トラックのお役立ち情報

土日祝 営業 [営業時間 9:00-21:00]

0120-918-101

【世界の商用車展研究】世界最大級2016 IAA商用車展 出展傾向

TheTRUCK2016年8月号22
世界最大級
「2016IAA
商用車展」

出展傾向は
西 襄二
(現地取材/翻訳/構成)
世界最大級の商用車ショー〝第66回IAA国際商用車展〟が来る9月22日から
29日にかけて恒例の会場独ハノーバー・メッセで開催される。6月下旬に主催者
VDA(ドイツ自動車産業協会)が企画した事前のプレスワーク
ショップで披露された主催者の意図、主要車両メーカーによ
る今回の出展傾向などについて要旨をお知らせしよう。
(お断り:挿入図は英文表記もまま翻訳していないことをご了承下さい。)
世界の商用車展研究
VDAとIAA商用車展に
ついて
 VDA(VerbandderAutomobilindustie/
AssociationofAutomobileIndustry)はドイツ
に本拠を置く自動車製造流通に関係するあらゆる
セクターの企業を網羅して300余の企業/団体会
員を擁する業界組織で、その活動はEU内でも高
く評価され、政治的にも影響力は強い。
 IAA(InternationalAutomobilAusstellung/
InternationalAutomobileExhibition)展示会
(ショー)はVDAの主催で毎年開催されているが、
西暦奇数年は乗用車展をフランクフルトメッセを
会場として開催し、同偶数年は商用車展としてハ
ノーバーメッセを会場として開催してきている。
 VDAの凄さは、自動車メーカー、車体メーカー、
部品メーカー、販売組織など自動車産業に関係す
る幅広いセクターの会員を束ねていることであ
る。ドイツ国外のメーカーなどはドイツ国内法人
を窓口に参加している。従ってここが主催する商
用車展は、全ヨーロッパのトラック及びバスのメー
カー、トレーラ・架装メーカー、部品・用品メーカー
など幅広い会員企業は勿論、EU域内の殆ど全ての

TheTRUCK2016年8月号23
関係企業が自社及びグループの最新製品と活動の
発表の場として利用する結果、商談の場の位置づ
けで世界最大級のショーとなって定着している。
今回の出展傾向
 プレスワークショップ(報道関係対象の研究会)
にはVDAが招いた報道関係者184名が参加して
いたが、主たるメディアは広域欧州からで、アジ
アは日本から筆者が1名、中国から若手の女性記
者2名と限定されていた。
 9月のIAA商用車展では、〝Drivenbyideas(発
想次第で更なる発展)が展示のコンセプトに掲げ
られており、近年のIT(InformationTechnolo
gy:情報技術)を駆使した在来ビジネスの効率化、
新ビジネスの台頭などに幅広く焦点を合わせた内
容となる模様である。
 プレスワークショップ(以下、PWS)での発表
者、及び発表の標題などは(表1)のとおりだが、
今回はその概要を読者と分かち合うこととしよう。
会場風景:最前列は各社発表者(提供:S-ELindstrand)
(表1)プレスワークショップで報告された各社の〝アイディア〟
発表順 所属企業 代表部門 発表者(役職) 標題 概要
開会の辞
チアズマンVDA 会長
(2007
辞・欧
動車産業概観
本文参照
1
DaimlerAG
トラック・
ウォルク・
(部門長博士)
今後の輸送に関わ
基本的考(アア)
本文参照
2
VolkswagenAG
VolkswagenTruck&
BusGmbH
アンレアス・レンシラー(CEO)
インテリジェント&
 先行する商用車
本文参照
パネルデスカ
上記 2 名に下記 2 名参加 ラ
マン(UPS 欧州副社長)ジェロ・シュルツ・
イズフォ(KRONE 取締役)
未来に飛び込む道路輸送
〝新たアイア〟で発展
省略
3 Volkswagen商用車
エッ・ショル
(ブラ戦略担当)
顧客要求に根した
小型商用車開発
本文参照
4 IVECOS.p.A
ピエールラフ
(ブラド戦略プレジデント)
多ブラ製品間の相互波及(シナジー効果
による
サステナブル輸
本文参照
5 DaimlerAG
ステフ E. クナー
ーバルパワン調達製造部門長)
いつでライン、
稼働続け
に強力トラック
本文参照
6MAN ドレ(CEO)
ロジティクス
4.0 ーザーの選択肢
自動運転支援
本文参照
(昼食)
7 VOLVOAG
カイカンソン
(上級副社長)
稼働中〝つな
トラック
本文参照
8
Schumitz
CargobullAG
アンレアス・
(部門長会会長)
ラのーバル展開 本文参照
9 SCANIAGroup
リック リック
(社長兼 CEO)
コネクテヴィティ
顧客未来へ導
本文参照
10
DaimlerBuses&
EVOBusGmbH
ハームー
ラーバス部門長兼 EVOBusCEO)
今後のバス都市内で
賢い移動手段提供
本文参照
パネルデスカ
上記 7)10)2 名に下記 1 名参加マーテ
シュ
(独 VDV= 運輸企業協会技術部長)
都市交通人員輸送で
バスが果たすべき役割
省略
閉会の
カイデマン
VDA 事務局長法学博士
お疲れ様9 にハーバー
でお会い
省略

TheTRUCK2016年8月号24
ヨーロッパのトラック市場動向
 PWSの冒頭、VDAマチアス・ヴィスマン会長
の開会挨拶の中でヨーロッパのトラック市場の直
近動向を明らかにした。要旨は以下の通り。
 近年、経済低迷が取り沙汰されていた西ヨーロッ
パでは、昨2015年、総重量6トン以上のトラッ
クが25万9千台販売され、前年比14%の増加
となった。本年に入って5ヶ月間の販売はフラン
ス、イギリスなどが先導して前年比14%の伸びを
示している。軽量小型商用車(バン型など)でも新
年に入って4ヶ月間に60万台の新規登録があり
回復傾向は顕著となっている。
 対照的にアメリカ市場では大型トラックで
2015年迄にみてきた6
年間の伸びは一服状態と
なり、本年はやや減少傾
向を予測している。中国
の大型トラック市場は過
去2年間に減少傾向を示
したが、本年は回復基調
になるものと期待されて
いる。80万台程度にな
商用車は雇用面で重要な
役割がある
 ドイツ国内の場合、自動車業界全体に占める商
用車関係の雇用は19万人に上るが、これは全自
動車産業の従業員の4分の1を占めている。この
セクターの企業は、ボディ及びトレーラの架装製
造などを担当しており、従業員は3万3千人に上
る。シャシメーカーとの関係は特別に強いものが
ある。
エミッションとCO
削減に道筋
 2013年より新型車から逐次導入し、継続生産
るのではないか。
 ドイツ国内市場
については依然好
調を維持し、大型
トラックの2015
年の販売は8万
3千台と前年比で
5%の伸びであっ
た。本年は5月迄
に3万6千台まで
登録されており、
増加傾向に一層の
期待がかかってい
る。通年で8万
7千台まで行くの
ではないかと推測
している。バンに
ついても5月末の
時点で前年同期比
5%の伸びを示し
ドイツ国内で25
万6千台が登録さ
れている。通年で
は6%の伸びが予
測されている。
車についても既に全面実施局面に入ったユーロⅥ
基準達成車の展開により、商用車は高効率な燃焼
メカニズムできれいな大気とCO2削減にも大いに
貢献しているのが実態だ。シャシメーカーは現在
出荷している最新型車では1970年当時と比較し
てトン・キロ当たり60%も燃料消費を削減してき
ている。
 加えて、大型トラックとトレーラの組み合わせ
で輸送効率を一層高める試みを顧客である運輸企
業共々追求し続けて、気候変動抑制策にも引き続
き貢献してゆく所存である。全長25mのロング
トラック(簡単に表現すれば、連結部分の空間を含
め、12mの単車と12mのフルトレの連結車)
普及提案もその一環である。フィールドテストの
結果からは、この方式が他のモードの輸送のシェ
アをトラックに取り込んでゆくという傾向は認め
られない。
世界の商用車展研究
VDAM.Wissmann
国 名(簡略称) 参加者数
ドイ 81
イタリー 1 1
スペイ 8
ポーラド8
スウーデン 6
ベルギ 6
オーストリ 6
クロ 6
オラン 5
イギリス 5
フランス 4
アメリカ 3
ロシ 3
トル 3
ルーマニア 3
スロベ 3
ハンガ 2
スイ 2
ギリシャ 2
ポルガル 2
ノーウェ 2
チェ 2
フィド2
デンマーク 2
中国 2
日本 1
ブルガ 1
南ア 1
トビ 1
アイスラド1
合計(30 か国) 184
(表2)VDA主催2016年
6月22日プレスワークショップ
参加報道関係者国別一覧

TheTRUCK2016年8月号25
貨物輸送の有機的展開を視野に、高効率な鉄道や
ヨーロッパならではの内陸水運との連携といった
モーダルミックスにも積極的に取り組んで来た
し、今後も可能な限り道路輸送との連携を深めて
ゆく。
 パワートレーンの多様化にも引き続き取り組
む。天然ガスをCNGのかたちで流通するインフ
ラも拡充されてヨーロッパにおけるCNG回廊の
整備も進みCNGエンジン車の利用も拡大してい
る。ハイブリッド車、或いは電動車も適材適所で
拡充してゆく。バスや都市内物流では転換が進む
だろう。
貨物輸送の需要はなお拡大
 小荷物を中心に貨物輸送需要は拡大しており、過
去15年間にトン・キロベースで74%増加してき
た。今後もインターネット・トレーディングの伸長
に伴い増加すると見ている。この分野では自動車輸
送が圧倒的に有利で、ヨーロッパではこの分野の貨
物は75%がトラックによって運ばれている。
今後のトラックは〝つながり〟
〝自動化され〟〝デジタル化〟する
 ご高承の通り、ついこの間ヨーロッパの6ブラ
ンドの大型トラックが自動隊列走行試験運行を一
斉に行い、オランダのロッテルダム港に全車見事
にゴールした(本誌2016年5月号参照)
 隊列走行が実用化されると、運行燃費は10%
改善出来るとの試験結果が出ている。この見通し
とともにコネクティヴィティ(インターネットに
よる情報流通)の潜在的可能性がますます現実的
になってきた。高度な効率化の展望がますます拡
がってきた。自動化運転の支援システムもその内
の一つ。
 ドイツが国を挙げて推進する「インダストリー
4.0」に呼応して、トラックやバスによる運輸
事業が刻々と集める莫大なディジタルデータの活
用が更なる社会発展をもたらす筈だ。9月開催の
2016IAA商用車展の会場ハノーバーでその全貌を
ご覧頂ける。お待ちしています。
《ダイムラーDaimlerの場合》
技術革新と法規の調和
 トラックという輸送機器の発明から120年、私
達は現在、再び当時の起業家が自分のガレージで
経験したように新分野の
可能性への挑戦に邁進し
ている。環境性能や経済
性の一層の向上もそうだ
し、多様なお客様の要求に誠実に応えることも含
まれている。近年の実績とこれからの課題につい
て重要なものをご報告したい。
 最初に、運転支援技術の格段の進展で、運転の
自動化が実用域に達しつつあることを採り上げた
い。私達は「HighwayPilot」システムを開発しト
DaimlerW.Bernhardダイムラーの最初のトラック(左)と近未来トラック(右)

TheTRUCK2016年8月号26
世界の商用車展研究
ラックにこれを搭載して2014年に業界初のメ
ルセデス・ベンツ・未来型トラックとして発表、
2015年から公道での試験走行を続けている。去
る3月には、このシステムを搭載した大型トラッ
クが隊列を組んでA52アウトバーン走行に成功。
ある著名なコンサルティング企業によれば、自動
化運転方式の車では交通事故の90%が予防出来る
としている。このシステムを搭載したトラックで
は、一定条件下で自動化運転モードで走行中、運
転車はステアリングホィールから手を離しても車
が自律的に運転することが出来るレベルに達して
いる。
 米シリコンヴァレーの起業家の間では、アイディ
ア次第で新製品・新事業のタネは限りないといわ
れているが、ことこの運転の自動化分野について
は創業130年のダイムラーが先行しており、私達
はこれを些か誇りに思っている。
 今後開発のペースを更
に速めるが、課題の一つ
として技術革新と法規上
の規定の調和を図る必要
がある。20世紀の法体
系を21世紀に相応しい
ものにしてゆくことが必
要である。私達は昨年の
今頃、政界から呼ばれて
ウィーン条約(注1)の議
論をドイツの法規に採り
入れることを提唱してい
る。
(注1)国連の機関が1969年5月23日にウィー
ンで開催した会議で採択した(国際)条約法に関す
るウィーン条約のこと。
 その内容だが、EU指令:ECER79では時速
10km以上で走行中には、運転者はステアリング
ハンドルから手を離してはいけない、と規定して
いる。そして、現在の法体系の中には自動化運転
システムの規定はどこにもない。現実にそぐわな
い法規を改定すべき、という主張をしているわけ
だ。もし、直ちに法規の改正が出来ないのであれ
ば、実用化を目指している革新技術搭載車が日の
目を見ることが遠のいてしまう。
コネクティヴィティについて
 二番目のトピックは〝コネクティヴィティ〟につ
いてだ。この言葉は〝インダストリー4.0〟〝イ
ンターネット・オヴ・モノ/コト=IoT〟等と共に
近頃頻繁に耳にする言葉
だ。専門家に拠れば、今
年1年で1,500万件のモ
ノやコトがオンラインで
データとして新たに何処
かにつながる筈とされて
いる。そうだとすると、
1秒間に3,000ものモノ
やコトのデータが増えて
いく計算になる。〝コネク
テッド(つながっている)
トラック〟はそのデータの
活用如何で宝の山という
多用な情報が〝つながる〟近未来トラックのイージ
既に優先順位の高い情報から〝つながる〟機能は搭載され実用化に入っている

TheTRUCK2016年8月号27
こともできる。ロジスティ
クスの切り口もあれば、
環境性能という視点もあ
るだろう。
 コネクテッドトラック
をクラウドにつなげば、
道路輸送に関わる全ての
関係者が自分に関心のあ
る切り口でそのデータを
利用できる。運輸企業で
あれば、トラックの積荷
や荷下ろしの待ち時間の
長さだとか片荷で帰路は
空しく空車で走行している、なども適格に把握さ
れムダの再発防止を目指した配車改善に結びつけ
ることもできよう。車両メーカーにとっては、サー
ビス工場の受け入れ計画にも応用できる。
 しかし、この方面の課題として現在共用されて
いる3G方式の通信の発展型であるLTEの送受信
可能なエリアが未だ整備不十分であることが指摘
されている。ドイツ国内の例では、LTEでカバー
されているエリアはモロッコ並みという調査結果
もある。
電動化はどこまで進展するか
 三番目のトピックとして、電動車(以下、EV)
ある。トラックの電動化は長らく検討の対象外に
置かれてきた。しかし、バッテリーの大幅な改善
が現実となってきた関係で、最近は話題に上るよ
うになってきた。1997年を起点として2025年
を展望すると、バッテリーのコストは60%低下
し、性能は250%に高まる見通しである。長距離
運行車には無理としても地域を限定した配送用と
等にはEVが活躍する姿が予測できる。
 ダイムラーはこの方面で先導しており、FUSO
の小型EVがシュツッツガルトの顧客の協力で試
験走行を継続している。今後予想される、EV法の
制定で普及に弾みがつくだろう。実はお話したい
ニュースがあるのだが、広報部のほうから時機が
来るまで待つようにいわれており、本日は差し控
えさせて頂く。(以上、ウォルフガンク・ベルンハ
ルト氏)
ダイムラーの「フリートボード」
 先ほど、同僚のベルンハルトが総体的に新しい
テクノロジーの傾向についてお話したので、私は
コネクティヴィティに限って詳しくご説明する。
 ダイムラーでは既に15年前から今日のコネク
ティヴィティに発展し
てきた素地となる車
載電子データ送受信機
というべき「フリート
ボード」と名付けたシ
ステムをユーザーに提
供してきた。一般にテ
レマティクスと呼ばれ
無線でこのシステム搭
載車と管理拠点をリア
ルタイムで結んで情報
交換を行ってきた。
 運転者の運転挙動を記録蓄積する機能及び燃料
消費の関係から、燃費改善のヒントを運転者に示
し、このシステムを搭載したフリート全体として
最大15%の燃費改善を実際に果たした事例もあ
る。このシステムはこれまでの15年間に40か国
6,000社のユーザーが保有する18万台の車輌に
採用され、搭載車のブランドも6ブランドに及ん
でいる。
 ここから、今後提供を予定している二つの新し
いサービスについてお話しよう。
「メルセデス・ベンツ・アップタイム」というサー
ビスは、運行中のトラックのコンディションを多
岐に亘りモニタリングして適切なサービス時期を
DaimlerTrucksS.Buchner
ダイムラーは将来に向けて道路輸送の有効性を一層高めてゆく。
長大車、隊列走行車、EVトラックなど全方位で取り組んでゆく。

TheTRUCK2016年8月号28
世界の商用車展研究
ユーザーに示して、車が動けなくなって修理する、
という不測の休車時間(ダウンタイム)を極小化す
(目標はゼロ)。具体的には次の3段階に分類し
てメンテナンスの適正化を図る。
 第1段階では、エンジンオイルのレベル、AdBlue
(SCRの正常な作動に欠かせない触媒液)のレベ
ル、或いはタイヤ内圧などユーザー自身で行える
整備項目について現状を示して早め早めのメンテ
ナンスを促す。第2段階では、サービス工場で行
うメンテナンス項目について現状からその時期を
知らせる。ユーザーは工場に入庫予定日を予約し
て運行計画に不測の孔があくことを防止できる。
第3段階では、運行中に差し迫ったトラブルの
予兆を察知すると、メルセデス・ベンツのサービ
スが組織的に動いてその危険をドライバーに知ら
せ、適切な指示を行い、
出先にサービス車が出向
いて最悪事態を未然に修
復する。
 こうしたオンライン・
リアルタイムのモニタリ
ングと情報解析が今後
数ヶ月で提供開始とな
る。このモニタリングは
トラックの各所に取りつ
けられた400ものセン
サー類からのリアルタイ
ム情報の解析による適切
な処置に結び付けること
が出来るわけだ。サービス工場に入庫が必要な場
合、以前なら口頭で症状を聞き取って行うべき作業
と部品手配を行っていたのが、入庫前に症状がディ
ジタルに入手できるから、車を受け付けたら直ちに
適切な作業を開始出来るし、これまでは診断に費や
していた時間が省けるから、作業時間を短縮しダウ
ンタイムの圧縮に結び付けることが出来る。
 何より作業指示が殆ど自動的に作成出来ること
がメルセデス・ベンツ・アップタイムシステムの
特長といえよう。そして、稼働中の多数の車から
得られる莫大なデータの解析は、次の製品の改良
や設計の企画に反映させることが出来るという、
革新的な機能がある。
〝何時でもつながっている〟というのはそうゆう
ことなのだ。(この部分、ステファン・ブックナー)
《フォルクワーゲンVWトラック&バスの場合》
商用車組織の変更
 フォルクスワーゲンは自社ブランドとして大
型トラックを有し南アメリカと一部の他の地域
で販売している一方、小型商用車(トラック及び
バン)を展開してきた。また、大型トラック及び
バスでは独MAN及び瑞SCANIA両社を傘下に
有する。今回、本体からトラック及び商用車部門
を切り離し、グループとしてのマルチブランド戦
略を従来以上に有機的に展開する目的で、本体の
VolkswagenAGと
は別にVolkswagen
Truck&BusGmbH
を設立し新たな展開を
図ることとした。この
新組織で迎えるIAA商
用車展は今回が初めて
となる(この部分、筆
者注)
2040年に向けた展望
 かなり先のことではあるが、2040年の社会で
VWA.Renschler
連結全長25m車を普及させると3台分の貨物が2編成車で運べる。

TheTRUCK2016年8月号29
は今日の運送業や運輸事
業者は未だ存在している
だろうか。今のような物
流形態はあるだろうか。
物流は無くならないがそ
の形態はかなり変わって
いることだろう。トラッ
クは生き残るのか。生き
乗っているだろう。しか
し全ての車は〝つながっ
ている〟筈だ。そして運
用がより効率的かつ効果
的になっている筈だ。
ディジタル化が要になっ
ているだろう。
 ヨーロッパ全域で発生する物流需要は金額にし
て年間30億ユーロに上ると目されているが、そ
の中にはムダに空気を運んでいる場合もある筈
だ。これは利害関係者の損失であると同時に環境
に不要な負荷をかけていることになる。ムダなト
リップ(運行)があれば交通渋滞の原因となってい
るかも分からない。
 この先、輸送に関わるあらゆる事象がディジタ
ルデータとして〝つながって(コネクテッド)その
活用方法が格段に進めば、空いた経路を選んで自
動化された隊列走行トラックに適正量の貨物を積
載して運行させればムダが省かれ全体最適な方向
に向かう筈だ。これは決して白昼の夢物語ではな
く、既に物流業界の一部ではあるが最適化に向け
た実証を経験している。こうしたビジネスモデル
の成功事例を水平展開することが今後の課題だ。
ITの進展は新たな参入と成功事例を
 事例として当社が3億ユーロ出資しているGett
(注2)の場合をみてみよう。(注2)アメリカで立
ち上げられたヴェンチャー企業www.gett.com/。
 この会社の場合、車の運行サービスを顧客に提
供するが、自社では車両を保有せず〝黒色車(Black
Car)を保有していることを条件にドライバーを
募集して契約し、このドライバーに成り代わって
顧客の移動需要を受け付け、最寄りのドライバー
に指示を出す。主要地点間(例えばニューヨークの
3か所の空港からマンハッタン地域まで)の運賃を
定額化して提示・収受するビジネスモデルを提供
している。黒い車はステ
イタスと受け取られ、割
増料金は一切要求しない
から、利用者は安心して
利用出来ることから発足
間もないが業績は順調に
伸びている。自社の収入
はドライバーが収受する
料金の10%を手数料と
して受け取る仕組みだ。
 フィンテック(Fintech
=Finannce金融とTec
hnology技術を掛け合わ
せた近年の造語)分野の
軽量商用車でもお客様のニーズは多様化・細分化されている。
どれにも木目細かく対応出来るよしっかりした骨格を作り込む。
初代Transporter車(T1)の運転席(左)の何とシンプルなこと・・。
対する最新第6世代(T6)車の運転席は機能性と快適性の調和に腐心・・。

TheTRUCK2016年8月号30
世界の商用車展研究
トランスファー・ワイズTransferWise社の場合、
個人間の資金移動を銀行より安い手数料で受託し
実行するビジネスモデルで昨年、1億ドルを売り
上げ顧客は1,500万人になったという。
 フェイスブックFacebookは何ら自社コンテン
ツをもたないにも関わらず地球規模で利益を生み
出している。こうした事例は枚挙に暇はないが、
日々増加している。勿論、中にはたちまち消えて
しまう参入者もあれば、他の良き見本となるもの
もあるわけだ。
IT大手の変様も見逃せない
 IBMワトソンWatson社の場合、人工知能の研
究を通じて自社のこれまでのビジネスを総ざらえ
し、そこから新たなビジネスを開拓しようとして
いる。これまで知られていないプロテイン(タンパ
ク質)からある種の腫瘍の増殖を抑制する物質を生
み出し、これを商品化する計画で2025年には1
億ドルビジネスに育つ計画だという。
 人工知能は、通常の道路交通の中で自動化運転
の車を運行させる場合でも鍵となる技術分野であ
る。全世界の交通情報は2年毎に倍々ゲームの様
相で増えている。その総量は2020年にはツェッ
タバイト(Zettbytes=10007バイト。例えれば
世界中の砂子の粒の50倍!!に相当する)という途
方もない量になるというが、こうした巨大データ
の解析も今後できるようになる。そこから、新し
いビジネスが続々と生まれる・・。
ラストマイルの物流改善
 物流の世界で増加
傾向が著しい〝小荷物
Parcel〟では迅速な配
送が競争力の指標とも
なっている。アマゾン
Amazonではアメリカ、
イギリス、オーストリ
ア、イスラエルなどでド
ローンを実用化し2019
年までに30分以内に注
文主に配達しようとして
いる。現実に、アメリカ
のいくつかの州では1時
間以内の配送を実現しつつある。
 商用車の世界ではひと頃、エンジン出力の大き
さで競争した時代もあったが、今は如何に無駄な
く効率的に運行できるか、その支援システムを提
供することが競争力になってきている。こうした
観点から、(当社の傘下にある)MAN社はアメリ
カで生まれたばかりのFR8という企業(startup)
を買収し、そのソフトウエアを活用し地下資源
の開発用に全自動式ダンプトラックを開発し、
SCANIAブランドで間もなく納入し運用を開始す
る予定である。
 一般的な貨物輸送の世界でも、投入されている
トラックのあらゆる部分に取りつけられたセン
サーからの情報を活用して、適切な整備を行って
稼働率を極大化するシステムが稼働している。こ
れで不測の故障による休車downtimeを3分の
1にすることに成功している。2025年迄にこう
したシステムは殆どの運輸顧客企業に普及するだ
ろう。
商用車は変貌し続ける
 私は最初に2040年の商用車はどうなるか、と
問いかけたが、フォルクスワーゲンが提供する商
用車のお客様がその先のお客様に満足して頂ける
ビジネスを展開する限り、私達の役割は高度化に
向けて変貌し続けることが求められており、それ
を達成し続けてゆく所存です。(以上、アンドレア
ス・レンシュラー)
顧客の要求使用は更に細分化へ
最新のドライバー支援システムは事故防止を優先。そして快適性と燃費向上に結びつく運転法にも及ぶ。

TheTRUCK2016年8月号31
 フォルクスワーゲン
の軽量商用車(バン及び
ピックアップなど)
1950年発売のT1型バ
ンにルーツがある。乗用
車ビートルの流れを汲ん
でRRリヤエンジン・リ
ヤホィールドライブ式の
パワートレーンだった。
荷役は人出に頼っていた
時代である。
 最新のバンはT6型で
は、パワートレーンはFF
フォーントエンジン・フロントホィールドライブが
標準でホィールベースの長短設計変更が容易に行え
る。これは、このクラスの商用車顧客のそのまた顧
客が多様化し扱う積荷とその荷役が省力化を求める
ことと関連して変貌してきたからである。
TOC運用全期間の費用を極小化
 このクラスの商用車でも、使用全期間に発生す
るコストと新車に代替する際の下取り価格のトー
タルで如何に費用が発生するか、に顧客の関心が
かかっている。ここで期待に応えることが先ず求
められる。
運転中のドライバー支援
 商用車のドライバーは仕事の上での最大の財産
だから、運転中に発生する様々な負担を可能な限
り軽減して上げることが望まれる。この観点から、
車側で出来る支援システムをできる限り採用して
いる。車の周囲の死角の監視支援、車線逸脱警報(ス
テアリングをシェイクさせる方式も含む)、渋滞中
の車間距離警報とブレーキアシスト、(日本では殆
ど利用されないが)小型トレーラを牽引中のトレー
ラの状態指示、など事故を予防する情報提供と積
極的な伝達方法の追加にも務めている。
コネクティヴィティ
 小型商用車のコネクティヴィティに期待される
機能は、先ずはスマホが自由に使えること、顧客
や荷主とのコミュニケーションが適切に行えるこ
と。次に走行速度制限に抵触していないかの警告、
ドアの開閉の遠隔操作、盗難予防システムと運行
中に事故が発生した場合に自動的に外部に通報す
るシステム、運行計画の最適化、運転者の交替記
録、整備計画の表示、などが挙げられる。大型商
用車と共通するものと小型商用車に特有のニーズ
が指摘される。
 多数の車を運用する法人においては、顧客との
関係も考慮すれば全車を一つのブランドで統一す
ることはむしろ例外かもしれない、すると、コネ
クティヴィティやコミュニケーションに関するシ
ステムはブランドを横断して利用可能であること
が求められる。フォルクスワーゲンではそうした
場面でも柔軟に対応することができる。(以上、エ
クハード・ショルツ)
《イヴェコIVECOの場合》
キーワードはサステナビリティ
 IVECOは大型トラック及びバスを始めとして、
消防車、軍事防衛車、各種建機及び作業車、農業
機械に至る幅広いマルチブランド製品を展開して
いるところが大きな特
徴である。そして、い
ずれの分野でもそのビ
ジネスのサステナビリ
ティ持続性に心を砕い
ている。
 製品の企画段階から
原材料と再生材料の
適正な比率を考慮し、
IVECOP.Lahutte
バンの〝つながる〟機能はここに示す分野に力を入れている。

TheTRUCK2016年8月号32
世界の商用車展研究
製造段階での省エネは勿
論、市場で一次寿命を終
えた主要コンポーネント
の再生整備、流通段階の
効率性、稼働率の向上の
システム的展開、寿命を
迎えた製品の回収とリサ
イクル、適正な再資源処
理、など製品のライフサ
イクル全般についてサス
テナビリティに照らした
活動を続けている。
 内燃機関の時代はなお
続くとの展望から、大型車
分野で燃料の多様化には
どのメーカーより早くか
ら取り組み実績を積んで
来た。加えて軽量バンでは
電動化EV開発にも積極的
に取り組むなどフルライ
ン対応を行っている。
 天然ガス車の開発で
は、1996年から市販を
開始しヨーロッパ内で他
社に先駆けて一番乗りの
歴史を築いてきた。大型
IVECOの製品は多様な分野で活躍中
農業分野では〝つなげる〟手段に通信衛星も活用
CNG車の普及にどこより力を入れているIVECOだ。

TheTRUCK2016年8月号33
CNGトラックでもヨーロッパのCNG回廊の整備
に呼応して積極的に販売を伸ばしている。ディー
ゼルと同等の最高出力及びトルクを発生するエン
ジンで運輸事業者の高い支持を得ている。
 都市内路線用バスではハイブリッド車の普及に
も先駆的取り組みで実績を重ねてきた。
 農業機械では、GPSの活用で自動運転による正
確な耕運や収穫が実用域に入った。大型建設機械
でもサイト内の自動運転などは実用域にある。(ピ
エール・ラウッテ)
《マンMANの場合》
ロジスティクス4.0
 当社としては〝ロジスティクス4.0〟をトピック
にとりあげる。ご高承のとおり、ドイツ連邦共和
国政府は国家の方針として〝インダストリー4.0〟
を推進している。工業のあらゆる場面でディジタ
ル化したデータを活用して仕事の質を高めてゆこ
うとする政策だ。〝ロジ
スティクス4.0〟はこ
れに呼応したものだ。
ディジタル・データは
いわばこれからの社会
の礎のようなもので、
その活用の仕方に当事
者の力量が現れると
言っても良いだろう。
また、ロジスティクスは
産業と国民生活で潤滑油
のような役目を果たすか
ら、インダストリー4.0
はロジスティクス4.0と
いうことも出来るわけだ。
 では、私達自動車メー
カーのセクターにとって
現下の課題は何だろう
か。それはこの世界で
働く熟練労働者を支援
することだと考える。
鍵となる言葉は〝協働
collaboration〟(注3)
と思う。
(注3)一般的には〝共同〟
の文字が当てられている
が、文意から〝協働〟とした。
 各方面の商取引の単位が少量かつ多品目となっ
てきているから、輸送システムもヴァリューデェー
ンの重要な一角であり、これに対応しかつ経済的
で効率的な運用が求められる。こうした状況では、
ロジスティクスに関与するセクターは製造業、流
通業に次いでドイツ経済を支える第三の戦力とみ
なされる。この分野の労働力は280万人を数え売
上げは年間23億ユーロに上る。
効率化・全体最適化へ向けて
 ドイツの人口[8,094万人/2014年現在(外務
省HPによる)の75%は都市及び周辺に集中し
ている。2005年から現在に至る間、交通渋滞は
3倍の延長110万㎞に増加した。ドイツの運輸省
の推計に拠れば、2030年に向けて道路交通需要
はなお40%増加する。鉄道輸送でも40%の増加
が見込まれている。こうしたことから、ロジスティ
MANJ.Drees
ドイツが国を挙げて取り組む「インダスリー4.0」に呼応し、トラック(CV)が関与する分野「ロジスティクス4.0」を推進中・・。

TheTRUCK2016年8月号34
クス4.0の推進は必須の政策である。
 現在、運輸業界が保有する輸送手段(保有全車両
の能力)の35%は有効活用されていないと目され
ている。何と不経済なことか。こうした不合理の
解消に取り組むことからロジスティクス4.0の推
進は始め無ければならない。中央機関が何かする、
というのではなく企業間・利害関係者間で率直に
意見交換を行い、出来ることから協働によって改
善策を積み重ねてゆくことが求められているので
はないだろうか。
 その為の施策のうち、車両メーカーにできるこ
とは何でもやってゆく覚悟である。但し、企業間
の協調はここでも求められる。全体最適の為に。
標準化と規格化
 より安全な運行を保証する為の各種センサーや
情報処理方式について標準化が必要である。車両
間のデータ交換についても然り。交通量制御の為
のデータ交換・処理方式も、またロジスティクス
の各機能間のデータ処理システムについても標準
化は欠かせない。
 ドイツ・ロジスティクス協会(GermanLogisti
csAssociation:BVL)の推計によれば、物流業務
から発生するデータ量は10年後には現時点基準
で1,000倍になるという。こうした莫大な情報流
通にはより進歩した規格の標準化は欠かせないだ
ろう。こうした作業は全ヨーロッパをカバーする
ものでなければならないから、一朝一夕にすすめ
られものではない。その為に、着実に作業を進め
無ければならない。
 トラック・バスメーカーとしての役割は、単に
良い車を作り提供するという段階は過去のもの
で、如何に使い勝手が良くより効率的な運用を支
援する機能が提供できるか、という複雑であるが
やりがいのある段階に差し掛かっている。(ヨアキ
ム・ドレース)
世界の商用車展研究
《ボルボVOLVOの場合》
社会環境は大きく変化
 私達の問題意識を先ず明らかにします。
 大きく捉えて〈地球環境問題〉(これ以上の悪化を
食い止めなければならないという視点)〈都市環境
問題〉(人工集中の傾向がなお続くという視点)
〈コネクテッドな社会実現〉(ITの進歩で全てのモノ
やコトがインターネットでつなげられるという視
点)〈道路輸送の自動化〉(トラックにもオートメー
ションが導入されて新
たな展開が始まるとい
う視点)、そして〈輸送
システムの再構築〉(現
在の輸送システムには
ムダが多くカイゼンの
余地が大きいと言う視
点)がある。
パラダイムシフトは先ず3分野で
 上記で触れた大きな視点に対応する具体的な製
品として、次の3つを推進する。
 先ず、コネクティヴィティについて説明する。
 トラックやバスの可動部分各所に取りつけられ
たセンサーを通じて車の機械的状態や運行情報を
ディジタルデータ化し、インターネットを通じて
管理拠点と共有し、適切な時期に適切な整備を施
してダウンタイム(休車時間)を極小化しアップタ
イム(稼働時間)を極大化して利益の向上に貢献す
る。併せて、運行情報を荷主などと共有して輸送
効率の向上にも貢献する。
二番目に運転の自動化がある
 安全性を高める為の運転支援システムが高度す
ると、運行そのものを自動化する可能性が生まれ
る。本年4月にオランダのロッテルダム港をゴー
ルとして、全欧州のトラックメーカーが参加した
〝大型トラック隊列走行〟試験運行に見られる、従
来とは異なるトラックの運用の可能性が拡がる。
 現在、欧州では自動車専用道路走行時のトラッ
クの最高速度は概ね時速80kmに制限されている
が、この速度では車間距離を最低でも80mとる
ことが規定されている。仮に3台の大型トラック
が前後して走行していれば、その延長は約210m
(セミトレ連結全長16.5m×3+車間距離80m
H.Karisson

TheTRUCK2016年8月号35
×2)もし、車間距離を15mま
で接近して走行させれば延長
は約110m(セミトレ連結全長
16.5m×3+車間距離15m×2)
まで短縮される。
 こうした車間距離の短い接近
走行は人間の能力では安全上不
可能だが、自動化されたトラッ
クでは実現可能であることが今
回の試験で実証された。このこ
とから、将来、実用化されれば、
同じ道路により多くのトラック
を走らせることが出来る可能性
が生ずる。同じ道路インフラで
より多くの輸送が可能となるな
ら、これは将来の厳しい財政状
態の見通しからも検討の価値が
ある。
 また、運行燃費も10〜15%
低減出来るとの実験結果もあ
る。運転のストレスから解放さ
れる運転者は運行計画の履行状
態などを運行管理者に対して報
告するなど、従来よりも付加価
値の高い勤務をこなすことも出
来るようになる。
 三番目は都市内運行車の電動化だ。バスのEV化
から着手し、実用試験を重ねている。給電方式や運
行管理システムの標準化も必要だが、実用化を通じ
て環境負荷の低減に
貢献したい。(カイカン・カールソン)
《シュミット・カーゴブル
SchumitzCargoBullの場合》
トレーラは世界を駆ける
 私達の主製品はトレーラだが、トレーラを牽引
した大型トラックは欧州を起点に見た場合、EU域
内の国境を跨いだ運行に留まらず、近・中欧から
更に東に向けた運行も盛んに行われるようになっ
てきた。ではトレーラメーカーの現状はというと、
その基盤はまだまだ脆弱である。
 現在、欧州にはカーテンサイダー・トレーラのメー
カーが70社以上存在する。箱形トレーラについて
も65社、ダンプト・レーラでは80社、平ボトレー
ラは50社、コンテナシャシメーカーは55社、特
化したタンク型トレーラでは実に75社、車載ト
レーラでは30社、その他の架装メーカーは少なく
とも1,000社が営業している(出典:トレーラ専門
誌〝KFZ-Anzeiger〟)。大
小合わせて総計1,425社
を数える。
 当社も創業した1,892
年当時は零細かつ地方の
工場だった。経営形態は
私企業を維持している
が、今日、間違い無く業
界全欧一の企業に育っ
SchmitzCargobull
A.Schmitz
輸送分野パラダイムシフトの一例が隊列走行だ・・。
自動化運転システムに、より短い車間距離でも安全な隊列走行が実現する。

TheTRUCK2016年8月号36
《スカニアSCANIAの場合》
キーワードは〝コネクティヴィティ
 当社の製品については伝統的にお客様から高い
信頼を頂いているが、本日はこれからのトラック
に欠かせないコネクティヴィティを切り口として
考え方を述べたい。
 トラック自体が正常に
運行出来る為には適切な
整備が必要だが、当社は
既に各所に設置したセン
サーを活用して車のコン
ディションをリアルタイ
ムにディジタル情報とし
てドライバーと車両管理
ていると自負している(従業員数は
5,000人超、トレーラ生産台数年間
50,000台など)
 2000年に全欧域でサービス拠点を
確立し、2014年から2015年にか
けて中国でも東風と合弁企業で生産を
開始した。
技術開発、全方位で間断なく
 コネクティヴィティが運輸業界全体
の共通キーワードになっているが、ト
レーラにテレマティクスを搭載したの
は当社が最初で2004年のことであっ
た。アクスルやフレームなどの目立た
ない部分についても革新的な技術の導
入を行っている。トレーラに関しては
あらゆる積荷・用途に対応しているこ
とも当社の強みだ。
 そして、ユウラシア大陸の東から西
まで、サービス網を確立に見通しを付
けたは世界で当社が初めてである。製
品の性能・品質では勿論、アフターセー
ルス分野での信頼も世界規模で確立し
てゆく。(アンドレアス・シュミッツ)
者間で共有出来るシステムを提供している。自社又
は販社系サービス工場と共有するシステムになって
いれば、専門家が適切な整備タイミングをドライ
バーに指示する。これにより、ダウンタイムの発生
を極小化し稼働率を極大化することが出来る。
 GPS位置情報と時間の関係から、当日の運行計
画が計画通りに遂行可能かどうかはリアルタイム
に運行管理車が把握できるから、配送先顧客への
きめ細かい情報提供が可能である。これは、到着
地での荷役にムダな待ち時間が発生することを予
防することに貢献する。配送先が複数である場合
はこのリアルタイム情報が一層役立つ。
 日ごとのデータ蓄積を更に有効活用すると、交
通渋滞の発生頻度や発生場所の傾向が浮かび上が
るから、運行計画の修正なども可能になる。
世界の商用車展研究
ScaniaH.Henriksson
中国の現地企業(東風)と合弁で設立した新企業で、当社はユーラシア大陸を全てカバーする
サービス網の足がかりが出来た。これは業界初のこと。
外観はあまり変わらないトレーラも、当社製品は絶えず革新技術で進化し続けている。

TheTRUCK2016年8月号37
将来の自動運転に向けて
 安全の見地からドライバーを支援するシステム
も年々充実させている。その延長で、ドライバー
の知覚と認識力以上のセンサー群と運転操作系(ス
テアリング、アクセル及びブレーキペダルなど)
の操作をドライバーになり代わって行うアクチュ
エータの装備で、運転の自動化を進めることも可
能となる。
 SCANIAではこの方面の研究開発も進めてお
り、社内試験を経て本年4月にはスウエーデンか
らオランダのロッテルダム港までの隊列走行実験
に成功している。既に他のプレゼンターも触れた
ように、隊列走行の狙いは大別して三つある。
 一つ目は、事故発生の抑制である。ドライバーの
死角と不注意をセンサー群が補って従来は〝不測〟と
されていた事故原因を〝予測可能〟とし、車側で自律
的に危険を回避し事故発生を未然に防止する。こう
した情報は蓄積もされ、リアルタイムに運行管理者
に伝達されるから何が不適切で危険な状態が派生し
たか、などの解析と是正措置を講ずることができる。
 二つ目は、車側が一定の速度
を維持して走行することが出来
るので燃費向上の効果が期待出
来る。
 三つ目は、高速道路などで短
い車間距離で安全に走行するこ
とが可能となることが指摘でき
る。人間は危険を知覚してから
実際に行動を起こすまでに反応
時間を要する。ブレーキを掛け
なければならない状況が発生し
たとして、反応時間の間の空
走距離を考慮すると、時速
80㎞の走行速度では80mの
車間距離をとることを規則と
しているのが欧州の場合だ
が、機械的なセンシングとア
クチュエータの作動には殆ど
時間を要しないから、車間距
離を縮めても安全に走行する
ことが可能となる。これを応
用すると、一定距離の道路に
より多くの車を走らせること
が出来る、ということになり道路の利用効率が高
まる可能性がある。この間、ドライバーは配送先
や運行管理車とのコミュニケーションを行うこと
も可能となる。
 こうした高度なITの活
用はこれからの車の可能性
を一層高め確かなものにし
て行く筈である。(ヘンリッ
ク・ヘンリックソン)
◇  ◇  ◇ 
〈筆者所感〉トラック及びバ
ス、そしてトレーラメー
カーから10名の発表が
あったが、いずれにも共通するのがコネクティヴィ
ティへの取り組みであった。その運用を通じてユー
ザーがどの様な利点を享受できるか、社会への貢献
ができるかについて表現は夫々に特徴があったが、
同じ事を言っていたのが強く印象に残った。我が国
の場合も殆ど同じ土俵に立って競い合っているな、
というのが率直な感想である。
司会を務めた JuliaJosten
(提供:S-ELindstrand)
全体最適化を目指すロジスティクスのカイゼン方向。
近未来車はコネクティヴィティの活用の
一つとして安全かつ効率的隊列走行も
実用化される。

トラック補給部品流通研究
3D方式の製品の品質は先行生産試験で実証済み
TheTRUCK2016年8月号38
2016年7月13日
独シュッツガルト発−
 メルセデス・ベンツのトラック部門では、発売後相
当年月を経て初めて注文が発生するような純正部品
の補給について、過去長い期間にわたってその対応
が課題であった。(いつ発生するか分からない需要に対
してその品揃えと適正な納期で対応することには大き
な経済的負担があった。こうした悩みに当社は最新の
3Dプリンティング技術を駆使して今後解決を図るこ
ととする。この9月から稼働させる新しいシステムで
は、発足時に対象となる30品目については、受注
した窓口でボタンを押すだけで、当該部品が3Dプリ
ンターで直ちに製造され必要とされる場所に配送され
る。勿論、数量は1個から対応し、品質は純正品と
並ぶ水準で供給される。
・販売後の部品補給体制に新風、3Dプリンティング採用、世界初の試み
・メルセデス・ベンツ、トラック部門で3D部品流通を先導
・9月から稼働開始、品質は純正部品並み。先ず30品目、対称部品逐次拡充
・少量流通品も短納期で対応
・在庫負担を省略、環境に優しい物流を実現
西襄二

TheTRUCK2016年8月号39
世界初の実用化
 近年の3Dプリンティング・テクノロジーを活用す
ることで、芸術的ともいえる精度と品質の部品が1
個から迅速に作られ発注者の手元に短時間で届くこ
とになる。メルセデス・ベンツのトラック部門は世界
のトラックメーカーに先駆けてこのシステムを稼働さ
せる。
〝私達が標榜している「お客様が信頼できるトラッ
ク」の提供は、部品の交換が必要となった場面で今
後稼働する3D生産方式でもそのまま補給部品に対
する信頼性を保証するもので、従来方式で製造して
きた部品と較べて遜色のない信頼性と品質を提供致
します〟と力を込めるのはアンドレアス・ドイッチュル
メルセデス・ベンツトラック部門販売業務部門長だ。
3D方式の製品の品質は
先行生産試験で実証済み
 ダイムラー社では既に10万点に上る部品が3D方
式で試験製造されており、関係部門でその成果が共
有されている。
〝私達が通常業務に先行して行ってきた試験操業に
より、多くの利点があることが分かってきた〟とアンド
レアス・ドイッチュルが述べている。新しい3D部品
は高品質の樹脂部品が先ず対象となる。即ち、車体
のカバーやスペーサー、スプリングキャップ、圧力空
気管やハーネス用のダクト、クランプや各種マウンティ
ングなどは主要な部品の一部であり、今後、3D方
式に移行する部品は更に追加されてゆくだろう。
 3Dプリント版補給部品は選択レーザー冶金方式
(SelectiveLaserSintering:SLS)と呼ばれる芸
術的とも言える3D印刷方式で製造される。メルセデ
ス・ベンツの品質標準に照らして、この方式で製造さ
れる場合の諸元はダイムラーの研究開発部門で最適
化され決定される。ユーザーが注文して来た部品が
3D部品であった場合、メルセデス・ベンツトラック
部門の特別に準備された部品カタログを参照して行う
事が出来る。仮に数十年経った時点で注文しても整
備されたサプライチェーンが機能して、配送手段は多
様に発達しているから世界中の販売拠点で受け付け
受け取ることができる。
不安のない迅速かつ経済的な
部品供給の有利点
 環境に優しく資源の無駄がない3Dプリンティング
方式は、アフターセールスの世界では先駆的取り組
みとなる。既に製造中止となった車型の補給部品を円
滑に行うということも大きな課題である。これはとりも
なおさず現行モデルでも年間の需要が極めて少ない
部品についても責任をもって供給することに通ずる課
題である。もし、在来方式で少量部品を作って短納
期で供給しようとすれば、どうしても機械や型のメン
テナンスに相当のコストをかけることになり不経済なこ
とになるだろう。在庫の負担も無視出来ない。しかし、
3D方式に移行すればこうした悩みは過去のものとな
り、世界の何処ででも短納期で対応可能となる。
 3Dプリンティング自体は当該データの受信からごく
短時間で行えるから、発注者への納入も短時間で行
える。現行品は勿論、製造中止となったモデル部品
であろうと、3Dプリンターを動かすデータが入力で
き次第、すぐに製造して引き渡しが出来るということ
は、在庫の負担(費用とスペース)がなくなることを意
味する。当然、これは在庫管理の負担をカットし、こ
れまでデッドストック化して棚卸し時点で廃棄処分して
いた無駄は一切省けることになる。
最初の3Dプリンターは何処に
 2016年9月の3Dプリンティングの実用化開始は
シンデルフィンゲン工場内に設置された1台の3Dプ
リンティングマシンでスタートする。
 メルセデス・ベンツのトラックは先進西欧地域では数
年サイクルで最新型に代替されることが多い。そこで
発生する中古車は周辺の東欧や中東地域に本拠をおく
運送事業者などが大切に使い込んでゆくことが多い。
 年季の入ったトラックが例えばハンガリーを拠点に
稼働しており、樹脂部品の交換の必要が生じて現地
のサービス工場に注文が入ったとする。これは直ちに
ドイツの3Dプリンティングシステムのセンターとなる
シンデルフィンゲン工場内の受け付け部署に注文が転
送され、必要部品が3Dマシンで製造され、注文主
の希望により搬送手段が(陸路、空路など)選択され
て発注者の手元に届けられることになる。

トヨタ博物館が開催する企画展「はたら自動車」の案内ポスター
TheTRUCK2016年8月号40
たらく自動車”の役割や機能、それぞれのクルマ
で“はたらく人”の仕事を子どもたちが楽しみなが
ら学べるものとなっている。今回10回目となる
企画展は、会場を昨年までの本館2階から企画展
示ゾーンを新館2階に移し、展示車を見やすく配
置するとともに、従来は一部しか乗り込めなかっ
たものを、今回は6台すべてが乗り込み可能となっ
 トヨタ自動車㈱の文化施設、トヨタ博物館(愛知
県長久手市)では、2016年7月16日㈯から11
月27日㈰まで、子どもたちに人気の高い緊急車両
や産業車両を紹介する企画展「はたらく自動車」を開
催している。
 この企画展は、展示車両6台とオリジナルワー
クブック「調査隊ノート」(和英併記)を使って、“は
業界トピックス
トヨタ博物館が
企画展「はたらく自動車」を開催
新設した
新館2階企画展示ゾーンを利用

消防車(トヨタ・ランドクルーザー)救急車(トヨタ救急車・ハイメディク)
JAF災害対策指揮車(トヨタ・メガクルーザー)
ハイウェイパトロールカートヨタ・ハイラックス)フォークリフト(トヨタL&F・GENEO-B)
TheTRUCK2016年8月号41
ている。また「調査隊ノート」は、企画展示だけで
はなく、常設展示に関するクイズ形式のスタンプ
ラリーも追加し、1冊で両方の展示を学べるよう
になっている。
 また、本企画展に連動するその他のイベントとし
て、各分野の専門スタッフによる屋外での「車両実
演イベント」を計5回開催するほか、新館3階ライ
ブラリーに、クルマを中心とする乗り物の絵本を集
めた部屋「のりもの・えほん・としょしつ」を新設す
るなど、様々なイベントが行われる。さらに、トヨ
タ博物館の学芸スタッフによる常設展示の定時ガイ
ドツアーも実施されている。
 なお、7月16日㈯から8月31日㈬は小学生の
入館が無料となる。

【車両実演】キャリアカー車両積込みの実演風景(昨年)
【車両実演】救助工作車の実演風景(昨年)【車両実演】油圧ショベルの実演風景(昨年)
【車両実演】ハイウェイパトロールカーの誘導風景(昨年)
TheTRUCK2016年8月号42
■企画展連動イベント
①車両実演イベント(全5回)
◇時間:11:00〜11:30
◇場所:P2駐車場(無料ゾーン)
◇内容:[1]7月16日㈯…交通安全教室&パト
カー・白バイの走行披露
[2]9月24日㈯…ハイウェイパトロールカーの実演
[3]10月1日㈯…キャリアカー車両積込みの実演
[4]10月8日㈯…消防車・救助工作車の実演
[5]10月15日㈯…油圧ショベルカー&かにクレー
ンの実演(各イベントは天候等の理由により中止
または内容変更する場合がある)
②工作イベント
◇時間:9:30〜16:00(受付時間)
◇場所:新館1階(無料ゾーン・参加費有料)
 今回の企画展と各種イベントの概要は次の通りと
なる。
■企画展「はたらく自動車」
◇期間:2016年7月16日㈯〜11月27日㈰
◇場所:トヨタ博物館 新館2階企画展示ゾーン
◇内容:パトカー(トヨタ・クラウン・パトロール
カー)、消防車(トヨタ・ランドクルーザー)、救
急車(トヨタ・救急車・ハイメディック)、JAF
災害対策指揮車(トヨタ・メガクルーザー)
ハイウェイパトロールカー(トヨタ・ハイラッ
クス)、フォークリフト(豊田自動織機トヨタ
L&F・GENEO-B)、の6台を展示(展示車両は
予告なく変更される場合がある)
業界トピックス

水陸両用ブルドーザーの迫力ある姿を写真と映像で紹介
TheTRUCK2016年8月号43
◇内容:東日本大震災の災害復興のために東北の沿
岸部で活躍した水陸両用ブルドーザーの迫力あ
る姿を、写真と映像で紹介。
■その他イベント等
◇学芸スタッフガイドツアー
◇ワークショップ「かんたん★クルマの絵本製作」
■トヨタ博物館について
◇所在地:愛知県長久手市横道41-100
(TEL:0561-63-5151/FAX:0561-63-5159)
◇ホームページ:http://www.toyota.co.jp/
Museum/
◇入館料:大人1,000円、シルバー(65歳以上)
500円、中高生600円、小学生400円(7/
16〜8/31まで小学生は無料)、団体割引あ
り(新館1階、3階ライブラリーは無料ゾーン)
◇期間:7月16日㈯〜8月21㈰の土・日・祝と、
8月12日㈮、15日㈪、16日㈫
◇内容:[プラスティッククラフト]トヨタ2000GT・
100個/日・参加費300円、[ねんどDEプルバッ
クカー]・100個/日・参加費500円
③ライブラリーイベント「しらべて解こう!ワード
パズル」
◇期間:7月16日㈯〜11月27日㈰
◇場所:新館3階ライブラリー(無料ゾーン)
◇内容:ライブラリーの本を使用し、クルマに関す
るクイズに答えてワードパズルを完成させる。
内容は調査隊ノートと一部連動。
④写真展「水陸両用ブルドーザー」
◇期間:7月16日㈯〜11月27日㈰
◇場所:本館1階エントランス(無料ゾーン)

TheTRUCK2016年8月号44
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑥
̶
 本誌5月〜7月号では各ショーでの色々なジャンルの車を描いたが、今月号は本来の
コンセプトトラックを過去にさかのぼって描いてみた。コンセプトトラックは輸送社会へ
の企業の技術提案、PRが主だが時代とともにその内容も変化してきた。
歴代のコンセプトトラックは空気抵抗低減(エアフローの改善)による燃費の低減が大テーマであり車体形状
を中心に様々なアプローチで進化してきた。
・時系列的には
:乗用車やスポーツカーに端を発した流線形「Streamline」の採用。
  ⬇
:流線形をベースにトラック機能を満たし車体を主に燃費低減策の進化。
  ⬇
:経済性、安全性、効率化、快適性
  及び自動自律化車両を意味付ける総合車両形態へ発展‥‥。

TheTRUCK2016年8月号45
石野 潔
FRUEHAUFFEV2000
(FuelEfficientVan)
1981年〜1984年にわたり試作車開発、トラクタヘッドは「INTERNATIONALEagle9670」
FEV20001988年、第3回トラックショーに出展。
・空気抵抗57%向上アルミ材使用による軽量化、荷台容積40%拡大。
NAVISTARSuperTruck
(2012年MidAmericaTruckShow)
USエネルギー省、省エネ&Co
削減、車両の
       効率向上プロジェクト参加車。
       ・空力30%向上、
       ・エンジン効率25%向上
       ・軽量化10% 等々でSuper
        Truck目標達成を目指す!

TheTRUCK2016年8月号46
M.A.NKroneAeroLiner「ConceptS」
2010年〜2012年のIAAハノーバーショーに展示されたMAN+Krone
(トレーラーメーカ)の協業試作車。2010年のショーではMANのプロト
タイプトラクタのみを展示、2012年トレーラー車両として展示。
お堅いMANとしては革新的な未来感を訴求。
・空気抵抗削減 Cd値0.3以下、
・Co
 24%
ドルフィンドロップルーフやリアフィン形状で良好な
エアフロー効果を出している。
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その⑥
̶

TheTRUCK2016年8月号47
工業デザイナーの鬼才 ルイジコラーニ「FutureTruck」
本誌の挿絵などでおなじみの1981年に登場した未来的なトラック。カーゴボデー
やタンクローリーなどトレーラセットとして様々なショーに出展している。ドーム型
キャビンは共通だがキャブボデーはトレーラタイプに合わせ数タイプ有り、ベースは
M/BenzはじめVOLVO、DAF。空力特性はタンクローリタイプで30%向上
している。
   エアフロー形状は自然界や動物からヒントを得て空力向上の他冷却特性に
      も寄与させている。
絵はTNTExpressで稼働しているカーゴ型トラクター。

「ライブ&イベント産業展」に出展された移動式セキュリティ
BOX「i-safety」
大容量収納を実現し、大開口扉で出し入れもスムーズに
TheTRUCK2016年8月号50
 ライブ、イベント産業に関わるサービス・製品
が一堂に集まる「第3回ライブ&イベント産業展」
が2016年7月6日〜8日の3日間、千葉・
幕張メッセで開催された。
 その展示会に、現場の貴重品を守る移動式セ
キュリティBOX「i-safety」が出展されていた。
出展したのは山形のボデーメーカー、㈱いその
ボデーで、創業以来50年培ってきたトラックボ
デー製作ノウハウをベースに、オートスライド方
いそのボデーがボデー製作技術を活かした
移動式セキュリティ
BOX「i-safety」を開発
「ライブ&イベント産業展」に出展
新技術トピックス

「ライブ&イベント産業展」はトラック系出展物も多い
移動式なのでト
ラックを利用して
指定の場所に運
搬設置できる
TheTRUCK2016年8月号51
式の自動ドアを組み込み、外壁のセキュリティ性
を大幅に向上させた移動式の現場用セキュリティ
BOXを開発。今回、その需要が望める「ライブ
&イベント産業展」に出展したもの。
 移動式セキュリティBOX「i-safety」は、同社
が新開発した3層セキュリティパネル「ゴルゴス
リー」「熱反射ガルバニウム外装板」と内壁を
守る「防護ネット」でサンドイッチした5層構造の
パネルを採用したことで、外部からの侵入を完
全シャットアウトするというもの。主な特長として
は、①特殊パネル5層構造の安心設計、②必
要な時だけ簡単利用、③24時間監視セキュリ
ティ機能、④5種類の多彩なセキュリティ機能(ゴ
ルゴスリー、暗証番号、オートロックドア、監視
カメラ、アンカー)、⑤大容量収納・大開口扉で
大量収納と出し入れがスムーズ、となっている。
 夜の道路工事現場で盗難防止対策のため、
資材や工事機材にシートがかけられ、チェーンで
グルグル巻きにしてある。何でも盗られる時代的
背景を考慮し考えられたのが移動式セキュリティ
BOX「i-safety」である。その開発の切っ掛けと
なったのはいそのボデーのニーズミーティング。
ある日、「自社のボデー技術を使って、工事現場
で使える大型の金庫はつくれないか?」という発
想が出た。セキュリティ機能を持たせた自動ドア
「i-SKIP」という商品は開発済みであり、それと
ボデー技術を組み合わせれば、現場用セキュリ
ティボックスができる。しかし、問題は「破られな
い壁」で、グラインダーやチェーンソーなどで簡
単に破られては、現場金庫の役割を果たさない。
そこで開発されたのが5層構造の破られないパネ
ル構造だった。世の中の変化を捉え、自社のコ
ア技術とつなげることで新たなビジネスを生む良
い例である。
 リード・ジャパンが主催する「ライブ&イベント
産業展」は、ライブやイベントを開催したい人や
企業が来場する展示会で、関連の「人」「モノ」
「サービス」が集まっている。屋外でのイベント
を開催する来場者も多く、完璧なセキュリティ
と破られない構造の「i-safety」には来場者が集
まっていた。

TheTRUCK2016年8月号52
挨拶する㈱デンソーセールスの藤井俊彰社長
デンソーの車載用冷凍装置
 ㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有
馬浩二)および㈱デンソーセールス(本社:東京
都渋谷区、社長:藤井俊彰)は、2016年7月
12日、東京ドームホテルに於いて、東京・関
東地区のトラック・バスなどの運行事業者約
200名を対象に、「安全な自動車輸送への労務
管理と成長戦略」をテーマにしたセミナーと製
品展示会を開催した。
 セミナーでは、最初に㈱デンソーの稲葉一郎
(アフターマーケット事業部用品室室長)
「デンソーの安全と環境
への取組み」と題して、
映像を交えながらデン
ソーが取り組んでいる
「環境分野、安心・安全
分野、新事業分野」にお
ける最新の商品、技術
などを紹介した。同社
の安全および環境関連
の商品開発は目覚まし
いものがあり、今回は
デジタルタコグラフの
新製品や話題のETC2.0
セミナー&展示会
「安全な自動車輸送への
労務管理と成長戦略」を
開催
デンソー&
デンソーセールス

TheTRUCK2016年8月号53
ETC2.0車載器ドライブレコーダーDN−PROⅢ
OBVIOUSレコーダー
を中心にデンソーセールスが取扱う幅広い製品
ライナップの中から注目商品を展示した。
 次に登壇したのは、有限会社ホクレアの佐々
木ひとみ社長(行政書士)で、「現在の労務管理ポ
イント」をテーマに、最近の運送事情とさまざ
まな法改正のもとで企業が行わなければならな
い労務管理を解説した。
 最後に後援したのは一般社団法人国際物流総
合研究所の岩崎仁志代表主席研究員で、「バスト
ラック業界における成長戦略」と題し、事業者
が最も大切にしなければならない課題を分かり
やすく解説した。

TheTRUCK2016年8月号54
日本スリープマネジメント協会の初理事会。正面が発起人のビオスピクシス㈱仙波修社長
 かねてより設立準備してきた一般社団法人日
本スリープマネジメント協会(略称:SLMA)
6月27日、初理事会を開催、本格的に活動を
開始した。睡眠の管理、及び睡眠品質の向上に
よる健康増進の普及を目的とする団体である。
具体的には以下のような役割を担う。
•健康生活における睡眠、及び睡眠管理の重要
性の啓蒙
•健康と睡眠に関する調査・分析・研究、及び
情報収集・報告・提案・情報提供
•業界の壁・枠を超えた、組織横断的な睡眠改
善活動
•ストレスチェック以降の職場におけるメンタ
ルヘルス対策支援と快眠企業の育成 
•運輸業界における睡眠・健康起因事故の削減
と健康運転の推進
一般社団法人
日本スリープマネジメト協会
(略称:SLMA)が発足
トラック・バスの
居眠り事故撲滅に期待

TheTRUCK2016年8月号55
•子供の健全な睡眠の支援と、眠育活動
•高齢者のための睡眠改善支援と、健康寿命の
延伸
•アスリートの睡眠改善によるパフォーマンス
向上支援
•睡眠市場の活性化と、健康立国への貢献
•専門家の教育・養成、及び研修の実施、並び
に養成所等の施設・機関の運営
 SLMAテキストは、「各企業・業界が我田引
水的に活動する中での歪みを補正し、異業種・
同業各社が相互に連携することで、生活者一人
ひとりにカスタマイズされた、効果的な睡眠改
善ソリューションを提供するとともに、睡眠
関連事業を営む企業や組織が、Win-Winのビ
ジネス環境を構築することを目指す。」としてい
る。当面の具体的活動としては、以下をあげて
いる。
•国土交通省や運輸業界への「睡眠起因事故リ
スク軽減活動」支援
•文部科学省やスポーツ団体への「睡眠改善に
よるパフォーマンス向上」支援
•文部科学省や教育機関、団体への「睡眠改善
による学習能力向上」支援
•厚生労働省や自治体、企業人事・労組・健保
組合への、メンタルヘルス対策としての「睡
眠改善活動」の普及推進
 また、今年9月3日の“睡眠の日”には、
文化放送の番組の中で、パーソナリティによる
体験トークなどを予定している。
 今回、SLMAテキスト発足の中心的役割を
果たしたビオスピクシス㈱の仙波修社長は、企
業単独ではできない睡眠改善の大きな波を作り
たい、として次のように述べている。
「現在日本における睡眠改善ビジネスの主体
は、①快眠マットやカスタマイズ枕などの寝
具メーカー、②睡眠計や睡眠改善機器を製造・
販売している、医療・健康機器メーカー、③
睡眠薬、睡眠改善サプリ、健康食品等を製造・
販売する医薬品・食品・飲料メーカー、④睡
眠を含めた健康管理アプリを開発・提供する
通信キャリアやASP(アプリケーションサー
ビスプロバイダー)が中心です。しかし、睡眠
阻害要因は千差万別。個人の睡眠改善のために
は、一人ひとりの生活習慣や睡眠環境を考慮し
た上で、①〜④その他を複合的に組み合わせた
ソリューションが必要なのです。」
 なぜ、交通事故が起きるのか。多くの場合
「わき見運転」がその原因のひとつにあげられる
が、果たしてホントなのであろうか。事故を起
こした当人が居眠りしていたとしても、事故の
瞬間は記憶にない筈で、原因を問い詰められれ
ば「もしかして、わき見運転していたかも…」と
応えるかも知れない。
 筆者も長時間にわたって車を運転する機会は
少なくない。最近は“眠気”を感じたら即仮眠
をとるようにしているので殆どなくなったが、
これまでに居眠り運転でヒヤリとした経験は何
度もある。
 トラックの事故は会社の命取りになりかねな
いので、運送業界の大きなテーマになっている
のが“安全”である。その安全の基本となるの
がドライバーの健康管理であるが、不規則にな
り勝ちなドライバーの健康管理は容易ではな
い。とくに“睡眠”は生活習慣に個人差がある
ので管理は難しい。
 筆者もトラックの安全の観点から、日本ス
リープマネジメント協会の趣旨に賛同し、理事
に就任している。(秋林路)
一般社団法人日本スリープマネジメント協会
〒104ー0061東京都中央区銀座四丁目14番6号
ギンザエイトビル8F
TEL.03
3946
1582FAX.03
3547
3521
info@sleepmanagement.jp
http://sleepmanagement.jp/

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年8月号74
燃焼効率を最大限に高め
た高性能エンジン「4P10」
NT450アトラスDX(2WD、シングルキャブ、標準キャブ、標準ボディ、フルスーパーロー、
最大積載量2,000kg)
ブラックとシルバーを基調とした内装
 日産自動車㈱は、「NT450アトラス」の一部仕様を向上さ
せ、2016年7月6日に全国一斉に発売した。
 「NT450アトラス」は、三菱ふそうトラック・バスからの
OEM供給車で、燃焼効率を最大限に高めた高性能エンジン
「4P10」と排出ガスの後処理技術である「再生制御式DPF
+尿素SCR」による高い環境性能、デュアルクラッチトラン
スミッション「DUONICR2.0」(デュオニック2.0)による変速
ショクの少ないスムーズな走りと優れた燃費性能で好評を得
ている。
 今回の仕様向上では、これまで一部のみ標準装備となって
いたアイドリングストップシステムを全車標準とし、最大積載量
2tのディーゼル車ではクラストップレベルの燃費11.60㎞/
L(重量車モード)を実現させている。また、「DUONICR2.0」
搭載車には新たにヒルスタートアシスト機能を追
加した。
 インテリアはブラックとシルバーを基調とした内
装に変更し、落ち着いた室内空間を演出してい
る。さらに、運転席シートのサイドサポート追加や
座面クッション拡大などにより、疲れにくく快適な
運転環境を実現させている。また、運転席用オーバーヘッドト
レイや中央席センタートレイ、マガジンラックなどの収納スペー
スを標準化(ダンプ、ダンプシャシー、高所シャシー、塵芥シャ
シー、ハイブリド塵芥シャシーなど一部を除く)し、使い勝手
の向上を実現させた。
 「NT450アトラス」は、ハイブリド車が「平成27年度重
量車燃費基準+15%」ディーゼル車が「平成27年度重
量車燃費基準+10%」を達成させている。さらに、排出ガス
浄化性能でも、国土交通省の「平成22年基準排出ガス規
制10%低減レベル」認定を取得。これにより、「環境対応車
普及促進税制(エコカー減税)による減税措置に基づき、ハ
イブリド車では自動車取得税及び自動車重量税が免税、
ディーゼル車では減税となる。
仕様向上…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
アイドリングストップシステムを全車標準とするなど
「NT450アトラス」を一部仕様向上

TheTRUCK2016年8月号75
尿素SCR疲れにくく快適な運転環境を実現再生制御式DPF
カタールでの「クエスター」発売記念式典
サウジアラビア(左)とオマーン(右)での発売記念式典
中東地域に新規投入された「クエスター」ニーズな応じる様々な仕様の車両をとりそろえている「クエスター」は3つの強みを生かして開発された車両だ
こうした3つの強みを生かして、オフロード仕様や長距離輸送
など、各市場のニーズに合致する多様な車種、そしてオプショ
ンを取り揃えてきている。
 中東向け「クエスター」も同じく、エンジンは8リッターと11リ
ター、トランスミッションは9段と12段、車型は6×4のトラクタ
 UDトラックスは、カタールで大型トラッ「クエスター」の販
売を開始した。中東地域における「クエスター」の投入は今回
初であり、カタールに続きサウジアラビアとオマーンでも販売を
開始した。今後、インフラ開発が大型トラック需要を後押し
ている中東地域の各市場において「クエスター」を順次、投入
していく計画である。
 インフラ開発やカタールで開催予定の2022FIFAワールド
カップに伴う建設ブームを追い風として、中東地域における
ラックの需要は着実に増加していくと期待されている。1970
年代初頭に中東地域への参入を果たしたUDトラックスは、建
設業界、公共サービス、食品・飲料業のユーザーに対して
物流面でのニーズに応えることで、地域経済の成長に貢献し
ている。
「クエスター」は、UDトラックスの得意とする日本企業なら
ではの品質管理と熟練技術、ボルボ・グループが保有する
世界最高レベルの技術の活用、そして「現場」での長年の経
験による地域に根ざしたユーザーニーズの把握、という3つの
強みを生かして商品開発された車両である。UDトラックスは
2013年以降、様々な市場に「クエスター」を投入しているが、
中東地域販売…UDトラックス
話題のニュートラック新製品情報・新情報
カタール、サウジアラビアオマーンでクエスターを発売
中東地域の各市場に順次投入の計画

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年8月号76
DICVオラガダム工場で5,000台の輸出達成したFUSOラインナップ車(写真はFJ)
と単車、4×2のトラクタと単車、および8×4の5車種を基盤
に豊富な組み合わせが用意されている。
 UDトラックスの小田原俊彦新興国向大型車担当ダイレク
ターは、「中東3カ国を筆頭に立ち上げるに際し、中東の過
酷なフィールドで稼動テストを繰り返してきました」と述べ、さ
「極熱地における耐久性を実証し、お客様のご意見を確認
し、現地パートナーとサポート体制を整えたことで、自信をもっ
 三菱ふそうトラック・バス㈱(MFTBC)とダイムラー・インディ
ア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)が協業を行うダイム
ラー・トラック・アジア(DTA)は、ふそうの新型ライナップ車
両を2013年に発表して以来、わずか3年でDICVオラガダ
ム工場から5,000台の輸出を達成させた。
 輸出台数は徐々に増加しており、アジア、中東、アフリ
カ、中南米の20ヵ国以上に投入し、さらに2016年内に
10ヵ国以上のマーケットに同車両を投入することになってい
る。2016年前半にはペルー及びクウェート市場に投入して
いる。
 このたびの5,000台輸出達成の軌跡はケニアから始まっ
ている。2013年9月にケニアで初めて新型ラインナップを発
表、現在まで合計23ヵ国に投入。2014年9月にはFUSO
の最大市場であるイドネシアで販売を開始。その後、左ハ
ドル車を初めてトリニダード・トバゴで販売したのを機に輸出
が活発化している。2015年12月、アラブ首長国連邦(UAE)
ドバイで盛大な発表イベントを実施、同車両に対する中東
地域の顧客から高い評価を受けた。2016年3月には同ライ
て提供できる商品に仕上げることができました」とコメントして
いる。
「クエスター」の強固な性能、多様な機能・オプション、耐
久性およびメンテナンスの容易さは、幅広い市場において高
い評価を得ている。様々な業界へより柔軟にニーズに対応す
ることが可能となったクエスターで、今後、他の中東地域で
の販売も行っていく計画である。
ンナップ初のKD生産をケニアで開始し、FUSOのグローバ
ル戦略の一環である重要国ケニアで更なる発展の可能性を
示している。投入国は拡大しており、2016年内には新たに
10ヵ国以上のマーケットに展開する予定となっている。
 DTAのマーク・リストセーヤ総責任者兼MFTBC社長
CEOは、「私たちは世界の主要な成長地域でダイムラートラッ
ク・アジアのFUSOブランドを体系的に展開しています。イ
ドの工場で生産した耐久性に優れたふそうの新型ラインナッ
プは、展開戦略において主要な役割を果たしています」と語っ
ている。
 また、DICV社のエリッチネスレハーフ、マネージングディ
レクター兼CEOは、「FUSOブランドのトラックを累計5,000
台生産し、また900万点の部品を世界中のダイムラー・トラッ
ク部門に輸出てきたことを誇りに思います。これは『メイク・イ
ン・インディア』の可能性を示したサクセスストーリーの1つと言
えます」と述べた。
 FUSOブランドの新型トラックは車両総重量9〜16トン
の中型トラッ「FA」「FI」および車両総重量または連結車両
総重量25〜49トンの大型トラック「FJ」「FO」
「FZ」の5車種で構成されている。厳しい走行
条件下で厳格な試験を実施し、各市場のニーズ
を満たすべく開発された車両だ。同車両の発表
以来、すでにその高い耐久性と燃費性能で多く
の評価を得ている。以前まで提供していなかった
モデルをラインアップに追加することで、ユーザー
の選択肢を拡大させ、販売と成長の機会を広げ
ている。
 マーク・リストセーヤCEOは、「達成を可能に
したのはMFTBCとDICVの両社の強みを融合
輸出達成…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ふそうの新型ラインナップ車両が販売国を拡大し
2013年の発表からわずか3年で輸出5,000台を達成

TheTRUCK2016年8月号77
トラック・バス用タイヤの生産開始を決定した住友ゴムのブラジル工場
FUSOラインナップ車は20ヵ国以上の市場に投入されている(写真はFA)
した組織、ダイムラー・トラック・アジアによるものです。幅
広い商品展開とDICVの最適かつコスト効率の高い生産と
調達力で、ふそブランドを国際的に成功に導きます」と話し
ている。
 ダイムラー・トラック・アジア(DTA)は、80年以上の歴史
を誇る三菱ふそトラック・バスと、インド市場で躍進的な成
長を続ける新会社ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビー
クルズ社が共同で事業を行う組織で、製品開発、生産、輸
出、調達、研究活動を共同で行い、ユーザーにとって価値
ある製品とサービスを提供する戦略的なビジネスモデルを推進
している。
 住友ゴム工業㈱は、ブラジル市場へのトラック・バス用タ
イヤの安定供給を目的として、ブラジル工場でのトラック・バ
ス用タイヤの生産開始を決定した。ブラジル工場に生産設
備を新設し、2019年3月より生産を開始する。生産能力は
日産500本で、総投資額は312百万レアル(約100億円)
となる。
 ブラジル工場は2013年10月より乗用車・ライトラック
用タイヤを生産しており、2015年末時点で日産15,000本
の生産能力を有している。現在、トラック・バス用タイヤに
ついては輸入販売を行っているが、ブラジルの同タイヤ市場
は今後年2%程度の成長が見込まれるため、現地生産によ
り安定供給を図るとともに、為替変動リスクの回避により、
乗用車・ライトラック用タイヤと合わせ
て、ブラジル市場におけるタイヤ販売
事業の一層の強化を図るとしている。
トラック・バス用タイヤ生産開始のた
めの総投資額は、2019年までの4年
間で312百万レアルを計画。また、
乗用車・ライトラック用タイヤについて
も、2017年以降に増産投資を行う計
画で、その総投資額は175百万レアル
(約56億円)を予定している。
■ブラジル工場の概要
 ・会社名:SumitomoRubber
doBrasilLtda
 ・所在地:パラナ州ファゼンダ・リオ・グランデ市
 ・代表者名:窪田静磨(社長)
 ・操業開始:2013年
 ・設立年月:2011年7月
 ・事業内容:乗用車・ライトトラック用タイヤの製造・
販売
 ・生産能力:15,000本/日(2015年12月末)
 ・従業員数:1,271名(2015年12月末)
〈トラック・バス用タイヤ工場概要〉
 ・生産開始:2019年3月(予定)
 ・建屋面積:約13,400平方メートル
 ・生産能力:500本/日
ブラジル工場…住友ゴム
話題のニュートラック新製品情報・新情報
安定供給を目的にブラジル工場の生産設備を増設
トラックバス用タイヤの生産を2019年より開始

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年8月号78
いすゞの次世代ピックアッ(参考写真)
ニューヨークで行われたIEEEMedalの授賞式
 いすゞ自動車㈱とマツダ㈱はこのたび、いすゞ製の次世代
ピックアップトラックをマツダにOEM供給することで基本合意
した。
 今回の合意は、10年以上にわたるいすゞからマツダへの
OEM供給による協力関係をベースに、両社がピッ
クアップトラックに関する協議を行った結果、双
方にメリットがあることを確認したことによるもの。
 これにより、いすゞはマツダへの車両供給を通
じたスケールメリットによって、次世代ピックアップ
トラックの競争力を更に高めていき、マツダは競
争力の高いいすゞのピックアップトラックをベースと
した自社ブランド車を継続して販売することで、
市場カバレッジを維持していくことになる。
 今後両社は、今回のOEM供給に関する詳
細について協議を進めていくしている。
いすゞ製車両のマツダへのOEM供給
 ・車種:いすゞが生産する次世代ピックアッ
  プトラック
 ・供給者:いすゞ
 ・購入者:マツダ
 ・販売地域:北米を除く世界各国
 ・発売予定時期:未定
OEM…いすゞ&マツダ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
いすゞ製次世代ピックアップトラックの
マツダへのOEM供給で両社が合意
 ㈱デンソーは、世界最大の電気・電子分野の国際学会で
あるIEEEにおいて、IEEEMedal(Environmentaland
SafetyTechnologies)を受賞した。2016年6月18日には
ニューヨークで授賞式が行われた。
 今回の受賞は、クリーンディーゼル車の普及拡大に大き
貢献する電子制御式噴射システム(コモンレールシステム)
世界で初めて実用化したことが評価されたもので、デンソーの
宮木正彦取締役副社長、篠原幸弘常務役員、および竹内
克彦氏の3人が受賞した。
 デンソーは1995年に世界で初めて、高圧噴射、多段噴
射が可能なコモンレールシステムの量産を開始。コモンレール
システムは、ディーゼル車の課題であった黒煙排出やエンジ
ン騒音などを大きく低減することで、それまでのディーゼルのマ
イナスイメージを塗り替え、特に欧州におけるディーゼル乗用
コモンレールシステム受賞…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
電気・電子分野の国際学会においてメダルを受賞
クリーンディーゼルへの貢献を高く評価

TheTRUCK2016年8月号79
土地売買契約書の調印式(左より大西高松市長、
浜田香川県知事、多田野社長)
タダノの大型クレーン「オールテレーンクレーンAR-5500M」(参考写真)
車のシェアの大幅な拡大に貢献している。
 その後もデンソーは、2013年に2,500気圧の超高圧
噴射が可能なシステムを開発、量産し、排出ガスのさらなる
クリーン化を実現している。また2012年には、燃料を噴
射するインジェクターに内蔵された圧力センサーが噴射圧をリ
アルタイムに測定し、インジェクターごとにタイミングと噴射
量を制御できる「i-ART(intelligentAccuracyRefinement
Technology)システム」を世界で初めて量産し、燃費の向上
と排ガス中の有害物質低減に貢献している。
 デンソーは、今後も、世界各国の排ガス規制の強化や
省燃費ニーズの高まりに対応すべく、燃料噴射の高圧化と
高精度化に向けた研究開発を行っていくとともに、各地域の
ニーズにあった製品を世界中のユーザーに提供していくとし
ている。
 ちなみに、IEEE(InstituteofElectricalandElectroni
csEngineers,Inc.)は、米国に本部をおく電気・電子分野
における世界最大の専門家組織で、主に工学分野における
学会としての活動と、工業技術の標準化団体としての活動を
行っている。
 また、IEEEMedalは、技術革新や事業・産業の発
展に大きく貢献した研究者や技術者、チームに対して、毎
年、IEEEが選定し授与するもので、「Environmentaland
SafetyTechnologies」は、環境、安全分野における優れた
功績に対して授与される。
 ㈱タダノは2016年7月5日、香川県庁において香
川県との間で高松港香西(西)地区埋立地の土地売買契
約書、および香川県、高松市との間で工場等の建設等
に関する協定書を締結した。
 同社は、長期目標であるLE(LiftingEquipment=抗
重力・空間作業機械)世界No.1の達成に向け、現在の
志度工場に加え、建設用大型クレーンを製造する新工場
が必要と判断。このたび香川県が所有する高松港香西
新工場用地…タダノ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
LF世界No.1を目指し、新工場用地として
高松港埋立地の売買契約書を締結

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年8月号80
2016年6月13日に中国・上海テクニカルセンターで行った小学生向けの体験型交通安全教育(制動
距離をジャーで測る様子、実車体験に積極的に参加する子どもたち)
2016年6月29日にタイのバンコク郊外(サムットプラーカーン県)にある小学校で行った交通安全教育
(ヘルメト615個を寄贈)
(西)地区埋立地の工業用地の公募に応募し、分譲先と
して認められ締結の運びとなったもの。
■新工場の概要
 ・目的:建設用大型クレーンの生産
 ・敷地面積:約20ヘクタール(約6万坪)
 ・建築面積:第1期工事(2016年11月〜2018年7月)
  約42千㎡ ※数年をかけて拡張の予定
 ・投資額:第1期工事…約175億円(土地費用等を含む)
 ・従業員数:第1期…約200人
 デンソーは、三井住友海上火災保険㈱と協働で、交
通安全教育プログラムをグローバルに展開し、このた
びタイ、中国、日本において出前授業を開始した。
 交通安全は世界共通のテーマであり、各国や地域が
抱える課題に応じて、継続的な啓発活動を行っており、
デンソーではすでに各国や地域で交通安全活動を実施
している。今後は三井住友海上と連携して交通安全教
育プログラムをグローバルに展開していく。具体的に
は、交通安全に関するデータや知識を豊富に持ち合わ
す三井住友海上およびグループ会社の㈱インターリス
ク総研がプログラム(教材)を作成し、事前に講師とし
て研修を行ったデンソーや三井住友海上の社員が、事
業所周辺の学校や施設を中心に出向いて授業を行う形
となる。
 両社はドライバーだけではなく歩行者な
どの交通弱者にも焦点を置き、世界各国に
おいて出前授業を通した交通安全マナーや
モラルの向上を図り、交通事故のない社会
の実現に貢献していくとしている。
 デンソーは、2020年に向けて、社会全
体にとってより良い未来の実現と地球環境
の維持に貢献するために、特に「環境」「安
心・安全」にこだわり、グループ一丸となっ
て事業活動を通じて社会課題への解決に取
り組んでいる。
■各地域の出前授業の内容
◇タイでは二輪車の交通事故が多く、交通
安全上、運転者および同乗者のヘルメッ
ト着用が求められている。ヘルメット着
用を促す内容をはじめとした交通安全教
育プログラムを保護者と子ども向けに小
学校などで実施し、併せてヘルメット寄贈を行って
いる。
◇中国では交通安全教育が普及しておらず、子どもが
犠牲となる交通事故が非常に多いため、子ども向け
交通安全教材の作成と、小学校での出前授業を行う。
まずはデンソーの中国拠点のある地域から始めてい
くことになる。
◇日本では高齢者が被害者となる交通事故が非常に多
いことから、高齢者を対象とした交通安全プログラ
ムを実施。これまでデンソー本社のある愛知県刈谷
市で夜間歩行時の注意喚起のため行っていた靴用の
反射シール貼付活動を、今後は他の地域にも拡充し
て実施していく予定である。
交通安全教育…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
交通安全教育プログラムをグローバルに展開
タイ、中国、日本で出前授業を開始

TheTRUCK2016年8月号81
5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩車両、󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応OP装着車)
5台積󱜵車両運搬車
(扉󱞜󱝩、側方󱞅󱝖󱝍󱝝󱞚󱞅󱝸荷役対応低枠型)
小型󱞉󱝍󱝩軽自動車3台積󱜵車両運搬車
大型3台積󱜵車両運搬車
(󱞝󱝍󱝰󱝓󱞣車対応󱝡󱝍󱝸装着車)
4t、5.5t󱞉󱝍󱝩2台積󱜵車両運搬車
(󱝗󱞇󱝧󱞗󱞣装着車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(後柱昇降式、WB延長改造車)
小型󱞉󱝍󱝩2台積󱜵運搬車
(󱝙󱝍󱞌󱝍󱝑OP)
5台積載車両運搬車
(F󱝨󱞓󱝳󱝛󱝏󱝳󱞇仕様OP装着車)
素早い対応 徹底追求
お客様の信頼のために最高の品質を
本   社 〒136ー0071 東京都江東区亀戸1丁目7番3号 パークノヴァ亀戸20
TEL03ー3683ー0391(代表)FAX03ー3636ー1105
八千代工場 〒276ー0004 千葉県八千代市島田台815番地
TEL047ー488ー2511(代表)FAX047ー488ー2514
http://www.hosoyashatai.co.jp/
詳しい情報はウエブで検索