トラックのお役立ち情報

土日祝 営業 [営業時間 9:00-21:00]

0120-918-101

【新春座談会】欧州に見習うところの多いトラック産業と顧客の関係

新春座談会
世界に広がるテロの脅威、シリアからの難民受け入れに揺れるEU
諸国、水爆実験など暴走を続ける北朝鮮、ASEAN諸国の経済
統合など世界情勢が混沌とする中で幕開けた2016年、国内では
トラックのドライバー不足が深刻の度を深めている。規制緩和の
物流二法施行以来、競争が激化して経営環境が悪化しているトラック
運送業界は、ドライバーへの待遇改善のためにも、運賃の適正化
が大きな課題となっている。また、長期的には国内市場の拡大が
見込めないトラック産業界は今後どのような方向を目指すのか、トラック
の国際ジャーナリストとして活躍中の西襄二氏(物流研究所代表)
車体産業に詳しい井上元氏(元日本フルハーフに忌憚の無いところを
伺った。
(1月8日、本誌事務所にて、秋林路)
欧州に見習うところの
多いトラック産業と
顧客の関係
日本のトラックに
新たな世界観
TheTRUCK2016年2月号20

西襄二氏(物流研究所代表)
秋林路 年明け早々でまだお屠蘇気分も抜けな
いところお集まり頂き有難う御座います。トラッ
ク専門誌として、今年そして近未来のトラックを
展望する意味で、新春座談会を企画した次第で
す。井上さんは昨年欧州のトラック展示会を見て
来られました(34P参照)し、西さんはトラック
ジャーナリストとして、世界のトラックメーカー
に精通しておられます。この時期、将来を展望す
るに当たっては、世界の動きが極めて重要ですの
で、ご両者に出席をお願い致しました。国内につ
きましては、昨年一年関東のトラック協会長を訪
ねた経緯がありますので、少し私の意見も加えさ
せて頂きたいと思います。
 テーマは幾つかに分けて進めますが、まず
CO
削減とも関係のある燃料問題から入りま
す。最近は米国のシェールガスが話題になって
いますが、このところ石油価格も大きく値下が
りしています。この辺り西さんはどのように見
ておられますか。
 西 私ごとで恐縮ですが、最近、生涯最後に
なるかも知れないマイカーをディーゼル車に替え
まして、暮れに軽油を満タンにしたところ、セル
フスタンドで1ℓが89円でした。これは10数
年来の安値です。数年前にダイムラーが欧州のト
ラックメーカーを代弁して、「大型トラックの燃料
は将来とも軽油だ。軽油は将来にわたって大型ト
ラックのために大事に使うべきだ。」と発言してい
ますが、ディーゼル車の環境対策は大きく進んで
います。特に私が注目しているのはマツダが開
発したSKYACTIVDスカイアクティブディーゼ
ルです。この小排気量向け技術が今後大型トラッ
クにも拡大してくるのかどうか。いすゞ自動車は
中・小型トラックで、性能は従来のままで圧縮比
を下げるエンジンを開発していますが、これは明
らかにマツダが開発した技術を応用していると思
われます。それが、今後10〜13ℓの大型トラッ
クエンジンにどのように影響してくるのか、注目
して行きたいと思います。この基本技術の開発に
よって、後処理装置への負荷が軽減されますの
で、相対的にコストを引き下げることにも貢献し
ます。
秋林路 ダイムラーが大型トラックは将来にわ
たって軽油を燃料とするというのは、低回転高ト
ルクのディーゼル大型トラックに向いていると
いう意味ですか。
 西 その通りです。大型のエンジンについて
は、中・小型にみられる代替燃料方式が画期的に
は応用できないという見通しを持っているのだと
思います。ただ、国内外で天然ガスの使用を推進
する動きもありますので、全くダメという訳では
なくて、大勢としては軽油が主力であり続けると
いう事だと思います。
秋林路 米国のシェールガスは大型トラックの
燃料にも大きな影響を与えているようで、欧州で
CNG、LNGが普及しているニュースが伝えら
れていますが、欧州のトラックメーカーは今後と
も軽油が中心とみているのですね。
TheTRUCK2016年2月号21

新春座談会
井上元氏(元日本フルハーフ
 西 常温で液体、容積当たりの発熱量が高い
など、軽油は使い勝手が良いという事だと思いま
す。国内ではUDトラックスが日産ディーゼルの
時代から大型CNG車の開発に取り組んで来まし
たが、傘下に入ったボルボとの関係では、必ずし
もその開発を継続する考えはないのではないか、
と思います。運用が域内に限定したトラックやバ
スなどは環境に優しい天然ガスに代わるとして
も、長距離運行のトラックは軽油という事だと思
います。
秋林路 井上さんは昨年も精力的に海外展示会
を見に出掛けられましたが、この点をどのように
見ておられますか。
井 上 私の場合は元々トラックメーカーの視
点ではないので、専門的な話は出来ませんが、負
荷の大きい大型トラックについては、軽油かなと
思います。日本の乗用車は世界に冠たるものがあ
りますが、大型トラックは国内の全需が世界第2
位のボルボの販売台数に達しない位ですから、ス
カイアクティブを応用したエンジンを日本のト
ラックメーカーが開発することはコスト的に難し
い。世界的にはベンツやボルボ、スカニアといっ
た生産量の大きいメーカーには太刀打ちできない
のではないかと思います。
秋林路 エネルギー転換という意味では電気も
考えなくてはなりません。電気はモーターを回し
て動力を得ますが、新幹線をはじめとする鉄道車
両はモーターですから、電気だから力が弱いとい
う事ではないと思います。ただ、乗用車もEV量
産車が発売されて暫くたちます。シェアは伸びて
いませんが保有台数は徐々に増加しています。そ
の背景には充電機など電気の供給の問題やバッテ
リー性能の問題などがあります。しかし、技術は
高度化します。水素を使用する燃料電池自動車に
も国は期待していますが、トラックのEV化はど
のように見ているのですか。
井 上 これも私見ですが全需が少ない国内ト
ラックメーカーは開発コストの面で大変でだと思
います。
秋林路 ただ、大型4社で国内を賄う時代は
終わっています。これからはTPPで国際市場が
フリーになるし、ASEANの経済統合も現実のも
のになっています。こうなると過去のマーケット
(国内)だけに目を向けていたのでは、世界戦略に
置いてき堀を喰らうことになります。スウェーデ
ンのような小さな国でも世界に冠たるボルボ、ス
カニアを輩出する例がありますから、日本だか
らダメとは言い切れないと思います。本誌の関
係で昨年9月に開催したタイトラックショーで
も、いすゞ自動車、三菱ふそう、日野自動車は
ASEANに大きな期待をもって出展しています。
 西 これまで大型4社と言われていた国内
メーカーも、内2社は海外の論理で動かざるを
得ない状況です。残り2社がこの先も個別にや
るのか、それとも協力体制がより強くなっていく
のか、ASEANの動きと並行して国内2社の動向
が注目されます。ご存知の通りバスは既に生産が
一本化(ジェイ・バス)されていますが、トラック
もそういう方向もあるのかな、と思います。ただ、
その時期については、暫く個々に努力して存在価
TheTRUCK2016年2月号22

本誌・秋林路
水素供給用トラック
値を高めて、しかる後に協力体制に
移るのか、ここ2〜3年は注目した
いと思います。
秋林路 近未来的には中国トラッ
クメーカーの存在も注視しなければ
なりません。国内需要が大きいので
開発スピードも早いし、既にIAAに
も出展して欧州市場も窺っていま
す。そういう動きの中で日本メーカー
はどうするのか、という事ではない
でしょうか。
 西 日野自動車の動きを見てい
ますと、大型では国内トップだけれ
ども、小型は弱い。だから「トントントンヒノノ
2トン…」とコマーシャルして、小型に力を入れ
ています。これも小型に強いいすゞを意識した戦
略だと思いますし、世界を見据えて、国内2社
が協力関係に移行せざるを得なくなった時の力関
係も考えているのではないかと思います。
秋林路 環境のテーマがやや国際化に移行し
てしまいました。環境はエンジンと関係が深い訳
ですが、安全は走る、曲がる、止まるといった操
縦性や車体機能、更に道路などインフラとの関係
もあります。
 自動運転は既に大型車での走行実験も始まって
いますが、センサーや位置情報の高度化とも深く
関わってきます。この点はどのように見ておられ
ますか。
 西 トラック産業では基本構造についての革
新的な開発は少なくなっていますから、今後は安
全が一番のキーワードになると思います。ただ、
自動運転という世界では国内ユーザーはまだ関心
の外だと思います。
秋林路 自動運転は既に世田谷でタクシーのテ
スト運行が始まるようですから、技術的には成立
していると思います。トラックで自動運転が俄か
に始まるとは思えませんが安全では人間の判断
ミスをカバーする可能性があります。理論的には
車間を詰めた隊列走行も可能ですから、安全プラ
ス輸送効率のアップも期待できます。ユーザーが
関心を示すのは実用化のメドが立ってからかも知
れませんが、メーカーは開発の段階にあるのでは
ないでしょうか。
TheTRUCK2016年2月号23

新春座談会
“安全”に貢献する自動運転
井 上 そういう意味では海外のトラック展示
会を見ても、内容はイノベーション(新しい車へ
の革新)の対象がセフティ(安全性の追求)に移っ
ているように感じます。
秋林路 ボルボやベンツが日本のトラック市場
に進出してきた時の記者会見で非常に印象的だっ
たのは、商品説明で安全を第一に置いていると
いう事でした。例えば、キャブデザインも衝突し
た際にドライバーへのダメージを最小限にする構
造と形状であったり、ドアも横からの衝撃に強い
構造にしてあるとか、ドライバーの安全が第一で
あることを強調していました。当時の日本車は稼
げるクルマがキャッチフレーズで、第一は軽量
化であり、空力性能の向上で燃費効率向上といっ
た事でした。安全については対人、対物が中心
でしたので、外国車がドライバーの安全にもの凄
く力を入れていることに驚いたのです。
 現在の安全は当時よりも大きく変わって、事
前情報で危険を回避する方向に進んでいるように
思います。例えば、車両は自身が電波を出すし、
歩行者の大半は携帯電話をもっているので、周り
に電波を発信することは可能です。信号などイン
フラ情報の発信も簡単です。この見えない電波を
個々の車両が受信しながら適正スピードで走行す
れば交差点での出遭いがしらの衝
突や飛び出し事故も激減するに違
いありません。
 ロボットは今、人工知能が人間
の能力を超える段階に来ているの
で、ロボットの人間化が話題に
なっていますが、自動車もやや同
じ方向を辿っているのではないか
と思います。中でもトラックは走
行する道路が限定的であったり、
トラックターミナルなど物流施設
もありますので、集中管理も容易
です。国の方針が固まれば乗用車
よりも先行出来るのではないかと
思うのですが…。
 西 自動運転は乗用車でどんどん技術開発が
進んでいる訳ですが、その中で何をトラックに取
り込むべきか、その機能をユーザーが受け入れる
のか否か、という事だと思います。トラックにも
既に危険を回避する一定の機能は組み込まれて
いますが、ステアリングを自動で動かすレベル
まで開発は進んでいるけれども、実用化はして
いません。
 先般本誌でも述べましたが、2020年には第二
東名が開通します。その頃には小牧と厚木間でト
ラックの一定の自動運転が実用化するのではない
かと見ています。
 当初の第二東名構想では、中央分離帯寄りの車
線に無線設備を埋設して、路車間で交信しながら
隊列走行する計画になっていました。ところが、
現在は車車間のセンサー機能を高めることによっ
て、隊列走行できるのではないかという形に変
わってきました。これが2020年に向かっての大
きな動きではないかと思います。これもコストと
の兼ね合いですが、一定限度のものであれば、国
が補助金を出して普及促進を図ることになるので
はないかと思います。そういう意味ではこの数年
は注目に値すると思います。
TheTRUCK2016年2月号24

国内のトレーラは大幅に緩和された
秋林路 当初の無線設備を道路に
埋設する方式だと走行できる道路も
限定されますが、衛星が発信する電
波も活用するのであれば、第二東名
に限らなくても良いという事になる
のでしょうか。
 西 理論上はそういう事です
が、在来道路は色々な車両が使用
しているし、障害物もあります。
先ずは高規格道路で実用化になる
のではないかと思います。ただ、
その時までには安全に対する責任
を誰が負うのか、法律を見直す必
要が出てきます。
井 上 安全という切り口ですが、視点を少
し変えると、全く違う見方が出来ます。例えば事
故を回避したいのなら、トラックを走らせなけれ
ば良い。日本は日中でも大型車が街中を走ります
し、路上でも荷捌き駐車をしているトラックがあ
ります。あるいは学童の列に車が突っ込んで死者
が出る。技術によって危険を回避する前に、事故
が起きない仕組みをつくることも大事なのではな
いかと思います。
秋林路 それは都市計画にも関係
する話ですね。例えばビルを作る時
には地下に荷捌き場をつくる事を義
務付けるとか、市街地の道路には一
定の区間で荷捌きの出来る切り込み
をつくるとか…。ロンドンの街中を
歩くと、建物に看板はないし、タク
シーもバスも街の景観に配慮した色
や形になっています。これは国の文
化レベルとも大きく関係します。
井 上 元石原都知事は、ディー
ゼル車の排ガス規制を強行しました
が、PM公害の削減に悩む北京で、
ひとつの対策として車を走らせない
例にあるように、都市の空気はキレ
イになります。そういう意味では、環境も安全も
大局的に見た対策も求められていると思います。
 私は以前、北海道で勤務したことがあります
が、ドライバーさんが厳しい真冬の寒さの中、ト
ラックの上で幌掛けの作業中に転落、怪我をする
事故が頻繁に発生していました。一方、欧州では
高所での作業は禁止されているので事故は起きな
い。つまり事故が起きない環境をつくることが出
来れば事故は起きない訳です。
TheTRUCK2016年2月号25

新春座談会
排ガス問題を伝える日本経済新聞
大型トラック世界2位のボルボグループの旗艦車FH型
秋林路 それは当然の話ですが、安全に寄与す
る技術を開発しなくても良いという事ではないで
すね。これは、ハードとソフトの関係ですから、
どちらが欠けても良いというものではないと思い
ます。
井 上 日本の物づくり、特にトラックについ
ては、軽自動車から集配用ライトバン、ワンボッ
クス、2トン、3トン、4トン、6トン、8トン、
10トン、10トン超のトラック、トレーラまで、
それぞれのメーカーが沢山のバリエーションを生
産しています。このような体系で輸送をしている
のは、世界中で日本だけです。トラックに関し
て、日本車が良いと評価して買ってくれるのであ
れば良いのですが、今や世界の顧客は誰も見向き
もしません。確かに、このような物づくりをすれ
ば全量が増えて国のGDPは上がるかも知れませ
んが、環境には悪いし安全も確保できません。少
量多品種なので一台当たりのコストは高いものに
なってしまいます。では、海外の中古トラックが
日本に入ってこれるか、それも法の壁があってム
リ。世界の常識に目を転じれば、日本のユーザー
は海外の優れた中古車両も購入することも出来な
いし、選択も出来ません。一番可愛そうなのは日
本のトラックユーザーだと思います。
秋林路 私がユーザー取材の中で聞く声も、高
いものを買わされているという意識が強いです
ね。メーカーには国が要求する基準を満たすため
には、これだけのコストがかかるという理屈があ
りますが、世界の趨勢からすれば可笑しいという
事ですね。
 ご存じの通り、日本と韓国と中国は国際物流の
点では一貫輸送で合意しているし、新任の藤井自
動車局長(国交省)も私との対談の中でその重要性
を強調しています。日本も国際間の一貫輸送が活
発になれば、日本の常識が世界の常識と同じでな
いことが分かってくるのではないかと思います。
 西 現状で申しますと、日本の大型トラック
は国際競争力に乏しいと言わざるを得ません。ま
た、今後も日野といすゞが急速に世界市場で飛躍
的に地位を向上させられるとは思えません。た
だ、中・小型車については欧州に強力メーカーが
見当たらないので、競争力を発揮する余地は大い
にあると思います。
秋林路 国際市場にどう立ち向かうのかという
事ですが、現状認識だけで将来を決めつけるの
は間違いだと思うし、ASEANを始めアジアのト
ラック市場も変化してくると思います。その市場
に対してマーケットインすることが出来れば、日
本の大型トラックも国際競争力を発揮する時代が
来るのではないでしょうか。
 今年10月に開催する『2016NIPPONトラック
ショー』も海外から多くのバイヤーが来れば、国
内に刺激を与えることになるし、それがこれか
らのトラックショーの役割ではないかと思って
います。
井 上 欧州のトラック展示会を見て感じるの
は、イノベーションを発表することよりも、顧客
のお持てなしに重点を置いているように感じま
す。乗用車に比較してトラックの技術やデザイン
はそんなに早く変わるものではありませんから、
TheTRUCK2016年2月号26

大型トラック初の全軸独立懸架サスペンション(VOLVOFH用)
ユーザーに日頃の感謝を示す欧州の展示会
毎年新車やモデルチェンジを発表できません。し
かし、ユーザーは大切にしなければなりません。
だから、交通費を使ってわざわざ展示会に足を運
んでくれるユーザーに日頃の感謝のお礼にワイ
ンやスナックを振る舞っておもてなしをします。
その点は日本の展示会と大きく異なるように感じ
ます。
秋林路 トラックショーを初めて30余年
になりますが、近年展示内容がマンネリ化し
ているのはそういう事だと思います。今年の
『2016NIPPONトラックショー』はその殻を破る
為に、先ずユーザーに問題提起して、来場を促し
ている訳ですが、果たしてトラックメーカーがそ
の期待に応えることが出来るのか否か、約半年後
には回答が出ると思います。
井 上 日本のトラックユーザーが可愛そうだ
と申し上げたのは、フレキシヒセリティ(柔軟性)
あるいはプラティカル(実際的)という事が法規制
も含めてトラック輸送にあっても良いのではない
かと思うからです。例えば、お金のないユーザー
は中古車を買いたい。欧州はどこの国でも中古ト
レーラを幾らでも買える。ところが日本の法規
は車幅を2.5mに制限しているので欧州の中古ト
レーラが欲しくても持ち込めません。日本が輸送
面で国際競争力をつけようとするなら、法規的に
も世界に合わさないと同じ土俵には立てないと思
います。
秋林路 それは、これまで日本の保護政策が
あったからでしょう。大型トラックの規制緩和も
国際物流で海上コンテナが入ってくるから否応な
しに変えたのであって、積極的な改正ではないで
すよね。これは黒船と同じなんだけど、TPPに
代表されるように世界は経済活動の一元化に向
かって動いている訳ですから、トラック基準でも
日本だけ鎖国をやっている訳にはいかなくなる。
その時代変化に対応出来るか否かで勝敗も決まっ
てくるように思います。
井 上 普通、開国すれば市場も開放されて、
文明・文化が流入して国際化が進む。ところが日
本のトラックは逆に鎖国に向かってる感じがしま
す。日本のトラックは世界の誰も買ってくれない
し、海外からは日本に入ってもこれない。つまり
日本のトラックは世界から相手にされない国に
なっている。これは鎖国と同じです。
秋林路 その点は、官主導でやる欧州と、民の
様子を見ながら対応する日本との違いじゃないで
すかね。例えば、バンボデーの後部を絞り込むと
空力特性が高まるので、省エネで環境に優しい効
果がありますが、法律で全長が制限されているの
で有効荷台長を短くしなければならない。EUは
こういうトラックを普及させたいので、国が全長
を緩和しています。日本だと民に任せきりですか
ら、国が率先して全長緩和なんかしないですよ
ね。日本の常識が世界の常識と大きく異なってい
TheTRUCK2016年2月号27

新春座談会
スカニアのLNG大型トラクタ
るので、鎖国状態になってしまうのではないで
しょうか。
井 上 グローバル化というけどその点はお先
真っ暗な国に思います。
秋林路 トラックに関する限り、悪しき認可
行政が長かったので、政治や官が率先して改革
するやり方が定着していないし、お上ごもっと
もで不平不満の声が出ない国民性もあるのでは
ないかと思います。
井 上 民はあくまでも利益追求ですから、国
際社会の中で日本のポジションを考えれば、国が
率先して世界基準に合わせるべきでしょう。例え
ば、日本は車両の転倒角度が決められています
が、転倒するのはスピードとハンドル操作の関係
ですから、ドライバーの問題です。静止している
トラックの転倒角を計っても意味ない。世界中こ
んな法律はありません。
 西 日本と欧州の違いという事ですが、EU
は最低必要な事は法律で決めるけれども後は民
の判断に委ねる考え方が強いのではないかと思
います。
井 上 戦後間もなくの法律を今もって運用し
ているのも可笑しいし、技術は時代と共に進化す
るので、臨機応変に対応する面があっても良いと
思います。例えば、フェリー航走のトレーラは年
間5000㎞位しか走らないのに、車検は一般のト
ラックと同じに義務づけられています。そういう
点も臨機応変にやれば良いと思います。
秋林路 やや悲観論が先行していますが、現
状を批判するだけでは前進する力にはなりませ
ん。時代は進化している訳ですから、それに適
合して進むべき方向を模索するべきではないで
しょうか。
井 上 欧州のトラック展示会を見てもそんな
に新しい技術は感じません。しかし、来場した
ユーザーにはトラックメーカーのトップ自らが話
しを聞き親切に応対しています。最初の頃はやや
違和感を覚えましたが、それが欧州のメーカーか
らユーザーへのお持てなしです。日本でも接待費
の費用対効果を含め、どのようにお客様に感謝の
気持ちを伝えるのが効率的、効果的なのか考える
時期と思います。
秋林路 従来は全国に綿密な販売ネットワーク
があって、個別に営業マンが訪ねて顧客対応して
いたので、コミュニケーションは保たれていまし
た。ところが、最近はその販売体制を大きく変え
たので、ユーザーとメーカーのパイプが切れか
かっている。この点は多くのユーザーが口にして
います。メーカーの中には「今更大型トラックを
宣伝する必要は無い。」と言い切る担当者も居ます
が、正直日本のトラックユーザーはメーカーに粗
末に扱われていると思いますね。
TheTRUCK2016年2月号28

井 上 欧州は日本の営業マンのように夜の食
事の接待などの交際費の使い方は出来ません。そ
れなら展示会の時にはお客様や運転手のかたが交
通費を使って来てくれているのだから、奥さんも
子供さんも楽しく過ごせるようにお持てなしす
る。それが欧州の感謝を伝える姿じゃないかと思
います。
秋林路 最近、日本のユーザーはメーカーに対
して不平不満が蓄積していることは間違いないで
すね。
井 上 乗用車は既にインターネット販売する
時代です。トラックも標準化してカタログ販売に
移行しようとしている。じゃメーカーは何時顧客
に感謝の気持ちを伝えるのか。その点、欧州の展
示会は大きな役割を果たしていると思います。
秋林路 そういう意味でも日本のトラック
ショーはその役割を果たしていかなければならな
いと痛感しています。
 ところで、国内トラックユーザーが今、最大の
課題にしているのがドライバー不足です。これは
少子高齢化に加えて業界自身が抱える問題があり
ます。その第一が給料などの待遇面ですが、仕事
の内容の割には優遇されていません。また、自動
車を使う仕事に若者が魅力を感じなくなってい
る。いわゆる自動車離れですね。
 既に昨年度は14万人のドライバーが不足する
計算でしたが、実際にはトラックは動いていま
す。この点を追及すると運送事業者は「労働時間、
スピードなど制限内で走っていたら荷主の要求に
は応えられない。北海道の生鮮食品を東京の中央
卸売市場のセリに間に合うように運ぶには違反し
てでも夜通し走り続けなければ間に合わない。イ
ヤと言えば切られてしまう。ドライバー不足は違
法でカバーしているのが実態だ。」と言います。こ
れが更に進むと、その限界を超えてしまうので、
現実問題として動かせなくなるトラックが出てき
ます。この問題にトラックメーカー、車体メーカー
はどのように向き合えば良いと思いますか。
井 上 トラックも市場変化に合わせて変わら
なければならないと思います。例えば女性労働力
に期待する時代ですから、女性を対象にしたト
ラックづくりを目指しているかというと、そんな
ニュースは殆ど伝わってこない。これはトラック
メーカーがユーザーニーズをしっかりと受け止め
ていないという事じゃないでしょうか。
 西 日野自動車は女性ドライバーを活用する
観点からステアリングホィールの太さとかシート
なども研究しているようです。ただ別のメーカー
TheTRUCK2016年2月号29

新春座談会
ニッサンと共同開発のルノーブランドの小型トラック
であったようにただ外観をピンク色にするという
事ではいけないと思いますね。
秋林路 トラック運送会社の中にも女性オー
ナーの企業もあるのですが、基本的に女性の職場
としての適正化が図られていないといいます。例
えばトイレの問題にしても大きなトラックを横付
けできる公共トイレが充分ある訳ではないし、ド
ライブインで仮眠しようとしても女性用の個室や
シャワールームが無いとか…そういう状況で女性
に働けと言われてもムリだといいます。では、ト
ラックの中にそのような設備が出来ないかとか、
子供さんを育てている女性ではムリなのかとか、
トラックメーカーとしてもっと踏み込んだ研究を
して欲しいと思います。
 西 そういう意味では女性を対象
にしたトラックの開発は対象領域とし
て早く成果を示すべきではないと思い
ます。
秋林路 ドライバー不足では高齢者
を延長雇用する声もありますが、労働
時間の問題もあります。
 西 以前、欧州でスカニアとボル
ボのディーラーを訪ねた時に従業員の
勤務体制について伺ったのですが、そ
こは普段の日でも夜勤で顧客対応して
いるけれども、土日は工場を閉めるという事でし
た。つまり、サービス工場のエンジニアの働き方
なんですが、週末は家族で過ごせるようにしてい
るけれども、普段は夜間でもユーザーの要求に応
える体制にしているという事です。日本は休日で
も工場を稼働させていますが、ドライバーの勤務
体制とサービス工場の勤務体制をマッチングさせ
ることも考えるべきではないでしょうか。
井 上 ドライバー不足だから女性や高齢者
を使う、その為に必要なクルマ作りは当然進め
なければいけませんが、その前にドライバー不
足にならないようにドライバーの一回当たりの
輸送量を増やして、輸送車両数を減らす。さら
にドライバーが魅力を感じて集まって
くる業界にしない限り、何時まで経っ
てもドライバー不足は続くのではと危
惧します。
秋林路 その魅力ある業界にするた
めにはお金が必要です。ところが物流
二法で規制緩和をしてから、運送事業
者は約4万から6万3000社に増えて、
運賃の叩き合いで業界は混沌としてい
るんです。荷主側から運賃を上げると
は言いませんから、運送業界から働き
かけるしかないのですが、値上げを要
求すれば切られる恐れがあるので、切
TheTRUCK2016年2月号30

ヨーロッパで静かに販路を広げているキャンター車
り出す事が出来ない。そういう仕組みが流通構造
として出来上がっているので魅力ある業界になれ
ないんです。
井 上 魅力ある業界というのはお金だけでは
なくて、働き方の問題もあります。今年の正月は
他のデパートが福袋を用意して客集めしているの
に、伊勢丹・三越グループは店を閉めていました。
この見識は素晴らしいと思います。コンビニは
365日24時間営業していますが、その為に物流
業者も休む訳にいかない。確かに消費者には便利
ですが、休むときには全てが休むようにしないと
弱者への負担が大きくなります。
 西 ライバル関係にある同業企業が共同配送
を導入する動きが出て来ました。車の積載効率が
向上し、ドライバーの生産性が高まりますから待
遇改善の源資も生まれる筈です。仕組みを変えて
ドライバー不足に対応する事例ですね。
秋林路 我々報道関係では新聞休刊日というの
があります。新聞社が、新聞販売店の慰労・休暇
を目的に新聞の発行を行わない日をあらかじめ定
めているのですが、確かに国が休日と定めている
日は一斉に休んだ方がいいですね。ただ、そうい
う体制にしているなら、それを支える人や業界が
ちゃんと報われるようにしなければいけないと思
います。
井 上 お金だけじゃなくて、働きたくなくて
も働かざるを得ない人達がいる。運送業界はそう
いう事になっているからドライバーが集まって来
ないのだと思います。
秋林路 まだ3Kのイメージが色濃く残ってい
ますからね。そういう働き方を変えるために、乗
り換え方式(目的地から来るトラックに途中でド
ライバーが乗り換えて、ドライバーはその日の内
に出発地に戻るがトラックは目的地に届く方式)
とか、トレーラのシステム運用などもあります。
そういう事も含めて車両メーカーはユーザーの変
化に対応するべきだと思います。この点を花見台
自動車の能條社長は声高に主張していますが、大
手のトレーラメーカーからは殆ど声が上がりませ
ん。トレーラシステムでは有効なダブルストレー
ラも過去に10年間無事故でテスト運行したの
に、認可されないままになっています。ユーザー
は国が認めていない車両は使えないものとして諦
めていますが、メーカーにとっては商品ですか
ら、国に対して使えるように働きかけるべきです。
井 上 確かにそういう事も大事だと思います
が、社会のあり方として、休むときには休む。ヨー
ロッパの先進国では、生鮮食品のトラックを除い
て日曜日は一台もトラックは走っていません。こ
れは、日曜日はドライバーも休むという事を社会
が認めているからです。そのようにしないとト
ラック運送は魅力ある職種になりません。
秋林路 それは国の文化レベルを上げることに
も通じるので、政治の役割も大きいと思います
TheTRUCK2016年2月号31

新春座談会
アメリカの標準的大型セミトトラクタトレーラ
が、運送は相手(荷主)のある話なので、流通構造
を変えない限り改善は難しいでしょう。確かにド
ライバー不足は運転手に負担がかかっている点が
大きいと思いますが、その前に運送業界が弱者の
立場に置かれている事が問題です。
井 上 要は便利さをキリなく追求するから、
一方でしわ寄せがおきる。ワークライフバランス
を考えればお金を儲ければ良い、便利なら良い、
というだけじゃなくて我慢することも大切と思い
ます。
秋林路 このドライバー不足は俄には解決しな
いので、今後色々な問題が出
てくると思いますので注視し
ていきたいと思います。
 最後に、近未来について伺
いますが、近年トラックメー
カー各社は生産が追いつかな
い状況で、オリンピックの
2020年までは好調に推移す
るのではないか。しかし、そ
の先は予測がつかないと言わ
れています。その点、どのように見ていますか。
 西 確かに2020年以降は予測がつかない
と皆さん言ってますが、派手な公共投資による
需要は大きく減少するでしょうが、都市の質を
高める潜在需要は沢山あります。電線の地中化
で電柱をなくするのも具体化の方向のようです
ね。ただ、将来的には人口減少に向かう国なの
で、国内需要が大きく伸びることは考えられな
い。漠然とした言い方になるけれども、国際的
な市場に活路を求めて進むしか方法はないので
はないかと思います。
秋林路 私はASEAN統合がどう動いていくの
か注目したいと思っています。ASEANは通貨ま
で統一することは難しいと思いますが、関税はフ
リーになって流通は活性化すると思います。既に
日本のトラック・車体企業もタイなどに
進出していますが、地域が発展するプロ
セスでは日本が貢献する分野もあるので
はないかと思います。
井 上 いろいろ悲観的な発言をしま
したが、経済活動がある限りトラック運
送は無くなることはありません。そうい
う意味ではトラック産業界は恵まれた業
界だと言える訳です。ただ全体がシュリ
ンク(縮小)する時代ですから、運送業界
も新商品、新規顧客、新市場を開発して
行くべきだと思います。特にTPPで関
税障壁が取り払われた時に、輸送がどの
TheTRUCK2016年2月号32

2016年に入ってからアメリカで提唱されだした33フィートバントラック+33フィートフルトレーラ、
または33フィートセミトレーラ+33フィートフルトレーラ(ダブルス)。議員立法で延長23m程度の
連結車が走り出すかもしれない。
ように変わるのか、これも大
きな課題だと思います。ただ
明らかな事は、近隣諸国に負
けない輸送システムを構築し
ないと、どこの国にも輸送コ
ストで優る、勝てる国にはな
れないと思います。
秋林路 2020年以降につ
いては、高齢化した団塊世代
がお荷物になって、少子化世
代が日本を支える時代ですか
ら、大局的には困難な時代だ
と思いますが、人口が減少す
る時代だから悲観的に考える必要はないと思い
ます。トラック産業でお手本になるのはスウェー
デンではないかと思います。私はボルボが日本
に進出してくる時に、スウェーデン国王のスピー
チを聞きましたが、あの国は国際社会に打って
出るために国王自らトップセールスをしている
のだと思いました。それは企業の海外進出に国
運がかかっているからだと思いました。中東や
EUの混乱、影響力の大きくなる中国、ロシアの
再強国化、北朝鮮の制圧など、2020年以降は
様々な問題が勃発して国際バランスが崩れる可
能性があるので、日本も米国の傘下に甘んじる
訳にはいかなくなる。憲法改正論議が高まりつ
つあるのも、その前兆ではないかと思いますが、
アジアでリーダーシップのとれる国になる為に
は、抜本的な意識改革が必要だし、そのチャン
スは必ず巡ってくると思います。
井 上 要は改革INNOVATIONを起こさな
いと何も変わりません。それを誰が何時やるの
か、2020年以降の政権にかかってくると思い
ます。
 西 最近、ヨーロッパ発でインダストリー
4.0とか言われています。トランスポーテンショ
ン4.0があるのか分かりませんが、情報管理とト
ラックの取り回しと言いますか、そういう物の噛
み合わせがより高度に進めば、サービスレベルを
上げながらオペレーションできるので、働く人に
もゆとりが出る。そういう仕組みが出来ることが
望ましいですね。
秋林路 そうですね。何時の時代もバラ色の未
来が待っているかどうかは誰にも分からないし、
産業革命以降でも世界は何度も大混乱に陥ってい
ます。人類はそういう歴史を繰り返して今日があ
るのだけど、宇宙進出であったり、コンピュータ
など情報の高度化であったり、近代の技術も大き
く変わっています。
 こういう時代は過去になかったとか、人類が始
めて経験する社会だとか、偉い先生方も色々な表
現をするけれども、未来は誰もが始めての経験で
すから、それをより確かな物にするために過去に
学ぶ、温故知新が必要なのだと思います。
 本誌の「日新」には、昨日と今日が同じであって
はいけない、という戒めの意味があるのですが、
今秋開催する『2016NIPPONトラックショー』も
過去30余年開催した内容と同じであってはいけ
ないと思っていますので、トラック運送そしてト
ラック産業の未来を切り拓く、新しい価値を追求
したいと思っています。
 本日は新年早々貴重なお話を有り難う御座いま
した。
TheTRUCK2016年2月号33

トピックス
リヨン街中にはパリでのテロ事件の犠牲者への献花、献灯が多くみられる
ゲンケートジャパン
コンサルティング
井上元
『非常事態宣言下の
2015リヨン
商用車ショー』
 ドイツハノーヴァー商用車ショーの次年に開催される仏リヨン
商用車ショー“Solutrans”が2015年11月17日から21日
迄の5日間、フランス東南部の食の街として有名なリヨンで開
催された。生憎、パリで5日前に起きた爆発テロの影響でフ
ランス全土が非常事態宣言下での開催となった。テロに負けな
いとの関係者や国民の強い気持ちを反映してか、2015年の
“Solutrans”商用車展示会は盛況の中、無事に開催された。
TheTRUCK2016年2月号34

“Solutrans”商用車ショー中央口
フランスしいお洒落なデザインのトラム車両
①プロローグ
 パリで発生した爆弾テロの影響から、羽田からパ
リのシャルル・ドゴール空港に向かう飛行機の機内
には多くの空席が目立った。
 到着したパリ空港では機関銃を持つ軍隊や警察を
見ることもなく、非常事態宣言を全く感じることは
なかった。何の検査もなく通関し、高速電車TGV
を利用して世界遺産の街“リヨン”に到着する。
 リヨン中央駅から地下鉄とトラムを乗り継いで約
30分で商用車ショーが開催されているエキスポ会
場に到着する。
 他国との戦争に勝利するには戦力を供給する兵站
(LOGISTICS)の重要さが求められるのと同様、国
や企業が他国との経済競争やビジネス戦争に勝ち残
るには、生産品や製造品を効率良く、経済的な輸送
を実現することが求められる。
 近年、輸出が減り安全性、環境性、経済性追求へ
の“革新(Innovation)”が少なく、ガラパゴス化す
ら感じる国内輸送車両や周辺機器に対し、欧州で
は輸送の中心が車両輸送であることから、ハノー
ヴァーやリヨンで開催される商用車ショーが高い人
気を集めている。
 ギリシャの債務問題や難民問題などから欧州経済
は決して芳しくない状況下、ドイツなどの工業国と
は異なる農業国のフランスでの開催にもかかわら
ず、海外からの展示を含めて800社を超える展示
があった。“2015リヨン商用車展示会(Solutrans)”
には期間中36,000人の来場者が訪れ、フランス
らしい華やかな雰囲気のなか、展示各社の“お
もてなし”を受けながら、開催テーマである、”
Mobilization(機動性)、Innovation(革新性)、
Internationalization(国際性)を追求する輸
送関連企業の“革新”への挑戦を来場者は 
楽しんでいた。
 一方、国内ではTPP(環太平洋戦略的経済
連携協定)交渉も大筋合意に達し、農業を始め
としてすべての国内産業の生産効率化が始ま
る。しかし生産現場で効率を改善して作られ
た商品も、生産地や製造工場から消費地、輸
出港までの輸送が現状のガラパゴス化すら感
じる国内輸送機器を利用した効率の悪い輸送
では、TPPで海外から輸入される商品には到
底、勝ち目のないことが危惧される。
TheTRUCK2016年2月号35

トピックス
セメト、コーンスターチ、小麦粉などの粉体輸送に使用される最新の空気圧送式レーラ(ベナルー製“Powderliner)。架装物にモノコック構造の採用でフ
レームにもアルミ材を使用
 ドイツのハノーヴァーで開催されるIAA商用車
展示会に比べると、展示スペース、展示企業数、来
場者数は劣るが、熱心な輸送関係者がフランス国内
外から来場した。数日前にパリで起きた爆弾テロの
影響からか例年と比べて子供や女性の来場者が少な
いように感じる。
②運転手不足の解消に
革新が求められる国内輸送機器
 一般雑貨、パレット貨物、紙おむつ、製紙などの
個体荷物を輸送するカーテンスライダーやドライバ
ン車両、小麦粉、コーンスターチ、セメントなどの
紛体品を輸送する空気圧送車、飼料、肥料、穀物、
砂利、木材チップなどの粒体荷物を輸送するダンプ
車両、石油、糖蜜、アスファルトなどの液体荷物を
輸送するタンクトレーラなどが会場内に所狭しと並
べられている。
 整備業者や顧客自身が購入して自らの手で単車
トラックに架装するDOIT(DoItYourself)系商
品の平ボデー、ダンプボデー、アームローダーな
どのキット製品、ICを利用した運転手の教育用関
連機器など、来場者は興味のある輸送車両や周辺
機器、整備機器、各種の艤装部品などを手に取っ
て会場内を楽しんでいる
 トレーラは一般雑貨を輸送するカーテンスライ
ダー車や平床トレーラの床枠、メインフレームには
鉄材料が使用されているが、ダンプトレーラやタン
クトレーラの架装物はモノコック構造の採用で、一
部の食品輸送用のステンレスタンク車を除いて、全
てアルミ製になった。
 架装物へのモノコック構造の採用により、メイン
フレームへの負担荷重が軽減できるので、ダンプト
レーラ、タンクトレーラではメインフレームにもア
ルミ材を採用して車両重量を軽減して積載量を増加
すると同時に、燃費性能も大幅に改善している。
TheTRUCK2016年2月号36

顧客自身で購入して自らの手でトラク架装するDOIT(DoIiYourself)系商品のアームローダー、ダンプなどのキット製品
エヤシリンダーで作動のPTSサポートレッグ。寒冷下やフェリー船内での
連結作業時間を短縮し、高齢者や女性ドライバーから重いハンドル操作を
解放する(提供:㈱ウング)
トタクタのエヤサス化に合わせて普及が進むアルミ製サポーレッグ。軽量
プラスティク材の消火器箱が標準品で採用
レーラアクスルメーカーのBPW社は煽り、灯火器などの部品ビジネスに展開を広げる
の進化に合わせて国内でも強い力でハンドルを手回
しする必要のない、エヤー(空気)シリンダー機構
を採用したサポートレッグが紹介されてるが、欧州
ではアルミ材を採用して軽量化し、手動操作が可能
なサポートレッグも普及が広がっている。
 近年、トラクタの懸架装置がスプリングサスから
エヤサス化が進んだことで、連結時にエヤーを利用
してトレーラを持ち上げることが可能になった。こ
TheTRUCK2016年2月号37

トピックス
肥料、飼料、木材チップなどバラ物輸送用にテレスコープシンダーを装着したダンプレーラ(ベナルー製“Bulkliner”)屋根の幌は電動で自動開閉し、モノコッ
ク構造の採用でフレームもアルミ材を採用して軽量化を実現
レーラの長手方向で幌の自動開閉を可能にする幌装置モーター部
(ベナルー製“Bulkliner”)
③求められる汎用車両と安全性
 パレット荷物と木材チップ、肥料、飼料などのバ
ラ物とパレット貨物との汎用輸送を可能にする商品
としてベナルー社の“ジャンボライナートレーラ”
が来場者の目を引いた。床搬送装置に“ウォーキン
グフロアー”を装置して庫内前後方向での荷物の搬
入、搬出を可能にし、屋根構造は13メートルを超
える長いトレーラの屋根シートが電動で横方向にス
ムーズに開閉する機構に驚く。国内でも輸送効率、
経済効率の改善に汎用性に優れた車両の販売が期待
される。
TheTRUCK2016年2月号38

 北海道などの寒冷地では、冬季に車両高所での幌
掛け作業中に足を滑らして転落し、作業者が怪我や
死亡する事故が発生する。ヨーロッパでは車両の高
所での幌掛け作業は安全確保のため、手摺りのない
車両の高所作業は禁止されているので自動開閉でき
る幌装置が普及している。展示されたベナルー社の
横方向に自動開閉が可能な幌装置だけでなく、前後
方向に自動開閉が可能なクラマロ社製(伊)の幌装置
も多くの車両に装着されている。
 国内では少子化に起因する運転手不足への対応と
して、高齢運転手や女性ドライバーの採用が増加し
ているが、高齢者や女性運転手など肉体的に劣る作
業者の難儀な高所作業の解決に、確実で安全な作業
を可能にする自動幌装置が早く普及することを期待
したい。
TheTRUCK2016年2月号39
◆貨物分類と車両モデル
固体
常温輸送
雑貨、電化製品、野菜、製缶、パン、
紙おむつ、鉄材、車両、オートバイ、
コンテナ、生体(牛、豚、馬)、フレ
コンバッグ、etc.
冷凍食品(冷凍、チルド)、野菜、
etc.
セメント、コーンスターチ、製粉(小麦
粉)、etc.
塩、砂糖、etc.
飼料、穀物、肥料、木材チップ、石炭、
化成品、ペレット、産業廃棄物、米、
etc.
砂利、土砂、岩石、産業廃棄物、
etc.
液化ガス(LNG)、ガソリン、酸素、
etc.
飲料、糖蜜、アスファルト、生乳、水、
etc.
平ボデー、バン、ウィング、コン
テナ車、キャリアカー、クレーン、
生体運搬車、ウォーキングフロ
アー、etc.
冷凍車、保冷車
圧送バルク、etc.
非圧送バルク、etc.
ダンプ、塵芥車、ウォーキング
フロアー、オープントップ、スク
リュー、etc.
オフロードダンプ、ボトムダンプ、
クレーン、etc.
タンク、etc.
ボトルカー、タンク、アスファルト
車、バキューム車、コンクリート
パイル車、etc.
定温輸送
流動体
非流動体
軽比重
危険物
重比重
非危険物
粉体
粒体
液体

トピックス
ダイムラー製トラクタは高齢運転手や女性ドライバーの運転席への乗り
降りを容易にするため、ステップ位置を低く設計
トレーラの前後方向に幌の自動開閉が可能な幌装置(クラマロ製
“Cabriole”)
 国内では一般雑貨の輸送にはウィング車の使用が
一般的だが、日本国内を除いて海外ではウィング車
は全く使用されない。海外でのドライ貨物の輸送
にはカーテン車の利用が一般的だが、2013年リヨ
ン商用車ショー、2014年ハノーヴァーショーに続
いて今回もウィングトレーラ車の展示がされていた
が、未だ普及はしていないようである。何故、日本
だけはウィング車が普及するのか欧米では理解でき
ないようである。
TheTRUCK2016年2月号40

4年前から欧州での展示が始まったウィングトレーラ。欧米では何故、日本だけウィング車が使用されるのか理由が理解できない
欧州商用車ショーに毎回、“キャンター”車はダイムラーグループとして“FUSO”ブラン
ドで展示
④トラック、トレーラ、架装ボデー、
周辺機器、架艤装部品の
メーカーが大集合
 2014年IAAハノーヴァーショーでは日本から
の展示はダイムラーグループとして三菱ふそう社の
キャンター、日産自動車、ブリジストンタイヤ(株)
だけの出展であったが、2015リヨン商用車ショー
ではいすゞ自動車が単車トラックを展示した。日本
からの参加が珍しいのか人気となっていた。いすゞ
自動車の参加は一時的には経営危機に陥っていた同
社が、財務的にも完全回復したことが推察され、顧
客に同社の経営に関して安心感を与えた。
 国内で製造される大型トラック、トラク
タ、トレーラ、バスなどは過去には多くの車
両が海外に輸出されたが、現在では輸出され
ることは殆どなく、乗用車と異なり海外の顧
客も残念ながら購入に興味を示さない。
 国内の大型車両メーカーには海外展示会
に参加して、江戸時代の鎖国のような現状
から脱皮し、海外メーカーと先進的な技術
やデザインを競い、国内の乗用車メーカー
と同様に、海外顧客から購入を希望される
ような製品を国内顧客に提供して欲しいと
願う。
TheTRUCK2016年2月号41

トピックス
“ISUZU”の単車トラック展示は商品のアッピールだけでなく経営への安
心感を与えた
街中用の集配車を展示して商用車の拡販に力が入る“NISSAN”
世界3位のトラックメーカー“SCANIA製“トラクタ街中用の集配車にはお洒落なホイールも装着され人目を引く
オールアルミトレーラーを生産するフランス最大のトレーラメーカー ベナルー社は会場
内で最も大きな展示スペースで参加
ベナルーグループのBennesMarrel社が展示した、欧州では
珍しい単車トラック用反転ダンプボデーキッ
TheTRUCK2016年2月号
42

最後軸にリフトアクスルを装着した日本にない“MAN製”後3軸トラック。国内でもリト機構を装着したトラックの開発が待たれる。トレーラ展示だけでな
く単車トラックの展示が増加。
フルハーフ・フランス社は鉄製ダンプトレーラを展示
TheTRUCK2016年2月号
43

トピックス
欧州最大の冷凍車専門メーカーのChereau社は冷凍トラック、冷凍トレー
ラを展示。ユニークな冷凍車用の周辺オプション部品も数多く展示
欧州最大のトレーラメーカーのSchmitz社のトレーラ展示
テーブルセッティングして日頃、お世話になっている“お客様”を待つ展示
者のテーブル席
ホテルのラウンジを思わせるようなお洒落な展示者スタンド
⑤日頃の感謝に
“おもてなし”をサービス
 IAAハノーヴァーショーやSolutransリヨン
ショーなど欧州の展示会ではビール、ワイン、コー
ヒー、ペリエなどの飲み物や、生ハム、生ガキ、
クラッカー、サンドウィッチ、クロワッサンなど
の食べ物が展示各社のスタンドで楽しむことがで
きる。
 電子技術を採用した自動運転などの技術を除い
て、乗用車に比べて製品のモデルチェンジ期間が
長く、革新的な技術の進歩が多少鈍化する商用車
ショーでは、製品のデザインチェンジや新技術を紹
介の目的だけでなく、お世話になっている自社のお
客様に、“お礼“を申し上げる場所、”おもてなし“を
提供する社交の場になっているようである。
 日本ではバブル期に比べて少なくなったとはい
え、お客をもてなす行為として、未だゴルフや飲食
店での“接待“が行われているが、欧米では夜に高
TheTRUCK2016年2月号44

福井大学に留学し、笑顔でサービスするリヨン大学で化学を専攻するア
ルバイト女子大生
級料理店にお客を招待したり、女性のいる場所に接
待して”もてなす“ことは殆どない。
 設営された展示各社のラウンジを訪れた、日頃、
お世話になっている自社のお客様にはスナック(軽
食)や飲料と、役員や担当員が楽しい会話をサービス
して、“お客様“に感謝の気持ちを伝えている。
 国内のモーターショーでは来場者に車両を“見せ
る”ことが展示会の中心になっている。企業の一部
の人だけが“接客”を受ける国内の販売慣習から、
国内のトラック、トラクタ、トレーラ、バス、架装メー
カー、周辺機器メーカーなどの輸送機器関係企業が
一致して展示会に参集し、お客様や運転手、その家
族を含めて男女を問わず、輸送機器関連メーカーか
ら“お客様”に日頃のご愛顧に感謝を伝えることを
共通目的とした展示会が、国内でも開催されること
を期待したい。
 全てのビジネスに国際性(Internationalization)
が求められる今日、乗用車ショー、商用車ショー
を問わず、国内で開催される展示会に、ビジ
ネススタイルの変化が求められていることを
“2015Solutransリヨン商用車ショー“に感じる。
トピックス記事掲載のため、“元さんの従心こばなし”はお休みしました)
TheTRUCK2016年2月号45
日新ホームページをリニューアルしました
バックナンバー・購読・広告の問合せ
月刊『TheTRUCK』
開催案内・出展申込書ダウンロードできます
2016 NIPPON
トラックショー
http://www.truck-x.com 検索

東京ビッグサイト西展示場のアトリウムを含め全てのホールを使用して行われた
「オートモーティブワールド2016」。
ZMP社の自動運転タクシー実験車両。かなり現実味を帯びてき
ており、DeNAと協力して横浜市での公道実験も始められそうだ。
(コネクティドカーEXPO出展)
TheTRUCK2016年2月号54
 2016年1月13日から15日、東京ビッグサイト
で開催された自動車関連の展示会で、5種の分野を
まとめてオートモーティブワールドと銘打っている。
具体的にはビッグサイト西ホール1階で開催される
「第7回EV/HEV駆動システム技術展」「第4回
コネクティッドカーEXPO」「第8回カーエレクトロニ
クス技術展」と、2階で開催される「第2回自動車部
品加工EXPO」「第6回クルマの軽量化技術展」
ある。大きめの小間での出展もあるが1小間での出
展も多く、会場内の小間はほぼ100%に近く埋め尽
くされている。その数は共同出展を1社と数えても
600社近い。B2B展示会のため専門的な展示が多
いので、技術に詳しくないと見ても難しい点は多い
が、通路も狭いために歩くのも大変な場所もあった。
従って取材写真も思うように撮れず詳細の説明も難し
いから、本当にごくごく一部の紹介しかできないが今
後のクルマが進んでいく技術的側面の一面でもお分
かりいただければ幸いである。ここでは一般的乗用
車の技術が多く、特にクルマの軽量化技術などは大
型車でも大いに関わりがあり、もちろん大型車にも採
用されるものはあると思うが、残念ながらそこに特化
した展示は気がつかなかった。写真キャプションで簡
単な説明を付記したのでご覧いただきたい。
クルマ・イベン
自動車関連技術に特化したB2B展示会
「オートモーテブワールド2016」

BNLジャパン㈱のプラスチック製ステアリングベアリング。通常ス
チール製品だが、プラスチックでほぼ半分の重量に軽量化した。
GM、フォードが採用しているが、確かに軽い。デメリットは寿命だ
と言うが片や100年に対し60年と言うから許容範囲だろう。(ク
ルマの軽量化技術展)
ロボットで有名な村田製作所も車載機器を中心に展示している。
(EV・HEV駆動システム技術展)
帝人㈱のカーボン車体モデル。超軽量、高剛性で一部高級スポー
ツカーなどに採用されているが、新たな製造方法でコストダウンが
図れれば軽量化の期待の星だ。(クルマの軽量化技術展)
ルネサスはクルマのIT化技術など車載半導体分野を中心に今回
の展示会で最大規模の出展面積を誇る。(EV・HEV駆動システ
ム技術展)
東洋電産㈱の電気の宅配システム小型トラック。普段はEV充
電車、緊急時には電源車になる災害用電源車として活躍する。
(EV・HEV駆動システム技術展)
藤倉ゴム工業㈱は異材複合化製品を紹介している。すなわち
CFRP、ゴム、金属などを複合化させることで新たな機能部材を作
り上げるもので今後が期待される。(クルマの軽量化技術展)
TheTRUCK2016年2月号55

HINOダカールラリー2016
無事に車検を終えた日野チームスガワラ
拍手に送られてスタートを切る2号車
チェクを受ける1号車
ポディアムで激励される菅原照仁
テクノポリスのスタートポディアムを出発する1号車
車検を終えた菅原義正と照仁
■ルートマッ
2016年1月1日
2台の日野レンジャーが車検に合格
2日の競技スタートに向けて準備整う
2016年1月3日
ダカールラリー2016がブエノスアイレスをスタート
プロローグランは4輪部門車のアクシデントにより途中で中止に
TheTRUCK2016年2月号56
2台揃ってロザリオにゴールし
10
リットル未満クラス
7
連覇を達成
2号車が総合上位に食い込み、
日野レンジャーの高い能力を実証
 ダカールラリー2016の車両検査がスタート地、アルゼンチンのブエノスアイレ
ス市内で31日から始まり、初日に検査を受けた日野チームスガワラの2台の日野
レンジャーは無事合格。すべての手続きを済ませた車両はスタート会場に隣接した
パルクフェルメ(車両保管場)に収められ、2日のスタートを待つばかりとなった。
 日野チームのスタッフは12月中旬にアルゼンチン入り。ブエノスアイレス市近郊
にあるトヨタ・アルゼンチン、サラテ工場の施設を借りて競技車の最終調整など準
備作業を行ってきた。日本から海路で送られた車両の受け取りは24日と予定より
若干遅れたが30日までに作業は無事終了。同日午後には同所で行われたトヨタ系
参戦チームの合同記者発表会で菅原義正、照仁両ドライバーがトラック部門総合順
位の上位入賞と排気量10リットル未満クラスの7連覇を目指す参戦の決意を改め
て表明した。

明日のSSに向けて整備される日野レンジャー
1号車菅原義正/高橋貢
大雨のフユイのビバークに到着した日野レンジャー
2号車菅原照仁/杉浦博之組
変更点に沿ってロードブックを切り貼りする高橋貢ナビ
ゲーター
2号車を迎えるメカニックたち
マラソン行程の打ち合わせをする菅原義正
フフイのビバークで給油する1号車
日本食のカレーライスで英気を養う菅原義正
ナビゲーションの確認作業を終えた杉浦博之
アシスタンスカミオンで装備品を確認する菅原照仁
1号車菅原義正/高橋貢組
2016年1月4日
大雨によりステージが全面キャンセル
明4日の今大会最長SSに向けて日野チームは気持ちを一つに
2016年1月5日
いよいよ本格的な競技に突入
2号車が順調に総合23位、1号車も47位で堅実にゴール
2016年1月6日
短縮されたSSを粛々とクリア
土砂降りのビバークでマラソン行程に向けた点検整備を実施
2016年1月7日
中盤戦の高地ステージがスタート
平均標高3500mのループSSを2号車が19位でゴール
TheTRUCK2016年2月号57

HINOダカールラリー2016
サルタのビバークで2台揃って整備される日野レンジャー
ウユニのビバークに到着する2号車
1号車菅原義正/高橋貢組
2号車菅原照仁/杉浦博之組
データを整理する名越エンジニア
カニックたちと整備の打ち合わせをする菅原照仁
2号車菅原照仁/杉浦博之組
1号車菅原義正/高橋貢組
ショックアブソーバーの交換準備をする中村メカニック
サブリーダー
酸素濃縮器で高地SSに対応した菅原照仁
作業の段取りを打ち合わせるメカニックたち
午後10時すぎにサルタのビバークに到着したアシスタ
ンスの先発隊
2016年1月11日「休息日」
休息日で車両を完全にリフレッシュ
排気量10リットル未満クラス・ワン・ツー体制で前半戦を折り返し
2016年1月8日
ダカールラリー2016がボリビアへ入国
2号車が快調にSS総合17位を記録
2016年1月9日
ウユニを基点に再び超高地SSを実施
2号車が総合20位で快走
2016年1月10日 2号車がトラック部門総合18位で前半戦を終了
ウユニ〜サルタ間で817㎞のロングステージを実施
1号車はスタックするもゴールに向けて走行中
TheTRUCK2016年2月号58

新品タイヤを用意する田極メカニッ
2号車菅原照仁/杉浦博之組
CP1へ向かう1号車
1号車菅原義正/高橋貢組
フロントキャリパーを点検する近藤メカニッ
1号車菅原義正/高橋貢組
順調にSSを終えた2台の日野レンジャー
到着した2号車をチェックするメカニックたち
2号車のフロントリーフを交換する外池メカニッ
パンクしたタイヤのホイール交換を行うメカニックたち
菅原義正から車両の状況を聞くメカニックたち
ラ・オハのビバークで整備される日野レンジャー
2016年1月11日「休息日」
2016年1月12日
2号車が累積順位16位に浮上
後半戦がいよいよスタート
2016年1月13日
オフロードと砂丘のループコースで本領を発揮
2号車がSSトップ10入りの総合9位を記録
2016年1月14日
2号車が終盤にスタックもSS総合14位
最大の難所フィアンバラで2台の日野レンジャーが健闘
TheTRUCK2016年2月号59

HINOダカールラリー2016
2号車菅原照仁/杉浦博之組
ゴールでアルゼンチン日野の関係者らとともに記念写真におさまる日野チーム
1号車菅原義正/高橋貢組
サン・ファンのビバークで2号車の整備準備を進める
カニックたち
バンデラのモニュメントの前を行く1号車
2016年1月15日
酷暑の悪路ステージを2号車が13位で走破
1号車も33位でゴールし、10リットル未満クラスのワン・ツー体制を堅持
2016年1月17日
2台揃ってロザリオにゴールし、排気量10リットル未満クラス7連覇を達成
2号車が総合上位に食い込み、日野レンジャーの高い能力を実証
TheTRUCK2016年2月号60
 16日、ダカールラリー2016は最終行程のヴィラ・カルロス・
パス〜ロザリオ間で180㎞の競技を行い、その後のリエゾン(移動
区間)でロザリオにゴール。市内の史跡「モニュメント・ア・ラ・バン
デラ」前でゴールセレモニーが行われた。日野レンジャーを駆って日
本から唯一トラック部門に参戦した日野チームスガワラは、2号車菅
原照仁/杉浦博之組が累積順位の総合13位/排気量10リットル
未満クラス1位、1号車菅原義正/高橋貢組が同じく総合31位/
クラス2位の成績を挙げ、同クラスの7連覇達成をワン・ツーフィニッ
シュで飾った。また、総合順位でも13位に食い込んだ2号車は、
大型のライバル勢を相手に日野レンジャーの持つ高いポテンシャルを
改めて実証した。

胴上げされる菅原義正
カニックたちとともにポディアムに到着した2号車
日本から駆け付けた日野自動車の市川会長と握手する菅原義正、高橋貢
菅原照仁、杉浦博之組の結果を讃えた市川会長
ポディアムに到着した1号車
市川会長ともに結果を祝う日野チーム
TheTRUCK2016年2月号61

開会式のセレモニー
東風商用車有限公司の展示車両
東風商用車
展示会のポスター
TheTRUCK2016年2月号62
 2015年11月12日から15日の日程で中国・武
漢で開催された「中国国際商用車展示会」は、国内
外からビッグなシャシーメーカー、バス、商用車、専
用車、及び部品会社が出展し、国内外の完成車及び
部品メンテナンスの集大成となった。
 主な出展企業は、一汽解放、東風汽車、中国重汽、
北汽福田、陜西汽車、江淮汽車、安凱汽車、長安
汽車、スカンニア、イベック、広汽日野、上汽イベッ
ク紅岩、江鈴汽車、その他中集車両、南京華晨,
新宏昌、三環集団、航天三江、三東従林、広東粤海、
武漢市政、森林河房車、スベカ、梟龍(軍車)厖大
車両などトラックメーカー及び専用車企業が出展。車
種バリエーションは、大型トラック、バス、軽トラ、
ダブルキャップ、商務車両、専用車、特殊車両等多
彩であった。
 部品会社は、JOST、康迪泰克、揚州海沃、
BPW、ZF、広東富華、深圳凱卓立、上海申毅、
引江蓬帆、佳通輪胎、アルコア、揚州京花、煙台
未来、梁山水泊等。今回は中国商用車サミット、中
国商用車発展国際セミナー、物流と運送車両サミッ
など中国国際商用車展示会を開催すると同時に様々
なセミナーも開催した。
今回の武漢「中国国際商用車展示会」には、600社
余りが出展、出展面積は9万㎡、来場者21,723人。
人民日報、経済日報、中国日報、中国汽車報、中
国工業報、中国交通報、現代物流報、第一財経報、
湖北日報、長江日報、中央テレビ、湖北テレビ、武
漢テレビ、広東テレビ等50社あまりの報道関係が集
まり大盛況となった。
中国国際商用車展覧会
中国国際商用車展覧会を開催(武漢)
テーマは『省エネ創新、未来を導く』
トラック関係
600
社余りが出展、
来場者は
21,723
人に。

中国一汽の展示車両中国一汽の展示車両 「解放」というブランドです
展示会場風景西重汽の展示場面
中国国際商用車サミット
江淮康鈴 純電気トラッ
出展した部品
江淮汽車の物流車両
TheTRUCK2016年2月号63

TheTRUCK2016年2月号64
【最優秀賞を受賞した源川瑚之香さんのコメント】
お年寄りの方が、自転車にひかれそうになったところを見て、あぶないと思った
からこの作品を描きました。最優秀賞に入賞したことと、自分の作品がポスター
となり全国のSGモータースのお店に飾られているのでうれしいです。
最優秀賞 源川瑚之香さん(10歳)とお母さん表彰式後の集合写真
SGモータース㈱
「第2回あんぜん絵日記コンクール」表彰式を開催
家族で“安全”について考える機会に
 SGホールディングスグループで車両整備・
車両販売・ボディ販売事業を展開するSGモー
タース株式会社(本社:東京都江東区、代表取締
役社長:佐野友紀氏)は、2015年12月19日
㈱佐川東京ロジスティクスセンター(東京都江
東区)で、「第2回あんぜん絵日記コンクール」
彰式を開催した。このコンクールは、同社の安
全への取組みとして昨年度から開催しており、
今回で2回目となる。今年度は85作品の応募
があり、たくさんの独創性豊かな作品の中から、
最優秀賞1名、優秀賞5名の子どもが入賞した。
 同社は、「今後もさまざまな安全への取組みを
実施するとともに、交通事故・違反の防止に努
めて参ります。とコメントしている。

TheTRUCK2016年2月号65
ナブテスコサービス㈱
エンジンオイルの地面への排出をカバーする
『オルキャッチャー』を本格販売
トラックドラバー不足への貢献に期待
 トラックターミナルや企業の物流施設を訪ねると、
トラックが停まっていた辺りの地面が黒く変色してい
るのを見かけることがある。これはトラックのエンジ
(エアドライヤ)からあふれ出たオイルが地面に落
ちこぼれて変色したものである。
 日本でも最近は生産現場だけでなく、物流現場で
もクリーン化が進められており、とくにISO14001
を取得している工場では車両からのオイル排出を禁
止したり、食品関係を扱う物流施設では、トラック
が停まる際、ドライバーにエンジンの下にオイル吸
着シートを敷くよう指示するケースもある。
 このエンジンオイルの油漏れは、故障ではないも
のの、物流品質の向上に取り組む荷主企業にとっ
ては迷惑千万で、そのしわ寄せがトラックドライバー
にかかっているのが現実である。少子高齢化時代
を迎えて、トラック運送業界は深刻なドライバー不
足に直面しており、3Kイメージを払拭する意味で
も車両側の対策が求められ
ていた。
 そこで、エアドライヤの
トップメーカーであるナブテ
スコオートモーティブ株式会社
(販売はナブテスコサービス
㈱)では、エアドライヤから
排出するオイルを自動的に回
収する『オイルキャッチャー』を開発、トラック運送事
業者を対象にキャンペーンを展開している。
 この『オイルキャッチャー』の構造は、エアドライ
ヤから放出されるオイルを特殊フィルターでキャッチ
して回収、エアだけを大気に放出し、容器に溜まっ
たオイルは定期的に廃棄処理するもの。車両への
取り付けは、オイルキャッチャー本体を車体フレーム
に取付け、付属のホースをエアドライヤ排気口と接
続するだけ。オイルの回収は月一回を目安にドレイ
ンポールを取り外して行う。
『オイルキャッチャー』には、大容量型と最近発売
した軽量型の二種類があるが、軽量型は車両への
取り付けを簡単にしたほか、容器を透明にすること
によって、容器に溜まったオイルの量を目視で確認
できるなど、改良を図っている。
『オイルキャッチャー』を販売するナブテスコサー
ビス(本社、東京・品川区、03ー3449ー3621)
では「ドライバー不足でトラック運送業界がお困りの
時期でもあるので、今後はトラック運送事業者に直
接アプローチして、ドライバー不足に貢献したい。
と語っている。
(秋林路)

トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
表彰される鈴木部会長(右)
TheTRUCK2016年2月号66
 3月26日に開業する北海道新
幹線は、2年後の2018年春に時
速200キロメートル走行を目指して
おり、交通政策審議会に設置された
青函共用走行区間技術検討WGは
18日に中間報告を行い、時間帯区
分、すれ違い減速、トレイン・オン・
トレインの3つの案うち、「時間帯区
分案」を最優先に取り組む方針を固
めた。
 北海道新幹線・新青森〜新函館間
149キロメートルのうち、青函トンネ
ル区間(54キロメートル)を含む82
㌔㍍区間は、貨物列車が共用走行
するため、開業時は特急列車と同等
の時速140キロ走行となる。
 2年後の時速200キロメートルで
1日1往復の高速走行を実現するた
め、2012年7月に鉄道部会整備
新幹線小委員会にWG(座長=家田
仁東京大学大学院教授)を設置し、
3つの案それぞれについて技術的な
検討を行い、今般中間報告した。
 時間帯区分案は、支障物の確認
方法と確認時間の短縮、および貨物
列車の誤進入防止を検討。
 新幹線で用いられている確認車に
よる軌道上の支障物確認は、現行は
時速60キロメートル程度で走行し、
約2時間かけている。これを1時間
程度に短縮する必要があり、それに
は確認車の走行を
時速140キロメー
トル程度で行わなければならない。
しかし、共用走行区間は3線軌道と
いう特殊構造を有しており、それに
適した確認を行う必要がある。
 確認車は、新幹線車両・電気機
関車特急気動車現行確認車をベー
スに検討した結果、開発機関費用
車両の研修体制の観点から、現行確
認車をベースに改造する方法が適当
との結論になった。
 貨物列車の誤進入防止は、高速
走行中に貨物列車を進入させない
システムなどが必要となるが、安全
性を評価した結果、問題ないことを
確認。
 今後、保守作業時間、高速走行
する時間帯の設定、3線軌での高
速走行が初めてとなることから、十
分な調整・検証が必要となる。な
お、新幹線の走行は昼間帯が想定
されているが、具体的なダイヤの
検討はまだ行われていない。
 すれ違い減速は、トンネル内の
気圧変動が貨物列車へ与える影響
などを検証。安全性確保には引き
続き慎重な検討が必要とされた。
 トレイン・オン・トレインは、三線
軌がなくなるなど根本的な課題が解
消されるメリットがあるものの、重
量が大きいことや重心が高いことに
伴う技術的な課題も多く、これも慎
重な検討が必要とされた。
 18日に開催されたWGでも、委
員からは時間帯区分案に対する意
見で終始し、また自治体(北海道・
青森県)からも、「時間帯区分の検
討をしっかり実施し、18年春の高
速走行実現を信じたい」との発言が
あった。
全ト協
 全日本トラック協会の「引越事業
者優良認定制度」が消費者関連専門
家会議(ACAP)が主催する「消費
者志向活動章」を受賞、19日都内
で表彰式が行われた。
 この表彰は、企業や団体もしくは
個人が行う活動のうち、消費者志向
経営を推進する観点から称賛に値す
るものを表彰するもの。今回が第1
回で公募15活動のうち4つの活
動が選ばれた。他は「字幕付きテレ
ビCMの放映」(花王)「消費者教
育教材を用いた消費者啓発」(第一
生命保険)「ご高齢のお客様への
対応」(明治安田生命保険)
 同制度は消費者と引越しサービ
スを提供する運送事業者との間の
問題やトラブルへの対策として、
引越認定制度が受賞
ACAP主催
消費者志向活動を評価
交政審WG中間報告
18年春
目指し

提供:運輸新聞
埼玉支店外観初導入の周回式有軌道台車
あいさつする松田会長
TheTRUCK2016年2月号67
2014年より自主的な認定制度とし
て創設された。
 受賞理由は「消費者行政と事業者
団体の連携の取り組みであること、
および業界として取り組むことにより
中小規模の企業でも学びの機会が
得られ、消費者志向経営の輪の拡
大につながる」ことが挙げられた。
 表彰式に臨んだ鈴木一末全ト協引
越部会長は「引越事業者優良認定制
度は旧運輸省の20数年前から着手
したもの。認定事業者は462者、
7000人近い引越管理者を輩出し
ている。一般消費者のために、お
客様相談窓口を身近に設け、苦情
やトラブルの防止努めている。この
受賞を皆に誇れるものにしていきた
い」と喜びを語った。
 C&Fロジホールディングスグルー
プのヒューテックノオリンは15日、
埼玉支店(さいたま市岩槻区長宮
1544ー1)の竣工式を行った。
 同支店は東北自動車道岩槻ICから
約4.5キロメートル、車で約15分
の立地。敷地面積2万6309平方メー
トルに倉庫棟(3階建て)と事務所棟
(一部5階建て)が建つ。延べ床面
積2万9882平方メートル、冷凍・
チルド・定温の3温度帯に対応した
移動・自動ラック倉庫(13万9293
立方メートル)を整備。ドッグシェル
ター(1階24バース、2階21バー
ス)、垂直搬送機6基、貨物用エレ
ベーター1基、リーチフォークリフト
50台、24時間監視カメラ101台。
出庫および再入庫の能力を飛躍的に
向上させる周回式有軌道台車を初め
て導入。
 保管と配送を一体化させた施設
で、冷凍食品メーカーや冷凍食品
卸、病院食材などの荷物を保管、首
都圏に共配する。車両は約60台。
投資額約110億円(土地・建物・設
備など)。今月末から稼働、7月末に
はフル稼働を予定。
 あいさつに立った松田靫夫会長は
「お客様は日本を代表する冷凍食品
メーカーなどで、グループの力を結集
した当社最大級の最新鋭施設で最適
な物流品質を提供する。時代のニー
ズにも対応していく」と話した。
 来賓の宮内秀樹国土交通大臣政
務官は「物流の効率化、生産性の向
上、人手不足の対応、環境への対応
などを推進する新しいインフラとなる
倉庫。物流総合効率化法(物効法)
直しを進めており、物流業界に刺激を
与える試みだ。地域と企業と役所が
一緒になって取り組む見本」と述べた。
埼玉に最大級冷凍庫
3温度帯で物効法の事例に
ヒューテック
ノオリン
 ヤマト運輸労働組合(森下明利中
央執行委員長)は20日、東京国際
フォーラムで2016年『春季生活改
善』中央討論集会を開催した。
 春季生活改善要求案の内容は、賃
金引き上げがマネージ組合員1人平
均1万1000円(基本給4800円、
各種制度改定6200円)を要求。付
帯要求として、労務管理の見直し、
安全を向上させる施策(車両管理につ
いて、安全に特化する専門部署の設
置)ワークライフバランスの推進、
パート社員の処遇改
善などを盛り込んだ。
 夏季一時金は、マ
ネージ組合員1人平
均70万円、7月1
日までの支給を要求。
 主催者あいさつで森下委員長は、
今月発生したスキーバス事故に触れ、
「2012年の関越道ツアーバス事故
後さまざまな規制が強化されたが、そ
れらが全く守られていない実態が今回
賃上げ1万1千円要求
個の力を発揮できる職場環境の整備を
ヤマト労組

トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
出展企業訪問立ち見の学生も多く座談会で情報収集する学生
あいさつする森下委員長
TheTRUCK2016年2月号68
の事故で浮き彫りになった。もっと実
行力・実効性、拘束力のある対策を
講じなくてはならない」と見解。
『安全第一、営業第二』というヤマ
トグループの基本理念をすべての職
場で共有し、自主的に取り組むことが
必要。法令遵守はもとより、さまざま
な規制・ルールが適正に守られている
か。各自が強い使命感を持って取り
組みを進めてほしい」と呼びかけた。
 労働力の確保については「労働環
境の整備へ、まずは実態に合わせて
体制を取ることが重要。社員一人ひ
とりのやる気、モチベーションの向上
が安全、サービス品質、業績にも大
きく影響する。個の力を十分に発揮
できる職場環境を作ることは、会社に
とっても一番の経営戦略であることは
間違いない」とした。
さいごに、「春季生活改善交渉にお
いてヤマトの強みは何かを今一度確認
し、それを生かすにはどうすればい
いか、将来の成長に向けて何が必要
なのか、会社としっかり議論していき
たい」と語った。
 日本物流団体連合会(物流連)
は、昨年に続き第2回「物流業界研
究セミナー」を東京・渋谷で開催。
第1回より10社多い34社が出展
し、エントリーした学生は2倍以上
の1400人余にのぼった。
 出展企業訪問、座談会、講演会、
パネルディスカッション、グループ
ワークと多彩なプログラムを用意。
出展企業訪問は、1クール30分で
9回行われ、用意した席が満杯にな
るブースが続出。このため、入れ替
え前に後ろで待つ積極的な学生も多
くみられた。
 各企業は、3PL、アセット型、幹線
特積み、DC・TCなど企業紹介の
際に必要となる業界用語を身近な例
をとってわかりやすく説明していた。
ある企業では、学生に「3PLを聞い
たことがありますか」と質問。約30
人のうち6人もの人が手を挙げてい
た。またある企業は、DCにはハム
やソーセージが運ばれており、最近
は流通加工に力を入れていることを
ピーアールした。
 フォワーダー企業は、「物流には
キャリアとフォワーダーの2種類が
ある」とし、フォワーダーは貨物の
旅行代理店であり、「当社はモノの
流れをつくる会社です」と強調して
いた。
 第1回に続き、女子学生が約半
分を占めた。「物流をもっと知りたくて
来ました」と答え、若手社員からのア
ドバイスを直接聞くことができる少人
数制の「座談会」に参加し、情報を
収集する姿がみられた。
 社名に倉庫がつく企業では、学生
から「規制緩和」について質問が出
された際、「保管と輸送の垣根がなく
なっているが、保管をきめ細かくでき
るのはうちです」「今、ライバルは物
流企業でなく○○ハウスです」と答え
ていた。
 講演会で、物流連の村上敏夫事
務局長は、「物流は成長産業である」
ことを説明した。
3PLも認知度高く
第2回業界研究セミナー
積極的な学生多く
物流連

提供:運輸新聞
TheTRUCK2016年2月号69
 横浜冷凍は、埼玉県の幸手中央地
区産業団地内に「幸手物流センター」
(仮称)を新設する。
 幸手中央地区産業団地は、圏央道
幸手インターチェンジに隣接。横浜
冷凍はこれまで圏央道沿線に加須、
加須第二、鶴ヶ島、伊勢原各物流セ
ンターを稼働させており、5つの物
 佐川グローバルロジスティクス
は、群馬県伊勢崎市に県内最大規
模の大型物流施設「群馬営業所」(写
真)を新設、山善(本社=大阪市)
東日本での新たな拠点「ロジス新関
東」として15年間の業務委託契約を
締結し、2月22日から稼働する。
 群馬営業所は、敷地面積11万
2927平方メートル、延べ床面積8
万2392平方メートル、鉄骨造り(準
 三越伊勢丹ホールディングス傘
下の伊勢丹シンガポールとヤマト運
輸、ANACargoは9日から、
ISETAN(S)のECサイトである
「IONLINE」上で、越境ECサイ
「ISETANJAPANDIRECT」
を新設、日本の旬な農水産品など
の食材をシンガポールの消費者に届
ける「お取り寄せ」モデルをスタート
流センターによるネットワークを活用
して圏央道地域の低温物流ニーズに
応える。
 新物流センターは、延べ床面積約
1万8500平方メートル、鉄筋コン
クリート造り3階建て、冷蔵収容能
力約2万800トン。
 自然対流のRD(リターンダクト)
耐火構造)。返品センター、パーツセ
ンターに加え、危険物倉
庫を併設することで山善
家庭機器事業部のすべて
の取り扱い商材に対応。
 平屋倉庫2棟は階高
を生かした大物商材の大
量保管、2階建て倉庫
はピッキングなどの作業
性を重視した間口設定で
した。
 第一弾の食材として福岡県産の
イチゴ「あまおう」を販売。ヤマトと
ANAが提供する国際間の小口保冷
輸送サービス「国際クール宅急便」
どの輸送サービスを通して、高品質
な日本産品をシンガポールの購入者
の自宅まで、出荷から最短翌々日の
午前中に届ける。購入者の要望に応
却方式を導入。
プラットホーム内
を陽圧化すると
ともに廃熱を利
用して除湿を行うハイブリッドデシカ
ント陽圧システムを採用。冷媒には
自然冷媒であるアンモニアとCO
を使用。小口貨物に迅速可能な電
動式移動ラックを設備。屋上には約
615キロワットの太陽光発電システ
ムを設置。
 4月着工、来年竣工予定。
小物商材を中心に保管する。
 自動仕分け機を導入し、複雑化す
る要望に柔軟に応え、作業動線・歩
行距離を短縮することで作業の効率
化・省人化・品質向上を実現する。
じて、最短翌日にシンガポールヤマ
ト運輸の営業所で受け取ることも可
能。
 今後は「ISETANJAPAN
DIRECT」の商品ラインアップを充実
させていくほか、ISETAN(S)の店
頭で、定期的に日本産品の試食会
などのプロモーションイベントを開催
し、日本産品の輸出拡大に取り組む。
圏央道で5カ所目
幸手物流センター着工へ
山善と15年の契約
8万㎡の群馬営業所新設
横浜冷凍
佐川GL
伊勢丹シンガポールと
ヤマト運輸、ANAカーゴ
越境EC事業を開始
シンガポールで
日本の旬な食材を
お取り寄せ

トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
岡田BIAC会長
バルクコンテナからの搬出(デモンストレーション)
TheTRUCK2016年2月号70
 センコーは15日、「袖ヶ浦バル
クコンテナセンター」(千葉県袖ケ
浦市)を開設した。京葉地域に立
地するケミカルメーカーの樹脂原料
などの取扱物量を拡大させる。
 袖ヶ浦バルクコンテナセンター
は、コンテナを屋外保管する物流
センターで、敷地3万4000平方
メートル、保管面積は3万3000
平方メートル。作業用テント2棟(各
330平方メートル)、43トントップ
リフター1台、24トンフォークリフ
ト2台を配置。
 従来の袖ヶ浦バルクターミナル
(約1万8000平方メートル)の2
倍に近い保管面積があり、最大で
1884基のコンテナを保管(最大貯
蔵量約2万トン)することが可能。
 航空貨物運送協会(JAFA、会
長=伊藤豊日本通運副社長)と国際
航空貨物航空会社委員会(BIAC、
会長=岡田晃全日本空輸常務取締
役執行役員貨物事業室長兼ANA
Cargo社長)は14日、都内のシェ
ラトン都ホテル東京で、共催の新年
賀詞交歓会を開催した。
 冒頭あいさつでBIACの岡田会長
は、「昨年は年度が変わって以降、
北米港湾混雑に伴う航空輸送特需
にもかげりがみえ、中国経済の減速
もあって日本発の貨物も伸び悩み、
 コンテナの充填の有無、センター
内での保管場所、入出庫予定と
いったセンター内にあるバルクコン
テナに関する各種情報をタブレッ
端末、携帯電話回線を利用してリ
アルタイムに把握・管理するバルク
コンテナ管理システ
ムを導入した。
 バルクコンテナ
は、粒体、粉体の
樹脂原料などを輸送
するためのコンテナ
で、工場内のサイロ
から直接充填し、配
送先の工場のサイロ
に直接投入するもの。
 従来のフレコン・
紙袋を使用した輸送
今年に入っても株価の下落やテロな
どの懸念材料があり、燃油価格は下
がっているものの出だしは不調。し
かし今年は、あと350日余り残って
いる。選挙の年でもあり、経済政策
をたくさんやっていただき、年末に
はいい雰囲気になれば」と語った。
 さらに、「航空貨物事業において企
業がサービスを長く安定して提供す
るには業界の発展が不可欠。コスト
ダウンの面でも、各企業だけででき
る部分もあるが業界全体で取り組む
ことが必要。荷主企業の皆さんにも
に比べ、異物混入リスク低減など
のメリットがある。コンテナを海上
輸送、鉄道輸送にモーダルシフト
し、環境負荷を低減することもで
き、同社では積極的にバルクコン
テナ輸送を推進している。
今の航空貨物
業界の状況を
理解していた
だき、当業界
の将来にわた
る安定的な成長・発展が続くことを
期待している」とした。
 さいごに「今年の干支である『丙申
業界の安定的な
成長・発展へ協力
ケミカル物流新拠点
バルクコンテナ輸送を強化
JAFA
BIAC
センコー

提供:運輸新聞
賀詞交歓会であいさつする川合副会長 
鏡割りの様子
TheTRUCK2016年2月号71
(ひのえさる)は、さまざまなこと
が結実する年と言われる。我われ業
界が永年頑張ってきたことが結実す
るよう、JAFA、BIACともに取り
組んでいきたい」と語った。
 続いて岡田会長、JAFAの伊藤
会長、倉本博光副会長(郵船ロジス
ティクス社長)、石崎哲副会長(近
鉄エクスプレス社長)らによる鏡割り
を行い、倉本副会長が乾杯の音頭を
とった。
 日本ロジスティクスシステム協会
(JILS)は12日、経団連会館で新
春講演会・賀詞交歓会を開催。それ
に先立ち、川合正矩副会長、橋爪茂
久専務理事が出席し新年記者会見を
実施した。
 川合副会長は、「物流を取り巻く環
境は大きく変化し、経営環境も厳しさ
を増す一方。このような変化に物流
業界が的確に応えていかなくては、
日本の産業がグローバル化競争から
取り残されかねない」と見解。
「喫緊の課題は物流事業の担い手
の確保、育成。人口減少、少子高
齢化時代の到来により、日本の物流
業界は深刻な人手不足に陥るおそれ
がある。このような事態を回避するに
は、魅力ある職場とするための物流
事業者による自助努力はもとより、荷
主企業のサプライチェーン全体にか
かわるステークホルダーとの連携によ
り、物流のさらなる生産性向上と省
力化・省人化による作業工程の削減
などの負荷軽減が欠かせない」と指摘
した。
 さいごに、JILSが発表している『ロ
ジスティクスコンセプト2020』の課題
の1つ『ロジスティクスの統合管理に
よる全体最適化・競争力強化』につい
「統合管理を人材面で担保するた
め、企業内でロジスティクスのスペシャ
リストを育成する仕組みの構築という
側面で支援していく」方針を示した。
 続いて橋爪専務理事が今後の方針
について「引き続き『ロジスティクス
コンセプト』の実現に向け活動を展開
し、特に今年は積極的な提言活
動に力を入れたい」と説明。具体
的にはロジスティクスKPI推進部
会、ロジスティクスIoT推進部会
を新たに設置し、産学官の連携に
より議論を深め、企業間の課題解
決のための方策を発信する。
 今年は9月13日〜16日に東
京ビッグサイトで『国際物流総合
展』を開催するほか、ASEAN地
域での物流人材育成事業では、
昨年日本で実施した物流人材育
成の講師研修を受けたベトナムの受
講生が3月に現地で初の講習会を行う
ため、日本からも専門家を派遣する
予定とした。
 続いて「新春に想う−新しい物流シ
ステムの構築に向けて」と題してダイ
フクの北條正樹社長が講演。賀詞交
歓会では、川合副会長の主催者あい
さつ、国土交通省の羽尾一郎物流審
議官の来賓あいさつに続き、経済産
業省の松本年弘審議官が乾杯の音頭
をとった。
スペシャリストを育成
JILS
KPI
IoT
部会新設へ

トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
関谷保夫社長
TheTRUCK2016年2月号72
 日本自動車ターミナルは8日、東
京・千代田区の都市センターホテル
で賀詞交歓会を開催。あいさつに立っ
た関谷保夫社長は、今年度の主要な
取り組みとして①大型CNG車対応
の新給油所の整備②京浜トラックター
ミナルにおける高機能型物流施設「A
(仮称)の建設③すべてのトラック
ターミナルでの72時間の非常用電
源の確保――を挙げた。
 「A棟は延べ床面積10万平方メー
トルを超えており、当社最大規模の
 環境省に置かれた気候変動長期
戦略懇談会は、2050年までに温
室効果ガス排出量を現行より80%
削減する目標に向けた提言を今月
中にもまとめる。化石燃料への依
存は、産業や貨物輸送の一部に限
られ、貨物は効率的な輸送手段の
組み合わせやモーダルシフトによっ
て、移動は大幅に合理化されている
との絵姿を示すことにしている。
具体的な施策立案は白紙
 昨年暮れに開催されたCOP21で
「パリ協定」が採択され、日本は約束
草案で示した中期目標である2030
年度までに13年度比26.0%削減
(05年度比25.4%減)の達成に向
けた対策を講じていくことになった。
運輸部門は、13年度の排出量2
物流施設。昨年7月に竣工した新7
号棟に続くもので、当社創立50周
年記念プロジェクトの一環。新給油
所はL−CNGを供給するもので、
環境に優しいCNG車の利用促進を
図っていきたい。また、葛西での整
備ですべてのトラックターミナルでの
72時間対応の非常用自家発電設備
が確保できることとなり、利用者の皆
さまのBCP(事業継続計画)の実現
に大きく寄与できる。今後も順次再
開発を進め、東京都の『広域輸送基
億2500万トンに対して、30年度は
1億6300万トンが目安となる。
 その中期目標達成も困難が予想さ
れるが、パリ協定では世界共通の長
期目標として今世紀後半に世界の気
温上昇を1.5℃未満に抑える努力を行
うこともあわせて盛り込まれている。
 既にEUは、2050年までに90
年比80〜90%削減の目標を設定
(11年欧州委員会)しており、日本
も同80%削減を目指す(第4次環境
基本計画=12年4月閣議決定)とし
ていた。
 この長期目標に対し、環境省の気
候変動長期戦略懇談会(座長=大西
隆日本学術会議会長)は、80%削減
が実現した社会の絵姿の一例ととも
に、実現の方向性を示した提言を近
くまとめる。
地』として、物流の安全・
安心を高めていきたい」
と話した。
 続いて羽尾一郎国土交
通省物流審議官、浅川英
夫東京都都市整備局次長が来賓あい
さつを行い、竹津久雄日本通運取締
役が乾杯の音頭をとった。
 運輸部門の絵姿は、乗用車は低炭
素化した電力や水素をエネルギー源
とするモーター駆動が主流となり、貨
物車やバスはこれに加え燃費改善や
バイオ燃料をエネルギー源とするモー
ター駆動の普及により、石油製品の
消費は大幅に削減される。
 交通流は、都市構造の変革や効率
的な輸送手段の組み合わせ、モーダ
CNG車の利用促進を図る
日本自動車ターミナル

提供:運輸新聞
TheTRUCK2016年2月号73
 全日本トラック協会と日本貨物運
送協同組合連合会がまとめた昨年
12月の求貨求車情報ネットワーク
(WebKIT)成約運賃指数(2014年
4月を100)は121となり、前月よ
り3ポイント上昇したが、前年同月よ
り1ポイント低かった。
 成約運賃指数は、ちょうど3年前
の12年12月から110を超え、
今年度も114以上の水準を続け、
120を超えたのは昨年12月以来で
依然高い水準を保っている。しかし、
直近の状況をみると10月以降の各
月とも前年同月を1ポイン
ト下回っており、ここにき
て若干伸び悩みの徴候が
みられる。
 12月の荷物情報(求車)
登録件数は12万3583件
(前年同月比7.2%増)
大きく増加した一方、成約
件数は1万1973件(同
6.8%減)。こ
の結果、成約
率は9.7%(同
1.4ポイント低
下)と低迷し、
年末にかけて車両不足が深刻化した
状況がうかがえる。
成約運賃の伸び鈍化
年末
車両不足はより深刻化
12月KIT
 今年10月9日から12日までの4
日間幕張メッセで開催が予定されてい
「2016NIPPONトラックショー」
の企画説明会が昨年12月24日開
催された。
 過去30余年にわたって基本的に
隔年開催されていたトラックショー
は、日新出版(増田周作社長)が主
催して荷主とトラックユーザー、ユー
ザーとトラック産業界が交流する場と
して定着してきた。しかし、増田社
長の死去などで運営主体も変わり、
ルシフトなどによって移動は大幅に合
理化される。
 さらに、電気自動車のバッテリーや燃
料電池自動車が消費する水素は電力需
給の調整力として機能するとしている。
 エネルギー転換部門や産業部門をみ
ると、CCSの設置が電力消費の大幅な
削減をもたらすものと位置づけられてい
る。CCS(CarbondioxideCaputure
昨年予定されていたトラックショーは
開催されないまま終わった。その後、
おおむね旧日新出版の路線を踏襲し
ている横路美亀雄氏が企画する展示
「NIPPONトラックショー」と、国
際総合物流研究所が企画する「ジャパ
トラックショー(9月1日〜3日)
が1カ月そこそこの間隔で開催され
ることになった。当然、出展社や来
場者は同一ターゲットで混乱も予想さ
れるが、所期のトラックショーの開催
経緯などからみて、小紙は横路氏の
&Storage)は、火力発電所や製鉄所
などで発生するCO
を分離・回収して
圧入設備までパイプラインやトラック、
船舶で輸送し、地中の帯水層などに貯
留する(封じ込める)技術。
 現状のトータルコストは1トンあた
り5千円から1万数千円程度かかる
上、貯留に対し漏洩の懸念から住民
の合意が得られない、地層中の鉱物
展示会に一本化されることが望ましい
と判断。以下に開催概要を掲載する。
「2016NIPPONトラックショー」
 テーマトラックの日、走れ未来へ。
少子高齢化時代に夢を育む4日間」
/会期10月9〜12日/会場幕張
メッセ国際展示場9〜11ホール(1
万8000平方メートル)と屋外会場主
催NIPPONトラックショー運営委員会
(代表横路美亀雄)/出展対象①国
内外トラックメーカー②車体・特装車
メーカー、トレーラメーカー③トラック、
トレーラに関連する機器・部品・材料
トラック運送用品⑤トラック輸送関連
の安全・環境機器、システム⑥運行
管理ソフト/来場者(予定)約6万人
を溶かす、海中ではCO
濃度の増
加により生物への影響が引き起こされ
るなどの問題が横たわる。
 絵姿実現への方向性は、ライフス
タイルや経済社会システムのイノベー
ションなどのタイトルが付いている
が、今のところ具体的な内容は示さ
れておらず、対策の立案はこれから
の状況。
10月9日から4日間
NIPPONトラックショー幕張メッセで開催

トラックユーザーNews
トラックユーザーNews
提供:運輸新聞
TheTRUCK2016年2月号74
 ANAグループで貨物事業を担う
OCSは、国際エクスプレス事業の
さらなる拡大のため、東京都江東区
辰巳に『OCS東京ロジスティクスセ
ンター(仮称)を建設する。現在の
本社(東京都港区芝浦)と新木場オペ
レーションセンター(東京都江東区新
木場)の機能を集約し、来年10月
の稼働開始を目指す。着工は今年5
月の予定。
 TPP大筋合意やASEAN経済共
同体の設立、東京2020オリンピッ
ク・パラリンピック競技大会の開催
に伴い、アジアの貨物量増加や物流
 自動車の2030年度頃までの自
動走行実用化を目指し、スマートモ
ビリティシステム研究開発・実証事
業費18億8000万円が経済産業
省の予算案に盛り込まれた。トラッ
ク隊列走行のサブワーキンググルー
プも設置され、電子連結・革新的車
載センサー・危険予測アルゴリズム
の評価手法など要素技術開発と制度
的課題の整理に着手する。
 日本再興戦略には、自動走行シス
テムが戦略的イノベーション創造プ
ログラムに組み入れられ、通信を利
用した運転支援システムの開発・普
及を促進するとしていた。これを受
け、国土交通省(自動車局)と経済
産業省(製造産業局)による自動走行
ニーズ拡大が予想されている。
 東京ロジスティクスセンターは、羽
田・成田空港の利便性を最大限活用
できる立地を生かし、これまで分散し
ていた物流機能を集約することで、
沖縄貨物ハブを活用した国
際エクスプレスのよりスピー
ディーなサービスを実現。貨
物自動仕分け機を導入し、処
理可能件数を現在の約3倍に
することで、効率化・生産性
向上によるサービスの充実を
図る。
 新センターは、敷地面積
ビジネス検討会が昨年設置された。
 同検討会には将来ビジョン検討
WG(ワーキンググループ)、その
下にSWG(サブワーキング)Aと
して隊列走行、Bとしてラストワン
マイル自動走行および自動駐車を検
討対象にすることとなり、今後要素
技術の開発と制度・事業環境の課題
を整理し、年度内に何らかの結論を
得るとしている。
 自動走行のレベルは、1が安全運
転支援(加速・操舵・制動のいずれ
かの操作を行う)、2と3が準自動
走行(2は加速・操舵・制動のうち
複数の操作を、3がすべての操作を
行う)、4が完全自動走行(すべて
の操作をドライバー以外が行う)
約6600平方メートル、建
物は鉄骨造(基礎RC造)
上8階建て・延べ床面積約
1万9000平方メートル。
 OCSは、成長著しいe
コマースビジネスの取り込みや生鮮
食品の輸送、フォワーディング事業、
流通加工など、新センターを活用し
た新たな領域への挑戦を通じて、事
業成長を図っていく。
SWGは、レベル2〜
4がターゲットとなる。
 隊列走行は、先頭の
有人車両を電子連結技
術により2台目以降の
無人車両が自動で追尾
するもので、17年度以降検討に着
手する。
 ラストワンマイル自動走行は、限
定された専用空間を用いて最寄り駅
と最終目的地を自動走行。自動駐車
は駐車場で乗員降車後、無人で駐
車・出庫するシステム。
 これ以外にも、歩車間通信を利用
して歩行者の人身事故の危険を警
告するシステム、路車連携型により
車両を制御(レーンキープアシストな
ど)するシステム、車車間通信を利
用して出会い頭や右左折時の事故を
防止するシステムなどが創造プログ
ラムに盛り込まれており、これらを
踏まえて将来の自動運転につなげて
いく。
東京ロジC開設
機能を集約・再編
り迅速な
サービス実現
OCS
来年
10月
自動走行へ予算計上
隊列走行は17年度以降検討

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年2月号76
ギガCNG車に搭載されるエンジンギガCNG車のシャシ
長距離輸送を可能にした大型トラッ「ギガCNG車」
 いすゞ自動車㈱は、大型
トラック「ギガCNG車」
2015年12月24日に発表
した。
 いすは、これまで小・中
トラックや路線バスといっ
た都市部の短・近距離輸
送向けのCNG車を展開し
てきたが、今回、長距離輸
送が可能な大型トラックの
CNG車を新たに投入したも
の。燃料の多様化を図るこ
とで、エネルギーセキュリティ
に貢献するだけではなく、都
市間トラック輸送でのCO
排出量を低減し、NOx排出量が
少なく、PMをほとんど排出しないCNG車ならではの環境性
能で、環境負荷の低減に貢献することになる。
 今回、一部車型のみの販売でスターし、来年夏以降、
順次車型追加ともに本格投入を予定している。
■ギガCNG車の主な特長
◇2015年10月にフルモデルチェンジした新型ギガのキャブ
を採用。
◇一回のガス充填で東京〜大阪間の走行が可能。
◇エンジンは燃料供給装置にMPI(マルチポイトインジェク
ション)方式を採用した、新型6UV1エンジンを搭載。各気
筒の吸気ポートにインジェクタを配置し、燃料の噴射量やタイ
ングの精密制御により、走行状況に応じて空気と燃料の
比率を最適にコントロール
することで、三元触媒によ
るNOx、NMHC、COの
排出を抑える高い浄化性能
や、都市間走行で使いやす
いパワー&トルクと省燃費性
能を確保。
トータルセキュリティーによ
る安全性の向上を図り、プ
リクラッシュブレーキでは、
衝突被害軽減ブレーキ機能
に加え、移動障害物に対す
る衝突回避支援機能を標
準装備。
◇また、車線逸脱警報(LDWS)、ミリ波車間ウォーニング、
IESC(電子式車両姿勢制御システム)、EBS(電子ブレーキ
システム)も標準装備。
 なお、年間目標販売台数は100台。東京地区希望小売
価格は、QFG-CYL78B-VX-M型、ポスト新長期排出ガス
適合、平成21年低排出ガス車認定取得、プリクラシュブレー
キ・ミリ波車間ウォーニング・車線逸脱警報(LDWS)・IESC
を標準装備、6UV1-TCNエンジン搭載7速MTのキャブ
シャシで27,428,760円(消費税込)となっている。
CNG車…いすゞ自動車
話題のニュートラック新製品情報・新情報
長距離輸送が可能な大型トラック「ギガCNG車」を発表
CNG車ならではの環境性能で環境負荷低減に貢献

TheTRUCK2016年2月号77
自走式高所作業車
「SP12CSN」
自走式高所作業車「SR12CSM」
GPS付発話型ETC2.0車載器(一般タイプ)
 ㈱アイチコーポレーション(本社:埼玉県上尾市、三矢
金平社長)は、造船・建築・設備メンテナ
ンス現場で好評の自走式高所作業車のう
ち、作業床最大地上高10m〜12mのホ
イールタイプ「SP10CSN/SP12CSN」
および、クローラタイプ「SR10CSM/
SR12CSM」をそれぞれモデルチェンジ
し、2016年1月から販売を開始した。
■製品の主な特長
⑴オフロード法2014年基準に適
合した新エンジンを採用【SP10/
12CSN(ホイールタイプ)】…
フロード法2014年基準に適合し
た新エンジンの搭載で、環境負荷
を低減。また作動速度に合わせ
て、最適なエンジン
回転数を自動的に
調整するオートア
クセル制御方式を
採用。
⑵他揚程機種と同様の操作レバーを採用【SP10/
12CSN(ホイールタイプ)、SR10/12CSM(クロー
ラタイプ)】…正確な操作ができるように、19m・21mクラ
スと同様のレバー配置を採用。他揚程の機種でも、使いや
すさや安全性の向上、操作ミスの防止に役立つ。
⑶バー式セーフティスイッチの採用【SP10/12CSN
(ホイールタイプ)、SR10/12CSM(クローラタイプ)】
バスケットが構造物への押付け等により変形した場合でも
作動可能。ワイヤー式と比較し、安全性を確保できる。
高所作業車…アイチコーポレーション
話題のニュートラック新製品情報・新情報
自走式高所作業車4機種を
モデルチェンジし同時に発売
 株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、有馬浩二社長)
は、ETC2.0で
今後導入が予
定されている「経
路情報を活用し
たサービス」に対
応するGPS付
発話型ETC2.0
車載器(一般用)
を2016年1月
末に新たに発売する。
 今回新たに発売する製品は、業界最小クラスの小型ETC
アンテナにGPSが内蔵されており、ETC2.0に対応するカー
ナビゲーションやスマートフォンがなても、車載器単体で「経
路情報を活用したサービス」の利用が可能となる。また、音
声で案内することができる発話型のため、刻一刻と変化する
道路状況に対応して、最適なタイングで、運転支援サービ
スが提供できる。さらに、従来のETC車載器と同等サイズ
のコンパクト設計で、かつ、12V・24V兼用のため乗用車か
ら大型車両まで幅広く対応可能である。
ETC2.0車載器…デンソー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
「経路情報を活用したサービス」の利用が可能な
GPS付発話型ETC2.0車載器(一般用)を新発売
■主要諸元・標準価格
形式 SP10CSN SP12CSN SR10CSN SR12CSN
走行体 ホイール ホイール クローラ クローラ
作業床最大積載荷重
250㎏ 250㎏ 200㎏ 250㎏
作業床最大地上高 9.9m 12.0m 9.8m 12.1m
最大作業半径 8.8m 10.0m 8.0m 10.7m
消費税込標準価格 19,440 千円 20,520 千円 17,280 千円 18,360 千円

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年2月号78
新型ベンツ・アクトロス世界各国で走っているベンツのアクトロス
州のトラック市場は大幅増加したが、重要市場であるブラジル
とインドネシアは落ち込んだ。トルコでは、過去数ヶ月間の政
情不安で市場は後退、特に2015年11月〜12月は大幅
に悪化した。こした状況の中、ダイムラー・トラクは、強力
な製品と卓越した販売活動により目標を達成したことになる。
 ダイムラーの取締役ウォルフガング・ベルンハルト商用車部
門総責任者は、「当社は2015年、50万台以上のトラックを
販売し、販売台数は3年連続で増加しています。一部市場は
非常に困難でしたが、優れた製品により、ダイムラー・トラック
ス史上、最高の年を迎えることができます。これはすべて当社
ドイツのシュツットガルトに本拠を構えるダイムラー・トラッ
は、2015年の世界販売が、一部状況が困難な市場があっ
たにもかかわらず、2015年12月初頭実績で50万台に達し
た。2014年は、メルセデスベンツ、FUSO、フレートライナー、
ウェスタンスター、トーマス・ビルト・バス、バーラト・ベンツの
各ブランドで49万5700台だった。2015年度の最終販売
台数は、2016年2月4日のダイムラーAGの年次記者会見で
発表されることになっている。
 ダイムラー・トラクは、市場環境のばらつきにより一部困難
な市場があったが、目標を達成したことになる。北米および欧
世界販売…ダイムラー
話題のニュートラック新製品情報・新情報
世界最大手のトラックメーカーであるダイムラーが
2015年に50万台以上のトラックを販売
 なお、ETC2.0で導入が予定されている「商用車の運行管
理サービス」「特殊車両の通行許可の簡素化」などに対応す
る業務支援用のETC2.0車載器は、3月頃の発売を予定し
ている。
 ETC2.0では、道路に設置されたITSスポットと通信するこ
とにより、従来の料金収受や、渋滞回避、安全運転支援な
どの情報提供サービスに加え、高速道路で渋滞を迂回(うか
い)する経路を走行した車両の料金を優遇する制度などの「経
路情報を活用したサービス」が導入される予定となっている。
また、今回発売となるGPS付発話型ETC2.0一般用車載
器は、3月発売予定の業務支援用とは異なり、ユーザーの
プライバシー保護のため出発・到着地点周辺の位置情報を
ITSスポットに提供しな方式のもので、「特殊車両の通行許可
の簡素化」にも対応していない。
■主な仕様
◇型名…DIU-A010、◇外形寸法&重量…本体寸法・幅
約70㎜×高さ約97㎜×奥行約17㎜/アンテナ寸法・幅
約28㎜×高さ約16㎜×奥行約35㎜/本体重量・本体:
約101g、アンテナ:64g(ケーブル含む)、◇電源部…動
作電圧DC12/24兼用(10〜32V)、消費電流500mA
以下(12V/25℃時)、配線3線(+B、ACC、E)、◇ヒュー
マンインターフェース部…LED表示・処理OK時:緑色
LED点灯/処理NG時:橙色LED点灯・点滅、告知音・
内蔵スピーカーによる音声案内&ブザー音、カードコネクタ・
全収納式、履歴確認・最大100件(音声案内)、◇環境
仕様…保存温度範囲・マイナス40℃〜90℃/動作温度
範囲・マイナス30℃〜85℃、◇メーカー希望小売価格…オー
プン価格。

TheTRUCK2016年2月号79
バーラト・ベンツ(BharatBenz3128)
米国で好調な伸びを見せるウェスタンスター
ふそトラック(FUSOFI)
バーラト・ベンツ(BharatBenz3143)
テムのデトロイトでの現地生産を開始。同市場向けの中型エン
ジンも2018年以降にデトロイトで生産することになっている。
これにダイムラーは、合計約4億5千万ユーロを投資している。
■西欧は年間通して堅調
 西欧でも販売台数を11ヶ月間の実績で5万6000台(前
年5万500台)まで伸ばした。成長ペースは、年間通して顕
著に増加している。メルセデス・ベンツは、中・大型トラク部
グローバル・チームのすばらしい業績によるものです。私は従
業員の努力に感謝します」と述べている。さらに同氏はダイム
ラー・トラックの将来展望について、「2016年も厳しい状況が
続くでしょう。しかし当社では、2020年の販売台数目標を70
万台に設定しています」と語った。
 さらに、「ただ傍観しているという選択肢は当社にはありませ
ん。私たちは戦略を実行に移すことに注力し続けます。今年
イツで開催される『IAA国際モーターショー2016』では、技術
進化を続けている車両のコネクティビティ、効率性、アクティ
セーフティ、自律走行などの当社の高い技術力を披露します。
また6つの新しいリージョナル・センターを活用し、グローバル
プレゼンスを高めると同時にお客様により近いところでサービス
を提供します。さらに、パワートレインに加えて、グローバル共
通プラトフォーム戦略の拡大にも大きな可能性を見出していま
す」と話している。
■北米の販売台数が大幅増
 世界販売台数増加に大きく貢献したのは北米地域である。
堅調な市場と強力な製品により、記録的な販売台数を達成
する見込みだ。2015年1月〜11月期は20%増の17万
6100台(前年14万7200台)となった。マーケットシェアは
クラス6-8で39.1%(前年37.3%)に増加しており、前年に
引き続き市場をけん引している。
 ダイムラー・トラク製品の北米市場での成功要因のひとつ
は、搭載されているパワーレインの利点が、ユーザーに認めら
れたことによる。エンジン、トランスミッション、アクスルの完全
調和により、燃料効率が向上しているからだ。ダイムラートラ
クは北米市場で初めてこしたパワートレインを投入している。
DT12オートマチック・トランスミション・システムが、成功の
重要な鍵となっている。販売中のフレートライナー「Cascadia」
およびウェスタンスター「5700XE」の40%以上は、同システ
ムを搭載しており、販売実績は2014年の倍に達した。北米
の需要増に迅速に対応するため、2015年11月から同シス

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年2月号80
ThomasBuiltBuses(Saf-T-LinerC2)ThomasBuiltBuses(Saf-T-LinerFS-65)
門で市場での独走を続けており、シェアは21.9%(24.6%)
なった。
トルコは景況と政情が不安定だが、前年の高水準(1万
8900台)を上回り、2015年1月〜11月期で2万400台
に達した。一部は2016年1月1日に発効される欧州の排出
ガス規制「ユーロ6」をにらんだ駆け込み需要の効果とも考え
れる。ただその勢いは徐々に低下しており、2016年も低下し
ていくと見ている。
■冷え込むブラジル市場でもシェアは増加
 中南米での販売台数は11ヶ月間の実績で2万7900台
(前年4万4500台)に留まっている。減少は主に、ブラジ
ル市場の急激な落ち込みが原因だ。ブラジルでは2015年1
〜11月で1万5200台が出荷されたが、前年同期は3万
300台あった。このような厳しい市場環境にも関わらず、ダイ
ムラー・トラックは中・大型トラック部門でシェアを26.6%(前
年26.0%)とやや拡大させた。
 市場は現時点で冷え込んでいるが、ダイムラー・トラクは、
同市場で長期的に競争力を高めていくため、投資を継続して
いくしている。2014年〜2018年の4年間で、生産ネット
ワークの近代化、カスタマイズ製品、技術、サービスに約5
億ユーロを投資する計画だ。2015年10月、メルセデス・ベ
ンツはブラジルで、現地生産の「Accelo」「Atego」「Axor」
「Actros」の快適性、燃費、運行コストにおいて更なる改善を
行い市場に投入している。ただ市況は、2016年も引き続き
改善の見込みがないと予想されている。
■アジア市場の販売実績
 アジアでは2015年、各市場で販売実績に大きな差が見
られた。日本ではFUSOブランドが販売台数を4%増やし、
4万1600台(前年3万9000台)、シェアは20.7%(前年
20.3%)に増加した。急激な落ち込みを見せているイドネシア
では、2万9400台(前年5万1400台)に激減している。一
方でシェアは48.2%(前年47.2%)まで増加した。
 インドの販売台数は29%増の1万2500台(前年9千
700台)となった。2012年9月の市場参入以来、累計3
万台以上が出荷されている。2015年に発表した鉱山・建設
現場向けの超大型モデル「3143」も、バーラト・ベンツのシェ
ア拡大に貢献した。
 シェアは中・大型トラック部門で7.1%(前年5.9%)まで拡
大している。イド製の車両は、アジア・アフリカ地域の成長
市場を開拓する上で重要な役割を果たしている。ダイムラー・
ラックは2015年に、チェンナイの工場から新たに10ヵ国に
向けて輸出を開始した。同工場からは現在、合計20以上の
市場に出荷されている。2016年には、各国のニーズに合わ
せたこれらのFUSOトラクの供給先をらに拡大していく予定
になっている。
■6つの新リージョナル・センターによりグローバルサー
ビスを強化
 ダイムラーは今後、アフカ、アジア、中南米で顧客により
近いところでの事業展開を行い、有望市場の成長機会をとらえ
ていく計画だ。2015年10月に、6つのリージョナルセンター
の初となる拠点をドバイに開設している。リージョナル・センター
は、商用車販売とカスタマーサービスを行っている。
 2016年第1四半期には、中央アフカ地域の統括拠点と
してケニア、アフリカ南部として南ア・プレリア、東南アジア
してシンガポールにも開設する予定だ。ダイムラーは同センター
を活用して、ユーザーニーズにより迅速に、また市場ニーズに
沿ったやり方で対応していくしている。
■2015年の技術革新…「ハイウェイ・パイロット」によ
り半自律走行を実現
 ダイムラー・トラクは2015年、自律走行分野での先駆的
な役割をらに促進させた。2015年5月に、フレートライナー
「InspirationTruck」が、米・ネバダ州での公道走行実験を
許可されたが、自律走行トラクに路上走行許可が与えられた
のは世界で初めとなる。
 その5ヶ月後には、メルセデス・ベンツ「Actros」に半自律走
行システム「ハイウェイ・パイロット」を搭載した自律走行車両を
使用して、初の公道試験走行を開始。高速道路では「ハイウェ
イ・パイロット」トラックを自動操作するが、すべての責任はドラ

TheTRUCK2016年2月号81
自動運転機能を搭載した大型トラック「フレーライナー・インスレーション・トラック」
世界で活躍するいすゞのトラッ
イバーが負っている。ドライバーは交通状況を常時モニターし、
随時介入できる状態でなければならない。このため、「ハイウェイ・
パイロット」は、航空機で一般に使用されているオートパイロッ
と比較することができる。同システムには、前方搭載レーダーと
ステレオ・カメラ、またACC(アダプティブ・クルーズ・コントロー
ル)などの実証済みの支援システムも搭載されている。これらの
技術を公道でも使用できるように適合させ、すべてのコンポーネ
トが相互に完璧に動作するように、広範囲にわたりテスを繰
り返してきた。「ハイウェイ・パイロット」は、ドイツと米国ですでに
約2万㎞の試験走行を実施している。同技術が2〜3年以内
に生産段階に入るこも同社では視野に入れている。
 いす自動車㈱は、ロシアにおいていすゞ製商用車の輸入、
製造、販売を行うCJSCSOLLERS-ISUZU(ソラーズいすゞ)
の出資比率を引上げ連結子会社化した。
 具体的には、これまでに、いすが45%、PJSCSollers(ソラー
ズ)が50%、双日㈱が5%を出資していたが、今回ソラーズが
保有する50%の株式の内、いすが29%、双日が21%を取
得したことで、いすゞ74%、双日26%の出資比率となった。
 今回の連結子会社化により、いすは、今後成長が見込
めるロシア市場において主体的に事業強化を行うことが可能
となり、更なるいすゞ製商用車のブランド価値の向上と商品ラ
ンナップ・販売の拡充を図るとしている。
■ソラーズ・いすゞの概要(2015年12月25日現在)
 三菱ふそトラック・バス㈱(MFTBC)は、2016年1月か
ら6か月間にわたり、ふそう製大型トラッ「スーパーグレーV
2016年モデル」を使った、「燃費合戦〜FuelGrandPrix〜」
を開催する。
「燃費合戦〜FuelGrandPrix〜」とは、ユーザーの日常
業務でふそう製大型トラッ「スーパーグレートV2016年モデ
◇会社名…CJSCSOLLERS-ISUZU(SI)
◇所在地…ウリヤノフスク州
◇代表者…FabriceGorlier
◇主な事業株主…いすゞ74%・双日26%
◇事業内容…商用車・部品の輸入・製造・販売
◇資本金…550百万ルーブル
ル」を使用し、同じ環境下で使用する従来型車両との燃費を
比較することで、その燃費改善率を競う競技である。
 公正なルールに基づき、日々の走行距離、軽油給油量、
およびAdBlue(アドブルー=ドイツ自動車工業会の登録商標)
給水量を計測し、燃費改善率を算出する。
 全国から選ばれた、ふそう製トラクのユーザーのみならず、
ロシア子会社…いすゞ自動車
燃費合戦…三菱ふそう
話題のニュートラック新製品情報・新情報
話題のニュートラック新製品情報・新情報
成長が見込めるロシア市場の事業強化を目的に
出資比率を引上げソラーズ・いすゞを連結子会社に
スーパーグレートV2016年モデルを使用し
全国250社の運送事業者が「燃費合戦」を展開

The TRUCK News
Now
TheTRUCK2016年2月号82
越境ECサイ「ISETANJAPANDIRECT」
輸送現場に適合する4種の車型とデザインを用意
スーパーグレートV2016年モデル「燃費合戦」特別仕様車
他社製車両を使用するユーザーが、「スーパーグレートV2016
年モデル」のリアルな燃費を実感でる絶好の機会だしている。
 実施期間は2016年1月〜6月の6か月間とし、それぞ
れのユーザーは1ヶ月間の燃費アタックに挑むことになる。
MFTBCは50台の「スーパーグレートV2016年モデル」
提供し、各車両を5回の燃費アタックに使用し、合計250
社のユーザーが燃費改善率を競うもの。
 MFTBCの三輪為夫副社長・セールスジャパン本部長は、
「“スーパーグレートV2016年モデル”は、燃費性能に
優れた当社の自信作です。この“燃費合戦”は、お客様
自身の運転で燃費性能を実感していただくことを目的として
います。常日頃から省燃費運転に真摯に取り組まれている
お客様だかこそ、この“燃費合戦”の意味をご理解いた
だけるものと考えております。私たちはこの大
会を通じて、“スーパーグレートV2016年モ
デル”が挑戦者の皆様の予想を超える結果を
出すこを期待しています」と述べている。
 なお、計測結果については、随時
MFTBCホームページ特設サイトでの公開が
予定されている。また、競技に使用される車
両は次の通りである。
 ㈱三越伊勢丹ホールディングス傘下の伊勢丹シンガポール
(ISETAN(S))とヤマトホー
ルディングス傘下のヤマ
運輸㈱、ならびに㈱ANA
Cargoは、2016年1月
9日に、ISETAN⒮のEC
サイトである「IONLINE」上
で、越境ECサイト「ISETAN
JAPANDIRECT」を新設
し、日本の旬な農水産品な
どの食材をシンガポールの
消費者まで届ける「お取り寄
せ」モデルをスターさせた。
 近年、東南アジアのEC
市場は、インターネットの普
及に伴い、急成長を遂げ、世界で最も速いペースで成長し
ている市場である。なかでも
シンガポールは、東南アジ
ア随一の経済力を背景に、
ECを通して高品質な日本の
農水産品などの食材を「お取
り寄せ」したいというニーズが
高まっている。
 ISETAN⒮は、2009年
にECサイト「IONLINE」を
立ち上げている。2016年
で創業44年目を迎えるシン
ガポールで最も歴史のある日
系百貨店として、今後更に
高まる高品質な日本の食材
越境EC事業…ヤマト・伊勢丹・ANA
話題のニュートラック新製品情報・新情報
伊勢丹シンガポールとヤマト運輸、ANACargoが越境EC事業を開始
シンガポールで日本食材の「お取り寄せ」を実現
競技に使用する車両
車型 モデル エンジン
トラスミッショ
主な仕様
重量車モード
燃費値
提供
台数
FU
FU64VUZ3XVB
6R10(T3)
12 AMT
INOMAT-
エコドライブ
パッケ
4.25㎞ /L
15
FS FS64VVZ3XVB
15
FP-R
FP64VDR4XK
6R10(T4)
7段MT
セミトラクタ 3.25㎞ /L
5
FP64VDR4XKV
12 AMT
INOMAT-
10
FV FV60VJXD3X
6R10(T3) 7 MT ダンプ 4.40㎞ /L 5

TheTRUCK2016年2月号83
【図1】連続異形閉断面を高精度に成形加工
【図2】STAFの位置づけ〈概念図〉
に対するお客からの要望に応えるため、ニーズの開拓や販売
チャネル拡大を推進している。
 ヤマト運輸とANACargoは、2014年5月にパートナー
シップを強化し、沖縄国際物流ハブを基点としたビジネスモデ
ルの拡充をはじめ、日本全国の農水産品のアジアへの販路
拡大や、越境ECによる「お取り寄せ」モデルを具現化するな
ど、新たな市場の開拓に取り組んでいる。
 このたび、ISETAN⒮・ヤマト運輸・ANACargoは、越
境ECサイトでの高品質な日本の農水産品などの販売とシン
ガポールへのスピード輸送を実現し、日本の事業者・生産者
の販売機会の創出と、シンガポールで新鮮な日本食を食べた
いというニーズに応えて行く計画だ。
■取り組みの概要
⑴越境ECサイトを新設…ISETAN⒮が「IONLINE」上に
越境ECサイトとして「ISETANJAPANDIRECT」(https://
www.isetan.com.sg/t/categories)を新設し、シンガポール
の消費者が気軽に日本の高品質な食材を購入することを可
能にした。第一弾の食材として、福岡県産のイチゴ「あまおう」
を販売。
⑵日本の旬な食材をスピード輸送…ヤマト運輸とANA
Cargoが提供する国際間の小口保冷輸送サービス「国際クー
ル宅急便」などの輸送サービスを通して、高品質な日本産品
をシンガポールの購入者の自宅まで、出荷から最短翌々日の
午前中に新鮮なまま届ける。なお、購入者の要望に応じて、
最短翌日にシンガポールヤマト運輸の営業所で受け取ること
可能となっている。
■今後の展開
 シンガポールの消費者が、より多くの日本産品を購入できる
よう「ISETANJAPANDIRECT」の商品ラインナップを充実
させる他、ISETAN⒮の店頭において、定期的に日本産品
の試食会などのプロモーションイベントを実施し、日本産品の
輸出拡大に取り組んでいくしている。
 住友重機械工業㈱(別川俊介社長)は、自動車のボディや
フレームなどの車体部品を大幅に軽量化できる製造システム、
「STAF(スタフ)(SteelTubeAirForming)」を開発した。
 STAFは鋼管をプレス機の金型にセットした後、通電加熱
→高圧空気注入→成形→焼入れ、の工程を制御システムに
より、フランジ(パイプの端に設けられている鍔状の部分)
付き連続異形閉断面を高精度に成形加工できることが
特長となる。(図1参照)
 ハイドロフォーミング(プレス内の金型にパイプ形状の
素材をセット後、型締めし、高圧の液体を充填し成形す
る工法)の連続した閉断面構造を成形できる機能と、ホッ
トスタンピング(鋼板を高温で熱し、プレスで成形、焼入
れする工法)の鋼板を加熱しプレス成形した後に焼入れ
し1500メガパスカル級の引張り強度に加工できる機能
の両方の良い面を兼ね備えた、軽量かつ高強度・高剛
性な閉断面部材の製造が可能となる。(図2参照)
 さらに、世界初となるフランジ同時成形技術により
閉断面構造をフランジ付きとすることで、今までハイドロ
フォーミングなどで課題とされてきた他部材との結合に必
要な別物フランジと溶接工程を廃止させるなど、車体部
品に採用されやすい構造の提案ができるようになった。今後
は、部位ごとに980から1500メガパスカルの引張り強度を
制御できる局部焼入れ技術や、肉厚の異なるパイプを材料と
した差厚成形技術の開発を進め、多くの自動車車体部品に
適用可能となる技術の確立を目指すとしている。
軽量化製造システム…住友重機械工業
話題のニュートラック新製品情報・新情報
自動車ボディ・フレームの大幅な軽量化を実現する
製造システム「STAF」を開発

TheTRUCK2016年2月号114
購読のご案内
◆本誌は購読者への直送システムです。
本誌のご購読はハガキFAXまたは電話で直接当社へお申
し込み下さい。本誌は一般書店では販売しておりません。
ご購読者に郵便でお届けいたします。
◆月刊ザ・トラック年間購読者には割引価格
月刊ザ・トラックの年間購読料は毎号1,000円の12ヵ月分
〈12,000円〉と、1冊4,000円のTRUCKガイドブック〈3,000
円〉をプラスした15,000円です。
▲購読に関するお問合せは…
㈱日新☎03(6278)8905 FAX03(6278)8906まで
●平成28年2月号・第52巻 第2号・通巻613号
●平成28年1月28日印刷 平成28年2月1日発行
●発行人/横路美亀雄  編集人/於久田幸雄
●発行所/㈱日新 〒104ー0061東京都中央区銀座2ー11ー9
三和産工ビル7階
☎03ー6278ー8905FAX03ー6278ー8906
日新ホームページ http://www.truck-x.com
執筆/大西徳・井上元・岡雅夫・鈴木純子・中田信哉・西襄二・橋爪晃 広告/日新 表紙・レイアウト/望月満
記事&編集/秋林路篤文・於久田幸雄 
表紙/㈱KAZ2軸+4軸コンビネーショントレーラー
 毎月のことであるが月の半ばに原稿の執筆が集中して2
〜3日は昼夜パソコンと睨めっこすることになる。2月号は月初
めが正月休みで食われたため、16日と17日の土日で追い込
みにかかった。17日の明け方のこと、
󱢔󱣔
を詰め過ぎたせいか、
やや気だるさを覚えたので台所に立って、辺りが異常な静けさ
であることに気付いた。何時ものように遠くの高速道路を走る
クルマの音も近くを走る電車(総武線)の音も聞こえるのに、妙
に空気を重たく感じる。カーテンを開けると向かいの高層マン
ションはぽつぽつと灯りが点いているが、外はまだ闇夜である。
コーヒーを啜ってまたパソコンに向かったが、集中力が戻らな
いので、
󱢰󱣔󱢧󱣔
を着たままベッドに横になるとそのまま寝込んでし
まった。誰かがエレベーターを動かす音で目を覚ますと、時計
の針は既に8時を指している。4時間近くもうたた寝をしたこと
になる。NHKの「あさが来た」を観ようと電源を入れると、通
勤ラッシュ時の積雪で都内の駅が大混乱しているニュースが
流れている。この時、早朝の異常なまでの静粛が「嵐の前の
静けさ」であったことに気付いた。
 子どもの頃、山間地の郷里(広島)では一晩で1m近い積
雪になることも珍しくなかったが、大荒れする直前は外が異常
なまでに静かになったことや、大雪が積もる時は意外に寒くは
なくて“しんしんと…”の表現がぴったりであったことを思い出
していた。嵐の前に異常な静けさを感じるのは、気圧の関係
ではないかと思うが、昔の人は精密な計測器もないのに、こ
のデリケートな感覚を短い言葉で上手に表現していることに感
心する。
 この“嵐の前の静けさ”の引用は概ね「悪いことが起きる前
兆」として使用することが多い。今年10月に、
本誌は2016NIPPONトラックショーを開催する
ので、12月24日に第1回トラックショー説明会を
開催した。その直後と年明け早々には沢山の問
い合わせがきた。また、3月9日は現地の幕張メッ
セで二回目の説明会を開催して本格的な活動に
入るが、“嵐の前の静けさ”を味わうことのないよ
うに、しっかりと準備しなければならないと心に決
めている。出版社が主催する展示会は読者の
声援ほど有難いものはない。(秋林路)
 今、手もとに1冊の本がある。「命のビザ、遥かなる旅路/杉原
千畝を陰で支えた日本人たち」(北出明著・交通新聞社新書)である。
MICE関係者から頂いた本で、著者の北出氏はJNTO(国際観光振
興機構)のご出身ということなので、まったく無縁の方ではない。70年
前の悲惨な史実を脚色することなく、ただ忠実にその出来事を追ったド
キュメンタリーである。
 題材の中心人物となっている杉原千畝は、英語、ロシア語、ドイツ語、
フランス語など数カ国語を操るインテリジェンス・オフィサーとして、満洲、
フィンランド、リトアニア、ドイツ、チェコ、ルーマニアなど様々な国に滞在。
身の危険を冒しながら、混沌とする世界情勢の情報を収集し、日本に
発信し続けていた。そのため、当時のソ連から警戒され「ペルソナ・ノン・
グラータ(好ましからざる人物)」に指定された日本初の外交官でもある。
 ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発すると、ナチス
に迫害され国を追われた多くのユダヤ難民が、カウナスの日本領事館
へヴィザを求めてやって来た。必死に助けを乞う難民たちの数は日に日
に増していく。日本政府からの了承が取れないまま、千畝は自らの危険
を顧みず、独断で難民たちに日本通過ヴィザを発給することを決断す
る。その数は6000千人にもなった。
 北出氏の著書では、移民として日本を通過してアメリカに渡ったユダ
ヤ人の人々を訪ね歩く。そこには、日本人杉原千畝に命を救われた人々
の本意が語られている。そして、ウラジオストクから敦賀を経由して、
神戸、横浜まで難民となったユダヤ人を無事に送り届けたJTB職員の
並々ならぬ活躍も記されている。
 この史実をテーマとした映画『杉原千畝スギハラチウネ』が現在公開
中だ。ポーランドでは『シンドラーのリスト』(1994)を初めとした数々のハリ

ウッド映画が撮影されており、国外作品への参加経験が豊富かつ優秀
な映画スタッフが数多いことから映画『杉原千畝スギ
ハラチウネ』は、ユダヤ難民の凄惨な過去を今に伝え
るアウシュビッツ収容所のあるポーランドでのロケを敢
行している。
 杉原千畝は、なぜ自分だけでなく家族までもが危
険に晒される諜報戦に身を投じたのか。どうして政府
の許可を待たず独断でユダヤ難民にヴィザを発行し
続けたのか。終戦から70年の節目となる今こそこの
本を読み、映画を見る価値があると思う。
(於久田)
編集後記
2
2016