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【スペシャル対談】全日本トラック協会・笠原史久 青年部会長

TheTRUCK2016年5月号18
今年2月12日、東京・新宿の京王プラザホテルで全日本トラック協会・
青年部会の全国大会が開催され、若手経営者約730名が一堂に会して、
運送経営のあり方など論議した。(本誌3月号参照)この全国大会を指揮
したのが笠原史久青年部会長である。平成2年に施行された物流二法で
事業者免許や運賃等が規制緩和されて以来、トラック運送業界は厳しい
経営を強いられている。中でも少子高齢化に加えて3Kイメージが残るこ
の業界はドライバー不足が深刻の度を深めている。運送事業者の中には
将来に不安を抱く経営者も少なくないが、笠原史久部会長は自らが経営す
るNTSロジの売上げをこの10年間で約2.5倍に引き上げる積極経営を
展開したほか、運送業界の結束にも尽力する若きリーダーである。今後の
トラック運送のあり方などお聞きした。
スペシャル対談
運賃の適正化と同時に
車両稼働率の向上を
先ず今のドライバーに
夢のある待遇が急務
荷主から高い評価を得る活動が
運送経営の基本
秋林路 先般は新宿の京王プラザホテルで開
催されました全日本トラック協会・青年部会の
全国大会を取材させて頂きましたが、笠原部会
長の溌
󱢰󱢥󱣊󱢥
剌とした姿が印象的でした。ブロック代
表の青年部の皆さんもステージマナーが良く
て、トラック運送もこれから大きく変わるよう
に感じました。
笠 原 有り難う御座います。我々青年部は二
代目、三代目の仲間が多いです。創業世代は、生
き残るだけで精一杯だったかも知れませんが、私
たちはその基盤を継いでいますので、お互い横の
繋がりをしっかり持って、業界の発展に貢献しな
ければならないと考えています。
(公社)全日本トラック協会・青年部会長
笠原史久
(株式会社NTSロジ社長)

TheTRUCK2016年5月号19
溌溂イメージの笠原史久青年部会長
秋林路 そうですね。当然、業界内の問題も沢
山あると思いますが、相手あってのお仕事ですか
ら、業界として結束することも大事だと思います。
 本誌は遡れば半世紀近い歴史がありますが、主
に物づくりの業界に立脚しています。トラック
ショー開催では全日本トラック協会さんにもご支
援頂いておりますが、物づくりの業界だけでは済
まない課題も沢山あります。環境とか、安全は社
会的ニーズですが、トラック事業者が荷主に対し
て提案力を強化しようと思えば、必ず物づくりの
業界と力を合わせなければならないテーマが出て
きます。
笠 原 そうですね。我々はトラックを使用す
る事業ですので、メーカーさんや販売会社さんと
の絆も大切です。
秋林路 トラックメーカーと運送業界のあり方
については、後ほど伺いますが、その前に荷主と
はどのようにすれば上手くいくのか、その辺りか
らお考えをお聞かせ下さい。
笠 原 わが社(NTSロジ・東京都東久留米市)
の場合は、お客様からどう評価して頂くか、とい
うところに重点を置いています。例えば、輸送品
質と言った場合でも、事故を起こさないだけでは
なくて、ドライバーのマナーであったり、挨拶で
あったりという事も含めて見て頂く。その結果、
当社を選んで頂けるという事なので、お客様から
高い評価を頂けるように頑張るという事です。
秋林路 ドライバーさんの言葉遣いやマナーは
最近すごく良くなったと思います。それぞれの事
業者さんが社員教育に力を入れて来られた結果だ

スペシャル対談
TheTRUCK2016年5月号20
と思います。ただ経営環境はけっして恵まれてい
るとは言えませんよね。
笠 原 確かに事業者間の競争もありますの
で、経営環境が良いとは言えません。ですから適
正運賃についても要望すべきはしっかりと申し上
げないといけないのですが、その前に我々でやる
べき事はないか。例えば、トラックの稼働率を見
た場合でも、フル稼働だと24時間365日ですが、
当社の場合ですと、1日10時間そこそこの稼働
率です。運賃は同じでも稼働率を上げれば売上げ
はアップします。そういう事も研究しなければな
りません。
秋林路 そうですね。物づくりの世界も3交代
制にすれば24時間フル稼働になります。運送も
需要があれば稼働率を上げる方法も有効です。
笠 原 単位当たりの運賃が同じであっても、
稼働率を上げて売上げを2倍にすれば固定費は単
純計算で2分の1に下がります。そういう事を運
送事業者としては常に考える必要があると思って
います。
秋林路 なるほど。それが運送経営のプロとし
てのあり方ですね。
笠 原 取引を始める前に、荷主さんとは運
賃の契約をしますので、経営が成り立たない運
賃なら契約は出来ない筈ですよね。ですから決
めた以上は先ずその運賃で利益が上がる方法を
模索するのが我々の立場です。時々、利益が出
ない理由を荷主や業界や社員のせいにする声を
耳にしますが、その前に自分たちでやるべき事
はないか、もう一度考えてみる必要があるよう
に思います。
運送の社会的役割を
広くアピールする事が大切
秋林路 確かにその通りだと思います。ただト
ラックの稼働率を上げるためにはドライバーも増
やさなくてはなりません。最近は少子高齢化に加
えて、この業界にまだ3Kイメージが残っている
こともあって、ドライバーの待遇を良くしないと
人が集まって来ない時代になっています。
笠 原 そうですね。運賃が上がれば経営がラ
クになることは確かです。でもインフレで物価が
どんどん上がる時代なら運賃を上げて頂かないと
やっていけなくなりますが、このデフレの時代で
すから、我々の運賃だけ上げてくれといっても道
理が通らないし、結果としてどこかにしわ寄せが
行くことになります。
秋林路 実は運賃問題は今に始まった事ではな
くて、昔は“法定運賃”が決められていました。
つまり国が運賃の物差しを示していたのですが、
その運賃が守られていたかというと必ずしもそう
ではなかった。やはり運賃を下げて荷主を取られ
た、といった事が問題になっていました。
 平成2年の物流二法の施行で運送事業免許や運
賃が規制緩和されたのですが、結果としては事業
者数が四半世紀で2万社余りも増えて、過当競争
に陥ってしまいました。
 荷主は同じ輸送品質ならコストの低い方を選び
ますから、運賃は下がります。もともと物流二法
の目的の一つが“物価抑制”ですから、規制緩和
で競争が激化するのは当然なんですね。ただ、こ
れが過当競争になるとドライバー不足で物流が滞
り、社会問題になりかねません。国がいま一番恐
れているのがその点で“トラガール”の愛称で女
性労働力の活用にも乗り出しています。
笠 原 運賃の適正化は全日本トラック協会の
大テーマとして決議されていますので、我々も当
然だと思っているのですが、実際には個々の事業
者では難しい問題もあります。ドライバー不足
は、実は待遇だけではなくて、長時間労働も問題
になっています。
 当社は地場運送が中心ですので、運行時間も8
時間から10時間で済みますので、その後の展開

TheTRUCK2016年5月号21
青年部会の活動について語る笠原部会長と本誌・秋林路(左)
で稼働率を上げることも考えられるのですが、幹
線輸送の場合はそういう訳にはいかないので、運
賃の見直しが必要だと思いますね。
秋林路 確かに事業の内容によっては稼働率
を上げることで売上げをアップさせる事も可能
だと思いますが、労働集約産業ですので、人手
の確保は絶対条件です。ところが少子高齢化で
絶対数が足りないので、魅力ある業界でないと
若者が振り向いてくれません。トライバー不足
と運賃問題は大きく関係していますが、若い人
が人生を託すに値するか否かの判断は待遇だけ
ではなくて、社会的貢献度であったりイメージ
であったり、色々です。ですから、ドライバー
不足は運送業界内部の問題ではなくて、他の業
界とのリクルート競争です。
笠 原 そうですね。若い人が憧れる職業は沢
山ありますからね。
秋林路 今、ITは経済の最先端にありますの
で、何もしなくても若い人が集まってきます。
デザインやアニメ・芸能などの世界も自分の個
性を発揮できるので人気の職業です。そういう
中でトラックドライバーの位置づけを考えると
決して高いとは言えません。やはり、家庭をつ
くり、将来の不安もなく、ゆとりのある生活を
しようと思えば、他の職業に比
べて待遇だけでも良くなければ
募集しても振り向いてもくれな
いという事になります。ですか
ら運賃問題はこの運送にとって
非常に大きなテーマではないか
と思います。
笠 原 確かに、そういう意
味では運賃の適正化は大事な案
件だと思いますね。
秋林路 ただ、待遇を良くす
ればドライバーが集まるかとい
うと、私は少し疑問視していま
す。人にはそれぞれプライドがありますので、
その仕事を通じて社会貢献している実感と世間
が見る目も気になります。例えば、医師とか、
学校の先生、警察官、消防士などは誰もが社会
貢献度が高い仕事だと認識しています。では、
トラックドライバーはどうか、けっして高くな
いですよね。逆に「お前の父ちゃんトラック運
転手なんだってな〜」と子供が学校で虐められ
た話しさえ耳にします。ホントは9割以上の物
資輸送を担うライフラインの一環ですから非常
に社会貢献の高い業界なのに、それが社会に対
して正しく認識されていません。災害が発生し
た時の緊急物資輸送では非常に高い評価を受け
るのに、少し時間が経つとマスコミも悪の根源
のように事故も過大報道します。これを求心力
のある業界に変える為には何が必要だとお考え
ですか。
笠 原 やはり、日夜行っている仕事の社会的
役割を我々自身がもっとアピールしていかなけれ
ばならないと思います。この点は一般社会に対し
て常に情報発信することが大切です。
秋林路 その結果社会に認知され、若者が憧れ
る業界になれば、人材も集まってくるので業界の
活性化にも繋がります。

スペシャル対談
TheTRUCK2016年5月号22
青年部の全国大会で挨拶を述べる笠原青年部会長
笠 原 その為には、いま働いているドライ
バー自身がプライドを持てるようにならなくては
ならないと思うし、名実ともに誰が見てもカッコ
良い仕事だと思って頂ける業界にする必要があり
ます。
秋林路 いくら社会にPRしても実態が伴って
いないと見かけ倒しになってしまいます。私は、
この業界に求心力をつけるのは経営者ではなく
て、ドライバー自身ではないかと思っています。
労働集約産業ですからドライバーの数は圧倒的多
数です。その人達が「トラックドライバーの仕事
はこんなに素敵なんだ」という事を、身をもって
示せば社会の目も変わるし、憧れる若者も多くな
ると思います。
笠 原 そうなんですよね。実は、私の父は当
社の創業者ですが「運転手になる人間は机に向か
う仕事が嫌いだからハンドルを握るんだ。」と言っ
てました。今は社員教育も行き届いて当時とは大
きく変わっているのですが、まだ昔のイメージが
残っていることは確かです。
秋林路 最近、相撲、野球、バトミントンと有
名なスポーツ選手が賭博をやってテレビで頭を下
げていますが、その時に「この世界に夢をもって
頑張っている子ども達に申し訳ない事をした。」と
反省の声を呟きます。そういう声を賭博選手が発
するのは、常日頃からスポーツ界がフェアープレ
イに徹する事を意識しているからですよね。サッ
カーの試合では、選手が子ども達の手を引いて
フィールドに出てきます。あれは子ども達に一流
選手と触れあうことで夢を与える目的があるので
すが、一方で「子ども達の前でヘンなプレイは出
来ない」という事を選手に自覚させる効果もある
と聞いた事があります。
笠 原 確かにあの光景は観客も感動するし素
晴らしいパフォーマンスです。運送業界にも同じ
ような考えを構築出来れば、イメージは大きく変
わると思いますね。
秋林路 この運送業界が求めているのはスポー
ツの世界と同じだと思います。何年か前の青年部
の全国大会で、「自分の子どもにこのトラック運
送の事業を継がせたいと思いますか」という質問
に、約700社の出席者の9割以上が×回答しまし
た。経営者自身がそのように思っているのでは、
従業員に夢を与えることは出来ないし、求心力の
ある業界にすることはほど遠いですよね。
笠 原 そういう実態があることは事実で
す。我々世代はバブル崩壊から暫く時間を経て
いますので、良い時代を知らないのです。しか
も悪くなる一方ですから悲観的になる。我々は
特別の仕事をしているというプライドはドライ
バーの皆が持っていると思うのですが、問題は
お給料が安いという事です。家族を養う為には
奥さんも働かなくてはならない。子どもの世話
もしなくてはならないのに労働時間も長い。そ
ういった苦労があるので、×回答が9割以上を
占めるのだと思います。
秋林路 私は昨年から今年にかけて関東8県と
新潟、静岡、愛知のトラック協会長さんと対談を
重ねて来ました。皆さん、問題点は熟知しておら
れるのですが、具体的な方法論になるとその手段

TheTRUCK2016年5月号23
過去最大となった今年の全国大会
が見えて来ません。
笠 原 国の統計など見ま
すと他の業界は1時間当たり
の労働単価が我々に比べて1.3
〜1.5倍も高いです。ですか
ら運賃の適正化を進める一方
で、トラックの稼働率、積載
率、実車率を上げて、労働単
価を引き上げる必要があるの
です。私は「5年以内に給料を
30%引き上げる」と社員に宣言
したのですが、その為には売
上げを今の1.5倍以上引き上
げなくてはなりません。
 私としてはこの青年部会の経営者がネットワー
クをつくって共有する問題点を声を出して語り
合ってくれれば良いと考えています。その中から
改善のヒントも出てくると思うので、青年部会の
活動は大事だと思っています。お陰様で私も地方
の青年部会に呼んで頂いて話しをする機会が多く
なっています。
秋林路 今年の全国大会の様子では皆さん活発
で前向きな意見も聞かれましたので、最近少し変
わって来たように思いました。
笠 原 はい。参加人員も過去最大になって
いますし、少しずつ意識変化も出て来たように
思います。現実問題としても、トラックの稼働
率を上げようと思えば、同業他社と協力しない
と出来ないので、仲間意識が高まっているのだ
と思います。
秋林路 国が本格的に取り組もうとしている中
継輸送もグループ化が進めば効果も大きくなりま
す。トラガールを増やす問題も業界全体の意識を
変えて、女性が働き易い環境を作らないと前進し
ません。そういう意味では全国組織をもつ青年部
会の役割は大きいと思います。
笠 原 実は、私の会社も東京−大阪間の輸送
がありますので、現実に青年部会の方と中継輸送
の話しを進めています。こういう事も青年部会の
活動を通じて信頼関係が出来ているので、話しが
出来る訳です。
秋林路 組織活動は色々テーマがありますが、
最も大きな役割は相互信頼の構築ではないかと思
います。逆に信頼関係が構築できれば大きな課題
も乗り越えることが出来ます。その為にはリー
ダーシップのとれる人材が必要ですが、溌剌イ
メージの笠原さんは最適任だと思います。
笠 原 いえ、まだまだ若輩で諸先輩に教えて
頂くことばかりです。(笑)
トラックメーカーと
ユーザーの交流が希薄に
秋林路 運賃を一定と考えれば、売上げを上げ
る方法はトラックの有効活用しかありません。国
もその点を考えて、一人のドライバーが一度に運
ぶことの出来る量を増やす為にトレーラの大型化
に踏み切っています。また、ドライバーの働き方
を変える為に、中継輸送も普及させようとしてい
ます。更に、中型トラックは20歳にならないと

スペシャル対談
TheTRUCK2016年5月号24
運転免許が取得できなくなりましたから、高卒者
の就職先として不利になっていました。これも準
中型免許が出来て高卒者も働き易い環境が整いま
した。
 トラック運送は、トラックそのものを変えるこ
とによって、業態も変えることが出来ます。ウイ
ングボデーやワンタッチ幌など側面荷役が可能な
トラックが普及したことで、運送が大きく変わっ
たことからも明らかです。ですから、どんなトラッ
クを使えば売上げを伸ばすことが出来るのか、そ
ういう視点でトラックのメーカーとユーザーが話
し合う場が必要だと思うのですが、その点はいか
がですか。
笠 原 トラックについては、安全に対する社
会の要求レベルが非常に高くなっているのに機能
が伴っていないのではないかと感じています。つ
まり安全をドライバーの運転技術に依存し過ぎて
いるのではないかと思います。こういう状況の中
で車両を大型化すると、我々の立場ではより危険
性が増大するのではないかという不安がありま
す。現実にトレーラや特車のドライバーは相当レ
ベルの高い運転技術を身につけています。その技
術レベルを更に高めろと言っても難しいのではな
いかと思います。勿論、稼ぐという点では大型化
は貢献するのですが、安全に対する社会的要求も
強いので不安もある訳です。
秋林路 本誌は物づくりの立場でトラック技
術の進展を追っているのですが、実際には安全
技術が非常に高度化していることは確かです。
例えば、先行車との車間距離やスピードとカー
ブの関係、横滑り防止技術などセンサー機能を
安全に結びつける技術は非常に高度化している
んです。
 ただ、そういう物づくりの情報がトラックユー
ザーに正しく伝わっていないように感じていま
す。また、ユーザーからメーカーへ要求するチャ
ンスも以前より希薄になっています。私は、メー
カーとユーザーの情報交流が希薄になっている事
が最大の問題点だと思っています。
笠 原 これまで色々なクルマを作ってきた
し、これ以上の種類はいらないと考えているユー
ザーもいると思うし、安全技術に対してもこの辺
りがメーカーの限界だと勝手に思い込んでいる人
も居ると思います。私は、我々が安全教育をしな
ければならない点とメーカーにもっと技術レベル
を上げて欲しいという希望はもっています。
秋林路 最近はメーカーもユーザーニーズに
耳を傾ける場が少ないし、ユーザーもメーカー
の技術レベルを正しく把握していないのではな
いかと思います。我田引水になりますが、そう
いう意味でも『NIPPONトラックショー』はメー
カーとユーザーが交流する場になれば良いと考
えています。
笠 原 確かに、我々はトラックディーラーさ
んとの交流はありますが、メーカーとの交流は殆
どないですね。
創業者の意思を見事に継承
秋林路 トラックの隊列走行や自動運転も技術
的には実現の段階に来ています。テーマを決めて
メーカーを交えた勉強会を立ち上げるのも良いの

TheTRUCK2016年5月号25
ではないかと思います。
 ところで折角の機会ですので、笠原部会長の株
式会社NTSロジ(旧西東京商運)についても少し
伺いたいのですが、御尊父が創業なさった会社で
すか。
笠 原 そうです。始めたのは私の父、笠原和
久です。主に東京−大阪間の書籍運送でした。昭
和46年12月に創業して平成14年5月に他界し
たのですが、私はその半年前に入社しています。
父が体調不良である事は分かっていたのですが、
半年で他界するとは思って居ませんでしたので、
何も準備出来ていなくて父の弟の笠原昭久(現会
長)が後継して、私は取締役に就任しました。私
が社長に就任したのはそれから12年後の平成26
年です。
秋林路 当初は出版物の輸送という事ですが、
ホームページを見させて頂くと、いまは随分幅広
く手がけておられるし、規模も大きく拡大してい
ますね。
笠 原 そうですね。今は食品輸送の割合が高
くなっています。実は、私が入社してから次々に
物流センターを作り事業を拡大しましたので、こ
の10年で大きく変わりました。売上も10年間で
2.5倍に増大しています。
秋林路 二代目を継いだ笠原昭久会長が積極的
だったのですか。
笠 原 というよりも私が好き勝手に拡大する
ことを許してくれたという感じです。(笑)
秋林路 それは良い関係ですね。創業者の他界
は不運ですが、会社の後継は恵まれていたのだと
思います。
笠 原 そうですね。父は私と同じ体育会系の
人間でしたが、二代目を後継した叔父は理工系で
少し肌合いが違います。叔父は父が大手術をした
事もあって他界する5年前に入社していたのです
が、自分で「社長をやるタイプではない」と拒否し
ていました。でも私も入社半年ですから、100人
以上も居る会社を継ぐのはムリなので、お互いに
押し問答していたのですが、結局叔父が引き受け
てくれた訳です。お陰で私はフリーな立場になり
ましたので、我がままし放題で事業拡大に取り組
むことが出来ました。
秋林路 笠原昭久会長の存在があったことは、
会社として恵まれていたと思いますね。
笠 原 そうですね。笠原昭久会長が人格的に
も素晴らしい方で良かったと思います。実は、
父が他界する前に「お前が会社を継いでも、今の
3倍の規模にして俺と対等だと思え。と言われて
いたので、この10年間はひたすら走り続けて来
た感じです。ただ、体育会系ですので、行け行け
ドンドンで走っていたら、売上げは増大したもの
の、社員は誰もついて来ない状況になってしまい

スペシャル対談
TheTRUCK2016年5月号26
社内の改善発表大会社内の改善発表大会
リーダー研修の様子
ましたので、最近は少し反省して、足元を見る経
営に変えてきました。
秋林路 この10年間で全く新しい方向を切り
拓いておられますので、会長との二人三脚が第二
創業期になったのではないかと思います。体育会
系という事ですが、スポーツは何を?
笠 原 大学(青森大学)二年まで野球をやって
いました。これも父から「物事は10年続けないと
一人前にならない。と言われていたので、10歳
で始めたので二十歳までは続けようと思っていま
した。
秋林路 その野球を通じて得たものは会社経営
にも役だっているのではないですか。
笠 原 野球もチームワークですから、信頼関
係がないと強くなりません。そういう点は役立っ
ていると思います。
秋林路 今後についてですが、会社の経営も含
めて心構えというか人生哲学という点ではどのよ
うにお考えですか。
笠 原 基本的には、他人様の為になることを
やりたいと考えています。自分の為と考えると、
どうしても甘えが出て妥協してしまいますが、誰
かの為なら妥協は許されませんし、最終的に「あ
の人が居たから今がある。」と言って頂けるような
生き方をしたいと思っております。会社は当社に
入社する人達が「この会社に入って良かった」
思って頂けるような会社にしたいし、業界に対し
ては、皆さんがこの業界で良かったと思えるよう
な業界にしたいと思います。
秋林路 古くから「情けは他人の為ならず」とい
う教えがありますが、とても素晴らしい考えだと
思います。笠原さんは10歳で野球を始めて20歳
まで続けたという事ですが、今の子ども達も10
年もすれば社会に出てきます。青年部の皆さんは
小さいお子様がいらっしゃる方が多いと思います
が、この青年部の活動は子ども達に未来を託すと
いう意味でも極めて重要です。 
 本日はお忙しいところ有り難う御座いました。

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なぜトレーラーにPTS-50を
取り付けるべきか?
•PTS-50は5秒で作業が完了します。
•空気圧故障の場合には手動で簡単に持ち上げ可能。
•PTS-50は10年間保証します。
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ハンドル/ギア、クロスシャフトはありません。
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 −60Cから+80C
•PTS-50は一連の作業を4脚同時に動きます。
経費
節約
経費
節約
効率性健康と
安全
・損害の際の手動オーバーライ
・可燃物トレーラと使用可能
・手動
 クランク
 システムより
 97%配備時間減少
・損害の際の手動
オーバーライ
・程保守
・ダウン時間の劇的減少
・他の脚システムに比べて
重量節減
・崩れを防ぐ
ためのピン
ロッキングシステム
・腰つい障害防止に
人間工学的に設計されている
・各着陸脚セットに
100トンまでの静荷重

最新 業界トピックス
実技研修棟で行った清祓式(神事式)
TheTRUCK2016年5月号
28
 愛ト協の中部トラック総合研修センターは愛知
県みよし市の名鉄豊田線の三好ケ丘駅から徒歩
20分の静かな丘陵地に平成3年4月にオープ
ンし、これまで数多くの運送関係者の教育・研
修を行ってきた。しかし、安全に対する社会的要
求が高まって来たことや、準中型免許やトレーラ
の大型化など、運送を取り巻く環境も大きく変化
して来たことから、新時代を先取りする研修セン
ターとしてリニューアルしたもの。
 新しくなった研修センターで先ず注目されるの
は、トラックの練習コースを指定自動車教習所と
同等な法定仕様コースにつくり替えた点である。
運転練習コースには、検定コースの課題を設定
し、①周回・幹線コース、②交差点、踏切、
横断歩道、坂道、③曲線屈折コース、隘路、
③方向転換、縦列駐車、障害物設置、などが
用意されている。また研修の効果を上げるために
危険予知および危険回避訓練が出来るすべり体
験コースや一般の道路と同様な交差点や横断歩
道も設置、中型、準中型、大型、連結車など
免許取得の支援研修効果が期待される。この運
転練習コースは、指定自動車教習所コースの設
一般社団法人愛知県トラック協会
中部トラック総合研修センタ
わが国最大のトラックドライバー研修施設
安全に加えて“健康”を
新たな研修の柱に
 平成26年から改修工事を進めていた一般社団法人愛知県トラク協会
(小幡鋹伸会長)の中部トラック総合研修センターは、昨年8月の管理
研修棟に続き、この3月には教習所と同等の運転練習コースと実技研
修棟などが完成したことから、4月5日には清祓式(神事式)を執り行い、
竣工パーティのあと報道関係にも公開した。新しい研修センターは総工費
約35億円で前代未聞の規模を誇るが、トラックドライバーの適正を科学的
に判断するためのプロジェクトも官学を交えてスタートすることから、安全
と健康の両面から注目を集めている。

全面的に改築した管理研修棟
入口脇に設置されている小幡鋹伸愛ト協会長寄贈のモニュメント
TheTRUCK2016年5月号29
計および設備とするために、愛知県警察本部交
通部運転免許課の指導を受けて完成させている。
 また、管理研修棟は研修室を増設したほか、
新たに適正診断専用フロアも新設している。これ
は、事故を未然に防ぐためには、トラックドライ
バーの健康も含めて正確な適正判断が必要であ
る、との認識で実施したもの。このフロアには診
断機器やカウンセリング室を増設するなど設備の
充実を図っている。更に、受講者の利便性向上
や管理を徹底する為にシングルルーム26室の宿
泊棟も再建している。
ーを全面的に刷新オープン

最新 業界トピックス
一階エントランス奥に展示されているシボレー1928年式トラッ
大勢で一度に利用できるCRT適正検査室
和室での研修もできる
実際と同じ運転を体感できる運転シミュレーション室
宿泊棟エリアは全部で26室
TheTRUCK2016年5月号30

実技練習に使用する各種フォークリフト
フォークリトコース
全天候型のフォークリフトコースと倉庫・研修室。奥は管理研修棟
フォークリトコースの柱は黄色い杭でカバーされている
実技研修棟
TheTRUCK2016年5月号31

最新 業界トピックス
管理研修棟からみる広大なトラックの運転練習コース前景
赤い部分が滑り体感コース
見通しの悪い危険コース
狭いS字コースと坂道コース(奥)
信号機のある大きな交差点コース
TheTRUCK2016年5月号
32

運転練習用の各種トラッ
燃料給油施設電気自動車充電装置
TheTRUCK2016年5月号
33
 一方、管理研修棟の隣には、雨天時や夏の
炎天下でも練習できるように全天候型のフォーク
リフトコースを設けている。
 この中部トラック総合研修センターは従来から
講座・研修に力を入れてきたが、今後は更にこ
の講座・研修に力をいれることにしており、28年
度からは①新入社員向け、②一般向け、③リー
ダー・班長・指導者・管理職向け、④ベテラン
ライバー向けなど、キャリア別の講座がスタート
している。これにより、それぞれの職種や経験
に合わせた研修が実現した。また、物流大学校
講座や物流安全管理士講座も引き続きこの研修
センターで行う。
 また、現在建設中の屋内実技練習場は約
3300㎡のスペースがあり、災害発生時の緊急
物資輸送の拠点としても活用する。今年10月に
完成する予定である。
 竣工ハーティ後のプレス発表で愛知県トラック
協会の小幡鋹伸会長はおよそ次のように述べた。
※  ※  ※  ※  ※

最新 業界トピックス
来賓や関係者の挨拶、祝辞も中部トラック総合
研修センターの規模と内容に驚嘆。トラック運送
業界の新たなチャレンジに賛美を送った。
TheTRUCK2016年5月号34TheTRUCK2016年5月号34
 この中部トラック総合研修センターは、平成3
年に竣工しているので、練習コースの傷みが激し
くなっていた。時代の変化でトラック運送に求め
られる社会的要請も変わってきた。幸い愛知県ト
ラック協会は国からの交付金も沢山頂いているの
で、思い切って全面改修に踏み切った。これま
での研修センターは安全に重点を置いて研修活
動を行って来たが、少子高齢化が促進するこれ
からは、それだけでは不十分で健康にも重点
を置かなければならない。愛知県トラック協会は
会員数が2500社以上あり、ドライバーは約8
万5000人、従業員全体では10万人以上にな
る。少子高齢化になるとどんどん人手不足が加
速する。そこで、こういう時代になると、お年寄
りも定年で仕事を終えるのではなく、元気で長生
きして働き続けてもらわないと困る。そこで大事
なことが、健康な身体をつくることと、適性に応
じて働ける環境をつくることだ。従って、新しく
なった研修センターは安全と健康の二本の柱が
活動のテーマになる。健康は病院と関係が深い
が、お医者さんは病気になった人間を治すのが
役割。我々は病気にならないように訓練、研修
することが役割になる。その為には、科学的、
専門的な知識機関の協力も必要になるので、中
京大学と次の点でタイアップした。①教育、研
究、産業の振興に関すること。②更なる人材の

和やかな竣工パーティ
TheTRUCK2016年5月号
35TheTRUCK2016年5月号35
育成に関すること。③物流業界の継続的な発展
に伴う社会全体としての経済向上に関すること。
⑤双方が有益にして必要と認めること。
 また、今年10月完成を目標に建設を進めてい
る屋内実技練習場は雨天の練習場とも呼んで
いる。万一災害が発生した際には緊急物資輸送
のセンターとなるが、普段は健康増進の為のス
ペースとして活用する。
 国は一億総元気を掲げているが、トラック運送
業界に限らず高齢者も元気で仕事をしてもらわな
いと困る時代が到来している。この研修センター
は愛知県という限られた単位ではあるが、全国
のモデルケースとなるような活動を行っていきた
い。つまり、このようにすれば皆が元気で長く仕
事が出来るお手本を大学などにも協力して頂いて
作り上げるという事だ。また、災害時の指導が
出来る人材を養成するなど、色々な目的を持っ
て、愛知県、警察そして地元の皆さんにもお世
話になり、国からもこのトラック運送業界に対し
て、積極的に金銭的補助が頂けるようなお手本
モデルをつくり上げて行きたい。
※  ※  ※  ※  ※
【解説】
 改修に総工費約35億円をかけた中部トラック
総合研修センターは、この種の研修センターとし
てはわが国最大規模であることに間違いない。し
かし、この中部トラック総合研修センターで注目
されるのは設備の規模だけではない。少子高齢
化に適応する社会のモデルケースとなる事を掲
げている点がこれまでとは根本的に異なる。
 日本の企業は終身雇用制で知られるが、定年
は平均寿命とも関係があった。人生50年と言
われる時代なら定年60歳でも良いかも知れない
が、80歳を過ぎても元気な人が多い今日では、
収入が途絶えてからの定年後が長すぎる。
 トラックに限らず飛行機や船舶、鉄道、バス

最新 業界トピックス
中部トラック総合研修センターは“安全”に加えて“健康”を大きな柱とすることを記者表明する
小幡鋹伸愛ト協会長
TheTRUCK2016年5月号36
など、多くの人命や荷物を載せて移動する乗り
物で最も怖いのが事故である。事故原因はいろ
いろあるが、最も扱いにくいのがオペレーターの
トラブルである。操縦士が精神的トラブルで乗客
を巻き添えにして飛行機を故意に墜落させる事故
も起きているが、圧倒的多数のトラック運送は、
ドライバーの適正が最も重要となる。そこで、
これまでトラック協会は安全を大優先して取り組
み、大きな成果を上げてきた。
 トラックドライバーも生身の人間なので自然に老
化が進み、視力判断力などが低下する。当然、
ハンドルを握れなくなる時期も到来する。しかし、
トラックドライバーの適性は必ずしも年齢と一致
する訳ではない。若い人の中にも身体的欠陥を
もつ人もいるし、高齢者であっても運転に問題な
い人もいる。
 そこで、中部トラック総合研修センターが取り
組もうとしているのが、年齢に関係なくドライバー
としての適性を医学的、科学的に研究して、高
齢者であっても適性に問題なければ乗務させる点
である。従来、年齢(定年)で判断していた適性
を、科学的裏付けに基づいて判定する点では従
来と大きく内容が異なる。
 記者会見で小幡会長が述べた「元気で長生き
して働けるだけ働く」という意味は極めて奥が深
く、定年制に対する考え方さえも覆す可能性が
ある。また、この研修センターでは、長く働く
ための健康増進にも取り組むという事なので従
来の研修を遙かに超えた内容になることは確かで
ある。
 年齢に関係なく健康な人をつくる…それが少
子高齢化時代の国や企業の役割のひとつとなれ
ば、労働に対する考え方も大きく変わる。その意
味でも中部トラック総合研修センターの取り組み
は、世界中が注目する活動になるかも知れない。
(秋林路)

世界の大型トラック省エネ対策研究
TheTRUCK2016年5月号38
事業者に分かり易く情報を提供
 アメリカは、気候変動に関する国際連合枠組み条約
この組織のHP(http://www.truckingefficiency.
org/confidence-reports)を見ると、トラックの燃
費に影響する様々な要素について次のように分類し採
り上げている。
総体的な抵抗要素の解説
アイドリングの無駄
6×2車軸配列の利点
自動化変速機の利点
トルコン式自動変速機の場合
電子制御エンジンの利点
軽量化の効果
低転がり抵抗タイヤの利点
ワイドベース(スーパーシングル)タイヤの利点
空力特性の改善効果
適正速度による走行
適正な保守整備の必要性 などである。
 例えば、アイドリングの無駄 の項目を参照(ク
リック)すると、「無駄なアイドルをしないことは省燃
北米貨物輸送
効率化委員会(NACFE)
2016年リポート(抄訳第2回)
北米大型連結車省エネ対策の取り組み
 NACFEは、民間の輸送機器(シャシメーカーを除く)と架装関係
メーカーにより組織されたトラックの燃費向上を目的とする規模の大きな
調査研究プロジェクトチームである。その運営費の多くは加盟企業の寄金
で賄われている。様々な方策についてワーキンググループ(作業部会)
設けて検証を行い、その成果を公表し運輸事業者の参考に供している。
中立を保って特定企業や製品の推奨を行うことはしていない。
西襄二

TheTRUCK2016年5月号39
費の基本です。車両整備費の節約にもなります。
 (あるオーナー/オペレーターの話)との呼
びかけが大きく掲載されている。そして、キャ
ブやスリーパー(アメリカの長距離トラクタ
のキャブ後部に架装されている床面積4〜6
畳程の居住区画)の断熱性を高めることが酷
暑期にも厳寒期にも効果的な基本対策の第一
歩。これに最新のアイドル削減装置をプラス
すれば鬼に金棒。その他のオプションもある
のでメーカーに相談すると良い。といった公
式見解が掲載されている。
 更に、アイドリングが駐車中のエアコンやヒー
ターの運転上欠かせないと感じて習慣化して
いるドライバーに対して、踏み込んだ説明が用
意されている。「熱負荷の軽減」という対策項
目をクリックすると「現用中の車の窓部に断/
光熱カーテンを追加すると熱負荷が26%減
少する。更に内張と外板の間の空間(6面)
に本格的断熱材を追加すると熱負荷が36%
も減少する。その効果はエアコンの冷却負荷
を34%低減させ室内温度の過冷や過熱を調
整出来る」など具体的な説明を見ることが出来
る。又、ユーザーの声でこの手法に対する評
価を掲載する念の入れようである。
 そして、走行用大出力エンジンを駐車中に
アイドル状態で回し続ける無駄を省く関連技術
事項についても、詳しく解説している。参考
までにその項目を引用すると、▼補助ディーゼ
ルユニット(D-APU)=小排気量ディーゼル
ンジンによる給熱/給電装置=、▼補助バッ
テリーユニット(HVAC)=バッテリーユニットに
よる換気/エアコン装置=、▼自動エンジンア
ドルストップシステム、▼貯熱式エアコン装
置、等を紹介して自車の稼働条件ではどの方
式が望ましいか広く選択肢を示している。
 D-APUは大きな居住区をキャブバックに架
装したアメリカならではのトラックの場合に必要
な選択肢に採り上げられているが、わが国の
場合にはこれが話題になることはない。
 NACFEが整理した大項目は7項目に分類さ
れ、それぞれについて丁寧な解説が付けられ
ている(表1)。その中で、トレーラを対象に
提供されている効果が大きな製品の空気抵抗
低減製品について、検討段階の参考情報及び意思決
定ツールを次に紹介する。
(表1)トラックの省燃費対策 アメリカの民間主導推進策事例紹介
大項目着眼点/方策・選択肢
アイドルストップ
補助ディーゼルユニット(D-APU)
補助バッテリーユニット(HVAC)
自動エンジンアイドルストップシステム
貯熱式エアコン装置
シャシ関係
6×2車軸配列の採用
低粘度係数潤滑油の採用
2速切り替え式ファンクラッチ採用
クラッチ付冷却水ポンプ採用
クラッチ付エアコンプレッサー採用
4×2(車軸配列)トラクタの検討
タイヤ関係
タイヤ空気圧補充システム(トレーラ)
タイヤ空気圧モニタリングシステム(トラクタ)
タイヤ空気圧モニタリングシステム(トレーラ)
窒素ガス充填
低転がり抵抗タイヤ(在来ダブルタイヤ)
ワイドベース(スーパーシングルタイヤ)
アルミホィール
パワートレーン
AMT自動化機械式変速機
AT在来自動変速機(トルコン+歯車式)
MT乾燥クラッチ+選択手動変速機
低粘度係数変速機用潤滑油
エンジンダウンサイジング
エンジン電子制御化
変速ギヤ過度低速段選択予防システム
運転環境感応型クルーズコントロール
走行速度低速化
合成エンジンオイル
燃料添加剤
トラクタ空力デザイン
エンジンフードとフェンダー部分
バンパー部分
サイドミラー
ルーフと段差補正
下部部品配置変更・空気抵抗軽減
シャシスカート処理(フル)
シャシスカート処理(部分)
第五輪架装方式
キャブ延長処理
ホィールカバー採用
通風式泥よけ採用
トレーラ空力デザイン
(表2)(図1)参照
前部形状合理化
ダブルス/トリプルス化の検討
段差抵抗軽減方式改良
泥よけ幅の見直し(狭幅化)
通風型泥よけの採用
ホィールカバー採用
ボディ床下低空気抵抗化
後端部形状改良
ヴォルテックス渦発生器採用
運行管理
走行速度制限
空荷走行削減
ドライバー訓練
ドライバー報奨制度導入
キャブ内生活習慣改善
惰力走行(コースティング)の活用
軽量化
予防整備

世界の大型トラック省エネ対策研究
TheTRUCK2016年5月号40
(表2)NACFE方式投資償却期間算定モデル方式「トレーラ空力改善装置の場合」
黄色セルはユーザーが自車の場合を想定数字を入力する事
摘   要
装置又は部品名称(選択した装置を記入)
トラクタ 1 1 1
1台
数合計値を入力
トレ 353
年間走行距離(ト 100,000 100,000 100,000
年間走行距離(トレ 33,333 20,000 33,333
経済効果
節減燃費
現在の燃料単価(ド 6.0 6.0 6.0
レー台当た燃料消費(ガロン/ル・トレ 5,556 3,333 5,556
空気抵抗低減装置採用にる燃費低減効果 3% 3% 3%
空気抵抗低減装置採用にる消費燃料削減量 $ 166.67 $ 100.00 $ 166.67
ン当削減額 $ 3.00 $ 3.00 $ 4.00
年間レーラ単位台数当燃費削減額 $ 500.00 $ 300.00 $ 666.67
その他の $  ̶ $  ̶ $  ̶
の他の奨励金等を含
例:カリフォ
認定品奨励金等
燃費低減効果の総和(トレ $ 500.00 $ 300.00 $ 666.67
投資額
導入時発生
空気抵抗低減装置 $ 700.00 $ 700.00 $ 700.00
取りつ(外注費) $ 50.00 $ 50.00 $ 50.00
装着時発生 $ 750.00 $ 750.00 $ 750.00
年間発生
保守 $25.00 $25.00 $25.00
その他
その他コスト ドライバ
に対す省燃費実績奨励金等
年間発生合計 $25.00 $25.00 $25.00
償却に要する期間(月数) 18.9 32.7 14.0
償却に要する走行距離マ(トレ 52,632 54,545 38,961
Dated:2016年2月26日現在
注記:本計算モデルはNACFE2016年リポートに依る。著作権はNACFEに属する。本リポートに記載の情報は著作権者に帰属し内部資料である。本情報は特定の製品や製品供給
者の購買者を支持するものではない。いずれの情報も法定の税金若しは課税額算出方式に注釈や助言を施すものでは無く、この方面に関する読者のリスク負担に於いて行われるべきで
ある。如何なる些細な部品といえどもNACFEの文書による許可なしに模倣、製造、販売の用に供してはならない。
(図1)トレーラ空力特性改善方策の経済効果検討のイメージ
試験的に導入早期に試験的導入
試験的に導入試験的導入を検討
試験的導入を検討
改良型製品を待つ
  採用
 具体的製品予算化
メーカーと効果共有
  

床下スカート

端用部品
床下

スカト

スカ

端用部品
其の他の

其の他の

下処理
フロント

フロント

ャッ
プ処

本リポートによる効果評価
低中高

ギャップ部抵抗軽減策(例)
トラクタとトレーラ連結部空間(ギャップ)は形状が不連続で乱流が生ず
る要因になっている。一般に上部に取りつけるノーズコーン方式が多い
が、これは高さ方向の中間部に増設するフェアリングで整流効果が出る
という(試作品)。
トレーラボィ下部装置(例)
ロングショトの写真で分かりにくいが、床下に右写真のような整流板を
付けていることが認められる。上のスカート方式と併用することは無いよ
うだ。広大な大陸国のアメリカでは、前回紹介したように州毎に最高制
限速度に幅があり、効果も影響を受けるだろう。
トレーラ下部整流版(フェアリング)の(例)
この方式の整流板は一般にトレーラスカートと称されている。長いトレー
ラの床下空間の整流の観点からは路面との間隔は出来るだけ小さいこと
が望ましいが、路面の段差なども考慮しなければならない。下部にラバー
材を併用する方式もある。
SmartTruck社アンダ-ボディ整流装置、後部バンパー整流装置、側
面整流板のセットで提供される製品例。当社のHPでは採用前と比較
して10%程度の省燃費効果があるという。
TheTRUCK2016年5月号41
候補を絞り込む意思決定ツールも
 アメリカの長距離運行車で最も一般的な38フィー
ト級バン型トレーラを対象に、走行中の空気抵抗を低
減して省燃費効果を上げようとする製品は多いが、
ユーザーふぁどれを採用するのが自社の場合に適切で
あるか、検討して意思決定する際のツールも提供さ
れている(表2)(図1)
 候補に挙げられた各種方式毎の省燃費効果につい
て、●コンピューター上のシミュレーション、●スケー
ルモデルや実車を用いて行う風洞実験、●閉鎖的試
験場での実車走行試験、●試験車による路上走行試
験、さらに●フリートユーザーの保有車輌で同型車・
同種稼働条件車間での比較実用試験、など公表迄に
入念な手順による検証を経て公表されている。
 製品化された後も、各種の方策を候補に挙げて説明
した上で、ユーザーがどれを選択して採用するか検討
を行う段階で判断材料となる〝意思決定ツール〟も提供
する。これには、最後に対策工事に要する平均的費用
とそれでもたらされる効果(最終的には燃料費節減)
何年間でペイするか、という目安も示されている。
 なお、この(表2)はNACFEがHP上で公表して
いる研究成果を筆者が翻訳して一表にしたもので、
事例として掲げた写真の製品について特定の方式を
推奨するものではない。

世界の大型トラック省エネ対策研究
トレーラ後部整流版の例(STEMCO社:TrailerTail
)ヴォルテックス渦流創生方式
細かい渦流(Vortex)を生成して大きな乱流発生を抑制する方式も提案
されている。写真の例はトラクタとトレーラ間ギャップ部の整流を目的と
ているが、トレーラの外板に応用する試みもある。費用対効果の見極め
が必要だろう。
トレーラ後部整流版の例(STEMCO社:TrailerTail)
樹脂系板材を用いた折りたたみ構造。左右ドアに取りつける方式で、
ア開閉操作で自動的に畳まれる仕様も提供されている。 
通風式マッドフラッ
マッドフラップによる空気抵抗は相対的に大きなものではないが、雨天
走行中のスプレイ抑制効果を保持しつつ空気抵抗が低減できる通風式
のものがアメカで近年増加しているという。
ダブルス・リプルストレーラ
連結トレーラ数を最も一般的な1台から2台(ダブルス)〜3台(トリプル
ス)に増加できる環境であれば、積荷重量当たりの燃費は大幅に向上す
る。近年のトラクタはエンジン出力が大きなっているから自社の場合に
導入可能か、検討に値する課題であろう。
TheTRUCK2016年5月号
42

TheTRUCK2016年5月号43
見習うべき取り組み
 今回採り上げたNACFE(北米貨物輸送効率化委
員会)は、車両メーカーとユーザーを束ねた広義の運
輸業界が省燃費対策にどの様に取り組んでいるか、
細かに着眼点を整理してそれぞれの効果を検証して
客観的なデータに基づいてユーザーに判断基準を提
供する、臨時の編成のようではあるが民間主導でか
つ中立な組織は、アメリカならではの展開である。
 前回の冒頭で、この組織が動き出した当時の国
家アメリカとしての立場は地球温暖化の具体的影
響が論じ指摘され始めた時期に一致し、温暖化ガス
(GHG)排出が世界一であったが故に京都議定書
COP3に調印しながら後に脱退したアメリカの身勝
手さにCOP3で削減義務を負って実行するわが国
を初めとする加盟国は白い目を向けていた。
 当時、表向きの表明は無かったがアメリカ国内で
は自国の果たすべき責任が論じられて、ここに採り
上げたような削減努力を組織的に始動させたとみる
ことが出来きよう。社会風土の違いがかたちに現れ
たと思うが、自動車(トラック)という切り口でみて
もシャシメーカー、ボディメーカー、部品メーカー
が夫々に工業会を持つわが国ではここで紹介したよ
うな横断的取り組みは、依然、望むべくもないのだ
ろうか。
わが国でもトレーラ化推進論議が
 本稿を入稿した前日の4月11日、国土交通省主
導で物流効率化を謳ってトレーラ化を今後推進する
とのニュースが流れた。「仮に20トンの貨物を運ぶ
場合、現行の大型トラック(単車)では一度に運びき
れない。トレーラを連結すれば一度に運べる。」との
コメント付きであったが・・。どうも、現用中の単
車にフルトレーラを連結する事を想定したような話
であるが、運輸事業者からすればサービスレベルと
コスト競争力、大局的に見て不足気味のドライバー
問題など総合的に検討すべき課題であろう。(この稿
おわり)

TheTRUCK2016年5月号44
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その③
̶
石野 潔
トラックではないがジュネーブショー(乗用車)に行ってきたの
で点描する。はるかにシャモニーやモンブランを抱く南アル
プスからの風は冷たいが、・レマン湖に春を告げる「ジュネー
ブモーターショー」が華やかに開催された。自動車メーカー
を持たない中立国で開催されるショーは出展各社すべてに公
平で、選び抜かれた質の高い格調ある展示内容には定評があ
る。乗用車だがショーの雰囲気を描いてみた。
ジュネーブ市内、モンブラン橋から見るレマン湖の噴水
会場「PALEXPO」は空港,駅、バスターミナルに隣接し便利。
ジュネーブ中央駅からバスで約20分。

TheTRUCK2016年5月号45
 開閉場は10〜20時でゆっくりと観察できる時間帯を持つ。会場は柱のない7ホール(11万㎡)を使
用、天井からはむき出しのトラスフレームに無数のライトが備えられ展示各社同等に煌めく星のごとくのライ
トが降り注ぎショー独特の雰囲気を演出している。
 車両は当ショーでプレミアム展示した「Ferrari・GTC4LUSSO」スポーツクーペ+ワゴンのクロスオー
バーSUV、6.2L、ガソリン、V12、690PS、697Nm、0-100kmh/加速3.4秒、4駆4WS。

TheTRUCK2016年5月号46
 欧州のショーにはなくてはならない超高級車! BENZ、BMW、VW、AUDI等独車やイタリア、
フランス、日本車などは例年通りの混み具合だが、やはり注目は最新の超高級車でいずれも前頁の
Ferrari同様当ショーでのプレミア、上は「BugattiChiron」ガソリン、8.0L、W12,、1500ps、
1600Nm、0-100㎞h/加速2.5秒、3億円、下はボンドカーの「AstonMartin-DB11」、ガソリン、
5.2L、V12、608ps、713Nm、0-100㎞h=加速3.9秒、(奥の絵は初代ボンドカー展示)
様々なショーに見るコンセプトトラック
̶
その③
̶

TheTRUCK2016年5月号47
 TOYOTA+PSA(Peugeot、Citroen)の共同開発MPV、プレミアトヨタ欧州向け「プロエース」
(ʼ13年PSAからのOEM車)のフルモデルチェンジ、3社各車、フロント周りを固有に変更以外ボデー
一般は全車共通、欧州生産はフランス。「・トヨタプロエースヴァーソ、・プジョートラベラー、・シトロエン
スペースツアラー」

自動運転トラック研究
早春のアウトバーンを隊列を組んで走るメルセデス・ベンツ車。右側車線はトラック用で耐重量コンクリート舗装。隣の乗用車車線
はアスファルト舗装で適正なコスト配分が行われていることが分かる。それにしても広い路側帯と路肩だ……。
TheTRUCK2016年5月号48
欧州で半自動化大型トラックによる隊列走行が在欧全6メーカーが参加
して行われ成功裏に全車が完走した。各メーカーの本拠地を出発地とし、
ゴールはオランダのロッテルダム港。初の広域隊列走行の記念すべき成果
を現地から報告する。
自動化大型トラックによる
隊列走行
欧州初の広域実験
成功裏に完走
リポート:
スヴェ
エリクリンドスラン
翻訳・構成:
西襄二

オランダ国土交通大臣を務めるMrs.メラニー・シュルツ。今回の「隊列走行ラリー」を企画推進した。自国のDAF車に乗っても、演台でのプレゼンも堂
に入ったものだった。
TheTRUCK2016年5月号
49
隊列走行とは
 一定のレベルで自動運転化された複数台の大型ト
ラックが隊列をなして走行する様子を英語では〝プラ
トゥーニングplatooning〟という。夫々の車は搭載さ
れたWiFi機能を通じて周囲の交通状況と相互車両間
の情報を交換しながら、従来の夫々が独立して専ら
ライバーの運転技量に異存して走行していた運転方
法では考えられない近接した車間距離で隊列走行す
るのである。インターネットによる通信(コネクティヴィ
ティ)と自動化された運転システムの調和が実現させ
た新時代の道路輸送の姿だ。
 意図して隊列を組むトラックの相互車間距離は、
レース車の世界で使われる究極の(前車に極端に接
近して後続走行すると前車の後部の渦流による低圧
ゾーンを利用する)〝スリップストリーミーング〟走行方
式のようにエンジン出力に余裕が生ずるので、隊列の
2台目以降のトラックは省燃費効果が享受出来るメリッ
トがある。一方で、他の一般通行車両は自由に走行
出来るのがこの試みの特徴でもある。
 隊列の先頭車は常に運行経路と走行速度を決定す
る。WiFiによって隊列走行相互車輌間では制動機能
(ブレーキング)が同期して作動する。タイムラグは
理論的に生じないとみてよいから、近接車間間隔は制
動時にも維持される。傍から見ていて車間距離が伸
び縮みするアコーディオン現象は生じない。
 トラック隊列走行は最大10%の省燃費効果を発揮
し、同時にこれはCO
の排出削減に通ずる環境性
能を発揮する。事業主にとっては燃料費節減を意味
する。
オランダが主導して企画
 欧州共同体EUは加盟国が6ヶ月毎に持ち回りで
大統領の地位を担うことになっている、2016年前
半期はオランダがその任に当っている。実は、今回
の欧州トラックメーカー6社が等しく参加して行われ
「半自動トラックによる隊列テスト走行」は、この期
間にEU圏内の交通規則の調和について加盟国間の
協働歩調を確立したいというオランダの強いリーダー
シップにより象徴的イベントと位置づけられて実行さ
れたのである。いわば、公道を使って隊列走行の優
位性を広く世界に発信する為の壮大なデモンストレー
ションである。
 このイベントの支持者達によれば、隊列走行は道路
輸送について環境負荷を低減させ安全性が高まり輸
送効率も高まるとしている。そして、欧州の大型トラッ
ク6ブランド車が夫々の本拠都市からオランダのロッ
テルダム港へ向かって、各社が開発した技術による隊
列走行車を走らせ、4月6日に全車が無事到着した。

自動運転トラック研究
DAFはセミトレ2台隊列で参加。同社は資本系列では米
PACCAR社のグループに属するが、アメリカのオーナーオ
ペレーター層に根強い人気を保持しているKenworth車及
びPeterbilt車のモダナイゼーショ(近代化)に大きな影響
を与えている。
IVECOもセミトレ2台隊列で参加。欧州内のシェアは大き
はないが、イリーを代表する自動車・産業機械/車両当
の総合メーカーとして存在感を示している。
VOLVOの隊列は3台構成。本拠地瑞イエテボリか
ら1300km走行してゴールした。フランスのトラック名門
RenoultTrucksと米Mackという歴史有るブランドを傘
下に持つボルボは、二重投資を避けて今回のラリーには
Renault車は参加させなかった。同車のユーザーは微妙な
受け取り方であったかも知れない。
TheTRUCK2016年5月号50
これは一大ラリーだ
 3月29日から始まったこのイベントは一種の
「ラリー」といってもよいだろう。参加したDAF、
Daimler、IVECO、MAN、SCANIA、VOLVOの
6社グループの参加隊列車は、夫々の母国を起点に
ゴールのオランダの国際商業港目指して隊列走行車
を走らせるというものである。
 今回の「ラリー」(訳者注:S-ELによる原文では今
回の企画をコンボイconvoyとしているが、目的地
を定めて各地から隊列を組んだトラックが集まる内容
から、訳者の感覚でモータースポーツのラリーに例
えた。には、ヨーロッパ自動車工業会ACEA所属
のトラックメーカー6社グループ〈DAF、Daimler、
Iveco、MAN、Scania、Volvo〉が全て参加して
いる。(訳者注:車名でいえばルノーRenaultがない
ではないかとの指摘があろうが、これはVolvoトラッ
クスグループに含まれる。

SCANIAはセミトレ3台の隊列で参加。瑞ストックホルム市隣接の本拠
地ソーデルタルエから1500㎞走行してゴールへ。同社のトップがMAN
のトップに就任する事例は過去にあるが、昨年はボルボグループのップ
にスカウされたことで話題を呼んだ。
MANの隊列はセミレ2台構成。独ミンヘンから845km走行してゴー
ルした。スウエーデンのSCANIAと共に独VWのグループに属している
現在、隊列走行技術には両車が共有する部分は多いものと推測される。
TheTRUCK2016年5月号
51
交通法規上の障壁について
 現在、EU域内各国は半自動トラックの隊列走行を
許可する基準と手続きが夫々に異なっており、若し国
境を跨いで隊列走行車を運行しようとすると、全通過
経路の管轄国に申請して認可を得なければならない。
各メーカーの通信方式も統一されているわけでは無
い。だから、隊列走行車のブランド間に互換性がある
とはいえない。従って混成ブランド車による隊列走行
は現実的ではないのが現時点の実情である。
 近年、一定の完成を見たばかりの隊列走行技術だ
が、今回は関係各国間で特別の許可を得て行われ
た。広くヨーロッパを縦横にトラックで隊列走行しよう
という場合には、未だ様々な障壁がある。技術的に
は一応の水準に達したのだが統一されているわけでは
なく、交通法規を含めた様々な法規上の違いもEU
構成国間に横たわっており、相違点については今後
かなりの調整が必要である。
「自動運転の隊列走行車を本格的に実用化しようと
すれば、関連法規の調和が欠かせませんね」と語るの
はACEAの商用車部会を代表するDAF社の社長兼
CEOのハリー・シッパー氏である。
更なる試験が重要
 隊列走行の実用化に向けては、様々な観点から試
験を重ねることが次の重要な局面である。開発が進め
られた最新仕様車を用いて各種の試験を行おうとする
メーカーに対して、国として支援を表明している政府
も少なくない。従って、一般大衆の関心を高め理解
の輪を広めてゆく努力も求められるところである。重
ねていえば、全ヨーロッパ規模の展開が蓬莱の普及
に向けて極めて重要なカギとなる。
冒頭の基調講演
 今回の記者会見の冒頭に基調講演したジェレミー・
リフキン博士は未来学者としても著名であるが、「今
回の自動隊列走行を含むトラックの自動運転を第三の
産業革命として、IOTと言われるモノのインターネット
が今後のビジネスを今後のビジネスを根底から改革し
て新たな参入機会を生み出すだろう」と述べている。
 一方で、「今回のラリーは史上初の試みで有りその
成果は将来の可能性を予言するものです。手に手を
携えて経験するこのイベントは近くアムステルダムで
開催される欧州運輸大臣会議の重要テーマになるで
しょう。私達が自動運転車の実用化に向けた法規上
調和を討議する場面でこの成果は貴重な材料となりま
す」と語るのは今回のラリー企画を推進したオランダ
国土交通大臣を務めるメラニーシュルツ女史である。
代表的な技術的特徴
【ボルボの場合】
 ボルボグループはいち早くこの計画に参加すること
を3月18日に開催された記者会見で公表した。こ

自動運転トラック研究
今回のラリーには参加しなかったが、SCANIA、
VOLVO両社は(上の写真)に掲げた北欧特有の長
大連結車でも隊列走行技術の開発を行っている。鉄
道の希な地域を走る路上列車と言ってもいいだろう。
人口希薄なスカンディナヴィア地域では、欧州圏内でも道路輸送効率を
高いレベルで維持することは物流上の要諦である。ボルボが作成した資
料は、欧州の一般路では運用されていない大型長大連結車の規格が示
されている。上段:連結全長16.5mのセミトレ(欧州全域で標準的仕様)
/積載容積100㎥/積載重量16ton/燃料消費率37L@100㎞、中
段:連結全長25.25m/積載容積160㎥/積載重量24ton/燃料
消費率48L@100km、下段:連結全長32m/積載容積200㎥/積
載重量32ton/燃料消費率53L@100㎞。VOLVOやSCANIAブラ
ド車に600馬力級の大出力エンジン搭載車があるのはこした需要に
応える為でもある。
TheTRUCK2016年5月号52
の時、半自動化されたトラックの実車3台が駐車場に
待機しており、オランダが誇る欧州最大のコンテナター
ミナルであるロッテルダム港に向けて出発するところ
であった。
 スウエーデンを本拠とするボルボは、3台のトラッ
クを次のように構成した。即ち、先頭車はヨーロッ
パで標準的な連結全長16.5mのセミトラクタ/ト
レーラである。2台目は、スカンディナビアで多用
されているBトレインと称される全長25.25mのフ
ルトレーラ。そして最後尾には、これもスカンディナ
ビアでよく見かけるデュオ/ダブルスと呼ばれる全長
32mのダブルスである。連結車両総重量GCWは、
中間を走るフルトレは74トン、最後尾のダブルスは
90トンである。最大積載重量は前から順に16トン、
24トン、32トンである。スウエーデン国外の欧州
諸国での走行時には、ボルボのセミトラクタは3軸の
標準的セミトレを牽引して連結全長16.5mで走行し
ている。
■車間距離は3分の1へ
 隊列走行の形態として最も分かり易いのは車間距
離の短縮だろう。3台のボルボトラックスは通常のド
ライバーによる運転では考えられない超接近した車間
距離で走行する。隊列を組む3台は互いに無線で交
信状態を保ち、必要に応じて3台があ
たかも同時に加速したり減速したりする
ことが出来る。
 欧州では通常、80km/H(秒速
22mに相当)走行時には車間距離を
3秒速に相当する66m以上保つ事を
義務づけられているのに対し、接近車間距離という
のは、隊列走行時には上の原稿基準に対し3分の1
の22mの距離で追従するように設計されている。
【ダイムラーの場合】
 3月21日にデュッセルドルフで行われた記者会見
の席上、ダイムラートラックスは独自に開発した一連
の自動運転トラックを公開した。〝ハイウェイ・パイロッ
ト・コネクト〟がそれである。自動運転車の隊列走行
での他社との違いについて、メルセデス・ベンツは
次のように説明している。隊列の先頭車は交通状況
が許す条件で自律走行を行い、追従する2台目以降
はこの動きに従って同じ挙動で隊列を維持する。

ダイムラーは2014年に閉
鎖路で隊列走行の試運転
に成功している。翌2015
年には一般公道で公開し
た。今回はセミトレ3台編
成での参加であった。独
シュッツガルトから620㎞走
行してゴールした。
TheTRUCK2016年5月号
53
■2014年に初走行
 ダイムラー社は2014年7月にドイツ国内マグデ
ブルグで最初の自動運転トラック「ハイウエイパイロッ
トシステム」を披露している。この時のデモ走行は一
般車が走行しない特定のハイウエイで行われた。翌
2015年には、早くも一般路で自動運転走行を披露
している。これに用いられたのはアメリカのフレートラ
イナー車で、場所はネバダ州であった。
 ダイムラーは記者会見当日、デュッセルドルフ近郊
まとめ
 トラックの自動隊列走行は道路輸送をより安全で環
境に優しく、高効率化する上で大きな可能性を秘めて
いる。隊列走行によって人間の運転では実現し得な
い近接車間距離走行が実現し、定速で加速や制動操
作の少ない走行が実現し、結果として10%程度の
燃料消費低減に結びつけば温暖化ガスCO
にも寄与
して一層環境に優しい輸送システムが実現する。外
部情報を走行条件に反映させる(コネクテッド)運行シ
ステムは安全性の向上にもつながる。というのは、人
間が運転する場合には視認によって制動操作の必要
を感じてから実際にブレーキ操作が開始される迄の反
応時間がありこの間は空走するわけだが、自動運転
車ではこうした反応時間はほぼゼロであるから安全性
は向上する。
 そ隊列走行が実現すると、既存の道路の運用効率
が改善され有効輸送容量(キャパシティ)を向上させる
のアウトバーン52号線で3台の隊列走行車を走ら
せ、これをヘリコプターからの空撮中継映像を交えつ
つ、運転席内の様子と共に隊列走行の模様を公開し
た。アウトバーンの出口に差しかかった際、隊列走行
車の間に乗用車が割り込んで来た場面では、その後
部の隊列車は安全な車間距離をとって進路を譲り、乗
用車が出口を出た後は元の短い車間距離に戻った。
そして、記者会見の会場駐車場に整然と進入して来
て見守る記者達に深い感銘をもたらした。
ことが出来るから、貨物のデリバリーに要する時間は
短縮され交通渋滞も減少が見込まれる。速度も環境
性能も向上する新たな道路輸送方式は、世界的にも
競争力を高めるだろう。
◇  ◇  ◇  ◇  ◇
〈訳者補足〉
世界同時進行で進む自動化隊列走行
 大型トラックの隊列走行は、自動化運転技術の進
展に伴い実用化に向けて世界同時進行の様相を呈し
てきた。今回は欧州の最新動向をスウエーデン在住
のスヴェン-エリク リンドストランド記者がリポートし
てきたが、わが国の場合、大型トラック4社の主力
車を互いに一定の統一自動化仕様で準備し、各車1
台の合計4台が隊列走行する試験を2013年に成
功させている。これについて訳者がリポートした記事
(2016TheTRUCKガイドブック)を以下に再掲し
ておくので欧州の場合と比較してほしい。

自動運転トラック研究
隊列走行中の国内大型4車の実験車:AISTつくばセンターのテストコースにて
=提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
開発コンセプトの詳細は本文参照
=提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
TheTRUCK2016年5月号
54
わが国の場合
 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構)が2008年度から2012年度にか
けて行った「大型トラックの自動運転・隊列走行実験」
の例がある。5か年間に44億円を投じた大きなプロ
ジェクトであった。国内トラック4社の当時の量産車
ベースで実験用装備を施した実験車が使われた。本
プロジェクトではAIST(国立研究開発法人産業技術
総合研究所)つくばセンターのテストコースで実験が繰
り返し行われ、最小車間距離は同一メーカー(日野)
車どうしでは4mまでの接近が実現可能と確認でき、
さらに、異なるメーカー車の隊列にも成功したと報告
されている。第二東名道路の神奈川県海老名JCT・
愛知県豊田東JCT間の開通時期が2020年と計画
されているが、この高規格道路での実用化を視野に
入れた開発である。
 狙いは、隊列を組みその車間距離を実用上最小と
目される4mに維持して80㎞/Hの高速走行を行
い、運転者の疲労軽減、空気抵抗の低減による省燃
費、通行車両の単位時間当たり通行量の極大化など
が挙げられている。こうした成果を支える要素技術と
しては、以下が採り上げられている。
〔1〕隊列形成(個々の車両の位置を認識して隊列を
形成し管理する技術)
〔2〕車線保持制御(道路端の白線を認識して操舵を
制御する技術)
〔3〕車間距離維持制御(車車間通信と車間距離検出
によって車間距離を制御する技術)
〔4〕障害物との衝突回避制御(障害物を検出し、レー
ンチェンジや非常ブレーキ制御を行う技術)
〔5〕先頭車追尾制御(分合流部、降雪や悪天候時な
どの白線認識不可時に先行車を認識し追従す
る技術)
 現在は単車、或いは連結車
がそれぞれ単独で走行し、安
全車間距離は80km/Hで走行
するなら80mが推奨されてい
る。大型トラックの外形の特徴
は大きな立方体であり、荷室内
の積載効率を優先する角ばった
形状が一般的だ。この形状は切
り立った後面に乱流を生じて低
圧領域を形成するから“ドラッグ
(後方へ引かれる力)”が生じ
て空力的抵抗となる。この車体
形状の特徴を継承しつつドラッ
グの軽減策として後面に整流板
を取り付けて空力特性を改善して走行燃費改善に実
効を上げている対策手法もあることは本誌でもリポー
トしてきた。
 NEDOプロジェクトのリーダーを務めた名城大学
理工学部情報工学部津川定之教授(当時)の着眼点
は、ITによる自動制御を高度に効かせて車間距離を
極小化し、隊列を組んだ後続車が前車が引き起こす
後部乱流域内に車頭を突っ込んでドラッグを逆手に利
用して燃費改善効果を引き出す、というものだ。実
は、これはサーキットレースの世界では昔から利用さ
れてきた後続車の省エネ手法“スリップストリーミン

TheTRUCK2016年5月号
55
グ”そのものである。NASCAR(全米自動車競走協
会)が主催するレースでこの手法を利用して長い隊列
が生じる現象がみられることがあることをこの方面に
関心の高い読者は記憶されているだろう。
今後の開発計画
 具体的な計画を表立って明らかにしている国内メー
カーは2015年12月現在無いが、内部の開発の動
きは熱が高まっていることが推察できる。その刺激に
なるのが第二東名道路の長距離
全通時期が近づいてきたことで
あることは間違いない。第二東
名の計画段階では、道路施設側
に電子誘導設備を埋設し、これ
を利用して専用車線を“トラック
列車”を走らせるようなアイディ
アもあったと記憶するが、トラッ
ク側で“オートノマス”自動運転が完結すれば自由度
が大きく応用範囲も広い筈だ。
 第二東名区間に限って実用を認可する動きも考えら
れれば、欧米の動きにキャッチアップするのもそう時
間がかかることではないだろう。楽しみに見守りたい。
 トラックは陸上輸送機関の中で最も一般消費者の日
常生活に深くかかわっているが、トラックドライバーの
不足がわが国では現実の問題となりつつある。また、
一たび事故を起こせばその影響は重大となることが多
いことも考えると、この自動運転車の普及は長い目で
みてどうしても必要とされるだろう。
実験に供された4車のトラック主要諸元
いす動車 日野自動車 三菱ふそ UD
者名 スパ
形式 CYL FW1EXBJ FS55VVZ QXG-CD
全長 11,960 11,985 11,990 11,995
車両重量 10,720 11,345 11,100 10,910
=提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)=

TheTRUCK2016年5月号56
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌴
北の大地でトラックボデーを造り続ける
全国に知られる老舗ボデーメーカー
優れた技術力で
オーダーメイドの特種車を製作
新分野へ
積極的に取り組む企業姿勢
札幌ボデー工業㈱
(札幌市西区発寒)

く技術屋に間違いられますが大学は経済学部なんです、
と堀田社長
TheTRUCK2016年5月号57
創業67年目を迎えた
北のテクノロジー発信基地
 本誌がまだ「特装車とトレーラ」時代に北海
道と東北地区を担当していた。その関係で今
回訪問する札幌ボデー工業㈱には何度も訪ね
ている。40年近く前、記者になりたての若造
時代に同社を取材訪問してそのボデー製造レ
ベルの高さに驚いたことがある。特に、FRP
を利用した成形技術のすばらしさは今でも忘
れていない。
 同社のホームページには「お客様とともに
60年」とあるが、創業は昭和24年(1949年)
なのですでに創業67年目を迎えている。つま
り、70年近い歴史を持つボデーメーカーの老
舗の1社である。
 会社の大まかな沿革としては、▽昭和24年
6月・札幌ボデー工業株式会社創立、▽昭和
34年7月・北海道菱和自動車販売株式会社と
合弁、▽昭和41年10月・北海道三菱自動車
販売株式会社に商号変更、▽昭和52年10月・
現在の札幌市西区発寒鉄工団地内に移転、▽昭
和54年4月・北海道三菱自動車販売株式会社
より札幌ボデー工業株式会社として独立、▽平
成4年11月・4WD高規格救急車「トライハー
ト」完成、▽平成6年12月・本社社屋および
新工場新築、▽平成15年11月・車両運行管
理システム発売開始、という流れになる。
 「北のテクノロジー発信基地」というタイトル
が付いた同社ホームページには、製品案内も含
め、いろいろな情報が詰め込まれている。その
中の会社紹介の一部を抜粋して紹介しておく。
   ◇   ◇   ◇   ◇
《北のテクノロジー発信基地》
 札幌ボデーは昭和24年の創業以来、車体
メーカーとしてボデーの製作に一貫して取り組
んできました。また、FRPを北海道で始めて
トラックボデーに取り入れ、鉄鋼板金加工技術
とFRP成形加工技術を融合させるなど、多様
化するニーズに応えるため新製品・技術開発
に力を入れ、明日の物流システムに貢献する
ニュータイプのトラックを開発・提供し続けて
きました。使う人の立場にたって真剣に考え、
細部にまで行き届いた心遣いで製作し、徹底し
た品質管理の下に信頼される製品とサービスを
提供していきます。
《街角の人気者…
愛されるトラック作りを目指して》
 ユーザーの方々のあらゆるニーズに対応し
て、運搬する品物に最適なバンボデーを製作し
ています。札幌ボデーではアルミ製バンをはじ
めサンドイッチ工法によるFRP製バンなど、
全て独自に開発した技術を駆使して、軽自動車
から大型車まで様々なバリエーションのドライ
バン・保冷車・冷蔵冷凍車をお届けしています。
《オーダーメイドの個性派たち…
あらゆるニーズに応える技術力》
 運搬する品物により、1ユーザーに1仕様の

情報満載の札幌ボデーのホームページ(http://www.sapporo-body.co.jp/)
TheTRUCK2016年5月号58
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌴
オーダーメイドを基本とした特殊用途車を数多
く製作しています。札幌ボデーでは、車両に精
通した技術スタッフが、ユーザーそれぞれの使
いやすさを徹底的に追求しています。
《美しく滑らかに…
アイディアをカタチにするFRP技術》
 北海道で最初に自動車ボデーにFRPを取り
入れた技術をもとに、ユニットバスやSFタン
ク等、高品質の製品を提供しています。札幌ボ
デーでは、自動車・ユニットバスで培われた技
術をもとに、美しい曲面を要求するあらゆる商
品の可能性を追求しています。
《可能性の追求…
新分野への積極的なチャレンジ》
 車両製造技術は、鉄鋼・アルミ・FRP・木材・
繊維など、あらゆる素材を使用し広範囲な技術
が要求されます。札幌ボデーでは、これらの蓄
積されたノウハウを活用し、21世紀に飛躍を
目指す北海道の地場産業として、積極的に新事
業分野に取り組んでいきます。
◇   ◇   ◇   ◇
 札幌駅から函館本線普通列車に乗り、発寒駅
で下車。駅から徒歩10分ほどの場所に同社の
本社工場はある。同社では堀田彰社長が待って
いてくれた。
輸入トラックの車体架装とジープの輸入販売
口コミで全国展開する一品料理の特種車
於久田 札幌ボデーにはこれまでに何度とな
くお邪魔していますが、歴
史あるボデーメーカーの1
社ですよね。
◇堀 田 当社の創立は昭
和24年ですから、確かに
70年近い歴史を持っていま
す。創業当時は海外からの輸
入トラックをベースに車体
架装を行い、ボデー架装を
メインに続けております。ト
ラックがまだ少ない時代に
馬車などの製造をしていた
ボデーメーカーは全国に沢
山ありましたから、当社だけ
歴史が長いとは言えません。
於久田 日本でジープを
扱ったのは札幌ボデーが最
初だったと思いますが。
◇堀 田 創業したころ
は、別会社を設立してアメ
リカからジープを輸入し販
売しておりました。昭和

札幌ボデーのメイン商品のひとつとなる高規格救急車「トライハート」。災害地での
燃料の調達が比較的容易なディーゼルエンジンを搭載し、走破性に優れる4WD2
トラックをベースに振動を最小限に抑えるエアサスを後輪に採用。充分な機材を
搭載しながら全長はワゴン車クラスとなっている。ボデーは札幌ボデーが得意とす
るFRP特殊パネルが使用されている
TheTRUCK2016年5月号59
34年にその会社と一度合併しましたが、その
会社は北海道三菱自動車販売となり、その後、
昭和54年に札幌ボデー工業として独立、現在
に至っております。
 約10年単位でいろいろな動きがあり、兄弟
会社が合併したり独立したりとその部分は少し
複雑です。
於久田 FRPボデーを扱いはじめたのもか
なり早かったと思いますが。
◇堀 田 一体成型のFRPボ
デーを本格的に扱い始めたのが
昭和54年頃からですから、ボ
デー業界の中では早かった方だ
と思います。
於久田 初めて札幌ボデーを
訪問したのは、この場所に工場
を移転(昭和52年)された直後
だったと記憶していますが、そ
の当時にすでにFRPを扱って
おられましたよね。
◇堀 田 そうです、その頃か
ら扱っておりました。一体成
型のFRPボデーの本格販売を
開始したのが昭和54年以降と
なります。昭和54年に札幌ボ
デー工業として分離独立したタ
イミングですね。その後少し
経ってから、サンドイッチパ
ネルの冷凍車を開発し発売し
ました。パネルから組み上げ
てFRP冷凍車を新車から製作
するメーカーは少ないでしょう
ね。勿論、大手のボデーメーカー
さんは生産されていますが、私
どものような規模では他にない
と思います。
於久田 札幌ボデーと言え
ば、ユーザーからのニーズによ
り一品料理的に組み上げる特種車で全国的に
知られていますが。
◇堀 田 特種系は全国レベルで扱っていま
す。数台まとまっての受注もありますが、基
本、特種はすべて受注生産です。その殆どは
1台だけとなります。
 当社では、元々設計や開発などをやってい
た技術者が営業に行ったり、お客様の所に営

人体の放射能を測定する装置を搭載した「ホールボディカウンター車」
飲料配送を行う「ボトルカー」。全国的にこの種のボデーを扱っている車体メー
カーは少ない
このところその扱いが増加している移動販売車。札幌ボデーは2車以上の移
動販売車の架装にも対応している
TheTRUCK2016年5月号60
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌴
業と技術担当が一緒に行ったりして、ユーザー
からの要望を理解し把握する体制をとってい
ます。
 特種は設計だけでもかなり時間がかかりま
す。長い場合は3か月以上かかることもありま
す。最初の訪問時に技術担当がいれば、少しで
も時間の短縮ができますから。
於久田 全国展開ということですが、各地に
営業所のようなものを置いている
んですか?
◇堀 田 北海道は勿論、東北、
関東、関西、四国、九州、そして沖
縄まで全国どこでも扱いますが、特
に支店とか営業所は置いていませ
ん。話があれば、例えば沖縄であっ
てもこちらからお客様の所に訪問
して話を聞き、仕様をまとめます。
すべて出張ベースでの対応でやっ
ております。
 当社から新規のお客様へ積極的
に営業を行うことは少なく、口コ
ミとホームページを見て問い合わ
せを頂く場合もあります。全国各
地にいろいろなクルマを納めてい
ますから、そういうお客さんから
同じ車ではないが、こういう車を
つくってほしいという、リピー
ターからの商談も頂きます。
 その他、全国のディーラーさん
からも話を頂きます。その代表が
救急車で、その関連でレントゲン
車などの医療検診車、サンドイッ
チパネルを採用した移動事務室車
などもあります。最近は病院関係
の車両が多くなっております。
 当社の特色としては、特種系の
車両なら軽自動車から大型トラッ
クまで大体のものを生産していま
す。トレーラベースはありませんが…。
於久田 でも、トレーラをベースにした特種
車もいろいろありますが…。
◇堀 田 当社にはトレーラを引っ張るヘッド
がないもので…。(笑)正直、工場も北海道三菱
自動車販売からの独立ということもあって乗用
車と小型トラックをベースとした工場の作りに
なっています。そのまま今日まで来ていますか

美しく、清潔な「FRP一体成形バン」。継ぎ目やリベットがないので広告スペースとしても利用価
値が高い。錆びない、腐らない、抜群の耐久性で、優れた経済性を発揮する
委託生産しているアクリル製のリト用「ビスタカバー」。需
要が伸びているという
TheTRUCK2016年5月号61
ら工場も狭く大型車がギリギリ入るスペースし
かありません。
注目のFRPサンドイッチパネル冷凍車
伸びる2トン車以上の移動販売車
於久田 扱い車種の割合的にはバンと特種で
はどのようになりますか?
◇堀 田 当社は元々が特種からのスタートで
したから、フォード車に消防関連のボデーを架
装した消防車とか、変わったものが多くありま
した。言ってみればそれしかなかったわけです。
 現在では、量的に多いのはFRPサンドイッ
チパネルの冷凍車と保冷車になります。売上的
には、例年、特種車とサンドイッチパネルが半々
ぐらいです。今年は
サンドイッチパネル
の売り上げが若干多
い状況ですので、6
対4ほどになると思
います。
 特種では最近移動
販売車が多くなって
おります。北海道は
広く、過疎になって
スーパーが少なく
なっている地域も
あって、そういうエ
リアに移動販売車が向かいます。買い物難民な
どと呼ばれる人たちがいる場所で使用される移
動販売車が増えています。それと、札幌市内の
団地でも高齢化が進んでおり、近くにスーパー
があってもお年寄りはなかなか行かない。そう
いう場所でも移動販売車は活躍しております。
 そのような状況もあり、最近は移動販売車が
多くなっております。当社は軽タイプも扱いま
すが、基本的には小型トラックベースのもの
で、2トンクラスかそれ以上の車両の移動販売
車を数多く製作しています。軽自動車ベースの
移動販売車を扱っているメーカーは全国に結構
ありますが、2トン車以上のクラスの移動販売
車は他ではあまり製作しておりませんので、北
海道だけでなく本州からも多くの引き合いを頂
いております。
於久田 特殊なものとしてはロープウェイの
ゴンドラをFRPで成形していたと記憶してい
ますが。
◇堀 田 今でもゴンドラのリメイクはやって
おります。最近多いのはスキーのリフトのカ
バーです。高速で移動しますから、風よけのた
めのアクリルのカバーをリフトの座席前に付け
ますが、そういう仕事も委託を受け生産してお
ります。台数的にリフトカバーは多いですね。

TheTRUCK2016年5月号62
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌴
 その他、リフトの機械室小屋とかチケット売
り場だとか、そういうものも製作しています。
クルマ以外では携帯電話の中継基地局などもあ
ります。
於久田 工場としてはここだけなんですか?
◇堀 田 工場はこことこの近くにもう一つあ
ります。工場としてはこの2カ所です。広さは
同じぐらいです。従業員は、社員が68名で、
パートと派遣社員が約20名です。
於久田 創業者は堀田社長のお父様になられ
るんですよね。
◇堀 田 そうです。創業者は父で、当社の先
代です。創業時代は国産のトラックはあまりな
く、その殆どは輸入車で、それにボデーを架装
をする仕事をしておりました。輸入車も限ら
れ、民間で使う車は輸入禁止で、官公庁などで
使う車だけでした。消防車とかそういう公共関
係の車を中心に製作しておりました。
 ジープもアメリカから輸入しておりました
が、(戦争映画に出てくるフロントウィンドウが
前に倒れる幌タイプのジープ)それを輸入販売
しておりました。これらも林野庁、開発局など
の官公庁への納入用です。ジープの後ろに農業
用のプラウを付けてジープをトラクターの代わ
りに利用して、広大な畑を耕すわけです。耕運
機などというものがまだない時代ですから、
ジープを応用しておりました。北海道三菱の前
身の会社がジープを輸入・販売して、札幌ボデー
が後ろのプラウを担当して土を耕すジープ耕運
機を作っていました。私が生まれて間もないこ
ろの話です。
 札幌ボデーは昭和24年に設立されました
が、それより前の昭和20年、戦後すぐに堀田
自動車整備という会社を先代がはじめて、米軍
などが持ち込んだ自動車の整備などをしており
ました。その会社がジープを輸入して販売して
いましたが、その後、ジープは三菱重工で生産
する事になって、直接輸入ではなく、三菱重工
から仕入れて、それにいろいろと艤装して販売
していました。その縁で三菱自動車の北海道の
ディーラーになったわけです。
於久田 先代には私もお目にかかってます
が、前人未到の新しいことを常に考え、それを
実践してこられた偉人だと思います。会社を継
がれたのはいつなんでしょうか?
◇堀 田 会社を継いだのは31年前ですか
ら、昭和60年、1985年です。かれこれ30
年以上になります。
 私の子供のころはボデー工場の敷地内に自宅
がありましたから、回りには車が常にあり、ボ
デーを作っているのをよく見ていました。
於久田 社長のお生まれは何年ですか?
◇堀 田 生まれは昭和22年です。高校まで
北海道で、大学は東京の青山学院大学です。よ
く技術屋だと思われますが、実は経済学部卒で
理工系ではありません。
於久田 タイ国際トラックショーを開催した
時にタイに進出したばかりのジャパンボデー
(JBM)の技術指導をしている息子さんにバン
コクでお会いしましたが…。
◇堀 田 彼は次男です。その節はお世話にな
りました。長男は日野自動車に勤めています。
子供は3人おりますが、末っ子は娘です。
於久田 北海道ですからスキーはベテラン
とか。
◇堀 田 北海道出身なのにスキーもスケート
もまったくやりません。(笑)趣味としたらゴル
フぐらいです。
於久田 タイではJBMさんに冷凍車を出展
してもらいましたが、来場者から注目されてま
した。
◇堀 田 タイにはサンドイッチパネルのボ
デーをつくっているボデーメーカーはあまりな
いものですから、それでJBMに技術協力する
形でサンドイッチパネルの冷凍車でお手伝いす
ることになりました。

昨年9月にバンコクで開催した2015タイ国際トラックショーに出展したジャパンボデー(JBM)のブース。札幌ボデーがJBMに
技術協力を行う形でサンドイッチパネルの保冷ボデーをタイで製造している
TheTRUCK2016年5月号63
於久田 タイを中心としたアセアン各国は物
流、特に陸上輸送のトラックの高度化に取り組
み始めてます。中でもコールドチェーンは重要
な部分です。ブリキのボデーに氷を入れて、そ
の上に肉や魚などの食材を載せて運んでいる
ゾッとするようなケースを目にすることがあり
ますからね。特種系はまだ先でいいかもしれま
せんが、定温輸送は早急に実現させる必要があ
ると思ってます。
◇堀 田 今回のタイでのトラックショーには
JBMから2トンと4トンの冷凍車を出展させ
て頂きました。これからは小型車のピックアッ
プ用の保冷ボデーが必要だと感じており、ピッ
クアップの冷凍車と冷凍機の付いてない保冷タ
イプの2種類の販売を開始いたしました。大き
い冷凍車はまだこれからのようですが、ピック
アップタイプの需要はあるようです。冷凍機が
付いていない保冷タイプでは相変わらず氷を入
れていますが、完全な断熱ボデーですから、輸
送の品質は大幅にアップします。従来のものと
は全然違います。
於久田 次回のタイ国際トラックショーは来
(2017年)3月に開催しますので、その時に
はぜひともピックアップ冷凍車を出展していた
だきたいと思います。本日はお忙しいところあ
りがとうございました。
訪問企業データ
会社名:札幌ボデー工業株式会社
本社所在地:〒063
0835
 札幌市西区発寒15条13丁目4番60号
TEL:011ー662ー2511/FAX:011ー662ー4342
 URL:http://www.sapporo-body.co.jp/
営業品目:【自動車車体部門】FRPバン、セミ・ウォー
クスルーバン、アルミバン、ボトルカー、移動販
売車、4WD高規格救急自動車「トライハート」
災害支援車、放送中継車、サポートカー、その他
【FRP関連部門】各種タンク等住設関連FRP製品、
車両用エアロパーツ等FRP製品
【車両運行管理システム】GPS装置及び管理ソフト
ウエア

耐久性と断熱性に優れる「FRPサンドイ
チバン」(25トン大型冷凍車)
水難向けの「救難機動車」
大型アルミバン冷凍車
災害救助活動に必要な装備を搭載した
「災害救助活動支援車」
テールゲート付きの「ウイングバン」
軽四FRP保冷車
2300冊収納可能な
「移動図書館車」
工事現場の悩みを解決するバイオトイレ搭載の「セーフレッⅡ」
機動性が高いワゴン車ベースの「小児救急車」
胸部と胃部の検診を行う「レントゲン車」乳がんの早期発見に貢献する「マンモグラフィ検診車」
TheTRUCK2016年5月号64
新シリーズ
時代語る
車体人
󱌴
【北のテクノロジー発信基地】
札幌ボデー製品写真グラフ

高速道路で活躍する
「道路維持作業車」
工具類の取り出しを容易にした
「移動工作車」
跳ね上げ式の窓の付いた「厨房車」
業務用食器洗浄器を搭載した
「アラエール号」
田沢湖スイス村のFRP製「リトカー」
軽四タイプの「調理移動販売車」
乗車定員9名の「トリプルキャブ」
キッチンとバスが体験できる「商品展示車」
引っ越し用に利用される
「軽四FRPドライバン」
家畜などの検査・診療用に開発された「大型セミウォークスルーバン
FRP一体成形ボデーの「エアロ移動販売車」
荷台内部を店舗スペースとして活用するタイプの移動販売車
TheTRUCK2016年5月号65

2016年3月11日「トヨタ安全運転インストラクター養成プログラム」卒業式典
クラクションが鳴りやむことのないハノイのスクランブル交差点
TheTRUCK2016年5月号66
海外トピックス
交通事故の無い社会を目指す
「トヨタ安全運転
インストラクター養成プログラム」
トナム初の
『安全運転インストラクター』が誕生
安全運転の知識や技術を広める活動を展開
 トヨタ自動車は、交通事故の無い社会を目指し、各国でさまざまな
交通安全に関する社会貢献活動を行っている。
 その一環として、事業開始から20周年を迎えたベトナムトヨタが
ベトナム公安省の交通警察局と共同で「トヨタ安全運転インストラクター
養成プログラム」を実施。このたび、トナム初となる8名のインスラクター
が誕生した。

会場となったハナムにあるベトナム公安省の「安全運転訓練セン
ター」(CompetencyImprovementandDrivingTrainingCenter)
トナム安全運転インストラクターとして合格した8名
TheTRUCK2016年5月号67
 ベトナムでは2015年に約23,000件の交通事
故が発生し、8,671人の尊い命がなくなるという厳
しい交通状況となっている。ベトナムトヨタは、警察
と一体となって、ベトナムの国民に安全運転の知識
や技術、そして安全の心を伝える「安全運転インスト
ラクター」の養成に着手している。
 トヨタ自動車は、訓練内容についてのアドバイスや
講師の派遣など、プログラム全般を支援。ベトナム
トヨタ社員と交通警察官から選抜された8名がインス
トラクター養成プログラムに参加し、2014年8月か
ら1年以上にわたる訓練を受けている。
 このプログラムでは、テストドライバーや安全運転
インストラクターとして30年以上の経験を持つトヨ
タ自動車の神野氏が講師となり、運転姿勢、ハンド
ル操作などの基礎から、緊急回避ブレーキやスラロー
ム走行など3S走行(SafetySmoothSpeedy)
中心にした高度な運転技術の訓練を実施。加えて、
クルマの構造を理解する重要性や安全に対する心構
えについても学んでいる。
 二輪車が主流のベトナムでは、訓練生たちは全
員、マイカーを保有していないため、この講習以外
にクルマに乗る機会が殆どなく、安全運転スキル習
得には、訓練生各自は苦労していた。毎日、アフ
ター5に会社内の駐車場で業務用車での訓練を行っ
たり、イメージトレーニングをしたり、日本人では想
像できない努力を重ねていた。
 訓練は運転実技以外に、トヨタ自動車から講師を
派遣し、日本で実施している反射材やチャイルドシー
トの重要性、飲酒運転の危険、加齢に伴う身体変

正しい運転姿勢を学ぶ上手なスラローム走行についての講義
自分の運転をビデオで振り返り検証3S走行訓練を中心にした高度な運転技術の訓練
こどもを抱えての急ブレーキの危険性を習得ブレーキオイルなどのクルマの点検
TheTRUCK2016年5月号68
化など、交通安全に関わる幅広い知識を体験ツー
ルを使い伝授され、同時にそれらの教え方もマス
ターする形がとられた。講習は優秀な通訳により、
日本語からベトナム語に通訳されながら行われた。
結果、訓練生からの活発な質疑応答も飛び出すま
でになった。
 ベトナムトヨタのトゥロング氏は、「交通事故防止
は、お年寄りやこどもの行動を理解し、常に思いや
りの心を持ち、運転することなど多くを学びました。
今後自分が教えていく立場として、教えていただい
海外トピックス

ベトナム公安省のタン副大臣
トヨタ自動車の小平副社長
TheTRUCK2016年5月号69
たことをしっかり伝えていきたいと思います」と語っ
ている。
 2014年8月から2015年10月までに5回
の講習が実施され、2016年3月9日にはインス
トラクター認定試験が行われた。運転技術につい
ては、高速のタイムトライアルテストで3Sの習得
を見極め、交通安全知識、マインド、交通安全の
啓発の指導方法は、自身がインストラクターを務め
る模擬講習の形式での試験が実施された。その結
果、それまでの努力が実り、8名全員が無事合格
した。
 2016年3月11日には卒業式典が開催され、合
格者全員に認定証が授与された。列席したベトナム
公安省のタン副大臣、トヨタ自動車の小平副社長ら
関係者からインストラクターに対して、「交通安全の
心をこれからベトナムに広めて下さい」との期待の言
葉が述べられた。
 より安全なベトナムの交通社会を創るための彼らの
活動は始まったばかりだが、今後の成果が大いに期
待できる素晴らしい活動である。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号80
「ダイナカーゴ標準キャブ・標準デッキ・ジャストロー・2t積・ディーゼル車・2WD、“Gパッケージ装着車”
トヨエースカーゴワイドキャブ・ロングデッキ・フルジャストロー・2t積・ディーゼルハイブリド車・2WD、“Gパッケージ装着車”
 TOYOTAは、ダイナならびにトヨエース2t積系を一部改良
し、ダイナは全国のトヨタ店(大阪地区は大阪トヨペット)、ト
ヨエースは全国のトヨペット店(大阪地区は大阪トヨタ)を通じ
て、2016年5月6日に発売する。
 今回の改良では、衝突回避や衝突時の被害軽減を支援す
るプリクラッシュセーフティ(歩行者検知機能付)および車線
逸脱による衝突事故の回避を支援するレーンディパーチャー
アラートを標準装備(標準キャブ・車両総重量5未満の一部
車型)した。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせ、異なる
2つのセンサーで高い認識性能と信頼性を両立させ、多面的
な安全運転支援を可能にしている。
 また、プリクラッシュセーフティは、先進安全自動車(ASV
=AdvancedSafetyVehicle)に対する減税措置に適合
し、車両安定性制御システムVSC(VehicleStability
Control)とあわせて装備
することにより、自動車取
得税は取得価額から525
万円控除、自動車重量税
は75%(初回のみ)減税
される。
 そのほか、スマートエン
リー(運転席・助手席ア
ンサーバック機能付)&ス
タートシステムを設定(オプ
ション)し、利便性を高め
ている。
 さらに、TECS(メーカー
完成特装車)においても
ベース車と同様な改良を
施すともに、新仕様のス
ライド式ダンプや荷台フロ
アの強度を高めたダンプを設定するなど、ラインアップも充実
させている。
小型トラック改良…TOYOTA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ダイナ、トヨエース2t積系を一部改良
衝突時の被害を軽減するプリクラッシュセーフティ初搭載

TheTRUCK2016年5月号81
衝突回避や衝突被害軽減を支援する「プリクラッシュ
セーフティ」作動イメージ
「ダイナスライド式ダンプ」標準キャブ・標準デッキ・
フルジャストロー・3t積・ディーゼル車・2WD
「ダイナルートバン」標準キャブ2t積ディーゼル車2WD4ドア
3人乗り
トヨエース9㎜厚ダンプ」標準キャブ・標準デッキ・フルジャストロー・3t積・ディーゼル車・2WD

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号82
大型トラッ「ギガトラクタ」がフルモデルチェンジされた居住性と機能性を充実させた「ギガトラクタ」の運転席
■新型ギガトラクタの主な特長
【エクステリア・インテリア】
◇新空力骨格キャブにより、空気抵抗を低減させると同時
に、昇降ステップやグリップ等を効率よレイアウトするなど、
使い勝手と経済性能を両立。また、大型フロントグリルおよ
び大型インタークーラーにより冷却性能が向上。
◇運転操作性の向上として、セミラウンドインパネを採用。ス
ッチ類をメーター・インパネ周りに集約し、また使用頻度に
合わせてゾーン分けして機能的に配置することで、運転時の
操作性や識別性が向上し、より効率的な操作を可能にした。
また、ステアリングスイッチとインチ液晶モニターのマルチイ
ンフォメーションディスプレイを採用することにより、安全で負
担のない操作を可能にしている。
◇ショートキャブの標準ルーフを新たに設定。また、ハイルー
フの室内高を160㎜拡大し、開放感を高めた。
◇シートのホールド感や調整機能、通気性などを改善し、より
快適な室内空間とした。
【エンジン】
◇6WG1/6UZ1ともにラジエーターサイズを拡大。
通常の運転操作でエンジンの自動停止と再始動が可能な
「ecostop」の採用により、一部車型で平成27年度燃費
基準+5%を達成。
◇6UZ1エンジン本体を改良。ターボチャージャーの仕様変
更、インタークーラーとラジエーターの大型化、EGRクーラー
の高効率化、サプライポンプの変更、新インジェクターの採
 いすゞ自動車株㈱は、大型トラッ「ギガトラクタ」をフルモデ
ルチェンジしたほか、大型トラッ「ギガ」に新型の軽量化エン
ジンと専用トランスミション搭載の追加車型を設定し、2016
年4月11日に全国一斉発売した。
 法規改正によりらなる大量輸送を実現したトラクタ+トレー
ラ輸送は、輸送業界の深刻なドライバー不足への対応に資
するものとして大いに期待されている。
 今回の法規改正は、平成27年5月1日施行された「道路
運送車両法(保安基準)改正」では、①4×2セミトラクタ(段
差通過試験「適合」のエアサス車)の駆動軸重上限値引き上
げ《10t→11.5t》、②セミトレーラ(特例8車種)の車両総
重量限度引き上げ《28t→36t》、③セミトレーラ(特例8車
種)の長さ限度引き上げ《12m→13m》、となり、平成27
年6月1日施行の「道路法改正」では、①バン型等セミトレーラ
(特例8車種)連結車の駆動軸重引き上げ《10t→11.5t》、
②セミトレーラ連結全長引き上げ《17m→18m(ROH規定
あり)》、③45フィートコンテナ等輸送における許可基準の
改正、になる。
 新型「ギガトラクタ」は、環境や安全、運行コスト低減に加
え、ドライバーの疲労軽減のニーズに車両性能向上で応える
とともに、情報通信による遠隔モニタング「MIMAMORI」を
使用した稼動サポートを通じて、トラクタの大量輸送を高度に
支えることになる。
 なお、年間目標販売台数は大型トラックギガシリーズ合計
で11,000台としている。
大型トラック…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
大型トラック「ギガ」シリーズに追加車型を設定
トラクタと軽量シャシを実現する新型エンジン搭載車

TheTRUCK2016年5月号83
東京モーターショーに展示されていた7.8リッター1カム4バルブ6気筒の
「6NX1-TCS型」エンジン
自動式変速トランスミション「Smoother-Gx」は、スプリター・レンジ機構による前進12段、後退2段の多段トランスミション。電子制御による自動変速により、ドラ
イバーの疲労を軽減し、エンジンとの協調制御を取り入れることで、変速時間の短縮、ドライブフィーリングの向上を実現させている
【情報通信による遠隔モニタリング】
◇単車系ギガと同様に、データ通信とインターネットを融合し車
両データを遠隔で解析する仕組み「MIMAMORI」を標準搭載。
◇「MIMAMORI」で事前に入手した車両データを活用した高
度純正整備「PREISM」により、正規ディーラーならではの高
品質な整備で、ユーザーの車両の稼働確保を強力にバック
アップ。
■新型ギガ追加車型の主な特長
 新開発の7.8リッター6NX1エンジンの搭載により、クラ
ストップレベルの軽量シャシを実現。ローリ用途等に余裕で応
えるすぐれた積載性を確保した。
【新型エンジン6NX1】
◇小排気量とステージターボの採用により、低速域から高速
域まで広い回転域で安定したトルク特性を発揮する軽量コンパ
トな7.8リターエンジン6NX1-TCS(340PS)エンジン。
◇エンジンリターダを採用し、充分な補助ブレーキ力を確保。
◇通常の運転操作でエンジンの自動停止と再始動が可能な
用、超高圧コモンレールの採用により、低・中回転域のトル
クアップを図り、燃費を向上。また、エンジンリターダを採用し、
充分な補助ブレーキ力を確保した。
◇6UZ1エンジンに排気管噴射方式を採用。従来のDPD
再生用の燃料噴射を気筒内で行う方法ではなく、排気管内
に設置したインジェクターにより噴射することでDPD再生の
性能を向上。
【トランスミッション】
◇単車系ギガと同様に、進化した自動式変速トランスミショ
ン「Smoother-Gx」により、スムーサーのシフトショックを低減
し、より滑らかな発進を実現。また、トラクタではすべてのスムー
サーGxの車両に車両走行慣性を有効活用した省燃費運転
「Smartグライド」を設定。
【トータルセーフティの追求】
◇積荷の偏りなどによる横転につながる不安定な走行状態で
あることを検知した場合、警報音とマルチインフォーションディ
スプレイへの警告表示でドライバーに減速を促す「ロールオー
バーウォーニング(ROW)」をエアサス車に標準装備。電子式
車両姿勢制御システム「IESC」の制御と合わせて、トラックの
横転回避を高度に支援。
◇単車系と同様に安全装備を拡充。衝突回避支援機能を
追加したプリクラッシュブレーキは、ミリ波レーダーとカメラを併
用した二重検知により、前方の検知精度を大幅向上。また、
車線逸脱警報(LDWS)も採用。
【高積載の確保】
◇道路運送車両法(保安基準)および道路法の改正により、
4×2エアサス車セミトラクタの駆動軸重が10トンから11.5ト
ンに引き上げられ、さらにフルモデルチェンジによる重量増を
最低限に抑制。けん引できるトレーラの種類を広げた。

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号84
「ギガトラクタ」にはカスタム仕様も用意されている
 日野自動車㈱は、小型トラック「日野デュトロ」を改良し、
2016年5月6日に発売する。
 日野は、安全装備を標準装備として普及を促進することが
交通事故削減に効果的と考え、従来より標準装備化を推進
してきたが、今回の改良では、新たに衝突被害軽減ブレーキ
「PCS(プリクラッシュセーフティ)」および「車線逸脱警報」
を標準装備とした車型(標準幅キャブ、車両総重量5未満、
2WDのディーゼル車のカーゴ車)を設定し、既に標準装備さ
れている車両安定制御システム「VSC(VehicleStability
Control/LPG車には設定なし)」や「電動パーキングブレーキ
(ダブルキャブ・ルートバン・LPG車には設定なし)とあわせ
て、安全装備の一層の充実を図った。
 今回新たに装着車型を設定したPCSは、フロントバンパー
中央に装着したミリ波レーダーに加え、フロントウイドウの上
部中央に単眼カメラを装備しており、歩行者を検知することが
可能で、低速で走行する先行車や、歩行者を含む停止障害
物に対して衝突回避または衝突被害軽減を支援する。また
単眼カメラは車線逸脱警報の車線認識センサーとしても機能
する。なお、PCS装着車の設定に伴い、標準幅キャブ車の
フロントバンパーのデザインを変更している。
 今回発売する「日野デュトロ」ディーゼル車およびハイブ
リッド車は、ASV減税またはエコカー減税の対象となる。
 ASV減税は、先進安全自動車(ASV)技術を備えるトラッ
ク・バスについて自動車取得税、自動車重量税を軽減する
小型トラック…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
小型トラック「日野デュトロ」を改良して新発売
PCS、車線逸脱警報の装着車を設定
「ecostop」を全車に標準装備し、アイドリング時の燃料消
費削減に貢献。
◇排気管噴射方式を採用。従来のDPD再生用の燃料噴
射を気筒内で行う方法ではなく、排気管内に設置したインジェ
クターにより噴射することで、DPD再生の性能を向上。
【新型トランスミッション】
◇シンクロ全段の大容量のカーボンシンクロを採用し、より低
い操作力で、より速い変速を可能にした。9速ならではのワ
ドなギヤレンジですぐれた動力性能を発揮し、なめらかに加
速する。6NX1エンジンとの組み合わせで、9速MT、9速
AMTの設定がある。
■東京地区希望小売価格
いすゞギガトラクタ(QKG-EXD52BD)フルキャブハイルー
フ、リヤエアサスペンション、平成27年度燃費基準達成、
ポスト新長期排出ガス適合、平成21年低排出ガス車認
定取得、プリクラッシュブレーキ・ミリ波車間ウォーニング・ミ
リ波車間クルーズII・車線逸脱警報(LDWS)・ロールオー
バーウォーニング(ROW)・IESC・ecostopを標準装備、
6WG1-TCC338kW(460PS)エンジン、12速AMTで、
19,424,880円(消費税込)。
◇いすギガ(QKG-CYG60BM)フルキャブ標準ルーフ、平
成27年度燃費基準達成、ポスト新長期排出ガス適合、
平成21年低排出ガス車認定取得、プリクラッシュブレー
キ・ミリ波車間ウォーニング・ミリ波車間クルーズII・車線逸
脱警報(LDWS)・IESC・ecostopを標準装備、6NX1-
TCS250kW(340PS)エンジン、9速AMTのシャシで、
15,924,600円(消費税込)。

TheTRUCK2016年5月号85
オールテレーンクレーン「ATF100G-4」
衝突被害軽減ブレーキ「PCS(プリクラッシュセーフティ)
「車線逸脱警報」などが標準装備された「日野デュトロ
(TKG-XZC605M-TQMMB)
特例措置で、PCSとVSCの両方を装備している場合は、
取得税は取得価額から525万円控除、重量税は75%減
税、またVSCのみの場合は取得税は取得価額から350万
円控除、重量税は50%減税となる。
 エコカー減税は、ディーゼル車は取得税40%、重量税
25%の減税、ハイブリド車は取得税、重量税ともに免税と
なる。
 なお、年間販売目標台数は日野デュトロシリーズ全体で
27,400台としている。
■代表車型の概要と価格
【車名・型式・仕様】日野デュトロ(TKG-XZC605M-TQMMB)
標準幅キャブ、標準長ボデー、全低床、スタンダードグレー
ド、PCS標準装備、カーゴ完成車、【エンジン/トランスミ
ション】N04C-UN…100kW(136PS)/5速MT、【最大
積載量】2.0トン、【東京地区希望小売価格(消費税込)
4,315,140円。
【車名・型式・仕様】日野デュトロハイブリッ(TSG-
XKU710M-TQUQC)ワイドキャブ、ロングボデー、全低床、
スタンダードグレード、カーゴ完成車、【エンジン/トランスミ
ション】N04C-UL…110kW(150PS)/ProShiftⅤ(5速
AMT)、【最大積載量】3.0トン、【東京地区希望小売価格(消
費税込)】5,551,740円。
 ㈱タダノはこのたび、最大吊
上げ荷重100tのオールテレー
ンクレーン「ATF100G-4」に仕
様を追加し2016年3月31日
に発売した。
 ATF100G-4は、ブーム・
旋回体を取り付けた状態での公
道走行を可能にしたことで、好
評の現行機にユーザーニーズが
高かったジブ仕様の追加や、さ
オールテレーンクレーン…タダノ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ジブ仕様の追加や環境に配慮した新エンジン搭載など
オールテレーンクレーン「ATF100G-4」を発売

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号86
「ATF100G-4」の作業姿勢
らなる環境に配慮した新エンジンの搭載、安全性の追求、
作業性の向上などを図っている。世界戦略機種(グローバル
モデル)して全世界への供給を目的とし、同社とタダノ・ファ
ウン社(タダノ100%子会社:ドイツ)が共同開発した機種に
なる。
 なお、公道走行にあたっては、実際の通行経路で道路通
行許可を申請し、許可された条件で走行しなければならない。
■ATF100G-4の主な特長
⑴フルオートラフィングジブ仕様を追加
 都市部などの狭い現場における高揚程作業に対応した「フ
ルオートラフィングジブ(FLJ:ジブの伸縮およびオフセット角度
の操作をそれぞれ油圧シリンダで行うタイプ)仕様を新たに
追加。従来はジブ長さに応じた着脱作業のための広い作業
スペースと、長時間のジブ着脱作業が必要だったが、フルオー
トラフィングジブは、より狭い作業スペースで短時間に自力
着脱を可能にしている。ジブ着脱のための作業スペースと作
業時間を削減しつつ、懐の深い高揚程作業が可能となって
いる。なお、従来の「油圧チルトジブ(HLJ油圧シリンダによっ
て、無段階にオフセット角度を変えられるタイプ)仕様も選択
可能。
⑵環境に配慮した新エンジンを搭載
 新たにEU圏内統一排出ガス規制EUROMOT4(世界中
で実施されている排ガス規制のうち、もっとも厳しい排ガス規
制のひとつ)に対応したクリーンでパワフルなベンツ社製エンジ
ンを、クレーン部、キャリヤ部双方に搭載。従来機種と同様
のパワーを維持しながら、環境に優しいモデルとなっている。
⑶カウンタウエイトの改良
 従来21t以上のカウンタウエイトを使用
する場合は、カウンタウエイトの幅が車幅を
超えていたが、今回の改良によりカウンタウ
エイトを車幅2.78m以内に収め、狭い空
間での作業や、構内移動が多い都市部な
どの現場に対応させている。
⑷ディスク方式のブレーキ搭載
 走行ブレーキを現行機のドラムブレーキ
から、放熱性に優れ、高速からの制動に
特に威力を発揮するディスクブレーキに変
更。これまで以上に安全性を確保している。
⑸「HELLO-NET」を標準装備
 テレマティクスWeb情報サービス
「HELLO-NET」を標準装備。「HELLO-
NET」は携帯通信によるクレーンの稼働
状況の掌握と、GPSによる位置情報確
認、らに保守管理のための情報をウェブサイトでサポート。
使用製品の情報をユーザーと共有し、一歩進んだサポート・
サービスを提供する。
■ATF100G-4の主要諸元
【クレーン諸元】
◇最大クレーン容量…100t×2.3m(2×10本掛、アタッ
チメント付)、◇最大地上揚程…ブーム52.0m(HLJ:

TheTRUCK2016年5月号87
モデルチェンジされた中型路線バス「日野レインボーⅡ」
 日野自動車㈱は、中型路線バス「日野レインボーⅡ」をモ
デルチェンジし、「日野レインボー」して2016年5月6日に
新発売する。
 新発売となる「日野レインボー」は、AMT(機械式自動変
速機)の採用と新開発ボデーによる軽量化により全車で重
量車燃費基準を達成している。
「日野レインボー」に搭載している4HK1型エンジンは排
気量5,193リッターと小排気量ながら2ステージターボにより
低回転から高トルクを発揮し、充分な動力性能の確保と低
燃費を両立させている。さらに、新たに採用した6段AMT
は、電子制御による自動変速で
エンジンの燃費の良い領域を適
切に使用することで燃費を向上さ
せる。
 また従来はホイールベース間
の優先席下に設置していた燃
料タンクをタイヤハウス部に移設
し、燃料タンク位置による制約
から横向きだった優先席を前向
きにすることで立ち座りのしやす
さと、通路の通過性を向上させ
ている。あわせて新型客席シー
の採用や室内灯のLED化など
70.0m/FLJ:70.0m)、◇最大作業
半径ブーム…48.0m(HLJ:62.0m/
FLJ:54.0m)、◇ブーム長さ…11.1m
〜51.2m、◇ジブ長さ…HLJ:10.0m、
18.0m、FLJ1.5m+7.4m〜17.4m。
【キャリヤ諸元】
◇エンジン…ベンツOM470LA、◇エ
ンジン最大出力…320kW{435PS}
1,700min-1{rpm}、◇エンジン最大トルク
…2,100N・m{214kgf・m}/1,300min-1
{rpm}、◇全長…13,000㎜、◇全幅…
2,780㎜、◇全高…3,850㎜、◇車両総
重量…39,500㎏。
により乗客の利便性、快適性を向上させた。さらに設置の
簡単な車いす用スロープや車いす固定装置を採用し、車い
すの乗客にも優しいバスとなっている。
■代表車型の概要と価格
【車名・型式・仕様】日野レインボー(SKG-KR290J2)
都市型・中乗、【エンジン/トランスミッション】4HK1-TCN
…154kW(210PS)/6速AMT、【乗車定員】(座席+立
席+乗務員)61人(24人+36人+1人)【東京地区希望
小売価格(消費税込)】20,957,400円、【年間販売目標
台数】日野レインボーシリーズ全体で200台。
路線バス…日野自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
中型路線バスをモデルチェンジして新発売
AMTの採用と軽量化で全車燃費基準を達成

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号88
17年ぶりにフルモデルチェンジされたいすゞ中型路線バス「エルガミオ」
 いす自動車㈱は、中型路線バス「エルガミオ」を17年ぶ
りにフルモデルチェンジし、2016年4月5日より全国一斉に
発売した。
 新型「エルガミオ」は、ノンステップエリアの通路幅・室内
高、および後方段上部の室内長・室内高を拡大し、広々と
した室内空間を実現することで、利便性・安全性をさらに向
上させている。また、優先席まわりの安全性向上、反転式ス
ロープ板の採用による車いす乗降の簡易化・時間短縮化を
図っている。さらに、新たな車いす固定装置により作業の省
力化を可能にするなど、レベルアップしたバリアフリーユニバー
サルデザインを採用した車両となっている。
 その他、環境性能・燃費性能の向上にあたり、軽量コン
パクトな210馬力の4HK1-TCNエンジンを採用。トランスミッ
ションはAMT(自動クラッチマニュアルトランスミション)の1
種類を採用し、アクセルとブレーキの2ペダルとしたことで誰も
が使いやすいイージードライブを実現し、スムーズな運転を可
能にしている。
 なお、年間目標販売台数は200台となっている。
■主な改良点
【バリアフリー・ユニバーサルデザイン】
◇優先席を前向きにし、伝い歩き棒を新設するなど優先席ま
わりの安全性を向上。また、反転式スロープ板の採用によ
り、車いす乗降の簡易化および時間を短縮。作業を省力化
する、巻き取り式ベルトによる新たな車いす固定装置を採用。
◇床をフラットにするため、左前タイヤハウス上部へ燃料タン
クを移設。これにより、優先席を前向きにすることができ、ノ
ンステップエリアを拡大。それに伴い、乗車定員数も増加さ
せている。
【エクステリア】
◇クリーンでシンプルなスタイルを追求し、新しい外観デザイ
ン・ニューフェイスとした。
◇ディスチャージヘッドランプを採用することで夜間視認性を
向上。
◇室内高アップのため、全高を高くしたことにより、快適な空
間を確保。
◇ボディ構造の見直しにより、車両全体で約70㎏の軽量化
を図り、燃費性能を向上。
【インテリア】
◇室内高アップや側窓エリア拡大によって、より開放的な室
内空間を実現。
◇客席シートのグリップ幅を拡大。また、新デザインの樹脂製
シートバックの採用により、軽量化を実現。
◇室内灯、車外照射灯など灯火器にLED式ランプを採用し
たことにより、長期間交換不要で、メンテナンスコスト削減と
もに、メンテナンス性も向上。
【エンジン】
◇軽量コンパクトな210馬力の4HK1-TCNディーゼルエン
ジンを搭載、2ステージターボにより、全回転域において高
効率なターボ効果を発揮し、燃費向上に貢献。
◇重量車モード燃費は平成27年度重量車燃費基準を全車
で達成。
【トランスミッション】
◇AMTを採用。AMTはMTベースにもかかわらずクラッチ
中型路線バス…いすゞ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
バリアフリー・ユニバーサルデザインの採用など
中型路線バス「エルガミオ」をフルモデルチェンジ

TheTRUCK2016年5月号89
中型路線バス「エルガミオ」の室内通路幅・室内高などを拡大した「エルガミオ」(室内図)
シュトゥットガルト市とヘルメス社に「キャンターE-CELL」を提供(引き渡しイベン
の様子)
操作が不要となり、アクセルとブレーキの2ペダルでの運転
操作が可能。またATのようにクリープを利用した微速走行
も可能。
◇ファイナルギアギア比のバリエーションを平地向けや山岳
地向けなど用途に合わせて3パターン用意。
■東京地区希望小売価格
 車型《SKG-LR290J2》、主な仕様…◇平成27年度燃
費基準達成、◇ポスト新長期排出ガス規制適合、◇ノンステッ
プ都市型中乗り、で20,994,120円(消費税込)となっている。
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、シュトゥトガル
ト市と物流事業会社ヘルメス社に小型電気トラック「キャン
ターE-CELL」5台を提供し、1年間の実用供試を開始した。
MFTBCはこうしたプロジェクトを通じて持続可能な都市内配
送を追求していくことになる。
 MFTBCはユーザー、さらには社会のために排出ガスゼロ
の車両を提供する目標を掲げ、実際の厳しい走行条件下での
実用供試を通じ、FUSOの電気トラク技術を実証している。
 今回、シュトゥトガルト市に提供する4台のトラックのうち2
台はダンプ仕様で道路および都市景観工事、他2台はバン
仕様で家財運搬とゴミ収集、また物流事業会社ヘルメス社に
提供する1台は都市内配送に使用される。
 ちなみに、MFTBCはこれまで小型電気トラックやハイブリ
ドなどの次世代トラックの開発に4000万ユーロを投資して
いる。
 MFTBCはドイツ・シュトゥトガルトで2016年4月11日
に実験車両の引き渡しイベントを実施した。イベントに出席し
たダイムラーAGのウォルフガングベルンハルト取締役兼トラッ
ク・バス部門総責任者は、「現代のディーゼルエンジンは高効
率で環境性能に優れているため、長距離輸送で今後も引き
続き使用される一方で、都市内短距離輸送において一部の
車両を数年以内に電気トラックに移行していくことは技術的・
経済的に実現可能です。電気トラック技術のさらなる開発や
実用供試を通じ、我々は都市モビリティに貢献していきます」
と述べた。
 小型電気トラックの開発・製造でリードするMFTBCは、
これまでダイムラーの商用車部門の中でハイブリド技術の開
発を行ってきた。こうした経験を活かし電気トラック開発の責任
電気トラック…三菱ふそ
話題のニュートラック新製品情報・新情報
ゼロエミッションの電気トラック「キャンターE-CELL」を
シュトゥットガルト市に提供しドイツ初の実用供試開始

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号90
豊田自動織機が開発した燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)FCフォークリフトは関西国際空港の国際貨物地区でも稼働している
 ㈱豊田自動織機は、現在開発を進めている燃料電池フォー
クリフト(FCフォークリト)実用化モデル2台を、新たに2016
年3月から関西国際空港国際貨物地区において導入し、実証
を行っている。
 実証については、ANAグループ(ANA関西空港㈱)、およ
びJALグループ(日航関西エアカーゴ・システム㈱)の協力を得
て、各社でFCフォークリトを運用しながら、CO
2
削減効果
や作業性の改善効果の確認を行うもの。
 同社は、新関西国際空港㈱が進めるスマート愛ランド構想の
柱の一つである「水素グリドプロジェト」に参画しており、その
一環として、2015年2月から環境省の「平成26年度CO
2
出削減対策強化誘導型技術開発実証事業」で採択された「燃
料電池フォークリフトの実用化と最適水素インフラ整備の開発・
実証事業」して、FCフォークリトの普及に向けた実用化開
発を進めている。
も担っている。ダイムラートラック・アジア総責任者のマーク・
リストセーヤMFTBC社長・CEOは、「キャンターE-CELL
は実用供試で、環境性と経済性に優れた車両であることが
証明されると確信しています。ポルトガルでの試験では、ディ
ゼルトラックと比較して1万キロの走行で約1千ユーロを削
減することができました」と語っている。
 2015年にはポルトガルで、「キャンターE-CELL」8台の配
送実用供試を行い、電気トラックは短距離輸送や都市内配
送に有用であることが1年間の実証結果で明らかになった。
約100㎞範囲の配送で航続距離が小型トラックの平均距離
 本実証事業では、既に第1弾として2015年2月よりFCフォ
クリフト1台を運用し、連続して高稼働な荷役作業が行わている
空港物流におけるCO
2
削減効果の確認および稼働データ収
集を行ってきた。その第2弾として今回導入する実用化モデル
のFCフォークリフトは、トヨタ自動車㈱の燃料電池自動車(FCV)
「MIRAI」と同じ燃料電池セルを使用した新開発のフォークリ
ト専用FCシステムを搭載している。同社では、自社開発の
FCV部品や電動フォークリフト部品を活用し、低コスト化、信
頼性向上に取り組んでいる。
 FCフォークリトは、エンジンフォークリトに比べ、稼働時
にCCO
2
や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を有し
ている。また、約3分で燃料充填を行い、充電や電池交換な
で連続稼働が可能なことから、電動フォークリトと比較して稼
働効率を大幅に向上させることができる。
 空港、工場、市場などの物流現場ではフォークリフトの使用
を超えており、その運用コストは従来のディーゼルトラックと比
べて最大で64%削減することができた。
 実用供試で使用する「キャンターE-CELL」はポルトガル・
トラマガルにある最新鋭の工場で製造されている。50年の
歴史を持つ同工場にダイムラーは2011年より累計約2700
万ユーロを投資している。同工場は、首都リスボンの北西
150㎞に位置し、敷地面積は3万9,900㎡あり、300人以
上の従業員がFUSOの小型トラッ「キャンター」を生産し、
そのうち約95%の車両が欧州約30カ国およびイスラエル、
モロッコ、トルコに輸出されている。
FCフォーク…豊田自動織機
話題のニュートラック新製品情報・新情報
2016年度中の燃料電池フォークリフト本格導入を目指し
実用化モデルを関西国際空港にて実証開始

TheTRUCK2016年5月号91
日産いわき工場で、福島県の内堀知事、いわき市の清水市長、日産のゴーン社長らが出席して行われた「e-NV200」の寄贈式
FCフォークリフトは関西国際空港の国際貨物地区でも稼働している
 日産自動車㈱は2016年4月5日、2011年3月の東日本
大震災において甚大な被害を受けた福島県およびいわき市
の復興に向け、今後も引き続き強力にサポーしていくこと
表明し、アクアマリンふくしま(福島県)といわき・ら・ら・ミュウ(い
わき市)に、電気自動車(EV)「e-NV200」を各1台寄贈した。
 「e-NV200」の寄贈式は同日、日産のいわき工場におい
て、福島県の内堀雅雄知事、いわき市の清水敏男市長、
および日産のカルロスゴーン社長兼CEOが出席し、盛大に
執り行われた。
 福島県は、今回寄贈する「e-NV200」の「クリーンであるこ
と」「静粛性が高いこと」「多量の電気が供給できること」
いったクルマの特長を活かし、水族館「アクアマリンふくしま」
において、移動水族館への電力供給をはじめ、走る蓄電池と
してさまざまな場面に役立てる予定となっている。
 また、いわき市は、観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」
において、「e-NV200」を物品の搬送やさざまなイベントの際
の電源供給として活用する予定だ。
 福島県といわき市は2011年の東日本大震災において大
台数が多く、高稼動であることから、FCフォークリフトの導入に
よる環境負荷低減効果および作業性の改善効果が高いと予測
れている。
 豊田自動織機は産業車両のトップメーカーとして、水素社会
の実現に向けて、高い環境性能と経済性を両立するFCフォ
クリフトの早期の実用化、2016年度中の本格導入を目指し、
きな被害を受け、「アクアマリンふくしま」「いわき・ら・ら・ミ
ウ」のあるいわき市小名浜地区は2m以上の津波に襲われ、
「アクアマリンふくしま」では、展示生物の9割が損失。「いわ
き・ら・ら・ミュウ」では観光物産店舗が海に流出するという
甚大な被害を受けた。両施設とも再オープンを果たしているも
のの、風評被害等の影響で来場者数は震災前の約7割程
度に留まっている状況だ。日産は両施設の賑わいを取り戻す
ための一助として、「e-NV200」を寄贈するとともに、今後も
継続的に復興を支援して行くとしている。
 日産のカルロスゴーン社長兼CEOは式典において、「e-
NV200は、電気自動車ならではの力強い走行性能はもちろ
ん、クリーン、静か、そして、もしもの震災の時には、電力源
となるクルマです。電気自動車の普及は、“電気の備蓄”と
なり、災害からの復興力を高めます。福島県といわき市には、
既に本格普及が始まっているこの電気自動車を有効活用し、
災害に強い街づくを進めて頂くことを期待致します。我々日
産自動車は、今後も復興支援を継続して参ります。日産、い
わき、そして福島が地域一体となって、明るい未来を築いて
その研究開発に取り組んで行くしている。
■実証事業の概要
◇期間:2015年2月から2017年3月末まで、◇場所:関
西国際空港国際貨物地区(大阪府泉南市)、◇内容:FC
フォークリフト1台(2015年2月より実証中)、実用化モデルFC
フォークリフト2台(2016年3月実証開始)
復興サポート…日産自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
福島県といわき市の復興発展を強力にサポート
電気自動車「e-NV200」を寄贈

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号92
デンソーが扱っている冷凍機のバリエーション。今後は中国でもデンソー
製冷凍機が製造販売されることになる
復興発展をサポートするために活躍する予定の電気自動車「e-NV200」
 ㈱デンソーは、このたび中国において冷凍機の開発設計、
生産、販売を行う勁達技術(河源)有限公司(キングテック
社/本社:中国広東省河源市、董事長:袁旭東)と合弁生
産会社を設立した。新会社の社名は「広東勁達電装冷鏈設
備有限公司」で、2016年3月に設立、この5月から冷凍機の
生産を開始する予定となっている。
 中国では、食の安全意識の高まりなどにより、生産地から
消費地までの温度管理を向上させた
コールドチェーンの充実が求められ
ており、車載用を始めとする冷凍機
市場は今後も拡大する見込となって
いる。今回の合弁会社設立により、
キングテック社が持つ豊富な商品ラ
インアップとコスト競争力に、デン
ソーがこれまで培った高い技術力と
品質を融合することで、中国におけ
る冷凍機開発、販売を強化するとと
もに、食の安心安全に貢献するこ
とになった。また、これを足掛かり
してグローバルにコールドチェーンビ
ジネスの拡大を目指すとしている。
 なお、新会社の資本金は3,000
万元(5.6億円)で、中国の地域統
括会社である電装(中国)投資有限公司が出資を行う。
■合弁会社の概要
◇社名…広東勁達電装冷鏈設備有限公司(英語名:
GuangdongKINGTECDENSORefrigerationEquipment
Co.,Ltd.)、◇所在地…中華人民共和国広東省河源
市、◇代表者・社長…代表者(董事長)袁旭東/社長(総
経理)池本徹、◇設立年月…2016年3月、◇資本金…
3,000万元(約5.6億円)、◇出
資比率…電装(中国)投資有限公
司50%・キングテック社50%、◇
従業員数…約140名(操業開始
時)、◇事業内容…冷凍機の開発
設計、製造、販売。
■キングテック社の概要(参考)
◇所在地…中華人民共和国広東
省河源市、◇代表者・社長…代
表者(董事長)袁旭東/社長(総経
理)崔健、◇設立年月…2006年
10月、◇資本金…800万USド
ル、◇従業員数…約230名(2016
年3月時点)、◇事業内容…冷凍
機、空調機器等の開発設計製造
販売。
中国市場…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
デンソーが中国の冷凍機メーカーと合弁生産会社を設立
中国市場における冷凍機の開発・販売を強化
いきましょう」と挨拶した。
 日産は、同社のエンジン組立・機械加工・鋳造工場であ
るいわき工場も東日本大震災において、大きな被害を受けて
いる。震災では工場内の地盤沈下に伴い、通路の陥没、
設備の損壊等が発生するともに、設備の傾きにより、高い
加工精度を要求される設備が稼働できない状態となっていた
が、他工場や関係会社からの応援や従業員による懸命な復
興努力により2ヶ月という短期間で完全復旧を果たしている。
 ゴーン社長は同日、いわき工場を再度訪れ、「5年前、いわ
き工場は甚大な被害を受けました。しかし福島県、いわき市
の皆さんの協力のもと、従業員が一丸となって復活を果たし、
震災からわずか2カ月で生産を再開することが出来ました。い
わき工場は1994年の操業開始から22年でエンジンの累計
生産が700万基を達成しました。また今年2月には“インフィ
ニティQ60”に搭載する新型“VR30”エンジンの生産も開始
しています。いわき工場は、今後も継続的に事業発展を推進
して参ります」と語った。

TheTRUCK2016年5月号93
プラチンブリ・ロジャーナ工業団地内に開設した日通商事のLSセンター
世界中で活躍するタダノの建設用トラククレーン
 ㈱タダノの100%子会社、タダノ・ファウン社(ドイ
ツ)は、同社のフランスにおける販売・サービスを行う
TADANOFranceSAS(タダノフランス)を設立した。
 タダノ・グループは、長期目標として「LE(Lifting
Equipment=移動機能付、坑重力空間作業機)世界No.1」
を掲げており、フランス市場を欧州におけるドイツに次ぐ注力
すべき重要な市場と位置づけている。
 これまでフランス市場については、タダノ・ファウン
社の代理店を通じた販売・サービス活動を行っていた
が、フランスでのさらなるシェアアップを図り、グルー
プ製品の販売・サービスを行うため、このたびTADANO
 日通商事㈱の海外グループ会社であるAZLタイランド㈱
は、日通商事グループとしてタイで3つ目となるロジスティクス・
サポートセンター(LSセンター)を建設し、2016年3月29日
に開所式をに執り行った。
 新LSセンターは高床式建屋で、倉庫両側の接車バースに
は片側6基、合計12基のドックレベラーのほか、横開きのトラ
クが接車可能なシャター口を3つ装備、多くの車両の搬入・
搬出が可能で15mの庇を設置、大雨でも製品を濡らすことな
く、安全かつスムーズな荷役作業を可能にしている。
FranceSAS(タダノフランス)を設立したことになる。
これにより、フランス市場のニーズに、よりきめ細かく
対応し、これまで以上にユーザーに密着した販売・サー
ビスの強化を目指すとしている。
■新会社の概要
◇会社名…TADANOFranceSAS(タダノフランス)、◇
設立…2016年2月19日、◇所在地…Sarreguemines,
France(フランス、サルグミーヌ郡)◇資本金…50,000ユー
(出資比率:タダノ・ファウン社100%)、◇事業内容…建
設用クレーン等の販売・サービス、◇代表者…取締役社長・
Jean-MarieGrossmann。
会社設立…タダノ
LSセンター…日通商事
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
フランスでのさらなるシェアアップを狙い
ドイツのタダノ・ファウン社がフランスに販売会社を設立
AZLタイランドがプラチンブリLSセンター開設
安全でスムーズな荷役作業を実現

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年5月号94
ポートアイランド内のタダノ・グローバルパーツセンター効果的な在庫管理のためパーツセンター内には自動倉
庫、移動式ラクが導入されている
 また、庫内の照明にはLEDを採用、その他、天井から外
光を取り入れるトップライト」を9m間隔で設置、より明るく作
業しやすい庫内を実現させ、日中の電力使用量を減らすことで
環境にも配慮した施設となっている。
同社は1996年、タイ・アユタヤに現地法人を設立し、梱
包事業をスターさせて以来、タイ国内でチョンブリ、レムチャ
バンをはじめする7地区にロジスティクス・サポート拠点を整備し
てきた。さらに、リース部門や南アジア地区営業開発部門の
設置など、物流関連を中心にさざまな事業を拡大している。
今後も、アジア地区におけるユーザーの多種多様化するニー
ズに応えるしている。
■プラチンブリLSセンターの概要
◇所在地…バンコクから東に約140㎞、プラチンブリロジャー
ナ工業団地内、◇主要業務…輸出入付帯業務全般(量産
梱包一般梱包商流納代等)、◇敷地面積…30,000㎡、
◇延床面積…7,420㎡、◇倉庫面積…6,400㎡。
 ㈱タダノは、現在本社(香川県高松市)内に置かれている
部品供給拠点を兵庫県神戸市(ポートアイランド内)へ移転し、
「タダノ・グローバルパーツセンター」を設立、2016年5月上
旬から本格稼動することになった。
 同社は長期目標として、「L(LiftingEquipment=移動機
能付の坑重力・空間作業機械)世界No.1」「海外売上比率
80%」を掲げ、グローバルでの持続的成長を実現しつつ、世
 ㈱豊田自動織機・トヨタL&Fカンパニーは、フォークリフト
向けテレマティクスサービス(稼働管理システム)「TOYOTA
T̲Site」を、2016年3月29日に全国40社のトヨタL&F取
扱店を通じて発売した。
「TOYOTAT̲Site」は、フォークリトに搭載された各種セ
界中のユーザーサポートの向上と充実を目指している。今回、
神戸市に部品供給拠点を移すことにより国際港、国際空港
に近いメリットを活かし、デリバリータイムの短縮に大きく貢献で
きることになる。また、自動倉庫、移動式ラックの導入による
効果的な在庫管理と在庫部品の拡充、入出庫の迅速化を図
り、顧客に対しての「感動サービス」を提供して行くしている。
■タダノ・グローバルパーツセンター概要
◇名称…タダノ・グローバルパーツセ
ンター、◇所在地…兵庫県神戸市
中央区港島8丁目1番地、上組神
戸ポートアイランド流通加工センター
(2016年4月5日竣工)の1・2階
部分、◇借用延床面積…11.979㎡
(3,630坪)、◇稼動予定時期…
2016年5月上旬、◇供給先…国内
海外全域。
ンサーにより稼働データを収集し、通信システムを利用して、
ユーザーに走行時間や稼働率など様々な情報を提供するサー
ビスである。データを見える化し、物流現場の安全管理や生
産性向上、コスト低減につながる改善活動に活用できる。
 近年、人材不足の深刻化・労働環境の改善要求の高まりな
パーツセンター…タダノ
テレマティクス…トヨタL&F
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
顧客への「感動サービス」提供を目的に
「タダノ・グローバルパーツセンター」を設立
フォークリフト向けテレマティクスサービスを発売
車両搭載の通信システム利用で稼働データを見える化

TheTRUCK2016年5月号95
「TOYOTAT̲Site」はデータの見える化を可能にし各種改善活動に貢献できる
「TOYOTAT̲Site」の画面イージ(ホームページより)
ど、物流を取り巻く環境が大きく変化しており、生産性向上・コ
ト削減・安全管理などの改善ニーズがより一層高まって
いる。
 こうしたニーズに応えて開発されたのが「TOYOTA
T̲Site」である。この稼働管理システムを導入すること
で、現場における車両やオペレーター毎の走行・荷役
時間や稼働率、バッテリーの使用状況などの情報が、
パソコンやタブレット端末で閲覧できるようになる。これを
トヨタL&Fがこれまで培ってきた異常の見える化、ムダ
の見える化など物流現場の管理ノウハウをもとに分析す
ることで、車両の効率的な利用やオペレーターの最適
配置が容易になり、物流コスト低減や現場改善に貢献
できる。また、車両への衝撃回数やレベルを検知し通
知する機能を備えており、フォークリト作業の安全管
理もサポートすることになる。
 なお「TOYOTAT̲Site」は、2015年10月に発売したコン
パクト電動フォークリフト新型「GENEO-Ecore(ジェネオエコア)
への搭載(オプション設定)に限定して販売を開始するが、今
後、搭載可能な車種を順次拡大していく計画となっている。
「TOYOTAT̲Site」の主な機能
①稼働状況管理…車両・オペレーター・拠点毎のキーオン時
間・荷役時間・走行時間・稼働率等の稼働状況を見える化。
②バッテリー状況管理…バッテリーの充電・放電状況を見え
る化。
③車両衝撃検知管理…車両に搭載されたセンサーが車両へ
の衝撃レベルや回数を検知。
④オペレーターアクセス管理…PIN(PersonalIdentification
Number=個人認証番号)コード認証により、車両に乗車可
能なオペレーターを限定。
 ㈱デンソーは、ヒロボー㈱(本社:広島県府中市、松坂
晃太郎社長)の協力を得て、道路の橋などの社会インフラ点
検に使用する産業用UAV(UnmannedAerialVehicle
=無人航空機・ドローン)を開発した。
 これまで道路や橋などのインフラ点検は、自治体など設置
主の自主点検に委ねられていたが、今後、道路や橋などの
老朽化が進むと予測される中、2018年から国が主導し計
画的な点検を行うことが予定されている。そのため、インフラ
の点検の効率化に向けたロボットの活用が求められている。
 今回開発されたUAVは、インフラ点検で求められる3つの
性能を兼ね備えている。その一つ目は強風や雨中でも飛行
できる対候性、二つ目は構造物に近接して定位の姿勢に制
御できる安定性、三つ目は安全制御システムで運用できる安
全性である。
 これらの性能は、デンソーがこれまで培ってきたセンサーお
よび制御のエレクトロニクス技術と、無人ヘリコプターの開
ドローン…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
道路の橋などインフラ点検に活用できる
産業用UAV(ドローン)をヒロボーの協力で開発

The TRUCK News
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TheTRUCK2016年5月号96
ンフラ点検に効果を発揮するデンソーの産業用UAV
渋滞回避や安全運転支援も行える「ETC2.0」
発・製造で長年の実績があるヒロボーの機体開発力を結集
して実現したもの。
 今後は、実証実験を重ねUAVの機体の完成度を高めて
いくとともに、インフラ点検などのサービス開発を関連事業者
と共同で進めていき、国が計画・推進するロボットを活用した
ンフラ点検の本格運用に合わせて、適用可能なシステムに
していく計画だ。
 デンソーはこれからも自動車のエレクトロニクス技術やロボッ
トシステム技術を活用し、安全・安心な社会に貢献できるシ
ステム・製品、サービスを開発・提供して行くしている。
■ヒロボーの概要(参考)
◇社名…ヒロボー株式会社、◇所在地…広島県府中市
本山町530-214、◇社長…松坂晃太郎、◇設立年月…
1949年10月、◇資本金…8,000万円、◇業務内容…
RCヘリコプターの開発・製造、産業用無人機(UAV)の開
発・製造、樹脂成形品の設計・製造。
(公社)全日本トラック協会(全ト協)は、平成28年度の
「ETC2.0車載器購入促進助成事業」を実施している。
ETCコーポレートカードを利用し、平成27年12月18日以
降、新たにETC2.0車載器を購入し、事業用貨物自動車
に導入した都道府県ト協会員事業者が助成対象者となる。
 ECT2.0は、従来の高速道路利用料金の収受に加え、渋
滞回避や安全運転支援といった、ドライバーに有益な情報も
提供するサービスである。さらにETC2.0は、高速道路などに
設置されたITSスポッ(通信アンテナ)それに対応する車載器
(DSRC通信)との高速大容量通信により、広範囲の渋滞・
規制情報提供や安全運転支援な
どが受けられる。また、高速道路
での事故・災害時、および高速道
路外のガソリンスタンド利用などで
一般道に退出して再び高速道路に
乗った場合も追加料金がかからない
システムも計画されている。
 今回、国における平成27年度
補正予算において、ETC2.0搭載
車を対象に、高速道路料金の大
口・多頻度割引の最大50%が継
続されることなり、今後もより一層
の輸送効率化と安全運行が実現で
きることから全ト協ではETC2.0の普及促進を図ることとなった
もの。
 全ト協の助成額は車載器1台につき4千円、各都道府県
協助成額については各協会の定めによる、となっている。
 なお、NEXCOにおけるETC2.0車載器購入助成
を受けた車載器も対象になるが、国土交通省が実施した
「ETC2.0車両運行管理支援サービス」の社会実験に
おいて車載器購入支援を受けた車載器については全ト
協の助成金対象外と
なる。
助成事業…全ト協
話題のニュートラック新製品情報・新情報
高速道路料金の大口・多頻度割引最大50%の継続を受け
平成28年度ETC2.0車載器購入促進助成事業を実施