ継続的なサポートを実現
させることになる。
  ◇   ◇   ◇   ◇
 1935年に設立されたUDトラックスは包括的な
輸送ソリューションを提供する日本の商用車ブランド
で、2007年以降ボルボ・グループの一員として、
日本に本拠を置き、国内のみならず世界60ヵ国以
上に販売ネットワークを展開している。

人物紹介
TheTRUCK2017年4月号42
 昨年6月に常務理事に昇格した公益社団法人全
日本トラック協会(以下、全ト協)の永嶋功氏に、
このほど発刊された「事業用ドライバー研修テキ
スト」についてインタビュー取材した。
事業用トラックドライバー研修
 テキスト
□秋林路 全ト協が制作し日本貨物運送協同組合
(日貨協連)から販売されている『事業用トラック
ドライバー研修テキスト』が話題になっています
が、そもそもどのような経緯で作られたのですか。
永 嶋 この『事業用トラックドライバー研修
テキスト』は、準中型免許の創設に伴い、国土交
通省とトラック業界が協働して、ハード、ソフト
の両面から総合安全対策を講ずることししてお
り、その一環として作られたものです。
 国土交通省は昨年、「貨物自動車運送事業者が事
業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の
指針」(告示)を改正し、この3月に施行しました。
この指導・監督指針は、トラック事業者が運転者
に対して、法令に基づき運転者が遵守すべき事項
に関する知識のほか、トラックの運行の安全を確
保するために必要な運転に関する技能・知識を習
得させることを目的としています。
 今回の改正では、指導項目が従来の11項目から
12項目に増え、「安全性の向上を図るためのASV
などの装着車両の適切な運転方法」が新たに加え
られました。また、新たに「交通事故統計を活用
した教育」「緊急時における適切な対応」などの内
容が追加されたほか、近年増加傾向にある健康起
因事故への対応についても盛り込まれています。
 最も大きな改正は、特定の運転者に対する特別な
指導について、とりわけ「初任運転者」について、よ
り決め細やかな指導を行う必要があり、これらの指
導12項目について、採用時に15時間以上の座学教
育が義務化されたことです。また、実際にトラック
を運転させて安全な運転方法を体得させる実技指導
についても、従来の努力義務から、20時間以上の
添乗等による指導が義務付けされました。
 このテキストは、こうした指導・監督指針に会
員事業者の方々が適切に対応できるように、ドラ
業界初の総合的なドライバー向け教材
『事業用トラックドライバー
研修テキスト』を編纂
公益社団法人全日本トラック協会
常務理事永嶋功氏

TheTRUCK2017年4月号43
完成したテキストを前に説明する永嶋常務理事 
イバー向けの教材として全ト協が新たに制作した
ものです。
□秋林路 12項目の内容はずいぶん多岐にわ
たっており、これだけの教材をトラック事業者が
自ら用意するのは大変ですね。
永 嶋 ご存じのとおり、わが業界の大半が
中小企業です。こうした内容を教える手間や時間
は非常に大きな負担となります。これまでも、各
項目についての小冊子やテキストはそれなりには
存在してはいますが、これらを集めて個々の事業
者の方が資料として作ることは非常に困難です。
そこで、全ト協としてこれまでのテキストや啓発
物を集大成してさらに充実させ、指導指針に対応
可能な教材として発行することにしたものです。
全国のトラックドライバーの「座右の書」として普
及し、安全対策や輸送品質の向上に資することが
期待されます。
□秋林路 折角制作したテキストを、今後どのよ
うな形で広めるのでしょうか。
永 嶋 このテキストは指導・監督指針にあ
る12項目を10冊分冊に収め、全ト協会員専用
ホームページでもPDFファイルとして公開して
います。ただ、全体で600ページ以上にも及ぶ膨
大なものになりますので、これを個々の事業所で
ダウンロードして、カラー印刷するのは結構なコ
ストと手間を要することになります。そこで、日
本貨物運送協同組合(日貨協連)の力を借りて、同
連合会が出版物として大量に制作し、廉価で販売
する仕組みが作られました。因みに、会員向けの
1月の先行予約販売時にはテキストの1セットを
3000円とし、これについては全国から約4万セッ
トの注文を受けています。今後は第2版として注

人物紹介
TheTRUCK2017年4月号44
文を受けることになり、会員向けには5000円と
いう価格が設定されています。事業用トラックド
ライバーは80万人いますので、テキストの本格
的な普及はむしろこれからです。
□秋林路 テキストの特徴はどのようなもので
しょうか。
永 嶋 このテキストは、指導、監督指針の内
容を網羅していることはもちろん、千枚以上の図
表やイラストを駆使して、「読みやすく、分かり
易い」をモットーに各項目について解説していま
す。トラック事業は、同じ自動車輸送のバスやタ
クシーなどに比べて業態が千差万別であり、関連
法規やその知識、用語も多岐に及びます。これら
について、難しい書き方をしたのではドライバー
の方に読んでもらえません。
 そこで、文体もできるだけ平易なものにして、
中高の教科書のような言葉遣いにしています。た
だ、法律を図表で細かく解説するのはなかなか難
しく、第二分冊については、どうしても文字が多
くなってしまいました。
 因みに、10分冊のタイトルはそれぞれ次のよ
うになっています。
①トラックドライバーの心構え
②トラック運送事業と関係法令
③ドライバーの日常業務と運行管理
④過労運転の防止と緊急時の対応
⑤トラックの構造と特性に合わせた運転
⑥トラクタとトレーラの構造と特性に合わせた
 運転
⑦貨物の正しい積載方法と労働災害の防止
⑧危険物輸送を輸送する場合に留意すべき事項
⑨危険の予測及び回避
⑩安全運転のための心身の健康管理
□秋林路 一般に関わりの薄い危険物やトレーラ
など、特殊な輸送に関する項目もあるようですが。
永 嶋 例えば、第8分冊は危険物輸送につ
いて解説しています。確かに一般的な輸送形態
ではあまり関係ないと思われがちです。ところ
が、危険物を輸送する機会がほとんどないとさ
れる食料品輸送などでも、例えばビールなどの

TheTRUCK2017年4月号45
㌟㏆࡟࠶ࡿ༴㝤≀࡜᭷ᐖ≀㉁
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ƷưҗЎƳදॖƕ࣏ᙲưƢŵ
஦ᨾ஦౛ձ㸸✚Ⲵࡢ⇞↝࡟ࡼࡿ኱஦ᨾ
ųᡮࡇឬᢅƷƨNJǫȸȖǛ୺ƕǓƖǕƣƴ್᠃ƠƨǿȳǯȭȸȪȸƕŴᬍᣃ᭗ᡮᲯ
ӭዴƷᢊែُͨƴᘔᆳƠŴ฼᠍ƠƯƍƨǬǽȪȳƱ᠉඗ưែ᩿ǍُͨƳƲƕૠႊȡ
ȸȈȫƴǘƨƬƯ༓ƑŴᨩ੗ƢǔȞȳǷȧȳƷٳُNj໲ƚǔƳƲƠƨŵμ᩿ࣄ଒Ơ
ƨƷƸଐࢸƱƍƏٻʙ૏ƴŵ
஦ᨾ஦౛ղ㸸㐠㌿⪅ࡀ₃ὤࡋࡓ๻≀࡟ゐࢀ࡚⑓㝔࡟ᦙ㏦
ųȈȩȃǯƷᒵӨƔǒ൦ᣠ҄ȊȈȪǦȠᲢᲟᲣƕλƬƨܾ֥ƕᓳɦƠŴܾ֥ƕᄊ
੷ƠƯ൦ᣠ҄ȊȈȪǦȠኖȪȃȈȫƕែɥƴ්Јŵ൦ᣠ҄ȊȈȪǦȠƴᚑǕƨᢃ
᠃ᎍᲫӸƕ၏ᨈƴ੿ᡛŵ
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ᐙᗞ
࢜࢖ࣝ
ⅉἜ
第8分冊「危険物輸送で留意すべき事項」
全ト協の参考様式「初任運転者教育指導記録簿」(見本)
輸送などでは酸素ボンベを扱うため、高圧ガス
の標識を必要とするケースがあります。また、
運行途中で危険物や毒物の標識を掲げた車両に
遭遇することは良くありますが、相手車両のこ
うした標識が何を意味するかぐらいは知ってお
く必要があると考えます。
 実は、危険物や毒物など、有害性のある製品は
意外にも身近に数多く存在しています。石油製品
やガス類はもともと危険物として認識されていま
すが、家庭にある農薬や接着剤も、量によっては、
危険物の対象になります。こうした製品を知らず
に一般の貨物として輸送してしまうということも
あるかも知れません。特に、資材関連の輸送品目
では、有害物質に該当するものが少なくありませ
ん。危険物をはじめ、毒物や劇物とは一体何なの
かをこの際、知っておくことも必要と考えます。
 トレーラに関しても同様のことが言えます。ト
レーラは特殊な構造故に、転回や制動などでも特
殊な動きが生じます。実際に運転をしなくても、
道路上でトレーラに遭遇した際に、相手に起こり
うるジャックナイフやトレーラスイングと言われ
る現象についても、知っておくことが防衛運転に
もつながります。
□秋林路 このテキストは一通り目を通しました
が、確かに実に良くまとまっていると思います。
ただ、それでも教えきれないという事業者もあろ
うかと思います。トラック協会の初任者教育研修
体制はどうなっていますか。
永 嶋 各都道府県トラック協会では、今年度
からそれぞれ独自の研修プログラムを作って、座
学研修などを実施することにしています。例え
ば、岐阜県トラック協会では適正化の指導員が初
任研修講座の講師となって、座学研修を行うこと
にしています。また、静岡県トラック協会では地
域の教習所と提携して、初任研修の受け入れを
行っています。地方協会によってはまだ検討中と
いうところもありますが、なんらかの形で会員事
業者向けの研修を実施したいとしています。
□秋林路 このような研修を実施した際に記録を
残す必要があると思うのですが、どのようにすれ
ば良いのですが。
永 嶋 指導教育にあたっては、「貨物自動車運

人物紹介
TheTRUCK2017年4月号46
送事業輸送安全規則」によって、その内容を記録
し、3年間保管しなければならないことになって
います。しかし、こうした15時間の座学や実技
指導のための詳細な記録の作成はかなり手間がか
かる仕事です。このため、全ト協では参考様式と
して「初任運転者教育指導記録簿」というのを新た
に作りました。これは、初任運転者などを雇い入
れた際に、健康診断や適性診断などの実施日を記
載するほか、座学や実車指導などの内容について
チェック方式によって記入を容易にして、文章的
な記述はできるだけ最低限のものにとどめていま
す。記録業務を効率化し、管理者の負担を軽減す
ることが目的です。また、安全運転の実技指導に
ついても、独自に50の指導項目を示し、これら
について、5段階評価することで安全技能の見極
めが可能になっています。
□秋林路 諸外国ではプロドライバーになるため
には長時間の教育訓練が義務づけられていると聞
きますが。
永 嶋 アメリカでは、トラックドライバー
として働くためには、自動車運転免許のほかに、
CDL=CommercialDriverʼsLisence(職業運転免
許)が必要です。厳しい訓練を受けて試験に合格
しなければなりません。また、EUではCPC=
DriverCertificateofProfessionalCompetence(職
業運転者証明)が必要で、このために140時間の講
習が必要ですし、こうした教育訓練を行うトラッ
クドライバー向けの訓練施設なども数多くあると
聞いています。それに引き換え、わが国では長期
間の訓練を行う専門的、本格的なトラックドライ
バーの養成機関のようなものはほとんどありませ
ん。このため、一部の大手企業などを除いて、日
本の多くのトラックドライバーには講習機会が与
えられてこなかったのが現状ではないでしょうか。
 一方、人手不足が一層深刻化するなかで、若い
人については業種を超えて奪い合いという状況に
あります。そこで人材を輩出する側の高等学校な
どでも、進路指導にあたっては、就業後の人材育
成やキャリア形成の如何がポイントになると訴え
ています。中小企業ではなかなか困難な話ではあ
りますが、特に若い人については、教育訓練機会
の増大が望まれるところです。
【取材を終えて】
 トラック運送事業は、トラック事業法はもとよ
り、道交法、道路運送車両法と車両の保安規準、道
路法、改善基準など、数多くの法規制に関係してい
る。ドライバーも法令順守のために一定の法令や制
度理解が必要だ。ただ、これらを理解し指導するこ
とはなかなか容易ではない。その点、この『事業用
トラックドライバー研修テキスト』はこれらの事項
について、トラックドライバー向けにコンパクトに
まとめられており、初めて業界に入ったドライバー
にもわかりやすくまとめられている。また、ドライ
バーに限らず、トラック輸送産業に関係する全ての
新人の教材としても最適である。
 運送会社に勤務するトラックドライバーをこ
れまで何人も取材してきたが、比較的優良な取
材先の会社では、言葉使いや礼儀・挨拶も素晴
らしい方が多い。会社としても事故は命取りに
なるし、ドライバーが向かう先は大切なお客様
なので、ドライバー教育に力を入れている成果
かも知れない。
 しかし、一般社会がトラックドライバーに抱い
ているイメージは、乱暴な言葉遣いの“トラック
野郎”である。飛行機パイロットにエリートのイ
メージがあるのとは大違いである。トラックドラ
イバーが一定の社会的地位を確立するには、まだ
時間がかかるかもしれないが、こうしたテキスト
や教育機会を通じて専門知識を身につければ、プ
ライドも持てるようになる筈で、その意味でもこ
の『事業用トラックドライバー研修テキスト』を全
ト協が編纂した意義は大きい。
(秋林路)

TheTRUCK2017年4月号48
図1:経産省時代に提案したスマートハウスの構想
第6回 AIや自動運転が満載の
“銀色”の世界は人類を豊かに
できるのか?
(前編)
    
伊藤慎介の“T
󱤋󱥄󱣱
alkI
󱣥󱣽
sC
󱤄󱥄󱤚
heap”
〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 
×
共同企画
 AI、機械学習、ロボット、自動運転、IoT
(InternetofThings=モノのインターネッ
ト)。経済紙や経済雑誌を読んでいるとこういう
キーワードが頻繁に登場し、これらのキーワード
に関する取り組みをしている企業に未来があるよ
うな印象を受ける。
 実際に、ベンチャー企業の世界でもこれらの
キーワードで語ることが出来る銘柄については投
資が集まりやすく、注目されることも多い。
 これらの言葉が流行る前によく使われていたの
「スマート」という言葉だ。スマートカー、スマー
トキー、スマートハウス、スマートグリッド、スマー
トシティなど、あらゆるものがスマートになり、そ
ういう世界に未来があると言われていた。
 2008年頃、私は経産省でITを担当するセ

TheTRUCK2017年4月号49
図2:スマートシティ化を目指したスマートコミュニティの街づくり構
クションに所属しており、これからはスマートがト
レンドになると知った。蓄電や電気自動車に強い
関心があった私は、太陽光や風力などの分散電
源に蓄電池や電気自動車などの蓄電装置、そし
てスマート家電を組み合わせることで、自宅で発
電と蓄電をしながら賢くエネルギーの利用と節約
ができる住宅を「スマートハウス」と呼び、2009
年に住宅メーカー、家電メーカー、エネルギー
会社、IT企業などが参画する「スマートハウス実
証プロジェクト」を立ち上げた。
 更に2010年には、スマートハウスの概念を
拡げて、地域全体でエネルギーの地産地消を行
い、電気自動車が「走る蓄電池」としてエネル
ギーシステムの一部を構成する「スマートコミュニ
ティ」の構想を提案し、横浜市、豊田市、けい
はんな、北九州市の4カ所において実証プロジェ
トを立ち上げた。
 これらのプロジェクトを通して実現しようとしてい
たのが、最新のITやハイテク機器を活用すること
で、無駄のない効率的な街を作る「スマートシティ
化」であり、実際に経産省から発表した提言には、
図2のような世界を目指すことを盛り込んでいる。
□自然との調和を目指す住宅に触れて
 スマート化に関する取り組みを行っていた頃、
住宅メーカーの積水ハウスが建設した実験住宅
を訪問する機会があった。「サステナブル・デザ
インラボ(SDL)」という名称の施設であり、現在
は近畿大学教授である木村文雄氏が積水ハウス
時代に構想・設計した住宅である。

TheTRUCK2017年4月号50
出典:積水ハウス資料より
露天風呂になる可動式の檜風呂
天日干しができる可動式ベッ
囲炉裏のついたダイニングテーブル
茶室にもなる可動式の畳
 このSDLの大きな特長は、「自然との調和」
である。電気を使うことなく構造を工夫すること
で、夏は自然の風を建物の中に取り込むことで涼
しく過ごせるようにし、冬は太陽光をなるべく取
り込める構造にすることで温かく過ごせる仕組み
となっている。
 その時に木村氏が語ってい
たのが、京都の町家を参考に
したという話だ。
 これまで住宅メーカーが提
案してきたのは、断熱がしっ
かりと施されていて冬が寒
くない北欧型の住宅である
が、京都の町家に代表する
日本建築の歴史を紐解くと、
冬よりは夏をやり過ごすこと
に重点を置いた構造になって
いるとのことである。日本の
場合は冬の寒さよりも夏の暑
さの方が厳しかったことが理
由とのことであり、実際に江戸時代には夏に亡く
なる方の方が冬よりも圧倒的に数が多かったらし
い。土用の丑にうなぎを食べるという知恵も暑さ
で夏バテして食欲が失われ、それが理由に体調
不良にならないための工夫だったそうだ。
 木村氏が提唱するSDLであるが、
自然の風をうまく取り込む以外にもたく
さんの特筆すべき特長があった。
 国産材をできるだけ多く活用し、木
材に囲まれた住宅となっていること、
お風呂が可動式となっていてレールから
引っ張り出せば露天風呂気分でお風呂
に入れる構造となっていること、ダイニ
ングテーブルが囲炉裏つきとなっていて
スルメなどを焼きながら一杯飲める構造
になっていること、リビングに可動式の
畳が置かれていて柱を立てて周囲を覆
えば茶室のように使えること、など挙げ
るときりのないほど様々な魅力的な提案
がなされていた。

TheTRUCK2017年4月号51
SDLに取り入れられた縁側
 その中でも印象に残ったのが、古来の日本住宅
には必ずあった「縁側」を復活させたことである。
 1階にも2階にも縁側を作ることで、天井から
日光が降り注ぐ構造になっており、それによって
冬は暖かく過ごすことが出来、可動式のベッドを
縁側に移動させればそのまま布団を干すこともで
きるようになっていた。
 ただ、そのような物理的な意味での縁側よりも
ソフトな意味での縁側の機能についての木村氏
の主張こそが重要だと感じた。
 木村氏によると縁側とは外と内をつなぐ「グ
レーゾーン」であり、玄関に縁側という機能を設
けることで、外からの来客を家の中に上がらせな
くても何となく「中にいれた」ような状況を作りだ
すことが出来るというのである。
 確かに「中に入れる」訳でもなく、「外に追い出
す」訳でもないグレーゾーンがあると、家の中が
散らかっていた場合にでも玄関で長話をすること
が可能となるため、近所の方が来られた時に排
除した感じをぬぐうことが出来るだろう。
 このSDL訪問時に木村氏は「経年美化」とい
う言葉も使っていた。
 木材、鉄器、焼き物などは長年使い込めば使
い込むほど「味」が出てきてむしろ新品よりも良い
ものになっていく。このように人が長く使ったり住
んだりする方がモノや住宅の価値が上がっていく
ことを「経年美化」と呼んでおり、大量生産・大
量消費の社会よりも経年美化の発想で、良いも
のを長く使い込みながら価値を高めていく社会の
方が理想的なのではないかというのである。
 スマート化こそが未来であると思っていた私
は、SDLを訪問し、木村氏のコンセプトに触れ
て人とモノと暮らしのあり方を大きく見直さざるを
得ないと思わされたのである。
□生活道路は地域コミュニティの
 「縁側」だった
 外と内をつなぐグレーゾーンである「縁側」
思い起こせば、生活道路も地域コミュニティの縁
側として機能していた。
 私が子供の頃、家の前の道路は遊び場であ
り、行商人が来る場所であり、地域の人が立ち
話する場所であり、お祭りをする場所であった。
 子供にとってはボール遊びをする、かけっこを
する、チョークでお絵かきをするなど、大切な遊
び場であった。また、ポン菓子屋、豆腐屋、さ
おだけ屋、焼き芋屋、ラーメン屋など様々な行
商人がやってきて食材や生活用品を購入するた
めの場所でもあった。当然のように地域の人が立
ち話する姿もよく見かけたことを覚えている。そ
して、お祭りの時期にはだんじりや神輿などを運
んだものである。

TheTRUCK2017年4月号52
オフィス内に駐車されたrimOnO
 もちろん生活道路は自動車が通る場所でもあ
り、近所のクルマが通過することはあったが、当
時は自動車を所有している人はそれほど多くはな
く、自動車が通るたびに道路を空けたことを何と
なく記憶している。
 しかし、モータリゼーションが末端まで浸透し
た現在では、昔のような生活道路はすっかり消え
失せてしまった。生活道路は完全に「自動車道」
と化してしまい、子供たちは公園でなければ遊べ
なくなり、行商人はほとんど来なくなり、そして
近所の人が立ち話する姿は減っていき、地域コ
ミュニティは大きく衰退していった。
 このように生活道路が縁側としての機能を失
い、外と内が明確に分離されていくと、地域コミュ
ニティや街としての顔が薄れてしまったように感
じる。
□「道を街にする」
 rimOnOでは、生活道路が自動車道化してし
まったことによって失われた「街」としての機能
を、乗り物のあり方を変えることで取り戻せない
かという提案を行っている。
 スピード出しても時速30〜40㎞程度で走行
することを想定しているrimOnOは、生活道路
で活躍することを想定した車両である。また、ボ
ディが布やスポンジ(ウレタン)で覆われているこ
とや車両重量や車
両サイズが小さい
ことで、生活道路
を往来する歩行者
に対して危害を与
えにくい乗り物と
なっている。
 rimOnOが電気
自動車であるとい
うことも重要な要
素である。
 騒音、排ガス、
熱を発しない電気
自動車は、ガソリ
車と比べて圧倒的に人にやさしいクルマである。
空港内において障害者や高齢者の移動に電動
カートが使われているように、電気自動車は建物
の内部にも入り込むことが出来る。
 実際に当社ではrimOnOをオフィス内に駐車
している。ショールームとして展示するためで
もあるのだが、京都の町家のように玄関を入っ
たところに土間があるような住宅であればそこに
rimOnOを駐車しておき、出かけるときに玄関を
開けてそのまま外出するようなことが出来るよう
になる。そういう構造になれば、ガレージや駐車

TheTRUCK2017年4月号53
著者紹介:
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国
家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、
有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝
太氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
「道を街にする」rimOnOの街づくり構想
電気自動車なので店や家の中などの生活空間に入り込める
オープンカフェやマルシェとrimOnOが共存
省スペースなので路上駐車も迷惑にならない
場のために使っていた土地を住宅のために利用
することが可能になるのだ。
 このように危害性が低く、生活空間の一部とし
て利用することが出来るスローモビリティが登場
すれば、街のあり方も変えられるのではないかと
構想している。
 最近では、都市部でも野菜や雑貨などが販
売されるマルシェが各地で開かれるようになった
が、騒音と排ガスが出ないスローモビリティのみ
が道路を走行するのであれば、路上にマルシェ
やオープンカフェが立ち並び、その周囲を歩行
者やスローモビリティが移動すると言った新しい
道路の利用方法が考えられる。
 このようにして道路上にお店が開かれるように
なり、その周囲を人が行き来するようになれば、
自動車道化していた道に賑わいが戻り「道を街に
する」ことが出来るのではないだろうか。

TheTRUCK2017年4月号54
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌾
海外(タイ)編
タイ国で最大級の特装車メーカー
ドイツ企業と合弁で特殊車やトレーラを製造
多角化でバス会社と鉄道会社の経営も
優れた人材と生産の自動化で高品質のモノづくりを
 今月号は、海外のボデーメーカー編である。今回は、タイのコーンケン県にあるCHO
THAVEE社を訪ねることにした。正式名称はChoThaveePublicCompanyLimitedCHO
(CHOTHAVEEPLC.)で、タイ国では“チョータビ”と呼ばれている。CHOTHAVEE社
カーゴ系のボデーも扱うが、基本は重量物用の特殊トレーラや空港作業車、消防車、冷蔵・
冷凍車などの特殊車両の製造を得意とするタイ国で最大級のボデーメーカーである。
 まず、本社工場のあるコーンケンだが、バンコクから北東へ約445キロメートルの位置にある
10.9万平方キロメートルのタイ国東北部で2番目に大きな県になる。南イサーン経済の中心都市
として発展してきた県で、学園都市として栄え、若者で賑わうエリアとしても知られている。
1994年に恐竜の化石が発掘されたこともあり、“キングコブラの村”や“亀の村”などユニーク
な集落も点在し、観光名所としても注目されている県のひとつでもある。
 バンコクからコーンケンまでは鉄道やバスを利用して向かうこともできるが、鉄道だと急行で
8時間、バスは6時間ほどかかる。筆者は1時間弱で移動できる空路を利用した。
 CHOTHAVEE社は、バンコクで開催した「タイ国際トラックショー2015(TTS2015)」に
トラックシャシ運搬用のキャリアトレーラを出展し、その独自のアイディアと技術力の高さで来場者
から大いに注目されていた。
 今回、CHOTHAVEE社ではSuradechTaweesaengsakulthai社長(Presidens&
CEO)に話をお聞きすることができた。Taweesaengsakulthai社長は高校生時代から日本に
留学し、日本の大学を卒業している。そのため、日本語はまったく問題なく話す人物だ。今回
のインタビューもすべて日本語で行うことができた。              (於久田)
CHOTHAVEE
(タイ国コーンケン県)

人材育成とオートメーション化がこれから重要だと語るCHOTHAVEE社のSuradechTaweesaengsakulthai社長
(Presidens&CEO)は日本への留学経験があり日本語が堪能だ
本社工場の正面にある企業看板。“CHO”は創業者の名前
から取られている
TheTRUCK2017年4月号55
■ボデーをつくって50年
 ドイツDOLL社との別れ
(以下インタビューでSuradechTaweesaen-
gsakulthai社長を“CEO”と表現させていただく)
◇於久田 まず、CHOTHAVEE社の歴史からお話
しいただけますか?
CEO 創業は1968年です。今から50年
近く前になります。創業者は私の父(Mr.Cho

広大な敷地を持つ本社工場には各種の特装車両が並んでいた
消防車の製造工場
TheTRUCK2017年4月号56
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌾
海外(タイ)編
Taweesaengsakulthai)で、最初はトラックのディー
ラーからのスタートです。日野自動車のディーラーを
やってました。その後、コーンケンにはボデーメーカー
がなかったので、バス製造やトレーラをはじめとする各
種のトラックボデーを製造する会社、CHOTHAVEE
社を1980年に設立しています。CHOTHAVEEの
“CHO”は父親の名前から取ったものです。
 私には兄が2人いて、自動車ディーラーの部門
は兄たちが経営しています。父は、ここコーンケン
とウドンタニ(タイ東北部の県)でボデーメーカーを
やってました。私は1992年に日本の学校を卒業
して、ボデー部門であるCHOTHAVEE社を担当
したいと思いタイに戻ってきました。それでボデー
メーカーの責任者の立場を父が与えてくれました。
◇於久田 タイに戻ってすぐにこの会社の経営者
になったわけですね。
CEO そうです。1992年からボクが父から受
け継ぐ形で経営をはじめました。なので、二代目経
営者になります。
 それで、1994年11月にドイツのDOLLFahr-
zeugbauAGと提携してCTV-DOLLという合弁
会社をつくって、ヘビーデューティーな低床重量物
用トレーラとか、空港関係の車両などの製造を行う
ようになりました。それらの各種特殊車両が現在の
当社のメインとなっていて、タイのマーケットの
他、中東やアジア諸国に輸出しています。
 ただ残念なことに4年前、そのドイツのDOLL
社が経営難に陥り、インベスタ(investor/投資家)
が入ってきて、経営権が移ったんです。インベスタ
は投資家ですからお金の面とかセールス部分だけし
か見ない。もともとDOLL社は当社と同じでモノ
づくりの会社だったわけで、それがインベスタに
代わったら基本的なポリシーも変わってしまいま
した。インベスタは、DOLL社を1000万ユーロ
に拡大させてどこかのファイナンス会社に売ろう
としていました。それで、2017年の1月に当社と
DOLL社は完全に別かれることになったんです。
◇於久田 それで、それまでのロゴマークの
“CTV-DOLL”から新たに“CTV-CHO”に変更と
なったわけですね。
CEO ポリシーやフィロソフィー(philosophy
/哲学)が違ってしまっては一緒にやって行くこと
はできません。それで、DOLL社とは完全に別れ
ました。
◇於久田 現在生産している車両にはどのような

空港作業車のケータングトラク架装工場。このリトカーは同社の看板商品のひとつにもなっている
TheTRUCK2017年4月号57
ものがあるんですか?
CEO 当社が扱っている商品は3つのグループ
に分かれています。1つ目はスタンダード商品で、
一般的なトラックやトレーラになります。これら
の車両は、ロータス(タイの大手スーパーマーケッ
ト)とかDHL、ペプシコーラなどがユーザーにな
ります。2つ目はスペシャルデザイングループで、
A380用フードトラックなどの空港関係車両や消
防車、超低床のトレーラ、軍関係が使用する車両に
なります。
 そして、3つ目はサービスとプロチェットマネー
ジメントです。サービスではタイ全国でロータス
が使用しているトレーラのメンテナンスをメイン
でやってます。また、サービス部門として、この2
月に24時間営業のサービス拠点をオープンさせま
した。これによって運送会社へのサービス面での向
上をめざす考えです。プロフィットマネージメント
は海外から図面、ドローイングですけが、それを持っ
てきてタイで生産するとか、マネージメントとして
金融面とファイナンス、購買関係、例えばパーツを
買うとかその関連のロジスティクスをやってます。
 また当社は、イギリスのBAEシステムズ(BAE
Systemsplc=1999年に設立されたイギリスの
国防・情報セキュリティ・航空宇宙関連企業)が扱っ
ているディフェンス(Defence=イギリス海軍の装
甲艦)など軍事関係のタイの代理店もやってます。
つまり、海軍の船をタイで造ってます。それが、当
社が扱っているプロフィットマネージメントになり
ます。
 その他、バス会社の経営もしています。バスを運
行する会社です。コンケン大学のバスの運行は当社
がすべてやってます。
◇於久田 トラックだけでなく造船も扱う。しか
も、作るだけでなく運行もやっている。事業の幅は

同社のケータングトラック“X-Cat”は大型旅客機A380対応タイプから中・小型機用ま
で数多くの機種がシリーズ化されている
TheTRUCK2017年4月号58
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌾
海外(タイ)編
かなり広範囲ですね。
CEO 種類の幅は広いです。でも、一般的なカー
ゴボデーは扱っていません。例えばバンボデーでも
アルミのコルゲートは扱わず、当社のものはすべて
軽量なFRPのサンドイッチパネルでやってます。
ドライでも冷凍車でもFRPパネルで架装してます。
◇於久田 FRPサンドイッチパネルを採用してい
るところはタイ国内では珍しい気がしますが…。
CEO FRPサンドイッチパネルを扱う会社は2
社あります。ベトナムからパネルを買ってきてバン
ボデー架装を行っている会社と当社の2社です。そ
の他にも中国からFRPのサンドイッチパネルを買っ
てきて組み立てるだけをやる小さな会社も数社ある
みたいですが詳しくは分かりません。当社のFRP
サンドイッチパネルは、フランスからその技術を
買ってきて自社でパネルの製造からやってます。
■特装車中心の巨大企業に
 パネル製造を分離独立
◇於久田 現在の資本金と従業員数はどのぐらい
なんでしょうか?
CEO 2016年1月に増資を行い、現在の資本
金は48,478,200THB(タイバーツ/約1億4千
500万円)になります。従業員は現在700人ほど
です。その他に社内外注や系列会社の人間もいます
ので、総勢では700人をオーバーします。
◇於久田 日本のボデーメーカーとの提携はない
んでしょうか?
CEO 日本の会社と提携関係の話はしたことが

フランスから技術導入して自社内で生産しているFRPパネル。将来的には分離独立させ、別工場での生産を計画している
TheTRUCK2017年4月号59
ありますけど、対応が遅いのと、日本の車両がタイ
のマーケットには合わない。例えば、重量が大きい
とかサイズが合わないとか、いろいろな問題があり
ました。当初は日本の大手特装メーカーにも提携話
を持ち掛けたんですが、なかなか話が進展しなかっ
たんです。それで、ドイツの会社に話をしたら決定
が速くて…。それでDOLL社と20年間やってき
たわけです。でも残念ながら今年DOLL社とは別
れなければならなくなった。でも、先ほど話したイ
ギリスの会社やベルギーの会社との提携は続いてい
ますし、その他にもヨーロッパでの提携先はいろい
ろあります。
◇於久田 扱っている商品からすると、販売はユー
ザー直が多いんでしょうか?
CEO そうです。ディーラー経由はあまりあり
ません。ディーラー経由は当社のスタンダード商品
の一部だけです。ディーラーの場合はマージンを多
くとられるし、支払いも長いんです。グループ会社
いすゞ、日野、三菱ふそうなどのディーラーもやっ
ているのでその点がよく分かってます。だから、ユー
ザー直のケースが多いんです。
 タイではユーザーと直接商談をするボデーメー
カーは少ないんです。殆どはディーラー経由になり
ます。当社のようなケースは珍しいと思います。
◇於久田 先ほど海外からのドローイングをベー
スにしている部分もあるとのことでしたが、それぞ
れの市場に会う設計をしていかなければならないと
思いますが…。

ユーザーへのメリットを考えサービス部門にも力を入れている。このパース図は24時間営業のサービス拠点だ
日本製工作機械が多く見かけられた。今後はロボットを積極的に導入してのオートメーション化を実現させていくという
TheTRUCK2017年4月号60
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌾
海外(タイ)編
CEO 空港作業車や消防車など当社が扱っている
車両の殆どは自社内で設計してます。当社には、20
年以上の経験者が設計部門には多くいます。タイで
は開発と設計を社内でやっているボデーメーカーは
あまり多くありません。通常、新しい車両が開発さ
れると、ベテランのワーカーがその車両の写真を撮っ
て、さらに寸法を計ってそのままコピーするのがタ
イでは常識です。当社のように設計部門に大きな投
資をしている会社はタイには少ないんです。
◇於久田 台数的に扱い量が多いのはどれになる
んでしょうか?
CEO 空港作業車のケータリングトラックと消
防車でタイ国外への輸出が多くなります。国内では
セミトレーラが多いですね。サービスは24時間体
制になるのでその扱い量も大きく伸びると思ってい
ます。
◇於久田 工場を見せていただきましたが、FRPパ
ネル製造での優れた生産技術が目に留まりました。
CEO 現在、この工場内でのパネル製造は子会
社が担当しています。将来的にはこのパネル製造会
社を別の敷地に移して完全に独立した会社として
やって行く計画です。コーンケンは首都から遠いけ
ど高品質を求めるお客さんがここまで来てくれて発
注してくれます。パネル製造部門を分離独立させ

ズラリと並んだ焼き付け塗装ブース。同社は塗装品質にもこだわっている
社内にある人材教育用の学校(左)。工場内の看板には「SEIKETSU」「SEISO」「SEITON」などの日本語読みも併記されていた
(中)。荷物運搬用と思われるかなり完成度の高いオートバイ式カート(右)
TheTRUCK2017年4月号61
て、バンコク周辺、例えばチョンブリ辺りに工場を
つくれば、お客さんにさらに貢献できます。さらに、
パネルの生産ラインをつくってコストを下げる努力
をしながら品質をさらに向上させていく。パネル製
造会社の独立は、そのための投資です。結果として、
それがお客さんのためになるわけです。パネル製造
会社の工場独立は2〜3年後に予定しています。
◇於久田 コールドチェーンはタイでこれから注
目される分野でしょうしね。
CEO 港に着いた船から降ろされた冷凍食品を
冷凍機なしのトラックにそのまま載せて冷凍倉庫ま
で運んでる、というケースもあるんです。バンコク
近郊の港で実際に行われています。これは大きな問
題です。
 保冷車でも、アルミコルゲートのボデーに鉄の
補強材を入れてボデー重量が5トンにもなる車両
があります。組み立てに接着剤を利用する当社の
FRPサンドイッチパネル車だとボデー重量はその
半分の2.5トンだし、リベットを使わない1枚パ
ネル構造なので冷気が漏れず断熱性能もいい。しか
も穴を空けることがないので、ボデーの中に水が浸
入することもありません。
◇於久田 日本は需要に生産が追いついて行かな
い状況です。特に保冷車は1年以上の納期になる
場合も出ています。日本進出も視野に入れられたら
どうですか?
CEO そうですか。当社のFRPパネルバンは
日本でも売れるかもしれませんね。
■競争なしのボデーづくり
 人材育成とオートメーション化
◇於久田 社長のことも少しお聞きしておきたい
んですが、お生まれは何年ですか?
CEO 1966年生まれで、今50歳です。
1992年、僕が27歳の時に、父親がやってきた

2015タイ国際トラックショーに同社が出展したトラックシャシ運搬用のキャリアカー。その完成度の高さに来場者が注目していた
取材を終えての筆者との記念ショット
TheTRUCK2017年4月号62
新シリーズ
時代語る
車体人
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海外(タイ)編
チョータビを継ぐ形で2代目の社長になりました。
父親の時代はダンプとかカーゴボデーとかを扱う一
般的なボデー製造会社だったんです。でも、そうい
うボデーは競争が激しいので、そのマーケットから
出ようとボクは考えたんです。競争しなくて済むよ
うなボデーづくりを考えたんです。それで、世界中
に技術を探し回ったんです。どこかいい技術がない
だろうか、それをベースにスペシャルなトレーラや
トラックをつくって行きたいと考えました。それ
で、現在のような方向になったわけです。つまり、
スタンダードなボデーの世界から逃げたんです。
◇於久田 空港のフードトラックや消防車などは
かなりの技術が必要な車両ですが…。
CEO もともとボクはこういう特殊な車両が好
きで、そういう面ではボクと当社のエンジニア、そ
してここの工場長、この3人で開発する車両はこう
しましょうよ、となる。エンジニアもそれに応えて
設計して3者で少しずつ改良を加えながら製品化
して行く。トラックだけじゃなく船の方もそういう
形で進行させてます。
 エンジニアが船のことを勉強して戻ってきて技術
開発に結び付ける。ローテーションです。そういう
いろいろな経験をエンジニアたちが持っているの
で、ボクがとんでもない開発品の話を突然しても、
誰もがそうですね、分かりました、ということになっ
て、ハイハイハイとすぐに出来る体制が整うんです。
 それとトレーニングです。工場の中に人材教育を
目的にした学校があるんです、そこで優秀な人材を
育てるためのトレーニングしているんです。
◇於久田 扉に“TheEngineeringManagement
Integrator”と書かれてましたね。優れた人材がど
れだけいるかというのは開発型企業には絶対的な条
件でしょうからね。継がれた時点ですでに企業の規
模は大きかったんですか?
CEO いや、そうではありません。ボクが継い
だ時はまだ小さな会社で、26人ほどのボデーメー
カーでした。
◇於久田 社長は日本語が堪能ですが、日本への留
学経験とかがあるんですか?
CEO 日本に6年間住んでました。自動車の技
術を学びたくて日本の自動車整備専門学校に留学し
ました。その専門学校を卒業して、そのまま産業能
率大学に入って、経営学を学んでタイに戻ってきた

TheTRUCK2017年4月号63
んです。だから日本語が話せるんです。
◇於久田 将来的な抱負や目標としては何かあり
ますか?
CEO 3年前に10年先の目標として「ターゲッ
ト2023」というビジョンを立てたんです。
 当社はモノづくり、バスの運行事業、そしてター
ゲットのひとつに電車の運行会社の設立がありま
す。今、鉄道に注目していて、コーンケンで鉄道会
社の計画をスタートさせました。
 それと、モノづくり部門のオートメーション化で
す。ロボットなどを導入することで、コスト面と品
質面も含めていろいろな部分でお客さんにメリット
が出るようなモノづくりを目指しています。まず
は、農業機械の生産をロボットを利用してオート
メーション化させる計画です。
 また、当社の強い部分はモノづくりで、そこにソ
フトウェアをプラスさせ、ハードとソフトを一緒に
した事業を展開することで、新しい価値を生む別の
商品に仕上げる、それが当社の狙いでもあります。
◇於久田 自動化は必要でしょうね。タイの人件費
もこれから高騰するだろうし。
CEO すでにタイの人件費は上がっています。
日本のポンプ製造会社の友達の話ですが、同じ油圧
ポンプを作るのにタイの方が製造コストが高くなる
そうです。日本は鋳物以外はすべて自動化されてい
て、作業員は朝工場に来てラインの点検をするだ
け。しかも担当者は3人だけ。だから製造コスト
は日本の方が安くなるわれです。タイはまだ人の手
を使っての製造なのでコストが高くなるんです。今
後、中国から安いものがどんどん入って来るだろう
し、後5年以内にタイの製造会社もオートメーショ
ン化による製造コスト削減をやっていかなければ経
営が難しくなります。
◇於久田 それと人材育成も重要で、今後は技術レ
ベルの高い人がどれだけいるかの勝負になる。その
日その日の仕事に追われていて人材教育をしていな
い会社は将来消える運命だと思います。
CEO 優れた人材と自動化された設備があれ
ば、いい効率でいい品質のものを生み出せます。さ
らに顧客からの信頼度がアップし、結果として企業
の利益にもつながる。ボクは常にそう思ってます。
◇於久田 最後に趣味は何かありますか?
CEO 趣味はクルマです。学生時代に日本で乗っ
てた日産シルビアをタイに持って来て、自分でいろ
いろと手を加えて楽しんでます。今もそのクルマは
あるんです。クルマと機械がボクの趣味です。
 それと今習いたいなと思っているのがドローンの
操縦です。ドローンにGoPro(小型軽量防水設計
のアクションカメラ)のような小さなカメラを搭載
して記録映画をつくりたいと思ってます。クルマを
普段見ることのできない上空から撮影したり、子供
と一緒の家族旅行の時にもドローンを使っての撮影
をして思い出作りの映画をつくるとか。ドローンは
人間目線と違う別の方向から撮れるのがいいと思い
ます。それに、遊んでて仕事になりますからね。
◇於久田 本日はお忙しいところお時間をいただ
きまして、ありがとうございました。

TheTRUCK2017年4月号64
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌾
海外(タイ)編

TheTRUCK2017年4月号65

TheTRUCK2017年4月号66
様々な特装車
̶
̶
本年のトラック・特装車展に
合わせ様々な特装車を描く!
「トラックシャシー流用の特装ボデー」
 最近のバスボデーはスケルトン相当の完成された
ボデー構造でありボデー改造は難しい。
 汎用性のあるトラックシャシーを流用した
特殊で個性的な改造ボデー例を描いてみた。
 一品モノの個性的なデザインと
応用設計、特殊で高度な職人
技量が必要な領域である。

TheTRUCK2017年4月号67
石野 潔
JT(日本たばこ産業)‥‥
「スモーカー2」
大型低床3軸総輪エアサス車「スモーカー2」
(初代はストリーム型トレーラーキャンパー利用)
 2003年、公共の場所での分煙と喫煙マナーの向上推進用に製作され
た喫煙スペース完備のイベント車両。最近では禁煙法案がもめているが、
優雅にたばこを楽しむ雰囲気を大事にし、併せて喫煙マナーを向上させよ
うという意図を持つ。
ベース車両は日野FQ型後輪小径タイヤ低床3軸総輪エアサス車。
企画:日本たばこ産業、日野自動車架装特装部(現特装部)
デザイン:アトラデザイン(現日野特装部マーケティングデザイン室)
設計製造:東京特殊車体㈱

TheTRUCK2017年4月号68
様々な特装車
̶
̶
 2階建バスボデー改造の輸入展望車は以前より稼働されているが、トラックシャシー流用の国産初の
2階建相当の本格展望バス(オープントップバス)が製作され2012年より西鉄で運用運行されている。
 海の中道ほか美しい海岸線と都会の街並みを有する福岡市内の観光スポットを巡る。海の青と賑や
かな街の赤をイメージした2つのボデーカラーを持つ2車両をまず運行。後部には展望部、車いす用
リフト装置などを備えた36人乗り。
ベース車:日野プロフィア低床4軸総輪エアサス車。
企画:西鉄、日野特装部  デザイン:日野特装部マーケティングデザイン室、トヨタテクノアートデザイン㈱
設計製作:東京特殊車体㈱
「FUKUOKA OPENTOPBUS

TheTRUCK2017年4月号69
福岡オープントップバス
 国産初の展望専用車(運用運行西鉄)

目を輝かせてドライブシートに乗り込む男の子。細かな説明をする担当者は相手が子
供だからといって手を抜くことはない
TheTRUCK2017年4月号70
 ドイツ自動車工業会(VDA/マティアス・ウィスマ
ン会長)が主催する世界最大の商用車ショー「IAA
ハノーバー国際モーターショー(商用車)が2016
年9月末に開催された。その詳細については本誌
の西レポーターが連載で紹介し、前号で最終回となっ
た。本号では、トラック展示会の運営に携わってい
る筆者が展示会屋の目線で見たIAA2016を写真で
レポートする。
 会期中に2日間みっちり時間を取って会場を巡っ
たが、すべてを見歩くのは到底不可能だった。会場
となったハノーバーメッセは世界最大規模の展示場
で、今回IAA2016が利用したスペースは27万
㎡にものぼる。出展者は52ヵ国から2000社を超
える商用車関連企業が集まった。会場でVDAの
IAA担当責任者から話を聞くことができた。それに
よると、海外出展比率は約60%でその多くを部品
メーカーが占めているとのこと。来場者の多くは欧
州となるが、中国の他、タイやインドネシアなどの
ASEANエリアからの来場が伸びているという。ま
た、会期中に訪れたプレス関係者も40ヵ国以上に
なったと話していた。(於久田)
展示会PHOTOレポート
展示会屋が見たIAA2016

キャブとボデー間にリンク機構を搭載した中折れ式ボデー傾斜型の車両運搬車。シンプル構造でボデー傾斜を実現させた発想ががいい。この種の車両はこ
のほかに数社が出展していた
ボデー全体を接地させることができ、リフトさせることもできる実にユニークな車両だ。さらにボデー脱着も可能で、いろいろな種類のボデーを用意すれば輸送
の幅も広がるとの説明を受けた
TheTRUCK2017年4月号71

オランダのBROSHUIS社が出展した重量物用低床トレーラ。その展示方法がかなりユニークで、トレーラ全体をリフトアップさせ、下から見上げる形で総輪
ステアの機構が確認できるようにしていた
TheTRUCK2017年4月号72
展示会PHOTOレポート

ルノー(RenaultS.A.S.)トラックのブースに展示されていたショートタイプのキャリアカー。トラックシャシ輸送用なのか、小回り性を重視してのショートなのか、
担当者に話を聞けなかったので不明である
TheTRUCK2017年4月号73

(写真上)自動車業界の「メトレンド」:安
全、高効率、自動運転を提唱するZF
のビジョン“SeeーThinkーAct”を具現化し
たのが「ZFイノベーショトラック2016」
である。ブース内には実物大のスケル
ンモデルが展示され、バーチャルリアリ
ティを使ったデモも行われていた
(写真右)ルノートラックTHigh
520をベースにカスタムメイドされた
“REALSTEEL”の名で呼ばれていた
派手目のトラック。フランスの運送会
社が所有しており、実際の運行に使
われているという
TheTRUCK2017年4月号74
展示会PHOTOレポート

冷凍車・保冷車を扱っているドイツCOOLINGVANS社の小型フルトレーラー。ユーザーニーズに応じたボデーを製造しているとのこと。このフルトレ連接部
分の渡り床方式の車両は会場内に多く見られた
TheTRUCK2017年4月号75

キャブがくるりと回って運転方向の向きを変えられるヤートラクタ。便利な機構ではあるが価格が高そうだ。説明員がいなかったのでその部分の話を聞くことは
できなかった
ヨーロッパでは多く見受けられるフォークリト搭載型の車両。フォークのない荷役現場でもこれがあれば安心。日本でも以前開発されたこともあったが、その
後さほど注目されることはなかった
TheTRUCK2017年4月号76
展示会PHOTOレポート

会場内をデモンストレーション走行する冷凍車が来場者でにぎわう通路を走行していた。この他にも会場内を走行している車両を見かけた。会場内循環バス
も走っている。開場時の車両移動が基本許可されない日本の展示会ではこれはできない
電動アシストサイクル。屋外で走行のデモをやってい
たがけっこうなスピードで走っていた。たぶん40㎞近
は出ていたと思う
100%電気自動車のIVECO電気小型バス“IvecoDailyElectric”。高効率バッテリーシステムと
リサイクル可能なバッテリーを搭載したゼロエミション車両だ。騒音もなく、市街区域での夜間走
行に適しているとのこと
TheTRUCK2017年4月号77

ダイムラーグループは大きな展示ホール1館をまるまる使って
いた。世界トップシェアのトラックメーカーだけのことはある。
このダイムラー館にはドイツビールが飲み放題のラウンジも用
意されていた(写真右)
ハノーバーメッセに行かれた人は知っていると思うが、この屋根の中心で話をすると声
が拡声する。音を反響させる屋根構造となっている。団体での来場で、ガイドが中央
で話せばみんなに聞こえることになる
TheTRUCK2017年4月号78
展示会PHOTOレポート

毎回恒例のクラシットラックの展示コーナー。ヨーロッパで活躍してきた古きトラック達がズラリと展示されていた。ここに来場する人は少ないが、なかなか
見ごたえもあり楽しなるコーナーだ
TheTRUCK2017年4月号79

TheTRUCK2017年4月号80
祝辞を述べる全日本トラック協会の
福本秀爾理事長挨拶する多摩運送の齋藤貢社長
 3月17日、東京の中央線・立川駅の近くで公益
社団法人全日本トラック協会、星野良三会長の傘
寿の会が行われた。二つ先の日野駅には日野自動
車かあるので何度も降り立つが、立川駅は改札を
出る機会は殆どなかった。都心から快速で一時間
近く離れているのに、駅前が素晴らしく発展してい
るのに目を見張る。
 星野会長の多摩運送には、駆け出し記者の頃
に訪ね、星野会長のご尊父に取材した事がある。
もう40年近くも前の事であるが、都下の小さな運
送会社でお米の運送について苦労話を伺った記憶
がある。
 星野会長については、広く知られているので、
改めて書き加えることもないが、背が高くて、洋服
がよく似合い、さり気なく話す話題が的を射て、聞
く人を包み込独特のムードがある。
 約20年前には神奈川大学の中田信哉教授と連
れ立って星野会長を訪ねたこともある。加山雄三さ
んとのツーショット写真を見せて頂いた時、どこが似
ているな、と思ったが、それは両者が醸し出すムー
星野良三全日本トラック協会会長の傘寿の会
自転車で心身の鍛錬、
80歳にして衰えず
持ち前のダンディは
同世代憧れの的

TheTRUCK2017年4月号81
独特の音色を醸し出す横笛を披露する細野高弘専務理事
多摩運送社員による生バンド演奏
傘寿を迎えてもダンディな星野会長
トだったのかも知れない。
 星野会長の傘寿の会は、祝辞のあと、星野会
長が壇上に立ち、凡そ次のように述べた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 お蔭様で傘寿を迎えることが出来た。全日本トラッ
ク協会そして多摩運送の会長として、まだ元気に
活動させて頂いている。私は21歳で多摩運送に
入り、80歳の今日まで59年間、物流一筋にやって
きた。誠に幸せな事だと思う。
 私は人事、管理、営業など色々な部署を経験し
てきた。経理部長の時には“星野式一日一台原価
計算”をつくった。人事部長の時には労使双方の
コミュニケーシンを強化するために従業員の面接
制度もつくった。労使の関係は主張する時には大
いに主張し、決まったら会社の為に皆で頑張る、
それで良いと思う。更に思い出すのは全車両にドラ
イブレコーターを導入した時のこと。前年に41件
あった事故が6件に減った。それで東京トラック協
会長の時に会員会社の全社に導入したところ、前
年に22件あった死亡事故が4件に減った。
 私は全ト協の会長に就任してから全国47ある都
道府県のトラック協会の内、これまでに45協会を
訪ねて、正副会長と懇談を重ねて
きているが、全国では約37%も死
亡事故が減っている。
「安全と環境」をキャッチフレー
ズにして取り組んで来たが、大き
な成果を上げてきたと思う。
 私は心身ともにまだ元気なの
で、全ト協の会長を終えたら、四
国を自転車で一周して来よと思っ
ている。約1000㎞あるので、一
日50㎞走ると20日間かかる。
 こういう事を考えることが出来る
のも皆さんが会社をしっかり守って
いて下さるからで、有難い事だと
感謝している。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 傘寿の会は関係者の楽しいスピーチや社員で結
成する生バントやアラクシンで楽しいひと時を過ご
した。また、星野会長が出席者全員に声を掛けて
回られたのも印象的だった。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年4月号88
 極東開発工業㈱は、都市部におけるごみ収集形態に適した
新機構のごみ収集車「スライドパックGB40-520」を開発し、
2017年3月13日に発売した。
 新型車は、状況に応じて車両の後方と側方のどらからでも
収集物の積込みが可能なスライド天蓋など、現場での作業を考
慮した各種装備のほか、今までのごみ収集車にないス
キリした車両デザイン、ボデー容積4.0リューベ、最
大積載量2,000㎏を確保しながら、全長・全高・全幅
を抑えたことにより抜群の機動力を確保させている。狭
小路やビル地下をはじめとした都市部での様々なロケー
ションを想定し、作業性・デザイン性・機動性を徹底的
に磨き上げた車両となっている。都市部における不燃
物収集や戸別収集などのごみ収集形態にしっかりと対
応する、新しいタイプのごみ収集車である。
 同車両は、今回の発売に先立ち東京23区役所及
び区内事業者向けに先行発売を行っており、ユーザー
から使い勝手等について高い評価を得ている。
 なお、希望小売価格は365万円(消費税抜き・シ
シ価格除く)で、販売目標台数は50台(平成30年3
月期)している。
「スライドパックGB40-520」の主な特長
⑴作業性を高める装備と性能
 作業の状況に応じて車両の後方と側方のどらからで
も収集物の積込みが可能で、走行時の積荷や雨水の
飛散を防止するスライド天蓋を装備したほか、ボデーデッ
キ地上高を軽ダンプ並みの約800㎜(シャシによって異
なる)し、積込み時の作業性を確保した。
 また、排出板押出式による排出方法を採用すること
で、排出の際に破損しやすい小型家電などの収集物
でもつぶれにく、容易な分別を可能にしている。
⑵スッキリとした新しい車両デザイン
 傾斜した投入口カバーや、ボデーサイドの補強部材
が目立たないスッキリしたデザインを実現。また、金
属製の天蓋を採用しているため、布製の幌などに比
べ、高い耐久性を実現するともに清掃しやすく、外
観品質の維持に貢献。
⑶狭小路に対応する高い機動性
 ボデー容積4.0、最大積載量2,000kgを確保しながらも
全長・全高・全幅を抑えることで、都市部のごみ収集形態に
対応し、狭小路でも抜群の機動性を発揮。
 なお、最大積載量および全長全高全幅は、架装するシャ
シによって異なる場合がある。
ごみ収集車…極東開発
話題のニュートラック新製品情報・新情報
都市部での様々なロケーションに対応する
都市型ごみ収集車「スライドパックGB40-520」を発売
都市型ごみ収集車「スライドパックGB40-520」
コンパクトなサイズで狭小路での機動性を発揮する

TheTRUCK2017年4月号89
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、本年発売予定
の21年ぶりのフルモデルチェンジ車である次期大型トラック
に導入する新技術を発表した。
 MFTBCの新型モデルは、これらの技術により最先端の「安
全性」、優れた「経済性」ドライバーをサポートする「快適性
/操作性」を実現させている。
■次期大型トラック向けの新技術
⑴平成28年排出ガス規制に適合した2種類の新型エ
ンジンを日本市場向けに開発
①新開発7.7L6S10型エンジン
 2ステージターボの採用により小排気量ながら大型車と
て十分な高トルク・高出力を実現させた超軽量エンジン。新
BlueTecR(DaimlerAGの登録商標)システムと組み合わせ
ることで、低燃費・低排出ガスを両立。
◇先進的燃焼システムを採用し、燃焼を最適化…⒜燃焼室
改善、⒝2ステージターボチャージャー、⒞高圧コモンレー
ルシステム。
◇低排気圧力損失、高NOX浄化率触媒の排出ガス後処
理装置および緻密なAdBlueR(ドイツ自動車工業会の登
録商標)2噴射制御が可能なシステムを採用し、低燃費・
低排出ガスに貢献…⒜新BlueTecRシステム(再生制御
式DPF+尿素SCR)、⒝新AdBlueR噴射装置、⒞
可変バルブタイング機構(DPF再生時)。
◇アイドリングストップ&スタートシステム
【エンジンスペック】
・エンジン型式…6S10
・排気量…7.7L
・バルブ型式…DOHC24V
次期トラック技術…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
次期大型トラックに導入する新技術を発表
「安全性」「経済性」「快適性&操作性」を充実
2ステージターボチャージャー作動のメカニズム
アシンメトリッターボチャージャー断面図とシステム概略図
新開発の超軽量6S10型エンジン

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年4月号90
・定格出力…260kW(354PS)、280kW(380PS)
・最高トルク…1,400N・m
・仕様…平成28年排出ガス規制適合、平成27年重量車
燃費基準+5%達成
②新開発10.7L6R20型エンジン
 アシンメトリックターボチャージャーを最適化し、新
BlueTecRシステムを組み合わせることによって、6R10型エ
ンジンに対して小排気量ながら、更なる低燃費・低排出ガス
をハイレベルで両立させた最新型エンジン。
◇先進的燃焼システムを採用し、燃焼を最適化…⒜燃焼
室改善、⒝新アシンメトリックターボチャージャー、⒞新
EGRバルブ、⒟第二世代X-Pulse(増圧式コモンレー
ルシステム)
◇エンジン低フリクション化
◇低排気圧力損失、高NOX浄化率触媒の排出ガス後
処理装置および緻密なAdBlueR噴射制御が可能なシ
ステムを採用し、低燃費・低排出ガスに貢献…(a)新
BlueTecRシステム(再生制御式DPF+尿素SCR)、(b)
新AdBlueR噴射装置。
◇アイドリングストップ&スタートシステム
【エンジンスペック】
・エンジン型式…6R20
・排気量…10.7L
・バルブ型式…DOHC24V
・定格出力…265kW(360PS)、290kW(394PS)、
 315kW(428PS)、338kW(460PS)
・最高トルク…2,000N・m、2,100N・m、2,200N・m
・仕様…平成28年排出ガス規制適合、平成27年重量車
燃費基準+5%達成
⑵12段機械式自動トランスミッション「ShiftPilot(シ
フトパイロット)」を新開発
 2ペダルによるイージードライブとスムーズな自動変速により
ドライバーの負担を軽減し、安全を提供。
◇ショク低減によりシフトフィーリングを向上…新型「スーパー
グレート」に最適なチューニングを行い、従来モデルに対し
てより滑らかな変速(シフトフィーリング)を実現。
◇クリープ機能を追加…半クラッチ状態をきめ細かく制御する
ことで、トルコンATのようなクリープ機能を実現。渋滞時
やプラットホーム付け等の微速動作が容易になる。
◇EZGOに、ヒルホルダー機能を追加…EZGO(イージー
ゴー:坂道発進補助装置)に加えて、ブレーキペダル解放
後、数秒間制動力を保持するヒルホルダー機能を追加。ク
リープ機能を使った坂道発進の際に役立つ。
◇ロッキングフリーモードを追加…クリープ機能をオフにし、ク
ラッチの断接動作を速めることで、泥濘地からの脱出性を
高めるモードを追加。
【ShiftPilot】
トランスミッション型式…G211-12G230-12
・ギヤ段数…前進12段/後退2段
・変速比…14.929/1.000(直結)、11.672/0.779(OD)
⑶AMBplus(エーエムビープラス)
 2019年に義務化される衝突被害軽減ブレーキ第2段階
規制に適合するAMB(ActiveMitigationBrake:衝突被
害軽減ブレーキ)を採用。前方に走行中または停止中の車両
があり、衝突の危険を察知すると警告や自動ブレーキによっ
て衝突被害を軽減する。
⑷ABA4(エービーエーフォー)
 ABA4(ActiveBrakeAssist4)はAMBplusをより発展
させ、停車車両との衝突を回避する(条件によって回避でき
ない場合もある)。さらに歩行者に対しても衝突被害を軽減す
る。2019年に義務化される衝突被害軽減ブレーキ第2段
新開発の12段機械式自動トランスミッション「ShiftPilot」
低燃費・低排出ガスを実現した新開発6R20型エンジン

TheTRUCK2017年4月号91
階規制に適合。
⑸アクティブ・アテンション・アシスト
 従来のMDAS-Ⅲ(エムダススリー)で培われた運転注意力モ
ニターの技術を強化させた、アクティブ・アテンション・アシス
に赤外線カメラシステムを追加。ドライバーモニターカラが運転
者の顔の動きを捉え、運転注意力を監視。左右のわき見やまぶ
たの動きを感知して、注意力低下をブザーと画面表示で警告。
⑹アクティブ・サイドガード・アシスト(国内初)
 左死角に隠れた危険を警告する安全装置。ドライバーにと
て死角となる箇所をレーダーによりモニタングし注意を促すと
ともに、左側方向指示器の作動時やステアリング操作時に
警報音とランプで警告。
⑺プロキシミティー・コントロール・アシスト
 車間距離保持機能付オートクルーズに、自動停止、自動
発進機能を追加。特に高速道路での渋滞時等に有効で、
一時停止と発進を自動的に行い、疲労を軽減するともに、
追突事故を抑制する。
⑻パワートレイン3D予測制御
 オートクルーズを使用中にGPSと3D地図情報によって道
路勾配を予測し、省燃費走行を図るシステム。適切な燃料
噴射制御とギヤ段選択や積極的なエコロール作動により、無
駄な燃料消費を回避し燃費を向上させる。特に登降坂の多
い高速道路で効果を発揮する。
トヨタ自動車㈱は、トヨタブランドで販売する最
初の燃料電池バス(FCバス)を、東京都交通局
へ納車した。今回納車したFCバス「トヨタFC
バス」は、2017年3月に納車された2台目と合
わせ、東京都営バスとして運行されている。
トヨタは、2020年の東京オリンピック・パラリ
ンピックに向けて、東京を中心に100台以上の
FCバス導入を予定している。今後、市街地を
走行するFCバスが増えるにつれて、公共交通
手段としてのFCバス活用について、一般社会
からの理解が高まることを期待している。
トヨタFCバスは、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」向けに
開発したシステムトヨタフューエルセルシステム(TFCS)を採
用しており、内燃機関に比べてエネルギー効率が高いことに
加えて、走行時にCO
や環境負荷物質を排出しない優れた
FCバス…トヨタ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
トヨタブランドの燃料電池バスを東京都へ納車
東京都営バスとして3月より運行開始
公共交通手段としてのトヨタFCバス(東京都営バス仕様)
アクティブ・アテンション・アシストの作動の流れ

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年4月号92
 ルノー・日産アライアンスは2017年3月14日、小型商
用車(LCV)事業部門を新設し、成長を続けるLCV市場で同
グループのグローバルプレゼンスの拡大を目指すと発表した。
 アライアンスは、ルノーが有する商用バンの専門知識と、日
産が主要市場で培ってきたトラックの製造・販売ノウハウが持
つ可能性を最大限に引き出すことで、同グループの小型商用
車のグローバル販売台数拡大を目指すことになる。アライアン
スのパートナー企業は、アライアンス精神のもとで、各社のブ
商用車事業…ルノー・日産アライアンス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
販売拡大を目的に小型商用車事業部門を新設
相互開発・生産と技術共有化などでシナジーを創出
環境性能を実現している。加えて、「ノンステップ基準」に合
致しており、高齢者や児童が容易に乗降できるバスとなって
いる。ちなみに、TFCSとはトヨタFCスタクや高圧水素タ
ンクなどで構成する燃料電池技術と、ハイブリド技術を融合
したシステムで、ノンステップ基準は国土交通省が定める「標
準仕様ノンステップバス認定要領」を満たすバリアフリーバス
のこと。
 また、大容量外部電源供給システムを採用。最高出力
7.2kWかつ大容量235kWh(給電器で直流から交流へ変
換後の値)の電力供給能力を備えており、災害などの停電時
に、学校体育館等の避難所や家電の電源としての利用が可
能である。なお、出力と容量は接続する給電器の性能、給
電器の変換効率、水素残量、消費電力により給電可能な
電力量は異なる。
トヨタFCバスは、経済産業省の「次世代エネルギー・社
会システム実証事業」や環境省の「CO
排出削減対策強化
誘導型技術開発・実証事業」により、開発と走行実証を行
い、国土交通省の「地域交通グリーン化事業」により、今回
の導入に至ったもの。それぞれの支援事業としては、①次世
代エネルギー・社会システム実証事業…次世代のエネルギー・
社会システムの実現に向け高い目標を掲げて先駆的な取組を
行う地域を、「次世代エネルギー・社会システム実証地域」とし
て選定し支援するもの、②CO
排出削減対策強化誘導型
技術開発・実証事業…環境省が、大幅なCO
排出削減を
実現することを目的とし、CO
排出削減技術の開発・実証を
支援するもの、③地域交通グリーン化事業…国土交通省が、
自動車運送事業者等に対して、電気自動車バス・タクシー・
トラック、燃料電池自動車バス・タクシー及び超小型モビリティ
の導入を支援するもの、となる。
トヨタグループでは、水素を将来の有力なエネルギーと位置
づけ、FCV「MIRAI」をいち早く市販するともに、FCバス、
燃料電池フォークリト、家庭用の定置式燃料電池などの技
術開発・商品展開を推進しており、今後も、「水素社会」
実現に貢献するため、グループ一体となって開発を加速してい
くとしている。
公共交通手段として
トヨタFCバス(東
京都営バス仕様)

TheTRUCK2017年4月号93
ランドアイデンティティをはじめとした販売事業や収益を維持し
ながら、市場や商品を相互補完的に活用していくしている。
 ルノー・日産アライアンスのカルロス・ゴーン会長兼CEO
は、「ルノー・日産アライアンスにおける取り組みと、はじまった
ばかりの日産と三菱自動車との協業を、アライアンスLCV事
業部門として集約することで、販売台数の拡大とらなるシナ
ジーの創出が可能になります。この取り組みに加え、お客さ
まのニーズや各社が持つ市場特性の知識、主要商品をベー
スに、既存の成熟市場のみならず、新たな高成長市場にお
けるパフォーマンスを加速することで、各市場でのリーダーシッ
プを拡大していきます」と述べている。
 なお、ルノー・日産アライアンスのLCV事業部門は、アラ
イアンスSVP(シニア・バイスプレジデント)に就任するアシュ
ワニ・グプタ氏が統括する。
 同事業部門は、アライアンス各社間の相互開発および相
互生産の効率を最大化し、コストおよび技術面においてさらな
るシナジーを創出することが期待されている。
 ルノーと日産は過去数年間にわたって商用バンおよびトラッ
クの相互生産を行っている。その例として、日産の商用バン
「NV300」はルノー「トラフィク」のプラットフォームを、日産
「NV400」はルノー「マスター」のプラットフォームをベースと
した設計となっている。また、ルノーのピックアップトラッ「ア
ラスカン」は、日産「ナバラ」のプラットフォームをベースとして
いる。新設されたルノー・日産アライアンスのLCV事業部門
では、日産「アルマーダ」「パトロール」など、ボディ・オン・
フレーム構造のSUVも事業の対象としている。
◇アシュワニ・グプタ氏略歴
 インドのデヘラードゥーン出身で、同国のジャワーハルラー
ル・ネルー大学でエンジニア課程を修了後、フランスの
INSEAD(インシアード)ビジネススクールに進み学位を取得。
2014年より、ルノーの商用車部門のVPとして、同社のグロー
バルLCV事業を統括している。
 2006年、ムンバイにあるルノー・インディアの購買担当ゼ
日産「NV300」
日産「NV400」ルノー「トラフィク」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年4月号94
 横浜ゴム㈱は、SUV・ピックアットラック用
タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)
のマッドテレーンの新商品「GEOLANDARM
/TG003(ジオランダー・エムティー・ジー
ゼロゼロサン)」を2017年に世界各国で発売
する。なお、日本での発売は2017年8月を
予定しており、搭載技術や発売サイズなどの
詳細は改めて発表することになっている。
 「GEOLANDARM/TG003」は2004年
発売の「GEOLANDARM/T+」から13年
ぶりとなる新商品になる。全世界的に需要が
拡大しているSUV・ピックアップトラック向け
で、特にオフロードユーザー向けの商品とな
る。開発に当たってはオフロード性能の向上を
目指すとともに、オンロードでの優れた快適性
や静粛性を確保しつつ、耐摩耗性、耐久性
の向上を目指したもの。また、オフロード走行
ドレスアップを楽しむカスタム嗜好のユーザー
に向けたアグレッシブなトレッドデザインとサイ
デザインを実現している。
 「GEOLANDAR」は横浜ゴムがグローバ
ルで展開しているSUV・ピックアップトラック
向けタイヤブランドである。近年、世界中で
SUV・ピックアットラックの人気が高まる中、
「GEOLANDAR」シリーズの新商品投入を加
速しており、今回の新商品を投入することで、
よりユーザーから選ばれる高付加価値タイヤの
販売拡大を目指している。
マッドテレーンタイヤ…横浜ゴム
話題のニュートラック新製品情報・新情報
SUVピックアップトラック向け
マッドテレーンタイヤを2017年に発売
ネラル・マネージャー(GM)としてルノーに入社。2008年、
パリを拠点とするルノー・ニッサンパーチェシングオーガニゼー
ション(RNPO)にてブレーキシステムを担当するグローバル・
サプライヤー・アカウント・マネージャーに就任。2009年、
グローバル購買担当のデピュティ・ゼネラル・マネージャー
(DGM)としてルノー・日産B.V.に入社。2011年、日産
のダットサンプロジェト担当グローバル・プログラム・ダイレク
ターに就任し、イド、ロシア、イドネシア、南アフリカにお
けるダットサン車の開発を主導。1992年に民間セクターにお
ける開発および購買からキャリアをスターさせた同氏はその後
自動車業界で数々の管理職を歴任している。
■2016年の販売実績
 2016年、ルノーグループ(アフトワズ含む)はグローバルで累
計443,931台のLCVを販売している。最も売れたLCVモ
デルは「カングー」で118,200台。続いて「マスター」(91,900
台)、「トラフィック」(81,600台)となっている。
 日産は同年、グローバルで815,490台のLCVを販売。モ
デル別では台数が多い順に「NP300」(196,257台)「フロン
ティア」(102,497台)「NV200」(54,118台)となっている。
 三菱自動車は同年、グローバルで248,000台のLCVを
販売。最量販モデルはトリトン/L200」で125,000台を
販売した。
横浜ゴム、SUV・ピック向けマッ
テレーンタイヤ
ルノーのピックアットラック「アラスカン」日産「パトロール」

TheTRUCK2017年4月号95
 住友重機械工業の関係会社である住友ナコフォークリ
ト㈱(本社:愛知県大府市、加藤成社長)は、物流業界
への新たな価値提案として、物流現場のピッキング/搬送
作業の新スタンダード「Pickio」シリーズを2017年3月1
日に発売した。
■「Pickio」シリーズの主な特長
⑴簡単操作
 ピッキングからトラックへの積込作業までの一連の作業を誰
でも簡単に行なことができる。大容量のACモーターと電子
制御技術の採用でスムーズな走行操作を実現。バイクタイプ
ハンドルにより、自転車やバイクを運転する感覚での操舵。
また、最大荷重1トン未満フォークリフト運転特別教育のみ
で運転可能。
⑵安全性
 運転席のついたコンパクト仕様により、旋回操作
の取り回しを安全に行うことができ、機器と壁・棚と
の挟まれなどの事故防止に寄与する。また、腰への
負担や長距離の歩行を伴うピッキング作業を減らした
い、脚立を用いての棚2段目へのピッキング作業を回
避したいなど、職場の労務安全の改善に活用できる。
 「GEOLANDAR」ブランドとしてはすでに2016年8月に
オールテレーンの新商品「GEOLANDARA/TG015」、
2015年7月に中・大型SUV向けのハイウェイテレーン
タイヤ「GEOLANDARH/TG056」が発売されている。
⑶長時間稼動
 最大9時間稼動(標準仕様201Ah、稼働率55%、
放電率75%)、一般的な使い方で約4年のバッテリー寿命
(27.5時間稼動させたときの充放電サイクル回数に基づく)
を実現。長時間稼動により、作業量の多い日も安心して使
用できる。
その他、都市型クロスオーバー/中・小型SUV向けの
「GEOLANDARSUV」を販売しており、今回の新商品の
投入により、さらに幅広いユーザーニーズに応えるラインアッ
プとなる。
小型荷役搬送機器…住友ナコ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
物流業界への新たな価値提案として
小型荷役搬送機器「Pickio」シリーズを発売
 ユーピーアール㈱(本社:東京都千代田区/酒田義矢社
長=UPR)は、㈱ダイフク傘下の㈱ダイフクプラスモア(本
社:東京都港区/井狩彰社長)との間で、ダイフクプラスモ
アが展開するロールボックスパレッ(カゴ台車)のレンタル事
業を譲り受ける旨の合意に至り、2017年4月より事業を
開始する。
 UPRは従来、パレットやラックを中心にレンタル事業を行っ
てきたが、今回の事業譲受によりカゴ台車まで取扱資材を
広げることになり、ユーザーにより幅広いサービスの提供が
できる体制を整えたことになる。さらに、労働生産性向上に
カゴ台車…ユーピーアール
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ダイフクプラスモアからカゴ台車レンタル事業を譲受
「Logistics4.0」の実現を目指しレンタルアイテムを強化
小型荷役搬送機器「Pickio」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年4月号96
いすゞ自動車㈱とゼネラルモーターズ・カンパニー(GM)
は、経済成長の続く東アフリカ市場において、いすが商用
車の生産販売事業の拡充を図る目的でGMイーストアフリカ
(GMEA)に出資をすることで合意した。
 GMEAは、1975年の設立以来40年間にわたり、ケニ
ア共和国ナイロビでいすブランドの小・中型のトラック・バス
の生産販売、いすピックアップトラック・シボレー乗用車の
輸入販売を行っている。2012年以降5年連続でマーケッ
リーダーとしてケニアの商用車市場を牽引している。
 いすゞは、GMが保有するGMEAの全株式57.7%を取得
し、同社を連結子会社化した。また、これに伴い2017年
4月より、GMEAは、「ISUZUEASTAFRICA(仮)に社名
を変更する予定となっている。
 いすは、今回の出資により、社員の研修・育成やいす
の技術支援を通して更なる品質改善、車両の拡販を目指す。
また、東アフリカでのアフターセールス体制の基盤強化に努
めるとしている。
■新会社の概要
◇会社名:いすゞイーストアフリカ(ISUZUEASTAFRICA
LIMITED)
◇所在地:ケニア共和国ナイロビ
◇代表者:リタ・カバシェ(社長)
◇主な事業株主:いすゞ:57.7%、ICDC:20%、Centum
Investments:17.8%、伊藤忠商事:4.5%
◇事業内容いすトラック・バスのCKD生産販売、いすゞピッ
クアットラックの輸入販売、部品供給、サービス提供
◇資本金:KES31mil(約3千万円)
東アフリカ事業…いすゞ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞ商用車の生産販売事業拡充を目的に
GMEA株式取得で東アフリカ事業の基盤強化
つながると注目される「アシストスーツ」や最新
鋭のRFIDシステム「スマートパレット」も積極
的に展開することで、物流分野・業界の労働
力不足を解消する方策のひとつにしたいとして
いる。
 これにより、UPRの「Logistics4.0」実現
を目指すことになる。また、今後カゴ台車には、
「スマートパレット」で開発したRFIDタグを適
用していく予定となっている。
UPRが目指す「Logistics4.0」
トロイト・ミシガン州のGM本社
いすピックアットラック

TheTRUCK2017年4月号97
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、ウガンダの土木
事業・運輸省のインフラプロジェト向けに、日本のビジネス
パートナーに対してFUSO車両を502台納入する。
 ウガンダはGDP成長率5%と、アフリカで最も急成長を遂
げている国のひとつ。農業国である同国では、インフラ計画
が相次ぎ策定されている。特に道路網についてはすでに約
13万㎞まで拡張されている。ウガンダ政府は今回、農作物
の効率的な輸送を目的として、全国112地区の道路網を整
備・伸張する。同国では、GDPに占める農産物産業の割
合は約30%となっており、道路整備が発展の要となる。三
菱ふそうは同プロジェクト向けに、地域のインフラ建設のニー
ズを満たす車両を提供することになる。
 FUSO車両を含む輸出売買契約は住友商事㈱とウガンダ
の土木事業・運輸省との間で2015年9月に締結された。
FUSOは極東開発工業㈱などの架装メーカーにシャシを提
供し、架装メーカーが小型トラック「キャンター」(移動作業車
用)、中型トラッ「ファイター」(ダンプ、アスファルト配給車、
散水車およびクレーン付貨物車)大型トラック「スーパーグレー
ト」(ローダーおよびトレーラー)の架装を行うことになっている。
 建設車両の点検・整備は、FUSOの認定卸売販売会社
であるSpearMotorsLtd.が担当する。同社は2013年以
降、FUSO車両の販売およびサービスを行っている。
 MFTBCは、急成長する新興国の発展に貢献するため、
インフラプロジェクト向けに車両を大口納入するなどの活動を
今後、拡大していくとしている。
大口納入…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ウガンダでのインフラプロジェクト向けに
ダンプなどの建設車両を大口納入
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)は、
バーレーンでFUSOの新型車両「FA」「FI」「FJ」
「FZ」を発売する。
 バーレーンはペルシャ湾地域に位置する小さな
島国で、33の島で構成され、人口は約140万
人。国名はアラビア語で「2つの海」を意味する。
バーレーンの国土は90%以上が砂漠地帯で占め
られているため、トラックの走行には過酷な環境
となる。主要産業は産油で、水道・ガスなどの
公共設備の更新をはじめとするインフラや道路網
の整備も継続的に行われている。さらに、バー
レーンの主要港であるミナサルマン港からは貨物
バーレーンで新型車…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中東バーレーンで新型車両を発売
砂漠地帯の厳しい走行条件に対応した設計を採用
中型トラック「ファイター」のダンプ(極東開発)
バーレーンでのFUSOトラク発表会の様子

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TheTRUCK2017年4月号98
輸送が活発に行われている。これらのことから、バーレーンで
は過酷な走行環境にも耐えられる商用車が求められている。
FUSOの新しい中・大型トラックは堅牢で、バーレーンのユー
ザーの高い要望に応えられるよう設計されたもの。GDP成長
率3.2%の同国の商用車の総需要は約1,000台と推計され
ている(MFTBC調べ)。
 FUSOの新型車両は、輸入・卸売販売会社で商用車で
はFUSOブランドを専売するZayaniMotorsを通じて販売さ
れる。同社はバーレーン国内に5つのカスタマーセンターを有
している。MFTBCは、1994年からZayaniMotorsと提
携し、小型トラッ「キャンター」、小型バスローザを販売し
ている。FUSOは10年にわたってバーレーンの小型トラッ
分野でシェア約40%を占め、首位の座を維持し続けている。
2016年は約400台を販売している。
 ダイムラー商用車部門の中東地域でFUSOブランドを統
括するセバスチャン・ヘンリー氏は、2月21日にバーレーン
 ルノー・日産アライアンスとヨーロッパ最大の公共交通機
関を手がけるトランスデブ(Transdev)社は2017年2月27
日、無人運転車を活用した公共交通およびオンデマンド型交
(利用者の要望に応じて提供される交通システム)向けのモ
ビリティサービスを共同開発することで合意した。
 両社は、利用者が無人運転車の乗車予約をしたり、オペ
レーターによる自動運転車両の監視および運行管
理を可能にする包括的な交通システムの開発を行
ことになる。
 ルノー・日産アライアンスでコネクテッド・カー
およびモビリティサービスを担当するオギ・レドジク
SVP(シニア・バイスプレジデント)は、「モビリティ
サービスが進化を続ける中、我々はお客さまのニー
ズに合った革新的なソリューションを提供する大き
なチャンスを迎えています。これは、ゼロエミショ
ン、ゼロ・フェイタリティ社会の実現を目指す当社
のビジョンに沿った取り組みでもあります。今回の
提携により、電気自動車、自動運転車およびコネ
クテッド技術におけるリーダーであるルノー・日産ア
ライアンスの知見を、世界最大手のモビリティ運
自動運転…ルノー・日産
話題のニュートラック新製品情報・新情報
未来の公共交通とオンデマンド型交通に対応した
無人運転車のフリートシステムの共同開発で合意
の首都マナーマで開催された発売イベントで、「FUSOはバー
レーン市場において長い歴史を有します。私たちのビジネス
パートナーであるZayaniMotorsは、バーレーンの自動車業
界で高い評価を獲得してきました。私たちは2015年10月
にMENA(中東・北アフリカ)地域のリージョナル・センター
ドバイに開設し、同センターを通じてバーレーンとより緊密に
業務を行っています。これにより、私たちは、同市場の動向
の把握をらに深め、市場の要求に迅速に対応することがで
きるようになりした」と述べた。
 ZayaniMotorsのゼネラル・マネージャーMajidK.Al
Zayani氏は、「新しい中・大型トラックの発売により、Zayani
Motors、FUSO、アル=ザヤニ家との長年に及ぶ歴史に新
たな1ページを加えました。私たちは、今回投入する新型車
両がバーレーン市場でトップを獲得すること、そして、その進
化を遂げた性能がお客様の予想を超えるものであることを確信
しています」と抱負を語った。
行会社の1社であるトランスデブ社と共有することが可能にな
ります。我々は既存の公共交通システムをより良いものにす
べく、先進的な無人モビリティシステムを共同で開発します」
述べている。
 両社は、第一段階として、欧州で最も売れている電気自
動車であるルノー「ZOE(ゾエ)」を使ったパリ・サクレー地区
欧州で最も売れている電気自動車のルノー「ZOE」

TheTRUCK2017年4月号99
での実証実験や、トランスデブ社のオンデマンド配車や運
行管理、経路選択のためのプラットフォームなどの検証を
行う。
トランスデブ社のチーフ・パフォーマンス・オフィサーである
ヤンルリシュ氏は、「未来のモビリティはパーソナルなものに
なるともに、自動運転化、コネクト化、電動化していくしょ
う。当社は、公共交通およびオンデマンドシェアサービスの
世界的リーダーとして、クライアントに最高のソリューションを
提案しています。ルノー・日産アライアンスとのパートナーシッ
プは、当社の革新力を高めるともに、互いの強みを融合す
ることで、市場投入までの時間を短縮します」と語っている。
 ルノー・日産アライアンスは、先進のコネクテッド・カー技
術およびモビリティサービスの開発を加速すべく、様々なパー
トナーシップを結んでいる。ユーザーの経験をより良いものと
するための単一グローバルプラットフォーム開発を目的としたマ
イクロソフト社との提携や、モビリティサービスでの無人運転
技術活用の検証を含んだ㈱ディー・エヌ・エー(DeNA)との
実証実験はその一例である。
■トランスデブ社について
 フランス預金供託金庫の70%出資子会社であり、ヴェオリ
ア社が30%を出資している。トランスデブ社は公共交通機関
のコンサルティング企業としてプロジェクトの準備段階から管
理支援、公共交通ネットワークの日常運行まであらゆるサポー
トを行っている。19か国に83,000名の従業員を有する同
グループは、43,000台の車両と路面電車22路線を運行
管理し、2015年の総売上高は66億ユーロになる。
 運輸・交通業界で重要なテーマであるの、安全運転、事
故防止、省エネ運行、そしてドライバーの健康管理にスポッ
トを当てた『運輸・交通システムEXPO2017』が2017年
5月24日㈬から26日㈮の3日間、東京ビッグサイトで開催
される。主催は運輸・交通システムEXPO実行委員会で、
日本イージェイケイ㈱とパラボックス㈱が運営事務局を担当す
る。協力は(公社)全日本トラック協会、後援として(公社)
本バス協会、(一社)日本3PL協会、(公社)日本包装技術協
会、(一社)日本パレット協会、日本マテリアルハンドリング(M
H)協会、(一社)日本物流システム機器協会、(一社)新日本
スーパーマーケット協会、(一社)情報通信技術委員会、(一
社)日本トラッドライバー育成機構、他を予定している。
展示会…運輸・交通システムEXPO実行委員会
話題のニュートラック新製品情報・新情報
事故防止や効率運行をテーマとする
「運輸・交通システムEXPO2017」が5月に開催
 同展には、安全運転、事故防止、省エネ運行、ドライバー
健康管理に対しての各種課題を解決するためのシステムや製
品、技術が一堂に集まる。安全運行を確保しつつ効率的な
運行をアシストする機器やシステム、ドライバーをサポートする
製品など、今もっとも注目されているアイテムが多数展示され
る。具体的には、①安全運転・事故防止…安全運転支援
システム、安全運行を支援する製品やソリューション、②ドラ
イバーの健康管理…ドライバーの健康管理や体調管理を行う
ための各種製品やソリューション、③業務効率改善支援…コ
ト低減ニーズに応える運行管理システムやIP無線などの運
行管理システム、④省エネ機器&ンテナンス…省エネ運行
に貢献するシステムと、タイヤなど環境に配慮した省エネ関連
安全運転、事故防止、省エネ運行、ドライバーの健康管理にスポッを当てた「運輸・交通システムEXPO」(写真は2016年開催展)

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TheTRUCK2017年4月号100
アイテムや車体のメンテナンス製品やサービス、となる。
 また会期中には、運輸・交通業界において深刻な課題となっ
ている、人材不足を解決するための専門セミナーや出展社に
よるプレゼンテーションも無料で実施されることになっている。
 主な場対象者としては、①運送事業者、②バス、タクシー
事業者、③企業の物流管理・配送部門、④3PL関連部
門、⑤荷主、⑥自動車メーカー、ディーラー、⑦自動車機器、
部品メーカー、⑧システムインテグレーター、などとなる。
 なお同展は、来場者数約45,000人の無線通信展示会
「ワイヤレスジャパン2017」「ワイヤレス・テクノロジー・
パーク2017」と同時開催される。同時開催展に来場する通
信事業者、通信機器ベンダー、システムインテグレーター等
の来場者を共有することになる。さらに、総務省協力による
ITS、自動安全走行、テレマティクスに関する専門エリア「ITS
パビリオン」も設置される。
 また、「運輸・交通システムEXPO」の開催コンセプトを
ベースとする『運輸・交通システムEXPOin大阪2017』
が2017年6月8日㈭から9日㈮の3日間、インテックス
大阪で「サービスロボット開発技術展2017」と同時に開催さ
れる。
安全運転、事故防止、省エネ運行、ドライバーの健康管理にスポッを当てた「運輸・交通システムEXPO」(写真は2016年開催展)

TheTRUCK2017年4月号101
 TOYOTAは、スイス・ジュネーブで2017年3月7日〜
19日に開催された第87回ジュネーブ国際モーターショー(Le
87eSaloninternationaldel'automobileGeneve)で、
近未来の都市型モビリティライフを提案するコンセプトモデル
「TOYOTAi-TRIL」を世界初披露した。ちなみに、コンセプ
トモデルの名称の“i”は私、TRILはTRIple(3人)とLean(リー
ンテクノロジー)を合わせた造語である。
 TOYOTAi-TRILは、「走る楽しさを追求する近未来の都市
型モビリティ」をテーマに掲げ、新しい乗り味と使い勝手のよ
による楽しさを提供するともに、都市生活者のニーズに応え
る小型EVコンセプトである。
 同コンセプトモデルは、コンパクトなボディサイズにより車体
の取り回しが良く、左右前輪が上下して車体の傾きを最適か
つ自動的に制御するアクティブリーン機構を採用したことで、
快適性・安定性を両立し、意のままに操れる一体感のある爽
コンセプトモデル…TOYOTA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
近未来の都市型モビリティ「TOYOTAi-TRIL」を
ジュネーブモーターショーで初披露
快な走りが実感できる。なお、アクティブリーン機構は、ドラ
イバー自身が車両のバランスを保つ必要がなく、安定した走
行を可能にする技術である。
 また、クルマの中心にドライバーを配置する「1+2レイアウ
ト」によって、3人乗車が可能なパッケージとし、ドライバーと
同乗者の絶妙な距離感を実現することで、心地よい車内空間
を創出。さらに、ドアがフロアの一部を構成しており、開くとフ
ロアのステップ部分が空くため、楽な乗降を可能としている。
 TOYOTAi-TRILのデザインは、フランス・ニースに拠点
を置くED2(ToyotaEuropeDesignDevelopment/
EDスクエア)が担当。将来、欧州では小・中規模都市の
発展が見込まれており、小さなコミュニティにおける30-50
代の子育て世代のライフスタイルを想定し、便利で快適な
新ジャンルの都市におけるモビリティの進化を具現化したも
のである。
ジュネーブモーターショーで初披露された近未来の都市型
モビリティ「TOYOTAi-TRIL」

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年4月号102
ゲンケートジャパンコンサルティング
井上元
(元日本フルハーフ㈱)
狐狸庵先生こと故遠藤周作はリヨンへ
留学した
『“Solutrans”開催都市
 
“リヨン”ぶらり漫
󱢞󱢟
ろ歩き』
 若い頃はラジオ放送が娯楽の中心だったが、1959年の天皇皇后両陛下の結婚
を機会としてTVが娯楽の中心として一気に普及した。ラジオ放送にはなくて
TV放映に変わってから制作された番組に“街歩き”や“散歩”がある。毎日の
ように鉄道沿線の町、温泉地、観光地を歩いて紹介する番組が放映されて人気と
なっている。
 旅行先や出張先では運動不足の解消と土地勘を身に付けるため、暇な時には街
中を散策した。フランス商用車ショー“Solutrans”はリヨン郊外で開催されるの
で、見学に行くたびにリヨン市内に宿泊して世界遺産の街を歩いた。
 パリのシャルル・ドゴール空港から高速鉄道
TGVを利用して約2時間でフランス東南部にある
“世界遺産の街”、“食の街”のリヨンに到着する。
リヨンは紀元前のローマ時代から栄えた歴史のある
街で、古い街並みの落ち着いた佇
󱢠󱢠󱢛
まいを感じる人口
165万人の街である。
 軽妙洒脱で抱腹絶倒するエッセイや小説を書いた
狐狸庵先生こと故遠藤周作はリヨンへ留学し、永井
荷風はリヨンで銀行員として滞在をしたことがあ
る。小説『星の王子さま』を書いたサン・テグジュ
ベリはリヨンの出身である。
 在職中、「心で見なくちゃ物事はよく見えないっ
てことさ!肝心なことは目に見えないんだよ!」と
小説『星のおうじさま』の言葉には身をつまされる。
 リヨン(Lyon)
はフランス語で
ライオン(Lion)
と発音が同じこ
とから、ライオ
ンが街のシンボ
ルにされ、て市
内のあちこちに
ライオン像が見
られる。
 街のランドマー
クのフルヴィエー
“元さんの従心こばなし”

TheTRUCK2017年4月号103
フルヴィエール丘に建つロマネスク様式のノトルダム大聖堂。正面にはライオン像が鎮座し、内部は金箔で覆われている
フルヴィエール丘からはオレンジ瓦のリヨン市街が眼下に広が
る。手前はソーヌ川
フルヴィエール丘へ登るケーブルカー
紀元前に造られたローマ劇場。現在でも野外劇場として利用
される
ル丘に建つノートルダム大聖堂へケーブルカーを利用し
て登ってみる。
 ノートルダム大聖堂は社会主義に対するキリスト
教の勝利の象徴として19世紀に建設された。リヨ
ンはフランスで最も早くキリスト教が布教されたこ
とでキリスト教徒の巡礼の地になっている。
 教会の内部はビザンチン様式でいたるところに金
箔が貼られ、教会の正面には街の象徴のライオンが
鎮座している。
 フルヴィエールの丘からはリヨンの街を一望する
ことができ、オレンジ色の瓦屋根が眼下に広がり、
美しく世界遺産の街を飾っている。
 大聖堂から数分で紀元前15年に造られ、現在でも
野外劇場として利用されているローマ劇場がある。

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年4月号104
旧市街の中程に建つサン・ジャン大聖堂
大聖堂前で昼食を食べる女学生
一流レストランから市民の食卓まで“美食の街”リヨンを支えるソーヌ川沿い
の青空市場
ヨン近郊ディジョン地方の名品“マスタード”
リヨンを“絹の街”として繁栄させた旧市街。狭い小路が入り
組んでいる
 ケーブルカーで下山して左に曲がると1998年
にユネスコ世界遺産に登録されて歴史地区になっ
ている旧市街に入る。16世紀にリヨンは絹織物
で繁栄し“絹の街”として発展した。当時、完成
した絹製品を雨中でも濡らさないように街中には
たくさんのトラブール(小路)が造られ、今でも
700カ所ものトラブールが観光客の人気になって
いる。
 旧市街を抜けソーヌ川にかかるボナパルト橋を
渡ると“食の街”リヨンを支える“青空市場”に出
る。川沿いに2㎞もの長さで、世界一美味しいと言
われる“鶏”、“トリフ”、“チーズ”や新鮮な野菜類、
安価な土産品として最適な近郊のディジョン名品の
“マスタード”などが売られている。

TheTRUCK2017年4月号105
ベルクレール広場の大観覧車ポールボキューズ料理専門学校
リヨン市内には4店舗の“ポールボキューズ”
店がある。写真は北店
ポールボキューズ料理学校内のレストラン。正面写真はポー
ルボキューズ氏
生徒は卒業後、
世界中に展開する
ポールボキューズ
店に派遣されて料
理を提供する
 同料理学校では学生らに料理だけでなく、給仕マ
ナーやテーブルセッティングなどをベテラン教員の
厳しい指導のもとで教育し、ミシュランで三ツ星に
選ばれた世界各地の”ポールボキューズ“レストラ
ンに派遣する料理人を養成している。
 リヨン市内には4店舗のポールボキューズ店があ
るが、料理学校内にもレストランが併設されていて、
同校の学生が料理するポールボキューズの料理を格
安で食べることができる。
 青空市場を直進するとリヨンの英雄、ルイ14世
の銅像と大きな観覧車のあるベルクール広場に出
る。広場に面したロイヤルホテルの一角に“Institute
PaulBocuse(ポールボキューズ料理学校)”がある。

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年4月号106
前後の隙間な路上駐車。出発時は前後の車両を押しのけて発
進。隙間な駐車した車が歩道を歩く歩行者の安全を確保する
歩道を抉
󱢇󱢐
って走行する車の直進性を確保した路上駐車場。
荷捌き駐車にならず歩行者の安全も確保
国内では道路上に突き出た駐車が多く通行車の直進走行性
が確保できない
恋を語るには「洒落たお店でフラ
ンス料理」が一番?
新市街には有名ブランド店や、美食の街らく洒落たレストラ
ンが並ぶ
生徒は肉料理、魚料理、デザートなどの専門料理を学ぶだけでなく、テーブルセッティング、給仕マナーなどをベテラン教員の指導
のもとで厳しい訓練を受ける
 ベルクール広場から真っ直ぐに新市街をテロー広
場に向け歩いてみる。
 新市街には高級ブランド店や“食の都”らしくお
洒落な雰囲気のお店が並んでいる。パリと違ってお
店によってはフランス語しか通じないので難儀する。
 狭い新市街の道路
では歩道を抉
󱢇󱢐
ったか
たちで駐車場が配置
され、国内のような
迷惑なトラックの
“荷捌き駐車”もな
く、走行する車両の
直進性を確保してい
る。路上に設置され
た駐車スペースでは
前後の隙間なく駐車
し、出車時には前後
の車両を押しのけて発進する光景は、車が傷つくこ
とを気にする日本人には理解ができない。

TheTRUCK2017年4月号107
交差点や舗道縁部に立てられ歩道、自転車道の安全を確保
する“車両突入防止石棒”
景観に配慮してデザイン性に優れた車両突入防止用
“防車棒” 
国内で見られる“荷捌き駐車”。通行する他車への迷惑だけで
く歩行者を危険に巻き込んでいる。フランスで荷捌き駐車を
見ることは少ない
国内の交差点には車両突入防止石棒の設置が少なく舗道に
突入する車両による事故で歩行者の犠牲が多発している(東
京銀座)
上下する“車両停止棒”。通行が許可された車輛は車内からの遠隔操作で“停止棒”を下降させて通行する
車輛の通行可能時は下降
車両の進入遮断時は上昇
 国内では危険ドラッグの吸引や飲酒運転で舗道へ
車両が突入して歩行者が死亡する事故や、歩道を縦
列に通学する小学生の列に高齢者が運転ミスをした
車や、運転手が突然の病に襲われて暴走した車など
による事故が後を絶たない。
 国内では車両の舗道への突入防止に無機質な鉄製
のガードレールがたくさん設置されているが、リヨ
ンでは街の景観に配慮して横断歩道や舗道縁部にデ
ザイン性に優れた車両突入防止棒が設置されて歩行
者の安全を確保している。交差点の横断歩道部には
太いお洒落な石製の“防車石棒“が各コーナーに設
置されて、暴走する車から歩行者の安全を確保して
いる。
 車両の通行禁止時間には“車両遮断棒”が上昇し
て車の進入を防ぎ、通行許可を受けた車は車内から
の操作で“遮断棒”を下降させて通行を可能にする
停止棒装置も多く使われている。

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年4月号108
テロー広場に面した市庁舎と“躍動する4頭の馬”の噴水
 新市街の終わりに位置するテロー広場に着く。広
場の正面には17世紀に建てられた豪壮な市庁舎が
あり、その前には躍動する4頭の馬の噴水がある。
 広場に面したカフェに入りエスカルゴをつまみに
地域の名産のブルゴ−ニュワインを注文して一人旅
の疲れを癒す
 フランスワイン特有の渋みを含んだワインの王様
と称されるブルゴ−ニュワインなのだが、その旨さ
は良く解らなかった。
 休憩後、支払いを済ませてウェイトレスに“さよ
なら”のつもりで“オルヴォワール(Aurevoir)”と
声をかけると、“Aurevoir”はまた会いましょう“の
意味で、フランスでは“さよなら”は言わないの!
と優しく教わる。
 笑顔で「オルヴォワール(Aurevoir)“また会いま
しょう”」と声をかけられ、従心世代の心が和む。
 フランスの商用車ショー“Solutrans”(フランス商
用車展示会)が開催される世界遺産の街リヨンは、安
全で食べ物も美味しい素敵な散歩のできる街だった。
 記:2017年Solutrans(フランス商用車展示会)
11月21日〜25日迄、リヨン(仏)で開催が予定さ
れている。

永年培った車体技術で
不可能を可能にします
移動販売店舗車
 3トン車タイプ(拡幅式)
移動理美容車
 「イノベーション」3トン車タイプ(拡幅式13.2㎡)
■物流車
 電動式リフトウィング車
物流車水平脱着ボデー
物流車
   空ドラム缶運搬車
物流を創造する
オオシマからの提案
永年培った車体技術で
不可能を可能にします
オオシマ自工株式会社
〒742ー0023 山口県柳井市南浜4丁目3ー7 
TEL0820ー23ー3800 FAX0820ー23ー3801
http://truck.oshimajiko.co.jp/
エアーを抜いた状態
ゴムベルトの収縮によ
り、薄くなった状態
エアーにより膨らんだ
 状態
約5トンの圧力で固定
(エアーホース∅310㎜)