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【対談】いすゞ自動車販売(株)成松幸男社長

TheTRUCK2017年1月号20
いすゞ自動車販売㈱成松幸男社長に聞く
発売一年、
好調に推移する
いすゞ新型ギガ(GIGA)
路上故障ゼロを目指す
“運行サポートシステム”
 戦後間もなくトラックが本格的に物流を担う時代が到来する。当時の車両は極
めてシンプルで、運行中にエンジンが停止して動かなくなることも…。その度に
運転者が路上でボンネットを開けて自分で修理していた。従って、当時のトラック
ドライバーは整備士を兼ねたエリートで、高いプライドをもっていたという。ところが、
現在のトラックは燃焼システムや電気系統、排ガス処理に至るまで電子制御になっ
ているので、通常の知識では修理出来ないほど複雑な機構になっている。この
ハイテク時代にユーザーが最も恐れるのが運行中の路上故障である。荷主から
預かった荷物は指定の日時に届けなければならないのに、支援車が駆けつけても
大型車だと大量の荷物になるので積替え作業は容易ではない。このハイテク時代
にユーザーが安心してトラックを運行できるように、チェックランプで常に車両の
状態をドライバーに知らせて、故障を未然に防止するのが、いすゞ自動車が新型
ギガ(GIGA)に標準装備した“運行サポートシステム”である。これにより、
トラックの歴史が大きく変わるかも知れない。
(秋林路)
成松幸男
いすゞ自動車販売㈱
代表取締役社長
ゲス

TheTRUCK2017年1月号21
ユーザー評価の高い新型ギガに安堵のいす自動車販売㈱の成松幸男社長
この先1年間が
 トラック需要のピークに
□秋林路 最近、トラック産業は
好調に推移していますが、需要は
非常に波動の大きい業界ですね。
□成 松 そうですね。物流を支
えている産業ですから経済の情勢
にも左右されますし、環境や安全
などの関係で法律が変わると、排
ガス対策などで車両も変わらざる
を得ませんので、需要は安定しに
くいですね。
□秋林路 現在の需要は約10年
前の排ガス規制で出た需要の代替
えと震災復興や津波対策、それに
2020年のオリンピック開催も明
るいムードに繋がっているのでは
ないかと思います。
□成 松 トラックの需要が良く
なるパターンはこの数十年間決
まっていて、まずダンプやミキサ
など建設型が良くなって、次に
カーゴ系に移ります。今回も同じ
パターンなのですが、昔と違うの
はダンプやミキサが占める保有の
割合が小さくなっていますので、
建設型の需要が落ち着くのが早く
て、今はカーゴ系の需要が永く続
く形になっています。
□秋林路 トラック産業界は、そ
ういう背景を踏まえて戦略を立て
なくてはならないので、大変だと
思います。
□成 松 戦略を立ててもどうに
もならない場合もあります。その
意味では運も左右します。
□秋林路運も実力の内と申し
ますから、成松社長は運を呼び
込む星の下におられるのだと思い
ます。(笑)今日はいすゞ自動車さ
んが昨年10月に発売された新型
ギガのユーザー評価などを中心に
伺いたいと思っております。
□成 松 結論から申し上げます
と、お客様から非常に高い評価を
得ています。その意味では運
良かったのかも知れません。(笑)
□秋林路 それは、運ではなく
て商品力です。ただ、最近のトラッ

TheTRUCK2017年1月号22
ドライバーから評判のよい新型ギガの室内
SUPER-G-CARGO
いすゞ自動車販売㈱成松幸男社長に聞く
ク市場は納期が非常に永くてユー
ザーから困惑の声も聞かれます。
トラックの歴史で納期がこれほど
永くなった事はないと思います。
□成 松 実は、リーマンショッ
クの影響で需要が大きく減退し
た時に、車体メーカーさんは人員
削減や工場閉鎖など一斉に生産能
力を落としておられるのですが、
ここに来て需要が回復しても、長
期にわたって需要が約束されてい
る訳ではないので、増産に慎重に
なっておられるのです。それと労
働力不足に加えて労働時間の制約
もあるので、納期の長期化を招い
ているのです。
□秋林路 車体メーカーは需要変
動でこれまで何度も辛い目に合っ
ているので、増産に慎重になるの
は判ります。
□成 松 排ガスは来年(2017)8
月の平成28年度排出ガス規制が
控えていますので、他社さんはそ
れまでに新型を市場投入されると
思いますが、その前に現行車の販
売が強化されます。新型のコスト
アップは避けられないので、既に
ユーザーさんの中には先を見越し
て買い換えの動きも見られます。
従いまして、トラック需要は今後
も高い線で推移しますが、今年度
の下期と来年度の上期がピークに
なると思います。

TheTRUCK2017年1月号23
“運行サポートシステム”
 で安心を提供
□秋林路 なるほど、この先一年
がピークですね。ところで、他社
に先駆けて発売した新型ギガに対
する評価をどのように分析してお
られるのですか。
□成 松 実は、新型を市場投入
する時は、いつも何か予期せぬト
ラブルが出ないか心配するのです
が、幸いこの一年間商品上の大き
な問題は全く出ていないです。
□秋林路 それは素晴らしい事で
す。やはり開発コンセプトが時代
のニーズにマッチしていたのだと
思います。
□成 松 今、お客様が一番困っ
ておられるのは、ドライバー不足
なんですね。この新型ギガは外観
とか内装もドライバーさんに好評
で、「新型ギガに乗りたい」と言っ
て下さる方も増えているんです。
やはり、ドライバーさんの声が市
場を動かす時代になっていると思
います。それと、基本的に非常に
品質が安定している車両だと思い
ます。
□秋林路 トラックは大量の荷物
を運ぶので燃料の消費も大きい
し、運送経営にも関係します。ユー
ザーは燃費に対して非常に関心が
高いですね。
□成 松 実は、全国約2000台
のモニター結果なのですが、燃費
は従来車と比べてかなり良くなっ
ているんです。このところ燃料価
格は低迷しているのですが、いつ
までもこの状況が続くとは限りま
せん。トラックは長期間走り続け
ますので、燃費が良くなれば車両
価格が多少高くてもランニングコ
ストで回収できます。先を見据え
た運送経営者はその点を高く評価
しています。
□秋林路 燃費の良さはそのまま
ユーザーの利益に直結しますの
で、商品力の中でも大きな要点で
すが、新型ギガの販売台数にも現
れているのですか。
□成 松 はい。新型ギガは全体
としても好評で、この一年間の販
売台数は前年の約3割アップで推
移しています。
□秋林路 なるほど、具体的に数
字に現れれば説得力があります。
ただ、来年他社3社が新型を市場
投入すると、そこから新しい展開
が始まるのではないかと思います。
□成 松 そうですね。当然他社
さんも商品力を強化して来られる
と思います。その点、当社が一歩
先を進んでいると言えるのは運
行サポートシステムなんです。
□秋林路 具体的にはどういうシ
ステムでしょうか。
□成 松 これまでのサービス
は、壊れたら修理するという考え
でしたが、新型ギガでは、壊れる
予兆を事前に検知して、それをい
ち早くお客様に伝えて、壊れる前
に整備するシステムです。
□秋林路 なるほど。最近のト
ラックはエンジンなども電子制御
になっているので、壊れる予兆が
検知できるのですね。
□成 松 そうです。それも黄信
号と赤信号がありまして、黄信号
ならもう一運行してから整備して
も大丈夫だが、赤信号だと整備し
てから運行する…そういう事をお
客様と一緒にやっていこうとして
いるのです。
□秋林路 人間ですと、病気にな
る前に日頃から運動して健康増進
に努めるとか、定期的に健康診断
するとか、病気にならないように
気を使いますが、トラックも同じ
考え方ですね。
□成 松 そうです。これまでも
小型車ではモニターしていたの
ですが、新型ギガでは標準装備に
しました。具体的には排ガスの後
処理装置DPDの状態とかエンジ
ンの大きな重要な部分については
チェックランプが点灯します。
□秋林路 これだとユーザーも安
心してトラックを運行できます
ね。
□成 松 お客様が一番心配され
るのは路上故障なんです。大型車
は多くの荷物を積載しています
から、路上故障すると別の車両
に積み替えて、目的地に運ばな
ければならなくなるのですが、
これは交通障害になるし大変な
作業です。そこで、路上故障が
起きる主な項目については、個々
の車両ごとに現在の状態を見る
ことが出来るようにしましたの
で、我々がデータを取ってお客
様に伝えることで、大きなトラ
ブルを未然に防ぐことが出来る
ようになったのです。これは一
歩進んだ考え方だと思います。
□秋林路 以前、航空機の整備を
取材した事があるのですが、離
陸してから不具合を発見しても
飛行中は修理できないので、離
陸前の点検・整備がとても大事
で、非常に綿密な整備マニュア
ルがあって、整備士の育成も計
画的に行われていました。トラッ
クもそういう時代に入って来た
という事ですね。
□成 松 まだ全国一律に完璧な
サービスが提供できる訳ではあり
ませんが、新型ギガはそういうシ

TheTRUCK2017年1月号24
Gカーゴ
Gカーゴクールウイング
CNG8×4 フルキャブ
いすゞ自動車販売㈱成松幸男社長に聞く

TheTRUCK2017年1月号25
ステムを取り込んだ車両です。
□秋林路 トラックも環境・安
全をキーワードにどんどん先進技
術が盛り込まれていますので、整
備のメカニックも大変だと思いま
す。この運行サポートシステム
は、メーカーとユーザーが一緒に
なって行うソフト面が大切ですね。
□成 松 そうです。まだモニ
ター結果ですが、このシステム
の導入で大きな故障は激減し
て、路上故障は60〜70%も減っ
ています。
□秋林路 それは大きな成果です
ね。ユーザーも安心してトラック
を走らせる事ができます。
□成 松 はい、この運行サポー
トシステムについては、先進的
な経営者から圧倒的な評価を頂い
ています。
協力店も含めて整備の
 品質向上に取り組む
□秋林路 具体的には、この運
行サポートシステムはどのよう
に運用しているのですが。
□成 松 基本的には、販売会社
の人がチェックして、状況をお
客様に伝えるのですが、同時にお
客様自身も黄色か赤か確認出来ま
す。例えば関西から東京に運行し
てきたトラックに赤ランプが点灯
したとします。このまま関西に戻
ると路上故障になる可能性があり
ますので、関東のサービスセン
ターに入って整備してから戻りま
す。また、赤ランプによって障害
が出ている場所が事前に分かりま
すので、携帯でご連絡頂ければ交
換部品などを用意して待機するこ
とも可能になります。
□秋林路 この予兆診断の精度は
かなり高いものですか。
□成 松 勿論100%という訳に
はいきませんが、精度はかなり高
くなっています。これは今後実績
を重ねる事で限りなく100%に近
づくと考えています。
それと、現在は全国どこのサービ
スセンターでも同じサービスを受
けられるように、研修活動を強化
しています。
□秋林路 トラックは故障でユー
ザーに迷惑をかけることは許され
ないので、運行サポートシステム
が導入されたのだと思います。こ
れは販売後のサポートを重要視し
たシステムですので、ある意味ト
ラック文化を変える程のインパク
トではないかと思います。
□成 松 トラックは永い年月に
渡ってお使い頂くし、何よりも物
流に関係する生産財ですから、車
両の不具合で運行を止めることは
許されない事です。
□秋林路 それが運行サポート
システムに結び付いているので
すから、大いに胸を張って良いと
思います。
□成 松 ただ当社の場合、小型
から大型まで含めますと、お客様
がいすゞのサービスセンターに入
る割合は約3割なんです。当社と
しては、いすゞが販売したトラッ
クは動いている限り、いすゞの
サービスセンターを利用して欲し
いという願望があります。
□秋林路 ただユーザーも色々な
関係の中で仕事をしているので、
民間の整備業者を使わざるを得な
いケースも多いのではないでしょ
うか。
□成 松 その通りです。トラッ
クの機構は、最近高度化してい
るので、整備も難しくなっていま
す。現実に販売会社のフロントの
対応の3分の1から4分の1は民
間整備業者さんからの「どうやっ
て直せばよいのか」と言った問合
せ対応になっています。それで、
結果的に難しい整備はいすゞの
サービスセンターに依頼してくる
ことになります。ですから、当社
としてはサービスセンターの利用
率を上げたいし、協力店のレベル
も上げたいと考えているところで
す。
□秋林路 民間の整備業者も生き
残りを賭けてグループ化し、365
日・24時間対応など前向きに取
り組んでいます。ユーザーは、メー
カーのサービスセンターと民間整
備が共存共栄で対応力を強化する
ことを望んでいるのではないかと
思います。
□成 松 その通りです。当社も
協力店に対しましても、品質の良
いサービスを提供頂けるように、
研修活動を強化しています。最終
的には、協力店も含めてハイレベ
ルの全国サービスネットワークを
構築することになります。
□秋林路 これは安心の提供とい
う意味でとても大事ですね。
□成 松 実は、運行サポートシ
ステムを作り上げる事はそれほ
ど難しい事ではないんです。難し
いのはサービスの品質レベル、つ
まり全国どこででも同じサービス
を提供することです。その為に
は、サービスの品質を全体として
引き上げて行かなければなりませ
ん。この点は少し時間がかると
思っています。
□秋林路 トラック運送業界は、
ドライバー不足が深刻ですが、整
備業界の労働力はどんな状況なの
ですか。

TheTRUCK2017年1月号26
強化ダンプ
いすゞ自動車販売㈱成松幸男社長に聞く
□成 松 同じようにメカニック
が足りないんです。ですから、い
すゞ自動車は高卒者を採用して、
物づくりサービストレーニング
センターで研修を重ね、3級あ
るいは2級整備士の資格も取得し
て頂き、人材不足をフォローして
いるところです。この整備はこれ
まで残業が非常に多い業界でした
が、最近は労基法の関係で長時間
労働は出来ません。そこで当社は
サービスの効率化であるとか、時
間配分の適正化に取り組んでいる
ところです。
□秋林路 全国どこででも高レベ
ルのサービスを提供できるように
する為には、整備の標準化、画一
化も必要になるのではないですか。
□成 松 その通りです。実は、
車検整備につきましても、いすゞ
としてのマニュアル化を進めてい
ます。もともと整備の業界は職人
気質の強い方も多いし、リーダー
によってやり方も違います。これ
を標準化することで、整備に費や
す時間も10〜15%は短縮できる
可能性があります。この運行サ
ポートシステムは一歩先を進ん
でいますので、ここ2年ほどで全
国体制を確立すれば、大きく水を
空けることが出来るのではないか
と考えています。
トレーラ化促進は
 道路対策がカギに
□秋林路 基本的には、いかに
ユーザーの立場に立って物事を考
えるかという事ですが、その結
果が運行サポートシステムに繫
がっていると思います。
□成 松 例えばコンビニエンス
ストアでは、24時間色々な商品
を扱っておられますので、トラッ
クの故障で荷物が届かないという
事は許されません。ですから車両
のメンテナンスは多少コストがか
かっても、常に早目の対策を取っ
てこられました。消費者ニーズに
応えるためには、事前に手を打っ
てトラブルになる可能性を排除し
ておく。そういう意味で、これま
でも極めて先進的なお考えで車両
管理に取り組んで来られました。
□秋林路 トラックもい
すゞさんのリードで、故
障に対する考え方が大き
く変わるのではないかと
思います。
 私どもは最近、トラッ
ク運送事業者の課題を取
り上げることが多いので
すが、このところの大き
なテーマはドライバー不
足です。国土交通省もト
ラガールのホームページ
を立ち上げたり、乗り継
ぎ輸送やトレーラによる
大量輸送も推進していま
す。日本は欧米に比べて
トレーラ化が遅れていたと思いま
すが、この時代変化にいすゞ自動
車としてはどのように取り組んで
おられるのですか。
□成 松 確かに大きな時代変化
を感じています。当社も今回、
ヤマト運輸さんとトレーラ化を一
緒にやらせて頂きましたが、その
プロセスで感じますのは、トラッ
ク輸送は自動運転などいろいろ課
題がありますが、現実性があるの
はトレーラ化ではないかという事
です。当社は元々トラクタはそれ
ほど強くないのですが、今回のト
レーラ化に対しては少し先行出来
たのではないかと考えています。
□秋林路 個々のユーザーとト
レーラ化を具体的に進める中で、
何か問題点はなかったでしょうか。
□成 松 高速など幹線道路は大
丈夫なのですが、問題は一般道を
走る場合ですね。お客様の物流セ
ンターは高速インターの近くに
あるとは限りませんので、狭い場
所や曲がりくねった一般道もあ
ります。そういうところを支障な
く走ることが出来るのか、その疑

TheTRUCK2017年1月号27
成松社長と対談する本誌・秋林路(左)
ミキサ完成車
問はあります。
□秋林路 これまでもト
レーラ化は何度も浮上し
ているのですが、道路法
の車両制限令や道路運送
車両法の車両保安基準、
そして道路交通法の壁が
立ちはだかってクリア出
来ませんでした。しかし、
今回は国土交通省の中で
自動車局と道路局が同じ
テーブルについているよ
うですし、警察も協力体
制がとれているようです
から、本格的に進むので
はないかと思います。ド
ライバー不足は少子高齢化も背景
にありますので、一時的現象では
ないので、根本的に考える必要が
あります。
□成 松 現在進めているトレー
ラ化が実現しますと間違いなく効
率輸送になるので、ドライバー不
足の緩和に貢献することは間違い
ありません。
□秋林路 ただトレーラメーカー
はまだ本気になっていません。ご
存じの通り、トレーラメーカーの
多くは車体製作メーカーが兼務し
ていますので、資本力も弱いし、
慎重にならざるを得ないのだと思
います。
□成 松 やはり最大の課題は道
路事情だと思います。この点がク
リア出来ればトレーラ化は進むと
思います。
□秋林路 ドライバー不足にはも
うひとつの視点があります。先
日、愛知県トラック協会が運営す
る中部トラック総合研修センター
がリニューアルしてオープンしま
した。(12月号44P参照)あの中で
新たな取り組みを見せているの
が、トラックドライバーの適正化
診断です。人はそれぞれ健康状態
など違うので、70歳を過ぎても
適正診断が正常であれば、運転者
として乗務しても良い。しかし、
20代でも適正に欠ける人は乗務
させない、という考え方で、大学
も参画して科学的に検証する方針
です。一方で、トラックも自動運
転などが進めば、運転技術の内容
も変化してくるのではないかと思
います。そういう意味でもドライ
バー不足は多面的に検証する必要
があると思います。
□成 松 それは素晴らしい活動
ですね。実は、お客様のニーズに
応えて、我々のトラックづくりも
変化しています。今回の新型ギガ
も、女性ドライバーさんが多くな
る事を見越して、身長の低い方で
も運転できるように仕様変更して
いるんです。
□秋林路 流石にトラックでは最
も歴史のある会社だけあって、
ユーザーニーズを先取りしておら
れるように感じました。本日はご
多忙のところ誠に有り難う御座い
ました。

TheTRUCK2017年1月号28
全展示面積49万5000㎡(東京ビッグサイ
の東西全展示場面積の3.7倍)という広い会場
は、筆者が全会場をカバーするのに丸7日を要
した。中央屋外展示場の一角に標高70mの
回廊式の展望台がある。見下ろすと、ここにも
意欲的な展示が多数あった。会期中を通して好
天に恵まれ、多くの来場者がここにも訪れた
ファン・エックVanECK社のストリームシリーズのトレーラで、成田に支
店のある㈱平野ロジスティクス向けの2号車。昨年12月に納車が完
了し2017年1月から本格運用に投入された
航空貨物コンテナ用トレーラ
わが国では見られない2段積み
ファン・エックVanECK社の例
 会場内27号館の一角にファン・エックVanECK
社というオランダのファミリー企業が〝JALCARGO〟
のロゴをマーキングした、航空コンテナを2段積みす
る巨大なバントレーラを出展していた。良く見ると、
日本の自動車が海外で走行するときに発給される登
録番号標を付けていた。これは成田市に支社のある
㈱平野ロジスティクス(本社:神戸市:田中英治社長)
向けの2号車だそうで、1号車は2016年春に納車
されフル稼働中だという。
 当社はファン・エック家が創業して100年になる
が、単一ではなく複数の家族経営のオランダのトレー
ラメーカーである。主として航空貨物及び空港内で稼
66
IAA2016
商用車展
リポート
(第3回)
〝Connectivity:情報の積極的活用
アイディア次第で拡がる商用車の世界〟
公道を走るトラックに課せられた外法寸法、重量等の上限の
中で、如何にその枠を効率的に使い輸送効率を高めてゆくか
はメーカーが果たすべき永遠の課題である。一方で車輌の
回転率を高める運用技術を極めることは、運用側の経営課題
だ。それを支援する事もメーカーの重要課題との認識が前回
のIAA2016商用車展の共通テーマであった。
西 襄二
世界の商用車研究

TheTRUCK2017年1月号29
リフト等の操作盤
展示車に搭載されていたものと同型AKEコンテナ外形寸法。この型式
ドライカーゴ用コンテナ
ファン・エックVanECK家の3代目HansVanEckJr氏
車両全高3.8m以内で低床構造2段積み方式でAKE規格航空コン
テナが14台搭載可能。平積みだと8台しか積めないから60%の改
善効果がある。日本車が海外で走行する場合に日本国内で発給される
国際ナンバーCBC(千葉市)を付けて展示されていた
働する各種特装車の分野に特化し、特色有る製品を
提供し続けている。会場に展示されていたのはJAL
が運用するAKE規格航空コンテナを2段積みで14
台が搭載できるもので、各段に移動機能、後端部に
はリフト機構を内蔵している。
 帰国後に、展示されていたトレーラの発注者である
平野ロジスティクス・関東支店長の益子研一氏にこの
トレーラの導入の経緯を電話で聞いた。
 近年の航空貨物業界の小ロット多頻度輸配送の傾
向が進んでおり、貨物専用機から撤退する航空会社
が相次いでいる。これに伴い、旅客機のベリーコン
パートメント(ロアーデッキ:客室下部床下貨物室)
載の小型コンテナの取り扱いが増加している。これを
バン型車に平積みすれば8台しか搭載できないが、
2段積みすれば14台搭載が可能とみて、そうしたト
レーラの導入を構想したのが足掛け8年前であったと
いう。
 国内で対応する製品は見当たらず、複数のトレー
ラメーカーに打診したが実現の見通しが立たない時に
縁有って、欧州のトラックメーカーから欧州には旅客
機ベリーコンパートメント搭載の小型コンテナを2段
積みで運用できるトレーラがあることを紹介されてファ
ン・エック社との接触が始まったという。構想から7
年目の2016年、1号車を輸入して運用が始まった
との経緯が聞けた。
 IAA2016商用車展の会場に展示されていた2号
車は昨年12月に国内の登録が済んで納車されたの
で、本誌が読者のお手元に届く頃には本格運用が始
まっている筈である。

TheTRUCK2017年1月号30
シュミッツ・カーゴブルSchmitzCargobull社の温度管理トレーラ。温度管理
機も自社製とした戦略的完成車として品質保証を行う
トレーラメーカーに
完成車化・垂直統合の動き
シュッミッツ・カーゴブル
SchmitzCargobull社の例
 シュッミッツ・カーゴブルSchmitzCargobull社と
いえば〝ザ・トレーラーカンパニー〟を標榜し企業規模
でも上位三指に入ると言われるドイツに本拠をおく大
手メーカーだが、トレーラをベースにしたソリューショ
ンで自社製品による垂直統合を指向していることでも
注目されている。
 同社のトレーラ製品は用途別に多岐に亘るが、温
度管理車の場合にフレームから車体のトレーラ本体に
加え、従来であれば外部から調達していた温度管理
機やアクスルなどの機能コンポーネントも自社製で組
み上げるいわゆる〝垂直統合〟型のビジネスモデルを
指向しているように見える。こうしたビジネスモデル
は、自社ブランドを冠した完成車として提供すること
を通じて、顧客に対しては品質保証とメンテンナンス
のワンストップ化による便益を提供し、自社にとっては
顧客の囲い込みを通じて収益基盤を強固なものにして
ゆく戦略が基本にある。リース事業者に対する営業政
策からもこうした〝完成車ビジネス〟が必要となったと
いえようか。
 温度管理機(冷凍機)やアクスルといった機能コン
ポーネントについて専門メーカーからOEM供給を受
ける場合もあるが、当シュッミッツ・カーゴブル社の
場合、温度管理機については自社施設内に製造ライ
ンを設けているという。
 わが国では既に温度管理車について機器とボディを
セットで受注供給する架装ビジネスモデルは長い歴史
を有するが、欧州にあっては最近の傾向であると観察
される。
 一方で、温度管理機メーカー自体のオーソドックス
な営業展開も健在だ。
 三菱重工業社は、ここ数年で欧州域内を始めとし
たIAA商用車展への中近東、アフリカ等からの来場
者も意識して自社の温度管理機の営業に力が入って
いる。今回も提携先のオランダHEIFO社と共同で出
展していた。
世界の商用車研究

TheTRUCK2017年1月号31
広い展示スタンドを確保したシュッツ・カーゴブル社。カーテンサイダー
は最も普及しており数量の多いトレーラだ
クローネKRONE社とワブコWABCO社の協業による〝オプティフロー
OptiFlow〟システム。走行中の展開とトラックターミナルでの格納は運
転席で遠隔操作が可能
三菱重工の温度管理機のスタンド。オランダに近いドイツ北西部オスナー
ブルッケ市に本拠を置く食品加工機メーカーのHEIFO社と提携し、ドイ
ツを始めとして欧州で販売展開を行っている
荷室内部では多く来場者が説明担当者に質問を行っていたアクスルも自社ブランドで組み付けていた
空力特性改善による燃費向上
使い勝手の良い製品で普及加速か
 3年程前にアメリカ発で普及が始まったバン型ト
レーラの後端部の、いわゆるドラッグ(後端部に発生
する渦乱流により後方に引かれる力が生じて走行抵抗
が生ずる空力現象)対策の〝エアフォイル〟について、
本来の狙いである空力特性の改善と並行して使い勝
手を考慮した新製品が相次いで紹介されている。今
回の展示では会場内のデモンストレーション場での実
演も交えて関心を集めていた。
〝クローネKRONE社〟×
〝ワブコWABCO社〟の例
 大手トレーラメーカーのクローネKRONE社は、ブ
レーキ及び制御システム大手のワブコWABCO社と

TheTRUCK2017年1月号32
ベターフローBETTERFLOW社の同名製品は、ウィング(フラップの
かわりにその名称を用いる)開閉が全自動で作動するのが特徴のシステ
ム。格納状態はこの種の製品中で最も完成度が高いデザインと見た。
サイド・ウィングの裾が短いのはドア開閉ハンドルの位置や形状が架装
メーカーによって様々であることを考慮した結果だろうが、空力的には裾
が長い方が望ましいのではないか、との筆者の質問に〝裾回りはどして
も床下部の乱流〟の影響が出るので実効的に大差は出ない、との説明
であった。当社のHPにはそれを裏付けるシミュレーション動画が掲載さ
れている。この写真では、ドア周囲の門構に貼付してある反射シールが
筆者のカメラ・ストロボに反応した
ドアの開扉は登録済みIDの入力によってのみ可能。彼の地では駐車中の積荷盗難、トラクジャック(駐車中のトラク盗難)対策も必要な装備だ
組んで〝オプティフローOptiFlow〟の名称で出展・実
演した。展開・格納を運転席から遠隔操作できるよう
にし、ドア開閉の邪魔にならぬ格納方式とドアの開錠
をプッシュボタンによる登録済みID入力でのみ可能と
したシステムの提案である。トラクタとトレーラの裾回
〝ベターフローBETTERFLOW〟の例
 他の出展品では〝ベターフローBETTERFLOW〟が
あった。社名と製品名は同一だ。
 ドイツの最西部、ルクセンブルグとの国境の町アア
ヘンが当社の本拠地で、販売と技術サービスを提供
するベンチャー企(2014年設立)だ。製品開発(特
許取得済み)はアアヘン大学の若い流体力学とデザイ
ン専攻のエンジニア達が立ち上げた〝エアアンドモー
ションAIRNMOTION〟(2013年設立)というベン
チャー企業が手掛けている。IAA商用車2016展出
展品は試作品で、2017年から量産化することを計
画している。
 本製品が〝全自動リヤウィングシステム〟を謳ってい
るのは、搭載車の走行速度に応じてウィング開閉が自
動的に行われることを指している。走行速度が60㎞
/Hになるとシステムが感知してウィングを開く。閉
じるときは走行速度が50㎞/Hで作動する設定だ。
 当社の広範な実験に拠れば、このベターフロー・リ
ヤウィングシステムの装備によりバン型トレーラの空
気抵抗係数は約10%低減される(当社HPより)
上記の開閉設定速度から分かるように、空気抵抗は
高速走行時に速度の二乗で効いてくる特性があるか
りをしっかりスカート処理することも行って、高速走行
時の空力特性を数%改善出来るとしている。
ら、高速走行の機会が多い車ほど燃費低減効果は大
きくなる。
 当社は、関心を寄せてきた事業者に対して、どの
様なルートでどのような運行を行うのか、過去の燃費
データなども参考に独自開発のシミュレーションを行
い、本システムの予想効果を数値で示し、導入に向
世界の商用車研究

TheTRUCK2017年1月号33
走行速度が時速80㎞/Hに達すると自動でウングが開く。ご覧の開閉用機構が速
度を感知して作動する。オーナーオペレーターではないか、と筆者が観察した中年夫婦
が10分以上も熱心に説明を受けていた
ウィングの厚さが通常のドアにプラスされるので、ドアを全開して側
面に格納するにはヒンジ構造が専用品となる。仕上げが見事な削
り出し品だった
バーガーカロセリーBurgersCarrosserie社の看
板製品であるダブルデッカー・バンレ。巨大なリヤ
ゲートはリト機能を備えている。いわゆる〝カゴ車〟
を2段に搭載出来る
当社の顧客である〝ZEEMAN〟はオランダに本拠を置く実用衣料総合ショッ
プのチェーン店。オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランス、ドイ
で1,200店舗を展開中。ドライカーゴを中心としたオランダの巨大配送セ
ンターからこのダブルデッカー車で配送を行う、というヴィデオをバーガー社
が展示スタドの一角で見せていた
けた決断を支援するサービスも提供している。この若
い企業がこの先どの様に発展するか関心が持たれる。
大容積の食品配送用トレーラ
〝バーガーBurgers社〟の例
 カート等を利用して店舗等への輸配送は消費財物
流の多くの場面で浸透している。それを支えるのが大
容積トレーラだ。低床構造で内部に段積み機能を備え
る。冒頭の航空貨物用トレーラとコンセプトは共通す
る。この方面で意欲的な製品を出展していた企業に
バーガーBurgers社があった。
 正式にはバーガーカロッセリーBurgersCarross
erie社といい、オランダ・アアルスメール地方に本拠
(このセクションのシステム及び部品名称はベターフ
ローBETTERFLOW社による。)

TheTRUCK2017年1月号34
STAS社のスタンド風景。左は農産物のバラ貨物搬送用、中央は屑鉄搬送用、右側は砕石搬送用、といたように外観は似ていても細部の仕様が主た
る積載物の特性に応じて経験則に照らして多くの選択肢を設けている
ECOSTARの名称のバントレは、廃紙などのリサイクル工場への搬送を意識した仕上げとなっている
を置くトレーラ・ボディメーカーだ。各種バン製品の
老舗工場(1925年創業)である。代表製品のダブル
デッカー(荷室が二層構造)は展示車としても偉容を
感じさせるものだった。ペイントされているロゴEMTE
(Tの頭部に斜点付き)はオランダで食品を主体に総
中堅トレーラメーカーの
広い裾野、ベルギーでも
〝スタスSTAS社〟の例
 スタスSTAS社はバルクカーゴ(無包装のばら貨
合スーパーを展開するEMTE社の配送専用車を示し
ている。
 顧客層には中欧で実用衣料を1,200店舗展開す
るツィーマンZEEMAN社もあり、軽量貨物の配送に
大容量トレーラが活躍中である。
物)用ダンプ・トレーラに特化したベルギーのメーカー
だ。社名をもじって製品愛称を○○STARとして
用途毎に分かり易く分類している。農産物向けなら
AGRISTAR、屑鉄向けならFERROSTARといっ
た具合だ。
 車体材質はスティール若しくはアルミ合金で、夫々
幅広いオプション仕様を準備している。例えばリヤド
アでは、大別すれば同じ積荷でもユーザーの経験則
で異なる仕様で注文される実績から忠実
に要望に応える姿勢である。
世界の商用車研究

TheTRUCK2017年1月号35
リヤステップ、リヤランプ、リヤドアなどオプション設定は細部にわたる
タイヤ空気圧モニターも選択できる
アグロスターAGROSTARの前部
左=アグロスターAGROSTAR農産物輸送用、右=FERROSTAR
屑鉄輸送用
ベナルウBENALU車の農産物用バルク車
フランスのアルミトレーラ
多種のバルクカーゴに対応
〝ベナルウBENALU社〟の例
 ベナルウBENALU社は、フランス北部のリエヴァ
ンに本拠のあるアル
トレーラに特化し
たメーカーだ。それ
もバルクカーゴ用の
オープントップ及び
タンク式のティッパー
(ダンプ)ボディに
特化している。出展
していた製品は農
産物用である。一見
して特徴を認識する
ことは難しいが、よ
く観察するとシート
材のルーフやリヤド
アの開閉方式などに
経験豊富なノウハウ
が詰まっている模様
である。

TheTRUCK2017年1月号36
クナーペンKNAPEN社のバルクトレーラ。床の耐久性に特段の配慮を行った製品デュ
ラフロアは、フロア用形材でトレーラ・イノヴェーション賞候補となった
操作用スウィッチはシンプルだ
世界の商用車研究
高耐久性押し出し床材が秀逸
〝クナーペンKNAPEN社〟の例
 当社はオランダ・デュルネを本拠とする中堅のトレー
ラメーカーだ。当社は農業分野の収穫物などのバル
超軽量構造にチャレンジ
〝キョーゲルKoegel社〟の例
 上位三指に入るとされる最大手トレーラメーカーの
キョーゲルKoegel社は、主力のカーゴ用セミトレで
実に8品目の〝世界初公開〟の展示を広いスタンドで
誇示した。紙幅の関係で全てを紹介できないが、最
も印象的だった超軽量仕様車〝ライト・プラスLight
plus車〟について紹介しよう。
ク貨物の輸送用に特化したトレーラを得意としている。
 展示車は床面をムーヴィング構造としたオープントッ
プのバルク車。農用トラクタなどを用いて上部から
積み込む際の衝撃を充分考慮した床材を採用してい
る。広い農地が拡がる欧州では、こうした用途のトレー
ラの根強い需要がありこれに特化したメーカーも当社
だけではない。
 写真では、というフレームをご覧頂きたい。勿論、
世界初公開である。
 メインフレームに大胆な肉抜きを行い、その他の部
分にも軽量化を徹底して施した結果、元の標準仕様
カーテンサイダー車の車両重量5,145㎏は4,775㎏
となった。実に370㎏(7%強)の減量を達成したこ
とになる。こうした贅肉を殺いだ構造の車は利用に際
してそれなりの心構えが求められようが、大胆な作り
は多くの関心を集めていた。
 念の為に、他の7品目の世界初の品目名称のみ列
挙しておくと、〝新サイドプロテクションネット〟〝キョー
ゲル・クール(ステアリング&リフトアクスル付き15t

TheTRUCK2017年1月号37
キョーゲルKoegel社の超軽量フレーム構造トレーラ〝ライト・プラスLightplus〟。ここまでやるか、と強烈な印象を受けた
カーテンサイダーの多目的仕様。鉄鋼コイルなどの輸送の帰路には一般
カーゴも積載可能な床面仕様
アスファルト輸送用ダンプまで製品幅を広げている
積み)〝キョーゲル・コンビトレーラ(センターアクス
ル、新型ドローバー採用)〝ダブルレイル・カーテン
サイダー(新レイル構造採用)〝キョーゲル・トレーラ
アクスル(ダブルサスペンション採用)〝付属装備品の
リニューアル〟〝トレーラ後端に搭載のフォークリフト用
新型ブラケット〟などである。
都市内配送用CNGトラクタヘッド
+電動温度管理機搭載トレーラ
〝ランベレLAMBERET社〟の例
 フランスのランベレLAMBERET社はスカニア
SCANIAのCNGトラクタヘッドと自社の温度管理ト
レーラを連結した環境に優しいコンセプト車を出展し
た。トレーラは2軸で後々軸はステアリング機能があ
る都市内配送用だ。架装メーカー部会は独自に顕彰
制度がありトレーライノヴェーション賞コンセプト部門
3位を受賞している。
 当社は1935年創業でフランスに本拠を置く。荷
室容積1㎥〜100㎥をカバーする総合温度管理車メー
カーで、フリゴラインFrigolineのブランドで生産し
ている。リジットラック用ボディ、トレーラ、スワッ
プボディ、コンテナなど年間出荷数量は6,500基に
及ぶ大手だ。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇

TheTRUCK2017年1月号38
温度管理機はカヤーCarrier社の電動ユニットが採用されており、シシと
共に環境性能と安全仕様でノミネートされた車でもあった
温度管理機の荷室内ユニットは前方と後方上部に分けて搭載されている。
ロールアッドアを開けた状態でもその部分の荷室内法高は2.140mが確
保され、荷室内ライトは全面LEDとなっている
フランスのランベレLAMBELET社はスカニアSCANIAのCNGトラクタヘッドと自社の温度管理トレーラを連結した環境に優しいコ
ンセプト車を出展した。トレーラは2軸で後々軸はステアリング機能がある都市内配送用だ。架装メーカー部会は独自に顕彰制度が
ありトレーラ・イノヴェーション賞コンセプト部門3位を受賞している
世界の商用車研究
 今回はセミトレを中心に据えて大手から中堅まで、
規模を問わず特色があり印象に残った展示を選んでリ
ポートした。次回でも眼を見張る展示を採り上げてこ
のIAA2016商用車展のシリーズを完結する。
(次号に続く)

地域に根ざしたトラックショー研究
会場北口の外に出展社の全ブラントラクタが展示された。スカニアだけは会期中の新モデル発表を控えていたので“次世代モデル”はここでは見られず、
代わりにこれまでのモデルが展示された。
TheTRUCK2017年1月号
40
独ハノーバーでIAA商用車ショーが開催されるほんの2週間前、
スウエーデンではジョウンコウピン市(首都ストックホルム市の南西
約300㎞、北欧最大の商港イエテボリからは北東約150㎞)
スウエーデン・トラック・ショー〝エルミナ・ラストビルElmina
Lastbil2016〟が開催された。
リポート・写真
スヴェン-エリクリンドスラン
訳・構成=
西襄二
真夏、北欧のトラックショー

4日間の会期中は快晴に恵まれ会場は大いに賑わった。土曜日には運
輸業に属する多くの家族が来場した
デコトラも多数出展された。トレーラを連結すると見えないキャブ背面にも
力作が・・
SCANIAは全面改良した〝次世代モデル〟を初公開した。これはデイ・キャブ仕様
TheTRUCK2017年1月号41
北欧最大、スウエーデンで開催
 IAA商用車ショーとほぼ同じ時期に、隔年で開催
されるこのトラックショーは北欧のこの種のショーとし
ては最大規模で、人によってはミニIAAとも呼ばれ
ている。第1回は1983年に開催された。今年の
出展者は合計415、来場者は34,463名であった。
前回2014年は38,786名、過去最高であった
2008年(あのリーマンショックの直前)には43,275
名であったからやや低迷していると言うべきかもしれ
ない。
 今年は4日間の会期中好天に恵まれ温かく、好条
件であった。というのも、このショーは会場の80%
は屋外であり、大型トラックなどの展示にはこちらが
好んで選択されている。屋内に較べて屋外の出展料
は廉価に設定されているという事情もある。
代表的出展
スカニア車の場合
 スカニアSCANIA車は〝シリーズ5モデル〟として
親しまれてきた前モデルから一新された新モデルを一
般に初公開した。このショーの開幕前日にパリで世界
初公開となる記者発表をおこなったばかりであった。

地域に根ざしたトラックショー研究
SCANIAのアイデンティティーをしっかり踏襲しながら、
新しさをアピールしたデザインだ
全長24mの在来モデルSCANIA〝シリーズ5〟連結車
TheTRUCK2017年1月号
42
のキャブ、一層磨きを掛けたパワートレーン、その
他多くの部分で新設計が採り入れられた。即ち、
SCANIAトラックラインは次世代に突入したのであ
る。S730は新たに加わったモデルで、キャブはシ
リーズ中で室内高が最も高く床面が横方向にフラッ
なデザインのSキャブで、エンジンは730PSとクラ
スでも最大級の出力のユーロ6適合モデルが採用さ
れている。総体開発に10年を費やし、その間の開
発費は総額で20億スウエーデンクローナ(邦貨換算:
1SK≒10円で200億円)に上ったという。
更に磨かれた安全性
 前軸は前方に50㎜移動され、新設計のサスペン
ションは操安性のみならずブレーキ性能の改善も図ら
れている。時速80㎞からのフルストップ時の停止距
離は従来の40mから38mに短縮された。
 スカニア車は世界で初めてキャブの側面展開エア
バッグを装備したトラックメーカーとなった。万一の横
転事故の際の乗員保護性能に威力を発揮し悲惨な結
果を25%程度減少できる筈とする。
この席上には重要な顧客も招かれていた。大方の予
想では新モデルは〝シリーズ6モデル〟として発表され
ると考えられていたが、〝次世代モデル〟と発表された
のである。
 フルモデルチェンジした〝次世代車〟は新デザイン

全長25mのSCANIA〝シリーズ5〟ロギング車
湖底から蘇ったScania車・・フリケン湖はスウエーデン中央部の面積
100㎢程の珠玉の湖だ。遡ること1936年の冬、湖上で行う競馬の
為に整備するプラウを曳いていたこの1928年製Scania-Vabis車が
使われたのだが、氷の緩んだ場所で水没して水深67mの湖底に沈ん
でしまった。それから50年後、この車は湖底から引き揚げられSaab-
Scaniaから資金援助を受けて念入りに修復されたのである。部品の
80%はオリジナル品という。
これはScania-Vabis車の1913年モデル。隣に展示されていたのは
スウエーデン王室郵便で郵便物の集配に用いられている同年式の12
台のピックアットラック達。当時、郵便事業組織にはドライバーが居な
かったから、車を納めると同時に運転訓練も行ったそうである。この車達
はその後14年間も稼働を続けたという。総排気量2.3Lのエンジンは
サイドバルブ式で出力は16〜20馬力だったという。変速機は3段式。
最大積載量は400㎏。
TheTRUCK2017年1月号43
ボルボの場合
出力と空力デザインに注力
 一方、ボルボはコンセプト・トラックを出展し、燃
費の30%向上を目指していることをアッピールして
いた。これを達成する主要手段は走行中の空気抵抗
の改善で、トラクタ及びトレーラの連結状態での空力
改善を視野に入れている。長年用いられてきたサイ
ミラーは姿を消し、代わりに小さなカメラレンズによる
モニタリング方式が採り入れられている。トラクタは勿
論、トレーラの全車輪は空力特性を改善するスカート
で覆われる。
 この研究はスウエーデンとアメリカ合衆国内のエネ
ルギー問題担当公的機関の後押しも得て推進されて
いる。アメリカでは「ボルボ・スーパートラックVolvo
SuperTruck」の名称でコンセプトモデルが発表され
ている。

地域に根ざしたトラックショー研究
Volvoコンセプトトラック。燃費改善に大きく貢献したのはこの空力特性だ
話題を集めた大型トラックによるスピード記録挑戦車。パワートレーンの
中核部品以外は全て手作りの一品車
エンジンは13Lだが、最高出力は実に2400馬力を絞り出す。これは
市販モデルの3倍を優に超す
TheTRUCK2017年1月号
44
スピード記録を更新
 コンセプトトラックに続いて注目されたのが「鉄の騎
士TheIronKnight」と名付けられたスピード記録挑
戦車だ。エンジン出力2400馬力!この度、発進加
速後の計測距離500m、及び1,000m区間の夫々
で世界記録を更新したモンスターだ。1,000m区間
通過に要した時間は21.29秒で平均速度は169㎞
/h、500m区間では所要時間13.71秒の平均速
度131.29㎞/hであった。因みに最高速度は279
㎞/hであった。この速度記録を支えたのはグッドイ
ヤー製のタイヤである。
 ボルボがトラックによる世界最高速更新に挑戦した
この車は完全に手作りの一品生産車で、例外的に量
産車と共通するのは総排気量13Lのエンジン本体と
デュアルクラッチ搭載の自動化機械式変速機・I-Shif
アイシフトだけであった。当然のことながら、これらも
超高出力化されたエンジンに見合う強度的補強工作
が施されていた。
 勿論、来場者が自ら実用に供することが出来る出
展車も多く、各種用途にそのまま用いることが出来る
完成車が多数見られた。当然、納期は最短で納入さ
れる。

MercedesBenzEconicリヤ3軸車は原木輸送用ボディを架装して新機軸を出した
VolvoFH型単車シャシに架装されたバルクタンカー車北欧では原木輸送需要が総体的に多く、トレーラの出展が目立った
TheTRUCK2017年1月号45
メルセデス・ベンツ車の場合
 低床キャブのエコニックEconic車のシャシに原木
輸送用ボディとJOAB製最大24トンのフックロー
ダークレーンを架装して出展された。車両総重量は
32トン。このシャシは外にゴミ収集車や消費財貨物
の配送などにも供されている。
 Econicシャシの最大の特徴は、キャブへの乗降が
1(ワン)ステップであることだ。キャブ内部は左右方
向に立って移動が可能で、ドアはバスの場合のように
折畳み式である。都市内の右側通行地域にあって右
側に駐車している車があっても作業上二重停車をしな
ければならない場面で、ドアが側方に出張らないこの
方式は作業効率を高める。運転者は容易に(右側通
行の)右側で乗降ができる。

地域に根ざしたトラックショー研究
市内配送用途にはディーゼルエンジンベースで軽油及びメタノールの双
方が使用可能なMercedesBenzFuelDuel車
DAFのCF型後3軸車。北欧の基準では単車の総重量が36トンまで
許容される
創業者で社長のベングト・オルフハマー氏は70歳を目前にしているが
現在のところ引退の意思はさらさらない。理学修士号を有し卒業論文の
テーマにコンテナのトラックやトレーラへの荷役方法を採り上げた経歴を
持つ。これが彼のライフワークとなっている
坊やが跨がるのはEVトラック
TheTRUCK2017年1月号46
DAF車の場合
 DAF車は前回と同じ屋外の一角に出展された。ご
存知のようにDAF社はアメリカのパッカーPaccar
(オーナーオペレーターに根強い支持を保っている
ケンワースKenworth車とピータービルトPeterbilt
車の製造メーカー)の傘下にあるが、北欧(スウエー
デン、フィンランド、ノールウエイ)には独立系販社
のコスモトラックセンターを通じて輸入販売されてい
る。出展されたモデルはDAFFX型で、後3軸型で
建設用途車仕様で展示された。
ハマーマスキン社の場合
 毎回大きな面積に出展するハマーマスキン社の場
合はスウエーデンを代表する架装メーカーで、メルセ
デス・ベンツの向かい側に位置していた。
 今回の目玉は超軽量化された3軸トレーラに架装し
たサイドリフターで、トレーラ部分の車両重量は7ト
ン以下に抑えられている。積載重量は36トンが許容

アリソン社は前進6速のATを出展。各段変速時のトルク抜け感がない
のが特徴
HammerMaskin社のコンテナ・サイドローダー。
新SOLAS条約で、全てのコンテナに総重量申告を義務づけることに
なったが、これはハマーのサイドリフターにとって何ら影響することではな
い。重量センサーを備えた前後一組の吊り上げフックが即座に総重量を
実測して表示するからである。積載重量36トンのセミトレーラには一組
で自重7トン未満のクレーンを備え、クレーンはコンテナの長さに応じて前
後にスライドが可能なように架装されている
TheTRUCK2017年1月号47
される。20又は40フィートコンテナに対応してユニッ
トロードの迅速な荷役に場所と設備を選ばず対応出来
る。荷下ろし/積み込みを行う場所での受け入れ側
の手を煩わせることが無いから、車側のオペレーター
を兼ねた運転者の運行計画によってスケジュール管理
が可能である。
 今回の軽量化モデルは、これまで重量的に運用が
思うに任せなかった日本やアメリカでの販売に改善を
もたらすことが期待されている。
 新SOLAS条約で、全てのコンテナに重量申告を
義務づけることになったが、これはハマーのサイドリ
フターにとって何ら影響することではない。重量セン
サーを備えた前後一組の吊り上げフックが即座に総重
量を実測して表示するからである。積載重量36トン
のセミトレーラには一組で自重7トン未満のクレーンを
備え、クレーンはコンテナの長さに応じて前後にスラ
イドが可能なように搭載されている
注:SOLAS条約は「海上人命安全条約」と訳されている国際条約で、我が国もこれに加盟している。改正
SOLAS条約においては、2016年7月1日以降に船積みされるコンテナについては、荷送人が自ら又は第
三者に依頼して以下のいずれかの方法を用いて、コンテナの総重量を把握する必要があるとされている。
 ①実入りコンテナの総重量を計測する
 ②コンテナ内に梱包する貨物、パレット、その他の固定材を含むすべての貨物品等の重量を計測し、これ
にコンテナの自重を足し合わせてコンテナ全体の重量を算出する
(以上、国道交通省による「国際海上輸出コンテナの総重量の確定方法ガイドライン」平成28年4月28日
付資料(A4版26頁)の冒頭部分より引用)
(関係資料:URL:http://www.mlit.go.jp/common/001129795.pdf)
アリソン変速機
 アリソンも前回通り屋内B館に顔を見せた。出展
品は全自動式変速機の最新モデルであった。
 Scaniaのハブリダクションを搭載したG4908
×4シャシはアクスルレシオ(駆動後軸の減速比)
5.14で、これにはAllison製品が搭載されていた。
前進7速の本体とエンジンの間には外観上20cmの
長さの超定速ギヤが噛まされており、フルロードでも
急登坂路や泥濘地での発信・走行などに威力を発揮
する。この車を導入して実用中のポウル・ニルソン氏
が出展車の脇で「クラッチを滑らせて焦げ臭いにおい
を出すこともスリップすることもなく使い勝手がとても
よい、と言っていたのが印象的だった。
 アリソンのこの全自動変速機は、変速時のトルク抜
け感が全く感じられないことが特徴である。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 次回のスウエーデントラックショーLASTBILElmia
は2018年の同時期に開催される。

TheTRUCK2016年12月号48
第3回 “やるやる詐欺”の
オープンイノベーションでは
何も起きない
    
伊藤慎介の“T
󱤋󱥄󱣱
alkI
󱣥󱣽
sC
󱤄󱥄󱤚
heap”
〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 
×
共同企画
 組織を越えて他企業や大学、ベンチャー企業
などと組んで新しいことにチャレンジすることを
「オープンイノベーション」という。エレクトロニ
クス産業を中心として日本企業が苦戦する中、
自前主義から脱却しオープンイノベーションを進
める必要性が各所で叫ばれており、経済紙の紙
面には毎日のようにこの言葉が登場する。
 大企業の多くでは新規事業推進室やイノベー
ション推進室などが設置され、社を上げてオープ
ンイノベーションを推進するための体制も整備さ
れつつある。
 また、オープンイノベーションの一環として、
大企業によるベンチャー企業への投資も行われる
ようになっており、コーポレートベンチャーキャピ
タルという大企業がベンチャー企業に投資するた
めの投資機能を持つケースも増え始めている。
 ところが実際に経済産業省を飛び出してベン
チャー企業の立場になってみると、オープンイノ
ベーションの取り組みは企業によってかなり温度
差があることを肌にしみて感じている。
□実際には“やるやる詐欺”が横行
 何かを“やる”と言っておきながら実際は行動
に移さないことを私は“やるやる詐欺”と呼んで
いる。こんな表現の英語はないだろうと思ってい
たら、NoActionTalkOnly=略称NATOと
いう英語の表現もしっかりとあるらしい。
 オープンイノベーションに関していうと、“やる
やる詐欺”が横行しているというのが個人的な実
感だ。
 電気自動車の開発にあたっては、経済産業省
で培った人的ネットワークを駆使すれば、モー
ター、バッテリーをはじめとして様々な大企業と
のコラボレーションが実現するだろうと勝手に思
い込んでいた。
 しかし、残念ながら、経済産業省時代のネッ
トワークを活用して訪問した会社については、
100戦100敗でコラボレーションに至らず終わっ
たというのがこの2年間の結果であった。
 経済産業省時代の私は、役所や会社組織の壁
を越えて関係性を構築することを狙いに研究会

TheTRUCK2016年12月号49
三井化学がrimOnOへの搭載検討をしている最新材料
の開催を含めて様々な活動を実施してきた。役
人というと机に座って来客を待っているイメージ
があるかもしれないが、私自身はオフィスの席に
ほとんど座っていないくらい、常に様々な会社を
訪問し、意見交換を重ねてきた。それくらいオー
プンイノベーションには徹底的にこだわって活動
してきたと自負している。
 過去に立ち上げてきた国家プロジェクトもオー
プンイノベーション的な要素を数多く含んでい
る。街ぐるみで電気自動車の普及を目指す「電気
自動車・プラグインハイブリッド自動車タウン構
想」、発電機器・蓄電機器・スマート家電をつな
げて賢い家を実現する「スマートハウスプロジェ
ト」、電気自動車を「動く蓄電池」として捉えた
上でエネルギーの地産地消を目指す「スマートコ
ミュニティプロジェクト」など、いずれも会社組織
を超えた連携が必要不可欠であるプロジェクトで
あった。
 ところが、これらの努力は全て水の泡であった
というのが起業してからの2年間で突き付けられ
た厳しい現実だったのだ。
 その一方で明るい光となったのが、当社の開
発パートナーである三井化学株式会社、帝人フ
ロンティア株式会社、ローランド株式会社との出
会いである。
□サンプル一杯のバッグを抱えて
 訪問して下さった三井化学
 三井化学との出会いは2015年3月に遡る。
パートナーの根津がベンチャー企業とのコラボ
レーションを模索しているとの話を三井化学の担
当者から聞いた際に、新しく始めようとしている
rimOnOのことを言及したところ、一度チームで
訪問したいという話になったのがきっかけである。
 当時の当社は、ベンチャーKANDAという東
京都が運営するインキュベーション施設に入居し
ていた。大手町すぐ近くの内神田というロケー
ションであるにもかかわらず家賃4万円という破
格の条件の施設であり、資金力のないベンチャー
企業にとっては非常に恵まれた場所であった。
一方で、ビル自体は古い雑居ビルであり、大勢
の来客がある場合は共用の会議室にご案内する
必要があることから、名だたる大企業の人たち
をお迎えするのに適した場所とはとても言えな
かった。
 2015年3月16日、その雑居ビルの会議室

TheTRUCK2016年12月号50
リモノ(東京都)が開発した超小型電気自動車「rimOnO(リモノ)」の
試作車に当社のテント用ファブリック「シャガール
®
」と「ニューパスティ
®
が採用されました。優れた防水性、耐候性に加え、色・デザインなどの
意匠性を持ち、「rimOnO(リモノ)の開発コンセプトの一つである、
外装の交換・変更を可能にしています。
超小型電気自動車「rimOnO
(リモノ)
の外装に
テント用ファブリックが採用
TOPIX
rimOnOに使われている帝人フロンティアのテント生地
帝人フロンティア社の会社案内に掲載されたrimOnO
に三井化学の人たちがやってきた。R&D戦略
室の森亮二氏を筆頭にそれぞれの担当者がサン
プルの詰まった紙袋を持参し、テーブルの上に材
料サンプルを並べたのちに、それぞれの材料の
特性を説明して頂いたことをはっきりと記憶して
いる。
 その時の打ち合わせがあんまりにも盛り上がっ
たこともあり、翌月には役員である星野研究開発
本部長が足を運んで下さった。
 今を思えば、試作車の影も形もない創業期の
当社に大企業の役員の方が来られることがどれく
らい異例なことであるかと思わざるを得ない。
 このような形で衝撃的な出会いから始まった
三井化学との関係であるが、試作車においては
外装ボディに使われるウレタン素材、回転シート
□布のクルマを作ると聞いてすぐに
 連絡がきた帝人フロンティア
 2015年3月、根津が手掛けている電動バイ
クのプロジェクトであるzecOO(ゼクウ)がいよ
いよ市販されることとなり、以前からzecOOを
追いかけていたテレビ東京のワールドビジネスサ
テライトが根津に取材を始めていた。
 番組のディレクターから、根津がzecOOの次
に取り組んでいるプロジェクトとしてrimOnOを
取り上げたいという要請があり、zecOOの特集
の最後でrimOnOも取り上げてもらえることに
なった。
 そして、3月31日の放送において、zecOO
のクッション材として使われているゲルシート、
フロントガラスの樹脂窓の施されている曇り止
めコーティング(内側)及び撥水コーティング(外
側)に三井化学の最新技術・最新素材が活用さ
れている。
 また、今後の量産車に向けては、車両重量の
軽量化を目的として鉄で構成された骨格構造の
一部に樹脂材料を活用することや、外装の着せ
替えの際にウレタンがむき出しになるとウレタン
素材の劣化の原因となることから、劣化のほと
んど起きない無黄変ウレタンを外装部材に活用
することで着せ替えを容易にすることなど、三
井化学の最新素材・最新技術を活用することで
rimOnOの機能を大幅に向上させることを計画
している。

TheTRUCK2016年12月号51
ローランドが開発したrimOnO専用のサウンドシステム
(デモ機)
の次に根津が取り組んでいるプロジェクトとし
て“布のクルマ”のrimOnOが紹介されたの
である。
 その翌日、番組を見た帝人フロンティアの東
京キャンバス資材課の松本氏から同社のテント生
地を紹介するメールがあり、5月11日に根津と
共に東京キャンバス資材課の野田氏、松本氏と
お会いすることになった。
 今だからこそ申し上げると、根津が提案してき
た“布のクルマ”について、私としては少々懐
疑的な意見を持っていた。濡れたらどうするのか
という課題については、テント生地を使えばよい
とは聞いていたものの、キャンプ用のテント生地
のイメージしかない私としては、あのような薄っ
ぺらくバタバタと音のする素材でクルマのボディ
を構成することに少々疑問を感じていた。
 しかし、帝人フロンティアのお二方が持参した
テント生地のカタログを見て、私の懸念は一気に
払拭された。カフェやレストランのひさしに使われ
る丈夫なテント生地、しかも防水性、防炎性、
防汚性などの優れた機能を有しており、更に様々
なカラーバリエーションが取り揃えられている。
 このカタログを見るだけで布のクルマを作るこ
と自体がすっかり楽しみになってしまったのだ。
その後、何度かの打ち合わせを重ねた結果、
rimOnOのボディには“シャガール”という撥水
性があり布のような質感のあるテント生地を使う
こととし、ルーフには“ニューパスティ”という防
水性の高いテント生地を使うことになった。そし
て、プロトタイプ発表後は帝人フロンティア社の
会社案内にrimOnOが掲載されるまでに至った
のである。
□発表会まで2ヶ月を切っているにも
 関わらず協力してくれたローランド
 ローランドと言えば、世界的に有名な電子楽器
メーカーである。大学時代にバンドサークルに属
していた私は、もちろん電子楽器メーカーのロー
ランドは良く知っており、バンド仲間でローラン
製品を愛用していたのを覚えている。
 そのローランドが京都発の電気自動車ベン
チャーであるGLM社とともに電気自動車用の
サウンドシステムを開発していることを知ったの
は、発表会を控えた2016年の2月か3月頃だっ
たように記憶している。
 取引先の方がローランドとの商談を進めてお
り、サウンドシステムの話を聞いて大変興味を
持った私のために、ローランドのRPG新規事業
推進部長である宮本氏を交えた懇親会に招待し
てくれたのである。2016年3月24日の秋葉
原の居酒屋での出来事である。
 懇親会では当社が開発している電気自動車の
紹介をしたのちに、ローランドが開発しているサ
ウンドシステムの説明を受けたのであるが、発表
会が5月20日に控えていることもあり、ダメも
とで恐る恐る聞いてみた。
「ローランドさんのサウンドシステムは本当に素

TheTRUCK2016年12月号52
著者紹介:
伊藤慎介−株式会社rimOnO代表取締役社長
1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動
車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国
家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月、
有限会社znugdesign(ツナグデザイン)代表の根津孝太
氏とともに、株式会社rimOnOを設立。
晴らしいですね。rimOnOらしくカワイイサウン
ドが鳴らせたりすると非常に嬉しいのですが、発
表会まで2ヶ月を切っているのでちょっと間に合
わないですよね?」
 ところが宮本氏の返事があんまりにも意外だっ
たのだ。
「まだ2ヶ月あるじゃないですか。全然間に合
いますよ」
 後日、根津を交えた打ち合わせを行い、ざっ
くりしたイメージの共有を行った後、なんと1カ
月後にはrimOnOサウンドが完成したとの連絡
を受け、3種類も用意されたrimOnO専用の
サウンドシステムのデモを体験させていただいた
のである。
 こうして発表会から2カ月弱前に初めてお会い
したローランドが当社の開発パートナーとして名
を連ねていただくことになったのである。
□現場の熱量と行動力がなければ
 オープンイノベーションは起きない
 当社の開発パートナーとなって下さった三井化
学、帝人フロンティア、ローランドの3社。ど
の会社も我々から頭を下げてお願いしたのではな
く、最初の出会いから相当な協力姿勢で臨んで
いただいた。出会いは偶然であったかもしれない
が、組むべくして組むことになったとも言える。
 3社に共通していることは、少しでも新しいこ
とに挑戦したいという熱量が現場に備わってお
り、組織や上司の意向を気にする前に先にどん
どん実行に移していくという行動力も兼ね備わっ
ていることである。
 オープンイノベーションの議論をすると、よく
出てくるのが「エコシステム」という言葉である。
エコシステムとはオープンイノベーションを動か
すための「仕組み」のことを言う。
 経済産業省時代の私は、エコシステムという
「仕組み」の必要性を肌で感じ、その構築を主張
したこともある。
 しかし、この2年間の体験を通して思うこと
は、オープンイノベーションとは熱量を持った個
人がどれだけ行動に移しているかで決まってくる
ものであり、エコシステムとはそうした個人の行
動の蓄積として“結果的に”構築されるものでは
ないかということだ。
 経済産業省時代にオープンイノベーションの必
要性について一緒に語っていた人たちは、自ら
がオープンイノベーションの担い手となる覚悟も
実行力も十分になく、国やエコシステムに依存し
てしまう“やるやる詐欺”の人たちだったのでは
ないかと思ってしまう。そして、恥ずかしながら
自分自身もそういう“やるやる詐欺”の集団に属
してしまっていたのだ。
 だからこそ、起業後に経済産業省時代の人的
ネットワークを活用してコラボレーションを模索し
ても、全く成果につながらなかったのだろう。
 オープンイノベーションの必要性、あるべき姿
については既に散々語りつくされている。もう議
論は十分だ。これからは本気で“やる人”を増や
そう。そうすれば、結果は自ずとついてくる。

5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩車両、󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応OP装着車)
5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩、側方󱞅󱝖󱝍󱝝󱞚󱞅󱝸荷役対応低枠型)
小型󱞉󱝍󱝩軽自動車3台積󱜵車両運搬車
大型3台積󱜵車両運搬車
(󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応󱝡󱝍󱝸装着車)
4t、5.5t󱞉󱝍󱝩2台積󱜵車両運搬車
(󱝗󱞇󱝧󱞗󱞣装着車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(後柱昇降式、WB延長改造車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(󱝙󱝍󱞌󱝍󱝑OP)
5台積載車両運搬車
(F󱝨󱞓󱝳󱝛󱝏󱝳󱞇仕様OP装着車)
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詳しい情報はウエブで検索

TheTRUCK2017年1月号54
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑪
̶
FutureCollection&Delivery‥‥
「THELASTkm〜m」
未来の集配‥‥決め手は戸口迄の効率化?
 都市間幹線輸送の車両大型化やターミナルでの自
動仕分けが顕著だが、結局は末端の戸口迄の集配を
どうするか人手不足のおり物流各社の知恵とアイデ
アが競合を始めている。

TheTRUCK2017年1月号55
石野 潔
上のイメージスケッチは所詮は一個のみ集
配のドローン‥‥まだまだニュース素材での
話題作り?が主。
 左のスケッチは現実の大手物流会社の
宅配工程の一コマ。
 荷台への乗降や腰をかがめてなど、個
別の積込み〜積み下ろしは大変そして戸
口への1キロ弱〜数十メートルは人海戦
術である。
 現在末端戸口への「ラストKm〜m」
効率化が課題となっている。ロールオン
タイプのカーゴ台車搭載のリアカー自転車
(スリーター)を考案し、省力化、効率化
を図りつつある。

TheTRUCK2017年1月号56
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑪
̶
「THELASTKm」訴求の
戸口集配向けトラック
 先のIAAハノーバーショーで展示され
た仏ボデーメーカー「LIBNER」社
「BIL」システム車両「BIL」(Base
IntelligentedeLogistique)の略称。
 戸口集配用ミニ電気トラックを搭載した
 パレットやモジュールボックスをスライ
させミニトラックに積載、ミニトラックはそ
のまま戸口近辺に集配送に行く。
 ミニトラックは800kg積載可能。

TheTRUCK2017年1月号57
800v冷却機
「セグウエイ」相当の
集配用ボックス牽引車
(コンセプト車)
 リフトダウンした車両からモジュールボッ
クスを牽引し集配先の戸口へ向かう。「セグ
ウエイ」相当の1軸2輪車であり牽引力は
限られるが。
 「セグウエイ」自体日本では一般公道走行
は不可であり実用化は先。ターレットラッ
クなどもよりミニ化し公道走行へ実用化し
たい。

TheTRUCK2017年1月号64
サイクルを通じて最高得点を獲得したチームが優勝
となる。UDトラックスは、「エクストラマイルチャ
レンジ」を通して、ユーザーのビジネスの成功だけ
でなく、ドライバーの技術や自信の向上を支え、安
全運転のさらなる推進や意欲の高いドライバーの育
成にも取り組んでいる。
 大会の最後には、競技結果の発表と授賞式が行わ
れた。タイチームが「最優秀燃費効率賞」を受賞し、
マレーシアチームは「最優秀始業点検賞」を、そして
南アフリカチームは「最優秀運転技量賞」をそれぞれ
受賞した。総合優勝を勝ち取ったのはマレーシア
チームとなった。
 優勝チームであるASACLOGISTICSSDNBHD
社のドライバー、YuzairiBinIbrahim氏は、「日本
での最終戦で総合優勝できたことをとても光栄に思
います。ドライバーとしての私のキャリアの中で記
念すべき日になりました。すでにクエスターを1年
以上運転しており、競技中にも自信をもってクエス
ターを運転できました」とコメントしている。
 また、同社のマネージングディレクターである
TanSeongTeik氏は、「今回のエクストラマイル
 UDトラックス㈱は、2016年11月22日㈫、
世界各国のドライバーが競い合う国際大会「エク
ストラマイルチャレンジ2016」の最終戦を開催し
た。今年の最終戦は、UDトラックスの新興国向け
大型トラック「クエスター」を使用し、埼玉県上尾市
のUDエクスペリエンスセンターで行われた。各地
域予選を勝ち抜いたタイ、インドネシア、マレーシ
ア、南アフリカの4チームが競い合った結果、マ
レーシアチームが総合優勝を果たした。UDトラッ
クスが掲げる「GoingtheExtraMile
̶
その一歩先
へ」というブランドプロミスに基づき開催される「エ
クストラマイルチャレンジ」は、ユーザーにUDト
ラックスの製品とサービスを最大限に活用する方法
を体感してもらうためのイベントである。このイベ
ントでは、始業点検、燃費効率・安全性、運転操作
性という3つの要素を通して、運転技術と稼働率の
向上、そしてコストの削減を競い合った。
 各国を代表するドライバーは、実際の輸送サイク
ルを再現した種目で技能を競い合った。各種目で
は、収益、燃費効率、稼働率・メンテナンスコスト、
そして安全運転を採点基準として競い合い、全輸送
UDトラックス㈱
「エクストラマイルチャレンジ2016」最終戦
全輸送サイクルで最高得点を獲得したマレーシアチームが総合優勝

表彰式の様子。タイチーム「最優秀燃費効率賞」、マレーシアチーム「最優秀始業点検賞」、南アフリカチーム「最優秀運転技量賞」をそれぞれ受賞した
始業点検、燃費効率・安全性、運転操作性の3つの要素を競い合った
TheTRUCK2017年1月号65
チャレンジ総合優勝の栄誉は、マレーシア北部ケダ
州アロースターにある当社の他のドライバーの意欲
向上にもつながります。そのため、参加しているド
ライバーだけでなく、当社にとっても良い機会とな
りました」と語っている。
 「エクストラマイルチャレンジ」は、創業以来受け
継がれているプロ意識、情熱、信頼に裏付けられた
UDトラックスの精神「現場スピリット」を実証する
ためのイベントでもある。UDトラックスのブラン
ド&プロダクト岸伸彦シニア・バイスプレジデント
は、「エクストラマイルチャレンジは、単純に運転技
術を競うだけの大会ではなく、ドライバーが自身の
運転技量を評価し、さらなる向上を目指すことで、
“その一歩先”を実践するための機会を提供するも
のでもあります。UDトラックスは、国に関係なく、
“現場”のお客様のビジネスに貢献することを目指
しています。当社はエクストラマイルチャレンジを
通じ、お客様に“究極の信頼”に基づく優れた製品
とサービスを提供するだけでなく、さらにドライ
バーの技能や自信の向上を目指しています」と述べ
ている。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号82
 KYB㈱が輸送効率に優れた軽量型コ
ンクリートミキサー車「MR5030L」を発売
した。
 近年、東京オリンピック・パラリンピッ
クによる再開発や震災復興が急がれて
おり、従来よりも輸送効率が高いコンク
リートミキサ車が求められている。またそ
の一方で、シャシは排ガス規制強化のた
め浄化装置が取り付けられるなど重量が
増加している。軽量型コンクリートミキサ
車「MR5030L」は架装物の80㎏軽量
化を実現し、一度により多くの生コンク
リートを輸送することを可能にしている。
 このミキサ車は、2015年の東京モー
ターショーに参考出展された新設計の軽
量フレーム採用の環境型次世代ミキサ
車である。その特長は、新規設計軽量
フレームの採用、ドラムブレードの薄肉
化、デフカバーの樹脂化、アルミ素材
の使用などとなっている。
 従来のミキサ車では設定のなかった
「アイドリングストップ対応機能」や積載
生コンクリートの状態や稼働状況を車両
位置情報と共にモニタリングできる「情
報化システム」もオプション設定されてい
る。当然、アイドリングストップ時でも
ラムが回転する機構が採用され、情報化システムは事業所
のパソコン画面で状況をリアルタイムで確認できる。
 KYBは、コンクリートミキサ車国内シェア8割を超えるリー
ディングカンパニーとして、これからもたゆまぬ製品開発に取り
組んで行くしている。
 販売見込みは年間100台でKYBの熊谷工場で製造され
ることになっている。
ミキサ車…KYB
話題のニュートラック新製品情報・新情報
軽量型コンクリートミキサ車を発売
輸送効率を高め一度により多くの生コンクリートを輸送
2015年開催の東京モーターショーに参考出品された次世代ミキサ車
軽量型コンクリートミキサ車「MR5030L」
運行状況を可視化する積載量車載表示機も参考出品されていた

TheTRUCK2017年1月号83
 ㈱アイチコーポレーショ(本社:埼玉県上尾市、三浦治
社長)は、橋梁や高架道路、防音壁などの点検・維持補修
作業向けの橋梁点検作業車「SF77B1FR」を2016年11
月に発売した。
■製品の主な特長
⑴幅の狭い道路でも使用可能
 アウリガー張幅MINでの作業範囲を設定、作業時の道
路占有幅が小さなり、これまで以上に様々な道路環境での
使用が可能となった。
⑵限定中型自動車免許で運転可能
 従来機SF77AⅢと同様に限定中型自動車免許で運転で
きる。また、車両全高も2.9mに抑えており、走行時の接
触事故のリスク低減に貢献。
⑶広い作業範囲と高い乗越え性能はそのままに
 乗越え高さ4mの時に約2.5mのふところ領域(アウトリ
ガー外側と作業床の間隔)を確保。最大乗越え高さは6m。
⑷左側、右側両方で作業可能
 従来のSFシリーズ同様に左右どちら側でも作業が可能。
※アウトリガー張幅MINは左側のみ作業可能。
⑸歩廊型2段スライドプラットフォーム
 作業性の良い歩廊型はそのままに、3段から2段スライ
に変更。スライド操作せずに作業できる長さを増やしている。
橋梁点検車…アイチコーポレーション
話題のニュートラック新製品情報・新情報
使いやすさを追求した橋梁点検作業車を発売
道路占有幅が小さいアウトリガー張幅MINを設定
点検・維持補修作業向けの橋梁点検作業車「SF77B1FR」
橋梁点検作業車「SF77B1FR」の主要諸元

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号84
 ㈱ブリヂストンは、横浜国立大学「交通と都市研究室」
中村文彦教授)、公益社団法人日本交通計画協会と、バス
停車時に縁石とタイヤを接触させることにより乗降口と停留所
の隙間を小さする正着性向上について共同研究を行ってお
り、今回、新たに「次世代正着縁石・路肩形状」を考案した。
また、縁石と接触するタイヤサイド部に、新たな摩耗対策を
施すタイヤ技術(バリアフリー用新コンセプトタイヤ)開発も進
めている。
 引き続き、「次世代正着縁石」ならびに「バリアフリー用新コ
ンセプトタイヤ」両面の改良を行いながら、乗客や運行事業者
の声を踏まえて技術を完成させ、2020年に向けて実用化を
目指すとしている。
 今後の公共交通には、高い利便性、容易なアクセス性及
び優れたバリアフリー性がより強く求められるようになると考え
れている。特に、路線バスやBRT(BusRapidTransit:バ
ス高速輸送システム)といったバス輸送では、乗降時のバリア
フリー化が大きな課題のひとつであり、高齢者、車いす利用
者、ベビーカー利用者等が、安心してスムーズに乗降できるよ
う、バスと停留所の間の隙間を可能な限り小さくする、正着
性が求められている。
 現在、縁石にタイヤを一部接触させながらバスを停車させる
正着性向上技術は、海外の一部地域では既に運用されてい
る。この技術は、乗降口隙間低減への車両仕様変更を必要
しないため、日本ならびに世界での導入、拡大が検討され
ている。本研究では、次世代の都市交通を見据え、既存の
手法を進化させ、より大きな価値(利便性、安心、安全)をユー
ザーに提供するのが狙いだ。本正着性向上に関するブリヂス
トンの研究内容は次の通りとなっている。
■正着性向上に関する共同研究について
 ブリヂストンは2015年10月から横浜国立大学と、2016
年8月からは公益社団法人日本交通計画協会も交えて、タイ
ヤと縁石・路肩形状の寄与の理解を起点に、バスの正着性
向上に関する共同研究を行っている。本研究を通じて明らか
になった課題は次の通り。
①ドライバーに極力負荷をかけず、スムーズかつ安定して
バスを縁石に寄せること…ドライバーの技量に応じて発生す
る、タイヤと縁石の間の正着距離のバラツキと接触時の衝撃
を低減させること。
②縁石接触時のタイヤダメージを低減すること…現在、海
外の一部地域で実施されているタイヤサイド部を厚くする既存の
手法(タイヤ重量増、転がり抵抗悪化傾向)を進化させること。
 ブリヂストンはこの2つの課題に関して、正着時の車両挙
動、及び「縁石・路肩形状」「タイヤ」の相互作用の理解を
進めて課題を解決する手段を見出し、正着性向上を目指して
いる。
■縁石・路肩形状によるソリューション
 ブリヂストンは共同研究の中で、ドライバーの技量に依存せ
ず縁石への進入角度を制御する手法として、僅かなハンドル
操作で自然に縁石にアプローチできる「路肩スロープ」を考案し
た。同時に、縁石接触時のタイヤへの衝撃を緩和する「縁石
底ラウンド形状」も有した、「次世代正着縁石」のコンセプト及
び具体的な形状を考案した。
正着性向上…ブリヂストン
話題のニュートラック新製品情報・新情報
バス乗降時のバリアフリー化に貢献する
正着性向上に関する共同研究成果を
BS
が発表
BSが開発した次世代の正着縁石国内の一般的な縁石

TheTRUCK2017年1月号85
 本検討に際し、各種センサーを用いて車両挙動を実測し、
正着性の支配因子を抽出した。そして、停留所への車両アプ
ローチシミュレーション法を新たに開発し、最適な縁石・路肩
形状を求めた。
 また、本コンセプトの妥当性を検証する為、同社プルービ
ンググラウン(栃木県那須塩原市)「次世代正着縁石」
設置し、実車を用いた試験を実施。その結果、「次世代正着
縁石」において、「欧州一般正着縁石」対比で、縁石と車両
との間隔を半減し、目標正着距離40㎜以下を達成した。さ
らに、縁石と車両との間隔のバラツキも大幅に低減すると同
時に、タイヤサイド部へのダメージ(摩耗量)も低減可能な事を
確認した。
■タイヤによるソリューション
 並行して、縁石接触時のタイヤサイド部のダメージを低減す
る手法として、タイヤサイド縁石接触部に摩耗対策を施す技
術開発を推進している。この技術は、「タイヤと縁石の接触時
に生じる摩擦エネルギーを低減する」コンセプトに基づいて開発
し、サンプル試験で効果を確認した。更に、縁石接触時のダ
メージを実験及びシミレーションで定量化した結果、サイド部
の摩耗量を3割程度抑制できると予測。引き続き、試作タイ
ヤの実車試験による検証を通じて、ユーザーに提供し得る価
値の確立を目指す。
 ブリヂストンは、国内、海外を問わず、バリアフリー化の為
の正着性向上を必要としているユーザーの意見を聞きながら、
技術とサービスを確立させ、個々のニーズに適した形のソリュー
ションを継続的に社会に提供することで、公共交通のバリアフ
リー化実現に貢献して行くしている。
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、アルジェ
アで新型大型トラッ「FJ」の販売を開始した。
 人口約3900万人、GDP1668億米ドル(2015年)
のアルジェリアは、年間輸入販売台数が5万台とアフ
リカで2番目に大きい市場だ。新規制の導入と燃料
価格の下落により販売台数は落ち込んだが、2017年
以降は急速に回復・成長すると見込まれている。
 MFTBCはこうした成長機会をらえるため、アルジェ
リア市場に新型モデルを投入。卸売会社として新たに
アルジェリア…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
アルジェリアでFUSO新大型トラック「FJ」の販売を開始
同時に「キャンター」の現地組み立ても開始
欧州で採用されている一般的な正着縁石
バス正着アプローチバス正着状態前扉のバリアフリー
新型大型トラック「FJ」の発表会

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号86
認定したDiamal社の本社屋で2016年11月、
顧客や報道関係者を招き、新型大型トラッ「FJ」
を発表した。Diamal社は仏商社CFAOが60%
の株式を保有し、アルジェリアの商用車市場で16
年にわたり事業を展開してきた実績がある。
 また、Diamal社はアルジェのシディ・ムサ市に
ある同社の工場で、2017年第1四半期から小型
トラック「キャンター」の組み立てを開始する予定と
なっている。建設中のノクダウン工場は、7万平
方メートルの敷地内に車両保管ヤード、物流セン
ター、保税エリアなどを備えてる。Diamal社はア
ルジェリアの新基準を満たす車両の組み立てで先行する企業
のひとつである。同市場で2社目の卸売会社を認定したこと
で、同社はさらにマーケットシェアを拡大している。
 新型車両は、アルジェリア市場ですでに成功を収めてい
る小型トラッ「キャンター」を含むFUSOの既存ラインアップ
を補完。同車両を投入することで、成長を続けるアルジェ
ア市場のユーザーに幅広い選択肢を提供できることになる。
「FJ」は2年におよぶ開発期間を経て、過酷な走行条件で
高い積載量に耐えうる堅牢性と、稼働時間を安定的に確保
できる高い品質など同地域のニーズに合わせて設計されてい
る。アルジェリアはアフリカ有数の成長市場のため、同社は
今後も高いコミットメトを示して行くしている。
 三菱ふそトラク・バス㈱(MFTBC)は、フィリピン市場で大
トラック「FJ」と中型トラック「FI」の販売を開始した。
 1億100万人の人口を抱えるフィピンは、2016年第3
四半期のGDP成長率が7.1%と世界で最も急速に発展して
いる市場のひとつである。経済成長ともにトラクへの需要も
増加しており、2016年の総需要は、2013年比で2倍超の
1万台近くになると見られている。また、同国のトラク市場は、
輸入中古車を中心としたものから新車へとシフしている。その
理由として、新車に搭載される新技術の利点に消費者が気づ
き始めていることが挙げられる。
 FUSOブランドの新型車両は、メトロ・マニラ内のケソンに
新設した販売サービス拠点の開所式で披露された。同拠点
はフィリピンでFUSOブランドを取り扱うディーラーDiamond
MotorCorporationが運営する拠点のひとつで、フィピン初
のFUSOブランド専売店になる。同社は今後数年間に、こうし
た専売ディーラーを7拠点まで増やす予定だ。
 ダイムラー商用車部門東南アジア地域のKay-WolfAhlden
リージョナルセンター統括は、「新型車両は快適さ、操縦性、パ
フォーマンスの点において、フィリピンのドライバーの期待を上回
るだけでなく、総所有コストの削減という点でも車両オーナーや
物流会社社長に大きな利益をもたらすものと確信しています。
2017年までに新型ラインアップを追加導入する予定で、同時
に販売網も増やしていきます」コメントした。
 同新型車両は、2016年9月24日に開催された第6回フ
ピン国際モーターシーで先行展示された。
 DMC社長GeorgeBlaylock氏は開所式で、「フィピン初
のFUSO専売ディーラーを開所したことを誇りに思います。当
フィリピン…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
フィリピン初のFUSO専用ディーラーで新型車両を発表
開所式で「FJ」「FI」の新型トラックを披露
アルジェリアで販売を開始したFUSO新大型トラック「FJ」
MMPC社長兼CEO加藤芳明氏(左)とDMC社長GeorgeBlaylock氏(右)

TheTRUCK2017年1月号87
社は1969年、FUSO
のディーラーとして事業
を開始し約50年経ちま
した。今回の開所を新
たな50年の出発としま
す」と述べている。
 フィリピンでは、ミツビ
シ・モーターズ・フィ
ピンズ・コーポレーション
(MMPC)がFUSOブ
ランドの輸入・卸売り
行っており、主に小型
ラック「キャンター」を48
のディーラーに卸売り
ている。2015年の販
売実績は約1,500台と
なっている。
 MMPCの加藤芳明
社長兼CEOは、「フィ
ピン初のFUSO専売ディーラーを開設できたことはたいへん嬉し
く思います。この施設はダイムラーの商用車事業ノウハウに沿っ
た厳しい基準をリアしているので、最高の質のサービスをお客
様にお届けすることができます。フィピンの商用車市場はここ
数年、需要が高まを見せているため、今回の新型車導入と
開設のタイングは完璧です」と語った。
 オリクス自動車㈱は、建設・土木事業者向けの作業用車
両を幅広くそろえた「オリクストラクレンタル」事業において、
このたび「熊本営業所」(熊本県上益城郡)を開設した。トラック
レンタル事業における熊本県への出店は今回が初めてとなる。
 オリックス自動車は、九州エリアにおけるトラックレンタル
事業を福岡・佐賀・大分の3県5拠点で展開している。
2016年4月の熊本地震発生以降、震災復興需
要に対応するため、九州エリアの取り扱い車両台数
を約1,400台から約1,900台に増車するなど、被
災地エリア向けにサービスを拡充している。
 今回、「熊本営業所」を開設し、継続中の復興工
事ニーズへの対応を充実させると共に、九州中部エ
リアの拠点として幅広い地域にサービスを提供して
行くしている。まずは、ダンプトラックやクレーン
ラック、拠点移動手段用のライトバンを中心に九州エリアの
保有車両のうち400台を配備し、順次、高所作業用トラッ
クなどの建設・土木作業用トラックを拡充して行く計画で、
2018年3月期末には熊本営業所の保有台数を600台ま
で拡大する予定となっている。
 オリクス自動車は、トラクレンタル事業において、業界トッ
トラックレンタル…オリックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
熊本県内初のトラックレンタル営業所を開設
土木・建設系から物流系まで幅広い車種で復興需要に対応
フィピンに投入された中型トラック「FI」
熊本県上益城郡に開設された「熊本営業所」

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号88
 日産自動車㈱は2016年12月5日、完成車を専用埠
頭まで無人牽引車で搬送するシステム「IntelligentVehicle
Towing(インテリジェトビークルトーイング)を同社の追浜
工場に導入した。
 日産は、「ニッサン・インテリジェト・モビリティ」という構想
のもと、人とクルマ、そして社会との関係をよりワクワクするも
のに変えていくべく、様々な取り組みを行っている。今回の取
り組みは、地図や通信等の技術を活用し、電動化・知能化
無人搬送システム…日産
話題のニュートラック新製品情報・新情報
自動運転技術を活用した完成車の無人搬送システム
「IntelligentVehicleTowing」を追浜工場に導入
プクラスの補償と365日24時間の事故対応など、安心か
つ迅速なサービスでユーザーをサポーしている。
 今後も、自動車リース事業・レンタカー事業・トラックレン
タル事業・中古車販売事業を通じ、熊本地震により大きな
被害を受けた地方の復旧・復興活動を支援して行くことに
なる。
■オリックストラックレンタル熊本営業所
◇住所:熊本県上益城郡益城町小池2874-1、◇電話:
096-287-6255、◇営業時間:8:00〜19:00(日曜・祝
日休業)、◇営業開始日:2016年12月12日、◇アクセス:
九州自動車道小池高山ICから約2分(600m)、御船町役
場から約12分(5㎞)。
■主な取り扱い車両
 バン(軽〜ワンボクス)、アルミバン(2〜4t、冷凍車(軽〜
4t、クレー(2〜4t、ダンプ(軽〜大型)、平トラック(軽〜4
t)、その他特種車両など幅広いラインアップを取り揃えている。
オリクスレンタルトラクのバリエーションはカーゴ系から建設系まで幅が広い

TheTRUCK2017年1月号89
されたクルマとインフラをつなぐことにより新たな価値を創造す
るもので、「ニッサン・インテリジェント・インテグレーション」
実現に向けたひとつアプローチである。
■システムの構成、技術について
 同システムは、自動運転機能を備えた電気自動車「日産リー
フ」ベースの牽引車と台車で構成されており、一度に最大3
台の完成車を無人で搬送することが可能だ。
 従来から部品搬送に使用している無人搬送台車は、磁気
テープやレールを辿って走行しているが、今回のシステムは、
こうしたインフラを敷設する必要が無いため、生産工程や物
流動線の変更に柔軟に対応しながら、経路を設定する事が
可能である。牽引車には、複数のカメラとレーザースキャナー
を搭載しており、そこから得た白線、路肩、障害物などの情
報と地図データを組み合わせ、自車の位置を正確に把握する
ことで、目的地までのルートを工場内の制限速度で自動走行
できる。先行車両や人に接近した場合には、自動で停止し、
一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進する。
それぞれの牽引車の位置、車速、作動状況やバッテリ残量
は、管制センターでモニタリングすることができる。また、牽
引車同士の進行ルートが交差する際は、管制センターで優先
順位を決定するほか、緊急時にはシステムを遠隔で停止させ
ることも可能となっている。
■開発の経緯
 これまで完成車は、組立工場から専用埠頭まで専門のドラ
イバーが完成車を1台ずつ運転して搬送していたが、将来の
日本における労働人口減少の対策のひとつとして、日産では
搬送業務の合理化に向けた方策の検討を進めている。
 今回の追浜工場における試験運用は、その取り組みのひ
とつで、1年前から開始したもの。既に累計1,600回に渡
る試験走行を実施しており、この間に得られたデータに基づ
き、構内での特定条件下における無人走行時のリスクに対
応できる安全機能やフェールセーフ機能、天候や日照といっ
た周辺環境の変化の中でも安定的に走行できる信頼性を確
立してきた。今後、追浜工場で更なる技術検証を重ねると
もに、将来的には国内外の他工場への導入も検討して行くこ
とになる。
 日産は長年自動運転技術の開発に取り組んでおり、2016
年8月にはミニバン「セレナ」に高速道路の同一車線で使える
自動運転技術「プロパイロット」を実用化するなど、同技術の
普及に積極的に取り組むともに、個人ユース以外の幅広い
活用についても研究開発を続けている。
 今後は、IntelligentVehicleTowingで得たデータ・ノウ
ハウを自動運転技術の更なる活用に向けて役立てることで、
ユーザー、そして社会に新しいソリューションが提供できること
になる。
完成車を専用埠頭まで無人で搬送する「IntelligentVehicleTowing」システム
自動運転機能を備えた電気自動車「日産リーフ」ベースの牽引車と台車で構成

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号90
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、2016年11月
27日にMFTBC川崎製作所で「川崎工場開設75周年記
念式典」を開催した。
 川崎工場開設75周年記念式典は、MFTBC川崎製作
所コンベンションホールに川崎市、川崎商工会議所などの来
賓とMFTBC労働組合代表者や同所関係者を迎え執り行わ
れた。会場には75年の歩みを振り返る歴史写真や年表、
歴代の工場レイアウト図とともに、終戦後に自動車の代わり
に生産した鍋などを展示。同所を代表し元山義郎MFTBC
副社長・生産本部長が同所事業活動への理解・協力に対
する謝意を述べるともに「川崎工場75年の歴史と現状」
ついて説明した。
■川崎工場の歴史
 MFTBC川崎製作所は1941年(昭和16年)、三菱重
工業㈱東京機器製作所川崎工作部(当時)として発足、日本
最大級の鋳鍛工場として操業を開始した。当時は舟艇用エン
ジンと航空機用機器を生産していた。1945年に空襲により
建物8,700坪が焼失し、機械設備118台が破損するとい
う打撃を受けたが、終戦後は、トラック・バスの修理・再生
作業を行うとともに鍋釜・洗面器などの生活用品やリヤカー、
瓶詰め機などを生産。当時の主力製品は5馬力動力粉砕機
(製粉機)だった。1946年にB1型シャシーが完成、商用
車生産を再開した。
 その後、生産設備の増強、生産技術の向上により飛躍
的な発展を遂げている。1957年に自動車の量産工場と
て専業化を開始。高度経済成長が始まった1960年代に
は、物流ニーズの高まりに応えるため、大型トラックに加え
て小型・中型トラックの生産に進出。1970年ごろまでに
は、トラック総合一貫量産工場として大規模な量産体制が
整備された。
 川崎製作所は現在、ハブ工場として世界160カ国以上
へ輸出している。最初の輸出は1955年のチリ向けのR32
型バスだった。また、完成車輸出のみならず世界のKD工
場のマザー工場としても発展してきた。1960年のオーストラ
リア向けT352型大型トラックを皮切りに、1970年にタイ向
けT620型中型トラック、1972年からはインドネシア向けに
T651型中型トラックの部品を出荷している。
 2007年からは生産性と構内物流効率の向上を目指した
フィシュボーンコンセプトを軸とする、構内再配置(サイトス
ラテジー)を開始した。フィッシュボーンコンセプトとは、車両
組立ラインを魚の背骨に見立て、工場に納入された部品や各
モジュールの流れが背骨から上下に伸びる骨のようにレイアウ
トするコンセプトである。
 2014年8月の小型車両組立ラインストレート化に続き、
2015年8月には大中型車両組立ラインのストレート化が完
了。全長約600mの組立ラインが誕生した。新たに組ま
れた「背骨」により、現行機種の生産性向上にとどまらず、
2017年末に市場投入予定の小型電気トラック「eCanter」な
ど、新機種への対応も容易になった。
 環境への取り組みとしては、工場全体で、「省エネ」「創エネ」
「EMS(EnergyManagementSystem)」を柱にしたグリー
ン・イノベーション活動を展開。工場物流の「サプライチェー
ンにおけるCO
削減活動」は、平成25年度「省エネ大賞」
「資源エネルギー長官賞」を受賞するなど、環境負荷低減
施策を積極的に導入している。
 ダイムラー・トラック・アジア総責任者のマーク・リストセー
ヤMFTBC代表取締役社長・CEOは、「川崎製作所はふ
そうブランドのみならず、日本の『ものづくり』の歴史の象徴で
す。75年の歴史の中で、当所は戦争により打撃を受けま
たが、その後の日本の経済成長に貢献し、結果として当所
社員の誇りとなりました。最近実施した工場設備刷新により、
川崎工場…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
三菱ふそうが「川崎工場開設75周年記念式典」を開催
ふそうブランドのマザー工場として世界160ヵ国以上へ出荷
「川崎工場75周年記念式典」(右から)川崎商工会議所の加治副会頭、川崎
市の三浦副市長、MFTBCの元山副社長、三菱ふそう労働組合本社支部の根
本支部長

TheTRUCK2017年1月号91
近々始まる小型電気トラック『eCanter』の生産で、新たな歴
史を刻むことを確信しております」と述べた。
 また、MFTBCの元山義郎副社長・生産本部長は、「川
崎製作所が1941年の操業開始より75年目を迎えるにあた
り、当所事業活動に対する川崎市ならびに関係各所のご協
力と、地域の皆さまのご理解に感謝申し上げます。また、当
所社員の努力により75年の歴史が創られたことを誇りに思い
ます。鋳鍛工場として歴史が始まった当所は、生産設備の
更新・増強と生産車種の拡大により、今やダイムラー商用
車部門の主力工場の一つとして、完成車を始め、KDキット、
コンポーネントや部品に至るまで、ふそブランド製品を160
カ国以上へ展開しています。これからも製品の品質向上に加
えて、環境に優しい工場を目指し、地域ともに発展し続けて
まいります」と語っている。
■川崎工場について
◇所在地…神奈川県川崎市中原区大倉町10番地
◇工場敷地面積…431,200㎡
◇従業員数…約2,200名
◇累計生産台数…6,500,000台以上
◇主な製品…大型トラッ「スーパーグレート」、中型トラッ
「ファイター」、小型トラック「キャンター」、バス・産業機
器向けエンジン、各種コンポーネントなど
 日産自動車㈱は2016年12月19日、同社が国立研究
開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC/本部:神奈川
県横須賀市夏島
町、平朝彦理事
長)、及びトピー工
業㈱と共に実施し
た“アラウンドビュー
モニター”を装着し
た遠隔操作無人探
査機(ROV=Rem
otelyoperated
vehicle)試作ユニッ
トの浅海実験に成
功したと発表した。
 この実験は、既
に昨年発表されて
無人探査機…日産・JAMSTEC・トピー工業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
アラウンドビューモニター技術を活用した
遠隔操作無人探査機の水中実験に成功
1941年(昭和16年)に発足した川崎製作所は75年の歴史を持つ工場だ川崎製作所では幅広い車種が生産されている
今回海中試験を行った高効率海中作業システム
アラウンドビューモニターを装着した遠隔操作の無人探査機ROV

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号92
いる、日産のアラウンドビューモニター技術を、内閣府が進
める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の課題のひ
とつ「次世代海洋資源調査技術」を構成する研究開発課題
「ROVによる高効率海中作業システムの開発」に応用する
実験である。
 自動運転につながる要素技術であるアラウンドビューモニ
ターは、クルマを真上から見ているかのような映像により周囲
の状況を知ることで、駐車を容易に行うことが出来る運転支
援技術で、日産が2007年に世界で初めて採用した。アラ
ウンドビューモニターは、2011年に移動物検知機能を追加
する等、その後も進化を続けている。
 日産は、JAMSTEC、及びトピー工業と共同で2015年
4月から試作ユニットを開発していたが、この度、日本サルヴェー
ジ㈱が所有するROVにアラウンドビューモニター技術を追加
装着し水中実験を実施した結果、ROV自身を任意の視点か
ら客観視する様な立体的な映像をリアルタイムで表示すること
に成功した。
 試作ユニットは水深3000mでの使用が可能で、ジャイ
ロと水中高度計により海底面を探知しアラウンドビューモニ
ターに反映することで、限定的ながらも海中を3Dで表現。
また、ROVが水中を浮遊して移動する場合でも、船上で
操作するオペレーターが瞬時に海底やROVの状態を把握
出来る事から、水中作業効率の大幅な改善が見込まれる。
この技術は将来、世界に1000台程度普及している大型
ROVへの活用や、窓が小さく視野が極端に狭い有人潜水
船の運転支援にも期待されている。今後は深海での動作
確認を進めると共に、共同開発で培ってきた技術の産業化
に向け、引き続き実験を継続することになる。
 日産は自社で開発した技術やノウハウなどを自社での利用
のみに留まらず、多くの分野で利用促進する取り組みにより、
技術発展に寄与していきたいと考えている。また、これらの無
形資産の有効活用によって得られる収入を、新たな技術開
発に投資することで自社の技術開発を高めて行く考えだ。
 自動運転技術は、ドライバーをサポートすることで交通事故
の低減を目指し、安心、快適、便利なモビリティを提供し、
社会に貢献する事を目的に開発が進められている。今回の共
同開発は、アラウンドビューモニターの技術を通した海洋資源
の有効利用による社会への貢献を狙うと共に、自動運転技
術開発につながる要素技術開発の一環として、今後も推進し
ていくしている。
トヨタ自動車㈱は、今冬発売する新型プリウス
PHVにおいて、車両のEVモード走行距離や自宅
での充電量によって、ユーザーが様々な特典を受け
られる新サービス「PHVつながるでんきサービス」
東北電力㈱、東京電力エナジーパートナー㈱、中
部電力㈱、関西電力㈱、四国電力㈱の5社とそ
れぞれ共同で実施する。
 同サービスは、新型プリウスPHVのユーザーに、
つながるでんきサービス…トヨタ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
車両から得られる情報を活用した
新サービス「
PHV
つながるでんきサービス」を電力
5
社と実施
全周囲画像表示システムで取得された全周囲画像クルマを真上から見ているかのよな映像の“アラウンドビューモニター”
今冬の発売が予定されている新型プリウスPHV

TheTRUCK2017年1月号93
より長い距離をEVモード走行してもらうことで、クルマが環境
に与える負荷を低減したいとの思いで企画したもの。トヨタの
コネクティド戦略の柱である、モビリティサービスプラットフォー
ムを活用した、異業種企業との連携のひとつの形でもある。
 具体的には、プリウスPHVに装着される車載通信機
(DCM:データ・コミュニケーション・モジュール)を通じて得
ることができる、EVモード走行距離や自宅充電量等の情報
を、トヨタからユーザーがサービス申込みをしている電力会社
に提供。その内容は、ユーザー自身がWEBサイトを通じて
確認できるほか、内容に応じて電力会社からユーザーにポイ
トを付与。ユーザーはそのポイントを利用することで電力料金
の支払いや、商品との交換を行うことができる。
 なお、「PHVつながるでんきサービス」については、プリウス
PHV発売と同時に専用WEBサイトにてユーザーへ
のご案内を開始し、あわせて販売店にて各電力会
社のサービス内容を紹介するチラシを設置する予定と
なっている。
 今後もトヨタは、安心安全なカーライフを提供する
共に、様々な業種や企業との連携も検討しながら、
車両から収集されるデータを活用した、魅力ある製品
の開発やアフターサービスに取り組んで行くしている。
今冬の発売が予定されている新型プリウスPHV
<サービス概要>
未来志向のイージが感じられる新型プリウスPHVの運転席
新型プリウスPHVの給電プラグ

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2017年1月号94
 ユーピーアール㈱(upr/本社:東京都千代田区、酒田
義矢社長)は、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ㈱と
のコラボレーションにより、同社所属の楽曲やパフォーマンス
をセルフプロデュースする新しいスタイルのガールズユニットと
して活躍中のcallme(コールミー)を「uprPRManager」とし
て任命した。
 物流用パレットのリース・レンタルを中心に物流の全般に関
するサポートを行うuprと共に、物流を中心に社会生活にお
いて必要不可欠となっている“パレット”をより身近に感じても
らうことを目的に、callmeはテーマソングの制作や日々のアー
ティスト活動と並行して認知を広げるため、PRマネージャーと
しての活動を行う。
 LIVE会場やウエブ番組内でのパレットのPRをはじめ、upr
が実施するキャンペーンのフォローなども行うとになる。
 現在実施されている「uprのパレットを探せ!」キャンペーン
(2017年3月31日まで)にもcollmeが登場している。この
キャンペーンは、uprのパレットを見つけて応募すると特賞10
万円他、素敵なプレゼントが当たるというもの。
■callme(コールミー)
 KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人により、2014年
12月30日に結成したガールズユニット。それぞれの得意分
野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースする新
しいスタイルのガールズユニットとして活動している。リーダー
のRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とする
MIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽
曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。
PRManager…ユーピーアール
話題のニュートラック新製品情報・新情報
avexとuprのコラボレーションが実現
callmeが物流の要であるパレットの認知アップを担当
ガールズユニットとして活躍中のcallme(コールミー)
2017年3月31日まで実施中の「uprのパレッを探せ」キャンペーン
物流業界で広く使われているuprのパレッ

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年1月号98
ゲンケートジャパンコンサルティング
井上元
(元日本フルハーフ㈱)
2016IAA国際商用車ショー入口
1.プロローグ
 従心の年齢になると何をするにも“面倒くさ
い!”、“億
󱢉󱢤󱢏󱢅
劫だ!”、“疲れる”!の気持ちが優先し
て“物
󱣃󱢯󱢐󱢖
臭”になってしまう。ましてやヨーロッパや
アメリカへ行くとなると“時差が厳しいな!”、“12
時間以上の長いフライト(飛行時間)かきつい!”、
“大きな荷物を持って移動が面倒だな!”などとネ
ガティブ(Negative:否定的)な気持ちが強くなる。
しかし、知識と人脈には賞味期限がある。現役時代
の知識を維持し、さらに新しい知識を吸収して“上
書き”をしないと知識も期限切れになってしまう。
在職中に出会った友人にも時々、会わないと次第に
疎遠になってしまう。
 知識と人脈の賞味期限を少しでも延長したいと
重い腰を上げ、ドイツのハノーヴァで開催された
2016年国際商用車ショーを見学し、在職中に知り
合った海外の友人との再会を楽しみ、お互いの健康
を祝して飲み、語り合った。
2016ハノーヴァ国際(IAA)商用車展示会
『
新しい輸送技術の到来を知り、
ヴンテージ商用車両に往事を想う』
(Part1)
ドイツのハノーヴァ市で開催された第66回IAA国際商用車ショーを見学した。
多発するテロの影響からか前回の開催に比べ、家族連れや子供たちの展示会への
来場を少なく感じたが、AI(人工知能)、IOT(モノのインターネット)などの
最新の技術を利用した展示に、物流の世界にも新しい輸送技術の到来を感じる
世界最大の商用車ショーだった。
“元さんの従心こばなし”

TheTRUCK2017年1月号99
時代を先取りした各社コンセプトモデルのトラクタ(左:イベコ 中央:ダイムラー 右:ボルボ)
幻想的なDAF社の展示スタン
力強いボルボ製4軸トラクタ
国内では販売が無いMAN社製4軸トラック
各社のブースでは様々なエンターテイメントが催される
2.AI(人工知能)、IOT技術に
 新しい時代の到来を痛感
 世界のトラック生産台数のNo.1を誇り、業界
を席巻するドイツのダイムラー(メルセデスベン
ツ)社は会場内で最も大きな展示スペースを使用
して、“三菱ふそう”ブランドを含むアジア戦略
車や、“未来コンセプトトラクタ”、“単車ダンプ
トラック”、“街中集配車”など、乗用車だけでな
く総合商用車メーカーとして展示会の人気を集め
ていた。
 日本語が可能なドイツ人スタッフを配置して、日
本を含めたアジアでの展開を力強く展示する同社の
今後のアジア戦略に期待がかかる。

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年1月号100
無人航空機のド
ローンを利用して
集配車から客先ま
での配送をIOT技
術で自動化(ダイ
ラー社)
AI技術を利用して電動
フォークリフトと商用車の
荷役作業システムを自動化
(ダイムラー社)
ダイムラー社が販売する三菱ブランドのキンター電気自動車
 毎回、同社は“三菱ふそう”ブランドでキャンター
車を展示しているが、今回は電気駆動のキャンター
車を展示して会場内の人気を博していた。   
 欧州での電気自動車化は乗用車を含めて未だ先と
考えていたが、今回の同社の展示で小型商用車の電
気自動車化が急速に進展するかもしれない。
 同社では集配用のベンツ商用車と電動フォークリ
フトを組み合わせて、荷物の積み込み、積み降ろし
作業の自動化を可能にした街中集配車を展示して荷
役作業を実演していた。積荷作業がインターネット
に接続されて庫内ラック装置、フォークリフト、
集配車と情報交換することで相互に自動制御する
IOT(InternetofThings:モノのインターネット)
技術を利用しての自動荷役システムに新しい時代の
到来を感じる。
 また同社では集配トラックから顧客への輸送を、
自立飛行が可能な無人航空機のドローン(Drone)を
利用した配送システムを紹介、展示して会場の話題
となっていた。
 まさに輸送、荷役、個別配送を含んだIOT輸
送時代の始まり、新しい物流時代の始まりを痛感
する。
 キャンター車の説明はVR(VirtualReality:仮想
現実)機器を使用して説明を受ける。VR器がゲー
ムの世界だけでなく展示会の商品説明にも広く採用
が始まっている。
 ドイツに本社のある輸送機器部品メーカー
のZF社のスタンドに立ち寄ってみる。大き
な展示場には透明なトラクタキャビンが飾ら
れ、大きなスクリーンにはトレーラ走行の自
動運転の様子が映されている。ここでもVR
機器を利用してトラクタ&トレーラの自動運
転を体感することができる。
 卵型をしたシェル内に座ってVR機器を
取り付け、VRスクリーン内のスイッチに自身の黒
目を合わせるとトレーラの走行が始まる。トレー
ラは雨の中を高速でアウトバーンをAI(Artificial
Intelligence:人工知能)技術を利用して自動運転で
走行する。前方の渋滞の列に追突しそうになると、

TheTRUCK2017年1月号101
トラクメーカー(ダイムラー社)による架装物の完成車化が進む(左:ドライバン 右:冷凍車)
AI技術を駆使して連結車輛トラクタトレーラ)の自動操縦技
術を可能にするZF社
ZF社は連結車両の自動操縦の説明にVR(仮想現実)機器を
使用
自動追突防止機能が作動して急ブレーキが効き、同
時に自動で急ハンドルが切られて追突が回避され
る。トレーラ走行でブレーキ操作時に問題視される
ジャックナイフ現象も全く発生しない。
 トレーラはトラクタとキングピンで連結されてい
るので、後退時には逆ハンドル操作が求められ、難
しい運転技術が要求されるが、ZF社では近い将来、
狭いヤード内でトレーラが後退して駐車する作業
も、人口知能を利用した自動運転で可能になると述
べている。
 連結車輛の自動運転技術の開発はトラックメー
カー、トレーラメーカーの単独では難しく、両者を
連結して制御を可能にする制御機器部品メーカーの
力が強く影響すると思われる。運転手不足でもト
レーラ化が遅れ、大型車両の全需も少なく、技術力
の高い制御機器部品メーカーも少ない国内商用車の
現状では、ヨーロッパに比べて連結車輛の自動運転
技術の開発は遅れることが推測され、先進的な欧州
メーカーと比べて国内の連結車輛のガラパゴス化が
さらに拡がることを危惧する。
 AIやIOT技術を利用した自動運転技術の開発に
は大きな開発費用が必要になる。トレクタとトレー
ラはキングピンを介して連結されて走行されるこ
とで自動走行、自動後退など技術開発には従来の
工学的な技術だけでなくAI(人工知能)技術やIT
(InformationTechnology:情報技術)を含めた新し
い知識、技術が求められることに、従心世代の古い
知識では能力の限界を知らされる。

ボデー架装業、整備業、部品販売業と運送業へのアーカイブ
TheTRUCK2017年1月号102
大型バスのハイブリド化が進む
大型トラクでもハイブリド化が進む
日産は電気自動車の集配車を展示
トヨタは集配車を展示
中国BYD社の電気バス。中国では電気バスの開発が進む
3.経済性、安全性の追求
 乗用車では電気とエンジンなど二つ以上の動力源
を持つハイブリッド車の普及がどんどん進んでい
る。今回の電気駆動のキャンター車や日産社の展示
から、小型商用車や街中集配車にも同様の変化を感
じる。大型バスでも電気自動車とハイブリッド車の
普及が進んでいる。
 今回も日本からの大型バスやトラクタの展示は見
られなかったが、中国の自利自動車(BYD)製の電
気バスの展示が目を引いていた。中国では省エネに
貢献し、環境に優しい電気自動車の普及に力が注が
れていることが容易に想像できる。
 単車大型トラック、トラクタでは車両総重量が大
きいことや必要な牽引馬力数の問題から将来、どの
ような駆動系に変化するのかこれからのIAAでの
発表が楽しみになる。
 燃費性能の改善や車両重量の軽減、走行安定性の
向上にヨーロッパでは殆どすべてのトレーラにスー
パーシングルタイヤが装着されているが、同タイヤ
を装着したトラクタの展示があり、スーパーシング
ルタイヤのトラクタへの装着、普及が今後、推測さ
れる。

TheTRUCK2017年1月号103
鉄道車両、乗用車、オートバイ、トラクタ、トレーラには性能
の良い、経済的なディスクブレーク装着が全てに普及
リヤー部の空気抵抗を減らすボートテールフィンを取り付けた
カーテンスライダー車
ルーフ部の空気抵抗を減らすティ(涙)ドロップ形状ボデー
トラクタのエヤサス普及に合わせトレーラの軽量化に軽量なア
ルミ支脚の取付けが進む
省エネで普及するLED室内灯
 アクスルの軽量化や整備性の容易さ、ドラムブ
レーキに比較して放熱性に優れたディスクブレーキ
のトラクタ、トレーラへの装着が進んでいる。会場
内には多くのトレーラ用アクスルメーカーが出展さ
れているが、トレーラ用のアクスルは最近まで装着
されていたドラムブレーキは殆どなくなり、乗用
車、鉄道車両、オートバイなどで採用され、性能
面で優れたディスクブレーキがほぼ100%のトラク
タ、トレーラに装着されている。国内では未だに遺
物のようなドラムブレーキがトラクタ、トレーラに
装着されている現状に愕然とする。
 1980年代に米国のフルハーフ社から船の後部の
ような風の抵抗が少ないボートテール形状のトレー
ラが紹介されたが、走行中の空気抵抗を減らし、燃
費性能の向上に役立つオプション装置を後部に取り
付けた冷凍大型トレーラも次第に普及している。オ
プション機器を装着すると全長が規制から外れる
が、省エネを重要視して規制を緩和し、装着を認め
るドイツでの柔軟な法律の適用に感心する。
(次号に続く)